千歌「Secret of my heart」

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千歌-アイキャッチ5
私、高海千歌には、秘密があります。


そんなことは誰にだってあるよ、と言われるかもしれません。
普通怪獣ちかちーの私だって、普通の女子高生だもん。


だけど、私の秘密は普通じゃないんです。

なぜなら……

それは、女の子への恋心だから。

pixiv: 千歌「Secret of my heart」 by 米津

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千歌(桜内梨子ちゃん)

千歌(今から何ヶ月か前。桜の舞う季節に、私の前に現れた奇跡みたいな女の子)

千歌(おしとやかで、真面目で、とっても綺麗で、ピアノも弾けて……)

千歌(そんな私にはないものばかりを持っている、キラキラした梨子ちゃん)


千歌(そんな梨子ちゃんに、気付いたら惹かれていました)

千歌(それはもう、どうしようもないくらいに)


千歌(この気持ちが芽生えたのは、いつだったかな……?)

千歌(ラブライブ!の予備予選とピアノのコンクールについて打ち明けたあの海岸?)

千歌(それとも、曜ちゃんと一緒に海の音を聞いて、Aqoursに入ってくれたとき?)



千歌(思い出そうとしても、ハッキリした答えはわからない)

千歌(だけど、私があの子に惹かれているのは、紛れもない本当のコトで)


千歌(……でも、この普通じゃない想いは仕舞っておかなければいけない)

千歌(女の子が女の子を恋愛的な意味で好きになるなんて、普通じゃない)

千歌(人によっては、気持ち悪いって思われちゃうかもしれない)

千歌(いくら浦女が女子高だからって、それは変わらないの)



千歌(優しい梨子ちゃんはきっと、優しい笑顔で言ってくれるはず)

千歌(『そんなことないよ、ありがとう』って)

千歌(でもそれは、私を傷つけないようにするための言葉で)

千歌(私の想いが梨子ちゃんを困らせちゃうことには変わりはないし、梨子ちゃんまで周りから変な目で見られてしまうかもしれない)


千歌(だから私は、ゆっくりと募るこの想いに、気づかないふりをしているんです)

千歌(叶わない密やかな恋だとしても、壊れちゃうよりはマシだから)


千歌(今の梨子ちゃんとの関係が)

千歌(大切な大切なAqoursが)



◇◇◇





8人「お姫様と王子様?!」

鞠莉「えぇ、『PrincessとPrince』。次の新曲のテーマにどうかしら?」

果南「ってことは、この中から姫と王子を選ぶってこと?」

鞠莉「そういうことになるのかしらね。残りの7人は使用人で〜す!」

ザワザワ……

千歌「ダイヤさん、これって……」

ダイヤ「えぇ、まさしくこれは……」

ちかダイ「Love wing bell !」

花丸「あ、それはマルも知っているずら」

ルビィ「花丸ちゃん、凛ちゃん好きだったもんね」

善子「ふっ、堕ちた天使のヨハネには少しばかり眩しいテーマね……」

ワイワイ

曜「これは衣装作りにも気合が入るねぇ!」

梨子「ふふ、曜ちゃんのスイッチが入っちゃったみたいね」

曜「えへへ。梨子ちゃんも曲作り頑張ってね」

梨子「そうね。まずは千歌ちゃんの歌詞次第だけど……」チラッ

千歌「えぇ~?催促はやすぎるよぉ!」プンプン

梨子「ふふ、冗談よ」

千歌「あ、今のは催促と『はやい』の最速を掛けてね?」

曜「千歌ちゃん……」ジトー


果南「で、誰が姫と王子なの?」

鞠莉「ふっふっふ、実はもうPlanはあるので~す」

善子「まぁ私は堕天使役で決まりだけどね」

花丸「そんな役はないずら」

ダイヤ「はいはい、善子さんは少しお静かになさいね」

善子「うっ……だからヨハネよ!」ボソッ


鞠莉「まず、Princessは……」

8人(ゴクリ……)

