英玲奈「五月」あんじゅ「二十日は」ツバサ「森林の日!?」

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1: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:01:41.73 ID:a2LQM6Qw.net
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1494169673/21の続き

ツバサ(音ノ木坂の子が持ってきたゴーヤーの種を英玲奈が植えて、みんなで育ててみたけど…)

ツバサ「な、なにこれ!?」

ツバサ(ゴーヤーのツルがどこまでも伸びて…辺りを覆い尽くすほど増えてる)

ツバサ(緑のカーテンっていうより…まるで森ね。…まだ実どころか花も咲く段階じゃないはずなのに)

ツバサ(夢でも見てるのかしら…前も後ろも左も右も、見渡す限りゴーヤーの森が広がってるなんて)

ツバサ「英玲奈ー?あんじゅー!」

ツバサ(いないみたいね。…とりあえず進むしかないか…)

ガリゴリ…

ツバサ(ん?…何の音かしら?)

海未「苦い…でも美味しいです」パリポリ

ツバサ(誰かがゴーヤーの実をかじってる…うさぎ?)

ツバサ「うさぎさん…あなたは誰?」

海未「園田海未です。あなたもゴーヤー食べますか?」

ツバサ「い、いや…いらないわ。私、ゴーヤーって苦手だし」

海未「苦味はありますが、とても栄養があるんですよ」

ツバサ「そう言われても…ゴーヤーを生で丸かじりなんて私には無理よ」

海未「でも森の中では…道具がないと料理もできませんよ。火もありませんし」

ツバサ「ゴーヤーはいいから…それより、うさぎさん。森の出口を知らない?」

海未「出口…ですか。この森から出たいのですか?」

ツバサ「ええ。見渡すかぎり同じような景色で、どっちへ行けばいいのかわからなくて…」

海未「それならゴーヤーを食べながら進めば良いのです。ゴーヤーは茎や葉も食べられるそうですよ♪」

ツバサ「い、いや…この量はちょっと…だいたい実を食べるのだって生じゃきついのに葉や茎なんて無理よ」

海未「ダメですか…」シュン

ツバサ「ふふふ…でもありがと。うさぎさん♪」ナデナデ

海未「い、いえ。私は何も…///」

ツバサ「ねえ、うさぎさん?よかったら私と一緒に出口を探してくれないかしら?」

海未「ええ。私でよろしければ…」

ツバサ「ありがとう。私は綺羅ツバサ。よろしくね♪」

タタタ ピョーン

元スレ: 英玲奈「五月」あんじゅ「二十日は」ツバサ「森林の日!?」

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3: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:03:43.02 ID:a2LQM6Qw.net
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1493147035/1-6の続き

あんじゅ(これもゴーヤーだわ。…もしかして、周りの植物は全部…?)

あんじゅ(ゴーヤーの森なんて聞いたことないわよ。私の背丈の何倍もありそうだし…こんなに伸びるものなの?)

あんじゅ「英玲奈ー!ツバサー!」

トテテテ…

あんじゅ「えっ(何か動物?が出てきた…キツネ?)」

絵里「ハラショー」

あんじゅ「か、かわいい…っていうか、まさか…お姉ちゃん!?」

絵里「なあに?あんじゅ」ピョン

あんじゅ「なんか小っちゃい…」ナデナデ

絵里「えへへ」パタパタ

あんじゅ「キツネみたいなしっぽがある…」モフモフ

絵里(くすぐったい…)フルフル

あんじゅ「可愛いー♪このままお持ち帰りしちゃいたいわね」ギュ

絵里「自分で歩けるわよ」

あんじゅ「いいから、とりあえずこのまま行きましょ♪」

絵里「あんじゅはゴーヤー好き?」

あんじゅ「んー。昔よりは苦手じゃなくなったかな。ただ、自分から選んで食べるほどじゃないけど」

絵里「私も、ちょっと苦手だったの。今は食べられるけど」

あんじゅ「そうなんだ…っていうか、ここってどこなの?」

絵里「森」

あんじゅ「いや、それは見ればわかるけど…ゴーヤーの森なんて東京にはないわよね?」

絵里「私たちが育てたゴーヤーが増えすぎて、こうなったのかも…」

あんじゅ「UTXじゃなくて音ノ木坂のゴーヤーってこと?」

絵里「わからないけど…亜里沙たちの中学校でもゴーヤーを育ててるみたいだし、あちこちのゴーヤーが集まって大きな森になったんじゃないかしら?」

あんじゅ「不思議ね…ゴーヤーがこんなに大きくなるなんて思わなかった。これだけあったら一生食べてもなくならないって気がするわ」

絵里「ゴーヤーの実ひとつでも種がたくさんとれるし、育てるのも簡単…だから無限に増やすことができるわ」

あんじゅ「そうよね…地球がゴーヤーに覆い尽くされる可能性も無いとは言い切れないのかしら」

絵里「森は素敵なところよ。空気もキレイだし♪」

あんじゅ「そうね…まあ、気楽に出口を探しましょ」
4: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:06:14.95 ID:a2LQM6Qw.net
絵里「抱っこはもういいわ。私が案内してあげる♪」ピョン

あんじゅ「あ、待って。ゆっくり行きましょうよ」

スタスタ トテテテ…

英玲奈(森…のようだが、生えている植物はほとんどゴーヤーに見える)

英玲奈(しかしプランターに植えただけのゴーヤーがここまで増えるとは思えない…これは夢か)

英玲奈「ふー」

英玲奈(とても澄んだ、良い空気だ。ここは少なくとも秋葉原ではないのかもしれない)

英玲奈(さて…どうしたものか。どちらを向いても同じような景色で出口も見えない。素手で引っこ抜くには、大きなゴーヤーは育ちすぎだ)

「…」Zzz

英玲奈(ん?…何かいる…あの大きなフサフサした塊は…獣か)

英玲奈(眠っているようだが…これは、もしや…野生の熊?)ヒヤアセ

英玲奈(引き返すか…いや、ここを素通りするならこれが眠っている今がチャンスだ。逃せばこの先へは行けなくなる)

英玲奈(起こさないように…)ソローリ

バシッ

「ふぎゃ><」

英玲奈(黄色く熟したゴーヤーの実が落ちてきた…最悪のタイミングだ。よりによって熊の頭に…)

