にこ「大銀河宇宙No.1アイドルにこにー」

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にこ-アイキャッチ20
にこにーは、みんなのアイドル。


笑顔を配って幸せにさせるのが私の仕事よ。


応援してくれるファンの人たちのためにも、今日も頑張るわ。



「にっこにっこにー!」

pixiv: にこ「大銀河宇宙No.1アイドルにこにー」 by Cupola

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笑顔の魔法、にこにこにー。


大銀河宇宙No.1アイドルにこにーの得意技。


子供も大人も、男の子も女の子も、みーんなにっこり笑顔になるの。



「さて、今日もたくさん笑顔を配れたわね!」


「あなたたちも、なかなか良かったわよ」


にこにーには、目的を同じくする仲間がいるの。


にこにーと比べればまだまだだけど、将来有望なアイドルたちよ♪


でも、なんか顔が冴えないわね。


アイドルがそんなんじゃ、ダメダメよ♪



「ねえ、にこにーはそれでいいの?」


「にこにーが笑顔を配ったら、誰がにこにーを笑顔にするの?」



……人を笑顔にするのが、にこにーの喜びなの。


私は、アイドルだから。


「にこにーは、笑顔を配ることで笑顔になるの。アイドルなら、当然のことよ」


それが大銀河宇宙No.1アイドルなら、なおさらね。


「あなたたちも見習うことね」


「今日はここで解散。明日のライブに備えて早く休みなさい」



ーーーーーーーー



今日は、秋葉原で私たちのライブをやったわ!


反応も良かったし、にこにーのアイドル道は順調ね!



「よし、今日のライブも成功したわね。たくさんの笑顔を配れたわ」



「にこにー、もう休もうよ。人前では笑顔だけど、にこにーの本当の笑顔、しばらく見てないよ」


「にこにー、私たちももう限界。気づいてる?お客さんも前回より減ってるんだよ?」



……私も本当は気づいてた。


ファンの人たちがだんだん減っていること。


この子たちがにこにーを心配してること。




だけど、にこにーは夢を、アイドルを、捨てられない。


「アイドルは、笑顔を作る仕事じゃない。笑顔にさせる仕事なの」


「どんなにつらくても、ファンが少なくても、諦めちゃダメよ」



「……ごめん、にこにー。私たち、もうついていけない」


「私たち、話してたの。私たちじゃ、にこにーの隣にはいられない」




こうして、笑顔を配ったにこにーは、笑顔を失い、さらに仲間も失った。



ーーーーーーーー



笑顔と仲間を失ったにこにーは、もう笑顔を配れない。


ファンの人たちはどんどん減り、笑顔は消えていった。



「それでも、にこにーはアイドルなの。大銀河宇宙No.1アイドルは、絶対にくじけない」


もはや訪れる者は誰もいない、アイドル研究部の部室。


にこにーの声は、虚しく部屋に響くばかりだった。



そして、その時はやってきた。




今日は、久々なにこにーのライブの日。


学校の講堂で、30分だけ時間をもらえたわ。


衣装に着替え、舞台の下手で待機する。


本ベルが鳴り、ライブの始まりを知らせる。




「みんなー、今日はにこにーのライブに来てくれてありがとー!」


「さあ、みんなで一緒に笑顔の魔法よ!」


「せーの」


「にっこにっこ、にー……」



舞台に立ったにこにーが見た景色。


それは、無人の会場。


笑顔の魔法も、受け取る相手がいなくちゃ意味がない。


笑顔を配ったにこにーは、ついに笑顔を配りきってしまった。




不屈のにこにーの、鉛の心臓は、ここでぽっきりと割れてしまった。




ーーーーーーーー



一人、部室に戻った私は、心を閉ざした。



「こんなに頑張っても、私はアイドルになれないの?」


「私は、にこにーには、なれないの?」


にこにーと私。


それは遠く離れすぎていた。



大銀河宇宙No.1アイドルだったはずのにこにーには、もう配る笑顔も、くじけぬ心も、残ってはいなかった。



そのとき、部室のドアが、ガラガラと開かれた。



「お困りのようね!」



現れたのは、二人組だった。


「この私、天才マッキーが助けに来たわ!」


「かしこいかわいいエリーチカよ。そんな顔じゃ、ハラショーとは言えないわね」



天才マッキーと名乗る少女は、白衣を着て、赤髪の癖っ毛をいじっている。


かしこいかわいいエリーチカは、綺麗な金髪をポニーテールにしている。


どちらもとても目立ち、まるでアイドルのようだ。



「ついて来なさい、あなたに見せたいものがあるの」


為すがまま引っ張られる私が連れてかれたのは、講堂だった。


そこには、無人の会場で踊る、三人のアイドルの姿があった。


観客はいなくとも、確かにアイドルは輝きを放っていた。




笑顔を配りきって、笑顔を失ったにこにーは、笑顔をもらって、再び笑顔を配るのだ。




「ほら、あなたの衣装。にこにーのライブは、まだ終わってないでしょ?」


天才マッキーは、私の背中をポンと押す。



そうだ。本当の大銀河宇宙No.1アイドルにこにーは、こんなものではなかったはずだ。


「大銀河宇宙No.1アイドルにこにーは、みんなにもらった笑顔を配って、幸せにさせるまで絶対にくじけない」



かしこいかわいいエリーチカと名乗った金髪の女性は拍手をしている。


「ハラショー、さすがにこね」




三人組のアイドルがライブを終えれば、次はにこにーの番。


観客のいない講堂にも、今は少なくとも5人笑顔の魔法を受け取ってくれる人がいる。


「待たせたわね!今度こそ、にこにーのライブ始めるわよ!」


「にっこにっこにー!」



ーーーーーーーー



かつて一人になったにこにーには、今は8人の仲間がいる。


合わせて9人のアイドルは、お互いに笑顔をもらい、みんなに笑顔を配るのだ。


「大銀河宇宙No.1アイドルにこにーは、全世界のみんなに笑顔をもらって配るのよ!そして、それまでは絶対にくじけない!」


「笑顔の魔法、いくわよ!せーの……」


「にっこにっこにー!」



ーーーー終わりーーーー
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