千歌「桜が似合う女の子」

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梨子-アイキャッチ21
1: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/04/13(木) 20:50:27.60 ID:DK+pOII6.net
――春 浦の星に向かう坂道


千歌「すっかり暖かくなったね。今日から浦の星の3年生かぁ、わたしたち」

梨子「そうね。決勝戦で負けてラブライブに出場できなかったのは残念だったけど……」

梨子「これまでのAqoursの活動が高く評価されて、入学を希望する人が増えたから」

梨子「最終的には廃校は見送られることになったし、本当に良かったよ」

千歌「うんっ!それにしても、この季節になると桜が綺麗でワクワクするねっ!」

梨子「去年、転校する時にこの桜坂を登ったけど、またここを通学出来て嬉しいわ」

千歌「揺れる木漏れ日~ 薫る桜坂~♪ってね」

梨子「ふふっ、でも千歌ちゃん。その歌は『失恋ソング』でもあるからね?」

千歌「えっ、そうなの!?」

梨子「だってその歌詞の続きは『悲しみに似た 薄紅色』だもの」

梨子「その後もとても切ない歌詞が続くけど、確かにいい曲よね『桜坂』って」

千歌「そうだね~……あっ、花びらが落ちてきた」ヒラヒラ

梨子「春風に舞う花びらも、美しくて素敵ねぇ……」髪ファサ


千歌「あっ……///」ドキッ

元スレ: 千歌「桜が似合う女の子」

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3: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/04/13(木) 20:55:33.10 ID:DK+pOII6.net
梨子「ん?……どうかしたの?千歌ちゃん」

千歌「えっ!?ううん、髪をかき分ける梨子ちゃんがとても綺麗だなって思って///」

梨子「えっ///」

千歌「梨子ちゃんって、桜がよく似合うよね。苗字が『桜内』なだけあるな~って」

梨子「ええっ!?褒めてくれるのは嬉しいけど、苗字関係あるのかな?///」

千歌「大アリだよっ!それにその長く綺麗な赤い髪!いいなぁ~」

千歌「わたしも梨子ちゃんみたいに、桜の木の下で髪をファサーしてみた~い!」

梨子「髪をファサーって……」

千歌「わたしも髪を伸ばしたら、大人っぽくなれるかなぁ?」髪イジイジ

梨子「千歌ちゃんも似合うんじゃないかな、いっそ志満さんみたいに伸ばしてみたら?」

千歌「うん、考えてみるよ」


千歌「……あとね、梨子ちゃんの姿を見て思い出したんだ」

梨子「思い出したって……何を?」

千歌「わたしが小さい頃……曜ちゃんと知り合う前だったかな」

千歌「東京の桜の木がいっぱいある公園で、1人の女の子に出会ったの」

千歌「『桜が似合う女の子』と……」

梨子「桜が似合う……女の子?」

千歌「うん。始業式までまだ時間あるし、ここで昔話してもいいかな?」

梨子「いいよ。付き合ってあげる」
4: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/04/13(木) 21:00:38.76 ID:DK+pOII6.net
――
――――
――――――


――10数年前 東京のとある公園


千歌(わたしの家族と、東京の親戚が集まって公園でお花見してたんだけどね)

千歌(大人たちはお酒呑んで楽しそうだし、志満姉や美渡姉も同年代の子と遊んでるし)

千歌(一番小さかったわたしは、誰も構ってくれなくてとても退屈してたの)


チカ「ふーんだ!お母さんもお姉ちゃんたちも楽しんじゃって!」プンプン

チカ「チカお花見なんか大キライ!どっか遊びに行っちゃおう!」タッタッタッ


梨子(昔の千歌ちゃんは結構ヤンチャだったのね)

千歌(えへへ……それで、こっそり抜け出して、裏の広い原っぱに行ったらね)

千歌(そこにいたんだ。大きな桜の木を見つめる女の子が……)

千歌(その姿がとても綺麗で、つい声をかけちゃったの)
5: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/04/13(木) 21:05:38.28 ID:DK+pOII6.net
??「うわぁ~、花びらがいっぱ~い!」フフフッ

