From:園田海未 To:南ことり

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海未-アイキャッチ54


To:南ことり

近況を連絡しておきますね、といっても変わったことはありませんが。
穂乃果は本格的に実家、穂むらの家業を継ぐ準備をし始め、たまにひぃひぃ言っています。

私は…今大学で国文学を学んでいます。そういえば言ってなかったですよね。
両親の思い描いている最高学府である大学と、今の時代の大学ではかなり現実的な差があり、私も多少苦労はしています。



――ことり、あなたはどうしているのですか?

pixiv: From:園田海未 To:南ことり by 朝霧ユウ

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ことり「―――じゃあ、ね。次会えるのはいつか分からないけど…ちゃんと連絡するからね!」

私と穂乃果、二人の幼馴染に対し、ことりはそう言いました。最後の見送りはご家族の方がしますが、その前に私たちだけでお見送りをしたんです。

ことりはやはり、海の向こうへ行ってしまいました。自分の夢を追いかけているのですから、応援したいです。とはいえ、あまり連絡が取れないで寂しいのが事実なのですが。


穂乃果「ことりちゃんどうしてるのかな…?」

今日は互いに休みが合わず、久しく会えなかった穂乃果と少し町を出歩いています。

海未「さぁ…、まともに連絡もしてくれませんからね。私は数か月前にメールの返信が来たくらいです、ただの雑談ですし。穂乃果は?」

穂乃果「んー…、寒中見舞いが着たくらい?」

海未「寒中見舞い…もう夏ですよ?」

穂乃果「夏なのにね…、ひどいよぉ…」

海未「ことりは自らの意思で行ったのですから、責められませんが。」

穂乃果「そりゃねぇ…。海未ちゃんさ、ほんとによかったの?」

海未「よかった?何がです?」




穂乃果「ことりちゃんに…告白。しないでよかったの?」


想定外の言葉。告白?私がことりに…?そういう対象として認識することもなかったのですが。というか破廉恥です。

海未「何言ってるんです、私はまだ恋愛は早いと思っていますから。」

穂乃果「ふぅーん、いいならいいんだけど。ことりちゃんさ、やっぱり可愛いし…、向こうの人たちにモテモテで、もしかしたら恋人もいるかもだよね。」

海未「…」

恋人がいるかも、そんな言葉に少し胸がチクリと痛くなりました。親しかったし親友も遠くの人なのでしょうか…。

穂乃果「穂乃果はずっと穂むらにいるから、あんまりそういう話は起こらないけど…海未ちゃんだってそろそろ恋してもいいんじゃない?もう二十歳なんだしさ。」

海未「そう…ですねぇ。」

この後も穂乃果の他愛ない話は続きました。でもなぜか私は上の空で…、何回か穂乃果に怒られるほど。

あの時書いた詩、特に恋の歌は、歌人のように気持ちを想像して書いていましたが、本当はこんな気持ちになるのでしょうか。よくわかりません。


恋…か。


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あ…この坂…いつもの通学路。…あれは…ことり?

海未「ことり、おはようございます。」

ことり「あ、海未ちゃん!おはよ!!あ、髪切ったでしょ?」

海未「あら、よくわかりましたね、整える程度というかほんの少しだけなのに…」

ことり「えへへ、当たりまえだよ♪だってことりは海未ちゃんのコト―――



海未「…え?こと…あぁ…」

夢、でした。脱力して半端に開いた口からため息交じりの声が。

ちょっと考えれば私たちが高校生でないこと、あの道はもう使っていないこと、それに…ことりがいないことなんて。私がよく分かってるじゃないですか。

海未「私のこと…なんなんでしょうね。」

私の脳が作り出した虚像のことりに追慕しつつ、日光を取り入れるためにカーテンを開ける。

銀杏の葉が、ひらりひらりと。

海未「もう秋…ですよ。ことり。少しくらい連絡を寄越しなさい。ばか。」

柄にもなく変な独り言を…、とりあえず、朝の準備を始めましょうか。



最近は行儀が良くないとは思いつつ、朝食と共にTVでニュースをチェックしています。心地のいい話は少ないですね。

それに、毎回流れるCMのシングルリリース情報…そこでかつての仲間、にこの活躍ぶりを見られますしついつい。またライブのチケットが郵送されてくる頃でしょうか、楽しみですね。

ちなみに、にこは宣言通りアイドル、絵里と希はラジオ局のプロデューサーに引き抜かれたとかで大学に通いつつもラジオのトーク番組をしています。たまに聴きます。

海未「こうしてみるとあの三人が一番近況を把握しやすい…んでしょうね。」

一応ことり以外のμ'sのメンバーは基本的に国内にいるので、メールはたまにやり取りがあります、あ、話をすれば花陽で…


From:小泉花陽
To:海未
件名:non title
本文:
ことりちゃんが、帰ってきたって( *´艸`)


ほらね、花陽はいつも所謂"女子力"の高いメールを…っじゃないですよことり!!? どういうことなのでしょう…? 私はもちろん穂乃果もおそらく連絡は受けていないはずで…


