千歌「後ろの正面だあれ?」

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千歌-アイキャッチ14
1: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:32:47.73 ID:YBdvM4H4.net
かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?

諸説ある『かごめかごめ』
果たしてどれが本当なのでしょうか。
それとも、全て嘘?
真実は必ずしも世の中に出回っているとは限りません。
耳をすませば今宵もどこかであの歌が聞こえるでしょう?
ほら、今も……。

元スレ: 千歌「後ろの正面だあれ?」

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2: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:33:27.01 ID:YBdvM4H4.net
―――

千歌「ねぇ梨子ちゃん、かごめかごめって知ってる?」

梨子「かごめかごめ…童謡のやつ?」

千歌「そうそう!」

梨子「それがどうしたの?」

千歌「あれをね、夜中に一人でやると異世界に連れていかれちゃうんだって!」

梨子「異世界に?」

千歌「あー信じてないなー?」
3: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:34:10.04 ID:YBdvM4H4.net
ガラッ

曜「お待たせーなんの話?」

千歌「曜ちゃんおかえりー。あのね、かごめかごめを夜中に一人でやると異世界に連れていかれるって話!」

曜「……それ、誰から聞いたの?」

千歌「美渡姉!」

曜「あはは…なるほど」

梨子「だいたい、かごめかごめって一人じゃできなくない?」

千歌「むむ…たしかに」
4: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:34:35.90 ID:YBdvM4H4.net
曜「一人かくれんぼとかは聞いたことあるけど…」

千歌「それだ!」

曜「へ?」

千歌「人形を使えばいーんだよ!」

曜「いやいや…まさか、本気でやる気なの?」

千歌「嘘じゃないってしょーめい!」

梨子「やめた方がいいと思うけど…」

千歌「大丈夫大丈夫!ひとりかくれんぼとかもやってみた!みたいな動画あるし…まぁ暇つぶしみたいな!」
5: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:35:05.61 ID:YBdvM4H4.net
曜「いや、でも…」

千歌「へーきだって!」

梨子「怖いことになっても知らないわよ?」

千歌「もー心配性だなぁ」

曜「……やっぱり、やめた方がいいよ。なんだか…怖いし」

千歌「えー……そう?」

曜「うん…千歌ちゃんいなくなっちゃったら……怖いよ」

千歌「そっ…か……」
6: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:35:31.14 ID:YBdvM4H4.net
梨子「曜ちゃん…もうバス来る時間だよ?」

曜「あ、ほんとだ!ばいばい!」

梨子「うん、また明日!」

曜「千歌ちゃん、ほんとに……しちゃだめ、だよ…?」

ガラッ

千歌「……」

梨子「千歌ちゃん…どうしたの?うつむいて……」

千歌「ううん、なんでもない」
7: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:35:59.65 ID:YBdvM4H4.net
梨子「え?でも」

千歌「なんでもない、なんでもないから」

梨子「…っ」ゾクッ

千歌「えへへ、なんてね!」ニコッ

千歌「なーんか変な空気になっちゃったねー!もう少しうちにいるでしょ?」

梨子「う、うん…」

千歌「追加のおかし持ってくるから待っててね!」

ガラッ

梨子「ありがと…う…?」

梨子(なんだか千歌ちゃん……変?)
8: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:36:25.54 ID:YBdvM4H4.net
千歌「……」テクテク

千歌「かーごめかーごめ…かーごのなーかのとーりーはー……」ブツブツ

千歌「うーむ…やっぱり、気になるなぁ」

千歌「あ、チョコパイある!」

千歌「……」テクテク

ガラッ

千歌「持ってきたよー」

梨子「ありがとー」ジッ

千歌「ん?」
9: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:36:52.32 ID:YBdvM4H4.net
梨子「いや……なんでもないよ」

千歌「そーお?」

梨子「…うん」

梨子「私…やっぱりもう帰ろうかな」

千歌「ん、そっか。また明日ね」

梨子「うん。千歌ちゃん、あのね」

千歌「なぁに?」

梨子「かごめかごめ…やらない、よね?」

千歌「……やらないよ?」
10: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:37:17.15 ID:YBdvM4H4.net
梨子「…それなら、いいんだけど」

千歌「どうして二人ともそんなに止めるの?ただのお遊びなのに…」

梨子「千歌…ちゃん……?」

千歌「あーもう、やらない、やらないよ!そんな顔しないでってばー…」

梨子「……また明日、ね」

千歌「うん、ばいばーい」

ガラッ
11: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:37:43.51 ID:YBdvM4H4.net
千歌「……」カタカタ

地域によって歌詞が変わるらしい。
後ろの正面だったり、後ろの少年だったり。
鍋の底が抜けたり?
私が知ってるやつは……
『かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?』…これだ。
解釈の仕方にもいろいろあって、なんだかどれも嘘くさい。
どのサイトを見ても同じようなことばかりで、美渡姉の言っていた異世界、なんて言葉はどこにもなかった。
やっぱり、美渡姉に騙されたのか。
12: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:38:09.74 ID:YBdvM4H4.net
千歌「……」チラッ

千歌(一昨年の誕生日プレゼントで曜ちゃんに買ってもらったくまのぬいぐるみ…)

千歌(……いやいや、やらないよ?)

チカーゴハンダヨー!

千歌「はーい!」

千歌(………やらないってば)

ガラッ

トテトテ
13: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:38:42.06 ID:YBdvM4H4.net
美渡「遅いぞ千歌」モグモグ

千歌「ちょ、それ私の唐揚げだよね!?」

美渡「遅いのが悪い」

千歌「むっ……そういえば美渡姉また嘘ついたでしょ!」

美渡「嘘?」

千歌「かごめかごめのやつ!」

美渡「嘘じゃないよ。あれ志満姉から聞いたやつだし」

志満「んー?私、そんな話したっけ?」
14: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:39:08.60 ID:YBdvM4H4.net
美渡「えー、覚えてないの?ほら、千歌がまだ小学生くらいのときにさー」

志満「あれは千歌にいじわるばかりする美渡ちゃんをこらしめるための嘘だったけど…」

美渡「まじかよ!ずっと騙されてたー!」

千歌「ぷぷっ!かっこわるー」

美渡「騙されてた私に騙されてた千歌はもっとかっこ悪いぞ」ムニーッ

千歌「いふぁいれふ」

志満「ほらほら、早く食べちゃって!」

千歌「はーい」
16: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:39:54.05 ID:YBdvM4H4.net
ほら、やっぱり。
よく考えたらおかしいと思ったんだよ。
だって、異世界、って……もしそれが本当なら、一体誰がそれを伝えたんだってことになるよね?
どうやって戻ってきたんだ!って…。
なのに、どうしてだろう。
私は――どこかワクワクしているんだ。
好奇心って、怖い。
なんでもできちゃうような気がする。

千歌「ごちそうさまー」
17: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:40:26.47 ID:YBdvM4H4.net
足早に部屋に向かう。
調べても出てこなかったから、自分で考えろってことなのかな。
人形を囲んで…歌えばいいのかな?
深夜って、何時?
やっぱり丑三つ時…深夜2時、かな。
……よし。
1時50分にアラームを設定して、ベッドに潜り込んだ。
18: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:40:52.11 ID:YBdvM4H4.net
ピピピピ

時刻は1時50分。
みんなも寝静まって、辺りに聞こえるのは虫の声だけ。
夏の深夜独特なひんやりとした空気が私を包んで心地良い。
ベッドの横に待機させておいたくまのぬいぐるみを持ち上げて、部屋の真ん中に置いた。
ゆっくりとその周りを回り、小さな声で歌い始める。
19: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:41:19.93 ID:YBdvM4H4.net
千歌「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?」
20: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:42:13.28 ID:YBdvM4H4.net
……もちろん、何も起こらない。

