希「私がウチになれたのは。」 二期

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1: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 01:03:25.65 ID:Bjq1I4IS.net
希「私がウチになれたのは。」
http://hope.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1424001361/
の続編です

見てない人は、こちらから読んでください
希のifストーリーです

※ 前作記事へのリンクです(管理人)

希「私がウチになれたのは。」 一期

元スレ: 希「私がウチになれたのは。」2

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2: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 01:05:15.62 ID:Bjq1I4IS.net
---


「おはよ、にこっち。」

「…おはよう、希。」


今日から、新学期が始まる

行ってすぐ全校集会やし

なんとなく、待ち合わせて行く事にした


「絵里は?」

「えりちは、この先で待ってるよ。」








「おはよう、二人とも。」

「おはよ。」

「おはよう、えりち。」

「晴れて、良かったね♪」
3: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 01:05:58.43 ID:Bjq1I4IS.net
「今日は、誰かさんの晴れ舞台だものね。」

「…ほーんと、何であの子にしたんだか。」


「にこっちも、わかってくるせに♪」

「ま、まあ…そりゃあね。」

「彼女なら…きっと。」

「私達以上に、この学校を盛り上げてくれるはずだから。」


「…それでも、やっぱりウチらが支えんとね。」

「そうね。」

「やっぱり…まだまだ、不安だもの。」

「ま、にこはちゃんと活動できたらいいけどね。」


「…まったく、素直やないんやから♪」


「ふんっ!」


「ほら、もう着くわよ?」
4: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 01:06:53.56 ID:Bjq1I4IS.net
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講堂で、理事長の演説が始まる

「…音ノ木坂学院は。」

「入学希望者が予想を超える結果となったため。」

「来年度も、生徒を募集する事になりました。」

「3年生は、残りの学園生活を、悔いの無いよう過ごし。」

「実りのある毎日を、送って行ってもらえたらと思います。」


「そして1年生、2年生は。」

「これから入学してくる、後輩達のお手本となるよう。」

「気持ちを新たに、前進していってください。」



「…理事長、ありがとうございました。」

「続きまして、生徒会長挨拶。」

「生徒会長、よろしくお願いします。」




…えりちが、立ち上がる
5: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 01:07:21.24 ID:Bjq1I4IS.net
しん、とした空間に

えりちの拍手がこだまする

それは、彼女に託した想いからか

それとも、彼女へのエールなのか


えりちの拍手につられて

胸を張って、舞台袖から現れた



マイクに向かうその一歩一歩が

彼女が積み重ねて来た過去のように


壇上に立つその姿は

ウチには、凛々しく見えた



…まるで、就任した時のえりちみたいに
7: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 01:08:03.19 ID:Bjq1I4IS.net
「…みなさん、こんにちは!」

後ろから、なぜか歓声が聞こえる


「この度、新生徒会長となりました。」

「スクールアイドルでおなじみ…」

「高坂穂乃果です!!」


「…」


「…?」

「どうしたのかしら…?」

穂乃果ちゃんは、そのまま立ってる


「あー…えー…」

「…」


一つだけ、訂正


えりちに似てるのは…


マイクの前まで、やったね
8: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 01:09:10.67 ID:Bjq1I4IS.net
そのあと、海未ちゃんたちのお陰で

なんとか挨拶も終わって

集会は解散になった


「…もう、穂乃果ったら。」

「でも、あれくらいの方が、案外向いてるんかも?」


「あれで、仕事がちゃんと出来るなら…ね。」


----

生徒会室の中から、声が聞こえる

「生徒会長って、大変なんだねえ…」


二人して吹き出してから、中に入る


「…わかってくれた?」

「ぅ絵里ちゃん!」

「うふふ…頑張ってるかね?君達。」

「希ちゃんも…!」
9: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 01:10:19.46 ID:Bjq1I4IS.net
ちょっと格好つけて入ったのに

そこには触れてくれんかった

「…」

少し、寂しかったりも…する

「…大丈夫?」

「挨拶、かなり拙い感じだったわよ?」


「…えへへ、ごめんなさい。」

「それで、今日は?」


「特に、用事はないけど…」

「どうしてるかな、って。」

「自分が推薦した手前もあるし…心配で。」

おっと、ウチも切り替えんと


「明日からまた。」

「みっちりダンスレッスンもあるしね♪」
10: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 01:10:57.56 ID:Bjq1I4IS.net
「…カードによれば。」

「穂乃果ちゃん、生徒会長として…」

「相当苦労するみたいよ?」


いつのまにか、ウチの代名詞みたいになったこのカード

使い方は最早合ってるとは言えんかもやけど…

なんとなく、このカードも喜んでる…気がした


「ええーっ!?」

「…だから二人とも、フォローしたってね?」

もちろん、ウチらもそのつもり♪


「気にかけてくれて、ありがとう♪」

「いえいえ。」

「困った事があったらいつでも言って?」

「何でも手伝うから。」


「…ありがとうっ!!」
11: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 01:11:42.30 ID:Bjq1I4IS.net
「心配…しなくても、大丈夫そうやね。」

「ふふっ、そうかもね。」


「…?」


「それじゃ、私達はこれで。」

「また、後でな♪」


「うんっ!」

「2人とも、ありがとう!」





生徒会室を出て、部室に向かう

「なーんや、ちょっと拍子抜けかも?」

「…まあ、まだ始まったばかりだしね。」

「むしろ、これから…」


前から、花陽ちゃんが走ってくる


「おーい、どうした…」
12: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 01:12:17.42 ID:Bjq1I4IS.net
「あっ!!」

「お二人は、部室で待っていて下さい!!」


そう言うと花陽ちゃんは、また駆けて行く

「ちょっと、廊下は走っちゃ…!」

えりちが言い終わる前に

にこっち達も走って来た


「ちょっ!にこっち!?」

「話は後!!」

「部室で待ってなさい!!」


「「…?」」


「…とりあえず、部室いこっか?」

「ええ…」


-----


「もう一度、ラブライブ!?」
13: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 01:13:28.09 ID:Bjq1I4IS.net
花陽ちゃんから知らされた報告は

第2回ラブライブが開催されるというもの


どうやら、前回の反響が大きかったらしく

今回は、前回以上に設備なんかも大きくなってるらしい


そして何と言っても今回は

今までのランキング形式ではなくて

各エリアで行う審査…

いわゆるリーグ形式で本戦出場チームが決まるらしい

って、事は…


「でも待って!」

「地区予選があるって事は…」

えりちが、一番始めに気付く

「私達…A-RISEとぶつかるって事じゃない?」


「「…あ。」」
14: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 01:14:31.59 ID:Bjq1I4IS.net
花陽ちゃんが、膝から崩れ落ちる

「…終わりました。」

「だーめだー…」

にこっちも、頭を抱える

…なんたって、直に目の前で見てしまったもんね


みんなが落ち込む中、海未ちゃんが口を開く

「確かにA-RISEとぶつかるのは苦しいですが。」

「だからといって諦めるのは早いと思います!」


「…海未の言う通りね。」

「やる前から諦めていたら、何も始まらない。」

「今までだって、そうやって来たでしょう?」


「…それもそうね。」

真姫ちゃんが、答える


「エントリーするのは自由なんだし。」

「出場してみてもいいんじゃないかしら?」
15: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 01:15:11.14 ID:Bjq1I4IS.net
「大変だけど、やってみよう?」

花陽ちゃんが、起き上がる


…でも

穂乃果ちゃんが、すごく落ち着いてる

普通なら、飛び跳ねて喜びそうやのに…


「…穂乃果?」


「ふう…」


「出なくても、いいんじゃない?」


「「ええーっ!?」」

「ほ、穂乃果ちゃん…?」

「今、なんと…?」


屈託の無い笑顔で、穂乃果ちゃんは繰り返す





「ラブライブ、出なくてもいいと思う♪」
19: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 20:59:27.50 ID:Bjq1I4IS.net
「ほーのーかー!!」

にこっちが穂乃果ちゃんを隣の部屋へ連れて行く


鏡の前に座らせて…

「穂乃果、自分の顔が見えますか?」

「見え…ます。」

「では、鏡の中の自分はなんと言ってますか?」

海未ちゃんがこんなにうろたえるとこ、初めて見たかも


…でも、なんで穂乃果ちゃんは

ラブライブに出なくていいと思うんやろ?

「私は…」

「歌って踊って、みんなが幸せなら、それで…」


「今までラブライブを目標にやって来たじゃない!」

にこっちが詰め寄る

一番、ラブライブに思い入れが強いのは、にこっちやし
20: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 21:00:01.54 ID:Bjq1I4IS.net
みんなが穂乃果ちゃんに声をかけるけど

穂乃果ちゃんは、黙ってばっかり

…でも、なんとなく

穂乃果ちゃんの、本心じゃないような


「…そうだ!」

「明日からまたレッスン大変になるんだし。」

「今日は寄り道して行かない?」


みんな、思う所はあるけど…

とりあえず、穂乃果ちゃんに着いて行く事にした




いろいろ遊び回って

一旦、ゲームセンターで落ち着いたけど…

やっぱり、みんな戸惑ってる
21: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 21:00:28.91 ID:Bjq1I4IS.net
「…」

なんとなく、その空気に息が詰まって

外に、出てみた

街頭のディスプレイには、A-RISEのメンバーが


「…希ちゃん、どうしたの?」

穂乃果ちゃんが、気にして出て来てくれた

「…ううん、何でも。」

「はい、ジュース。」

穂乃果ちゃんが、手渡してくれる

「ありがと♪」

「…あ。」

穂乃果ちゃんも、ディスプレイに気がついたみたい


「…やっぱり、すごいね。」

「A-RISE?」

「うん。穂乃果達とは、違うっていうか…」
22: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 21:01:05.73 ID:Bjq1I4IS.net
「…これ、美味しいね。」

ジュースを一口飲んで、声をかける

「でしょ!?」

「穂乃果の、オススメなんだよ♪」

そうやって無邪気に笑う穂乃果ちゃん

特に、変なとこは見えないけど…


「ねえ、穂乃果ちゃん。」

「ん?どーしたの?」


「本当に、出なくていいと思ってる?」

「…」

「やっぱり、みんなは出たいよね…」



「…ウチの、勝手な想いを言わせてもらえたら。」

「出来れば、最後までみんなといたいんよ。」


「…最後?」


「ほら、行こ?」

「みんな待ってるよ♪」
23: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 21:01:45.11 ID:Bjq1I4IS.net
あの後、解散してから

みんなと電話で話したけど

…やっぱり、穂乃果ちゃんの考えは分からんかった

それでも、やりきれなくて

頭の中が、もやもやする


なにか、気付く事できないかな…?


-----


「…えりち。」

次の日

廊下で、えりちと会った

「どうしたの?」

「…」

「本当に、出なくていいと思う?」

「…!」

「きっと穂乃果ちゃんも。」

「なにか、あるんやと思う。」
24: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 21:02:20.43 ID:Bjq1I4IS.net
「そりゃあ、私達に穂乃果の考えは分からないけど…」

「…」


「なにか、考えがあるの?」

「無いけど…でも。」

「なんとなく、無理してる気がするんよ。」


「前のえりちみたいに。」

「何かを、我慢してるような…」



「…でも、何かは分からないんでしょう?」

「言ってくれないのなら、無理に聞いても一緒よ。」


「…うん。」

「でもやっぱり。」


「ウチは、9人一緒がいいな。」

「…最期まで。」



「…そうね。」
26: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 21:17:03.41 ID:Bjq1I4IS.net
---


曇り空の中

ウチらは神田明神にいた

なんでも、我慢できなくなったにこっちが

穂乃果ちゃんに、勝負を挑んだみたいで…


「あっ!」

にこっちのズルで、スタートした階段ダッシュ

それでも、穂乃果ちゃんは着いて行く


そんな時、にこっちがつまづいた


「!にこっち…」


穂乃果ちゃんが、慌てて駆け寄る

「もう、ズルするからだよ…」

「…うるさいわね。」

「ズルでもなんでもいいのよ。」

「ラブライブに出られれば…!」




「にこちゃん…」
27: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 21:17:35.90 ID:Bjq1I4IS.net
降り出した雨を避けようと

ウチらは、雨宿りしてた


「…ねえ、希ちゃん。」

「ん?どうしたん?」

「昨日言ってた、最後って…」


「…そうよ。」

えりちが、答える


「3月になったら、私達3人は卒業。」

「こうしてみんなと一緒にいられるのは、あと半年。」


「…それに、スクールアイドルでいられるのは、在学中だけ。」

「そんな…」


やっと見つけたウチらの居場所

いれなくなるのは寂しいけど…

それでも、いつか終わりは来る
28: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 21:18:11.10 ID:Bjq1I4IS.net
「…別にすぐ卒業しちゃう訳じゃないわ。」

「でも…ラブライブに出られるのは、今回がラストチャンス。」

「これを逃したら、もう…」


「…本当は、ずっと続けたいと思う。」

「でも、この9人でラブライブに出られるのは。」

「今回しか無いのよ。」


「…私達も、そう。」

えりちの後に、花陽ちゃんが続く

「例え予選で落ちちゃったとしても。」

「9人で頑張った足跡を残したい…!」

「凛もそう思うにゃー!」


「やってみても…いいんじゃない?」


「…」
29: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 21:18:36.03 ID:Bjq1I4IS.net
「穂乃果。」

「絵里ちゃん…」


「前に、穂乃果の家で言った事、覚えてる?」

「…うん。」


「私は…ううん、私達は。」

「穂乃果のおかげで、今ここにいる。」

「だから…私達の事を考えてくれているのなら。」

「私達は、貴女を支えたいの。」


「…」


「…ことりちゃんは?」

「私は、穂乃果ちゃんが選ぶ道なら…どこへでもっ♪」


「…また自分のせいで。」

「みんなに迷惑をかけてしまうのでは、と心配しているんでしょう?」


「…!」
30: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 21:19:15.22 ID:Bjq1I4IS.net
「ラブライブに夢中になって。」

「周りが見えなくなって。」

「生徒会長として…」

「学校のみんなに迷惑をかけるような事があってはいけない…と。」


「…」

「全部、バレバレだねっ。」

「始めたばかりの時は、何も考えないで出来たのに…」

「今は何をやるべきか、分からなくなるときがある。」

「…でも、一度夢見た舞台だもん。」

「やっぱり私だって出たい!」


「生徒会長やりながらだから…」

「また迷惑かける時もあるかもだけど…」




「本当はものすごく出たいよ!!」
31: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 21:19:44.35 ID:Bjq1I4IS.net
「…!」

「みんな、どうしたの…?」

みんなで、穂乃果ちゃんの前に並ぶ

「穂乃果、忘れたのですか?」

「…?」


『だって可能性感じたんだ、そうだ進め---』

『後悔したくない、目の前に』


「僕らの道がある---」


ウチらの気持ちは、ひとつ


「「やろうっ!!」」


「…!」


「よ~し!!」

「やろう!」

「ラブライブ、出よう!!」
32: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 21:20:20.15 ID:Bjq1I4IS.net
そう言うと、穂乃果ちゃんは

雨の中を走って行く


「…穂乃果!?」


雨雲に向かって仁王立ち

大きく息を吸い込んで…


「雨、止めー!!!」


すっごく通った声で、穂乃果ちゃんは叫んだ

みんな、いきなりの行動に声も出せずにいると…



「うそ…?」



雨雲が切れて

お日様が顔を出す


さっきまで土砂降りやってんよ…?

これには流石に

スピリチュアルガールを自称するウチも驚いた


穂乃果ちゃん…やっぱり何か持ってるんやろか?
33: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 21:20:58.82 ID:Bjq1I4IS.net
「…本当に止んだ!!」

「人間その気になれば、何だってできるよ!!」

「ラブライブに出るだけじゃもったいない!」

「この9人で残せる…最高の結果!」


穂乃果ちゃんが、空を指す


「…優勝を目指そう!!」




「優勝!?」

ここにいる誰もが驚く

…だって、ほんのちょっと前まで出ないって言ってたのに


…でも、だからこそ

ウチらのリーダーは穂乃果ちゃんなんよ


「おもしろそうやん♪」




「ラブライブの、あの大きな会場で精一杯歌って!」


「私達…一番になろう!!」
34: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 22:02:25.42 ID:Bjq1I4IS.net
と、みんなで決めた次の日

ウチらは重大な問題に直面する事になった


「「ええーっ!?」」

「どういう事!?」

花陽ちゃんが説明する


「大変です…!」

「ラブライブの予選で発表できる曲は。」

「今までに未発表のものに限られるそうです…」


「未発表…?」

「って事は…つまり今までの曲は使えない、って事?」


花陽ちゃんは、続ける

「参加希望チームが予想以上に多く…」

「中にはプロのアイドルのコピーをしている人たちも。」

「エントリーを希望して来たらしくて…」
35: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 22:02:51.17 ID:Bjq1I4IS.net
…つまり


「この段階でふるいにかけよう、って訳やね。」


「これから1ヶ月たらずでなんとかしないと…」

「ラブライブに出られない、って事よ。」


そうは言っても、今から新曲となると…


「こーなったらば仕方ない。」

「こんな事もあろうかと…」

「私がこの前作詞した、『にこにーにこちゃん』という詩に曲をつけ…」


「実際の所どうするんや…?」

「スルー!?」


にこっち、今突っ込んでる余裕ないんよ



「…なんとかしなきゃ!!」
36: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 22:03:14.09 ID:Bjq1I4IS.net
「でも、一体どうすれば…」

穂乃果ちゃんが頭を抱える


「…作るしかないわね。」

えりちが言う

「どうやって…」


「真姫!」


「…!」

「もしかして…」



「ええ…」

「合宿よ!!」



「…いたっ!?」

えりちの頭を叩く

「ちょっ!?希!?」


「なに、人に任せてるん…?」
37: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 22:03:41.84 ID:Bjq1I4IS.net
「…だって、作るしかないじゃない!」

「それは分かるし、そのために合宿をやった方がいいのも分かる。」

「でも、最初に真姫ちゃん頼るのはどうなん?」


「だ、だって前回もそうだったし…」


もう一度、叩いてみた


「ま、また…!」


「あんな、えりち。」

「いくら切羽詰まってるとは言え。」

「人の家あてにするなんて…」


「ちょ、ちょっと希…」


「とりあえず、真姫ちゃんに謝ろっか♪」


「は、はい…」
38: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 22:04:14.57 ID:Bjq1I4IS.net
えりち、親しみやすくなったのはええけど

昔あった賢さがどんどん無くなってる気がする…




まあ、何はともあれ

時間がないのも事実やし

真姫ちゃんに、聞いてみる


「…まあ、確かにビックリはしたけど。」

「多分大丈夫だと思うから。」


「…うん、ありがとうな?」

「べっ、別に、これくらい…///」


「いやいや、ちゃんと感謝せんとな♪」

「な?えりち。」


「…ありがとう、真姫。」

「ありがとう、真姫ちゃん!」

みんなが口々にお礼を言う


「…はいはい、分かったから。」
39: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 22:04:48.75 ID:Bjq1I4IS.net
-----


無事、真姫ちゃんのご両親からの許可も出て

週末、山の麓の別荘へ


「綺麗…!」

「空気が澄んでるねー。」

停車駅で降りると、新鮮な空気に包まれる


「やっぱり真姫ちゃん、すごいにゃー!」

「こんな所にも別荘があるなんて…」


凛ちゃんと花陽ちゃんに褒められて

素直じゃない真姫ちゃんは少し嬉しそうや


お話もそこそこにして

とりあえず別荘に向かおうとしたけど…



「…あれ?」

凛ちゃんが立ち止まる
40: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/17(火) 22:07:32.30 ID:Bjq1I4IS.net
>>39ミス
付け忘れ


「…どうかした?」

「何か…足りてない気がしないかにゃ?」

「忘れ物?」

「忘れ物じゃないけど。」

「なにか、足りてない気が…」
43: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:18:41.64 ID:NSFol7q+.net
「どうしたのですか?ことり、凛。」

「海未ちゃん…」

「凛ちゃんが、何か足りてないって…」

「足りてない?」

「忘れ物ですか?」

「ううん、そんなんじゃないんだけど…」


「まったく、穂乃果じゃあるまいし。」

「忘れ物なんかするわけ…」


にこっちが、止まる

「…にこ?」


「…ねえ、足りないってまさか。」

「…!」




「「穂乃果(ちゃん)!?」」
44: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:19:22.52 ID:NSFol7q+.net
「ことり!今すぐ穂乃果に電話!」

「は、はいっ!」

えりちが指示を出す


「希ちゃん、穂乃果ちゃんは今どこに!?」

「むむ…ウチの占いやと、一駅先に…そうや!」


「よーし、凛ちゃん!」

「今すぐに走って追いつくんや!」

「了解にゃ!!」

凛ちゃんがダッシュする


「って、出来る訳ないにゃー!!」

「やんなー…」



「遊んでる場合ではありません!!」


なんとか穂乃果ちゃんに連絡をとって

次の駅で帰って来てもらった
45: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:20:13.51 ID:NSFol7q+.net
「たるみ過ぎです!!」

バス停で合流した穂乃果ちゃんを、海未ちゃんがしかる

「だって、みんな起こしてくれないんだもーん!!」

「ひどいよっ!!」

涙目になる穂乃果ちゃんを、ことりちゃんが慰める

「ごめんね?」

「忘れ物ないか確認するまで気付かなくて…」


「…そもそも、遊びに来たのではないのですよ!?」


「まあまあ、海未ちゃん。」

「こうやって無事合流できた訳やし…」


「とにかく、新曲作りのための合宿です!」

「1秒たりとも惜しいのですよ!?」


「…はーい。」


「…それじゃ、行きましょ?」

「もう、すぐそこだから。」

真姫ちゃんに案内されて、別荘へ
46: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:20:36.76 ID:NSFol7q+.net
-----


別荘について

一通りみんなで探検する

…やっぱり、真姫ちゃんの家ってすごいんやね

「ピアノ!」

「お金持ちの家でよく見るやつ!」

「…そして暖炉!!」


穂乃果ちゃん達は大はしゃぎ


「すごいにゃー!」

「初めて暖炉みたにゃー!!」

「ここに火を…!」

「つけないわよ?」

真姫ちゃんが制する

「まだそんな寒くないでしょ?」
47: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:21:06.27 ID:NSFol7q+.net
「…それに。」

「冬になる前に煙突を汚すと。」

「サンタさんが入りにくくなるって。」

「パパが言ってたの。」


「…パパ。」

「サンタ…さん?」

二人の頭には?マーク


「素敵♪」

「優しいお父さんですね。」

ことりちゃんと海未ちゃんが声をかける

「…ここの煙突はいつも、私が綺麗にしていたの。」

「去年までサンタさんが来てくれなかった事はなかったんだから。」




「…証拠に、中見てごらんなさい?」
48: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:21:39.46 ID:NSFol7q+.net
中を見ると、サンタさん?からのメッセージ

雪だるまと、サンタさんの絵

…そして、『Thank you』の文字



「真姫ちゃん、お父さんから愛されてるんやね。」

「…そうね。」

えりちと二人で声を潜める

真姫ちゃんは、とっても誇らしそうや





「…ぷぷぷ。」

あ、止めるの忘れてた


「アンタ…っ。」

「真姫が、サンタ…」


「にこちゃん!!」
49: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:22:07.68 ID:NSFol7q+.net
「それは駄目よ!!」

花陽ちゃんとえりちが急いで止める

「…いたいいたい!!」

「何よ!?」


「駄目だよ!!」

「それを言うのは重罪だよっ!!」

「そうにゃ!」

「真姫ちゃんの人生を左右する一言になるにゃ!!」


穂乃果ちゃん達も加わる


にこっち…もし言ってしまったら…わかってるよね?


「だってあの真姫よ!?」

「あの真姫が…」


「ダメー!!!」

穂乃果ちゃんが、にこっちを押し倒す
50: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:22:49.39 ID:NSFol7q+.net
「…?」

真姫ちゃんはひとり、蚊帳の外

「一体、どうしたっていうのよ…?」


「だ、だって、真姫…」

「サンタっていうのは…!」



「にこっち…?」

「ひっ…!」


「それ以上言ったら…」

「どうなるかわからんにこっちじゃないやろ…?」


後ろからにこっちのそれに手を当てる


「…サンタさんに、大きくなるようお願いしてみよか?」

手のひらに、力を入れる


「け、結構よ…」
51: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:23:11.74 ID:NSFol7q+.net
「そ?」

「なら、着替えて練習いこっか♪」


「…ふう。」




「ねえ、にこちゃん。」

「さっき言ってた事って…」


「あ、真姫ちゃん。」

「えっとね、サンタっていうのは…」



「…にこっち♪」

「は、はいっ!!」


「さあ、真姫ちゃん。」

「今年もサンタさんが来てくれるように、頑張ろっ♪」


「もちろんよ!」
52: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:23:40.53 ID:NSFol7q+.net
海未ちゃん、ことりちゃん、真姫ちゃんを残して

ウチらは近くの開いた場所へ

あの3人の邪魔にならないよう

ウチらは、ステップの練習をする


「…さあ、まずは基礎練習から!」

えりちの指示で、ウチらは動く


今頃、あっちの3人も頑張ってるんかな?



----



「んっ…ぷはー!」

「気持ちいいねー。」

練習の合間の休憩やけど

空気が美味しいくて、つい横になっちゃう


「眠くなっちゃうね…」

「って、寝てる!?」

花陽ちゃんの横で

穂乃果ちゃんが可愛い寝息を立ててる
53: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:24:05.92 ID:NSFol7q+.net
「…ちょっと、休憩は5分よ?」

えりちが呼びにくるけど

なんか、力が抜けちゃって…


「分かってるわ。」

にこっちが答えるけど、なにかに気付く

「…?」


「ああっ!!」

「私のリストバンド!!」

リスが、にこっちのリストバンドを咥えてる

「可愛いにゃ~。」

「そうね~…って!」

「言ってる場合じゃないでしょ!?」

「返しなさーい!!」


にこっちがリスを追いかける
54: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:24:37.11 ID:NSFol7q+.net
「あっ!ちょっとにこ!」

「にこちゃん、待つにゃー!!」

「凛まで…!」


「あ、えりちそっちは…!」

二人を追ったえりちを追いかける


確か、そっちは急な坂道が…




「…えりち?」

「駄目。」

「どこかに行っちゃったみたい。」

「下に落ちてないといいんやけど…」


「流石に、大丈夫でしょ。」

「きっとすぐ、取り返して戻って来るわ。」


「穂乃果を起こして練習しましょう?」

「うん…」
55: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:24:58.67 ID:NSFol7q+.net
-----

「1・2!1・2!」

えりちのかけ声でステップを踏む


「穂乃果、ちょっとバランス崩れてるわよ!」

「はいっ!」

「花陽も、タイミングが遅い!」

「は、はいっ!」



「…それじゃ、一旦休憩にしましょうか。」

「あんまりやり過ぎて、身体壊すのも駄目だし。」


「それにしても、にこっち達遅いなあ…」

「もう、30分ぐらい経ってるよね。」

「大丈夫かなあ…?」


花陽ちゃんが、不安そうな顔をする

「…この辺、猛獣とかはいないらしいけど。」

「猛獣っ!?」
56: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:25:24.97 ID:NSFol7q+.net
「まさか、そんなのいる訳…」

そう言いかけた時

後ろの茂みの奥からガサゴソと音が聞こえた

「…え?」


音は、次第に大きくなる


「え、絵里ちゃん…」

「大丈夫よ、穂乃果。」

「猛獣なんて、いるはず…」


「…でも、なんか近づいて来てない?」

「ちょ、ちょっと希!」

「怖がらせないでよ!」


「いや、でも…」


その時、それは茂みから飛び出して来た
57: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/18(水) 21:25:58.05 ID:NSFol7q+.net
「…!!」

穂乃果ちゃんと花陽ちゃんは

二人で抱き合ってる

えりちも、しゃがんで小さくなって…


「…って、にこっち?凛ちゃん?」


「脅かさないでよ…」

「お、脅かしたい訳じゃ…」


「っていうか、何でびしょ濡れなん?」

「さ、寒いにゃあ…」


「と、とにかく中に入って?」

「風邪引く前に、早く…!」



…真姫ちゃんに、謝らないとあかんかな
62: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:01:09.25 ID:AQ86FPon.net
「「…へっくしゅん!!」」

風邪を引くといけないから

真姫ちゃんには申し訳ないけど

暖炉を使わせてもらう事に


「もう…無事だからよかったけど。」

えりちも心配してたしなあ…

「ごめんなさーい…」


「すごい!本物の暖炉!」

「少しは心配しなさいよ!」

元気になって、ちょっとうるさくなって来たから


「静かにしないと…!」

「上で海未ちゃん達が作業してるんやし。」


「あ、そっか。」

「真姫ちゃんは…?」

穂乃果ちゃんに言われて、気付く

確かに、真姫ちゃんどこいったんやろ?
63: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:01:37.88 ID:AQ86FPon.net
そのとき、花陽ちゃんが部屋に来た

「お茶用意しました~。」


「あ、じゃあ海未ちゃん達には私が持って行くよ。」

「…ほんと?ありがとう♪」

「それじゃ、行ってくるね。」


穂乃果ちゃんが、2階に向かう


「…それにしても、海未たちは大丈夫かしら?」

「まあ、ウチらが手伝える事って言ったら…」


そんな話をしていると

上からドタドタと走る音が聞こえた


「…穂乃果かしら。」



「だあああああああああ!!」



「「!?」」
64: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:02:13.65 ID:AQ86FPon.net
大声にビックリしてると

穂乃果ちゃんが駆け下りて来た


「ちょっと穂乃果!」

「もうすこし静かに…」


「大変だよ!!」

「海未ちゃん達が!!」



-----


「「スランプ!?」」

どうやら、上手く進まず

外で現実逃避してたみたい


「…つまり。」

「今までよりも強いプレッシャーがかかっているという事?」


「…はい。」

「気にしないようにはしているのですが…」

「上手く行かなくて。」

「予選敗退になったらどうしよう、って思うと…」
65: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:03:31.84 ID:AQ86FPon.net
「ま、私はそんなの関係なく進んでたけどね。」

真姫ちゃんの虚勢もむなしく…

「その割には譜面真っ白にゃ!!」

「って、勝手に見ないで!」

落ち込んでる3人をみて

やっぱり負担をかけすぎた事に後ろめたさを感じてしまう


「…確かに、3人に任せっきりって言うのは良くないかも。」

「そうね。責任も大きくなるから。」

「負担もかかるだろうし…」

えりちと花陽ちゃんが、顔を見合わせる

それなら…

「じゃあ、みんなで意見出し合って。」

「話しながら曲を作って行けばいいんじゃない?」


「…そうね。」

「せっかく9人揃ってるんだし。」


にこっちも、肯定してくれる
66: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:04:11.16 ID:AQ86FPon.net
「…しょうがないわねー。」

「私としては、やっぱり『にこにーにこちゃん』に曲を…」


「なーんて9人で話してたら。」

「いつまで経っても決まらないよ…?」

今は、時間がないんやから


「…そうだ!」

えりちが、割り箸を用意する

「せっかく9人いるんだから。」

「グループで別れましょうよ♪」



-------

表に出て、えりちが進める

「…それじゃ、3班に別れましょ?」

海未ちゃんたちが先に3つに別れて

ウチらが、その後に割り箸を引く

「…決まりね。」


「ことりを中心に、衣装を決める班と。」

ことりちゃん、穂乃果ちゃん、花陽ちゃんのグループ

「海未を中心に作詞する班。」

海未ちゃん、凛ちゃん、そしてウチ

「そして、真姫を中心に作曲する班。」

真姫ちゃん、えりち、にこっち
67: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:04:40.91 ID:AQ86FPon.net
…うん♪

良い別れ方と違うかな?


案外、このメンバーでユニット組むのも良いかもね


「…ようし。」

「じゃあユニット作戦で。」

「曲作り頑張ろー!!」


「「おーっ!!」」


「…おー。」

真姫ちゃん、ちゃんと言うだけ可愛いな♪



----

さて、それじゃウチらはウチらで動こうか


「海未ちゃん、どうする?」

「何か話してたら、イメージ湧くかにゃ?」


「…いいえ。」

「二人とも、準備をして下さい。」


「「…?」」
70: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:41:44.05 ID:AQ86FPon.net
------


「にゃあああぁぁぁあ!!」

「りーん!!」

「絶対にこの手を離してはなりません!!」


「死にますよー!?」

「いやー!!」


ウチらは今、切り立った崖の近く

とても過酷な山登りのルートにいた


海未ちゃんが、山に登ればインスピレーションが

と言うので

せっかくやる気が出てる海未ちゃんを止めるのも気が引けて

凛ちゃんを説得して来た訳やけど…



「今日はこんなのばっかりにゃー!!」

「ファイトが足りんよー!?」


来たものの…

過酷すぎて、作詞できる訳も無く

海未ちゃんに付き合ってる
71: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:42:16.89 ID:AQ86FPon.net
「…ふう。落ちなくてよかったです。」

「うう…」


「希、大丈夫ですか?」

「ウチは平気!」


凛ちゃんは泣きそうになってるけど…

ウチは、少しだけわくわくしてる


「…雲がかかってきた。」

「山頂まで行くのは無理やね。」


「そんな…」

「ここまで来たのに…!」

すごく悔しそうな海未ちゃん

その顔も新鮮やけど…

「ひどいにゃ!」

「凛は全然こんなとこ来たくなかったのにー!!」


そろそろ、凛ちゃんのケアもしないとな♪
72: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:42:41.13 ID:AQ86FPon.net
「…仕方ありません。」

「今日はここで明け方まで天候を待って。」

「翌日アタックをかけましょう。」


「…山頂アタックです!!」


「まだ行くのぉー!?」

「当然です!」

「何しにここに来たと思っているんですか!?」



「作詞に来たはずにゃー!!」

涙声で訴える凛ちゃん


「…はっ。」

「まさか忘れてたのー!?」


やっぱり、そんなとこやと思った
73: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:43:11.90 ID:AQ86FPon.net
「そ、そんな事はありません!」

「山を制覇し、成し遂げたという充実感が。」

「創作の源になると私は思うのです!」


ふふっ

海未ちゃんの言いたい事も分かるけど

ここは、ウチの出番かな♪

「まあまあ、海未ちゃん。」

「気持ちは分かるけど…」

「ここまでにしといた方が、いいよ。」


「ですが…」

「山で一番大切なんは…なにか知ってる?」

理屈が好きな海未ちゃんには

ちょっと意味深な事が効果的なんよね


「チャレンジする勇気やない。」

「諦める勇気。」

「…分かるやろ?」

って、この間見たテレビで言ってた事やけど♪
74: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:43:45.05 ID:AQ86FPon.net
「凛ちゃん、下山の準備。」

「晩ご飯はラーメンにしよ♪」

「ほんと!?」

凛ちゃんの顔が明るくなる

…やっぱり、この辺が正解やったみたいやね♪



今まで、周りの人ばっかり気にしてたけど

そのお陰で、変化が分かるようになった


気付く事、ただそれだけだけど


…今までは、気付いても言う勇気がなかったから

でも、今は

言っても、受け入れてくれる仲間がいる



だから、怖くない

胸を張って、言葉にできる


それが、素直なふたりやから

…ついつい、口数が多くなってしまうのは事実やけどね
75: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:44:24.37 ID:AQ86FPon.net
「下に食べられる草が沢山あったよ♪」

「海未ちゃんも手伝って?」


「それにしても、こんな事にまで詳しい希って…」

「謎にゃあ…」


「…ん?」


「あ、いえ…」

「ねえねえ、希ちゃん!」

「どんなのが食べれるの?」

「さっき見つけたのは、オオバコ、アカツメクサ。」

「あとは、葛とかやね。」


「葛と言えば、秋の七草ですよね。」

「お、海未ちゃん良く知ってるやん♪」


「時期は少し早いけど、見つけたから。」
76: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:44:54.27 ID:AQ86FPon.net
3人で、歩いてさっき見つけた場所へ


少し開けた、広場みたいな所

「ここは…」


「寝床にも、ぴったりやろ?」

「…本当に。」

「希は、謎が多いですね。」


「ふふっ。褒め言葉として、受け取っておくよ。」


「ねーねー希ちゃん!」

「凛、お腹減ったにゃー!」


「それじゃ、一緒に採ろうか。」

「そういえば、ちょっとしたデザートも見つけたよ♪」


「ええっ!?デザート!?」

「さあ、レッツゴー♪」

「「おー!」」
77: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:45:23.54 ID:AQ86FPon.net
-----


「いっぱいとれたね!」

「うん、これだけあったら大丈夫かな?」


「では、調理しましょうか。」

「その前に、少しアクを抜かないと駄目だから。」

「お湯を沸かして、重層をいれるよ♪」


「希は、料理も出来るのですか?」

「ううん、実は苦手なんよ。」

「いつも、コンビニ弁当とかばっかり食べてて…」


「そーなの?」

「…ちょっと、恥ずかしいんやけどね。」

「少し…意外でした。」

「そう?」


「ええ。」

「ほんと!」

「希ちゃんって何でも出来ると思ってた!」


「ふふっ。」

「そう思ってもらえて、嬉しいよ♪」
79: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:47:17.00 ID:AQ86FPon.net
「よし、アクも抜けたみたいやし。」

「ラーメンを湯がいてる間に、かき揚げをつくろっか♪」

「わーい!!」


------


「お腹いっぱいにゃー。」

「美味しかった?」

「うん!!」

「凛、初めてこういう野草食べた!」

「私もです。」

「案外、悪くないのですね。」


「…なら、よかった。」

ほっと、胸を撫で下ろす

「もちろん、希が私達のために作ってくれたものですから。」

「その気持ちが、なにより嬉しいですよ。」


「海未ちゃん…」

「凛もそう思うにゃ!」

「希ちゃん、ありがとうっ!」
80: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:47:49.37 ID:AQ86FPon.net
少し、目頭が熱くなったけど…

気を取り直して


「…さ、凛ちゃん。」

「お待ちかねのデザート、どうぞ。」


「わあ…!」

「真っ赤だね!」


「これは、一体…?」

「ガマズミって言う、野草の実なんよ。」

「まあ、一口食べてみて♪」


「いっただっきまーす!!」

凛ちゃんが、ぱくっと口に放り込む

「~!!すっぱいにゃー!!」


「確かに、酸っぱいですね…」

「でも、ほのかな甘みが、口に広がります。」
81: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:48:38.95 ID:AQ86FPon.net
「…あ、分かった!」

「アセロラジュースみたいな感じ!」


「ああ、確かに。」

「そう言われてみれば、そうですね。」


「…なるほど、確かにそんな感じやね♪」

「この草もホントは食べれたんやけど…」

「栄養が、実にいっちゃってるから。」


「そうでしたか。」

「でも、どうしてこれを?」


「これ、実は疲労回復にいいみたいなんよ。」

「明日からも、頑張らないとだめだからね。」

「…今日の疲れを、残さないように♪」



「ありがとうございます、希。」

「希ちゃん、ありがとっ!!」


「満足してもらえたら、ウチも嬉しいよ。」





「…それじゃ、そろそろ寝る用意しよっか♪」
82: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:49:11.93 ID:AQ86FPon.net
食事の用意を片付けて

テントに入って、夜空を見上げる


「綺麗だにゃ~…」


「…星はいつも自分の事を見てくれる。」

「星空凛って言うくらいなんやから。」

「星を好きにならないとね♪」

「うん!」



「…星座も詳しいみたいですね。」

海未ちゃんも、興味があるみたい

「一番好きな星座とか、あるの?」


「そうやね…」

「印象に残ってるのは、南十字星かな。」

今でも、目を瞑れば思い出せる

でも、この話はまだ内緒♪


「南…十字星?」

「ペンギンと一緒に見たんやけどね♪」


「「…南極!?」」
83: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:49:46.54 ID:AQ86FPon.net
驚いてる二人を横目に

満天の夜空を見上げる

「…!」


「あ、流れ星!」

「えっ?」

「どこどこ!?」

二人が、反応する


そっと、起き上がって

「南に向かう流れ星は、物事が進む暗示。」

海未ちゃんの力に、少しでもなれるように


「希…」


「一番大切なのは、本人の気持ちよ?」

軽く笑って、海未ちゃんを見る

さ、そろそろ寝ようか

中に入った時、少しだけ聞こえた

「…元々無かったですよ。」


あちゃ…やっぱりバレてたか
84: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:50:14.00 ID:AQ86FPon.net
「…」

かすかに、別荘からピアノの音が聞こえる


疲れたからか、凛ちゃんはもう夢の中

お疲れさま、凛ちゃん


「…ウチらの想いは、いつも一緒やで。」

「…!」


別荘に向かおうとする海未ちゃんに、そっと告げる


「…ありがとう、ございます。」

そう言うと、海未ちゃんは行ってしまった


「ふわぁ…」


気が抜けたからか、一気に眠くなる


「…おやすみ、ふたりとも。」


静かに、目を閉じる

きっと、大丈夫


ウチらなら
85: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:50:43.50 ID:AQ86FPon.net
------


「…」

降り注ぐ日差しに、目を開ける

「もう、朝か…」

ごそごそと起き上がると

凛ちゃんも、起きてくる

「おはよー…」

「あれ、海未ちゃんは?」

「海未ちゃんは、一足先に向かってるよ。」

「ウチらも、降りよっか♪」





別荘の前に着くと、穂乃果ちゃんが来た

「…穂乃果ちゃん。」


「凛ちゃん、希ちゃん…」

「みんな…!」

後から、えりちとにこっち、花陽ちゃんも来た
86: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:51:15.64 ID:AQ86FPon.net
「どうしたの?」

「起きたら、ことりちゃん達がいなくなってて…」


「…多分、中にいると思うよ?」

「知ってるの?希ちゃん。」

「なんとなく…ね。」



みんなで、そーっと別荘に入る

くたくたに疲れて寝てる、3人の姿があった



「…まったく、しょうがないわね。」

「ゆっくり、寝かせといてあげようか。」

3人とも、お疲れさま♪


「そうね…」

「でも、起きたらすぐ練習よ?」

えりちが、譜面を手に取る

「みっちり…ね。」


花陽ちゃんが、みんなに毛布をかけてあげる
87: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:51:44.80 ID:AQ86FPon.net
「それって…!」

みんなが頑張って作った、新しい曲

思わず、それぞれ顔を見合わせる


きっと、他のユニットでも

なにか、いいことがあったんやと思う


「それじゃ、ウチらは先に練習してよっか♪」

「ええ、みんな着替えたら表に集合!」


「「はーい!!」」





海未ちゃんたちが来る前に

出来る事を練習する


「…お、きたきた。」

「海未ちゃん!ことりちゃん!真姫ちゃん!」


「おはようございます。」

「毛布、ありがとうっ♪」

「ま、良いもの作ったんだからね。」
88: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:52:14.64 ID:AQ86FPon.net
「1・2・3・4!」

「5・6・7・8!」


海未ちゃんのかけ声で、ステップを踏む


これで、ラブライブに向けて道が開けた

後は、予選までに完璧にする事


不安は、一つもない…と言ったら嘘になるけど

それでも、前向いて頑張ろう


ウチら9人なら、きっと進める

あの、ラブライブの頂点へ…!



「ねえねえ!せっかくだし!」

「みんなで、ポスターつくろうよ!!」

「ポスター?」

穂乃果ちゃんが、また提案する
89: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/19(木) 20:52:52.40 ID:AQ86FPon.net
「横断幕、って言うかさ!」

「これから、やるぞー!って気になるような!」


「…いいんとちゃう?」

「そうね、せっかくだし。」



「ここから、再スタート、って事ね。」

「新曲も、決まったし…!」


「よーっし!いっぱい書くにゃー!!」

「…ま、いいんじゃない?」


「では、そうしましょうか。」

「うん、楽しそうっ♪」


みんなの気持ちを一つに、それを作る


真ん中には大きく、μ'sの文字


夢はもちろん






『目指せ!ラブライブ優勝!』
95: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 21:30:05.12 ID:vs0QZ3db.net
---

合宿明け


ラブライブ予選の新しい情報が入った

花陽ちゃんの説明に寄ると

今回のステージはネット配信に対応してるみたい

つまり、好きな場所でライブが出来るという事

でも…


「各グループの持ち時間は5分。」

「エントリーしたチームは、出演時間が来たら。」

「自分たちのパフォーマンスを披露。」

「この画面から全国に配信され。」

「それを見たお客さんがよかったグループに投票。」

「…順位が決まるのです。」


海未ちゃんの分かりやすい説明を聞いて

今一度、ウチらの立場を考える


「そして上位4組が最終予選に…と、言う訳ね。」
96: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 21:30:38.51 ID:vs0QZ3db.net
「4組…狭き門ね。」

真姫ちゃんの言う事も、もっともや

それに…


「特にこの東京地区は、一番の激戦区。」

中途半端なライブじゃ、到底受かりっこ無い


「それに、なんといっても…」

「A-RISE…」

…そう

同じ地区に、彼女たちがいる事

前回の優勝も考えて

4組のうちひとつは決まったも同然

ウチらはなんとかして

残りの3組に入らないと駄目なん
97: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 21:31:09.61 ID:vs0QZ3db.net
「…でも、ポジティブに考えよう?」

「あと3組進めるんだよ!」

穂乃果ちゃんの声に

みんなの顔が少し明るくなる


「今回の予選は、会場以外の場所で歌う事も認められてるんだよね?」

「ええ。」

「だったら、この学校をステージにしない?」

「ここなら緊張しなくてすむし♪」

「自分たちらしいライブが出来ると思うんだ。」


確かに、名案やけど

すこし、気になるのは…



「甘いわね!」

そんなウチの気持ちを、にこっちが代弁する
98: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 21:31:38.04 ID:vs0QZ3db.net
「にこちゃんの言う通り!」

花陽ちゃんも加勢しちゃった

「中継の配信は一回勝負。」

「やりなおしは効かないの…」

「失敗すれば、そのままそれが全世界の目にさらされて…!」

中庭で、にこっち達の指導が入る

「それに、画面の中で目立たないといけないから。」

「目新しさも必要になるのよ!」

「目新しさ…」


「…たとえば、セクシーな衣装とか?」

思わずふざけてみたけど

海未ちゃんが小さくなってしまった


「…無理です。」

「海未ちゃーん!」

「…こうなるのも久しぶりだね♪」
99: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 21:32:11.68 ID:vs0QZ3db.net
なんとなくそれが楽しくなって

もう少し、遊んでみる

「えりちのセクシードレス姿も、見てみたいなあ…♪」

「…!」

「ええ…?」

「おお!セクシャルハラスメンツ!!」

穂乃果ちゃんは間違った方向にノリノリやけど…

「…無理です。」

海未ちゃんは戻らない

「セクシードレス…」


あ、海未ちゃんのちょっとした妄想癖が始まってしまった

「は、離して下さい!!」

「私は嫌ですっ!!」

逃げようとする海未ちゃんを、穂乃果ちゃんが押さえる


…一体、何で想像したんかな?
100: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 21:32:49.48 ID:vs0QZ3db.net
「…ふん!」

「私も、やらないからね?」

「またまた~。」

「部長には誰もお願いしてな…っ!」

「つねるわよー?」

「もうつねってるにゃー…」

にこっちたちの漫才を遮って、花陽ちゃんが話す


「というか、何人かだけで気を引いても…」

「…確かに、そうだよね。」

「て言うか、こんな所で話してるより…」

「やる事あるんじゃない?」

真姫ちゃんが発言する

やることって…


…!


なるほど

真姫ちゃんも、ちょっと大人になったかな?

な~んて♪
101: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 21:33:26.18 ID:vs0QZ3db.net
「真姫ちゃん、やることって?」

「…そこの海未を見れば分かるじゃない。」

「それと、花陽も。」


「ええっ!?私も!?」


「…とりあえず、お昼に放送室に来て?」


「「…?」」


---


真姫ちゃんが、放送室のドアをノックする

「はーい。」

「失礼します。」

「あ、西木野さん。」

「ごめんね、いきなり。」

「朝、言ってた事だけど…お願いできる?」

「ねえ真姫ちゃん、朝言ってた事って?」


「放送室を、使わせてもらえるか、よ。」

「本番の練習になるでしょ?」


「西木野さんのお願いだし、いいですよ♪」
102: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 21:34:04.53 ID:vs0QZ3db.net
「…ほんとに!?」

「はい、お昼の放送でよければ、構わないですよ?」

「…彼女、放送部員なの。」

「こうやって実際マイクに向かって。」

「校内のみんなにアピールすれば…」

「応援してもらえるし。」

「中継されるときの練習にもなるでしょ?」


「…真姫ちゃん、ナイスアイディア!」

穂乃果ちゃんが褒める後ろで

凛ちゃんと花陽ちゃんが驚いた顔をしてる


「…どうしたの?」


「真姫ちゃんが、同じクラスの子と仲良くなるなんて…」

「ビックリ…」

それでも、二人の顔はうれしそう♪

「なっ…!!」

「べ、別に、ただ日直で一緒になって。」

「少し話しただけよ!!」

真っ赤な顔で否定する
103: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 21:34:31.56 ID:vs0QZ3db.net
「「…ふふっ。」」

すっごく、微笑ましい光景


「よーっし!」

「それじゃあ早速、やってみよう!」

穂乃果ちゃんが、マイクの前に立つ


…ここまでは、良かったんやけど


海未ちゃんが緊張して

『園田海未役の園田海未です』

とか言ったり

花陽ちゃんが焦って好きなご飯の話したり


挙げ句の果てには穂乃果ちゃんが

ボリューム目一杯の状態で叫んだりと


それはもう、むちゃくちゃやった


「…もう!何やってんのよ!?」

真姫ちゃんが怒る
104: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 21:35:05.84 ID:vs0QZ3db.net
「でも、μ'sらしくて良かったんじゃない?」

「それって褒め言葉…?」


真姫ちゃんの友達のお陰で、少し和んだけど

未だ、状況は変わってない


…どうしようか


「前途多難やなあ…」

「さあ、あとは場所ね。」


カメラで中継できる所なら、場所は自由

でも、自由って言っても

ウチらの学校で使える所は、もう既に使ってしまってて

目新しさ、って意味ではあんまりで…


秋葉に出て来たけど、やっぱり決まらずに

ぼーっとしたウチらは、UTX高校の前に来てた
105: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 21:58:19.60 ID:vs0QZ3db.net
「…あ、新曲できたんやって。」

「多分、予選に向けてよね…」

「CD、買わなくっちゃ…」


にこっちだけ、何かちょっと違うけど

でもやっぱり、注目度が違うよね


…そんな人と


「…!」

「にこっち!?」


にこっちが、急に走り出した

「どうしたのかしら…?」

「いこ、えりち!」

ウチらも、遅れて走り出す


遠くで、花陽ちゃんが走ってるのも見えた
106: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 21:58:58.89 ID:vs0QZ3db.net
「にこっち達は…」

UTX高校の中に入る

本当は、入っちゃ駄目なんやと思うけど

にこっち達が入って行ったし…


奥の方に進むと、みんながいた

それどころか…


「それは前から知ってるからよ?」

「…μ'sの皆さん。」


A-RISE

綺羅ツバサと、他のメンバーがそこにいた



「ちょっと穂乃果、どういう…」

「私も、何がなんだか…」


「とりあえず、ついて来て?」

あんじゅさんに、先導される


「…!貴女は…」
107: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 21:59:36.47 ID:vs0QZ3db.net
ツバサさんと、目が合った

「あ…お久しぶりです。」

「希さんね。久しぶり♪」


「希ちゃん、知り合いなの!?」

「は、花陽ちゃん、近いよ…///」


「…ほら、置いて行かれるわ。」

「先に上がりましょう?」


早足で、前のみんなについて行く

…でも、ツバサさんが覚えていてくれたなんて




校内の、カフェに案内された

「ゆっくりくつろいで?」

「ここはこの学校のカフェスペースになっているから、遠慮なく♪」


「は、はあ…」

流石の海未ちゃんも、驚いてる
108: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:00:09.00 ID:vs0QZ3db.net
あんじゅさんが、口を開く

「貴女達も、スクールアイドルでしょう?」

「しかも同じ地区。」

「一度、挨拶したいと思っていたの。」

ツバサさんが、それに続く


「…高坂穂乃果さん。」

「…!」

「下で見かけた時、すぐ貴女だと分かったわ。」

「映像で見るより本物の方が、遥かに魅力的ね♪」


「人を引きつける魅力…カリスマ性とでも言えばいいのだろうか。」

「9人いても、なお輝いている。」

…と、英玲奈さん


「私達ね?」

「貴女達の事、ずっと注目していたの。」


「「…えっ?」」
109: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:00:44.81 ID:vs0QZ3db.net
「実は前のラブライブでも…」

「一番のライバルになるんじゃないか、って思っていたのよ?」


「そ、そんな…」

「貴女もよ。」

「絢瀬絵里。」

「ロシアでは常にバレエコンクールの上位だったと聞いている。」


「そして西木野真姫は。」

「作曲の才能がすばらしく…」

「園田海未の素直な詩と、とてもマッチしている。」


「星空凛のバネと運動神経は。」

「スクールアイドルとしては全国レベルだし。」


「小泉花陽の歌声は。」

「個性が強いメンバーの歌に、見事な調和を与えている。」
110: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:01:31.84 ID:vs0QZ3db.net
「牽引する穂乃果の対になる存在として。」

「9人を包み込む包容力を持った東條希。」

「…!」

「…それに。」

「秋葉のカリスマメイドさんまでいるしね。」

「…!」


「いや、元と言った方が良いのかしら?」


「…///」


素直に、驚いた

ウチらの事、ここまで調べてるなんて


「…そして、矢澤にこ。」

にこっちには、一体…


「…いつもお花ありがとう♡」


「「ええっ!?」」

「あれからもずっと、応援してくれてるよね。」

「すごく嬉しいよ♪」
111: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:02:02.03 ID:vs0QZ3db.net
みんなの視線が、にこっちに刺さる

まあ…ウチは知ってたけど


「あ、いや、その…」

「にこ…そうなの?」

「ていうかにこちゃん、あれからって…?」


「い、いや~、μ's始める前から。」

「ファンだったから~…」


「って、そんなことはどうでもよくて!!」

「私の良い所は!?」

にこっち、もういじられ方知られてるんやね


「ふふっ。」

「グループに無くてはならない、小悪魔、ってところかしら?」


「はわわ~♡」

「小悪魔…うふっ♡」


にこっちがもだえてる
112: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:02:36.23 ID:vs0QZ3db.net
「なぜ、そこまで…」

えりちが、不安そうな顔で聞く

確かに、たかが同じ東京地区ってだけなのに…


「これだけのメンバーが揃っているチームは、そうはいない。」

「だから注目もしていたし…」

「応援もしていた。」

「そして何より…」


「負けたくないと思ってる。」

「「…!」」


「ま、もう一つ理由はあるけど…」


「…でも、貴女達は全国一位で、私たちは…」

海未ちゃんを遮って、あんじゅさんが話す

「それはもう過去の事。」

「私達はただ純粋に。」

「今この時、一番お客さんを喜ばせる存在でありたい。」


「…ただそれだけ。」

A-RISEが言うと、言葉の重みが違う
113: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:03:05.48 ID:vs0QZ3db.net
ツバサさんが、立ち上がる

「μ'sの皆さん。」

「お互い、頑張りましょう?」

「そして、私達は負けません。」

3人が、出て行こうとする


「あのっ!!」

穂乃果ちゃんが、立ち上がった

「A-RISEのみなさん。」

ウチらも、立ち上がる

…だって、決めたから


「私達も負けません!」

「…!」


「今日はありがとうございました!」



「…あははっ。」

「貴女って面白いわね…!」
114: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:03:31.58 ID:vs0QZ3db.net
ツバサさんは続ける

「ねえ。」

「もし歌う場所が決まっていないんなら。」

「うちの学校でライブやらない?」


「「え…っ!?」」


「屋上にライブステージを作る予定なの。」

「もしよかったら、ぜひ♪」

「一日考えてみて?」

その言葉に、穂乃果ちゃんは即答した


「…やります!!」


穂乃果ちゃんのこの姿勢

やっぱり、すごいなあ…


「…そう言ってくれると思った♪」

「それじゃ、また詳しい事は連絡するわね。」

そう言って、出口の方に案内される
115: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:04:07.25 ID:vs0QZ3db.net
「…そうだ。」

「ね、希さん。」

ツバサさんが近くに来て

小さな声でささやく


「…さっき言ってた、もうひとつの理由。」


「貴女がいたからよ♪」

「えっ?」

無邪気に笑う、ツバサさん


「…前に会ったときの貴女は、どこか無理してた。」

「何かを、ずっと我慢してるみたいで。」

「でも、μ'sのライブを見て。」

「今日…貴女を見て。」


「変わった、気がしたの。」


「ツバサさん…」

「ま、単なる勘だけど♪」

「ステージ、楽しみにしてる。」

「またね?」


「あ、ありがとうございます!」
116: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:04:31.92 ID:vs0QZ3db.net
ツバサさんは、気付いてた

一度しか会った事の無いウチの事を

…そんなに、分かりやすいかな?


自分のほっぺたを引っ張ってみる


「…いたい。」


「なにやってんの、希?」

「あ、ごめんにこっち。」


これで、場所が決まった

…あとは、本番で出し切るだけ





---そして、ライブ当日を迎える
118: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:32:37.43 ID:vs0QZ3db.net
---


「おおーっ!」

「すごーい!!」

ステージになる屋上から、下を見下ろす

絶景が見えるこの場所で

ウチらは今日、予選が行われる…けど

穂乃果ちゃんは、のんきな声を上げてる


「ウチらの学校とは大違いやね。」

「こんなにいいステージを使う事が出来て。」

「本当によかったね♪」


「…そこは、A-RISEに感謝せんとね。」


「よし、そろそろ着替えなきゃだね。」

「いこっ?希ちゃん。」


「…頑張ろうな、穂乃果ちゃん。」

「ん?」


「もっちろん!!」
119: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:33:02.11 ID:vs0QZ3db.net
「お、あれは…」

ウチらの控え室に、A-RISEが来てた


「あ、こんにちは!」

穂乃果ちゃんが挨拶する


「いよいよ予選当日ね。」

「今日は同じ場所でライブが出来て、嬉しいわ。」

「予選突破を目指して。」

「互いに高め合えるライブにしましょう?」

差し出された手を、穂乃果ちゃんがとる

「…はい!」


「それじゃ、私達は先に上がってるわ。」

「またあとで、会いましょう。」




「…よし。」

「私達も行くよ!!」


「「おーっ!!」」
120: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:33:32.29 ID:vs0QZ3db.net
---

暗くなった夜空に

紫を基調としたライトが映える

初めて見る、A-RISEのライブ

その空気に、思わず息を飲む


心を、そのまま引っ張られたみたいに

ウチらは、その曲が終わるまで立ち尽くしていた



「やっぱりA-RISEのライブには、私達…」


花陽ちゃんが言った言葉に

ウチらの夢が、霞む

分かってはいたけど、こんなに差があるなんて


「…叶わない。」

「認めざるを得ません。」


「…」

ここまで、来たのに

みんなの心が、折れ---
121: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:34:01.93 ID:vs0QZ3db.net
「そんな事ない!!」


「「…え?」」


「A-RISEのライブがすごいのは当たり前だよ。」

「せっかくのチャンスを無駄にしないよう。」

「私達も続こう!!」


穂乃果ちゃんが、手を前に出す

みんなで、ピースで円を作る


今までやって来た事、無駄にしたくない


みんなを、信じて

みんなが信じてくれる、自分を信じて




ウチらは、歌って踊るだけ
122: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:34:25.10 ID:vs0QZ3db.net
「…A-RISEはやっぱりすごいよ。」

「こんな凄い人達とライブが出来るなんて…!」


「自分たちも、思いっきりやろう!」

みんなで、チカラを込める

「「おーっ!」」


「よーしっ!」

「それじゃ行くよ?」



「μ's!」

「ミュージック…」


「穂乃果ー!」


後ろで、声がした
123: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:34:53.54 ID:vs0QZ3db.net
「…!」

学校の生徒が

みんなの、ともだちが

ウチらを、見に来てくれた


「手伝いにきたよ♪」

穂乃果ちゃんのともだちが、言う


「…希。」

「?」

「ほら、あそこ。」


「え…?」

ウチの、クラスの子達もいた


μ'sに入ってから、遊びに行く事も出来なかったのに


「…ああいう人たちに、私達は支えられてるのね。」

「…うんっ。」

まだ、涙を見せちゃダメ

後少し

ライブが、終わるまで…
124: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/20(金) 22:35:50.78 ID:vs0QZ3db.net
「…さあ、行こう!」


今まで、全く知らなかったウチらが

今、ここでこうして歌ってる


小さな、キッカケが

今のウチらを繋いでる


何度も、立ち止まって

苦しんで、泣いて

それでも、みんながいたから

みんなが、笑ってくれたから


そんなみんなに支えられて

ウチらはここまで来た

迷ってでも、進んで来れた

足下を、照らしてくれたから


ここからが、再スタート

こんなところで、終われない


ここが、ウチらの新しい青春の始まり





『ユメノトビラ』
130: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:41:10.29 ID:OLB6a4ze.net
-----


「凛たち…合格したの?」

「予選を突破した…?」

「…」

「「やったー!!」」


予選通過チーム発表の日

穂乃果ちゃんの変な夢に振り回されたりしてけど…


合格、してた


思わず、みんな駆け出す

「…希!」

「うん!」


ウチらも、自分のクラスへ
131: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:41:41.06 ID:OLB6a4ze.net
「ほんと!?」

「合格したの!?」


「うん!!」

クラスの子達に、報告する

「よかったあ…」

「ちょ、泣かんといてよ…」

「だって、今までの希ちゃん見てたら…」

「そうだよ!」

「こんな事、夢にも…!」


「みんな…」


「おめでとう、希ちゃん!!」

「…ありがとう。」


みんなと、抱き合う

みんな、自分の事みたいに喜んでくれて

それが、嬉しいような、申し訳ないような
132: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:42:14.39 ID:OLB6a4ze.net
「みんな、本当にありがと。」

「始めてから、ほとんど話せてすらなかったのに…」

「この間の、応援だって…」


「ううん!」

「私達、みんな知ってたよ?」

「希ちゃんが、頑張ってるって。」

「ライブのときもそう。」

「ネットで、動画も見たり…」

「みんなで、応援してたの!」


「…ほんとに、ありがとう。」


「それに…」

「…?」

「私達も、勇気をもらったの。」

「希ちゃんたちから。」


「…頑張ったら、叶えられるんだ、って!」


「みんな…」
133: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:43:19.98 ID:OLB6a4ze.net
「ほら、これからが本番でしょ?」

「ずっとずっと応援してるから!」


「…うん!」







みんなと別れて、教室を出る

出た所で、声をかけられた



「…希ちゃん。」

「…!」


「予選突破、おめでとう。」

「…ありがと。」

「本当に…叶えちゃったね。」

「…」

「にこっちには、言わんでええの?」

「そんな資格…ないから。」
134: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:43:43.29 ID:OLB6a4ze.net
「資格とかじゃないよ?」

「…今まで、一緒にやってきた事は事実やん。」


「それでもやっぱり…」

「にこちゃんには、直接言えないよ。」

「…そっか。」


「…やっぱり、これも才能って思う?」

「…ううん。」

「少し嫉妬してるんだ、希ちゃん達に。」

「え?」



「もし…諦めずにいたら。」

「そこに立ってたのは、私達だったのかな…って。」



「…」
135: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:44:15.99 ID:OLB6a4ze.net
「本当は、こんな事言おうなんて思ってなかった。」

「…でも、あんなに喜ぶ希ちゃんを見たら。」


「…なんだか、応援したくなっちゃって。」

「そんなん…」


「もしかしたら、私達が間違ってたのかもしれない。」

「才能なんかじゃ無いって。」

「努力したら、叶うんだって。」


「…でも、やっぱり今の9人だから。」

「私は、ここまで来たんだって思ってる。」


「だから、なんて言うか…」

「きっと、これが運命だったんだよ。」


「だって、にこちゃん。」

「私達といた時より、輝いてる。」


「それは間違いなく、希ちゃん達がいるから。」
136: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:44:42.43 ID:OLB6a4ze.net
「でも、にこっちは…」


「うん。多分今なら、前までの友達には戻れるかもしれない。」

「でも、それはいいの。」


「だって、壊した張本人だから。」

「今更、友達ヅラなんか出来ないよ。」


「でも、せっかく…」


「だから、にこちゃんに伝えて?」



「おめでとう。」

「絶対に、夢を叶えて…って。」


「え…?」


「μ's、応援してるから。」

「にこちゃんの、新しい居場所。」
137: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:45:12.39 ID:OLB6a4ze.net
「…わかった。」


「ごめんね、変なお願いして。」

「ううん、いいよ。」

「それじゃ、これで…」

そう言って、去ろうとする


「…今度、ご飯でもいこっか。」

「…え?」

「だって…ウチら、友達やろ?」

「…」


「出来た繋がりは、どんな事があっても切れないんよ?」

「…確かに、色々思う所はあるけど。」

「二人の気持ちも、分かるから。」



「…せっかく仲良くなったんやもん。」

「ウチは、友達でいたいよ。」

「希ちゃん…」


「だから…な?」



「…うん。」
138: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:45:45.12 ID:OLB6a4ze.net
最後は笑顔で手を振って

屋上に来たけど…

にこっちがいない


そういえば、皆で出て行った時から見てない


「にこちゃん、どこ行ったんだろ…」


「穂乃果ちゃん!あれ!」

凛ちゃんの指差す方を見ると

小さなツインテールが目に入った


「とりあえず、一旦降りましょう。」


皆で、にこっちのところへ。






「にこちゃーん!」

「…!」
139: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:46:21.05 ID:OLB6a4ze.net
「どこ行くの!?」

「大声で呼ぶんじゃないわよ!」

「どうしたの?」

「練習始まってるよ?」


「…今日は、ちょっと、用があるの。」


「それより!」

「最終予選近いんだから!」

「気合い入れて練習しなさいよ!?」


そう言うとにこっちは帰って行ってしまった


「…どうする?」

「にこちゃんにしては、何か変ね…」

「確かに、にこなら一番練習やりたそうなのに…」


「…ついて行ってみようか。」

「えっ…?」


「だって、なにかあるなら、相談してほしいもん!」

「穂乃果…」


「じゃ、決まりやね♪」
140: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:46:47.13 ID:OLB6a4ze.net
にこっちについて行くと

スーパーに入って行った

「よし、入り口で様子を見よう!」

穂乃果ちゃん達が、入り口に回る


「…えりち、こっち。」

「希…?」


えりちを連れて、裏口へ

「にこっちなら、逃げるときここを使うと思う。」

「まさか、流石にそれは…」


そんな話をしていると

中が騒がしくなって来た


「まさか…」

えりちにコクッと頷いて

ウチは扉の死角に隠れる
141: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:47:09.14 ID:OLB6a4ze.net
「…!?」

やっぱり、にこっちが飛び出て来た

「さすがにこ。」

「裏口から回るとはねえ…」

「ハラショーよ、希!」


後ずさりするにこっちを後ろから捕まえる

「さあ、大人しく訳を聞かせて~?」


「っ…はあっ!!」

にこっちに、するりと逃げられた

「ちょおっ!?」


しまった

掴むとこ無いのに油断した…!
142: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:47:35.92 ID:OLB6a4ze.net
にこっちを追いかけて、裏路地を走る

「まてー!」

狭いパーキングの、奥に逃げる

追いかけようとしたけど…

「…ッ!」

「そんな…」

まさか、大きいせいで通れないとか…


「…初めて、呪うわ。」

後ろから、穂乃果ちゃん達がやってきた


「にこちゃんは!?」

「…」

もう、こうなったら…

ごめんな、凛ちゃん


「行くんや、凛ちゃん!」
143: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:48:07.71 ID:OLB6a4ze.net
「なんか不本意だにゃー!!」

「んふっ♡」

ちょっとだけ、いい気分♪


「にこちゃん、いないにゃー。」


それでも、にこっちを見失ってしまった

「どうしよっか…」

「少し、休みましょう。」

「まだ、花陽達も追いついてないことですし…」



「それじゃ、ウチはもうちょっと探してみる。」

「にこっちの行きそうなとこ当たってみるから。」

「なんかあったら連絡して?」



「あっ、希ちゃん…」


にこっちと行った事あるとこ、回ってみよう
144: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:48:56.39 ID:OLB6a4ze.net
「うーん、ここにもいないか…」

依然、穂乃果ちゃん達からの連絡は無し

「あんまり、気が進まんけど…」

「にこっちの家、行ってみよか。」



ドアチャイムを鳴らしても

誰も出てこない

「にこっち、まだ帰ってないんかな…?」


一旦皆と合流するために

マンションのエントランスまで降りたんやけど

みんなも来てたみたい

「どうやら大丈夫だったみたいですね…」


「…こころちゃん?」

久しぶりだけど、変わってない

「あれ?希さんじゃないですか!」

「お久しぶりです!」

丁寧に、頭を下げられた

「久しぶり、こころちゃん♪」
145: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/21(土) 20:50:22.12 ID:OLB6a4ze.net
今日はここまで
短くてごめんなさい

過去編が入るのでオリジナル要素が強くなりますが
楽しんで頂ければ幸いです
153: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:39:50.28 ID:cJTENSYj.net
「希ちゃん…こころちゃんの事、知ってるの?」

「何回か、にこっちの家にはお邪魔した事あるから…」


「希さんは、よく来て一緒に遊んでくれたんです。」

「ここあも、会いたがってましたよ?」


「それより、一体なんなんですか?」

「どうしたん?海未ちゃん。」

「いえ、ここに来るまで隠れながら来たので…」

どういう事やろ…?