To:小泉花陽
詳しく聞かせてください。


私は生まれて初めて、"即レス"をしました。


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海未「待ち合わせはここで…あ、花陽?」

花陽「…あ!海未ちゃん!!久しぶりだね!!」

海未「音ノ木の時より少し髪を伸ばしてるんですね。」

花陽「うん♪大人っぽいかなって♪ことりちゃんくらいの長さにはしたいなぁ…」

海未「そうでした、私たちはその話をしに来たんですよね。早速いいですか?」

花陽「えっ?いいけど…海未ちゃんがそこまで食いつくのも珍しいね…?」

海未「私や穂乃果も知らないことを花陽が知っている、ということがとても珍しいですからね、さもありなんです。」

花陽「…??あ、じゃあその辺の喫茶店とか、入ろっか。」


よくある喫茶店に入り、適当に注文をする。…そこでまた。

花陽「海未ちゃんは…、ことりちゃんのことどう思ってた?」

海未「どうって…ことりは親友ですが。」

花陽「…そっか。ちょっとびっくりするかもなんだけど…」

花陽「ことりちゃん、恋人が出来たんだって。」

海未「え…?」

花陽「や、あくまで噂なんだけどね、久しぶりにアイドルの掲示板をチェックしてたら、ことりちゃんがこっちにいて、誰かと二人で仲良く歩いてたって書き込みがあって…」

海未「書き込み…、書き込みなら信頼に足りませんよ…驚いたじゃないですか…」

花陽「そう…かもね、でも海未ちゃんには一番に話しておきたくて。」

海未「私に?なんで…」

花陽「…なんでかな。まぁまた連絡とってみようよ♪あ、そろそろ頼んだの来るんじゃないかな?」

海未「あ、そういえば来ますね…。分かりました、ひとまずことりにメールはしてみますね。」


To:南ことり
元気にしていますか?こっちに来ることがあれば是非話を聞かせてくださいね。


小気味よく画面を操作して、送信ボタンを押す。本来なら文通の一つでもしたいのですが、生憎向こうの住所も知らないですからね…。



絵里『はい、じゃあここで希の占いのコーナーね、えーとなんだっけ。』

希『えりちしっかりしてな?スピリチュアル診断室やよ。』

絵里『あーそうそう。まぁ希がいい感じに占ってくれてるコーナーね。』

花陽「あ、この喫茶店希ちゃんと絵里ちゃんのラジオ流してるんだ…」

確かに、懐かしい二人の緩い会話が。ことりの話に夢中になっていて二人とも気づかなかったみたいです。

海未「本当ですね。相変わらずの二人ですよ。」

花陽「夫婦って裏で呼ばれてるんだって。」

海未「はは…」

希『んーもうそれでいいよやろやろ。えーと今回は恋にお悩みの方への純愛レンズ!恋のはじまりの予感、自分を見つめなおすことが大切です!やって~。』

絵里『ふむふむ…6ハラショーくらいね。』

希『え?』

絵里『え?』

私はこの二人のラジオ、放送事故も甚だしいと思うのですが結構人気だそうです、事実、こうやって店で流れるほどですからね。

花陽「恋のはじまりかぁ…何かあるかなぁ。」

海未「花陽は付き合ったりとかは…?」

花陽「ぜーんぜん。やっぱりアイドルの話になると止まらなくなる人は引かれちゃうよ…」

海未「そう…ですか…」

花陽「そういう海未ちゃんは?…やっぱり彼女出来たの?」

海未「やっぱりって何ですか、恋愛なんて破廉恥です。」

花陽「まだその意識なんだね…」

海未「これからもです。」

海未「…。ことりがもしお付き合いする方がいるのなら…会いづらそうですね。」

花陽「…?」

海未「ほら、あるじゃないですか恋人同士の入りがたい雰囲気とか、今まで通りに接することが出来ない感じ…」

花陽「あぁ…なんとなくわかるよ。大学歩いてるとね…」

独り身の、心苦しい部分が共鳴してしまいました。もしことりに彼女がいたら。そう思うと生まれるこの気持ち…一体。

花陽「私は…やっぱり学院の時から凛ちゃんや真姫ちゃんが好きだから、他の人を好きになるのは難しいかなって思ってるんだ。」

海未「え?」

花陽「ん?」

海未「…それって…LOVEの方で…?」

花陽「うん、LOVEの方だよ、二人を同時に好きになっちゃったの。」

海未「はぁ…??」

花陽「だからね、日本でも複数人と結婚できるようにしたいなって思って今は政治学とか法学を勉強してるの!」

海未「あ、あのちなみに二人に告白は…」

花陽「…。してない…。」

海未「応援してますね…。」

花陽の思いがけない意志を聞きましたが、確か真姫は名門の医学部、凛は教育系の大学、そう簡単に会うに会えない環境なのでは…

海未「学院にいるうちに想いを告げれば良かったんじゃ…」

花陽「海未ちゃんがそれ言っちゃう…?」

海未「…?」

花陽「何でもないよ、そろそろ出よっか。」

海未「あ、はい…」


希『そうやねぇ恋の形も色々あるからね~』

絵里『え、希恋してるの?』

希『えりちには秘密ー!』


ラジオを名残惜しく思いながら、喫茶店を出て、与太話をしつつ帰路に。


花陽「海未ちゃん覚えてる?ことりちゃんが海未ちゃんにプレゼントしたマフラー。」

海未「あぁ、今もまだ現役ですよ、まだもう少しタンスの中で出番待ちですが。」

花陽「あれ、すごく良さそうだったから花陽も作ってほしいなってお願いしたらね、いくらかよちゃんでもだめーって断られちゃったんだ。」

海未「そんなことが…作ってやればよかったのに、忙しかったんですかね。」

花陽「……そうかもね。」



花陽「じゃあこの辺で、久しぶりに会えて楽しかったよ!ばいばい海未ちゃん!」

海未「ええ、また。」

少し大人っぽくなった花陽は、以前からのあどけなさや性格は変わらないままで、少し安心しました。

…ただ、どうしてもことりのことが気になります。本当に帰ってきているのでしょうか…

海未「行ってみましょうか。」


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足を伸ばした先はことりの家…今や実家でしょうか。もしかしたら、帰ってきているのならここにいる…はずですから。

