サンシャインSS(曜ルビィ)

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ルビィ-アイキャッチ8
やっと9人分の衣装の型紙が作り終えた。
息を大きく吐き、凝り固まった肩と首を回す。
ルビィと果南が衣装製作を手伝ってくれているとはいえ、型紙制作までは自分1人で作らなければならない。数日掛かって完成した新しい衣装の型紙を見て、渡辺曜は確信する。

次の曲の衣装は必ずAqours9人に似合うと。




一息つくついでに部室の様子を見ようと、曜は家庭科室を出た。
今日は、3年生はダイヤさんが生徒会の仕事で、果南ちゃんはダイヤさんの手伝い。鞠莉さんが理事長の仕事。
2年生は千歌ちゃんは現国の補習。梨子ちゃんは作曲に集中したいから帰宅。
1年生はルビィちやんは委員会で 少し遅れるらしい。

だから今日は部活に来れるのは、私と善子ちゃんと花丸ちゃん、遅れてルビィちゃんだ。
私は人数も少ないから衣装をやらせてもらって、花丸ちゃんと善子ちゃんの2人しかいないから、2人は今頃何をやってるだろうか。
そろそろルビィちゃんも来てるかもしてない。

pixiv: サンシャインSS(曜ルビィ) by ちとせ

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部室の前にルビィちゃんが立っている。
その姿を良く見ると、ルビィちゃんの左肩にかけた鞄を持つ手が震えていた。

曜「ルビィちゃん?」

名前を呼ぶとルビィちゃんの肩はビクンと大きく動き、身体が固く硬直する。

曜「どうしたの?」

ルビィの斜め後ろに立ち、顔をのぞきこむと、その目には顔を真っ青にし、今にも倒れるんじゃないかと思うぐらいに生気のない瞳をしたルビィがいた。

曜「ルビィちゃん……!?」

ルビィ「あっ……曜さん……」

曜「ぶ……部室入らないの?」

ルビィ「…………今は……」

曜「じゃぁ、家庭科室おいで。丁度型紙出来たから。ルビィちゃん手伝ってよ」

ルビィ「…………」コクン

曜「じゃあ行こっか」

チラリと部室を覗く。

曜(あ…………)

覗いた一瞬でルビィが何でこんなに辛そうな表情をしているのかが分かってしまった。
それと同時に、曜は自分の胸がちくりと感じ、脳裏に数週間前の記憶が蘇る。
きっと、ルビィはあの時の自分と同じ位……いやそれ以上に苦しいのだろう。
大好きな親友が、友達が遠く遠くに感じる様で。


部室で花丸ちゃんと善子ちゃんがキスをしていたのをみてしまったのだから。









自販機で買った暖かい紅茶とココアを手にして、家庭科室に入る。
途中花丸ちゃんや善子ちゃんが来るとマズイから内鍵をして。

曜「ルビィちゃん、紅茶とココアどっちがいい?」

ルビィ「…………ココアで」

曜「りょーかいっ。はいどうぞ」

ルビィ「ありがとうございます…」

ルビィ「あったかい……」

ルビィはプルタブを引き起こし、フタを開けるとココアの香りと湯気をくすぐる。
曜も紅茶の缶を開けて一気に飲みほすとルビィの方を見る。

曜「ぷはっ!やっぱり暖かいの一気飲みはちょっとキツイね!」

ルビィ「……」

曜(ボケてみたけどやっぱだめかぁ。そりゃあんなシーンみたらまだ落ち着けないよね)

曜「……私作業の続きするから、ルビィちゃん好きなだけここにいていいからね」

曜はルビィにそう伝えて作業に戻る。
部屋の中で布とペンの音、そして時々ココアをすする音だけが響いていた



ルビィ「うすうす……薄々気づいてはいたんです」

ルビィはポツリと言葉を吐く。
ルビィの声を聞き、曜は作業の手を止めてルビィの方へ体を向けた。

ルビィ「高校に入って……Aqoursに入ってから、花丸ちゃんと善子ちゃんすごく仲いいなって」

ルビィ「花丸ちゃん、善子ちゃんといるとすごく楽しそうで、私といる時みたことない表情をしてたんです」

ルビィ「善子ちゃんも、私が花丸ちゃんにぎゅって抱きしめたり、距離が近かったりすると少し不機嫌になるんです……本人は気づいて無いみたいですけど」

ルビィ「ルビィには内緒で、2人でお泊まりしてたこともあるみたいで」

ルビィ「沼津に買い物に行ったとき、2人が腕くんでお買い物してたのを見てしまった時もありました」

ルビィ「気づかないふりして、本当はもうずっと前から気づいてたのかもしてません」

ルビィ「でも、信じたくなかった。受け入れたくなかった。認めたくなかった!」

ルビィ「認めたら、ルビィ独りぼっちになる気がして」

ルビィ「2人を応援したいんです。でも……でも、そしたらルビィは…………」

ルビィ「2人が恋人同士だからって、ルビィが2人の親ゆ…………友達であることには変わらないハズなんですけど」

ルビィ「あははは……ルビィっりゃに言ってりゅんだっ…ろ………ごめんなっひゃい……っうっ……ふぐっぅ……」

ルビィの瞳から涙が次から次へと溢れ、こぼれ落ちる
曜は、ルビィの気持ちが痛い程伝わってきた。
まるで数週間前にあった合宿の早朝に、親友の千歌と梨子が抱きしめ合い、大好きと言っていた姿を見てしまった瞬間や、千歌ちゃんの目が梨子ちゃんを常に探してる姿や、曜がいない所でこっそり恋人繋ぎしてる2人の姿がフラッシュバックする。
何と言えば良いのだろうか。
スグに答えは出なかったが、曜は両腕を伸ばし、ルビィの背中にまわして抱きしめる。

ルビィ「よう……さん……」

曜は黙って腕に少し力を込める。

ルビィ「うっ……っ」

曜「いいんだよ、ルビィちゃん」

ルビィ「っ……ひぐっ……っうわああああああああああああああ」







別に数週間前に見た出来事を吹っ切れたわけではない。
だからと言って千歌ちゃんと梨子ちゃんに嫉妬などのドロドロとした感情を持ってる訳では無い。
千歌ちゃんや梨子ちゃん。花丸ちゃんや善子ちゃんの様に友達やメンバーに恋愛感情を抱いているわけでもない。

今の曜には、どうしたらいいのかも、どうしたいのかも、なにもかもが分からなくて、ただ1つだけ分かるのは、3人の関係が壊れて独りになってしまうのが怖くて寂しくて不安であることだけだった。

今曜の腕の中のルビィもおそらく自分と同じ感情だろう。
ルビィは一体どうするだろうか。
自分の様に二人の関係に気づかないフリをし続けるのか。
それとも2人と正面から向き合うのか。

曜はどちらを選んだとしても、自分だけはルビィの傍にい続けようと思った。
自分と似た経験をしてしまったこの子を。

曜は抱きしめる腕にさらに力をこめる。

ルビィ「うぅ……曜さん苦しいよ」

曜「あ、ごめんごめん」

曜「ねぇ、ルビィちゃん」

ルビィ「何ですか?」

曜は目元がの髪色より真赤になってしまったルビィに約束する。

曜「次の衣装は、ルビィちゃんのをとびっきり可愛くしてあげるね!」

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