「もしかしてにこちゃん。」

「殺し屋に狙われてるとか…」


「何言ってるんです?」

「マスコミに決まってるじゃないですか。」



「「…えっ?」」
154: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:40:19.67 ID:cJTENSYj.net
「パパラッチですよ!」

「特にバックダンサーの皆さんは。」

「顔がバレているので危険なんです…!」

「来られる時は、先に連絡をください。」


「バックダンサー?」

そう言えば、初めて会った時

ここあちゃんがそんな事言ってたような…


「…誰がよ。」

真姫ちゃんがすごく嫌そうな顔してる


「スーパーアイドル矢澤にこの。」

「バックダンサー…μ's。」


「「はああ!?」」


「いつも聞いてます。」

「今、お姉様から指導を受けて。」

「アイドルを目指していられるんですよね?」


こころちゃんは、すごく誇らしげに語る
155: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:40:53.50 ID:cJTENSYj.net
「…なるほど。」

「状況が読めて来ました。」


「…忘れてたわ。相手はにこちゃんだもんね。」


「頑張って下さいね?」

「ダメはダメなりに、8人集まれば。」

「なんとかデビューくらいはできるんじゃないか、って。」

「お姉様、言ってましたから♪」


「何がダメはダメなりよ!」

真姫ちゃん、相手は子供やから…

そんな気遣いも意に介さず、こころちゃんは続ける


「そんな顔しないでください。」

「スーパーアイドルのお姉様を見習って。」

「いつも…」

「にっこにっこにー☆…ですよ?」


あら、可愛らしい
156: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:41:19.11 ID:cJTENSYj.net
「はい、みなさんご一緒に♪」

「にっこにっこにー☆」


「…ねえ、こころちゃん?」

「はい?」

「ちょっと、電話させてくれる?」

「はいっ!」

えりちが携帯を取り出す

留守番電話サービスに繋がった


『にっこにっこにー☆』

『アナタのハートにラブにこっ。』

『矢澤にこでーすっ!』

『今、電話に出られません。』

『ご用の方は、発信音の後に…』

『にっこにっこにー☆』

ピー

「もしもし?」

「私、貴女の『バックダンサー』を勤めさせて頂いてる。」

「絢瀬絵里と申します。」
157: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:41:46.75 ID:cJTENSYj.net
えりちが目を見開く

「もし聞いていたら…」


「すぐ出なさい!!」

「出なさいよ!!にこちゃん!!」

「バックダンサーってどういう事ですか!?」


えりち、真姫ちゃん、海未ちゃんがすごく怒ってる


「…?」

「あの、希さん、これは…?」


「え?あはは…」

「とりあえず、にこっち待たせてもらっても良いかな?」

「はい、もちろん♪」

「ここあももうすぐ帰ってくると思うので、中にどうぞ!」


「…それじゃみんな。」

「とりあえず、上がらせてもらおう?」
158: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:42:16.20 ID:cJTENSYj.net
「お邪魔します。」

「ここが、にこちゃんの家…」


「弟の虎太郎です。」

「ばっくだんさあ…」

ああ、虎太郎くんもか…


「虎太郎くん、久しぶり。」

「ままー…」

虎太郎くんに、抱きつかれる

「あはは…久しぶりやね…」

ウチの立ち位置は、相変わらずなんやね


「希が…ママ…?」

「ちょ、えりち引かんといて!」

「え、じゃあ、にこちゃんのお母さんって希ちゃんなの!?」

「穂乃果ちゃん!」

「まだウチ高校生やから!」


「ままー…」

はあ、今日は厄日なんかも…
159: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:42:49.59 ID:cJTENSYj.net
「お姉様は、普段は事務所が用意した。」

「ウォーターフロントのマンションを使っているんですが…」

「夜だけ、ここに帰ってきます。」

こころちゃんは、お茶を用意する

「ウォーターフロントってどこよ…?」

真姫ちゃんも呆れてる

「もちろん秘密です!」

「マスコミに嗅ぎ付けられたら、大変ですから…」


「どうしてこんなに信じちゃってるんだろう…?」

「μ'sの写真動画を見れば。」

「私達がバックダンサーで無い事くらいすぐ分かるはずなのに…」

確かに、花陽ちゃんと海未ちゃんの言う通り

そういえば、ウチが最後にここに来たのも

去年やったしなあ…
160: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:43:23.37 ID:cJTENSYj.net
「ねえ、虎太郎くん。」

「お姉ちゃんが歌ってるとことか、見た事ある?」

ことりちゃんの問いかけに

虎太郎くんは壁に貼ってあるポスターを差した


「μ'sのポスターだ…!」

「いや、なんかおかしい。」

真姫ちゃんの言葉に、よく見てみると…


「「合成っ!?」」


まさか、穂乃果ちゃんとにこっちの顔を

入れ替えてるなんて…


にこっちの部屋の中も

前まで他のスクールアイドルで溢れてた壁が

にこっちのポスターに変わってる

それに、そのポスターも上から張り替えてるし…


「これ、私の顔と入れ替えてある…」

えりちも、困惑してる
161: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:43:51.97 ID:cJTENSYj.net
「わざわざ、こんな事まで…」

「涙ぐましいと言うか…」

うん、なんかもう呆れを通り越しちゃった


その時、玄関が開く音がした


「…!」

「アンタ達…」


にこっちが帰って来たみたい


「にこちゃん…」

「お姉様、お帰りなさい!」

「バックダンサーの方々が、お姉様にお話があると…」

「そ、そう…」


「…申し訳ありません。」

「すぐに済みますので、よろしいでしょうか…?」

優しすぎる声とは裏腹に

海未ちゃんの顔は般若のそれに見えた
162: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:44:23.45 ID:cJTENSYj.net
「え、えっと…」

「こころ、悪いけど、私…」

「今日、仕事で向こうのマンションに行かなきゃいけないから…」

「じゃ!」


にこっちがダッシュで逃げる


「待てー!!」

一番怒ってる3人が追いかける


「…凛たち、どうしよっか?」

「とりあえず、鞄はここにあるんだし…」


「ま、あの3人を待ってみよか。」


数分後、家の扉が開く


「…ただいま。」

お、捕まえてきたみたい


それに…
163: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:44:56.49 ID:cJTENSYj.net
「あ!希お姉ちゃん!」

「久しぶり!」


「…久しぶり、ここあちゃん。」

「希お姉ちゃんも、バックダンサーになったんだよね!」

「お姉ちゃん、凄いでしょ!!」


「あー…うん、にこっちは凄いよ。」

「今から、にこっちに色々教えてもらうんよ♪」


「そーなの?」

「それじゃ、あっちで待ってるね!」




「…さあ、にこっち。」

「こころちゃんたちに嘘教えた理由。」


「た~っぷり、教えてもらおうか…」


「ちょ、ちょっと、希…?」


「わしわし~!!」

「いやああぁぁぁあぁああ!!」
164: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:45:27.47 ID:cJTENSYj.net
「大変申し訳ありません。」

「私、矢澤にこ。」

「嘘をついておりました…」

にこっちが、机に頭をつける


「…ちゃんと頭を上げて説明しなさい?」

「…」

にこっちが、頭を上げる


「い、いやだなあ…」

「みんな、怖い顔して。」

「アイドルは笑顔が大切でしょ?」

「…さあ、みんなでご一緒に。」

「にっこにっこに…」


「にこっち。」

「ふざけてて…ええんかな?」


正位置の死神のカードを見せる

意味は---終局・清算・決着
165: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:45:59.49 ID:cJTENSYj.net
「…はい。」


「…で、どういうことなん?」

「そうね…まずは、急に帰った理由を説明してもらおうかしら。」


「それは…」

「…」


「お母さんが、出張なの。」

「…出張?」


「…そう。」

「それで2週間ほど、妹達の面倒見なくちゃいけなくなったの。」

「だから、練習休んでたのね。」


「ちゃんと言ってくれればいいのに…」

「そうだよ、にこちゃん。」

「花陽達に言ってくれれば、何か手伝えたかもしれないのに…」


「…」


「それより、どうして私達が。」

「バックダンサーと言う事になってるんですか?」
166: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:46:27.23 ID:cJTENSYj.net
「そうね…」

「むしろ問題はそっちよ。」

海未ちゃんとえりちが、詰め寄る

「そ、それは…」

「「それは!?」」


「にっk…」

「それは禁止やよ?」

ごまかそうとするにこっちに、先手を打つ


「さ、ちゃんと話して下さい?」

「にこちゃん…」


「…」

「元からよ。」

「元から?」

花陽ちゃんが、尋ねる


「そう。」

「家では元から、そういう事になってるの。」
167: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 21:46:50.88 ID:cJTENSYj.net
「…別に。」

「私の家で私がどう言おうが、勝手でしょ?」


「でも…!」


「お願い。」

「今日は帰って。」


「にこちゃん…」


「バックダンサーの件は、謝るわ。」

「…でも、今日はほっといてくれない?」


「…分かった。」

「行こう?みんな。」

「希…」


「ほら、あんまり遅くまでいるとご飯の邪魔やし…な?」

「…にこちゃん、また明日ね?」


「…」
168: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:01:13.61 ID:cJTENSYj.net
「…困ったものね。」

真姫ちゃんが呟く

「でも、元からってどういう事なんだろう…」

「にこちゃんの家では。」

「元から私達はバックダンサー?」


ううん、多分…

「…希?」


「…多分。」

「元からスーパーアイドルだった、って事やろな。」

「…どういう事です?」


「にこっちが1年の時。」

「スクールアイドルやってたって話は、前にしたやろ?」

「きっとその時、こころちゃん達に話したんやないかな。」


「…ウチが初めてにこっちの家にお邪魔した時。」

「ここあちゃんに、バックダンサーの人?って聞かれたんよ。」
169: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:01:40.90 ID:cJTENSYj.net
「そのときはまだ、一人でやってた時やったから。」

「そのときの、にこちゃんの夢を話したんと違うかな。」

「いつか、バックダンサーを付けて、ライブをする、って…」


「それから少し経って。」

「他の部員も入って。」

「ライブが出来るようになったから。」


「アイドルになったって。」

「そう…言ってしまったんやと思う。」


「そっか…」


「ちょっと、そこの広場に行こか。」

「話…長くなりそうやし。」


一旦話を切って、移動する
170: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:02:14.34 ID:cJTENSYj.net
「…さっきの続きやけど。」

「前に、初ライブの話はしたよね。」


「失敗…してしまったときの事ですよね。」

「うん。」

「あの時に、アイドルへの姿勢の話になったんやけど。」

「にこっちのそれは、才能と言えるくらい、ずば抜けてたんよ。」


「だからって言うのも、あるんやと思う。」

「絶対、アイドルになってみせるって、にこっちは思ってた。」


「…だから、部員の子達が辞めて。」

「その夢が途絶えちゃった時も。」


「妹さん達に、ダメになったとは言いだせなかった。」


「にこっちが1年のときから。」

「あの家ではずっと、スーパーアイドルのままなんやと思う。」
171: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:02:43.95 ID:cJTENSYj.net
「…確かに、ありそうな話ですね。」

「もう、にこちゃんどんだけプライド高いのよ。」

「真姫ちゃんと同じだね♪」

「茶化さないの…!」


「でも…プライド高いだけなのかな?」

「アイドルに…すごい憧れてたんじゃないかな?」

「本当にアイドルでいたかったんだよ…」

「私も、ずっと憧れていたから…分かるんだ。」


花陽ちゃん…


「一年の時、私…見た事ある。」

「その時、私は直接話した事もなかったし…」

「アイドルにも、興味なかったから。」


「本当は、希にファーストライブも誘われてたんだけど。」

「生徒会の事で、行けなかった…」


「…えりち。」
172: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:03:15.30 ID:cJTENSYj.net
「希が、私とにこを繋いでくれて。」

「それから話すようになっても…」

「にこの活動には、触れなかった。」


「そのあと、アイドル研究部が廃部の危機になったとき。」

「私は、よかれと思って理事長に頭を下げた。」

「でも、結果にこの思いを裏切る形になって。」


「…それから、ほとんど話す事は無くなったの。」

「希から、聞いてはいたけど。」

「あの時、ちゃんとにこと話し合っていれば、って。」




「…そうすれば、にこの気持ちに、気付いてあげられたのかな。」


「…にこちゃん、色んな事、抱えてたんだね。」

「にこっちは自分の事、あんまり言いたくないみたいやから。」

「…多分、気にされるのが嫌なんやと思う。」
173: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:03:37.98 ID:cJTENSYj.net
「でも…なんだか寂しいよ。」

「せっかく凛たち、一緒にいるんだよ?」

「…そうね。」


「私達、にこちゃんの事何も知らなかったんだね…」


「「…」」


「…そうだ!」

穂乃果ちゃんが立ち上がる


「だったら、叶えちゃえばいいんだよ!」

「え…?」

「にこちゃんの、こころちゃん達に見せた夢を。」

「私達が、叶えてあげれば良いんだよ!!」


「それって…」


「うん!」

「にこちゃんの、ソロコンサートだよっ!!」
174: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:04:06.21 ID:cJTENSYj.net
---

ピンポーン…


「誰よ、こんな時間に…」

「お姉様、お客さんですか?」

「ああ、座ってていいわよ。」


pi

「…どちら様?」

『あ、にこっち?』

「希!?アンタ何して…」

『にこっち、入れてー。』

「…は?」






ガチャッ


「こんばんは、にこっち。」

「…何しに来たのよ。」

「お母さんいないと大変かな、って。」

「お手伝いしに来たんよ♪」
175: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:04:30.60 ID:cJTENSYj.net
「…必要ないわ。」

「別に、にこだけで…」

「あ、希おねーちゃん!」

「ここあちゃん、こんばんは♪」

「ねーねー!遊びに来たの?」

「皆が、寂しいかと思ってね。」


「やったー!!」

「入って入って!」

「ちょっとここあ…」


「お邪魔するよ、にこっち。」

「ま、待ちなさいよ…!」




「あ、希さん!」

「こんばんは、こころちゃん。」

「ご飯は食べた?」

「いえ、そろそろ用意しようかって、お姉様が…」
176: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:05:01.47 ID:cJTENSYj.net
「ちょっと希、どういうつもりよ?」

「ん?」

「にこっち達に、ごちそうしようかと思って♪」

「何でいきなり…」

「にこっちが大変な時に、何も出来ないのは嫌だって。」

「…みんなが、言ったんよ。」


「…」


「だから、好きに動けるウチが。」

「にこっちの家事を手伝えるかな、って。」


「…別に、そこまで大変じゃないわよ。」

「練習、出られないくらいで…」


「ふふっ。」

「まあ、たまにはいいやん?」

「最近、ウチも料理練習してるんよ♪」



「…そう。」
177: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:05:31.54 ID:cJTENSYj.net
-----


「「ごちそうさまでした!」」

「はい、お粗末様。」


「それじゃ、片付けるから。」

「みんなはそっちで遊んでていいよー。」


「いいわよ。」

「片付けは、にこがやるから。」


「いいから、にこっちもそっち行った。」

「ちょっ、希?」


「たまにはいいやん?」

「にこっちは、今日は休んでて♪」


「そういう訳にはいかないわよ。」

「もう…にこっちは頑固やなあ。」

「希に言われたくはないわよ。」
178: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:05:59.51 ID:cJTENSYj.net
「…それじゃ、にこっち。」

「片付け、ウチがやるから。」

「今日泊まらせて?」


「…は?」


「久しぶりに、こころちゃんたちとも遊びたいし。」

「…な?にこっち。」


「…なにが目的よ?」

「別にー?」

「ただ、ウチも一人じゃ寂しいんよ。」


「…はあ。」


「ありがと、にこっち♪」



「…それじゃ、後は頼むわ。」

「はーい。」
179: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:06:28.15 ID:cJTENSYj.net
----


「希おねーちゃんの胸、おっきい…」

「ちょ、あんまり見んといて?」

「だって、おねーちゃん無いんだもん!」


「ここあちゃん、にこっちの前でそれ言ったらあかんよ?」

「…でも、どうして今日は急に来られたんですか?」

「ちょっと、こころちゃん達に聞きたい事があったんよ。」

「私達に?」

「そう。」

「…よし、ここあちゃん体流そっか♪」

「はーい!」




「…ふう。」

「お風呂は気持ちいいなー。」

「ちゃんと浸からないとあかんよ?」

「はーい。」
180: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:07:03.04 ID:cJTENSYj.net
「なあ、こころちゃん、ここあちゃん。」

「なーに?」

「にこっちの歌ってるとこ、見たくない?」

「え、見れるんですか?」

「今度、ウチらの学校でライブをする事になったんよ。」

「…よかったら、来ない?」


「行きたい!行きたい!」

「…ここあちゃん、静かに。」

「…!」


「行っても、いいんですか?」

「もちろん♪」

「あ、でも、こころちゃん達が来る事は、にこっちには内緒な?」

「当日、驚かせたいから♪」


「ねえねえ、ホントにお姉ちゃんが歌ってるとこ、見れるの?」

「一番前で、見せてあげるよー?」


「やったあー!!」
181: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:07:34.13 ID:cJTENSYj.net
「それじゃ、ライブの日、迎えにくるから♪」

「はい!」

「おめかしして、待ってます!」


「うん、楽しみにしといてな?」


「「はいっ!」」




-----


「…ふう。」

「にこっち、おかえり。」

「当たり前のように、部屋にいるのね。」

「まあ、ウチとにこっちの仲やん?」


「最初の頃は、ソファの端っこにしか座れなかったのにね。」

「そっ…それは忘れてよ///」


「…ふふっ。懐かしいわね。」
182: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:08:08.24 ID:cJTENSYj.net
「…」

「…で、今日来たほんとの理由はなに?」

「だから、ウチも寂しかったんよ。」

「…本音は?」

「…」


「なあ、にこっち。」

「ウチらの前では、もう強がらなくてもいいと思うよ?」

「…」


「μ'sのみんなは、にこっちの事も受け入れてるよ。」

「本当の、仲間やと思ってる。」

「今日ウチが来たのも、全員行きたいって言うから。」


「…みんな、にこっちの力になりたいと思ってる。」


「…大きなお世話よ。」

「うん、分かってる。」


「にこっちも、そんなウチらの気持ち、分かってるやろ?」





「…そうね。」
184: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:27:56.50 ID:cJTENSYj.net
---


ライブ当日

連れて来たこころちゃん達を穂乃果ちゃんに託して

ウチは、えりちと用意する


「…それにしても。」

「1週間でよく作れたわね。」

「まあ、今回はウチらも手伝ったし。」


「…それで、上手く行くのかしら?」

「さあ?」

「ちょっと、希…」

「もうみんな、分かってるやろ?」


「見返りを求めてる訳じゃないやん?」






「おーい、連れてきたよー!」

「おかえり、穂乃果。」

「それじゃここは私達に任せて、穂乃果はこころちゃん達をお願い。」

「りょーかいっ!」
185: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:28:27.08 ID:cJTENSYj.net
「さ、にこっちはこっち。」

「これに着替えて?」







「これって…」

「にこにピッタリの衣装を。」

「私と希で考えてみたの。」


「…やっぱりにこっちには。」

「可愛い衣装がよく似合う♪」


「…スーパーアイドル、にこちゃん。」


「希…」


「今、扉の向こうには。」

「貴女一人だけのライブを心待ちにしている。」

「最高のファンがいるわ。」


「絵里…」
186: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:28:51.51 ID:cJTENSYj.net
「さあ、みんな待ってるわよ?」


「…」


「ありがとう。」


「…にこっち。」

「…?」


にこっちの耳元で、そっと告げる

「…元、部員の子達からの伝言。」

「『おめでとう。絶対に、夢を叶えて。』…って。」


「…!」


「もう、一人じゃないよ。」



前を向いて

にこっちは、ステージに出て行った
187: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:29:13.03 ID:cJTENSYj.net
にこっちの衣装に

にこっちの笑顔に

こころちゃん達の目の色が変わる

「あいどる…」


「こころ、ここあ、虎太郎。」

「歌う前に、話があるの。」

「「えっ…?」」


「…実はね。」

「『スーパーアイドルにこ』は、今日でおしまいなの!」

「「ええー!?」」

「アイドル、辞めちゃうの…?」


「ううん、辞めないよ。」

「これからは…」

「ここにいるμ'sのメンバーとアイドルをやって行くの!」
188: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:29:37.56 ID:cJTENSYj.net
「でも皆さんは、アイドルを目指している…」

「ばっくだんさあ…」


「…そう思ってた。」

「けど違ったの。」


「これからは、もっと新しい自分に変わって行きたい。」

「この9人でいられるときが、一番輝けるの!」

「一人でいるときよりも。」

「ずっと、ずっと…」



「今の私の夢は。」

「宇宙ナンバー1アイドルにこちゃんとして。」

「宇宙ナンバー1ユニット、μ'sと一緒に。」

「より輝いて行く事!」



「…それが、一番大切な夢。」

「私のやりたい事なの!!」


「お姉様…」
189: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:38:01.95 ID:cJTENSYj.net
「だから…」

「これは私が一人で歌う、最後の曲。」


曲が、流れ始める


きっと、ウチらの気持ちは

にこっちに届いたと思う


この9人だから、目指せる場所があって

この9人だから、叶えられる夢がある


順番とか、期間とかも関係ない

ウチらが、ウチららしくいれる場所


それが、μ's


最終予選に向けて

また一歩、進めた気がする







---そして、曲が終わる
190: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/22(日) 22:42:01.93 ID:cJTENSYj.net
「…」


「聞いてくれて、ありがとう。」

「これで、にこ一人のライブはおしまい。」

「これからは、ここにいる皆と、夢を目指すの。」


「お姉ちゃん…」

「だから…ここあ達には、その最初の観客になってもらうわよ!」


「え?」

「にこっち…?」



「…ほら、アンタ達も出て来なさい。」

「海未、曲は…」


「…!」


「分かりました。」

「それで、いいんですね?」



「…私から、アンタ達への返事よ。」

「ほんと、バカな連中ばっかりなんだから。」



「にこちゃん…!」

「さあ、最高のステージにするわよ!」


「聞いて下さい---」





『愛してるばんざーい!』
202: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:04:06.91 ID:bTjy28fm.net
Side Story

Find The Answer In The Holiday
203: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:04:39.58 ID:bTjy28fm.net
prrrr


prrrr


pi


「…もしもし、えりち?」

「うん、まだ起きてたよ。」


「遅くにどうしたん?」

「…うん。」


「うん。」


「あ、やっぱりそうなんや。」


「…うん、ウチも良いと思うよ?」

「うん。」



「それじゃ、前に言ってた事、考えんとね。」

「うん、あと少しやし…」


「とりあえず明日は練習もお休みやし。」

「一日、ちょっと考えてみるよ。」
204: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:05:28.66 ID:bTjy28fm.net
「…え?」

「ああ、違うんよ。」


「でも、それは前から考えてた事やし。」

「海未ちゃんも、言ってたやろ?」


「そう。」

「ちょうどいいチャンスやと思う。」



「ふふっ。」

「…きっと、大丈夫。」


「なにも心配なんかいらんよ。」


「えりちも、信じてるやろ?」


「…うん、それじゃ。」

「おやすみ、えりち。」








「…」
205: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:06:31.89 ID:bTjy28fm.net
-----


「んん~…っ。」

「やっぱり朝は気持ちいいな~。」



「…でも、ずいぶんと涼しくなって来た。」

「もう夏も、終わりやね。」


この夏に感じた薫風が

秋風に変わり始めた日


ウチはいつものように

神田明神のバイトをしてた


「…さて、あらかた掃除も終わったし。」

「一旦、休憩にしようかな?」


ほんの少し色づき始めた葉の隙間から

木漏れ日が差し込む

少しずつあったかくなる境内の端に座って

日向ぼっこをする
206: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:07:19.70 ID:bTjy28fm.net
「…あかん。」

「このままやと、寝てしまいそう…」

すっと立ち上がり、境内を見渡した


心地よい風が髪を揺らす

バイトの時は後ろで縛ってるから

いつものように、とはいかないけど


それでも、風の揺らぎを髪の毛で感じる


「あと、半年もないんやね…」


ぽつり、と呟く


降り注ぐ暖かい日差しが

ウチを励ましてくれてるように感じた


「ふふっ…ありがとう。」


また、口に出る

端から見たら、危ない子やなあ
207: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:07:51.05 ID:bTjy28fm.net
今日はせっかくの日曜なのに

参拝する人も少なくて

ついつい、気が緩んでしまう


「何か、面白い事ないかなあ…?」


「…だ~れだ?」


「…へ?」

パッと、目を塞がれた

急にかけられた、とても柔らかい声

聞き間違いでなければ、これは…



「…花陽ちゃん?」


「えへへ、バレちゃった。」


振り返ると、可愛い服に身を包んだ

花陽ちゃんがいた
208: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:08:26.17 ID:bTjy28fm.net
「おはよう、希ちゃん。」

「おはよう、花陽ちゃん。」


「今日はお出かけ?」

「何となく、早く起きちゃったから。」

「天気もいいし、散歩してみようかな、って思って。」

少し顔を赤らめて、彼女は言う

…なんて、可愛いんやろう


「希ちゃんは、バイト?」

「うん♪」

「あ、でも今は、休憩してたんよ。」


休日に会う花陽ちゃんは、どこか新鮮で

「…よかったら、ちょっと話さない?」


何となく、声をかけてみた
209: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:09:08.25 ID:bTjy28fm.net
「うん、いいよっ♪」


「それじゃ、日当りも良いし、こっちに座ろっか。」



花陽ちゃんをさっきの場所に案内して

色んな事を、話してみた

最近の1年生の様子とか

今はまってることとか

旬な食べ物とか


花陽ちゃんの優しい話し方が

暖かい日差しと相まって

すっごく、心地いい気分になれる


「でね、その時二人が…」

「そうなん?」


「そうなの!真姫ちゃんも可愛くて…」


誰かの話をするときの花陽ちゃんは

すっごく楽しそう
210: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:09:37.65 ID:bTjy28fm.net
「あ、ごめんね、花陽ばっかり…」

「ん?ええよ?」

「花陽ちゃんの話おもしろいし♪」


「あ、ありがとう…///」


「それにしても。」

「やっぱり、1年生は仲いいね♪」

「うん、いつも楽しませてもらってるよ。」


「やっぱり、元気な凛ちゃんが引っ張って行く感じかな?」


「基本は…そうだね。」

「いっつも凛ちゃんは、私を気にかけてくれてる。」

「気がついたら真姫ちゃんも巻き込んでて…」

「でも、それが嫌って思った事は一度も無いんだ♪」

「いつのまにか、皆で楽しく笑ってるの。」



「いつか、私もなにかしてあげられたらいいのになあ…」
211: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:10:09.55 ID:bTjy28fm.net
「花陽ちゃんのその気持ちは…」

「きっと、2人とも知ってるよ。」

「それに、花陽ちゃんがいるから。」

「凛ちゃんは、凛ちゃんらしく…」

「真姫ちゃんも、花陽ちゃんの前では素直でいれるんやと思う。」


「ありがとう、希ちゃん。」

「μ'sに入る前はね。」

「いつも、凛ちゃんに頼ってばっかりだった。」

「それに、甘えてたの。」

「真姫ちゃんも、私の事気にしてくれてた。」

「それなのに、自分で無理、って決めつけて。」


「…だから、穂乃果ちゃんに誘われて。」

「初めて自分の言葉で、アイドルやりたい、って言えたの。」


「…それはきっと。」

「あの時屋上で、凛ちゃんと真姫ちゃんが。」

「私の背中を押してくれたから。」



「…今の私があるのは、2人のおかげだよ。」
212: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:15:18.05 ID:bTjy28fm.net
「って、この話は希ちゃん知らないよね。」



「…ううん、知ってるよ。」


「え?」


「実は、見てたんよ。」

「屋上の、上のところで。」


「ええっ!?」


「…その時、ウチはえりち達と少しすれ違ってて。」

「花陽ちゃんに、勇気をあげた2人に。」

「理解してくれる友達がいる、花陽ちゃんに。」



「…すっごく、憧れてたんよ。」



「そう…だったんだ。」
214: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:15:53.89 ID:bTjy28fm.net
「…もし、だけど。」

「もし…もしも、あのときの花陽の行動が。」

「2人の、気持ちが。」

「希ちゃん達の力になれたのなら。」



「…私は、役に立てたのかな?」


少し、寂しそうに笑う花陽ちゃん


「もちろん♪」

「花陽ちゃんが、真姫ちゃん達からもらった勇気。」

「その勇気のひとかけらを、ウチはもらったんよ。」



「…だから、勇気をだして。」

「μ'sに、入る事ができたん。」


「希ちゃん…」
215: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:16:29.09 ID:bTjy28fm.net
「ありがとうね、花陽ちゃん。」

「ううん…」

「…!」

「…?」


「どういたしまして…で、いいのかな?」

「もちろん♪」



「えへへ///」

「なんだか、否定しちゃったら。」

「希ちゃんの頑張りを、否定しちゃう気がして…」


「ありがと、花陽ちゃん。」

「その気持ち、ちゃんと届いてるから。」




「…うん!」
216: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:23:14.12 ID:bTjy28fm.net
----


花陽ちゃんと別れて

後片付けをして、街に出て来た

今日は人も少ないからって

バイト早上がりしちゃった


「お、あれは…!」


駅前のケーキ屋さんの前で

深く帽子をかぶった

癖っ毛の女の子がキョロキョロしてた



「ま~きちゃん♪」

「ひゃあっ!?」

肩に手を置いた瞬間、飛び上がる


「の、希か…」

「脅かさないでよ…!」


「ごめん、そんなに驚くとは…」
217: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:23:33.13 ID:bTjy28fm.net
「…で、何してたん?」

「べ、別に?」



「ケーキ、見てたみたいやけど…」

「な、何でもないわ!」



表に出ているボードには

『ペアセット』の文字が



「…真姫ちゃん、ウチ、ケーキが食べたいんよ。」

「…え?」


「ペアセットっていうのがあるみたいやし…」

「よかったら、付き合ってくれへん?」


「…!」
218: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:24:00.53 ID:bTjy28fm.net
「の、希が食べたいって言うんなら。」

「仕方ないから付き合ってあげてもいいけど…?」


「それじゃ、入ろっか♪」



「…ありがと///」

「ん?何か言った?」


「何でも無いっ!」

「…ふふっ。」






「それで、今日は何してたん?」

「楽譜を買いに…」

「何か、新しい曲のきっかけになればと思って。」


「…ほんと、真姫ちゃんはピアノが大好きなんやね♪」
219: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:24:27.19 ID:bTjy28fm.net
「トーゼンでしょ?」


「あ、でもこの場合…」

「大好きなのはピアノじゃなくて、μ'sなんかな?」


「…!///」


「…真姫ちゃん?」

「そっ…///」


真姫ちゃんが、ゆでだこみたいに赤くなっちゃった



「…真姫ちゃんも、だいぶ素直になったね。」

「も、元から素直なんだからっ…!」


そんな赤い顔で言われても

説得力ないけどな?



「凛ちゃん達の、おかげかな?」
220: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:38:22.30 ID:bTjy28fm.net
「…そう、ね。」

おや?


「凛達には…感謝してるわ。」

「花陽は、いつも私をちゃんと見てくれて。」

「少しでも様子が変だったりすると、声をかけてくれて。」

「…励ましてくれる。」


「…凛も。」

「ううん、凛は特に。」

「私に、色んな事を教えてくれた。」

「気分が乗らないときでも、手を引っ張って。」

「これしよう、あれしよう、って私を連れてくの。」


「最初は、落ち着きが無いだけだと思ってたけど…」

「単に、不器用なのよ。」

「花陽みたいに、声をかけられないから。」

「なんとかして、笑顔にさせようとしてくるの。」


「…たまに、的外れなんだけどね。」
221: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:38:50.24 ID:bTjy28fm.net
いつの間にか、真姫ちゃんは笑顔になってた

そんな真姫ちゃんを見てるウチを見て

思い出したかのように顔を朱に染める


「…こんなこと。」

「言うはずじゃなかったのに…///」



「ふふっ。」

やっぱり、真姫ちゃんは変わったよ



「…希のその雰囲気、たまにムカつくわ。」

「…へ?」


「なんでも知ってるような顔をして。」

「それでも、自分は表に立たないで、フォローする感じ。」


「…もう少し、やりたい事とか言ってくれてもいいのに。」


「真姫ちゃん…」
222: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:39:24.15 ID:bTjy28fm.net
「…!」

「こっ、これは、前に凛達と話してて!」

「たまたま、思い出しただけ!」

「そう、たまたまよ!!」



「…うん、ありがとう真姫ちゃん。」


「…」


「もし、言いたい事があるなら。」

「…言っても良いんだから。」


「希も…」

「み、μ'sの一員なんだから…///」


「だ、だから!」

「何かあったら、言いなさいよね!」

「この真姫ちゃんが、解決してあげるんだからっ!」



「…」

「ふふっ。」
223: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:39:53.95 ID:bTjy28fm.net
「わ、笑わないでよ!///」



「ふふっ。」

自然に、笑みがこぼれる


「…真姫ちゃん。」

「何よ…」


「真姫ちゃん、やっぱり面倒な子やね♪」

「希に言われたくないっ!!」



ムキになって言い返す真姫ちゃんが

とっても可愛く見えたけど

…それ以上に


なんとなく、あたたかくなった


「ありがとう、真姫ちゃん。」


「…うん///」
224: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:48:30.24 ID:bTjy28fm.net
-----



「もう、日が暮れて来たなあ…」

真姫ちゃんを家まで送って

街中をブラブラしてみたけど


「…そういえば、お昼食べてないな。」

真姫ちゃんと、ケーキは食べたけど…


「晩ご飯、何にしようかなー。」


冷蔵庫の中身を思い出そうとする

「…外食しようか。」


ちょっと、めんどくさくなっただけ

い、いつもじゃないし…


夕暮れのオレンジの光の中を

とぼとぼと家に向かって歩いて行く
225: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:48:51.97 ID:bTjy28fm.net
ニャーニャー


「猫かな?」

声の出所を探してみる


ニャー

…カワイイニャー


「…あれ?」


どうやら、近くの公園から聞こえる

中に入って鳴き声のする方へ


「この、茂みの裏から…」


ぴょこっと、顔を出してみる


「あ、希ちゃん!」




猫だと思ったのは、凛ちゃんやった
226: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:49:30.61 ID:bTjy28fm.net
「…凛ちゃん、何してるん?」

「ネコさんがいたから、話しかけてたの!」

「どこ?」

「あそこだよ!」


みると、2メートルくらい先に、子猫がいた

「あんまり近寄ると、くしゃみしちゃうから…」


凛ちゃんが、悲しそうな顔をする

「そっか、アレルギーあるもんな…」


「えへへ…」

「だから、ここから声かけてたの!」

「今日は楽しかった?って。」


「ふふっ。答えは何て?」


「すっごく、楽しかったって!!」
227: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:49:53.50 ID:bTjy28fm.net
「それはよかった♪」

「うん!」


「希ちゃんは、どうしてここに?」

「んー…」

「可愛らしい、鳴き声が聞こえたからかな?」


「…!」

「それって…///」


「ふふっ。」

「可愛かったよ、凛ちゃん。」


「り、凛は可愛くなんて…」


「そう?」

「ウチは、凛ちゃんすっごく可愛いと思うよ?」


「て、照れるにゃー…」
228: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:50:23.97 ID:bTjy28fm.net
「でもでも、かよちんや真姫ちゃんの方が!」

「ずっとずっと可愛いんだよ?」

「いいにおいするし、女の子らしいし!」

「おしゃれだし…」


「凛は、こうやって泥んこになってる方が似合うから…」


「凛ちゃん…」



「ご、ごめんね?」

「いきなり、こんな話…」


「でも、やっぱりみんな凄いよ。」

「ステージ衣装もかわいいし…」

「本当に、アイドルって感じで!」



「…凛ちゃんも、一緒に踊ってるんよ?」

「それは…そうだけど…」
229: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 00:59:58.65 ID:bTjy28fm.net
「…凛ちゃん、ブランコ乗ろっか♪」

「え?」





揺れるブランコ

隣には凛ちゃん


少しだけ漕いで、体を揺らす


「…ウチな?」

「初めてにこっちにスクールアイドル誘われた時、断ったんよ。」

「…え?」

「1年生の時やけど…」

「あんな可愛い衣装、絶対似合わないって。」

「そう…思ってたん。」


「…」
230: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 01:00:30.99 ID:bTjy28fm.net
「何度もにこっちに誘われて。」

「その度に、そんな可愛くない。」

「自分には絶対似合わない…」

「そう、思ってたんよ。」


「でも、希ちゃんこんなに可愛いのに…!」


「ふふっ。ありがと、凛ちゃん。」


「…でもな?」

「ウチは、自分の事を可愛いと思った事は無いよ?」

「そんなに、自意識過剰じゃないし…」

「むしろ、自分に自信が無いんよ。」


「ほんとに、μ'sにいて良いのかな、とか。」

「よく…考えた事もある。」



「…だって、周りの子達は、みんな可愛くて。」

「ウチなんか、到底敵わない、って思ってたんよ。」
231: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 01:01:04.23 ID:bTjy28fm.net
「希ちゃん…」


「みんなにはあんまり言ってないけど。」

「ウチ、自分に自信がなかった。」

「ずっと、周りを気にして、過ごしてた。」

「だから、友達もいなかったし、毎日一人やった。」


「…ずっと、逃げてたん。」


「…」



「でも、にこっちに会って。」

「えりちと出会って。」

「変わりたい、って。」

「本気で、思ったんよ。」


「…でも、やっぱりそんな勇気、ウチには無かった。」


「そんな時に背中を押してくれたのが、えりちとにこっちやった。」

「あの二人に会えたから、ウチは変われた。」
232: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 01:01:30.43 ID:bTjy28fm.net
「いっぱい、声かけてもらった。」

「希は可愛い、希なら変われる、って。」

「でも、そんなの自分じゃ信じられないし…」


「何度か、反発した事もあった。」

「…それでも、2人はウチを信じてくれた。」

「変われるって、信じてくれたんよ。」



「…だから、ウチは決めたん。」

「自分に自信なんか、一つもない。」


「…でも、ウチを信じてくれる人がいる。」

「支えてくれる人がいる。」


「…だったら、その人たちを信じてみよう、って。」


「凛ちゃんにも、そんな人達がいるやろ?」





「かよちん…」


「真姫ちゃん…」
233: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 01:08:07.14 ID:bTjy28fm.net
「…凛ね。」

「いつも、思うんだ。」

「2人に、迷惑かけてないかな、って。」


「凛、楽しそう、って思った事は何でもやってみたくて。」

「そこに、大好きな2人がいたら、もっと楽しくなる、って思って。」

「考えるより先に、2人を引っ張っていっちゃうの。」


「それで真姫ちゃんと衝突する事もあって。」

「…何度も、かよちんに助けてもらって。」


「…凛、2人に嫌われてないか、たまに不安になるんだ。」


「…」



「もちろん、2人とも優しくしてくれるし…」

「いつも、凛と一緒にいてくれる。」

「でも…凛、それに甘えてるのかな、って。」
234: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 01:08:52.24 ID:bTjy28fm.net
「穂乃果ちゃんが、倒れた時。」

「それで、ことりちゃん達との事があって。」

「凛…思ったの。」


「凛も、こうなるんじゃないか、って。」

「いつの間にか、2人と離れてたら、どうしようって。」


「ときどき…怖くなるの。」



そっと、後ろから抱きしめる


「…希ちゃん?」


「それは…間違ってるよ、凛ちゃん。」

「…」

「今日、実は2人と会ってたんよ。」

「ほんとに、偶然なんだけどね。」





「…2人とも、凛ちゃんに感謝してたよ。」

「…!」
235: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 01:09:25.25 ID:bTjy28fm.net
「花陽ちゃんも、真姫ちゃんも。」

「凛ちゃんが迷惑なんて、一言も言わなかった。」


「凛ちゃんの存在は。」

「2人に、勇気をあげてるんよ?」


「そんなこと…」


「確かに、穂乃果ちゃんと凛ちゃんは似てるんかもしれん。」

「もしかしたら、また同じような事があるかもしれん。」


「…でも、2人に共通して言えるのは。」

「誰かのために、行動すること。」



「花陽ちゃんに勇気をあげて、μ'sに入れたのも。」

「真姫ちゃんを笑顔にさせようとしたのも。」


「全部ぜんぶ、凛ちゃんが2人を思ってしたことやろ?」


「…だから、2人は凛ちゃんを信頼してる。」

「凛ちゃんのこと、信じてるんよ。」
236: 名無しで叶える物語(プーアル茶)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 01:09:56.20 ID:bTjy28fm.net
「でも…でも…ッ!」


「そんな優しい凛ちゃんを、だれが嫌いになると思う?」

「そんな凛ちゃんが、みんな大好きなん。」


「うっ…えぐっ…」


「だから…自分が信じられないなら。」

「花陽ちゃん達を信じてあげて?」

「もちろん、ウチも凛ちゃんは可愛いって思う。」

「凛ちゃんの事、信じてる。」


「…同じ、μ'sの仲間なんやから。」


「自分を信じてくれる、みんなを信じて?」

「…ウチと、同じように。」


「そうすればきっと。」

「凛ちゃんも、変われるよ。」
238: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 01:19:27.38 ID:bTjy28fm.net
「希ちゃん…」


「ほらほら、可愛い顔が台無しやで?」

「これ、使って?」

ハンカチを、手渡す


「ありがとう…」








「…落ち着いた?」

「…うん。」


「今すぐ、変わらなくて良い。」

「ウチだって、何年もかかったから。」


「…でも、覚えておいて?」

「みんな、凛ちゃんが大好き、ってこと。」


「…ありがとう、希ちゃん。」

「どういたしまして♪」
239: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 01:19:56.33 ID:bTjy28fm.net
「さ、凛ちゃん。」

「よかったら、ラーメン食べに行かない?」

「ウチがおごるよ♪」


「…えっ?」

「今日、晩ご飯の用意してないから…」

「もし、よかったら…ね?」


「…!」

「ありがとう、希ちゃん!」

「よーっし、そうと決まればダッシュにゃ!!」


「あっ!…もう。」


走り出した凛ちゃんが、立ち止まる


「希ちゃーん!」

「…?」


「凛も、希ちゃんのこと、大好きだよー!!!」




「…ッ。」

慌てて、目を拭う


「…ふふっ。」

「それじゃ、凛ちゃん!」

「ラーメン屋さんまで競争や!」


「望む所にゃっ!!」
240: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 01:20:22.48 ID:bTjy28fm.net
------


「…あ、もしもしえりち?」


「うん。」

「あ、寝てた?」


「ごめん、ごめん。」



「…うん。」


「ウチ、決めたよ。」

「やっぱり、あの子が良いと思う。」


「…そう。」


「うん。」


「きっと、上手く行く。」

「あの子1人じゃない。」

「周りには、皆がいる。」


「…信じよう?」


「…うん。」
241: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 01:21:20.99 ID:bTjy28fm.net
「…え?」

「なんでって?」


「…」



「ふふっ。」



「そうやね…」




「ウチと、似てたからかな?」




…きっと、変われる

信じてくれる、仲間がいるから




「…ウチを信じてくれて、ありがと。」

「ウチも、みんなを信じてる。」



「…クサいとか言わんといてよ。」

「もう、切るよ?」



「うん、おやすみ。」

pi




「…頑張ってな、凛ちゃん。」
242: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 01:23:16.42 ID:bTjy28fm.net
サイドストーリー終了
本編第5話のプロローグみたいな感じで
読んで頂ければ嬉しいです

それでは明日から、本編始動します
253: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:00:45.52 ID:Vh3PEhe5.net
------



「今日も雨やね…」

「低気圧が近くに迫ってるみたいだから。」

「もう少し、続くかもね。」


「週末まで時間もないから、どうにかしないとなあ…」


「そうなのよね。」

「元々告知が来てたけど。」

「まさか修学旅行と重なるなんて…」


「でも、ファッションショーでのステージって。」

「めっちゃワクワクするよねっ♪」


「ふふっ。」

「確かにね。」


「でも、まずは練習できないと…」


「…?」
254: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:01:37.74 ID:Vh3PEhe5.net
部室から、声が聞こえる


「…もう飽きたにゃ。」

「それはこっちの台詞。」


「…やっぱり、どうにかしてモチベーションを保たないとね。」

えりちが、ぼそっと告げる


「仕方ないよ、凛ちゃん。」

「2年生は修学旅行だし。」

「絵里ちゃんと希ちゃんは、その間生徒会のフォローを…」



「…そうよ。」

えりちが、扉を開けて中に入る


「気合いが入らないのは分かるけど…」

「やる事はやっておかなきゃ。」


「今日も生徒会?」

「…まあね。」
255: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:02:09.07 ID:Vh3PEhe5.net
「3人が戻って来たら。」

「運営しやすいように整理しとくって張り切ってるんや♪」


「ええーっ!?」

「また練習凛たちだけ!?」


「…今週末は例のイベントでしょ?」

「穂乃果達が修学旅行から帰って来た次の日よ。」


「こっちでフォーメーションの確認して。」

「合流したら、すぐ出来るようにしておかなきゃ。」


「…でも、まさかファッションショーで歌ってほしいって言われるなんて。」

真姫ちゃんが少し難しい顔をする


「きっとモデルさん達と一緒のステージって事だよね。」

「気後れしちゃうね…」


花陽ちゃんも、不安そう
256: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:02:38.96 ID:Vh3PEhe5.net
「…そうね。」

「絵里や希はいいけど…」


にこっちの方を見る

「…なに?」

にこっちも察したみたい


さて、ウチらは生徒会室に戻らんと…


「別に気にする事は無いわ。」

「じゃあね?」

「…」

「穂乃果ちゃん達は。」

「野生のちんすこう探しに夢中で。」

「ライブの事なんてすっかり忘れてるやろうから…」

「にこっち達がしっかりしといてね♪」


そう言って、ドアを閉める


「…ふふっ。」
257: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:03:09.77 ID:Vh3PEhe5.net
「…なによ、野生のちんすこうって。」

えりちに聞かれる


「いやあ、出発前にな?」

「穂乃果ちゃんが、沖縄と言えば?って聞くから。」

「野生のちんすこうは美味しいよ、って答えたんよ。」

「そしたら、信じちゃって…」



「知らない所で何やってるのよ。」

「ま、海未がいるから大丈夫だとは思うけど…」



「それより、言ってた事するんやろ?」

「…そうね。」


「ウチは、この間電話した通り。」

「なら、穂乃果に確認をとりましょ?」
258: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:03:40.60 ID:Vh3PEhe5.net
-----


生徒会室で、えりちが穂乃果ちゃんに電話をかける


「あ、穂乃果?」

「どう?楽しんでる?」


「…なんで?」

ん?どうかしたんかな?


「…今週末のイベントなんだけどね。」

「ちょっと相談があって…」

「今、にこ達4人が練習してるんだけど。」

「雨のせいもあって、モチベーションが続いてないの。」

「イベントまで時間もないし。」

「練習を引っ張る存在がいた方がいいと思って。」


「それに、これからの事も考えて。」

「穂乃果達がいない間、誰かをリーダーにしないか、って希と話してたの。」
259: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:04:04.93 ID:Vh3PEhe5.net
「…ありがとう。」

「それで、誰にするかなんだけど…」



「私と希で話したんだけどね…?」

えりちと、顔を見合わせる


「凛が、いいんじゃないか、って。」


「うん、そう。」

「希が、すごく推してるのよ。」

「凛が、一番向いてる、って。」

「穂乃果はどう思う?」


「…うん。」


「ええ、そのつもりよ。」

「分かった。」


「それじゃ、そっちも楽しんで?」


「それじゃあね。」
260: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:04:30.51 ID:Vh3PEhe5.net
「凛ちゃんで決定?」

「ええ。」

「穂乃果も、凛なら大丈夫だろう、って。」


「それにしても、希がこんなに勧めるなんて。」

「珍しいわね。」


「ちょっと、お休みの日に…ね。」

「教えてくれても良いのに。」


「ふふっ。」

「…まあ、希の言う事なら信じるわ。」


「じゃあ、今日から?」

「天気の事もあるし…明日にしましょう?」


「確か、夕方から晴れだったから。」
261: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:05:03.45 ID:Vh3PEhe5.net
そして次の日

教室に集まってるみんなに、伝えたんやけど…



「えええーーっ!?」

「凛がリーダー!?」

凛ちゃんの驚きようは凄かった

…まあ、確かにいきなりだけど


「そう。」

「暫定でもリーダーを決めておいた方がまとまるだろうし。」

「練習にも力が入るだろうと思って。」


「もちろん。」

「穂乃果達が修学旅行から帰ってくるまでよ?」


「で、でも…」

「穂乃果ちゃん達にも連絡して。」

「相談した結果なんよ。」
262: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:05:31.43 ID:Vh3PEhe5.net
「ウチとえりちも、みんな。」

「凛ちゃんがいいって♪」

まあ、ウチが一番推してるけどね


「…2人はどう?」

真姫ちゃんたちに聞いてみる

「いいんじゃない?」

「私も凛ちゃんがいいと思う!」

…よかった


「ちょ、ちょっと待ってよ…」

「何で、凛?」

「絶対、他の人の方が良いよ…!」


「絵里ちゃんとか!」
263: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:06:02.80 ID:Vh3PEhe5.net
「私は生徒会の手伝いがあるし…」

「それに、今後のμ'sの事を考えたら。」

「1年生がやった方がいいでしょう?」


「だったら真姫ちゃんがいいにゃ!」

「ええっ!?」

「歌もうまいし、リーダーっぽいし!」

「真姫ちゃんで決まり!!」


「…」

やっぱり、一度話したくらいじゃ

そう、自信なんてつかんよね

ウチだって、そうやったし…


「…話聞いてなかった?」

「皆、凛がいいって言ってるのよ?」



「でも、凛は…」
264: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:06:32.62 ID:Vh3PEhe5.net
「…嫌なの?」

花陽ちゃんが心配そうな顔で見る

「嫌って言うか…」

「凛はそういうの向いてないよ。」


「…意外ね。」

「凛だったら、調子良く引き受けるかと思ってたけど…」



「…凛ちゃん、結構引っ込み思案な所もあるから。」

「特に…自分の事に関してはね。」

この2人を見てると

ウチは、上手く行くと思うんやけど…



「…凛。」

「…!」

えりちが、凛ちゃんの手を握る
265: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:07:04.99 ID:Vh3PEhe5.net
「いきなり言われて戸惑うのは分かるけど…」

「みんな、凛が適任だと考えてるのよ?」


「その言葉、ちょっとだけでも信じてみない?」


「でも…」


「…」


「分かったよ。」

「絵里ちゃんがそこまで言うなら…」


「ありがとう、凛。」

えりちが立ち上がる


「さあ、そろそろ雨も止みそうだし…」

「放課後の練習はじめて?」


「…」

…なにかが、引っかかる感じ
267: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:21:58.21 ID:Vh3PEhe5.net
「…大丈夫かしら。」

「えりち…」


「やっぱりまだ、凛には早すぎたんじゃ…」

「でも、いつか決めないと駄目な事やし。」

「現状やと、一番凛ちゃんがあってるとは思うよ?」


「…」


「とりあえず、少しだけ様子を見てみよ?」

「案外、上手くいくかも…」


とはいえ

やっぱり、急にできる物じゃないと思うけど


…せめて

凛ちゃんの性格が裏目に出ない事を祈ろうか
269: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:22:20.48 ID:Vh3PEhe5.net
「…それじゃあね、希。」

「うん、えりち。」

「また明日♪」


放課後

えりちと別れて、家の方に


「上手くいったかなあ…」

そんな事を考えてると

前に、花陽ちゃんと真姫ちゃんを発見した


「お~い、2人とも!」

「あ、希ちゃん…」


「あれ、凛ちゃんは?」

「それが…」

「?」



話を聞いてみると

どうやら、先に帰ってしまったみたいで
270: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:23:01.70 ID:Vh3PEhe5.net
「…もしかしたら。」

「まだ、昔の事…」

「え…?」


「凛ちゃん、小学校の頃。」

「ずっと男の子みたい、って言われてて。」

「スカートとか履いてくと…」

「からかわれたりして。」


「もう気にしてないのかなって、思ってたんだけど…」

「そう言えば、私服でスカート履いてるの、見た事ないわね。」



「そっか…」

だから、あんなに自分に自信がないんやね

ウチの時とは、違う


…でも、だからこそ

ウチは、凛ちゃんが適任やと思う



「あんなに、可愛いのに…」
271: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:23:23.38 ID:Vh3PEhe5.net
-----


生徒会室の扉を開ける

「えりち、おはよー。」


「…希。」


えりちが難しい顔してる

「なんかあったん?」


「…バッドニュースよ。」

「穂乃果達、帰って来れないって。」

「…え?」

「台風の影響で、飛行機が飛ばないらしいのよ。」

「って事は、イベントは?」

「この6人で出るしかないみたいね。」


「…」


「幸い、今からなら修正は効くけど。」

「センター…か。」


「…そう。」
272: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:23:54.76 ID:Vh3PEhe5.net
「ウチは…。」


「やっぱり、凛ちゃんが良いと思う。」

「きっと、断られると思うけど…」


「…そろそろ、教えてくれてもいいんじゃない?」

「私も、どうして希がそこまで凛にするのか。」

「知りたいの。」


「…分かった。」


「前の、日曜の事なんやけど…」


------


「…そう。」

「そんな事があったのね。」


「昨日、花陽ちゃんの話も聞いて。」

「…何か、してあげたいんよ。」


「…わかったわ。」

「でも、凛が本気で断ったら、この話は無し。」

「いやいやさせても、きっと上手く行かないから。」


「…ありがとう、えりち。」
273: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:24:36.45 ID:Vh3PEhe5.net
------


「…って事なのよ。」

「ええーっ!?」

「帰って来れない!?」


「そうなの。」

「飛行機が欠航になるみたいで…」

「じゃあ、ファッションショーのイベントは?」

「残念だけど…」

「6人で歌うしかないわね。」


「…急な話ね。」


週末にイベントを控えての事もあって

やっぱりみんな動揺してる


「でもやるしかないでしょ?」

「アイドルはどんなときも。」

「最高のパフォーマンスをするものよ。」


「にこっ♪」
274: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:24:55.83 ID:Vh3PEhe5.net
こういう時のにこっちは凄い

変に悩んだりしないで、前を向いてる

少し、みんなの不安も薄れた気がした


「そうやね♪」

「それで、センターなんだけど…」


えりちが、凛ちゃんを見る


「…えっ?」


「とりあえず、隣に来てくれるかしら?」






皆で、隣の部室へ

「…希。」

「はーい♪」
275: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:25:20.95 ID:Vh3PEhe5.net
そう言って、カバーを外す

ウエディングドレスをモチーフにした

可愛いステージ衣装


「うううう、うそ…」

「わあ…!」


信じられない、って顔の凛ちゃんの横で

花陽ちゃんの顔が輝く


「ファッションショーだから…」

「センターで歌う人はこの衣装で、って指定が来たのよ。」


「綺麗!」

「ス・テ・キ♡」


花陽ちゃんは、とっても嬉しそうや



「女の子の憧れ、って感じやね♪」
276: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:25:51.46 ID:Vh3PEhe5.net
「これを…着て、歌う…?」

「凛が…?」

子猫みたいに震える凛ちゃん


「穂乃果がいないとなると…」

「今は貴女がリーダーでしょ?」

にこっちが、凛ちゃんの肩に手を置く


「こ、これを…」

「凛が…?」


「はっ…ははっ…」

「はははっ…ははーっ!」


「何笑ってんの…」


「しゃーっ!!」

凛ちゃんの威嚇のポーズ

思わずにこっちが尻餅をつく


「凛が壊れた!!」

真姫ちゃん、言い方…
277: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:26:15.50 ID:Vh3PEhe5.net
「もー、どーにかしなさいよっ!」

凛ちゃんは止まらない


「あっ!野生のちんすこうがっ!!」

「どこっ!?」


外を指す凛ちゃんにつられてしまった

そのスキに、逃げようと扉に手をかけるけど…



「なっ…鍵が…!」

「なんでにゃ!?」


「…何でだと思う?」

にこっちも臨戦態勢に入る


「さ、さあ…?」


「それはいつも貴女に…」

「捕まえられてるからよーっ!!」


にこっちの手が凛ちゃんに襲いかかる
278: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:26:39.93 ID:Vh3PEhe5.net
その手を振りほどいて

凛ちゃんは一目散に駆けて行くのであった。」


「…って、解説せずに追いかけなさいよ!」

「はーい。」


「…ところでえりち。」

「なに?」


「野生のちんすこうって…」

「もう、それはいいから!!」



------

凛ちゃんを探しつつ、屋上へ


「…やっぱり、ここにいたね。」

「の、希ちゃん…!」

「みんなもおるよ?」

「さあ、凛!観念しなさい!」


「凛ちゃん…」
279: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:27:03.43 ID:Vh3PEhe5.net
「…無理だよ。」

「どう考えても似合わないもん。」


「そんな事ないわ。」

「そんな事あるっ!」


「だって凛…」

「こんなに、髪短いんだよ?」


「ショートカットの花嫁さんなんて、いくらでもいるよ?」


「そうじゃなくて…」

「こんな女の子っぽい服。」

「凛には似合わない、って話…」


「普段はともかく…」

「ステージじゃスカート履いてるじゃない。」

真姫ちゃんもフォローするけど
280: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:27:35.00 ID:Vh3PEhe5.net
「それはみんなと同じ衣装だし。」

「端っこだから…」


「とにかく。」

「μ'sのためにも、凛じゃ無い方がいい。」

そう言うと、凛ちゃんは下を向く

…やっぱり、ここが何か引っかかるんやけど


それよりも、やる気をなくしちゃ駄目だし

この辺が、引き際なんかな…?


「でも実際、衣装は穂乃果ちゃんに合わせて作ってあるから…」

「凛ちゃんだと手直しが必要なんよね。」


凛ちゃんの顔が、すっごく笑顔になる


「でしょでしょ!?」

「やっぱり凛じゃない方がいいよ!」

「…ね?」
281: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:29:16.99 ID:Vh3PEhe5.net
「やった方がいいにゃ!」

「かよちん可愛いし、センターにピッタリにゃ!」


「でも…」

「凛ちゃん、いいの?」


「…いいに決まってるにゃ。」

「本当に…?」

「ッ…もちろん!」


「凛…」

「…決まりみたいね。」

えりちが、締める


「それじゃ、みんなは練習に戻って?」

「衣装に関しては、花陽がセンターって事で。」

「また後で、衣装合わせをしましょう。」


「凛ちゃん…」
282: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:29:48.82 ID:Vh3PEhe5.net
----


ガラッ


「…おかえり、希。」

「穂乃果ちゃん、なんて?」

「…そっか、って。」


「穂乃果も、どこか期待してた部分があったみたい。」

「…希も、ごめんなさい。」


「なんでえりちが謝るん?」

「今まで、希がこうしたい、って言った事、あんまりなかったから。」

「出来れば、叶えてあげたかったけど…」


「…ええんよ。」

「これも、仕方の無い事やし。」

「…」

「でもな、えりち。」

「…?」

「もしかしたら。」

「もしかするかも…な。」
283: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:30:12.84 ID:Vh3PEhe5.net
「…どう?」

ちょっとした業務を片付けて

花陽ちゃんの衣装合わせへ


「わあ~っ!」

さっきとは打って変わって笑顔な凛ちゃん

「かよちん、綺麗~。」

「そ、そうかな…?」


「うん、やっぱりかよちんが一番似合うにゃ!」

「頑張ってね?」

「凛、応援してるから!」


「アナタも歌うのよ?」

「そっか…あはは。」



「予想通りピッタリやね♪」

「脇をちょっとだけ絞った方が良いかもしれないわね。」
284: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:30:50.92 ID:Vh3PEhe5.net
えりちと、花陽ちゃんの衣装の打ち合わせ

何処かカラ元気な凛ちゃんが、部室から出て行く


…途中で、花陽ちゃんの姿を見てたのを

花陽ちゃんとウチは、見逃さなかった




「…ねえ、絵里ちゃん、希ちゃん。」

「どうしたの?花陽。」


「このままで…いいのかな?」

「それは…」


「私達も、期待してたんだけどね。」

「やっぱり今からでも、凛ちゃんに…」


「…」


「どうしたらいいのかなあ…」

「それは、花陽ちゃん次第だよ?」


「希ちゃん…」
285: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:46:40.74 ID:Vh3PEhe5.net
-----


「…ふう、さっぱりした。」


「それにしても、夜が少し冷えて来たな。」

「湯冷めしないように、もうお布団入ろうか…」

「…」


「明後日、か。」


prrrr


prrrr



「…なるほど、そうきたか♪」


pi


「もしもし?花陽ちゃん?」

『あ、希ちゃん?』

『まだ起きてた?』
286: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:47:07.12 ID:Vh3PEhe5.net
「うん、起きてたよ。」

『良かった…』

「…決めたんやろ?」

『え?』


「凛ちゃんの事。」

「…どうするか。」


『…すごいね、希ちゃん。』


「何となく、そんな気がしたんよ。」

「花陽ちゃんの事だから。」


『…えへへ。』

『うん、決めたよ。』

『さっきまで、穂乃果ちゃんと電話してて。』

『穂乃果ちゃんにも、希ちゃんと同じ事言われちゃった。』



『…私が、決める事、って。』


「…そっか♪」
287: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:47:32.55 ID:Vh3PEhe5.net
「それじゃ、聞かせてもらおうかな?」

「花陽ちゃんが、どうしたいのかを。」


『…うん。』


-----


『と、言う訳なんだけど…』

「うん。」

『どうかな?』


「…ふふっ。」

『希ちゃん?』


「花陽ちゃんが、そう決めたんやろ?」

「だったら、ウチらに聞くんじゃなくて…」

「手伝って、って言ってくれたらいいんよ?」


『…!』

『手伝って…くれますか?』


「もちろんっ♪」
288: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:48:00.53 ID:Vh3PEhe5.net
-----


「…と、言う事で。」

「作戦会議、初めよっか♪」


「なにが、という事で…よ。」

「…あれ?」

「アンタと花陽が私達を集めたってことは。」

「つまり…そういう事でしょ?」


「あはは…流石にこっち。」


「まったく…わざわざ、練習終わってから集合だなんて。」

「それも、もったいぶって来るまで言わないし…」


「そうよ、希。」

「それに、希が言ってた『もしかしたら』を、私も信じたいの。」


「えりち…」
289: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:48:35.46 ID:Vh3PEhe5.net
「…で、実際どうするの?」

「凛は、嫌だ、って言ってる訳でしょ?」


「その事なんだけど…」

「多分、凛ちゃん。」

「あの衣装、着てみたいんだと思う。」


「…でも、自分に自信が無くて。」

「可愛いって、自分で思えなくて…」

「だから、苦しいんだと思う。」

「だから、困ってるんだと思う。」


「私もそうだから、分かるんだ。」

「私も、自分に自信が無いの。」

「…でも、凛ちゃんは絶対可愛いよ。」

「一番、似合うと思う。」


「…ま、自分の見た目なんか気にするあたり。」

「ある意味にこ達より女の子らしいじゃない。」
290: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:49:11.95 ID:Vh3PEhe5.net
「…確かにそうね。」

「そうやって悩んで。」

「でも、みんなの事を考えてる凛が。」

「一番…向いてると思う。」

「リーダーにも…センターにも。」



「…と、言う訳で、決まりやね♪」

「…どーせ、またアンタが何か仕組んだんでしょ?」

「なんの事かなー?」


「ま、いいんじゃない?」

「ダンスも、凛と花陽の場所を変えるだけだし。」

「隣同士だから、なんとかなるでしょ。」


「それじゃ、明日の朝一に少し合わせて。」

「凛には、当日サプライズしましょうか♪」


「えりちの案に賛成の人!」


「「はーい!」」
291: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:49:38.98 ID:Vh3PEhe5.net
----


そして当日

ウチらの、出番のちょっと前


えりちがモデルの勧誘されてたけど…

確かにクォーターは反則やんな


「凛ちゃん、そろそろ準備せんと!」


ランウェイに釘付けになってる皆を、控え室に






「じゃあみんな!」

「着替えて最後にもう一度、踊りを合わせるにゃ!」


なんだかんだで、凛ちゃんもリーダーっぽく成長したかな?

