二夜連続ドラマ「三十路探偵・みもりんの事件簿 XLVII」旅行中に盗難事件勃発!ダサパンツを穿くレズ下着泥棒の正体とは……[字][S][デ]

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1: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:00:00.76 ID:I8rNOGzf.net
列車内

みも「……そろそろ説明してくださいよ」

じょる「なにを?」

みも「この状況をです」

じょる「んなこと言われてもただの旅行としか……」

みも「超インドア派の南條さんがわざわざ休暇とって私と旅行なんておかしいじゃないですか」

じょる「そうかぁ?」

みも「いったいなに企んでるんです?」

じょる「みもちゃんさぁ、もっと素直に旅行を楽しもうとか思わないわけ?」

みも「だって……こんなこと初めてですし」

じょる「……もしかして嫌だった? 私と旅行するの」

みも「それは嫌じゃないですけど……」

じょる「だったら余計なことは考えるな。旅費だって私持ちなんだし」

みも「だから不安なんですよ」

じょる「疑り深いねぇ……」

元スレ: 二夜連続ドラマ「三十路探偵・みもりんの事件簿 XLVII」旅行中に盗難事件勃発!ダサパンツを穿くレズ下着泥棒の正体とは……[字][S][デ]

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3: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:02:00.71 ID:I8rNOGzf.net
数日前・探偵事務所

コンコン

みも「開いてるよー」

ガチャッ

じょる「ハロー、みもちゃん」

みも「あ、南條さ――」

くす「なんちゃん警部補! こんにちは!」

じょる「うん、こんにちは」

くす「今日は何の用? もしかして私に会いに来てくれたの!?」

じょる「いや、ちょっとみもちゃんに話があって」

くす「じゃあじゃあ、私を探偵だと思って話してみて?」

みも「こら、くっすん。南條さんを困らせないの」

くす「困らせてないよ。ねっ?」

じょる「はは……」

みも「で、話って?」

じょる「その……来週暇?」

みも「はい? なんですかいきなり」
4: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:04:00.70 ID:I8rNOGzf.net
じょる「ちょっと休みとったからさ、みもちゃんさえよければ旅行でもどうかなーなんて」

くす「旅行!? わー、楽しみ!」

じょる「あ、ごめん。電車の切符二人分しかないんだよ」

くす「なら探偵じゃなくて私と行こっ?」

みも「なに言ってんの、私が誘われてるんだからくっすんは留守番!」

くす「やーだーやーだーわーたーしーがーいーくー!」

みも「駄々こねない!」

じょる「……とりあえず行くってことでいい?」

みも「はい、いいですよ!」

じょる「そう。じゃあまた連絡するからー」

ガチャッ、バタン

くす「なんちゃん警部補ぉ〜……」

………………

…………

……

バス停

じょる「ふー、ついたついた」

みも「最寄り駅からバスで50分ってアクセス悪くないですか……」

じょる「こんくらい普通だって。ひとまず宿に荷物置くよ」

みも「ふへぇ……」
7: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:07:00.71 ID:I8rNOGzf.net
宿・客室

みも「それにしてもなんにもないとこですね」

じょる「いろいろあるだろ、山とかダムとか」

みも「それをなんにもないって言うんじゃないですか?」

じょる「…………」

みも「あ〜、退屈で死にそう」

じょる「暇ならゲームでもやったら? ここ全室PCエンジンあるよ」

みも「それよりもなんか事件起きてほしいですよ。捜査したいしたい!」

じょる「縁起でもないこと言うな」

みも「はぁ、こんなことなら東京にいたほうがよかったかなぁ」

じょる「みもちゃんはそうやってすぐ事件調べたがるけど、たまにはのんびり過ごすことも必要だと思うよ?」

みも「えー、そうですかぁ?」

じょる「この旅行中は事件の捜査以外ならなんでも付き合うからさ、ちょっとゆっくりしようよ」
8: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:08:00.68 ID:I8rNOGzf.net
みも「なんでも? 今なんでもって言いました?」

じょる「あ、いや……できる範囲でって意味だからね?」

みも「ふふふ……じゃあ付き合ってもらいましょう」

じょる「み、みもちゃん? なにする気……?」

――――――

――――

――

みも「はぁ、はあっ……どうですか、南條さん……!」

じょる「どうって、言われても……んんっ!」

みも「こう見えて、体力には自信があるんですよ……ふんっ!」

じょる「ああっ! もう無理っ!」

みも「まだ始めたばかりじゃないです……かっ!」

じょる「だめっ、ほんと限界!」

みも「ちょっ、もういっちゃうんですかぁ!?」

じょる「ごめんみもちゃん、物足りないなら後は一人でやってて……」

みも「そんなぁ……私まだ――」
10: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:10:00.84 ID:I8rNOGzf.net
みも「腹筋100回しかしてないのにっ!」

じょる「そんだけすりゃ十分だろ」

みも「こんなんじゃちっとも満足できませんよ!」

じょる「知るかっ! というかなんで旅行に来て筋トレせにゃならんのだ」

みも「なんでも付き合うって言ったでしょう?」

じょる「言ったけどさぁ、これはできない範囲だよ」

みも「刑事のくせに体力なさすぎですよ」

じょる「うるせー、私は宿に戻る!」

みも「もー、しょうがないですねぇ……」

じょる「汗かいたからお風呂入るけど、みもちゃんどうする?」

みも「南條さんが入るなら私もー!」

じょる「はいはい……」

??「…………」
11: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:12:00.67 ID:I8rNOGzf.net
宿・浴場

みも「南條さん! バタフラーイ」バシャバシャ

じょる「泳ぐな。小学生か。あとそりゃ犬かきだ」

みも「南條さんは泳がないんですか? せっかく貸切状態なのに」

じょる「んなアホなことするのはみもちゃんだけで十分だっつーの」

みも「そうですか……ふむ、よしっ」

じょる「なにが『よしっ』なんだ」

みも「いやぁ、南條さんには勝ってるなーと思って」

じょる「……喧嘩売ってんのかコラ」

みも「もー、怒っちゃダメですよぉ」

じょる「怒らすようなことしてんのは誰だ! というか私は負けとらんわ!」

みも「ええ? 本気で言ってますぅ?」

じょる「こいつ……そもそもみもちゃんはあの助手に完敗だろ」

みも「ぐっ! 今私の心は深く傷つきましたよ……」

じょる「ざっまぁ〜! へへへ」
14: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:14:00.67 ID:I8rNOGzf.net
客室

