にこ「五月」穂乃果「十八日」絵里「は」海未「ことばの日」

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海未-アイキャッチ29
1: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:03:51.41 ID:E/AD3n7Q.net
穂乃果「う、海未ちゃん…」

海未「ちゃんといますよ」ギュ

穂乃果「暗いよ…怖いよ…何か出そうだよ!?」

海未「何もいませんよ。もう使われていない廃校舎なのですから…」

穂乃果「でも誰もいないってことは、何が侵入してもおかしくないってことでしょ!?」

海未「そうは言っても、放棄された土地ではないのですから…適正に管理する義務があるはずです」

「…せ」

穂乃果「えっ。…な、なに?海未ちゃん」

海未「ですから、権利者には管理責任というものが──」

「かえせ…」

ほのうみ「!?」

「私たちの学校を…返せ!!」

穂乃果「ひぃっ!?」

穂乃果「わあーっ!?で、出た!?」ガクブル

ことり「な、何が出たの?穂乃果ちゃん…」

穂乃果「何かわからないけど、学校を返せって…きっと怨霊ってやつだよ!?」

ことり「何もいないけど…それに、まだ廃校になったわけじゃないよ?」

穂乃果「え?」

海未「何かと思えば…寝ぼけていただけですか」ハァ

穂乃果「だ、だって…廃校っていったら、なんか怖いイメージがあるでしょ?」

ことり「それ、どっちかっていうと廃病院とか廃墟の話じゃないかなぁ…」

海未「テレビの見すぎですよ。都会の真ん中で特に汚染もされていない広い土地なのですから、かりに廃校になってもそのまま長い間放置されるはずがないでしょう?」

穂乃果「廃っていう字がいけないんだよ。悪いイメージしかないもん」

ことり「なんだかデジャヴュを感じるなぁ…」

海未「デジャヴュは…フランス語でしたっけ?」

穂乃果「日本語だと既視感なんて書いたりするけど、視覚だけじゃないよね。会話の内容とか音に関すること、場合によっては五感全部ひっくるめてのデジャヴュだもん」

ことり「確かにそうだね。逆にっていうか、味とか味わいって言葉は味覚以外のことによく使われるね」

海未「日本語にも見た目と意味の不一致というか、適用される範囲が広かったり狭かったり格差があるものですね」

穂乃果「って、そんなことより!」ガラッ

元スレ: にこ「五月」穂乃果「十八日」絵里「は」海未「ことばの日」

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2: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:06:56.60 ID:E/AD3n7Q.net
【四月】

穂乃果「ヒデコ、フミコ、ミカ!おっはよー♪」

ヒデコ「お早くないよ」

フミコ「そうだね…穂乃果ちゃん、結構よく寝てたんじゃない?…保健室で」

穂乃果「えー?…そっか、おはようは早いって書くんだっけ」

ミカ「お早くない場合は何て言うの?」

ヒデコ「さあ…日本語以外の言葉なら簡単でしょ?」

穂乃果「あ、言われてみれば…グッドモーニングなら早いって意味はないよね?」

フミコ「まあ…でもお早くないときだけ英語っていうのも変な感じだね」

ミカ「そもそもどうして朝の挨拶がおはようなのかな?お早いとは限らないのに」

ヒデコ「はよう、だから…早くしろって言ってるのかも?朝だよ、時間ないよ、早く行け!って」

穂乃果「おぉ!それなら私いつも言われてるかも」

フミコ「あはは…穂乃果ちゃんはもっとお早うしたほうがいいかもね」

【二年教室】

穂乃果「学校がなくなる、学校がなくなる…」

ことり「死んじゃうことも亡くなるって言うよね」

海未「そうですね…人やペットのほか、最近は機械などにも使うかもしれません」

ことり「必ずしも生物だけに使うわけじゃないなら、廃校は死校?」

海未「どうでしょう…亡国という言葉がありますから、亡校とか?」

ことり「どうかなぁ?廃校よりいいと思う?」

穂乃果「言い方を変えたって結果が同じだったら意味ないよ!」

ことり「アハハ…そうだね」

穂乃果「どーしよー!全然勉強してないよー!」

海未「勉強は勉めるに強いと書きますが…」

ことり「うん」

海未「強く勉めるのであれば学問でなくても良いということになりますね。“勉”自体に知識や学問といった意味はないようですし」

ことり「そうだね…値下げすることも勉強するって言うくらいだし」

海未「穂乃果の家は和菓子屋ですから、店番をして毎日商品を値引きして売れば毎日勉強したことになりますね」

ことり「その勉強だけだと学校の成績は上がらないと思うけど…」
4: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:09:50.27 ID:E/AD3n7Q.net
海未「つまり問題なのは勉強しないことより学業の成績が低くて上がらないことというわけです」

ことり「授業中に居眠りしたり、よそ見してることがなければ、もうちょっと成績も良かったかもしれないね」

穂乃果「うぅ…無駄に遠回りして考えた挙げ句結局ディスられてる」シクシク

海未「気にするくらいなら値引きの勉強ではなく、苦手教科の自主学習でもしてください」

ことり「穂乃果ちゃんの苦手教科といえば、やっぱり数学だよね」

穂乃果「でも数学っていうのもさ…数を学ぶっていうだけなら算数より簡単そうに見えるのに、中身は数字よりもわけのわかんない記号や専門用語ばっかりだよ。詐欺だよ!」

海未「私に言われても…」

ことり「穂乃果ちゃん。7×4」

穂乃果「にじゅう…ろく?」

海未「数字の段階でダメじゃないですか…」

ことり「穂乃果ちゃんは算数からやり直したほうがいいかも…」

穂乃果「うぅ…」ガクッ

【中庭】

穂乃果「今日もパンがうまいっ」パク

海未「太りますよ」

穂乃果「それって、私が太るに違いないって断言してるの?」モグモグ

海未「そこまでは…ただ、太っても知りませんよ。太る可能性が高いと思いますよ。穂乃果は私に比べて太りそうな食生活をしていますよ…といった警告を短くまとめて“太りますよ”と表現しているのです」

穂乃果「そこまで言われると本当に太りそうな気がしてくるけどさ…」

ことり「まあ…和菓子屋さんっていう環境の割には穂乃果ちゃんはそこまでいつも甘いもの食べてないよね」

穂乃果「まあね…あんこ飽きたし」

海未「そのぶんパンや洋菓子を好んで食べるのでは、かえって高カロリーですよ」ハァ

絵里「ねえ。ちょっといい?」

ほのうみ「は、はい」

ことり「ちょっとって…どれくらいですか?」

絵里「話の内容によるわ。南さんに訊きたいことがあるから…何も有益な情報が得られなければ手短に済むと思うけど」

希「まあ、それはウチらにとっていい結果ではないけどね」

絵里「理事長、何か言ってなかった?」

ことり「今日の晩ごはん何がいい?って」

絵里「いや、そういうことじゃなくて…廃校に関する話」
5: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:12:23.59 ID:E/AD3n7Q.net
ことり「入学希望者が定員を下回った場合、廃校という決定をせざるを得ないって」

希「それはみんな知ってることやろ?…そうじゃなくて、南さんだけが知ってる情報はないの?」

ことり「たけのこごはんが食べたいって言ったら、作ってくれるって言ってました♪」

絵里「晩ごはんの話はいいから…廃校に関してみんなが知ってる以上の情報はないのね?」

穂乃果「以上だと、みんなが知ってるのと同じ情報も含まれるんじゃ…」

絵里「Засохни!」

希「え、エリち…落ち着いて」

海未「何でも言葉通りに受け取ってはいけませんよ。相手が何を求めているか、少し考えればわかることですから…」

ことり「そうだね…」

穂乃果「日本語って難しいなぁ…」

ことり「ごめんなさい生徒会長さん。何も有益な情報がなくて…」

絵里「いえ…あなたは責任者というわけじゃないし、気にしないで」

希「ほなー」

ことり「ほな?」

希「“じゃあね”みたいな意味や」

絵里「ロシア語のПокаみたいなものかしら?」

穂乃果「ぱか?」

絵里「ええ。主に親しい間柄で使う簡単な別れの挨拶よ」

海未「なぜロシア語なんです?」

絵里「祖母がロシア人なの」

ことり「じゃあ生徒会長さんは…クォーター?」

絵里「そうね」

穂乃果「じゃあ逆に…おばあちゃんが一人だけ日本人で、それ以外の祖父母三人がみんなロシア人だったら何ていうんですか?」

希「それもクォーターやない?」

穂乃果「区別する言葉はないんですか?」

絵里「さあ…わからないわ。自分と違うケースのことまで考えたことがないから」

穂乃果「ロロロ日と、日日日ロ!とか?」

ことり「何そのRADWIMPS」

海未「ロシアと日本だけならそれくらいで済みますが、たとえば…父方の祖父母が日本人とロシア人、母方の祖父母がグルジア人とウクライナ人だった場合はどう呼ぶんですか?」

