千歌「なぞなぞ」

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千歌-アイキャッチ9


千歌「よーちゃん、よーちゃん」

曜「なあに?」

千歌「なぞなぞです!」

曜「唐突だね」

千歌「同じラインからスタートして、足の遅い千歌が一周する間に、足の速い曜ちゃんは千歌を10回追い越します」

千歌「さて、私たちはなんでしょう?」

pixiv: 千歌「なぞなぞ」 by あめのあいまに。

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曜「足の遅い千歌ちゃんと足の速い私!」

千歌「素直すぎるよ! なぞなぞって言ったじゃん」

曜「えー、わかんないよー。いつもの駄洒落くらい分かりやすくしてよー」

千歌「諦めるの早いよ。というか千歌の駄洒落が分かりやすいって嘘でしょ。いつも理解されなくて解説までしてるのに」

梨子「いや、反応が薄いのは別の原因があると思うんだけど」

千歌「んん? まあ良いや。ヒントはね、追いつく回数は11回です」

曜「さっきとほとんど変わってなくない?」

千歌「曜ちゃん考える気あるの? これで最後だよ。スタート時も含めたら、千歌と曜ちゃんは12回並びます」

千歌「12ってのが大ヒントなのだ」

曜「いやいや、さっぱりだよ」

梨子「わかった! 時計でしょ」

千歌「梨子ちゃん正解!」

曜「えー、なんでなんで?」

梨子「時計の短い針が一周する間に、長い針がそれを追い越す回数が10回なの」

梨子「そしてちょうど一周したところで11回重なるから、それを駆けっこに見立てたってこと」

曜「へー、東京の子は頭が柔らかいねー」

梨子「いや、東京は関係ないと思うよ」

千歌「……千歌が解説したかったのに」

梨子「あっ、ごめんね」

千歌「いいのいいの。じゃ、次の問題ね」

曜「まだ続くんだ」

千歌「Aqoursで旅行に行く計画を立てています」

千歌「皆に行きたい場所を聞いたら、梨子ちゃんは楽譜に"シララソ"と書いて渡しました」

千歌「さて、梨子ちゃんの行きたい場所は?」

梨子「これはハーグね。王立音楽院があったり、美術館や博物館もたくさんあるから、確かに行ってみたいかも」

曜「へー。どうして分かったの?」

梨子「これは音階をアルファベッドに変換するの」

曜「ああ、CDEFGABってやつ。あれ、でもそれだとバーグだよ?」

梨子「英語だとそうなんだけど、ドイツ語だとBはシ♭で、普通のシはHになるの」

曜「なるほどねー」

千歌「……解説」

梨子「ごめんね、つい……」



曜(そんな感じで、最近千歌ちゃんはなぞなぞにはまっているみたい)