「くまくま…(いててて)」

英玲奈「ん?(どこかで見たような…)」

「くま?(あれっ)」

英玲奈「何だか…高坂穂乃果に似ているな」

http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1493046229/18

穂乃果「くまくま♪(英玲奈さん)」

英玲奈「やはり君か…しかし、その姿は…」ナデナデ

穂乃果「くまくま、くままー」

英玲奈「喋れないのか…これを食べるといい」

穂乃果「くまっ♪」パク

穂乃果「」オエッ

英玲奈「どうだ…?」

穂乃果「にがーい!これ、まさかゴーヤー!?」ペッ

英玲奈「ああ。黄色く熟した物だ。緑色のゴーヤーより不味い」
5: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:08:31.91 ID:a2LQM6Qw.net
穂乃果「変な物食べさせないでくださいよ!」プンプン

英玲奈「だが喋れるようになっただろう?体も小さくなったし…」

穂乃果「ホントだ…っていうか私、どうしてくまさんなんだろう?」

英玲奈「その姿も、なかなか可愛い」ナデナデ

穂乃果「そ、そうですか?…えへへ♪」

英玲奈「君の姿のことは置いておくとして…ここはどこだ?…ゴーヤーの森など見たことがない」

穂乃果「んー。よくわかんないけど…せっかくだから、のんびりしましょうよ♪」

英玲奈「まあ、食糧と水分はゴーヤーから得られるし、ただちに命の危機という状況ではなさそうだが」

穂乃果「ゴーヤーは、やっぱりちょっと苦手だけど…森の中なんだし、きっと探せば美味しい物とか見つかりますよ♪」

英玲奈(…姿は変わっても、やはり中身はいつもの穂乃果だ)クス

チチチチ…

ツバサ「ゴーヤーの森なのに野鳥もいるみたいね」

海未「まあ、うさぎもいますし…」

ツバサ「うさぎが野菜を食べるのはわからなくもないけど、野鳥がゴーヤーを食べるの?」

海未「鳥は熟した黄色い実を食べると聞いたことがあります」

ツバサ「へー」

海未「私たちが食べる場合、緑色のゴーヤーに比べて黄色く熟した物は不味いらしいですが…」

ツバサ「いや、私は苦手だからほとんど食べないけどね。ゴーヤー」

海未「調理の仕方によっては苦味を減らすこともできますが…ゴーヤーは苦ければ苦いほど栄養があるんですよ」

ツバサ「うさぎさんなのにお料理するの?」

海未「強火で作る炒め物などは得意なんです。あとは餃子とか…」

ツバサ「ふーん…お料理ができるってことは、うさぎさんはずっと森の中にいたわけじゃないのね?」

海未「ええ。気づいたら迷い込んでいたというか…私もゴーヤーの森は初めてです」

ツバサ「そうなんだ…うさぎさんって穴を掘ったりするのよね?」

海未「穴…ですか?…まあ、できなくはないですけど」

ツバサ「それで脱出できない!?」

海未「うさぎの掘る穴ですから、人が通れるほどでは…」

ツバサ「そっかぁ…そうよね」ガクッ
6: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:16:04.61 ID:a2LQM6Qw.net
海未「まあ、無限に続く森も無いでしょうし…歩いて行けば、いつかは脱出できると思いますよ」

ツバサ「そうね…せめて可愛いうさぎさんと一緒でよかったけど」ナデナデ

海未「…///」

ツバサ「抱っこしてもいい?」ウズウズ

海未「…少しなら」

ツバサ「ふふ…可愛い。ふわふわね♪」ギュ

海未「あ、あの…もういいですか?」フルフル

ツバサ「もうちょっと♪」スリスリ

海未(うぅ…恥ずかしいです///)

ツバサ「やっぱり、うさぎさんて遠くの音が聴こえたりするの?」

海未「ええ、まあ…普通の人よりは」

ツバサ「じゃあ、それで出口がわかったりしない!?」

海未「森は一本道ではありませんから…出口はたくさんあるんです」

ツバサ「そっかぁ…じゃあ、私たち以外で一番近くて何か音がする方向とかある?」

海未「えーと…もう少し進むと右上に鳥の巣がありそうです」

ツバサ「鳥の巣?」ナデナデ

海未「ええ。同じ種類の鳥が近くを行ったり来たりしているようなので…」

ツバサ「へー。さっき聴こえた野鳥の声がそうかしら?」

海未「どうでしょう…私には常に聴こえるので」

ツバサ「そ、そんなに?」

海未「注意して聴いていれば近いものはキラさんにもわかると思いますよ」

ツバサ「そうかしら…あ、私のことはツバサって呼んで」

海未「つばさ…ですか?」

ツバサ「そう。カタカナでツバサよ」

海未「昔そんな漫画がありましたね」

ツバサ「あ、うさぎさんも知ってるんだ!?」

海未「は、はい。…あの、私のことも海未と呼んでくれませんか?」

ツバサ「うみさん?…レイアース!?」

海未「その海に未と書いて海未です」

ツバサ「ひつじ?…うさぎさんなのに?」
7: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:18:13.73 ID:a2LQM6Qw.net
海未「はい。未来の未で、十二支の未です」

ツバサ「うみみ?」

海未「…と書いて海未です」

ツバサ「もしかして、おひつじ座で未年生まれだったりする?」

海未「いえ…魚座で巳年生まれです」

ツバサ「ひつじ関係ないじゃん!?」

海未「そ、そうですね…」

ツバサ「巳年なら海ヘビさんね♪」

海未「はあ。海で魚座なら普通かと思いますが…」

ツバサ「でもうさぎさんでしょ?」モフモフ

海未「あ、あの…そろそろ降ろしてください///」

トテテテ… ドタバタ

あんじゅ「待って、お姉ちゃん…」ハァハァ

絵里「ほら、そこに木の実が落ちてるでしょ?」

あんじゅ「木の実?」

絵里「ええ。ゴーヤー以外の木があるの」

あんじゅ「へー。全部ゴーヤーの森じゃなかったのね」

絵里「たぶん、もともとあった木の周りにゴーヤーが生えて、こうなったんじゃないかしら?」

あんじゅ「なるほどね…」

絵里「ほら、どんぐり♪」

あんじゅ「このモジャモジャの塊みたいなのが…?」

絵里「これはアベマキの実よ。この中にどんぐりが入ってるの」

あんじゅ「アベマキって誰?」

絵里「人じゃなくて木の名前よ。どんぐりの木はいろんな種類があるの」

あんじゅ「ふーん…私と同じ東京の人なのに詳しいのね」

絵里「キツネですもの」ドヤァ

あんじゅ「ふふふ。可愛い♪」ナデナデ

絵里「えへへ」パタパタ

あんじゅ「でも、これって時期的に去年のどんぐりよね?」

絵里「たぶんそう…かな?」
9: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:22:18.85 ID:a2LQM6Qw.net
あんじゅ「…古いどんぐりって、虫食いだったりしない?」