絵里「いや、そんなケースはまずあり得ないと思うけど…」
7: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:22:04.23 ID:E/AD3n7Q.net
穂乃果「え、えーと…じゃあ、日ログルウク!?」

ことり「無理に一言で表さなくてもいいんじゃないかなぁ…」

希「ちなみに最近はグルジアやなくてジョージアって呼ぶのが一般的みたいや」

穂乃果「日ロジョイナ!」

ことり「余計わかりにくいだけだと思うよ…」

穂乃果「もー!だったら生徒会長さんと私が結婚したら、その子供は何ていうんですか!?」

絵里「し、しないわよ///」

希「そこまで減ると8thとか16thとか、数字にthがつくだけで特別な呼び方はないと思うよ」

穂乃果「なーんだ…つまんない」

ことり「アハハ…穂乃果ちゃん」

【図書館】

穂乃果「歴史がある!」

海未「ほかには?」

穂乃果「ほかに!?…えーと、伝統がある!」

海未「それは同じです」

穂乃果「えー?…じゃあ…そうだ!」

【生徒会室】

コンコン

希「はーい。どうぞ」

ガチャ

穂乃果「生徒会長さんが金髪で美人!」

絵里「え!?…い、いきなり何言ってるのよ///」

海未「悪くはありませんが、受験生へのアピールにはなりませんよ。来年度の新一年生が入学する前に、今の生徒会長は卒業ですから」

穂乃果「そっかぁ…生徒会長さん、留年しませんか!?」

絵里「しません」

穂乃果「ことりちゃーん!」

ことり「生徒会室、陽当たりがよくていいところだね♪」

穂乃果「じゃあそれで!」

海未「それだけで志望校を音ノ木坂に決める人がいるでしょうか…」

穂乃果「ダメかぁ…」ガクッ
8: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:24:31.97 ID:E/AD3n7Q.net
希「もっとわかりやすいアピールポイントを探せばいいんやない?…たとえば、アルパカさんが可愛い♪」

ことり「確かにアルパカさんがいる学校ってちょっと珍しいかも♪」

穂乃果「そういえば…アルパカって何語なのかな?」

海未「スペイン語に似ている感じがしますけど…」

希「うん。スペイン語に近い、南米の古い言語でケチュア語っていうのがあるん」

穂乃果「け、けつあご?」

希「ケチュア語。インカ帝国の時代からあるんやって」

穂乃果「じゃあ、副会長さんの言葉は何語ですか!?」

希「へ?…いや、ウチは日本語や」

絵里「でも、周りの人と少し違うわよね…どこかの方言?」

希「それは──」

ことほのうみえり「…」ジーッ

希「秘密や♪」

穂乃果「ケチュア語って言ってたよね?」

絵里「ロシア語じゃないのは確かね」

ことり「じゃあ…ウクライナ語?」

海未「でも日本語に少し似ていますよ」

希「えぇ…日本語や、日本語!」

【アルパカ小屋】

ことり「モフモフで可愛い♪」

アルパカ「メ゙ェ♪」ドヤァ

穂乃果「でもアルパカさんは日本人じゃないから、日本語が通じないんじゃないかな?」

海未「そもそもアルパカは人間じゃないですから言葉は通じないのでは…」

希「どうやろね…ケチュア語が話せたら少しは通じるかもって気がしない?」

絵里「ケチュア語とかを覚える前に廃校になっちゃうわよ。このままじゃ…」
9: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:26:34.85 ID:E/AD3n7Q.net
【高坂家】

穂乃果「ただいま…」ガララ

雪穂「お姉ちゃんおかえり…あ、ことりちゃんと海未ちゃ…ん?」

ことうみのぞえり「お邪魔します」

雪穂「だ、誰!?」

穂乃果「生徒会長さんと副会長さんだよ。雪穂、お茶!」

希「お構いなくー」

ピシャ

雪穂(びっくりしたぁ…何の集まりなんだろ?)

穂乃果「じゃあ、とりあえずアルパカさんをアピールしていけばいいのかな?」

海未「何もないよりはマシだと思いますが…」

絵里「もう二、三点は欲しいところね」

ことり「もっと動物を増やしてみる…とか?」

穂乃果「カピバラさんなんてどうかな!?あとやっぱりペンギンさん♪」

希「学校っていうより動物園みたいやね」

絵里「どうやって連れてくるの?…ただでさえ経営が厳しいのに予算の問題が…」

ことほのうみのぞえり「うーん…」

雪穂「お茶、どうぞ」コト

絵里「ハラショー」
ことのぞ「ありがと♪」
海未「すみません」

穂乃果「ん?…雪穂。これ何?」

雪穂「ああ、UTX…私、来年受けるんだ」

穂乃果「ふーん…」ペラ

ことり「UTXって何の略なのかな?」

雪穂「さあ…Xで始まる言葉なんて少なそうだけど」

絵里「Xじゃないけど、キリル文字にХってあるわよ。ハラショーはこう書くの…хорошо」カキカキ

ことほのうみ「へー」

希「って、エリち。どこに書いてるん…」

絵里「あ。…ご、ごめんなさい」シュン

雪穂「いや、気にしないでください…(UTXのパンフレットに太い油性ペンの黒で書かれた)」
10: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:28:49.65 ID:E/AD3n7Q.net
穂乃果「U 浮かれて T 天狗になった Xenophile 外国かぶれの奴」カキカキ

雪穂「なんでそんな悪口みたいなの…っていうかパンフレットに書かないでよ!」

絵里「U うまい Tea ティーだわ X ハラショー♪」カキカキ

雪穂「はあ…どうも(私が見てた雑誌に書かれた…また太い油性の黒で)」

希「もう学校名と全く関係ないやん。浮かれた天狗もあんまりやけど…」

ことり「U 海未ちゃん T とっても X-rated 破廉恥です♪」カキカキ

海未「や、やめてください!なぜ私が破廉恥なんですか!?」ビリビリ

雪穂(そこに書いちゃうことりちゃんもことりちゃんだけど人の雑誌破かないでよ海未ちゃん…破廉恥以前の問題だよ)ドンビキ

穂乃果「って雪穂!あんた音ノ木坂受けないの!?」

雪穂「時間差すぎだよ!それ最初に言ってくれてたら被害が少なくて済んだかもしれないのに!」プンプン

希「U 牛久の T 宝だ Xe 稀勢の里※」カキカキ
※茨城県牛久市出身。Xe→キセノンは愛称

雪穂「それも全然関係ないですよね!?なんでパンフレットに書くんですか!?しかも油性で!黒の一番太いやつで!」プンプン

穂乃果「お母さんお母さーん!雪穂、音ノ木坂受けないって言ってるよ!?」

雪穂「っていうかさ…音ノ木坂、なくなっちゃうんでしょ?」

ほのえり「なくならない!」

雪穂「えぇ…」

希「まあ、ウチらでできる限り何とかしようって話し合ってたん」

雪穂「浮かれた天狗とか破廉恥とか稀勢の里とか…どう見ても真面目に廃校を防ぐ話し合いには見えないんですけど」

穂乃果「そこまで言うなら、雪穂はUTXって何の略だかわかるの!?」

雪穂「いや、だからそれ音ノ木坂の廃校を防ぐ話と関係ないよね?」

【夜・穂乃果の部屋】

『どこに旅行いこうかなーとか言ってて…』

希「エリちが聞いたらブチ切れそうやね」

穂乃果「アハハ…生徒会長さんには言わないほうがいいかも」

希「ウチもそろそろ帰るよ。またね」

穂乃果「ほなーじゃないんですか?」

希「ふふふ。Пока♪」
11: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:31:43.39 ID:E/AD3n7Q.net
【一階】