チカ「キレイ……」

??「…………え?」クルッ


チカ「あなたすごくキレイだね!桜とよく似合ってるよ!」

??「そ、そうかな……それほどでも///」テレテレ

チカ「ねえ、お名前なんて言うの?」

??「わたし?わたしは、さくら……」

チカ「『さくら』ちゃんって言うんだ。すごーい!名前まで桜の木と一緒なんだね!」

さくら「ええっ!?違うよ?わたしは……」

チカ「ねえ、さくらちゃん!わたし退屈してたの。良かったら一緒に遊んでくれない?」

さくら「えっ!?うん、いいけど……」

チカ「わたし『チカ』って言うの。よろしくね、さくらちゃん!」手ギュ

さくら「よ、よろしくね。チカちゃん」タジタジ


梨子(その女の子は『さくらちゃん』って言うのね)

千歌(うん。確か服の色も桜みたいなピンク色だった気がするよ)

梨子(でも話を聞く限りだと、わたしの時みたいに強引に迫ってるみたいだけど?)ジトー

千歌(そ、そんなことはないよっ!?きっと……多分……)アセアセ
6: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/04/13(木) 21:10:39.89 ID:DK+pOII6.net
チカ「さくらちゃんは、さっき何やってたの?」

さくら「えっとね、落ちてくる花びらを集めてたの」

さくら「ほら見て、キレイでしょ?あとでママに見せるんだぁ♪」ニコッ

チカ「うん。キレイだね……」

さくら「……どうかしたのチカちゃん。桜、好きじゃないの?」

チカ「桜はキレイだし、好きだよ?でもチカ、お花見はキラ~イ」プイッ

さくら「どうして?」

チカ「だって!お母さんたち大人はみんなお酒呑んで楽しくお喋りしてるし」

チカ「お姉ちゃんたちも遊んでくれないし、つまんないんだもん」ブー

さくら「そうなんだ」


チカ「さくらちゃんは、つまらなくないの?」

さくら「わたしは、桜を見るのが大好きだから、つまらなくないよ」

チカ「そっか……オトナだね、さくらちゃんは」

さくら「えっ?そ、そうかな///」ドキッ

さくら「それに、こうやってチカちゃんとお友だちになれたんだもの」

さくら「だからとても楽しいよ」ニコッ

チカ「あ、ありがとう。さくらちゃん……///」テレテレ
7: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/04/13(木) 21:15:50.72 ID:DK+pOII6.net
チカ「……そう言えば、さくらちゃんのお母さんはどこにいるの?」

さくら「お好み焼きを買いに行ってるよ。それでここで待ってるように言われたの」

チカ「そっか。向こうは人がたくさんいるもんね。迷子になっちゃいそう」

さくら「あれだけ人が多いと、しばらく戻ってこれないかなあ、ママ」

チカ「やっぱり偉いね。チカだったら退屈過ぎてきっとどこか行っちゃうと思うから」

さくら「チカちゃんは1人で大丈夫なの?もしかして迷子になってない?」

チカ「それなら大丈夫!向こうの広場から来たから、すぐ戻れるよ」

チカ「でも、今はさくらちゃんと一緒にいたいな」

さくら「チカちゃん……///」


千歌(それからしばらくの間、さくらちゃんとずっとお喋りしてた気がするよ)

千歌(その子はわたしと同い年かちょっと年上だったのかな、見た目より大人びてたかな)

梨子(お母さんの言うことを聞くいい子だったのね。千歌ちゃんと違って)クスクス

千歌(ぶーっ!だってしょうがないじゃない!あの時は本当に退屈だったんだから!)
8: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/04/13(木) 21:21:00.14 ID:DK+pOII6.net
――


