にこ「これからのSomeday」

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にこ-アイキャッチ54
1: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015/05/08(金) 23:19:00.62 ID:ERfijKQp.net
そう泣いてなんかいられないよ

だってさ──



にこが主役の超短編。

元スレ: にこ「これからのSomeday」

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3: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015/05/08(金) 23:28:53.47 ID:ERfijKQp.net
〜部室前廊下〜


にこ「〜♪」


放課後。鼻歌を歌いながら、私は廊下をスキップ気味に歩く。

すれ違ったクラスメイトが怪訝な顔で振り返ったが、私は気にも留めなかった。

少し昔の私を知っている人間から見れば、今の私の様子は酷くおかしなものに映るだろうから。

けれど、もっと昔の私を知っている人間から見れば、今の私の様子にも納得がいくだろう。

ああ、きっとスクールアイドルが楽しいんだ──と。

そう思うだろう。
4: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015/05/08(金) 23:48:26.98 ID:ERfijKQp.net
部室の鍵を開け、中に入る。

一人だった頃の癖か、電気も点けずに私はパソコンの電源を入れる。

ま、今日は部室には誰も来ないし、それでもいいんだけどね。

最近できた私の後輩達は、今頃屋上で練習の準備中だろう。

本来ならば私もすぐにそちらに向かわなければならないのだけど……

どうしても見ておきたいものがあったので、こうして一人部室にいるというわけだ。

とは言え、この動画はアップロード前に散々見ているし、投稿されてからも見るのは初めてではないのだけれど。

それでも私は、練習前にこれを見ておかなければ気が済まなかった。

つい2日前にできたばかりのμ'sの最新PV。

タイトル、「これからのSomeday」。
6: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015/05/09(土) 00:09:18.69 ID:r0MTKPm+.net
1年の頃のライブは映像には残していなかったので、このPVが「アイドル・矢澤にこ」が世に初めて出した作品になる。

とても長い時間、その爪を隠し続けた鷹が──ついに姿を現し、大空へと羽撃いたのだ。


にこ「ふふ、ここからよ……そう、私の夢も伝説も、全てはここから始まるの!」

にこ「いつかこのPVが、伝説のアイドル矢澤にこのデビュー作として激レア映像化しちゃったり?やーん、だったら今の内に見られるだけ見とかないとね〜♪」

にこ「……なんちゃって、ね」


立ち上がってポーズを決めたところで急に恥ずかしくなり、私は椅子に座り直す。


にこ「……まさか私が、もう一度スクールアイドルを始める日が来るなんて、ね」
10: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015/05/09(土) 00:24:02.35 ID:r0MTKPm+.net
もう一度、PVに目をやってみる。

そこには、私の他に6人のメンバーがいた。


にこ「私たちの想いが集まれば……なんとかなるかも、か」


学校を救いたい!そんな想いで始まったμ'sの活動を初めて見た時、私は絶対に上手く行かないと思った。

歌もダンスも素人同然、アイドルという仕事が何たるかさえ分かっていない。

ある程度レベルの高いスクールアイドルから見れば、お遊びにすら見えるであろうファーストライブ。

しかしそんなライブが、一人の少女の心を動かし、3人が6人になって。

いつしか私も、その中にいた。


にこ「小さなちからだけど 育てたい夢がある」
11: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015/05/09(土) 00:28:23.49 ID:r0MTKPm+.net
わからないことだらけ

ポケットに地図なんて持ってない

少しずつでもいいんだね

胸張って進もうよ


歌詞を読んでいた私の声は、次第に歌声となって、誰もいない部室に響く。


つまづいたらどうする?

笑ってみる?えがおで wai wai wai

だいじょうぶ

飾らずに素直な声で

one,two,three,four

みんなこっちです!


……ああ、このパートの私って、最っ高にキュートよね……

そんなことを思いながら、私は歌い続ける。
12: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015/05/09(土) 00:43:54.79 ID:r0MTKPm+.net
にこ「Someday いつの日か〜♪叶うよ願いが〜♪」

にこ「Someday いつの日か〜♪届くと信じよう〜♪」


……ここが限界だった。μ'sに誘ってもらった時のことを思い出していたせいか、どうやら私はすっかり感極まってしまっていたらしい。

気づけば私は、涙を流していた。


にこ「絶対に、届かないんだと思ってた」

にこ「絶対に叶わない願いなんだって、思ってた」

にこ「私の……私たちの、歌。ちゃんとここに、あるのよね」


もちろん、スクールアイドルなんて私が小さな頃夢見たアイドルとはまだまだ程遠い存在だ。

それでも、夢に見続けて、だけど歩き出すことさえできなかったアイドルへの道。

このPVは、そんな私の第一歩。そう思うと、涙が溢れて止まらなかった。
13: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015/05/09(土) 00:53:57.88 ID:r0MTKPm+.net
ぽたっ。

私が流した涙が一滴、読んでいた歌詞カードの上に落ちる。

整った字で手書きされたそれは、涙の雫を受けて薄くにじむ。


にこ「って、ヤバッ!」


慌てて袖で歌詞カードの涙を拭く。ふと、涙が落ちた箇所の歌詞が目に入ってきた。

それを読んだ私は、ふっと笑う。


にこ「そうね……そうよね」


そう呟くと、私は練習着に着替え始める。

その歌詞を、頭の中で歌いながら。



そう泣いてなんかいられないよ

だってさ──



にこ「楽しみはまーだまだまだまだこれからっ♪」


最後のワンフレーズを声に出して歌いあげると、私は屋上へ向かう。

すっかり待たせちゃったかしら。この私がいなくちゃ、練習になんてならないだろうし。

さーて……今日は何を教えてあげようかしら?
14: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015/05/09(土) 00:58:28.15 ID:r0MTKPm+.net
どっとはらい。

これにて完結です。


これからのSomeday (NICO Mix)を聞いた時にこみあげてきたものをそのまま文にして投げてみました。

特に描写はありませんでしたが、歌詞も相まってにこにとっては特別な一曲になってるんじゃないかな、と思う次第。


即死回避すらできてない超短編でしたが、お付き合いいただきありがとうございました。
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