鞠莉「梨子よ!」


梨子「……えっ?私?!」

ダイヤ「良いですわね、とっても似合いそうですわ」

果南「うん、私も梨子が適任だと思ってたよ」

梨子「でも、私は地味だし他の子の方が……」

鞠莉「そう? 梨子はとってもcuteな女の子じゃない?」

梨子「そ、そんなこと……!」///

千歌「そんなことあるよ! 私も梨子ちゃんがいいと思うな!」

梨子「千歌ちゃん……」


ルビィ「梨子さんのお姫様姿、とっても楽しみです!」

曜「うん!これは衣装作りにもなおさら気合が入るであります!」

梨子「みんな……」ジワッ

花丸「マルも梨子ちゃんが合ってると思うなぁ」

善子「そうね……悪くないんじゃない?」

曜「ヨーシコー!素直じゃないんだから~」

善子「別にそんなこと……あとヨハネ!」

ワイワイ

鞠莉「Hi, みんな異論はないようね、梨子?」

梨子「はい……みんなの期待に応えられるように頑張るね!」

パチパチパチパチ



千歌(梨子ちゃんのお姫様姿、楽しみだなぁ)

千歌(髪の毛も綺麗で長いし、絶対かわいいよね)

千歌(それにしても梨子ちゃん、また自分のこと地味とか言って……)ハァ

千歌(そういう控えめな所も好き……なんだけど)ドキドキ


ダイヤ「それで鞠莉さん、王子様は誰ですの?」

鞠莉「ふっふっふ……」

8人(ゴクリ……)




鞠莉「Princeは、チカっちよ!」

7人「おぉ〜」パチパチ

千歌「……?」

曜「? おーい、千歌ちゃん?」

千歌「ええええええええええええ?!」

ルビィ「ピギッ?!」
花丸「ズラッ?!」

千歌「なんで私なのぉぉぉ?!」

鞠莉「チカっちは、やりたくないの?」


千歌「やりたくないわけじゃないけど……」

千歌「でも私より曜ちゃんとか果南ちゃんのほうが似合いそうですし!ほら!」

曜「千歌ちゃん……」

果南「そんなことないんじゃない?千歌だってすごく似合うと思うけど」

ダイヤ「そうですわ、千歌さんも似合っていると思います」

善子「そうよ、私の堕天使役の次くらいには合っているわよ」フフン

花丸「その話、まだ続いているずらか?」

ルビィ「まぁまぁ、きっと善子ちゃんなりに応援してくれてるんだよ」

善子「ちょっ、別に応援してるとかじゃ……ハズカシイジャナイ」ボソッ


鞠莉「どうしてもと言うなら他の子と変わってもいいけど、チカっちはどうしたい?」

千歌「うん……えっと……」

千歌「梨子ちゃんは、私が相手で大丈夫かな……?」

梨子「大丈夫も何も……私は千歌ちゃんとやってみたいな」ニコ

千歌「梨子ちゃん……!」パァ

梨子「ふふ、一緒に頑張ろうね……作詞も!」

千歌「えぇ~~、ここでまたそれを言うの~?」プクー

曜「2人とも頑張ってね、衣装作りは私におまかせあれ!」ケイレイ

千歌「曜ちゃん!ありがとう!」



鞠莉「どうやらこれで決まりみたいね」

ダイヤ「えぇ。……これではお姫様と王子様が逆みたいですけどね」フフ

果南「ってことは、鞠莉も使用人の衣装着るんだね」

鞠莉「ふふん、早速うちのお手伝いさんたちに色々lectureしてもらおうかな♪」


花丸「次の曲も楽しみになってきたね」モグモグ

ルビィ「うん!使用人ってことは、メイドさんみたいな衣装になるのかな……?」

花丸「オラ、そういう服初めて着るずら」モグモグ

善子「ズラ丸はパン食べながら奉仕してそうね……」



ガヤガヤ


曜「……」




◇◇◇




夕方、帰り道

千歌「今日の練習も疲れたねぇー」ノビ

梨子「もう、それじゃ千歌ちゃんオジサンみたいよ」

千歌「うへへ、お嬢ちゃん今日も可愛いねぇ~」ニヤリ

梨子「もう、千歌ちゃんったら……」アハハ

千歌「えへへ、ついうっかり」





千歌(みんなと別れて梨子ちゃんと二人で帰るこの道は、とっても大事な時間です)

千歌(だって、梨子ちゃんを独り占めできる貴重な時間だから……)

千歌(でも、楽しい時間はすぐ過ぎてしまいます)

千歌(だから私は時々、家がもっともっと遠かったいいのに、なんて思ってしまいます)



