善子「夏ね……」

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善子-アイキャッチ26



善子「暑い……蝉うるさい……」ミーンミン

善子(蝉の声ってどうしてこう騒がしいのかしら)

善子(この騒がしさが夏の暑苦しさを倍増させてる気すらするわ)

善子「暦の上ではもう秋だっていうのに、全然秋らしくないじゃない」ミーンミン

善子「暦を変えるか暦に合わせて気候が変わるかしなさいよ本当」ミーンミンチャーン

善子(それにしてもこんな日に冷房が壊れるなんて、やっぱりヨハネは不幸ね)

善子「……」ミーンミーン

pixiv: 善子「夏ね……」 by あめのあいまに。

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善子「今、蝉の鳴き声に混じって何か聞こえたような」ミーンミンミーン

善子(気のせいかしら)

善子「……」ミーンミンヨシコチャーン

善子「気のせいじゃない!」

曜「よーしーこーちゃーん」

善子「曜さん!? というかヨハネよ」

善子「この暑いのに一体何の用?」

曜「あーそーぼー」

善子「天の業火に身を晒すとヨハネは力を抑えられてしまうの。悪いけど」

曜「えーっ、良いって言うまでここで呼び続けるよ?」

善子「それはやめて」



善子「で、なにするのよ。言っとくけどうちは無理だからね」

曜「決めてない!」

善子「それなのにこの暑い中わざわざ来たの……もう解散で良いんじゃ」

曜「いやいや、せっかく集まったんだし遊ぼう」

善子「曜さんが勝手に押しかけてきたんでしょ」

曜「とりあえず海行こっか」

善子「海ならこないだAqoursで行ったばかりじゃない。というか二人きりで海水浴とか嫌よ」

善子(曜さんって意外と自由よね。まあ真面目一辺倒ってタイプでもないけど、はっちゃけてるというか)

曜「じゃあ展望台行こうよ。善子ちゃん行ったことある?」

善子「中に入ったことはないわね。近すぎて逆に、みたいな。あとヨハネ」

曜「じゃあ決定!」





曜「見て見て、善子ちゃん。海が綺麗だよ!」

善子「そうね」

曜「ほら、あっち富士山も見える!」

善子「ねえ、曜さん」

曜「ん?」

善子「曜さんってここ来たことあるのよね?」

曜「あるよー。どうして?」

善子「いや、その割にはハイテンションというか」

曜「こういうのは楽しまなくっちゃね。ヨーソロー!」

善子「はあ。まあ他のお客さんの迷惑にならないようにね。けっこう人いるし」

善子(でも確かに、こうやって高いところからの景色って、ちょっとテンションあがるわね)

善子(私の住んでる街も、普段こうして上から見下ろすことってないし、なんか新鮮)

善子(曜さんの家も見えるかしら……)

曜「よーしこちゃん」

善子「ひゃっ」

曜「なに見てたの?」

善子「べつに……ここよりずっと高い天上に思いを馳せていただけよ」

曜「善子ちゃん堕天使だもんね。あっ」

善子「どうしたのよ」

曜「もし善子ちゃんが天界に帰って会えなくなったら寂しいなあって」

善子「か、帰らないわよ。ヨハネにはそのための翼もないし、私を追放した場所なんて行きたくもないわ」

曜「そっか。じゃあずっと一緒だね!」

善子(どうしてスッとそんなこっ恥ずかしいことが言えるの。これがリア充の力なの?)