穂乃果「お母さん?」

ほの母「…」ペラ

穂乃果「この子かわいい♪誰!?」

ほの母「!?…ほ、穂乃果…いたなら声かけてよ。びっくりした…」

穂乃果「さっき呼んだよ。お母さんって…ねえねえ、この子誰!?」

ほの母「それ、私よ。高校時代の」

穂乃果「…え?」

ほの母「なあに、その顔…私だって昔は若かったのよ!」プクー

穂乃果「お母さんは今でも可愛いよ♪」

ほの母「そ、そうかしら?」

穂乃果「冗談に決まっていひゃい、いひゃい!」

ほの母「まったく…さっさとお風呂にでも入ってきなさい」

トプン ザバー

ほのえり「ふー」

絵里「へえ。お母さん、音ノ木坂の卒業生なのね」

穂乃果「うん。意外って言ったらまた怒られそうだけど、制服が似合ってて結構可愛かったなー」

絵里「あなたも似合ってるわよ。音ノ木坂の制服」

穂乃果「そうかなぁ?生徒会長さんこそ…ってなんでいるんですか!?」

絵里「えぇ…どうして一緒にお風呂入ってて今まで気づかないのよ…」

穂乃果「いや、ちょっと考え事してて…なんか雪穂にしては立派すぎるなぁと思ったけど///」

絵里「お店のお菓子が珍しくて、ずっと見てたら帰るタイミングを逃しちゃったっていうか…それで、つい」

穂乃果「どこにでもある普通の和菓子屋ですよ」

絵里「そうかしら?…希が言ってたわよ。二百年くらい前からあるお店だって」

穂乃果「三百年です!」ドヤァ

絵里「音ノ木坂より古いんだから、結構すごいと思うけど…」

穂乃果「まあ古いだけが取り柄で…お客さんもそんなに多くないし」

絵里「ほむら…でいいのよね?お店の名前」

穂乃果「そうですよ。穂乃果の穂です♪」

絵里「穂はわかったけど…“むら”は何なの?」
13: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:40:06.36 ID:E/AD3n7Q.net
穂乃果「んー。稲穂の穂だから、草むらの“むら”と同じじゃないですか?」

絵里「つまり、草むらみたいにたくさん並んだ稲穂?」

穂乃果「和菓子には小麦粉も使うし、稲かどうかはわからないけど…豊作みたいな意味なのかなって」

絵里「なるほどね。縁起のいい名前なのね」

穂乃果「生徒会長さんは?」

絵里「私?」

穂乃果「ロシア人だから、リプニツカヤとかスタルヒンとかそういう名前なのかなって」ワクワク

絵里「いや、日本人よ。名前は絢瀬絵里」

穂乃果「なーんだ…」

絵里「ひとの名前を聞いてガッカリしないでよ。失礼ね…」

穂乃果「でもロシアっぽいミドルネームとか」
絵里「ないわよ。残念ながら」

穂乃果「ほら、生徒会長さんも残念って思ってるじゃないですか」

絵里「いや、あなたが変な期待してるみたいだからあなたにとっては残念だろうけどって意味よ。私はロシア人っぽい名前じゃなくていいわよ別に…日本人なんだから」

穂乃果「えー」ブー

絵里「不満そうにしてもダメよ。無いものは無いの」

穂乃果「じゃあおみやげあげない」プイッ

絵里「別に期待してたわけじゃないけどそんな理由でくれないの?」

穂乃果「冗談ですよ。せっかく来てくれたんだし日露友好」
絵里「だから私は日本人…だいたいあなただって瞳が青いわよね?ハーフかクォーターなんじゃないの?」

穂乃果「え」

ほのえり「…」

穂乃果「ホントだ…深く考えたことなかったけど」フルフル←鏡見た

絵里「無頓着すぎない?」

【再び穂乃果の部屋】

『うん。じゃあ明日ね』

穂乃果「誰!?」

絵里「亜里沙よ。妹。…代わる?」

穂乃果「Здорово!Милая моя♪」

『だ、誰ですか…?お姉ちゃんのお友達?』

絵里「なんでいきなりロシア語なのよ。しかもやたら馴れ馴れしい…あ、亜里沙?今のが高坂さんよ」
15: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:43:52.42 ID:E/AD3n7Q.net
『そうなんだ…うん。おやすみなさい』

絵里「…あなた、やっぱりロシア人なんじゃ…?」ジーッ

穂乃果「そんなことないですよ。日本人です」

絵里「まあいいけど…ごめんなさいね。急に泊まることになっちゃって」

穂乃果「生徒会長さんならいつでも大歓迎ですよ♪何なら妹さんも連れて」
絵里「来ないわよ。…何、狙ってるの?」ジトー

穂乃果「そんなんじゃないですよ。でもちょっと会ってみたいかな…生徒会長さんに似て美人だったりします?」

絵里「答えにくい質問ね…亜里沙は可愛いけど、私とはあまり似てないんじゃないかしら?」

穂乃果「へー。そうなんだ…」

絵里「それより、せっかく名乗ったんだから名前で呼んでくれない?」

穂乃果「ありさちゃん♪」

絵里「いや、亜里沙じゃなくて私のこと」

穂乃果「えーと…あれ?…確か、リプニツカヤさん」

絵里「絢瀬絵里!」

穂乃果「ちょっと狭いけど我慢してください」モゾモゾ

絵里「別に私は床でもいいんだけど…」

穂乃果「せっかくだから一緒に♪」ギュ

絵里「…いいけどね///」

穂乃果「えへへ。おやすみなさい…絵里さん♪」

チュン(・8・)チュン

「さん…高坂さん」

穂乃果「…」スヤスヤ

雪穂「穂乃果って呼ばないと起きないって言ってます」

絵里「いや、どう見ても寝てるわよね?」

雪穂「まあまあ…騙されたと思って試してみてください」

絵里「穂乃果!起きないとお饅頭ひと箱食べさせるわよ!」

穂乃果「や、やだよ!あんこ、もう飽きた!」

雪穂「ほら、起きたでしょ」

絵里「ハラショー♪おはよう。穂乃果」

穂乃果「変な起こし方しないでくださいよ…」
16: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:45:58.95 ID:E/AD3n7Q.net
海未「また寝坊ですか?」

ことり「寝坊の“坊”って何なのかなぁ?」

海未「甘えん坊とか食いしん坊の坊と同じでしょう?」

ことり「それで、意味は?」

海未「さあ…子供という意味の“坊や”の坊では?」

ことり「女の子でも坊やなの?」

海未「坊や自体は言いませんが、寝坊や甘えん坊や食いしん坊は男女問わず使うということでしょう。たとえば“茶葉”は茶の木の葉にしか使いませんが、○○茶という呼び方は茶の木以外の飲み物にも使うじゃないですか」

ことり「玄米茶、黒豆茶、ごぼう茶、タンポポ茶…確かに使うね」

海未「そんな感じです。…たぶん」

【秋葉原】

絵里「ここがUTX…」ゴクリ

穂乃果「おぉー!…す、すごい」ベター

絵里「ちょっ…穂乃果。周りに人がいるんだから…」

『お元気ですかー?』

穂乃果「あ。…この人たちだ」ペラ

絵里「浮かれて天狗になった外国かぶれの…」

にこ「ちょっと!それ誰のことよ?」

ほのえり「えっ」

にこ「浮かれて外国かぶれはともかく、天狗ってのは聞き捨てならないわね」

絵里「それって大半は納得してるんじゃ…」

穂乃果「あの人たちって外国かぶれなんですか?」

にこ「まあ、ある程度影響は受けてんじゃない?ほかの日本のアイドルとはひと味違う感じでしょ」

穂乃果「あ…ことりちゃんが言ってた、味覚とは関係ない“味”の使い方だね」

絵里「まあ、アイドルを実際に味見する人もそうそういないでしょうし…」

穂乃果「破廉恥!」カキカキ

にこ「つーか、そのパンフレットに…なんでそんな落書きしてんのよ」

穂乃果「牛久の宝だ稀勢の里!」

にこ「UTX?…いや、そんな意味じゃないでしょ」

絵里「そこまで言うなら…あなたは知っているの?…UTXの意味を」

にこ「いや、知らないけど…」
17: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:53:28.50 ID:E/AD3n7Q.net
絵里「素人にしか見えない」フッ

