千歌「切れない絆」

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千歌-アイキャッチ11



~十年前~

幼千歌「ねえねえ、曜ちゃん」

幼曜「なあに、千歌ちゃん?」

幼千歌「曜ちゃんは、おっきくなっても千歌と一緒にいてくれる?」

幼曜「もちろん! ずっと一緒だよ」

幼千歌「ほんと? わぁい。うれしいなあ」

幼千歌「そしたら、指切りしよ」

幼曜「うん。指切りげんまん」

幼千歌「嘘ついたら針千本飲ーます」

幼曜「指切った」

pixiv: 千歌「切れない絆」 by あめのあいまに。

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千歌「よーちゃん、これから梨子ちゃんと沼津で遊ぶんだけど、曜ちゃんも行こ?」

曜「ごめん。今日は私高飛び込みの練習するから……」

千歌「えー。曜ちゃん来れないのー?」

曜「ほんとごめんね。大会も近いしさ」

梨子「ほら千歌ちゃん。あんまり曜ちゃんを困らせないの。曜ちゃんとはまた別の日に行こうよ」

千歌「うん……」

曜「この埋め合わせは絶対するから。今日は二人で楽しんできてよ」

梨子「うん。曜ちゃんも練習頑張ってね」

千歌(一緒にスクールアイドルをするようになって、曜ちゃんに近づけた気がしてとっても嬉しかったけど)

千歌(最近、曜ちゃんとあんまり遊べないなー)

千歌(でもでも、あんまり曜ちゃんの邪魔するわけにもいかないし)

梨子「さ、私たちも行きましょ」

千歌「そうだね! 曜ちゃんの分まで楽しんじゃおう!」

千歌(寂しいけど、仕方ないよね)



千歌「いやあ、楽しかったね」

梨子「ね。喫茶店で食べたケーキも美味しかった」

千歌「知る人ぞ知るお店って感じだったね。これで千歌たちも沼津のスイーツマスターだよ」

梨子「ふふっ、そうかもね」

千歌「はあ、ずっとこうやって遊んでたいよー」

梨子「私も。でも、限られた時間だからこそ貴重なんじゃないかな?」

千歌「はー、梨子ちゃんは詩人だね。千歌より作詞に向いてるんじゃ」

梨子「わわっ、作詞なんて無理だよ。それに千歌ちゃんの歌詞もとっても素敵だと思うよ」

千歌「ありがとう。でも梨子ちゃんも機会があったらやってみなよ。千歌と花丸ちゃんも協力するから」

梨子「うん。その時はよろしくね」

千歌「でもやっぱ千歌はもっと遊びたーい。今週末はお店の手伝いしろって言われてるし……」

梨子「大変だね。それじゃ、今日はもうちょっとだけ遊んじゃおうか」

千歌「うん!」



千歌(先週は大変だった……)

千歌(でも、梨子ちゃんといっぱい遊んだおかげでなんとか頑張れたよ)

梨子「おはよう」

千歌「おはよう、梨子ちゃん!」

千歌「あ、そのブレスレット可愛いね」

梨子「ありがとう。これは」

曜「おはヨーソロー!」

千歌「おはよう、曜ちゃん」

梨子「おはよう」

千歌「あれ、曜ちゃんもブレスレットしてるの。……しかも梨子ちゃんのと同じ?」

曜「ああ。これは大会行ったら帰りに偶然梨子ちゃんと一緒になって。お買いものした時にお揃いの買ったんだー」

千歌「ええ、なにそれ!? 千歌も呼んでよ」

梨子「ごめんね。千歌ちゃん、おうちのお手伝いで忙しいって言ってたから」

千歌「うう。呼んでくれたら抜け出してでも行ったのに」

曜「や、それは駄目でしょ」

千歌(なんだか、仲間外れにされたみたいで寂しい)

千歌(曜ちゃんは、どうしてそんな平気な顔してるの)

千歌(曜ちゃんには、やっぱり千歌なんていなくても良いのかな)

千歌(梨子ちゃんがいれば、それで十分なのかな)

曜「その代わり、今日一緒におでかけしない?」

千歌「いいの?」

曜「当然だよ。私だって千歌ちゃんと遊びたいもん」

千歌(曜ちゃん……良かった)

曜「あ、でも今日は梨子ちゃん都合悪いんだっけ?」

千歌「えっ」

千歌(どうしてそこで梨子ちゃんが出てくるの? 曜ちゃんは千歌と遊びたかったんじゃないの?)