千歌「ねぇ、梨子ちゃん」

梨子「どうしたの?」


千歌「海、見ていかない……?」






十千万前の海


梨子「いつ見てもきれいな海ね……」

千歌「そりゃ、内浦の数少ない良いところですから」エッヘン

梨子「……」

千歌「……」

梨子「それで千歌ちゃん、何かお話?」

千歌「うん、大したことじゃないんだけどね」

梨子「もしかしなくても、次の新曲の……?」

千歌「……バレバレだったかぁ」アハハ

梨子「だって千歌ちゃん、王子様に決まったときからずっとソワソワしてるし」

千歌「えぇ~~! そんなに分かりやすかったの?!」///



千歌「みんなはああいう風に言ってくれたけど、やっぱり私、ちょっと不安かも」

梨子「千歌ちゃん……」

千歌「やりたくないとかじゃないんだけど、曜ちゃんとか果南ちゃんとかの方がカッコイイし……」

千歌「お客さんもそう思ってるかも、って考えると……」


梨子「ふふ、千歌ちゃんって、意外と繊細なところもあるのね」

千歌「えぇ~~!梨子ちゃんそれどういう意味!」プクー

梨子「ごめんね、でも千歌ちゃんって何でもグイグイ積極的なイメージがあったから」

千歌「そうなの?」

梨子「うん。だって、スクールアイドル始めたときの勧誘だって……」

千歌「うっ……その節はご迷惑を」


梨子「いいの。あの時の千歌ちゃんのおかげで、私はAqoursと出会えたから」


梨子「あの時千歌ちゃんに手を引いてもらえたおかげで、大切な友だちがたくさんできて」

梨子「ピアノをもう一度弾けるようになったのだって、千歌ちゃんのおかげ……」

梨子「だから、千歌ちゃんには感謝……してるのよ?」


千歌「……」ボーッ


梨子「……!もう、何か言ってくれないと……!」///

梨子「は、恥ずかしい、じゃない……」///




千歌(やっぱり、梨子ちゃん可愛いな……」

梨子「~~!」///

梨子「も、もう!からかわないでよ!」ムッ


千歌「……へっ?」

梨子「だ、だって!私の事、可愛いって……」

千歌「えっ?! 口に出てた?!」//




千歌(夕暮れのみかん色の砂浜で、恥ずかしそうに私のことを話してくれた梨子ちゃんは)

千歌(信じられないくらい綺麗で、可愛くて……)

千歌(『あぁ、私はこの子の事が好きなんだなぁ』と嫌でも思い知らされました)


千歌(うっかり思っていたことを口に出してしまうほどに、梨子ちゃんに見とれてしまって)

千歌(波の音に負けないくらい、私の心臓はドキドキと音を立てていました)



千歌「梨子ちゃんがそんな風に思ってくれてたなんてなぁ~」

梨子「もう!せっかく千歌ちゃんを励まそうと思ったのに……」ムスッ

千歌「ごめんごめん……でも、おかげで元気出てきたかも」

梨子「むぅ、なら良かったけど……」

千歌「それに、こんなに可愛いお姫様のお相手ができるなんて、なかなか無いしね~」

梨子「ま、またそうやって~!」//



千歌(梨子ちゃんがあまりにいい反応をしてくれるので、ついついからかってしまいました)

千歌(顔を真っ赤にして恥ずかしがる梨子ちゃん)

千歌(少しムッと頬を膨らませて、怒ったふりをする梨子ちゃん)

千歌(そんな梨子ちゃんを独り占めしている私は、なんて幸せなんだろう)


千歌(でも、それだけじゃ満足できない私もいて)

千歌(もっと色々な梨子ちゃんを見たい)

千歌(ワガママな気持ちが、どうしようもなく湧いてきてしまいます)



千歌(もしも、この気持ちを伝えたら、私たちは変わるのかな……?)

千歌(でも、今よりも離れてしまうのなら)



千歌「梨子ちゃん」

梨子「?」

千歌「今日はそろそろ帰ろっか」



千歌(このときめく心には気付かないように)

千歌(鍵をかけて、閉じ込めておけたらいいのにな……)



◇◇◇


数週間後、2年生教室


キーンコーンカーンコーン

千歌「はぁ~~疲れたよ~」

曜「食後の現文は辛いよねぇ」

千歌「うぅ、ちょっと一眠りしなきゃ……」ウツムキ

曜「あはは……私はちょっとお手洗い行ってくるね」フリフリ

千歌「いってらっしゃ~い」ウツムキ


千歌(新曲もなんとか完成し、9人での練習にも慣れてきたころ)