これなら、きっと…


「凛ちゃんの衣装、そっちね!」

花陽ちゃんが、上手く誘導する
292: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:50:10.66 ID:Vh3PEhe5.net
「わかったにゃ!」

その間に、ウチらはさっさと着替える


「…!」


おっと、気付いたみたい


「えっ…?」

「あれ…?」



「かよちん間違って…」

「…!」


皆で、凛ちゃんの前に並ぶ

「間違ってないよ。」

「貴女がそれを着るのよ、凛。」


「な、何言ってるの?」

「センターはかよちんで決まったでしょ?」
293: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:50:44.63 ID:Vh3PEhe5.net
「それで練習もしてきたし…」


「大丈夫よ。」

「ちゃんと今朝、皆で合わせて来たから。」

「…凛がセンターで歌うように。」


「そ、そんな…」

「冗談はやめてよ…!」


「冗談で言ってると思う?」

にこっちに言われてどぎまぎする凛ちゃんに、笑いかける


「で、でも…」

「…凛ちゃん、私ね?」

花陽ちゃんが、前に出る


「凛ちゃんの気持ち考えて…」

「困ってるだろうな、って思って…引き受けたの。」
294: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:51:20.83 ID:Vh3PEhe5.net
「でも…!」

「思い出したよ?」

「私がμ'sに入った時の事。」


「今度は私の番。」

「…」

「凛ちゃん。」

「凛ちゃんは、可愛いよっ?」


「えっ?」


「みんな言ってたわよ?」

「μ'sで一番女の子っぽいのは、凛かもしれない、って。」

真姫ちゃんが、笑顔で言う


「そ、そんな事…」

「そんな事あるっ!!」


「だって、私が可愛いって、思ってるもん!」

「抱きしめちゃいたい、って思うくらい、可愛いって思ってるもん!!」
295: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:51:57.09 ID:Vh3PEhe5.net
「…ッ。」


「希ちゃんに、言われたんだよね?」

「なら…私達を、信じて?」


「…そうよ。」

「みんなの想いは、ひとつなんだから。」

「…だから、今度は私達が背中を押す番。」

「今まで凛が信じてくれた私達が。」

「今度は、凛を信じたいの。」



「見てみなさいよ、あの衣装…」


「一番似合うわよ、凛が。」

「…」


真姫ちゃんと花陽ちゃんが

凛ちゃんの背中を押す


この3人は、いつもこうやって進んでく
296: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 22:52:34.65 ID:Vh3PEhe5.net
「…本当に。」

「本当に…信じていいの?」


「信じて?凛ちゃん。」


「凛、本当に可愛い?」

「みんなの事信じたら、本当に…」



「本当に…変われるかな?」



「「もちろんっ!!」」


「みんな…」


「さあ、凛。」

「お客さんが、お待ちかねよ?」


「…」


「…!」
297: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 23:07:39.59 ID:Vh3PEhe5.net
立つのは、ランウェイの入り口

歩くのは…凛ちゃん


ライトの光を浴びて

客席から、声が上がる


「は、初めまして。」

「音ノ木坂学院スクールアイドル、μ'sです。」


盛り上がる客席から、何度も声が聞こえる


『かわいい』って


「ありがとうございます。」

「えっと…本来メンバーは9人なんですが。」

「今日は都合により6人で歌わせてもらいます。」

凛ちゃんの横に、皆で並ぶ


「…でも。」

「残り3人の想いも込めて歌います。」




「…それでは!」

「一番可愛い私達を、見ていって下さい!!」
298: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 23:08:46.34 ID:Vh3PEhe5.net
----


ファッションショーで大成功を収めた次の日


凛ちゃんは、花陽ちゃん達と遊びに行ったみたい


…可愛い、ピンクのワンピースで


そして、月曜日

屋上で柔軟をしていると

可愛い膝上スカートの似合う

可愛い女の子がやって来た

ショートカットを少し結んで

短い髪が、風に揺れる


「よーっし!」

「さあ、今日も練習…」

「いっくにゃー!!」



こうしてウチらは、進んで行く

昔の自分とお別れして

新しい自分に出会ってく

そのきっかけをくれる、μ'sの仲間



いつだって、どんな時だって

信じられる---ともだち
307: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 22:21:25.72 ID:YdxG6Eac.net
----

10月も半ばをすぎたある日

ウチらはえりちに呼ばれて

近くのファーストフード店に集まった


「…ハロウィンイベント?」

「ええ。」

「みんなハロウィンは知ってるでしょ?」

えりちが説明する


「ああ、ここにも飾ってあるカボチャとかの?」

花陽ちゃんの言う通り

店内はハロウィンの装飾で溢れてる


「そう、実は今年…」

「秋葉をハロウィンストリートにするイベントがあるらしくてね?」


「地元のスクールアイドルであるA-RISEと…」

「μ'sにも、出演依頼がきてるのよ。」
308: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 22:21:47.46 ID:YdxG6Eac.net
「ほえ~…」

「予選を突破してからというもの。」

「なんだか凄いねえ…」

穂乃果ちゃんが間抜けな声をあげる


「でもそれって、歌うってこと?」

真姫ちゃんに答える

「そうみたいやね。」

「ありがたい話だけど…」

「この前のファッションショーといい。」

「そんな事やってていいの?」

「最終予選も近いのに…」


「そうよ!」

「私達の目標は、ラブライブ優勝でしょ?」
309: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 22:22:13.83 ID:YdxG6Eac.net
「たしかにそうだけど…」

「こういう地道な活動も重要よ?」

「知名度を増やせば、私達のファンも増えるし…」

「イベントには、テレビ局の取材も来るみたいだし。」

「テレビっ!?」

にこっちが飛び上がる

「…態度変わりすぎ。」


「A-RISEと一緒って事は、みんな注目するよね。」

「緊張しちゃうなあ…」

「でも、それだけ名前覚えてもらうチャンスだよ!」


凛ちゃんも、あの日以来

今まで以上に積極的になった気がする


「…そうよ!」

「A-RISEよりインパクトの強いパフォーマンスで…」

「お客さんの脳裏に私達の存在を焼き付けるのよ!」
310: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 22:22:41.21 ID:YdxG6Eac.net
「おお~っ!」

「真姫ちゃん!これからはインパクトだよ!」

にこっちの姿勢に

穂乃果ちゃんのテンションも上がる

緊張なんてどこへやら

いつの間にか、いつものウチらに戻ってる


でも…


「ところで穂乃果…」

真姫ちゃんが、それを言う

「貴女、こんな所にいていいの?」


「生徒会長の仕事は…」

花陽ちゃんが、おそるおそる聞くと

途端に、真っ青になる穂乃果ちゃん
311: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 22:23:11.21 ID:YdxG6Eac.net
穂乃果ちゃんが言葉を失った時

後ろから、ふたつの足音


「…ごきげんよう。」

「さ、探したんだよお…?」


困り顔のことりちゃんと

穏やかな顔の海未ちゃん


「へえー…」

「これからは、『インパクト』なんですね…?」


「あははははは…」

穂乃果ちゃん、ご愁傷さまです


「こんなインパクト、いらない…!」



この後穂乃果ちゃんは

海未ちゃんにこってり絞られたようやった
312: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 22:23:36.31 ID:YdxG6Eac.net
-----


「インパクト、なあ…」

「漠然としすぎよね…」


「でも、A-RISEのやった事。」

「彼女達にしか出来ない事とは言え…」

「観客の心をつかんだのは、間違いないわ。」


駅前のカフェで

真姫ちゃんとえりちと作戦会議…もとい、おしゃべり



えりちにイベントの話を聞いてから

穂乃果ちゃん、凛ちゃん、にこっちで

秋葉のイベントのPRに行ったんやけど…


結果として、A-RISEの引き立て役になっただけだった
313: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 22:24:11.68 ID:YdxG6Eac.net
「確かに、前哨戦って言葉がピッタリやね。」

「…そうね。」

「今のままじゃ、最終予選で勝てっこないもの。」


「とは言え…良い案が出ないのも、事実なのよね。」


「「う~ん…」」


「そういえば、にこっち達は?」

「にこが、悔しいから3人でどうすべきか考える、って。」


「にこちゃん、イライラしながら帰って来たものね…」

「にこっちは、ポーズを邪魔されたんが一番の理由かな?」


そういう所は、心が狭いよなあ…

まあ、にこっちらしいけど
314: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 22:24:41.69 ID:YdxG6Eac.net
「…とにかく、この件をどうにかしないと難しいわね。」

「曲があっても、衣装や振り付けが間に合わなかったら意味がないし…」


「一応練習はしてるけど。」

「確かに、修正するなら早い方がいいわね。」

「でもやっぱり、衣装はハロウィンっぽくするのが一番とちゃうかな?」


「それはそうだけど…」

「A-RISEが映像でそれを見せちゃってる分。」

「インパクトは少ないと思うわ。」


「…同感。」

「でも、ハロウィンって聞くと。」

「なんとなく希がイメージになるのよね。」


「…ウチ?」


「その良く分からない雰囲気、魔女っぽいじゃない。」

「えー、真姫ちゃん酷いなあ。」
315: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 22:25:17.24 ID:YdxG6Eac.net
----


「やるからには、思い切り変えましょう!」

次の日、海未ちゃんの一声に

穂乃果ちゃんが続ける


「海未ちゃんが、色んな部活の格好をしてみたらどうか、って!」

「って訳で、色々借りて来たよ!!」


「これは…」

そこには、バラバラの衣装

バレーにラクロス

これは…白衣?


「穂乃果ちゃん、これって…?」

「みんなに似合いそうな衣装を借りて来たの!」



「あとこれ、自己紹介文!」

「穂乃果達が考えたんだ♪」
316: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 22:25:59.59 ID:YdxG6Eac.net
ウキウキな穂乃果ちゃんを見て、えりちがまとめる


「…まあ、確かに新しい事をやってみるのもいいかもね。」

「みんな、せっかく穂乃果たちが用意してくれたし。」

「一度、やってみましょう?」



「それじゃ、みんなそれぞれの衣装に着替えてね♪」

穂乃果ちゃんに言われて、それぞれの衣装を手に取る



「こ、これは…!」

「あーっ、かよちんの可愛い♪」


「ちょっ…なんで私がこれなのよ…」

「あら、可愛いわよ、にこ。」

「ちょっとそれイヤミ…?」

「…」

まあ、見てて面白いから黙っとこかな

そして、着替えて実践してみたんやけど…
318: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 22:46:45.50 ID:YdxG6Eac.net
-----

「アナタの想いをリターンエース!」

「高坂穂乃果です!」


「誘惑リボンで狂わせるわ!」

「西木野真姫!」


「むかないで!まだまだ私は青い果実!」

「小泉花陽です!」


「スピリチュアル東洋の魔女!」

「東條希!」


「恋愛未満の化学式…」

「園田海未です!」


「私のシュートで、ハートのマークつけちゃうぞ♡」

「南ことり♪」
319: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 22:47:37.35 ID:YdxG6Eac.net
「キュートスプラーッシュ!!」

「星空凛!」


「必殺のピンクポンポン!」

「絢瀬絵里よ!」


「…そして私!」

「武道のセンター、矢澤にこにこ!」




「「私達…」」

「「部活系アイドル!」」

「「μ'sですっ!!」」



全員で、ポーズをとる


…うん、バッチリ♪








な、訳も無く…
320: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 22:52:16.22 ID:YdxG6Eac.net
「って、私、顔見えないじゃない!!」

にこっちが暴れだす


「いつもと違って新鮮やね♪」

「うんうんっ!」

ウチは、楽しかったんやけどなあ…?


「スクールアイドルって事を考えると…」

「色んな部活の服を着るというコンセプトは。」

「悪くないわね。」

「だよねだよね!」


「でも、これだとなんか…」

「フザけてるみたいじゃない!!」


うーん…

確かに、お遊戯会、って感じやしね

インパクトは確かにあるけど

これでステージは厳しいかな?
321: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 23:02:02.92 ID:YdxG6Eac.net
----


「一体これのどこが新しさに繋がるのよ!!」

「すみません。」

「提案した私が愚かでした…」

海未ちゃんが沈んでる…


「でも、ちょっと楽しかったね!」

「そんな事言ってる場合じゃないでしょう!?」

にこっちは、凄くご機嫌斜め…


「A-RISEはこうしてる間にも!」

「日々進化を遂げているのよ!?」

にこっちはA-RISEへの対抗意識がすごい

…でも、それが悪い方向に向かないといいんやけど


「…やっぱり、見た目じゃないかな?」

「一番分かりやすいのは…」

みんなで、ことりちゃんの顔を見る
322: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 23:02:29.36 ID:YdxG6Eac.net
「衣装を、奇抜な物にするとか…?」

「確かに。」

「それが一番手っ取り早いとは思いますが…」


「それはすでに先ほど…」


「「うーん…」」


「…ほな。」

「ウチがカードの知らせを。」

「伝えるしかないようやな…」


そっと机の上にカードを出して

一枚、めくってみる

「…CHANGE?変化ってこと?」

「それなら、さっきもやったじゃない。」

にこっちが言う
323: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 23:07:31.32 ID:YdxG6Eac.net
「ううん。」

「このチェンジの意味は。」

「自分らしさを変えずに、変化する事。」


「…って事は?」

「って事は…」




------


ガチャッ


(穂)「おはようございまーす!」

(穂)「…あっ。」


(穂)「ごきげんよう。」

(こ)「海未、ハラショー。」

(穂)「絵里、早いですね。」


(穂・こ)「そして凛も!」


(海)「…!」
324: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 23:08:20.42 ID:YdxG6Eac.net
(海)「う…うぅ…」

(海)「無理ですっ!」

(穂)「駄目ですよ、海未。」

(穂)「ちゃんと凛になりきってください!」



(海)「…」

(穂)「貴女が言いだしたのでしょう?」

(穂)「空気を変えてみた方がいいと!」


(穂)「さあ、凛!」

(海)「…………!」

(海)「にゃーっ!!」

(海)「さあ、今日も練習、いっくにゃー!!」


(凛)「…ナニソレ。」

(凛)「イミワカンナイ。」
325: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 23:08:54.90 ID:YdxG6Eac.net
(穂)「真姫!」

(穂)「そんな話し方はいけません!」

(凛)「…面倒なヒト。」


ガチャッ

(真)「ちょっと凛!」

(真)「それ私の真似でしょ!」

(真)「やめてっ?」

(凛)「…オコトワリシマス。」

(真)「…ッ!」


(穂)「おはようございます…希?」

(真)「…!」

(真)「うう…」


(海)「あーっ!」

(海)「喋らないのはずるいにゃー!」
326: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 23:09:36.08 ID:YdxG6Eac.net
(こ)「…そうよ?」

(こ)「みんなで決めたでしょ?」

(真)「べっ、別にそんな事…!」

(海)「…にゃ?」

(真)「言った覚え…ないやん?」

(穂)「おお希…!すごいです…!」


ガチャッ


(花)「にっこにっこにー☆」

(花)「アナタのハートに、にこにこにー!」

(花)「笑顔とどける矢澤にこにこ♪」

(花)「青空も…にこっ☆」


(穂)「おお…!」

(こ)「ハラショー!」
328: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 23:10:20.25 ID:YdxG6Eac.net
(こ)「にこは…思ったよりにこっぽいわね。」

(花)「にこっ☆」

(に)「にこちゃーん?」

(に)「にこはそんな感じじゃないよー?」

(穂)「ことり…!」


タタッ

(希)「いやー!」

(希)「今日もパンがうまいっ!」

(穂)「うっ…」


(こ)「穂乃果…また遅刻よ?」

(希)「ごめーん。」

(穂)「わ、私って…こんな?」

(こ)「ええ。」

(穂)「…」


ガチャッ


(絵)「大変ですっ…!」

「「…?」」
329: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 23:10:57.03 ID:YdxG6Eac.net
(穂)「…どうしたのです?」


(絵)「…はあー…」

(絵)「すう…はあー…」


(絵)「…」

(絵)「み、みんなが…」


(絵)「みんながーーっ…!」









(絵)「…変よ。」


(こ)「…そうね。」

(穂)「うん…」



まあ、楽しめたし良いかなー…なんて


あはは…
336: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:03:34.65 ID:QhR7oO5h.net
「だいたい、私達らしさの話からどうしてこうなったのよ?」

「まあまあ、にこ。」

「希だって、何か考えがあるんだろうし…」


「そうなの?希ちゃん。」

「いや、ごめん。」

「完全に思いつきなんよ…」


「ちょっと!?」


「まあ、思う所が無い訳じゃないんやけど…」


「それって…?」

「うーん…」


「って言うか、穂乃果と希。」

「貴女達、髪型変えてなかったでしょ。」


「真姫ちゃん、気付いてたんだ?」
337: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:04:25.57 ID:QhR7oO5h.net
「だって、ウチの髪でサイドテールは無理やし。」

「穂乃果も、希ちゃんみたいにボリュームないしね。」


「まったく、やるならちゃんとやりなさいよ…」


「でも、それじゃどうするの?」

「う~ん…」


「このままじゃ時間がどんどん無くなっちゃう…」

「…結局、何も変えられないままですね。」


「ねえ、ちょっと思ったんだけど…」

えりちが、口を開いた

「一度、アイドルらしいってイメージから。」

「離れてみるのはどうかしら…?」


「アイドルらしくなく、って事?」

「例えばかっこいいとか…」

「あ、それいいにゃー!」

花陽ちゃんが案を出す
338: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:04:49.77 ID:QhR7oO5h.net
「でも、かっこいいって…どんな感じ?」

「例えばロックとか?」

「もっと荒々しい感じとか…?」

みんなで、意見を出してみる

「新しいというのは。」

「そういう根本のイメージを変える事…」

「だとすると…」




----


にこっちの一声で始まった計画によって

ウチらは今…




理事長室に呼び出される事になった


「…」


「…」


「…説明してもらえるかしら?」
339: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:05:17.01 ID:QhR7oO5h.net
…まあ、当然の結果というか

顔を白と黒で塗りたくった

海外ロックバンドみたいな9人が

生徒の前に飛び出したとか…


間違ったら通報ものやん?


ノリノリだった皆も

やっと現実に目を向けたみたい



「…り、理事長!違うんです!」

苦し紛れにえりちが答える

「ふざけていた訳ではないんです…!」

「…」


「そうなの!」

「ラブライブに出るためには。」

「どうしたらいいかって事を、皆と話し合って…」


ことりちゃんが、援護してくれるけど…
340: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:05:47.86 ID:QhR7oO5h.net
「…わかったわ。」

「じゃあ、最終予選は。」

「それで出ると言う事ね?」


「…うぇっ?」


「それならば。」

「今後その姿で活動する事を許可するわ?」


…やっぱり、強敵やった



「「すみませんでしたあっ!!」」




----


「どーしてこうなるの!?」

「そうです!」

「もっとインパクトを与えるためには。」

「どうしたら良いか真面目に話していたはずです!」

「…最初は海未ちゃんだよ!?」

「色んな部活の格好をしてみよう、って!」
341: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:06:16.13 ID:QhR7oO5h.net
結局良い案も出ずに放課後になって

いつものお店にきたけど…

時間がない事と、決まらない事の板挟みで

…みんな、イライラしてる



「責任のなすり付け合いしてても、しょうがないよ…」

ことりちゃんの声に、皆が少し落ち着く

…でも、状況は変わらなくて



「そうよ。」

「それより今は具体的に。」

「衣装をどうするか考えた方がいいんじゃない?」


「そうだね…」


「…?」

「ことりちゃん?」
342: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:06:41.15 ID:QhR7oO5h.net
「…うん。」

「一応、考えてはみたんだけど…」

「やっぱり、皆が着て似合う衣装にしたい、って思うんだ。」

「だから、あまりインパクトは…」



「でも、それじゃA-RISEには…!」

にこっちは、ずっと彼女達を追ってる


「「…」」








その後、場の空気は動かず

ウチらは、お店を後にする

「…どうしたらいいんだろう?」

花陽ちゃんに、えりちが声をかける


「それはまた明日考えましょう?」

「とりあえず、衣装作りだけでも始めていかなくちゃね…」
343: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:07:08.46 ID:QhR7oO5h.net
「…」

海未ちゃんと穂乃果ちゃんが

ちょっと離れた所にいる


「…ハロウィンって。」

「昼と夜とじゃ、印象が全然違うんだね…!」


「綺麗だなあ…」


えりちが、二人を連れてくる


「…ねえ、希ちゃん。」

「どうしたん?穂乃果ちゃん。」

帰り際、穂乃果ちゃんに話しかけられる


「昼間に言ってた、思う所…って?」

「もし、何か考えがあるなら、言ってほしいな、って。」


「穂乃果ちゃん…」
344: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:07:45.26 ID:QhR7oO5h.net
穂乃果ちゃんたちと別れて

花陽ちゃん、にこっちは

ことりちゃんの家で衣装を作ってる


穂乃果ちゃんと、つい話し込んじゃって

遅くなったけど…


なにか差し入れでも、買って行ってあげよかな?



----


ことりちゃんの家について

ドアノブに、手をかける


「…衣装係って言われて、損な役回りに慣れちゃってるんじゃない?」

「…!」


にこっち…


手に、力が入る
345: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:08:14.78 ID:QhR7oO5h.net
「…私には、私の役目がある。」

「…」

「今までだってそうだよ?」

「私はみんなが決めた事…」

「やりたい事に、ずっとついて行きたい。」


「道に迷いそうになることもあるけれど。」

「それが無駄になるとは私は思わない。」



「…この衣装は、にこちゃんのだよ?」

「…!」


「みんなが集まって、それぞれの役割を精一杯やりきれば…」

「素敵な未来が待っているんじゃないかな?」



ウチの役割…か

壁に、もたれる


「もし、言えるなら…」
346: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:08:39.47 ID:QhR7oO5h.net
「…」

ふるふる、と頭を横に振る


それは、ウチのする事じゃない

皆を支える事

それが、ウチの役割

μ'sでの…立ち位置



「…ふふっ。」


ガチャッ


「お疲れさま~。」

「差し入れ、持って来たよ♪」


「希ちゃん…!」

「わあ…ありがとう、希ちゃん♪」


「…ほら、にこっちも。」

「…ありがと。」


これで、いいんよ
347: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:09:04.49 ID:QhR7oO5h.net
----


「…衣装、どうかな?」

「バッチリだよ、ことりちゃん!」


今日はステージの衣装合わせ

ついでに、ステージの立ち位置や

動き方なんかもおさらいする


今回はストリートでやるから

皆がそれぞれ色んなとこに動く

その確認と、練習のため



「…みんな、良く似合ってるわよ。」

えりちがみんなを褒める

「ありがとう、ことり。」

「それから、にこと花陽も。」


「は、花陽は本当に、お手伝いしただけで…///」
348: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:09:45.40 ID:QhR7oO5h.net
「それでも、間に合ったのは二人が手伝ってくれたからよ。」

「ありがとう。」

「は、はい…///」



「それで、今回の配置なんだけど…」

「あ、絵里ちゃん。」

「出来たらお願いがあるんだけど、いいかな…?」


「何?ことり。」


「今回の衣装ね、ハロウィンの中でも、3つのイメージがあるんだ♪」

「穂乃果ちゃん、海未ちゃん、絵里ちゃんはクール。」

「花陽ちゃん、凛ちゃん、私はキュート。」

「にこちゃん、希ちゃん、真姫ちゃんはパステルをイメージしたの。」


「だから、それぞれの衣装が映えるように。」

「それぞれ3人の3グループで動いたらどうかな…って。」


「…なるほど。」

「言われてみれば、そうね。」
349: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:10:19.25 ID:QhR7oO5h.net
「作ってから、それに気付いてね?」

「希ちゃん達と話し合ったら、その方がインパクトがあるんじゃないか、って。」


「…そうね。」

「見た目でインパクトを与えるなら、その方がいいかも。」

「それじゃ、ことりの考えで組んでみましょう?」



----



「…とりあえず、組み分けは。」

「花陽、にこ、私。」

「真姫、海未、ことり。」

「穂乃果、希、凛…で、決まりね。」


「とりあえず、穂乃果のグループをセンターにして…」


「ステップは基本的に一緒だから、ラストだけ変えれば大丈夫ね。」
350: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:10:50.28 ID:QhR7oO5h.net
「穂乃果ね、思うんだけど…」

「それなら、希ちゃんをセンターにしない?」


「…穂乃果ちゃん?」

「動くから、あんまり関係ないかもだけど…」

「せっかく、こんな可愛い衣装なんだし、もったいないよ!」


「ハロウィンなんだから、似合ってると思うし!」


「…希はどう?」


「え、でも…」

「それなら、にこっちや真姫ちゃんでもいいんと違う?」


「にこちゃんや真姫ちゃんも、グループの中では一番前が良いと思う!」

「そしたらラストも、一番ハロウィンらしい3人が目につくし!」
351: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:11:42.28 ID:QhR7oO5h.net
「でも…」


いくら時間が短いとは言え、ウチがセンターとか…


「…言ったでしょ?」

真姫ちゃんに言われる

「ハロウィンが似合うのは、希だ、って。」

「せっかくの機会なんだし、甘えちゃいなさいよ。」

「緊張する性格でもないでしょ?」


「そうだよ、せっかくなんだから!」

穂乃果ちゃんにも、後押しされる


「…変な気使ってんじゃないわよ。」

「どっちにしたって、μ'sは全員がセンターでしょ?」

「ただ、ほんの少し真ん中にいる時間が長いだけよ。」


「にこっち…」


「ウチで…いいん?」


「「もちろんっ!」」
352: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:12:04.45 ID:QhR7oO5h.net
----


そして当日

会場に向かうウチら


…正直、センターに関しては

やりたくない、って言ったら嘘になるけど

やっぱり、ウチの柄じゃないというか…



「ねえ、希ちゃん。」

「穂乃果ちゃん?」


「希ちゃんの言ってた事、正解だったね!」

「…え?」



「私も、このままでいいと思うんだ。」

「A-RISEが凄くて…」

「私達もなんとか新しくなろう、って頑張ってきたけど…」


「私達は、きっと今のままが一番いいんだよ…!」
353: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:12:37.89 ID:QhR7oO5h.net
「希ちゃんが言ってた通り。」

「性格も、考えもバラバラな、個性的な私達だからこそ…」

「今のままが、一番私達らしいんだよ。」


「時間をかけてお互いの事を知って。」

「お互いの事を受け入れあって…」

「ここまで来られたんだから。」

「私は、そんなμ'sが好き!」



「…!」


「だから、今日は頑張ろう?」

「あんな可愛い衣装で、あんなに良い曲を歌うんだもん!」

「きっとみんな、私達の事見てくれるよ!」

「好きになってくれるよ!」


「穂乃果ちゃん…」


「ほら、行こっ?希ちゃん!」

「…うんっ!」
354: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 21:13:44.88 ID:QhR7oO5h.net
こんなに個性的なみんながいて

性格も全然違うのに

何故かなんとなく、うまくいって


問題もあるし

迷う事だってある


…でも、そんなウチらだから

歌える曲があって、届けられる歌詞があって



ことりちゃんの言う、素敵な未来

このみんなで、叶えられたらいいな




そのためにも

ウチがやるべき事は…


「…」










「よ~っし!」

「絶対にラブライブで…」

「優勝するぞーっ!!」



「「おーっ!!」」
362: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 21:58:44.54 ID:1fFwQ8gA.net
-----


「…え、一体何があったん?」

今日も練習頑張ろう!

って、屋上の扉を開けたら


花陽ちゃんはうなだれてるし

穂乃果ちゃんは頭を抱えてる


「海未、どういう事…?」

「実は…」


どうやら二人とも

最近、体重が増えて来たらしく

穂乃果ちゃんに至っては

ファーストライブの衣装が入らないほどに


花陽ちゃんは…

食欲の秋、やね



「う…うう…」

「新米が…」


花陽ちゃんに関しては

体重よりご飯が心配みたい
363: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 21:59:11.73 ID:1fFwQ8gA.net
「…まさか、こんな事になっていたなんて。」

「まあ二人とも育ち盛りやから。」

「そのせいもあるんやろうけど…」


「でもほっとけないレベルなんでしょう?」

にこっちの言う通り

問題はそこなんよなあ…


肩を落とす二人に

海未ちゃんが残酷な事を告げる

「…これが、今日からのメニューです。」


突きつけられたノートには

『ダイエット ギリギリまで絞るプラン』


…きっと、2人にとっては地獄やね
364: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 21:59:46.41 ID:1fFwQ8gA.net
「ええーっ!?」

「夕飯これだけ!?」

「お、お米が…」


「夜の食事を多くとると、体重増加に繋がります。」

「その分、朝ご飯はしっかり食べられるので。」

「ご心配なく♪」


海未ちゃんは、2人のお世話が出来て少し嬉しそう?



「…頑張るしか無いよ、穂乃果ちゃん。」

「そうだね…」


「でも、よかったよ!」

「…へ?」


穂乃果ちゃんが、花陽ちゃんの手をとる
365: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:00:12.82 ID:1fFwQ8gA.net
「私と同じ境遇の…」

「仲間がもう一人いてくれて…!」


「…ナカマ?」

「目、逸らした…?」


まあ、ダイエット仲間って言われて

嬉しくはない…よなあ?



「あの…今、休憩中ですよね?」

屋上の扉が開いて

3人の生徒が、入ってくる


「良かったら、サインいただきたいんですけど…」


どうやら、前のハロウィンイベントを見て

ウチらに、興味を持ってくれたみたい

知名度があがるのは、素直に嬉しい



…んやけど
366: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:00:42.48 ID:1fFwQ8gA.net
「ありがとうございます!」

「実は私…」

「園田先輩みたいなスタイルに憧れてたんです…!」


「そ、そんなスタイルだなんて…///」


「私、ことり先輩のすらっとした所が綺麗だなあ…って!」


「全然、すらっとしてないよ…?」


やっぱりそのルックスもあってか

2人はよく憧れられるみたい

でも…


「私は穂乃果先輩の…!」

「…」


「ゲンキな所が大好きですっ。」

「あ、ありがとう…」


これで、少しは自覚してくれるといいんやけど…ね?
367: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:15:43.89 ID:1fFwQ8gA.net
この日から

海未ちゃん作成のダイエットメニューが開始された


練習の合間をぬって

穂乃果ちゃん達は、走りに行く


神田明神で練習という事で

2人は今、男坂をダッシュしてる



「「すごーい!!」」


「ものすごい再生数ね…!」


ウチらは休憩という事で

ハロウィンイベントの映像を見てたんやけど…

何やら、いつの間にか注目度があがってるみたい


「A-RISEに強力なライバル出現…」

「最終予選は見逃せない、って…」



ふふっ

よかった♪
368: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:17:01.17 ID:1fFwQ8gA.net
「どうやら、今まで通りの自分たちのスタイルで行って。」

「正解やったみたいやね…!」

素直に、嬉しいと思う


「よーし!」

「最終予選も突破してやるにゃー!!」


「…それまでに。」

「2人にはしっかりしてもらわないとね…!」

えりちの言う通り

今出来る事はまず

穂乃果ちゃん達のダイエットを成功させる事




男坂を、2人が重い足取りで上がってくる



「「はあ…はあ…」」
369: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:17:34.88 ID:1fFwQ8gA.net
「な、何これ…?」


「この階段…」

「こんな…キツかったっけ…?」


2人は肩で息してる

…もうちょっと、早く気付けたら

もう少しだけ楽やったかな?



「…アンタ達は今。」

「体に重りつけて走ってるようなもんなのよ?」

「当然でしょ?」


「はい。」

「それじゃあこのままランニング5キロ。」

「スタート…!」


「「ええっ!?」」
370: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:18:01.56 ID:1fFwQ8gA.net
「早く行く!」


「「うう…」」


「何してるんです!」

「さあ、早く!」



「…もう!」

「海未ちゃんの鬼ー!!」


ぶつぶつ言いながらも

しっかり、言う事は聞くんやね


…でも、どこかで反動が出ないと良いけど



「さあ、私達も休憩は終わりです。」

「練習再開しましょう!」



「「はーい!」」
371: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:18:31.85 ID:1fFwQ8gA.net
----


「行ってきまーす!!」

「行くよっ!花陽ちゃん!」

「はいっ!」


あれから1週間

なぜか2人のモチベーションも続いて

ランニングも元気に走るようになった


「頑張ってるにゃー!」

「順調そうね…ダイエットも。」

皆の顔が、明るくなる



「…そうでしょうか。」

「え?」


「この1週間。」

「このランニングだけは妙に積極的な気がするのですが。」
372: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:19:10.04 ID:1fFwQ8gA.net
「気のせいじゃないかなあ…?」

「…ちょっと見てきます。」


そう言うと、海未ちゃんは走り出した


「…どう思う?」

「ウチは…海未ちゃんに一票、かな?」


信じてない訳じゃないけど…

あのモチベーションには、何かある気がする

「でも、頑張ってるのに…」


ことりちゃんが心配そうな顔をする

「…ま、待ってみましょうよ。」

「海未の言ってる事が、合ってるとは限らないんだし。」


「そうよ!」

「私達は先に練習しときましょ?」


真姫ちゃんとにこっちに言われて

ウチらも準備をする



「大丈夫かしら…?」
373: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:19:53.12 ID:1fFwQ8gA.net
えりちの期待は

笑顔の海未ちゃんにかき消される事になった



「…皆様、ごきげんよう。」

「海未…ちゃん?」


「遅くなって申し訳ありません。」

「なにぶん、美味しいご飯を食べていたので…♪」


「「え…?」」

「「ええーっ!?!?」」







「申し訳ございませんでした…」

「…でした。」


「まさか、ランニング途中に定食屋に寄るなんて。」

「これは流石に、予想出来んかったなあ…」


あはは…と笑うけど

みんな、顔がひきつってる


海未ちゃんの笑顔が、元に戻らない
374: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:20:25.28 ID:1fFwQ8gA.net
「…さて、それでは。」

「美味しいご飯を食べて。」

「体力をつけた事ですし…」



「軽く20キロほど、走りましょうか♪」

「にじゅっ…!?」


「どうされましたか?穂乃果。」

「い、いやあ…」

「流石に、20キロは…」


「…」


「や、やりますやります!」

「ねっ、花陽ちゃん!」


「ええっ!?穂乃果ちゃん…」

「とにかく、フリでもしないと海未ちゃんの怒りが…」


「…何をこそこそ話してるんですか?」


「「い、いえ!別に何も!」」


「…それでは。」

「逝ってらっしゃい♪」



前途多難…そうやね
375: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:29:46.81 ID:1fFwQ8gA.net
----

そんな事もあったりしたけど

なんとか2人はダイエットを続けて…

「それでは。」

「これまでのダイエットの状況を報告します。」


「「…はい。」」


「まずは花陽。」

「運動の成果もあって、なんとか元の体重までもどりました。」

「…本当!?」


「しかし、穂乃果!」

「はいっ!?」


「貴女は変化なしです。」

「えーっ!?」

「そんなあ…」


「…それはこっちの台詞です。」
376: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:30:15.18 ID:1fFwQ8gA.net
「本当にメニュー通りトレーニングしてるんですか?」

「してるよ!」

「ランニングだって、腕立てだって…!」


「昨日ことりからお菓子をもらっていた。」

「という目撃情報もありますが。」

「あ、あれは…一口だけ。」


「雪穂の話によると…」

「昨日自宅でお団子も食べていたとか。」

「あれは…お父さんが新作を作ったから味見してて…」


「ではその後のケーキは?」

「あれは、お母さんがもらって来て…」

「ほら、食べないと腐っちゃうから…!」


「…問題外ね。」

にこっちの言う通り

逃げ場は無いよ?穂乃果ちゃん
377: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:30:41.59 ID:1fFwQ8gA.net
「何考えているんです!」

「貴女はμ'sのリーダーなのですよ!?」


海未ちゃんの気持ちも分かる

あんなに一生懸命

穂乃果ちゃん達の事考えてメニュー作ってたもんね

穂乃果ちゃんも、それは分かってると思うけど…



「…穂乃果ちゃん、可哀想。」

「海未は穂乃果の事になると…」

「特別厳しくなるからね。」


「穂乃果ちゃんの事、嫌いなのかなあ…?」


「ううん。」

「大好きだよ?」


ことりちゃんが、真姫ちゃん達に告げる

何となく…

前のえりちとにこっちの関係やんな♪
378: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:32:00.14 ID:1fFwQ8gA.net
「あのー…」

海未ちゃんが穂乃果ちゃんをしかってると

穂乃果ちゃんの友達が顔をだした


「どうしたの?」

「それが…」


「?」





「…どうしたのかしら?」

「海未たちも行った、って事は。」

「生徒会がらみの事じゃないの?」



「えりち…」

なんか、良くない事が起こってる気がする


「私達も行きましょう、希。」

「うん。」
379: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:32:29.75 ID:1fFwQ8gA.net
-----


「穂乃果ちゃん達、どこ行ったんやろ?」

「とりあえず、ここで待ってましょう?」

「帰ってくるだろうし…」


ガラッ


「…!」

「絵里ちゃん…希ちゃん…」

「一体、どうしたの?」

「それが…」



どうやら、手違いで

美術部の本年度予算案を承認してしまったらしい

予算会議はまだだから

事前に承認するなんてありえない事やけど…


でも、今更言っても仕方が無い

どうにかしないと…



「…面倒な事になったね。」
380: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:33:39.44 ID:1fFwQ8gA.net
「…すみません。」

「注意していたつもりだったんですが…」


「海未ちゃんが悪いんじゃないよ…!」

「私が…」


「ううん。」

「私が悪いんだよ…」

「仕事溜めて、海未ちゃん達に任せっぱなしだったし…」


みんな、落ち込んでる

でも、まずはこの状況を変えないと


「その話は後や。」

「今は予算の事、どうにかしないと。」


「…3年生に、美術部OGの知り合いがいるから。」

「私からちょっと話してみるわ。」


「…そうやね。」

それが、今出来る事かな
381: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:35:28.51 ID:1fFwQ8gA.net
「元生徒会長の言う事やったら。」

「強力してくれるかもしれないしね。」


「…すみません。」


えりちと2人で、すぐに動く

時間がかかればかかるほど、こじれて行くから


でも、生徒会室を出ようとした時…



「でも…」

「…?」


「私達でなんとかしなきゃ、駄目なんじゃないかな?」

「…穂乃果ちゃん。」


「自分たちのミスだもん!」

「私達でなんとかするよ!」


「今の生徒会は、私達がやってるんだから…!」
382: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:36:31.89 ID:1fFwQ8gA.net
穂乃果ちゃん…


「でも…!」

えりちを、止める


「希…?」

「…ま、ここは任せてみようや。」

「…」


「それじゃ、3人とも頑張って。」

「…でも、何かあったらすぐに言うんよ?」


「えりちもウチも。」

「支えたい気持ちは一緒やから。」


「…希ちゃん。」

穂乃果ちゃんに、ウインクする


「…さ、えりち行こう?」

「一般の生徒は、下校時刻や。」
383: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:36:57.79 ID:1fFwQ8gA.net
校門の前で、えりちが振り返る


「…」


「気になる?」

「…!」


「あ、いや…まあ。」

「…帰り、パフェでも食べてこうか。」


「…へ?」


「…ウチらが卒業したら。」

「3人でやって行かなきゃいけないんやから。」


「行こっ。」

「…うん。」



-----


「…大丈夫かしら。」

「えりちは心配性やなあ。」


「だって…」
384: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:37:30.47 ID:1fFwQ8gA.net
「凛ちゃんの時にも言ったけど。」

「…信じる事って、大事なんよ。」



「確かに、まだまだあの3人はひよこで。」

「えりちには、遠く及ばんかもしれない。」


「…でも、なんとかしたいって気持ちは、えりちと一緒。」


「ウチは、あの子達を信じてるよ。」

「きっと…上手く行く、って。」


「希…」


「もし、穂乃果ちゃん達が。」

「どうしようも無くなって、助けを求めて来たら。」

「そのときは、ウチらの出番や。」


「…でも。」

「頑張って頑張って、上手くいった時。」



「『お疲れさま』って言う人に、ウチはなりたいんよ。」




「…そうね。」
385: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:38:14.24 ID:1fFwQ8gA.net
「だから、今は待とう?」

「あの子達を信じて。」


「…ええ。」


「それに、えりちの気持ちは分かってるよ。」

「え?」


「…」


「…希?」


「ほら、パフェ食べよ?」

「晩ご飯、入らなくなるで?」



「…これだけ食べて、晩も食べるの?」

「もちろん♪」


「デザートは別腹やん?」
386: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:43:33.40 ID:1fFwQ8gA.net
-----


予算会議当日


ウチらは、生徒会室の外にいた

…やっぱり、気になるのは当然の事やし


「…」

何となく、ウチらの空気も固くなる



『…各部の代表も揃ったようなので。』

『これより、予算会議を始めたいと思います!』


「…!」

「始まった…」


『まず始めに、私から…』

『はい!』

『その前にまず、美術部の件について説明してもらえますか?』


「穂乃果ちゃん…どうするつもりなんやろ?」

「なにか、上手い方法が…?」
387: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:44:10.55 ID:1fFwQ8gA.net
『無い袖は振れません!!』


「「なっ!?」」

2人同時に声が出た


「…お前ら、何してるんだ?」


「…!」


「大方、後輩がちゃんとやってるか心配で…ってとこか?」


「…はい。」


「…大丈夫だよ。」

「え?」


「毎日毎日、家に帰らず遅くまで残って。」

「3人でずっと仕事してたんだ。」

「心配する事なんか、何も無いよ。」


「お前らも、あいつらを少しは信用してやれ。」

「それじゃあな?」
388: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:44:42.24 ID:1fFwQ8gA.net
「「…」」


「「ぷっ…」」


「あはは、結局心配してたんやなあ…」

「信じよう、って言ったのは希なのに。」


「まあ、やっぱり先輩としての想いはあるやん?」

「…そういう事にしておくわ。」


『…勝手ながら…予算案を作成…』


「…もう、大丈夫そうね。」

「そうやね。」


「さ、行きましょう?」

「皆も待ってるわ。」


「どうなったかは、また練習終わってから聞きましょう?」

「はーい!」
389: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:45:08.44 ID:1fFwQ8gA.net
-----


「それで予算通しちゃったのぉ!?」

花陽ちゃんの叫び声

…まさか、自分たちで全部調べ上げて

各部の希望額の8割をねじ込むなんて


時間、かかったはずなのに…


美術部の件も、一応解決したみたい


「ほんっと危なかったー…!」

「でも上手く言ってよかったね♪」

喜ぶのもつかの間

「その前にダイエットです!」


海未ちゃんはぶれないなあ…


「それがさあ…」

「さっき計ったら、戻ってたの!」


「「えっ?」」
390: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:45:38.68 ID:1fFwQ8gA.net
「3人で一生懸命頑張ってたら。」

「食べるの忘れちゃって…」


「分かりやすいにゃー。」



「…とりあえず、3人とも。」


「お疲れさま。」


「希ちゃん…」


「…信じてたよ。」

「ウチも…えりちも。」



「ありがとうっ!!」


そう言うと、ポケットからパンを出す

「穂乃果、それは…!」

海未ちゃんが、食べようとする穂乃果ちゃんを追いかける



戻って来た、いつもの日常
391: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 22:49:00.00 ID:1fFwQ8gA.net
「…生徒会、大丈夫そうやね。」

「ええ…」


「…」


…うん、うまくいってる

何も、心配する事なんて無い



「…」


やるべき事を、見失わないように

自分の役割を、こなせるように


「…」


「…今日もパフェ、食べに行く?」

「…」


「そうやね。」



全部、上手くいってる


上手くいってる…はずなのに









この気持ちは一体、なに?
399: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:27:35.77 ID:InKJOns4.net
Side Story

あのダイエットの裏で

Another Side: H
400: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:28:08.29 ID:InKJOns4.net
「かよちん、お疲れさま!」

「お疲れさま、凛ちゃん。」



「それじゃ、早速帰るにゃ!」

「ちょ、ちょっと待ってよぉ…」



練習が終わって

いつもの、帰り道

今日は真姫ちゃんは用事があるみたいなので

私と凛ちゃんだけで帰ります




「あ、かよちん!」

「ちょっと公園寄って行かない?」


凛ちゃんの一言で

少しだけ、帰り道から外れた公園に


…何より

いつもの帰り道だと

商店街が近いから、いいにおいがして…
401: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:28:31.91 ID:InKJOns4.net
ダイエット中の身なので

買い食いなんて、もってのほか

それに、ただでさえお米が食べられないとなると…

うう…


「…かよちん?」


凛ちゃんも気遣ってくれて

2人でいるときは、ご飯の話を避けてくれます


…いつもなら

今日みたいに練習が早く終わるときは

『ラーメン食べに行くにゃ!』

って、お誘いが来るけど…


私の事を考えて

凛ちゃんも我慢してくれています
402: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:28:59.37 ID:InKJOns4.net
「かよちん…大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ?」


「海未ちゃんも、もう少しかよちんに優しくしてくれてもいいのにっ。」

ぷくっとむくれる凛ちゃんは可愛いけど


「…でも、こうなったのは花陽のせいだもん。」

「でも…」


「大丈夫だよ、凛ちゃん。」

「海未ちゃんは確かに厳しいけど…」

「私達の事、一生懸命考えてくれてるんだもん。」


「頑張って、ダイエットするから。」


「…うん。」


私の事になると、すごく優しい凛ちゃん

でも、花陽はちょっと不満です
403: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:29:26.42 ID:InKJOns4.net
「…あれ?」

「花陽ちゃん、凛ちゃん。」


「…!」


優しい声に振り返ると

希ちゃんが立っていました


「こんばんは、希ちゃん。」

「こんばんは、花陽ちゃん、凛ちゃん。」

「こんばんは!」


「二人とも、まだ帰ってなかったん?」


「うん!」

「かよちんと、ちょっと公園で遊んで行こう、って!」


「そっか♪」

くすくすと笑う、希ちゃん
404: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:29:56.85 ID:InKJOns4.net
「…2人とも、ご飯はまだやろ?」


「「…?」」


「よかったら、家に来ない?」

「ごちそうするよ♪」


「ほんとにっ!?」

凛ちゃん、とっても嬉しそう


「あ、でも…」

あんまり食べれないのも、希ちゃんに悪いし…


「…心配しなくて良いよ、花陽ちゃん。」

「花陽ちゃんのメニューも、海未ちゃんに聞いて来てるから。」


「えっ…?」


「なら、問題ないにゃ!」

「行こっ?かよちん!」


「…うん///」
405: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:30:33.87 ID:InKJOns4.net
-----


「美味しかったにゃー…」

「ほーら、凛ちゃん。」

「食べてすぐ寝たら、牛になるよ?」


「凛は猫さんがいーにゃー…」


「ふふっ。」


希ちゃんは、ちゃんと海未ちゃんのメニュー通り

美味しいご飯を、作ってくれました

ちょっとだけ、メニューよりも豪華だったけど


希ちゃんたちも、同じ物を食べてくれて

…なんだか、ちょっとだけ嬉しかったです



「そういえば、どうして今日呼んでくれたの?」

素朴な疑問


「最近、にこっちに料理習ってて。」

「その、味見役…かな?」


希ちゃんは、いつも笑顔
406: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:31:31.38 ID:InKJOns4.net
「それにしても…」

「希ちゃんって、一人暮らしだったんだね!」


「…あれ、言ってなかったっけ?」

「うん。初耳…だよ?」


「…そっか。」


「寂しくないの?」

「まあ、1年生の時から、一人やから。」

「もう、ほとんど慣れたよ?」


いつもの、笑顔




…でも、なんだかちょっとだけ悲しそうな


「じゃあじゃあ!」

「今度から、凛達が遊びにくるにゃ!!」


「ふふっ…いつでもどうぞ♪」


いつもの…希ちゃんだ
407: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:31:59.63 ID:InKJOns4.net
希ちゃんの部屋を見渡して

ふと、棚の上に目を止めます


倒れた写真立てが、そこに

ぶつかっちゃったのかな?


そっと、手を伸ばすと…

「…それじゃあ2人とも。」

「…!」

「準備して行こっか♪」


「「…?」」


「どこにいくの?」

「花陽ちゃんのダイエット、手伝おうと思って♪」



「裸のお付き合い…やね♪」


「…へっ?///」
408: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:48:27.21 ID:InKJOns4.net
-----


「…生き返るにゃー。」


連れてこられたのは、銭湯でした

凛ちゃん、すっごく気持ち良さそう


「たまには、こういうのもいいね。」

「そうそう。」

「あんまり、ダイエットばかりに気を取られてもあかんよ?」


「でもでも!海未ちゃんも、もう少し優しくしてもいいのに!」

「こんなにやる事押し付けて、かよちんも可哀想にゃ!」

「凛ちゃん…」

また、この話題


「ねえ、希ちゃんもそう思わない?」

「うーん…」


「まあ、凛ちゃんの言ってる気持ちも分かるよ?」


希ちゃんも、同じ気持ちなのかな…?


…そんな事、ないのに
409: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:48:46.99 ID:InKJOns4.net
「…でもな、凛ちゃん。」

「ウチは、海未ちゃんの方が正しいと思うよ?」


…え?


「えーっ!?どうして?」

「かよちん、すっごく我慢してるんだよ?」

「もうちょっとご飯とか、食べさせてあげても良いと思うにゃ!」




「…凛ちゃんは、ほんとに花陽ちゃんの事が好きなんやね。」

「もちろん!」

「…///」



「…でも、時にはその好意が。」

「人を駄目にする事もあるんよ。」


「…どういう事?」


「凛ちゃんは、分かると思うんやけどなあ…」
410: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:49:26.98 ID:InKJOns4.net
「凛が?」

「そう。」

「凛ちゃんやから、分かると思うんよ。」

「…」


希ちゃん、もしかして…


「…ファッションショーの時の事、覚えてる?」

「…?」


「あの時、凛ちゃん。」

「自分には似合わないって、断り続けてたやろ?」

「…でも、本心じゃどうだった?」


「着てみたいって。」

「可愛くなりたい、って。」

「…思ってたんと違う?」



「…うん。」
411: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:49:55.93 ID:InKJOns4.net
「でも、凛ちゃんはそれが言えなくて。」

「花陽ちゃんが、最初着る事になった。」

「…そうやろ?」


「うん。」


「花陽ちゃん、すっごく悩んでたんよ?」

「あんまり凛ちゃんを困らせたくない、って。」


「…」

希ちゃん、知ってたんだ


「でも、花陽ちゃんは。」

「凛ちゃんの気持ち、分かって。」

「ウチらに、頼んだんよ。」


「凛ちゃんの気持ち、無駄にしたくない、って。」


「かよちん…」
412: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:50:20.77 ID:InKJOns4.net
「花陽ちゃんは、凛ちゃんの気持ちに気付いてた。」

「だから、結果としてああなった。」


「…じゃあ、凛ちゃんは。」

「花陽ちゃんの気持ちに、気付いてる?」


「…え?」


「花陽ちゃんが、海未ちゃんの決めた事に不満をもらした?」

「やりたくないって、言った?」


「それは…」


凛ちゃんが、下をむく



「ウチはな?凛ちゃん。」

「凛ちゃんには、花陽ちゃん達を支える人になってほしいんよ。」


「支える人…?」
413: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:50:59.84 ID:InKJOns4.net
「今回の事も。」

「言ってしまえば、花陽ちゃんの自己責任やん?」



「だからこそ、花陽ちゃん自身がどうにかしないと駄目。」

「…やろ?花陽ちゃん。」


「…はい。」


「でも、花陽ちゃんはちゃんと決めて。」

「海未ちゃんのメニューをこなして、頑張ろうとしてる。」

「確かに、ダイエットはしんどいと思うし。」

「よく…頑張ってると思うよ。」


「でも、花陽ちゃんはそれで頑張ろうとしてるのに。」

「凛ちゃんが海未ちゃんのやり方を否定しちゃったら。」

「…それは、花陽ちゃんの頑張りも否定する事になるんよ?」



「…!」
414: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:51:26.18 ID:InKJOns4.net
「凛ちゃんが、花陽ちゃんの事を大事に思ってるのは分かるよ。」

「同じように、他のμ'sのメンバーの事、思ってくれてるのも分かる。」


「…だからこそ。」

「その気持ちに、気付いてあげてほしい。」


「その想いを、頑張りを。」

「支えてあげられる人になってほしい。」


「…」


「今、花陽ちゃんはしんどくても頑張ってる。」

「それは、隣にいる凛ちゃんが一番分かってるはず。」


「…頑張ってるのに、結果が出ないなんて事は無い。」


「必ず、結果は出るから。」


「希ちゃん…」

「かよちん…」


「…」
415: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:52:03.16 ID:InKJOns4.net
「…私ね、凛ちゃん。」

「確かに、海未ちゃんのメニューはしんどいよ?」

「ご飯も食べられなくて、辛い、って思うときもある。」

「…でもね。」

「それ以上に、皆に迷惑をかけてるのが嫌なの。」

「皆を心配させてるのが嫌なの。」



「希ちゃんの言った通り。」

「こうなっちゃったのは、花陽の責任だから。」


「だから、凛ちゃんの気持ちも嬉しいけど。」

「今は、頑張りたいの。」



「μ'sに入れて、本当に嬉しい。」

「いっぱい、幸せ、って感じる事があった。」


「だから、今は辛いけど…頑張れるの。」


「海未ちゃんの気持ちも、みんなの気持ちも分かるから。」
416: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:52:36.93 ID:InKJOns4.net
「だから、海未ちゃんも厳しくしてるんだと思うの。」

「海未ちゃんは、もっとずっと先を見てる。」

「私達の事を考えてくれてる。」


「海未ちゃんだって、きっと辛いはずだよ?」

「でも、だからこそ頑張りたいの。」


「海未ちゃんが、花陽なら出来る、って作ってくれたメニューだから。」


「凛ちゃんも、我慢してくれてるの知ってるよ?」

「帰り道も、ご飯の話しないし。」

「ラーメンも、全然食べに行けてないよね?」

「…私は、その気持ちに応えたいの。」


「かよちん…」


「だから、ダイエットが成功するまで。」

「花陽の事、応援してくれると嬉しいな♪」
417: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:53:05.47 ID:InKJOns4.net
「…」

「ごめんね、かよちん。」

「凛…!」


凛ちゃんの頭を、そっと撫でます


大丈夫だよ、って

ちゃんと分かってるよ、って



「ごめんね、凛ちゃん。」

「私も、知ってて言えなかったから。」


「違うよ、凛が悪いの…」



「はい、そこまで♪」


希ちゃんが、私達の頭を撫でてくれました

「謝るのはいいけど、そこで終わり。」

「気分が沈んで、良い事なんて無いよ?」
418: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:54:03.00 ID:InKJOns4.net
「…うん。」


「…でも、ウチもごめんな?凛ちゃん。」

「ちょっと言い方、きつかったな。」


「…ううん。」

「希ちゃん、ごめ……にゃっ!?」


希ちゃんが、後ろから凛ちゃんの胸に手を当てて…


「それ以上謝ったら…」

「わしわしMAXやで?」


「は、はい…!」


「ふふっ。」

思わず、笑っちゃいました

…だって、あんなに真剣な話してたのに

もう、こんなに明るくて


「…ありがとう、希ちゃん。」

「どういたしまして、花陽ちゃん♪」
419: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:54:41.92 ID:InKJOns4.net
-----


「…ほら、二人とも。」

少しのぼせちゃった体を冷ますために

休憩所で、希ちゃんがコーヒー牛乳を買って来てくれました


「わーいっ!!」

「ありがとう、希ちゃん!」

「どういたしまして♪」


「は、花陽は…」

結構、カロリー高いし…


「ふふっ。」

希ちゃんは、そんな花陽を見て笑います


「…いつも、ダイエット頑張ってるから。」

「これは、ご褒美って事で。」

「海未ちゃんには、ウチから言っとくから…ね?」

「我慢ばっかりも、しんどいよ?」


そう言って、私に差し出します
420: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 22:55:06.66 ID:InKJOns4.net
「そうそう!」

「これ一本ぐらい、大丈夫にゃ!」

「凛ちゃん…」


「また明日から、もうちょっとだけ頑張るために。」

「少しだけご褒美があっても、いいんと違う?」



2人に言われて、それに口をつけます


「…美味しい。」

2人が、すっごく笑顔になりました


「また明日から、頑張ろう?」

「凛も、一緒に頑張るから!」


「ありがとう、凛ちゃん。」


花陽は、こんな素敵な友達を持てて

本当に、幸せです
421: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 23:10:20.78 ID:InKJOns4.net
希ちゃんと別れて

凛ちゃんと、家の方へ

もうどっぷりと日が落ちて

少し涼しくなった夜道を歩きます


「それにしても、希ちゃんはすごいにゃー。」

「凛たちの事気付いて。」

「本当に、いいお姉ちゃんみたいっ。」


「…そうだね。」

本当に、希ちゃんにはいっぱい感謝してます


いつも、私達を支えてくれて


「希ちゃんって、不思議だよね。」

「みんなの思ってる事、何でも叶えちゃうんだもん!」
422: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 23:10:48.77 ID:InKJOns4.net
…そう

いつも希ちゃんは

私達の気持ちを理解してくれて

手助けをしてくれます




みんなの願いを叶えてくれる、希ちゃん



なら



希ちゃんの願いは、誰が叶えるんだろう?




------


次の日

海未ちゃんに伝えとく、とは希ちゃん言ってましたけど

やっぱり、自分で言った方が良いと思って

海未ちゃんの所にやってきました


「…おや、花陽。」

「海未ちゃん…」
423: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 23:11:27.72 ID:InKJOns4.net
少し、言葉に詰まります

…褒められるような事では、ないので



「昨日は、楽しめましたか?」


「…へ?」


「希から、花陽が頑張りすぎている、と話を聞いて。」

「なんとかしてあげたい、と伺った物ですから。」


「それって…」


「おっと、この話は内緒にするようにと言われましたね。」

「花陽も、忘れて下さい。」


「…それから、昨日だけですよ?」

「今日からまた、ダイエットです。」


「海未ちゃん…」



「あまり、無理はしないでくださいね?」

「別のメニューにする事も、出来ますので。」

「…それでは。」
424: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 23:12:17.50 ID:InKJOns4.net
----



「…希ちゃん。」

「花陽ちゃんやん。」

「どうしたん?」


お昼休み

絵里ちゃんに聞くと、屋上にいると思う、って


そしたら、いました


「昨日の事…」

「海未ちゃんから、聞きました。」


「希ちゃんが、計画してくれた事だって。」


「…バレちゃったか。」

「海未ちゃん、言わないように、って言ったのに…」

「後でお仕置きやね♪」


希ちゃんは、恥ずかしそうです
425: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 23:13:10.24 ID:InKJOns4.net
「…ありがとう、希ちゃん。」

「…どういたしまして。」

「花陽ちゃんが少しでも元気になれたなら、良かったよ。」


「…うん。」

「本当に、ありがとう。」

「…」

「希ちゃんは、いつも陰で私達を支えてくれるよね。」

「誰にも言ってない願いだって、叶えてくれる。」


「…買いかぶりすぎやで、花陽ちゃん。」

「ウチは、自分がしたいと思ってる事を、しただけ。」

「それ以上でも、それ以下でもないよ?」



「でもっ…!」

「…それで、叶えてもらってるのも事実だから。」


「…ありがとう。」
426: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 23:14:11.54 ID:InKJOns4.net
「…」

希ちゃんは、複雑な顔をしています


「ありがとう、花陽ちゃん。」

「でも、ウチは。」

「卒業するまでは、みんなを支える存在でありたいんよ。」

「それが、ウチの役割やから。」


「…だから、何も特別な事は無いよ?」

「やりたい事を、やってるだけ。」


「…だったら。」

「今度は、花陽が希ちゃんの願いを叶えたいです。」


「…!」


「みんなの願いを叶えてくれる希ちゃんの。」

「その願いを叶える人に、私はなりたいです。」

「だから…何かあったら、言ってほしいな。」


「花陽も…凛ちゃんも。」

「他のみんなだって…」


「そう思ってる、はずだから。」
427: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/29(日) 23:15:03.30 ID:InKJOns4.net
「花陽ちゃん…」


「え、えっと…///」

「は、花陽ひとりで叶えられることなんて。」

「たいした事じゃないと思うけど…」


「…!」


また、頭を撫でてくれました


「…そんな事、ないよ。」

「…ありがとう。」


そう言う希ちゃんの顔は、どこか寂しげで

昨日、みたような…


「ありがとう。」

「なにか思いついたら、言うね?」


「…はいっ!」

そう言ってもらえた事が嬉しくて

笑顔になった、希ちゃんを見て

笑顔で、希ちゃんとばいばいします




希ちゃんの寂しそうな顔を

…背中に感じる事も、できずに






「ウチの願い…か。」






To Be Continued...
436: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/30(月) 23:54:45.71 ID:oHAXZ+ZN.net
-----



「…それでは!」

「最終予選に進む最後のグループを紹介しましょう!」


「…音ノ木坂学院スクールアイドル、μ'sです!」


「この4組の中から、ラブライブに出場する一組が決まります。」

「では、一組ずつ意気込みを聞かせてもらいましょう!」


「まずは、μ'sから!」

「あ、はい…!」


「私達は、ラブライブで優勝する事を目標に。」

「ずっと頑張ってきました。」
437: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/30(月) 23:55:16.03 ID:oHAXZ+ZN.net
「…ですので!」

「私達は、絶対優勝します!!」


「すすす凄ぉい!」

「いきなり出ました、優勝宣言です!!」


「…あれ?」


「バカ…ッ!」

「言いきっちゃった…」





「ついに…」


「ついにここまで来たんや…!」
438: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/30(月) 23:55:38.66 ID:oHAXZ+ZN.net
-----


「…ほんと、穂乃果ったら何やってるのよ。」

「まあまあ。」

「実際、それが目標なんだし。」

「最初から睨みきかせてどうすんのよ!?」

「これで落ちたら、シャレになんないわよ!?」


「ほら、穂乃果も勢いというか…ね?」

「アンタは、穂乃果に甘過ぎ!!」


「…はあ。」

「まあ、もう言ってしまったものはしょうがないわ。」

「必ず、優勝するわよ。」



「…もちろん。」

「最初から、そのつもりでしょ?」


「…ふんっ。」
439: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/30(月) 23:56:05.05 ID:oHAXZ+ZN.net
「…それで、今日はその最終予選の曲決めでしょ?」

「そうするつもりよ?」


「まあ、それは皆が揃ってからにしましょう?」

「…それより。」


「にこに、聞いておきたい事があって。」


「…?」

「何よ、聞きたい事って。」


「…」


「最近の希、どこか変じゃ無い?」

「希が?」


「ええ。」

「どこか、遠くを見てるような。」

「心、ここにあらず…みたいな。」
440: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/30(月) 23:56:33.26 ID:oHAXZ+ZN.net
「…そう?」

「希は元からあんな感じじゃない?」


「…」


「なにか、思う所があるのね?」


「最初は、卒業するのを寂しく思ってるのかと思ってた。」

「こうして9人揃って、μ'sでいられる時間も少なくなった。」

「その事を考えてるんだと思ってた。」


「…でも。」

「なんだか、それだけじゃ無いような気がして…」


「…」


「にこは、感じない?」
441: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/30(月) 23:57:13.79 ID:oHAXZ+ZN.net
「…私には、普通に見えた。」

「でも、絵里がそう感じるなら…」

「…」


「…にこ?」


「…私は。」

「変わるまでの希しか知らない。」

「変わった後、ずっと一緒にいたのは絵里の方。」


「別に、それが寂しいとかじゃないけど…」

「私には、今の希の心はよくわからない。」

「だから…」


「変わった希を、隣でずっと見て来た絵里が。」

「そう言うのなら、そうかもしれない。」


「にこ…」


「別に、気にしてなんかないわよ?」

「元々、そうなる原因を作ったのはにこ自身だから。」
442: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/30(月) 23:58:34.07 ID:oHAXZ+ZN.net
「でも…!」


「…だからこそ。」

「そんな私を、アイドルにしてくれた希。」

「…今まで、たくさんの物をもらったわ。」


「今、感じるこの想いも。」

「楽しいと思える気持ちも。」


「…全部、あの子からもらったの。」

「絵里も…そうでしょ?」


「…ええ。」


「してあげた、なんて思っちゃいないけど。」

「それでも、希にキッカケを作った私達が。」

「希に救ってもらってばかりで良いと思う?」



「…そうね。」

「今度は、私達が叶える番。」
443: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/30(月) 23:59:15.23 ID:oHAXZ+ZN.net
「…もう希は。」

「陰にいる存在なんかじゃない。」

「一人のアイドルなの。」

「私達の…仲間なの。」


「そんな希の想いを、無駄にしたくない。」



「…」



「…やるわよ、絵里。」

「…ええ、にこ。」



「私達を、大好きと言ってくれた。」

「特別だって…言ってくれた希に。」


「今度は希の、夢を叶えてほしい。」

「私達も…希の事が、大好きだから。」



「…言うわね、絵里。」

「でも、間違いじゃないでしょ?」



「…そうよ。」


「もらったもの以上のものを。」

「…あの子に、返してあげないと。」
447: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:08:37.34 ID:TR5ERdvg.net
ガチャッ

「お待たせーっ!!」

「ほ~の~か~?」

「何堂々と優勝宣言してんのよ!?」

「い、いやあ…勢いで…」


「…ほら、言った通りでしょ、にこ。」

「…ふんっ。」



「でも…実際目指してるんだし。」

「問題ないでしょ。」


「確かに、A-RISEも…」

『この最終予選は…』

『本大会に匹敵する、レベルの高さだと思っています。』

「と、言っていましたしね。」



「そっか…」

「認められてるんだ、私達。」
448: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:09:02.91 ID:TR5ERdvg.net
「それじゃあこれから。」

「最終予選で歌う曲を決めましょう?」


「歌える曲は1曲だから…」

「慎重に決めたい所ね。」


「勝つために…!」

「かよちんの言う通りっ!」



「私は新曲がいいと思うわ!」

「おおーっ、新曲…!」

「おもしろそうにゃっ!」

「にこちゃん、さすがっ♪」


「予選は新曲のみとされていましたから…」

「その方が有利かもしれません。」
449: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:09:34.27 ID:TR5ERdvg.net
「でも…」

「そんな理由で歌う曲を決めるのは…」


「花陽に賛成。」

「新曲が有利って言うのも、本当かどうか分からないじゃない…」


「それに、この前やったみたいに。」

「無理に新しくしようとするのも…」


「ことりの言う事も、もっともですが…」




「…例えばやけど。」

「このメンバーでラブソングを歌ってみたらどうやろか?」



「「…」」


「「ラブソング!?」」






ウチの、ひとつだけの…わがまま
450: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:10:16.49 ID:TR5ERdvg.net
「なるほどっ!!」

「アイドルにおいて恋の歌すなわちラブソングは必要不可欠…!」

「定番曲の中に必ず入ってくる歌の一つなのに。」

「それが今までμ'sには存在していなかった…!!!」

「は、花陽…」




「…」

「希…?」


…やっぱり、えりちは鋭いなあ



「でも、どうしてラブソングって今まで無かったんだろう…?」

「それは…」


「な、何ですかっ!?その目は…」


「だって海未ちゃん、恋愛経験ないんやろ…?」


「…えっ?」
451: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:10:42.45 ID:TR5ERdvg.net
「何で決めつけるんですかっ…!!」

「ひえっ!?」


「じゃあ、あるの!?」

「あるの?」


「なんでそんなに食いついてくるのですか…!」


「あるのっ?」

「あるにゃっー?」

「あるのっ!?」


「なんで貴女達まで…!」


みんなが、海未ちゃんに詰め寄る

…これで、ちょっとは紛らわせたかな?