みも「南條さん、ちょっと変だと思いませんか?」

じょる「なんだ藪から棒に」

みも「だって私たち二人が揃ってて、ここへ来てから今までまったく事件が起きてないんですよ?」

じょる「平和でいいじゃん」

みも「いつもならもうとっくに事件が起きてるはずなんです!」

じょる「この村で事件なんて起きるわけないって」

みも「……どういうことですか?」

じょる「だってこの村で最後に事件が起きたのって、五年以上も前なんだよ?」

みも「はい?」

じょる「まあ、この宿の客室に鍵がついてないくらいには平和ってことだね」

みも「ええええええええええ!?」

スーッ

しか「お食事の時間ですよー」
16: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:16:00.81 ID:I8rNOGzf.net
じょる「あ、どうもー。ほらみもちゃん、美味しそうな料理だよぉ〜?」

みも「ふんっ!」

じょる「おーい」

みも「…………」ムスー

じょる「そんな怒んなくてもいいでしょ」

みも「……ひどいです、私が事件大好きなの知ってるくせに」

じょる「でもさ、休息ってのは大事なんだよ? 動けなくなる前にしっかり休まないと」

みも「私は南條さんと違って元気なんですよ、若いから」

じょる「ムカッ……」

みも「考えてみてください、私から事件を取ったらいったいなにが残ると思いますか?」

じょる「なにって……さあ?」

みも「私に残るのは、優れた頭脳と類稀なる美貌と富と名声とあれとこれと……おお、結構残りますね」

じょる「なんなんだよもう!」

みも「とにかくっ! この穴埋めはきっちりしてもらいますから」

じょる「あー、はいはいわかりましたよ」
17: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:18:00.74 ID:I8rNOGzf.net
二時間後

スーットンッ

みも「ふー、いっぱい買ったぁ!」ドサッ

じょる「それ全部飲むつもり?」

みも「残ったら東京まで持って帰ります。とりあえず一杯やりましょうよ!」

じょる「あいよ。えっとグラスは……あれ? このパンツみもちゃんの?」

みも「ん? いえ、違います。私そんなダサいパンツ穿きませんよ」

じょる「じゃあ誰のだ?」

みも「南條さんのじゃないんですか?」

じょる「私のじゃないから聞いたんだよ、というか自分のが見当たらないんだが……」

みも「あらら、おパンツなくしちゃったんですか? 私の穿きます?」

じょる「ちゃんと替えぐらい持ってきてるわ! というか今も穿いてるっての」

みも「冗談ですよぉ! ……おや? 見覚えのないパンツ……これ南條さんのですか?」

じょる「ちゃう」

みも「えー、誰のだろう?」
19: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:20:00.77 ID:I8rNOGzf.net
じょる「もしかして、みもちゃんのパンツもなくなってんじゃない?」

みも「まっさかー……あれ、ほんとにないぞ〜?」

じょる「ねえみもちゃん……考えたくはないんだけど、これ盗まれたんじゃないか?」

みも「そんなぁ! あれお気に入りのやつだったのに!」

じょる「もし盗まれたんだとすると、このパンツは犯人のものかも……」

みも「えー? どれ……」クンクン

じょる「嗅ぐな」

みも「うげっ、これ使用済みだ!」ポイッ

じょる「なぜこっちに投げるっ!」サッ

みも「くっそー、事件が起きたはいいけど自分が被害者になるとは……」

じょる「みもちゃん、このパンツどう見ても女物だよね?」

みも「ですね」

じょる「においも女だった?」

みも「うーん……たぶんそうだと思います」

じょる「ってことは、みもちゃんの出番だね」

みも「……え?」
20: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:22:00.86 ID:I8rNOGzf.net
ロビー

じょる「すみません、宿泊者名簿見たいんですけど」

しか「はい?」

みも「……なんか女将さんって不倫した恋人殺しそうな顔してるね」

しか「は?」

じょる「ごめんなさい! この子バカだもんで失礼なことを……」

みも「私バカじゃないですよ!」

じょる「いいから早く謝って!」

しか「あー、いいよ。気にしてないで」

じょる「ほっ。心が広い人でよかった」

しか「でもさすがに名簿はちょっと……」

みも「どうしてもだめ?」

しか「個人情報だでね」
21: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:24:00.73 ID:I8rNOGzf.net
じょる「じゃあ……これならどうかなー?」チラッ

しか「あっ、警察の人?」

じょる「見せてくれる? 令状はないんだけど……」

しか「はいどうぞ」スッ

みも「おぉ、いいんだ」

じょる「えっと、女の宿泊者は……ん?」

みも「どうしました?」

じょる「今日ここに泊まってるのって全員女だ」

みも「見せてください……ええっ!?」

じょる「いきなり大声出すなっ」

みも「いや、だってここ! これくっすんですよ!」

じょる「ああ、あの助手の……えっ!? あの助手の!?」
23: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:26:00.79 ID:I8rNOGzf.net
客室前

トントン

くす『は〜い』

スーッ

くす「あ」

みも「こんばんは、くっすん」

くす「くっすん……? くっすんって誰?」

じょる「おい」

くす「わー! なんちゃん警部補!」

みも「やっぱくっすんじゃん」

くす「しまった!」

みも「留守番しててって言ったよね? なんでこんなとこにいるの?」

くす「な、なんでだろ〜? くっすんぜんぜんわかんなーい」

みも「ふざけるな」ペシッ

くす「いてっ」

みも「とりあえず盗ったもの返してくれる?」
24: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:28:00.86 ID:I8rNOGzf.net
くす「……? なんの話?」

