善子「エンジェル&ヨハネ」

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ようよし-アイキャッチ1


千歌「あれ、曜ちゃんこれから水泳部行くの?」

曜「うん。大会も近いし、こっちが午前で終わったから、午後はちょっと向こうに顔出そうかなって」

善子(曜さん、凄いわね。Aqoursも高飛び込みも、どっちかだけでも大変なのに、両方とも手を抜かずに)

善子(というか、半日だけとはいえそれなりにハードと思うんだけど、タフすぎない?)

曜「ということなので、渡辺曜、ちょっくら行ってくるであります!」

善子「ま、待って」

曜「?」

善子(どうしよう。曜さんのこと考えてたら、思わず呼び止めちゃった)

pixiv: 善子「エンジェル&ヨハネ」 by あめのあいまに。

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善子(何でもないって言うのも変よね)

善子「その……見学してっても良いかしら?」

曜「もちろん! 善子ちゃんが高飛び込みに興味があったなんて嬉しいよ」

善子「ヨ・ハ・ネ!」

善子(まあ、なりゆきだけど興味がないわけでもないし、たまには悪くないかしら)

曜「それじゃあ行こうか! よーしこー」

善子「ヨハネよ!」



善子(とは言ったものの、居心地悪いわね)

善子(水泳部、曜さんくらいしか知り合いいないし)

善子(見学だって私しかいないし。休日だから仕方ないけど)

善子(あ、そろそろ曜さん飛ぶのかしら)

善子(入念に準備運動したり、その後軽く泳いだり、怪我しないためとはいえ飛ぶのは一瞬なのに大変なのね)

曜「……」

善子(あんな高いところから……見てるこっちがドキドキしちゃう)

善子(それにしても、やっぱり曜さんって綺麗ね。こっからでもわかるくらい、スタイルも良いし背筋もピンとしてる)

善子(あっ、飛んだ。飛んでる……凄い、空中を自由に舞って。まるで)

善子「まるで、天使みたい」

善子(はっ! 堕天使が何を言ってるのかしら。いけないいけない)

善子(プールから上がって、こっちに来るみたいね)

曜「善子ちゃん、どうだった?」

善子「凄かったわ。なんだか魔法でも見せられてるみたいだった」

善子「羽が生えてるみたいに空中で自在に身を翻したと思ったら、次の瞬間は夢だったみたいに水の中に消えちゃうんだもの」

曜「あはは、善子ちゃんらしい例えだね」

曜「まあ、喜んでもらえたみたいで良かったよ。善子ちゃんも今度どう?」

善子「遠慮しとくわ。見ているだけで満足よ」

善子(飛び込み中に不幸が発動したら洒落になんないし)

曜「じゃあ私は練習に戻るけど、善子ちゃんまだ見てく?」

善子「ええ。せっかくだし最後まで見させてもらうわ」

善子(それから私は曜さんが飛ぶたびに目を奪われて、感動した)

善子(申し訳ないけど、他の人のことは見えていなかった。それくらい、私には曜さんが圧倒的に映った)



曜「ふう」

曜「善子ちゃーん? おーい、ヨハネちゃーん。ヨハネ様ー?」

善子「はっ……。善子よ! じゃなくてヨハネよ!」

曜「えー、ちゃんとヨハネって呼んだよー?」

善子「……終わったの?」

善子(見惚れてて目の前に来たのに反応できなかったわ)

曜「うん、今日はこれくらいにしとこっかな」

曜「Aqoursの練習もあって流石に疲れたしね」

善子「お疲れ様」

善子(とか言いつつ、全然疲れた素振りがないんだけど)

曜「それより善子ちゃん、今日この後暇?」

善子「暇だけど。あとヨハネ」

曜「だったら少し沼津で遊ばない?」

善子「えっ、でも疲れてるんじゃ」

曜「だからこそだよ。リフレッシュもしたいし、ちょうど善子ちゃんと遊びたいなあって思ってたんだ」

善子「曜さんがそう言うなら……」

善子(遊ぶのは楽しみだけど、どんだけ体力あるのよ)

善子(でも、楽しそうに笑う曜さんを見ていると、なんだかこっちまで嬉しくなるわ)

善子(って、飛び込みしてるわけでもないのに、なんでまた胸がドキドキするわけ!?)