にこ「うるさいわね。あんたたちだってA-RISEのこと知らないでしょ」

絵里「あらいず?」

穂乃果「しょきしょき…と音をたてて小豆を洗う妖怪ですね!」

にこ「それは小豆洗い…自分で答え言ってんじゃない」

絵里「ラスカルにーあわせてくれてー♪」

にこ「それはアライグマ」

ほのえり「いーっしょーにどーこーまーでも、とーべーるーきがーしーてーた♪」

にこ「それはazurite」

\♪トゥモロー トゥモロー/

絵里「亜里沙だわ。…おはよう亜里沙。どうしたの?」

『おはよう、お姉ちゃん。朝ごはん食べた?』

絵里「ええ。亜里沙は食べた?」

『うん。あのね、昨日の夜のうちに仕込んでおいた生地でблиныを作ったの。美味しくできたよ♪』

絵里「ハラショー♪さすが亜里沙ね。私も食べたかったわ」

『えへへ。帰ったら作ってあげるね♪』

絵里「…妹の亜里沙よ。代わって」

にこ「は?…いや、なんで私があんたの妹と電話すんのよ…もしもし?」

『え?…誰ですか?』

にこ「通りすがりの宇宙ナンバーワンアイドルよ」

『はあ。アイドル…それで、亜里沙に何かご用ですか?』

にこ「いや、特に用事はないんだけどね…何を食べたの?」

『блиныです♪えーと、クレープにちょっと似てるの』

にこ「へー。それ私にも作ってくれるの?」

『え?…いいですけど…じゃあ今日、家に来ますか?』

にこ「…って言ってるけど」

絵里「ね、亜里沙は可愛いでしょ?」

にこ「顔見たわけじゃないけど…まあ、可愛いんじゃない?」

絵里「大変よ亜里沙!矢澤さんが亜里沙をお嫁さんにしたいって」

にこ「言ってないわよ!」
18: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:57:01.67 ID:E/AD3n7Q.net
『え!?…ヤザワさんて誰?…ボーリョクダンの人?』フルフル

穂乃果「それはヤクザさんでしょ」

『そっか。…って、お姉ちゃんじゃない…誰ですか?』

穂乃果「高坂穂乃果だよ。昨日絵里さんが泊まった家の…」

『ああ、お姉ちゃんのお友達ですか』

穂乃果「ううん。絵里さんは私の彼女」

『カノジョ…コビトさんですね!?』

穂乃果「廃校ー♪廃校ー♪学校が好き♪…違うよ。小人じゃなくて恋人!」

にこ「もう切るわよ。遅刻しちゃうから…またね」

『はい。行ってらっしゃい』

絵里「って、どうして切っちゃうのよ。私も、もっと亜里沙と話したかったのに…」

にこ「いや、だったらなんで私たちに代わるのよ…妹との電話なんてあんた一人でしなさいよ」

穂乃果「でも可愛いよね。亜里沙ちゃん♪」

絵里「亜里沙が可愛いのは言うまでもないけど、いつ私が穂乃果の恋人になったのよ…亜里沙に変なこと教えないで!」

凛「かよちん!遅刻しちゃうよー><」

ほのえりにこ「カヨチン?」

花陽「えっ。…は、はい。何ですか?」

【音ノ木坂】

絵里「ほら、あなたから説明して頂戴。穂乃果は私の恋人じゃないって…」

花陽「えぇ!?…だ、誰に説明するんですか…?」

凛「かよちんは人見知りするからにゃ。凛が代わりに話しますよ」

『お姉ちゃん。どうしたの?』

凛「あのね、ホノカちゃんはお姉さんのカノジョさんじゃないんだって!」

『はあ。…えーと、お姉ちゃんのお友達ですか?』

凛「ううん。全然知らない人」

『えぇ…どうしてお姉ちゃんのスマホで電話してるの…』

花陽「り、凛ちゃん…生徒会長さんだよ」

凛「え!?…あ、あなたが生徒会長さん!?」

『ううん。亜里沙じゃなくて、お姉ちゃんがオトノキの生徒会長さんなの』
19: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 00:59:46.51 ID:E/AD3n7Q.net
凛「なーんだ…先輩にしてはずいぶん可愛いと思ったにゃ」

『そ、そうですか?…お姉ちゃんのほうが可愛いですよ♪』

凛「はい、かよちん」

花陽「え?…わ、私…?」

凛「あのね、凛が知ってる女の子の中で一番かわいい子が今そばにいるから。電話代わるねっ」

花陽「り、凛ちゃん…やめてよぉ///」

『お姉ちゃん?』

花陽「あ、あの…ごめんね。お姉さんじゃなくて…私、小泉花陽です…」

『お姉ちゃんのお友達ですか?』

花陽「ううん。同じ学校だけど今まで一度も話したことなくて…私たち、入学したばかりの一年生だから」

『そうなんだ…お姉ちゃんと仲良くしてあげてね♪』

花陽「う、うん。できれば仲良くなりたい…かも///」

『Хорошо♪』

花陽「それとね、私より凛ちゃんのほうが可愛いから…凛ちゃんなら生徒会長さんにも負けてないよ♪」

『はあ。リンさん?はお姉ちゃんと同じくらい可愛いんですね?』

凛「なんで嘘つくにゃ!凛は可愛くないよ。一番可愛いのはかよちんだもん」

にこ「はいはい。いいかげんホントに遅刻するから切るわよ。またね」

穂乃果「あ、ひどい。私まだ全然話してないのに」

にこ「あんたはさっきも話してたじゃない。学校終わってからまた電話でもしたらいいでしょ」

絵里「私も話してない…」クスン

にこ「あんたは帰ってから直接話しなさい!」

希「おはよー。みんな揃って何してるん?」

絵里「亜里沙と電話してたの。みんな亜里沙が可愛いからどうしても話したいって」

にこりん「言ってない(にゃ)」

希「まあ、大方エリちのいつもの妹自慢やろな」

絵里「世界一可愛い妹を嫌いな人がいて?」

凛「どうしてそこまで断言できるにゃ」

にこ「ただのシスコンでしょ。…まあ、妹が可愛いって気持ちはわかるけど」

穂乃果「えー?…そうかなぁ」
22: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 01:05:03.72 ID:E/AD3n7Q.net
希「雪穂ちゃんも可愛いやん?」

絵里「そうね。亜里沙には負けるけど」

穂乃果「でも私に黙ってUTX行くなんて言うんですよ。浮かれて天狗になった外国かぶれの…」

絵里「音ノ木坂のほうが強いって思い知らせてあげましょう」

凛「何が強いんですかー?」

穂乃果「アイドルだよ!アイドル♪」

花陽「アイドル…?」

穂乃果「ヤマダ先輩。あの雑誌貸してください」

にこ「矢澤よ!矢澤にこ。ったく…ほら」

穂乃果「うまいティーだわハラショー♪って、これ雪穂が持ってた雑誌じゃん!」

花陽「つまり、お茶のおいしさでUTXに勝つ…?」

希「なるほど。そういえば御茶ノ水も、お茶に使った湧水が地名の由来やったね」

凛「でも東京で、美味しい茶葉ができるんですかー?」

海未「茶の木は苗を植えてから収穫できるまで四年はかかるんですよ。今から始めてもうまくいくはずないでしょう?」

ことり「とりあえずお母さんのところへ行ってみようか」

コンコン

絵里「失礼します」ガチャ

穂乃果「失礼っていうけどさ。私たちの方から来るのが普通でしょ?」

希「まあ、理事長に話があるから来いって言って呼び出すほうが失礼やね」

ことり「でも、廃校になるからどこへ旅行に行こうかなっていうのは生徒や卒業生に対して失礼じゃないの?」

理事長「こ、ことり…えーと、大勢でいったい何の話?」

希「入学希望者が定員をうま…」

凛「噛んだにゃ」

花陽「り、凛ちゃん…」

穂乃果「神田“穂むら”春のおすすめ商品は東西桜餅食べ比べセット!東京生まれの長命寺に、大阪・藤井寺の──」

絵里「そんなことより…まずは亜里沙と話してください」

理事長「えーと…?」

絵里「亜里沙は音ノ木坂に入りたいと言ってくれてるんです。雪穂さんとは違って!」

穂乃果「そうだよ!雪穂ったらひどいんですよ。私に黙ってUTX行くとか決めちゃって…」

理事長「そんなこと私に言われても…」
23: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 01:06:59.68 ID:E/AD3n7Q.net
穂乃果「廃校にならなければ雪穂だって音ノ木坂に来ますよ。雪穂は私のことが世界一大好きなんだから!」