海未「…ことり…」

すっとインターホンに指を添えると、

「ねぇ、それちょっとストーカー気味じゃない?」

後ろからよく通る刺すような声が。

真姫「まったく、どれだけことりのこと好きなのよ。」

海未「真姫…?久しぶりですね。今日はよく知人に会います。」

真姫「奇遇ね、いつもだったら忙しくて誰も見ないのに私も今日はよく知人に会うわ。」

真姫「ことりとかね。」

海未「!?」

自分でもその言葉で体が反応するのがよく分かりました。

真姫「帰り道だしあんまり長話するつもりはないけど…、普通にその辺歩いてたわよ?」

海未「本当に…ことりですか?」

真姫「私たちがあのとさか間違えると思う?理事長さんとだって見分けがつくのに。」

海未「そう…ですよね。」

真姫「そろそろ留学も終えて帰ってきたんでしょうね。で、海未は何しにことりの家まで来たわけ?」

海未「何をしに…」

そう指摘されると言葉が上手く紡げない、確かに、私はなんとなくことりが帰ってきているか確かめたかっただけなんです。

真姫「私は帰り道だし前は通るけど…大した目的もなくここまで来て、押しかけるのはちょっといくら幼馴染でもあれじゃない?」

ごもっともでした。いくらなんでも迷惑でしたね…。

真姫「まぁほら、ことりなんだから、そのうち連絡の一つでも入れてくれるでしょ。」

海未「そう…ですね、少し熱くなってしまっていたかもしれませんね。」

ふと携帯に目をやると、ことりからの返信が確かに。

From:南ことり
To:海未
件名:Re:
本文:
そっちに帰ってきたら、またどこかで会える?


真姫「あぁその顔は連絡があったみたいね、じゃ、私はそろそろ帰るから。また9人で集まりましょうね。ちゃんといい話、聞かせてよ?」

海未「ええ分かりました、それでは…あ、花陽のことよろしくお願いします。」

真姫「え?意味わかんないんだけど…」

少し困惑する真姫を横目に私も元の帰路へ。私も少しは恋のキューピッドになれるでしょうか。


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家に着き、ほっと一息をついて、改めてことりからのメールを見返す。