曜「それじゃあ、出発ヨーソロー!」



曜「いやー、楽しかったね」

善子「そうね……」

善子(曜さんはまだ全然元気そう。鍛え方が違うってやつなのかしらね)

曜「あはは、じゃあそろそろ終わりにしよっか」

善子(ウインドウショッピングして、喫茶店に寄って、ゲーセンで太鼓叩いて……普通に遊んじゃった)

曜「あ、最後にあれやろう」

善子「あれって、プリクラ?」

曜「そう!」

曜「さ、入って入って」

善子「ふふ、堕天使であるヨハネは鏡像を写し取られると封印されてしまうの。だから」

曜「はいはい、そーいうの良いから」

曜「私は善子ちゃんと撮りたいなー。駄目?」

善子「うっ……駄目、じゃない」

曜(急にそんなこと言うなんてずるいわ。なんだかまたドキドキしてきた)

善子「でも私、あんまりこういうのわからないのよね」

曜「大丈夫、大丈夫。こういうのはノリだよ……ポチポチっと」

善子「え、もうカウントダウン始まってるの? 待ってって!」

善子「……急に撮るなんて酷いじゃない!」

曜「その割にはポーズ完璧だったけど……ほら、可愛く撮れてる」

善子「ま、まあこのヨハネにかかればこれくらい造作もないわ」

曜「さすが善子ちゃん。じゃ、ささっとデコるね」

善子「ヨハネだってば。って、何よ。曜&エンジェルって」

曜「私たちにぴったりでしょ」

善子「これじゃただの天使じゃない。ヨハネは堕天使よ!?」

曜「堕天使って英語でなんて言うの?」

善子「フォーリンエンジェル」

曜「うーん、曜&フォーリンエンジェルだと語呂悪いしこのままで」

善子「曜さんも名前変えれば良いじゃない。こう、堕天した感じの」

曜「いや、そういうのは良いかな」

善子「ガチ引きしないでよ。辛いわ」

曜「まあ、それは置いといて。スタンプとか額縁も入れられるから、ガンガンデコっちゃおう」

善子「え、ええ」

善子(こういうのはあまり分からないし、適当に相槌打って任せましょう)



曜「すっかり日が暮れちゃったね」

善子「そうね」

曜「今日は付き合わせちゃってごめんね」

善子「良いわよ。疲れはしたけど、私も楽しかったし」

曜「ホント? じゃあまたこうやって遊んでもらえるかな?」

善子「私なんかで良いの? 千歌さんとか梨子さんとかいるでしょ」

曜「もちろん千歌ちゃんたちとも遊びに行くけど、善子ちゃんとも遊びたいの」

善子「ふっ、リトルデーモンの頼みとあらば仕方ないわね」

善子「曜さんもすっかりヨハネの堕天使の魅力に取り憑かれたみたいね」

曜「やった! じゃあ今日はそろそろ帰るけど、今度また遊ぼうね! 絶対だよ!」

善子「あ、ええ。ばいばい」

善子(あっさり流された!)

善子「……」

善子(曜さんとのプリクラ……大切にしよう)

善子(それにしても、曜&エンジェル、か)

善子(天使なのは曜さんの方でしょ、とは恥ずかしくて流石に言えなかったわね)



曜「善子ちゃん、今日の練習はどうだった?」

善子「ヨハネよ……まあ、私にかかれば軽かったわね」

果南「あれ、ごめん。足りなかった? じゃあ善子は追加で3セットね」

曜「あはは。だって? 私も付き合うから頑張ろっか」

善子「私が悪かったから勘弁して」

善子(最近、なんだか曜さんとよく話してる気がするわ)

善子(練習後や休日もよく一緒に遊ぶし)

善子(まあ家が近いからおかしくはないけど)

善子(そう言えば、あの変なドキドキもしなくなったわね。あの日が変だっただけかしら)

曜「ねえ善子ちゃん。明日空いてる?」

善子「明日? ええ」

善子(そもそもAqours関連以外で用なんてほとんどないから、だいたいいつでも空いてるけど)

