梨子「次の大舞台、完璧な曲を用意しなきゃいけないのに……」

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梨子-アイキャッチ11
1: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 03:06:41.26 ID:xC3vgTxF.net
梨子「作曲がうまく進まない。煮詰まっちゃってる」

梨子「でも曲ができないと振り付けも決まらなければ練習もできないし」

梨子「そうだ。私には遊んでる暇なんてない。私の曲をみんなが待ってる」

梨子「早く作らなきゃ。みんなの期待を、裏切るわけにはいかない」

梨子「完璧な曲を作って、それでみんなで、ラブライブに……!」

鞠莉「シャイニー☆」ォゥ、ォゥ、ォゥ、ォゥ、ォーォゥ♪

鞠莉「ワオ、梨子ちゃん音楽室にいたのね? 探しちゃったわ」

元スレ: 梨子「次の大舞台、完璧な曲を用意しなきゃいけないのに……」

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2: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 03:09:10.23 ID:xC3vgTxF.net
梨子「鞠莉さん……何か用ですか。私今、次のライブの曲を作曲してて……」

鞠莉「聞いてよ、梨子ちゃん! 果南ったら、また後輩の女の子とハグしてたのよ!?」

鞠莉「まったくもうっ。本当に果南ってば女たらしなんだから! そう思うでしょ!?」

梨子「……いやあの。だから私、作曲中で。そういった話はダイヤさんにでもしといてもらえたら」

鞠莉「で・も! そこで賢いマリーは考えました。いくら果南が女たらしでも、私に夢中にしてしまえばノープロブレム!」

鞠莉「さすが私、ナイスアイディーア!」

梨子「あの。長くなるなら、その話はよっちゃんにでも……」

鞠莉「そこに思い至ったからには行動あるのみよ。まず、果南を夢中にさせるにはどうすればいいか!?」

鞠莉「答えは既にあるわ。昔から、女を掴むなら胃袋を掴めとよく言ったものよ! 先人の知恵は偉大ね!」

梨子「……話し相手なら曜ちゃんでも」

鞠莉「ほら、果南って海藻とか貝とか、海のもの好きでしょ? その上で日本人の胃袋を掴むと言ったらやっぱりこれよ!」

鞠莉「――どジャぁアン! 作ってみたわ、お味噌汁!」

梨子「花丸ちゃんにでも食べさせてれば……」
3: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 03:13:47.43 ID:xC3vgTxF.net
鞠莉「ほらほら。こっちはアオサでしょ、でこっちはワカメ。これはアサリでしょー。それからそれから」

鞠莉「ね、ね? おいしそうでしょ? そうなの、美味しいのよ!」

鞠莉「自分でも味見したけど、これはまさに傑作だわ! でも悲しいかな、客観的な評価が得られていないの」

鞠莉「あーあ。どこかにこの味の確認をしてくれる優しい人はいないかしらー」チラッチラッ

梨子「……分かった、分かりました! 味見すればいいんでしょ、もう!」

鞠莉「さっすが! 話が分かるゥ!」

梨子「何度も言いますが作曲中ですから。早く終わらせてもらいますよ」

鞠莉「もちろんよ。このマリー、忙しい人に時間を取らせはしないわ!」

梨子「だったら最初から……いえ。もういいです」

梨子「で。飲めばいいんですか、これ」
4: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 03:17:30.17 ID:xC3vgTxF.net
鞠莉「ノンノン! ただ飲んで感想をもらうだけじゃあ詰まらないわ。ここは趣向を凝らしましょう」

梨子「早く終わらせたいのに……」

鞠莉「ほら。お味噌汁って色々な具材があるじゃない? お味噌汁、と一言でいってもその味は具材によって千差万別」

鞠莉「特に果南の好む海のものは風味が強く、また出汁も出るから、具材がスープ自体の味にも大きな影響を与えるのよ」

梨子「はあ。まあ、そうかもしれませんね」

鞠莉「さあ、ここでクエスチョンです! そんな海の幸を使った味噌汁において重要なポイントとは何か!?」

鞠莉「スーパーひとしくんを賭けた桜内さんの答えは!? はい、どうぞ!」

梨子「え、ええっ? ……具材の旨みがスープに活きているか、とか」

鞠莉「ザッツライッ! さすが梨子ちゃんね。そうよ、具材の旨みあってこそのお味噌汁!」

鞠莉「何かよく分からないけど美味しい、では駄目なの! 広がる風味、はっきりくっきり主張する海の幸の濃厚エキス!」

鞠莉「それこそが美味しいお味噌汁に必要不可欠な条件という訳よ!」
5: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 03:19:50.13 ID:xC3vgTxF.net
鞠莉「というわけで、はい、梨子ちゃん。これ」