「海未ちゃん答えて!」

「どっち…!?」

「海未ちゃん…!」
452: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:11:11.28 ID:TR5ERdvg.net
「そっ、それは…」


「…」


「…ありません。」


「なーんだー、やっぱりかー。」

「ビックリしちゃった…!」


「もー、変にタメないでよー!!」

「ドキドキするよー…」


「ううっ…」

「何で貴女達に言われなきゃ行けないんですかっ!!」

「穂乃果もことりもないでしょう!?」


「「…うん。」」



「…にしても。」

「今から新曲は無理ね。」


「真姫…」
453: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:11:55.78 ID:TR5ERdvg.net
「…」

「でも…諦めるのはまだ早いんじゃない?」

「…!」

「絵里…?」



「そうやね。」

「曲作りで大切なんは…」

「イメージや想像力だろうし。」



「…まあ。」

「今までも経験した事だけを詩にして来た訳ではないですが…」


「でも、ラブソングって要するに恋愛でしょ?」

「どうやってイメージを膨らませればいいの?」


「…」

「そうやね…」

「例えば、シチュエーションを作ってみるとか?」
454: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:12:34.12 ID:TR5ERdvg.net
「シチュエーション?」

「恋愛を、疑似体験してみよう、って事で。」


「ちょっと、廊下にでようか。」

「なんだか楽しそうっ!」


「それじゃ、皆で行こ♪」

「はいっ!」




「…なんだか、花陽達仲良くなったわね。」

「それも気になるけど…」

「希が、まさか自分で提案するなんて。」

「あんな希、私も…」


「絵里もそうなの?」

「…にこも、だけど。」



「今まで、大きな決めごとなんかは。」

「ずっと、前に出ようとなんてしなかったのに。」
455: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:12:55.03 ID:TR5ERdvg.net
「積極的になった…とか?」

「このタイミングで?」

「…そうね。」


「一体、何を考えているんだか…」

「でも、あの希がやってみよう、って言ったのよ?」


「…当たり前。」


「仮に失敗に終わったとしても。」

「…決して、無駄にはならないわ。」



「おーい、にこっち!えりちー!」


「ええ、今行くわ。」



「…それじゃ、行くわよ。」
456: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:13:42.49 ID:TR5ERdvg.net
-----


『う、受け取って下さい…!///』


「お、いい感じやん♪」


「シチュエーションをイメージしてみよう、と言う事で。」

「バレンタインの女子にチャレンジ…」

「ですが、これでイメージが膨らむんですか?」


「そうや。」

「こういう時、とっさに出てくる言葉って。」

「結構、重要よ?」


「でも、何でカメラが必要なの…?」

「穂乃果ちゃんも、そっちの方が緊張感出るやろ?」


「…それに。」

「記録に残して、後で楽しめるし…///」


「明らかに後者が本音ね…」

「まあまあ♪」
457: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:14:07.33 ID:TR5ERdvg.net
「じゃあ…次。」

「真姫ちゃんいってみよー!」


「…!」

「な、何で私が…!」

「ほらほら、結局順番は回ってくるんやし…」


「も、もう…」


「それじゃ、ちょっと場所を変えてみようか。」

「中庭に、レッツゴー!!」


「「おーっ!!」」



「いい気な物ね。」

「こっちはアンタに振り回されてるっていうのに…」


「ふふっ、ほんとにね。」
458: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:14:56.43 ID:TR5ERdvg.net
「…」

「…真姫?」

「…!」


「あーっ、真姫ちゃん、恥ずかしいんでしょー?」

「なっ…?」


「だ、だれが!」

「見てなさい!」

「完璧に演じてやるんだからっ!!」



「ハラショー…」

「真姫、お手本にするわね?」


「えっ…」
459: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:15:59.45 ID:TR5ERdvg.net
-----


「3・2・1…キュー!」



『…はいコレ。』

『いいから、受け取んなさいよ…!』


『べ、別に貴女だけにあげた訳じゃ無いんだから…』

『勘違いしないでよねっ。』





「…おおーっ!」

「パーフェクトです…!」

「漫画で見た事あるにゃー!!」



「どう!?これで満足!?」

「…!」


「にこ…?」

「ふんっ。何調子に乗ってるの…?」


「にこ、張り合わないでよ…」
460: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:16:45.03 ID:TR5ERdvg.net
「別に乗ってなんかいないわよ…!!」

「じゃあ、にこっちもやってみる…?」


「ふふっ。」

「全く…しょうがないわねえ…」


「それじゃ、場所変えるわよ!」


-----

にこっちが、リボンをほどく


『どうしたかって…分からないの?』

『…!』

『だめっ!恥ずかしいから見ないで…?』


「「…」」



『もう…しょうがないわね…』

『ちょっとだけよ…?』
461: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:17:13.60 ID:TR5ERdvg.net
『…髪、結んでない方が。』

『前、好きだって言ってたでしょう…?』

『…あげる。』


『にこにーから、スペシャルハッピーなラブ…』


「あ、バッテリー切れた。」

「ぬぁんでよっ!?」




「バッテリーも無くなっちゃったし…」

「今日はここまでかな?」


「ちょっと、もう一度…!」

「はいはい、帰るよー。」



-----



「…結局なにも決まらなかったねー。」

「難しいものですね…」
462: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:17:48.77 ID:TR5ERdvg.net
「やっぱり…無理しない方がいいんじゃない?」

「次は最終予選よ?」


「そうですね…」

「最終予選はこれまでの集大成。」

「今までの事を精一杯やりきる。」

「それが一番大事な気がします。」


「ことりもそれが良いと思う。」

「…うん。」


やっぱり…そうやんね


大丈夫


ただ…何となく、言ってみただけやから



「でも…もうすこしだけ。」

「頑張ってみたい気もするわね。」




「…え?」
463: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:18:15.01 ID:TR5ERdvg.net
「絵里…」

「絵里ちゃんは、反対なの?」


「反対って訳じゃないけど…」

「でも、ラブソングはやっぱり強いと思うし。」

「そのくらい無いと、勝てない気がするの…」



「うーん…そうかなあ?」

「難しい所ですが…」


「それに…」

「絵里ちゃん?」

「…ううん。」

「希の言う事は、いつもよく当たるから。」


「…」

「…!」



「…じゃあ、もうちょっとだけ考えてみようか。」
464: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:20:14.22 ID:TR5ERdvg.net
「私は、別に構いませんが…」


「それじゃあ、今度の日曜日。」

「みんなで集まって、アイデア出し合ってみない?」


「資料になりそうな物、私も探してみるから。」

「希も…それでいいでしょ?」


「…」


「…希?」


「…」

「…へ?」

「ああ…そうやね。」


「…」



「じゃあ、今日はもう帰りましょう。」
466: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:36:45.41 ID:TR5ERdvg.net
-----



「…おかしい。」

「おかしい?」

「絵里ちゃんが…?」


「変じゃない?」

「絵里があそこまで率先してラブソングにこだわるなんて。」


「それだけラブライブに出たいんじゃないかなにゃあ…?」

「だったら逆に止めるべきよ!」

「どう考えたって。」

「今までの曲をやった方が完成度は高いんだし…!」


「希ちゃんの言葉を信じてるとか…?」

「あんなにこだわる所、見た事ある?」


「じゃあなんで…」

「それは…わからないけど。」


「でも、この間まで、希ちゃんも…!」


「花陽?」

「あ、ううん。」

「なんでも…ないよ。」


「「?」」
467: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:37:22.79 ID:TR5ERdvg.net
-----




「…えりち!」


「どうしたの…?」


「…いくらなんでも、強引すぎやない?」

「みんな戸惑ってたみたいやし…」



「…いいの。」

「私がそうしたいんだから。」


「…」

「多分…だけど。」


「ずっと、やりたかったことなんでしょ?」


「…」


「じゃあね!」

そう言って、飴を渡して、えりちは走っていった



「まったく…」

「おせっかいやね…えりちは。」
468: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 22:56:09.78 ID:TR5ERdvg.net
------


おせっかい…


それは、ウチの方か


今まで、して来た事も

相手からしたらおせっかいやんな


…なら、えりちのそれも


「…やっぱり、違うなあ。」


帰ろうと、横断歩道へ向き直る

歩道の信号が、点滅しはじめた


「おっと、早くいかないと…」


歩き出す方向


…とは、逆向きに腕が動く





「…花陽ちゃん。」



信号が、赤に変わった
469: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 23:05:25.37 ID:TR5ERdvg.net
-----



「…ごめんね、引き止めちゃって。」

「ううん。」


「…」

「それで、どうしたん?」


「…ラブソング。」

「ん?」


「あれって、やっぱりこの間の…」


「…ふふっ。」

「やっぱり、花陽ちゃんにはバレてたか。」


「…」


「…ちょっとした、ウチのわがままなんよ。」


「それが…希ちゃんの、叶えたい事?」
470: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 23:06:30.00 ID:TR5ERdvg.net
「…ウチが、叶えたい事は。」

「みんなの叶えたい事を、叶える事。」

「だから、みんなの夢が叶うなら、それで…」


「嘘だよっ!!」


「…花陽ちゃん?」


「私はまだ、希ちゃんの事知らない事いっぱいあるし。」

「絵里ちゃんやにこちゃんほど、仲良くもない…」

「でも、分かるよ!」

「今の希ちゃんが嘘をついてるってことは、分かる!!」


「…」



「…なにか、あるんだよね?」

「だから、ラブソングをつくろう、って。」

「それで、最終予選にでよう、って言ったんだよね!?」


「花陽ちゃん…」

「私、言ったよ!?」

「今度は、希ちゃんの夢を叶えてほしい、って!」

「そのためなら、私も手伝うよ…!」
471: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 23:07:08.53 ID:TR5ERdvg.net
「…」

「だから…教えてよ。」

「希ちゃんの…したいこと。」


「大事な…ともだちだから。」


「…!」

「希ちゃん…」

「…」


「…ウチは。」

「ウチの想いは、変わらんよ。」


「みんなの夢を叶えたいのも、ほんと。」

「ラブライブで優勝したいのも、ほんと。」


「…そこは、みんなと変わらんよ。」


「でも…!」


「…そうやね。」

「夢…なんてだいそれた事じゃ無いんよ。」
472: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 23:07:55.46 ID:TR5ERdvg.net
「ただ…」


「やっと、ここまで来て。」

「皆で、夢を繋いで。」

「その気持ちを、紡いで。」


「そして、ここまで来たウチらやから。」



「…できるなら。」

「そんなみんなで、何かを作りたいんよ。」


「それが…ラブソング?」


「ラブソングじゃなくてもいい。」

「ウチには、それしか思いつかなかったから。」


「この9人で歩んで来た軌跡を。」

「形に…残したいんよ。」



「それが…ウチの夢。」

「みんなと、出会えたから。」


「ウチにとっては…」







「やっぱり、そんな事だろうと思った。」
476: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:04:32.74 ID:7WC7SKGp.net
「…!」


「えりち…」



「聞いちゃって、ごめんなさい。」

「…でも。」


「どうして、相談してくれなかったの?」

「それは…」


「…」

「単なる、ウチのわがままやから。」

「こんな大事な時に、言ったら駄目なのは分かってたけど…」


「なんでかな。」

「花陽ちゃんに言われて…」

「少し、欲が出てしまったんかもしれん。」


「希ちゃん…」


「でも、2人の気持ちも嬉しかったよ。」

「ありがとうな、えりち。花陽ちゃん。」

「…さ、もう遅いし帰ろうか♪」


「「…」」
477: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:05:04.08 ID:7WC7SKGp.net
-----



「…ふう。」

「2人には、悪い事しちゃったかな。」


あんなに、真剣に話されたら…



「ふふっ。」


「…ちょっと、期待しちゃうやん。」


「…あかんよ。」

「今は、最終予選が一番大事なんやから。」


わがまま、言える時じゃない


「それに…ウチの願いは…」


「…ッ!」

「…」


「…グスッ。」


「だい…じょうぶ。」

「また、明日も…」




---きっと、笑える
478: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:05:42.56 ID:7WC7SKGp.net
-----




「…」

「むぅ…」


「…!」

「好きだ!愛してる!!」


「…」


「うあーっ!!」

「こんなんじゃないよねーっ!?」


穂乃果ちゃんが、頭を抱える

今日は前に言ってたように

穂乃果ちゃんの家で、皆でラブソング作り


…でも、思うように行かなくて


「ま、まあ…間違っては、ないわね。」

「…」
479: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:06:16.09 ID:7WC7SKGp.net
「…はあ。」

「ラブソングって難しいんだねえ…」


「ラブソングは結局の所。」

「好きという気持ちをどう表現するかだから…」

「ストレートな穂乃果には、難しいかもね。」


「ストレートと言うより、単純なだけよ…」

「と言ってるにこっちも、ノート真っ白やん。」

「こ、これから書くのよ!」



「…まあまあ。」

「じゃあ参考に、恋愛映画でも見てみない?」


ことりちゃんの提案で、映画を見てみるも…

穂乃果ちゃんたちは寝ちゃうし

海未ちゃんはキスシーンが見れずに画面消しちゃうし…


やっぱり、ここまでなんかな。
480: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:06:44.57 ID:7WC7SKGp.net
「…」

「なかなか映画のようにはいかないわよね。」

「じゃあ、もう一度皆で言葉を出し合って…」


「待って!!」

「「…?」」


真姫ちゃんが、えりちを遮った

「もう諦めた方がいいんじゃない?」

「今から曲を作って。」

「振り付けも歌の練習もこれからなんて。」


「完成度が低くなるだけよ…!」


「でも…!」

「…実は私も思ってました。」

「ラブソングに頼らなくても…」

「私達には、私達の歌がある。」


「…そうだよね。」
481: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:07:12.07 ID:7WC7SKGp.net
「…相手はA-RISE。」

「下手な小細工は通用しないわよ?」


「にこちゃん…」


「でも…!」

「確かに皆の言う通りや。」

「今までの曲で、全力を注いで頑張ろう…?」


「…希?」


「今見たら、カードもそれが良いって。」


---TEMPRERANCE…『節制』のカード


このままやと…

ウチらが、バラバラになる


それだけは…避けないと

ウチの想いなんて、ちっぽけなものやから
482: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:07:43.35 ID:7WC7SKGp.net
「待って希。貴女…」

「ええんや♪」

「一番大切なのは…μ'sやろ?」


「…」



「…?」

「どうかしたの?」


「ううん?何でも無い♪」

「…じゃあ、今日は解散して。」

「明日からみんなで練習やね♪」


「…分かりました。」

「それでは、今日は希の言う通りにしましょう。」

「みんな、帰りましょう。」


「…うん。」


「…」
483: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:08:11.35 ID:7WC7SKGp.net
「希…」

「どうしたん?海未ちゃん。」

「いえ…」

「叶える事が出来ずに、すみませんでした。」


「…!」

「…言ったやろ?」

「一番大事なのは、μ'sやって。」

「大事な目標の為に、努力してるんやもん。」


「みんなが、一つになって頑張れるなら。」

「それに越した事は無いよ。」


「…そうですね。」


「それじゃ、また明日な♪」

「ええ、失礼します。」



「…いこっか、えりち♪」
484: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:08:37.35 ID:7WC7SKGp.net
「…本当にいいの?」

「いい、って言ったやろ?」

「ちゃんと言うべきよ…」

「希が言えば、みんな絶対強力してくれる。」

「それだけの事を、貴女はやって来たじゃない。」



「…ウチには、これがあれば十分なんよ。」

…そして、みんながいれば



「…意地っ張り。」

「えりちに言われたくないなあ…」





----


「…どういう事?」

「一体、何を…」



「それさえ分かれば楽なんだけどねえ…」


「!?」
485: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:09:16.23 ID:7WC7SKGp.net
「にこちゃん…」

「ま、どうせ聞いてもはぐらかされるんだけどね。」


「なんで来たのよ…」

「…別に?」

「ただ、絵里とちょっとした約束があってね。」


「約束…?」


「そろそろ追いかけないと、見失うわよ?」

「…!」


「私の知らない所で何が起こってるのよ。」

「…聞かなきゃ収まんないんだからっ!」



「あ!ちょっと真姫ちゃん!?」

「…はあ。」


「行くしかないわね…」
486: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:09:42.59 ID:7WC7SKGp.net
「…じゃ、また明日♪」

「希…」



「待って!」

「「…!」」

「真姫ちゃん…」



「前に私に言ったわよね?」

「…面倒くさい人間だって。」

「そうやったっけ…?」


「…自分の方がよっぽど面倒くさいじゃない。」

「…」

「気が合うわね。」

「同意見よ。」

「…!」



「…あら、そこはみんな同じみたいね。」


「にこっちまで…!」
487: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:10:17.06 ID:7WC7SKGp.net
「…さあ、希。」

「もう、隠すのは無しよ。」

「逃がさないんだから。」


「そんなにこっち、逃げるだなんて…」


「ごまかそうとしても無駄よ!」


「ここにいる全員。」

「アンタの本音を聞くまで、帰らないんだから。」


「…」



「…わかったよ。」

「とりあえず、家に来て。」


「…ちゃんと、話してくれるのよね?」


「…」


「行こ、3人とも。」


…もう

本当に、面倒な子達ばっかりやね。
489: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:37:41.68 ID:7WC7SKGp.net
-----



「…お茶でええ?」

「あ…うん。」


「一人暮らし…なの?」

「うん。」


「そう…なんだ。」

「って、にこちゃん達は知ってたの?」

「まあね。」

「何回か、お邪魔させてもらってるし…」



「…子供の頃から。」

「両親の都合で、転校が多くてね。」


「…そう。」


「だから…音ノ木坂に来て、やっと居場所が出来たって…」

「その話はやめてよ…」

「こんな時に話すことじゃないよ?」

そう言いつつ、沸いたやかんの火を止める
490: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:38:11.26 ID:7WC7SKGp.net
「…それじゃ、こんな時に話す事を話しましょ?」

「絵里から、私は少し聞いた。でも…」


「ちゃんと話してよ。」

「もう、ここまで来たんだから…」


「ほらね。」

「真姫ちゃんは興味津々みたいよ?」


「茶化さないで…!」


「…そうよ。」

「隠しておいても、しょうがないでしょう…?」


「…」



「…別に、隠していた訳やないんよ?」

「えりちが大事にしただけやん…」



---本当に、そうなん?


---もちろん
491: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:38:58.46 ID:7WC7SKGp.net
「嘘…」

「その程度の事なら、あんな話しないでしょう…?」


「…そんな事ない。」

「希…!」



「…ウチが。」

「ちょっとした希望を持っていただけよ…?」


「いい加減にして!!」

「いつまで経っても話が見えない。」


「どういう事…!?」

「…」

「希…!」






「…簡単に言うとね。」

「夢だったのよ…希の。」


「えりち…!」
492: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:39:38.08 ID:7WC7SKGp.net
「ここまで来て、何も教えない訳にはいかないわ。」

「それに…」


「そうよ。」

「にこ達だって、あんたの事全然分からないんだもの。」

「…話してよ。」


「それとも、私達はその程度の関係なの?」

「…!」

「違う!!」

「そんなんじゃ…」


「…なら、話してよ。」

「私達は、今、何のためにここにいるのか。」


「希なら…分かるでしょ?」

「アンタが…してくれた事なんだから。」


「…」



---ここまで想ってくれるともだちを、見捨てるん?


---そんな事、出来ない
493: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:40:05.89 ID:7WC7SKGp.net
「ラブソングが…夢?」

「…ううん。」

「大事なのは…ラブソングかどうかじゃない。」

「9人みんなで、曲を作りたいって。」


「…」


「一人ひとりの言葉を紡いで…」

「想いを紡いで。」

「本当の意味で、全員で作り上げた曲。」


「この9人が歩んで来た道を。」

「…その、軌跡を。」

「形として、残したい。」


「そんな曲で、ラブライブに出たい。」


「それが…希の夢だったの…!」



---ほら。言ってない事まで、知ってくれてる


---そんなこと、分かってる
494: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:56:32.24 ID:7WC7SKGp.net
「…だから、ラブソングを提案したのよ。」

「上手く…いかなかったけどね。」


「…言ったやろ?」

「ウチが言ったのは、夢なんてだいそれた物やない、って。」


「…じゃあ、何なの?」


「真姫ちゃんの言う通り。」

「希にとって。」

「その想いは…一体なに?」


「…」


「…なんやろうね。」


「ただ、曲じゃなくてもいい。」

「9人で集まって、力を合わせて。」

「何かを生み出せれば…それで良かったんよ。」


「ウチの夢は…皆の願いを、夢を、叶える事やから。」



---本当に?


---うん
496: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 20:58:03.33 ID:7WC7SKGp.net
「ウチにとってこの9人は…」


「奇跡だったから。」


「奇跡…?」


「…そう。」

「ウチにとって、μ'sは…」


『奇跡』



---そんな奇跡の中で、貴女は何を得たの?

---幸せを、知る事が出来たよ


---みんなの事、どう思ってるの?

---もちろん、大好き


---貴女は、願いを叶えたいの?

---みんなの、願いを叶えたい


---みんなの願いを、貴女は知ってる?

---ラブライブで、優勝する事


---もう一つ、彼女達には願いがある事、貴女は知ってる?

---え?






『貴女の願いを叶える事』
498: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 21:19:39.83 ID:7WC7SKGp.net
「…」


「希…」


「…転校ばかりで、友達はいなかった。」

「…当然、分かり合える相手も。」


「毎日。」

「毎日、周りの顔色を伺って。」

「話しかける事もせず。」

「すぐに、また引っ越すから。」

「それまでの、我慢だからって…人を避けてた。」


「音ノ木坂に入学したときも。」

「ここでなら変われるかも…なんて思って。」

「でも、自分じゃ何もしなくて。」

「変わろうと…しなくて。」
500: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 21:21:00.33 ID:7WC7SKGp.net
「…当然。」

「そんな性格のウチに声をかけてくれる。」

「物好きな人なんかいる訳なくて。」


「ここでも一緒。」

「…そう、思ってた。」





「毎日変わらない日々を過ごして。」

「色褪せた景色を見て。」

「友達なんてものの声も聞こえない。」


「…それが、ウチの毎日やった。」




「そんな毎日に嫌気がさして。」

「ひとり、屋上に上がるのが。」

「ウチの、日課になってたんよ。」
501: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 21:21:38.88 ID:7WC7SKGp.net
「…」

「ずっと一人で、空を見上げて。」

「自分の世界がちっぽけな物だって、思ってた。」

「誰も、ウチの事なんか気にしない。」


「それでも、空を見上げてると。」

「少しだけ…こんな悩みも小さく思えた。」




「そんな時に…」

「鈴の音が、聞こえた気がしたんよ。」


「鈴…?」


「その音の方に目を向けたらな?」

「ウチと話す物好きが、そこに立ってたんよ。」


「まあ、その子は最初。」

「ウチの名前すら知らなかったけど。」
502: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 21:22:30.36 ID:7WC7SKGp.net
「…でも、その子が毎日。」

「約束した訳でもない屋上に来て。」

「ウチと、喋ってくれた。」

「何にもないウチに、笑顔をくれたんよ。」


「いつだって、その子はウチを気にかけてくれた。」

「その子の中では、そんな事無かったのかもしれんけど。」


「…それでも、その子は。」

「ウチを毎日、照らしてくれた。」


「…まるで、太陽みたいに。」


「ウチに、暖かさをくれたんよ。」



「このカードも。」

「この喋り方も。」


「全部、その子がウチにくれたもの。」


「とっても…大事な物なん。」
503: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 21:36:40.08 ID:7WC7SKGp.net
「…ある時、その子に聞いた事があるんよ。」

「どうして、ウチなんかに構ってくれるん?って。」


「だって、いつもウチはもらってた。」

「その子に励まされて、手を貸してもらって。」


「それでやっと、頑張る事が出来たんよ。」

「…なにも、ウチはしてあげられてなんか無かったのに。」


「…」


「その子は、答えてくれた。」

「『似ていたから』って。」


「最初は、何を言ってるのか分からなかった。」

「自分で言うのも何やけど。」


「こんな根暗なウチと、対象的すぎて。」

「…言ってる意味が、分からなかった。」
504: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 21:37:22.67 ID:7WC7SKGp.net
「…でも、一緒に過ごしていくうちに。」

「その子は、叶えたい夢のために。」

「何度も挫折して、泣いて。」

「ウチなんか比べられないくらいの、辛い過去もあった。」


「…そんな子が、ウチを見て。」

「変われる、って言ってくれた。」


「何度も何度も励ましてくれて。」

「…ウチに、友達を作ってくれた。」



「あの時は、分からなかった。」

---自分の事で、いっぱいだったから


「…けど、今は分かるよ。」

---貴女もウチと同じ

---『それ』を願った人だから



「ウチに…変わる勇気をくれて、ありがとう。」


「にこっち。」
505: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 22:09:50.19 ID:7WC7SKGp.net
「のぞ…み…」


「ずっとずっと。」

「ウチと一緒にいてくれて。」

「ウチに力をくれて。」


「…ありがとう。」


「そんなこと…」

「ふふっ。」





「にこっちのお陰で、ウチは違う世界を見る事ができた。」

「…ほんとに、嬉しかった。」


「そんなウチを見てた、また物好きな子がいたんよ。」

「その子は、いつでも人の上に立ってるような子で。」

「ウチとは、生きてる次元が違うってくらい、完璧に見える子やった。」



「…そんな子が、ウチを羨ましい、って。」


「そう…言ってくれた。」



「…」
506: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 22:10:19.44 ID:7WC7SKGp.net
「…はじめは、何の冗談かと思ったよ。」

「だってその子は。」

「ウチに出来ないような事を簡単にやってのけて。」

「知らない事を、沢山教えてくれて。」


「…そんな子が、ウチを羨む事なんてあるわけがない。」




「…でも、違ったん。」

「その子は、とても不器用で。」

「下手したら、ウチ以上に人付き合いが苦手で。」


「…」


「…その子もまた、願ってたんよ。」

「変わる勇気が、欲しいって。」



「それを手に入れる事が出来たウチが。」

「…羨ましい、って。」
507: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 22:10:57.21 ID:7WC7SKGp.net
「…根っこが、そっくりやったんよ。」

「重ねて来た想いは違っても。」


「ウチが、友達が欲しかったように。」

「その子も、友達がほしかった。」


「その子についてたイメージを崩せるような。」

「…みんなと、仲良くなれるような。」




「…その時、ウチは思ったんよ。」

「自分がにこっちからもらった物を。」

「今度は、ウチが伝える時やって。」


「それからその子は。」

「もとからの素質もあってか、すぐに皆と打ち解けた。」
508: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 22:11:35.05 ID:7WC7SKGp.net
「…ちょっと、嫉妬しちゃったりもしたんよ?」

「だって、皆の前で笑うその子が、すごく可愛くて。」

「…その顔は、ウチだけが知ってたのにな…なんて。」


「ふふっ。」

「今思い出したら、笑える話なんやけどね。」




「…それからの毎日は凄く楽しくて。」

「すぐに、時間が過ぎて行った。」


「でも…」

「…」



「…良いわよ。」

「もう…済んだ事だから。」




「…うん。」
509: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 22:31:04.74 ID:7WC7SKGp.net
「毎日楽しくて。」

「ずっと、こんな日が続けば、なんて思ってた。」


「…そんな時に、にこっち達のファーストライブがあった。」

「ずっと前から楽しみにしてた事で。」


「けど、あんな結果になって…」

「その時ウチは、にこっちに酷い事言ってしまったんよ。」


「何度もその事を悔やんで。」

「でも、どうする事も出来なくて。」


「恩を…仇で、返したみたいで。」



「…そんな時、その子は。」

「そんなウチの気持ちに同情する訳でもなく。」

「…放っておく訳でもなく。」



「…信じる事を、教えてくれた。」



「にこっちを…」

「自分を、信じる事を。」
510: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 22:31:48.18 ID:7WC7SKGp.net
「それからウチらは、今まで以上に仲良くなって。」

「3人で、遊ぶ事も多くなった。」

「…本当に、楽しかったんよ。」



「…」


「…でも、それも長くは続かなくて。」

「アイドル研究部の…部員の退部が決まった。」






「…正直、耐えれなかった。」

「それを受け入れるだけの余裕がウチには無くて。」


「それをきっかけに、にこっちとはほとんど話す事はなくなったんよ。」

「すごく…辛かった。」
511: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 22:33:45.65 ID:7WC7SKGp.net
「何もかも諦めようとした時。」

「その子は、ウチに手を差し伸べてくれた。」


「ずっとにこっちしか見てなかったウチを。」

「その子は、いつも見ていてくれた。」

「悩んだり、ぶつかったりしたときは。」

「いつも、その子が手を引っ張ってくれた。」



「ウチがあげた、ほんのちょっとのきっかけに。」

「その子は、全力で応えてくれたんよ。」


「…ウチは、その子の事なんて目に入ってなかったのに。」

「自分の事しか、考えてなかったのに。」


「いつだって…その子は。」

「にこっちと同じように、ウチを支えてくれた。」


「ウチを、信じさせてくれた。」

「ウチを…導いてくれたんよ。」



「だから…ありがとう。」


「ウチに、信じる勇気をくれて。」




「…な?えりち。」
512: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 23:07:10.11 ID:7WC7SKGp.net
「…」


「…この2人に出会えて、ウチは変われたんよ。」

「きっとそれは、えりちも…にこっちも、そうやと思う。」


「変わりたいと願ったウチらが。」

「変わろうと、努力した結果。」


「叶えたい想いを、持ってたウチら。」


「…でも。」

「そのときのウチらは、まだバラバラやって。」


「…その後も、同じ想いを持つ人が目の前にいるのに。」

「どうしても、手を取り合えなくて…」


「真姫ちゃんを見たときも。」

「熱い想いはあるけど、どうやって繋がっていいか分からない。」

「そんな子が…ウチらの周りに、溢れてた。」
513: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 23:07:40.67 ID:7WC7SKGp.net
「…」

「そんな時。」

「それを、大きな力で繋いでくれる存在が現れた。」

「想いを同じくする人がいて。」

「それを繋いでくれる存在がいる。」


「その存在が、にこっちと同じ事を、あのステージで言った。」

「ここを、満員にしてみせる、って。」


「…その時、感じたんよ。」

「たった今、この場所に。」

「想いを同じくする人が9人もいる事。」

「年齢も、育って来た環境も違うけど。」

「このメンバーなら、その想いはきっと叶う、って…!」



「必ず形にしたかった…」

「この9人で、何かを残したかった…」
514: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 23:08:20.57 ID:7WC7SKGp.net
「…確かに、歌という形になれば良かったのかもしれない。」

「けど、そうじゃなくても…」


「μ'sはもうすでに。」

「何か大きな物を、とっくに生み出してる。」

「叶えたい物を、叶える力を持ってる。」


「ウチはそれで十分。」

「夢はとっくに…」


「…!」



---それが、貴女の夢?

---そう


---叶えたい願いは、無いの?

---この9人でなら、きっと叶えられる


---もう、迷わないの?

---迷っても、大丈夫


---みんながいるから?

---みんなとなら
515: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 23:08:57.29 ID:7WC7SKGp.net
---自分の想いは、決まった?

---決まったよ


---それじゃ、『私』はもう必要ない?

---今まで、ありがとう


---これからは、貴女が想いを紡ぐんだよ

---分かってる。今度は『ウチ』が、みんなと


---それじゃあ、またね

---うん


---最後に教えて?これからの貴女の、叶えたい事

---もう、ウチだけじゃないよ

---これは…




---『みんなで叶える物語』




「一番の夢は、とっくに…!」









---叶ったんだから
523: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:36:23.95 ID:I0V5+mjB.net
「…だからこの話はおしまい。」

「それでええやろ?」


「…って、希は言うんだけど。」

「どう思う?」


「…」


「そうね。」

「まあ、一言で言うと…」



「面倒臭い人、かな。」

「なっ…!?」


「結局の所、みんなの事しか考えて無いじゃない。」

「…希自身は、どうなのよ。」


「ウチ自身…?」
524: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:36:57.67 ID:I0V5+mjB.net
「そうよ。」

「希の気持ちは分かった。」

「それだけ、μ'sの事を考えてくれている事も。」

「…この2人を、大切に思っている事も。」


「「…」」


「…でも、それは結局。」

「μ'sの為に、希が我慢してるって事じゃないの?」


「そんな事ないよ…!」

「ウチはもう、十分なん。」

「十分…幸せやから。」


「なら、どうして曲を作ろうって言ったのよ。」

「それは、さっきも言った通り…」


「…嘘。」

「やりたいんでしょう?」


「…」
525: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:37:25.92 ID:I0V5+mjB.net
「…希の気持ち、なんとなく分かるのよ。」


「私も、同じだから。」

「真姫ちゃんも…?」


「私も、貴女達と同じ。」

「ずっと…変わりたかった。」


「私をここに連れて来てくれたのは、花陽と凛。」

「そして、穂乃果。」


「…でも。」

「私が、決めたのは。」

「私が、このμ'sに足を踏み入れたのは。」


「…希。」

「貴女が、背中を押してくれたからよ。」


「穂乃果達に作曲を依頼されたときも。」

「講堂での、ライブのときも。」


「…そして、合宿のときも。」
526: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:37:54.62 ID:I0V5+mjB.net
「いつも、希は私達を支えてくれた。」

「前に立たなくても、ずっと皆の事を考えてくれた。」


「そんな希が、やりたい事に。」

「それだけ、想いが詰まった言葉に。」


「私達が、手を貸さないと思ってるの?」

「何のための…ともだちなのよ。」


「真姫ちゃん…」



「…はあ。」

「真姫ちゃんに、全部言われちゃったわね。」


「にこっち…?」


「いーい?希。」

「私も絵里も、真姫ちゃんと同じ気持ち。」
527: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:38:21.94 ID:I0V5+mjB.net
「アンタが、私たちに感謝してくれてるのはわかった。」

「確かに、変わるキッカケをあげたのは私かもしれない。」

「続ける勇気…」

「信じる事を教えたのは、絵里かもしれない。」


「…でも、それで終わりなんかじゃない。」

「アンタは、努力したの。」

「自分の力で、想いで、行動したの。」



「…そして。」

「その行動で、私と絵里は救われたのよ。」


「…え?」


「覚えてないとは言わせないわよ?」


「でも、ウチは何も…」
528: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:38:56.05 ID:I0V5+mjB.net
「…アイドル研究部のファーストライブの時も。」

「絵里と、出会った時も。」

「部員の退部の時も。」

「廃部の危機の時も。」

「希は、いつも私のそばにいてくれた。」

「私のために、動いてくれた。」

「希の言葉に、行動に、私は動かされたの。」


「…変わらなきゃって、思えたの。」




「…そうよ?希。」

「私がみんなと打ち解けられたのも。」

「生徒会に、入った時も。」

「廃校を阻止するために動いた時も。」

「貴女は、私と共に歩んでくれた。」


「私が道を踏み外した時だって。」

「…貴女はちゃんと、私の事を理解してくれた。」
529: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:39:24.84 ID:I0V5+mjB.net
「…そして、何より。」

「私達を…μ'sに、入れてくれた。」


「でもそれは、穂乃果ちゃんが…!」


「…希。」


「私も、にこも。」

「穂乃果の言葉だけじゃ、動かなかった。」

「変なプライドに縛られて。」

「私達は、自分しか見えていなかった。」



「そんな私達に、声をかけてくれたのは。」

「…他でもない、希自身なのよ。」


「貴女にとっては、何気ない一言だったのかもしれない。」

「…それでも、その言葉に救われたの。」


「ウチが…?」
530: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:40:01.48 ID:I0V5+mjB.net
「貴女は、今まで自分がしてきた事に気付いてないだけ。」

「その言葉に、私達がどれだけ感謝してるかを分かってない。」


「今ここにいないみんなだって、そう思ってる。」

「…それは、間違いなく言える事よ。」


「えりち…」



「いい加減、気付きなさいよ。」

「アンタはもう、このμ'sに必要な存在なの。」


「このμ'sを作った、第一人者なの。」

「ともだちなんかよりも…ずっと。」


「ずっと大事な、仲間なの。」

「…親友だと、思ってる。」


「そんな希が、叶えたい夢なら。」


「それはもう…」



「私達みんなの、夢なのよ。」
531: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:40:47.87 ID:I0V5+mjB.net
「…!」



「…さあ、希。」

「貴女の叶えたい夢は、何かしら?」


「…ウチの、叶えたい夢。」


「そうよ、希。」

「私達は、いつだって貴女の味方なんだから。」


「…もう、アンタは。」

「音ノ木坂学院スクールアイドルμ'sの、東條希なのよ。」


「私達はいつだって、希のそばにいるから。」


「ウチは…」


ウチの、叶えたい夢は…

今一番、やりたい事は…



「みんなと一緒に、最高の曲を作りたい…!」



「「「合格っ♪」」」




---また…あの、鈴の音が聞こえた
532: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:41:31.22 ID:I0V5+mjB.net
「えりち…にこっち…」

「真姫ちゃん…」


「ウチ…」

「ウチ…!」


ピンポーン


「…?」

「ちょっとごめんな…?」




「…絵里も、なかなか粋な事するじゃない。」

「…何の事かしら?」


「…ホント。」

「面倒な人ばっかりなんだから…」


「真姫ちゃんはどうなのかなー?」

「にこちゃん、うるさい。」


「なぁっ!?」
533: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:42:01.52 ID:I0V5+mjB.net
「はーい…」

ガチャッ


「…え?」


「…こんばんは、希ちゃん。」

「花陽ちゃん…?」


「凛たちもいるにゃー!!」

「凛ちゃん…それに、みんなまで…」


「…水臭いですよ、希。」

「言ってくれれば、私達だって協力したのに。」


「海未ちゃん…」


「え、でも、なんで…?」



「ごめんね、希ちゃん。」

「私が、話しちゃったの。」


「花陽ちゃん…」
534: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:42:31.21 ID:I0V5+mjB.net
「もう、ビックリしたよー!」

「花陽ちゃんから話聞いてたら。」

「いきなり絵里ちゃんから希ちゃんの家に来て、ってメールくるんだもん!」


「えりちが…?」



「…ほら、そこにいると迷惑でしょ?」

「とりあえず入って?」


「…えりち、どういう事?」



「…」

「みんな、貴女の力になりたいと思ってるのよ。」


「希ちゃん、みんなで力を合わせて、頑張ろう?」

「ことりちゃん…」



「早く入ってきなさいよー!」



「「お邪魔しまーす!!」」
535: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:43:00.95 ID:I0V5+mjB.net
「…希ちゃん。」


「いつも、私達を支えてくれて、ありがとう!」



「穂乃果ちゃん…」


「花陽ちゃんから聞くまで、全然気付けなかったの。」

「希ちゃんが、どういう気持ちで、私達を支えてくれたのか。」

「いつもいつも、ありがとう、って伝えたかった。」

「…でも、希ちゃんはそんな事当たり前、って感じで。」

「私達も…それが普通になってたんだと思う。」



「…だから、今度は私達の番!」

「みんなで、希ちゃんの夢を叶えるよ!」


「私達は、9人でμ'sなんだから!!」


「みんな…」
536: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:43:38.37 ID:I0V5+mjB.net
「…これは、私達からのクリスマスプレゼントよ。」

「μ'sから。」

「μ'sを作ってくれた女神様に…ね?」


「…!」

「みんなの想いを、言葉で紡ぎましょう。」


-----



「みんなで言葉を出し合ってか…」

「…?」

「これって、前の写真立て…」


「…!」


「あっ…!!」


慌てて、花陽ちゃんから取り上げる

だって、これは…



あの、講堂でのライブの…
537: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:44:09.17 ID:I0V5+mjB.net
「そういうの飾ってるなんて…意外ね♪」


「べ、別にいいやろ…?」

「ウチだって、そのくらいするよ…」




「ともだち…なんやから///」


「希ちゃん…!」

「可愛いにゃーっ!!」


凛ちゃんの飛びつきを、枕で防ぐ

だって…はずかしいやん…!



「…もう!笑わないでよ!!」

「話し方変わってるにゃー!!」


「ふふっ。」

「…!」


えりちに、抱きとめられる
538: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:44:38.76 ID:I0V5+mjB.net
「…暴れないの。」

「たまにはこういう事もないと…ね?」


「…もう。」

みんな、おせっかいなんやから…




「あっ…見て!!」

穂乃果ちゃんに指差されて、外を見る


…夜空に降る、雪



「外でてみようよ!!」

元気なその一言に、みんなが賛成する



「突撃にゃーっ!!」


「ちょっと!近所迷惑に…」


「まあ、いいやん。」

「…な?えりち。」



「…そうね。」
539: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:45:11.43 ID:I0V5+mjB.net
「…ほら、希。」

「行きましょ?」


「真姫ちゃん…」


「…」


「ありがとう。」

「…どうしたのよ?改まって。」



「もちろん、みんなにも感謝してるよ。」

「…でも、真姫ちゃんがあんな風に思っててくれたなんて。」

「ウチ…知らなかった。」


「お互い様でしょ?」

「全然、本音を言わないのは。」

「…自覚、あったんやね♪」


「…!」

「もうっ…!!」
540: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:45:56.16 ID:I0V5+mjB.net
「…ありがとう。」

「…別に。」



「希のため…だけじゃないわ。」

「…!」

「それって…」



あの、合宿の時の…


「もう、希ひとりの夢じゃないんだからっ。」


そう言って、真姫ちゃんに手を取られて、外へ



「わあ…!」


舞い散る雪を、輪になって見上げる

落ちてくる雪の結晶が


手の中で、すっと消える
541: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:47:00.84 ID:I0V5+mjB.net
「…想い。」

穂乃果ちゃんが、呟く

まるで、みんなの想いが重なったように


「…メロディ。」

また聞こえた、あの鈴の音


「…予感。」

この9人なら、叶えられる…確信とも、言えるもの


「…不思議。」

バラバラだったウチらが、ひとつになれた理由


「…未来。」

描いて行ける、ウチらのこれから


「…ときめき。」

みんなの心が、言葉が、胸を弾ませる
542: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 19:48:02.91 ID:I0V5+mjB.net
「…空。」

あの日見上げた空が、みんなのお陰で色づいた


「…気持ち。」

もう、自分ひとりのものじゃない



みんなの願いは、ウチの願い

ウチの願いは、みんなの…


降り注ぐ雪の中

…少し大きな、その結晶


手に落ちたら、すぐに無くなった

…けど、どこか暖かい


心が、とっても暖かいんよ


愛情や、友情や、情熱や

ウチらの想いを、束ねた、この気持ち


これを一言で表すなら…



「…好き。」


これ以外に、ない






---ありがとう、これまでの『ウチ』

---見守ってるよ、これからの『私』





静かな空に

またあの、鈴の音が聞こえた---気がした
547: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:47:32.82 ID:I0V5+mjB.net
-----


「んんーっ…」

「もう朝か…」


冷たい床に、足を下ろして

…そっと、カーテンを開けてみる



「おお…!」

見渡す限りの、白銀の世界


窓を開けて、空気を吸い込む

澄んだ空気が肺に入って

白い息がこぼれる


「…応援、してくれるん?」

何となく、呟いた



「神様の、いたずらかな?」



---最終予選が、始まる
548: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:48:11.36 ID:I0V5+mjB.net
----


「おっとと…」

制服を来て、外に出る

思ったよりも雪が深くて

思わず足を取られた


「…穂乃果ちゃん達、大丈夫かな?」


生徒会のメンバーは

今日は新入生の学校説明会があって、遅れてくる

出場までには十分、時間に余裕があるけど


…なんとなく、不安になる


「…あかんあかん。」


「きっと…大丈夫。」


願えば、きっと叶うから
549: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:48:39.78 ID:I0V5+mjB.net
-----


ピンポーン


かじかんだ手で、チャイムを鳴らす

…まだ、支度中かな?



扉が開いて

綺麗な金色の髪が目に入る

「希…!」


「おはよ。」

「まだ着替えてなかったん?」


「…!」

「す、すぐ…用意して来るわ。」



「えりち…」

「…?」

「もしかして…緊張してる?」


「…さっきまで、ね?」
550: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:49:17.69 ID:I0V5+mjB.net
そういって、着替えに部屋に戻る


…よかった

大丈夫そう


あとは…



「おまたせ、希。」

「…それじゃ、行こうか♪」



「にこのところへ…でしょ?」


「えりち…」



「何となく…」

「希なら、そう言うんじゃないか、って。」


「…ふふっ。」

「付き合いが長いのも、困り者やね。」


「…ほんとにね。」
551: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:49:44.32 ID:I0V5+mjB.net
-----


ピンポーン


ガチャッ

…パタン


開いた扉を、すぐに閉められた


…ガチャッ

「…」


「にこっち、おはよ♪」

「なんでアンタ達がくるのよ…?」



「…ッ!!」


扉に、足を挟む

…にこっちの考えてる事くらい、お見通しや♪



「…希がね?3人で行きたい、って。」

「なんで…!?」
552: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:50:22.90 ID:I0V5+mjB.net
「…ウチやないよ?」

「カードがね♪」


このカードにも、だいぶお世話になったなあ…


「一度くらい3人で行かないと。」

「後悔が残るかもしれない、って。」


「なによそれ…」


「素直じゃないでしょう?」

「…絵里もね。」

「…へ?」


「ふふっ。」


やっぱり、にこっちも分かってる

多分、えりちも



…これが、ウチら3人
553: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:50:44.62 ID:I0V5+mjB.net
「…待ってて。」

「すぐ準備するわ。」


「…」


「…寒いから、中入ってなさいよ。」

「それじゃ、お言葉に甘えて♪」






「あ、希さん!絵里さん!」

「久しぶり、こころちゃん。」


「ねーねー、希お姉ちゃん!」

「こっち来て!」


「え?ちょ、ちょっと…!」

ここあちゃんに引っ張られて

にこっちの家のベランダに向かう
554: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:51:14.57 ID:I0V5+mjB.net
「わあ…これって…!」

「どうしたの?希。」


「えりち、これ…」


「…!」

「ハラショー!!」


「虎太郎が作ったの!」

「似てるでしょ!!」


「みゅーずー。」


「ふふっ。」

「ありがとう、虎太郎くん。」



「がんばれー。」

「私達も、見に行きますので。」

「頑張って下さい!」


「…うん、ありがとう。」

「絶対、予選突破するな♪」
555: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:51:36.29 ID:I0V5+mjB.net
「お待たせ。」

「行くわよ、2人とも。」


「はーい♪」


「それから…」

「…?」



「ここまで、ありがとね。」

扉に手をかけて、にこっちが言う

顔は、見えない


「…これで、終わりじゃないから。」

「そうよ、にこ。」



「…そうね。」


「さあ、行くわよ!!」



「「おーっ!!」」
556: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:52:09.02 ID:I0V5+mjB.net
----


「…そう。」

「それは、仕方ないわね。」


「…」


「分かったわ。」

「私から事情を話して、6人で進めておく。」



…どうやら、説明会が押してるみたいで

穂乃果ちゃん達の到着も遅れそう


それに何より、一番気になるのは…



「すごい…」

「ここが、最終予選のステージ…」

「大きいにゃー…」
557: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:52:56.51 ID:I0V5+mjB.net
「あ、当たり前でしょ…?」

「最終予選の、ステージなんだから…」

「なに、ビビってんのよ…」


そう言うにこっちの膝も、笑ってる

今までで一番大きいステージ

埋まるであろう、観客席


経験した事の無いスケールの緊張感に

みんなが、気圧されてる


…これは、まずい

どうにかしないと


…空気に、飲まれてしまう

「凄い人の数になりそうね…」


6人じゃ、無理や

「これは、9人揃ってからじゃないと…」


ウチも、少し弱気になった
558: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 22:53:22.81 ID:I0V5+mjB.net
-----


時間も過ぎて

辺りは少し暗くなる


刻一刻と迫る出演時間に

みんなの空気も、少し固い


時間が来て

ステージのライトアップが始まる

「今からここで歌うなんて…!」

「綺麗だにゃー…」


「…本当にここがいっぱいになるの?」

「この天気だし…」


「きっと大丈夫よ。」





「…びっしり埋まるのは間違いないわ。」

空気が、一気に張りつめる


「ツバサさん…」
559: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 23:16:26.83 ID:I0V5+mjB.net
「完ッ全にフルハウス。」

「最終予選にふさわしいステージになりそうね♪」


完全にフルハウス、って…どういう意味やろ


「あ、A-RISE…」

「駄目よ、もう対等。」

「…ライバルなんだから。」

真姫ちゃんが、にこっちを止める



「…どうやら、全員揃ってないようだが。」

「あ、ええ…」

「穂乃果達は、学校の用事があって遅れています。」

「本番までには…なんとか。」


えりちも、A-RISEの気迫に圧されてる


…なんだか、胸が熱い
560: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 23:17:00.05 ID:I0V5+mjB.net
「…そう。」

「じゃあ、穂乃果さん達にも伝えて?」

「今日のライブで、この先の運命は決まる。」

「互いにベストを尽くしましょう?」


「でも…」

「私達は負けない。」


「「…」」



…なんでみんな、そんな顔するんよ

なんでそんなに、不安なん?

A-RISEが現れたから?

穂乃果ちゃん達がいないから?



「…そんなの、関係ない。」

「…?」





「ウチらも、負けません!!」
561: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 23:17:47.33 ID:I0V5+mjB.net
思わず、口からでた言葉

…でも、もう止まらない


「ツバサさん達が努力してきたように!」

「ウチらも、努力してきました!」

「勝ちたいって願って、ここまで来ました!」


「何度だって壁にぶつかっても。」

「このメンバーで乗り越えてきました!」

「この9人で、夢を叶えてきました!」


「…穂乃果ちゃん達は、必ず来ます。」

「そして、9人で最高のステージにします。」



「…貴女達には、負けません!!」



「希ちゃん…」



…言っちゃった

でも、不思議と


後悔はしてない
562: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 23:18:13.01 ID:I0V5+mjB.net
「…ふふっ。」

「あはははっ…!」


「…やっぱり面白いわ、希さん♪」

「貴女と知り合えて、良かったと思ってる。」



「…でも、私達だってその気持ちは同じよ。」

「一番になるために、ここに来た。」

「勝つために、努力を重ねて来たのだから。」


「…」


「…でも。」

「貴女の言葉は、どこか信じてみたくなる。」


「ステージで、会いましょう。」


「…希。」


「…!」




…なんとなく、認められた気がした




本番まで---あと、少し
573: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 01:46:28.98 ID:HrRoR8KT.net
A-RISEの人たちは、控え室に

また、空気がしん…となる


「…いたっ!?」

にこっちに、背中を叩かれる

「何するんよ、にこ…ッ!!」


えりちにも、同じように叩かれた


「え、えりち…?」


真姫ちゃんも、凛ちゃんも、無言で叩いてくる

花陽ちゃんは、軽くタッチやったけど


「…もう、みんな何するんよ!?」


ウチに、ばしばし叩かれる理由なんか…




「良く言ったわ、希。」


「…へ?」
574: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 01:46:59.74 ID:HrRoR8KT.net
「希ちゃーんっ!!」

訳も分からないうちに、凛ちゃんに飛びつかれる


「…ど、どういう事?」


状況が飲み込めず、変な顔をした


「どうもこうも。」

「…よくあのA-RISEにあんな口叩けたわね。」





「…だって。」

「だって、悔しいやんか。」


「これまで、ずっと頑張って来たのに。」

「何も言い返せないと、全部意味が無くなりそうで…」


思わず、下を向く



「…こら。」
575: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 01:47:40.36 ID:HrRoR8KT.net
にこっちに、頬をつねられた


「…ひはいよ、ひほっち。」


「…よく言った、って褒めてるの。」


「…へ?」



「あのA-RISEに、良く言ったわ。」

「…ありがとう。」



ぱっと、手を離される


「…覚悟は決まった。」

「みんなもそうでしょ?」





「…絶対、勝つわよ!!」


「「おーっ!!」」
576: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 01:48:06.98 ID:HrRoR8KT.net
みんなの気持ちが、少しでも楽になったなら

間違いでは…なかったんかな



思わず口に出た言葉を、みんなは受け入れてくれた

ウチらの緊張は、少しほぐれたみたい


…でも、状況は変わらない


また、ウチらは新たな問題に直面する事になる



「…雪、止まないね。」


昼からは晴れると言っていた雪が

未だに降り続いている


…という事は

足下に雪が積もり続けるということで
577: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 01:49:24.00 ID:HrRoR8KT.net
「…行こう、みんな。」


「希?」


「穂乃果ちゃん達は、必ず来る。」


「…なんでそう言いきれるのよ。」



「カードが…」


「ううん。」





「…ウチが、そう信じてるから。」

「穂乃果ちゃん達の事を。」

「μ'sのことを。」



「必ず、ウチらは9人でステージに立つ。」

「…見えるんよ。」

「精一杯、やりきったウチらが。」

「笑顔で、ステージを降りるみんなが。」




「…迎えにいってあげよ?」

「ウチらの、未来を。」



開場まで、あと---1時間
582: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 01:13:50.84 ID:cmuspNqv.net
----


「…あと、30分で始まるわよ?」

真姫ちゃんに言われて、気付いた


「間に合わないのかな…?」


花陽ちゃんの、不安そうな顔

「だ、大丈夫だよ!」

「穂乃果ちゃんたちなら…きっと…」

「凛ちゃん…」



「…待ちましょう。」

「私だって、これで終わりになんてしたくない。」


「…何よりも。」


「穂乃果達のいないμ'sは…μ'sじゃないもの。」


「でもこれじゃ、もう…」


真姫ちゃんの声に重ねて

ウチのケータイが鳴る
583: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 01:14:36.38 ID:cmuspNqv.net
Sub:最終予選
============

聞いたよ。
今、どういう状況か。

でも、こんな時でも…
こんな時だから。

希ちゃんなら、大丈夫って
言うと思う。
きっと、みんなの事、信じ
てるんだよね?


希ちゃんが、私達に教えて
くれたの。

願えば、叶うって事。
叶えてくれるともだちが、
いる事。


今度は、私達の番。
希ちゃんが、その仲間が。
本当に叶えたい夢を叶える
ために。

私達の力を貸すよ。

今、希ちゃん達が叶えたい
未来は。
皆の夢でもあるんだから


だから…

こんなに、集まってくれた


添付ファイル##



必ず、応援行くからね!


頑張って!!



============
584: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 01:15:06.88 ID:cmuspNqv.net
「これ…」


みんなが、雪かきしてる写真

正確にはわからないけど…


まさか、クラス全員…


「…希。」

「えりち…」


「私にも、送られて来たわ。」

「叶えて、って。」


「もしかして、みんな…?」



「クラスのみんなからにゃ!」

「わ、私にも来てます…」



「…ッ。」

「あーっ!!真姫ちゃんにも、届いてるにゃ!」

「ちょっと凛!!」

「見ないでよっ!!」
585: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 01:15:34.77 ID:cmuspNqv.net
みんなにも、届いたみたい

改めて、ウチらの今を自覚する


…こんなにたくさんの人に、支えられて

ウチらは、ステージに立つ事が出来る



「…」

「にこっち…?」



「…バカなんだから。」


「…!」

「にこっち、それって…」


Sub:にこちゃんへ
============

こんな私達でも
今度は、力になれたみたい


負けるな、にこちゃん

============
586: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 01:16:05.03 ID:cmuspNqv.net
「直接…言いに来なさいよ。」


「にこっち…」



「…無駄じゃ、無かったのね。」



「…うん。」

「ちゃんと、届いてたよ。」


「あの子達にも。」



離れていても

ウチらみんな、繋がってた

ウチらだけで、ここまで来れたんじゃない


ひとりから始まった夢が

ひとりひとりを繋いでくれた


絶対に、優勝したい

こんなに大切なともだちに、支えられて

負けたくなんてない



あと---20分
587: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 01:29:45.41 ID:cmuspNqv.net
「きっと、穂乃果達は間に合うわ。」


「まったく…」

「これで遅れたら、全校生徒に顔向けできないじゃない。」


「…そうね。」



「…あっ!!」


凛ちゃんが、目一杯手を振る



「…よかった。」




「穂乃果ちゃーんっ!!」

「間に合った…!」





「みんな…!」
588: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 01:30:10.57 ID:cmuspNqv.net
「穂乃果!」

「絵里ちゃあーんっ!!」


穂乃果ちゃんが、えりちに飛びつく


「寒かったよう!」

「怖かったよう!」

「これでおしまいなんて、絶対に嫌だったんだよ…!」


「みんなで結果を残せるのはこれで最後だし…」

「こんなに頑張って来たのに。」

「なんにも残んないなんて悲しいよお…!」


「だから…!」


「…ありがとう。」



これで9人

やっと…そろった


後は、全力で歌うだけ

今のこの、気持ちを
589: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 01:31:25.36 ID:cmuspNqv.net
「…もう。」

「みんな泣いてる場合?」


「…目、うるうるしとるよ?」

「私は泣いてない。」


「…希こそ。」



「…もう。」

にこっちの、いけず



生徒達が、集まってくる

「みんな…!」

「…みんなに、お礼しなきゃね。」



「みんな…本当にありがとう。」

「私達…一生懸命歌います!」

「今のこの気持ちをありのままに!」

「大好きを…大好きなまま。」

「大好きって歌います!!」


「絶対…ライブ成功させるね!」
590: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 01:31:52.93 ID:cmuspNqv.net
-----



「…おまたせ、みんな。」

「やっと…やっと、ここまで来れたんだよ。」


「今日、みんなが私達にしてくれた事。」

「これまで、応援してくれた事。」


「…私は、一生忘れない。」

「…」


「最高の、ライブにしよう!」

「この想いを、私達を支えてくれた、みんなに!!」



「行くよっ!」


「μ's、ミュージック…」




「「スタート!!」」
591: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 01:47:37.46 ID:cmuspNqv.net
-----



…みんなの声援が、聞こえる

目を閉じても

まぶたの裏に、映るような


「穂乃果ー!」

「ことりちゃーん!」

「海未ー!」

「花陽ー!」

「凛ちゃーん!」

「希ー!」

「絵里ー!」

「真姫ちゃーん!」


「…にこにー!!」




「みなさん、こんにちは!」

「これから歌う曲は…」

「この日に向けて、新しく作った曲です!」
592: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 01:48:03.93 ID:cmuspNqv.net
「たくさんのありがとうを込めて…歌にしました。」

「応援してくれた人…」

「助けてくれた人がいたお陰で。」

「私達は今、ここに立っています!」


「だからこれは…」

「みんなで作った曲です!」


「「聞いて下さい。」」





---学校が大好きで


---音楽が大好きで


---アイドルが大好きで


---踊るのが大好きで


---メンバーが大好きで






---この毎日が大好きで
593: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 01:49:18.28 ID:cmuspNqv.net
---頑張るのが大好きで


---歌う事が大好きで


---μ'sが…大好きだったから



…そっと、目を開ける


μ'sを見守る、みんなの目

あったまる、気持ち


大好きなみんなに、最高の結果を

今ウチらが見せられる、最高ステージを

皆に、届けたい


…もう、一人じゃない

…もう、ウチらだけじゃない


降り注ぐ雪がステージに照らされて

キラキラ、星みたいに



…まだ、こらえないと

視界がぼやけて、光に包まれたみたい



…ありがとう、みんな

こう思えるようになった

この気持ちに、名前をつけるなら


それは…






---snow halation
599: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 10:51:46.08 ID:tYcadbs8.net
Side Story

ある日常の非日常


Another Side: N/T
600: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 10:52:15.55 ID:tYcadbs8.net
「んん~…」

晴れた空の下、伸びをする

澄んだ空気が鼻をくすぐって


ふと、懐かしくなる





手を見ると、すこし震えてる

まるで、あの日の感動が

まだ残っているみたいに



「…これで、やり残した事はないんかな。」


みんなで、全力で

歌って踊って


ウチの…みんなの夢を叶えた
601: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 10:52:44.69 ID:tYcadbs8.net
「…でも、これで終わりじゃない。」


相手はあのA-RISEだけど

これに勝たないと、ラブライブに出られないのだから


皆が叶えてくれた夢を

今度は、ウチが繋いで行きたい


みんなのおかげで、今のウチがある



「…って、考えてはいるんやけど。」

「結果発表まで、落ち着かないなあ…」



あれから、2日。

明日、すべてが決まる



「…勝ちたいな。」


素直に、そう言える

本気で目指してる、仲間がいるから
602: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 10:53:21.97 ID:tYcadbs8.net
「…さて。」

「バイトも終わったし、街に出てみよっか。」


神聖なそれを脱いで

また、一人の女の子に


…案外、ウチにはこっちの方が似合ってるんかも



「それじゃ、失礼します。」


神さんに別れを告げて

もこもこのニット帽をかぶり直す


「うう~…寒い。」


白い息が、その気持ちを一層際立たせる


「何か面白い事、あるとええな♪」


風になびくスカートを整えて

ウチは街へと歩き出す
603: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 10:54:03.15 ID:tYcadbs8.net
-----


今日は、数少ない休日

全てを出し切ったあの日

それから、2日経って

1日くらい、休んでみようって提案したら


…まさか、賛成されるなんて



鏡の前で、パンツに履き替える

ステージはスカートがほとんどだから

こういう姿は、自分でも新鮮だと感じる



「…これで、今日の私はただの女子高生ね。」


少し低めのパンプスを履いて

髪を整えて、家を出る



「さあ、どんな面白い事があるかしら。」


寒空のもと、私は足を踏み出した
604: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 10:54:37.99 ID:tYcadbs8.net
-----


「…やっぱり、秋葉っていいわね。」

行き交う人たちが、街が


皆を、受け入れてくれるような

そんな、街



お気に入りのマフラーと

ほんの少しの変装



…たまには、こういうのも悪くない



ぶらぶらとウインドウショッピングを楽しみながら

面白そうな事を探す


人からはクールに思われがちな私だけど

案外、好奇心は旺盛なの


「コーヒーでも、飲もうかしら。」


目に入ったのは、チェーン店
605: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 10:55:11.38 ID:tYcadbs8.net
-----


「うーん…」

ウチは今、悩んでる


「どっちがいいかな…」


ふと目についたショップの、ウインドウ

飾られてる洋服が、とっても可愛くて



「いやでも…今月は、お金が…」


諦めるしか無い

…でも、悩む



「毎食おうどんさんにすれば、あるいは…」

なんて考えるけど


一応、ウチだって女子高生

そんな不摂生は、流石に駄目だと思いとどまる



「はあ…」

仕方ない


諦めてその場を去ろうとした時


「…!?」

ふいに、手を引っ張られた
606: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 10:55:39.46 ID:tYcadbs8.net
-----



「あのっ!サインください!!」

「ええ、もちろん♪」



…多少の変装でも

やっぱり、気付く人は気付く

それだけ私達の知名度はあるって事で

それは、私達が目指していた物だ


ファンの人たちは、一番大切

この人たちがいるから、今の私がここにいるのだから



それでもやっぱり、今日はオフな訳で

今日だけは、私も普通の女の子になりたい


かけられた声を無難にかわし、モールに入る


「…ほんと、ありがたい話ね。」
607: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 10:56:05.98 ID:tYcadbs8.net
ファンの人たちから逃れて

…って言い方は駄目だけど


どうやら一旦、離れられたみたい


一息ついて、携帯を取り出す


[11:20]


…そろそろ、お昼にしようかしら



「あの…」


「はい?」


「ああっ!やっぱりそうだ!」

「あの、サインください!」



どうやら今日は、厄日かしら



…なんてね♪
608: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 10:57:04.94 ID:tYcadbs8.net
その子の声を聞きつけて

周りの人が、足を止める


私に気付く前に…


「ごめんなさい、この後予定があって…」

「また、ライブに来てくれると嬉しいわ。」

「その時に、ちゃんと貴女にサインしてあげる♪」


少し早口で伝えて、その場を早足で立ち去る



…でも、どうやらそれがまずかったみたい

余計に人を引きつけてしまった


「…仕方ない、か。」


少しスピードを上げようとした時

それは目に入った


「…あった、面白いもの♪」


その手を取って、私は郊外へと走り出した
609: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 10:57:55.90 ID:tYcadbs8.net
-----


「えっ?あのっ!」


いきなり手を引っ張られ、走り出す

どうやら女の子みたいやけど…


一体だれなん?



