- 1: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:40:01.37 ID:sdWNcunX.net
- 渡辺曜は剥きかけのみかんを落とした。さっさと拾うべきだが、体が固まって動かない。
原因は、高海千歌の発言である。
「ち、千歌ちゃん?急にどうしたの?」
なんとか首だけを動かし、千歌の方へ振り向く。 - 2: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:40:41.49 ID:sdWNcunX.net
- 「よーちゃんの今日のパンツはーっと」
「ちょおおおお!?」
いつの間に近付いていたのか、千歌が自分のスカートをまさぐり始めていた。しかも脱がすつもりらしく、腰のゴムに手をかけている。
普通スカートの中身を見るならば、めくって下から見るものではないのだろうか。
「って、ちょっとちょっと千歌ちゃん!待って!」
何てくだらないことを考えている場合ではない。曜は千歌を引き剥がそうと彼女の両肩を掴んだ。
「...あっ♡」
「へ?」
曜の体が再び固まる。何だ今の声は。 - 5: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:41:26.29 ID:sdWNcunX.net
- 「もう、よーちゃんたら...ダ・イ・タ・ン♡」
千歌が自身の両肩を抱いてクネクネしている。ダイタンも何も肩を掴んだだけだ。というか、スカートを脱がそうする方が何倍も大胆ではないのかと固まっていく思考で曜は思った。
「そんなケダモノよーちゃんには...オシオキだー!」
「え、ちょ...きゃあああああ!!」
叫びながら千歌が飛び込んでくる。咄嗟に受け止めようとするが、抵抗虚しく再び彼女の手はスカートを捉えた。
まずい、このままではパンツが明けましておめでヨーソローしてしてしまう。 - 6: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:42:20.04 ID:sdWNcunX.net
- 「うふふ...♡」
「いやっ...や、やめ」
何とか引き剥がそうともがくが、物凄い握力で全く剥がせない。普段の彼女では考えられない力でスカートを掴んでいる。
一体千歌に何が起こっているのだ。
「それそれー!」
「い、いやぁぁぁああ!!」
原因を考える暇もなく、曜は幼馴染に水色の下着を露わにされた。 - 7: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:43:05.04 ID:sdWNcunX.net
- 桜内梨子は唖然としていた。
目の前では同級生がもう一人の同級生からスカートを剥ぎ取っている。
唖然とするしかなかった。
あ、曜ちゃんのパンツ水色なんだ。イメージ通りね。
何てことを考えるくらいには目の前の事態が飲み込めていなかった。 - 8: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:43:39.29 ID:sdWNcunX.net
- 千歌と曜は幼馴染みだ。幼馴染みならば、スカートを脱がしたりするのは普通なのだろうか。そういう間柄の人物がいない梨子には、幼馴染みというのはどういうものか分からなかった。
だから、今千歌が曜のスカートを剥ぎ取っているのは幼馴染み特有のコミュニケーションなのだと解釈したのだ。
「って、そんなわけない!」
変な方向に進み始めた思考を無理やり元に戻す。いくら幼馴染みとはいえ、パンツを見るコミュニケーションなどあるはずがない。
「千歌ちゃん、やめなさい!」
ようやく事態の緊急性を理解し始めた梨子は、千歌を止めにかかった。 - 9: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:44:20.65 ID:sdWNcunX.net
- 「あ、あれ?」
しかし、そこに千歌の姿はない。あるのは下半身下着姿の曜だ。スカートを剥ぎ取られたショックでメソメソヨーソローと泣いてしまっている。
曜の奇っ怪な泣き声はさておき、梨子は周りを見渡した。
ぐるりと高海家の居間を見渡す。隠れるスペースなど見当たらない。
もしかして部屋の外へと思ったが、さすがに居間から出たなら分かるだろう。
一体どこに、と思った瞬間体がガクンと傾いた。 - 10: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:45:02.36 ID:sdWNcunX.net
- 「うふふ...つーかまえた♡」
梨子の足を掴んだ手は炬燵の中から伸びていた。そして、その手の主は布団の隙間から満面の笑みを覗かせている。
パニックで一番隠れられそうなところを見落としていた。
「りーこちゃんのパンツは何色かなー?」
「や、やめてぇ!」 - 11: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:46:15.15 ID:sdWNcunX.net
- いつの日だったか、彼女は自分のことを普通怪獣だと自嘲していた。全部が普通で地味だと。
大人しくて地味だった普通怪獣は、今は獰猛な変態猛獣として自分に牙を向いている。
「じゃあ脱ぎ脱ぎしましょうね~」