善子「あ、あったりまえでしょ。曜さんだって私のリトルデーモンなんだから。勝手に離れることは許さないわ」

曜「あはは。だったらこうしてくっついてないとね」ギュー

善子「ぎゃー。暑い! 離れなさいよ」

曜「えー、離れるなって言ったの善子ちゃんでしょー」

善子「ヨハネ! というかそれとこれとは別。誰も物理的にくっつけなんて言ってないわよ!」

係員「……」ゴホン

曜・善子「「あ……」」



善子「もう、曜さんのせいで怒られちゃったじゃない」

曜「ごめんごめん」

曜「さっ、気を取り直して次はどこへ行こうか」

善子「反省してるのかしら……暑いし、屋内が良いわね。冷房効いてるとこ」

曜「それじゃあ水族館にしよう」

善子「水族館ね……」

曜「あれ、駄目だった?」

善子「いえ。小学生のとき遠足で水族館に行くはずだったのに熱を出していけなかったことを思い出して……」

曜「じゃあ今日はリベンジだね! 子供の頃行けなかった分まで楽しもう!」

善子「そうね! まあ別に水族館ではしゃぐような歳でもないけど」

曜「素直じゃないんだからー」

善子「なによー!」





善子「深海水族館…よりによってなんでここなのよ」

曜「いやあ、近かったし?」

曜「ほらほら、バシノモスだって。かわいいよ」

善子「どこがよ。おっきいフナムシみたいじゃない」

曜「えー、かわいいと思うんだけどな。このキッとした目とか硬そうな殻とか、なんかダイヤさんみたいじゃない?」

善子「あなたそれ本人には絶対言わない方が良いわよ……」

善子「でもこのオオベソオウムガイって言うのはずら丸みたいね。まぬけそうな顔だし、図書室にこもってばっかだし」

善子「オオベソって言うのも泣き虫なずら丸にぴったりじゃない」

曜「えっ、殻に引きこもってたのは善子ちゃんの方でしょ?」

善子「曜さん!」

曜「冗談冗談」

善子(オウムガイといえば、殻の螺旋が黄金比とかって聞いたことがあるわ。黄金比、よく分からないけど格好良いわね)

曜「ちなみにオウムガイの殻が黄金比ってのは嘘らしいよ」

善子「えー……」

曜「わっ、大きい蟹。食べ応えありそうだね」

善子「そもそも食べれるのかしら」

曜「どうだろ。でも毒さえなければやってやれないことはないよ!」

善子「なんでそんな熱血っぽいのよ。蟹好きなんだっけ?」

曜「いや、そんなに……」

善子「えぇ……」

善子「ほら、そんなことより深海のプラネタリウムだって。綺麗ね」

曜「光る深海魚丼……売れるかな」

善子「さっきからどうして食べる方に話が進むの」

曜「あはは。あっ、なんかイベントが始まるって。せっかくだから聞きに行こう」

善子「もう……わかったよ」



曜「いやあ、結構満喫したね?」

善子「そうね。飼育員の人のここだけの話もなかなか面白かったし」

曜「ところで善子ちゃん。お腹空かない?」

善子「うーん。軽く食べたいかも」

善子(お腹が減ってたから水族館でもああだったのかしら)

曜「じゃあハンバーガー屋さんでも行こうか」





善子「まぐろバーガー。普通に美味しいわね」

善子「曜さんはビーフなのね」

曜「うん。今は肉って感じだったから。……ふぅ、美味しかった」

善子「はやっ、もう食べたの?」

曜「やあ、今日朝ご飯食べてなくてさあ」

善子「うち来る前に食べてくれば良かったのに」

曜「善子ちゃんに一秒でも早く会いたかったから」

善子「なにそれ。というかヨハネよ」

曜「ねえねえ一口貰っても良い?」

善子「曜さんって魚大丈夫なんだっけ」

曜「刺身じゃなければいけるよー!」

善子「そう。じゃあどうぞ」

曜「ありがとー。はむ……おいしー!」

善子「本当、美味しそうに食べるわね」

曜「間接キス、しちゃったね」

善子「ちょっ、やめてよ。変に意識しちゃうじゃない」

善子(というか、なんでそんな艶っぽい感じで言うのよ。絶対からかってるでしょ)

曜「どうしたの、手止まってるよ? あ、いらないなら私がもらうよ?」

善子「食べるわよ!」

善子「むぐっ……」

曜「善子ちゃん大丈夫!? ほら、私のジュース飲んで」

善子「ごくごく……はあ。もう、曜さんが変なこと言うから」

善子(うう、ハンバーガー食べるだけでなんかどっと疲れたわ)

曜「あっ、また間接キスしちゃったね」

善子「少しは反省して」



曜「さて、お次はどこに行こうか」

善子「元気ね……」

曜「そりゃもう、夏だから!」

善子「いちおう、暦の上では秋なんだけど」

曜「まだまだ日は長いし、太陽も元気だし、実質夏だよ夏」

曜「せっかくなんだから、この夏を満喫しないと!」

善子「仕方ないわね。こうなったらとことん付き合ってあげるんだから」

善子「この堕天使ヨハネを本気にさせたこと、後悔したって知らないわよ」

曜「よし、じゃあ浜辺の公園まで競争! よーいどん」

善子「ちょ、待って。走って行く気!?」

曜「もちろん! 全速前進、ヨーソロー」





善子「ぜえ、ぜえ……死ぬかと思った」

曜「あっ、善子ちゃんお疲れー。はい、ラムネ」

善子「ありがと……ふぅ」

善子「曜さんは余裕そうね」

曜「いちおう鍛えてますから」

曜「ほらほら、善子ちゃんもこっちおいでよ。波が冷たくて気持ち良いよ」

善子「私はここで休んでるわ……流石に疲れたし」

善子(子供みたいにはしゃいじゃって……)

善子(あー、木陰だと海の風が気持ち良いわね。やっぱり少しずつだけど、秋が近づいてるのね)

善子(でも日差しの下で輝く曜さんの笑顔を見ると思わずにはいられないわ)

善子「本当、どうしようもないくらい夏ね」

善子(ってね)

おしまい
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