千歌「だよねぇ…はぁ、なんか喉渇いちゃった」

ガラッ

千歌「…………え?」

千歌「なんで……空、赤いの…?」

千歌「ぁ…なに、これ……っ」ゾワッ

ガラッ

千歌「っは……?」

千歌「なに、なになになに!?」

千歌「美渡姉の……嘘、じゃ…」

ピロンッ

千歌「ら、LINE…?」
21: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:43:13.10 ID:YBdvM4H4.net
YOU:タ魎ホ、チ、网「、荀テ、ニ、ハ、、、隍ヘ。ト。ゥ

YOU:縺ゥ縺・@縺溘・・滓悃邱エ縺ォ繧よ擂縺ヲ縺ェ縺九▲縺溘¢縺ゥ縲る「ィ驍ェ縺九↑・溷ソ・・縺ァ縺吶?
22: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:43:44.28 ID:YBdvM4H4.net
千歌「ひっ…!」ブンッ

ガタッ

千歌「な、に…なんで……」ドッドッドッド

千歌「やだ…助けて、助けて……曜ちゃん…っ」ガタガタ
23: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:44:18.17 ID:YBdvM4H4.net
―――

千歌「……」

千歌「………外、行って…みよう、かな」スッ

千歌「すぅ…はぁ…だい、じょうぶ……大丈夫…」

千歌「……空の色がおかしいくらいで、あとは…」キョロキョロ

ギシッ…ギシッ…

千歌「なんか……古い、のかな…」

パチッ

千歌「電気、つかない…見えなくは、ない、けど……」
24: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:44:50.98 ID:YBdvM4H4.net
千歌「………ぁ……れ?」

千歌「く ま の ぬ い ぐ る み ど こ 行 っ た の ?」

千歌「ぅぁ…気付きたくなかった……」ゾクゾクッ

千歌「むり……やだ、怖いよ…」ヘタッ

ャン…チ……チャン…チカチャン……

千歌「よ、曜ちゃん…?それに、梨子ちゃんの声、も…」

チカチャン!?コッチ? スグイクカラネ!

千歌「よか、ったぁ……っ」グスッ

千歌「早く、来て……曜ちゃん…梨子ちゃん……っ!」
25: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:45:20.45 ID:YBdvM4H4.net
―――――
―――
曜「む…だめだぁ」

梨子「千歌ちゃん、どうしたんだろ…無断で休むなんて……」

曜「……もしかして、昨日の…」

梨子「そうだとしても…異世界、だなんて」

曜「だよねぇ…LINE入れとこ」

曜「千歌ちゃん、大丈夫?どうしたの?朝練にも来てなかったけど。風邪かな?心配です。っと……送ってから気付いたけどさ…なんか、重くない?」

梨子「それも曜ちゃんなりの愛でしょ?」

曜「いや、愛では…って、あれ?既読ついた!?」
26: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:45:50.23 ID:YBdvM4H4.net
梨子「え、ほんと?」

曜「グループLINEも梨子ちゃんの個人もダイヤさんの個人もだめだったのに…やっぱり幼なじみパワーですかな?」ニヤニヤ

梨子「はいはい…それにしても返信遅いね?千歌ちゃん、タイピング早いのに…」

曜「これはまさか…」

梨子「未読スルー?」

曜「嘘だ…千歌ちゃんに限ってそんなこと……!」
27: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:46:16.20 ID:YBdvM4H4.net
プルルルル

梨子「千歌ちゃん?」

曜「ううん……志満さん、だ」

梨子「千歌ちゃんのお姉さん……?」

曜「もしもし…志満さん、どうしたんですか?」

曜「………え?」

曜「いや、うちにも来てないですし、Aqoursのみんなも知らないみたいで……」

曜「スマホ…あ、さっきLINEの既読はつきました!返信は来てないんですけど……はい、はい…」

曜「わかりました…はい、もちろんです。……はい、失礼します」
28: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:46:46.22 ID:YBdvM4H4.net
梨子「……なんだったの?」

曜「千歌ちゃんが……いなくなったんだって」

梨子「い、いなくなった…って」

曜「靴も鞄もお財布も…家にあるみたい。ただ、スマホがないだけで……」

梨子「靴も……?じゃあ、裸足でどこかに行ったってこと?」

曜「も、もし…もしもだよ?」

曜「千歌ちゃんが『かごめかごめ』をやっていたら……?」

梨子「………異世界、だなんて」
29: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:47:26.88 ID:YBdvM4H4.net
ピロンッ

梨子「千歌ちゃん!?」

曜「い、いや…グループLINEだよ?」


Aqours(9)

YOU:逡ー荳也阜縺九i蟶ー繧区婿豕輔r隱ー縺具シ?

黒澤ダイヤ:壮大な文字化けですわね…

†堕天使ヨハネ†:どうしたのよ


曜「……は?」
30: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:47:58.02 ID:YBdvM4H4.net
梨子「曜、ちゃん…?え、でも今スマホ触ってなかったよね?それに、文字化け……」

曜「なっ…なに、これ……」

曜「絶対……普通じゃ、ない…」ゾクッ

ルビィ「あ、い、いた!曜さん!」

善子「ちょっと、さっきの……って、顔真っ青…どうしたの?」

曜「わたし…送って、ないの」

善子「…はぁ?」
31: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:48:24.40 ID:YBdvM4H4.net
曜「通知来て、開いたら……それに、千歌ちゃんもいなくなっちゃ、って…!」

ルビィ「え?千歌、さんが……?」

曜「異世界に……連れていかれちゃったんだ…どうしよう、私がちゃんと止めなかったから……私の、せいで…」

花丸「異世界…って?」

梨子「……千歌ちゃんが昨日…『かごめかごめ』を夜中に一人でやると異世界に連れていかれる、って話をしてて……」

梨子「やけに乗り気で…止めたん、だけど……たぶん、やっちゃったんだと…思う」
32: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:49:02.86 ID:YBdvM4H4.net
花丸「かごめかごめって……あの、子どもの頃遊びでやってたやつ?」

梨子「う、うん…」

ルビィ「異世界に連れていかれるなんて…聞いたことないよぉ…」

曜「千歌ちゃん…ごめん、ごめんなさい……千歌ちゃん…っ」

善子「ちょ、落ち着きなさいよ…!とりあえず今は千歌を探さないとでしょ?どこかにいるかもしれないんだし」

曜「ぁ…ごめ……善子、ちゃん」

善子「……」

善子(曜の、異常なまでの千歌に対する依存心は……たまに怖くなる)
33: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:49:28.27 ID:YBdvM4H4.net
花丸「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に つるつる滑った 鍋の鍋の底抜け 底抜いてたもれ…」

ルビィ「え?鶴さんと亀さんじゃないよ?それに…後ろの正面だーあれ?って……言わない?」

花丸「え、そうなの?オラがじいちゃんに教えてもらったのはこっちだったずら」

梨子「私が知ってるのは……」

梨子「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?」

曜「……うん、私もそれ…」
34: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:51:17.18 ID:YBdvM4H4.net
花丸「知らなかった…なんていうか…すごい、鳥肌が……」

ルビィ「え?そうかな?」

花丸「こ、怖くないの……?鶴と亀が滑る、って…すっごく縁起悪いらしい、よ……」

梨子「そうなんだ……たしかに、この曲は怖いよね…。夜中になんて、絶対歌いたくない」

曜「うん…普通は、そうだよ……」

善子「どうして千歌は、やろうと思ったの……?」
35: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:51:44.65 ID:YBdvM4H4.net
ルビィ「とりあえず…お、お姉ちゃんたち呼びませんか……?」

梨子「そうだね!LINEで…」


Aqours(9)