ペシッ

くす「アウチッ!」

みも「とぼけるならまたぶつよ?」

くす「もうぶってるし……」

みも「いいから早くパンツを返しなさい」

くす「パンツ? パンツがどうかしたの?」

みも「むっ!」スッ

くす「待って待って! ほんとに知らない!」

じょる「私とみもちゃんのパンツ盗んだんじゃないの?」

くす「そんなことしないよ! まあなんちゃん警部補のパンツだったらほしいけど……探偵のパンツにはなんの価値もないよ」

みも「なんだとぉ!?」

じょる「落ち着けみもちゃん。つまり、パンツは盗んでないのね?」

くす「うん」

みも「なら誰がパンツ盗んだっていうんですか?」

じょる「もし犯人が今この宿の中にいるなら、簡単に見つけられるはずだよ」

みも「どうやって見つけるんです?」
25: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:30:00.84 ID:I8rNOGzf.net
じょる「部屋に残されたパンツが犯人のものだとすると、そいつは女でなおかつレズの可能性が高い。だからみもちゃんの能力を使えば一発よ」

みも「……嫌です」

くす「探偵?」

みも「私はもう能力は使わないって決めたんですっ」

じょる「どうして?」

みも「私の能力は、誰も幸せにはできませんから。なんの役にも立たないんですよ」

じょる「本当にそう思ってる?」

みも「……はい」

じょる「なら、試してみようよ」

みも「試す?」

じょる「みもちゃんの能力で、下着泥棒を特定できるかどうか」

みも「でも――」

じょる「よし、んじゃ早速始めるぞ!」

みも「待ってください! 私まだやるなんて言ってないですよぉ!」

ナレ『説明しよう。世の中には三十路を迎えると特殊能力が発現する選ばれし人間がいる』

ナレ『みもりんはその能力者の一人なのだ!』

ナレ『彼女は女性の手を握るだけで、相手がレズなのかどうかを瞬時に判別できる』

ナレ『その能力が事件解決に役立つかどうかは、みもりんの運次第!』
26: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:32:00.69 ID:I8rNOGzf.net
客室前2

りぴ「握手……?」

じょる「そう。この綺麗なチャンネーと」

みも「南條さんっ!」

りぴ「まあいいけど……」スッ

じょる「ほれ握れ」

みも「……わかりましたよ」ニギッ

ビビッ!

みも「あ、レズ。ってことは犯人は……あなたですっ!」ビシッ

りぴ「犯人?」

じょる「えっ、ほんとにレズだった?」

みも「間違いないです。早く逮捕してください」

じょる「一応他の客も確かめてみよう。ね?」

みも「えー……」
27: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:34:00.75 ID:I8rNOGzf.net
客室前3

うち「握手? なんで?」

じょる「なんでって言われても……」

みも「うーん、これは連続痴漢事件を起こしてそうな顔だ」

うち「……今私の顔見て言った?」

みも「うん」

うち「ちょっと面貸しな」ガシッ

みも「えっ、えっ? ちょっ、たんま!」ニギッ

ビビッ!

みも「おお、またレズだ! 今度こそ犯人ですよ南條さん!」

うち「何の話だよ、いいからこっち来い!」グイッ

みも「ひいぃ! 犯されるー!」

じょる「ストップストップ! 見てこれほれ!」スッ

うち「……警察? や、やだ、別になんにもするつもりはなかったんですよ?」

みも「絶対犯人この人ですよぉ!」

じょる「ね、念のためもう一人も確認するよ」
28: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:36:00.78 ID:I8rNOGzf.net
客室前4

そら「ど、どうぞ……」スッ

みも「んじゃ失礼」ニギッ

ビビッ!

みも「うへぇ、この子もレズ……」

じょる「ええっ?」

そら「なっ! どうしてわかっ……あ、いや私そういうんじゃ――」

みも「南條さん……一体誰が犯人なんですか?」

じょる「それはぁ、えっとぉ……誰だろねー?」

みも「はぁ……やっぱり私の能力なんて、なんの役にも立たないんですね……」

じょる「う……」

みも「今度こそ、この能力は封印します。二度と使ったりしませんから……」

じょる「み、みもちゃん、今日はひとまず部屋に戻って寝よう? 疲れたでしょ?」

みも「……はい」
29: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:38:00.69 ID:I8rNOGzf.net
客室

みも「ぐー……かーんてーんぱっぱ……」スヤスヤ

じょる「あー、やっぱ私はダメだなぁ」

くす「ダメってなにが?」

じょる「……この村に来たのってみもちゃんを励ますためだったんだけど、なんか逆に落ち込ませちゃってさ」

くす「探偵を励ます? あんなに脳天気なのに?」

じょる「一緒にいてわかんない? この間の痴漢事件の時から、みもちゃんずっと元気ないよ」

くす「そうかなぁ、気のせいじゃない?」

じょる「まあ本人は気付かれないようにしてるんだと思うけどね、やっぱりわかっちゃうんだよ」

くす「ふーん……よく見てるんだね、探偵のこと」

じょる「見てなくても勝手に視界に入ってくるから」

くす「あー……」

じょる「それになんだか放っておけないんだよね、みもちゃんって」

くす「…………」
30: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:40:00.71 ID:I8rNOGzf.net
翌日

みも「通報したんですか? 警察に」

じょる「とりあえずね」

みも「……犯人はこの宿の中にいるんですかね?」

じょる「もしかしたら外部の人間かもしれない」

みも「それならどこかに侵入した形跡が残ってるはずですよね?」

じょる「警察が来たら調べてもらおう」

みも「ですね……って、調べてもらえるんですか?」

じょる「ん?」

みも「だって盗まれたって言ってもたかがパンツ二枚ですし」

じょる「……一応ある程度の捜査はするんじゃない?」

みも「そうですかねぇ」

じょる「そうだと、いいね」

みも「南條さん……今回の事件、今までで一番スケールが小さい気がします」

じょる「言うなっ!」
32: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:42:00.73 ID:I8rNOGzf.net
三十分後

えみ「警察でーす」

ぱい「おはようございまーす!」

みも「あ、来ましたよ!」

じょる「うわぁ、マジかぁ……」

みも「ん? 知り合いかなんかですか?」

じょる「いや……」

えみ「おっ、被害者の人?」

みも「そうでーす」

えみ「災難だねぇ、パンツ盗まれるなんてっ!」

みも「ちょっ、あんまり大きな声で言わないで……」

えみ「ごめんごめん。あ、女将さーん! 宿泊者名簿見してくれる?」スタスタ

ぱい「待って〜」スタスタ

えみ「ああ、部下ちゃんは他の宿泊客呼んできて」

ぱい「はーい!」タッタッタッ

じょる「うーん、来たのは二人だけか……」

みも「やっぱりちゃんと捜査する気はなさそうですね」

………………

…………

……
33: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:44:00.82 ID:I8rNOGzf.net
えみ「出席とりまーす。えー、飯田里穂さんは……」

