善子「居場所」

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善子-アイキャッチ16
一体いつから自分のことをヨハネだなんて名乗るようになったのだろう。しかも堕天使なんてキャラまで作っちゃって。

ホントはそんなものはないなんて分かっている。ただ自分を変えたかっただけだったのかもしれない。

それでも周りに受け入れてもらえるはずなんてなかった。普通に考えてこんな個性的すぎるキャラしてる人なんていないし…ね

だから私は一人になるしかなかった。それで十分なのだ…

pixiv: 善子「居場所」 by Veritas

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って思ってたんだけど…



花丸「善子ちゃ〜ん」フリフリ

ルビィ「善子ちゃんおはよ〜」フリフリ

善子「だからヨハネよ!!」

花丸「でも善子ちゃん堕天使キャラ抑えるって言ってたずら」

善子「な、なかなか痛いところ突くわね…」グサッ

ルビィ「急がないと予鈴鳴っちゃうよ〜」


高校に入ってからは一変、気づいたら友達が出来ていた。
クラスの子達も私に優しく接してくれている。流石に堕天使キャラを出すとちょっと引かれるけど…



ー放課後-

ダイヤ「千歌さん、テンポが遅れてますわよ!」

千歌「はいっ!」タッタッ

ダイヤ「花丸さん、もっと腕を上げて!」

花丸「了解ずら!」スッ

しかもスクールアイドルとして活動までしている。こんなことするだなんて思ってもみなかった。

私達「Aqours」は2年生の高海千歌さんを中心に、ここ浦の星女学院で活動している。
最近はPVの評判もうなぎ登りで、注目度も高くなってきている。

今は次のミニライブに向けた練習で、全体の振り付けの確認中である。

それにしても最近はミニライブが近いからか特に忙しい。だけど毎日がとても充実している。

その中に私がいてもいいのだろうか…?
前まで友達なんておらず、いつもひとりぼっちだった。(間違いなくキャラのせいだけど)
そんな私にとって、今の環境はちょっと眩しすぎる。本当は私は要らないのでは…?

善子「うわっ!?」ドテッ
 
考え事をしていたせいか、尻餅をついてしまった。

曜「だ、大丈夫!?」

善子「こ、このぐらい日常茶飯事よ…」

果南「あはは…」

鞠莉「ねえダイヤ、そろそろ休憩にしない?みんな疲れてきたころだし」

ダイヤ「そうですわね、一旦休憩にしましょう」



善子「ふー…」ゴクゴク

ルビィ「どうしたの善子ちゃん?いつもよりボーッとしてない?」

花丸「きっと夜遅くまで召喚の儀式とかしてたずら」

善子「してないわよ…考え事してただけ」

千歌「悩み事でもあるの?抱え込むのはよくないよー」

鞠莉「そうよ善子?果南にHugしてもらったら?」

果南「急に私を出さないでよ…」

善子「いや、本当に大丈夫よ…心配かけてごめんね」

それからは特に転んだりもせず無事に練習を終えたが、なぜかいつもの調子が出せなかった。



-部室-

他のみんなが帰路につくなか、私はまだ部室に残っていた。特に用があるというわけではない。なんとなく一人になりたかったからだ。

さっき考えていたことが頭から離れない。
私を要らないと答える人はいないと分かっていても、心のどこかで疑ってしまう自分が嫌になる。

善子「はぁ…」

だんだん視界が滲んでくる。いっそのこと抜けてしまおうか…

突然部室のドアが開いた。

梨子「あれ、よっちゃん…?」

善子「リリー…?帰ったんじゃないの?」

梨子「忘れ物したから戻ってきただけだよ…あっ、あった」

リリーは手にした筆箱を鞄に入れる。幸い顔は見られてない。
そう安心したのもつかの間、リリーは私の目の前に座り、顔を覗き込んで、心配そうな顔を浮かべた。

梨子「ねぇ、よっちゃん」

善子「うん…?」

梨子「ほんとに大丈夫なの…?練習の時からずっと上の空だけど」

善子「大丈夫だって…」

梨子「目もちょっと腫れてるし、大丈夫そうに見えないけど…」

善子「…」

もうこれ以上他人に心配をかけるわけにはいかない。私は心に抱えていることすべてを話すことにした。

梨子「…」

リリーは私が話している間、ずっと真剣に聞いてくれていた。そしてどこか共感しているような目をして…


梨子「その気持ち…少しわかるかも」

善子「え…?」

話を終えると、彼女はゆっくりと口を開いた。

梨子「3人でアイドルをはじめた時にそう思ってたから…」

梨子「私もね、東京にいた頃は友達がいなかったの」

善子「そうなの…?」

梨子「ずっとピアノばっかりだったし。結局途中で挫折しちゃって、こっちに来てからももうピアノなんかやりたくないって思ってた」

梨子「そんな時にスクールアイドルのお誘いが来たの。私とってそれは眩しすぎたし、正直すごく戸惑った」

梨子「それでもあの子は、私に輝ける場所を与えてくれた」

梨子「そして思ったの、私は誰かから必要とされているって」

善子「必要…」

梨子「もちろんよっちゃんだってみんなから必要とされてるはずだよ?少なくとも私はそう思ってるけど」

梨子「Aqoursはこの9人であるからこそAqoursだから…」

善子「…」

何だかこんなことで悩んでいる自分がバカらしくなってきた。私はここにいても良かったんだ…

善子「…グスッ」

梨子「よ、よっちゃん…?」

善子「ごめんね…ヒグッ、ありがとう…」グスグス

梨子「もう…手間のかかる後輩だなぁ」ギュッ

そう言いながらリリーは私を優しく抱きしめくれた。ダメだ、余計に涙が止まらない。私は声が枯れるまで大泣きしてしまった。



-自宅-

あれからリリーと別れて家に帰ると、急にさっきのことを思い出してしまった。すっごい恥ずかしい…それでも私の心はさっきとは違って、晴れ晴れとしていた。

夕飯と風呂を済ませ、自室に入る。

善子「さて…そろそろ寝ないと」

最近は生放送の頻度も減ってきた。それだけ毎日が充実してきたということなのだろうが、やはりすこし寂しい気もする。
スマホを手に取り確認すると、メールが何件か来ていた。Aqoursの皆からだ。

善子「…!」

内容は無理しないでね、とかゆっくり休んでね、とかいったものだった。まるで私が病人みたいな扱いだ。それでも私のことを気遣ってくれていると理解するのには十分だった。

善子「…」ウルッ

また涙腺が緩んでくる。こんなにも良い仲間を持ったものだ。

最後の1通はリリーからのものだった。

梨子『今日はゆっくり休んで。また明日ね』

善子「…ふふっ」

スマホをしまい、毛布にくるまる。今夜は久々にいい夢が見られそうだ…

終わり
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