『ちょっ…なに言ってるの、お姉ちゃん!恥ずかしいからやめてよ///』

穂乃果「え?…あ、あれ?なんで雪穂が絵里さんのスマホに電話してくるの?」

『いや、絵里さんから亜里沙に電話かかってきたんだよ。で、たまたま私が亜里沙と一緒にいたの』

穂乃果「そっか。…ねえ、雪穂からも何とか言ってやってよ。理事長に!」

『ことりちゃんのお母さん?…まあいいけど』

理事長「雪穂ちゃん?…久しぶりね。元気?」

『まあ、それなりに…ところで音ノ木坂って廃校になるんですよね?』

穂乃果「ならないよ!」

『お姉ちゃんは黙ってて。…あのさ、UTXってまだ比較的新しい学校だけど。でもUTXがあの手この手でどんどん生徒を集める間に何年か経ってるよね』

にこ「まあ、少なくともA-RISEの三人が入学した頃にはもうあったわね。UTX」

『その間に少しでも負けないように努力したの?…何もしてないんだったら廃校になって当然だと思うけど』

にこ「…って言ってるけど」

凛「わかるにゃー」

理事長「確かに…ですが、そう簡単に生徒が集まらないからこそ、この結果なのです。何かいい方法があるんですか?」

『ニッポン、いいところたくさんあります。ごはん美味しい、お茶も美味しい。お姉ちゃんは可愛いし♪』

絵里「あ、亜里沙…それは今関係ないわよ///」

『そんなことない!お姉ちゃんはオトノキが大好きなの。亜里沙もお姉ちゃんが大好き…だから絶対オトノキへ行くんだもん!』

真姫「ここまで言われて、まだ何もしないつもり?」

花陽「って、西木野さん?」

理事長「思いつきで行動しても簡単に状況は変わりません。生徒会は今いる生徒の」

絵里「今!ここにいる生徒は全員、自分たちの力で廃校を防ごうとしています!」

凛「凛は何も言ってないけどにゃ」

真姫「私も今のところ別に…」

ヒデコ「私たちもいるよ!」バーン

フミコ「穂乃果ちゃんが何かするなら手伝うよ♪」

ミカ「うん。何やるのかわかんないけど…」

アルパカ「メ゙ェェ」

花陽「って、アルパカさん連れてきちゃったのぉ!?」

理事長「ちょ、ちょっと…どうして私のところに集まってくるの?」
24: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 01:16:16.18 ID:E/AD3n7Q.net
アルパカ「フガッ」

理事長「ひぃ!?」

バタン

【屋上】

穂乃果「アイドル…お茶の木…うーん。ダメかなぁ」

ザッザッ\ファイッ↓トォー↑/

穂乃果「ん…?」

にこ「…で、なんでドアの隙間から覗いてんのよ?」ヒソヒソ

希「誰かが向こうから開けるのを待ってるん」ヒソヒソ

絵里「西木野さんなら音楽室へ行ったみたいだけど…」ヒソヒソ

凛「お弁当、屋上で食べないんですかー?」ヒソヒソ

花陽「天気もいいし…」

海未「桜が咲いていますから、屋上で花見もできますよ」ヒソヒソ

ことり「穂乃果ちゃん、早く開けてくれないかなぁ…」ヒソヒソ

ヒデコ「穂乃果。こんなところにいたの?」

フミコ「お昼、一緒に食べよう。穂乃果ちゃん♪」

穂乃果「うん。それはいいんだけど…ねえ、ミカ」

ミカ「なに?」

穂乃果「今グラウンドで走ってる人たちって…一斉に何か掛け声みたいなの言いながら走るでしょ」

ミカ「あー。そういえばあるね」

フミコ「運動部特有って感じだね」

ヒデコ「何言ってんのかよくわかんなかったりするけど」

穂乃果「そうそう。あれって何でもいいのかな?」

ミカ「部活によっては数を数えながら走ったりもするよね」

ヒデコ「12342234…みたいなやつだね」

穂乃果「ちょっと楽しそうだよね♪」

フミコ「穂乃果ちゃん、何か新しく運動部に入りたいの?」

穂乃果「んー。別に入部しなくても…気が向いたときに走るだけで充分かなぁ」

ヒデコ「要するにあれをやってみたいだけってこと?」

穂乃果「うん。掛け声も私たちで考えるの♪」
25: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 01:21:13.88 ID:E/AD3n7Q.net
ミカ「ひーっふみー。ひっふみー」

ヒデコ「ひー」

フミコ「ふー」

ミカ「みー」

ヒフミ「12342234!」ザッザッ

穂乃果「ちょ、ちょっと…どこ行くの?」

ガチャ…ギィ

希「わ」ドサドサッ

ヒデコ「副会長?…何してるんですか?」

フミコ「ドアの前にみんな集まって…」

ミカ「…大丈夫ですか?」

絵里「は、ハラショー」

にこ「重いわよ。早くどいて!」

花陽「ご、ごめんなさい…」

凛「もー。最初から素直に屋上にいればいいのに。凛たちバカみたいじゃん!」

海未「バカなんです」

ことり「ほ、ホノカチャーン」

穂乃果「みんな…何やってるの?」

にこ「ふーん。ランニングの時の掛け声ねえ…」

凛「ただ黙って走るより楽しくなりそうな気がするにゃ♪」

ことり「どんな掛け声にしたいの?」

穂乃果「やっぱり私たちならではっていうか…ありきたりなのじゃなくて、みんなで考えたのがいいかなって」

花陽「掛け声のために走るんですか…?」

絵里「みんなで何か考えるのはいいけど、目的もなく走ってるヒマなんてないでしょ?」

海未「そうですね。それが廃校阻止につながるとは思えません…」

希「まあ、せっかくだから考えてみようよ。ごはん食べる間くらいやったらいいやろ?」

凛「すぐおいしい♪すごくおいしい♪」

花陽「それは掛け声っていうよりCMソングだよね…」

希「チキンラーメンおいしいよね。ウチも割と好き♪」
26: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 01:22:33.95 ID:E/AD3n7Q.net
絵里「それで廃校を阻止できるの?」

凛「ベルマークもついてるんですよー」

ヒデコ「ベルマークって集めると何かあるんだっけ?」

海未「PTAの資金になるんです。1点あたり1円で、ベルマークを発行している企業などから寄付金を貰えるシステムで…」

希「たくさん集めれば学校の備品を買ったりできるん」

ほのヒフミ「へー」

にこ「中学や小学校では集めてたりするけど…高校でも資金になるもんなの?」

ことり「どうなんだろう…後でお母さんに訊いてみようかな」

花陽「でも商品の値段に対して1%くらいの点数だから、何かのついでに集める程度じゃないと全然、割に合わないよね…」

凛「ベルマークのこと知らなくてパッケージとかをそのまま捨てちゃってる人もいるはずだから、結構もったいないことしてると思うけどにゃ」

にこ「お金を捨ててるようなものだと思うと、もったいないわね」

凛「そう。たとえばチキンラーメンを毎日食べる人がいて、ベルマークを切り取らずに全部捨ててたら…」

にこ「一日1点でも年間365~366点!これを十年続けたら3650円以上の損失よ!」

絵里「十年でそれだけって気もするけど…」

希「まあ、一人の力ってそんなもんだよね。やるならみんなで集めないと…」

穂乃果「って、ベルマークの話になってるよー!ランニングの掛け声はー!?」

ミカ「走ってもお金にならないし…」

フミコ「ベルマークのほうが少しは廃校阻止の助けになるかもしれないね…」

絵里「ただ、私たちに残された時間は短いし…ベルマークだけで廃校を阻止っていうのは現実的じゃないわね」

ことり「でも他に名案があるわけじゃないし…」

にこ「そーね。今日のところはこれでいきましょ」

ザッザッ…

凛「ベルマークいっぱい集めるぞ♪」

ことほのうみのぞえりぱなヒフミ「ベルマークいっぱい集めるぞ…」

にこ「百万点なら百万円♪」

ことほのうみのぞえりぱなヒフミ「百万点なら百万円」

にこりん「一億点なら一億円♪」

真姫(ヴェぇ…何の集まり?)
28: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 01:26:51.12 ID:E/AD3n7Q.net
【音楽室】