りぴ「私です」

えみ「次、内田彩さん」

うち「はい」

えみ「それから徳井青空さん」

そら「あっ、私私!」

えみ「あと楠田亜衣奈さん」

くす「はーい!」

えみ「で、南條愛乃さんが……」

じょる「私だ」

えみ「最後に、園田海未さん」

シーン……

えみ「園田海未さーん!」

みも「……あっ、私か。はいはい!」

えみ「うん? ちょっと返事遅くない?」

みも「あ、いや……ちょっとぼーっとしてて。えへへ」

じょる「今の偽名でーす」

みも「ちょっ、南條さん!」
34: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:46:00.70 ID:I8rNOGzf.net
えみ「偽名? どうして偽名なんて使ってるだ?」

みも「いや、それはなんというか事情があって……」

えみ「怪しいな……ちょっと署まで来てもらおっか」

みも「えっ、なんで!?」

ぱい「パトカーはこっちだよ」

みも「私は被害者だってば! 助けて南條さん!」

じょる「あー、たぶんみもちゃんは犯人じゃないよ」スッ

えみ「ん……? あ、同業者か」

みも「まったく余計なこと言わないでくださいよっ!」

じょる「偽名なんか使うほうが悪い」

みも「だってぇ……」

えみ「えー気を取り直して、犯行時刻は二人が買い物に行っていた午後7時半から8時までの30分で間違いない?」

みも「盗むタイミングはそこしかなかったはずですよね?」

じょる「お風呂入ってからはずっと部屋にいたしねぇ」

えみ「その時間、それぞれどこでなにをしていたか聞かしてくれるかや?」

りぴ「私は部屋で一人でテレビ見てました」

そら「あっ、私も一人でテレビを……」

うち「私は部屋でお酒飲んでました」
35: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:48:00.73 ID:I8rNOGzf.net
みも「くっすんはなにしてたの?」

くす「くっすんは……部屋にいたよ?」

みも「ほんとかぁ?」

じょる「正直に話さないと、後で面倒なことになるよ」

くす「ほんとはなんちゃん警部補のあとを付けてました!」

みも「このストーカーめ!」

くす「うるさい貧乳」

みも「ぐぎぎ……」

えみ「じゃあアリバイを証明できるって人は?」

シーン……

えみ「よし、全員怪しいと」

みも「あ! ちょっといい?」

えみ「ん?」

みも「この事件、ちゃんと調べるつもりなの?」

えみ「調べるに決まってるら」

みも「でもさ……その、盗まれたのが……ねぇ?」

えみ「ああ、パンツごときでまともな捜査はしないんじゃないかって?」

みも「う、うん。まあそんな感じ……」
36: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:50:00.64 ID:I8rNOGzf.net
えみ「たしかに普通なら被害届受理して終わりだけん、村で事件が起きるなんてまぁずはぁるかぶりだもんで」

みも「んん……?」

えみ「絶対犯人捕まえろーって上がしゃらうるっさくて、そりゃあもう手ぇ抜くわけにいかねえずら?」

みも「……あっ、はい」

じょる「今の話、理解してた?」

みも「たぶん半分くらいは……」

えみ「話戻していい?」

みも「どうぞ……」

えみ「これ、この宿の見取り図なんだけど……被害者ーズが泊まってたのはこの4号室だよね?」

みも「イェス」

えみ「ここは一番奥の部屋だから、宿泊客なら女将さんに気付かれずに部屋に入れるはず」

ぱい「防犯カメラもロビーにしかついてないもんね」

しか「いやぁ、実はあのカメラも壊れちゃってんだよねー、あはは」

じょる「セキュリティがザルすぎる……セコム入れろよ!」

えみ「それから外部の人間が犯人だとしたら、正面から侵入したとは考えにくい」

みも「まあ普通は裏口から入って、そこから一番近い私たちの部屋を漁ったって考えるよね」

しか「でも裏口はちゃんと鍵かってあるけど……」

えみ「見に行ってみよう」
37: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:52:00.73 ID:I8rNOGzf.net
裏口

ガチャガチャ

みも「一応鍵はかかってるみたいだね」カチャッ

ガチャッ

みも「……ピッキングした形跡もなし!」

じょる「わかるのか」

えみ「鍵を盗まれたりはしてない?」

しか「確認してくる!」タッタッタッ

みも「南條さん南條さん」

じょる「なにかね」

みも「女将が犯人って可能性はありませんかね?」

じょる「女将ぃ? なんで?」

みも「だってあの人にだけアリバイ聞いてないじゃないですか」

じょる「あー、そういやそうだったね」
38: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/06(木) 21:54:00.74 ID:I8rNOGzf.net
みも「絶対怪しいですよ」

じょる「そうかぁ?」

みも「きっと裏口の鍵はなくなってるはずです。そしてそれは外部に犯人がいると思い込ませるための自作自演」

じょる「女将じゃないと思うけどなー」

みも「いいえ女将が犯人です。100円賭けてもいいですよ」

じょる「安いわ」

みも「あっ、来ました!」

しか「あったよー! 鍵!」

みも「あれれぇ〜?」

じょる「ほら、100円よこせ」

みも「いや、まだ犯人じゃないと決まったわけじゃ……」

ぱい「やっぱりお客さんの誰かが盗んだのかな?」

えみ「うーん……わからないからひとまずもう少し中を調べるかぁ」

ぱい「わっかりましたー!」

えみ「うん、いい返事だ。あ、宿泊客のみんなはくれぐれも宿の外に出ないように!」

第二夜へつづく
47: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:00:00.88 ID:gA0zA4co.net
――昨夜のみもりん