海未「いつぶりのメールなんでしょうね…まったく。」

…あれ、少し違和感が。文面には、『そっちに帰ってきたら』とあります。花陽の云う書き込みの真偽は定かではありませんが、真姫は確かに見たと言っていました。

海未「ことりが…嘘をついている?」

あくまで可能性の話ですし、何かやむにやまれぬ事情があるのでしょうが…

To:南ことり
いつでも待っていますよ。


あまり長い文を打ち込むのも迷惑ですから、そっと一言だけ、それだけ書いて送信ボタンを押しました。

海未「…帰ってきてたらいろんな話を聞いてやるんですから。…ついでに穂乃果にも連絡しておきましょう。」

~~~

海未「もしもし穂乃果?ことりが帰ってきているそうなんですが…」

穂乃果『ことりちゃん?うん!話したよ!また3人で集まろうね!!』

海未「あぁ…やっぱり帰ってきてるんですか、今度山ほどお話ししたいですね。」

穂乃果『ことりちゃんも海未ちゃんの話ばっかりしてたからね~、絶対喜ぶよ!』

海未「それはそれは。嬉しいことですね。」

…そこから雑談を小一時間ほどして床に就きました。なんだ、やっぱり帰ってきているんじゃないですか。変に疑ってしまいましたがあのメールもそこまで気にするほどではなかったんでしょうね。


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あ…またこの道。夢ですね。となると…やはりことりがいます。

海未「おーい、こと…」

誰かと楽しそうに話しながら歩いてますね…邪魔するのはよくないです。相手は恋人ですか。

あれ?ことりって恋人がいましたっけ…?ことりの恋人は確か…、いやだから恋人がいるのかも…

夢の中のまとまらない頭で、幸せそうなことりの後姿を眺めつづけた。その日の寝覚めは、一筋涙を溢していました。

海未「はぁ…またことり…ことりばっかりじゃないですか。なんなんでしょう。」

海未「…たまには気分転換の散歩でもしましょうか。」

最近ことりのことばかりが頭を占領していて、取るものも手につかず…。景色を眺めながらリフレッシュするのも悪くないでしょう。

向かった先はよく三人で遊んだ公園の跡地。まだ座ったりできる場所はあるので秋模様を楽しむにはよい隠れスポットですね。

海未「昔はよく遊んでいて…離れ離れになるなんて思いもしてなかったのに…」

海未「寂しい…ですね。」

世迷い言を、ぽつり。




「さみしいね。」


心臓が跳ねた、体が石のように動かなくなってしまった。聞き違えようもない、あの声。

取り直し、少し遅れて振り向くと、人影が街角に消えて行って。

海未「ことりっ!!」

私は、気が付けば走りだしていました。間違いなくことりでした。なぜ逃げ出すように消えてしまったのか。よくは分かりませんが後を追いかけ続け、なんとか追い詰めて…

海未「はぁ…はぁ…ことり!待ってください!!どうして逃げるんです!!?」

ことり「…」

瞬間、でした。

振り向いたことりは不意に私の頬を抑え、顔を近づけて…思わず目を閉じてしまい…。

ふふ、と笑う声がしたと思えば、ことりはいつの間にか私の前から消えていました。

海未「あ…ことりが…」

もう見回しても見つからず…完全に見失ってしまいました。

海未「どうして…あんなこと…」

先ほどの光景を思い起こすと手足の先が少し熱くなるような感じで、少しドキドキしました。

海未「…戻りますか。」

見失ってしまったのは仕方のないことです。元々散歩に来ているのですから、その続きをしましょう、そう思って大通りに戻ると今度は花陽が。知り合いによく会う日です。

花陽「ねぇ海未ちゃん、ちゃんと自分と向き合った?」

海未「自分と向き合う…」

花陽「海未ちゃんなら…薄々自分の気持ち、感づいてるんじゃないかな。」

海未「…。」

花陽「花陽ね、ことりちゃんの居場所は知ってるよ。」

海未「…やはり。」

花陽「居場所を教えるのは海未ちゃんが自分の気持ちに答えを出した後がいいって。そう言われてるから。」

自分の気持ち、もう少しで掴めそうなこの気持ち。

海未「花陽。少しついてきてくれませんか?」

花陽「え?うん…?」


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足が向かう先は幾度か夢に見た、音ノ木までの通学路。

海未「夢は己の心を写す鏡。」

花陽「?」

海未「よくそういう言われ方をしますよね。最近ここにいる夢を見るんですよ。」

海未「私たちは高校生で、私が歩く先にはことりがいたんです。」

花陽「うん。」

海未「今日見たときはことりは誰かと歩いていました、とても幸せそうに…多分恋人です。」

海未「どうしてか、見ていて胸が痛かったんです。さっきことりと会って、ここに来て学院の時のことを思い出して。その気持ちには答えが付きました。」




海未「私、―――恋をしています。」

花陽「…。」

最初にここに来た夢を見たとき、ことりが私に言いかけたこと、あの続きは『大好きだから』、がいいと望んでしまう。帰ってきたというのに会えないことをこんなにもつらく、寂しく感じてしまう。恋人が出来ていると思うと、胸が苦しくなってしまう。一瞬会えただけでもあんなにも嬉しく、いなくなってしまうと通り風も沁みるような心。いつでも会えた時にもっと会っていたかった。そんな気持ちに名前を付けるなら、"恋"しかありません。


花陽「それで…、海未ちゃんはどうしたいの?ことりちゃんは恋人がいるかもって書き込みがあったんだよ?」

海未「それ、おそらく花陽の嘘ですよね。」

花陽「どうしてそう思うの?」

海未「あの後、真姫や穂乃果からことりに会ったと話を聞きました、その時に誰かといたという様な話は聞きませんでした。それに、ことりからのメールの矛盾点や、花陽がことりの居場所を知っていることから考えると花陽はことりと結託して私を試していたのではないですか?」

花陽「…」

海未「細かいことが気になる私のところに変に引っかかるメールをしたり、花陽は花陽でことりの知らない私の情報を聞き出したり、今は独り身なのかとか、恋をする気はあるのかとか、―――ことりのことが好きなのか。ことりが私のことを知りたがっていたのではないですか?」

花陽「じゃあ…どうだと思う?ことりちゃんの好きな人。」

海未「…私…です。」

花陽「残念だけど、違うよ。ことりちゃんに頼まれて少し話を作ったりいろいろ聞いたのは本当。でも…ことりちゃんの恋人は、―――花陽だから。」