梨子「……アイマスク。しかも、格付けチェックで見たような」

鞠莉「そうよ。もう言いたいことは分かるわよね?」

梨子「……視覚情報なしで、飲んだお味噌汁の感想とともに何の具材を使ったものか当てろ、と」

鞠莉「理解が早くて助かるわ。じゃ、お願いね?」

梨子「いや意味が分からない。私、忙しいって言ってますよね。何でわざわざゲームみたいなことをしないといけないんですか」

鞠莉「……」

梨子「……」

鞠莉「シャイニー☆」

梨子「答え誤魔化すとき、毎回そのシャイニー☆言うのやめてもらえません!?」
6: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 03:22:21.76 ID:xC3vgTxF.net
鞠莉「まあまあ。まあまあまあまあまあまあまあ。いいじゃない、たまには。ね? ね?」

鞠莉「ほらほら。美味しいから。騙されたと思って。ね? ほら。ほらほらほらほら」

梨子「説得の語彙少なすぎでしょ! ああ、もうっ。分かりましたよ、アイマスクつければいいんでしょ!?」

鞠莉「ワオ! 梨子ちゃんありがとぉ☆ やっさしい!」

梨子「ダイヤさんと果南さんの苦労が分かる……。で、これでいいんですか」スチャ

鞠莉「ぷぷーっ。そのアイマスク、すっごいマヌケね!」

梨子「」スッ、ポイッ スタスタスタ

鞠莉「ああっ、アイマスク捨てないで! 帰らないで、お願い!」

梨子「ほんっといい加減にしないと怒りますよ」
7: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 03:25:33.69 ID:xC3vgTxF.net
鞠莉「ソーリィソーリィ。これからは真面目にやるから、ホント。マリー嘘つかない」

梨子「頼みますよ本当に……」スチャ

鞠莉「えーっと、そうね。まずはじゃあ、これとかどうかしら? はい、あーん」

梨子「あーん……ずずず。こくん」

梨子「――うわ、意外。普通においしい」

鞠莉「……私、あなたにどんな風に思われてるのかしら」

梨子「普段の言動を省みてください。……うーん。これは、ワカメ、かな」

鞠莉「正解よ! さすがね! ねえ、どうだった。美味しかった?」

梨子「美味しかったですって。これなら果南さんも喜んでくれますよ。という訳で、これで――」

鞠莉「じゃあね、じゃあね。次は――」

梨子「……ああ。終わりじゃないんだ」
8: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 03:29:03.31 ID:xC3vgTxF.net
鞠莉「よし。じゃあ、これ! はい、あーん」

梨子「はあ。しょうがない。……あーん。ずずず、こくこく」

梨子「……ん。濃厚な、貝の風味。これは――しじみ?」

鞠莉「すごいわ、さすが梨子ちゃんね! これはまさしく神の舌だわ!」

梨子「大げさだよ……。うん、じゃあ、美味しかったし、この辺で終わらせてもらってもいいですか」アイマスク外し

鞠莉「んもう。さっきから、酷いわ。そんなに私のお味噌汁が飲みたくないの?」

梨子「そうじゃなくて。私もいろいろと、やることがあるから」

鞠莉「ぶー。マリーつまんない。……でも、まあ、無理強いはできないわね」
9: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 03:31:19.53 ID:xC3vgTxF.net
鞠莉「いいわ。じゃあ、最後にこれだけ。アイマスク外したままでいいから、飲んでみて?」

梨子「まあ、最後だって言うなら……」

梨子「……」

梨子「……あの」

鞠莉「なあに?」ニヤニヤ

梨子「お椀が二個、あるんだけど……」

鞠莉「うん、そうね! 一つは私の分。もう一つが、梨子ちゃんの分よ!」

梨子「あ、ああ。何だ。変な二択ってわけじゃ、ないのね」

鞠莉「一つは、最高級アワビのエキスたっぷりのお味噌汁、そしてもう一つは地元内浦の海水のお味噌汁よ!」

鞠莉「海水の方は、もう恐ろしいほどしょっぱいわ!」

梨子「何でそんな訳のわからないことをするんですか!?」
11: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 03:34:05.84 ID:xC3vgTxF.net
鞠莉「さあ! どっちか一つ、選んでちょうだい!」