絵里「そ、そうなのかしら?…食べられない?」フルフル

あんじゅ「どんぐりを食べなくてもゴーヤーがたくさんあるわよ」

絵里「ゴーヤーは料理しないと苦くて食べられないわ」

あんじゅ「どんぐりも食べないでしょ?」

絵里「どんぐりって美味しいのよ。秋から冬にかけてたくさん採れるし♪」

あんじゅ「キツネってネズミやウサギや鳥とか襲って食べるイメージだけど…」

絵里「お肉は料理しないと食べられないわよ。食中毒になっちゃう」

あんじゅ「でも、どんぐりは食べるんでしょ?」

絵里「どんぐりは殻があるから大丈夫なの」

あんじゅ「まあいいけど…ところで、私たち出口を探してたんじゃなかったかしら?」

絵里「えっ。…う、うん」

あんじゅ「もしかして忘れてた…?」

絵里「そ、そんなことないわよ。アベマキの木があるんだから、きっと森の出口も近いわ!」

あんじゅ「木か…ゴーヤーよりアベマキ?の木のほうが、ずっと背が高いわよね?」

絵里「ええ」

あんじゅ「じゃあ、木に登ることができたら…ゴーヤーの森の外へ出られるんじゃない?」

絵里「そうかも…まかせて!木登りは得意なの♪」タタッ

あんじゅ「あ、ちょっと待って──」

ドン

絵里「きゃ><」

「何?…いきなりぶつかって来ないでよ」

えりあん「えっ」

絵里「アベマキの木…じゃない?」

「はぁ?…アベって誰よ。私は西木野真姫よ!」

あんじゅ「真姫さん…あなたも森の中にいたのね?」

真姫「当たり前よ。木なんだから…」

絵里「木…なの?」

真姫「そうですよ。西木野って言ってるじゃない」

あんじゅ「私も優木だけど…別に木じゃないわよ?」
10: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:23:47.36 ID:a2LQM6Qw.net
真姫「“あんじゅ”って樹木の樹じゃないんですか?」

あんじゅ「違うわよ。天使って意味のアンジュ」

真姫「天使ねえ…」

あんじゅ「何よ。キラキラネーム()だって言いたいの?」

真姫「いや、別に…可愛い名前なんじゃない?」

あんじゅ「名前より本人のほうがもっと可愛いでしょ?」ドヤァ

真姫「自分で言わないでよ…それより、あなたたちは何してるの?こんなところで」

絵里「どんぐりを拾ってたの♪」

あんじゅ「えぇ…」

真姫「はい。どんぐり」

絵里「ありがと♪」キャッキャ

真姫(…かわいい)ナデナデ

あんじゅ「…じゃなくて、森の出口を探してるのよ」

絵里「そ、そうなの。西木野さん、この森の出口ってどこにあるか知らない?」

真姫「出口は一つじゃないし…同じ方向に進んでいればそのうちどこかに出られるわよ」

あんじゅ「それはそうでしょうけど…あ、キツネさんって鼻とか耳がよかったりしない?」

絵里「鼻はそうでもないけど、耳には自信あるわよ♪」

真姫「じゃあ、出口に繋がりそうな音を聴き分けて探せばいいんじゃないですか?」

絵里「そうね。…えーと」

えりまきあん「…」

コロン カサッ

絵里「あ。向こうで今、どんぐりが落ちたわ♪」

真姫「いや、どんぐりはいいから…」

ブーン…

穂乃果「あ。近くにハチの巣があるみたい」

英玲奈「ゴーヤーの花が咲いているし、蜜を集めているのだろうな」

穂乃果「ゴーヤーの花って苦くないんですか?」

英玲奈「さあ…花は食べたことがない。かりに花が苦くても蜜は甘いのかもしれない」

穂乃果「ハチの巣どこかな…ハチミツいっぱい採れるかな♪」

英玲奈「危ないぞ。ハチに刺されても、ここでは薬品が何もないから手当てができない」
11: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:26:20.53 ID:a2LQM6Qw.net
穂乃果「そうですか?…でもハチミツ欲しいな♪」

英玲奈「君は…クマだからハチミツが好きなのか?」

穂乃果「ほら、私って誕生日が八月三日じゃないですか。…はちみつの日でしょ?」

英玲奈「そうなのか…覚えておこう」

穂乃果「ハチミツはパンにも合うし…こんがり焼けたふかふかの厚切りトーストに、とろーりハチミツ…たっぷりつけて食べたいなぁ♪」

英玲奈「…太るぞ」

穂乃果「大丈夫です!μ'sの練習で毎日たくさん走りますから」

英玲奈(クマでも穂乃果はやっぱりμ'sなのか)