桜内梨子:至急部室にお願いします。千歌ちゃんがピンチです

黒澤ダイヤ:もうすぐ授業ですが…ピンチなら仕方ありません。すぐに向かいます。
36: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 04:52:27.88 ID:YBdvM4H4.net
梨子「…あ、授業……」

曜「それどころじゃないよ!」

梨子「そうだけど…むつちゃんたちに写させてもらわないとね」

善子「緊急事態だし…先生たちもわかってくれるでしょ。………たぶん」

花丸「オラたちも部室に向かおう?」

ルビィ「うん、そうだね…」
52: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:22:11.63 ID:YBdvM4H4.net
―――

ダイヤ「それで、どうしたんですの?」

鞠莉「さっきの文字化けとなにか関係が?」

果南「千歌がピンチって……どういうこと?」

梨子「順に説明しますね――」
53: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:22:38.08 ID:YBdvM4H4.net
果南「……かごめかごめで異世界に?」

ダイヤ「にわかには信じられませんが……なにか、文献を調べてみましょうか」

鞠莉「umm…インターネットにはそれらしいものは載ってないわね」

花丸「やっぱりこういうのは本が一番ずら!」

果南「じゃあ図書室?」

ダイヤ「いえ、それよりも――」
54: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:23:04.78 ID:YBdvM4H4.net
曜「おぉ……すごい本の量…さすが黒澤家だね…」

ダイヤ「地域史に関する本はこちらの棚ですわね」

ダイヤ「童謡は……確か、こちらに…」

果南「こ、こんなに…?」

曜「早く、見つけないと…」パラパラッ

梨子「そうだね……千歌ちゃん、泣いちゃってるかもしれないし…」パラパラッ

鞠莉「~夜明けの晩に…」

鞠莉「……夜明けの晩、っていつなのかしら」
55: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:23:38.09 ID:YBdvM4H4.net
ダイヤ「夜明けの…晩?夜が明けているのに晩、だなんておかしいですわね…」

花丸「存在しない時間、ってことなのかなぁ」

曜「存在しない、時間…」

梨子「さっきの、曜ちゃんから送られたLINEも…もし、いつかの曜ちゃんが千歌ちゃんと同じ異世界に行ってしまって…存在しない時間の中にいたと、して…」

梨子「時空が歪んで、さっき送られてきた…ってことは考えられない?文字化けも、こっちの世界と向こうの世界では時空が違うから文章がちゃんと送れない……みたいな」

曜「い、いやいや…待ってよ。もしそうだとしたら……私、いつ異世界に……」

果南「AqoursのLINEに送られてきたから…Aqoursが活動を始めてから……ここ3.4か月くらいになるね」

曜「いや…私、かごめかごめなんてやってないよ……」

梨子「うーん…まぁ、仮説だし……ね?」
56: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:24:04.02 ID:YBdvM4H4.net
善子「一度、歌詞の意味…考えてみない?もしかしたら、今のみたいに発見があるかもしれないし」

ルビィ「賛成!えーと、じゃあ最初から…かーごめかごめ…」

果南「囲め囲め?」

ダイヤ「訛りだとしたら…屈め…とか?」

梨子「メモ取っておくね」カキカキ

花丸「籠の中の鳥はいついつ出やる…」

ルビィ「籠の中の…鳥?と、閉じ込められてるとか…」

善子「自由に飛ぶことができない……?」
57: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:24:34.16 ID:YBdvM4H4.net
果南「いついつ出やる……ってのがよくわからないなぁ…いつ出てくるのか?とか…?」

花丸「出やる……出会う、じゃない?」

曜「夜明けの晩に…はさっき出たから……鶴と亀が滑った…も、出たか」

曜「後ろの正面だあれ?」

鞠莉「そのまま…真後ろにいるのはだあれ?ってところかしら?」

梨子「まとめると…」

梨子「囲め囲め(屈め屈め?)自由に飛べない鳥はいつ出会うのか 存在しない時間に 不吉なことが起きた 真後ろにいるのはだあれ?」
58: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:25:00.56 ID:YBdvM4H4.net
ルビィ「ひっ…」ゾワッ

曜「いや、不安は増したし逆効果じゃないかなっ!?」ドキドキ

果南「うーん…これじゃ難しいね。解釈もこれで合ってるかわからないし…」

善子「自由に飛べない鳥ってのもよくわからないしね」

花丸「自分で言ったのに…?」

善子「うっ…悪かったわね」

ピロンッ

曜「………え?」

梨子「どうしたの?」

曜「グループLINE……見て」
59: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:25:53.29 ID:YBdvM4H4.net
Aqours(9)

YOU:??[??A?N??[
60: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:26:28.35 ID:YBdvM4H4.net
善子「二回目…?」

果南「どういう、こと……?」
61: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:26:55.48 ID:YBdvM4H4.net
―――

梨子「全然ないね……」

曜「……」

梨子「……曜ちゃん?わかってると思うけど…」

曜「や、やらないよ!」

ダイヤ「っと…もうこんな時間ですか……みなさん、お泊まりになりますか?」

善子「いや…私は帰るわ。リトルデーモンたちに聞いてみたいし」

ルビィ「あぁ、生放送で…」

果南「私も、おじいが待ってるから…おじいにも聞いてみるね」
62: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:27:21.47 ID:YBdvM4H4.net
花丸「マルは家の古い書物とか探してみるずら」

鞠莉「私は泊まらせてもらおうかしら♪」

梨子「私も、もう少し調べたいので…」

曜「……私も、今日は帰るね」

ダイヤ「それでは…少しの情報でも、なにかわかったらグループLINEにお願いします」
63: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:27:47.83 ID:YBdvM4H4.net
―――

曜「千歌ちゃん…どこ、行っちゃったの……?」グスッ

曜(……私も、あれをやったら千歌ちゃんのところに行けるのかな…)

曜(ぬいぐるみ……あったっけ)

曜(……うちっちーしかないけど、できるよね)

曜(まだ21時過ぎ……ちょっと寝ようかな………えーと、2時くらいにセットして…っと)
64: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:28:18.61 ID:YBdvM4H4.net
2時10分

ピピピピ

曜(……ふぅ)

曜(千歌ちゃん、待っててね。すぐ、そっちに行くから)

曜「かーごめかごめ籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った」

曜「後ろの正面だあれ?」

曜「っ…!」

曜(くらくらして……立ってられないっ!)フラッ

曜(っ……おさまってきた…かな)
65: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:28:46.37 ID:YBdvM4H4.net
曜「………え?」

曜「なん、で…こんな古い、の……?」

ゾクッ

曜「っ!?なんか……すごく、嫌な空気…」

曜「あ、あれ…うちっちー……?」

曜「と、とりあえず……ここを出よう…壊れそうだし」

曜「か、階段…これ大丈夫かなぁ」

ギシッ…ギシッ…バキッ

曜「いっ…!」
66: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:29:16.28 ID:YBdvM4H4.net
曜「ぅぁ…いったぁ…っ」ズキズキ

曜「でもそんなに…深くはない、かな……」

曜「ハンカチを巻いて……っと」ギュッ

曜「痛い、けど………千歌ちゃん、探さなきゃ」フラッ

曜「千歌ちゃんの、家…行ってみよう」

曜「ドア……開かないや」

曜「行儀悪いけど…蹴ったら開く、かな」

曜(怪我してない方の足で……)

ガッ バキッ

曜「……うん、これで出れるね」
67: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:29:47.86 ID:YBdvM4H4.net
曜「なんか…霧?みたいなのが出てるなぁ」