みも『私、みもりんには女の子の手を握ると相手がレズかどうかがわかる特殊能力があります』

みも『そんな私はただいま仲良しの刑事、なんじょーるの警部こと南條さんととある村へふたりっきりで旅行中』

みも『ところが、なんとそこは日本一犯罪発生率の低い村(みもりん調べ)だった! これじゃ事件に遭遇できない!』

みも『だからもう東京に帰りたいなーと思っていたら、なんとなんと私と南條さんの下着が盗まれた!』

みも『事件は起きてほしかったけど、私が被害者になるなんて聞いてないよ!』

みも『そんなこんなで犯人探しを始めると、なぜか助手のくっすんが同じ宿に泊まっていて……』

みも『正直言ってものすごーく怪しい。でもどうやらパンツは盗ってないみたい』

みも『現場に残されたダサパンツから、南條さんは犯人がレズであると予想』

みも『下着泥棒を探すため私が嫌々宿泊客の手を握ると、驚いたことに全員レズ!』

みも『私の能力を使えば一発だって南條さん言ったじゃないですかやだー!』

みも『結局警察を呼んで捜査してもらうことになったんだけど、やってきた刑事の訛りがきつくてつらい……』

みも『外部から侵入した形跡もなければ怪しいと思った女将も白っぽいし、いったい誰が犯人なの?』
48: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:02:00.54 ID:gA0zA4co.net
ロビー

じょる「ちょっといい?」

しか「んー?」

じょる「昨夜の犯行時刻の間、女将さんはどこでなにしてた?」

しか「ずっとここにいたけど」

じょる「じゃあ入口から誰かが入ってきたら絶対に気づくよね」

しか「そりゃあ気づくずらぁ」

じょる「でも裏口から入られたらここからじゃ気づかない」

しか「そうだね」

じょる「うーん……裏口以外から侵入するのって可能かね?」

しか「あと入れそうなのは窓くらいだけど、そっちも鍵はかってたよ」

じょる「ちょっと裏口の鍵見せてくれる?」

しか「はいよ」スッ

じょる「ふむ……鍵だな……」

しか「あっ、そういえば――」
49: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:04:00.41 ID:gA0zA4co.net
客室

じょる「みもちゃー……ん?」

うち「あ、お邪魔してまーす」

みも「南條さんなにしてたんですか?」

じょる「そっちこそなにしてる」

みも「見ての通り、お酒飲んでるんですよ。ねー?」

うち「ねー」

じょる「この昼間っから? ていうかいつの間に仲良くなったんだお前ら」

みも「なんかぁ、うっちーがこの宿にあるお酒全部飲んじゃったみたいで……」

じょる「全部!?」

みも「でも事件のせいで新しいお酒買いに行けないって言うから、部屋に呼んであげたんですよ」

じょる「へー……」
51: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:06:00.42 ID:gA0zA4co.net
みも「でねでね、話してみたら意外といい子ですっかり意気投合しちゃって。えへへ」

うち「うふふー」

みも「そんなことより南條さんも飲みましょうよぉ、昨夜飲めなかったでしょ〜?」

じょる「完全に酔っ払ってるな……せっかく新情報手に入れたってのに」

みも「え! 麦焼酎手に入れた!?」

うち「わー、飲みます飲みますー」

じょる「違うわ! 事件の新情報を手に入れたっつってんの!」

みも「事件の? なんですか?」

じょる「女将さん、裏口の鍵をついこの間紛失したんだって」

みも「えっ、鍵なくしちゃってたんですか? じゃあさっきの鍵は?」

じょる「落とし物として警察に届けられたから無事に戻ってきたみたいだよ」

みも「なるへそぉ」

じょる「で、その鍵を宿まで届けたのが――」
52: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:08:00.42 ID:gA0zA4co.net
ロビー

ぱい「うん、私が鍵を返しに来たの」

みも「落とし物として届けられたってことは、宿の外に落ちてたってことですよね?」

じょる「まあ宿の中に落ちてたら警察じゃなく女将に届けるわな」

えみ「というか私そんな話聞いてないんだけど」

ぱい「あっ、言うの忘れてた! ごめんね?」

えみ「……次から気ぃつけるんだよ」

ぱい「はーい」

みも「うーん、鍵をなくしてたとなるとその時に犯人が合鍵を作ったのかもしれない」

えみ「合鍵を使ったならピッキングの形跡が残らなくてもおかしくないか……」

みも「あ、そういえば鍵届けたって言ってたけど、どうしてこの宿の鍵だって分かったの?」

ぱい「鍵にこの宿の名前が書いてあったから」

みも「そっかぁ……ん? だったら拾った人はなんで宿じゃなくて警察に鍵届けたんだろ」

えみ「拾った場所が宿よりも警察に近かったから……とか?」

じょる「どこで拾ったかは聞かなかった?」

ぱい「聞いてない……」

みも「その拾い主と話できないかなぁ」

ぱい「あ、それなら届けてもらったときに連絡先書いてもらったよ」
53: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:10:00.38 ID:gA0zA4co.net
警察署

ぱい「たしかこの村に住んでる人だったはず……これだ」ペラッ

みも「うわ、字が汚い」

じょる「いいから読め」

みも「えーと、名前は若浦怜美。住所は『長野県俳協郡衣梨川村志屋武8-9』?」

じょる「……どの辺?」

えみ「待って、この村に志屋武なんて地名存在しないんだけど」

じょる「つまりこれはでたらめな住所?」

みも「そうなるとこの鍵を届けた人物が怪くなってきますね」

えみ「その人の顔は覚えてないだ?」

ぱい「覚えてる!」

みも「どんな顔?」

ぱい「えっとね、目がふたつあって、鼻があって、その下に口があって……」

えみ「バカちゃん」

ぱい「バカ?」
54: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:12:00.31 ID:gA0zA4co.net
えみ「間違えた、部下ちゃん。それは大抵の人間が当てはまる。もっとこう、特徴的なのをさ」

ぱい「そんなこと言われても……」

みも「なんでもいいから覚えてることはない?」

ぱい「う〜ん……へそのあたりまで出かかってるんだけど……」

みも「それは出かかってるとは言わないね」

えみ「顔以外にも背が高いとか低いとか、なにかあるずら?」

ぱい「身長は152cm!」

じょる「測ったのか」

みも「他には?」

ぱい「なんかテンションが高くてうるさかった!」

えみ「……こんな情報じゃ特定は無理だな」

みも「そうだ! 部屋にあったダサパンツをDNA鑑定すれば――」

えみ「無理無理、そんなんで見つかるわけねえずら」

みも「どうして?」

じょる「個人を特定できるほどデータベースにサンプルないからねぇ」

みも「そうですか……」
55: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:14:00.40 ID:gA0zA4co.net
宿・ロビー