穂乃果「走るといえば…“森のくまさん”の歌、あるじゃないですか」

英玲奈「ああ、確かアメリカ民謡だったか…原曲と日本語版ではストーリーが全く違うあれだな」

穂乃果「そうそう。逃げないのか?お前は銃を持っていないのに…っていうあれです」

英玲奈「まあ、クマに遭ったら死ぬ気で逃げろというのが現実的な話ではあるな」

穂乃果「それがどうして白い貝殻のイヤリングつけたお嬢さんになっちゃったんでしょうね?」

英玲奈「わからないが…歌に出てくる熊が君だったら、原曲のようにはならないだろうな」

穂乃果「私だって英玲奈さんを襲っちゃうかも知れませんよ?がおーっ!」

英玲奈「ふふふ…君に襲われるなら本望だ」ナデナデ

穂乃果「えへへ」ギュ

英玲奈「しかし私は白い貝殻のイヤリングという柄ではないな」

穂乃果「そんなことないですよ。英玲奈さんキレイだし…似合いますよ♪」

英玲奈「むしろ私は君に貝殻のイヤリングをプレゼントしたい。真夏に生まれた君には海が似合いそうだ」

穂乃果「うみ…」

英玲奈「どうした?」

穂乃果「英玲奈さんって、ちょっとだけ海未ちゃんに似てるなって…」

英玲奈「ああ、君の友人の…」

穂乃果「そう。幼なじみの海未ちゃん♪…和菓子が好きなところも」

英玲奈「女子なら甘い物は大抵好きなのではないかな?」

穂乃果「でも私は、小さい頃から食べ過ぎてちょっと飽きてるし…」
12: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:31:09.77 ID:a2LQM6Qw.net
英玲奈「私は、君と一緒にいるだけで和菓子が食べたくなって困る」

穂乃果「えぇ!?…じゃあ、この森を出たらうちに来ます?」

英玲奈「ああ。是非そうしたいところだ」ナデナデ

穂乃果「えへへ。じゃあ日が暮れる前に帰らなくちゃ!」

クシュン

ツバサ「え?…海未さん、寒い?」

海未「い、いえ…大丈夫です」

ツバサ「そう?…寒かったら言ってね。いつでも抱っこしてあげるから♪」

海未「外は、もう暑いくらいですし…森の中は涼しいですから、丁度いいですよ」

ツバサ「やっぱり直射日光が当たらないのがいいのかしら?」

海未「そうですね。それにゴーヤーの隙間から、ちゃんと風が通り抜けていきますし…」

ツバサ「日陰になって風通しもいい…理想的な“緑のカーテン”になってるのね」

海未「ええ。…ただ、雨宿りには些か心もとない天井ですが…」

ポツ ポツ…

ツバサ「あらら…本当に降ってきちゃったみたい」

海未「大きな木があるはずですから、急いで探しましょう。ゴーヤーの下では濡れてしまいます」

ツバサ「この森、ゴーヤーしかなくない?」

海未「いいえ。すべての野鳥がゴーヤーを食べるわけではないのですから…様々な鳥の声が聴こえてきますし、ほかの植物も必ずあります」

ツバサ「なるほどね…でも秋葉原にそんな大きな木があったかしら?」

海未「これほど広大なゴーヤーの森ですから、おそらく…秋葉原以外の地区も呑み込んで繋がっていると思います」

ツバサ「いったいどうしてそんなことに…やっぱり夢の中なの?」

海未「夢なら…この森を脱出しないと目が覚めないのかもしれません」

ツバサ「海未さんがうさぎさんで…夢を見てるのは私だけ?」

海未「そう思います?」

ツバサ「もし二人で同じ夢を見てるなら、それって素敵ね♪」

海未「では、私も…そう思うことにします♪」ギュ

ゲコゲコ…

ツバサ「ふー。結構濡れちゃったわね…」

海未「大丈夫ですか?…風邪をひかないと良いのですけど」

ツバサ「まあ…夢の中なら大丈夫なんじゃない?」
13: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:33:30.25 ID:a2LQM6Qw.net
海未「ですが、覚めない限り今は夢が現実ですよ。気をつけたほうが良いと思います」

ツバサ「ん。ありがと」ナデナデ

海未「…///」

ツバサ「大きな樹ね…海未さん、これ何の木だかわかる?」

海未「これは…おそらくレモンの木ですね。…ほら、白い花が咲いています」

ツバサ「へー。レモンの花って初めて見た…って、レモンの木ってこんなに大きくなるものなの!?」

海未「品種や環境にもよると思いますが…育てば5メートル以上の高さになるらしいですよ」

ツバサ「5メートル…でもこれ、もっと大きくない?」

海未「どこまで伸びるのかは知りませんが…確かに大きいですね。こうして二人で雨宿りができますし」

ツバサ「レモンの花って…白い妖精みたいね」

海未「誰でも知っている黄色い果実のイメージに比べて、花はちょっと神秘的な感じがしますね」

ツバサ「まあ、果実のほうもちょっと不思議な形をしてるけど…」

海未「だいたい丸い形が多い柑橘類の中ではレモンは異端ですね」

ツバサ「味も酸味が圧倒的に強いし…」

海未「レモンの花は四季咲きといって、一年に何度も咲くらしいですよ」

ツバサ「へー」

海未「花言葉は情熱…それと」

ツバサ「なに?」

海未「誠実な愛…だそうです///」

ツバサ「そうなの?…レモンだから元気とかそういうのだと思ってたわ」

海未「花と実で別々にあるみたいですね」

ツバサ「誠実な愛かぁ…海未さんが相手ならそうなるかもね♪」

海未「わ、私ですか!?」

ツバサ「海未さんは情熱のほうがいい?」

海未「な、なに言ってるんですか…私はうさぎですよ?」

ツバサ「でも海未さんは可愛いし、素敵よ♪…乙女の口づけで人間の姿になったりしない?」

海未「そういうことは恋人としてください!」

ツバサ「海未さんは…私じゃダメ?」

海未「私には…心に決めた人がいるんです」

ツバサ「ふーん。…海未さんにそこまで想われてる羨ましい子は、どんな可愛いうさぎさんかしら?」
15: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:39:59.20 ID:a2LQM6Qw.net
海未「うさぎというより…犬だったり熊だったり、恐竜だったりしますよ」

