もうひとつの「友情ヨーソロー」

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曜-アイキャッチ20
1: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:36:27.57 ID:YV48QlLc.net
アニメ本編改変SSです
不快に思われる方は読まないようお願いします

元スレ: もうひとつの「友情ヨーソロー」

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2: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:36:39.98 ID:YV48QlLc.net
千歌「私も…大好きだよ、梨子ちゃん」

曜「――――――――」

私は、きっと今考えうる中で一番見たくなかったものを見てしまった

さまざまな感情が溢れ出し、その場から逃げるように駆け出した
3: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:37:51.69 ID:YV48QlLc.net
私たちAqoursは特訓のための合宿に来ていた。

日中は海の家の手伝いやトレーニングなどを行い、夜は千歌ちゃん家の旅館に泊まらせてもらっている。

そんな合宿2日目のことだった。

身体は疲れていたものの、9人同じ部屋で寝泊まりする慣れない環境からか眠りは浅く、かなり早い時間に目が覚めてしまった。

まだ5時前だろうか。日は出ておらず、辺りは薄暗い。

ふと部屋に目をやると、千歌ちゃんと梨子ちゃんの布団が空になっていた。

…きっと同じく早起きしてしまい、ランニングにでも行っているのだろう。

そう思っても、ここ最近の二人の様子を考えると、胸がもやつく。

二人でどこに行ってるんだろう。また、私の知らない話でもしてしてるのかな。

つまらない想像が、どうしても頭をよぎってしまう。

どうにも二度寝するような気分にもなれず、モヤモヤを振り払うように、私も軽く走って汗を流すことにした。
5: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:38:33.79 ID:YV48QlLc.net
日の上りきらない早朝の海岸線を走っていく。

爽やかな空気が胸の濁りを浄化してくれるような気がした。

しばらくすると、海べりに腰掛ける二人の姿が見えた。

ランニングに疲れて休憩でもしているのだろうか。それにしては、寝間着姿のままのように見えるが…。

おーい、と呼びかけようとした瞬間。

その声は行き場を失った。

梨子ちゃんが千歌ちゃんを抱きしめたのだ。

身体の動きがピタッと止まった。

何か話しているようだったが、離れていたのでよく聞こえなかった。

しかし、次の一言だけは、残酷なほどはっきりとわかった。
6: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:39:10.61 ID:YV48QlLc.net
千歌「私も…大好きだよ、梨子ちゃん」

しん、と静まり返った朝の海に響く、千歌ちゃんのかすかな声。

小さい頃から耳に馴染んだ声を聞き違えるはずがない。

間違いなく千歌ちゃんはそう言ったのだと、確信してしまった。

さっきまでしっかり地面を踏みしめていた足元がゆらぐ。

とっさに私は、脇の小道へと入った。

『私も…大好きだよ、梨子ちゃん』

千歌ちゃんの言葉が頭の中で反響する。

なんで、なんで、なんで、なんで、なんで…。

混乱する思考はまとまらず、泊まっていた旅館へ足を向ける。

したたる汗をぬぐうことも忘れて、まだみんなが眠る寝室へと戻ってきた。
7: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:39:41.98 ID:YV48QlLc.net
…こうなることは、なんとなくわかってた。

ここ最近、千歌ちゃんはずっと梨子ちゃんを見ていた。

声をかけても「なんでもないよ」とはぐらかされるが、その視線は確かに梨子ちゃんに向いていた。

家が隣同士ということもあるのだろうか、学校以外でもよく二人で話をしているみたいで。

私の知らない話題で盛り上がる二人に、若干の疎外感を感じることもあった。

作曲ができる梨子ちゃんと、歌詞を考える千歌ちゃんの関係性は、スクールアイドルの活動を通してさらに強くなっていったように思う。

東京でのライブが終わった後、明らかに無理をして強がっていた千歌ちゃん。

もちろん私もそれに気がついたが、最後に千歌ちゃんを支えたのは、梨子ちゃんだった。
8: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:40:19.37 ID:YV48QlLc.net
曜「うぅ…ヒック…う…うぁ…」