曜「はぁ…怖い……楽しい歌、歌お……」

曜「やあやあ!朝から全開!ねぇねぇみんなもね爽快?やあやあ!なんでもできそうだ!?」

曜「………むなしい」グスンッ

曜「それにしても……なんで、こんなにボロボロなんだろう」キョロキョロ

曜「まるで、何十年も放置されたみたいな…」

曜「い、いや…まさか、ね……?」

曜「ぁ、そうだ…LINE、送ってみようかな」

曜「ポケットに入れてたものは持ってこれるのかな…」
68: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:30:15.48 ID:YBdvM4H4.net
Aqours(9)

YOU:おーい、誰かー


曜「……あ、もしかしてこれって…」

曜「い、いや…未来からLINEが来たっておかしいでしょ」

曜「あれ…でも、二回来てたよね…?」

曜「それに……もし、そうだとしたら…誰にも、伝わらないんだ」ゾクッ

曜「も、やだ……怖いし、足痛いし…」

曜「千歌ちゃん……早く、会いたい…」
69: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:30:45.37 ID:YBdvM4H4.net
曜「………」

曜「千歌ちゃんを見つけて……どうやって、帰るの?」

曜「なにか、なにか見つけないと…」

曜「………海、赤い」

曜「おかしい…絶対、おかしいよ…」

曜「お、お邪魔しまーす……?」

曜「千歌ちゃーん……いるー?」

曜「………だめ、か」

曜「探してみよう…」
70: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:31:11.65 ID:YBdvM4H4.net
ズキッ

曜「ったぁ…結構きつい、なぁ」

曜「そんなに深い傷じゃなかったけど…」チラッ

曜「う、わ…血、垂れてるよ……」

曜「人の家汚しちゃったよ…って、誰もいないんだけどね」

曜「………千歌ちゃんは、ここに来た訳じゃないの?」

曜「どうして?」

曜「わたし、千歌ちゃんと同じことしたはず…だよ、ね?」
71: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:31:38.81 ID:YBdvM4H4.net
曜「ぅぁ…っちか、ちゃ…」グスッ

曜「………だめ、だめだ」

曜「千歌ちゃんを、助けるんだから」

曜「でも、千歌ちゃんはいなくて…」

曜「どうしよう…せめて、戻る方法がわかれば……」

曜「………あ」

曜「もう一回かごめかごめやったら…戻れるのかな」

曜「やれることは、やろう」

曜「ぬいぐるみ……そうだ、うちっちーは…?」
72: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:32:13.05 ID:YBdvM4H4.net
ガタッ

曜「うわぁ!?」

曜「な、んで…ここに……?」

曜「よ、呼んだ……から?」

曜「………」

曜「かごめかごめ――」
73: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:32:40.97 ID:YBdvM4H4.net
プルルルル

曜「っ!」

曜「………え?私の、部屋だ…」

曜「ゆ、め…?」ズキッ

曜「足……怪我、してる」

曜「夢じゃ、ないんだ……」

曜「ぁ、で、電話!」

曜「も…もしもし?」

梨子【曜ちゃん!?何やってたの!?連絡もしないで!】

曜「へ?れ、連絡って…」チラッ

曜(10時……?な、なんで?夜中じゃ…)
75: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 12:33:08.22 ID:YBdvM4H4.net
梨子【心配したんだよ!?曜ちゃんまでいなくなったら、私…っ】

曜「ご、ごめん…それで、あの……かごめかごめで、わかったことが少しだけあるから…会える、かな」

梨子【うん…みんなダイヤさんの家にいるから…待ってるね】

曜「わかった…また後でね」

曜「……痛い」ズキズキ

曜「っと…うん、切れてるだけだし……大丈夫かな」

曜「……よし行こう」

曜「千歌ちゃん、もう少しだけ……待っててね」
90: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 20:47:59.56 ID:YBdvM4H4.net
曜(なにが…なにが違ったんだろう)

曜(ちゃんと夜中…多分、千歌ちゃんのことだから丑三つ時にやっただろうし…それに、ぬいぐるみも使ったし…同じ歌を歌った)

曜(あの世界じゃないところに千歌ちゃんがいるのか……それとも、もう…)

曜(い、いやそれはないよ)

曜(既読はついたんだから…きっと、大丈夫……)

曜(あと……うちっちーがなんで出てきたのかが…わからない)

曜(助かったけど……普通に怖い)

曜(あのとき真後ろから落ちてきて……?)
91: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 20:48:33.34 ID:YBdvM4H4.net
曜(後ろの正面だあれ?…ってあれのこと?いや、あのとき歌ってたわけじゃないからそれはおかしいのかな…?)

曜(……あ、着いた)

ピンポーン

ダイヤ「曜さん、どうし…っ!?」

ダイヤ「その、足は…?」

曜「……ちゃんと話す、よ」

ダイヤ「…中へどうぞ」

曜「ありがとう……その、ごめんね」

ダイヤ「いえ…」
92: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 20:49:04.09 ID:YBdvM4H4.net
ガラッ

梨子「曜ちゃん!」

曜「えーと…お、お騒がせしましたー…」

ダイヤ「……それで、その怪我は?」

曜「かごめかごめをやって……異世界に行ってきまして…そのときに」

果南「あれだけやるなって言われてたのに…戻れたからいいけど、戻れなかったらどうするつもりだったの…?」

曜「ごめん、なさい…」
93: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 20:49:30.36 ID:YBdvM4H4.net
ルビィ「それで……千歌さんは…?」

曜「いなかった…もしかしたら、千歌ちゃんが行ったところとは違うのかもしれない…」

善子「……ん?なんで戻ってこれたの?自動で戻ってきたわけじゃないわよね?」

曜「うん…千歌ちゃんが見つからなくて、とりあえず今わかってることだけでもみんなに伝えなきゃって思って…帰る方法考えてて、来たときと同じことを試してみよう!って…」

曜「それで、後ろから私のうちっちーのぬいぐるみが落ちてきて…」

善子「待って待って…うちっちーが落ちてきたの?」
94: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 20:49:58.56 ID:YBdvM4H4.net
曜「うん。向こうに行ったときはうちっちーがいなかったんだけど…なぜか千歌ちゃんの家で…」

曜「えーと、それで…かごめかごめをやったら……梨子ちゃんからの電話で目が覚めた…みたいな感じかな」

花丸「その世界…なにかおかしなところはあった?」

曜「空気がすごく嫌な感じで…あと、すごく古かった、かな」

曜「海も赤くて…霧が出てた」

梨子「古かった…って?」

曜「何十年も放置されてたみたいで…それで、家の階段で板が割れちゃって…怪我しました」
95: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 20:50:23.82 ID:YBdvM4H4.net
花丸「い、痛そうずら…」

ダイヤ「夢では…ない、のですね」

曜「あっはは…まぁ、そんなに痛くないし大丈夫!」

花丸「そうだ……古い巻物を見つけたんだ」

梨子「巻物……?」

花丸「うん、天保の大飢饉…って、覚えてる?授業でやったと思うけど…」

曜「江戸時代の飢饉、だったよね?」
96: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 20:50:49.78 ID:YBdvM4H4.net
花丸「そう。江戸四大飢饉の一つで…この辺りもだいぶ被害があったみたい」

花丸「それで…当時の人たちはどうにかして食い扶持を減らす必要があった。村のお偉いさんたちが集まって決まったのが――小さな子どもたちを減らすこと」

花丸「選ばれた子どもたちは大人たちによって小さな洞窟の中の小さな小さな牢屋に入れられ、そのまま…って書いてあるずら」

善子「あぁ…ってことは、小さいから……屈め屈め…ってことね」

果南「籠の中の鳥は…牢屋に閉じ込められた子ども…?」
97: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 20:51:26.62 ID:YBdvM4H4.net
花丸「ねぇ、曜さん」

