ダイヤ「たとえ私が去って行ったとしても」  【SS】

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ダイヤ-アイキャッチ5
1: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:02:22.75 ID:h1VmP4DW.net
ちかダイ 短い

元スレ: ダイヤ「たとえ私が去って行ったとしても」  【SS】

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2: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:03:39.86 ID:h1VmP4DW.net
秋の日差しが心地よい、日曜日の黒澤家の縁側。


 

「んっ…ん…はぁ…」パチクリ


私は眠りから覚醒する。


少し肌寒い。それで目が覚めてしまったのか。

 

ダイヤ「いつの間にか日が陰りだしていますわね…」
3: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:04:18.88 ID:h1VmP4DW.net
私は首の向きを変え、掛け時計を見る


確か前見た時は、まだ2時前だったはず…3時間近く寝ていたのですね

せっかくの二人きりの休日、時間を浪費してしまいました


ダイヤ「はぁ…」


私は小さく、後悔のため息を吐く
4: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:05:03.24 ID:h1VmP4DW.net
「くぅ〜…すぴー…」



私の上から聞こえてくる寝息。


そして私の後頭部に感じる、心地よい弾力、
私の鼻孔をくすぐる、大好きな甘い匂い。


横になりながら上を仰ぎ見れば、私を膝枕したまま船を漕いでいる、

私の愛しい、みかん色の恋人。高海千歌さん。
5: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:05:29.49 ID:h1VmP4DW.net
いつも私が―――千歌さんを膝枕していますのに…

今日はなかなか珍しいこともあるのですね。



最近はラブライブに向けた練習も一段と熱を帯びていますし…

果南さんと曜さんが考案した練習メニューも一層過酷度があがってきていますしね。
6: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:06:00.68 ID:h1VmP4DW.net
そんな練習にもなんとか食らいついている、我が妹の姿を見て

『たくましくなったなぁ…』と感慨深く思うか、『私の手はもう必要ないのですね』と寂しさを覚えるか…



それらの練習で大分疲労が溜まっていたのか、いつの間にか寝落ちしてしまいましたわ
7: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:06:27.11 ID:h1VmP4DW.net
私は少々向きを変え、千歌さんの太ももの間に顔をうずめる。

千歌さんの匂いがいっそう強くなった。



少しばかり、息を吹きかけて反応を見る。

しかし千歌さんは一切動じる様子も呼吸が乱れる事もなく、安寧な眠りのままだ。
8: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:07:08.25 ID:h1VmP4DW.net
あぁ、こんな時間が愛おしいですわ。

 


 


千歌さんと二人、永遠にこんな幸せな時を過ごせればいいのに…
9: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:08:24.03 ID:h1VmP4DW.net
しかしタイムリミットは刻々と迫ってきている

木々の色彩は日に日に濃くなっており、朝晩はめっきり冷え込むようになった

黒澤家や十千万のような、昔ながらの日本家屋は、暑さには強いが寒さには滅法弱いと来ています

冬は、嫌いです。

でも、冬が永遠に続けばいいのに、とも思います
10: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:08:56.57 ID:h1VmP4DW.net
なぜなら来年春、私は東京へと行く事が決まっているのです


千歌さんや、ルビィ達…、現1・2年を残し、私は18年過ごした内浦を去らねばなりません


できることなら、ずっと内浦に居たい。千歌さんと共に、時が過ぎゆくままに身を任せたい


無理な事は百も承知ですが、願うのは罪になりませんから
11: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:09:19.69 ID:h1VmP4DW.net
私は再度、仰向けの体勢になります

秋の午後の柔い日差しが、仰ぎ見ている千歌さんの髪に染み込んでいるようにも見えます

千歌さんの髪の色は、秋の日差しを吸い込んでいるようにも感じます


船を漕いでいるものですから、仰向けの私と目が合ったり合わなかったり

私を心の底から信頼しているというか…同化しているというか…
12: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:09:53.88 ID:h1VmP4DW.net
千歌さんと私は運命共同体だと思っています

でも、半年もしないうちに私は彼女を置いていってしまいます


所詮小童の私には、黒澤という「家」には逆らえませんし、逆らう気もありません

黒澤家の長女としての責任がありますから
13: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:10:34.95 ID:h1VmP4DW.net
 