梨子「気にしないで。こないだは千歌ちゃんと、週末は曜ちゃんと遊んだし、今度は千歌ちゃんと曜ちゃんの番だよ」

曜「そう? それなら今日は二人きりでデートしちゃおっかな」

千歌「で、デート!?」

曜「拙いだろうけど、精一杯エスコートしちゃうよ!」

千歌「も、もう。曜ちゃんったらあ」

梨子「良かったね、千歌ちゃん」

曜「梨子ちゃんとはもうしたもんね」

梨子「あれはデートとかじゃないって!」

千歌「むー……」



曜「千歌ちゃん、どっか行きたいとこある?」

千歌「アクセサリ見たい!」

千歌(曜ちゃんと梨子ちゃんだけお揃いなんてずるい。私も何か)

曜「いいよー。って言っても私は今月ピンチだから見てるだけだけど」

千歌「そっか」

千歌「あ、じゃあ千歌が曜ちゃんにプレゼントする!」

曜「え、そんなの悪いよー。誕生日でもないし」

千歌「良いの! いつも頑張ってる曜ちゃんに私が贈りたいの」

曜「そこまで言うなら。安いので良いからね?」

千歌(とは言ったものの、どうしようかな)

千歌(私もあんまりお小遣いあるわけじゃないし……)

千歌「あっ」

千歌(これ良いかも)

千歌「曜ちゃん、ちょっと」

曜「んー?」

千歌「これなんてどうかな?」

曜「チョーカー? あんまりつけたことないけど」

千歌「きっと似合うよ!」

千歌「はい、つけるね」

千歌(曜ちゃんの首にそれを付けた瞬間、ドクンと私の鼓動が大きくなった)

千歌(見ようによっては首輪みたいで、それに色がオレンジだから千歌のだよって主張してるみたい)

千歌(自由奔放な曜ちゃんを、千歌につなぎとめるための首輪……)

曜「ちかちゃーん?」

千歌「はっ……良い良い! とっても似合ってるよ。これにしようよ!」

曜「そうかな。ありがとう」

千歌「明日からちゃんとつけてきてね」

曜「ええ、大丈夫かな?」

千歌「色も薄めだし大丈夫だよ! 絶対してきてよね」

曜「まあ、千歌ちゃんがそこまで言うなら」



ルビィ「チョーカーですか?」

花丸「お洒落さんずらー」

曜「えへへ、千歌ちゃんにプレゼントしてもらったんだー」

鞠莉「Oh,アツアツねー」

ダイヤ「まあ練習時くらいは良いですが、授業中は外しててくださいね」

曜「ですよねー。千歌ちゃんに絶対つけてきてって言われちゃって」

鞠莉「もう、それくらい良いじゃない。ダイヤは本当カタいんだからー」

果南「そろそろ練習始めるよー」

曜「はーい……あれ、善子ちゃんは?」

花丸「今日善子ちゃんはお休みずら」

ルビィ「風邪ひいちゃったって」

曜「そうなんだ。そしたら梨子ちゃん一緒に準備運動しようよ」

梨子「いいの? ありがとう」

果南「そしたら三人になっちゃうから、私が入って千歌と組むよ。千歌もそれで良いよね?」

千歌「え、うん」

千歌(思わず返事しちゃったけど、果南ちゃん入るなら梨子ちゃんと組めば良いのに……)

曜「それそれー」

梨子「きゃっ、曜ちゃんやめてったら」

ダイヤ「ほらそこ。あんまりふざけるんじゃありません」

千歌(あんなに楽しそうにして……曜ちゃんはやっぱり、千歌なんかより梨子ちゃんが良いの?)

果南「ほら千歌。私たちも始めるよ」

千歌「うん……」

果南「どうしたの? 具合悪いとか?」

千歌「なんでもないよ。さっ、やろやろ」

千歌(チョーカーじゃ足りないんだ……曜ちゃんを繋ぎとめるには、もっと、もっと)



千歌(はあ、まさか二週続けて手伝いさせられるなんて……せっかく曜ちゃんと遊べると思ったのに)

千歌(蔵の掃除なんか年末にでもやれば良いじゃん)

千歌(今頃曜ちゃんは梨子ちゃんと……はあ)

千歌「きゃっ」

千歌「いたたっ、思いっきし荷物ぶちまけちゃった……」

千歌「ん……これって」

千歌(ずいぶん古いけど、十千万の地図だよね)

千歌(なんか印がしてるけど、宝の在り処とか?)