ツバサ「恐竜?」

パラパラ…

絵里「西木野さんは濡れても平気なの…?」

真姫「何も問題ないわよ。木だから」

あんじゅ「木なのに普通に歩いてたけど…」

真姫「ただの木じゃないわよ。私は西木野真姫」

絵里「傘があってよかったわね。私はいいけど、あんじゅは西木野さんの下で雨宿りは無理でしょ?」

あんじゅ「そうね。…どうしてこれだけ持ってたのかわからないけど」

真姫「それ、晴雨兼用の日傘?」

あんじゅ「そ。…さっきまではよく晴れてたし」

絵里「ゴーヤーの森の中なら日陰で涼しいし、日傘は必要なさそうだけど…」

あんじゅ「深い森に見えても所詮はゴーヤーね。雨をしのぐにはあまり役に立たないし」

真姫「それで、どうするの?…雨が止むのを待つ?」

絵里「西木野さんが動けるんだったら、じっとしてる必要はないわね」

あんじゅ「そうね。このまま日が暮れても困るし…早く帰ってお風呂に入りたーい!」

真姫「森の中に都合よく温泉があったりしないかしら?」

絵里「うーん…いや、温泉があったらゴーヤーが枯れない?…あまりイメージが結びつかないけど」

真姫「成分によるんじゃないかしら?…まあ、温泉の植物への影響なんて私も知らないけど」

あんじゅ「っていうか、木なのに温泉に入るの…?」

真姫「いけない?」

あんじゅ(真姫さんちのお風呂は広くて大きくて…温泉に勝るとも劣らない、すごいお風呂だったけど)

絵里「自分で歩けるわ」

真姫「抱っこのほうが濡れないでしょ?」

あんじゅ(お姉ちゃんがキツネで、真姫さんが木で…やっぱり夢を見てるのかしら?)

あんじゅ「あ。夢といえば…」

えりまき「ゆめ?」

あんじゅ「雨と傘と、どんぐり。何か思い出さない?」

絵里「どんぐりにも笠っていうか帽子があるけど…」

あんじゅ「その笠じゃなくて、私のこれみたいな…もっと普通の傘よ」
16: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:43:10.81 ID:a2LQM6Qw.net
真姫「…トトロ?」

あんじゅ「そう♪」

絵里「トトロの森はゴーヤーじゃないわよ?」

あんじゅ「そうだけど…お姉ちゃんがキツネで、真姫さんが木でしょ。それにお化けゴーヤーの森!トトロがいても不思議じゃないわよ♪」

真姫「いや、いないでしょ?…森の中にマグロなんて」

あんじゅ「それはトロ」

絵里「ゴーヤーのほかに自然薯も生えてるの?」

真姫「それは“とろろ”よ」

あんじゅ「東京23区で唯一、渓谷がある世田谷区の」

絵里「それは等々力」

真姫「抱っこじゃなくておんぶだったわよね」

絵里「傘がないわよ」

あんじゅ(小っちゃいほうが年上だし…)

真姫「でも、あんまり雨が続くと地面が…植物がゴーヤーばかりだと落ち葉や枯れ枝とかほとんどないし」

絵里「自然のままにしてると熟した実が落ちて株が枯れたりするけどね。それでも種が多いからどんどん増えそう」

あんじゅ「確かに足もとがドロドロになるのは嫌ね。長居は無用かしら…」

真姫「傘だけじゃなく三人分のレインブーツとか用意してないの?」

あんじゅ「えぇ…ないわよ。だいたいお姉ちゃんはキツネだし履けるサイズがないでしょ?」

絵里「あの子なら作ってくれそうな気がするけど…」

あんじゅ「あの子?」

真姫「ああ…あの人ね」

チュン チュン…クチュン!

ほのえれ「えっ」

穂乃果「今の野鳥の声って…」

英玲奈「…くしゃみのように聞こえたな」

穂乃果「雨に濡れて風邪ひいちゃったのかな?」

英玲奈「君は大丈夫か?」

穂乃果「はい。この大きな木のおかげで雨宿りもできたし…」

英玲奈「くるみの木のようだな。花が咲いている」

穂乃果「くるみって…あの大きな硬い殻がついたナッツですか?」
17: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:43:58.14 ID:a2LQM6Qw.net
英玲奈「ああ。しかし雄花と雌花の咲く時期がずれていて、木が一本だけでは実をつけるのは難しいらしい」

穂乃果「そうなんだ…花は小さくて、ここからだとよく見えませんね」

英玲奈「雨で視界が悪いし空が暗い。晴れればもう少しよく見えるはずだ」

穂乃果「早く雨、止まないかなー」

英玲奈「これだ。この花…これと同じ赤い花が、この木にも咲いているはずだ」

穂乃果「へー。なんか赤い小さなリボンをたくさんつけてるみたいで可愛い♪」

『はぁ!?…あんた、そんなことも知らないの?』

穂乃果「…なんか、誰かを思い出すなぁ」

英玲奈「君の知り合いか?」

穂乃果「はい。…くるみの木みたいに背が高くはないんですけど」

英玲奈「もしかして…」

『A-RISEよ。A-RISE』

穂乃果「ふふふ。そうそう…にこ先輩♪」

英玲奈「しかしハチがいるのは良いことだ。別の場所にクルミの木があれば、花粉を運んでくれるかもしれない」

穂乃果「そっか。ここにある木が一本だけでも、うまくいけば実をつけられるかもしれないんですね…」

英玲奈「もっとも、雨が降っているとさすがにそこまで活発に飛び回ることはないだろう…花が散る前に晴れてくれると良いが」

穂乃果「ハチさんもクルミの花も頑張って!><」

英玲奈「フフ…秋になるまで結果はわからないな」

穂乃果「秋に結果かぁ…」

英玲奈「どうした?」

穂乃果「なんか音ノ木坂と状況が似てるなって」

英玲奈「なるほど…廃校回避も結局は入学希望者の数字待ちということか」

穂乃果「そうなんですよ。雪穂も今のところUTX行くつもりみたいだし」

英玲奈「私としては歓迎したいところだが…まあ、いずれにせよ私の卒業後の話だからな。君の妹がUTXに来なくて困ることもない」

穂乃果「英玲奈さんからも言ってやってくださいよ。UTXはこんなに厳しいぞ!君では無理だ!とか」

英玲奈「いや、A-RISEはともかくUTXの一般生徒はそこまで厳しい目に遭うこともないはずだが。むしろ芸能系の学校としては恵まれた環境だ」

穂乃果「むーっ…」

英玲奈「…だが、君たちもよくやっている。習熟度はともかく、曲や衣装の完成度は目を見張るものがある」

穂乃果「曲と衣装かぁ…ほとんど真姫ちゃんとことりちゃん頼みだからなぁ」

英玲奈「南ことり…」
18: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:50:31.83 ID:a2LQM6Qw.net
穂乃果「はい。衣装はことりちゃんがデザインから考えて作ってくれたんですよ♪」