一際強い風が不意に私の体を通り抜ける。

花陽「だってさ、海未ちゃんも言ってたでしょ?ことりちゃんなら絶対に花陽より先に穂乃果ちゃんや海未ちゃんに連絡をするはずだって。なのに花陽に連絡が来たんだよ?簡単な話だよね。花陽がことりちゃんの恋人なら、そうするでしょ?」

海未「…な、ならなぜわざわざ私のことを聞き出したりしたんですか!」

思いがけず少し語気が強くなる。

花陽「ことりちゃんはね。海未ちゃんが自分の気持ちに気づく前から、―――学院にいたころから本当に海未ちゃんのことが好きだった。」

花陽「でも海未ちゃんは全然そんなつもりなくて、どれだけことりちゃんが頑張っても気持ちを無視してきたんだよ?だからね、今更好きなんて言い出さないか、それが少し気になったから聞いてほしかったんだって。」

海未「そんなこと…!」

花陽「そんなこと?そんなことじゃないよ!!ことりちゃんがどれだけつらい想いをしてきたか!!気持ちに気づき始めたばかりの海未ちゃんに分かるの!!?花陽にっ!泣きながら話してきたことりちゃんの気持ちが分かってるの!?」

花陽「ことりちゃんはっ!それでやっと気持ちに整理をつけられるからって!!ずっと耐えてたんだよ!!今更好きだなんて…言わせないっ!!」

海未「真姫はっ!!!」

花陽「っ!?」

海未「凛は!?あの二人のことが好きだと言ったじゃないですかっ!あの時の花陽は本心だったんじゃないんですか!!?好きな人のために頑張っているんじゃないんですか!!?」

花陽「それはっ…!だから…!!」

海未「指。」

花陽「あ…!」

海未「昔凛が教えてくれました。花陽は嘘をつくと指を合わせる癖があると。ことりの恋人役を演じることが出来ても、真姫と凛が好きな花陽の気持ちに、嘘はつけないんじゃありませんか?」

花陽「え…あ…」

海未「だから…ありがとうございます。―――無理をして私を叱ってくれて。ことりの…苦しみを伝えてくれて。おかげで私は自分の気持ちに素直になることが出来ました。…花陽も。もう無理はしないでいいですよ?」

花陽「あ、あぅ…う"っ、ごめんね海未ぢゃぁぁあぁん!!!!」

緊張の糸が解けたのか、花陽は泣きながら私の胸に飛び込んできました。経緯はともあれ、花陽は私のために無理をしてくれて…。花陽が落ち着くまで暫く、そのままでいました。


花陽「―――海未ちゃん、ほんとにごめんね?」

海未「いいんです。あとは私が何とかするだけです。」

花陽「…そうだね、じゃあことりちゃんがいるとこ…連れて行くね。」


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―――それで連れてこられたのが…

海未「あれ?表札に小泉と…」

花陽「うん、私の家だよ。海未ちゃんはそういえば来たことなかったよね。」

海未「ええまぁ、というか花陽の家にことりがいるんですか?」

花陽「海未ちゃんのことだからもしかしたらことりちゃんの家に押しかけるかもって思ってうちにかくまってたの。お母さんたちは今世界一周旅行しててしばらく一人だから寂しかったし。」

ご明察ですね花陽。思い当たる節があります。

海未「じゃあ…三人で話すことになるんですか…」

花陽「ううん二人で話してていいよ。スペアの鍵は預けるね?」

そう言ってガサゴソとカバンの中を探し、私に鍵を預けて携帯の画面を見せてきました。

花陽「ほら!見て?昨日着たの。」

From:凛ちゃん
To:花陽
件名:(>ω<)/ ニャー
本文:
かよちん!明日の21時くらいからにこちゃんが久しぶりに会えるって!!
かよちんも来れるかな??真姫ちゃんも来れたら懐かしのメンバーだよね!


花陽「真姫ちゃんは来るかわからないけど…、花陽はこっち行ってるから。多分朝帰りのやつだし…」

海未「大学生らしいことしてますね…。」

花陽「まだお酒が入らない分いいと思うよ。そんなわけだから、ゆっくり話してね♪」

海未「ありがとうございます。それと、たぶん真姫はこの時間帯なら~~辺りにいると思いますよ。会ったので。」

花陽「ほんと!?じゃあ行き道でちょっと探してみるね!」

海未「花陽も、想いを伝えられたらいいですね。」

花陽「うん、花陽も、勇気を出してみるね。ありがとう海未ちゃん。」

海未「こちらこそ。―――では互いに、ご武運を。」



そうして花陽はそのまま駅の方へ向かいました。その足取りは決意を固め、少し勇ましくもあるものでした。

海未「さぁ、私も…!」

随分と特殊な環境ではありますが、息を整え、鍵を開けました。


「あ、かよちゃん~~?おかえりぃ~~!」

間の抜けた感じでのそのそと玄関へやってきたのはもちろんことりでした。

海未「すみません、花陽ではないです。」

ことり「あれ~?海未ちゃんだ~!お帰り~!」

海未「お帰りではないですよ、それにことり、貴女にお帰りと言うべきなのです。」

ことり「海未ちゃんはめんどくさいねぇもう…そんなんだからモテないんですよーだ。」

海未「ああもう調子が狂う…、ことり!さっき会った時のあれはどういうつもりだったんです!?」

私はここに想いを伝えるため、ことりの行動の真意を突き止めるために来たんですから。

ことり「ん~~?えっとねーぇ?」

そういってゆらゆらと近づいてくることり。…ん?さっき見た光景というかそのままだと待ってください破廉恥です破廉恥で…

海未「ちょ!待ってくださいいけませんことん"っ!?んん"っ!やっ、んっっ!」

ことり「んっ、はむっ…ふ、ぷはぁっ…」

まだ靴さえ脱げていない玄関先で、ドアに押し付けられ、淫靡な水音とともに唇を貪られる。それが私の初めてのキスでした。

海未「はぁっ…はぁ…どうしてこんな…、それにっ、やっぱりお酒を飲んで…!」

ことり「穂乃果ちゃんから聞いたよ海未ちゃん。お酒弱いんだよねぇ…?」

海未「そのために穂乃果と話を…?!」

ことり「かよちゃんが通してくれたってことはもう気持ちの整理もついてるんだよね?ね?」

海未「そう…ですよ!だからここに来たんです!いきなりそんなっ破廉恥なことを…!」

ことり「すきな人としたキス…嬉しいでっしょー?」

海未「ふ、ふざけないでください!!こんなことをするためにここに来たわけでは…!」

ことり「ううん、ここに来たからには、しよ?」

海未「な、何言って…!」

ことり「分かってるでしょ?ほらシャワーシャワー♪一緒に♪」