頭ではわかっていても、感情は処理できない。

千歌ちゃんは、大好きな私の幼馴染だ。

でも千歌ちゃんは、梨子ちゃんが大好きだと言っていた。

私のことは、好きじゃないのかな。

…いままでずっと、好きだったのは私だけだったのかな。

小さな頃から抱き続け、誰にも言えなかった感情が、涙となって溢れ出た。

私は自分の布団の中で、みんなが起き始める時間まで、人知れず泣いていた。
9: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:40:56.09 ID:YV48QlLc.net
ダイヤ「まぁ、曜さん…どうしたんですの、その目は!?」

花丸「真っ赤ずら〜」

曜「あはは…なんか怖い夢でも見ちゃったみたいで。まったく覚えてないんですけど…全然大丈夫なんで、気にしないでください」

ルビィ「曜さんがそう言うなら…」

千歌「曜ちゃん、本当に大丈夫?」

ズキ

曜「うん、平気平気!今日も練習頑張ろうね!」

梨子「体調が悪かったら、遠慮なく言ってね?」

ズキ

曜「も〜心配しすぎだよ!ほら、練習はじめよ?」
10: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:41:31.59 ID:YV48QlLc.net
せっかくダイヤさんが立ててくれたトレーニングメニューも、正直全く身が入らなかった。

体力づくりや体幹トレーニングなどがメインだったからよかったものの、ダンスや歌のレッスンなんてとてもこなせたものではなかった。

千歌ちゃんと梨子ちゃんはよほど今朝の真っ赤に腫れた目が気になったのか、頻繁に声をかけてくれたが、今の私にはそれがかえって辛かった。
12: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:41:55.41 ID:YV48QlLc.net
善子「一体なんなの?みんなを呼びだして大事な話って」

千歌「…実は、ラブライブ予備予選と同じ日、梨子ちゃんのピアノコンクールがあるの」

梨子「…」

千歌「梨子ちゃんは予備予選に出るって言ってくれた。けど私は、梨子ちゃんにピアノコンクールに出てほしいと思う」

曜「…ぇ」

ダイヤ「千歌さん…貴女、それがどういうことかわかっていますの?」

鞠莉「予備予選は梨子以外の8人で出るってこと?」

千歌「…そうなるね」

ルビィ「だ、大丈夫かな…」

善子「ただでさえ東京では0票だったのに、メンバーが欠けた状態で予備予選突破なんてできるの?」

千歌「みんなの言ってることもわかる。でも、私は突破できると思う。いや、突破しなきゃダメなんだよ、Aqoursは」

果南「…どういうこと?」
13: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:42:58.72 ID:YV48QlLc.net
千歌「私、輝きたいって思ってスクールアイドルを始めようと思った。生まれてからずっと、普通で普通で普通星人な私でも、仲間と一緒に一生懸命頑張れば輝けるんだって、μ’sが教えてくれたから」

千歌「スクールアイドルをはじめて、輝き方って一人ひとり違うんだってわかった。梨子ちゃんは、ピアノっていう立派な特技がある。東京の学校でもずっとピアノをやっていて、周りの人も梨子ちゃんのピアノに期待してた」

千歌「でもそれが梨子ちゃんには重くって、辛くなっちゃって、ピアノから少し目を背けたくなった。だから私は、梨子ちゃんをスクールアイドルに誘ったの」

千歌「スクールアイドルを通して、梨子ちゃんの中の何かが変わって、少しでもピアノに前向きになることができたら、それはとっても素敵なことだって思ったから。誰かを笑顔にするのが、スクールアイドルだから」

千歌「梨子ちゃんは今、もう一度ピアノに向き合おうとしている。私はそれを応援したい。梨子ちゃんの輝きはピアノだと思うから。ピアノを諦めたら、梨子ちゃんの輝きはきっと曇ってしまうから」