曜「ん…?」

花丸「向こうの世界で…洞窟、見なかった?」

曜「うーむ…いや、見てない…かな」

花丸「そっか…」

ルビィ「ま、まさかとは思うけど…その洞窟に入るわけじゃ…ない、よね……?」

花丸「もし、千歌さんがその子どもたちに取り憑かれていたら…その洞窟にいる可能性が高いかな、って」

鞠莉「ってことは…私たちも、その世界に行かなくちゃいけないわけね」
98: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 20:51:57.34 ID:YBdvM4H4.net
ダイヤ「えぇ…ただ、もう少し計画をしてからでないと……なにが起こるか、わかりませんからね」

花丸「洞窟の場所がわかれば…いいんだけど…巻物には書いてなくて…」

曜「なにか……ヒントが、きっと…」

梨子「洞窟、ってことは……海辺、なのかな…」

曜「海……赤かったの、なにか関係がある、とか?」

果南「それじゃあ海辺を探すとして…あとは、戻り方だね。曜ちゃんはぬいぐるみが降ってきたみたいだけど……私たちの時もそうなるとは限らないし…」
99: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 20:52:24.93 ID:YBdvM4H4.net
ルビィ「じ、じゃあこれは!どう、ですか…?ルビィ、二つあるから…ひとつを使って、もう一つはポケットに入れておけば…!」

チャラッ

ダイヤ「マスコット…これは……ぬいぐるみに入るのでしょうか…」

曜「私の使ったうちっちーは大きいやつだし…千歌ちゃんが持ってるぬいぐるみも小さいのはなかった気がするから…どうなのかなぁ……」

鞠莉「ま、物は試しよ!Let 's try!ダメだったとしても…向こうに行けないだけじゃないかしら?」
100: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 20:52:59.20 ID:YBdvM4H4.net
果南「い、いや…でも…」

鞠莉「そうやって怖がって行動をなにも起こさなかったら手遅れになっちゃうかもよ?」

曜「……やろう。私は、やりたい…千歌ちゃんを助けるためにできることなら、なんでもやりたい」

ダイヤ「ふふ…そうですわね。さぁ、そろそろお腹が空いてきた頃ではございませんか?少し休憩にしましょう」
103: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:12:12.67 ID:YBdvM4H4.net
―――

ダイヤ「さて、それではまとめますね」

ダイヤ「ルビィの持っている二つのマスコットのうち、一つを使用し、一つをルビィのポケットに入れておきます。帰るときはこちらを使ってまたかごめかごめをしましょう」

ダイヤ「できるだけ千歌さんと条件を揃えるために、深夜2時にこの梨子さんの部屋で行います」

ダイヤ「花丸さん、善子さんは他の部屋で待機しておいてもらい、わたくしたちがいなくなったあとの部屋を確認してもらい、わたくしたちが帰るのを待っていただきます」
104: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:12:53.22 ID:YBdvM4H4.net
ダイヤ「向こうに着いたらわたくしとルビィと果南さん、曜さんと梨子さんと鞠莉さん、で別れて海沿いに洞窟がないかを探します。スマホは使えるかわかりませんが、一応持っておきましょう。同じ世界にいれば使えるかもしれませんので…っと、これくらいでしょうか?」

曜「…うん、そうだね。ありがとうダイヤさん」

ダイヤ「……さて、21時過ぎですわね。このくらいの時間にアラームをかけて、仮眠したのですよね?」

曜「うん」
105: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:13:19.32 ID:YBdvM4H4.net
花丸「それじゃあオラたちは向こうの部屋に行ってるずら…気を付けてね」

善子「必ず千歌を連れて…みんな無事で帰ってきてよね」

梨子「うん、もちろん」

バタンッ

果南「アラームセットしたよ」

ルビィ「う、うぅ…緊張しちゃって…寝れるかなぁ……?」

鞠莉「大丈夫、深呼吸して…ゆっくりね……」

ルビィ「すぅ…はぁ…」
106: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:13:46.53 ID:YBdvM4H4.net
―――

2時00分
ピピピピ

曜「ん…梨子ちゃん、起きて」ユサユサ

梨子「…よぉちゃん?」

曜「寝ぼけてる?ほら、2時だよ」

梨子「ぁ、ごめん!」ガバッ

曜「ううん、平気」

ダイヤ「みなさん、大丈夫ですか?」

鞠莉「ばっちりOKよ」

果南「うん、私も」

ルビィ「そ、それじゃあ…置きますね」

「……」
107: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:14:12.41 ID:YBdvM4H4.net
「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?」
108: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:14:41.60 ID:YBdvM4H4.net
曜「っぁ…また、これ…っ」クラッ

ルビィ「ピギッ…お、お姉、ちゃん…」

ダイヤ「大丈夫ですか…っ?」

梨子「っ…」クラクラ

鞠莉「……ん、慣れてきたわね…」

果南「う、わ…ほんとに来ちゃってる」

ルビィ「あ、あれ…うさぎさんが…」

ダイヤ「やはり、消えてしまうのですか……」
109: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:15:10.83 ID:YBdvM4H4.net
曜「みんな、外に出よう…木が腐ってるかもしれないから気を付けてね」

梨子「曜ちゃん、大丈夫?肩、貸すよ」

曜「あ、ありがとう…」

梨子「ほんとは痛いんだよね?わかりやすいよ」コソッ

曜「ぅ…で、でも、内緒だよ?」

梨子「うん、心配させたくないんでしょ?でも…無理はダメよ」

曜「了解であります…」
111: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:15:42.33 ID:YBdvM4H4.net
鞠莉「ワォ…Red sea……」

果南「しかも…ただの赤じゃなくて…赤黒い……」

ダイヤ「二手に別れましょう…ルビィ、果南さん、行きますわよ」

ルビィ「は、はい!お姉ちゃん!」

曜「あ、待って!」

ダイヤ「どうしました?」

曜「LINEつながるか、確認しておこうよ」
112: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:16:15.70 ID:YBdvM4H4.net
Aqours(9)

YOU:おーい

果南「…!使えるんだ…よかった」

曜「じゃあ何かあったらグループLINEでお願いします!」

鞠莉「気を付けてね」

果南「そっちもね…」
114: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:30:44.61 ID:YBdvM4H4.net
―――
ダイヤ「花丸さんの言っていた通りだとしたら…小さなものですから、見つけるのは大変そうですわね…」

ルビィ「で、でも…人が入るくらいなら見つかるんじゃない……?」

果南「うーん…それにしても不気味だね、これ……まるで血…みたいな色してて」

ルビィ「ま、まさか…本物の血じゃ、ない……よね?」

果南「だと…思う、けど……」
115: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:31:13.10 ID:YBdvM4H4.net
ダイヤ「………突き当たりまで来てしまいましたね」

果南「ってことは…向こう側なのかな……LINE入れるね」

Aqours(9)

かなん:こっち、端まで来たけど特になにも見つからなかったから、そっち向かうね

YOU:まって

YOU:こっちも…洞窟、なかったよ

果南「……え?」
116: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:31:39.18 ID:YBdvM4H4.net
―――
曜「はぁ…二度も来るなんて…」

梨子「だ、大丈夫…?」

曜「でも、一人じゃないから平気!」

鞠莉「確かに…ここに一人で来るのは……怖いわね…おかしくなっちゃいそう」

曜「…千歌ちゃん、大丈夫かな」

梨子「怖くて泣いてたらどうしようか」クスッ

曜「そしたらムービー撮って家宝にするかなーなんてね!」
117: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:32:05.31 ID:YBdvM4H4.net
鞠莉「千歌っちのweddingで流さないとね♪」