「きゃあああああ!!」
スカートを脱がしにかかる千歌。抵抗してみるが力づくでスカートをずり下ろされていく。
考えてみれば、曜が振り払えなかったのに自分に振り払えるわけがないのだ。
太ももまでスカート下ろされた時、梨子は抵抗をやめた。
「とりゃーー!」
無邪気な声と共に梨子は生脚を晒された。
下手に抵抗した反動で、下着も一緒に持っていかれてしまい、新年早々秘部がハッピーニューイヤーになっていたのに気がついたのはもう少し後になってからである。 - 13: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:47:12.11 ID:sdWNcunX.net
- 国木田花丸は静観を決め込んでいた。
目の前で繰り広げられている二年生の揉み合いを、前に善子の家で見せてもらったコント番組を見るような感覚で見守っていた。
当事者たちにとっては緊急事態なのかもしれないが、スカートを脱がされてべそをかく女子高生、他人の下着を見たがる変態、尻丸出しで意気消沈しているもう一人の変態というのは外野にとっては珍妙で滑稽な光景である。
そもそもこの二人は何故衣類を剥ぎ取られただけで戦意を喪失しているのか。スカートに生命エネルギーでも貯めているのか。
お正月家でゴロゴロしながらテレビを見るってこういうことかな?と、自宅にテレビがない彼女はのんびりと考えていた。 - 14: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:48:53.81 ID:sdWNcunX.net
- 好物のみかんどら焼きを頬張りながら、何気なく机の上を見る。
そこには、空のコップが二つ倒れていた。どちらも千歌が飲んだ跡だ。そして、その中に入っていたのは甘酒。
そう、千歌の変貌の原因は甘酒である。
恐らく千歌は甘酒で酔ってしまったのだろう。それでパンツがみたいなどという世迷言を吐きながら嬉々として同級生二人を手に掛けたのである。
甘酒で酔うなんてそんな馬鹿なと普通の人は思うだろう。酒というがアルコールなどほぼ入っていないに等しい。甘酒で酔う人はよっぽどお酒が弱いか、体質的にアルコールを受けつないのだろう。もしくはハーレム物のラブコメのヒロイン達だ。
千歌がこれらに当てはまるかは分からない。が、違うと花丸は思っていた。
何故かと言うと、この甘酒を持ってきたのは小原鞠莉だからだ。 - 15: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:50:31.72 ID:sdWNcunX.net
- もしかすると千歌が本当に酒が弱いのかもしれない。しかし、この鞠莉が持って来たというだけでその他の原因など可能性は無いに等しい。彼女はそういう人物だ。
鞠莉ちゃん、甘酒に何か仕込んだずらね。
どら焼きをまた一口。ここまで事態を把握しているのに動き出さないのはどこまでもゆったりとした花丸のマイペースさが成せることだろう。
動いたところで自分ではどうにもならないことを花丸は分かっているからだ。 - 16: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:51:32.38 ID:sdWNcunX.net
- 当の鞠莉はいつの間にかいなくなっていた。連絡を取ったところで無駄だろう。彼女がこの状況をどこかで楽しんでいるのは明白だ。
抗議をしたところで『シャイニー☆』とか何とかで誤魔化されるに決まってる。意味の無いことをするのに新年から労力を使いたくない。
それに、巻き込まれたくないというのが本音だ。
幸い、千歌は曜と梨子に夢中である。今も梨子のパンツを曜の頭に被せて「初被り~」とか言って爆笑している。初ってなんだ、二回目があるのか。去年もそんなことをしていたのか。
曜も梨子もされるがままだが、慣れているから抵抗しないのか。そうだとしたらこれから二年生を見る目を変えなければいけない。
早くダイヤちゃんと果南ちゃん来ないかなぁ。
花丸は二人の最上級生を思い浮かべる。あの二人ならこの事態も何とかしてくれるはずだ。生憎二人はまだ到着していないが。
「ま、のんびり待つずら」
どうしようもない時はじっと待つに限る。花丸は本日三個目のみかんどら焼きを頬張った。
少し不思議な味がしたのは気のせいだろうか。 - 17: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:52:48.64 ID:sdWNcunX.net
- やはり出ない。LINEも既読にならない。
手に持ったスマホを見つめながら黒澤ルビィは焦っていた。
言うまでもなく目の前の惨事にである。
千歌の暴走は鞠莉が持ってきた甘酒だろう。それは間違いない。 - 18: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:53:26.47 ID:sdWNcunX.net
- 最初、ルビィは自分で何とかしようと動きかけた。しかし、曜と梨子が次々と餌食になるのを見て思いとどまった。自分が何とかするには手に余りすぎると判断したのだ。
助けを求めて隣の花丸の方を振り向くとー彼女はのんびりとみかんどら焼きを頬張っていた。どうやら何もしないと決めているらしい。