千歌「梨子ちゃんだけじゃない、Aqoursは9人それぞれ違った色の輝きを持ってると思う。それらが合わさった9つ色の輝きが、Aqoursの輝きそのものになるんだ」

千歌「だから、今回梨子ちゃんにはピアノコンクールに出てほしい。そして私たちは8人で予備予選を突破する。Aqoursの輝きを、大切にしたいから」
14: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:43:42.22 ID:YV48QlLc.net
ダイヤ「…梨子さんが戻ってくる保証は?」

梨子「必ず戻ってきます。これは、東京から、ピアノから逃げてきた自分自身へのケジメでもあるんです。しっかりケジメをつけたら、私は必ずAqoursに帰ってきます」

ダイヤ「…ふふっ。そこまで覚悟が決まっているのなら、私から言うことはなにもありません」

鞠莉「みんなは?異論はnothing?」

果南「ここまで熱弁ふるわれちゃね」

ルビィ「あの、梨子さん、頑張ってください!」

花丸「応援してるずら!」

ダイヤ「何のんきな事言ってるんですの?8人で予備予選を突破するんですのよ。今まで以上の猛特訓は覚悟してもらいますわ!」

善子「うへぇえぇぇ…」

梨子「みんな…ありがとう…」
15: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:44:07.90 ID:YV48QlLc.net
果南「…千歌、変わったね。昔みたいにバカチカのまま突っ走ってるんだと思ってたら、ちゃんと仲間のことを考えてた。リーダーの自覚?ってやつが出てきたのかな」

曜「…」

果南「曜は千歌から何か聞いてなかったの?」

曜「…」

果南「…曜?」

曜「うん…特に何も…」

果南「?そうなんだ、珍しいね」

曜(何も…聞いてなかったんだよ…)

曜(どうして…私には何も…)

曜(…千歌ちゃん…)
16: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:44:55.97 ID:YV48QlLc.net
梨子「曜ちゃん?」

曜「梨子ちゃん…コンクール、頑張ってね」

梨子「あ、ありがとう…曜ちゃん大丈夫?今朝から体調悪そうだよ」

曜「…なんでもないよ、大丈夫」

梨子「朝だって怖い夢を見ただけだ、なんて言っていたけど、あんな目の腫らし方普通じゃない。練習中もボーっとしてること多かったし、本当は何かあったんじゃ…」

曜「本当にそれだけだよ。心配しないで」イラ…

梨子「さっきあんなこと言った私が言える立場じゃないかもしれないけど、何か私で相談に乗れることがあれば…」

曜「なんでもないって言ってるでしょ!」

梨子「!」ビクッ

曜「…!」

曜「…ご、ごめん。もう寝るね」

梨子「わ、私の方こそ…ごめんなさい」

曜(…何やってるんだ私)

曜(これじゃただの八つ当たりだ)

曜(梨子ちゃんは心配してくれてるのに)

曜(梨子ちゃんは他人を気遣える、優しい子なのに)

曜(本当に、情けない…)
19: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:46:09.49 ID:YV48QlLc.net
梨子ちゃんが東京へ出発する日、
曜ちゃんはとうとう見送りに来なかった。
22: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:46:57.57 ID:YV48QlLc.net
予備予選に向けた曲の練習が始まり、ピアノコンクールで欠場する梨子ちゃんのポジションに、代役として私が入ることになった。

今回の曲、千歌ちゃんは梨子ちゃんとのWセンターということで、かなり前から二人で練習していたらしい。

梨子ちゃんとのダンスを身体が覚えてしまっており、歩幅が違う私とのダンスは、練習中一度も合うことはなかった。

練習が終わった後も、コンビニの駐車場で自主練を続けたが、それでもダンスは合わなかった。
24: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:47:45.09 ID:YV48QlLc.net
曜「1、2、3、4…わっ」ドン

曜「ごめん…」

千歌「ううん、私がいけないの。どうしても梨子ちゃんと練習してた歩幅で動いちゃって…」

曜(…そうか)

曜(もう『私』じゃ、千歌ちゃんの隣にいられないんだ)

曜(千歌ちゃんの隣で踊るには、『梨子ちゃん』になるしかないんだ)