梨子「あはは……って、あれ…?」

梨子「端に…着いた……?」

曜「え、もう…?この海岸、もっと広くなかったっけ…?」

鞠莉「話してたから?に、しては確かに早すぎるわよね…」

ピロンッ

曜「ん、LINEだ」

Aqours(9)

かなん:こっち、端まで来たけど特になにも見つからなかったから、そっち向かうね
118: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:32:38.33 ID:YBdvM4H4.net
曜「……どういう、こと?」

梨子「どこにも洞窟が、ない…?」

鞠莉「ちょ、ちょっと待って…!それじゃ、私たちはどうすれば…」

曜「と、とりあえず!合流…しようか」

曜「えーと、一度合流しよう。さっきの場所で…っと」

曜「よし、戻ろう」

梨子「曜ちゃん…冷静、だね……」

曜「二度目だからかなぁ…慣れたくはないんだけど…あはは…」
121: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:46:24.35 ID:YBdvM4H4.net
―――
曜「…ん、いたいた」

ダイヤ「曜さん…!」

梨子「ねぇ…そっち……短くなかった?」

ルビィ「え?」

梨子「狭すぎると思うの…もっと、広かったはずなのに……」

果南「てことは…私たちの知ってる場所じゃない、ってことなのかな…」

果南「こう…なにか……妖怪的なものが作った空間!…みたいな?」
122: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:46:50.45 ID:YBdvM4H4.net
鞠莉「一度…千歌っちの家に行ってみない?なにか、あるかもしれないでしょ?」

曜「そうだね…」

テクテク

梨子「お、お邪魔しまーす…」

曜(もし、私が行った世界と同じだとしたら…)

曜「こっちから、行こう」スタスタ

梨子「え、うん…?」

曜(……やっぱり、あった)
123: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:47:16.99 ID:YBdvM4H4.net
ルビィ「ひぃっ…!こ、これ…血……?」

曜「私が来たときに汚しちゃったの…それがあるってことは…私が来た後の世界だ……」

果南「あんまり時間が経ってないみたいだね…」

曜「それで…こっちにいるときに後ろからうちっちーが落ちてきて……」

鞠莉「じゃあ、ここから先は行ってない?」

曜「うん、行ってないよ」
124: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:48:11.03 ID:YBdvM4H4.net
鞠莉「一番有力なのは千歌っちの部屋ね…来たときは部屋だったはずだから……」

ガッ…ガッ……

鞠莉「……立て付けが悪くなってて開かないわ…」

果南「仕方ないよ…ちょっと下がってて…」スッ

ドッ

ダイヤ「み、見事な蹴りをお持ちで…」

曜「あ、あれ…!」
125: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 21:48:49.77 ID:YBdvM4H4.net
梨子「千歌ちゃんの、スマホだ…」

鞠莉「電源つく?」

梨子「いや…壊れちゃってるみたい…画面も割れてて……それに、なんだか汚れてて…ずっと昔から置いてあるみたい、じゃない…?」

果南「……ね、ねぇみんな…なんか、気持ち悪くない…?」

ルビィ「う、うん…来たときみたいな感じ、で……」

曜「な、なに…?こんなの…知らないっ…!」

クラッ

鞠莉「み、ん…な……?」

曜(視界が白んで……あたまも、ぼーっとする…)
138: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:31:23.03 ID:YBdvM4H4.net
―――

2時30分

ピピピピ

花丸「ん…善子ちゃん、起きて」

善子「ぁ…おはよう、はなまる…」

花丸「梨子さんの部屋、見に行こう」

善子「えぇ…行きましょう」

コンコン ガチャッ

花丸「誰もいないね…みんな成功したみたい」
139: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:31:59.26 ID:YBdvM4H4.net
善子「ルビィのうさぎさんもいないわね」

花丸「一緒に行ったのかなぁ…?」

ピロンッ…ピロピロピロンッ

善子「ん?なんか一気にLINEが…」


Aqours(9)

YOU:??[?

かなん:????A?[???????????????????????A???????

YOU:???

YOU:?????c??A?A?????

YOU:??x???????B????????
140: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:32:30.38 ID:YBdvM4H4.net
善子「……こわ」

花丸「そういえば…変じゃない?」

善子「なにが?」

花丸「文字化けの仕方が…えっと、最初に曜さんから来た文字化けは難しい漢字のやつだったよね?」

花丸「でも、そのあとは全部ハテナと英語で…」

善子「…そう?たまたまなんじゃない?」

善子「でも……確かに、おかしいわよね」

善子「たとえメモしておいたとしても…送るスピードが早すぎる……スタンプならともかく、文章みたいだし…」
141: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:33:00.07 ID:YBdvM4H4.net
善子「最初の…曜さんが送ってないのにLINEが来たやつもおかしいし……なんなのよ、これ…」

花丸「……オラたちは、信じて待つことしかできないずら…」

善子「もどかしい…」

花丸「この辺りの地形に関する本を持ってきてるから洞窟探してみようか」

善子「そうね…何かしていないと不安だし……」
142: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:33:39.58 ID:YBdvM4H4.net
―――
曜「ぅ…ぁ…?」

曜(あれ、私…確か、倒れて…!)ガバッ

曜「こ、こは…?」

曜(部屋が…きれいに、なってる……?さっき果南ちゃんが蹴破ったはずの障子も元に戻ってて…それに、さっきよりも新しく…いや、それでも古いことには変わりないけど…)

曜(みんな無事みたい…よかった……)チラッ

曜「……え?」

曜「なんで空が真っ赤に染まってるの…?」
143: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:34:07.57 ID:YBdvM4H4.net
梨子「っ…よう、ちゃん…?」

曜「あ、梨子ちゃん…」

梨子「な、に…ここ……」

ダイヤ「っつぅ…いったい、なにが…」

ルビィ「あ、あれ!?ここ…さっきと違う…よね?」

鞠莉「……千歌っちのスマホ…新しくなってる…?」

鞠莉「umm…電源はつかないわね。画面も割れたままだし」

曜「果南ちゃん、大丈夫…?」

果南「ん……なんとか」
144: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:34:33.11 ID:YBdvM4H4.net
鞠莉「意外ねぇ…果南、こういうの効かなそうなのに」

果南「ちょっと…それ、どういうこと?」

曜「ちょ、そんなことしてる場合じゃ…ほら、外見てよ!?空が赤…く、て……?」

梨子「どうしたの?」ヒョイッ

梨子「あ、あれ……千歌、ちゃん…?」

曜「っ!」ダッ

梨子「曜ちゃん、ダメっ!」

ルビィ「ち、千歌さんって…どういうこと?」

梨子「外…見てみて…私は、曜ちゃんを追いかけるから!」ダッ
145: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:34:59.65 ID:YBdvM4H4.net
果南「危ないって!……外、って?」ヒョイッ

果南「あの特徴的なアホ毛は…な、なんで海岸に!?」

ルビィ「それに…なん、だろう……あの、動き…」

ダイヤ「頭を撫でる…みたいな動き、ですね」

鞠莉「って!観察してる場合じゃない!千歌っちのところに行くわよ!」
146: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:35:27.65 ID:YBdvM4H4.net
―――
千歌「うんうん、あはは!そーなの?」

千歌「へぇ…えらいね!」ナデナデ

曜「千歌ちゃんっ!?」

千歌「わ…曜ちゃん?」クルッ

曜「っ!」

曜(なんか、変…うまく言えないけど、とにかく、おかしい……)

千歌「どうしたの?…ん、このお姉さんにも遊んでほしいの?」

千歌「よーし、じゃあなにしよっか!」

曜「ち、千歌ちゃん…なに、言ってるの……?」
148: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:36:14.27 ID:YBdvM4H4.net
曜「千歌ちゃん以外、誰も……」