みも「ただいまー」

くす「あ、探偵」

みも「みんなは? 部屋?」

くす「うん。あ、でもさっき一人出てったよ」

えみ「出てった!? 誰が!」

くす「内田って人がお酒買いに」

えみ「なんで止めなかっただ!? みんな宿から出るなって言ったずら!」

くす「ひっ、ごめんなさい……」

ぱい「ど、どうする?」

えみ「とりあえず戻ってくるのを待つけん、戻ってこんかったら……」

みも「でも私はうっちーは犯人じゃないと思うんだけどなぁ」

えみ「憶測で適当こくでねえ!」

じょる「あれ、女将さんどこ行った?」

くす「お風呂掃除だって」

じょる「そう」
56: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:16:00.40 ID:gA0zA4co.net
みも「……そういやなんでくっすんはロビーにいるの?」

くす「んー? 女将さんに『これからお風呂掃除するで代わりにここいてもらっていいかや?』って頼まれたの」

えみ「はぁ〜……呆れた」

くす「え?」

みも「くっすんはアレだね。留守番できないんだね」

うち「おー? なんか賑やか〜」

じょる「あ、帰ってきた」

みも「うっちー! ダメだよ勝手に外出ちゃあ」

えみ「外でなにしてただ」

うち「部屋にあったお酒がなくなっちゃったから、ちょっと買い物に」

みも「えっ、私が買ったお酒全部飲んじゃったの!?」

うち「うん。お酒飲むくらいしかやることないんだもん」

えみ「それ、どこの店で買っただ?」

うち「すぐそこのお店」

えみ「部下ちゃん確認しに行って」

ぱい「りょーかーい!」
57: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:18:00.42 ID:gA0zA4co.net
うち「じゃあ私部屋でお酒飲むからバイバーイ」

えみ「待て待て、まだ話は終わっとらん」

しか「おっ、刑事さんたち戻ってたんだ。留守番ちゃんとしてくれた?」

くす「バッチグーだよ!」

みも「嘘をつくな」

じょる「さて、みもちゃん。次はどうする?」

みも「まずは例の若浦怜美とかいう女を探したいんですけど……」

じょる「まあ名前から探すのは無理だろうね。住所が嘘なら名前だって嘘に決まってる」

みも「うーん、いったいどうすれば……」

じょる「みもちゃん言ってたよね、犯人は合鍵を作ったのかもしれないって」

みも「……あっ、そっか! 合鍵を作れる店に行けば、店員が犯人の顔を覚えてるかも!」

じょる「うん、似顔絵ぐらいは作れるかもしれない」

みも「なら早速行きましょうよ!」

じょる「部下ちゃんが戻ってきたらね」
58: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:20:00.35 ID:gA0zA4co.net
鍵屋前

じょる「はぁ……空振りか」

みも「ここ以外に合鍵を作れる店ってないの?」

えみ「村ん中じゃここぐらいだで、他探すんなら市街地まで行かないと」

みも「そっか……」

じょる「大丈夫だって、みもちゃん。諦めるのはまだ早いよ」

みも「気休めならやめてください」

じょる「…………」

ぱい「やっぱり犯人捕まえられそうにないね」

えみ「こらっ! 被害者の前でなに言ってるだ!」

ぱい「あっ、ごめん……」

みも「いいよ別に、実際そうなんだし」

えみ「……いや、たとえどんなに時間がかかっても犯人は必ず捕まえる」

みも「えっ?」

えみ「刑事の仕事は、そういうもんずら?」
59: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:22:00.39 ID:gA0zA4co.net
宿・客室

くす「ま、捕まんなくてもしょうがないよね。諦めなよ」

みも「イラッ……犯人も盗むならくっすんのを盗めばよかったのに。あっ、でもそんな物好きいないか! ぷぷぷ」

くす「うわーん、探偵がいじめるー! なんちゃん警部補ぉ〜」

じょる「あー、よしよし。みもちゃんはあんまり助手をからかうな」

みも「先に喧嘩売ってきたのくっすんじゃないですか! というかなんでここにいるの? とっとと部屋戻りなよ」

くす「あっちの部屋は譲るから探偵が出ていきなよ。しっしっ!」

みも「うっわー! 南條さん、こいつ殴っていいですか?」

じょる「なぜ私に聞く。そして助手も挑発するな」

みも「とにかくくっすんは出てって!」グイッ

くす「引っ張らないでよー!」

みも「よいしょっと!」ポイッ

くす「いてっ!」ドサッ

みも「今日はもう部屋でおとなしくしてなさい。じゃあね」

くす「ちょっ、たんて――」

ピシャッ
60: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:24:00.30 ID:gA0zA4co.net
みも「それじゃあ作戦会議といきますか」

じょる「いいの? あんなに邪険に扱って」

みも「いいんですよ、日頃の行いが悪いんだから」

じょる「もうちょっと優しくしてあげてもいいと思うけど」

みも「えー? くっすんの肩持つつもりですかー?」

じょる「そうじゃなくてさ、あの子だっていつまでもみもちゃんとこにいてくれるとは限らないんだよ?」

みも「はい?」

じょる「あんまり意地悪してると、みもちゃんが見捨てられちゃうよってこと」

みも「はあ……よくわかんないですけど」

じょる「わかれよ」

みも「それより今は事件のほうが大事です!」

じょる「ああうん、事件ね」

みも「犯人を見つける方法を探さないと」

じょる「……その前にもう一回事件を最初から考え直してみない?」

みも「最初から? 犯人がダサパンツを置いてった理由とかですか?」

じょる「それもだけど……侵入方法とかさ」
61: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:26:00.39 ID:gA0zA4co.net
みも「女将や客が犯人なら外から侵入する必要はないですよ」