千歌「もう一度やってみよ!」

曜「…千歌ちゃん。もう一度、梨子ちゃんと練習してたとおりにやってみて」

千歌「え、でも…」

曜「いいから!いくよ」
25: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:48:33.03 ID:YV48QlLc.net
『梨子ちゃん』になりきった私とのダンスは、今までの失敗が嘘のようにすんなり成功した。

千歌ちゃんの隣にいられるのは梨子ちゃんで、もうそこに私の居場所はないのだと、告げられている気がした。

そうした時、千歌ちゃんの携帯に梨子ちゃんから電話がかかってきた。

千歌ちゃんは、その場にいた善子ちゃん達にも通話を代わっていき、私にも携帯が渡されたが、何も言えなかった。

具合が悪かったとウソをついて見送りにも行かず、あんな分かれ方をしてしまった梨子ちゃんに、なんて声をかけたら良いか、わからなかった。

そうしている間に千歌ちゃんの携帯の電池が切れ、通話は途切れた。
26: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:49:15.97 ID:YV48QlLc.net
曜(…あの後の練習は順調だった。ダンスはこれで問題なさそうだ)

曜(…これで、良かったんだよね…)

??「うりゃ!」モミッ

曜(…!?チカン!?)

??「オーゥ!これは果南にも劣らない逸ざ―」

曜「とりゃあああぁぁ!!」バッ

??「い?」

ドサッ

鞠莉「アウチッ!」

曜「…え?」

曜「…ま、鞠莉さん!?」
27: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:49:58.81 ID:YV48QlLc.net
鞠莉さんは、私と千歌ちゃんの仲がうまくいってないんじゃないか、と心配して声をかけてくれたようだった。

…この人は本当にすごい。顔には出さないようにしていたつもりだったけど、なんでもお見通しみたいだ。

梨子ちゃんに嫉妬してるんじゃないか、と言われた時は、正直ドキッとした。

…でも、私が今抱いている想いは、梨子ちゃんへの嫉妬なのだろうか?

それだけで片付けてしまっていいのだろうか?

自分自身ですら咀嚼できてない感情を、他人に正確に伝えられるはずもなく。

ましてや、合宿の日の朝に見たことについては、口が裂けても言えなかった。

ぶっちゃけトークの場を設けてくれた鞠莉さんには申し訳なかったが、ありのままの本心を打ち明けることなんて、できなかった――
28: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:50:44.06 ID:YV48QlLc.net
曜(…鞠莉さんは本音でぶつかった方がいい、って言ってたけど)

曜(きっとこれは、そういう問題じゃないんだろうな)

曜(私の一番は千歌ちゃんで、千歌ちゃんの一番は私じゃなかった)

曜(それだけの、単純な話。ただの私の、自意識過剰)

曜「うぅ…」ジワ…

曜(いやだ、いやだ、いやだ、いやだ、いやだ)

曜(私には何も話してくれなかった、千歌ちゃんがいやだ)

曜(いきなり現れて、千歌ちゃんの隣に立ってる梨子ちゃんがいやだ)

曜(…なにより)

曜(梨子ちゃんがいなくなって、少しだけ喜んだ自分が一番いやだ…!)

曜「うぅ…ヒック…千歌ちゃん…」
30: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:51:27.68 ID:YV48QlLc.net
プルルルルルル

曜「グス…電話だ…誰からだろ」

曜「…梨子…ちゃん…」

曜(どうしよう…正直、今は話したくない…)

曜(でも、今電話を無視したら本当に梨子ちゃんを『避けてる』みたいになっちゃう)

曜(こんなこと続けてたら、もう今までの関係には戻れない…)

ピッ

曜「…もしもし?」

梨子『あ、曜ちゃん。ごめんね、夜遅くに。今大丈夫?』

曜「うん、平気。何かあったの?」

梨子『具合、どう?良くなった?』

曜「…うん、もうすっかり。今日も練習に参加してたんだ」

梨子『そう、よかった。実はね、曜ちゃんが私のポジションで歌うことになったって聞いたから。ごめんね、私のわがままで』

曜「ううん、全然」

梨子『私のことは気にしないで。二人でやりやすい形にしてね。曜ちゃんには曜ちゃんらしい動きがあるんだし。千歌ちゃんも絶対そう思ってる』
32: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:52:24.47 ID:YV48QlLc.net
曜(…千歌ちゃんも絶対そう思ってる、か…)