こうなった花丸はよっぽどのことがない限り動かないことを、昔からの付き合いでルビィは分かっていた。意外と彼女は頑固なのだ。即座にヘルプの選択肢から花丸を削除した。 - 19: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:54:28.14 ID:sdWNcunX.net
- 続いて頭に浮かんだのは姉の黒澤ダイヤである。
ルビィは姉に全幅の信頼を寄せていた。
普段は生真面目な性格が空回りしてからかわれることも多い彼女だが、やる時はやるのだ。
そんな姉を尊敬しているし、憧れてもいる。
ルビィもお姉ちゃんみたいになりたいなーーそう思ったことは数え切れない。というか今も思っている。
しかし、ダイヤを頼ってばかりではいけない。自分も自立していかなければならないのだ。
高校入学を機に、ルビィは遅めの姉離れを決断した。 - 20: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:55:01.93 ID:sdWNcunX.net
- 過保護なダイヤは何かと世話を焼こうとしてきたが、なるべく一人でやると言って遠慮してきた。
最初ダイヤは不服そうだったが、妹が自立する為にと納得してくれた。
ただ、その時に一つ約束するように言われた。
自分一人ではどうにもできない時は、必ず私に相談すること。
それが約束できるなら、今後無駄な世話は焼かない。そうダイヤは言った。
ルビィはこれまで以上に姉を好きになった。 - 21: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:55:36.32 ID:sdWNcunX.net
- やっぱり、お姉ちゃんはお姉ちゃんだ。誰がなんと言おうがルビィの自慢のお姉ちゃんだ。
互いに約束を交わし、姉妹は微笑みあった。
その約束を果たす時が、まさか仲間のパンツの剥ぎ取りあいとは思わなかった。 - 22: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:56:23.10 ID:sdWNcunX.net
- よく良く考えれば馬鹿馬鹿しい状況かもしれないが、ルビィにはどうにもできない。このままでは2017年最初の思い出が先輩のパンツ姿とお尻になってしまう。
何故か震える指先でスマホを操作し、どうにかダイヤの電話番号を呼び出した。
しかし、頼りの綱の姉が出ない。ならばとLINEを飛ばしてみたが、こちらもいつまで経っても既読がつかない。
やっぱりダメか。ルビィは溜息をついた。 - 23: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:57:08.23 ID:sdWNcunX.net
- ダイヤに今連絡が繋がりにくいのは分かっていた。それでも、もしかしてと僅かな希望にらかけてみたのである。
理由は元旦だからだ。黒澤家の長女であるダイヤは現在、親戚や来訪者達への新年の挨拶で忙しない状況下にあるのだろう。
それになにより、一月一日はダイヤの誕生日だ。
きっと盛大にお祝いがされている。本来ならば、ルビィもその場に居なければならないのだが、ダイヤが両親に掛け合ってこっそり抜けさしてくれたのだ。 - 24: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:57:46.26 ID:sdWNcunX.net
- そんな面倒事を押し付けて、自分一人だけ行くわけにはいかない。もちろん、ルビィは残ると言った。
しかしダイヤは頑なに譲らなかった。いいから早く行きなさいと。私も後から必ず行くからと。
そこまで言われたら行かないわけには行かない。後ろ髪引かれる思いで、ルビィは高海家ーーAqoursの新年会兼黒澤ダイヤ誕生日会の会場へ向かった。 - 25: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:58:17.69 ID:sdWNcunX.net
- ルビィは姉への連絡を諦めた。余りしつこく鳴らすのも迷惑だ。
スマホの電話帳を下へスクロールし、ある項目で止めた。
松浦果南。
姉の親友で幼馴染みだ。ルビィは姉の次に彼女を信頼していた。
もう一人の幼馴染みである小原鞠莉は、何を考えているのか分からないし、あのハイテンションにはついて正直ついていけない。特徴的なルー語も何を言っているのかよく分からない。
それに、鞠莉は今回の元凶だ。助けを求めるなんて論外である。
ルビィは早速果南に電話をかけようと指を動かした。 - 26: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 01:59:15.09 ID:sdWNcunX.net
- が、手には何も無い。
「え?あれ?」
おかしい。今の今まで確かに持っていたはずだ。それが一瞬にして消え失せた。
何が起こったか分からず、ルビィは混乱した。
「お探し物はこれかな~?」
声がした方を見ると、自分のスマホがあった。
絶望という中に。 - 27: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/02(月) 02:00:42.69 ID:sdWNcunX.net
- ルビィは天を仰いだ。ああ、神様。ルビィのことが嫌いになっちゃったの?