曜「良かった! じゃあウチに来ない?」

善子「曜さん家に?」

曜「うん。近いけど、来たことなかったよね?」

善子「言われてみれば……でも何するの?」

曜「ふふふ。それは当日のお楽しみだよ。じゃ、とにかくそういうことだから」

善子「え、ええ」

果南「話は終わった? じゃ、追加メニュ始めようか」

善子「ええっ? 冗談じゃなかったの?」

果南「私が冗談言うように見える?」

善子「……意外と言ってるじゃない」

果南「さ、始めるよ」

曜「ヨーソロー! 私もご一緒するであります」

ルビィ「最近、善子ちゃん曜ちゃんと仲良いね」

花丸「……」

ルビィ「花丸ちゃん?」

花丸「なんでもないずら。善子ちゃんあんまり友達いないし、親しい人が増えるのは良いと思う」

ルビィ「うん。でもルビィはちょっと寂しいなあ」



善子「おじゃましまーす……」

曜「そんな畏まらなくても誰もいないよ。さ、あがってあがって」

曜「あ、私の部屋わかる?」

善子「ええ、たぶん」

曜「先行ってて。お茶用意するから」

善子「手伝うわよ」

曜「いいのいいの。善子ちゃんはお客様なんだから」

善子「そ、そう。ならお言葉に甘えて。ていうか、何ニコニコしてるのよ」

曜「いやあ、善子ちゃんは善い子だなあって」

善子「からかわないで!」

曜「ごめんごめん。善子ちゃんが可愛いからつい」

善子「だ、だからからかわないでよ」

曜「私は本気だよ」

善子「え……」

曜「なんてね。そろそろ行こうか」

善子「あー、やっぱりからかったのね! ちょっぴりどっきりした私が馬鹿みたいじゃない」

曜「へー、どっきりしてくれたんだ」

善子「あーもう! 今のなし。言い間違い、言葉の綾よ」



善子「で、結局今日は何の用だったの」

曜「ふっふっふ、それはだね……じゃーん」

曜「今日は徹底的に善子ちゃんをコーディネートしちゃいまーす」

善子「えぇ……」

曜「大丈夫! 私も付き合うから」

善子「そりゃ曜さんは趣味みたいなもんだから良いだろうけど」

曜「善子ちゃん、いつもの堕天使も素敵だけど、ここで新たな一面を見せることでより多くのリトルデーモンを従えることができるんじゃないかな?」

善子「なるほど……って、ここには曜さんと私しかいないじゃない」

曜「予行練習みたいなもんだって」

善子(上手く言いくるめられちゃったけど)

曜「うんうん、そのポーズ良いよー」

善子「可愛く撮らなかったら承知しないから!」

善子(なんだかんだ悪くはないわね。違う自分になれた気がして新鮮だわ)

善子「そろそろ休憩しない? さすがに疲れてきたんだけど」

曜「えー、あと一着だけ! これだけ着たら休憩するから!」

善子「ちょ、曜さん近いって……きゃあ」

曜「うわあ」

善子(あたた、足を滑らしちゃった)

善子(って、この格好……なんだか曜さんに押し倒されてるみたいじゃない)

善子(曜さん、目大きい。睫毛も長くて……なんだか吸い込まれそう)

善子(あ、目が合った)

曜「あっ、ご、ごめんね」

善子(離れちゃった……もうちょっとだけこうしていたかったのに)

善子(私、何考えてるんだろう。これじゃまるで変態みたいじゃない)

善子「私は大丈夫だけど、曜さんは?」

曜「うん。私も平気だけど」

曜「ごめん、一人で盛り上がって迷惑かけちゃったね」

曜「私、先輩なのに駄目だなあ」

善子「そ、そんなこと、ないけど」

善子(うぅ、さっきのこと思い出してまともに顔見れないわ)

曜「とりあえず今日はお開きにしようか。本当ごめんね」

善子「いえ、でもそうね」

善子(私は別に嫌じゃなかったんだけど、曜さんは違ったのかな)

善子(結局何も言えずに、帰ってしまった)



善子「はぁ」

善子(あの日以来、なんだか曜さんとまた距離ができちゃった)

善子(お互いぎこちないというか、気まずいというか)

善子(それでこうして屋上から眺めてるだけなんて)