穂乃果「歌、上手だね!ピアノも上手だね♪」

真姫「別に…」

穂乃果「浮かれた天狗になってみたいと思わない!?」

真姫「イミワカンナイ」

穂乃果「ま、待って。つまり、この人たちみたいな…」ペラ

真姫「ベルマークを集めて買い物をすると金額の10%が寄付されます」

穂乃果「あ、あれ?これベルマークの資料だった…UTXのパンフレットは?」

真姫「知らないわよ。…そういえば昔、ピアノにもベルマークがついてたんですって」

穂乃果「そうなの?」

真姫「ええ。河合楽器だったかしら…グランドピアノを買うと100点のベルマークがついてて。…でも、私たちが小学校に入る前くらいにピアノのベルマークは無くなったみたい」

穂乃果「今はないんだ…残念だなぁ」

真姫「つまり十数年以上前の古いピアノならベルマークがついてた可能性があるってこと」

穂乃果「へー!じゃあ、もしかしてそのピアノも…!?」

真姫「いや、これは違うわよ。海外のメーカーだし」

穂乃果「なーんだ…」ガクッ

【弓道場】

『みんなのハート撃ち抜くぞー!ばぁん♪』

カラン

モブ三年「外したの!?…珍しい」

海未「い、いえ…たまたまです」

モブ三年「弾じゃなくて矢よ?」

海未「え!?…あ、ああ…そっちですか」

海未(てっきり私の妄想を見透かされたのかと…単なるダジャレですか)ハァ

モブ三年「そっち?」

海未「な、何でもありません」

ことり「海未ちゃーん」タタタ

海未「穂乃果のせいです…全然練習に身が入りません」

ことり「お茶の木は現実的じゃないとして、あとは動物とベルマークと…海未ちゃんも何か考えてたの?」

海未「えっ。…い、いえ。特には…」
29: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 01:28:51.49 ID:E/AD3n7Q.net
『アイドルだよ!アイドル♪』

海未(穂乃果は何の話をしようとしていたのでしょうか…確かにアイドルと言っていたのに)

【生徒会室】

絵里「じゃあ、そろそろ行きましょうか…希は来ないの?」

希「ウチは神田の明神さんのお手伝いがあるん」

にこ「よくやるわね。正月とかならわかるけど、今の時期ってそんなに仕事があるもんなの?」

希「企業秘密や」

にこ「…あっそ」

絵里「ふふふ。新しいお友達ができて亜里沙も喜ぶかしら?」

にこ「いや、なんであんたの妹と友達なのよ…私は中学生じゃないんだけど」

希「むしろ小学生くらいに見えるんやない?」

にこ「うっさい。あんたはさっさと厳島でも出雲大社でも行ってきなさい!」

希「神田の明神さんやって。じゃあ、お先に」ガチャ

パタン

絵里「厳島って、確か日本三景の…」

にこ「そ。海に大鳥居が立ってるとこ」

絵里「行ったことある?」

にこ「ないわよ。…悪い?」

絵里「いえ…私も行ったことないし」

にこ「出雲のほうは希が島根にいたとき行ったみたいね」

絵里「中学生の頃だっけ?…もし今も希が島根にいたら、音ノ木坂で一緒に過ごすこともなかったのね…」

にこ「静かで平和でしょ?」

絵里「居なかったら寂しいわよ」

にこ「あんたは今以上に妹にベッタリね」

絵里「矢澤さんはどうなの?」

にこ「私はそこまでシスコンじゃないわよ」

絵里「本当かしら…」
30: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 01:36:21.77 ID:E/AD3n7Q.net
【翌朝・生徒会室】

絵里「おはよう穂乃果。今日は何?」

穂乃果「講堂を借ります!」

絵里「ダメ」

穂乃果「なんで!?話くらい聞いてくださいよ!」

絵里「冗談よ」ナデナデ

希「何をするつもりなん?」

海未「まだ何をするかは決めていないのですが…」

希「んー。それやとさすがに先生からツッコミが入ると思うよ」

絵里「当然ね。目的もなく借りてどうするのよ?」

穂乃果「なんかいろいろできそうかなって…お茶会だったり、動物を連れてきたり…」

海未(そ、それに…アイドル)

『ラブアローシュート!』

希「よし。ここはひとつウチが占ってあげよう」パラララ

にこ「占いなんかでどーすんのよ?」

真姫「講堂で何をするか占いで決めるんですか?」

穂乃果「あれっ、みんな来たの?」

ゾロゾロ

凛「タロットだぁ…かよちんのお母さんとおんなじだね♪」

花陽「う、うん…」

希「まあ、そもそものきっかけが小泉先生に教わったことやし…」シュタタタ

希「えーと…じゃあ、まずは言い出しっぺの高坂さんがカードを一枚めくってみて」

穂乃果「どれでもいいんですか?」

希「うん」

穂乃果「じゃあ…これ」スッ

パタ

穂乃果「大きな手?…こんなカードあるんだ」

にこ「なんか不気味なカードね」

希「これは小アルカナ。ワンドのエース、逆位置や。意味は…“衰退”」
31: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 01:38:10.42 ID:E/AD3n7Q.net
ことり「権力を手にして甘い汁を…」

希「いや、吸いたいんやなくて…衰えて退くと書いて衰退」

穂乃果「えぇ!?…それって」

絵里「…現在の音ノ木坂ね」

希「そやね。じゃあ次は…高坂さんと同じくらい現在の状況に危機感を抱く、エリちやな」

絵里「こんなもので何かが変えられるの…?」スッ

希「大アルカナの0番、愚者のカード…逆位置。意味は“無謀”」

にこ「衰退した音ノ木坂を救うには無謀な賭けが必要…ってとこ?」

希「たぶん、そんな感じやね。じゃあ、次は無謀さに定評のあるにこっち」

にこ「大きなお世話よ。ったく…これでいい?」パタ

希「またワンドやな…6の逆位置。意味は“逆転劇”」

穂乃果「無謀に思える行動で、今の状況を逆転できるんだ!?」

希「そうかもしれないね。…じゃあ、次が最後のカードや。死の運命を生に変える、最大の逆転劇…医者を目指す西木野さん」

真姫「…私?」

凛「お医者さんになるのー?」

花陽「西木野さん、ピアノも歌も上手だけど…」

真姫「どうでもいいでしょ。…はい」パタ

希「大アルカナの1番、魔術師のカード。逆位置…意味は“機会を逃す”ってところやな」

にこ「…なんか、期待させといて盛大にコケた感じね」

穂乃果「ダメだぁー」ガクッ

真姫「わ、私のせいじゃないわよ。…そもそも、ぼんやりしててよくわからない占いだし。結局何をすればいいのよ?」

花陽「えーと、エースは1だから…これって」

にこ「…あんたも気づいた?」

ことほのうみのぞえりまきりんぱな「?」

海未「何に気づいたんです?」

にこ「カードが出た順に数字を並べて書くでしょ。こうやって…」カキカキ

ことり「最初がAだから1、次が0、そして6、最後も1だよね」

絵里「1061…これが何だっていうの?」

にこ「よく見なさいよ。手書きだと6は上を曲げないでbみたいに書くでしょ」

花陽「そして、全部のカードが逆位置…さらに、逆転劇」
33: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 01:40:40.50 ID:E/AD3n7Q.net
凛「逆から読むってことー?」

穂乃果「1601?…やっぱり意味がわからないけど」

にこ「違うわよ。逆っていったら…こうするのよ!」

希(にこっちが書いた“1061”を鏡に映して見ると…)