英玲奈「この森も…」

穂乃果「え?」

英玲奈「…いや、考え過ぎか」

穂乃果「?」

英玲奈(糸を編んで布にしていくように…ゴーヤーが森になる。彼女なら、あるいは…)

シトシト…

海未「だいぶ雨も弱くなってきたみたいです」

ツバサ「もう移動しても大丈夫かしら?」

海未「私はうさぎですから平気ですけど…ツバサは雨が止むのを待ったほうがいいかもしれません」

ツバサ「…私を置いて行っちゃうの?」

海未「い、いえ。そんなつもりでは…私も一人では心細いですし」

「細い…」

うみツバ「えっ」

「細くないのがお好みのあなたに!食べごたえ満点の中太ちぢれ麺!」

ツバサ「あ、あなたは…」

「スープはあっさり魚介ダシの醤油味で、脂質が気になるあなたも大丈夫にゃ!」

海未「凛!…何をしてるんですか?」

凛「見ての通り、ラーメン食べてるにゃ」trtr

ツバサ「どうして森の中でラーメンを…お店なんてなかったわよね?」

凛「あ、こんにちは。えっと…UTXのゴーヤー担当の人!」

ツバサ「いや、別にゴーヤー担当ってわけじゃ…それはどっちかっていうと英玲奈よ」

海未「今日はゴーヤーの味噌ラーメンじゃないんですね…」

凛「あれも美味しいけど、凛一人じゃできないし…」

海未「できない?」

凛「ゴーヤーって、最初からアーチ形の一口サイズに切れてるわけじゃないでしょ?…切って、種とワタを取って、また切って…それから料理しないといけないにゃ」

ツバサ「もしかして…あなた、お料理ができない?」

凛「できないわけじゃないですよ。凛はラーメンとか冷し中華とか、焼きそばもできるし」

海未「それって全部インスタントなのでは…」

凛「そうとも言うにゃ」
19: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:53:06.59 ID:a2LQM6Qw.net
ズバーッ ゴクゴク…

凛「ふーっ。ごちそうさま♪」カラッ

ツバサ「いい食べっぷりね…私は綺羅ツバサ。あなたは?」

凛「凛は星空凛です。お星さまの空って書くの」

ツバサ「星空さん!」ギュ

凛「にゃ!?…な、なにー?><」

ツバサ「お友達になりましょう!ちなみに私の得意料理はサラダと冷奴と卵かけごはんよ」

海未「卵かけごはん…って、料理ですか…?」

凛「わあ、サラダが作れるなんてオシャレでいいなー♪」

ツバサ「すごいでしょ?レタスを洗って、手でちぎって、市販のドレッシングをかければ完成よ♪」

海未「レタスだけなんですか…」

ツバサ「たまに気分でツナ缶やコーン缶、プチトマトも入れるわ!」

凛「わあー♪彩りもキレイで素敵!キラ先輩ってお料理上手なんですねー♪」

海未「缶詰を開けてプチトマトのへたを取っただけでは…」

ツバサ「いや、取らないわよ。濃い緑色もあったほうが見映えするし…食べる人が食べるときに取るでしょ?」

凛「へー。食べる人のことまで考えてるんだにゃ♪」

海未「えぇ…じゃあ、もしかして冷奴は…」

ツバサ「おとうふ丸ごと一丁よ!切る手間も省けてラクラク時短メニュー♪」

凛「キラ先輩、有能主婦みたい!すごいにゃー♪」

海未「料理って何でしたっけ…」

ツバサ「ふふふ…私のことはツバサって呼んで。星空さん♪」

凛「はい、ツバサ先輩!凛のことも名前で呼んでほしいにゃ♪」

ツバサ「わかったわ。よろしくね、リンさん♪」

海未(よくわからないシンパシーで仲良くなったみたいです…)

グニャ

真姫「ん?(何か踏んだ)…なにこれ?」

絵里「黄色く熟して割れたゴーヤーの実ね」

真姫「へー。これがゴーヤー…放っておくとこんなふうになるのね」

あんじゅ「かじったような痕があるわね…何かしら?」

絵里「さあ…鳥じゃないみたいだし、草食か雑食の哺乳類じゃないかしら?」
21: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:57:26.66 ID:a2LQM6Qw.net
真姫「雑食の…哺乳類?」

絵里「私じゃないわよ。生のゴーヤーなんて食べないし…しかも黄色くなったのは不味いから」

あんじゅ「確かに…食べごろの緑色のゴーヤーの実もたくさんあるのに、わざわざ黄色いのを選んで食べる理由もないわよね」

真姫「でもこれ、ちょっとかじって捨てたんじゃないの?…不味いから残したんでしょ」

絵里「そうね…ゴーヤーのことを知らなくて、かじってみたら不味かった…って感じかも」

あんじゅ「まあ、特に珍しい物でもないし…先へ進みましょ」

真姫「雨、すっかり止んだわね」

絵里「地面にもそんなに影響なくてよかったわ。泥んこになったらしっぽが汚れちゃう」

あんじゅ「ふふふ。ちょっと濡れちゃったわね。拭いてあげる♪」ギュ

絵里「ありがと♪」

フキフキ

絵里(…くすぐったい)フルフル

真姫「タオルまで持ってきてるのね」

あんじゅ「乙女の心得でしょ?」

絵里「女子力ね。ハラショー♪」パタパタ

ブーン…

真姫「ハチがいるわね」

絵里「刺されないように気をつけなくちゃ」ギュ

あんじゅ「スズメバチとかじゃないみたいだから大丈夫じゃない?」

真姫「でも外来種で凶暴なミツバチもいるわよ。キラービーなんて呼ばれてる…」

絵里「は、ハラショー」フルフル

あんじゅ「うーん。私は虫とか詳しくないし…そこまでいろんな種類は知らないけど」

真姫「私も患者が出るような毒や病原媒介系以外は専門じゃないけどね」

絵里「生き物に詳しい人っていったら…」

フガッ

ほのえれ「!」

穂乃果「あ、アルパカさん!?…どうして森の中に…」

アルパカ「メ゙ェェ」

「よ、よかったぁ…やっと知ってる人に会えた…」
22: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 00:59:10.84 ID:a2LQM6Qw.net
穂乃果「花陽ちゃん!」