千歌「………曜ちゃんこそ、何言ってるの?あ、あぁ!泣かないで?」ナデナデ

千歌「ほら、ダメだよ曜ちゃん…小さい子には優しくしなきゃ……ね?」

曜「小さい、子……?」

『選ばれた子どもたちは大人たちによって小さな洞窟の中の小さな小さな牢屋に入れられ、そのまま…って書いてあるずら』

曜「ま、さか…っ」ゾワッ

千歌「ふむふむ…よーし、曜ちゃんそこに屈んで?」

曜「……え?」

千歌「ほら、はやくー」グイグイッ

曜「こ、う…?」
149: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:36:57.86 ID:YBdvM4H4.net
「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる…」

曜(なに、これ…たくさんの、子どもの声……からだ、うごかない)

「夜明けの晩に 鶴と亀が滑った…♪」

曜(ぁ……わたし、ここで…)

「後ろの正面だあれ?」

曜「ぁ……っ」パクパク

千歌「あは、時間切れ~♪もう、千歌だったんだよ?」

千歌「ざぁんねん…不正解者には罰ゲーム、だよね?」ケラケラ

曜「ぅ、ぁ…」バクバク

曜(やだ、だれか…たすけて…!)
150: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:38:59.51 ID:YBdvM4H4.net
スッ…キュッキュッ

千歌「んふー、よし!」

曜「……へ?」

千歌「あはは!かーわいい!」

梨子「よ、ちゃ…曜ちゃん!千歌ちゃん!」

曜「り、こ…ちゃ……」クルッ

梨子「へ?」

梨子「そ、その顔…どうしたの?」

千歌「あれ、梨子ちゃんもいるんだ」

梨子「な、なにやって…」

千歌「見ての通り…みんなと遊んでたんだよ?」
151: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:39:41.25 ID:YBdvM4H4.net
梨子「見ての通りって…誰も……それに、それ…墨?」

千歌「誰も……?」

千歌「曜ちゃんも、梨子ちゃんも…どうしたの?みんないるのに……かわいそう」

梨子「え?」

千歌「ひどいよ…なんで……?悪いことなにもしてないのに…ママもパパも…いつになったら迎えに来てくれるの……?」ボロボロ

千歌「かわいそう…かわいそうな、ワタシたち……ここにいるのに、みんな忘れてしまったんだわ」

千歌「寒い…水が上がって、冷えきってる……みんな、みんな死んじゃった」
152: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:40:07.50 ID:YBdvM4H4.net
鞠莉「っはぁ…はぁ…!」

果南「千歌!」

千歌「どうして誰も気付いてくれないの……?ねえ、ワタシたちのこと、気付いてよ。寂しいよ、遊ぼうよ」

ダイヤ「千歌、さん…?」

千歌「もうワガママ言わないから…もう一度、もう一度……」

ギュッ

曜「大丈夫…」

千歌「おねえさん?」
153: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:40:33.27 ID:YBdvM4H4.net
曜「つらかったよね、寂しかったんだよね…」ナデナデ

曜「さっきはあんなこと言って、ごめんね?でも、今はちゃんとみんなのこと見えてるから、大丈夫だよ」

曜「あなたたちはなにも悪くないよ。もう、苦しい思いなんて、しなくていいんだよ…」

千歌「……ごめんなさい」モギュッ

千歌「おねえさんの、お友だちを騙しちゃった…遊んでほしくてね、悪いことしちゃったの…」

曜「千歌ちゃんなら許してくれるから大丈夫!いっぱい遊んでもらえた?」
154: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:41:12.33 ID:YBdvM4H4.net
千歌「うん…ワタシたち、悪いことしたのに、たくさん遊んで…いっぱい、頭撫でてくれて…褒めてくれたの」

曜「よかったね…楽しかった?」

千歌「楽しかった…ずっといて欲しくて、友達になってほしくて……ちかちゃん、閉じ込めちゃったの…ごめんなさい」

千歌「でも、でもね…もう、平気……ちゃんと、かえすから……」

曜「ま、って…まだ!」

千歌「えへへ…おねえさんのぎゅー、気持ちよかった、よ……」

曜「っ…!」
155: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:41:42.82 ID:YBdvM4H4.net
千歌「ん、ぅ……あれ…?」キョロキョロ

千歌「みんなは…?」

ルビィ「もう…帰っちゃったみたい……」

千歌「そっか……」

曜「千歌ちゃん、よかった…」ギュッ

千歌「……あの子たちは、悪くないから…責めないでほしい」

曜「責めないよ…だれも、責めないよ……あんな、幼い子どもを…っ」

果南「……空、快晴になってるね」

鞠莉「………ずっと、ここで…両親を待ってたのかしら」
156: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:42:09.00 ID:YBdvM4H4.net
ダイヤ「戻ったら……祠を立てませんか?きっと、話せば…」

ルビィ「うん、そうだね…どうか、安らかに眠れるように…」

梨子「水が上がって、冷えきって……」ボソッ

曜「ん?」

梨子「……そっか、そうだ…」

梨子「洞窟の場所、わかったよ」

曜「ほんと…?そうなら、みんなを出してあげないとだね…」

梨子「うん…海に入らないといけないから……見つけるのは大変だろうけど…」

果南「江戸時代は陸だったところが…今は海の中、だったんだ……そりゃ、見つからないわけだよね」

ダイヤ「では……戻りましょう」
157: 名無しで叶える物語 2017/05/21(日) 23:42:35.84 ID:YBdvM4H4.net
「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?」
169: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:07:02.93 ID:96Xs0vnM.net
―――
果南「お、おぉ…戻ってきてる……?」

バタバタ

花丸「よ、かった…っ!」グスッ

善子「おっそいのよバカ…」

鞠莉「Sorry…」

千歌「あはは…お騒がせしましたー…」

梨子「ん…これ、地図……?」

花丸「うん、江戸時代の地図で洞窟探してたん、だけど…」

ダイヤ「今の地図はありますか?」

花丸「え?うん、こっちに…」
170: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:07:32.13 ID:96Xs0vnM.net
ダイヤ「……この辺りになりますね」

善子「へ?なんでわかるのよ?」

ルビィ「ルビィたち…その、子供たちに会ってきたから…」

善子「……まじ?」

千歌「みんな、すごくいい子で…なのに……」

梨子「……曜ちゃん?大丈夫…?」

曜「…え?あ、ごめん……大丈夫、大丈夫だよ」

果南「おじいの知り合いが船貸してくれるって!」

ダイヤ「こちらも何人か出してくださるみたいですわ」
171: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:08:06.13 ID:96Xs0vnM.net
善子「じゃあ…その、江戸時代の子どもたちを見つけに……?」

ダイヤ「いえ、わたくしたちはさすがにお留守番ですわ…それに」チラッ

千歌「ん?」

梨子「これからお説教が待ってる人がいるからね…ほら、行くわよ」

千歌「ひっ…やぁぁだぁぁ!助けてぇぇえぇ!!」ズルズル

ルビィ「あ、はは…」

バタンッ

曜「……あ」

鞠莉「どうかした?」

曜「スマホ…ない……」

果南「あちゃー…向こうに置いてきちゃったのかな?」

曜「諦めて新しいの買わなきゃだ…」
172: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:08:31.50 ID:96Xs0vnM.net
―――
志満「……千歌」