ことうみのぞまきえり「…あ」
ほのりん「?」

海未「…アイドル」

にこ「そう。Idolよ!」

穂乃果「idol…誤った認識。邪神」

凛「辞書にはそんなこと書いてあるにゃ」

にこ「いや、変なのばっかり拾ってんじゃないわよ。英単語としての意味なんてどうでもいいの!」

花陽「衰退の現状を打開する、無謀な賭け…逆転劇の幕開け」

海未「それは──」

うみにこぱな「アイドル!!」

穂乃果「海未ちゃんまで一緒になって何言ってるの…?」

海未「そ、それは…元はといえば穂乃果が言い出したんじゃないですか」

『アイドルだよ!アイドル♪』

穂乃果「そんなこと…言ったっけ?」

ことり「うん。言ってたと思う…たぶん」

【二年教室】

ことり「というわけで…ステージ衣装のデザインを描いてみました♪」

穂乃果「かわいい♪…けど、気が早すぎない?」

ヒデコ「な、なんという速さ…これほど自由自在に“気”を操るとは!」

ミカ「何と戦ってるの?」

フミコ「気が早いっていうのも変な言葉だよね」

穂乃果「確かに…気が“ある”とか“多い”とかと違って“早い”気は恋愛は関係ないんだね」

海未「“気が早い”は、せっかち、短気といった意味ですから…この場合は“仕事が早い”と言うべきですね」

穂乃果「そっか」

ことり「えへへ♪」
34: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 01:46:32.91 ID:E/AD3n7Q.net
【生徒会室】

にこ「じゃあ、私たちのグループ名を決めるわよ!」

絵里「ちょ、ちょっと待って。私はアイドルやるなんて言ってないわよ?」

凛「凛もアイドルはちょっと…」

真姫「私もパス」

希「まあ、まあ。誰がステージに立つかはこれから決めるとして、とりあえず廃校を防ぐ活動自体のチーム名として考えてみたらいいんやない?」

穂乃果「えーと…今のところ十二人でいいのかな?」

ヒデコ「私たちもメンバーなの?」

ことり「仲間は多いほうがいいし♪」

ミカ「十二人といえば…」

フミコ「十二支?」

花陽「十二支といえば、動物…生き物」

凛「けものf」
にこ「却下」

穂乃果「じゃあ、十二人で…絵里さんは末期のシスコンでしょ」

絵里「末期って何よ…穂乃果だって重度のシスコンじゃない!」

穂乃果「十二人で妹といえば、シスt」
にこ「却下!真面目に考えなさいよ」

真姫「そもそもシスコンはあなたたち三人だけでしょ」

穂乃果「じゃあ西木野さんは何か考えてるの?」

真姫「十二といえば黄道十二宮よ」

凛「ぼくがー♪みーたー、希望ー♪」
ヒフミ「ぼくの希望ー♪」

希「それは日本香道やな」

穂乃果「坑道…廃坑!?」

真姫「いや、その坑道でもないし」

花陽「えーと…牡羊や牡牛とかの十二種類の星座…だよね?」

真姫「そう。zodiacよ!」

凛「厨二くさいネーミングにゃ」

真姫「な、なによ。ほかにいい案があるの?」

穂乃果「浮かれて天狗になった外国かぶれの奴ら!」

海未「それはUTXでしょう?」
35: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 01:49:39.60 ID:E/AD3n7Q.net
絵里「じゃあ、十二は一旦忘れて…音ノ木坂にまつわる名前なんていいんじゃないかしら?」

希「そやね。仲間はまだ増える可能性もあるんやし」

穂乃果「音ノ木なんの木気になる木!」

にこ「長いわよ。それだったら音ノ木坂学院アイドル研究部でいいじゃない」

凛「略して?」

希「ノド研」

真姫「なにそれ?」

希「音ノ木のノにアイドルのド、研究の研でノド研や」

にこ「いや、なんでそんな変な略し方なのよ…わかりにくいわよ!」

海未「まあ、歌とノドは関係ありますし意外と的確かもしれませんが…」

ことり「のど自慢って言うもんね」

にこ「考えてもキリがないわね。このままだといつまで経っても何の練習もできないわ」

穂乃果「あ。…じゃあ」

【廊下】

穂乃果「これでよし!」

海未「丸投げですか…」

希「悪い子はいねえがあー!?」

花陽「ピャァ!?…そ、それは“なまはげ”…」

凛「これ?」グイ

穂乃果「いたっ><…それは“ほのまげ”!」

ことり「あーりーがとうとかー♪おめでーとうーとかー」

穂乃果「いちどーでも、おおくーいいーたーいーじゃなーい♪」

にこ「それは“まるなび”ね」

穂乃果「よーし、歌とダンスの練習だ♪」

【校庭】

穂乃果「ここだと邪魔になりそうだね…」

にこ「邪魔って、字だけ見るとものすごく悪そうよね」

凛「暴走族みたいだよねー」

希「あとはプロレスラーとか…」
36: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 01:51:40.10 ID:E/AD3n7Q.net
ことり「でも気軽に使ってる言葉だよね。お邪魔します♪って」

絵里「確かに…別に邪魔しに行ってるわけじゃないけど」

海未「失礼しますと同じじゃないですか?こちらが訪ねる際に相手が何か作業をしていて、結果的に邪魔になる可能性もあるわけですから、一応の配慮といいますか…」

穂乃果「つまり失礼しますも相手に何か失礼なことをする可能性があるから先に謝っておくねってこと?」

凛「そこまで考えて使ってなかったにゃ」

【再び廊下】

海未「空き教室は使えないんですね…」

穂乃果「もー!使えないんだったら空き教室じゃないよ!」

凛「開かずの教室にゃ」

希「何か出そうな響きやね♪」

花陽「な、何が出るんですか…?」ビクビク

にこ「あくびが出るわ」ファー

ことり「そういえば…使えないって言葉も物理的に使用できないって意味と、役立たずでダメなやつみたいな意味があるよね」

真姫「まったく使えない理事長だわ。…とか、そんなのね」

絵里「ほんとにね」

ことり「あ、アハハ…はぁ」

【屋上】

ことり「贅沢は言ってられないよね」

にこ「空に一番近い場所よ。贅沢な練習場所じゃない」

真姫「雨が降ったらお休みで…なんて、だいぶ贅沢ね」

凛「ここで美味しいラーメンを食べられたら最高に贅沢だよねー♪」

海未「不満を言うのではなく、ありがたみを感じる“贅沢”…確かに、そう考えたほうがプラスになりますね」

キーンコーンカーン…

【高坂家】

穂乃果「おだんごといえば串だけどさ…」カキカキ

ことり「うん」

穂乃果「串っていう字は見事にその形状を表した漢字だよね」

ことり「確かに…でも、この刺さってるの四角いけど、何なのかなぁ?」

穂乃果「んー。おだんごじゃないとすると、こんにゃく?」

ことり「四角いこんにゃくだったら、普通は縦に一つじゃない?」
38: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 01:58:46.17 ID:E/AD3n7Q.net
穂乃果「そっか。じゃあ…雪穂ー!」

雪穂「何よ、またお茶?」

凛「こんにちはー♪」

花陽「お、お邪魔してます…」

真姫「…どうも」

にこ「穂乃果のことが世界一大好きな妹だっけ?」

雪穂「そ、それはお姉ちゃんが勝手に…///」

穂乃果「ねえねえ、この四角いのって何だと思う?」

雪穂「知らないよ…とうふ?」

凛「おとうふを串に刺してどうするのー?」

雪穂「どうするって…味噌つけて焼くとか」

にこ「ああ、手順はともかく豆腐田楽ってあるわよね」

ことりんまき「へー」

穂乃果「そっかぁ…じゃあとりあえず串の字の四角いのは、おとうふで決定」

にこ「つーか、せっかく集まったのに部屋でだんごなんか食べてていいの?」

穂乃果「お饅頭もあるけど…あ、雪穂。お茶!」

雪穂「はいはい…」

にこ「そうじゃなくて!アイドルの練習はどーすんのよ?」

真姫「私は別にアイドルなんてやりたくないし…」

凛「曲もないのにどうやって練習するのー?」

にこ「ほかのアイドルの曲でもやればいいじゃない。何もしないよりマシよ」

花陽「じゃ、じゃあ…たとえば、これ…とか」

\♪キャナイドゥーアイテーキベービ/

穂乃果「ああ、浮かれて天狗の…えっと」

凛「アブラアゲ?」

にこ「A-RISEよ!」

真姫「そもそもどうして調子に乗ってる人のたとえが天狗なのよ?おでん缶じゃあるまいし…」

ことり「確かに…外国かぶれの人っていうなら、もっと外国っぽいものにたとえたほうがいいかも」
39: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 02:00:25.46 ID:E/AD3n7Q.net
凛「はい!凛知ってるよ。鼻が長くて外国の話といえばピノキオだよねー♪」