英玲奈「君は、穂乃果と一緒にゴーヤーの種を持ってきた…」

花陽「ピャァ!?…ど、どうしてあなたが…穂乃果先輩?」

穂乃果「あ、うん。私も偶然ここで英玲奈さんに会ったの」

花陽「あ、あの…私、小泉…花陽、です…」ドキドキ

英玲奈「小泉さん。君はゴーヤーの森について何か知っているのかな?」

花陽「え、えーと…よくわからないんですけど…たぶんμ'sのみんなもいるんじゃないかって…」

穂乃果「ことりちゃんや海未ちゃんや凛ちゃんも森の中にいるのかな?」

花陽「は、はい。何となく…ですけど、そんな気がして…」

英玲奈「どうやってアルパカを連れて来たんだ?」

花陽「わかりません…気がついたらアルパカさんと一緒に、ゴーヤーの森の中にいて…」

穂乃果「もしかして…アルパカさんならゴーヤーを食べちゃって脱出できたりしない!?」

英玲奈「あまり変な物を食べさせるのもどうかと思うが…」

花陽「えーと…実はともかく、葉っぱや茎なら食べるかも…」

穂乃果「適材適所じゃん!…よし、アルパカさん!お願いします!」

アルパカ「メ゙ェ?」

ガサ

海未「おや?…珍しい物が落ちています」

ツバサ「何が珍しいの?」

凛「それ何ですか?…ミノムシ?」

海未「これは多分…どんぐりの帽子です」

ツバサ「え?…いや、どんぐりの帽子ってベレー帽みたいな可愛いやつでしょ?」

凛「そんなモジャモジャの変なのじゃなかったよねー」

海未「いえ、カシワやクヌギなど丸くて太った形のどんぐりはこういう物に包まれているんです」

りんツバ「へー」

海未「この近くにどんぐりの木があるのかもしれませんね」

凛「そっかぁ…凛も昔、かよちんと一緒にどんぐり拾ったことはあったけど、こういう形のは見つけられなかったにゃ」

海未「晩秋になって自然に落ちた物は見つけた時点で帽子自体が取れていることも多いですし、中身とセットでなければ気づかなくても仕方ないですよ」

ツバサ「でも素敵ね。東京にもまだそんな自然が残ってるなんて」

海未「そう…ですね」
23: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 01:06:24.81 ID:a2LQM6Qw.net
ツバサ「どうしたの?」

海未「いえ…さっきの話の続きになりますが、もし私たちが今いるのが夢の中だとしたら…見えているのが現在の風景とは限らないのでは…と」

凛「どういうことー?><」

ツバサ「そっか。夢には遠い過去の記憶も含まれる…」

海未「ええ。すでに失われてしまったものも夢の中なら再現できます」

ツバサ「でも、東京だって23区だけじゃないでしょ。田舎には負けるけど、何だったら23区にもそこそこ自然は残ってるんじゃない?」

海未「そうですね…毎日を忙しく過ごしているうちに、いつの間にかどんぐりを探さなくなって。雨の日に遊びに行かなくなって…私たちはいろいろなものを忘れてしまっていたのかもしれません」

凛「大丈夫にゃ!」ピョーン

海未「…凛?」

凛「凛たちが、もうちょっとだけ頑張って…廃校を阻止できたら。きっと、もっとのんびり過ごせるようになるよ。冬になったら、みんなでどんぐり探しに行こっ♪」

ツバサ(みんなで…か。ちょっとうらやましいな)

ツバサ(私たちの目標は、もっとずっと先にある…あんじゅと英玲奈と、三人揃ってのんびり過ごせる日なんて…来るのかな)

凛「ツバサ先輩も♪」ギュ

ツバサ「え。…わ、私も一緒なの?」

海未「そうですね。どうせならA-RISEの皆さんとも一緒に行きたいです♪」

ツバサ「凛さん…海未さん。…あ、ありがとう///」

ツバサ(そうよね…その日が来るのを待つだけじゃなくて、作らなきゃ!一緒の時間を…先の見えない大きなゴールとは別の、ささやかな目標を)

タタタ…

「あんたたち!」

えりまきあん「えっ」

絵里「矢澤さん!…あなたも森の中にいたのね?」

にこ「絢瀬、西木野!希を見かけなかった!?」

あんじゅ「希ちゃんがどうかしたの?」

にこ「あいつ、また変な占い──どわぁ!?…ゆ、ゆ、優木あんじゅ!」

あんじゅ「はーい。ごきげんよう♪」

にこ「な、なんでこいつらと一緒にいる…んですか」ドキドキ

あんじゅ「森の中で偶然会ったの。…ね、お姉ちゃん♪」

絵里「ええ」

にこ「“お姉ちゃん”?」

あんじゅ「そう呼んでるの。絵里さんのこと♪」
24: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 01:09:00.27 ID:a2LQM6Qw.net
にこ「そ、それはまた…どういったご関係で…?」

あんじゅ「それより!私からもあなたに訊きたいことがあるんだけど?」

にこ「はあ。お先にどうぞ…」

あんじゅ「あのゴーヤー。もらった種からこんなになっちゃったんだけど…どういうこと?」

にこ「ああ、あれ…元はマ…中学の先生が育て始めたゴーヤーなの。中学で採れたゴーヤーから種をもらって音ノ木坂で育てて…収穫したゴーヤーから採れた種をUTXに持ってったんだけど…」