曜(梨子ちゃんはすごいな、私より全然付き合い浅いのに、千歌ちゃんのことはなんでも知ってるみたいで…)

曜(…やっぱり、千歌ちゃんにお似合いなのは…)

曜「…そんなこと、ないよ。千歌ちゃんの側には、梨子ちゃんが一番合ってると思う。だって千歌ちゃん、梨子ちゃんといると嬉しそうだし、梨子ちゃんのために頑張るって、言ってるし…」

曜(…こんなこと、言うつもりなかったのに。なんだか悩み疲れて頭が回らないみたいだ)

梨子『…そんなこと思ってたんだ。あのね、千歌ちゃん、前話してたんだよ。曜ちゃんの誘い、いっつも断ってばかりで、ずっとそれが気になっているって。だから、スクールアイドルは絶対一緒にやるんだって。絶対曜ちゃんとやり遂げるって』

曜(…千歌ちゃん、そんなこと思ってたんだ。やっぱり私、付き合いが長いばっかりで、全然千歌ちゃんのことわかってない)

曜(梨子ちゃんと千歌ちゃんは、もうそんな話ができるくらい信頼し合ってるんだね)

曜(そりゃそうだよね…大好き、なんだもんね)

曜「…そうだったんだ。ありがとう、話してくれて」
33: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:53:16.88 ID:YV48QlLc.net
千歌ちゃんがそう思ってくれていたことは素直に嬉しい。

それでも、この胸のうっとうしいモヤモヤはなくならなかった。

もしかして、私がスクールアイドルをはじめたのも、千歌ちゃんには迷惑だったのかな。

私の誘いを断った責任感で、やり遂げる、なんて言わせちゃって。

私は、『千歌ちゃんと一緒になにかしたい』っていう思いだけでスクールアイドルをはじめた。

きっと千歌ちゃんもそうだって、思い込んでたから。千歌ちゃんと一緒なら、なんでもできるって思ったから。

でも、それが私の独りよがりで、一方的な押し付けだったとしたら。

…私はもう、千歌ちゃんの一番じゃないどころか、嫌われているのかもしれない。

考えれば考えるほど、千歌ちゃんのことがわからなくなる…。
34: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:54:11.82 ID:YV48QlLc.net
曜「…千歌ちゃん…」

「よーちゃん!」

曜「…?」

曜(気のせい…?)

「よーーちゃーーーん!!」

曜(じゃない…!)バッ

千歌「…」ハァハァ

曜「千歌ちゃん…!どうして?」

千歌「練習しようと思って!考えたんだけど、やっぱり曜ちゃん、自分のステップでダンスした方がいい!合わせるんじゃなくて、一から作り直したほうがいい!曜ちゃんと私の二人で!」

曜「千歌…ちゃん…」
35: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:54:53.17 ID:YV48QlLc.net
曜「汗びっしょり…どうしたの?」

千歌「バス終わってたし、美渡ねぇたちも忙しいって言うし…」

曜(それで、自転車で…来てくれたんだ)

曜(千歌ちゃん家、ここからバスでもかなりあるのに…)

曜(私、バカだ…バカヨウだ)

曜「ごめんね、千歌ちゃん。気を使わせちゃって」

曜「やっぱり私じゃ、梨子ちゃんの代わりにはなれなかったんだね」

千歌「…曜ちゃん?」

曜「もし私のために作り直そうって言ってくれてるなら、私は大丈夫だよ。練習でもうまくいってたし、このままでいこう」

曜「これ以上、千歌ちゃんに迷惑かけられないから」

千歌「…なに言ってるの?」
37: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:55:34.36 ID:YV48QlLc.net
曜(ああ、ダメだ)

曜「私、ニブくってさ。全然気付かなかった。千歌ちゃんと梨子ちゃんの関係」

曜(私のことを心配して、駆けつけてくれた千歌ちゃんの)