千歌「果南ちゃん、なぞなぞしよっ」

果南「いいよー。でも分かるかな?」

千歌「きっぷが良くて男女問わず人気の果南ちゃん。あ、3rdシングルではセンターおめでとうございます」

果南「あはは、ありがとう。照れちゃうね」

千歌「そんな果南ちゃんですが、海の中ではいつもペコペコ低姿勢。なーんでだ?」

果南「ええ、なにそれ。ヒントは?」

千歌「ノーヒントです!」

果南「うーん、わっかんないなー」

ダイヤ「CRAWLするからですわ。クロールには泳ぎの他にも"へつらう"という意味もありますから」

果南「へー、そうなんだ。勉強になった」

千歌「ダイヤさん、さっすがー」

千歌「あ、ダイヤさんにも問題。ダイヤさんとルビィちゃん、年齢は2つ、身長は8cm違います」

千歌「じゃあ1度違うのは? 体温じゃないよ」

ダイヤ「そんなの簡単。モース硬度ですわ。ダイヤモンドは10、ルビーは9」

ダイヤ「鞠莉さんに散々弄られてますから覚えました」

千歌「やっぱり分かっちゃったかあ」

ダイヤ「さっ。遊んでないで、気が済んだら練習してください」

千歌「もう一問だけ! そしたら千歌の気も済むから」

ダイヤ「はあ……仕方ありませんわね」

千歌「やった! それじゃ、いきます」

千歌「鞠莉ちゃんがホテルオハラでイベントを開きました」

千歌「皆に配られた宝の地図。そこに隠された暗号を解いた結果、一番高いカメラの中、という言葉が出てきました」

千歌「だけどホテル中のカメラを探しても、宝は見つかりませんでした。なぜでしょうか?」

ダイヤ「えぇ……わかりませんわ。カメラ……写真機……むむむ」

千歌「ふふふっ、ダイヤさんでも分からないかなー?」

ダイヤ「難しいですわね……」

千歌「降参します?」

ダイヤ「いえ、黒澤家に撤退の二文字はありません」

果南「ダイヤ……」

鞠莉「宝は写真機じゃなくて、一番高い部屋にありまーす。Cameraはイタリア語で部屋って意味だから」

ダイヤ「鞠莉さん!」

鞠莉「チャオ~」

千歌「鞠莉ちゃん正解!」

ダイヤ「イタリア語は流石に知りませんでした」

鞠莉「もう、ダイヤったら。ミイラ取りがミイラになっちゃって」

ダイヤ「すみません。つい熱くなってしまいました」

千歌「ちなみに写真機を部屋を意味するカメラと呼ぶのは、その起源が暗い小部屋に穴を開けて外の景色を投影したことからなんだって」

鞠莉「千歌っちは勉強家ねー」

ダイヤ「何事も度が過ぎるのは良くありませんが、なぞなぞも知識を得るきっかけになるのなら素晴らしいことですわ」

千歌「えへへ」

鞠莉「ダイヤの硬さは度を過ぎてるけどねー」

ダイヤ「鞠莉さん!」



千歌「今日は一年生たちになぞなぞするよ」

ルビィ「ピギィ」

千歌「ということで問題です」

千歌「アメリカから来た魔女がAqoursの一年生組に呪いをかけました」

善子「なんでアメリカ?」

千歌「三人は呪いのせいで、その本性に合わせて君主、女王様、虫に変身させられちゃいました」

千歌「さて、誰が何になったでしょうか?」

善子「虫以外は呪いどころか出世してない?」

花丸「これはマルが虫で、ルビィちゃんが女王だね」

善子「それじゃ私が君主? まあ、当然ね。堕天使ヨハネ、リトルデーモンの主に相応しい称号だわ」

千歌「正解!」

ルビィ「どうしてルビィが女王なの?」

花丸「ルビーは宝石の女王と言われてるから。マルは本の虫だし」

千歌「そうそう。ちなみに本の虫は英語でもbookworm(本の虫)なのだ。あと、ダイヤモンドやエメラルドも宝石の女王と言われることがあるよ」

ルビィ「へぇ~」

千歌「善子ちゃんが君主なのは、英語で重度の中二病患者をedgeload(中二病の王)って言うからだよ」

善子「ヨハネよ! 中二って言うな~!」

ルビィ「まあまあ」

善子「納得いかない。もう一問要求するわ!」

千歌「望むところだよ!」

千歌「堕天使ヨハネちゃんはいつも皆に意地悪ばかり。まあ本当の善子ちゃんは優しいけど」

善子「余計なことは今言わないで」

千歌「はいはい。だけどそんなヨハネちゃんも、好きな人の前では優しい大天使に変身。どうしてでしょう?」

善子「え、なにそれ。好きな人に良く見られたいから?」

千歌「善子ちゃん、心理テストじゃないんだよ。これはなぞなぞなんだよ?」

善子「うっさい。あとヨハネよ!」

花丸「愛があるからずら」

千歌「花丸ちゃんまたまた正解。やるねー」

善子「ええっ。私の答えとほとんど一緒じゃない!」

千歌「いやいや。ローマ字にするとDATENSHIとDAITENSHI。大天使には堕天使にはないアイがあるでしょ」

善子「ええ……そんなの駄洒落じゃない」

千歌「でもでも、なぞなぞなんてそういうものだよ」

善子「まあ、そうかもしれないけど」

善子「これで終わりなんて言わないでしょうね?」

千歌「当然! まだまだ続くよ~」

花丸「マル、帰って良いかな?」

ルビィ「ルビィも帰ろっと」



千歌「曜ちゃんの馬鹿! どうしてわかってくれないの!?」

曜「あ、今馬鹿って言った! 馬鹿って言った方が馬鹿なんだよ。このバカ千歌!」

千歌「むー……」

曜「むむむ……」

千歌・曜「ふん!」





千歌「梨子ちゃん、一緒に練習しよ!」

曜「善子ちゃん、今日は私と組もうよ」

千歌「……」

曜「……」

千歌・曜「ふん!」

果南「二人はどうしちゃったの?」

梨子「それが、絶賛喧嘩中でして」

ダイヤ「はあ、それは……喧嘩するほど仲が良いとは言いますが、Aqoursの活動に支障がないようにしてほしいですわね」

鞠莉「まあまあ、たまには良いじゃない。マリーたちだってしょっちゅう喧嘩してるでしょ」

ダイヤ「それは鞠莉さんがふざけるからです」

鞠莉「ダイヤがベリーハードだからバランス取ってるだけでーす。名前のとおり硬度10なんだからー」

ダイヤ「ほらまたそうやって」

果南「あはは」

梨子「ちょ、二人ともやめてください。果南さんも笑ってないで止めてくださいよ」

果南「大丈夫大丈夫、これくらい日常茶飯事だから」

鞠莉「そうそう」

ダイヤ「……まあ、私たちのことはさておき、千歌さんたちは多分大丈夫ですわ。自分たちで解決できると思います」

ダイヤ「梨子さんも、二人を信じて今は見守ってあげてください」

梨子「はい」





曜(どうしよう、千歌ちゃんと喧嘩しちゃった)

曜(このまま絶交になっちゃったり……そんなのやだ!)