海未「やめてください!花陽に迷惑が…!」

ことり「かよちゃんだって承知でいさせてくれてるもん。ちゃんとお布団敷いた部屋もあるし、お酒もおかせてもらってるし~♪」

海未「そうですよ!まだ花陽は19ですよ!?いくらなんでもんむっっ!!?」

ことり「…っはぁ、ほら、細かいことはいいからいいから♪」


なんとかシャワーを浴びるのは別々で、と説得は効きました。あんなにお酒が入ると豹変するんですね…、正直さっきのキスの香りだけで私は少しクラッとしてるのですが。

今はことりが仮に使っているであろう部屋に通され、ちょこんと座っています。

海未「…ただ。あなたのことが好き。そう言うだけのつもりだったんですが。もちろん今まで気持ちを蔑ろにしてしまったことだって謝りたいのに…」

ふと目をやると、飲みかけのビール缶が。既に3本目です。私が花陽と真面目に話している間にどれだけ飲んでるんですか。

海未「あーもう、頭が靄がかったような気分です。」

ことり「うみちゃんお待たせぇ~!」

海未「ことり、さすがに飲みすぎで………え?」

ことり「どうしたの?」

海未「や、いやいやいや!なんですかその恰好は!!こっちに来ないでください!!」

ことり「ちゃんとタオル巻いてるのに…海未ちゃんは変わらないねぇ~。」

湯上りのことり、しかもバスタオル一枚。こんな暴力的な姿、誰だって殺せるような格好です。そんな姿で詰め寄られたら…

ことり「ねぇ…?意識しちゃうでしょ?したくなるでしょ?」

海未「やめて…、いや、いやです!」

ゆっくり、距離を詰めてきて。ベッドの壁側に追い詰められた私の足の間に火照った膝を置いてきて。ああ、終わりましたね。

ことり「我慢しないでいいよ?好きな人とそういうこと、出来るんだよ?」

ああもう…その声で耳元で囁かないでください…頭が…!

海未「ダメ、ダメです…!」

ことり「最初はことりがちゃんとリードするからぁ…、ねぇ海未ちゃん…」

ことりの湿り気のある髪が私の肩に垂れてきて、唇は耳に触れそうな程…。もう次に来る言葉も予想が付きますし、私がそれに抗えないことも分かってことりは仕掛けているのでしょう。


ことり「―――おねがい?」


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照明は夕方にされ、あえなく馬乗りになられてしまいました。


ことり「へへ…海未ちゃんを見下ろしながら飲むお酒は美味しいねぇ…」

先ほどの残りを干すように傾け、赤らんだ頬を上げて笑う。まさに今から殺されてしまうのかという雰囲気です。


海未「あの…今からでも遅くありませんから…やめ」

ことり「じゃ始めよっか♪」

もう説得が効くようではないですね。こんなこと…絶対におかしいのに…。いや、

―――抵抗しないでいるのも、おかしい、ですね。


ことり「ん、あむっ…。はっ、んっ…」

首についばむようなキス。ことりはこういうこと慣れているんでしょうか…

ことり「はっ、海未ちゃん、緊張しないでいいよ?」

海未「ことりは…向こうでこういうこと、してきたんですか?」

ことり「…」サワッ

海未「ひぅ!?」

ことりの細い指が腰をなぞるのに身体が跳ねてしまう。その感覚がどうもむず痒いような…

ことり「海未ちゃん、今から気持ち良くしたげるんだから、集中して?」

海未「あ、はい…んっ……」

一度顔をもたげ、目を合わせ、また唇を重ねる。キスの味がもはやアルコールで満たされ、頭が言うことを聞かなく…

ことり「もっと…もっと気持ち良くしようね…?」

海未「ふぅっ、んっ………んん"っ!?」

ことり「んっ……じゅるっ、……はっ、ぁむっ……」

少し冷えた舌が入り込んできて、舌の裏や襞をなぞられる。初めての感覚。

海未「やっ……ぁん………んん"っ!」

ゆっくり、ねっとりと口の中を蹂躙し、思わず腰が浮くようなキスをしてくる。

ことり「だぁめ、離れちゃやぁ…」

右手を首の後ろに回してきて、唇が離れないよう押し付けられ、空いている手で広がった服の隙間から背中をツーっとなぞられる。

海未「……っ!………ふっ、ふっ……んっ!」

ことり「ねぇ、嬉しい?嬉しいよね?ことりにこんなことされちゃってるんだよ??」

耳元で羞恥を煽るような責め句を囁き、背中に伸ばしていた手は遂に留め金を外してしまいました。

ことり「もっと……海未ちゃんが欲しいなぁ………」

舌先が触れるか触れないかのような加減で首筋をつつと舐め、胸を撫でられ、もう快感に溺れてしまっていました。

海未「はぁっ………だ……めっ…」

ことり「えへへ…そろそろお酒回ってきた?まだまだ行くよ?」

馬乗りをやめ、何をするかと思えば足の方へ。ロングスカートを履いてきたことを悔やみました。

海未「ぁあっ!??」

立てている膝を抱き抱えられ、手で内腿を愛撫されて思わず声が出てしまう。

ことり「海未ちゃんのすべすべ太もも~♪」

海未「あっ………やめっ………!」

ことり「ねね、ことりの胸……柔らかいでしょ?」

先程からそろりそろりと身体を動かしながらも、やたらべったりくっついて胸を当ててきたり、擦ってきたり。それも変な感覚で…。

ことり「わぁー海未ちゃんの香りが濃い~!」

人のロングスカートに顔を突っ込んで言う台詞なのでしょうか。とにかく恥ずかしくてたまりません。それに…この格好、かなり恥ずかしいやつなのでは…

海未「も、もやめ………て……」

ことり「やーめない♪」

海未「っっっ!!………はっ……んっ!?」

今までのより一際強く、激しい快感。足の付け根の…"ギリギリの"ラインを狙って舌を這わせてくる。

ことり「ね、気持ちいい?ことりで気持ち良くなっちゃってるの??」

海未「………あぅっ……、はぁ………はっ」

ことり「答えなくても分かるけど…、見て分かるくらいに…濡れてるよ?」

海未「…っっ!!」

顔が真っ赤になっているのが自分でも分かります。身体も心も、完全にことりに屈してしまっていると知らしめられてしまうだなんて。

ことり「ねぇ…もっと気持ち良くなりたい……よね?」

膝にかかっている布を払い、脚の間から見つめてくる。

海未「あ………あ……」

ことり「なに?言って欲しいなぁ……?」

海未「あ……、もっと……き、き…」

ことり「なぁに……?」

海未「きもち……



ーーーだってことりは、海未ちゃんのコト…



いつかの夢。最後の台詞が途端にフラッシュバックしてきました。