チカ「……そっかあ、さくらちゃんのお家ってこの近くなんだね~」

さくら「うんっ、そうなんだ」

チカ「すごいね!『してぃがーる』だねっ!」

さくら「してぃ……がーる?」キョトン

チカ「お姉ちゃんが言ってたの。都会に住んでる女の子のことを言うんだって」

さくら「そ、そうなんだ。ちかちゃんはどこから来たの?やっぱり東京?」


チカ「ううん。わたしは静岡の内浦ってところから来たんだよ」

さくら「静岡って……富士山があるところ?」

チカ「そうそう!さすがさくらちゃん、よく知ってるね!」

さくら「前にテレビで観たことがあってね、日本で一番大きい山でしょ?」

チカ「そうだよ~!天気が良かったら富士山がキレイに見えるの!」エッヘン

さくら「いいなぁ、チカちゃんは富士山が見えるところに住んでるんだぁ~」キラキラ

チカ「うんっ!それで海がキレイで、水族館もあって、あとみかんも美味しいんだよ!」

さくら「みかんも食べられるんだね~、とても暖かそう」

チカ「とってもいい場所なんだ!是非遊びに来て欲しいなぁ」

さくら「わたしも、大きくなったら行ってみたいなあ。なんだっけ?その、内う……」

チカ「う・ち・う・ら、だよっ!」

さくら「うちうら……内浦だね。うんっ、チカちゃんが住んでる場所覚えたよっ!」
9: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/04/13(木) 21:25:57.65 ID:DK+pOII6.net
――


みと「……あっ、こんなとこにいた!おーい、バカチカーッ!」

しま「探しちゃったよぉ、チカちゃん。お母さん心配してたよ~?」

チカ「あっ、お姉ちゃんたちだ!ごめんさくらちゃん。チカもう行くね?」

さくら「うんっ、寂しくなるけど仕方ないね……」

チカ「また……会えるといいね」

さくら「そうだね。きっとまたどこか……ううん、次は内浦で会いたいなっ!」

チカ「じゃあ、約束の指切り!次は内浦で会おうねっ!」

さくら「うんっ!約束するよ!」


チカ「バイバーイ!さくらちゃ~んっ!」手ブンブン

さくら「またね~!チカちゃ~んっ!」手ブンブン


――――――
――――
――
11: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/04/13(木) 21:41:05.76 ID:DK+pOII6.net
――


千歌「……結局、さくらちゃんとはそれっきりで、あれから10年以上経っちゃったよ」

梨子「そっか。それは残念だったね……」

千歌「さくらちゃん、今頃何やってるんだろうなぁ。高校生か、大学生か……」

梨子「もしかしたらさくらちゃん、既に内浦に来て千歌ちゃんのこと探してたりして」

千歌「ははっ、さすがにそれはないよ。だって10年以上昔の話だし」

千歌「わたしだってついさっき思い出したんだもの。きっとさくらちゃんだって……」

梨子「そっか……」


千歌「これでわたしの昔話はおしまい。そろそろ学校に行こっか」

梨子「うん。そうだね」
12: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/04/13(木) 21:46:23.62 ID:DK+pOII6.net
――


千歌「あ~、桜の話をしてたら、何だか桜餅が食べたくなってきたなぁ~」

梨子「もう、千歌ちゃんは『花より団子』ね」クスクス

千歌「えへへ……そうだ、梨子ちゃん知ってる?桜餅には2種類あるんだよ」

梨子「関東風の『長命寺』と関西風の『道明寺』でしょ?」

千歌「そうそう!さすが梨子ちゃん、よく知ってるね!」

梨子「前にテレビで観たことがあってね……ってあれ?」

千歌「……どうかしたの?梨子ちゃん」

梨子「ううん、何でもないよ」


梨子「それで、沼津ではどちらが多く売られてるの?」

千歌「関東に近いからか長命寺の方が多いけど、お店によっては道明寺も売ってるよ」

梨子「そうなんだ。沼津と言っても関東とそんなに変わらないのね」

千歌「そうかもね」

梨子「それで、千歌ちゃんはどっちの桜餅が好きなの…………」


ビュウウウウウウウウウウウウウ!!!


千歌「わっ!?強い風!」

梨子「きゃっ!」スカートヒラリ

千歌「梨子ちゃんっ!?大丈……夫…………あっ///」


千歌(淡いピンクの下着っ……!お尻がまるで桜餅みたいっ……///)ドキドキ
13: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/04/13(木) 21:51:36.65 ID:DK+pOII6.net
梨子「///」バッ