もしかして、この前お姉ちゃんのプリンを黙って食べちゃった罰かな?
己を罪を懺悔している間に絶望が目の前まで迫っていた。
「さ~て、ルビィちゃんのパンツは何色かなー?」
据わった目にパンツを映そうと千歌はルビィのスカートに手を掛ける。
抵抗はしない。助けも求めない。なぜなら無駄だから。
下げられていくスカートを太ももで感じながら、ルビィは今年初めて叫んだ。
「ピギィィィィィイイイイイ!!」 - 49: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:19:33.01 ID:94+bfj/Q.net
- 津島善子は立ち尽くしていた。
十数分前と部屋の様子が一変している。自分がトイレに立つ前までは楽しく新年会をしていたはずだ。それが戻ってきたら先輩が同級生のスカートを脱がしている。ルビィも叫んではいるが抵抗をしている様子はない。
え?受け入れちゃってるの?今からそういう感じの会になるの?
チラリと炬燵の向こう側を見ると、曜と梨子がこちらも半裸で倒れている。曜は泣いているし、梨子は虚ろな目をしている。梨子に至っては下着も履いていない。完全に事後だ。 - 50: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:20:04.81 ID:94+bfj/Q.net
- 「ううん、落ち着いてヨハネ。ビークールビークール」
いつの間に薄い本みたいな状況になったのか、善子は混乱する頭で必死に状況整理をする。 - 51: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:20:36.48 ID:94+bfj/Q.net
- 部屋には半裸の女子高生が三人とスカート掲げる変態が一人。
うん、分からない。全く理解できない。
いくら堕天使ヨハネとは言え正体は高校生だ。この状況を理解するには人生経験が圧倒的に足りなかった。
が、一つだけ分かることがある。この場から即座に逃げなければならないことだ。 - 52: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:21:24.33 ID:94+bfj/Q.net
- こういう意味がわからない状況には決まって巻き込まれる。幼い頃からの不運体質によって培われた危機察知センサーが警報を鳴らしている。今すべきことはこの場からの逃げ出すことだと。
善子は逃走を図るために居間に背を向けた。が、振り向きざまに何かにぶつかった。
「いてて...あれ、ずら丸?」
そこにいたのは花丸であった。そういえば、居間にいなかったなと善子は思った。 - 53: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:23:04.78 ID:94+bfj/Q.net
- 「ずら丸、逃げるわよ!ここにいては...」
危険、と言いかけて善子は言葉を切った。目の前にいる幼馴染みの様子に違和感を感じだからである。
花丸は手にケーキを持っていた。ダイヤのバースデーケーキだ。
このケーキはルビィが曜に教えてもらいながら一生懸命作ったものである。善子はその様子を見て少し姉妹というものに憧れを抱いた。 - 54: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:24:26.38 ID:94+bfj/Q.net
- 「うふふ...よーしこちゃーん♡」
花丸がケーキを持ったままジリジリと寄ってくる。よく見ると顔が赤く、目も据わっていた。明らかに様子が変だ。
ダメだヤバイーー善子は素早く花丸の横を通り抜けようと駆け出した。だが足が動かない。
「うふふ...善子ちゃんのパンツは何色かなー?」
下を見ると千歌が自分の足をがっちりホールドしていた。 - 55: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:25:30.31 ID:94+bfj/Q.net
- ふと善子は16年の人生を振り返った。そうだ、と思い出す。
持ち前の危機察知能力が一度も役に立ったことがないと。
そんなもので回避できているなら、堕天使ヨハネなど生まれてはいない。自分の不運を嘆くことなどなかった。
「ああ...」
感嘆と諦念の声が漏れた。そして確信する。
2017年も今までと変わらず不運だと。
「それーーー!」
「ずらーーー!」
ジャンパースカートを下ろされながら姉妹愛の結晶を顔面で受け止め、堕天使は崩れ落ちた。 - 56: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:26:43.79 ID:94+bfj/Q.net
- 松浦果南の行動は素早かった。
自宅のダイビングショップの手伝いで遅れて来た果南は、高海家の居間に入室して瞬時に状況を把握した。
この惨劇の犯人は鞠莉だ。こんなことを起こすのは彼女以外思い当たらない。証拠に、先に到着しているはずの鞠莉の姿が見当たらない。恐らく何処かで事態を観察して楽しんでいるのだろう。
全く、新年からやってくれるなぁ。
鞠莉は後で説教するとして、一先ずこの状況を何とかしなければ。 - 57: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:29:22.70 ID:94+bfj/Q.net
- 果南は収束の段取りをつけた。一番に優先すべきは半裸で何故か顔面ケーキ塗れの善子に馬乗りになって「ヨハヨハヨハネ~♪」と騒いでいる千歌と花丸からだろう。早く何とかしなければ善子は既に虫の息だ。
「ちょっと二人共、離れて!」
両手でそれぞれ花丸と千歌の肩を掴んだ。そのまま善子の上から引き剥がそうとしたが、
「あー果南ちゃんだー」
「果南ちゃんも遊ぶずら?」
「わっ!?」