千歌「ハイ」セイザ

志満「私が言いたいこと、わかる?」

千歌「興味本位で危ないマネをしてすみませんでした」

志満「……うん、それで…」

千歌「洞窟の中に、子どもたちが…だから、ちゃんと供養してあげたくて…果南ちゃんの知り合いの人が船出してくれるらしいし、ダイヤさんのところも供養のための祠作ってくれるらしくて……」
173: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:09:15.57 ID:96Xs0vnM.net
そのあと、しばらくしてから町のお偉いさんたちが来て、私たちに謝ってくれた。
私が勝手にやってしまったことなのに、なんだか不思議な気分だった。
ほどなくして、洞窟が見つかった。
中には10数人ほどの骨が見つかったようで、洞窟の近くに祠が作られ、供養されたみたい。
この前までのあの体験はまるでなかったかのように、いつも通りの日常が訪れた。
向こうに置いてしまったスマホを新しく買い換えたけど、曜ちゃんはまだ買ってないみたい。
理由を聞いたら、なかなか時間がとれないんだって。
174: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:09:41.73 ID:96Xs0vnM.net
曜「あ、そうだ…。千歌ちゃん、今日泊まりにこない?」

千歌「え、今日?」

曜「うん…その、ママもパパもいないから……え、と…」

千歌「あ、そういうこと?うん、いいよー」

千歌(曜ちゃん、恥ずかしがり屋さんだから…寂しいとか、言えないんだよね)

千歌「じゃあ梨子ちゃんも…」

曜「だめ!」

千歌「え?」
175: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:10:09.85 ID:96Xs0vnM.net
曜「ふ、二人がいいなぁ……なん、て」

千歌「……へ」

曜「ご、ごごごごめん!やっぱなんでもない!」

千歌「えへへ……じゃ、二人でお泊まりしよ!」

千歌(やっぱり…あのとき、怖かったよね。いきなりいなくなっちゃって……今日はたくさん甘えさせてあげなきゃ)
176: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:10:19.69 ID:96Xs0vnM.net
―――
曜「千歌ちゃーん、お風呂あいたよー」

千歌「あ、うん!ありがと!」

グイッ

千歌「ん?」

曜「千歌ちゃん、好きだよ」

千歌「どうしたの急に…私も曜ちゃんのこと、好きだよ?」

曜「ずっと、一緒にいてくれる…?」

千歌「うんっ!ずーっと一緒!」

曜「えへへ…そっかぁ!引き止めてごめんね!」

千歌「ううん、お風呂行ってくるね」

曜「いってらっしゃい」ニコッ
177: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:10:59.60 ID:96Xs0vnM.net
―――
花丸「うーむ…」

善子「なに難しい顔してるのよ?」

花丸「あの文字化けの謎を解き明かしたくて…一個だけ、どうしてもわからないところがあるんだよね」

善子「へぇ…どんな?」

花丸「えっと、まずわかったことが…違う世界間でLINEをすると、文字化けをすること。同じ世界間は普通に連絡がとれること。世界をまたいでも、ログは残ること。あと、文字化けには二種類あること」

花丸「それと、千歌さんが最初に行った世界と、曜さんが一人で行った世界の二つ世界があること」

花丸「千歌さんが行った世界では、文字化けは漢字になって、曜さんが行った世界では、文字化けはハテナと英語になること……これくらいかな」
178: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:11:30.62 ID:96Xs0vnM.net
善子「なんでそんなとこまでわかるのよ…」

花丸「千歌さんが行った世界…えっと、『空が赤い世界』で、千歌さんが曜さんからLINEが来たんだって。難しい漢字が並んでるやつ」

花丸「それが多分、曜さんが朝心配で送ったLINEだと思うんだ」

善子「いや、曜が送ったときにはもうだいぶ時間経ってるわよ?」

花丸「そうなんだけど…この後のも考えたら、異世界では時間の流れがおかしいんだと仮定してるずら」

善子「ま、まぁ…異世界だしね」
179: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:12:28.22 ID:96Xs0vnM.net
花丸「……でね、おかしなところがここなんだけど…」

花丸「グループLINEに届いた曜さんからのメッセージなんだよね…えっと、この表を見てくれる?」

善子「ん…曜さんが異世界から送ったLINEは最初に『海が赤い世界』でみんなに送ったものと、千歌さんを探しに『海が赤い世界』で海岸を歩いたときの二回…?」

善子「私たちが確認したのが…最初の漢字が並んでるやつと、調べものしてるときのハテナのやつと、一気に送られてきたハテナのやつの……三、回…?」

花丸「つまり……つまり、だよ?」

花丸「曜さんが今後異世界からLINEを一度送ってくるってこと…だよね?」
180: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:12:50.03 ID:96Xs0vnM.net
善子「それに…あと残ってるのは『空が赤色の世界』…?」

花丸「そう…でも、それでもおかしいよね……どうして曜さんがもう一度あそこに行くのか、って…」

善子「……私も、気になってたことがあるの」

花丸「え?」

善子「どうして、曜と千歌は同じことをしたのに、別々の世界に行ったのか…それと、みんなで行ったときに途中で世界が変わったのはなぜなのか、ってこと」

花丸「あぁ、それなら…なんとなくだけど、説明できるかな」
181: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:13:56.49 ID:96Xs0vnM.net
花丸「善子ちゃん、丑三つ時って何時かわかる?」

善子「2時でしょ?」

花丸「うん、詳しく言うと、2時から2時30分までなんだ。丑三刻…つまり丑三つ時だね」

花丸「丑の刻は1時から3時までで、それを4等分にするの。1時から1時30分が一刻。1時30分から2時が二刻。2時から2時30分が三刻。2時30分から3時が四刻」

花丸「それでね、千歌さんが『かごめかごめ』をやったのが1時50分…丑二刻だったんだって」

花丸「曜さんは2時10分、丑三刻」
182: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:14:14.90 ID:96Xs0vnM.net
善子「二刻だったら『空が赤い世界』で、三刻だったら『海が赤い世界』ってこと?じゃあ、三回目に行ったときのは…?」

花丸「あのときは、みんなが行ったのが2時ちょうど…つまり、二刻と三刻の境界だった。そして、マルたちが部屋に入ったのが2時30分…三刻と四刻の境界」

花丸「マルたちが部屋に入ったことによって、異世界につながった部屋と、廊下の境界が途切れて、みんなが飛ばされた…の、かなぁって思うな」

善子「境界、ねぇ…」

花丸「杞憂だと、いいんだけど……」
183: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:14:53.80 ID:96Xs0vnM.net
―――
曜「とぉ!ほいっ!」

千歌「んがー!また負けたぁ!」

曜「あっはは!まだまだですなぁ」

千歌「くぅ…悔しいー!」

曜「もっかいやる?」

千歌「んー…って、うわ!もう2時になっちゃうよ!そろそろ寝よ?」

曜「1時58分…」

千歌「ほら、片付けよ」

曜「ちかちゃん」グッ

ドサッ
184: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:15:22.74 ID:96Xs0vnM.net
千歌「よ、曜ちゃん?動けない…よ?」

曜「……ちかちゃんは、私のこと好き?」

千歌「す、き…だけど……?」

曜「………」

千歌「あの、曜ちゃん?」

曜「ごめんね、できるだけ苦しくないようにするから」ググッ

千歌「っ…!?」
185: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:16:39.47 ID:96Xs0vnM.net
千歌「っが…はっ…ょ、ちゃ……?」

曜「ごめん、ごめんね?」チラッ

1時59分

千歌「っ…」

曜「……」

ズルズル

2時00分

曜「………」
186: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:17:02.47 ID:96Xs0vnM.net
「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ?」
188: 名無しで叶える物語 2017/05/22(月) 19:19:42.15 ID:96Xs0vnM.net
おしまいです。
なんちゃってホラーでした。


どうして曜ちゃんのときは都合よくぬいぐるみが落ちてきたのでしょうか。
海が赤いのは……?
空が赤い世界と海が赤い世界の違いは?

ガバガバだけど一応設定とかは考えてあるので考察とかしてくれると嬉しいです。
お付き合いいただきありがとうございました。
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『千歌「後ろの正面だあれ?」』へのコメント

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