千歌(毎日の練習のせいもあって、6限前につい俯きながらウトウト……)



モブA「ねぇねぇ、そういえばC子彼氏できたらしいよ」

モブB「えっ、本当?!すご~い!」


千歌(……彼氏か~、C子ちゃん可愛いからなぁ)


モブA「なんか最近機嫌いいなって思ったのよね」

モブB「確かに……彼氏いるってどんな感じなんだろう」

モブA「ね、どんな感じかな……そうだ!梨子ちゃん!」

梨子「A子ちゃん?どうしたの?」

モブA「梨子ちゃんって今お付き合いしてる人とかいるの?」


千歌(……)ドキドキ


梨子「お、お付き合いしてる人……?!」

モブB「そうそう、どうなの?」キラキラ

梨子「え、えっと……」


千歌(……)ドキドキ


梨子「いない、かな……」

モブA「なんだ、梨子ちゃんもかぁ」


千歌(……)ホッ



モブB「じゃあ、東京にいた時はどうだったの!」

梨子「そ、それは……」


千歌(……)ドキドキ


梨子「……秘密!」

モブAB「え~~」


千歌(……っ!)


モブA「気になるよぉ」

梨子「わ、私にもプライバシーがあるのよ」アセアセ


千歌(……)モヤモヤ

千歌(梨子ちゃんとA子ちゃんたちのお喋りがついつい気になって)

千歌(さっきまでの眠気はいつの間にか消えてしまいました)


千歌(今お付き合いしている人がいないと聞いてホッとしたと思ったら)

千歌(東京にいた頃のことを濁す梨子ちゃんに、私の心はモヤモヤに包まれます……)

千歌(そういえば、内浦に来る前の梨子ちゃんのこと、あんまり話したことなかったなぁ)


千歌(一緒にAqoursやって、家も隣だけど)

千歌(梨子ちゃんのこと、まだ全然知らないんだなぁ……)