善子(相変わらず綺麗なフォーム……あ、千歌さん)

善子(自然にタオルを渡して、楽しそうにおしゃべりして。幼馴染だものね)

善子(なんだろう。胸がズキッとする。ちょっと前まで、私もあんな感じだったのに)

善子(まあヨハネは堕天使だし? 空を飛ぶ天使とは住む世界が違ったってことよね)

善子(そんなの、分かってたことじゃない)

花丸「善子ちゃん、こんなとこにいたずら」

善子「ずら丸、何の用?」

花丸「マルは曜さんじゃないよ?」

善子「馬鹿なこと言うだけなら帰りなさい」

花丸「冗談ずら。ちょっとAqoursの衣装の材料を買いに行くの手伝ってほしくて」

善子「良いけど、急ね」

花丸「本当はルビィちゃんと行く予定だったけど、用事ができてこれなくなっちゃったから」

善子「それだと私がついでみたいじゃない。納得いかないわ」

花丸「だって善子ちゃん変なグッズにばっか興味示して全然買出しの役に立たないから、仕方ないよ」

善子「ふん、このヨハネを惹きつけるような魔性のアイテムが」

花丸「そういうところずら」

花丸「まあでも、マル一人じゃ持ちきれないし、それに最近善子ちゃんとあんまりお出かけできてなかったし」

善子(うぐ、それを言われると弱いわね)

善子「仕方ないわね。あと、私はヨハネだからね」

花丸「善子ちゃんは善子ちゃんずら」

善子「あ、これ無限ループになるやつね」



善子「でね、その時曜さんが」

花丸「へー」

善子「そしたら曜さんったら」

花丸「ふんふん」

善子「それにしたって、よーしこーはないと思わない?」

花丸「……」

善子「どうしたのよ」

花丸「いや、さっきから善子ちゃん曜さんの話ばっかだなあって」

善子「あ……」

善子(最近ずっと曜さんと一緒だったから、つい。それに一方的に喋っちゃった)

善子「ごめん、ずら丸」

花丸「ううん、私も曜ちゃんのこと好きだから良いけど」

花丸「曜さんの話をするときの善子ちゃん、とっても楽しそうだなあって」

善子「そ、そうかしら?」

善子(でもそうかもしれない。いつも笑顔の曜さんといると、こっちまで楽しくなって)

善子(そのことを思い返すだけでまた幸せな気分になれて。はあ、あの頃は良かったわね)

善子(てか、言葉の割にずら丸の顔が寂しそうに見えたんだけど、気のせいかしら)

善子(せっかく二人でいるんだし、もうちょっと気遣うべきだったかしらね)

善子「それじゃあ、早速堕天使に相応しい漆黒の」

花丸「買わないずら。次の衣装はパステルカラーだから、そんな真っ黒い生地はいらないずら」



善子「はあ」

善子(こうやって屋上で溜め息を吐くのは何度目かしら)

善子(相変わらず、遠くに見える曜さんの姿。一時期は、あんなに近くにいたのに)

善子(こうしているのもすっかり日常になっちゃったけど。でも今日はいつもと違う)

善子(まさか曜さんが告白されただなんて)

善子(ちょうどずら丸と買い物してる日に、大会で。知ったときは驚いたわ)

善子(告白自体は断ったらしいけど、気づかされた)

善子(曜さんも、いつかは他の人のものになっちゃう、もう一緒にいれなく日が来ちゃう)

善子(きっと私なんかと比べ物にならない、空に羽ばたく天使みたいな人と。仕方がないって分かってるのに)

花丸「善子ちゃん、またここにいたんだ」

花丸「……泣いてるの?」

善子「な、泣いてなんか」

花丸「曜さんのことでしょ?」

善子「え……」

善子(嘘、なんで)

花丸「善子ちゃんは分かりやすいから」

善子「うっさい」

善子(そっか。こいつには気づかれてたのね)

花丸「マルもびっくりしちゃった。で、きっと善子ちゃんが落ち込んでるに違いないと思って」

花丸「探してみたら案の定。泣き虫善子ちゃんずら」

善子「泣いてないって!」

花丸「でもマルは、そんな善子ちゃんは見たくないずら」

善子(こいつ、私の話聞いてるのかしら)