ぐるぐる回る頭を落ち着かせようと

ウチは思考を巡らす


身長は…にこっちと同じぐらい

でも、にこっちはこんな格好しないし


なにより、普通に声をかけてくれるはず


…ってことは?
610: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 10:58:29.82 ID:tYcadbs8.net
考えていると、どんどん人気の無い方に

あれ、これってまずいんじゃ…



そう思ったとき、不意に足が止まった

「…ここまで来れば、もう大丈夫かしら。」

そういう彼女は、息切れもしていない


「あの、貴女は…」



「ごめんなさいね、付き合わせちゃって。」

「少し、日常と離れたくって。」


そう言って、彼女は振り向いた


綺麗な淡い緑の目をして、立っていたのは…



「ツバサさん!?」



「こんにちは、希。」
611: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 11:22:01.48 ID:tYcadbs8.net
-----


ふふっ

やっぱり、驚いた顔してる


「え、あの、なんで…」


「街で、貴女を見かけたから。」

「それに、会うのは初めてじゃないでしょ?」


「それは…そうですけど。」


ピッと、彼女の口に指を当てる

「…?」


「敬語は、無しにしましょう?」

「同じ女子高生なんだし…」

「何よりともだちでしょ?」


「え、でも…」

「いいから♪」



「…うん///」
612: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 11:22:38.73 ID:tYcadbs8.net
「ねえ、希。」

「これから何か、用事あるの?」


「ううん、ないです…ないよ?」


「ふふっ。」

「慣れてからでもいいわ。」


「良かったら今日、付き合ってくれないかしら。」

「私も、今日はオフだから。」



「ウチで…いいの?」

「ええ。」

「一度、もっとちゃんと貴女と話してみたかったの。」

「とっても、興味を惹かれるもの♪」



「そんな事…」


なるほど

自分の事になると、自信がなくなるのか
613: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 11:23:10.00 ID:tYcadbs8.net
「…行きましょ?希。」

「…!」


彼女の腕を取って、街へとまた歩き出す

「…!?」


「…私、貴女の事気に入ってるの。」

「今日は、私に貴女をもっと教えてほしい。」

「せっかく会えたんだから、仲良くしましょう?」


「ツバサさん…」


「ツバサでいいわ。」

「今日はよろしく、希♪」



2人で、まずはご飯を食べないと


いつもの所、開いてるかしら
614: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 11:23:54.80 ID:tYcadbs8.net
-----


まさか、ツバサ…さんと

こうなるなんて思ってなかった


確かに面白い事あるか、なんて言ってみたけど

こんな事になるなんて…



ツバサさんに腕を引っ張られて

後ろを、とことこついて行く


…にこっちに、自慢できそう


なんて事を考えると、お洒落なイタリアンの店の前で止まる


「希、お昼はまだよね?」

「あ、うん…」


「なら、ここで食べましょ?」

「味は保証するわ。」
615: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 11:24:52.37 ID:tYcadbs8.net
ツバサさんに連れられ、中に入る


落ち着いた雰囲気のBGM

木目調の、暖かい色をした壁紙


そして、なんといっても立ちこめる香り


「…いいにおい。」

ふと、口から出た


「ここは、ドリアとパスタが美味しいの。」

「さっそく、座って注文しましょ?」


ツバサさんに促され、席に着く


…少し、落ち着かない


「…どうしたの?」

「あ、ううん…なんか、場違いな気がして…」


「…?」

「ほら、ウチ…こんな店、自分じゃ入らないし。」

「ツバサ…さんみたいに、お洒落でもないから。」
616: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 11:25:24.21 ID:tYcadbs8.net
「…そう?」

「貴女は十分素敵よ?」

「自分の魅力に気付いてないだけ。」


「貴女がもし、その辺にいるような人なら。」

「私はきっと貴女に興味を持たなかったし。」

「こうして話す事も、なかったはずよ。」


「…」

「あ、ありがとう…」


ツバサさんは、すごい

何でも言いたいことを言って

それも、真剣に話してくれる

歯に衣着せぬ物言い、とでも言えば良いのか


彼女の言葉は、ダイレクトに頭に届く


「…もっと、自信をもっていいのよ?」

「貴女はもう、自分が思ってるほど弱くないの。」
617: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 12:01:34.57 ID:tYcadbs8.net
-----


注文をして、待っている間

希の事を、観察してみる


「…?」

「ウチ、何か変?」


「いいえ。」

「ただ、不思議なの。」


「どうして、どんなに自信がないのか。」

「…」


「それなのに、誰かのため…」

「仲間のためになると、貴女は変わる。」


「…とっても、不思議。」

「だから、貴女に興味がある。」


「…」
618: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 12:02:18.78 ID:tYcadbs8.net
「ふふっ。」

「まあ、変に気負わなくていいわ。」


「単に、私の好奇心なだけだから。」

「…うん。」


「さ、料理も来たみたいだし、食べましょう。」


「うわあ…!美味しそう!」

「ええ、美味しいわよ?」

2人で、手を合わせる


「「いただきます。」」



…うん♪

いつ来ても、美味しい

特にこのねっとりとしたソースが麺に絡み付いて

飲み込んだら、またすぐに一口、食べたくなる


「すごく美味しい…!」

希も、満足してもらえたみたいね
619: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 12:03:03.85 ID:tYcadbs8.net
「このカレードリア、野菜がごろごろはいってて。」

「しかも、ちゃんと焼いてるから甘くって…」

「このズッキーニなんか、特に何個でも食べれそう…!」


「ふふっ。」

「喜んでもらえて良かった。」


「あ、その…///」

「ほら、恥ずかしがらないで。」


やっぱり、緊張してるのかしら

なにか、もっと仲良くなれたら…


「…!」


「…はい、希。」

「…!?」

「え?えっと…」

「ほら、口開けて?」

「ここのカルボナーラ、とても美味しいのよ?」

「で、でも…///」



確か、あんじゅが

『仲良くなるためにはこうすればいい』

って、言ってたような…
622: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/10(金) 01:30:30.94 ID:1jAJybg2.net
-----


「で、でも…///」


まさか、こういう事になるなんて夢にも思わんかった

つ、ツバサさんから『あーん』なんて


嬉しいような、恥ずかしいような…

し、してもいいんかな…



「…ほら、ソースが垂れちゃうわよ?」

「あ、その…」


「はい、希。」


う、うう…

もう、なるようになれっ!!


「あー…んっ。」


「どう?」


「お、美味しいよ…///」

味なんて、分からんよ…
623: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/10(金) 01:31:03.76 ID:1jAJybg2.net
「そう?よかった♪」

でも、ツバサさんは満足げやし…

いいことした、んかな?



「あ、じゃあ…」

「はい、ツバサさん。」


そっと自分のスプーンを持ち上げ

ツバサさんに差し出す


「ん…ありがと。」

「やっぱり、こっちも美味しいわね。」


すんなりとそれを口に運ぶのを見て

なぜか格の違いのような物を感じる


…っていうか、これ


間接キス…


「…~~~~~!!」

「!?」
624: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/10(金) 01:31:38.23 ID:1jAJybg2.net
-----

「ど、どうしたの!?」

いきなり希が、身悶えしてる

何か、してしまったかしら?


「あ、いや、違うくて…」

「そ、その、間接キス…///」


…!


ああ…

希って、意外とウブなんだ



「…希は、嫌だった?」

「い、嫌というか、恐れ多いというか…///」


「恐れ多い?」


「あ、あのツバサさんと一緒にいるだけでも緊張するのに。」

「『あーん』なんてするとは思ってなかったし…」

「何より、間接き…///」


希の顔が、さっきにも増して赤くなる
625: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/10(金) 01:32:04.54 ID:1jAJybg2.net
「…いきなりごめんなさい。」

「あんじゅが、いつもこんな感じだから。」

「きっと…慣れてしまってるのね。」


「あ、えっとその、嫌じゃないんで…///」

「むしろ嬉しいというか…って、そんな事じゃなくって!!」



…おもしろい


「ふふっ。」

思わず、笑みがこぼれた


「…ツバサさん?」


「やっぱり貴女、面白い。」

「その反応も、性格も。」

からかってみたくなるくらい

彼女には、人を引きつけるオーラがある


高坂さんとはまた違った

人の心を包み込む---


そんなオーラを、彼女から感じる
626: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/10(金) 01:32:45.58 ID:1jAJybg2.net
「今こんなこと言うのも、どうかと思うけれど。」

「今日は、いっぱい貴女と話したい。」


「もしかしたら、今後に活かして行けるかもしれない。」

「…何より、純粋に貴女といると飽きないわ。」



「…ね、希。」

「はい…!」


「連絡先、交換しましょ?」

「よければ、これからも私と仲良くしてほしい。」


「…もちろん。」

「きっと私達は、互いに高め合っていけると思うから。」



「い、いいんですか…?」

「私から、お願いしてるの♪」

「どうかしら?」


「そ、それはもちろん!」
627: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/10(金) 01:34:03.53 ID:1jAJybg2.net
-----


「…できた。」


ツバサさんと、連絡先を交換する


今でも、信じられないけど

あのツバサさんの連絡先を知ってしまった


…なんて話、誰が信じるかな?



「暇な時は、いつでも連絡していいから。」

「はい、ありがとうございます…!」


「…言葉、敬語になってる。」

「あ…うん、ありがとう。」


「こちらこそ、ありがとう。」


画面に出る、綺羅ツバサの文字

少しだけ、実感する



…でも、ツバサさん

なかなかケータイが繋がらなくて

凛ちゃんのマラカスみたいに必死に両手を振ってる姿は


…見てて癒されました
632: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/12(日) 02:36:43.92 ID:dpjNm1Id.net
-----


それから、ツバサさんと色んな所を見て回り


初々しいカップルみたいに

ウチとツバサさんの時間は過ぎて行った



「…で、これのどっちかで悩んでたんよ。」


「ふうん…」

「悪くない選択ね。」


「でも、希のイメージ的には…」



「…」


「ふふっ。」


「どうしたの?」


「ううん?」

「ツバサさん、自分の事のように考えてくれるから。」
633: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/12(日) 02:37:49.09 ID:dpjNm1Id.net
「…そんなにおかしいかしら?」


「ううん、嬉しいんよ?」


「…そう。」

「…」


「…」


「あのね、希…」



「あーっ!!」


「「?」」


「A-RISEのツバサさんですよね!?」

「初めて会えました!!」


見ると、可愛らしい子達

まだ、中学生くらいかな…?
634: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/12(日) 02:38:20.43 ID:dpjNm1Id.net
「あ、あの、良かったら…」

「サイン、もらえませんか?」


「会えるなんて思ってなくて、手帳しかないんですけど…」


おお、やっぱり有名人や

ツバサさんも、慣れてるからか手際よくサインを書く


「応援、どうもありがとう♪」

「…でも、今はプライベートだから。」

「あんまり大きな声は出さないでね?」


「…あ、あの、すみませんっ!!」


「…ふふ。でも、ありがとう。」

「これからもよろしくね?」


「はいっ!」

「これからも、頑張って下さい!!」
635: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/12(日) 02:38:53.35 ID:dpjNm1Id.net
やっぱり、A-RISEはすごいなあ…

ウチらの、ずっとずっと上を行ってる


なんとなく羨望の眼差しでツバサさんを見ていると

黙ってたもう一人の子が口を開いた



「…あの。」

「μ'sの…東條希さん、ですよね?」


「…へ?」


「あ、あの、私…μ'sの。」

「希さんの、ファンなんですっ!」



「…?」

言っている意味が、よく…

え、ファン?


誰の?



…ウチの?
636: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/12(日) 02:39:22.52 ID:dpjNm1Id.net
「ええっ!?」


「あの、9人になった時から知ってました!」

「最終予選も、中継で見て…」


「なんて言うか、すごく…心が、暖かくなったんです。」


「…!」


「メンバーそれぞれの魅力が、いっぱい見れる、って言うか。」


「まるで、こっちまで楽しくなってくるんです!」


「だから…応援してます!」

「頑張って下さい!!」



「…言われてるわよ?希。」


「…うん。」

「嬉しくないの?」


「いや…そんな事はないけど…」
637: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/12(日) 02:39:57.41 ID:dpjNm1Id.net
-----


「…希さん?」

「ああ、ごめんな。」


「応援、ありがとう。」

「ウチはともかく、μ'sを好きになってくれて嬉しいよ。」


「それと、もっと可愛くていい子がμ'sにはいっぱいおるんよ?」

「ウチ以上に、皆の事応援してあげてな♪」

「ウチは、そんなに目立つ存在とちゃうし…」


「…」

希のその一言が、ひどくもどかしい

どうして、自分の事なのに分からないのか



「そんなことありません!」

「だって、あんなに楽しそうに歌ってるんですよ!?」


「ステージでの希さん、すっごく輝いてます!」

「すっごく可愛いです!」


「今の私の、憧れなんです!!」
638: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/12(日) 02:40:35.68 ID:dpjNm1Id.net
希の目をまっすぐ見て

ちゃんと気持ちを伝えてる


…これで分からないようじゃ

どうしてあげようかしら…なんてね♪



「…ありがとう。」

「これからも、応援してな?」


「もちろんですっ!!」

「私、音ノ木坂に行こうと思ってます!!」

「一緒に活動は出来ないけど、μ'sの一員として。」

「スクールアイドル、やってみたいです!」


「…!」


「あの、今日はありがとうございました!」

「ほんとにほんとに、応援してます!」

「希さんが…μ'sが、大好きなんです!!」
639: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/12(日) 02:41:04.37 ID:dpjNm1Id.net
「いい子達ね。」


「…うん。」


「貴女がやって来た事。」

「…全てが、今の貴女を形作ってるの。」


「だから、やった事は決して無駄じゃないし。」

「それがあったから、今の貴女があるの。」


「…そうでしょう?」



「…うん。」

「…」


「憧れ…か。」


「実感した?」


「…うん。」

「照れるね。」



「でも、嬉しいでしょ?」

「うん。」







「…うん。」
644: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 05:22:50.09 ID:ZliZMDJ/.net
「ここって…」


ツバサさんが、行きたい所がある

と、言う事で、ついて来たけど…


「そう。」

「一度、やってみたかったのよね♪」


まさか、プリクラなんて…



「さあ、希。」

「楽しみましょう。」


ツバサさんは楽しそうに

コインを入れた


<好きなフレームを選んでね!
645: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 05:23:46.17 ID:ZliZMDJ/.net
「へえ…こうなってるのね。」

「あ、でも、早く選ばないと時間が…」


「じゃあ、これとこれと…」

<あと、10秒だよ


「それじゃ、最後のひとつは希が選んで?」

「ええっ!?いきなり…」


「ほら、時間ないわよ?」


<5・4・3…


「そ、そんな…!」


えっと、どれにしよう…

星柄?ストライプ?

ああでも、時間が…


「えいっ!!」




pi
646: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 05:24:13.74 ID:ZliZMDJ/.net
<次は撮影だよ!


「ふーん…」

「なるほどね。」


「…え?」


「いいえ、何でも無いわ?」

「ただ、すごく可愛いのを選んでたから、つい…ね。」


え?

ウチ、どれ押したっけ?


焦って、見るの忘れてた…


「ほら、始まるみたい。」

「まずは、無難にピースかしら?」


<3・2・1…


「えっと…」


パシャッ
647: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 05:24:46.67 ID:ZliZMDJ/.net
<2枚目を撮るよ!

<2人で腕を組んじゃおう!


「…あら、こういうのもあるのね?」

「せっかくだし、やってみましょうか♪」


そう言って、ツバサさんに腕を取られる


「ツバサさん…!?」

「ほら、カメラむいて?」


「あ…」


<3・2・1…


パシャッ



つ、ツバサさんと腕組んじゃった…
648: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 05:25:15.39 ID:ZliZMDJ/.net
<次は全身撮影だよ!

<手でハートのマークを作っちゃおう!


「ほら、希。」

左手で半分のハートを出してくる


「私だけじゃ、恥ずかしいでしょ?」

少しはにかむツバサさんが可愛くて


…手を、差し出す


「そうよ。」

「せっかく会えたんだから、記念だと思って♪」


<3・2・1…

パシャッ


…うん

さっきより、自然な笑顔


これなら、まだ…
649: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 05:26:05.76 ID:ZliZMDJ/.net
と、思ったその時


…それはやってきた


<それじゃあ次は最後のポーズ!

<2人でぎゅっと抱きついちゃおう!



「…え?」

さ、流石にそれは…



むにっとした感触が、胸の辺りに

「ツバサさんっ!?」


「うふっ。一回、貴女の体に触れてみたかったのよね。」

「すっごく、柔らかそうだったから♪」


無邪気に笑ってるけど

ウチは気が気で無い…


「こ、これは…///」
650: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 05:26:27.69 ID:ZliZMDJ/.net
直立不動で固まっていると

ツバサさんの顔が近づく


「…ほら、もう撮るわよ?」

「…~~~///」


声にならない声を上げて

ウチはツバサさんに抱きつく


<3・2・1…



パシャッ


<撮影終了!

<次は右側のらくがきコーナーに移動してね!




「…希?」

「…」


もう…限界…
651: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 05:27:47.92 ID:ZliZMDJ/.net
-----



「…?」

希は、固まったまま動かない

ちょっと、調子に乗りすぎたかしら…?


でも…




ぎゅっ



「…ひゃっ!?」

「つつつ、ツバサさん!?」




希に、もう一度抱きついてみた


「も、もう、撮影は終わったよ!?///」


「…なんだか、落ち着く。」


きゅっと、今度は軽く抱きしめてみた



「…///」
654: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 05:41:02.19 ID:ZliZMDJ/.net
「あ、あの、そろそろ…///」

希が、恐る恐る口を開く


「…そうね。」

そっと離れて、隣のスペースへ



「…///」

大丈夫、顔が赤いのは見られてない
656: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 05:42:26.28 ID:ZliZMDJ/.net
…まさか、私がこんな事をするなんて


誰かに…まして、希に

甘えたくなるなんて



少し火照った体を冷やすため

私はジャケットを脱いだ


「…ふふっ。」

思わず、笑みがこぼれる


いつもと、調子が狂っているのに
657: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 05:43:37.47 ID:ZliZMDJ/.net
「こ、これ…///」


「貴女が選んだのよ?」


最後に撮った画像は

背景が大きなハートで囲まれていた


「ふふっ。まるで、コイビトみたいね♪」

「こ、恋人って…///」


また、顔を真っ赤にする希



「冗談よ♪」

「それじゃ、ラクガキしましょうか。」


2分割された画面に、私達はペンを走らせる


「…ねえ、希はなんて書いてるの?」

「え?普通に名前とか…」


「前にみんなで来た時は、結成記念日、とか書いてたかな…?」
658: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 05:44:20.41 ID:ZliZMDJ/.net
「記念日…」

良いわね、それ


最後の画像を、ペンでタッチする

真っ赤な顔した希と

ちょっと顔の赤い私が映ってる


「…」

さらさらと、その文字を書いて

希の様子を見る


「そっちはどう?」

「うーん…なにを書けばいいのか迷うね。」


「まあ、私も初めてだったし…」

「好きにしていいのよ?」


「うん、ありがと。」



「…じゃ、これで完成かな?」
659: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 06:25:11.47 ID:ZliZMDJ/.net
-----


外に出て、印刷されるのを待つ


ツバサさんは、どんな事を書いたんかな?


「~♪」

すごく上機嫌なツバサさんを見て

ここに来て、良かったのだと口角が上がる


ポトッ


「あ、でた…」


それを手に取って、まじまじと見つめる


「ともだち…記念日…」


「…変、かしら?」

少し不安そうな、ツバサさん


「…ううん?」

「ほら。」



ウチが書いた、下側のプリクラを指す
660: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 06:25:49.51 ID:ZliZMDJ/.net
「友情記念日…」


「…なんとなく。」

「今日のウチらって、そんな気がしたから。」



「…」

「ふふっ。」


「同じ気持ちだったのね。」


「すごく、楽しかったから…///」

ツバサさんの笑顔は、やっぱり眩しい




「ありがとう、希。」

「これ…大事にするわ。」



「うん、ウチも。」



「…そうだ。」

ツバサさんが、鞄をあさる


取り出したのは、手帳
661: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 06:26:26.21 ID:ZliZMDJ/.net
「せっかくだし、記念に貼ってもいいかしら?」


今日のページを開いて

ツバサさんは、そう告げる


「うん、もちろん!」

「ウチも、そうするよ♪」


鞄からウチも手帳を取り出して

今日のページを開く


「…」


「希?」


ぱたん…と、一度閉じて

一番後ろの、余白のページを開く


「…楽しい思い出は、すぐ見れるようにしたいから。」


前に、みんなで撮ったプリクラと

その横にある、にこっちとえりちと3人のプリクラ


その横に、ツバサさんとのを貼る
662: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 06:26:56.48 ID:ZliZMDJ/.net
「…なんだか、光栄ね。」

「その横に、並べるなんて。」



「みんな、大切なともだちやから。」

「…もちろん、ツバサさんも。」


「…!」



「私も、そうしようかしら。」


最後のページを開いて、ツバサさんが呟く


「…うん。」


ぺたっと貼って、こっちを見た



「お揃いね♪」



今日一番の、笑顔を見た気がした
663: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 06:27:29.61 ID:ZliZMDJ/.net
-----


「はあー…」

「今日は、とっても楽しかったわ。」

「ありがとう。」



「こちらこそ。」

「ツバサさんとお話できて、良かった。」

「楽しんでもらえたら、何よりや。」




「…だいぶ、自然になったわね。」

「え?」


「話し方。」


「…最初はやっぱり、よそよそしかったから。」


「…」

「そうかも…しれん。」

「今まで関わるような関係じゃなかったし。」


「何より…ウチとは、住んでる世界が違うような気がして。」
664: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 06:38:22.42 ID:ZliZMDJ/.net
「でも…」


「でも?」


「なんて言うか、今日一緒に過ごして。」

「ツバサさんも、一人の女の子、って言うか…」


「可愛い、って思えて…」


「…!」


「ウチといる事を、純粋に楽しんでくれて。」

「だから、ウチも余計な事考えず、楽しもう、って。」



「…希は、楽しくなかった?」


「すっごく、楽しかった♪」


「…」

「…」



「「ふふっ…」」


「「あははははっ…!!」」
665: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 06:50:06.46 ID:ZliZMDJ/.net
「何故だか、貴女といると安心するのよ。」

「気を使わなくていいというか…」

「まあ、普段から使ってるつもりは無いけれど。」



「でも…」

「素直な自分でいられる…みたい。」


「素直な自分?」



「…ね、希。」

「貴女は、どうしてμ'sにいるの?」



「…」


「やっと見つかった、居場所だから。」


「居場所…?」



「昔の、ウチは…」


「…」
666: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 06:50:48.85 ID:ZliZMDJ/.net
「…私は。」

「ずっと、自分に自信がなかった。」

「人との壁を自分で作ってる事に気付けずに。」

「ずっと…ずっと、自分の殻に閉じこもってた。」


「…でも、そんな時。」

「私の想いに気付いてくれて、手を差し伸べてくれた子が、一人いた。」


「なんの取り柄も無かった私を。」

「その子は、励ましてくれた。」

「その子のお陰で…」

「私は、自分を変える勇気をもらえた。」


「…」


「そして、そんな私を見て、変わりたいと願う子が現れた。」

「いつだって真面目な子は。」

「私に諦めない心を教えてくれて。」


「続ける勇気を、教えてくれた。」
667: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 06:51:22.81 ID:ZliZMDJ/.net
「いつしか私達は3人になって。」

「…でも、些細な事で一度離れて。」


「また…一人になった。」


「でも、そんなバラバラだった私達を繋いでくれる存在が、現れたの。」


「高坂…穂乃果さん?」


「…そう。」


「穂乃果ちゃんは、いつだって私達を照らしてくれた。」

「関わる事のなかった9人を繋いで。」

「夢を…紡いで。」


「…ここまで、連れて来てくれた。」


「前に、みんなに言ったら怒られたけど…」

「私は、恩返しがしたいの。」


「こんな私にとっての、大事な…大事な、ともだちだから。」



「友達…」
668: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 06:52:01.52 ID:ZliZMDJ/.net
「性格も、何もかもバラバラな9人だけど。」

「みんな、心は熱くって。」


「同じ想いで、同じ物を目指してる。」



「でも、そんな9人だから、出来る事がある。」

「叶えられる夢がある。」


「私は、それを見てみたいの。」

「できれば、一緒に叶えたい。」


「みんなで…同じ夢を、追いたいの。」





「元気いっぱいで、みんなを引っ張る穂乃果ちゃんが。」


「厳しいけれど、誰よりも皆の事を考えてる、海未ちゃんが。」


「優しい声で、みんなに癒しを与えてくれる、ことりちゃんが。」
669: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 06:52:32.50 ID:ZliZMDJ/.net
「不器用だけど、人一倍おせっかいな真姫ちゃんが。」


「その明るい笑顔で、みんなを照らしてくれる凛ちゃんが。」


「引っ込み思案だけど、熱い想いを持っている花陽ちゃんが。」


「…そして、私を変えてくれたあの2人が。」




「…」



「ウチは…大好きなんよ。」





「大好きなみんなと、夢を叶えたい。」


「…それが、ウチがμ'sにいる理由。」











「…羨ましいわ。」
670: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 06:59:44.24 ID:ZliZMDJ/.net
「…え?」


「話を聞いていて、わかる。」

「貴女達は、今を一番楽しんでる。」


「いつだって笑顔で。」

「壁に当たった時も、みんなで協力して。」


「…そんな貴女達が、少し羨ましい。」


「どうして…」


「もちろん、私にも…私達にも、夢はある。」

「…でも、いつのまにか。」


「その夢が、目標になって…」

「そして、目的になった。」


「楽しくない訳じゃない。」

「やっている事は、望んでいる事。」


「…でも、何かが足りない気がしてた。」
671: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 07:00:19.04 ID:ZliZMDJ/.net
「まだ、それが何なのかはわからないけど…」


「でも、今の貴女達を見て。」

「今日の希を見て。」


「何か…掴めた気がする。」


「…!」


「改めてお礼を言うわ、希。」

「今日は付き合ってくれてありがとう。」



「…」


「それを言うのは、ウチの方。」

「ウチこそ、ありがとう。」


「いっぱい楽しめたし。」

「色んな話も聞けて…」


「もっと、仲良くなれた気がする。」
672: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 07:00:55.25 ID:ZliZMDJ/.net
「希…」



「これからも、よろしくな?」

「あと…」






「甘えたかったら、いつでも来てな?」

「ツ・バ・サちゃん♪」



「なっ…///」



「顔、真っ赤やったよ?」


「そ、それは…///」




「…」


「…いじわるね、希も。」


「今日の誰かさんには負けるなあ…」
673: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 07:01:27.48 ID:ZliZMDJ/.net
「…そうね。」

「本当は、もっともっと貴女達とステージを共にしたかったけど。」

「もう、最終予選もおわっちゃったからね。」


「でも…」


「私達は、走り続ける。」

「例え、結果がどうなっても。」


「私達は、私達の夢を追うわ。」



「…うん。」


「でも、ウチらも負けん。」

「目指しているのは、もっと先。」

「こんな所で、立ち止まりたくなんか無い。」


「…」

「ふふっ。」
674: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 07:02:11.75 ID:ZliZMDJ/.net
「…本当に、仲間の事になると凄いわね。」


「あっ、えと…」

「いいのよ。」


「そんな貴女に、私は惹かれたの。」


「これからも頑張りましょう、希。」


伸ばされた手を、強く掴む


「こちらこそ、よろしく。」




「それと…」


「?」





「また、抱きしめてもいいかしら…」


「…」
675: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 07:08:06.15 ID:ZliZMDJ/.net
「ち、違うのよ!?」

「その、何だかリラックスできたから…///」



「反則やなあ…」


「え?」




こんな可愛い顔してお願いされたら

断れる訳ないやん?



…きっと、これはウチだけが知ってる、ツバサちゃんの顔


いつものツバサさんとは…違って

でも、こっちが本心のような…



なんだか、えりちに似てるかな?


それでも、本音を打ち明けてくれた事が

何よりも嬉しかった
676: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 07:08:30.81 ID:ZliZMDJ/.net
「ち、違うのよ!?」

「その、何だかリラックスできたから…///」



「反則やなあ…」


「え?」




こんな可愛い顔してお願いされたら

断れる訳ないやん?



…きっと、これはウチだけが知ってる、ツバサちゃんの顔


いつものツバサさんとは…違って

でも、こっちが本心のような…



なんだか、えりちに似てるかな?


それでも、本音を打ち明けてくれた事が

何よりも嬉しかった
677: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 07:09:05.56 ID:ZliZMDJ/.net
-----


薄暗くなった路地


近くの家庭から、ご飯のにおいがしてきて


反射的に、つばを飲み込む


「お腹空いた…」


ふと、口に出してみて

それが、とてつもなく子供じみた事だと実感する


「…希のせいね。」


あの独特のオーラが私を狂わせるのか


…なんにせよ、こんな姿他の2人には見せられない


必死に口角を下げようとしていると


不意に、ケータイが鳴った
678: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 07:10:21.76 ID:ZliZMDJ/.net
To: ツバサちゃん
============

今日は、色々ありがとう。
お世辞じゃなく、とっても
楽しかった。

…結果が出て、どっちが次
に進む事になっても。
また、こうして遊んでくれ
たら嬉しいな。


あの時、ツバサちゃんと話
してから。
ウチの中では、もうずっと
ツバサちゃんはウチの大切
な友達やと思ってるよ♪


それじゃ、また会おうね!








P.S.

ウチの胸でよければ、いつ
でも貸してあげるから♪


============




「…///」



「ふふっ…」


「やっぱり…面白い♪」
679: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 07:19:15.85 ID:ZliZMDJ/.net
「ツバサちゃん…か。」

ちゃん付けされるのは、幼い頃以来ね…


「…なあに?ツバサちゃん、って。」

「!?!?」

「あんじゅ…!?」


「珍しいな。」

「ツバサがケータイを見てにやつくなんて…」

「英玲奈まで…!?」


「せっかくのお休みだし、みんなでご飯でもどうかな、って♪」

「そしたら、ツバサがひとりでにやついているから…」


「に、にやついてなんて…ッ///」


「…ともかく。」

「一緒にどうだ?」
680: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 07:19:47.51 ID:ZliZMDJ/.net
…ひとつだけ訂正するわ、希

貴女達を羨ましい、とは言ったけど

私にも…



何よりも大切な仲間がいる事


…これは、私の誇りよ♪



「…また会いましょう、希。」


「…何か言った?」


「いいえ?」

「さあ、行きましょう。」



To Be Continued…
689: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:17:13.67 ID:SgQ0JwqZ.net
-----


最終予選突破グループ発表の日

街中のディスプレイとネットで

合格グループが発表された



地区予選突破グループは…


…A-RISE



を破った、ウチらμ'sやった



「…!」


皆でパソコンの画面とにらめっこして

出て来たμ'sの文字に

ウチらは一斉に飛び上がった
690: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:20:10.20 ID:SgQ0JwqZ.net
「最終予選…突破…」


ずっと、望んでいた事

叶えたかった、夢


みんなで顔を見合わせて

この結果を実感する




帰り道

ツバサさんから来た


『おめでとう』のメッセージ


「…」


ツバサさんも、望んでいた事

ただ、そこに立てたのはウチらで


…なんて返していいか、分からなかった
691: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:21:04.19 ID:SgQ0JwqZ.net
「嬉しくないの?希。」

えりちが、心配そうに顔を覗き込む


「嬉しくない訳…無いよ。」

「ずっと、願ってた事やもん。」


…そう

嬉しくない訳なんてない


でも、仲良くなってしまったともだちが

ウチの頭をよぎる


だからウチは

ありがとうの変わりに


ある言葉を、送ってみた





年越しまで---あと4日
692: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:25:30.56 ID:SgQ0JwqZ.net
-----


「…それじゃ、帰りましょ?」

年内最後の練習を終えて

みんなが家路につく


「ごめん、えりち。」

「ウチ、この後ちょっと用事があって…」


「そうなの?」

「うん、前に言ってた事、よろしくな?」

「にこっちにも、またメールするから。」


「ええ、分かったわ。」

「こちらこそ、よろしくね。」


「それじゃ、えりち。」

「良いお年を♪」


そう言って、ウチは神田明神の方へ






「…年内に、また会うじゃない。」
693: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:25:56.26 ID:SgQ0JwqZ.net
-----


まだ夕方なのに

辺りはどっぷりと暗くなった


街頭の明かりを頼りに

ウチは、ある場所を目指していた



境内の裏手

人の来ない、ウチのお気に入りの場所


メールをしたら、すぐに来ると言ってくれた


…遅くなっても、待つと





「こんばんは、希。」



「…お待たせ。」


「ツバサちゃん。」
694: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:31:38.17 ID:SgQ0JwqZ.net
「…綺麗ね、ここ。」

「…やろ?」

「ウチの、お気に入りの場所なんよ。」


音ノ木坂の、街を一望できるこの場所

街の光がよく見えて


きらきら、まるでイルミネーションみたいに



「改めて、おめでとう。」


「…うん、ありがとう。」


「…」


「…」


二人で、夜景を眺める


…顔は、合わさない
695: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:32:03.25 ID:SgQ0JwqZ.net
「…どこかで、期待していたのかもしれない。」


「…え?」


「結果が発表されて。」

「確かに…悲しかったわ。」

「なんで私達じゃないのか、って。」

「少し…狼狽えもした。」


「…」



「でも…どうしてかしら?」

「悔しくない…わけじゃない。」


「でも。」


「どこか、こうなる予感がしてた。」



ツバサちゃんの、顔は見えない
696: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:32:39.06 ID:SgQ0JwqZ.net
「…ねえ、希。」

「…なに?ツバサちゃん。」



「ひとつ、聞いてもいいかしら。」

「ウチに答えられる事なら、なんでも。」


「…そう。」


「…」


「教えてほしいの。」

「貴女達の…原動力って、何なのかしら。」


「原動力?」


「貴女達を、突き動かす力…」

「それが、今回の結果だと思ったの。」



ウチらの…原動力
697: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:33:11.08 ID:SgQ0JwqZ.net
「勝ちたい、って気持ちも。」

「やってきた練習も。」

「チームワークだって…」


「貴女達に、負けたつもりはない。」

「…むしろ、貴女達以上に。」

「貴女達よりもずっと前から。」

「私達は、努力してきたつもり。」



「…でも、届かなかった。」


「だから、知りたいの。」

「きっと…それが。」


「これからの私達に、必要なものだから。」



「ツバサちゃん…」
698: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:40:18.22 ID:SgQ0JwqZ.net
「教えて…くれないかしら。」


ツバサちゃんが、ウチの目を見る

夜景のせいなのか

はたまた、ウチの気のせいか


…少し、潤んでいる気がした



「…ごめん、ツバサちゃん。」

ウチらの、原動力は…



「きっとそれは、ウチが答えるべき物じゃない。」


ウチが答えられるのは

ウチ自身の原動力であって


μ'sのそれとは、また、違う物で



「…そう。」
699: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:40:49.90 ID:SgQ0JwqZ.net
「…本音を言うと。」

「ウチも…まだ、良く分かってないんよ。」

「なんでA-RISEに勝てたのかも。」

「だから…きっと、その答えを出せるのは。」


「…高坂さん?」



「…うん。」


「ウチらを突き動かしたのは、穂乃果ちゃん。」

「きっと、彼女ならその質問に答えられる。」


「今はまだ、分かってないかもだけど…」

「その答えにたどり着けるのは。」


「穂乃果ちゃんが、一番やと思う。」



「…分かったわ。」

「力になれずに、ごめんな?」
700: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:41:28.95 ID:SgQ0JwqZ.net
「…いいえ。」


「…」

「…」



「希、あの…」

ツバサちゃんが言い終わる前に


そっと、ツバサちゃんを抱きしめる


「…」


「今は…μ'sの、東條希じゃないから。」

「ツバサちゃんの、ともだちの…」


「ただの、女子高生。」



「…ッ!!」



震えるツバサちゃんを

今度は、少しきつく抱きしめる



…その気持ちが、分かるから
701: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:44:52.67 ID:SgQ0JwqZ.net
きっと彼女は、仲間にも

この気持ちを出さないのだろう


いつだって気丈に振る舞って

また、歩き出すのだろう



みんなの…

A-RISEの、綺羅ツバサとして


だから、今は…

今だけは


普通の、どこにでもいる女子高生に

戻ったっていいと思う


吐き出せない気持ちを受け止めるのが

ツバサちゃんのともだちである


ウチの、出来る事やと思うから
702: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:45:27.71 ID:SgQ0JwqZ.net
「…ありがとう。」


「ん、どういたしまして。」


「本当、貴女には弱い所を見せてばかりね。」

「同じような子を、知ってるから。」


「…」


「きっと、その子も。」

「希に会えて、救われたのね。」


「…そうやと、嬉しいな。」

「でもな、ツバサちゃん。」


「ウチだけじゃ…ないんよ。」


「…え?」
703: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:54:08.64 ID:SgQ0JwqZ.net
「確かに。」

「その子の弱さに、一番最初に気付いたのは。」

「ウチなのかもしれん。」


「…でも、その子は。」

「悩みを打ち明けて。」

「一緒に悩める、ともだちを得る事が出来たんよ。」


「ともだち…」


「ずっと、自分のプライドに縛られて。」

「人に弱さを見せるのが、嫌だった。」

「頼っては、いけないと思ってた。」


「…自分が、頼られるべき存在だったから。」



「でも、違ったんよ。」

「いつだってその子の周りには。」

「その子を心配してるともだちがいた。」
704: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 00:54:46.17 ID:SgQ0JwqZ.net
「その子達は、頼ってもらえるのを待ってたんよ。」


「弱さを見せないその子を。」

「みんな、心配してた。」

「…いつか、壊れてしまうんじゃないか、って。」



「…」


「ツバサちゃんは、どう?」

「…?」


「ツバサちゃんは、どっちの立場の人なんかな。」

「そんなともだちが…」


「ツバサちゃんの周りには、いないのかな。」


「…」




「…本当、貴女って意地悪ね。」
705: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:03:47.59 ID:SgQ0JwqZ.net
「…えへへ。」


「いつだって希は、答えをくれない。」


「…でも。」

「だからこそ、貴女らしい。」



「…ありがとう。」


「…ううん。」

「ウチこそ、ありがとう。」


「例えこれが逆の立場だったとしても…」

「ウチらがここまで来れたのは。」

「ツバサちゃんや…」


「A-RISEの人たちが、いたからやと思う。」


「だから、ありがとう。」
706: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:04:22.52 ID:SgQ0JwqZ.net
「ツバサちゃんや、みんなの気持ち。」

「絶対…無駄にしない。」


「ここまで来たんやもん…」

「優勝、してみせる。」




「…そうね。」

「私達に、勝ったんだから。」

「優勝してもらわないと、こっちの立場が無いわ。」


…やっと、笑顔をみせてくれた


「…うん♪」


ツバサちゃんの頭を、撫でる


「そ、そこまで子供じゃ…///」


「いいから、いいから♪」


「もう…///」
707: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:04:56.60 ID:SgQ0JwqZ.net
-----



「お待たせ、希。」


「いらっしゃい、2人とも。」


「まったく、なんでにこ達が手伝いなんか…」

「まあ、これも思い出やん?」


「…そうね。」



大晦日

ウチは明神さんでバイトがあって

ちょーっと人が足りないって聞いたから

この2人を誘ってみた


「それじゃ、今日はよろしくな?」

「2人の分の巫女服、用意してるから。」

「先に、着替えにいこっか♪」
708: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:05:39.14 ID:SgQ0JwqZ.net
「ハラショー…」

「うんうん、よく似合ってるよ♪」


2人に巫女服を着せてあげると

思ったよりも様になってる


「後は、これで髪の毛をまとめて…」


「…よし、完成。」


「希、こっちはどう?」

「うん、大丈夫やで、にこっち。」


「…可愛いよ♪」


「…!」

「ま、まあ?」

「このにこにーに似合わない服なんてあるわけないしっ?」



「…ふふっ。」


「それじゃ、今日やる事について説明するな?」

「2人とも、こっちに来て?」
709: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:14:03.17 ID:SgQ0JwqZ.net
「ありがとうございます!」


2人とも、飲み込みが早くて

あんまり心配する事、無かったみたい


大晦日だけあって、参拝客が多いけど

スムーズにそれを捌けていく


「…よし、2人とも。」

「ちょっと休憩しようか。」


「いいの?」

「うん♪」


「少し休んで、今度は荷物取りに行くの、手伝ってほしいんよ。」


「はあ~…」

「それじゃ、お言葉に甘えさせてもらうわ。」


そう言うとにこっちは

隅っこに行って伸びをする


「ふふっ…ありがと、2人とも。」
710: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:14:34.24 ID:SgQ0JwqZ.net
「…はい、2人とも。」

暖かい、缶コーヒーを差し出す

「ありがとう、希。」


「…そろそろ、年越しね。」


ケータイを見ると

[23:58]


あと2分で、年が明ける


「…2人とも、今年はありがとう。」

「何よ?辛気くさい顔して。」


「また、2人と…こうして一緒にいれる日が来るなんて。」

「ウチ…憧れてたんよ。」


「「…」」


「…馬鹿ね。」

「お礼を言うのは、こっちの方よ。」


「…そうよ、希。」


「私達を…繋いでくれて、ありがとう。」
711: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:15:05.91 ID:SgQ0JwqZ.net
「えりち…にこっち…」


年越しを告げる鐘の音が

辺り一面に響き渡る


「あけましておめでとう。」

「今年も…これからも、よろしくね、希。」


「アンタに付き合ってると、飽きないからね。」

「これからも、期待してるわ。」


「…」


「もう、2人とも…」

溢れるそれを、指先ではらい

精一杯、笑顔を作る





「…先を越されちゃったわね。」


「「!?」」


3人で、声のする方を振り返った
712: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:15:50.99 ID:SgQ0JwqZ.net
「…!」


「ツバサちゃん!」

「こんばんは、希。」

「それと…絢瀬さんに、矢澤さん♪」



「あ、A-RISEの…」


「って言うか希!」

「ツバサちゃんって一体どういう事!?」


「あ、えーと…///」


「相変わらず、希らしいわね…♪」


「呼び捨てェ!?」



テンションのおかしいにこっちの横で

えりちと、英玲奈さん、あんじゅさんが挨拶する
713: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:16:18.93 ID:SgQ0JwqZ.net
「あけましておめでとう。」

「私達の分も、頑張ってくれ。」


「ありがとうございます。」

「あの、A-RISEの皆さんは…」


「私達も、お正月明けたらすぐに練習するわ♪」

「ラブライブ、って言う目標はなくなっちゃったけど…」

「私達、やっぱり歌うのが大好きだから♪」



ちょっと、安心した


…なんて言ったら、失礼かもやけど


ちゃんとみんな、前を向いて進んでる


…ウチらも、もう立ち止まったりなんかしない



「あけましておめでとう、希。」

「今年も…よろしくね?」
714: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:26:16.27 ID:SgQ0JwqZ.net
「ウチこそ、今年もよろしく。」

「…ツバサちゃん。」


2人で笑うウチらの横で

にこっちが、何とも言えない顔をしてる



「いつの間に、こんな…」

あ、すっごく不満そうな顔


「…矢澤さん。」


「!?」

「は、はいっ!!」


「…ごめんなさい。」

そう言うと、ツバサさんは軽く頭を下げた



「…ツバサちゃん?」
715: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:26:46.34 ID:SgQ0JwqZ.net
「私…少し貴女の事、誤解してたみたい。」

「なんと言ったらいいのか…」


「希から聞いたわ。」

「貴女が、どれだけの想いを込めて、スクールアイドルをやっているのか。」


「…前は、言葉を濁してごめんなさい。」


「貴女は、このμ'sにおいて。」

「目指すべき物を教えてくれる、無くてはならない存在よ。」


「…!」


「…つつ、ツバサさんが…」

「にこの事を…」



「ひゃっほーうっ!!」


にこっちが、巫女服で飛び跳ねる


「まあ、子供な性格は、ある意味マスコットみたいだけれど…」

ツバサさんが呟いた台詞に

思わず吹き出しそうになった
716: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:27:16.95 ID:SgQ0JwqZ.net
「…ありがとう、東條希。」

「英玲奈さん…?」


「実を言うとな。」

「あの日、君たちに負けたのを知ってから。」

「ツバサは、何処か無理をしているように感じてた。」


「…だが、私達はそれを聞く事が出来なかった。」



「君だろう?」

「ツバサの心を、開いてくれたのは。」


「…ウチは。」

「ウチは、出来る事をしただけです。」



「…それでも、ありがとう♪」

「今日、会った時にツバサに謝られたの。」

「信頼しきれなくて、ごめん、って。」
717: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:28:02.72 ID:SgQ0JwqZ.net
「…そんなつもり、なかったのにね。」

「むしろ、私達が負担をかけてた部分もあるから…」



「でも、まさかツバサ本人からそう聞けるなんて。」

「…やっぱり、貴女を選んだツバサは、間違ってなかったみたい♪」



「ふ、2人とも…話し過ぎよ///」


「こんなに可愛いツバサが見れるだけでも。」

「私達は満足なんだから♡」


「…あんじゅ!」


「うふふっ。」

「それじゃあ、頑張ってね?」


「…はい。必ず、想いを繋いでみせます。」



「…期待しているわ、希。」

「…任せて、ツバサちゃん。」
718: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:28:40.46 ID:SgQ0JwqZ.net
そう言って立ち去ろうとする3人


…でも、不意に足を止めた


「…そうだ。」


ツバサさんが、振り返る

「せっかくだし、貴女達には優勝してほしいから。」

ツバサさんが、英玲奈さんの顔を見る


「…そうだな。」



「…確か、メニューを組んでるのは君と園田海未だったな?」

「は、はい。」

「連絡先を教えてくれないか?」

「効率の良いメニューや柔軟など、教えてあげられる事があると思う。」


「…あ、ありがとうございます!」


「それと…せっかくだし、ツバサにあやかってみるか。」


「…?」
719: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:35:15.34 ID:SgQ0JwqZ.net
「良き、戦友として。」

「君たちを、心から応援する。」


「…よろしく、絵里。」

「…!」


「…よろしく、英玲奈。」


そう言って、2人は手を取った


…なんだか、えりちと英玲奈さんって似てるなあ



「それじゃあ…」

「私は、南さんかしら?」


あんじゅさんが、口を開く

「A-RISEの衣装の原案は私が考えてるから…」

「もしかしたら、力になれるかも♪」


「また、ツバサに彼女のアドレス、送ってもらえる?」

「…もちろんです!」
720: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:35:49.12 ID:SgQ0JwqZ.net
「そ・れ・と…」

「私も、あんじゅ、って呼ばれると嬉しいな♪」


「あんじゅちゃんでもいいけど…」


「こら、あんじゅ。」

「調子に乗らないの。」


「じゃあ、私もツバサちゃん、って呼ぼうかな?」

「や、やめ…///」


「…にこは?」

にこっちが、顔を近づける


「え~っと…」



「が、頑張ってね、にこにー。」


「!!」

「はあぁうぅ~♡」


あ、にこっちが壊れた
721: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 01:36:15.73 ID:SgQ0JwqZ.net
「それじゃ、今度こそ行くわ。」

「…うん。」



「また、会いましょう。」

「それに…」


「今度は、みんなで遊びにも行きたいわね♪」

「ツバサちゃん…!」



A-RISEの3人から受け取った想いを

今度は、ウチらが繋いで行く


消さないように、燻らせないように


前に、前に


目指すべき、その先まで



「…勝たなきゃね。」

「…うん、もちろん。」


「大丈夫よ。」

「あの人達に認められた、私達だもん。」


「…うん。」
730: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 05:47:11.58 ID:cRyBs5Cx.net
-----



「あっ、いたいた…!」

「希ちゃーん!」


後ろから、声がかかる

この、元気いっぱいの声は…


「…あら。」

「あけましておめでとう。」


「おめでとう!」


「忙しそうだね?」

「ふふっ。」

「毎年いつもこんな感じよ?」

「と言っても、去年は休ませてもらったけどね♪」


「そーなの?」


「でも今年は、お手伝いさんがいるから。」
731: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 05:47:43.22 ID:cRyBs5Cx.net
「…希ー!」

「これそっちー?」


お手伝いさん第1号、発見♪


「にこちゃん!」


「うわあっ!?」

「なによ…来てたの?」


「可愛いにゃーっ!」

「巫女姿似合いますね。」


「えっ?そ、そう…?」


なーんやにこっち、満更でもないみたいやね♪



「なーんか真姫ちゃんと、和風ユニットがつくれそうにゃ!」

そう言って、凛ちゃんが真姫ちゃんの背中を押す


「ユニット…?」
732: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 05:48:07.35 ID:cRyBs5Cx.net
『…あはっ♪』

『うふっ♪』


『『おいでやす~♡』』



あ、簡単に想像できた


「それだっ!」


「それだ、じゃないわよ!!」

「そうよ!色物じゃない!」


穂乃果ちゃんの能天気さに、2人が突っ込む




「あら、みんな…」


お手伝いさん2号が来たみたい♪


「ああ!絵里ちゃん!」

「かっこいい…!!」


「ほれぼれしますね…」
733: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 05:48:37.89 ID:cRyBs5Cx.net
「絵里ちゃん、一緒に写真撮って?」

「…だめよ。」

「今、忙しいんだから…」


「希も早く。」

「はいはい♪」


「じゃあ、また♪」


みんなに別れを告げて

3人で社務所に向かう



「…真姫ちゃん、可愛かったね♪」

「そうね。」


「ま、このにこにーも負けてないけど?」

「あんなに褒められたんやから。」

「今ぐらいは自重したらいいのに…」


「そ、それは…///」
734: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 05:48:59.63 ID:cRyBs5Cx.net
「おねーちゃーんっ!!」

「…!」


「亜里沙…!」

亜里沙ちゃんが、えりちに抱きつく


「何お願いしてきたの?」

「えへ…あのね?」


「音ノ木坂に合格して…」

「μ'sに入れますように、って!!」


「…!」


「…そう。」


「…?」


「じゃあ、雪穂が待ってるから行くね?」

そう言って、亜里沙ちゃんは来た道を引き返した
735: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 05:49:27.92 ID:cRyBs5Cx.net
「μ'sに…か。」


「やっぱり…」

「一度、みんなと話した方がええんやないかな?」


ずっと、目を背けてきたけど…

徐々に近づく、それの足音



「…これからの事。」


「そうね…」


「…分かってる。」

「でも…」



「言葉にするのが、怖い?」


「…」



頭では、分かってる

でも…理解できない


いや、したくないんやと思う
736: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 05:49:58.46 ID:cRyBs5Cx.net
-----


「…自由?」

「選曲も?」


「はい。」

「歌だけじゃありません。」

「衣装も踊りも曲の長さも、基本的に自由です。」



年が明けてすぐの、最初の練習

改めて、ルールを確認する


「とにかく全代表が一曲ずつ歌いきって…」

「会場とネット投票で優勝を決める…」

「実にシンプルな方法です。」

えりちと花陽ちゃんが、海未ちゃんに続く



「いいんじゃないの?わかりやすくて。」


「…それで。」

「出場グループの間では。」

「いかに大会までに印象づけておけるかが重要だと言われてるらしくて…」
737: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 05:50:32.75 ID:cRyBs5Cx.net
「…印象づける?」

「全部で50近くのグループが。」

「1曲ずつ歌うのよ?」


「当然見ている人全員が、全ての曲を覚えているとは限らない。」


「それどころか…」

「ネットの視聴者は、お目当てのグループだけを見る、って人も多いわ。」


「確かに…全グループを一度に見るのは辛いかも。」


「μ'sはA-RISEを破ったグループとして注目を浴びているので。」

「現時点では、他のグループより目立ってはいますが…」


「…それも本大会がある3月までには。」

「どうなっているか、って事やね。」


…だからこそ、必要なんよ

ウチらの原動力とも言える、それが
743: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:32:26.45 ID:cRyBs5Cx.net
「でも…」

「事前に印象づけておく方法なんて…あるの?」


「はい!」

「それで、大切だと言われているのが…」


「キャッチフレーズです!」

「キャッチフレーズ?」


「…そうね。」

「その事もあるし、少し早めに練習を切り上げて。」

「部室で話しましょうか。」


「そうですね。」

「では、各自ストレッチが終わり次第、始めますよ。」


「「はーい!」」
744: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:33:20.13 ID:cRyBs5Cx.net
-----


「…と、言う訳で。」

「これがその、キャッチフレーズです。」


「出場チームは、このチーム紹介ページに。」

「キャッチフレーズを付けられるんです。」


「例えば…」


『恋の小悪魔』

『はんなりアイドル』

『With 優♡』


「なるほど…皆考えてるわね。」


「当然、ウチらも付けておいた方がええ、って訳やね。」


「はい。」

「私達μ'sを一言で言い表すような…」


「μ'sを一言で、か…」
745: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:37:52.76 ID:cRyBs5Cx.net
-----


「…どう思う?希。」

「なにが?」


「キャッチフレーズよ。」

「うーん…」


「なんとかなると思うよ?」


「案外、あっさりしてるのね。」

「そう?」


「…ま、これは穂乃果ちゃんに任せるべきやと思うな♪」


「何故?」

「何となく、そんな気がするから。」


「それに…」


さっき届いた、メールを見返す


「…うん、ベストタイミング♪」
746: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:38:20.10 ID:cRyBs5Cx.net
「…?」


「…ほら、えりち見て?」


「あれは…!」


「穂乃果ちゃんは、きっと答えを出すと思う。」

「そしてそれは、今のウチらに必要な事。」


「…そして、あの人にも。」


「だから…ウチらは、その手助けをしよ?」


「…」


「…ほんと、未だに希が分からないわ。」

「褒め言葉として、受け取っておくよ♪」







「…あとは任せたよ、ツバサちゃん♪」
747: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:39:55.86 ID:cRyBs5Cx.net
-----

pipipi…


「…もしもし?」


「こんばんは、ツバサちゃん。」


「…うん。」


「あはは…やっぱり?」


「…うん。」


「うん。」


「…そっか。」


「穂乃果ちゃんも、同じ事考えてくれてたんやね。」


「…でも。」


「きっと、あの子は答えを出すよ。」
748: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:40:21.44 ID:cRyBs5Cx.net
「…え?」


「いや、買い被りすぎやって♪」


「ウチは、ウチが思った事をしてるだけ。」


「でも、きっとこの答えは。」


「ウチらにとっても、ツバサちゃん達にとっても。」


「きっと、ひとつのキッカケになると思う。」


「だから…」


「この答えは、μ'sのキャッチフレーズとして。」


「ツバサちゃんに、送るよ。」


「…大丈夫。」


「だから、もう少し待ってて?」
749: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:41:03.95 ID:cRyBs5Cx.net
「…うん。」


「うん、ありがとう。」


「…え?」


「ああ、もちろん♪」


「もう伝えてあるから、あとはそっちのしたいように。」


「うん、後で送るね。」


「多分、来週辺りからなら大丈夫やと思う。」


「うん、よろしく。」


「…ふふっ。そうやね。」


「それじゃ、また。」


「うん、おやすみなさい。」


pi…



「…これでまた、次に進める。」
750: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:42:03.81 ID:cRyBs5Cx.net
「…さて、そろそろウチも寝ようかなー?」


お風呂も入ったし

髪の毛も、最近はちゃんと乾かしてる


「…」


立てかけた、μ'sの写真が目に入る


「あと、3ヶ月…か。」


「…」


pipipi


「ん?」

ケータイを手に取って、画面を見る


「…日曜?」

スクロールしていくと…




「ふふっ。なるほど♪」
751: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:45:59.16 ID:cRyBs5Cx.net
-----


「はーい、お待たせー!」


穂乃果ちゃんのお母さんが、持って来てくれたそれを

臼の中に入れる


「「わあーっ…!!」」


うん、すっごくつやつやしてる♪



「ちゃんと出来るの?穂乃果…」


「お父さんに教わったもん!」

「~♪」


そう言って、穂乃果ちゃんは

杵で、つやつや光るそれを潰していく


「いっくよーっ!!」

「はいっ!」


「ほっ!」


海未ちゃんと二人で、それをついていく
752: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:46:28.12 ID:cRyBs5Cx.net
「よっ!」

「ほっ!」

「よっ!」

「ほっ!」


…うん、すごく息ぴったり♪



「わあ~っ!ご飯キラキラしてたねえ…!」

「お餅だねえ~♡」


「食べる気満々じゃない…」


花陽ちゃんは、もう待ちきれないみたい


「凛ちゃん…やってみる?」

「やるにゃーっ!!」


「真姫ちゃんも…!」

「いいわよ…それより、なんで急に餅つきなの?」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
753: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:47:16.91 ID:cRyBs5Cx.net
「…なんか、考えてみたら。」

「学校のみんなに、なんのお礼もしてないな、って…」


「…お礼?」

「うん!」

「最終予選突破できたのって…」

「みんなのおかげでしょ?」


「でも、あのまま冬休み入っちゃって…」

「お正月になって…」


「だからって、お餅にする必要ないじゃない。」


「だって、他に浮かばなかったんだもん…!」


「それに、学校のみんなに会えば…」

「キャッチフレーズも思いつきそうだな、って♪」


穂乃果ちゃんらしい、理由やね♪
754: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:47:57.69 ID:cRyBs5Cx.net
「…思いつく?」

「…!」


「お餅つきだけに…っ!!」


「「…」」



花陽ちゃんが、手に持ったお箸を落とす


「にこちゃん、寒いにゃ…」


「悪かったわよ…!」

「ついよ、つい…!」


「…」



「…よっ。」

構わず、凛ちゃんが続けようとしたけど…



「わあああ!!」

「危なーいっ!!」


「わああっ!?」
755: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:48:30.16 ID:cRyBs5Cx.net
後ろから亜里沙ちゃんが飛んで来て

海未ちゃんを押し倒した



「μ'sが怪我したら大変…!!」


「亜里沙…?」


「「…」」


「ぷっ…」


「「ふふふっ…」」


「叩こうとしてた訳じゃないにゃー。」


「…え?」



「さ、温かいうちに、終わらせよっ!」
756: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:49:03.43 ID:cRyBs5Cx.net
-----


「お餅…?」

「スライム…?」


亜里沙ちゃん、受け取ったお餅を見て不思議そうな顔してる


「食べてみて?」

「ほっぺた落ちるから!」


「…はむっ。」


「…!」


「美味しい…!!」




「…おお!本格的ね!」

「「…!」」


穂乃果ちゃんが、駆けていく


「…へい、らっしゃい!!」


それじゃ、始めよか♪
758: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 06:52:06.65 ID:cRyBs5Cx.net
「はい、どうぞ♪」

「みんなの分、ありますからねー!」


続々と生徒が集まって来て

たちまち、穂むらの前が人で賑わう


「のーぞみちゃんっ!」

「…!」

「みんな…」


「最終予選突破、おめでとう♪」

「今日は、みんなで会いに来たよっ!」


「…ありがとう。」

「ほら、つきたてのお餅があるから、食べてってな?」


「もっちろん♪」

「そのために、朝抜いて来たんだから…!」


「もう、食い意地張り過ぎっ!」


「…ふふっ。」
759: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 07:00:14.65 ID:cRyBs5Cx.net
「…ふう、こんなものかしら。」


「にこっちー、お疲れさま♪」

「ああ…希。」


「すごいよなあ…」

「ちょっと声かけたら、こんなに集まって。」


「穂乃果ちゃんや、他の皆の人望やね♪」


「…ま、そういう事ね。」


「アンタも…」

「友達、来てたみたいね。」


「…うん。」


「にこっちは…」

「…!」


「どうしたの?」

「…ううん?」


「それじゃウチは、あっちの手伝いしてくるね♪」
760: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/16(木) 07:01:01.16 ID:cRyBs5Cx.net
ばっちり、2人とアイコンタクト

本当に…みんな、人望厚いなあ



「ふふっ…」



-----


「まったく、なんなのよ…」


「ま、みんな楽しそうだし…わぷっ!?」


「だーれだっ?」

「え…?」


「…ほら、時間切れになっちゃうよ?」


「うそ…」


「だって、この声…」


「ブーッ。時間切れー。」







「…やっぱり。」


「久しぶり…にこちゃん。」
765: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/17(金) 10:01:41.51 ID:q00rEnj1.net
「…何しに来たのよ。」

「酷いなあ。」

「直接言いにこい、って言ったのは、にこちゃんでしょ?」


「…!」

「アイツ…」


「…ねえ、にこちゃん。」

「あのね…」



「もういいわ。」

「…?」


「謝らなくて、いい。」


「もう、後ろは振り返らないから。」


「にこちゃん…」


「…でも、アンタ達がいたから。」

「今、にこはここにいるの。」
766: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/17(金) 10:03:09.77 ID:q00rEnj1.net
「…ねえ、にこちゃん。」

「私達がいて…よかったって、思える?」


「…そうね。」


「正直…今でもアンタ達を許せるかって言われたら。」

「…よくわかんない。」


「「…」」


「でもね。」

「罪滅ぼしのつもりか知らないけど。」


「アンタ達が、μ'sの為に。」

「私のためにしてくれた事を、無かった事になんて出来ない。」


「…だから。」


「…!」


「もう、今までの事はチャラよ。」

「応援…してくれるんでしょ?」
767: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/17(金) 10:04:09.51 ID:q00rEnj1.net
「にこちゃん…」


「今まで、辛い事は何度もあった。」

「その度に、μ'sのみんなは助けてくれた。」


「…こうして、手を差し伸べてくれた。」

「私には、μ'sがある。」

「その、仲間がいる。」


「そう…思ってた。」


「でも、最終予選のとき。」

「…アンタ達からメールをもらって。」


「ううん…」

「その前だって、そう。」


「陰で支えてくれたのは。」

「アンタ達も、同じでしょ?」



「…」
768: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/17(金) 10:21:12.06 ID:q00rEnj1.net
「だから…っ!?」


「にこちゃーん!!」


「ちょっ…離れなさいよっ!」

「みんな見てるじゃない…っ///」



「ありがとう…」

「ありがとう、にこちゃん…!!」


「ったく…」


「ホント、感謝しなさいよね。」ナデナデ


「…」


「…?」


「…!?」


「希!?」

「いつからそこにっ…!!」
769: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/17(金) 10:22:05.37 ID:q00rEnj1.net
「『何しに来たのよ』辺りからかなあ…?」

「ほとんど最初からじゃないっ!!」


「いやあ~…」

「2人に任せようと思ったんやけど。」

「やっぱり、気になって…えへへ。」


「はあ…最悪だわ。」

「またまた~。」


「…」


「…ありがとう。」


「…?にこっち、なんて?」


「何でも無い!!」



「ねえ、にこちゃん!」

「写真撮ろうよ!」


「…写真?」
770: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/17(金) 10:22:35.14 ID:q00rEnj1.net
「ほら、私達3人の時も、撮った事無かったし…」


「だめかな?」


「…仕方ないわねえ。」

「ほら、みんな集合しなさい!」


「…にこちゃん!」



「海未、アンタも来なさい!」

「その辺の連中もつれて来て!」


「ええっ!?」

「いきなりなんですか…」


「写真よ、写真!」

「ポーズはもちろん…」


「「うんっ!」」



「せーのっ…」


「「にっこにっこにー☆」」



パシャッ
771: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/17(金) 10:29:35.24 ID:q00rEnj1.net
-----



「…みんな来てくれてよかったですね。」

「冬休み中なのに…ずいぶん集まったわね。」


「みんなそんなにお餅好きだったのかなあ?」

「好きだよ…美味しいもん♪」



「きっと…」

「みんな一緒だからだよ。」


「…え?」


「みんながいて、私達がいて。」

「…だからだと思う。」


「なんかわかるような…」

「分からないような?」


「それが…キャッチフレーズ?」


「ううーん…ここまで出てる…」


そう言って、喉を指す穂乃果ちゃん
772: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/17(金) 10:30:02.12 ID:q00rEnj1.net
「「…」」


「ホントだよおっ!?」

「もうちょっとなの!」


「もうちょっとで、そうだ!ってなる気がするんだけど…」


「…」


「まあ、出てこないのを待ってても仕方ないわ。」

「一旦片付けて、練習に行きましょう。」


「「はーい。」」


-----


「はあっ…はあっ…」

男坂を、一気に駆け上がる


やっぱり、お餅つきの後はしんどいなあ…


なんて考えていると、ようやくゴールが見えて来た
773: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/17(金) 10:30:44.33 ID:q00rEnj1.net
「…ふうー。」


「はい、希もなかなか良いタイムです!」

「…ほんと?」


「ええ。」

「やはりみんな、順調にタイムが伸びてますね。」

「良い傾向です。」


「ふふっ。」

「海未ちゃんに褒められると、なんか嬉しいやん♪」


「わ、私だって、褒めるときくらいありますよ…!」


「…」


「し、信じて下さいっ!」


ふふっ…海未ちゃんは、やっぱり可愛いなあ


「…それより、聞きましたよ。」

「ん?」
774: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/17(金) 10:31:15.10 ID:q00rEnj1.net
「次の週末の事です。」

「…ああ!」


「まったく…いつの間に、そんな話が進んでいたのですか。」


「まあまあ、ええやん?」

「海未ちゃんも、気になる所やろ?」


「それは…そうですが。」


「まあ、えりちもいるんやし。」

「大丈夫、大丈夫♪」


「もう…」

「希には、敵いませんね。」


-----


「…ぷはーっ。」


一旦、練習を休憩してると

穂乃果ちゃんが、何かを見つけたみたい


あれは…絵馬?
775: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/17(金) 10:37:56.26 ID:q00rEnj1.net
「…!」

「凄い数ね…」


みんなで、近くに行く


「お正月明けですからね…」


「…あ。」

穂乃果ちゃんが、手に取ったそれには


『μ's fight!!』の文字が

可愛らしいみんなのイラストも

その下に描かれてる



「これ、音ノ木坂の生徒の…」


「こっちもです。」


海未ちゃんが、辺りにあるのを指す


「…!」

「見て…!!」
776: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/17(金) 10:38:24.55 ID:q00rEnj1.net
ことりちゃんが見つけた、それは…


『μ'sが本大会で遅刻しませんように!!』

『大会の日、晴れますように!!』


雪穂ちゃん…

亜里沙ちゃん…



「…」


「…!」


「そっか…!」




「分かった!」

「そうだ、これだよっ!!」


「「…えっ?」」



「何なのよ…いきなり。」
777: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/17(金) 10:38:51.23 ID:q00rEnj1.net
「μ'sの原動力!」

「なんで私達が頑張れるか。」

「頑張ってこられたか。」


バッと、両手を広げる


「μ'sって、これなんだよ!!」



「これが…?」


「うん!」


「一生懸命頑張って、それをみんなが応援してくれて。」

「一緒に成長していける…!」


「それが全てなんだよ!」


「みんなが同じ気持ちで頑張って…」

「前に進んで、少しずつ夢を叶えていく。」


「それがスクールアイドル…」

「それが、μ'sなんだよっ!!」
778: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/17(金) 10:39:25.44 ID:q00rEnj1.net
「「…」」


「みんなの、力…」


「それが、μ's…」


音ノ木坂に通う生徒が

先生や、保護者の人たちが

ライバルの、人たちまで


…そして何より、ウチら自身が

優勝を、願ってる



みんなで、同じ物を目指して

そのために、頑張るウチらやから

支えてもらってる、ウチらやから



これは、ウチらだけの夢じゃない

…みんなの、夢



みんなで、叶える夢


それを紡ぐ、物語



いつだって…ひとりじゃない

これは




---『みんなで叶える物語』
784: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 01:52:40.91 ID:LF80GfgX.net
Side Story


自分らしさと導き手


Another Side: U
785: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 01:53:10.88 ID:LF80GfgX.net
-----


週末…ですね

まったく、希には困った物です


いきなり、こんな予定を入れるなんて


しかも、本人の与り知らぬ所で


…ですが


恐らく、有意義な時間となるでしょう


絵里も、今日はいますしね



「…ふう。」


私とした事が

少し…緊張しているみたいです



まあ、当然かもしれませんが


なにせ、今日会うのは…
786: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 01:53:54.68 ID:LF80GfgX.net
「行って参ります。」


玄関から一瞥して

日の差す外へと足を踏み出します


やはり…少し、寒いですね

少し大きめの荷物を抱えて


待ち合わせの場所まで


「時間は…まだ、早いですが。」


今日の私達は、学ぶ立場

…で、あるなら


待たせる訳には、いきませんからね



期待と、少しの不安を胸に秘めて

寒空のもと、私は歩き始めました
787: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 01:54:39.51 ID:LF80GfgX.net
-----


駅前の時計台の下

確か、そこが待ち合わせ場所ですが…


近づくにつれ、その姿が見えてきました


思わず時間を確認すると

まだ予定の20分前


…流石、と言うべき所なのでしょうか



「お待たせしました。」

「…おはよう。」


「まさか、もう来られているとは思いませんでした。」


「ふふ…なに。」

「少し、早くに目が覚めただけだ。」


「…もちろん。」

「君たちに期待しているが故…でもあるが。」


「あ、ありがとうございます///」



「…統堂さん。」
788: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 01:55:28.57 ID:LF80GfgX.net
私がそう言うと

統堂さんは、少し渋い顔をしました


「あ、あの、何か失礼を…」


「いや、そういう訳ではないんだ。」


「ただ…」


「せっかく、こうして休日に会うんだ。」

「英玲奈、と呼んでくれるとありがたい。」


「何より…その方が、早く打ち解けられるだろう?」


「で、ですが…」


「私も、もっと君たちと仲良くなりたいんだ。」

「ツバサと…希のように。」


「統堂さん…あ、いえ…///」


「ふふ、慣れてからで構わない。」


「よろしくな。」


「…海未。」


「…はい///」
792: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 10:44:21.58 ID:LF80GfgX.net
「…あら。」

「遅れちゃったかしら?」


「絵里…!」


「いや、まだ5分前だ。」

「そう?よかった♪」



「おはよう、英玲奈。」

「おはよう、絵里。」


…絵里は、呼び方がとてもスムーズですね

やはり、先輩禁止を言いだす事はあるのでしょうか



…なにより

いつの間にこの2人は仲良くなったのでしょうか


「今日はわざわざ来てもらってすまない。」

「ツバサと希からも聞いたと思うが。」


「できれば、君たちの力に少しでもなれれば、と思ってな。」
793: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 10:44:51.04 ID:LF80GfgX.net
「ありがとうございます。」

「礼を言うのは、こちらの方だ。」


「君たちμ'sがいたからこそ。」

「我々も努力してこられたし。」

「…負けたくないと思えた。」


「残された時間は幾ばくもないが…」

「できれば、最後まで君たちとは。」

「切磋琢磨しあえる関係でありたいと思っている。」



「…だからこその、今日だ。」


「…!」


「本日はよろしくお願いします。」

「そんなに、固くならなくていい。」



「…だが。」


「それが、君らしさなのだろうな。」
794: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 10:45:16.60 ID:LF80GfgX.net
私らしさ…


私らしさとは、なんでしょうか


物心ついた時から

私は、この性格・言動で過ごしてきました


間違っているとは思いませんが…


なにか、ひっかかる気もします


「…ふっ。」

そんな様子の私を察してか

英玲奈さんが、少し笑いました


「…それでは、行こうか。」

「重い荷物を持ち続けるのも、しんどいだろう?」


「…それで。」

「今日は、どこでやるの?」


「…ついてくれば、分かるさ。」


そう言って、英玲奈さんは歩き始めました
795: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 10:45:46.47 ID:LF80GfgX.net
-----




「あ、あの…///」


「それでは早速、歌ってもらおうか。」


「こ、ここは…?」


「ここって…」

「カラオケじゃない、海未。」


そ、そんな事は分かっています!