逆に両腕を引っ張られ、そのまま畳に押さえつけられる。しまった、片方ずつどかせば良かったと思ったがもう遅い。花丸が腕を抑え、千歌がズボンに手をかける。 - 58: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:30:21.56 ID:94+bfj/Q.net
- 「果南ちゃんのパンツはー♪」
「何色かなー♪」
「イッツァーパンティーターイム!」
馬鹿と変態丸出しの歌を歌いながら千歌が果南のズボンを勢いよく下げた。
「あれ?」
「これって...」
千歌と花丸が首を傾げる。ズボンの下にあったのは目的のものではなかったからだ。
「ほっ!」
「あっ!」
一瞬の隙をついて果南は身を起こした。二人から少し距離をとる。 - 62: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:37:14.50 ID:94+bfj/Q.net
- 「残念だったね。モモヒキだよ」
「「ええー...」」
「な、何!?文句あるの!?」
顔を真っ赤にして反駁する。今日は一段と寒かったので、ズボンの下にモモヒキを履いていたのだ。
女子としていささかどうかと思うが、温かいんだからしょうがない。だって寒いんだもん。
キャラに合わない言い訳をブツブツ言いながら、次どうするか考える。 - 64: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:38:24.15 ID:94+bfj/Q.net
- 早くこの二人を何とかしなければいずれ倒れている四人のようになってしまうだろう。
モモヒキ姿でも危ういのに、下着なんてとんでもない。
しかしいくらAqours随一の運動神経を誇る果南とは言え、二人相手では分が悪い。無闇に飛び込んでもあっという間にすっぽんぽんにされしまうだろう。
脱ぐのは海に飛び込む時とお風呂だけだよ。 - 65: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:38:58.50 ID:94+bfj/Q.net
- 「ん?」
ふと目の前の二人を見て異変に気づいた。
「すう...すう...」
「むにゃ...」
寝てしまっている。どうやら酒が完全に回り始めているようだ。
果南は全身の力を抜いた。 - 66: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:39:48.35 ID:94+bfj/Q.net
- 「はぁーあ、良かった...」
どうやら無事に事態は解決しそうである。いや四人ほど無事ではないが、まぁスカートを下ろされてケーキを顔面に食らうことくらい、長い人生なんだしそういう時もあるだろうと彼女は思った。
「さてさて、ズボンは返してもらうよ」
奪われたズボンを千歌から取ろうと伸ばしたその手がズボンに触れる瞬間、
「ふふ...♡」
「え?」
手首をものすごい力で掴まれた。果南でさえ全く振り解けないほどの。 - 67: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/03(火) 00:40:55.60 ID:94+bfj/Q.net
- 「さーて、果南ちゃんのおパンツはー?」
某日曜アニメの次回予告のような口調で千歌がモモヒキに手をかける。
「や、やめ、千歌!」
「うふふふふふ」
なんだこの力は。鞠莉は一体何を仕込んたのだ。
「えーーーーーい!」
「いやあああああああ!!」
鍛えられた腹筋から発せられた叫び声は、高海家中に響き渡った。 - 82: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 00:39:48.33 ID:do6q7ygU.net
- 身支度を終えた黒澤ダイヤは、両親に外出することを伝え、玄関への廊下を歩いていた。
自然と鼻歌が漏れる。足取りも軽やかだ。
これから千歌の家で行われているAqoursの新年会に合流するのだ。
この新年会は自分の誕生日会でもある。仲間みんなで新年とダイヤの誕生日を祝おうと集まっているのだ。 - 83: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 00:40:47.77 ID:do6q7ygU.net
- 昔から元日は忙しなかった。新年ということもあるが、黒澤家長女である自分の誕生日ということもあり、多くの親戚や来訪者達が詰めかけて祝ってくれるのだ。
祝われること自体は悪い気はしない。しかし彼女はまだ18歳の少女なのだ。いい大人に値段も分からない高価なプレゼントを貰うよりも、友達からおめでとうのメールが来る方が何倍も嬉しかった。 - 84: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 00:41:40.98 ID:do6q7ygU.net
- 元々行くつもりはなかった。今日の主役である自分が抜けられるとは到底思わなかったからだ。しかし、ダメ元で両親に聞いてみると信じられないことに許可してくれた。
最初の挨拶回りだけすませば行っても良いと。
思いがけないことにダイヤは文字通り飛び跳ねて喜んだ。
誕生日を仲間と過ごすことが出来る。ダイヤにとってそれが一番のプレゼントになった。
きっと今までで一番楽しい誕生日になるに違いない。
向上した気分が抑えられずダイヤはついにスキップし始めた。 - 85: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 00:42:41.73 ID:do6q7ygU.net
- 「おっとと、ルビィに連絡しませんと」
ポケットからスマホを取り出す。買ってもらったばかりでまだまだ操作には慣れないが、ルビィや果南達に教えてもらいながら何とか電話やLINEを使えるようになってきた。