曜「千歌ちゃんの一番の友達は私なんだって、千歌ちゃんのことはなんでもわかるって、思い込んでて」

曜(その優しさに、甘えてしまう――)

曜「きっと迷惑かけたよね、ごめん。空気読まずに千歌ちゃんと梨子ちゃんの邪魔しちゃったかも」

曜「ダンスはこのままでいこうよ、私じゃ力不足かもしれないけど…梨子ちゃんになれないかもしれないけど。精一杯頑張るから」

曜「千歌ちゃんにはずっと迷惑かけてきたと思うけど、それも…今回で終わりにするから」

曜「あと、もし私とスクールアイドル続けるのが嫌だったら、遠慮なく言ってね。千歌ちゃんと一緒になにかしたいっていう私のわがままに、千歌ちゃんが責任感なんて感じる必要ないんだから」

千歌「…黙って」

曜「え?」
38: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:56:38.32 ID:YV48QlLc.net
千歌「曜ちゃん…ちょっと黙ってよ」

千歌「さっきからなんなの?勝手にべらべら喋って…」

千歌「私が…曜ちゃんのこと、嫌い、みたいに言って…」

千歌「そんなこと、あるわけないじゃん…!!」

千歌「曜ちゃんが一緒にスクールアイドルやるって言ってくれた時、私本当に嬉しかった。泣いちゃうくらい嬉しかった」

千歌「昔から一緒になにをやっても、普通すぎる私に、曜ちゃんは合わせてくれてた。それがすごく申し訳なくって、一緒になにかを始めることが怖くなっちゃった時期もあった。でもスクールアイドルなら、私は曜ちゃんと一緒に輝けるって思った」

千歌「曜ちゃんが私に合わせてくれるんじゃなくて、曜ちゃんと『一緒に』なにかしたいっていうのは、私の夢でもあったの。曜ちゃんも同じ気持ちなんだって知って、私すっごく嬉しかったんだよ」

千歌「今回だって、いきさつは梨子ちゃんの代わりってことだったけど、曜ちゃんと二人で踊れるんだって、楽しみだった。ステップが合わなかったのは、単純に私の力不足なんだと思う」

千歌「でも、曜ちゃん無理してるのわかったから、二人で一から作り直したいって思った。曜ちゃんと私にしかできないダンスが、きっとあるはずだから」

千歌「それなのに、迷惑かけただとか、梨子ちゃんになれないだとか、一緒にやるのが嫌なら言ってとか…意味わかんないよ…!!」
39: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:57:41.89 ID:YV48QlLc.net
曜「千歌…ちゃん…」

曜「でも、千歌ちゃんは…梨子ちゃんのことが、大好き、なんでしょ…」

千歌「そんなの関係ないよ!梨子ちゃんのことが大好きだったら、曜ちゃんのこと大好きになっちゃいけないの!?」

千歌「私は、曜ちゃんのこと大好き!かっこよくて、優しくて、でもちょっぴり泣き虫で…こんな私のことをいつも見てくれてて、いつも一番に考えてくれる、そんな曜ちゃんが大好き!!」

千歌「梨子ちゃんは梨子ちゃん、曜ちゃんは曜ちゃんで、代わりなんかいない、私の大好きな親友なんだよ…!」

曜「…!!」

千歌「…きっと、曜ちゃんも同じ気持ちだと思ってた。私、曜ちゃんの本当の気持ちが知りたい。さっき言ってたことって…本心なの?」

曜「…そんなわけない。私だって、千歌ちゃんが大好き。世界で一番好き。スクールアイドルだって一緒に続けたい。二人で新しいダンスも作りたい…!」
41: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 00:58:26.33 ID:YV48QlLc.net
曜「でも、最近千歌ちゃんのことがわからなくなって…千歌ちゃん、梨子ちゃんばっかり見てて、私には何も話してくれなくて…」