私が知りたいのは、なぜカラオケに来たのかと…




「…せっかくこうして会えたんだ。」

「親睦を深めると思って、付き合ってはくれないか?」


英玲奈さんにそう言われると

私は、嬉しいような、恥ずかしいような…


「それに、ただ遊ぶだけ、というのももったいないし。」

「私が指摘できる所は、見させてもらう。」
796: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 10:46:12.18 ID:LF80GfgX.net
「指摘…」


「別に、いじめようとかではない。」

「少しでも力になりたいだけだ。」


「我々の届かなかった夢だからこそ。」

「…君たちには、掴んでほしいと思っている。」


「英玲奈さん…」


「…呼んでくれたな、海未。」

「あ、その…///」


「いいんだ、嬉しいよ。」

「は、はい。」



「それでは、早速どうだろう?」

「わ、私ですかっ!?」


い、いきなり歌う事になるとは…

それに、英玲奈さんの前で醜態を晒すわけには…
797: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 10:46:39.77 ID:LF80GfgX.net
「…ッ!」

考えれば考えるほど

頭が真っ白になってきます


あの、天下のA-RISEの前で

私一人が、歌う…?



な、何を歌えばいいんでしょうか…




必死に歌う曲を探していると

横から声がかかりました


「じゃあ海未、一緒に歌いましょう?」

「…ほら、これなんかどう?」


「絵里…」


「…流石に、最初は緊張するわ。」

「だから…ね?」


「いいでしょ?英玲奈。」
798: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 10:47:16.32 ID:LF80GfgX.net
絵里が、私を気にかけてくれています

…やはり

これが、最年長者の力なのでしょうか。



「…」


「どう?英玲奈。」


「そうだな。」

「確かに、急すぎたかもしれない。」


「…すまなかった。」


「い、いえっ…!」


「それじゃ、海未。」

「一緒に歌いましょ?」


「…ありがとうございます、絵里。」


少しだけ…気分が、ほぐれました












「…」

「希に聞いていた通り…か。」
804: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 01:22:59.58 ID:1k75HTSS.net
-----


それから私は

絵里の助けもあって

最初こそ緊張しましたが

カラオケを楽しむ事ができました


英玲奈さんとのデュエットも新鮮で

仲良く…なれた気がします


また、その時々に英玲奈さんが教えてくれた


疲れない声の出し方やブレスの方法など

実際のトレーニング方法と一緒に学ばせて頂き


それだけを取っても、来てよかったと思えました



そして私達は

練習メニューの改善のために

UTXの会議室に案内されました
805: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 01:23:35.25 ID:1k75HTSS.net
「…と、まあ、こんな感じだ。」

「何か、質問はあるか?」


「思っていたよりも、練習時間は少ないのね。」


「…そうだな。」

「私達が3人というのもあるが…」

「実際、練習において練度を高めるのは。」

「時間ではなく効率と内容だと思っている。」


「ただ、時間を浪費するだけでは意味がない…と?」


「そうだ。」

「そしてそれは、体の不調にも繋がる。」


「…」


「オーバーワークは、誰にでも起り得る。」

「目指せばそれだけ、周りが見えなくなることもある。」


「…皮肉な物ではあるが。」
806: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 01:24:08.94 ID:1k75HTSS.net
「だからこそ。」

「私達は、週に一度完全休養日を取り入れている。」


「休養日と言っても、体を休める事を主としている。」

「言ってしまえば、コミュニケーションをとる日だ。」


「コミュニケーション…」


「私達は3人だからな。」

「少しの意識のズレが、結果に繋がってしまう。」

「だから、この日に。」

「お互いが思っている事を言い合うのだ。」


「時には、衝突だってする。」

「理解できないと、一日中喧嘩した事だってあった。」


「…それでも、ここまで来られたのは。」

「全員が…同じ物を目指していたからだ。」



「それが、ラブライブ…ですか。」


「ああ。」
807: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 01:24:37.33 ID:1k75HTSS.net
「何も、同じようにする必要はない。」

「君たちには、君たちなりのやり方もあるだろう。」


「だが、出来るならば完全休養日は入れた方がいい。」

「今までのステージを見て。」

「基礎的な体力・振り付けなどは申し分ないと言える。」


「これからは、そういった練習は少なくして。」

「体の調整を主にしていくべきだ。」



「…なるほど。」



「…さて、まだ何か質問はあるか?」


「…いえ。」


「ありがとうございます、英玲奈さん。」


「なに、礼には及ばない。」

「言いだしたのは、こちらからだ。」
808: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 01:25:08.94 ID:1k75HTSS.net
「それでも…ありがとうございます。」


「…」



「…ずっと机に向かうのも、疲れただろう。」

「実際に出来るトレーニングなど。」

「少し…やってみようか。」


「練習着は持って来たな?」

「着替えて、レッスン場に来てくれ。」

「私も、すぐに行こう。」


「…はい!」


-----



「英玲奈さん、遅いですね…」

「まあ、わざわざ時間をとってくれたみたいだしね。」

「もう少し、待ってみましょう?」


「それにしても…」

「こんなに色々としてもらえて、なんだか申し訳ないですね。」
809: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 01:25:49.51 ID:1k75HTSS.net
ガチャッ


「…すまない、遅くなった。」


「それじゃ、始めようか。」




私達が英玲奈さんに伝えたトレーニングと合わせて

空いた時間に出来るトレーニングなど


ひとつひとつ、やり方を教えてもらい

とても実のある、充実した時間となりました



「…ふう。」


ですが、流石にここまで色々やると汗をかきますね

私も絵里も、ほんのりと体が熱くなってきたところで


…不意に、英玲奈さんが口を開きました


「…では、一曲踊ってみようか。」




「…え?」
810: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 01:26:16.21 ID:1k75HTSS.net
「…実は、今日のメインはこれなんだ。」

「メイン…?」


「少し…頼まれてな。」

「先ほど、来るのが遅かっただろう?」


「実は、隣のトレーニング室で。」

「我々の後輩とも言える…」

「芸能科の生徒が集まっている。」


「そこで、一曲披露してもらいたいのだ。」


「…!?」


「不躾なお願いだというのは分かっているが。」

「彼女たちに…自分の、目標を。」

「競うべき相手を、知ってほしいのだ。」
811: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 01:27:17.31 ID:1k75HTSS.net
突然の英玲奈さんの言葉に

思わず、身構えてしまいます


「そして、できれば。」

「海未…君に、踊ってもらいたい。」


「わ、私一人ですか…!?」

「…!」



「ああ。」

「絵里は、もうすぐ卒業してしまうからな。」

「できれば、ライバルとなる存在の。」

「海未にやってもらいたい。」


「…これは、単なるお願いだ。」

「そこまで深く考えなくてもいい。」


「本番の事もあるだろうから。」

「断ってくれても構わない。」


「だが…どうだろうか?」



「私が…」



ひとりで、踊る?
814: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 09:55:11.54 ID:1k75HTSS.net
「む…」


「む?」


「無理ですっ!!」


そんな、一人で…

しかも、A-RISEの候補生の前でなんて…


「は、恥ずかしすぎますっ…///」


「…」


私がそう言うと、英玲奈さんは寂しそうな顔をしました


「あ…」


今日は、私達のために色々として下さったのに…

こ、これが、お礼になるのなら…


「…ッ!」


「や、やっぱり無理ですっ!!」
815: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 09:55:41.55 ID:1k75HTSS.net
「…そうか。」


あ、呆れられてしまったでしょうか…


でも、私ひとりなんて…


「海未…」


「ねえ、英玲奈。」

「私も一緒じゃ…ダメかしら?」


「絵里。」


「今日の事は、すっごく感謝してる。」

「出来れば、何かお返しをしたいとも思ってた。」


「だから、踊るのは構わない。」

「でも…海未は、恥ずかしがり屋だから。」


「2人で踊るのは…ダメ?」


「絵里…」
816: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 09:56:27.01 ID:1k75HTSS.net
「…」

英玲奈さんは、少し考えています

ですが、できれば私も…絵里と、一緒がいいです


「やはり…か。」


「…?」


「ひとつ…私が、気に入らない事があるとするならば。」

「それは、海未…君のその、性格だ。」


「え…?」


「海未…君は良く言えば、思慮深い。」

「仲間思いで、かつ、芯がある。」


「練習の時だって、例え嫌われ役を買ってでも。」

「君は、仲間のために努力していると聞いている。」


「それは、他の誰にも出来ない。」

「君にしか出来ない…君らしさ、と言うべき物だ。」


「私…らしさ…」
817: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 09:57:55.36 ID:1k75HTSS.net
「だが…海未。」

「そうまでして、客観的に物事を判断できる君が。」

「なぜ、自分の事となるとそこまで弱気になる?」


「そ、それは…」

「…」


「私には、人前に立つ事も…」

「ましてや、アイドルなんて…似合わない、ですから。」


「…」


「不思議なんです。」

「どうして、今私がここにいるのか。」


「もちろん、μ'sとしての活動は好きです。」

「予選を勝ち抜いて、涙が出るほど嬉しかったのも、覚えています。」


「…ですが。」

「本当に…私で、いいのか…と。」
818: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 09:58:23.58 ID:1k75HTSS.net
「…どういうことだ?」


「私は、もともとスクールアイドルをやるつもりではありませんでした。」

「穂乃果とことりに誘われ。」


「なし崩しに参加したも同然です。」

「もちろん、今は好きです。」

「歌うのも…踊るのも。」


「ですがそれは、みんながいるからで。」

「みんなが、努力して来たからで。」


「私自身は…昔のまま、なんです。」


「この性格だって…」

「周りからは、古風だ、格好良いと言われ。」

「他の生徒からは…憧れる、とまで言われています。」
819: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 09:59:15.14 ID:1k75HTSS.net
「嬉しくない訳ではありませんが…」

「正直、何が本当の自分か分からないのです。」


「…」


「園田海未のレッテルを張られた…園田海未、か。」


「…え?」


「確かに、私も海未の事を聞かれたら。」

「さっきの君と同じように答えるだろう。」


「…だが、それがどうした?」


「…え?」


「君は、みんなに憧れられたいから、アイドルをしているのか?」

「格好良いと言ってほしくて、続けているのか?」


「ち、違います…!」
820: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 09:59:48.65 ID:1k75HTSS.net
「ならば何故、戸惑う事がある?」

「…好きなのだろう?」


「μ'sが…スクールアイドルが。」


「…」


「で、ですが、やはり私には似合わな…」

「そんなもの、誰が決めた?」


「君は、世間の評価が欲しい訳じゃないと、今自分で言っただろう?」

「ならば、やりたい事をやるだけだ。」


「踊りたいなら、踊ればいい。」

「歌いたいなら、歌えばいい。」



「やりはじめた時ならまだしも。」

「今の君のダンスを、歌を恥ずかしいと思うのなら。」


「…それは、今までμ'sが作り上げてきた物が。」

「世に出せるレベルではないと…」

「そう言っているのと、同じ事だ。」
821: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:00:16.41 ID:1k75HTSS.net
「なっ…!?」


「…君は。」

「今まで、努力して来たんだろう?」

「園田海未として。」


「それが、私は間違っているとは思わない。」


「自分が…分からなくなる、と言ったな。」

「そんな時は、何が一番大事なのかを思い出せ。」


「何が…一番。」


「海未の、目指しているものだ。」

「一番、譲れないものだ。」


「それさえ曲がらなければ…」

「道を見失う事はないだろう。」



「譲れない…もの…」
822: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:08:30.48 ID:1k75HTSS.net



今までは、廃校を阻止するためにやってきました


それが、達成され


そして…一度、目の前は閉ざされました


リスタートして…


みんなとひとつになって


ラブライブ優勝に向けて、努力してきました


私の、譲れないものは…


ラブライブを優勝する事なのでしょうか…


それが…私の、原動力


そう…なのでしょうか…





---本当に?
823: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:08:57.68 ID:1k75HTSS.net
「…ッ!?」



---本当に、それが原動力なのですか?


…ええ

みんなで…目指しているものですから



---そうですか




「…ちなみに。」

「…?」


「希にも同じ質問をしたが…」

「彼女は、すぐに答えたよ。」


「みんなの夢を叶える事。」

「…それが、自分を突き動かす、原動力なのだ、と。」




「みんなの…夢を…?」
824: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:09:31.29 ID:1k75HTSS.net
「…一度、その事で揉めた事もあったようだが。」

「それでも彼女は、そのためなら。」


「自分は頑張れるのだと…そう、言っていた。」


「誰かの、ため…」



「もう一度聞こう、海未。」

「君の、譲れないものとは、なんだ?」


「…」






---ラブライブで、優勝する事ですか?





---今が楽しければ、それでいいと?


825: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:09:57.47 ID:1k75HTSS.net
---貴女は、何を求めるのですか?


私は…


---穂乃果とことりに、流されているだけですか?


…違います


---見た事無い所へ、連れて行ってもらえれば満足ですか?


違います!!!


私は…


私は!




みんなの笑顔が見たいのです!!


私を、園田海未としてではなく…

音ノ木坂の…μ'sの、海未として受け入れてくれた!


この8人と、共に歩みたいのです…!!



同じ世界を、見たいのです…!!
826: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:10:35.27 ID:1k75HTSS.net
-----


「私の、譲れない物は…」

「私を受け入れてくれた、この8人と。」


「笑顔で…共に歩む事、です。」



「…そうか。」



「…やらせてください、英玲奈さん。」

「私は…変わらなくてはいけない。」


「穂乃果に…みんなに。」

「頼ってばかりでは、駄目なんです。」



「私は…自分を、変えたいのです…!」




「…ああ、もちろんだ。」
827: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:11:10.77 ID:1k75HTSS.net
「…では、そんな海未にひとつだけ。」

「私からのアドバイスだ。」


「アドバイス…?」


「人前で上がってしまうときは。」

「目の前に、1秒先の自分を映すんだ。」


「1秒、先…?」


「成功する自分を、イメージするんだ。」

「目の前の、1秒先の自分が完璧に踊れているなら。」

「自分も、同じように踊れば良い。」


「常に、成功するイメージを思い浮かべる事。」


「それで…本当に、上手くいくのでしょうか。」


「もちろん…効果は、保証する。」

「なんたって…」









「私はそれで、変われたのだから。」
828: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:27:38.03 ID:1k75HTSS.net
-----


「…これが、狙いだったの?」

「何の事だ?」

「とぼけなくてもいいじゃない。」


「…」



「あんなに、楽しそうな海未…」

「なかなか、お目にかかれないわよ?」



「…まあ。」

「あれが、海未の本当の魅力だ。」

「私は、糸をたらしただけだ。」


「這い上がって来たのは…」

「まぎれも無く、海未自身だ。」




「…そうね。」


「そしてそれは…君にも言える事だ、絵里。」


「…え?」
829: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:28:09.76 ID:1k75HTSS.net
「希から、聞いたよ。」

「高坂穂乃果達と出会う前。」


「…その時の、君の事。」


「…」


「話を聞くだけで、辛かった事は分かる。」

「…だが、同情しようと言うのではない。」


「君は、人の心情を気にかける事が多いみたいだからな。」

「確かにそれは、間違ってはいない。」



「恐らく、過去にあった事から。」

「相手が緊張や不安で押しつぶされてしまわないように。」

「目の前を塞いでしまわないように。」


「君が、心がけている事だろう。」


「そこは…希とよく、似ているな。」


「…」
830: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:28:39.46 ID:1k75HTSS.net
「…だが、時としてそれは。」

「相手の考える力をも奪ってしまう。」

「思考が…停止してしまうのだ。」


「…!」


「今日も、何度かあっただろう。」

「海未に、絵里が手を差し伸べる状況が。」


「生徒会長としての立場なら、たいした物だ。」

「…だが。」


「君たちは、先輩禁止なのだろう?」

「全員がセンター…そう、私は聞いた。」


「…なら、頼られてはいけないんだ。」


「…」


「君なら、分かるだろう?」


「…そうね。」
831: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:29:12.51 ID:1k75HTSS.net
「海未ですら、絵里が共に踊ろうとした時に。」

「良かった、と顔がほころんだ。」

「…これで、助かった、と。」


「だが、それでは駄目だ。」

「まして、君は3年生。」

「あと2ヶ月もしないうちに、卒業を迎える。」


「…その後はどうなる?」

「いつも手を差し伸べてくれた。」

「頼りになる先輩がいない中、彼女達は自分たちの力で進まなくてはならない。」



「私は…まだまだ甘かった、と?」


「言い方を選ばなければ…そうだ。」


「…その辺に関しては、希が最も知っているだろう。」

「感じなかったか?」

「たまに、分かっていて彼女達を突き放す事があったのを。」


「あ…」
832: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:30:08.41 ID:1k75HTSS.net
「恐らく希は、知っているんだろう。」

「自分が、その立場であったが故に。」


「…なら、君もそうあるべきだ。」

「後輩達を…」

「μ'sの今後を、憂うならば。」


「…」



「説教じみた事を言ってしまって、すまなかった。」

「だが…」


「頼まれたんでしょ?」


「…!」


「希でしょ?」


「分かっていたのか?」


「なんとなく…ね。」
833: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:30:42.08 ID:1k75HTSS.net
「言い方は悪いけれど。」

「ほとんど私達と関わりのなかった英玲奈が。」

「私達の内情を知りすぎていると思ったの。」


「…少し、踏み込みすぎたか。」


「多分…海未は、気付いてないでしょうけど。」

「仲間の口から言われるより。」


「貴女達に言われた方が、納得もするし努力もする。」


「…本当。」

「いつまで経っても、あの子には敵わないわね。」



「…それだけ、君たちを心配していると言う事だ。」

「ふふっ。」

「分かってるわ。」



「…でも。」

「気にされっぱなしも、我慢できないのよね♪」
834: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:40:51.55 ID:1k75HTSS.net
-----


「…ふう。」

沸く歓声と、拍手をくぐり抜けて

2人の元へ、向かいます


顔…にやついていないでしょうか


なぜか、今は楽しくて仕方がありません


少し赤らんだ頬を冷ますように

足早に、舞台の後方へ



「…?」

2人が、笑い合っています


「どうかしたのですか?」

「…いいえ?」


「最高のステージだったわよ、海未。」

「あ、ありがとうございます…///」
835: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:41:17.64 ID:1k75HTSS.net
「…すまなかったな。」

「急に、こんな事を頼んで。」


「いえ…」

「私のために、わざわざ呼んでくれたのでしょう?」

「絵里も、仕掛人だとは思いもしませんでしたが…」


「「…」」


…なんでしょう?

2人とも、顔を見合わせて…


「「ふふっ…」」

「「はははははっ…!!」」


「…?」


「…たいした奴だ、海未。」

「…ほんと、誰かさんとは違うわね♪」
836: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 10:41:46.04 ID:1k75HTSS.net
…?

誰かさんとは、誰でしょうか?


…まあ、こうして思い切り笑えるのも

素敵…ですよね


「…ありがとうございました、英玲奈さん。」


「君自身が、殻を破ったからだ。」

「私は、少し力を貸しただけだよ。」


「それでも…」


事実、ですから


「ありがとう、ございました。」


「…」


「…ふふ。海未らしい、な。」





なんだかよく、わかりませんが…

嫌な気は、しませんでした


「私らしさ…ですか。」


今なら、少しだけ…

私自身が、分かる気がします







To Be Continued…
847: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 22:47:46.41 ID:1k75HTSS.net
Side Story


甘い口溶けのビターチョコ


Another Side: R
848: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 22:48:24.25 ID:1k75HTSS.net
-----


「んん~っ。」

「いい天気にゃー…」


今日は、かよちんは用事があるらしくって

久しぶりに、一人でお散歩しにきたんだけど…


「やっぱり、誰かといる方が楽しいなー…」


駅前をぶらぶら、ウインドウショッピング


可愛い服や、色とりどりのアクセサリー


前は、そんなの気にしなかったけど…

あの時とは、今は違ってて


「あ、これ可愛い…」


…なんて、呟いてみたり


ちょっとは…可愛く、なれたのかな?
849: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 22:48:52.19 ID:1k75HTSS.net
「~♪」


今まで履かなかったスカートを履いて

背の低いブーツと、ベレー帽


ショップの鏡に映る自分を見て

なんだか、別人に感じたりして


「似合ってる…よね?」


みんな、凛の事を可愛い、って言ってくれる

お世辞じゃないって、信じてる


だって…かよちんが

あんなに真剣に言ったの、生まれて初めて見たから


嬉しかったなあ…♪


思い出すだけで、にやけちゃう


…凛、女の子なんだよね?
850: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 22:49:31.55 ID:1k75HTSS.net
何度も何度も、鏡の前で自問自答


可愛い、って言葉が

凛をもっともっと元気にしてくれる


…そりゃあ、他のみんなには負けるけど

凛だって、もっともっと可愛くなりたい

お洒落だってしたい


…なんてね♪


今じゃ、どうしてあんなに悩んでたんだろう、って思う

小さい頃に言われた事を気にして

自分には、似合わないって思い込んで


…でも、違ったの

そう、言ってくれた

凛を、可愛い女の子にしてくれた


みんなには、感謝してもしきれないにゃ!
851: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 22:50:04.27 ID:1k75HTSS.net
…でも、ひとつだけ不安があって

今まで、こんなカッコした事なかったから


…凛には、どんな服が似合うんだろう?

どんな服を着れば、もっと可愛くなれるんだろ?



本屋さんでファッション誌を読んでみても

これだ、っていうのが分からなくて


う~ん…

ファッションと言えば、ことりちゃんかにこちゃんだよね


今度、聞いてみようかな?



そんな事を考えながら

また、ウインドウショッピング


そしたら、お店の前に飾ってある、ひとつの服に

凛の目は、止まったの
852: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 22:50:41.32 ID:1k75HTSS.net
「わあ…っ!」


可愛い白のブラウスと

ワインレッドのサーキュラースカート


「…」


凛は、思わず見とれちゃったの

…だって、とっても可愛くて


お金があったら

今すぐにでも飛び込んで買っちゃいたいくらい


でも…


「凛に…似合うのかな?」


少しだけ、引っかかる

だって、見るからに女の子すぎて…


自分の服と、ウインドウを交互に見る


「ちょっと…可愛すぎるよね。」
853: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 22:51:18.45 ID:1k75HTSS.net
「…そんな事、ないと思うよ♪」

「にゃっ…!?」


いきなりの声に、飛び上がる

この声、だれだっけ…?


おそるおそる振り返ると

綺麗な、茶色いウェーブの髪の毛



「…久しぶり、凛ちゃん♪」


「あんじゅ…さん?」


あ、A-RISEの…

でも、どうして?


「あーっ、名前で呼んでくれた♪」

「よろしくね~♪」


…なんだろう?

希ちゃんと、同じ雰囲気がする
855: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 23:01:24.74 ID:1k75HTSS.net
「えっと…」

「お、お久しぶりです…にゃ。」


あれ?凛、こんな喋り方だっけ…?


「もしかして、緊張してる?」

「…!」


「いきなり声かけちゃったもんね。」

「ごめんね?」


「う、ううんっ!」

「あ、その…」


先輩なのに、μ'sの癖がでちゃった…


「ふふっ。凛ちゃんって、ほんとに可愛い。」

「敬語、使わなくて良いよ?」

「私も、その方が楽だから♪」


そう言ってくれるけど

凛、あんまり…というか全然、話した事ないし
856: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 23:02:02.59 ID:1k75HTSS.net
いつもの元気はどこへやら

あんじゅさんの前で、もじもじしてたら…


「…あれ?凛ちゃん?」

すっごく可愛い声に、呼ばれたの


「ことりちゃん!?」


「おはよう、凛ちゃん♪」

「それより…どうして、あんじゅちゃんと?」



「さっき、ショップ覗いてるの見つけちゃって♪」

「声かけたんだけど、驚かせちゃったみたいで…」


「なるほど~。」

「凛ちゃん、案外人見知りなとこあるから…」


「ご、ごめんなさい…///」
857: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 23:02:40.88 ID:1k75HTSS.net
「ううん、いいのよ?」


「それより、せっかくだし…」

「凛ちゃんが暇なら、一緒に行動しない?」


「…え?」


「あ、良いかも♪」

「今日ね、あんじゅちゃんと衣装の事で話そうと思ってて…」

「良かったら、凛ちゃんも来ない?」


「え?え?」


「…もちろん、来るよね?」


「えっと…?」


状況が飲み込めないでいると

あんじゅさんに、手を引っ張られた


「よ~し、れっつごー!」

「おーっ!」


「にゃっ…そっ…」


「…誰か助けてーっ!!」




凛は、2人に拉致されました…
866: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 06:53:35.92 ID:UnytG/VT.net
-----


「…と、言う事なの♪」

「と、言う事じゃないよっ!!」


2人に連れられて、お洒落なカフェに

あんじゅさんの、お気に入りみたいだけど…


「えへへ、ごめんね?」


「でも、早く決めない凛ちゃんも悪いと思うなあ…」

「急すぎるにゃあ…」


「まあ、せっかくだし…」

「凛ちゃんも、一緒にお話しよ?」


「そうそう♪」

「私も、凛ちゃんとは話してみたかったの。」


って、言われても…

「その…///」


「まだ、緊張してるの?」
867: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 06:54:16.41 ID:UnytG/VT.net
「う、ううん、そうじゃなくて…」


こんなに可愛い2人と一緒にいて

凛…浮いてないよね?



なんだか、差を見せつけられたみたいで

…ちょっとだけ


自分に自信がなくなっちゃう




「大丈夫、凛ちゃんもすっごく可愛いわよ?」

「にゃっ…!?」


「そんなに不安にならなくてもいいのにっ♪」




「…どうして?」


「…ショーウインドウの前にいた時と。」

「同じ顔してるから。」


「…!」
868: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 06:54:49.84 ID:UnytG/VT.net
「ショーウインドウ?」

「うん♪」


「凛ちゃん、お気に入りの服を見つけたみたいで。」

「でも…似合うか、心配だったんだよね?」


「そうなんだ…」



「…うん。」


凛、そんなに分かりやすい顔してたかな…


「わかるよ?」

「…!」


「だって…」

「可愛くなりたくない女の子なんて、いないんだから♪」



「あ…」
869: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 06:55:14.61 ID:UnytG/VT.net
「…少し、聞いたの。」

「凛ちゃんが、今までどんな子だったか。」


「今でも、不安になるのは分かる。」

「でも…」


「ファションショーの凛ちゃんを見て。」

「私…すっごく可愛い、って思ったの♪」


「こんなに可愛い女の子、なかなかいないな…って。」


「そ、そんな…///」



「普段とのギャップもそうだけど…」

「あの時の凛ちゃんは、すっごく女の子の顔してた。」


「とっても…可愛かったよ?」



「あ、ありがとう…ございます…///」
870: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 06:55:41.47 ID:UnytG/VT.net
「だから、もっと自信持って?」

「凛ちゃんは、可愛いんだから♪」


「そうだよ?」

「凛ちゃんは可愛いよ?」


「衣装作る時だって。」

「凛ちゃんの衣装、どうすればもっと可愛く見えるかな、って。」

「いっつも悩んじゃうくらい、魅力的なの♪」



「い、言い過ぎだよ…///」



こんなに可愛い2人に褒めてもらえて

嬉しい反面

なんだか、恥ずかしいや…



…でも

本当に、似合うかなあ…?
871: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 06:56:18.73 ID:UnytG/VT.net
「…それで、衣装の事だけど。」

「アイデアとかは、決まってるの?」


「あ、うん。」

「…本当はね、もう作り始めてるんだ。」


「そうなの?」

「なら、今日はそれを手伝ったらいいの?」


「ううん。」

「そういう訳じゃなくてね…」


「…」


「…ことりちゃん?」


なんだろう…

いつも笑顔なことりちゃんが

すごく、暗い顔してる
872: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 06:56:51.15 ID:UnytG/VT.net
「…なんだか、自信ないんだ。」


「…え?」


「海未ちゃんから、歌詞を見せてもらって。」

「集大成にふさわしい衣装を、って…思ってたんだけど。」


「手を進めていくうちにね?」

「なんだか…これでいいのかな、って。」


「…」


「もちろん、中途半端な物じゃ優勝できないと思う。」

「そのためにも、良い物を作らないと、って。」


「…でもね。」


「これが…最後の衣装なのかな、って思うと。」


「…」


そっか…

もう、この9人では…
873: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 07:18:04.11 ID:UnytG/VT.net
「…えへへ。」

「ごめんね?凛ちゃん。」


「ほんとは、しっかりしないとダメなんだけど…」


「そ、そんな事ないよ!」

「ことりちゃんの衣装、すっごく可愛いもん!」

「凛、いっつも楽しみにしてるんだよ?」


「今回は、どんな衣装で踊れるんだろう。」

「どれだけ、可愛くなれるんだろう、って!」



「いっつも、ワクワクしてるんだよ?」

「だって…可愛くなかった事なんて、一度もないもん!!」


「凛ちゃん…」



「…って、メンバーは言ってるけど?」

「…うん。」
874: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 07:18:31.96 ID:UnytG/VT.net
こんなとき…

凛は、何ができるんだろう?


衣装の知識もないし

凛、頭も良くないから…


なんて言えば良いのか、分かんない



「…なんか、小腹が空いてきちゃったなー。」


「あ、店員さーん!」

「この、チョコアソートセットひとつ♪」



「あ、あんじゅさん…?」


こっちを向いたあんじゅさんは

凛に、ひとつウインクをした


…なんでだろう

すっごく、安心する
875: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 07:19:01.91 ID:UnytG/VT.net
「お待たせ致しました。」

「はい、ありがとうっ。」



テーブルの上に並べられた

カラフルで、美味しそうなチョコレート


「ここのチョコレート、すっごく美味しいのよ?」

そう言って、ぱくっとひとつ、口に入れる


「…ほら、凛ちゃんも。」

あんじゅさんが、手を前に出してくる


「え…」


「ええっ…!?」


「ほら、あーんっ。」


「…///」

「恥ずかしがらないで?」


えっと…
876: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 07:19:29.18 ID:UnytG/VT.net
た、食べていいのかな…?

でも、流石に『あーん』は…



こ、ことりちゃんは?


「…!」


すっごく…目がキラキラしてる


うう…///


「~~!!」


…ぱくっ


口に入れた瞬間

甘酸っぱい香りが、口に広がる


「ラズベリーのチョコレートなの♪」

そう言って、あんじゅさんはもうひとつ手に取った




「…はい、ことりちゃん。」
877: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 07:22:56.42 ID:UnytG/VT.net
…ぱくっ


「…美味しい。」


「…でしょ?」


ことりちゃんが、少しだけ笑顔になる


「ことりちゃんって、お菓子作りとかするよね?」

「…?」

「うん、するよ?」


「じゃあ、チョコレートのお菓子も、作った事あるよね?」


「…うん。」


…?

あんじゅちゃんは、何が言いたいんだろう?



「私ね?」

「衣装は、チョコレートと一緒だと思うの。」



「…え?」
878: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 07:49:22.68 ID:UnytG/VT.net
「ことりちゃんは、お菓子を作るとき。」

「何を、大事にしてる?」


「え?」


「そのお菓子が、一番美味しくなる秘訣って、なんだと思う?」


美味しくなる秘訣…?

分量を、間違えないとか?


「…気持ち。」

「…!」


「私が、お菓子を作る時は…」

「いつも、誰かにあげるとき。」

「…だから、美味しくなってほしい。」

「食べて、笑顔になってほしい、って、気持ちを込めてる。」


「…うん♪」


「一番大事なのは、気持ち。」

「それは、間違いないと思う♪」
879: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 07:50:14.14 ID:UnytG/VT.net
「…それじゃ。」

「今度は、作業のお話。」


「特に、チョコレートのお菓子を作るとき。」

「…ことりちゃんは、何に気をつけてる?」


「…」


「素材の味…かな。」

「素材の味?」


「うん。」

「チョコレートって、結構味が強いから。」

「上手く合わせないと、他の素材の味をダメにしちゃうの。」


「…だから、素材の味が生きるように。」

「分量を変えてみたり。」

「味付けを、変えてみたり。」

「使うチョコレートを、甘くないのにしてみたり。」



「…もちろん、見た目が可愛くなるように。」

「美味しそうって、思ってほしいから。」
880: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 07:50:40.06 ID:UnytG/VT.net
「…ここまで言ってて、気付いた事ってない?」


「気付いた事…?」


「チョコレートは、衣装と同じ。」

「素材の味は、みんなの個性。」



素材の味が、個性?


それって…



「…!」


「…ね?」

「チョコレートと衣装って、似てるでしょ?」



「素材の味が、個性…」

「それを、活かした作り方…」



「見た目だけじゃ…なくて…」



「届けたい、気持ち…!!」
881: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 07:51:04.90 ID:UnytG/VT.net
ガタッと、ことりちゃんが立ち上がる


「あのっ…ごめんね!」

「今すぐ、帰らなきゃ!!」


「…うん、いってらっしゃい♪」


「あんじゅちゃんも、凛ちゃんもごめんね?」

「また、この埋め合わせはするからっ。」


「そ、それじゃっ!」



そう言うと、ことりちゃんは走って帰っちゃった




「…ねえ、あんじゅさん。」


「…なにかな?凛ちゃん。」


「さっきのって…」


「…ふふ、凛ちゃんも分かった?」
882: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 07:51:59.79 ID:UnytG/VT.net
「…きっと、ことりちゃんは。」

「これが最後、って思って。」


「皆を、最高に可愛くしたい、って思ってたと思う。」

「そのために、最高の衣装を作らなきゃ。」

「誰が見ても、可愛いって言ってくれる物を、って。」


「…でもそれは。」


「見た目に気を使ってるだけ。」

「素材の味を、考えてなかったの。」


「衣装を作る上で、何が一番大切なのか。」

「…それは、みんなの可愛さを、引き出す事。」


「衣装がいいから、可愛いんじゃないの。」

「もちろん、見た目も大事だけど…」

「衣装は、個性を写す鏡なの。」


「…鏡?」
887: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 23:41:52.85 ID:UnytG/VT.net
「…そう。」

「その人の、その人らしさを表すもの。」


「その人の、イメージ…かな?」


「イメージ…」


「好きな色なんかの好みだったり。」

「性格・人柄…」

「どんな考えを持ってるか。」


「その人らしさが、全部、服に…衣装に、出るんだよ?」


「その人らしさ…」


「だから、私は胸を張って言えるの。」

「ことりちゃんは、それをちゃんと分かってる。」


「…ううん、分かったの。」
888: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 23:42:37.98 ID:UnytG/VT.net
「だから、きっと最高の衣装を作ってくれる。」

「貴女達のために。」


「…うん、もちろん!」

「なんたって、ことりちゃんだもん!」



「…それに、凛ちゃんも。」

「…え?」


「言ったでしょ?」

「衣装は、その人を写す鏡だ、って。」


「…つまり、その人が好きな物は。」

「その人に、一番似合う物だと思うの。」


「…?」


「…ブラウスと、サーキュラースカート。」


「…!」


「すっごく…似合ってると、思うよ?」
889: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 23:43:14.58 ID:UnytG/VT.net
「凛ちゃんの、可愛くなりたい、って気持ち。」

「あの服が、似合う女の子になりたい、って気持ち。」



「…ちゃんと、伝わるよ?」


「あんじゅ…さん…」


「ただ、私なら…」

「…?」


「もっと凛ちゃんに似合う服、選んであげられるかも♪」

「ほんとっ!?」


「…もちろん♪」


「じゃ、じゃあ!」

「一緒に…選んで、ほしいな。」



「もっと…可愛く、なりたくて///」




「…!?」


あんじゅさんに、抱きしめられちゃった


でも…


「~♪」


とっても、楽しそう
890: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 23:44:22.63 ID:UnytG/VT.net
「凛ちゃん、ほんとにカワイイ♡」


「て、照れるにゃ…///」


「…ね、凛ちゃん?」

「なあに?」



「凛ちゃんは…何のために、頑張るの?」

「どうして、可愛くなりたいの?」


「…」

「凛は、μ'sの皆が大好き。」

「こんな凛を、アイドルにしてくれて。」

「可愛い、って言ってくれた皆が大好き。」


「…だから。」

「もっともっと可愛くなって。」

「大好きな、もっともっと可愛いみんなと。」


「最高のステージがしたい。」

「見てくれたみんなに、最高に可愛い凛達を、見てほしいんだ♪」
891: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 23:46:08.53 ID:UnytG/VT.net
「ふふっ…凛ちゃんらしい。」


「…ほんと?」


「うん♪」

「それじゃ、そんな凛ちゃんの為に。」

「私も、人肌脱いであげる♪」


「今から一緒に、お買い物いこっか♪」

「凛ちゃんに似合う、最高の服、一緒に探そう?」


「…!」


「いいの…?」

「この、優木あんじゅにお任せあれ♪」


「やったーっ!!」

「あんじゅちゃん、よろしくにゃーっ!!」


「…じゃ、行こ?凛ちゃん。」

「あ…」


「うんっ!」



少し日が落ちた中

繋いだ手は、とっても…

とっても、あったかかったんだ




To Be Continued…
892: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 23:57:29.95 ID:UnytG/VT.net
2作目、行きます

Side Story


Short Track [Melody For…Anybody?]


Another Side: H
893: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 23:57:53.75 ID:UnytG/VT.net
-----



~♪


「…ふう。」

「これで、いいのかしら…?」


「…」



「…妥協は、したくない。」

「これで、最後なんだから…」


~♪



~♪



「うーん…」


「…駄目ね。」




「…ちょっと、休憩しようかしら。」
894: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 23:58:20.74 ID:UnytG/VT.net
~♪


「愛してるばんざーい」

「ここでよかった」

「私達の今がここにある」


「愛してるばんざーい」

「始まったばかり」

「明日もよろしくね」


「まだゴールじゃない」


~♪



「…ふう。」



パチパチパチパチ…


「…!」


「やっぱり、真姫ちゃんはすごいね!」


「花陽…」
895: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/20(月) 23:58:58.12 ID:UnytG/VT.net
「…いつの間に、入って来たのよ。」


「えへへ…真姫ちゃんが、歌い始めた所くらいかな?」


「声…かけてくれても、いいのに。」


「…ごめんね?」

「でも、聞きたくって…」



「…もう///」



「…でも、やっぱりすごいよ。」

「とっても、優しい声って言うか…」


「ピアノと合わさって、すっごく癒されるみたい。」


「言いすぎよ…」


「…」


「…真姫ちゃん?」
896: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 00:07:50.64 ID:U18SuL+e.net
「…ねえ、花陽。」

「…?」


「私の、ピアノって…好き?」


「え?」


「ああ…ごめん。」

「…」



「新曲の事?」


「…うん。」


「なんだか、上手くいかなくて…」


「…」


「これが、多分この9人での最後の曲になる。」

「…そう考えたら、指が止まっちゃうの。」


「…本当に、これで良いのか、って。」
897: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 00:11:28.18 ID:U18SuL+e.net
「まだ…迷ってるの?」


「一応、作ったんだけどね。」

「なんだか、ぱっとしなくて…」


「もし、よかったら…」

「聞かせてもらっても、いいかな?」


「…もちろん。」


~♪



-----


「…どう、だった?」

「うーん…」


「正直に、言ってほしいの。」

「今までで、最高の曲にしたいから。」


「真姫ちゃん…」


「…ごめんね。」




「…やっぱり。」



「何が…駄目なんだろう。」
901: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 09:18:14.28 ID:U18SuL+e.net
「…」


「ここまで来れたんだから。」

「最高の曲を作りたい。」

「作ってあげたい。」


「なのに…上手く、いかない。」


「もう、時間もないのに…」


「真姫ちゃん…」


「…」



「…ねえ、真姫ちゃん。」

「真姫ちゃんは今…何のために、ここにいるの?」


「何のために…頑張ってるの?」



「…え?」
902: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 09:19:02.99 ID:U18SuL+e.net
「わ、私には、作曲の事はわからないけど…」

「真姫ちゃん、すごく焦ってるみたい。」


「そんな時に、良いアイデアって浮かぶのかな…?」


「それは…」


「…」



「もう一度、考えてみよう?」

「何のために…誰のために、頑張るのか。」



「何か…分かるかもしれない。」


「誰の、ために…」


「今の、真姫ちゃんね。」

「合宿の時と、同じ顔してる。」


「合宿の…?」
903: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 09:19:25.65 ID:U18SuL+e.net
「それって…」


「…」


「花陽、ひとつ聞いてもいい?」

「…うん?」


「花陽は…何のために、頑張るの?」

「花陽の大切なものって…なに?」


「…!」


「私の、大切な物…」


「…ふふ。」


「…?」


「私の大切な物は…真姫ちゃんと、凛ちゃん。」

「…そして、μ'sのみんな。」


「みんなが、大好きだから…」

「花陽は、頑張れるの。」
904: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 09:19:56.44 ID:U18SuL+e.net
「…ずっと、憧れてた。」

「アイドルが好きで、でも…やる勇気がなくて。」


「小さい頃から、アイドルの出るテレビばっかり見てた。」

「きらきら輝いたステージで踊るアイドルが、すっごく可愛くて。」



「…私のお母さん、昔、アイドルの候補生だったの。」

「…!」


「オーディションには合格できなかったけど。」

「それでも、何年か頑張れば…ってくらいの位置には、いたみたいで。」


「そんな話を、お母さんに聞いて。」

「もしかしたら、花陽も…って思ったんだけど。」


「実際は…運動音痴だし。」

「歌も、声が震えて…」


「憧れのまま、諦めちゃって。」


「ずっと…見てるだけになっちゃったの。」
905: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 09:20:26.30 ID:U18SuL+e.net
「…でもね?」

「ずっと見てるだけだった私が。」


「今、ここで、μ'sの一員として立てている事。」

「…こんなに、幸せな事はないよ。」


「諦めてた。」

「自分には無理だ、って。」

「可愛くもないし、ダンスも下手だし…って。」


「ずっと、自分の殻に閉じこもってた私を。」

「ここに立たせてくれたのは…」


「まぎれも無く、真姫ちゃんと凛ちゃんなの。」


「花陽…」


「2人が、私の背中を押してくれた。」

「…あの時、思ったの。」



「いつか…私が、背中を押してあげたい、って。」
906: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 09:21:19.27 ID:U18SuL+e.net
「私の、大切な物。」

「…にこちゃんの言ってた、曲げられない物は。」


「誰かの背中を、押してあげられるようになる事。」

「今までみんなにもらった幸せを、次の誰かにあげる事。」



「…ファッションショーの時。」

「入部の時にもらった、あの幸せを。」

「あの気持ちを、凛ちゃんにあげる事が出来た。」




「…今度は、真姫ちゃんの番。」


「あのとき、背中を押してくれた事。」

「本当に…本当に、嬉しかったの。」


「…なにが、出来るかは分からないけど。」

「こうやって、背中を押してあげる。」


「…辛くなったら、もたれてもいいよ。」

「頑張る時は、強く押してあげる。」


「だから…後ろは、振り返らないで?」




「真姫ちゃんの努力は、ちゃんと私が見てるから♪」
907: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 09:25:55.51 ID:U18SuL+e.net
「…あったかい。」


「…うん。」


「…ねえ、花陽。」


「…なあに?真姫ちゃん。」


「…聞いてほしい、事があるの。」


「…うん、何でも聞くよ?」


「…」



「…私と、ともだちになってくれて、ありがとう。」


「…!」


「私…いつも、不器用だから。」

「今でも、自分の気持ちに素直になれない。」


「…多分、この先もすぐには治らないと思う。」



「…でも。」

「これだけは、今の私でも言えるの。」

「ううん、言いたいの。」



「花陽と、凛は…私の、一番の親友よ。」
908: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 09:30:55.51 ID:U18SuL+e.net
「…ずっと、忘れてた。」

「何のために、この曲を作るのか。」


「3年生の、ためだけじゃない。」

「私達、μ's全員のために。」


「…みんなが、最後まで笑顔でいられるように。」

「みんなと、最高の思い出を作るために。」


「…私の音で、皆の心を繋ぎたい。」




「…それが、私の願い。」

「私の…曲げられないもの。」



「真姫ちゃん…!」


「…」



「…聞いてくれる?花陽。」


「今…完成したわ。」



「もちろん♪」
909: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 09:43:03.63 ID:U18SuL+e.net
-----


扉にかけた手を、そっと離す


「…来る必要、なかったかな?」



なんだか最近、みんな慌ただしかったから


なにか、出来る事があるかも、って…皆を見てたけど


みんな、ちゃんと前に進んでるんだね



そっと、音楽室前の壁にもたれてみる


「ん…つめたい。」


やっとここまで来て

…来たからこそ


みんなが焦ってるのを見て

なんとかしないと、って思ったんだ



…でも、違ったみたい

みんなの心は、ひとつだった



同じ想いで、みんな…前を向いてたんだ
910: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 09:43:37.09 ID:U18SuL+e.net
「産毛の小鳥たちも…」

「いつか、空に羽ばたく…」


「…か。」



---これが、仲間?


---うん。私の…大切な、仲間たち



---目指してる物は、同じ?


---みんな、誰かのために…自分のために、同じ物を目指してる



---みんなの事、好き?


---大好き!!




「みんなと、忘れられない最高のステージを。」

「何年経っても、何十年経っても。」

「ずっと覚えていられるような、そんなステージを。」

「この奇跡みたいな9人と、ここにいた軌跡を残すために。」


「…それが、私の。」




「…穂乃果の、曲げられないもの。」







To Be Continued…
920: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:01:43.42 ID:U18SuL+e.net
Side Story


Re:Life, Re:Live, Re:A-RISE


Colorful Side
921: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:02:22.33 ID:U18SuL+e.net
-----



「んん…っ。」

「…いい天気ね。」


「絶好の、練習日和だな。」


「でも、まさかこんな事になるなんてね。」

「希ちゃんには、感謝しないと♪」



「…ま、お互いにメリットがあるんだし。」

「今日は、楽しみましょ?」


「…ああ、もちろんだ。」


「さ、集合時間に間に合わなくなるわ。」

「行きましょう。」


「はーいっ♪」




…きっかけは、18時間前
923: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:03:31.68 ID:U18SuL+e.net
-----



「…もしもし、希?」


「ええ、元気にしてる?」


「…そう。」

「この間は、ありがとう。」


「英玲奈もあんじゅも、喜んでたわ。」

「妹が、出来たみたいだ、って。」


「ふふっ。」


「…そうね。」


「あと…1ヶ月ね。」


「…うん。」


「…うん。」


「ええ、こっちも、日々頑張っているわ。」


「…ただ。」
924: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:04:25.36 ID:U18SuL+e.net
「やっぱり、モチベーションの低下は否めないわ。」


「3人とも、頑張ってる。」

「…その、つもりなんだけど。」


「やっぱり、どこか…」


「ごめんなさい。」

「あんなに、格好つけたのにね。」


「え?…ふふっ。」


「私は、貴女の妹なんかじゃないわ。」


「…もちろん♪」



「え?」


「…明日?」
925: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:04:52.62 ID:U18SuL+e.net
「普段通りの練習だけど?」


「…うん。」


「…うん。」


「…本当?」


「あ、いや、私は構わないけど…」



「そっちはいいの?」


「…うん。」


「うん、わかった。」


「それじゃ、お言葉に甘えさせてもらうわ♪」

「ええ、ありがとう。」


「また、明日ね。」


pi



明日…か
926: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:05:25.79 ID:U18SuL+e.net
-----


prrrr


prrrr



「…はい、私だ。」


「こんな時間にどうした?」


「…ああ。」


「…なるほど。」


「それで、希は…」


「分かった。」


「…いや、いい提案だと思う。」

「もちろん、私も賛成だ。」


「あんじゅには、私から伝えておこう。」

「…ああ、おやすみ。」



…ふふっ

なかなか、面白い事を考えるな
927: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:05:55.56 ID:U18SuL+e.net
-----



…と、言うワケで

今私達は、希ちゃんに誘われて

ある場所に、向かっています♪



「…見えてきたな。」


「少し…早かったみたいね。」



春先の日差しの下

目指していた所が見えてきました


並木道の桜の木には

小さな小さな、つぼみの姿


…ふと、UTXの受験を思い出しちゃった


「それじゃ、ここで待つのもなんだし…」


「思い切って、行っちゃいましょうか。」


「…賛成♪」
928: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:06:37.69 ID:U18SuL+e.net
-----



「おはよーさんっ♪」


部室の扉を開けて、みんなに挨拶


「おはよう、希ちゃん♪」

「おはよう、ことりちゃん。」


「…あれ?」

「穂乃果ちゃんは、まだ来てないん?」


「授業の課題の事で、先生に…」


「…まったく、ラブライブに熱心なのはいいですが。」

「他がたるみすぎなんです。」


「…まあ、残り後少しなんやし。」

「多めに見てあげよ?」


「みんな、穂乃果に甘すぎます…!」


そんな話をしていると、部室の扉が開いた


「ようやく来ましたね、ほの…」
929: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:07:16.22 ID:U18SuL+e.net
-----



海未の言葉が途中で切れた


「…?」


まーた、穂乃果が変な事してるのかしら

そう思って片付けをしていた手をとめて


ゆっくり振り返ってみると…



「…!!」


「ご機嫌よう、μ'sの皆さん♪」


「あ、あああA-RISEぅ!?」


思わず、素っ頓狂な声がでた


だって、見間違いなんかじゃなくて…



「今日は、一日よろしくね?」


そう言って笑顔になる

綺羅ツバサが、目の前にいたんだから
930: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:16:01.18 ID:U18SuL+e.net
みんな、驚きすぎて声が出ない


…無理もないけど


この宇宙ナンバーワンアイドル、にこにーだって

どうしてここに彼女達がいるのか、理解できないんだから



「あんじゅちゃん…一体、どうしたの?」


ことりが、聞いてみたけど


「…あれ?何も聞いてないの?」


あんじゅさんも、不思議そうな顔をしてる



っていうか、ことり…

いつのまに、あんじゅさんの事

ちゃん付けで呼ぶようになったの!?


「あーっ!あんじゅちゃん!!」


り、凛まで…っ!?
931: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:16:52.61 ID:U18SuL+e.net
-----


「ひさしぶりにゃーっ!!」


「きゃっ、凛ちゃん…♪」


あんじゅに飛びつく凛を横目に

まだ、状況が理解できずに、尋ねてみた


「英玲奈、これって…」

「なんだ、希はまだ言っていなかったのか?」


「いやあ、思ったよりも早く3人が来たから…」


なんだ、希は知ってたのね


「それより…久しぶりだな、絵里。」

「ええ、そうね。」


「実行、できているか?」


「まあまあ…かしら?」


「「…ふふっ。」」
932: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:17:31.58 ID:U18SuL+e.net
-----



「一体、どういう事なのよ…?」

それぞれがバラバラに話しちゃって


全然、この状況が飲み込めない


「…希!」

「…!」


「まずは、説明してくれない?」

思わず、声を上げちゃった


「あ…ごめんな、真姫ちゃん。」


そう言って、希は口を開いた


「今日は、A-RISEの3人が。」

「ラブライブ本戦に向けて特別コーチに来てくれたんよ♪」


…え?



「「「ええーっ!?!?」」」
933: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:18:08.45 ID:U18SuL+e.net
-----



「はあっ…はあっ…」


「こら、高坂ー!」

「廊下を走るなー!」


「あっ、すいません!」


駆け足から、早歩きに


「うう~…」

「また海未ちゃんに怒られちゃうよー…」


海未ちゃん、相変わらず怖いんだもん

今は、ラブライブが一番大事なのにーっ!


そんな事を考えていると、部室についた


「ふうーっ…」

息を整えて、扉を開ける


「みんな、おっはよーうっ!!」
934: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:19:03.45 ID:U18SuL+e.net
「…そう言えば海未。」

「あれから、改善はしたか?」


「ほんの少しは…ですね。」

「やっぱり、難しいです…」


…あれ?


「あんじゅちゃーんっ♪」

「凛ちゃーんっ♪」


「そ、そんなにくっついたら迷惑だよぅ…」


…あれれ?



「西木野さん…ううん、真姫さん。」

「今度、ピアノ教えてくれない?」

「…貴女の曲、すっごく好きなの。」


「ええっ!?」

「ま、まあ…少しぐらいなら…///」


…あれあれ?