◇◇◇



放課後 

曜「千歌ちゃん梨子ちゃん、部室いこいこ!」

千歌「ごめんね、ちょっとだけ用事あるから先に行ってて!」

曜「了解であります! ……千歌ちゃん、先生から呼び出しとか~?」

千歌「もう!千歌べつに悪いことしてないよ!」プクー

曜「えへへ、だよね!」

曜「じゃあ梨子ちゃん、先行ってよっか」

千歌「ごめん、梨子ちゃんはちょっと残ってて?」

梨子「えっ?別にいいけど……」

曜「えぇ~、何々?お二人だけの秘密ですか~?」ニヤニヤ

千歌「そ、そんなんじゃないよ!」//

曜「うそうそ、赤くなっちゃって可愛い~」ニヤニヤ

千歌「もう!からかわないでよ~!」

曜「あはは。 ……気が向いたら私にも教えてね、じゃあ先に行ってくるね!」タタタッ








梨子「千歌ちゃん、それでどうしたの?」

千歌「えっと、その……あはは」

梨子「……?」クビカシゲ

千歌「梨子ちゃんは、その……」



千歌「誰かとお付き合いしてたことあるのかなぁ、なんて」


梨子「……へっ?!」ビクッ

千歌「なんて、冗談冗談!ごめんね、忘れて……?」アセアセ

梨子「もしかして、さっきの話聞いてた?」

千歌「えっと、聞いてたというか聞こえたというか……」アハハ

梨子「そっか、千歌ちゃんに聞かれちゃってたんだ」

千歌「ごめん!盗み聞きするつもりはなかったの!」

梨子「そんな、千歌ちゃんが謝る必要なんてないよ」

千歌「ありがと…… じゃあ、私たちも部室に





梨子「ないよ?」

千歌「……へっ?」



梨子「お付き合いしたこと。 まだないの」

千歌「……ふ、ふ~ん。そうなんだぁ」


梨子「ふふ。これで満足した?」ニコッ

千歌「……っ!」ドキッ

梨子「なんて、ね。千歌ちゃんとこういう話するのってなんだか新鮮ね?」

千歌「そ、そうだね!千歌たちだって華の女子高生だもん!」

梨子「くすくす。その言い方だとオジサンみたいよ」

千歌「えへへ。じゃあオジサンと一緒に部室いこ?」ルンルン

梨子「うん。……なんだか千歌ちゃんご機嫌ね?」

千歌「そんなことありませんよ~」ルンルン

梨子「もう……」




◇◇◇


放課後練習後 屋上


ダイヤ「新曲もだいぶ形になってきましたわね」

果南「今までになかったような曲だけど、良い感じだね」

曜「うん、さすが梨子ちゃんって感じだよね!」

梨子「そんな……でも、そう言ってもらえると嬉しいかな」


ルビィ「千歌ちゃんと梨子ちゃんの振り付け、とってもドキドキします!」

花丸「あれはマルもちょっと恥ずかしいずらね」//

ちかりこ「……」//

果南「2人とも顔真っ赤だね」

千歌「だって!間奏でひざまずいて手の甲にキ、キスだなんて……」//

千歌「というか、言い出しっぺの果南ちゃんに言われたくないよ~!」

梨子「そうです!さすがにあれは恥ずかしいです!」

果南「ごめんごめん、でも様にはなってたよ?」

ダイヤ「それにしても、ひざまずいて手の甲にキスなんて、果南さんはロマンチストですのね」

果南「べ、べつにそれは良いじゃん……」//

鞠莉「Oh! 果南、顔真っ赤よ~?」ニヤニヤ

果南「うっさい!」//



ワイワイ



曜「千歌ちゃん、よかったね」コソッ

千歌「えっ?な、何のことかな……?」//

曜「あはは、何のことだろうね~」クスクス

千歌「も、もう!意味分かんないよ!」ガオー

曜「わわっ、千歌ちゃんが怒った!」

千歌「むぅ」



曜「そう言えば、練習前は結局なに話してたの?」

千歌「……えっと、今日の振り付けの相談、かな?」

曜「えー、それだと二人きりの必要なくない?」

千歌「それはほら、やっぱり今回の曲のは恥ずかしいから……」

曜「……そっか。それはそうだよね」テヘヘ

千歌「うん。曜ちゃんもやってみれば分かるよ」アハハ

曜「あはは、そうだね~」


千歌「なんなら今、やってあげよっか?」

曜「えぇっ?! いま?!」//

曜「わ、私は間に合っているであります!」ブンブン


千歌「くすくす、冗談だよ曜ちゃん」アハハ

曜「うっ……千歌ちゃんに弄ばれた」ズーン

千歌「さっきのお返しだよ~」


曜「千歌ちゃん、ずるいよ……」ボソッ

千歌「えっ?何なに?」

曜「なんでもない! さ、帰ろ?」

千歌「あっ、曜ちゃん待ってよ~」



◇◇◇


夜 千歌部屋 布団の中


千歌(今日は、思い切って梨子ちゃんに聞いちゃったなぁ)

千歌(梨子ちゃんは美人だし、そういう経験もあるのかと思ったけど)

千歌(まったく無かったのは意外だったなぁ)

千歌(正直、それを聞いて少し嬉しい自分がいます)


千歌(だからといって、女の子同士が普通じゃないことには変わりないけど……)

千歌(でも、まだ何もないということは、少しでも可能性があるんじゃないかと)


千歌(私は梨子ちゃんに、もっと近づいてもいいのかな……?)

千歌(それともやっぱり、友達のままでいた方がいいのかな……?)

千歌(きっと勘違いだと分かっていながら、ささやかな期待をしてしまいます)




千歌(でも、お付き合いの経験のこと、私には聞いてくれなかったなぁ)

千歌(梨子ちゃん、私のそういうことに興味ないのかなぁ……)

千歌(私のことす、好きだったら聞いてくれるはずだよね……?)ハァ





千歌(もし、私が男の子だったら……)

千歌(梨子ちゃんとの出会いが、もっと違うものだったら……)

千歌(梨子ちゃんの特別な笑顔を、独り占めできたのかな……?)


千歌(……なんて。らしくないなぁ)

千歌(おやすみ、梨子ちゃん)




◇◇◇


数日後 浦女 中庭


千歌(まさか、飲み物じゃんけんに負けちゃうとは……)トホホ

千歌(最後の善子ちゃんとの1対1、勝てると思ったんだけどなぁ……)

千歌(えっと、スポーツドリンクと、みかんジュースと……)


「……先輩のことが好きです!」


千歌(わわっ……告白?)コソッ

千歌(制服的にあれは……1年生と3年生?)