曜「千歌ちゃんの一番の友達は私だと思ってたのに、気付けばいつも千歌ちゃんの隣には梨子ちゃんがいて、なんだか3人でいるのが辛くなって、モヤモヤして、梨子ちゃんに嫉妬して…」

曜「千歌ちゃん、私のこと嫌いだったのかな、一緒にスクールアイドルやるの嫌だったのかなって考えたら、怖くて、悲しくて、寂しくて…!」

千歌「…そうだね。私、きっと周りが見えてなかった。曜ちゃんには、言わなくってもわかるって甘えてた。…言葉にしなきゃ伝わらないことだって、たくさんあるのに」

千歌「ごめんね、曜ちゃん。さびしい思いをさせちゃって。もし許してくれるなら、これからもずっと一緒にいてほしい。もっと思ってることを素直に伝え合いたい。だって、曜ちゃんのこと大好きだから」

曜「千歌ちゃん…うぅ…私、辛かったよ…怖かったよ…一人でずっと悩んでて…」

曜「だって千歌ちゃんのこと、大好きだから…!」

千歌「ごめんね…ありがとう。大好きだよ、曜ちゃん」

曜「千歌ちゃあああぁぁぁん…!!!」
43: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 01:00:15.71 ID:YV48QlLc.net
曜「うぐ、狭い…」

千歌「だって今日は曜ちゃんと一緒にお風呂入りたい気分だったんだもん」

曜「だからって、一緒に浴槽に入ることないでしょ…千歌ちゃん家の温泉と違って、我が家の風呂は広くないんだから」

千歌「むぅ、昔は二人でらくらく入れたのになぁ」

曜(うっ…ほんとに狭くて、身体と身体が触れ合っちゃう…)

曜(千歌ちゃん…ち、近すぎるよ…!!)

千歌「でも、最近曜ちゃんとこうやって二人きりになることってなかったから…たまには、いいかも…ね?///」

曜「そっ、そうだね…///」

曜(あ、のぼせそう…)
44: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 01:00:53.23 ID:YV48QlLc.net
曜「…予備予選が終わったら、梨子ちゃんに謝らなきゃ」

千歌「梨子ちゃんに?」

曜「うん。私の思い込みのせいで、勝手に嫉妬して、八つ当たりしちゃった…梨子ちゃんは私のこと心配してくれてたのに」

千歌「…そうだね。私もついてくから、ちゃんと謝ろう?そしたら、私たちのこれからについて、話し合いたい」

曜「これから?」

千歌「きっと私たちの間には言葉が足りなすぎたんだと思う。果南ちゃんたちも、そうやってすれ違っていってしまった。曜ちゃんだって、辛い思いを抱え込んでしまった」

千歌「相手を想う気持ちは大切だけど、それだけじゃダメなんだよ。きちんと言葉にして、自分の想いを伝えて、相手の想いをわかってあげる努力をしないと、気持ちはどこかですれ違っちゃう」

千歌「だから私たちは、もっと自分の気持ちを伝え合うようにしようよ。私、もう曜ちゃんにも梨子ちゃんにも悲しい思いしてほしくない」

曜「…うん。私も自分の想像だけで千歌ちゃんの気持ちを決めつけちゃって、一人で暴走して…ほんとバカヨウだ」

曜「それに、私もっと梨子ちゃんと仲良くなりたい。梨子ちゃんのこと知りたい。大好きな千歌ちゃんが大好きな人だもん、絶対私も大好きになるに決まってるよ」

千歌「もちろん!私たち『ようちかりこ』の友情は、全速前進ヨーソロー!なんだよ」

曜「…ぷっ。なにそれ、意味わかんないよ」

千歌「えー?曜ちゃんだっていつも言ってるクセに」

曜「全然違うよ、千歌ちゃん!そもそもヨーソローっていうのは…」

45: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 01:01:26.30 ID:YV48QlLc.net
この綺麗な星空、東京で梨子ちゃんも見ているのだろうか。

輝く星々になにかひとつ、願うことがあるとしたら。

私たちの想いが、ひとつになりますように。
47: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2016/10/16(日) 01:02:12.11 ID:YV48QlLc.net
終わりです
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