「どーゆーことーっ!?」



「…あ、穂乃果ちゃん。」

「穂乃果、あほじゃないもんっ!!」
935: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:27:17.64 ID:U18SuL+e.net
-----


「…つまり。」

「今日は、ラブライブ本戦に向けて。」

「A-RISEの人たちが穂乃果達をレベルアップさせに来た…と。」


「…まあ、そんなとこやね♪」


「それにしても、最初に教えてくれればよかったのにー。」


「…それは、ごめんって。」

「みんなに伝えようとしたら、3人が来ちゃったんやし…」



「…いきなり来て、ごめんなさい。」

「でも、やっぱり見てるだけじゃ我慢できなくて。」


「…そうだな。」

「我々に勝ったのだから、優勝してもらわないと。」

「こちらも、顔が立たない、と言う訳だ。」



「…とまあ、プレッシャーはここまでにして。」

「どうかしら?穂乃果さん。」
937: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:28:35.23 ID:U18SuL+e.net
「「…」」


「え?いいよ?」

「って言うか、大歓迎だよっ!!」



「ツバサさんや、A-RISEの人たちに。」

「直接教えてもらえるって事だよ!?」


「まさに願ってもない事だよ!!」


「穂乃果さん…!」


「…な?言った通りやろ?」


「…ええ、そうね。」

「ありがとう。」



「…それじゃ、全員揃って話も終わった所で。」

「早速、練習開始しましょうか♪」



「「はーいっ!!」」
938: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:41:40.67 ID:U18SuL+e.net
-----


こうして、練習が始まったけど…

やっぱり、私達に勝ったのはまぐれじゃなかった


…そう実感できる、練習量

そして、みんなのやる気


決して、私達も手を抜いていたつもりは無い

本気で、挑んでた


でも…


この子達の努力は、人を惹き付ける


時に真面目に

でも、休憩では団欒として


…まさに、部活動の理想型と言える


ちょっぴり、悔しいけどね
939: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:42:07.81 ID:U18SuL+e.net
みんなを観察していると

後ろで、誰かがこける音がした


「うう…」


「…大丈夫?」


「あっ、つ、ツバサさん…」

「だ、大丈夫ですっ!」

「ちょっと、ターンに失敗しちゃって…」


「花陽さん…で、いいかしら?」

「ちょっと、もう一度やってみて?」


「…見ててあげるから。」



「…!」

「はいっ!」

「よろしくお願いします!!」


そう言って、もう一度踊ってみせてくれた
940: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:42:29.37 ID:U18SuL+e.net
「…ッ!」


「ご、ごめんなさい…」


ステップは、ちゃんと出来てる

でも、上体のバランスがおかしい…


「…ちょっと、いいかしら?」


「ひゃっ!?」


花陽さんの腰に、手を回す

「あ、あの、ツバサさん…?」


「よく見て?」

「ステップを踏む時に、足が伸びきってる。」

「同じ位置で踏もうと頑張るから、バランスが崩れるの。」


「一歩目を、もう半歩前に出せば、やりやすくなるはずよ。」


「こんな風に。」


「…さ、やってみて?」
943: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 22:51:36.85 ID:U18SuL+e.net
~♪


「よっ…と…」


「…どう?」


「…出来た!」

「出来ました!!」


「よかった♪」


「ありがとうございます、ツバサさんっ!」


「そう言ってもらえると。」

「今日…来てよかったと、思えるわ。」


「も、もちろんですっ!!」



「…」


単に、一緒に練習してるだけなのに

気持ちが、晴れていくみたい

英玲奈も、あんじゅも

あんなに、笑ってる…




「…本当。」

「おせっかいね…希。」
944: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 23:00:58.38 ID:U18SuL+e.net
-----


「えーっ!?」

「絶対、こっちの方がいいよーっ!」


「そう?」

「私は、元のままがいいと思うんだけど…」


「絶対こっちだって!」


「…どうした?」


「あ、英玲奈…」


「ねえねえ、英玲奈さん!」

「ここの…この、ステップなんだけどね?」


「…よっと。」


「ほら、こっちの方が良いと思いませんっ?」

「ちょっと、穂乃果…」


「…そうだな。」


これなら、あるいは…
945: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 23:01:24.84 ID:U18SuL+e.net
「一回、私がやってみるから。」

「どっちが良いか、客観的に判断してみてくれ。」


「え?でも、練習は…」


「なに、さっき横で見させてもらったからな。」


「…では、穂乃果の言う新しい方から。」


そう言って、ステップを踏む

手の先から、足の先まで神経を集中して


「…では、最初の方。」


動き的には、最初の方が楽だが

見栄えは、確かに穂乃果の言う方が…



「…どうだろう。」





「…ハラショー。」
946: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 23:05:50.94 ID:U18SuL+e.net
「すごいわ、英玲奈!」

「数回見ただけで、こんなに完璧に踊れるなんて…!」


「そうだよっ!!」

「穂乃果なんて、何回やっても失敗するのに!」


2人に言いよられて、少したじろぐ


「そ、そんなに凄い事だろうか…」


「すごいよっ!」

「いや~。」

「やっぱり、A-RISEって凄いんだねえ…」



「ほんと、何で勝てたんだ、って不思議になるよ…」



「…」



…そうか

彼女達は…


ありのままを、きちんと受け入れる事が出来るのか
947: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 23:10:35.96 ID:U18SuL+e.net
-----


「なによ、みんなデレデレしちゃって…」

「そういうにこちゃんこそ。」

「さっきからチラチラ見てるじゃない…」


「べっ…別に!?」

「気のせいよっ!」



「あ、にこちゃーん♪」


「…!?」


「あ、あんじゅさん…」


「ねえ、私にもダンス、教えてくれない?」

「…へ?」


「アイドルの時のにこちゃん、すっごく可愛いから♪」

「私も、そんな風になりたいな~、って♪」


「…!!」


「しょ、しょーがないわねー。」
948: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 23:15:28.15 ID:U18SuL+e.net
「…それじゃ、一緒にやるわよ?」

「はーい♪」


「せーのっ…」


~♪


~♪



「じゃーんっ!」


「…どうかな?にこちゃん。」

「そ、そうね…」


「は、初めてにしては、凄いじゃない!」


「…にこちゃん、ステップ間違えてた。」

「あっ!こら、真姫!!」


「ふふふっ。」


…なんだろう

すっごく、笑顔になれる

緊張してる、はずなのに

一生懸命な、はずなのに



「…不思議なグループだね。」
949: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 23:20:00.31 ID:U18SuL+e.net
-----


「…ふう。」

花陽さんの練習も終わって


少し、ひと休み


他のみんなも、私達が必要ないくらいに

助け合って、支え合って練習してる


…これが、μ'sというグループのあり方

私達とは、違う…



「…ツバサ♪」

「あんじゅ…」

「なんだか、とっても楽しいね♪」


「…ああ、そうだな。」

「私も…つい、楽しんでしまった。」


「英玲奈…」



「…そうね。」

「…」


「ひとつ、提案があるんだけど…」
3: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:42:58.81 ID:/zbKJQ+s.net
-----


「みんな、お疲れー。」

「どんな感じ?」


「やっぱり、3人とも凄いよ!」


「…ええ。」

「アドバイスも的確ですし…」


「わ、私にも、ひとつひとつ教えてくれて…」


「うんうん♪」


「そうね。」

「いきなり来た時は、どうなるかと思ったけど…」

「お互いにとって、いい刺激になったんじゃないかしら。」


「凛も、そう思う!」

「だって、前よりずっと仲良くなれたもん!!」

※ ここから3スレ目です(管理人)

元スレ: 希「私がウチになれたのは。」3

4: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:43:51.22 ID:/zbKJQ+s.net
「…そう言ってもらえると、光栄ね。」


「あ、ツバサちゃん…」


「こちらこそ、勉強になったわ。」

「こんなに、練習が楽しいと思えたのは…」


「久しぶりだから。」


「…!」


「そこで、せっかくだし提案があるんだけど…」


「提案?」


「ええ。」


「もし、貴女達が良ければ…」








「一緒に、ライブをやらないかしら?」
5: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:44:22.41 ID:/zbKJQ+s.net
「合同ライブ…ってこと?」


「ええ。」


「私達も、目標が無いままじゃモチベーションが続かないし。」

「貴女達も、A-RISEとのライブ、って事で注目される。」


「…悪くないと思うけど?」


「…たしかに。」

「キャッチフレーズを付けたとは言え。」

「もっと知名度をあげる方法は、考えていましたからね。」


「…そうね。」

「私も賛成よ。」

「この、新曲は出来ないけど…」


「それでも、やる価値はあると思うわ。」


「…穂乃果はどう?」
6: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:44:48.24 ID:/zbKJQ+s.net
「うん、いいと思う!」

「私達も、もっとA-RISEとステージに立ちたかったし。」


「なにより、すっごく面白そう!」


「みんなも、いいよねっ?」


「うん、楽しそう♪」

「あ、憧れのA-RISEとライブ…!」


「もちろん、貴女達が一番目立つように組ませてもらうわ。」

「私達は、貴女達の前座でいい。」


「…それで、いいかしら?」


「「はーいっ!!」」





「…ちょっと待って。」
7: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:45:16.91 ID:/zbKJQ+s.net
「…にこちゃん?」


「話が、上手く行き過ぎじゃない?」

「いきなり来て、私達の練習見て。」

「あげくの果てに、私達メインのライブ?」


「怪しいに決まってるじゃない。」


「にこ…」


「何が、狙いなの?」


「…別に、何も無いわ。」

「貴女達に、力を貸したいだけ。」


「…それじゃ、駄目かしら?」


「…」


「…意外ね。」

「にこちゃんなら、泣いて喜ぶと思ってたのに。」
8: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:45:52.75 ID:/zbKJQ+s.net
「…もちろん、お誘いとしては嬉しいわ。」


「あんなに憧れてたA-RISEと、同じステージに立てるんだもの。」

「…それに、今までのライバルの関係とは、違った形で。」


「…だったら、いいんじゃないの?」


「よくないわ!」


「無礼を承知で言うけど、A-RISEにメリットなんて無いじゃない。」

「私達の引き立て役としてステージに立つ、って言ってるのよ?」


「あんなに私達に負けたくない、って言ってた連中が。」

「そんなプライドをけがすような事、自ら言うなんて信じられると思う?」


「…」


「私は、このμ'sの皆と本気で優勝したいと思ってる。」

「そのためなら、何だって利用したいとは思ってるわ。」


「…でも、結成した時からずっと憧れてるA-RISEを。」

「こんな形で踏み台になんてしたくないの!!」
9: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:46:25.77 ID:/zbKJQ+s.net
「にこちゃん…」


「だって、そんなの…」


「私の憧れた、A-RISEじゃない!」

「ずっと、ずっと憧れてた!」


「A-RISEみたいになりたいって、アイドル研究部を作ったの!」

「孤高の存在として、常にトップに立っていた…」


「そんな貴女達に、私は憧れたのっ!!」


「矢澤さん…」


「…」


「そこに、私は納得できないの。」

「貴女達を嫌う理由なんて…ないんだから。」


「「…」」
10: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:52:41.13 ID:/zbKJQ+s.net
-----


…にこの言葉に、みんなは言葉を失った


だって、確かに上手く出来すぎている

A-RISEを…英玲奈を、疑う訳じゃないけれど


なぜ…今、このタイミングで?


もちろん、私達の知名度をあげるため

それは、間違いないと思う


でも、にこの言う事も筋が通っている


一体…何が、真実なのかしら


「英玲奈…」

思わず、声が出た


「…絵里。」

「君は…どう思う?」


私は…
11: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:53:13.38 ID:/zbKJQ+s.net
「…私は。」

「にこには申し訳無いけど、賛成よ。」


「だって、私達のメリットが大きいもの。」

「もしかしたら、にこの言うように。」

「何か、裏があるのかもしれない。」


「絵里…」


「でも、私は。」

「こんなに私達を認めてくれた…」

「彼女達を、信じたいの。」


「絵里…!」


「貴女はどう?海未。」



「わ、私ですか…?」
12: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:53:42.31 ID:/zbKJQ+s.net
-----






「…確かに、にこの言う事にも一理あります。」

「明らかに、A-RISEにとって分の悪い話です。」


「そう言う意味では、考えた方が良いのかもしれません。」

「ですが…」


「私は、A-RISEと…英玲奈と出会う事で。」

「自分の中の、ひとつの気持ちに気付けました。」


「この気持ちに気付かせてくれた、英玲奈を。」

「A-RISEを…信じてみたいのです。」


「海未…」




あの時の、英玲奈の言葉

言い方とは裏腹に


…とっても、あたたかかったですから
14: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:54:55.55 ID:/zbKJQ+s.net
-----


「…あのね、にこちゃん。」


「私…最後の衣装、ずっと悩んでたの。」


「ことり…?」


「みんなを、一番可愛くしたい。」

「最後に、ふさわしい衣装を、って。」


「ずっと…悩んでたの。」


でも、私は表面上しか、見えてなくて…


「実際に作ってみても。」

「なんだか、納得できなくて。」


「…そんな時に、あんじゅちゃんが教えてくれたの。」

「何が、一番大切なのか。」


みんなの個性を

想いを、届けるために





「これ以上はない、ってくらい…」


「最高の衣装が、出来たよ。」
15: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:55:24.73 ID:/zbKJQ+s.net
-----


「ことり…アンタ…」


「ごめんね?にこちゃん。」

「にこちゃんの気持ちも分かるよ?」


「…でも、私も海未ちゃんたちと同じように。」

「あんじゅちゃんを…A-RISEを、信じたいの。」


「…ッ。」


何よ…


まるで、にこが信じてないみたいじゃない


そんな訳ない


むしろ、信じてるから


信じたいから…!





「…にこっち。」
16: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:55:53.38 ID:/zbKJQ+s.net
「希…」


「にこっちの気持ちは、みんな分かってるよ。」


「…」


「…アンタはどうなのよ。」

「ウチ?」


「アンタが、信じるって言うなら…」

「私も、それに従うわ。」



…希は、いつも先を見てる

なら、今回だって…


「うーん、ウチかあ…」


みんなが、希に注目する



「ウチは…」





「信じれない…かな?」
17: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:56:31.21 ID:/zbKJQ+s.net
-----


「希ちゃん…?」


希ちゃんが言った言葉に、耳を疑いました

だって…その言葉が、唐突すぎて



「…」


ツバサさんも…黙ってしまいました


「希…?」

絵里ちゃんも、心配そうに声をかけます

まるで、信じられない、と言うように



「希ちゃん…どうして?」


希ちゃんなら、絶対信じるって言うと思ったから

聞かずには…いられませんでした
18: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:57:03.86 ID:/zbKJQ+s.net
「うーん…」

「花陽ちゃんなら、分かる気がするよ?」


わ、私なら…?

どういう、意味でしょうか…



「まあ、長引かせても混乱するだけやし。」

「理由を、言わせてもらうな?」


「「…」」

みんなが、希ちゃんを見ます


「…にこっちの言ってる事は、当たってるよ。」

「ツバサちゃんは、ひとつだけ嘘をついてる。」


「…ううん。言ってない事、って言った方がいいんかな?」


「嘘…?」


「そうやろ?ツバサちゃん。」


「…」
19: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:58:20.39 ID:/zbKJQ+s.net
-----



ツバサさんは、下を向いてる

嘘って…どういう事だろ?



でも、希ちゃんがこうやって言う時は

なにか、大事なものがある時だから


合宿の時も

にこちゃんの事も

ファッションショーの時も


…いつだって、何かを考えてた

誰も、傷つかないように



もちろん、あんじゅちゃん達の事も信じてる

でも、凛は…


希ちゃんを、信じてる


今まで、何度も助けてもらったから
20: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:58:51.03 ID:/zbKJQ+s.net
-----


「…ふふっ。」


長い沈黙を破って、声を出す

思わず、笑みがこぼれた


「本当…」

「希には、敵わないわ。」


「ツバサさん…?」


「…なあ、にこっち。」

「ツバサちゃんが、ここまで隠してたのって、なんでやと思う?」


「…え?」


「…それは、知られたらまずい事があるからじゃないの?」

「まずい事というか…」



「恥ずかしい事、やね。」


「…恥ずかしい?」
21: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 13:59:58.03 ID:/zbKJQ+s.net
「の、希…!」


「もう、隠し事は出来んよ?ツバサちゃん♪」


「…ツバサ。」

「…分かったから。」



「…矢澤さん。」

「確かに私は、貴女達に嘘をついていた。」

「…いや、言えなかったの。」


「…」



「貴女達が、羨ましくなった…なんて。」



「羨ま…え?」


「貴女が、私達に憧れてくれたように。」

「私達も、貴女達に憧れたの。」


「貴女達みたいに…なりたい、って。」
22: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 14:07:34.19 ID:/zbKJQ+s.net
「…私達は、勝つために努力してきた。」

「それが、間違っていたとは思わない。」


「…実際、それで勝ち上がってこれたんだから。」


「…でもね。」

「貴女達に負けて…」


「…ううん。」

「きっと、会った時から。」


「貴女達を、羨ましいと思うようになった。」



「…貴女達みたいに、なりたいと思った。」


「どういう…こと?」


「…今日、一緒に練習してみて、分かったの。」

「練習って…こんなに楽しいんだ、って。」
23: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 14:08:23.78 ID:/zbKJQ+s.net
-----


「…我々は。」

「今まで、勝つために努力をしてきた。」

「常に、上を目指して練習をしてきた。」


「…だが、負けた。」

「確かに悔しかったが。」

「それ以上に、何故負けたのかが気になったのだ。」


「それから、今まで以上に君たちに注目した。」

「我々と、君たちとの違いは何なのか。」



「…単純な、問題だったのだ。」

「我々は今まで、自分たちのために努力してきた。」

「…だが、君たちは。」


「今までずっと…誰かのために、努力してきた。」



それが…我々との、違い

我々が、持っていなかったもの
24: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 14:09:05.91 ID:/zbKJQ+s.net
-----



「それで、希ちゃんに誘われて。」

「今日、一緒に練習してわかったの。」


「…こんなに、笑顔になれたんだもん♪」



「みんなが、それぞれ助け合って。」

「夢を叶えるために、努力して。」



「みんなバラバラな性格なのに…」

「練習になると、それがピッタリそろって。」

「見てて、気持ちよくなるくらいに。」


「…いつのまにか、こっちまで笑顔になれるような。」


「そんな貴女達に、ツバサは惹かれちゃったの♪」

「あ、あんじゅ…!」



「もちろん、それは私も、英玲奈も一緒なんだから♪」
25: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 14:09:56.24 ID:/zbKJQ+s.net
-----


「そう、だったんだ…」


「黙っていて、ごめんなさい。」

「確かに、聞くだけだと都合が良すぎるわ。」


でも、それって…

本当に、A-RISEが私達を認めてくれた、って事だよね?


「…本当に、それだけかな?」


希ちゃんが、にやっと笑う


「希ちゃん…どういうこと?」

「あのな、穂乃果ちゃん…」

「ツバサちゃんは、もうひとつ隠してる事があるんよ♪」


「の、希、それは…!!」

ツバサさんが、隠してる事…?







「μ'sと一緒に、ステージに上がりたい、って事♪」
26: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 14:10:31.03 ID:/zbKJQ+s.net
-----


「…だから、それはさっき言ったじゃない。」


「違うんよ、にこっち。」


「…へ?」

「μ'sと一緒にって…」


「…!?」


「ま、まさか…!」


「そ、言葉通りの意味♪」


「同じ曲を、って事ぉ!?」



「「ええええええっ!?」」





「…///」



…希のばか
27: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 14:11:00.75 ID:/zbKJQ+s.net
-----



「…それ、本当なの?」


「…」


静かに、ツバサさんは頷く


「…はあ。」


「どう思う?にこっち。」


「どうもこうも無いわよ。」



「あの、矢澤さ…」


「そんな面白そうな事、やらないワケにいかないじゃない…!」


「…!」


「…最初から、そう言ってくれれば良かったのに。」


こんな事、言うつもりなかったんだから…
28: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 14:12:48.64 ID:/zbKJQ+s.net
-----


「…ごめんなさい。」


「…こちらこそ、ごめんなさい。」

「最初から、疑ったりして…」


「それは、私が言わなかったからで…」


「ツバサちゃん。」

「…もう、みんな分かってるから。」


「…」


「矢澤さん…」

「にこでいいわ。」


「もう…意地を張る必要もないでしょ。」

「A-RISEだって、歌とダンスが大好きな…」

「私達と同じ、女子高生なんだから。」


「…ね?ツバサ。」

「…!」


「…ええ、にこ。」
29: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 14:13:22.71 ID:/zbKJQ+s.net
-----



「…って事で、決まりね。」

「μ'sとA-RISEの合同ライブよ!!」


「絶対、成功させるわよ…!!」



「「おーっ!!」」



「…」


「…ツバサちゃん。」


「本当…おせっかいね。」


「…ウチの、妹やからね♪」


「もう…」








「ありがとう。」



…本当に


出会えて良かった
35: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 22:59:05.30 ID:/zbKJQ+s.net
-----


こうして、ウチらの合同ライブの企画はスタートした

UTX、音ノ木坂共に大々的に告知をしながら

それぞれが出来る事を選んで

練習を重ねて行った





「それじゃあ、MCだけど…」

「やっぱり、入れ替えなんかも考えてそれぞれから出た方がいいわね。」


「…なら、A-RISEはあんじゅに決定ね。」

「意外と、場を繋ぐのが上手いのよ。」


「はーい、任されました♪」


「それなら、μ'sはにこちゃんがいいんじゃない?」

「こういうの、得意そうだしっ!」


「良いと思いますっ!」

「にこちゃんなら、アイドルのライブMCは完璧だもんっ!」


「…ま、伊達に何年もアイドルの追っかけやってないわ。」

「やってやろうじゃない。」
36: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 22:59:47.30 ID:/zbKJQ+s.net
「…ただし。」

「花陽、アンタもよ。」


「ええっ!?」


「アンタも、十分分かってるでしょ。」

「不測の事態も考えて、3人いた方がいいわ。」


「かよちん、頑張って!!」


「で、出来るかなあ…?」


「大丈夫♪」

「みんなで、フォローしあおう?」


「あんじゅさん…」


「それから、セットリストだけど…」


「それなら、私がやるわ。」

「…!」


「真姫ちゃん…!」
37: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:00:23.17 ID:/zbKJQ+s.net
「もちろん、絵里も一緒よ。」

「…私も?」


「ダンスの流れや、着替えなんかも考えないとだから。」

「私は、その間を繋ぐBGMや、音響関係をやるわ。」


「分かったわ。」


「それじゃ、ことりは衣装の用意をするね?」


「あ、それならウチも手伝うよ!」

「2人でやった方が、断然早いし♪」


「ありがとう、希ちゃん。」


「それじゃ、穂乃果達は?」

「私達は、歌の練習と告知関係をやりましょう。」


「…それで、いいかしら?」


「了解にゃ!」
38: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:00:48.27 ID:/zbKJQ+s.net
「それじゃ最後に、各チームの連携だけど…」

「海未、お願いできるかしら?」


「私が、ですか…?」


「ええ。」

「海未なら、きちんとやってくれそうだから♪」


「海未、私も手伝おう。」


「…分かりました。」

「それでは、何かあったら私に言って下さい。」



「それじゃ、時間もない事やし…」

「みんなで、精一杯がんばろー!」



「「おーっ!!」」
39: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:01:38.79 ID:/zbKJQ+s.net
-----



「…とは言っても。」

「曲が決まらないと、穂乃果達も動けないよね。」


「それはそうだにゃー。」


「海未が今、確認しに行っているな。」


「それなら、私達は…」

「い、一緒に踊る曲…考えてみる?」


「…!」


「うんっ!」


「そうだな…」

「μ'sの曲で、使えそうな曲はあるだろうか?」


「盛り上がるなら、No brand girlsとかかなあ?」


「でも、あれはなかなか合わせるのが難しいにゃ…」
40: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:02:55.51 ID:/zbKJQ+s.net
「最終予選の曲はどうかしら?」

「私達がやれば、インパクトは大きいと思うけど…」


「だが、ライブの最後に持ってくるのはどうか…」


「「うーん…」」



「…!」


「そうだ、あれだよ!!」


「…穂乃果さん?」

「いっちばん良い曲、あったよ!!」


「え、どれどれ?」

「ほら、あれだよ凛ちゃん!!」

「絵里ちゃん達が入るから、ってなった時の!」
41: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:03:22.63 ID:/zbKJQ+s.net
「あーっ!!」

「それいいにゃ!」


「私、真姫ちゃん達のとこ行ってくるね!!」


そう言うと、穂乃果ちゃんは走っていっちゃった


「その曲って?」

「あ、プレイヤーに入ってるよ!」


「えっと…」

画面を、スクロールしていって…


…あった!


「はい、どうぞ!」


~♪


「これは…!」


「うん、良い曲ね♪」
42: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:03:47.77 ID:/zbKJQ+s.net
-----


…さて、進んでいるのでしょうか


「失礼します。」


「…あ、海未。」

「ちょうどいい所に。」


「…?」

「出来たわよ、セットリスト。」


「本当ですか?」

「ええ、ばっちり♪」


「…どう?」

手渡された紙を見ます

1曲目…

2曲目…


…おや?
43: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:04:29.26 ID:/zbKJQ+s.net
「3曲目と4曲目の間、ずいぶん時間があるんですね。」


「ああ、それは…」

「なにかあった時の、保険みたいな物よ。」

「…なるほど。」


「…って言うのが、表向きの理由。」

「…ね?真姫♪」


「…?」


「ねえ、海未。」

「どうして私が、絵里を呼んだか分かる?」


「それは、流れをより正確にするためでは…?」


「確かに、それもあるわ。」

「でも…本当は、海未も呼びたかったのよ。」


「…なぜ?」

「本当に…わからない?」
44: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:05:06.06 ID:/zbKJQ+s.net
「…!」


「ま、まさか…」


「そう、そのまさかよ。」


「そ、そんな事、いいんですか!?」


「だって、そっちの方が面白いじゃない♪」

「真姫…」


「ちなみに、これを伝えるのはMCである、にこちゃんにだけよ。」

「他には一切情報を漏らさないわ。」


「…本格的ですね。」


「もちろん、賛成してくれるわよね?」

「で、ですが…」


「…あら?海未。」

「貴女、英玲奈に何を教わったんだっけ?」


「…!」

「その話は卑怯です…!!」
45: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:08:57.36 ID:/zbKJQ+s.net
「…じゃ、これで決まり。」

「後は、全員で踊る曲だけど…」


その時、音楽室の扉が勢いよく開きました


「真姫ちゃんっ!!」


「…穂乃果?」

「どうしたのよ、息切らして…」


「もう、最後の曲、決まった?」

「いいえ?」

「今から決めようとしてたの。」


「だったら…」

「これにしようよっ!」


「そのCDは…?」
46: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:09:42.69 ID:/zbKJQ+s.net
…変ですね

使うCDには、きちんとラベルが張られているはずですが

あのCDには、何も…


…!


もしかして、あれは…


「穂乃果、それはもしかして…」


「うん、あの時の!」


「「…?」」


「ほら、真姫。」

「オープンキャンパスの時の…」


「…ああ、なるほどね。」

「確かに、ピッタリかもしれないわ。」


「絵里も、知ってる曲ですよ?」


「タイトルは---」
47: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:10:21.43 ID:/zbKJQ+s.net
-----


pipipipi…


「…あ、海未ちゃんからメール。」

「ん?」

「なんて?」


「セットリスト、決まったって。」

「えっと、曲は…」


「…!」


「…どれどれ?」

「…」


「なるほど。」


「これは、確かに面白そうやん♪」

「ことりちゃん、この衣装って…」


「うん、ばっちり準備できてるよ♪」

「あと、数着作れば良いだけだから。」


「…それじゃ、早く作ってみんなと合流しよか!」

「うんっ!」
48: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:10:48.21 ID:/zbKJQ+s.net
-----


「って感じで、間をつないで…」


「きっと、曲は交互に入るから。」

「着替える間とか、それぞれがフォローして…」


「うん、いいと思う♪」

「花陽も、それで大丈夫だと思います。」


「あとは、曲順ね…」


「…あれ?」

「海未からメール入ってる。」


「あ、私にも届いてる。」

「一斉送信したみたいね。」


「えっと…あ!」

「曲順、決まったみたいだね。」
49: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:11:28.61 ID:/zbKJQ+s.net
「…なるほど。」

「これなら、思ってたより動きやすくなるわね。」


「それに、この最後の曲…」

「今の私達に、ふさわしいじゃない。」


「あ、あんじゅさん、これ…」

「プレイヤー?」


「最後の曲、聞いてみて下さい。」

「…ありがとう♪」



…ん?

真姫ちゃんから、個別でメール…






やるじゃない、真姫

いいわ、乗ってあげる♪
50: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:12:04.09 ID:/zbKJQ+s.net
-----




「ふう、疲れたー…」

「では一度、休憩にしましょうか。」



「そういえばことり、衣装出来たんだって?」


「うん♪」

「希ちゃんが手伝ってくれて…」

「思ったよりも、早く出来ちゃった。」


「持って来てあるから、後で衣装合わせお願い♪」


「ほんと!?」

「楽しみだにゃーっ!」



「後は、この全体練習だけですね。」


「…でも、いい感じにまとまってきたよね!」

「流石、A-RISEだよ!」
51: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/22(水) 23:12:42.00 ID:/zbKJQ+s.net
「…ふふ。」

「そう言ってもらえると、助かるな。」


「そうね。」

「今までのダンスとはまた違うから…」

「なかなか、難しいわ。」


「…でも、楽しそうやね♪」

「希…」


「そうやろ?」


「…そうね。」


「…」


「すごく、高揚してるのが分かる。」

「楽しみ…なんだ、って。」


ツバサちゃんの言葉に

みんなが、笑顔になる





…そして、一週間後

ウチらの合同ライブが



今、幕を開けた---
60: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:28:33.05 ID:/gkYoWus.net
-----


「いやー…」

「それにしても、すごい人だね。」


「仕方ないよ。」

「だって、あのA-RISEとの合同ライブだもん。」


「穂乃果たち、大丈夫かなあ…?」

「変に、緊張してないと良いけど。」


「まあ、穂乃果なら大丈夫だよ。」

「それより、心配は…」


「…海未ちゃんか。」


「でも、ここまで頑張って来たんだもん!」

「きっと、大丈夫だよ♪」

「それに、今回は対決とかじゃないから。」


「…そうだね。」



「あ、そろそろ始まるみたい!!」
61: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:29:11.81 ID:/gkYoWus.net
----



「んん…こほん。」

「みなさん、こんにちは!」

「A-RISEの優木あんじゅです♪」


「今日は、ここ、UTX学院屋上ステージに来てくれてありがとう!!」

「精一杯、楽しんでもらえるように頑張ります♪」


「…とまあ、挨拶はこのくらいにして。」

「今日の主役に、登場してもらおうかな♪」


「…それでは!」

「ミュージック、スタート♪」







「…行こう!」



~♪


『I say…』

『Hey, hey, hey START:DASH!!』

『Hey, hey, hey START:DASH!!』


62: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:29:48.88 ID:/gkYoWus.net
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~♪



1曲目が、終わる


「…改めて、ご紹介しましょう!」

「μ'sの皆さんです♪」


あんじゅちゃんの声に合わせて

会場も、盛り上がる


あんじゅちゃんが、マイクを渡す


「…皆さん、こんにちは!」

「音ノ木坂学院、スクールアイドルμ'sの、高坂穂乃果です!」

「今日は、私達のライブに来てくれてありがとうございます!」


「さっき、あんじゅさんが今日の主役、って言ってくれたけど…」

「今日の主役は、A-RISEのメンバーも含めた全員が主役です!」


「皆の頑張りを、是非最後まで見ていって下さい!」
63: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:31:01.64 ID:/gkYoWus.net
「それでは!」

「私達の合同ライブ!」

「『μ's&A-RISE☆Music Festa』、開催します!!」


この言葉に、歓声が上がる

改めて、ウチらの現状を理解する

…ここまで、来れた事を



「…はい、穂乃果ちゃんありがとう♪」

「私達も、負けないように頑張るね!」


「…そして、ここからは。」

「私、優木あんじゅと…」


「にっこにっこにー☆で、お馴染み。」

「私、矢澤にこと!」


「わ、私、小泉花陽がお送りします…!」




「って、言ってるそばから次の曲ね!」

「挨拶だけになっちゃったけど…」


「今日は、楽しんでいってくださいね♪」
64: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:31:35.08 ID:/gkYoWus.net
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「…準備が完了したみたい♪」

「それでは、早速2曲目にいってみましょう♪」



「2曲目は…なんと、この9人になって初めての曲!」

「それでは、聞いて下さい!」


『僕らのLIVE 君とのLIFE』


~♪


『確かな今よりも』

『新しい夢、捕まえたい』

『大胆に飛び出せばO.K.マイライフ』


~♪






「…本当、凄い人気ね。」

「それだけ彼女達が、頑張って来たという事だろう?」

「我々も、負けてはいられないな。」


「…当然♪」
65: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:32:11.33 ID:/gkYoWus.net
~♪


『あこがれを語る君の』

『ゆずらない瞳が…だいすき』


『ダイスキ!!』


~♪



「ありがとうございました!」

「それでは、MCをバトンタッチしちゃいます♪」



「…はい、ここからはにこ達がMCにこっ♪」

「さっき、あんじゅさんが言ってたように。」

「この曲は、にこ達が9人になって初めての曲なのよね~。」


「絵里ちゃんと希ちゃんが入って、やっと揃った!って時の曲だね♪」


「そうそう!」

「それで、音ノ木坂のオープンキャンパスで初ライブ!」



「このライブがあったからなのか…」

「廃校の決定が、すこし延期になったんだよね。」
66: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:32:41.78 ID:/gkYoWus.net
-----


「おお…!」

「2人とも、すっごく慣れてるみたい!」


「花陽も、人前に出ても緊張しづらくなりましたね。」


「そういう海未ちゃんは、どうなのかにゃー?」

「り、凛…!」



「…ふふ。」

「貴女達は、いつも楽しそうね♪」


「お、準備できたんやね。」

「ええ、おかげさまで。」


「やっぱり、衣装もメンバーも格好いいね♪」

「ありがとう、ことり。」



「…それじゃ、行きましょうか。」

「しっかり見ててね~♪」
67: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:45:16.73 ID:/gkYoWus.net
「…行きましたね。」

「行くわよ、2人とも。」


「みんなに疑われないうちに、早く。」



-----



「…さあ、お待たせしました!」

「クールなメンバーと格好良いダンス!」


「私達μ'sの最大にして最高のライバル!」

「A-RISEの登場よ!!」



~♪


『Can I do? I take it, baby! 』

『Can I do? I make it, baby!』

~♪
68: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:45:46.62 ID:/gkYoWus.net
-----


真姫ちゃんたち、動いたわね

にこも、準備しなくちゃ


~♪


『What'cha do what'cha do? I do “Private Wars”』

『ほら正義と狡さ手にして』

『What'cha do what'cha do? I do “Private Wars”』

『ほら人生ちょっとの勇気と情熱でしょう?』


~♪





「…あれ?そう言えば、真姫ちゃん達は?」

「さっき、音響とか確認してくる、って言ってたにゃー。」


「なら、問題ないね!」

「それにしても、やっぱりA-RISEはすごいなあ…」
69: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:46:38.26 ID:/gkYoWus.net
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『Can I do? I take it, baby! 』

『Can I do? I make it, baby!』



「…今日は、来てくれてありがとう!」

「そして、ライバルと言ってくれてありがとう、にこ♪」


「…!」


「この後も、μ'sに負けない歌、期待しててね♪」


「はああ~…♡」

「やっぱりA-RISEは格好いいですね!」

「まさにクールビューティー!」


「女の子達の憧れですっ!!」




~♪


「「!?」」


「この曲は…!?」
70: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:47:18.55 ID:/gkYoWus.net
「ふっふっふ…」

「にこちゃんっ!?」


「褒めておいてもらってなんだけど…」


「クールビューティーの称号は。」

「なにも、貴女達A-RISEだけじゃないわ!」



「うちにだって、役者は揃ってるの。」

「勝負よ、A-RISE!」


派手なスモークと、クールな楽曲

…さあ、出て来なさい!!


『Three,two,one,zero! ここで登場』

『見てなさい、私の本気』

『スリルと美意識で勝つのよ必ず』



「「!!」」
71: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:47:46.84 ID:/gkYoWus.net
----


「真姫ちゃんっ!?」

「えりち!」


「う、海未ちゃんまでっ!?」



「これって、プロモーション用に撮影した…」


「って言うか、聞いてないよっ!!」



「…なるほど。」

「希ちゃん?」


「おかしいと思ってたんよ。」

「3曲目と4曲目の間、長い休憩とるな、って。」


「にこっちは…知ってたみたいやね。」


「言ってくれたらよかったのに!」


「…多分、みんなを驚かせたかったんちゃうかな?」


「ほら、A-RISEも驚いてるもん。」
72: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:48:43.72 ID:/gkYoWus.net
『いまが勝負よ!』

『私は誰でしょ?知りたくなったでしょう?』

『ならば恋かも』

『私の中には秘密があるとして…』

『それを君は?』




『私と来るでしょ?触れたくなったでしょう?』

『すでに恋だよ』

『私といつかは戦うべき相手』

『それは君の理性かも』

『It's soldier game』

『また会えたのに I'm soldier heart』




「どうも、ありがとう!!」


「…A-RISEだけに、かっこいい所を持っていかれるなんて。」

「そんなの、認められないわ!!」
73: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:49:30.62 ID:/gkYoWus.net
「…やられたわ、貴女達。」

「まさか、こんな形で勝負を売られるなんて。」


「少々、卑怯かとは思いましたが…」


「せっかく同じステージに立つんだし…」

「こういう事があったほうが、面白いでしょ?」




「これが、μ'sのクールビューティー組よ!」

「そして…ツバサ。」

「売られた勝負は…?」



「もちろん、買うわ!」

「我々も、負けるのは癪だからな。」


「何より、私達のアイデンティティだもの♪」



「と、言う訳で!」

「次は、またまたA-RISEの曲よ!!」

「どっちがクールビューティーにふさわしいか!」

「ここで決着をつけるわよ!!」
76: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:58:53.64 ID:/gkYoWus.net
-----


「…て、言うかにこちゃん。」

「せめて私には教えてくれても…」


「甘いわ、花陽。」

「何事もサプライズでやってこそ、栄えるのよ!」


「…と、言う訳で。」

「早速、準備ができたみたいね。」


「それじゃあ、登場してもらいましょう!」


「A-RISEで、『Shocking Party』!!」


~♪


『Dancing, dancing! Non-stop my dancing』

『Dancing, dancing! Let me do!』


『Party! Shocking Party!! 始める準備はどう?』

『さあ来て ここに来て』

『Party! Shocking Party!! 世界が回りだす』

『さあ来て ここに来て』


~♪
77: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:59:19.99 ID:/gkYoWus.net
-----


「…ふう。」


「海未ちゃーんっ!」

「穂乃果…」


「ヒドいよっ!!」


「なっ…」


「教えてくれたっていーのにー!」

「そうにゃそうにゃ!」


「真姫ちゃんも、こーんなずるい事考えてたんだねっ!」


「ずるいって何よ!!」



「…でも、ほんとにビックリしたよお~。」

「ふふ、成功だったみたいね。」



「ほーんと、えりちも2人も上手く隠すんやから♪」


「さあ、お話は後です。」

「最後の準備をしますよ!」
78: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 22:59:56.50 ID:/gkYoWus.net
-----


『もっと知りたい知りたい過剰なLife』

『いま夢の夢の中へ』

『もっと知りたい知りたい過剰なLife』

『だから…Shocking Party!!』



『Dancing, dancing! Non-stop my dancing』

『Dancing, dancing! Let me do!』




「…やっぱり、A-RISEは凄いわね。」

「改めて、憧れるわ♪」


「さっきのを見た後だと、挑発されてるように感じるわね。」


「…なんの事か分からないにこー。」


「でも、本当にA-RISEはすごいです!」

「今日、一緒にステージに立ててる事が、奇跡みたいですっ!!」


「…ありがとう、花陽ちゃん♪」
79: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 23:00:24.98 ID:/gkYoWus.net
「…ふう。」

「改めまして、優木あんじゅです♪」


「…なんと、次の曲が最後になってしまいました。」

「みんな、たのしんでくれたかな?」



「ちょっと、これで終わるのは寂しいけど…」

「μ'sのみんなは、もうすぐ本番だから。」

「だから、次でおしまい♪」


「そ・の・か・わ・り。」


「今日来てくれたみんなと、ネット配信を見てくれるみんなにだけ。」

「私達からの特別なプレゼントがあります♪」



「用意してくるから、ちょっとだけ待っててね♪」
80: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 23:00:53.85 ID:/gkYoWus.net
-----



「みんな、お待たせ♪」

「来たか、あんじゅ。」


「…これで、全員だね。」


「それじゃ、ツバサさん。」

「最後に、意気込みを!」


「わ、私が…?」

「だって、提案してくれたのはツバサさんだもん!」

「みんなも、いいでしょ?」



「希…」

「うん♪」


「…」


「…みんな、今日はありがとう。」
82: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 23:01:31.10 ID:/gkYoWus.net
「正直、これは私達の…私の、わがままで。」

「μ'sのみんなは、本番が控えてるのに。」

「急遽、一緒にステージに立ってくれて…」


「とっても、嬉しかった。」


「ほんの短い時間だったけど…」

「貴女達と同じステージに立てて。」

「最高に楽しかった。」


「でも…」


「「…?」」


「これで、終わりじゃない。」

「これからも、私達は進んでいく。」


「…今日は、本当にありがとう。」

「今日この日を、私達は絶対に忘れない。」



「…行きましょう。」
83: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 23:09:21.28 ID:/gkYoWus.net
「あっ!」

「…どうしたの?穂乃果さん。」


「せっかくだし…みんなで、あれやろうよ!」


「「…!」」


「賛成にゃー!」

「せっかくだし…ね。」



「それじゃあ、行くよ!」


「1!」

「2!」

「3!」

「4!」

「5!」

「6!」

「7!」

「8!」

「9!」
84: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 23:09:54.78 ID:/gkYoWus.net
「…10!」

「11!」

「12!」



「μ's&A-RISE!!」

「ミュージック…」



「スタート!!」






競ってた相手と、同じ場所に立ってる

偶然かもしれないけど

みんな、同じ明日を見てる

立ち止まったって、振り向いたって

また、歩き出すために


同じ時間、同じ場所に

…この仲間が、ライバルがいるから

だから、ウチらは頑張れる









『僕らは今の中で』
85: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 23:15:54.57 ID:/gkYoWus.net
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~♪


『真っ直ぐな想いがみんなを結ぶ』

『本気でも不器用 ぶつかりあうこころ』


『それでも見たいよ大きな夢は』

『ここにあるよ 始まったばかり』



ラブライブっていう目標はなくなっちゃったけど

今まで、私達がやって来た事が無駄になる訳じゃない


今までも、何度もぶつかって、苦しんで

その度、乗り越えて来た私達だから


ツバサも、英玲奈も…気持ちは、きっと同じ


『楽しいだけじゃない 試されるだろう』

『だってその苦しさもミライ』

『集まったら強い自分になってくよ』

『きっとね 変わり続けて』


---いつか、また輝けるから


『We'll be star!!』
86: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 23:16:29.79 ID:/gkYoWus.net
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~♪


『それぞれが好きな事で頑張れるなら』

『新しい場所がゴールだね』


負けて、確かに悔しかった

だが、足りない物がある事に気付いた

我々が、この先必要な物



『それぞれの好きな事を信じていれば』

『ときめきを抱いて進めるだろう』


簡単な事だった

どうして、始めたのかを考えればよかった


みんなを、笑顔にしたい

歌って、踊りたい


3人とも、同じ想いを持っていた



---ただ、好きだという事
87: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 23:16:59.34 ID:/gkYoWus.net
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~♪


『夢が大きくなるほど試されるだろう』

『胸の熱さで乗り切れ』

『僕の温度は熱いから』

『熱すぎて止まらない』

『無謀な賭け?』

『勝ちにいこう!』



いつだって、私達は挑戦者だった

自分たちの力で、勝ち取って来た

出来ないと思う事だって、何度でもあった

…でも、2人がいたから

支え合って、乗り越えて来れた



これからだって、きっとそう

…だって、まだまだ歌い足りない

踊り足りない



この場所が、仲間が

支えてくれる、人たちが



---大好きだから
88: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 23:18:24.14 ID:/gkYoWus.net
-----


~♪


『怖がる癖は捨てちゃえ とびきりの笑顔で』

『跳んで跳んで高く 僕らと今を---』


『弱気な僕にさよなら 消さないで笑顔で』

『跳んで跳んで高く 僕らは今の中で---』



ウチらは、色んな人たちに支えられてる

その人たちからパワーをもらって

初めて、ウチらはμ'sとしてステージに立てる


辛い事があっても、仲間がいる

喧嘩が出来る、友達も

競い合う、ライバルも


そんな人らが、ウチらを照らしてくれるから

ウチらは、その光に向かって進むだけでいい

みんなが繋いでくれたその光そのものが

みんなで叶えて来た、夢だから


だから、ウチらはずっと、その光を追いかけてた

そして今、A-RISEもきっと

その光が照らし出した



---輝きを待ってた
90: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 23:27:51.55 ID:/gkYoWus.net
-----



「やりきった。」

「…そんな顔だな。」


「…ええ。」


「…」


「すっごく、楽しかったね♪」


「…そうね。」


「ツバサ…」



「ねえ…2人とも。」


「「…?」」


「今まで、ありがとう。」



「ツ、ツバサ!?」
91: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 23:28:35.42 ID:/gkYoWus.net
「…」


「μ'sは…彼女達は。」

「足りなかった物を、教えてくれた。」


「…いいえ、気付かせてくれた。」



「誰かのために、頑張るってこと。」


「言葉にすると、陳腐に聞こえるけれど。」

「…でも、大事な事。」



「…」


「気付いたこの気持ちを、嘘にしたくない。」

「だって…」



「2人が、歌う事が。」

「大好きだから。」


「「…」」


「…我々も、同じ気持ちだ。」
92: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 23:29:17.71 ID:/gkYoWus.net
「…!」

「どうした?あんじゅ。」


「えっと…考えてみたんだけど。」

「初心に返って、もう一度やり直す、って事よね?」


「…?」

「確かに、そういう事だけど…?」


「じゃあ…」

「『Re:A-RISE』って、こと?」


「「…」」


「まったく…あんじゅは。」

「フルハウスで、懲りたと思ったが…」


「そ、それは今は無しっ!!///」



「…ふふっ。」


「…ツバサ?」
93: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/23(木) 23:30:08.25 ID:/gkYoWus.net
「…いいじゃない。」

「リアライズ。」


「気付かされたのは、本当でしょ?」


「…ああ。」


「ここから、リスタート。」



「彼女達が夢を叶える為に、私達がいたのなら。」

「…その逆も、あるはずよ。」


「私達も、これから紡いでいくの。」





「…私達だけの。」


「みんなで叶える、物語を。」



To Be Continued…
104: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:38:49.53 ID:QdENXKnA.net
-----


「合格、したんやってね。」

「おめでとう。」


「ありがと、希。」

「でも、私が頑張った訳じゃないんだけどね。」


「ふふっ。確かに。」

「…今度、亜里沙ちゃんに何かプレゼント買いにいこうか♪」


「本当?」

「きっと、喜ぶわ。」




「…で、えりち。」

「…?」


「わざわざ呼んだのは…」

「それが、理由じゃないやろ?」



「…お見通し、ってワケね。」
105: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:39:19.35 ID:QdENXKnA.net
「…亜里沙が、言ってたの。」

「合格した時に。」



「…μ'sに、入るって。」


「…そっか。」


「ラブライブが終わるまで…って、話だったけど。」

「決めるなら、早い方が良いのかもしれない。」


「…そうやね。」


「もう…あと、ほんの少しなんやね。」



同じ季節を、2回繰り返して

毎日毎日、この日はもう来ないのか、なんて感じたりした


ウチらが作った、μ's

ウチらがいなくなったら


どう…なるんかな
106: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:39:53.36 ID:QdENXKnA.net
-----



「…ラブライブの本大会まであと1ヶ月。」

「ここからは負荷の大きいトレーニングは避け。」

「体調を維持する事に努めます。」


「練習…ずいぶん少ないんだね。」

配られたプリントを見ながら

凛ちゃんが呟く


「うん、完全にお休みの日もある…」



「はい。」

「英玲奈さんやA-RISEの方にもアドバイスしてもらって。」

「そういう日があった方がいいと言われましたので。」


「あれから、ずいぶん仲良くなって。」

「最近はご飯まで一緒に行ったとか…?」




「の、希…///」
107: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:40:21.87 ID:QdENXKnA.net
「…こほん。」

「とにかく、これからはこういった段取りで進めていきます。」


「…!」


「…穂乃果?」


「…ん?」

「聞いてましたか?」


「う…うん、ごめん。あはは…」



「そういえば…」

「亜里沙ちゃんと雪穂ちゃん、合格したんでしょ?」



「…うん!」

「2人とも…春から音ノ木坂の新入生。」


「亜里沙ちゃん、ずっと前からμ'sに入りたい、って言ってたもんね♪」


ことりちゃんの言葉に

穂乃果ちゃんが、少しだけ目を曇らせる
108: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:40:47.27 ID:QdENXKnA.net
「…」


「じゃあ、もしかして新メンバー?」

「ついに10人目誕生!?」


「…!」


「ちょっと、そういう話は…」

慌てて、真姫ちゃんが止める


「「…」」



「卒業…しちゃうんだよね。」


空気が、少し重たくなる


…もう、しょうがないなあ


「…ふふっ。」


「どーやろ?」


そう言って、にこっちに視線を向ける


「…!?」
109: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:41:58.40 ID:QdENXKnA.net
「にこっちは卒業できるかどうか…」


「するわよっ!!」



「「…」」


…やっぱり


気にしない、とは言ったけど

みんなの、頭から離れない


ウチらは、もう…


ウチまで暗くなりかけた時

えりちが、手を叩いた



「ラブライブが終わるまでは。」

「その先の話はしない約束よ?」


「さ、練習しましょ!」



「「…はい。」」
110: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:42:59.19 ID:QdENXKnA.net
「…」


「…えりち。」


「しょうがない…事なのかもね。」

「話した方がいい、とは言ったけど。」


「こうも暗くなるんじゃ…」


「うん。」

「なにか、きっかけがあれば…」



「…!」

「ほら、穂乃果ちゃん。」


「あ…」


「練習、始まるよ?」


「うん、希ちゃん…」


「い、今行くね!」
111: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:43:29.26 ID:QdENXKnA.net
-----


グラウンドで基礎トレーニング

…とは言っても

体をならす事がメインやけど


「…」


あえて、えりちと先頭に立つ

今の表情を、見せる訳にはいかないから


…後ろから、穂乃果ちゃん達の声が聞こえてくる



「…私も同じです。」

「3人が抜けたμ'sを、μ'sと言っていいものなのか…」


「…そうだよね。」



「なんで卒業なんてあるんだろう…?」





「続けなさいよ…!」
112: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:44:03.01 ID:QdENXKnA.net
「「えっ?」」


にこっち…



「メンバーの卒業や脱退があっても。」

「名前は変えずに続けていく。」

「…それがアイドルよ。」


「アイドル…」


「…そ。」

「そう言って名前を残していってもらう方が。」

「卒業していく私達だって、嬉しいの。」


「だから…っぷ!?」


にこっちの言葉を、体で止める

それ以上は、言うべきじゃないから


「…痛あ~。」


「その話はラブライブが終わるまでしない約束よ?」


不安を煽って、良い事は無いから
113: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:44:30.91 ID:QdENXKnA.net
「分かってるわよ…」

…そう

これは、仕方ない事で…


「…本当に、それでいいのかなあ?」

「…!」


「花陽…」


「だって…」

「亜里沙ちゃんも雪穂ちゃんも、μ'sに入るつもりでいるんでしょう?」

「ちゃんと…答えてあげなくて、いいのかな?」


「…」


「もし…私が同じ立場なら、辛いと思う。」


「かよちんは…どう思ってるの?」

「…!」


凛ちゃんが、そう告げる
114: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:45:03.80 ID:QdENXKnA.net
「μ's…続けていきたいの?」


「それは…」


「何遠慮してるのよ!」

「続けなさいよ…?」


「メンバー全員入れ替わるんならともかく。」

「貴女達6人は残るんだから。」



「…遠慮してる訳じゃないよ?」

「ただ…私にとってのμ'sって。」

「この、9人で…」


「一人欠けても、違うんじゃないか、って。」



「…私も、花陽と同じ。」


真姫ちゃんが続ける
115: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:45:30.38 ID:QdENXKnA.net
「でも…にこちゃんの言う事も分かる。」


「μ'sという名前を消すのは辛い。」

「だったら…続けていった方がいいんじゃないか、って。」


「…でしょ?それでいいのよ。」


「…」


「…えりちは?」


「…私は決められない。」

「それを決めるのは…穂乃果達なんじゃないか、って。」


「…!」



「私達は、必ず卒業するの。」

「スクールアイドルを続ける事はできない。」
116: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:45:57.38 ID:QdENXKnA.net
「だから…その後の事を言ってはいけない。」

「私は、そう思ってる。」


「決めるのは、穂乃果達。」

「それが私の考え。」



「絵里…」


にこっちの頭に、手を置く

「…!」


「…そうやね。」


きっと、それが正しい

なにより、このμ'sがμ'sであれたのは

作ってくれたのは


まぎれも無く、穂乃果ちゃん達なんやから





「…さ、練習再開しましょ?」
117: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:46:23.39 ID:QdENXKnA.net
-----




「…で、どうするの?」

「どうするって?」


「決まってるでしょ?」

「これからも、μ'sであるかどうかよ。」


「「…」」


やっぱり、ちゃんと話し合おうと言う事で

ウチとにこっち、えりちはカフェに来てた


「…だから、穂乃果達に任せましょう?」

「それは、私達の役目じゃないわ。」


「それは…」


「でも、せっかくの居場所が。」

「μ'sが無くなるのなんて、嫌よ!」


「にこ…」
118: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:47:02.79 ID:QdENXKnA.net
「絵里も、そうじゃないの!?」

「私達にとって…」


「μ'sは、やっとできた私達の居場所なのよ?」

「それまで、避けて来た私たちが…」


「やっとひとつになれた、かけがえの無い場所でしょ?」


「それが消えてほしくなんてない!」


「それは…そうだけど…」


「でもやっぱり、それは私達のわがままよ。」

「穂乃果達だって、真剣に考えてる。」


「これから、どうするべきか。」

「どうなるのが、最適解なのか。」


「…私は、それに従いたい。」


「じゃないと…諦められないもの。」
119: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:47:31.99 ID:QdENXKnA.net
「えりち…」


「…」


「私達が今、ここにいるのは。」

「あの子達の、おかげ。」


「それに、卒業して続けていくのは、あの6人。」

「だから…」

「私はそれで、良いと思う。」


「私達が、出しゃばるべきじゃない。」


「…」


「…希も、同じ考え?」


「ウチは…」


ウチは、どうしたいんかな?
120: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 21:48:04.25 ID:QdENXKnA.net
「…」


「ウチも、えりちと答えは一緒。」


「…でも、理由はちょっと違うんよ。」


「理由?」


「…うん。」


今でも、思い出せる

あの時の事


そうありたいと願った

夏の終わり


「2人は、覚えてる?」

「あの…」




「南十字星を。」



1年半前の、あの日の記憶
122: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 22:02:32.77 ID:QdENXKnA.net
-----


時期は夏の終わり頃

ウチらは、沖縄に修学旅行に来てた

この時は、にこっちとウチらの間にまだ溝があって

あまり…話せなくなってた


…実質、沖縄観光もウチとえりちで回ってたし

にこっちが、どうしてたのかも分からない


でも、最終日を翌日に控えたあの日


無くしてしまったにこっちの財布を捜すため

ウチらは…少しだけ、昔に戻れた



思えば、あの日初めてツバサちゃんや

英玲奈さんやあんじゅちゃんに会ったんやね


結局、財布は見つかって

ホテルについたのは、もう遅い時間で

ウチらは、先生方にこっぴどく怒られる事になった
123: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 22:11:48.06 ID:QdENXKnA.net
-----



「…はあ。」

「まさか、あんなに怒られるとは…」


「…当たり前でしょ?」

「どれだけ時間経ってたと思ってるのよ。」


「…別に、絵里は先に入ってても良かったのに。」


「…にこっち。」

「ひゃわっ!?」


「そんなこと言って、ええんかな~?」

にこっちの未発達のそれに手を当て、力を入れる


「すっ、すいませんでしたあ!!」



「…分かればよろしい♪」
124: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 22:12:12.86 ID:QdENXKnA.net
「…えりち?」


ふと、立ち止まったえりちは

窓の外を見ている


「もう…帰るのね。」

「もっと、遊びたかったな…なんて。」


少し寂しそうに笑うえりちを見て

ああ、やっぱり美人さんは悩む姿も綺麗やなあ…

なんて、考えていると



「…もう、一度怒られたら何やっても一緒よね♪」

「どういう事?にこっち。」



「屋上…行きましょ?」

「屋上?」


「にこだって…希みたいに。」

「ただ何となく、空を見たい事だってあるの。」
125: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 22:18:33.92 ID:QdENXKnA.net
-----



「うわあ…!!」

「綺麗ね…」


「やっぱり、沖縄は空も綺麗やね…」


沖縄の空は光が少なくて

星が東京よりも綺麗に見える


満天の星空にきらめくそれらを見ながら

ウチらは、、少しだけ静かになる


「…」


地元から離れて、見る星空

でも、この空で繋がってるんやね


もしかしたら

お父さんもお母さんも

この空を見てるかもしれない


そう考えると、ちょっとだけ勇気がでた
126: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 22:19:05.58 ID:QdENXKnA.net
「あの、一番光ってる星…一等星…だっけ?」

「こっちじゃ、こんなに綺麗に見えるのね。」


えりちに言われて、その星を探す


その時、後ろから声が上がった



「…こら、お前達!」

「もうすぐ消灯時間だぞ…!」


3人で、やばい、という顔をする

見つかっちゃったか…



「…!」


「なんだ、またお前達か…」

「まだ、怒られ足りなかったのか?」


「い、いやあ…」
127: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 22:20:18.32 ID:QdENXKnA.net
「沖縄でも、夜は冷えるんだぞ?」

「何してたんだ、一体…」


「…星を、見てました。」

「…星?」



「こっちだと、綺麗に見えるなあ…って。」


「…」


こんなこと、なんの言い訳にもならないけど

ただ…素直に、そう感じたから


「…ふう。」



「ま、今日は見逃してやるよ。」

「明日、帰るんだしな…」


「…しっかり、目に焼き付けとけ。」
128: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 22:38:44.07 ID:QdENXKnA.net
「しっかし、お前達は…」



「仲良さそうに一緒にいたかと思えば。」

「いつの間にか、話さなくなったり…」


「かと思えば、こうして空を見上げたり。」


「忙しいな。」


「…ッ。」


痛い所を突かれた

やっぱり、見てる人は見てるんやね



「そんなお前達には、星が似合うよ。」


「「…?」」


「私は、生徒はみんな星だと思ってる。」

「それぞれに個性があって、磨けば光る所がある。」
129: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/25(土) 22:39:18.35 ID:QdENXKnA.net
「…いくつもの星が、星座を作って。」

「またその星座が、星空を作る。」


「英雄をかたどった星座や。」

「その英雄に倒される星座。」

「そんな相反する物が、ひとつの雲河を作る。」


「意味や捉え方も違う星達が、私達の頭上には広がってる。」


「だからこそ、面白いと思うんだ。」


「「…」」


「先生は…好きな星座とかって、あるんですか?」


「私か?」

「そうだな…」






「南十字星…って、知ってるか?」
134: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:04:22.68 ID:MWQaq3ib.net
「南…十字星…」

聞いた事はある

たしかあれは、世界史の授業で…



先生は、手に持ってた手帳を開いて

その中から、一枚の写真を取り出した


「…ほら、これだ。」


3人で、その写真を覗き込む

あまり、鮮明ではないその写真に

仄暗い星達が映っていた



「これが…南十字星…」


「…昔。」

「まだ私が学生だった頃。」


「沖縄に来て…撮った写真なんだ。」
135: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:04:57.67 ID:MWQaq3ib.net
「…ここでも、見えるんですか?」

えりちが、そう尋ねると


「…いや。」

「今はもう、ほとんど見えない。」

「時期も悪いし…」


「きちんと見えるのは、沖縄でも南に位置する島だけだ。」

「私がこれを見たのは。」


「友人との卒業旅行で、波照間島に行った時だった。」


先生が、思い出に耽る


「…」



「世界史の授業で習っただろう?」

「昔…大航海時代を生き抜いて来た人たちは。」

「この星の光を目印に、暗い海を進んでいたんだ。」
136: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:05:23.60 ID:MWQaq3ib.net
「南十字星…」

「正式名称は、南十字座だな。」

「その名の通り、星座のひとつだ。」

「そして、この星座は…」


「空にある、全ての星座…」

「全天88星座の中で最も小さい星座なんだ。」



「…一番、小さい?」


「ああ。」

「にもかかわらず、この星達は南を照らして。」

「船乗り達を目的地へと導いた。」


「…言うなれば、彼らにとっての道標が、この星だったんだ。」



「…」
137: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:05:53.66 ID:MWQaq3ib.net
「…私はな、お前達。」

「教師とは…大人とは、そうあるべきだと思うんだ。」


「「え…?」」


「決して、目的地を教える訳ではない。」

「進むべき道を、教える訳でもない。」

「それは、お前達が悩んで、悩み抜いて決める事だ。」


「…時には、失敗するかもしれない。」

「迷う事があるかもしれない。」


「だが、そんな時に…」

「私は、お前達の道標でありたいと思う。」


「お前達が足を止めた時に。」


「その道を指し示す、光でありたいんだ。」




「…少し、クサいがな。」
138: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:06:17.92 ID:MWQaq3ib.net
「お前達は、この学校で様々な事を経験して来ただろう。」

「辛い事も、苦しい事もあったと思う。」


「そんな経験を乗り越えて、人は大人になるんだ。」

「…だが、お前達はまだ若い。」

「まだ、子供なんだ。」


「大人になったから、いいという訳でもない。」

「大人も、大人で悩む事だってある。」


「だが、それをお前達に見せる事は無い。」

「それが、我々大人の義務だ。」


「…だが、お前達は関係ない。」

「おおいに悩んで、壁にぶち当たるべきだ。」


「そうやって、人は大人になっていくんだから。」
139: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:06:49.84 ID:MWQaq3ib.net
「だが、お前達が道に迷った時。」

「何かを抱え込んでしまった時に。」


「私は、お前達が進むと決めた道を…」

「その道を照らしたいんだ。」


「…」


「お前達だって、そうだろう?」

「人は、いつまで経っても悩みが尽きない生き物なのさ。」

「だが…」



「1人は、自分の夢を叶えるために。」

「1人は、皆の夢を繋げるために。」


「…そして一人は、皆の夢を叶えるために。」



「それぞれ、悩んで悔やんで、先に進もうとしている。」

「そんな連中を、応援したいと思うのは、当然の事だろう?」
140: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:07:29.98 ID:MWQaq3ib.net
「先生…」


「さっきも言ったが。」

「私は、お前達に何が正しいかを教える事は無い。」

「どうすればいいのか。」

「それを考えるのは、お前達自身だ。」


「…だが。」

「お前達の足が止まりそうなとき。」

「悩んで、立ち止まってしまった時は。」


「私は、必ずお前達のそばにいる事を忘れないでくれ。」


「お前達は、これから輝いていける星、ひとつひとつなんだ。」

「誰よりも輝いて、この先を進んでいくだろう。」



「…私は。」

「そうやって輝いていく、お前達を見たいんだ。」

「それが、私の役目だと思うから。」


「自分は、輝けなくても良い。」

「…でも、お前達の道標として。」

「道を照らす者として。」


「そう…ありたいと、思うんだ。」





「あの、南十字星のように。」
141: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:13:27.47 ID:MWQaq3ib.net
「…話が長くなってしまったな。」

「私は、下に戻るよ。」


「消灯まで、あと20分だからな。」

「…遅れるなよ?」


「「はいっ!」」



先生が出て行った屋上で

…また、ウチらは空を見上げる



「輝けなくてもいい…か。」

にこっちが、ぽつりと呟く


「本当…大人って、凄いわね。」


「ウチらも…なれるんかな。」



「…なるわよ。」


「えりち…」
142: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:13:49.34 ID:MWQaq3ib.net
「今すぐには、無理かもしれない。」

「先生の言うように、私達はまだ何も知らないもの。」


「…でも。」


「もし、なれるのなら…」

「ううん、なれたなら。」


「それはきっと…私達が目指してる、生徒会のあり方だと思うの。」


「…そうやね。」


全ての生徒を、導けるなんて思ってない

まだまだ、出来ない事、知らない事もたくさんあるだろう


でも…

それでも、あの先生のように、ありたいと思う



「…」


「…にこっち?」
143: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:14:16.43 ID:MWQaq3ib.net
「…何でもない。」

「…」


「全部、知られてたのよね。」


「…ほんとにね。」


「まあ…分かりやすかったんと違う?」


「…はあ。」

「これから、あの先生の見る目変わりそう。」


「見られてるのは、きっと私達だけじゃないと思うけど…」



「それでも…」

「まだ全然周りが見えてなくて…」



「まだまだ子供なんだ、って事、思い知らされた。」


「…」
144: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:14:45.71 ID:MWQaq3ib.net
「先生も、言ってたやろ?」

「まだまだ、ウチらには時間がある。」

「悩んで、悩み抜いたらいいと思う。」


「でもいつか、ウチらもその立場になるんよ。」

「それが1年後か、10年後かは分からんけど。」


「…そうなった時に。」

「ウチは、後輩や、他の生徒達にとって。」

「道標になりたいと思う。」


「ウチらが、先生に教えてもらった事。」

「これだけ、ウチらの事を想ってくれてる事。」


「…少しでも、まだ知らない人たちに伝えていけたらいいな。」



「…そうね。」
145: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:15:14.22 ID:MWQaq3ib.net
「…でも、素敵な話だったわね。」



「…そうね。」

「いつか…見れたらいいな。」



「きっと、見れるよ。」

「だってまだまだ、これからなんやから。」



「伝えてもらった想いを、繋げていこう。」

「ウチらは、まだまだ輝ける。」


「そう…信じてくれてるんやから。」


「「…」」


選んだ道を照らして

他の星を、見守ってる




「あの、南十字星のように。」
146: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:23:31.55 ID:MWQaq3ib.net
-----



「…あれから、いっぱい悩んで。」

「ぶつかり合って、ここまで来た。」


「それが正解だったのかは、分からないけど…」

「今、ウチらはこうして。」

「上級生として、μ'sにいる。」


「だからこそ、ウチは…」

「今が、その時やと思う。」


「ウチらは、もう十分輝いたよ。」

「それはまぎれも無く、先生や、他の生徒や、μ'sがいたから。」



「…今度は、見守る番やと思う。」

「あの子達が、必死に悩んで、考えて…」

「決めた道を、照らしてあげたいんよ。」


「希…」
147: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:25:03.17 ID:MWQaq3ib.net
「それでも…」

「それでも、にこは…!」


「…分かってる。」

「にこっちの気持ちも、ちゃんと分かってるよ。」


「希…」


「でもな。」

「ウチらはこれから、スクールアイドルとしてじゃなく。」

「また、新しい自分として進んでいくんよ。」


「…だったら。」

「スクールアイドルとしての夢や、想いは。」

「あの子達に、託していこう?」


「あの子達は、ウチらの事を考えて、必死に考えてるんよ。」

「その気持ちを、無駄にしたら駄目なんよ。」

「あくまでウチらは…」

「皆の願う道の、道標なんやから。」





「…あの、南十字星のように。」
148: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:33:19.20 ID:MWQaq3ib.net
-----



「…帰る。」


「にこっち…」


「…大丈夫よ。」


「アンタが私の気持ちを分かるように。」

「私も、アンタの気持ち…」


「分かるから。」



「…今は、一人になりたいの。」

「ちゃんと、考えたいから。」


そう言うと、にこっちは出て行った


「…にこには、辛い話だから。」

「…うん。」


「でも、きっとこうなる気がしてたの。」

「何故だか、分からないけど…」


「これが、大人になった、って…ことなのかしら?」



「…ふふっ。」

「そうやって感じてるうちは。」

「まだまだ、子供なんと違うかな?」


「…!」
149: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/26(日) 09:33:53.08 ID:MWQaq3ib.net
「やっぱり、今の無し。」

「まだまだ、終わらないんだから。」


「ラブライブが終わる、その時まで。」

「子供らしく、はしゃいじゃいましょう♪」



「…そうやね♪」




「それと…」

「いつか、行きましょう?」

「本物の、南十字星を探しに。」


「…!」


「…きっと、見つかるよ。」

「ウチらなら…きっと。」


決して、ウチらの気持ちが決まった訳じゃない

でも…笑顔で、帰る事が出来た


そしてウチらは週末

穂乃果ちゃんに、呼び出されることになった
154: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/27(月) 23:22:53.89 ID:kCys4a9v.net
-----


「よ~しっ!!」

「遊ぶぞ~!!」


日曜に呼び出されたウチ達

てっきり、この間の話かと思ったんやけど…



「…遊ぶ?」


「いきなり日曜に呼び出して来たから。」

「何かと思えば…」


にこっちとえりちも、驚いてる


「休養するんじゃなかったん…?」


「それはそうだけど…」

「気分転換も必要でしょ?」


「楽しい、って気持ちを沢山持って。」

「ステージに立った方がいいし♪」
155: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/27(月) 23:23:26.78 ID:kCys4a9v.net
「そ、そうですよ…!!」

「今日、あったかいし♪」


「遊ぶのは、精神的な休養だって、本で読んだ事あるし…!」


「そうそう!」

「家に籠っててもしょうがないでしょ?」


「にゃーっ!!」


穂乃果ちゃんの話に、皆がすんなり同意する

海未ちゃんなんかは、何か言いそうやのに…



「なによ…」

「今日はやけに強引ね。」


にこっちも、勘ぐってる



「…ほら、それに。」
156: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/27(月) 23:24:04.31 ID:kCys4a9v.net
「μ's結成してからみんな揃って遊んだ事ってないでしょ?」

「一度くらい、いいかな?って♪」


「でも…」

「遊ぶって、何するつもり?」



「遊園地行くにゃ!」


「子供ね…」

「私は美術館。」


「えっと、私はまずアイドルショップに…!」


花陽ちゃん達が、一斉に行きたい所を言う

やっぱり1年生は、好奇心旺盛なんかな?