花丸「善子ちゃんは確かに自分勝手で遠慮がなくて、自分のこと堕天使とか言っちゃうし」

善子「ずら丸、あんたねえ」

花丸「でも、マルの知ってる善子ちゃんはそれだけじゃなくて、誰より優しくて善い子で、それでたまに臆病になって素直になれない時もあって」

花丸「自分の中で溜め込んで勝手に決めつけちゃうんだけど、最後には諦めないで思ったとおりにする。そんな子だよ」

花丸「私はそんな善子ちゃんが好き。それにAqoursの皆も今更ちょっとくらい善子ちゃんが我が儘言ったり変なことしたって、気にしないよ」

花丸「だから、余計なことは考えないで。後悔してからじゃ遅いから。善子ちゃんは、善子ちゃんの本当の気持ちに従って行動するべきだと思うずら」

花丸「なんて、ちょっと臭かったかな。善子ちゃんのチューニ? 病が伝染っちゃったみたいずら」

善子(ずら丸……)

善子「そう、そうね。私は曜さんが好き。誰かに取られたくない。この気持ちを伝えないまま終わるなんて嫌よ」

善子「誰かのために遠慮したり、臆病風に吹かれて後悔するなんて、死んでもしたくない」

善子「ありがとう、花丸。言われるまでもないことだったけど、いちおう感謝しておいてあげるわ」

善子「あんたの方こそ、私の枷を解き放ったことを、後悔しても遅いからね」

善子(曜さんは、まだプールよね)

……

花丸「あーあ、行っちゃったずら」

花丸「後悔しても遅い、かあ。マルは、言われる前から、後悔しっぱなしだよ」

花丸「でも、これで良いんだよね。しおらしい善子ちゃんも可愛かったけど、やっぱり鬱陶しいくらい元気じゃないと調子でないずら」

ルビィ「あの、花丸ちゃん。今善子ちゃんとすれ違ったんだけど」

花丸「ル、ビィちゃん……」

花丸(あ、駄目だ……涙が止まらないや)

ルビィ「花丸ちゃん? ……そっか」

花丸「ルビィ、ちゃん……マル、告白、する前に、振られちゃった……」

ルビィ「うん……」

ルビィ「ルビィ、何もしてあげられないけど、ぎゅっとしててあげるから、泣いて良いんだよ」

花丸「う、うう゛、うわぁあ゛あ゛ん。善子ちゃんが、善子ちゃんがぁ……」



善子(届かないって思ってた。住む世界が違うって決めつけてた)

善子(多分、プールサイドで飛び込みをする曜さんを見たあの日から)

善子(でも、天使と堕天使が表裏一体なように、地を這う私と遠くで輝いて見えた曜さんも、案外近いところにいるのかも)

善子(家だって近いし。……まあ、それは関係ないけど)

善子(それに、飛び込みをする曜さんだって、一度宙を待った後は真っ直ぐ地面に落ちるだけなんて、堕天使みたいじゃない?)

善子(自分を勇気づけるためとはいえ、我ながらよく分からない理論を並び立ててる)

善子(でも、そうやって自己暗示で自分の殻を破るの、私得意だし)

善子(ほら、そう言ってるうちに今ならなんだって言える気がしてきた)

善子(微かに誰かの泣き声が聞こえた気がした。胸が痛んで足が止まりそうになる)

善子(でも駄目だ。止まるなヨハネ。私はそうやって皆に迷惑かけてでも、自分を貫くって決めたんだから)

善子(背中を押してくれた泣き虫のためにも、私はもう止まれない)

善子(飛べなくなった天使が堕天使なら、進むことをやめた堕天使はもう何者でもない)

善子(迷惑かもしれない、嫌われるかもしれない。でも良いの。でも言うの。私が後悔しないために)

善子(気づけば私はプールサイドに着いていた)

曜「善子ちゃん?」

善子(突然のことに驚く曜さんに、私は思いの丈をぶつける)

善子「曜さん! 私」

善子(それから先どうなるかは、今は神様にも分からない。だってこれは天界から解き放たれて誰にも縛られない、堕天使ヨハネの物語だもの)
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