梨子「え、えぇ……。どうして? 普通に出してくれればいいのに」

鞠莉「さあ! さあさあさあ、選んで! そして私と一緒に、ぐいっと飲むのよ、ぐいっと!」

鞠莉「大丈夫よ。先に梨子ちゃんに選ばせてあげるから」

鞠莉「ね。それなら安心でしょ? ね? 安心して、ぐいっと行けるでしょ!? ね、ね!?」

梨子「な、何なの? 何がこれ程までにこの人を駆り立てるの!?」

鞠莉「さあ、梨子ちゃん! さあ!」

梨子「う、うぅぅ。じゃあ……こっちを」
12: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 03:39:22.32 ID:xC3vgTxF.net
鞠莉「……」

梨子「……あの」

鞠莉「……本当に、そっちでいいのね?」

梨子「え!? え、えっと。じゃあ、反対の方が、いいかな……?」

鞠莉「……」

梨子「……」

鞠莉「ダーメでーっす! もう変更はできませーん! 梨子ちゃんは、諦めてそっちの方飲んでなさい!」

梨子「あーっ!? ひ、酷い! それってどう考えてもこっちの方がハズレじゃないですか!」
13: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 03:45:35.95 ID:xC3vgTxF.net
鞠莉「うっひゃはははは! 弱者の悲鳴が心地いいわぁ! さあ、それじゃあ、せーので飲むわよ、覚悟決めなさい!」

梨子「ううぅ……」

鞠莉「さあ。いっせーのっ! ごくんっ!」

梨子「くっ……ごくん!」

梨子「――え。あれ、おいしい」

鞠莉「んぐあっはああああああ!? しょっぱああああああああ!?」

梨子「ま、鞠莉さあああああああん!?」

鞠莉「う、うぐぐっぐ……! 我ながら、とんでもないものを作ってしまったものね、これは……」

梨子「いや。あなた、バカなんですか……?」

鞠莉「ふふふふ。やってくれたわね、梨子ちゃん。今日のところはあなたの勝ちよ……!」

鞠莉「でもこれで終わりだとは思わないことね。いつか、いつか必ずこの借りは……!」

鞠莉「くっ、お水……お水が欲しい……。しゃ、シャイニー☆」ガラガラガラ、パタン
15: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 03:51:31.34 ID:xC3vgTxF.net
梨子「……」

梨子「勝手に人を巻き込んで、勝手に騒いで、勝手に帰っていった……」

梨子「……はあ」

梨子「なんだか、私一人、作曲のことで悩んでるのが馬鹿馬鹿しくなってきたわ」

梨子「私もいろいろ気負いすぎなのかも。鞠莉さんくらい、破天荒でもいいような気がしてきたなあ」

梨子「まあ。さすがに、あそこまでいくとただのバカな人だけど」

梨子「でも本当にふざけた人だなあ。……自由で、奔放で、何物にも縛られなくて」

梨子「子供みたいに、無邪気な笑顔が素敵な人」クスッ

梨子「――あ」

梨子「今、来た。何かが来た。これは――いい曲、弾けるかも……!」
16: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 03:55:59.56 ID:xC3vgTxF.net
鞠莉「……うぇぇ、しょっぱいぃ。もう、誰よこんなアホな味噌汁作ったの。私よ」

果南「鞠莉」

鞠莉「ん、あら果南。音楽室の前で突っ立ってどうしたの?」

果南「別に。相変わらずメンドーなヤツだって思ってね」クスクス

鞠莉「うーん? 何のことかしら」

果南「梨子のこと、心配なら心配だって言えばいいのに」

果南「気分転換してもらうために、わざとあんなことしたんでしょ」

鞠莉「……ホワット? 何のことだか?」

果南「あはは。ホント面倒くさいヤツだよね、鞠莉は」

鞠莉「あなたにだけは言われたくないわ、果南」
17: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 04:01:39.31 ID:xC3vgTxF.net
鞠莉「それよりも! 今度、うちへ泊まりに来ない? 腕によりをかけてご馳走を用意するわ!」

果南「それって海水の味噌汁?」

鞠莉「さあ? どんなものが出てくるかはお楽しみ――、」

――ポロン、ポロンポロン♪

鞠莉「あ……」

果南「……へえ。いい曲だね」

鞠莉「……ふふっ。よし、こうなったらお味噌汁パーティよ! いっそメンバー全員集めて、盛大にやりましょ!」

鞠莉「その頃には素敵な曲も出来上がってるだろうし、ね♪」

――♪


おわり
18: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 04:02:39.22 ID:xC3vgTxF.net
短いですが、これにておしまいです
ご覧いただいた方々、ありがとうございました
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