梨子「……………………見た?///」ジトー

千歌「ミテナイ……ミテナイヨ……?」首ブンブン

千歌「あっ、あとね……わたし長命寺が好きだけど……今は道明寺が食べたい気分」

千歌「それも2個ほど」

梨子「道明寺……2個?…………はっ!?///」

梨子「あーっ!やっぱり見たでしょ!?千歌ちゃんのスケベ!エッチ!変態!///」ポカポカ

千歌「いたっ!痛いよっ、梨子ちゃん!見てない!見てないってば~!」


千歌「あっ、そうだ!オケツメイシの『さくら』もいい曲だよねっ?」

梨子「……いきなり何言ってるのよっ!それを言うならケツメイシでしょ!?」

梨子「ご丁寧に『オ』なんか付けて、結局見てたんじゃな~いっ!///」ポカポカ

千歌「いたたた、ごめん!ごめんなさ~い!」


\ワーワーキャーキャー/
14: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/04/13(木) 21:56:21.00 ID:DK+pOII6.net
――桜内家・リビング


梨子ママ「……よしっ、リビングの掃除終わり!」フゥ

梨子ママ「今日は浦の星の始業式、我が家の一人娘も3年生かぁ……早いものねぇ」


梨子ママ(そう言えば、内浦に引っ越してきてちょうど1年経つのね)

梨子ママ(思えばあの子がピアノを始めてから初めて大きなスランプに陥って)

梨子ママ(『練習する環境を変えてみよう』ということで、移住先を決めている時……)
15: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/04/13(木) 22:01:14.99 ID:DK+pOII6.net
――
――――
――――――


??「はぁ、はぁ……あの子、大人しく待っているかしら?」

バイバーイ!サクラチャーン!

マタネー!チカチャーン!

??「あれ?あの子は……」


さくら「チカちゃん、行っちゃったなぁ……」シュン

??「ごめんなさい!待たせちゃって」ハァハァ

さくら「あっ、ママ!お帰りなさい!」

ママ「はい、お好み焼きとジュース」

さくら「ありがとう!いただきま~す!」モグモグ

ママ「……そう言えば、さっき女の子とお別れしてなかった?」

さくら「うん、新しいお友だちが出来たのっ!」

ママ「そう、それは良かったわね。でもあの子、あなたのことを『さくら』って……」

さくら「そうなの、あの子わたしの名前を間違えて覚えちゃって」

さくら「わたしの名前は……」


りこ「『さくらうち りこ』なのに」フフッ


りこママ「苗字に「さくら」が付いてるから、それで名前を間違えちゃったのね」

りこ「ママ……わたし、大きくなったら『内浦』に行ってみたいんだ!」

りこママ「内浦?内浦って……」

りこ「えっとね、富士山が見えて海がきれいなところ!そこにチカちゃんが住んでるの!」

りこママ「そう。その子、チカちゃんって言うのね」ニコッ

りこ「うんっ!内浦でチカちゃんと会う約束したんだぁ~!」


――――――
――――
――
16: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/04/13(木) 22:06:18.10 ID:DK+pOII6.net
梨子ママ(梨子が幼い頃に言っていた『内浦』という地名を思い出してここに決めたのに)

梨子ママ(あの子ってば、ピアノを始めてからすっかり忘れちゃってるんだもの)

梨子ママ(お花見のことも、その時知り合った大事なお友だちのことも……)


梨子ママ(あの時出来たお友だちの名前は、私も最近になって思い出したけど)

梨子ママ(まさか、高海さん家の千歌ちゃんがあの『チカちゃん』だったなんてね)

梨子ママ(直接電話で高海さん(千歌ママ)にも確認してみたから、間違いないわ)

梨子ママ(高海さんもすごい驚いてたなぁ……無理もないけど)


梨子ママ(千歌ちゃんにスクールアイドルを誘われてから、梨子も調子を取り戻して)

梨子ママ(それに前よりも明るくなったみたいだし、これもあの子のおかげなのかしらね)

梨子ママ(……本当にいい子よねぇ、千歌ちゃんって。梨子が惚れるのも無理ないわね)


梨子ママ(きっと千歌ちゃんも『さくらちゃん』のことは覚えていないと思うけど)

梨子ママ(近いうちに2人に話してみようかしらね。幼い頃に知り合ってたこと)

梨子ママ(そして、もうとっくに内浦で再会するという『約束』を果たしたってね)フフッ


千歌「ああっ、もうこんな時間だ!早く行かないと遅刻しちゃうよっ!」

梨子「こら千歌ちゃん!待ちなさ~い!」


おわり
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