切っていた電源を付ける。
「ん?」
表示された画面にはいくつかの通知が来ていた。
着信か2件にLINEが5件。どれもルビィからだ。 - 86: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 00:43:30.13 ID:do6q7ygU.net
- 初めは催促の連絡かと思った。しかし、事情を知っているルビィが急かすようなことをするわけがない。
もしやルビィに何かあったのか。胸騒ぎがし始めた。
ダイヤは拙い手で画面をタップし、LINEアプリを開いた。 - 87: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 00:45:19.26 ID:do6q7ygU.net
- ルビィからのメッセージの内容は『早く来て』『助けて』というものだった。
一体どうしたのだ。まさか新年会で何か問題があったのか。
すぐにルビィに電話をかけようとしたところで、まだメッセージが残っていることに気づいた。
画像が一件。スクロールしてみる。 - 88: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 00:46:12.43 ID:do6q7ygU.net
- 最初そこに写っていたものをダイヤは理解出来なかった。色は肌色、縦に線がある。ダイヤは目を擦ってもう一度見直した。
「...は、は、はーー!?」
ようやく何が写っているか認識したダイヤは素っ頓狂な声を上げた。
そこに写っていたのは、人間の臀部だった。 - 89: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 00:46:57.90 ID:do6q7ygU.net
- 実はこの画像は千歌がルビィから奪い取ったスマホで梨子の尻を写したものだ。それをダイヤに送り付けたのである。
もちろん、誰の尻かダイヤに判断出来るわけがない。もし分かったのなら日常的に梨子の尻を観察している変態ということになる。
「ど、どういうことですの?」
ルビィが助けを求めていることは分かる。だが何故尻の画像を送ってきたのかは分からない。
めでたいから?縁起がいいから?一尻二ケツ三臀部?
「何を考えていますの私は...」
どうやら混乱しているらしい。中学生が二秒で考えたようなフレーズを頭を振って弾き出す。
「とにかく千歌さんの家へ行きましょう」
とりあえず現場に行けば何かわかるだろう。ダイヤは玄関を飛び出し、猛獣の巣窟へと向かった。 - 100: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:46:49.05 ID:p244C3yM.net
- 「んー、思った以上の効き目ね♪」
目の前のモニターを見ながら温かい紅茶に口をつける。画面は高海家の居間の惨劇を映している。
一連の騒動の元凶である小原鞠莉は十千万の近くの路上に停めたリムジンの中で優雅にティータイムを満喫していた。 - 101: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:47:22.73 ID:p244C3yM.net
- 年末、千歌から元日に集まろうと言われた時点でもう鞠莉の心は沸き立っていた。
新年初日に皆で集まる。そんな状況をAqours1のトラブルメーカーの彼女が黙っていられるわけがない。
ダイヤの誕生日だし、飛びっきりシャイニーな日にしないとね♡
鞠莉は親友の為に、新年の幕開けとなるような代物がないか屋敷を探した。
面白そうなものにはストーカーも驚く程の執念を発揮する鞠莉。ついに普段近づくことのない蔵まで漁り始めた。 - 102: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:48:02.21 ID:p244C3yM.net
- 「あら?これは...?」
蔵の奥の奥。何故か電源がついた冷蔵庫があり、その中に液体が入った小瓶がいくつか入っていた。
小瓶にはラベルがついており、簡単に説明書きがある。
「ふむふむ...へぇ~」
説明を読んだ鞠莉は時代劇の悪代官にも負けない悪い顔をしていた。
いくつかあった小瓶の中から二つ抜き取って鞠莉は蔵を後にした。 - 103: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:49:09.09 ID:p244C3yM.net
- モニターでは千歌と花丸が果南から剥ぎ取ったモモヒキを善子のケーキまみれの顔に被せて写メを撮っている。善子の顔はとてもじゃないが見られたものではない。
鞠莉は手に持っていた小瓶を掲げる。
蔵で見つけた小瓶の中で彼女の頭の輪っかが反応した二つの効能は
『体内アルコール増幅』『筋肉増強』
である。名前からだいたい想像がつくが一応説明しておくと、『体内アルコール増幅剤』を混ぜたアルコールを含む飲み物を飲むと体内でアルコールが増幅され、甘酒などの弱い酒でも少量で酔うことが出来るというものだ。
酒代を抑えるために開発されたとラベルには書いてあった。
『筋肉増強剤』はその名の通りである。ただし効能は一般のものの何倍も強いものだ。 - 104: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:50:02.16 ID:p244C3yM.net
- この二つを混ぜた甘酒とみかんどら焼きを新年会に持っていった。ゲーム性を持たすためにみかんどら焼きは全部ではなくランダムに入れておいた。どうやら花丸が当たったようだ。
どちらか一つでも良かったのだけれど、とってもインスタレディングな予感がバーストしたからミックスしちゃった♡何事にもスパイスは必要じゃない?