穂乃果「きのこの帽子をかぶった小人?」

にこ「それはキノピオよ」

花陽「でもピノキオって鼻が伸びたシーンは序盤の一度だけで、最後はいい子になってハッピーエンドじゃなかったっけ…」

穂乃果「だから天狗みたいに調子に乗ってる人のたとえとして定着しなかったのかな?」

ことり「ピノキオの鼻が伸びたのは嘘をついたからでしょ。浮かれて天狗になってる人たちは嘘つきとは限らないし」

真姫「まあ、どうでもいいわね。浮かれて天狗になった人のためにわざわざ考えてあげるのも時間の無駄だし」

凛「西木野さんが言い出したにゃ」

真姫「ちょっと気になっただけよ」

雪穂「お茶どうぞ」

ことほのにこまき「ありがと」
凛「ありがとにゃ♪」
花陽「あ、ありがとう…」

真姫「おいしい…まだ四月中旬だから新茶じゃないわよね?」

穂乃果「ふっふっふ…そう思う?」

花陽「あ…確か、九州のお茶は四月には新茶が採れるんだっけ」

穂乃果「その通り!これは鹿児島の新茶で、三月には全国で一番早い“走り新茶”ができるんだよね♪」

ことにこまきりんぱな「へー」

希「いい香りやね」

絵里「お邪魔します」

穂乃果「絵里さんに副会長さん。いらっしゃい♪」

にこ「やっと来たわね。じゃあ練習、始めましょ」

希「ちょっと待って。ウチらの分のお茶とおだんごは?」

にこ「何のために集まったと思ってんのよ。お茶飲みに来たわけじゃないんだからね!」

凛「本当にピノキオの曲やるのー?」

花陽「ピノキオじゃなくてA-RISE…」

真姫「やる必要ないでしょ?私たちの曲を作ればいいじゃない」

絵里「西木野さん…作れるの?」

真姫「…できるけど」

海未「何ができるんです?」

穂乃果「海未ちゃん。いらっしゃい♪」
40: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 02:02:17.66 ID:E/AD3n7Q.net
真姫「曲だけなら私が作るわ。…あとはあなたたちで適当に歌詞をつければいいでしょ」

にこ「適当にって…曲作るんだったら歌詞も書いてよ」

真姫「…全部ドイツ語でいいんだったら書くけど」

海未「どうしてドイツ語なんです?」

凛「外国かぶれの人にゃ」

真姫「いや、アイドルが歌うような歌詞を日本語で書くのって私のキャラじゃないし。それなら日本語以外のほうがまだ恥ずかしくないっていうか…」

ことり「日本語で恥ずかしい詞?」

穂乃果「それなら…」

海未「…え?」

【翌朝・神田明神】

ドタバタ

海未「まだ半分も終わってませんよ!ペースを上げないと遅刻します!」

ヒデコ「な、なんで私たちまで…」ゼーハー

フミコ「っていうか海未ちゃんは…」

ミカ「走ってないじゃん!」ハァハァ

海未「これは基礎体力をつけるための練習ですから。私と星空さんと生徒会長には必要ありません」

穂乃果「本当に、アイドルやるつもりなの…?」

ことり「最初は動物を増やそうって話だったような…」

花陽(た、タスケテ…)フラフラ

にこ「つーか、希は何やってんのよ…」

希「スピリチュアルな場所やからね」

凛「すぴ…?」

真姫「霊的な、とか…そんな意味でしょ」

凛「幽霊が出る場所ってことー!?」

絵里「な、なに言ってるのよ。そんなの…出ないわよね?」

希「どうやろ…出るときは出るんやない?」

凛「出るときって、いつですかー?」

絵里「希!巫女さんがそんなデタラメ言っていいの!?」
41: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 02:04:44.83 ID:E/AD3n7Q.net
真姫「そういえば出鱈目って何なのかしら…サバを読むみたいに魚と関係あるの?」

希「いや、確か鱈は単なる当て字で意味はなかったはずや。幽霊の話じゃないけど、いつ何が出るかわからないっていう…博打のサイコロの目って説もあるん」

えりりんまき「へー」

凛「出目で魚っていったら、タラよりも出目金だよねー」

希「そやね。金魚といえばお祭り、お祭りといえば神社や」

【五月】

穂乃果(廃校阻止のために集まった十二人…でもμ'sのファーストライブに来てくれたのは)

海未(その十二人以外では三人だけ…)

真姫「生徒会って、会長と副会長だけじゃなかったのね…」

生徒会A「ライブよかったよ!」

生徒会B「衣装も可愛いし…」

生徒会C「会長はメンバーじゃないんですか!?」

絵里「え!?…いや、私はアイドルやるなんて言ってないし」

生徒会A「声も綺麗だし…」

生徒会B「衣装も似合いそう♪」

生徒会C「抜群に可愛いし♪」

絵里「や、やめてよ///」

希「エリちがμ'sのメンバーになれば、今より人気が出るやろな」

海未「廃校を阻止するためには生徒会長が必要です!」

絵里「私より西木野さんのほうが…」

真姫「私は作曲で協力してるし」

絵里「それなら私だって練習の指導はしてるじゃない」

にこ「つべこべ言わずに二人とも入りなさい!」

凛「つべこべって何?」

花陽「何だろう…言葉自体に意味はないんじゃないかな?」

穂乃果「わんわんでも、ちゅんちゅんでもいいってこと?」

ことり「ちゅんちゅん♪」

海未(いまだに、どうして穂乃果があのとき唐突にアイドルと口走ったのか全くわかりません…でも、結果的に皆を巻き込んで本当にスクールアイドルを始めてしまった)

希「言葉には不思議な力があるのかもね」

真姫「またスピリチュアルですか?」
42: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 02:08:30.30 ID:E/AD3n7Q.net
にこ「何でもいいけど、希も参加しなさいよ!」

希「…え、ウチも?」

【五月十八日】

雪穂「お姉ちゃーん!これ、お姉ちゃんの?」

穂乃果「えっ。…何、何の荷物?」

雪穂「生物…って書いてあるけど?」

穂乃果「なまもの?」

ベリッ

雪穂「…たまご?」

穂乃果「忘れてた…」

『もっと動物を増やしてみる…とか?』
『どうやって連れてくるの?…ただでさえ経営が厳しいのに予算の問題が…』
『1点あたり1円で』
『たくさん集めれば学校の備品を買ったりできるん』
43: 名無しで叶える物語 2017/05/18(木) 02:09:04.56 ID:E/AD3n7Q.net
【音ノ木坂】

にこ「はぁ?…鳥の名前?」

ことり「でもこれ、タマゴ…だよね」

穂乃果「そう!ベルマーク貯金で珍しい鳥のタマゴを買ったの♪」

凛「あ…この鳥、テレビで見たことあるにゃ」

花陽「無事に成長したら、かなり大きくなるはずだけど…」

穂乃果「すごく人気があるんだって!これならアルパカさん以上に有名になるかも♪」

絵里「でも予算の都合とはいえ…」

海未「私たちだけでタマゴを無事に孵化させられるのですか?」

穂乃果「みんなで交代で温めよう!名前をつけて愛情を注げば、きっと生まれてきてくれるよ♪」

真姫「生まれる前から名前考えるって…人間の子供並みの待遇ね」

希「タマゴに歌でも聴かせてみる?」

穂乃果「歌だけじゃなくて、いろいろ話しかけてみようよ!だって言葉には──」

海未(私たちが本当に廃校を阻止できるのか、まだわかりません…でも)

穂乃果「鳥の子供だから、ことりちゃん!」

ことり「えぇ!?」

にこ「いや、真面目に考えなさいよ…」

凛「まだタマゴだから、タマちゃん♪」

花陽「その名前だと鳥より哺乳類っぽいような…」

真姫「また募集でもしてみたら?」

希「何だったらウチの占いで…」

絵里「ね、ねえ。…タマゴの中から音がするんだけど…」

ことほのうみのぞにこまきりんぱなヒフミ「え!?」

海未(絶え間なく言葉が飛び交うほど多くの仲間に恵まれたことは、私たちにとって…何より頼もしい力になるはずです)



おわり
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『にこ「五月」穂乃果「十八日」絵里「は」海未「ことばの日」』へのコメント

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