「もしよければ、私と……付き合ってください!」



千歌(1年生の子、よく見ると足が震えてる……)

千歌(相当勇気出したんだろうなぁ)


「……ごめんなさい」
「……」


千歌(……ダメかぁ)

千歌(先輩の方も、辛そうな顔してる)


「とっても嬉しいけど私、女の子じゃなくて男の子が好きなの」


千歌(……っ!)

千歌(そうだよね……それが普通だよね……)

千歌(やっぱり女の子同士なんて……)




◇◇◇


屋上


ガチャ

果南「おかえり、千歌」

千歌「ただいま、果南ちゃん」ボーッ

果南「……千歌?どうしたのボーっとして」

千歌「?? 別に大丈夫だよ?」

善子「あれ?千歌さん、みんなの飲み物は?」

千歌「?? 飲み物?」

善子「いやいや、さっきジャンケンしたじゃない!」

千歌「あ、そっか……飲み物か」

善子「何のために下行ったのよ」

千歌「ごめんね……もう一回行ってくる!」

曜「千歌ちゃん大丈夫?一緒に行こうか?」

千歌「大丈夫大丈夫、行ってくるね」タタッ


曜「千歌ちゃん、大丈夫かな」

梨子「曜ちゃん、何か知ってる?」

曜「ううん、何にも。 梨子ちゃんこそ、知らない?」

梨子「私も、特には。……最近の千歌ちゃんはずっと元気だし」

曜「そっか……」




◇◇◇


練習後


千歌「はぁ、はぁ……」

千歌「さすがに練習の後にダッシュはきついなぁ……」ハァハァ


千歌(結局あの後、練習はいつも通りできたつもり)

千歌(振り付けだってスムーズにできたし、歌もちゃんと歌えた)

千歌(でも、中庭でのことが頭を離れなくて、一人で学校を走って出てきちゃいました)


千歌(女の子が女の子を好きになることが普通じゃないことなんて)

千歌(分かってたんだけどなぁ……)

千歌(分かって……)ポロ

千歌(……あれ?)ポロポロ

千歌(私……泣いてるの?)ポロポロ





「千歌ちゃーん!」


千歌(……えっ?)チラッ


梨子「千歌ちゃん!」タッタッ


千歌(梨子ちゃん……?!)ゴシゴシ


梨子「はぁ、はぁ、やっと追いついた……」

千歌「梨子ちゃん、どうして」

梨子「だって……千歌ちゃん、様子が変だったから」

千歌「そうかな? 私はいつも通りだよ?」

梨子「……嘘つき」

千歌「梨子ちゃん……」

梨子「今も目、腫れてるよ?」

千歌「っ!……」

梨子「悩みがあるなら、ちょっとでいいから……相談してほしいな」

千歌「……」

梨子「それとも、私じゃ頼りにならない……?」

千歌「そんなことないよ!」

梨子「だったら……」

千歌「でも、ごめん。梨子ちゃんには言えないよ……」

梨子「……そっか」シュン


千歌(しゅんとした梨子ちゃんが可愛いけど、それ以上に心が痛いよ……)

千歌(でも、言えないよ。梨子ちゃんのことだもん……)


梨子「……もし話せるようになったら、その時は教えてね」ニコッ


千歌(やっぱり、梨子ちゃんは優しいなぁ)

千歌(そんなに優しくされたら、もっと好きになっちゃうよ……)

千歌「うん!ありがとね」ニコッ


梨子「さぁ、一緒に帰ろう?」

千歌「うん!」



◇◇◇


夜 千歌部屋


千歌「……はぁ」

千歌(さっきから、ずっと同じこと考えてるなぁ)

千歌(いけないって分かってるのに、梨子ちゃんへの想いはどんどん膨らんじゃって)

千歌(苦しいよ……)

千歌「梨子ちゃん……」ボソッ


「千歌ちゃーん」

千歌(……)

「おーい、千歌ちゃん!」

千歌「……えっ?」ガララッ


曜「えへへ」フリフリ

千歌「曜ちゃん……?!」

千歌(窓を開けると、そこには自転車にまたがった曜ちゃんがいました)