鞠莉の狙い通り傍から見たらこれ以上にないくらい面白い光景が出来上がっている。もう満足だ、今年のお年玉は十分に貰った。
だがまだボーナスステージがある。本日の主役であるダイヤが来ていない。
確かダイヤは家の用事を終わらせてから来ると言っていた。時間的にそろそろ来てもいいはずだ。 - 105: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:50:45.40 ID:p244C3yM.net
- 「ダイヤー、ハリーアップ!」
親友の到着がこれほど待ち遠しいのは幼い頃以来だ。早く来て楽しませてくれ。最っ高にシャイニーでエキセントリックでカオスなビューをミーのアイに映して!
小さな子供のように目を輝かせて鞠莉はモニターに目を向けた。もう紅茶の味など余計な情報を脳が遮断して全ての神経を網膜に集中させている。 - 106: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:51:29.86 ID:p244C3yM.net
- 「ん?」
しかし、ふと違和感を覚えた。やけに居間が静まり返っている。
画面には猛獣二匹に食い荒らされた残骸たちが畳を埋め尽くしている。そろそろ全員風邪を引かないか心配するくらいスカートを剥ぎ取られて時間が経っている。梨子に至ってはまだ尻丸出しだ。
さっきまでその残骸で遊んでいた二人の姿が見当たらない。
「一体どこに...」
カメラは部屋全体が映る位置に仕掛けた。ということは居間から出たのか。
「あらら、千歌っちと花丸はどこにいったのかしら」
首をかしげていると、突然何かを叩く音がした。 - 107: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:52:10.79 ID:p244C3yM.net
- 音が鳴った方へ振り向いた鞠莉は飛び上がりそうになった。
「鞠莉ちゃんみーっけ♡」
「ち、千歌っち!?」
見ると千歌が車窓にへばりついている。いつの間にか補足されていた。
「じぃ!車出して!」
鞠莉は運転席の爺やに指示を出した。しかし返事がない。
「ずら~」
「花丸!?」
いつの間に入ってきたのか、花丸が運転席にいる。 - 108: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:52:50.86 ID:p244C3yM.net
- 「じぃは!?じぃはどこ!?」
「あそこずら」
花丸が指さした方向を見ると、爺やが縄で縛られて寒空の下放り出されている。
まずい、調子に乗りすぎた。さっさと逃げればよかった。
後悔するには少し遅かった。自分側の扉が開き、千歌が乗り込んでくる。
「まーりちゃん、あーそぼ♪」
観客席から一気にリング上へ引きずり込まれた。このままではシャイニングウィザードを喰らってKOだ。 - 109: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:53:24.17 ID:p244C3yM.net
- 「こうなったら...」
鞠莉はポケットからあるものを取り出した。香水のようなそれは、催眠スプレーである。もしもの時のために持ってきておいてよかった。
「さぁ、スリーピングタイムよプリティなモンスター達!」
噴射しようと人差し指に力を込めるが、何故か押した手応えがない。
「ワッツ?」
見るとスプレーがない。あら、スケルトンモデルだったかしら。 - 111: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:55:38.12 ID:p244C3yM.net
- 「これはなんだろう花丸ちゃん?」
「食べ物ではないずらね」
「oh......」
見た目に違わないオーバーリアクションで頭を抱える。これは、チェックメイトというやつでは。
「あ、あのね千歌っち、ちょーっと返してくれないかなー?」
「ふむ、スプレーみたいだよ」
「アウチッ!」
取り敢えず抵抗してみようと手を伸ばしてみると骨が軋むような強さで握られた。
どうやらスパイスが効きすぎたみたい。あら、マリーったらお茶目さん♪ - 112: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:56:18.25 ID:p244C3yM.net
- 「どうやって使うのかな?」
「多分ね、こうずら」
花丸が唐突に噴射口を鞠莉に向けた。
「へっ?」
顔に液体がかかったと思った直後、鞠莉の意識はブラックアウトした。 - 113: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 02:02:50.98 ID:p244C3yM.net
- 高海千歌は呆然としていた。
今日は元旦。皆で楽しく新年会をしていたはずだ。後から合流する本日が誕生日のダイヤの為に、ちょっとしたサプライズも用意していた。
しかし、何故か自分がサプライズされている。もー、皆違うよー。私じゃなくてダイヤちゃんだよー。あははは。 - 114: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 02:03:19.32 ID:p244C3yM.net
- それにしても、変わったサプライズだなぁ。皆パンツ姿だし。スカートを使った一発芸でもするのかな?