―――いつか、私がこの家を継ぐことになる。千歌さんを置いて

内浦に戻れど、私の隣に千歌さんが居る事はできない



 
14: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:11:05.27 ID:h1VmP4DW.net
どこからか連れてきた見知らぬ男性を契を交わして、跡継ぎを残すのでしょう


でも、残念ですわね

私はまだ見ぬ、将来の相手を思う


私は既に高海千歌という女性に奪われているのですよ、と…

もちろん、千歌さんを奪ったのは私ですが
15: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:11:32.74 ID:h1VmP4DW.net
私の脳裏に、千歌さんと初めて出逢った4月の光景が浮かぶ。


あの頃は――あんなに反目し合っていましたのに…



千歌さんにスクールアイドルに誘ってもらった日の事、

お互い、想い合っていた事に初めて気づいた日の事、

お互いの初めてを奪い尽くした日の事、
16: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:12:08.92 ID:h1VmP4DW.net
春夏秋…この7ヶ月はかけがえのない時になりました

想いが通じ合ってからというものの、出来る限り、寝食を共にしました

休日にはいつもお互いの家を行き来してお泊りをしています

残りわずかな時間を最大限惜しみなく使おうと…
17: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:12:28.83 ID:h1VmP4DW.net
 
1年…あと1年早く出会っていれば良かったのですのに…


 
18: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:12:54.63 ID:h1VmP4DW.net
膝枕から起き上がり、背筋を伸ばし、千歌さんと並んで座る。


残り時間を指折り数えるくらいなら…

いっその事、私と千歌さん、二人だけで遠い世界に行ってしまいたい。




家も仲間も内浦も、何もかも捨てて…。
19: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:13:32.97 ID:h1VmP4DW.net
何度も夢想しました。でも、すぐにそれは無理だと分かり落胆

何度も何度も懲りずに…

 

私は恐れている

 

千歌さんがどのような反応を示すのか
20: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:14:18.53 ID:h1VmP4DW.net
「一緒に遠くへ逃げませんか?何もかも捨てて」


なんて言ったらどんな顔をするのでしょうか…怒り?それとも哀しみ?



千歌さんは理想論者に見えて、その実、自分の中に壁を設定しまう人です


周りの誰よりも卑屈で、周りを気にしている人ですから…

そんな逃避行、無理だと否定するでしょう


私の家と、私の立場を気遣ってくれるのでしょう
21: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:14:42.20 ID:h1VmP4DW.net
そして、泣きながら私の道を正そうと説得するでしょう

千歌さんを笑顔にするための提案ですのに、その提案で泣かれては困ります





ダイヤ「臆病になったものですわね…」
22: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:15:08.59 ID:h1VmP4DW.net
私は千歌さんを優しく倒し、頭を私の太ももに載せ、

千歌さんが起こさないよう、優しく髪を撫でる




「ぶっぶーですわ!」などと、強引になれたらどれだけ楽なのでしょうか

かつて千歌さんを押してばかりの立場だったのに…今では自ら進んで引くばかりになりました
23: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:15:34.59 ID:h1VmP4DW.net
とりあえずですが…

せめて…千歌さんが大学進学で東京に出てきたら、

3年間。3年間…同棲しましょう
26: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:17:46.27 ID:h1VmP4DW.net
千歌「ダイヤしゃん………」

ダイヤ「はい、なんですか…?」

千歌「あいしてましゅぅ…スー…スピー…」




ロスタイムもそんなに長くはない

私に時を止める力があったら、永久に、愛しいこの時を氷の中へ閉じ込めてしまうでしょう

でも近い未来、千歌さんと一緒に一生を共にする道も開けてくるかもしれない

未来は予想外の道が開ける事があるし、作り変える事さえできる
27: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:18:03.07 ID:h1VmP4DW.net
今は、この幸せな時間が一秒でも長く続きますことを

千歌さんと愛し合う、この時を
28: 名無しで叶える物語(こんにゃく)@\(^o^)/ 2016/10/22(土) 23:18:30.15 ID:h1VmP4DW.net
おわり
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