ことり「…??」

海未「っはぁ……はぁ……待ってください、ことりの…っ、気持ちを……聞かせてください…」

ことり「…」

妖しい目つきが凍ったような目になっていくのが分かる…、ことりは姿勢を戻してただ黙っていました。

海未「ことり、貴女は…昔、私を好きだったと聞きました。その時気持ちに応えられなかった、蔑ろにしてしまったこと、謝ります。すみません。」

ことり「そんなみっともない格好で…」

海未「……。すみません。」

私もなんとか体を起こし居住いを少し整え、ベッドの上で二人。

海未「私はここに気持ちを伝えに来たんです。ことり、貴女の事が……好きです。」

ことり「…」

海未「その気持ちが恋だと分かるのには時間がかかりました。でも、嘘偽りのない本当の気持ちです。」

海未「会えないのが寂しかった。恋人がいるのかと思うと胸が苦しかった。一人きりで、いないはずの人を探してしまう…。ずっと…そうだったんですよね。」

ことり「…」

海未「私でもこんな想いをしているのに、私は本当にことりに酷い仕打ちをしてしまっていますね。……だから聞くのも憚られますが…」


海未「私はことりが好きです。ことりは…私が好きですか?」


ことり「……嫌い…。」


海未「……っ」

そう…ですよね、さっきから一度も私が好きだという言葉も無く、愛のある行為というか、作業のような…

ことり「嫌いだよ。海未ちゃんなんか…、私、ずっと待ってたのに、ずっとアプローチしたのに。」

ことり「海未ちゃんは本当に何もしなかった!そうでしょ!?留学する前の最後の最後までたった一言好きって言ってもらうの待ってたのに…!!」

海未「……」

ことり「嫌いっ、嫌いだよっ!!向こうに行ってもずっと連絡だけはしてきてさ、私の心を弄んで…!」

ことり「向こうで色んな人からそういう、そういう意味で声かけられたりしたよ!!っでも、いっつも私の頭の中に海未ちゃんがいてぇ…!!!」

ことり「結局誰とも付き合ったりなんかしなかった!!キスだって拒み続けた!だって海未ちゃんがチラつくんだよ!!?」

ことり「なんでっ…なんで海未ちゃんなんか…海未ちゃんなんかもう諦めたはずなのに…忘れられないの…!!」

海未「…」

ことり「―――だから早く帰って来て決着つけようって、頑張って向こうのやる事全部終わらせて来たんだよ。それでかよちゃんにお願いしてここに泊めてもらって、海未ちゃんが私のこと好きなのか気になって、聞いてもらったりして。」

ことり「やっぱり海未ちゃんは唐変木で朴念仁で、自分の気持ちにも気づいてなかった。だからね、今度は私が海未ちゃんを弄んだんだ、あぁやってからかって。」

海未「それで…あんなこと。」

ことり「こうやって海未ちゃんにえっちしてるのも…罰なんだよ。海未ちゃんがことりを蔑ろにして来た……罰…なんだもん…!!」

ことり「ずっとことりの心に入り込んで!今更好きだなんて言ってきて!!海未ちゃんだって冷たくされてもっと辛い想いをすればいいって…!!」

海未「…」

ことり「嫌いっ!海未ちゃんのことなんて…嫌いっ!!」

海未「そんなに涙を流して…、私の目を見て言えますか?」

ことり「…っ!き、……きら………」

海未「大好きですよ。ことり。今まで貴女を苦しめた罪も全て受け止めます。大好きです。」

ことり「……ばか、………海未ちゃんのばか。」

海未「本当に、馬鹿でした。ずっと頑張ってくれて、ありがとうございます。」

ことり「海未ちゃんなんか……、海未ちゃんなんか…!!」

海未「留学しても一心に私を想ってくれていたんですね。嬉しいです。とっても嬉しいです。」

肩を震わせて涙を流すことりを、静かに抱きしめました。

海未「大好き。」

ことり「私だって…ことりだって…だいすき……だもん……!」

ことり「大好きだよ!海未ちゃんの大馬鹿者!!ずっと大好きなの!!!海未ちゃんのことばっかり考えちゃってどうにかなりそうなくらい大好きなの!!!!」

海未「良かった……。ことりからやっと気持ちを聞けて。」

ことり「ばかぁ……!ばか……!!」

海未「ことり。顔を上げてください。」

ことり「…っうん。」

海未「んっ……と。これで本当に相思相愛のキス。です。」

慰めるように、今までの時間を取り戻せるように。そんな願いを込めて優しく、キスを一つしました。

ことり「そういうポエミーなとこも好きだもん…」

褒められてるのかどうなのか。

海未「ひとまず、今日はしっかり休みませんか?お互い疲れたと思いますし…」

ことり「うぅん…あの…ね、海未ちゃん。」

海未「どうしました?」

ことり「私…さっきは結構頑張ってたんだけど…本当は攻めより受け…なの……。」

海未「え?あ、そうなんですか今後の参考に…」

頬を赤らめ、私の衣服をずらしてきながら。

ことり「海未ちゃんを…もっと感じたいの。海未ちゃんがほしい…。」

海未「え、っと…つまり…」

ことり「…きて?」

不慣れなまま、2回目を。

海未「服は…脱いだ方がいいですか?」

ことり「脱いでよ?さっきからことりだけ布一枚って変だなって思ってたもん。」

海未「それはすみません…。まぁ殆どことりに脱がされる手前まで行ってるんですが…」

ことり「本当だね、すぐ脱げちゃった。」

海未「あんまり見ないでください。恥ずかしいですから…」

ことり「ふふっ…。だいすき。」

海未「えぇ、私も。」

まず、お互いを確かめ合うようなキスをして。

海未「んむっ、んっ、んっ…」

ことり「ん……あっ、ん………」

先程ことりにされたようなことを…そのまますれば喜んでくれるでしょうか。

ことり「はっ……あぁっ………んんっ!」

首筋を舌でなぞり、内腿を撫でる。

ことり「やぁっ!!………いっ!んっっ……!」

体をくねくねとよじらせ、息遣いが荒くなって。もっと私を感じさせてやりたい。

海未「ちょっと胸失礼しますね。」

ことり「へ…?……はぅんっ!…んぅ…!!」

声が一段と大きくなり、身体が跳ねて。

海未「どう…ですか?きちんと出来てますかね…?」

ことり「はぁっ、うん……気持ち良い…よ。だから、最後まで…お願い?」

海未「…分かりました。続けますね。」

指を添えて、ゆっくりと。

ことり「はぁ…っはぁ、はっ、うっ………んっ!!!」

海未「本当に止めてほしい時はちゃんと言ってくださいね。」

ことり「うんっ……いっ………あっ!」