◇◇◇


十千万前の海


千歌「曜ちゃん、どうしたの?」

曜「えっと……今日の千歌ちゃん、変だったから」

千歌「!……そうだったかなぁ」

曜「そうだよ、……何年千歌ちゃんと一緒にいると思ってるのさ」

千歌「うっ……」

曜「さっきは梨子ちゃんにお任せしたんだけど」

曜「やっぱり居てもたってもいられなくなっちゃって」エヘヘ

千歌「……でもだからってこんな時間に自転車でって」

曜「それは、この間の千歌ちゃんだっておんなじだったじゃん」

曜「汗でビショビショになりながら、沼津の方まで自転車で来てくれて」

曜「……あのとき、本当に嬉しかったんだよ?」ニコ

千歌「曜ちゃん……」

曜「えへへ」


千歌「やっぱり、曜ちゃんにはかなわないや」

曜「そんなことないよ」


千歌「……曜ちゃんには本当のコト、話すね?」

曜「……大丈夫?」

千歌「うん。ちょっと怖いけど、曜ちゃんだから話すよ」

千歌「大切な大切な『友達』だもん……」

曜「……うん」


千歌「私ね?」

千歌「えっと、その……」

千歌「す、……」



曜「好きなんだよね? 梨子ちゃんのことが、特別な意味で」


千歌「……えぇ?! なんでそれを?!」///


曜「……えっへん! 千歌ちゃん、『幼馴染』の目をナメてはいけないであります!」ケイレイッ

千歌「曜ちゃんはやっぱり凄いな」

曜「そんなことないよ。 千歌ちゃんのことだからわかるんだよ?」

曜「今までずっと、見てたから」


千歌「……気持ち悪くないの?」

曜「何が?」

千歌「その……女の子が女の子を、そういう意味で好きになるの」


曜「うーん、私はそんなこと思わないけどな」

曜「確かに、世の中にはそういう人もいると思うけど、私はそんなことないよ」

曜「むしろ、分からなくもないというか……」ゴニョゴニョ



千歌「……」ジワッ

曜「あれ?!私何か変なこと言っちゃった?!」アタフタ

千歌「ううん……私、怖かったの」

千歌「気持ち悪がられたらどうしよう、軽蔑されたらどうしよう、って……」

曜「……ふぅん、千歌ちゃんは私がそういうこと思うと思ってたんだ」

千歌「えぇっ?! いや、そういうわけじゃなくて……!」

曜「ふふ、冗談だよ!」

千歌「もう……」


曜「それで、千歌ちゃんはどうしたいの?」

千歌「えっ? どうしたいって……」

曜「告白とかしないの?梨子ちゃんに」


千歌「……無理だよ」

曜「……どうして?」

千歌「梨子ちゃんが、曜ちゃんみたいに分かってくれるか、わからないから」

千歌「もし拒絶されちゃったら、私……」

曜「……」

千歌「それに、もし梨子ちゃんが良かったとしても」

千歌「周りの人がみんな分かってくれるとは限らないし……」

千歌「そしたら、梨子ちゃんまで変な目で見られちゃうから」


曜「千歌ちゃんは、伝えたくないの……?」

千歌「それは……」

曜「ずっと隠したままでいいの……?」



千歌「…………たいよ」

千歌「伝えたいよ!……ちゃんと伝えたい!『好きだよ』って!」ポロポロ


千歌「でも……怖いよ」


千歌「今までみたいに会えなくなっちゃうかもしれないんだったら」


千歌「苦しいままでいた方が、いいんだよ……」ポロポロ


曜「千歌ちゃん……」

千歌「……」ダキッ

曜「わわっ、千歌ちゃん?!」ギュッ

千歌「ちょっとだけ、このままでいさせて……」




◇◇◇



千歌「ごめんね」

曜「ううん、平気だよ。落ち着いた?」

千歌「ありがとう。ちょっとスッキリした」エヘヘ






曜「そしたら、千歌ちゃんに言っておきたいことがあるんだ」

千歌「なになに?」



曜「えっとね」



曜「千歌ちゃんは、梨子ちゃんを……Aqoursのみんなを、見くびりすぎだよ」チョップ

千歌「あいたっ!?」

曜「Aqoursのみんなは、そういうことに偏見持つような子じゃないと思うな」

曜「まして、それを人に言いふらしたりする子なんていないよ」

千歌「それは……」

曜「みんながいい人ばかりなのは、千歌ちゃんが一番良く知ってるんじゃないの?」

千歌「そうだね」

曜「だから、そこは心配しなくていいと思うんだ」

曜「それにずっと隠してたら、その間に梨子ちゃん、他の誰かと付き合っちゃうかもしれないよ?」