じょる「まずは外から入ったと仮定して考えようよ、ね?」

みも「まあいいですけど……外から出入りできるのは正面玄関か裏口か、あとはどこかの窓ってところですかね」

じょる「うん。でも正面玄関から入るとなると、女将が邪魔になる。それに壊れているとはいえロビーには防犯カメラもあるし」

みも「ふむ……侵入経路としては一番選びたくありませんね」

じょる「だね。正面玄関から入った可能性はほぼゼロだと思う」

みも「じゃあ残るは裏口と窓か。裏口は鍵かかってましたけど、窓の鍵って確認してないですよね?」

じょる「いや、それは女将が確認してた。ちゃんと鍵はかかってたって」

みも「女将が嘘をついてるかもしれません」

じょる「なんでそんな嘘をつく必要がある」

みも「犯人とグルなんですよきっと」

じょる「……みもちゃんはどうしたって女将を犯人にしたいみたいだね」

みも「なんというか、私の第六感がそう告げているんですよ」

じょる「また非論理的な……」

みも「実はうっちーと最初に話したときも犯人かもって思ったんですよね」
62: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:28:00.35 ID:gA0zA4co.net
じょる「ふーん、たぶんどっちもみもちゃんの思い違いだよ」

みも「そうかなぁ……」

じょる「そうだよ、ふたりとも犯人じゃないって」

みも「……もしかして南條さん、本当はもう犯人わかってるんじゃないですか?」

じょる「えっ?」

みも「なんかどうもそんな気がするんですよね。気のせいかもしれませんけど……」

じょる「あはは、実はそうなんだよ」

みも「あー、やっぱりぃ……ん? 嘘っ、マジですか!?」

じょる「マジだよ」

みも「なら誰が犯人か教えて下さいよ!」

じょる「それはまだ内緒」

みも「えー」

じょる「ひとつ言えるのは……」スクッ

みも「……?」

じょる「犯人は……この宿の中にいる!」キリッ
63: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:30:00.30 ID:gA0zA4co.net
みも「……あ、はい」

じょる「…………」

みも「す、座ったらどうです?」

じょる「……うん」スッ

みも「で、その犯人は裏口から侵入したと南條さんは考えているわけですね?」

じょる「そう。ただどうやって裏口の鍵を開けたのかがわからない」

みも「うーん……どうやったんですかねぇ」

じょる「そういやみもちゃん裏口にピッキングの形跡はないって言ってたけど、なんでそんなことわかるの?」

みも「ああ、私前にピッキングの練習をしたんですけど」

じょる「は?」

みも「その時にピッキングされたかどうかの見分け方を発見しまして……」

じょる「ちょっと待て、ピッキングの練習ってなんだ。まさかどこかに忍び込むつもりだったとか言わないよね?」

みも「違います違います! あれはちょっとした好奇心というか、ね?」

じょる「……まあ今は気にしないことにする」

みも「ありがとうございます……」
64: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:32:00.38 ID:gA0zA4co.net
じょる「しかし鍵の謎が解けないとちょっと困るなぁ」

みも「あ! 特殊能力を使ったとか!」

じょる「あのね、みもちゃんみたいな能力者がそうそこら中にいるわけじゃないんだよ?」

みも「うむぅ……」

じょる「もっと真面目に考えなさい」

みも「……そうだ!」

じょる「何か思いついたの?」

みも「はい、ちょっとスマホで調べてみます。ここ田舎の割にフリーWi-Fi使えるんで」

………………

…………

……

みも「ふふ……ふふふふ……」

じょる「みもちゃん?」

みも「南條さん……この事件、解決できそうですよ。行きましょう!」

じょる「……どこへ?」
65: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:34:00.30 ID:gA0zA4co.net
翌日

みも「よーし、全員揃ったね」

えみ「犯人がわかったって本当だだ?」

みも「ほんとほんと、私生まれてから一度も嘘ついたことないから」

えみ「いや、ここ泊まるのに偽名使ってたずら」

みも「…………」

じょる「みもちゃん?」

みも「では早速始めたいと思いますけども」

くす「おいっ」

みも「ズバリ! 犯人は宿泊客の中にいます! ……あっ、私と南條さんとくっすん以外ね」

ぱい「ってことは、飯山さんと」

りぴ「飯田だよ」

ぱい「上田さんと」

うち「内田ね」

ぱい「野沢温泉さんの中に犯人が!?」

そら「待ってその間違い方はおかしい」
66: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:36:00.35 ID:gA0zA4co.net
しか「……で、犯人は誰だだ?」

みも「それを今から特定します」

えみ「特定ってどうやって?」

みも「盗まれたのはパンツ、そしてパンツは穿くもの……つまり犯人は今、私のパンツを穿いているはず!」

くす「えー、穿くかなぁ?」

みも「くっすんは黙って! というわけで、ちょっと失礼!」バサッ

りぴ「きゃっ!」

くす「うわー! 変態だー!」

ぱい「ど、どうする? 逮捕する?」

じょる「ごめんね、もうちょっとだけ付き合って」

みも「違うな……次っ!」バサッ

うち「あっ!」
67: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:38:00.93 ID:gA0zA4co.net
みも「これも違う……三度目の正直!」バサッ

そら「ひぃっ!」

じょる「……しかしひどい絵面だなぁ」

くす「なんなのこれ……」

みも「ビンゴ! 私のパンツ!」

そら「ええっ!?」

えみ「どれ」

ぱい「私も見る!」

そら「ちょっ、嫌ぁ……!」

えみ「これが盗まれたパンツで間違いない?」

ぱい「……あれ? これ盗まれたやつと色違くない?」

えみ「えっ?」
69: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:40:00.38 ID:gA0zA4co.net
じょる「はーい、そこまでー」パンパンッ

くす「ん? なになに?」

じょる「部下ちゃん、今この子のパンツを見てなんて言った?」

ぱい「えっ? 色が違うって……」

みも「うん、たしかに盗まれたパンツは私のも南條さんのもこんな色じゃなかった。でも……刑事さんにパンツの色って教えたっけ?」

えみ「……あ! そういえば聞くの忘れてた!」

じょる「それなのにどうして部下ちゃんは盗まれたパンツの色を知っていたのかな?」

ぱい「あ……うそうそ! ほんとは知らないの! 知らなすぎてびっくり!」

じょる「ごまかすの下手だなぁ」

ぱい「あぅ……」

みも「犯人なんでしょ? 認めちゃいなよ」

ぱい「ちち違っ!」

えみ「ちょっと待って。部下ちゃんが犯人なら、どうやって宿に侵入しただ? 裏口の鍵はちゃんとかって――」

みも「それもこれから説明するよ」
70: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:42:00.32 ID:gA0zA4co.net
裏口