梨子ちゃんはお尻丸出しだー。あ、曜ちゃん頭にパンツかぶってる。二人でコントでもしたのかな?
善子ちゃんは顔クリームだらけじゃん。パイ投げしたのかな?
あれ、鞠莉ちゃんがダイヤちゃんと果南ちゃんに怒られてる。何かやりすぎちゃったのかな?
花丸ちゃん寝ちゃってるなぁ。食べ過ぎ?
どうやら随分と楽しんだ後みたいだが、不思議なことに記憶が無い。どういうことだろう。 - 115: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 02:03:52.85 ID:p244C3yM.net
- 「あ、あの~」
「!!?」
「え?何?」
何があったのか尋ねてみようと声をかけると全員が怯えるような目つきでこちらを見た。
何だ。一体何があったのだ。
「ど、どうしたの?なんで皆...え?」
「あなた...何も覚えてませんの?」
「え?」
ダイヤが聞いてくる。よく見ればちゃんと服を着ているのは彼女だけだ。 - 116: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 02:04:28.50 ID:p244C3yM.net
- 「ちょ、ちょっと。何があったか教えてよ」
「...千歌、それ」
果南が自分の横を指さして言った。見てみると、何着かのスカートがそこにはあった。
「え、何これ」
「私たちのスカート」
「え、あ、そう...何でここに?」
聞いてみるが答えはない。
「あの...?」
「見せた方が早いわね」
鞠莉がパンツ姿で何処からかカメラを取り出した。 - 117: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 02:05:44.10 ID:p244C3yM.net
- 「はい、千歌っち」
「なにこれ。なにか映ってるの?」
「ええ、とっても怖いモンスターが映ってるわ」
「へぇ...」
なぜ新年早々そんなものを見せるのか。千歌は意味が分からず首を傾げた。
「まぁ、取り敢えずレッツウォッチ!」 - 118: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 02:06:08.92 ID:p244C3yM.net
- 鞠莉がスイッチを入れる。そこに映し出されたのは仲間のスカートを剥ぎ取る変態の様子だ。
「...ぇぇぇえええええええ!!?」
全ての事情を知った千歌が家から出てくるのには三日かかったという。
もちろん、鞠莉にはあつーいお灸が据えられた。
こうして、少女達はパンツ姿で2017年を駆け出した。
この騒動からしばらくの間、鞠莉を筆頭にグループ内で梨子のお尻と善子のモモヒキフェイスのコラ画像が流行ったのは、また別のお話である。 - 119: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 02:06:35.78 ID:p244C3yM.net
- 終わり
駄文失礼しました
元スレ: 千歌「よーちゃん、パンツ見せて!」
スポンサーリンク
『千歌「よーちゃん、パンツ見せて!」』へのコメント
当サイトはコメントシステムとしてDisqusを使用しています。
コメントの投稿にはDisqusへのアカウント登録が必要です。詳しくはDisqusの登録、利用方法をご覧下さい。
表示の不具合、カテゴリーに関する事等はSS!ラブライブ!Disqusチャンネルにてご報告下さい。
2018年5月26日
Disqusによるクッキー、IP、メールアドレスの利用に同意を求めるダイアログが表示された場合は、内容を確認しチェックボックスにチェックを入れて同意頂ければと思います。
(海外のデータ取り扱いに関する法律が変わる事に対応する為の再確認の様です)