千歌「?! それはダメ!……あっ」

曜「ほら!」

千歌「うぅ、だけど……」

曜「さっきも言ってたよ、伝えたいって」

千歌「うん……」

千歌「……よし!決めたよ!」

千歌「今度のライブが終わったら、全部伝える!」


曜「それでこそ千歌ちゃんだよ!」

千歌「そ、そうかなぁ」エヘヘ

曜「そうだよ」


曜「……私、応援してるから。頑張ってね?」ニコ

千歌「うん!本当にありがとね、曜ちゃん」


曜「もしダメだったら、私が貰ってあげるから安心して?」

千歌「もう、曜ちゃんったら」アハハ

曜「えへへ」



ビュウウウウ


千歌「やっぱり夜は冷えるねぇ」

曜「そうかも」

千歌「そろそろ家に戻ろうかな」

曜「そうだね、風邪引いちゃったら元も子もないからね」

千歌「曜ちゃん、車出してもらおうか?」

曜「いいよ、自転車だし。それに、私はもうちょっとだけここに残ろうかな」

千歌「えぇ~そしたら私も残る!」

曜「いやいや、千歌ちゃんは薄着だしそろそろ帰らなきゃ」

千歌「むぅ、そこまで言うなら……」

曜「うん、気を付けてね」

千歌「ありがと!曜ちゃんこそ気を付けてね!」

曜「了解であります!」ケイレイ

千歌「じゃあね!」タタタッ

曜「バイバイ!」フリフリ








曜「バイバイ、千歌ちゃん」ボソッ



◇◇◇





梨子「今日のライブ、とっても楽しかったね」

千歌「うん!おかげさまでお客さんもたくさん来てくれたし」

梨子「そうね、それに新曲も」

千歌「そうだね!みんなにも好評だったし!」

梨子「あまりに良かったのか、鞠莉ちゃんなんて『次は私と果南であれをやりましょう♪』てずっと言ってたわね」クスクス

千歌「でもあれは私と梨子ちゃんだけの特権だからダメだよ!」

梨子「ふふ、千歌ちゃんも気に入ってるんじゃない」

千歌「うん!……梨子ちゃんは気に入らなかった?」

梨子「そんなことないよ……私も、やってよかったかな」

梨子「って何言わせるの!?」//

千歌「えへへ。やっぱり私たちだけの特権だね♪」

梨子「はいはい」

千歌「みんなの衣装も似合ってたよね!」

梨子「3年生はさすがの着こなしだったね」ウットリ

千歌「曜ちゃんもね~。善子ちゃんもカッコよかったかも」

梨子「花丸ちゃんとルビィちゃんは想像通りの可愛さだったわね」

千歌「わかる!うちの旅館にいたらお客さん増えるだろうなぁ」

梨子「ふふ、千歌ちゃんのとこよりは鞠莉ちゃんのホテルっぽいけどね」

千歌「えぇ~?そうかなぁ」




千歌「……ねぇ梨子ちゃん、ちょっとだけ海行こ?」

梨子「いいよ、本当に海が好きなのね」

千歌「うん」




◇◇◇



梨子「こんなに綺麗なのに、誰も居ないのね」

千歌「……」

梨子「千歌ちゃん?」


千歌「梨子ちゃん、お話があるの」

梨子「……?」

千歌「ビックリするかもしれないけど、聴いてくれる?」

梨子「いいけど、どうしたの?」

千歌「えっとね?」

梨子「うん」



千歌「……」


梨子「えっと、自分のペースで話してくれていいからね?」

千歌「うん……」



千歌(……やっぱり怖いよ)


千歌(こんなに綺麗で可愛くて優しい梨子ちゃんが、私なんかのこと……)



ブーッ、ブーッ


千歌(もう……こんなときにメール……誰?)

千歌「ちょっとごめんね」ピッ

千歌「……!」



━━━━━━━━━━━━━━━
From 曜ちゃん<xxxxx@xx.xx>
Title  千歌ちゃん!
───────────────
頑張れ~!(*> ᴗ •*)ゞ
千歌ちゃんなら、大丈夫だよ!



━━━━━━━━━━━━━━━



千歌「……」ジワッ

千歌(……よし!)

千歌「梨子ちゃん、あのね」


千歌「私、ずっと隠してきた秘密があるの」




千歌「私ね、梨子ちゃんのことが――」




おわり



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『千歌「Secret of my heart」』へのコメント

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