千歌(ちょうど蔵のあたりだよね。この辺かな……。なんか床に取っ手がある!)

千歌「よいしょっ、と……」

千歌「梯子……下に続いてるみたい。結構深いのかな?」

千歌「ここって……」

千歌(降りた先にあったのは、岩盤をくり抜いて作ったような広いスペース。そしてそれを区切るように立ちはだかる鉄格子)

千歌(いわゆる、座敷牢ってやつだよね? なんかいろんな道具も置いてある)

千歌(なんでこんなものがあるのかわからないけど)

千歌「戻ろう……私は何も見なかった」



志満「千歌ー? お友達来てるわよー?」

千歌「はーい……誰だろ」

曜「やっほー」

梨子「こんにちは」

千歌「曜ちゃん、梨子ちゃん!」

千歌「どうしてここに?」

曜「や。流石に二週連続置いてけぼりは可哀想かなと思って」

梨子「迷惑かとも思ったんだけど」

曜「何か手伝えることがあったら手伝うよ!」

千歌「ありがとう!」

千歌(曜ちゃん……嬉しい)

千歌「あれ、なんで手つないでるの」

梨子「あわわ。これはさっき蜂に追っかけられて」

曜「足が竦む梨子ちゃんを引っ張ってここまで来たんだ」

千歌「そう……刺されなかった?」

曜「大丈夫だよ」

梨子「うん。曜ちゃんのおかげでなんとか」

千歌(やっぱり駄目だ。曜ちゃんは……自由気ままで、思いやりがあって、だからいつも千歌の傍になんていてくれない)

千歌(千歌、耐えられないよ……だから、もう、仕方ないよね)

千歌「あ、それじゃあ早速だけど手伝ってもらって良い?」



曜「やあ、なかなか手強かったね」

梨子「蔵があるなんて、流石老舗だね」

千歌「今日は手伝ってくれてありがとう!」

千歌「せっかく来てくれたのに、こき使っちゃってごめんね」

曜「あはは、気にしないで。皆でこうやってお掃除するのも楽しかったし。それじゃ、また月曜!」

梨子「ばいばい」

千歌「あ、待って」

千歌「曜ちゃん、ちょっと残ってもらって良い? 話があるの」

曜「なになに?」

千歌「二人きりで話したくて」

曜「わかった」

梨子「それじゃ私は帰るね。二人とも、またね」

曜「またねー」

千歌「うん、ばいばい」

千歌(ばいばい、梨子ちゃん)



曜「それで、話って?」

千歌「ついてきて」

曜「うん……ここは、さっきの蔵?」

千歌「見てもらいたいものがあるの」

千歌「んっしょ」

曜「え、そこ開くの!?」

千歌「ふふ、皆には秘密だよ」

千歌「さ、降りて降りて」

曜「うん……」

曜「ここは、牢屋?」

曜「どうしてこんなところが……って千歌ちゃん、どうして扉を閉めるの?」

千歌「千歌ね、考えたんだ」

千歌「曜ちゃんは困ってる人がいたら放っておけないし、明るくて優しいからどんどん皆と距離が近くなって」

千歌「それってとても良いことだけど、私はそれが嫌だった」

千歌「曜ちゃんにはもっと千歌の傍にいてほしかったし、千歌以外の人と近づいてほしくなかった」

千歌「曜ちゃんは魅力的だから、他の人もきっと曜ちゃんを好きになっちゃう」

千歌「曜ちゃんもいつか私なんかよりずっと素敵な誰かのところにいっちゃうかもしれない」

千歌「そう考えると、たまらなく嫌だった」

曜「千歌ちゃん……」

千歌「曜ちゃん。曜ちゃんは昔した約束、覚えてるかな」

千歌「千歌は不安だったよ。私にとってはいつまでも大切な約束だけど、曜ちゃんはとっくに忘れてるんじゃないかって」

千歌「曜ちゃんに針千本飲ませる日が来たら嫌だなあって」

曜「千歌ちゃん、近いよ……」

千歌「えいっ」

曜「えっ、これって、手錠!?」

千歌「でも、こうすれば大丈夫だよね。これなら離れられないし、曜ちゃんがどっか行っちゃうこともないもん」

曜「ひっ……」

千歌「曜ちゃん、ずーっと一緒だよ」

おしまい
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