みも「女将さんに借りた裏口の鍵です。これをくっすんに持っててもらおう」

くす「なにするの?」

みも「見てればわかるよ。私が外に出たら中から鍵をかけてくれる?」

くす「わかった」

みも「じゃよろしくー」ガチャッ

バタンッ

くす「よっと」カチッ

みも『んじゃいくよー』

ゴソゴソ……カチャッ

しか「あっ」

えみ「鍵が……」

ガチャッ

みも「大成功!」

くす「えっ、どうやって開けたの?」

みも「ふふ、これで開けたんだよ」
71: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:44:00.33 ID:gA0zA4co.net
しか「……その鍵は?」

みも「昨夜南條さんと一緒に部屋で作ったの」

えみ「作った? 二人で?」

じょる「ここの鍵はそれほど複雑じゃないから、道具さえ揃えれば素人でも合鍵が作れるんだよ」

みも「私たちがこれを作れるんだから、きっと部下ちゃんも同じものを作れるはずだよね?」

ぱい「む、無理! 私作れない!」

みも「でも部下ちゃん以外に合鍵を作るチャンスがあった人はいないよ」

ぱい「鍵を拾った人が作ったんだよ! うん、きっとそう!」

みも「その裏口の鍵が落とし物として届けられたっていうの、嘘なんじゃない?」

ぱい「嘘じゃない! ほんとだもん!」

みも「じゃあどうして落とし物が届けられたのを刑事さんに報告しなかったの?」

ぱい「それはちょっとうっかりしてて……」

みも「拾い主の顔をろくに覚えていなかったのも、そんな人存在しないからじゃないの?」

ぱい「違う……違うのっ!」

じょる「なら部下ちゃんの部屋を見せてもらえる?」

ぱい「え……」

じょる「犯人じゃないならなんの問題もないでしょ。パンツや合鍵が出てくるわけないもんね?」

ぱい「っ……」
72: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:46:00.39 ID:gA0zA4co.net
えみ「部下ちゃんが、パンツを盗んだの?」

ぱい「……私を疑ってるの?」

えみ「本当に部下ちゃんが犯人じゃないなら、私の目を見て違うって言って」

ぱい「…………」

えみ「部下ちゃん」

ぱい「……ごめんなさい」

えみ「認めるんだね?」

ぱい「はい……私が、やりました……」

えみ「はぁ……どうしてこんなこと」

ぱい「パンツが、ほしかったから……」

じょる「なら買えよ」

ぱい「他人が穿いた汚れたパンツがほしかったの!」

くす「うーん、本物の変態だ」

みも「あ、そうだ。ひとつわからないことがあるんだけど」

ぱい「なに?」

みも「部屋にあったあのダサパンツはなんなの?」

ぱい「あれは……ただパンツ持っていくだけじゃ悪いと思って、代わりに置いていったの」
73: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:48:00.36 ID:gA0zA4co.net
みも「え〜……じゃあ使用済みだったのはなんで?」

ぱい「私が使用済みを貰うから、使用済みのと交換したほうがいいかなって」

みも「……ダメだ、まったく理解できない」

じょる「これは理解しちゃいけない領域だと思うよ……」

みも「まあとりあえず部下ちゃんはもっと可愛いパンツ穿いたほうがいいよ、ほんとに」

ぱい「穿いてるよ? 可愛いの捨てたくなかったからあの安いダサいやつ買ったんだもん」

みも「…………」

えみ「よし、そろそろ行こうか」

ぱい「手錠は? しなくていいの?」

えみ「そんなのなくたって、部下ちゃんは逃げたりしないずら?」

ぱい「……うんっ!」

じょる「なんだかなぁ……」

みも「とっとと東京に帰りましょうよ。もうこんな村うんざりですっ」

じょる「あ、その前にちょっとだけ話があるんだけど」

みも「なんですか?」

じょる「ここじゃちょっと話しづらいから場所変えてもいい?」

みも「はあ、わかりました」
74: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:50:00.32 ID:gA0zA4co.net
ダム

みも「うぅ……寒いんで早く済ませてください……」

じょる「みもちゃん」スッ

みも「ん? まだ100円のこと覚えてたんですか?」

じょる「違う。忘れてたわそんなこと」

みも「じゃあなんなんです?」

じょる「握って」

みも「はい?」

じょる「私の手、握ってよ」

みも「えっ……」

じょる「みもちゃん言ってたでしょ? その能力は誰も幸せにできないって」

みも「……はい。ほんとのことですから」
75: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:52:00.49 ID:gA0zA4co.net
じょる「ううん、そんなことない。みもちゃんの能力は、そんな悲しいものじゃないよ」

みも「それ、本気で言ってるんですか?」

じょる「本気だよ」

みも「…………」

じょる「みもちゃんの能力が人を不幸にするものなんかじゃないって、私が証明してあげる」

みも「南條さん……」

じょる「だからもう自分の能力を否定しないでよ。私、そんなみもちゃん見ていたくない」

みも「……本当に、いいんですか?」

じょる「うん。いいよ」

みも「じゃあ……」スッ……

じょる「…………」
76: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/10/07(金) 21:54:00.41 ID:gA0zA4co.net
みも「……いえ、やっぱりやめておきます」

じょる「……そっか」

みも「すみません……」

じょる「はは。やっぱ私、あんまりみもちゃんに信用されてないのかな……」

みも「そうじゃないんですっ」

じょる「えっ?」

みも「南條さんのこと、信じてるから。真剣なんだって、伝わったから」

じょる「みもちゃん……」

みも「なので、今はまだ握りません」

じょる「……うん、わかった」

みも「その……ありがとうございます。南條さんのおかげで、ちょっと元気出ました」

じょる「ならよかったよ」

みも「私、これからもいろんな事件を解決していきますね!」

じょる「ん……? 待て待て、能力を否定するなとは言ったが捜査をしろとは一言も言ってない」

みも「よーし、それじゃ東京に戻ったら早速捜査するぞー!」

じょる「おい、人の話を聞け」

みも「うおおぉぉぉー!」タッタッタッ

じょる「まったく……ま、元気にはなってくれたみたいだし、いっか」

じょる「……本当は手、握ってほしかったんだけどな」

みも「南條さーん! 早くー!」

じょる「はいはーい! 今行くからー!」

つづくのか?
77: http://i.imgur.com/91LOkUY.jpg 2016/10/07(金) 21:55:00.36 ID:gA0zA4co.net
お粗末さまでした。
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