真姫「つまり元凶は中学の先生ってこと?」

にこ「いや、ゴーヤー自体は別に普通のゴーヤーよ。おかしなことがあるとすれば…」

絵里「あるとすれば?」

にこ「…たぶん、あいつらの仕業ね」

ガリゴリ

穂乃果「す、すごい食べっぷり…」

アルパカ「ウメ゙ェー♪」ムシャムシャ

花陽「ゴーヤーの株が…ちょっと勿体無いね」

英玲奈「だが、これほどまでに広大な森だ。ここだけアルパカが集中的に食べても、まだ株は幾らでもある」

グラグラ

穂乃果「た、倒れてくるよ!?…みんな下がって──」

「…ほ」

ほのえれぱな「えっ」

\ホノカチャーン!/

ドシャァ

穂乃果「今の声…ことりちゃん?」

花陽「な、何してるのぉ!?」

ことり「木みたいに大きく育ったゴーヤーの上に、ことりのおうちを作ったの…でもアルパカさんに食べられちゃって」クスン

アルパカ「メ゙ェ?」

穂乃果「おうちって…鳥の巣?」

ことり「そうだよ。ゴーヤーの葉っぱを、ゴーヤーの繊維で縫い合わせたの♪」

英玲奈「なぜそんなことを…私は、てっきりゴーヤーの森自体が君の手で作り出されたものだと思っていたが」

ことり「えーと…さすがに現実の世界では、街を呑み込むほどのゴーヤーの森を作るのはまだ無理だったから」

花陽「…“まだ”?」ヒヤアセ
25: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 01:10:46.64 ID:a2LQM6Qw.net
ことり「あ。いや…そこは気にしないで♪」

花陽「は、はあ…」

ことり「だから…ちょっとだけ、スピリチュアルなパワーを借りちゃった♪」テヘペロ

ほのえれぱな「スピリチュアル!?」

パラララ

「きみたち…科学で解明できないものは存在しないと思うかね?」

海未「何してるんですか。副会長…」

希「あれっ、もうバレちゃった?」クルッ

凛「副会長さんもゴーヤーの森に迷い込んだんですかー?」

希「んー。迷ったというか、出来心というか…」

ツバサ「つまり…あなたの仕業ってこと?」

希「いや、ウチが何でもできるわけないやん?…ウチはただ、何でもしてみたい子に、何でもできる場所を紹介しただけや」

海未「どういうことです?」

希「もう気づいてるかもしれないけど…ここは夢の中の世界なん。でも普通、みんな眠る時間もバラバラなら、見る夢だってそれぞれ違うやろ?」

凛「そんなの当たり前だよー。凛は早起きは苦手だし、朝練がなければギリギリまで夢の中にいたいもん」

海未「夜中に起きてラーメンなんか食べてるからです」

凛「それはラーメンが凛を呼んでるから目が覚めちゃうだけにゃ」

希「まあ、普通は夢の中でさえ何でも自由にできるわけやないけど…あの子は、もうちょっとでそれができるくらい研究を重ねてたん」

海未「あの子というのは、もしかして…」

モフモフ

絵里(…くすぐったい)パタパタ

にこ「んで、希が怪しい占いでいろんなことを決めてたってわけ」

真姫「全部自分の思い通りに動かすのは難しいけど、占いとかでデタラメに決めれば簡単ってこと?」

にこ「そんなところね」ナデナデ

絵里「や、矢澤さん…どうして私のしっぽを触りながら話すの?」フルフル

にこ「この夢は、たぶんもうすぐ終わりよ。現実の世界の絢瀬はキツネじゃないから、触り納めでしょ」

あんじゅ「そうなの!?…私にも触らせて!」モフモフ

絵里「あんじゅ///」

メキメキ…

ことり「森が壊れちゃう…急いで脱出しなくちゃ!」
27: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 01:16:24.49 ID:a2LQM6Qw.net
穂乃果「えーと…壊れたら夢から覚めて終わり、じゃないの?」

ことり「そう…だといいけど」

花陽「ち、違うんですか!?」

ことり「私が一人で作ったわけじゃないから、よくわかんなくて…エヘヘ」

穂乃果「ことりちゃーん!」

ズズズ…

英玲奈「…どうやら笑いごとでは済まない様子だが」

花陽「アルパカさん…私たちを乗せて走って!」

茶アルパカ「フガッ」
白アルパカ「メ゙ェ♪」

バリバリ…

にこ「どーすんのよ!?こっちには希も南もいないのに…」

あんじゅ「ちょっとシャレにならない状況ね…」

真姫「いや、待って。ここは夢の中でしょ?…だったら」

絵里「私たちでも何かできるはず!」

にこ「何かって…何よ?」

真姫「…天使」

えりあんにこ「えっ」

スッ パタ

ツバサ「そ、そのカードって…」

希「うん。大アルカナの15番…悪魔のカードや」

凛「なんでこんなときによりによって最悪のカードが出るにゃー!?」

海未「嗚呼…万事休す、ですか…」

希「…いや、これ逆位置なん。意味は…“解放”」

うみツバりん「解放!?」

希「そう。…悪魔の背中には」
あんじゅ「天使の背中には」
「何がある?」

えりりんうみにこまき「ツバサ!!」

ツバサ「…え?」
28: 名無しで叶える物語 2017/05/20(土) 01:17:24.94 ID:a2LQM6Qw.net
あんじゅ「す、すごい…」

にこ「こんなことができるなら早く言いなさいよ」

絵里「しっぽがムズムズして変な感じ…あ、あんまり触らないで」

真姫「無理な相談ね。九本もあったらどれかは触れるわよ」

あんじゅ「それに今、手を離したらヤバそうだし…もうちょっとだけ頑張って。お姉ちゃん♪」

絵里(あんじゅが私のしっぽにキスしたら、九本に増えて…空を飛べるようになったわ)

バサバサッ

凛「見た目が物凄く悪そうにゃ」

希「まあ悪魔のカードやし…」

ツバサ「三人も運ぶの大変なのよ。少しは労ってよー!」

海未「これはこれで貴重な体験ですね…目が覚めたら忘れてしまいそうですけど」

パカッパカッ

アルパカ「メ゙ェー♪」

英玲奈「!?」ガバッ

英玲奈(夢…そうだな。アルパカが人を乗せて空を飛ぶわけがない)

【五月二十日】

ツバサ(長い夢を見ていた…と感じることがある。夢の内容はほとんど忘れてしまっていても…)

あんじゅ(森の中にいたことと…英玲奈とツバサと、しばらく離れていたような気がする…それだけは何となく覚えてる)

英玲奈「あんじゅ。ツバサ…おはよう」

あんツバ「ごきげんよう」

あんじゅ「ねえ…明日。ちょっと三人で遊びに行かない?」

英玲奈「私は構わないが…どこへ行くんだ?」

ツバサ「たとえば…森林、とか?」



おわり
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『英玲奈「五月」あんじゅ「二十日は」ツバサ「森林の日!?」』へのコメント

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