嬌声と水音だけが木霊する空間。時がゆっくり進んでいるような、そんな気分。

ことり「はっ、はっ、もっ、うみっ、ちゃ、だめっ!」

身体が痙攣して、焦点の合わない目で私を見つめて、訴える。

ことり「ねっ、うみちゃん、ぎゅって、ぎゅってしてっ!!はやっく!!んんっ!!!」

既に私の身体に腕を回し、しっかり固められいるのを、更に強く抱きしめ返して、不規則な痙攣が私にまで伝わってくる。

ことり「あっ、もぅ!いっ…ん"ん"ん"ーーーっ!!!!」

背中を大きく反らし、全身をビクビクと震わせて、一度目を。

ことり「はーーーっ、はーーっ、んっ……」

そっと隣に倒れこみ、乱れた髪を直してやる。

ことり「海未ちゃん、……もっかいぎゅって………」

海未「ええ。」

ことり「んっ……、えへへ。海未ちゃんに襲われちゃった。」

海未「人聞きの悪い…貴女が頼んだんですから。」

ことり「ふふ…、ありがと、海未ちゃん。」

海未「いえ、そんな…。ただちょっと疲れちゃいましたね。」

ことり「そう…?海未ちゃん…」


ことり「夜はまだ、これからだよ?」


海未「え…?」


その後のことはあんまり覚えていません。かなり何回もしてしまったような気はするんですがどうも理性が……


__________________________________________


海未「ぅ、うぅん…」

ことり「あ、海未ちゃん起きた!おはよ~!」

海未「え、あぁおはようございます…」

ことり「海未ちゃん…ゆうべは激しかったね♪」

海未「えっ、…全然記憶が…」

ことり「オオカミさんみたいだったよ…?ことりがもう無理って言ってるのに何回も…」

海未「…その節は…よく分かりませんが本当にすみません…」

ことり「ううん、ことりだけが知ってる海未ちゃんも悪くないから。ね?」

海未「はは…それなら良いんですけど。あともうお酒の勢いでするのはダメですよ?」

ことり「昨日のは勇気を出すためのだもん…もう無理してまでする必要はなくなったから、大丈夫♪」

海未「まったく…、ほら、そろそろ服を着て…」

もうかなり日が昇っているのではと思い、携帯を点けると案外まだ7時でした。おや、メールが着てますね…花陽、あぁそうですよここ花陽の家で…何をやってるんですか私…えぇと?

From:小泉花陽
To:海未
件名:non title
本文:
もうすぐ帰るから、なんかしてたら部屋片付けておいてね(о´∀`о)


それは勿論ですね、このメールが着たのは…、6時!?

海未「あ、まずいですことり早く色々片付けないと…」

ことり「え、なんかあったの?…あ、かよちゃんからメール着てる。えーと…」

海未「それのことですからひとまず周りのものを綺麗に…!」


「たっだいまーーー!!!」

あぁ…遅かった。

花陽「ちょっと、凛ちゃん!ご近所さんに怒られちゃうから…」

真姫「そうよ凛、それにお邪魔しますでしょ、私たちあげてもらってるんだから。」

花陽「にこちゃんも来れれば良かったんだけどね、またお仕事みたいだし…、それに、告白成功したんだからあとは三人で好きにしなさいって…」

真姫「まぁ確かに私と凛に同時に告白して来るとは思ってもみなかったけど、明らかに気遣ってもらってるのよね。」

凛「凛は二人とずっと仲良く出来るならいいよ~!」

花陽「えへへ、ありがと♪じゃ荷物は一旦ここに……あ。」


目が合いました。


ことり「あ、かよちゃん……」

海未「どうも……」


凛「なになに?海未ちゃんとことりちゃん来てたの?久しぶ…あ……」

真姫「なに二人して固まっ……」

花陽「ご…ごめんっ!まだ片付いてないと思ってなくて!!ほんとごめんね!!」

ことり「待ってかよちゃん引かないで!すぐ片付ける!片付けるよ!」

海未「えぇ!もういつでも出ていけるようにしますから!縁を切るようなことだけは……!」


花陽「あ、あの、朝ご飯作るから…食べるよね、それまでには片付け…てね。」

凛「凛はかよちんのお手伝いするよ。」

真姫「私も。」


あぁ…扉がゆっくり閉まって…。一生の恥です……

海未「……片付けましょうか。」

ことり「そうだね……。」


__________________________________________


にこ『にっこにっこにー!貴方のハートににこにこにー!笑顔届ける…』

絵里『あーもう長い長い!にこです!でいいのに…』

希『えりち、一応ゲストやからね、ゲスト。』

にこ『全く…あんた達もブレないわね…』

絵里『"も"って?』

にこ『や、昨夜まきりんぱなと久しぶりにね。』

希『えーー!?会ってたん?言ってよぉ~?!』

真姫「あぁ、のぞえりラジオのゲストにだったんだ、にこちゃん。」

凛「懐かしい感じだにゃ…」

花陽「いつも朝はこれ聴いてるんだけど…、安心するよねぇ。」

ことり「なんか、大集合って感じだね、穂乃果ちゃんも多分呼べば来るし…」

海未「確かに今日は暇って…言ってましたね…はぁ…」

真姫「どんだけさっきのがショックなのよ…、もう気にしてるの海未だけよ?」

ことり「海未ちゃんだから…」

凛「ことりちゃん苦労しそうだね…」

花陽「まぁまぁ、今日はご飯いっぱい炊いたから、ゆっくり朝ご飯食べていい気分にしよ?ね?」


絵里『あーーμ’sの皆に会いたい……』

希『ほぼ毎日ウチ見てるよね?』

絵里『そうじゃなくてぇ…』

にこ『希も苦労してんのねぇ…扱いづらい。』

希『ほんまに…』

気だるげな、ゆるゆるしたラジオを聴きながら5人で朝食、なかなかいいものですね。


ことり「海未ちゃん海未ちゃん。」

海未「はい?」

ことり「ちゃんとお付き合いすることになったわけだから、このあとお母さんに会いに行こうね。」

海未「えっ…!あぁ…」

ことり「それから、ちゃんと穂むらで挨拶もして、海未ちゃんお母さんの稽古場に行って……」

楽しく談笑する三人を尻目に今後の人生計画をとめどなく話すことり。愛くるしいのにどこか末恐ろしい感じが。

……これは私も、苦労しそうですね。


To:南ことり
これからも、いっぱい思い出を積み重ねていきましょうね!


ちゅんちゅん!!

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『From:園田海未 To:南ことり』へのコメント

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