「バラバラじゃない!!」

にこっちのツッコミに、穂乃果ちゃんは…




「う~ん…」


「じゃあ、全部!」
157: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/27(月) 23:25:04.36 ID:kCys4a9v.net
「「はああ!?」」

ウチらの、声が揃う


「行きたい所、全部行こう?」


「…本気!?」


「うん!」

「みんな行きたい所を1個ずつ挙げて。」

「全部遊びに行こう!!」


「いいでしょ!?」


すっごく笑顔で、答える穂乃果ちゃん



「…なによそれ。」


…でも
158: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/27(月) 23:25:28.40 ID:kCys4a9v.net
「でも、ちょっと面白そうやね♪」


「…しょうがないわね。」


なんだかんだ言って

ウチらも、楽しくなってきた♪


みんなの顔も、笑顔になる

やっぱり、μ'sで何かをするって事は

みんな、楽しみなんやね



穂乃果ちゃんが、飛び出す


「しゅっぱーつっ!!」



「「おーっ!!」」
159: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/27(月) 23:26:02.63 ID:kCys4a9v.net
-----


まず、回って来たのは

アイドルショップ



「…すごい!!」

「これ全部μ'sだ!」

「μ'sだよ!?」


ショップの至る所に置かれてる、ウチらのグッズ

嬉しいやら、恥ずかしいやら


…前は、探さないと見つからなかったのにね



自分のグッズを見つけては、恥ずかしがる海未ちゃんに

他のアイドルグッズを探す、花陽ちゃん


能天気に辺りを見回す穂乃果ちゃん


「なんだか、照れるわね。」

そう言いながらも、嬉しそうなえりち


…こうして見るのも、新鮮やね
160: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/27(月) 23:26:38.16 ID:kCys4a9v.net
-----



「ああーっ!」

「負けたあ…」


「…ふふん!」

「これで宇宙No.1ダンサーは、私よ!」


にこっちのリクエストで、ゲームセンター

…だけど、目的は穂乃果ちゃんとの再戦やったみたい



そんな2人をよそ目に

ウチとえりちは、譲れない闘いを繰り広げてた


「…とりゃあーっ!!」

「…たあーっ!!」


「このっ!!」

「まだまだあっ!!」


「修学旅行での決着、ここでつけるわよ!!」


「エアホッケーでウチに勝とうなんて、100年早いわあーっ!!」
161: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/27(月) 23:27:14.25 ID:kCys4a9v.net
-----


「「はあ…はあ…」」


「ま、まさかタイムアップまで決着がつかないなんて…」

「どれだけお互い負けず嫌いなのよ…」


「「次こそ勝つっ…!!」」


…パシャッ


お互いにらみ合ってると

前から聞こえたシャッター音


「…ことりちゃん?」


「…あはは、ごめんね?」

「せっかくだし…と、思って♪」


「ちょ、流石に今の顔は恥ずかしいって…///」


「2人で勝手に熱くなってた罰でしょ?」

「次、行くわよ。」


真姫ちゃんに言われて、次の場所へ
162: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/27(月) 23:27:54.59 ID:kCys4a9v.net
-----


それから、動物園でペンギンの真似したり

フラミンゴの真似したり


えりちが行った事のないボーリングで

まさかの連続ストライクを出したり


真姫ちゃん希望の美術館では

仲のいい1年生組がふざけ合ったり


みんなで、思い思いの場所を楽しんでる



「…また、写真?」

「うん、記念になるかな?って。」


「穂乃果ちゃんの言う通り。」

「こうして9人で遊んだ事、無かったから♪」



「よーしっ!」

「それじゃ、次に行こう!!」
163: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/27(月) 23:28:33.29 ID:kCys4a9v.net
-----


緑地公園で、みんなとぶらぶら

そしたら、凛ちゃんが面白い物を見つけて来た


「スワンボートだって!!」

「あら、でも…2人乗りなのね。」


…おっと、一人余るんか

まあ、それならウチが…



「あ、みんなで乗って来ていいよ?」

「ことり、みんなの写真撮るから♪」


「え?でも…」


「いいの!」

「ほら、いってらっしゃい♪」


ことりちゃんに勧められて

ウチらみんなで、レースをしてみたり


…優勝は、やっぱり仲のいい凛ちゃん、花陽ちゃんチームやった♪
164: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/27(月) 23:29:15.51 ID:kCys4a9v.net
「…楽しかったにゃー!」


「凛ちゃん、おかえり♪」

「あ、ことりちゃん!」


「みんなの可愛い所、バッチリ撮れたよ♪」


「…それじゃあ。」

「はい、ことりちゃん♪」


「…え?」

「ほら、穂乃果ちゃんたちも♪」


「はーいっ!」


「…はい、チーズ!」


パシャッ


「の、希ちゃん…?」


「…思い出を残すなら。」

「全員、揃ってないとね♪」



「ことりちゃんも、μ'sの一員なんやから♪」


「…うんっ!」
165: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/27(月) 23:30:12.22 ID:kCys4a9v.net
-----



それからは、みんなで代わりばんこにカメラマン


ウチの希望で、雷門に行ったり


遊園地で、絶叫系を制覇したり


お化け屋敷前で、えりちが腰を抜かしたり



楽しい時間は、どんどん過ぎて

ウチらを照らす太陽さんは


少しずつ、色褪せていった


「それで後は…穂乃果が遊びに行きたい所だけど。」

「私は…」


「海に行きたい。」


「海?」

「うん。」



「誰もいない海に行って。」

「9人しかいない場所で。」

「9人だけの、景色が見たい。」
169: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 21:30:14.31 ID:82BiO4Ne.net
「…ダメかな?」


「穂乃果…」

そう言う穂乃果ちゃんは、どこか寂しげで

でも、しっかりとそう言った


「賛成にゃーっ!!」

「…なんか、冒険みたいでわくわくするね♪」

花陽ちゃんたちが、肯定する



「今から…行くの?」


「行くだけ行ってみようよ!!」


「…ね?」


「しょーがないわねえ…」

「そうと決まったら、急ぐわよ!」
170: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 21:31:26.45 ID:82BiO4Ne.net
-----



暗くなる前に、急いで海へ

本当は駄目なんやけど…

ぶつからないスピードで、ホームを走る


「これです!」

「みんな乗ってー!」


出発直前の電車に、飛び乗る


「「はあ…はあ…」」


「間に合ったー…」


みんなが、息を落ち着かせる


「…間に合って、良かったね。」

「もう、穂乃果はいつも急なんだから…」


えりちと、そんな話をする
171: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 21:32:01.14 ID:82BiO4Ne.net
「…?」


穂乃果ちゃんと真姫ちゃんが、何か話してる


「どうしたん?穂乃果ちゃん。」


「…!」

「う、ううん?」

「ちょっと、走るの疲れちゃって…。」


「ほ、穂乃果は本当に、たるみすぎですっ!」


「ご、ごめんね?海未ちゃんっ。」



「…でも、なんだか楽しみやね。」

「希ちゃん…」


「この9人で眺める海。」

「きっと…綺麗なんやろうね。」



「…うん。」
172: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 21:32:47.15 ID:82BiO4Ne.net
-----


電車に揺られて、数十分

落ちてくる日が、オレンジ色に変わる頃


ウチらは、海岸沿いの駅に着いた


なんとなく、薄暗くなった雰囲気がウチらを包んで

あんまり言葉を交わす事も無く


浜辺に足を運ぶ


塩の香りが立ちこめる中

荷物を濡れない所に置いて


…いざ、波打ち際まで




「「…わあ~っ!!」」


ちょうど、水平線に沈み始める

紅く染まった夕日を見る事が出来た
173: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 21:33:15.60 ID:82BiO4Ne.net
「ちょうど沈むところにゃーっ!!」

そう言って駆けていく凛ちゃんを、追いかける


「スピリチュアルパワーのおかげやね♪」


「日頃の行いが物を言うのよね。」

「…こういう時は。」


にこっちに続いて、みんなも来る



「…それっ!」

「ちょっと、凛!」

凛ちゃんが、真姫ちゃんに水をかける


「…子供ねえ。」


「にこっちー。」

「何よ…ッ!?」


「ふっふっふ…」


「やったわね?希…」
174: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 21:34:11.33 ID:82BiO4Ne.net
「お返しよっ…!!」

「なんのっ!」


「きゃあっ!?」

えりちで、ガードする


「の~ぞ~み~?」


「それっ!」

「ちょっ…!?」

えりちが怒る前に、先制攻撃



日が沈むまでの、ほんの少しだけの時間

みんなが思い思いに、海を楽しんだ



やっぱり、海は好き

みんなで見る、この海が好き


μ'sの仲間と見る…この海が
175: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 21:34:34.49 ID:82BiO4Ne.net
みんなで、顔を合わせて

海に向かって、そっと手を繋ぐ


影を帯びて来た茜空の下

ウチらは、静かに海を眺めてた




「…合宿の時も。」

「こうして、朝日見たわね。」


えりちがふと、口を開いた


「…そうやね。」


あの時は、昇る日差しに

その先の、夢を馳せた


…なら、沈む夕日の前で

ウチらは、何を思うんやろ?



「…あのね。」
176: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 21:41:36.52 ID:82BiO4Ne.net
「…」

穂乃果ちゃんの顔を、みんなが覗く

でも、覗くその顔は…



「…あのね。」

「私達、話したの。」



「あれから6人で集まって…」

「これからどうして行くか。」



「希ちゃんと、にこちゃんと、絵里ちゃんが卒業したら。」

「μ'sを、どうするか…」



「穂乃果…」



急に、世界が現実味を帯びる

できれば、聞きたくない事

でも、聞かないと進めない事


…答えが、知りたい
177: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 21:42:03.31 ID:82BiO4Ne.net
「…ひとりひとりで、答えをだした。」

「…そしたらね?」


「全員一緒だった…!」



「…みんな同じ答えだった。」


「だから…」


「だから、決めたの。」

「…そうしよう、って。」


「…」



「言うよ?」

「せーっ…」


「…」


「ごめん。」

「言うよ…」







「せーのっ…!!」
178: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 21:42:40.11 ID:82BiO4Ne.net
「「大会が終わったら…」」


「「μ'sは…」」











「「おしまいにします…!!」」
179: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:09:31.75 ID:82BiO4Ne.net
「…」



「…やっぱり、この9人なんだよ。」

「この9人が、μ'sなんだよ。」



「…誰かが抜けて、誰かが入って。」

「それが普通なのは、分かっています。」



「…でも、私達はそうじゃない。」



「μ'sはこの9人…」



「…誰かが欠けるなんて、考えられない。」



「1人でも欠けたら、μ'sじゃないの…!」




「…」



「…そう。」


「絵里…!!」
180: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:10:07.71 ID:82BiO4Ne.net
「…ウチも賛成だよ?」


「希…」



「…当たり前やん。」

「そんなの…」



「ウチがどんな想いで見て来たか。」


「…名前をつけたか。」


「9人しかいないんよ…!」


「ウチにとって…」



「μ'sはこの9人だけ。」


「…ッ。」



---本当に?


---もう、自分の気持ちに嘘はつかない
181: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:10:34.64 ID:82BiO4Ne.net
「そんなの…。」

「そんなの、分かってるわよ…っ。」



「…私だってそう思ってるわよ。」

「でも…」


「でも、だって…!」



「にこちゃん…」



「私が、どんな想いでスクールアイドルをやってきたか。」


「…分かるでしょ?」



「3年生になって諦めかけてて。」

「それがこんな奇跡に巡り会えたのよ!?」



「こんなすばらしいアイドルに…」

「仲間に巡り会えたのよ!?」
182: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:12:33.55 ID:82BiO4Ne.net
「終わっちゃったらもう、2度と…」

「だからアイドルは続けるわよ!!」


「絶対約束する!!」

「何があっても続けるわよ…!!」


「真姫…」


「でも…μ'sは私達だけの物にしたい!!」

「にこちゃんたちのいないμ'sなんて嫌なの…」


「私が嫌なの!!」





「…かよちん。」

「泣かない約束なのに…」

「凛、頑張ってるんだよ…?」

「なのに…もう…」





「あーっ!!」
183: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:13:06.45 ID:82BiO4Ne.net
「「!?」」



「時間!!」

「早くしないと、帰りの電車なくなっちゃう!!」


「えっ?」

「穂乃果ちゃん…!?」



「と、とりあえず追いかけるわよ!」

「みんな、荷物もって…」



「…希?」


「…ううん。」

「よし、急ごうっ!!」





…悲しみは

沈む夕日とともに、ここに置いていこう


もう…


みんなの泣く所なんて、見たくないから
184: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:22:23.51 ID:82BiO4Ne.net
-----


「「はあ…はあ…」」


「…電車は?」


「まだまだあるわよ…?」


「…えっ?」


「…えへへ。」

「ごめん。」



「穂乃果ちゃん…」


「…だってみんな、泣いちゃいそうだったから。」

「あのままあそこにいたら。」

「涙、とまらなくなりそうだったから。」


「…へへ。」



「穂乃果に一杯食わされましたね。」
185: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:22:50.60 ID:82BiO4Ne.net
「もう…本気で走っちゃったじゃない。」


「そうよ…」

「体力温存って言ってたのに。」

「使っちゃったじゃないの…」


「もうちょっと、海見てたかったなー…」



「…でも良かったです。」

「9人しかいない場所に来られました。」


「…そうね。」

「今日あの場所で海をみたのは…」

「私達、9人だけ。」



「…この駅で、今こうしているのも。」

「私達、9人だけ。」



「…なんか素敵だったねえ。」
186: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:23:17.08 ID:82BiO4Ne.net
「…ねえ、記念に写真撮らない?」


「あ、じゃあまたケータイで…」


「…そうじゃなくて。」

「…?」


「ここでみんなで、撮ろうよ。」


そう言って、穂乃果ちゃんが顔を向けた先は…

駅前にある、証明写真



「…記念に♪」



みんなで狭いブースの中で

くっついて、撮った写真


プリクラみたいに、分ける事は出来ないけど

それでも、大切な


…大切な、ウチらの思い出
187: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:24:19.98 ID:82BiO4Ne.net
-----



「…ぷっ。」

「にこちゃん、頭切れてる…」


「…あはは。」

「真姫ちゃん、変な顔にゃーっ。」


「凛だって、こっちの手しか映ってないでしょー?」


現像された写真を見ながら

ウチらは、帰りのホームへ


すこしだけ、いつもよりゆっくり流れる時間


「にこっち、これはないやーん。」

「あえてよ、あえて!」


「これ、私の髪…?」


「ふっ…なんですか?これ…」
188: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:24:50.54 ID:82BiO4Ne.net
「…ふふっ。」

「見て…?」

「この希。」


「にこの髪が、ヒゲみたいになってる…っ。」



みんなで、寂しさを吹き飛ばすように

ずっと、笑い続ける


ウチらしかいない、駅のホームに

ウチらだけの笑い声が、飛び交う






「…ッ。」


「う…っく…」



「かよちん、泣いてるにゃ…」

「だって…」


「おかしすぎて、涙が…」
189: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:25:13.10 ID:82BiO4Ne.net
「…ッ。」


「泣かないでよ…!」

「泣いちゃヤダよう…!」


「せっかく、笑ってたのに…」



「うっ…うう…」


「…もう。」

「やめてよ…」



「やめてって、言ってるのに…」




「なんで、泣いてるの…?」

「もう…変だよ…」


「そんなの…」


「穂乃果ちゃん…」
190: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:25:40.66 ID:82BiO4Ne.net
「…もう!」

「めそめそしないでよっ!」


「なんで泣いてるのよ…っ!」



「にこっち…」

「…!」


「泣かない!」

「私は泣かないわよっ!」


意地を張ってる、その小さい体を抱きしめる

みんな、気持ちは同じなんやから…


「泣かないんだから…っ!」

腕に、力が入る


「やめてよ…」


「そういうの、やめてよ…ッ。」
191: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:33:47.20 ID:82BiO4Ne.net
暗いホームに

ウチらの泣き声が、こだまする


…よかった、他に人がいなくて


今、この時間だけは

この瞬間だけは


泣くのを、許してほしい


これから、前に進むために

ウチらの、夢を繋ぐために



泣きつかれて、ぼーっとしていると

暗いホームに、光が射した


「…電車だ。」

みんなが、目元をこする


「…行こう。」


「ラストライブに向けて…!」
193: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:48:23.38 ID:82BiO4Ne.net
-----


帰りの電車の中

一日遊び回ったからか

みんなは寝息を立ててる


「…やけに静かね。」

「真姫ちゃん…」



「…無理も無いよ。」


「…そうね。」


揺れる電車に、身を任せて

…そっと、目を閉じる



「…あの時の真姫ちゃん。」

「ちょっと、かっこ良かったよ。」


「…!?」


「ありがとう。」
194: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:48:55.15 ID:82BiO4Ne.net
「べ、別に…」

「…」



「希達の…ためじゃないわ。」


「あ…」



「…やっと分かったの。」

「どうしてあのとき。」


「希が、私のためじゃない、って言ってくれたのか。」

「どうして絵里が、私に気付いてくれたのか。」



「…だから、今度は私の番。」

「希達の…希達だけの、ためじゃない。」


「これは、私達自身の。」

「μ's全員のため。」



「希達のくれた想いを、夢を。」

「…私達が、紡いでいくの。」
195: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:49:26.14 ID:82BiO4Ne.net
「…うん。」


「今日、ここで。」

「みんなでした決意を、私は忘れない。」


「流した涙も。」

「辛かった悲しみも全部、ここに置いていく。」


「…希も、そうでしょ?」


「…うん。」

「これから、歩いていくために。」


「…そうね。」



「…私ね?」

「希には、すごく感謝してるの。」


「…え?」


「私も…海が、好きになったから。」
196: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:49:56.28 ID:82BiO4Ne.net
「それって…」


「きっと、いつか。」

「…ううん、明日にでも。」


「なんでこんなに小さな事で悩んでたんだろう、って、思える。」

「だって…」


「私達の今までが、無くなる訳じゃないんだから。」

「今まで感じた喜びや幸せ。」


「ずっと…私達は覚えてる。」



「…本当、海はいいわね。」

「大きいと思ってた悩み事が。」

「いつのまにか、小さく感じるんだから。」


「…でしょ?希。」




「…そうやね。」
197: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:50:24.57 ID:82BiO4Ne.net
「私にとって…」

「凛も花陽も、やっとできた親友。」

「でも…」


「私が、こうしてここにいられるのは。」

「やっぱり、希のおかげなの。」



「…私を、μ'sと引き合わせてくれて。」

「μ'sに、入れてくれて。」


「ありがとう。」


「…希。」



「私にとって、希は。」

「かけがえのない、親友なんだから。」



「真姫…ちゃん…ッ。」



「…ほら、泣かないの。」
198: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 22:51:02.54 ID:82BiO4Ne.net
「きっと、こんなこと言えるのも。」

「みんなで、海を見たから。」


「…私の、不器用なプライドも。」

「きっと、小さくなったから。」


「…ふふっ。」

「そしたら、毎日海に来ないとね。」


「…それが出来れば、苦労しないわよ。」


「「…」」

「「…ふふっ。」」



「…希。」


「…ん。」


「絶対…優勝するわよ。」

「うん、頑張ろう。」


柔らかい言葉とは裏腹に、ウチらは


強く、強く…手を繋いだ





ラストライブまで、あと---
205: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/30(木) 22:14:30.33 ID:6Wg4WQba.net
Side Story


最後の舞台へのスタートダッシュ
206: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/30(木) 22:15:25.23 ID:6Wg4WQba.net
-----



μ'sの皆と決意を固めた、次の日


週末の日曜日の

ラストライブまで、あと6日


みんなの練習への気合いの入り方も今まで以上で

最高のステージ

最高のラストを飾れるような


そんな練習が出来た




「…それじゃあ、希。」

「また明日ね?」


「うん、えりち。」




「…」
207: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/30(木) 22:15:54.03 ID:6Wg4WQba.net
もう…時間もない

みんな、一生懸命頑張ってる


「…ッ。」


なにか、自分に出来る事はないか

何か、あの子達のために出来る事はないか


…その疑問が、頭をよぎる


ウチを含めた、みんなを信じる気持ちと

終わってしまうという、不安な気持ちが交錯する


「…」


もう、悩まない

そう決めた、はずやのに…
208: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/30(木) 22:16:39.14 ID:6Wg4WQba.net
まとまらない頭を抱えて

…体は、神田明神へと向かっていた


「ほんとに…弱いな。」


ぽつりと、つぶやく



みんなと最高のステージを


その気持ちは、変わってない

日々、強くなっていく


…でも


言いようの無いこの気持ちを、どうにか吐き出したくて


神さんに、聞いてほしくて


たどり着いた、男坂
209: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/30(木) 22:17:20.50 ID:6Wg4WQba.net
こつこつと、ウチの足音が響く


…いつも、みんなで駆け上がった階段


始めは、にこっちの足音を聞くだけやった


それから、えりちの足音を聞いて



…どんどん

どんどん、その数は多くなった



1人の時も

3人の時も

6人になった時も


…ウチはここにいて、その足音を聞いてた


遠くから、眺めてるだけやった
210: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/30(木) 22:17:54.96 ID:6Wg4WQba.net
…まさか、自分もそこに加わるなんて


あの時は、想像もできなかったな




そんな事を考えながら、登っていると

階段の終わりが、見えて来た



それと同時に聞こえる

かすかな息づかいと

地面をこする音



「…?」

「もう、時間も遅いのに…」


変質者とかだったら、どうしよう…


いや、まさかな…
211: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/04/30(木) 22:18:25.22 ID:6Wg4WQba.net
登りきったとき


ほのかな光が照らす街灯の下に


…3つの、影が見えた



「…穂乃果ちゃん?」


「あれ?希ちゃん?」


「…おや、珍しいですね。」

「何かあったの?」



「海未ちゃん…ことりちゃんまで…」



迷惑にならないように

小さなプレーヤーで音を出して練習する


3人の姿が、そこにはあった
215: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:11:29.69 ID:Vywxr/tM.net
「穂乃果ちゃんたちこそ…」

「もう、練習終わったのに。」


「…えへへ。」

「なんだか、じっとしていられなくって。」


「とは言え、また以前のような事があってはいけないので。」

「こうして3人で様子を見ながら、ですが。」



「もう、海未ちゃんは心配性なんだから。」

「…一体、誰のせいだと思ってるんですか?」


「…はーい。」


そう言いながら、穂乃果ちゃんはまたステップを踏む
216: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:12:03.51 ID:Vywxr/tM.net
「…ねえ、せっかくだし。」

「希ちゃんも、一緒に踊らない?」


「…え?」


「穂乃果ちゃん、流石に迷惑だよ?」

「そうですよ、穂乃果。」


「…でも、せっかく会えたんだし♪」


「うーん、そうやね…」

「少し、参加しよっかな♪」


そう言って、服を着替える


「いいのですか?」


「うん。」

「ちょっと、リフレッシュしたい気分やったし。」





「それじゃ、みんなで♪」

「せーのっ…」
217: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:12:53.12 ID:Vywxr/tM.net
-----


「…ふう。」


「やっぱり、3人はすごいなあ。」

「息もピッタリやん。」


「えへへ、ありがとう♪」


「…そうですね。」

「最初は、私達3人だけでしたから。」


「そうだね~。」



「…よっと。」


穂乃果ちゃんが、立ち上がる


「最初は、穂乃果のわがままがスタートだったんだ。」

「海未ちゃんにも呆れられちゃったし…」

「ことりちゃんも、心配させちゃったし。」
218: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:13:56.67 ID:Vywxr/tM.net
「…でも、諦めないでよかった。」


「正直、ファーストライブの時に。」

「諦めるしか無いのかな、って思ったの。」


「…でもね。」


「あの時、ひとりだったらきっと続けられなかった。」

「でも、2人がいたから。」


「もちろん、花陽ちゃんが来てくれて。」

「すっごく、嬉しかったよ?」



「でも、やっぱり諦めずに踊れたのは。」

「…2人が、手を握ってくれたから。」



「…なんだか、不思議だよね。」
219: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:14:18.84 ID:Vywxr/tM.net
「…!」


「…ほら、希ちゃんも。」


海未ちゃんとことりちゃんが手を繋ぐ

その手を、穂乃果ちゃんがとって

ウチに、差し伸べてくる


「…」

「…あったかい。」



「…なんでだろうね?」

「こうして、手を繋いでると。」

「みんなの気持ちが、ひとつになれる気がするんだ。」


「穂乃果ちゃん…」
220: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:14:47.15 ID:Vywxr/tM.net
「…穂乃果ね。」

「最初、2人に断られて。」

「一人で、校舎裏で練習してたんだ。」


「…ほら。」

「穂乃果って、どんくさいから。」

「何度も、ターンの練習しては、こけちゃって…」



「そんな時に、2人がこうして、手を伸ばしてくれたの。」


「…すっごく、嬉しかった。」

「また一緒に、歩けるんだ、って。」



「2人に、勇気をもらったの。」



「だから、諦めずにファーストライブが出来た。」
221: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:15:16.23 ID:Vywxr/tM.net
「…穂乃果だけではありませんよ。」


「えっ?」


「…私も、ことりも。」

「ずっと前から、手を伸ばしてくれた穂乃果に、感謝してるんです。」



「そうだよ?」

「花陽ちゃんが来たときだって。」

「絵里ちゃんを、誘った時だって。」


「穂乃果ちゃんが、手を伸ばしたの。」


「一緒に、やろうって。」



「…私達をひとつにしてくれたのは。」

「他の誰でもない、穂乃果なんです。」


「海未ちゃん…」


「ことりちゃん…」
222: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:15:50.03 ID:Vywxr/tM.net
「穂乃果の手は、私達に勇気をくれるんです。」

「…前に、進む勇気を。」



「…そうやね。」


「希ちゃん…?」


「…」


ウチは、何を不安になってたんやろ…?

いつか終わりが来るのは、当然のこと

それが嫌で目を背けたって

結果が変わる事は無い


にこっちやえりちに偉そうな事言って

…後ろを向いてたのは、ウチ自身やった



ぱんっ!と、音を立てて

ウチは、頬を叩いた


「の、希…!?」
223: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:16:18.25 ID:Vywxr/tM.net
「…うん!」


穂乃果ちゃんの手を

改めて、繋ぎ直す



「…まだ、終わりじゃない。」

「まだ、一週間もある。」


「最後まで、ウチららしく、歌おう。」

「後悔、しないように。」


穂乃果ちゃん達から、もらった勇気

それを、無駄にしないためにも



「前に、進もう。」

「まだまだ、見えてない景色がある。」

「叶えてない、夢がある。」



「…みんなと、そんな景色が見たいんよ。」
224: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:16:49.67 ID:Vywxr/tM.net
「希ちゃん…」


「…ごめんな、3人とも。」

「ちょっと、ナーバスになってたみたい。」


「…大丈夫ですよ、希。」


「昨日、μ'sはおしまいにする、とは言いましたが。」

「…決して、これが最後じゃないんです。」


「私達が、私達である以上。」

「共に歌う事が出来なくなったって。」

「私も、希も、他のみんなだって。」


「μ'sの…一員なんです。」



「そうだよ、希ちゃん!」

「μ'sが、無くなる訳じゃない。」

「私達9人は、ずっとずっとμ'sなんだよ!!」
225: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:17:26.72 ID:Vywxr/tM.net
「…ふふっ。」

「なんだか、言ってる事が滅茶苦茶だよ…?」


「難しい事はいいのっ!」


「希ちゃんの言う通り、まだ夢は叶ってない。」

「きっと、ラストライブを終えたって。」

「また新しい夢に、私達は進むんだよ!」



「きっとここが、新しいスタート地点なんだよ。」

「昨日、みんなで決意して。」

「最後まで頑張るって、決めたんだから。」

「最高のラストライブにするって、決めたんだから。」


「もう一度、走り出そう!」

「今までの想いや気持ち、全部詰め込んで!!」



「…うん!!」
226: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:18:28.81 ID:Vywxr/tM.net
なにも、不安に感じる必要なんてなかった

これで、終わりなんかじゃない

終わりになんて、できない



…それくらい

たくさんの想いが詰まった、ウチらだから


辛い事があっても

苦しい事があっても


その度に乗り越えて、また新たなスタートをきる


「産毛の小鳥たちも、いつか、空に羽ばたく…か。」


「「…!」」


この子達がいれば、きっと大丈夫

音ノ木坂の事も…μ'sの事も


「これからの事、託したよ。」

「みんなの夢を、繋いでな?」


「…3人とも。」


「「はいっ!!」」


気持ちも晴れて、前を向いて

ラストライブへ、ウチらは新たに走り出した
227: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:20:34.88 ID:Vywxr/tM.net
Side Story


その星空に花束を
228: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:21:04.72 ID:Vywxr/tM.net
-----




「んん~っ…」


えりちと別れて、帰り道

昨日、穂乃果ちゃん達と話してから

心のもやがとれたみたい


自分の体じゃないみたいに

心も体も、軽くなった



「…さて、今日の晩ご飯は何がいいやろ?」

スーパーに足を運びつつ

そんな事を考える


「うーん、簡単やしお鍋でも…」



「…希ちゃん?」


「…ん?」
229: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:21:54.81 ID:Vywxr/tM.net
「あ、やっぱり希ちゃんだ!」

「こ、こんばんは。」


「あれ、凛ちゃんに花陽ちゃん…」


「希ちゃん、何してたの?」


「ウチ?」

「晩ご飯のおかず、買いに行こうと思って。」


「…そっか、一人暮らしだもんね。」


「そうだ、希ちゃん!」

「よかったら、凛達と一緒にラーメン食べに行かない?」


「…ラーメン?」


「うんっ!!」
230: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:22:23.90 ID:Vywxr/tM.net
「花陽ちゃんもいいん?」


「もちろんっ♪」


「…それじゃ、お邪魔しよかな?」


「やったっ!」

「希ちゃんとラーメン~♪」


「ふふっ。」

「こんなに喜んでくれると、ウチも嬉しいよ♪」



「よ~しっ!」

「みんなでラーメン屋さんまで競争にゃ!!」


「ああっ、待ってよ凛ちゃーんっ!」



走り出す2人に、思わず笑みがこぼれる


「…さて、ウチも2人に追いつかないと。」


鞄をしっかりと握って

2人の後を、追いかけた
231: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:23:09.12 ID:Vywxr/tM.net
-----


「ふうー…お腹いっぱいや。」

「美味しかったよ、2人とも。」

「連れて来てくれて、ありがとう。」


3人でお店を出て

少しだけ、近くの公園へ



「こちらこそ!」

「すっごく楽しかったにゃー!」


「それは良かった。」

「また、こうして来れたらいいね♪」


「あ…」


「凛ちゃん?」



「う、ううん!」

「また来るにゃ!」
232: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:23:40.02 ID:Vywxr/tM.net
「凛ちゃん…寂しいんだよね?」


「…うん。」

「だって…」

「卒業しちゃったら、こういう事も出来なくなるんだよね…」


「…」


凛ちゃんの頭を、そっと撫でる


「…希ちゃん?」


「そんな事ないよ、凛ちゃん。」

「離ればなれになるんじゃないから。」


「…また、いつでも来れるよ。」


「…うん。」


「…それに、ウチは寂しくないよ?」


「…え?」
233: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:24:55.08 ID:Vywxr/tM.net
「確かにウチらは卒業するけど。」

「ウチらの事は、凛ちゃんや花陽ちゃん達が覚えていてくれる。」


「μ'sのみんなとの絆が、無くなる訳じゃないから。」


「これから、ウチらはそれぞれ新しいスタートをきる。」

「今までの想いをひとつにして。」

「…でも、それは。」


「今までのウチらがいたから。」

「凛ちゃん達がいたから、進める道。」



「…だから、不安な事なんて無い。」

「寂しくもない。」


「だって、ウチの心には、ちゃんとみんながいるから。」


「希ちゃん…」


「…それに、きっと寂しいなんて言ってられないよ?」
234: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:25:38.33 ID:Vywxr/tM.net
「…え?」


「ウチらが、卒業したら。」

「凛ちゃん達には、後輩が入ってくる。」


「穂乃果ちゃん達は生徒会で忙しいと思うから。」

「凛ちゃんと花陽ちゃん、真姫ちゃんが後輩達をまとめる事になるんよ?」


「あ…!」


「…凛達に、できるかなあ。」

「ふ、不安だよう…」


「大丈夫やって、3人なら。」

「何たって、凛ちゃんはリーダーを務めた事もあるんやし♪」


「で、でも…!」


「…大丈夫。」

「ウチは、そう信じてるよ。」


「「…!」」



「凛ちゃん達が、ウチらを信じてくれたみたいに。」

「ウチらも、凛ちゃん達を信じてる。」

「…もちろん、穂乃果ちゃんたちの事も。」
235: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 23:26:29.26 ID:Vywxr/tM.net
「…それに。」

「2人には、前に言ったけど。」


「みんなを、支えてあげられる…」

「見守ってあげられる、存在になってほしいから。」


「それって、銭湯に行った時の…?」


「…そう。」


「2人になら、出来るって信じてる。」

「それが、この先の2人の役割やと思うから。」


「でも凛達、まだまだだよ…?」

「まだまだ、知らない事もいっぱいあるし。」

「みんなに、迷惑だって…」


「今すぐに、なれなくてもいいんよ。」

「これからも、いっぱい悩むと思う。」

「…でも、きっと乗り越えられる。」

「凛ちゃん達なら、きっと…」


「「…」」


「…ねえ、2人とも。」



「南十字星って…知ってる?」
242: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 21:24:17.63 ID:oOTA26xL.net
-----


「そんな事があったんだね…」

「やっぱり、希ちゃん達はすごいにゃー!」


「…ウチも、未だにそうなれた自信は無いよ?」

「実際、昨日まで悩んでたのも事実。」



「それでも、少しでもウチらの願いが。」

「想いが、みんなに何かを与える事が出来たなら。」


「…それは、願っても無い事なんよ。」



「希ちゃん…」


「この話を、どう捉えるかは2人次第。」

「別に、ウチらみたいになってほしい訳じゃないんよ。」


「でも…」


「希ちゃん。」

「…?」


「…ちゃんと、伝わったから。」
243: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 21:24:56.08 ID:oOTA26xL.net
「花陽ちゃん…」


「凛も!」


「あんまり、難しい話はわかんないけど…」

「でも、大丈夫!」


「希ちゃんの話を聞いてね?」

「なんだか、すっごく胸が熱くなったの。」


「凛達に、出来るのかは分からないけど…」

「それでも、希ちゃんが信じてくれる、凛達を信じる!!」


「凛ちゃん…」




「…うん。」

「ありがとう、2人とも。」



そっと、空を見上げる

こぼれて、しまわないように


見上げた空に流れる


ひとつの、星
244: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 21:25:22.03 ID:oOTA26xL.net
「あ、流れ星…」


花陽ちゃんが、呟く


「…」


「南に進む流れ星は。」

「物事が進む暗示…だっけ?」


「…覚えてたん?」


「うんっ♪」

「だって凛、この星空が好きだから!!」


「…私も、だよ?」


「…」



「…きっと。」

「きっと、大変やと思う。」

「辛い事も、いっぱいあると思う。」
245: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 21:25:48.02 ID:oOTA26xL.net
「…それでも、凛ちゃんや、花陽ちゃんや。」

「他のみんながいるから、大丈夫。」

「ウチは、そう信じてる。」



「これから来る後輩達は…」

「みんな、この空の星達と同じ。」


「きっと、みんな輝ける。」

「自分の夢を、願いを叶えるために。」


「何度も壁にぶつかって。」

「挫折もすると思う。」

「…諦める子も、出てくるかもしれない。」



「…そんな子達を、導いてあげてほしい。」

「大丈夫だよ、って。」

「心配ないよ、って。」



「2人になら…出来るよ。」
246: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 21:26:24.48 ID:oOTA26xL.net
「女の子らしくなりたいと願って。」

「夢を叶えた、凛ちゃんがいる。」


「アイドルが大好きで。」

「自分もなりたいと願って。」

「夢を叶えた、花陽ちゃんがいる。」



「自分には似合わない。」

「変わる事が出来ない、って思ってた。」

「それでも、願って叶えた2人がいる。」


「変わりたいと願って。」

「その夢を叶えた、2人がいるから。」



「…そんな2人だからこそ。」

「同じ想いを持った子達に、気付けると思う。」


「…ううん、気付いてあげてほしい。」


「きっと、その子達も…自分に自信が無いだけだから。」
247: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 21:27:05.73 ID:oOTA26xL.net
「「…うん。」」


「それはきっと。」

「そうやって変われた2人だから、出来る事。」


「穂乃果ちゃんや、海未ちゃんや、ことりちゃんや。」

「…真姫ちゃんには、他の役目がある。」



「…分かってるよ、希ちゃん。」

「希ちゃん達の想い。」

「ちゃんと…」

「ちゃんと私達が、繋いでみせる。」


「…うん。」

「凛は、希ちゃん達にいっぱい背中を押してもらったの。」

「今度は、凛達が押す番なんだよ。」


「…乗り越えた、凛達だから。」




「…きっと、何度も失敗すると思う。」

「喧嘩だってすると思うし、まとまらないかもしれない。」

「でも、そうやって乗り越えて来たのが、私達μ'sだから。」



「だから…頑張るよ。」
248: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 21:27:33.80 ID:oOTA26xL.net
「そうだよ、希ちゃん!」

「だから…心配しないで?」



「だ、だから…」



「凛達も、泣かないから…ッ。」

「もっともっと、強くなるから…ッ。」



「だか、ら…」


「り、凛ちゃん…ッ。」



そっと、2人を抱きしめる


「だから…」

「凛たちに…任せて…」


「…ッ。」




「…ありがとう。」


「ありがとう…2人とも。」
249: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 21:28:12.58 ID:oOTA26xL.net
溢れ出てくる涙を止める事が出来ずに

ただただ、それを流すしか無かった


下を向いてると、止められそうになくて

3人で、夜空を見上げる


涙で、ぐしゃぐしゃになった視界に

映ったのは、きらきら光る天の空



「ふふっ…満天の、星空みたいだね…」


「お花が、空で咲いてるみたいにゃ…」



「…そうやね。」




もし、これが本当に花束なのだとしたら


ウチは、先生みたいになれましたか?

少しでも、目指した大人になれましたか?

この子達を、導いてあげる事ができましたか?



…あの、南十字星のように
252: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 22:48:33.73 ID:oOTA26xL.net
Side Story


Cutie Smile Princess
253: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 22:49:03.01 ID:oOTA26xL.net
-----



「さてさて、今日こそお鍋を…」


帰り道のスーパーで

カゴに野菜を入れていく


「白菜と…鶏肉と…」


「あとは…」


「うん、これでいいかな?」



沢山のお客さんが並んでる

レジの一番後ろに立つ



「さ~て、財布は…と。」


ごそごそと、鞄の中をあさる


「…ん?」
254: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 22:49:30.72 ID:oOTA26xL.net
「…あれ?」


「…あれれ?」


何度も何度も鞄を漁るけど

ウチお気に入りの財布は、出てこない


「…嘘?」

「落とした…?」


「…」


とりあえず、レジの列から離れてカゴを床に置く


「…やっぱりない。」


夕方、練習前にジュース買った時はあったから…


「もしかして、部室に…」


でも、もう学校は施錠されてるわけで…


「ご飯、どうしよ。」
255: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 22:49:58.37 ID:oOTA26xL.net
財布はまた、探すとして

第一の問題は、ごはんが食べられない事


「こんなときに限って。」

「家に何もないし…」


あるのは、いくつかの調味料と小麦粉だけ


「い、一日くらい、食べなくても…」


ひとつ、覚悟をしようとしたその時


「…希?」


後ろから、声がかかった

「…!」
256: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 22:50:21.76 ID:oOTA26xL.net
そこには

2人仲良く食材を選んでる

真姫ちゃんとにこっちの姿があった




「一体どうしたのよ?」

「レジ、並ばないの?」


「に…」


「に?」


「にこっち~…」


「ちょ、ちょっと希!?」


思わず、にこっちに抱きついた
257: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 22:50:50.36 ID:oOTA26xL.net
-----



「…つまり。」

「恐らく部室に財布を忘れて。」


「支払いが出来ずに慌てていた…と。」


「そうなんよ。」

「最悪、家の鍵はあるし、お水で乗り切ろうかと…」


「…アンタ、流石に女子高生が水だけって…」


「そ、それに!」

「家に帰ったら、100円くらい落ちてるかもしれんし!」

「そしたら、ジュースくらい…ッ!?」


にこっちに、チョップされた


「バカじゃないの!?」


「いきなりひどいなあ、にこっち…」
258: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 22:51:21.51 ID:oOTA26xL.net
「そんなに、真姫ちゃんとのデート邪魔されたのが嫌やったん?」


「デッ…///」


「あいたっ!?」

また、チョップされる


「…もう、ウチがあほになったらどうするんよ?」


「元から十分あほでしょ、アンタは。」


「にこっちのいけず~。」


「…で、希。」

「実際、どうするつもりなの?」


「うーん…」


「…呆れた。」


ああ、真姫ちゃんにも呆れられてしまった
259: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 22:52:21.51 ID:oOTA26xL.net
「…ほら、さっさと買って行きましょ?」


「ああ、邪魔してごめんな?」

「それじゃ、また明日♪」


そう言って立ち去ろうとするのを、真姫ちゃんが止める


「…ちょっと希、どこいくの?」

「…へ?」


「いや、帰ろうかと…」


「…さっさと買って、うちでご飯食べましょ。」


「真姫ちゃん…?」


「も~。」

「真姫ちゃん、素直じゃないんだから~♪」


「に、にこちゃんには言われたくないわよっ!!」
260: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 22:54:31.54 ID:oOTA26xL.net
「…今日ね、にこ達。」

「真姫ちゃんの家で、ご飯する約束してたの。」


「だから…」

「良かったら、希も来ない?」



「…って、真姫ちゃんが♪」


「…真姫ちゃん、ええの?」


「べっ…別に!?」

「希が、お腹が減って死にそうって言うんなら。」

「トクベツに、この真姫ちゃんの家に招待してあげてもいいんだからっ。」


「…」


「な、何かいいなさいよっ!」


「…ふふっ。」

「それじゃ、お言葉に甘えようかな♪」



今日もお鍋は食べられそうにないけれど

心がすでに、ぽかぽかしてきたんよ♪
264: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:04:02.72 ID:tCViMUSx.net
-----


「ふう~っ…美味しかった。」

「やっぱりにこっち、料理上手やね♪」


「はいはい、ありがと。」

「感謝してるんなら、洗い物手伝いなさい。」


「はーい♪」


どうやら今日、真姫ちゃんの家族はいないみたいで

それで、にこっちが来る事になったらしい


2人で、手分けして洗い物をして

使った食器も片付けて、リビングに戻ると


真姫ちゃんが、紅茶を用意して待っててくれた



「2人とも、お疲れさま。」

「ありがと、真姫ちゃん。」


「…ありがと。」
265: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:04:27.63 ID:tCViMUSx.net
リビングのソファに座って

少しだけ、ゆったりとした時間が流れる



「…そういえば。」


不意ににこっちが、口を開く


「凛と花陽、なんか凄く頑張ってるわね。」


「…にこちゃんの言う通りね。」

「何か、あったのかしら。」


「…でも、良い事やん?」


「穂乃果達も、どことなく気合い入ってるし…」

「どうせ、アンタが何かしたんでしょ?」


にこっちの目が、こっちを向く


「…そうなの?希。」
266: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:04:53.66 ID:tCViMUSx.net
「んー…」

「たいした事は、してないよ?」


「ちょっとだけ、昔話をしただけ。」


「…昔話?」


「うん。」

「あの2人が、それを聞いて頑張ってくれるなら。」

「…話してよかったと、思ってる。」



「もしかして…」


「多分、にこっちの考えてる事で合ってるよ?」


「…」


「ま、確かに適任ね。」
267: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:05:27.42 ID:tCViMUSx.net
「…で、何の話よ?」

「希の話は、いつもめんどくさいんだから。」


「真姫ちゃんも、にこっちの毒舌が染み付いてきたね。」


「…ちょっと、どーゆー事よ。」


「…」


「まあ、これはウチの悪い癖かな?」



「あの2人に話したのは。」

「ウチが、目指してたあるものについて。」



「そうありたいと願った。」

「ある…星の話なんよ。」


手に持ってたソーサーをテーブルに置いて

改めて真姫ちゃんに話してみる


昨日あった、出来事を
268: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:05:59.33 ID:tCViMUSx.net
-----



「…と、言う訳なんよ。」


置いてたソーサーをまた持ち上げて

一口、紅茶を口に含む


結構長い時間話したように感じたけど

まだ、口に含んだ紅茶はあたたかかった



「…そう。」


そう言った真姫ちゃんの顔は

少しだけ、寂しそうに見えた



「…ま、別にそうなれって話じゃないんだけどね。」

「でも、知ってて損な話じゃないでしょ?」


「…分かってる。」

「特にあの2人なら、きっと上手くいくと思う。」
269: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:06:26.50 ID:tCViMUSx.net
「でも…」


真姫ちゃんが、口を閉じる


「…真姫?」



「…」



開きかけた口が、また閉じる

何かを言おうとして、諦めた


「…真姫ちゃんが心配するような事は、何もないよ。」


「…!」


「それは、あの2人の役目だから。」


「…ほんと、メンドウなヒト。」



「ちょっと、にこだけ置いてきぼりじゃない。」
270: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:06:52.07 ID:tCViMUSx.net
「みんながみんな。」

「にこっちみたいに、強いとは限らないんよ。」


「…」


「…なーるほど。」

「つまり真姫ちゃんには、自信が無い訳だ。」


「…!」


「…何を、不安に思う事があるのよ。」



「だって…」

「…」


「今まで、友達と言える友達もいなかったし。」

「μ'sに入る時も、入ってからも。」

「あの2人が、引っ張ってくれた。」
271: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:07:29.66 ID:tCViMUSx.net
「…もちろん。」

「この1年で、私自身変われた部分はあると思う。」

「今までひとりだった私が。」

「こんな、仲間に囲まれて。」


「…そんな仲間と、ここまで来れた。」


「真姫…」


「私が、今ここにいるのは。」

「にこちゃんや希、あの2人や。」

「μ'sのみんなが、私を受け入れてくれたから。」


「こんなに不器用で無愛想な私の手を、とってくれたから。」

「だから私は、こうして今、歌って踊れてる。」



「…やっと手に入れる事が出来た。」

「私の、かけがえの無い物なの。」
272: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:08:01.58 ID:tCViMUSx.net
「でも…」

「だからこそ、怖い。」


「良くも悪くも、私達の出会いは劇的すぎた。」

「みんな何かしらの想いを抱えて。」

「それを叶えるために、μ'sを結成した。」


「…でも、そこに至までの経緯が、普通じゃなかった。」


「何度も壁に当たって、その度に前に進んで。」

「みんなと…絆を深め合えた。」

「だから今、私達はここにいる。」



「そんなμ'sだから。」

「私を、受け入れてくれたんだと思う。」


「…でも、これから入ってくる後輩達は違う。」

「みんな、今のμ'sが好きで。」

「そうなりたいと思って、来る人たち。」
273: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:08:47.80 ID:tCViMUSx.net
「…そんな人たちの目に。」

「私は、どう映ってるんだろう…って。」



「ステージで、歌って踊る私が好き。」

「…そう言って、サインをお願いされた事もあるわ。」


「正直、嬉しかった。」

「でも…」


「本当の私の性格を知って。」

「そんな彼女たちは、一体どう思うんだろう。」

「こんな面倒臭い私を知って、幻滅しないか。」

「こんな私が、上手く話せるのか。」


「…そんな事ばかり、頭に浮かぶの。」



「…ほんと、自分が一番メンドウなヒト。」


「真姫ちゃ…」


「ていっ!!」
274: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:09:21.55 ID:tCViMUSx.net
「いたっ…!?」

ウチが口を開くと同時に

にこっちのチョップが、真姫ちゃんに落ちる


「に、にこちゃ…?」


「ほんっと、めんどくさい!!」


「何、他人の考えばっか気にしてるのよ!」

「真姫は真姫でしょ!?」

「幻滅って…なにそれ?」


「そんな事しか考えない連中に、スクールアイドルやってほしくなんてない!」

「…いいえ、きっと続かないわ!!」


「なにがあったって、どんな事が起きたって。」

「私達は、ステージではずっと笑顔だった。」


「そんな私達を見て、たくさんの人が応援してくれたんじゃない!!」
275: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:09:57.28 ID:tCViMUSx.net
「にこっち…」


「真姫が不器用だからなに?」

「そんなの、私も、希も、凛も花陽もみんな知ってるじゃない!」

「それでも、一緒に頑張って来たの!」

「そして、これからもアンタ達は頑張っていくの!!」

「それが私達でしょ!?」


「後輩が真姫の事をどう思ったって。」

「例え、面倒だって思ったって。」

「凛や花陽がカバーしてくれるわよ!」


「穂乃果たちだっている。」

「アンタは何も心配する事なんて無いの!」


「他人の評価のためにアイドルをやってるんじゃないの!」

「自分らしくあればいいの!」


「そんな自分でいられるから、ここで歌ってるんでしょ!?」
276: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:10:33.53 ID:tCViMUSx.net
「にこちゃん…」



「…ま、にこっちの言う事に、ウチも賛成かな。」


「こんな面倒なウチらが。」

「こんなに笑顔で歌える場所なんやから。」


「きっと、これから入ってくる後輩達も。」

「みんな、そんなμ'sが好きで。」

「そうなりたいと思って、来てくれる子達。」


「…だから、何も心配する事ないんよ?」

「きっと、みんなは分かってくれるから。」


「…」


「でも、真姫ちゃんの気持ちも分かるよ。」

「誰だって、嫌われるのは怖いし、理解してほしいもん。」



「…だから。」

「そんな真姫ちゃんに、ウチからひとつだけアドバイス。」
277: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:11:04.45 ID:tCViMUSx.net
「…アドバイス?」


「口下手で、不器用な真姫ちゃんだけど。」

「…何も、気持ちを伝えるのは、話す事だけじゃないやろ?」



「…え?」


「そんな不器用な真姫ちゃんを。」

「穂乃果ちゃんが誘ったのは、なんでやと思う?」


「何度断られても、真姫ちゃんの所に来たのは、なんでやと思う?」



「あ…」



「…歌は、気持ちを伝えるもうひとつの言葉。」


「ウチは…そう、思ってるよ。」


「…」
278: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:12:04.06 ID:tCViMUSx.net
「本当に、真姫ちゃんが面倒な人なら。」

「あんなに、心に届く歌は作れないと思う。」


「不器用だからこそ、直球で。」

「心に響く歌を、歌えるんやと思う。」

「奏でられるんやと思う。」


「希…」


「あの時、真姫ちゃんの歌を素直に凄いと思って。」

「迷わずに真姫ちゃんに声をかけた、穂乃果ちゃん。」

「…ウチは、間違ってないと思うよ。」


「…」


にこっちと、目を合わせる


『愛してるばんざーい!』

『ここでよかった』

『私達の今がここにある』

『愛してるばんざーい!』

『始まったばかり』

『明日もよろしくね』

『まだゴールじゃない』


「…」


無言で立ち上がって、ピアノの前に行く
279: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/03(日) 23:12:56.55 ID:tCViMUSx.net
「…」


「笑ってよ悲しいなら、吹き飛ばそうよ。」

「笑えたら変わる景色、晴れ間がのぞく。」

「不安でもしあわせへと、変わる道が。」

「見えて来たような…青空。」


「…本当に、そうなのかもしれない。」


ポン…と小さな音が、ピアノから漏れる

座り直して、こっちを見る


「…さあ!」


『大好きだばんざーい!』

『まけないゆうき』

『私達は今を楽しもう』

『大好きだばんざーい!』

『頑張れるから』

『昨日に手を振って』


『ほら…前向いて』






「…ありがとう、2人とも。」


「「…!」」



そう言って笑う真姫ちゃんは

今までで一番の

最高の、笑顔を見せてくれた
288: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:16:45.03 ID:HeFHEw5y.net
Side Story


Memories of Flower Garden
289: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:17:30.65 ID:HeFHEw5y.net
-----


「ふう…」

「今日も、みんな集中してたな~。」


練習を終えて、帰り道

隣を歩くえりちに、ふと声をかける


「…ええ、そうね。」

「日が経つに連れて、ますます洗練されていくのが分かる。」


「きっと…最高のステージを、飾れるわ。」


「うんっ♪」


そんな言葉を投げ交わし

夕暮れの中を、2人で歩く


何も言わなくても、合う歩幅

ふと横を向けば、青い目をした女の子
290: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:18:32.46 ID:HeFHEw5y.net
「もう、あと何日こうして帰れるのかしら。」


ぽつりと、えりちが呟く


「うーん…」

「もうすぐ、自由登校やしね。」


「ラストライブが終わったら、何をしようかしら。」


「…いっそ、にこっち連れて旅行でも行く?」


「あら、それもいいわね。」


「行くなら、温泉なんかいいやん♪」


そんな話も、出来るようになった

…でも、時間は終わりを告げる



「…おっと、もう分かれ道か。」



「それじゃあね、えりち♪」
292: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:18:59.49 ID:HeFHEw5y.net
「…」


「…えりち?」


「…ああ、ごめんなさい。」


「それじゃあ、帰りましょうか。」

「またね、希。」


そう言うと、角を曲がって家の方へ


「…」


数歩遅れて、着いていく


「…えりち。」


「…?」

「どうしたの?希。」



「どこかで、ご飯食べてく?」



「…え?」
293: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:19:42.05 ID:HeFHEw5y.net
-----


「…ごちそうさまでした♪」


近くのファミレスで、ご飯を済ませる


「こうしてファミレスに来るのも、久しぶりね。」

「えりち、あんまり外食しないもんね。」


「うちには、亜里沙もいるし…」

「案外、お金がかかっちゃうしね。」


「ウチは、こんなのばっかりやからなあ…」


「あら、それは駄目よ?」

「やっぱり、ちゃんと栄養を考えて食べないと。」


「分かってるんやけど…」

「やっぱり、練習が遅くなったりしちゃうと、どうしても…ね。」



「面倒くさがりなのは、相変わらずね。」


顔を見合わせて、思わず微笑む
294: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:20:14.67 ID:HeFHEw5y.net
「…さて、帰りましょうか。」

「誘ってくれてありがと、希。」


「うん♪」


お会計をして、お店を出る


「…もう、そんなに寒くないわね。」


「もう、春やからね。」


心地よい温度の風に当てられて

えりちの綺麗な金髪が、揺れる


「…もう、春なのね。」

「えりち…」



「…ねえ、希。」

「ん?」


「…よかったら、うちに来ない?」


「…うん。」
295: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:27:05.64 ID:HeFHEw5y.net
-----


「お邪魔しまーす。」


「どうぞごゆっくり♪」

「今日は、亜里沙は雪穂ちゃんの所にいるみたいだから。」

「気にせず、くつろいでね。」


「って事は、穂乃果ちゃんの所か。」


「…じゃないと、流石に帰って食べるわよ。」


「それもそうやね♪」


もう何度か来た、えりちの家

我がもの顔…って言うのはあれやけど

もはや、勝手知ったるえりちの家


いつもの場所に荷物を置いて

ふかふかのソファに、腰をかける


「今、何か入れて来るわ。」

「おかまいなく♪」
296: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:27:45.16 ID:HeFHEw5y.net
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「…ん、美味しい。」


えりちにはやっぱり、紅茶が似合う


「いきなり誘って、ごめんなさい。」


「ええんよ?」

「どうせ、家に帰っても一人やったし。」


「ふふっ。もう、寂しくはないの?」


「うーん…それはまた、別の問題かな?」


「そう言えば、昔。」

「落ち込んだ希に、家まで連れて行かれたわね。」


「ああ、そんな事もあったなあ…」

「確か、あれが初めてうウチの家に来た時やね。」


「そうそう♪」

「あの時の希ったら、すっごく元気が無くて…」


「…もう。」


えりちの、ばか
297: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:35:30.80 ID:HeFHEw5y.net
「…」


「…あの時とは、逆になっちゃったわね。」


そう言って、えりちは視線を紅茶に落とす



「…それで、一体今日はどうしたの?」

あの時のえりちの言葉を、投げ返す


「…!」


「うん、実は…」


「…なんて。」

「よく、覚えてたわね。」



「えりちだって、覚えてるやん。」


「そうね…」

「いかに、にこを傷つけちゃったかって、力説されたっけ。」


「…」


「…じゃあ、本題。」
298: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:36:00.53 ID:HeFHEw5y.net
「どうしたん?えりち。」

今度はちゃんと、ウチの言葉で


「…そうね。」

「どう言ったらいいのか…」


えりちが、ぽつぽつと話し始める

漠然とした不安や

もうすぐそこに迫った、ラブライブの事


今まで自分たちがしてきた事

これから、穂乃果ちゃん達に託していく事



「…って、色々言ってみたものの。」

「頭の中では、ちゃんと整理が出来てるのよ。」


「…まあ、そんな事やろうと思った。」

「えりちの事は、何となく分かるから。」


「…それじゃ、私が今考えてる事は何かしら?」


「それは…」
299: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:43:11.08 ID:HeFHEw5y.net
-----



「そう、あの真姫が…」

「それに、凛と花陽も。」

「ちゃんと、分かってくれたのね。」


「…うん。」

「だからもう、ウチらが心配する事は何も無いよ。」


「そうね。」

「少し、寂しくはあるけど…」


「…ん、えりち。」

「かゆいとこない?」


「大丈夫よ、希。」


「それじゃ、流すなー。」


シャワーで、えりちの髪を流す


「それじゃ、次はトリートメントを…」
300: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:43:47.64 ID:HeFHEw5y.net
「…はい、できた。」


「ありがと、希。」

「それじゃ、交代ね?」


「でも、ウチの量多いから大変なんよ?」


「気にしなくていいのよ。」

「それとも、私にされるのは嫌なのかしら?」


「…ううん、お願い。」


「ええ。」


えりちと場所を変わって

タオルで持ち上げてた、髪を下ろす


「…長くなったわね。」


「もとから、結構長かったけどね。」


「それでも、会った時より遥かに長いわよ。」

「手入れもズボラなのに、よくもまあここまで綺麗に…」


「…えりち、それ褒めてるん?けなしてるん?」


「ふふっ、冗談よ。」
302: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:52:29.17 ID:HeFHEw5y.net
「…ふう。」

「流石に、2人で浸かると狭いわね。」


「まあ、流石に分かってた事やけどね。」


結局2人で体を流し合って

えりちのそれを揉んでは怒られて

2人仲良く、浴槽に



「…でも、いいわね。」

「…?」


「一度、希とこうしてみたかったから。」


「合宿とか修学旅行で、一緒に入ったやん。」


「でも、2人だけは初めてでしょ?」


「…えりちって、ヘンタイさんやったんやね。」


「ち、違うわよ!!///」
303: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:53:04.13 ID:HeFHEw5y.net
「…ねえ、希。」


「…なあに?えりち。」


「私達は…大人になれたのかしら。」


「だから、それを言う時点でまだ子供って…」


「それは…そうだけど。」

「でもやっぱり、3年間過ごして来て。」

「成長してないのも、悲しいじゃない。」



「…まあ、それもそうやね。」

「でも、えりちの場合…」


「むしろ、更に子供っぽくなったんと違う?」


「…へ?」


「ほら、今のマヌケな顔もそうやし。」

「1年の頃の凛々しさみたいな物は消えたよね。」
304: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:58:28.41 ID:HeFHEw5y.net
「…」

「私って、一体…」


「まあ、えりちも何となく気付いてるとは思うけど。」


「…」


「…それでも。」

「やっぱりえりちは、ウチが憧れたえりち、そのままやん?」


「…ちょっと、どっちなのよ。」


「ウチ的には、こっちのえりちの方が好きって事♪」


「もう、ごまかさないでよ…」


「ふふっ。」


「そう言う希も、変わったわよ。」

「…ちゃんと、良い方に。」


「…」


「そう、かな…」
305: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/04(月) 23:59:39.77 ID:HeFHEw5y.net
「ええ、私が保証するわ。」


「えりちの保証かあ…」


「…訂正。」

「やっぱり、悪い方に変わったわね。」

「にこの影響かしら…?」


「…まあ、ウチらしくていいやん?」


「…そうかもね。」

「そろそろ、上がりましょうか。」

「のぼせちゃうわ。」


「はーい♪」



えりちも、ちゃんと変われたよ

それは、隣にいるウチが、一番よく知ってる

…でも、どうせウチがそう言ったって、えりちは認めないから


だから、お互いがもっと成長するまで

この言葉は、とっておくよ
306: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/05(火) 00:09:40.95 ID:ef02HuGt.net
-----




「おやすみ、えりち。」


「…ちょっと。」

「希専用のベッド、用意したじゃない。」


「せっかくやし、一緒に寝よーよ。」

「また、あの時みたいに♪」


「あの時って…」

「希が泣きそうな顔して腕を掴んでくるんだもの。」

「仕方ないでしょう?」


「まあまあ、昔を思い出して♪」


「それ、絶対使い方間違ってるわよね?」


「いいから、いいから♪」


「あっ…ちょっと、引っ張らないでよ!」


えりちの腕を引っ張って

布団の中にご招待♪
307: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/05(火) 00:10:09.04 ID:ef02HuGt.net
「もう…」

「いつも、強引なんだから。」


「今まで散々えりちに振り回されたんやもん。」

「これくらい♪」


「あら、私も結構希に振り回されたと思うんだけど…?」


「…さっ、寝よ寝よ!」


「本当…誰のせいでこんなにイジワルになったのかしら。」


「それは、ウチを変えてくれた本人に聞かないと…♪」


「…それもそうね♪」



「それじゃ、電気消すわよ?」


「うん、お願い。」


えりちとひとつのベッドに入って

2人一緒に、天井を見上げる



「…もう、あと少しなのね。」
308: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/05(火) 00:10:41.46 ID:ef02HuGt.net
「…そうやね。」


「この3年間…ドタバタして、ばっかりだったわね。」


「…うん。」


「あの日、初めて希と話した時の事。」

「2人で、穂むらのおまんじゅうを食べた時の事。」

「にこと、初めて出会った時の事。」

「希と、生徒会に入った時の事。」

「2人で、理事長に笑われた時の事。」

「学校存続のために、地道な努力を始めた時の事。」

「修学旅行で、南十字星の話を聞いた時の事。」



「…そして、μ'sに入った時の事。」



「今でも、すぐに思い出せる。」

「まるで、昨日の事みたいに。」



「本当…あっという間だった。」


「…うん。」
309: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/05(火) 00:11:21.34 ID:ef02HuGt.net
「そんな毎日を、希と、みんなと過ごして。」

「いつの間にか、また笑えるようになって。」

「仲間の事で、本気で泣けるようになって。」


「…」


「私は何か、あの子達に残す事が出来たのかしら。」

「その先を導いてあげられる存在に、なったのかしら。」


「目指すべき大人に…少しでも、近づけたのかしら。」



「…希の言う通り。」

「私は、まだまだ子供で。」

「目の前の事だけで精一杯だけど。」


「…それでも、私を受け入れてくれたμ'sに。」

「その仲間達に。」


「なにか…してあげられたのかしら。」
310: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/05(火) 00:18:58.28 ID:ef02HuGt.net
「…なんて。」

「今日は、こんな事ばかりね。」

「年甲斐も無く、センチメンタルになってるのかも。」


「年甲斐って…」

「なんか、おばあちゃんみたいやん?」


「流石に、それは嫌。」


「…でも、分かるよ、その気持ち。」

「ウチだって、自慢できるような事が出来た訳じゃない。」


「みんなの為に、って動いて来たけど。」

「未だにそれが、正解かどうかなんて分からんし…」


「…」


「…ねえ、希。」

「私、希と…!」


えりちの言葉を、人差し指で塞ぐ


「…それは、今はなし。」

「ここが、ゴールじゃないんやから。」
311: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/05/05(火) 00:19:36.46 ID:ef02HuGt.net
「ウチらの夢は、まだ叶ってない。」

「まだ、終わりじゃない。」

「ウチらにはまだ、進むべき未来があるんよ。」


「希…」


「今まで、いっぱい泣いて。」

「いっぱい苦しんで、ここまで来た。」

「そんな思い出の詰まった、過去がある。」


「同じ夢を目指して。」

「隣に立って、手を繋い