曜(謝らなきゃだよね……でも、なんだか話しかけ辛いなあ)

曜「そうだ」

曜(まずはメールで謝ろう……それでも気後れしちゃうけど、最近千歌ちゃんがはまってるなぞなぞにしたら、なんとか伝えられそう)

曜(こんな感じで良いかな……送信っと)





曜(今日は千歌ちゃん家寄らずに学校来ちゃった……)

曜「おはヨーソロー」

梨子「おはよう、曜ちゃん」

曜「梨子ちゃんおはよー」

曜「あ……」

千歌「……」

千歌「曜ちゃん、ごめんなさい!」

曜「え……あ、私の方こそごめん! 昨日はついカッとなっちゃって」

千歌「ううん。千歌が悪いの。なのに後に引けなくなっちゃって……」

千歌「でも家に帰ってから、このまま曜ちゃんとずっと話せなくなっちゃったらどうしようって考えたら……」

曜(千歌ちゃん、私と同じこと考えてたんだ……)

曜「私も! 同じように悩んでたんだけど、なかなか勇気が出せなくて」

曜「良かった……千歌ちゃんと仲直りできて、本当に良かった」

梨子(ダイヤさんの言うとおり。二人とも、すぐに仲直りできたみたい)

千歌「ところで曜ちゃん、昨日の夜送ってきたメールはなんだったの?」

曜「え。わからなかった?」

千歌「うん。文字化けとか、打ち間違えかなって思ったんだけど」

曜「あはは。あの、謝ろうと思ったんだけど、なんだか言いづらくて、なぞなぞにしてみたんだ」

千歌「えー、全然わからなかったよー。梨子ちゃん分かる?」

梨子「どれどれ?」

『渡辺曜=ゐちにぷろか :ぞゆんにしえ(以下略)』

梨子「んー……次の文字にしてあるとか? でもそれだと、わたなぴれお、になっちゃうね」

曜「梨子ちゃん惜しい。五十音の段によってずらす文字数を変えてるんだ。あ段だったら一つ、い段だったら二つって感じで」

梨子「なるほど」

千歌「なぞなぞって言うか、暗号みたいだね」

曜「言われてみれば、そうかも。とにかく、ストレートに伝えるのが怖くって」

梨子「もしかして、曜ちゃんって意外と小心者?」

曜「あはは、面目ない」



曜「ここで、あってるんだよね?」

曜(千歌ちゃんから送られてきたメール、なぞなぞを使った待ち合わせ)

『Devilに有ってBearにないもの、Peaceに有ってFenceに無いもの、Zebraに有ってHorseに無いもの。これらが集まる場所で待つ 千歌』

曜「日本語に直すと、悪魔と熊の"あ"、平和と塀の"わ"、シマウマと馬の"しま"、繋げ合わせて淡島」

曜(淡島のどこにいるかは書いてなかったけど、私はなんとなく淡島神社に違いないと思った)

千歌「あっ、曜ちゃん来た来た。良かったあ」

曜「千歌ちゃん、淡島って言ってもいろいろあるのに、もし私が来なかったらどうするつもりだったの?」

千歌「大丈夫。曜ちゃんなら絶対来てくれるって信じてたから」

曜「それはどうも」

曜「ねえ、こんなところに呼び出して、どうしたの?」

千歌「なぞなぞをしようと思って」

曜「なぞなぞ?」

曜(それだけのために? 千歌ちゃんって時々謎の行動力を発揮するけど、それにしても、まさかね)

千歌「なぞなぞです。実は千歌には好きな人がいます」

曜「えっ」

曜(思わず声が出ちゃった。千歌ちゃんに好きな人が……)

曜(これはなぞなぞなんだよね? でも、もし本当にいたら……)

千歌「その人はとても優しくて、気が利いて、なんでもできるスーパーマンみたいだとずっと思ってた」

千歌「でも本当は違うんだよね。その人だって普通の人間で、怒りもすれば傷つきもする」

千歌「最近気づいたんだ。その人がとっても繊細で実はちょっぴり泣き虫なんだって。こういうのも灯台下暗しって言うのかな」

曜「千歌ちゃん……」

千歌「私とその人は幼馴染でずっと一緒だったんだけど、最近ちょっとしたことで喧嘩しちゃって」

千歌「もしその人とこのまま離れ離れになっちゃったら嫌だなって、考えたら胸が苦しくなって」

曜(まるで、自分のことみたいに、それはとても聞き覚えのある話だった)

千歌「その時気づいたんだ。ああ、千歌ってその人のことが好きだったんだ」

千歌「ずっと友達だと思ってたけど、いつの間にかそれだけじゃなくなってたんだなあって」

千歌「さあ問題です。千歌が好きな人は誰でしょうか?」

曜「渡辺、曜?」

千歌「正解!」

曜(恐る恐る口に出した答えに、元気いっぱい反応する千歌ちゃんだけど)

曜(でも千歌ちゃん……震えてる)

曜(おどけて見せてるけど、本気なんだよね)

曜(もしここで私が流したら、冗談で済ませて、きっと明日からまた何もなかったみたいに過ごすんだ)

曜(でも、それで私は良いの? ううん。良いわけない。千歌ちゃんが勇気を出したのに、私だけ臆病なままじゃいられない)

曜「千歌ちゃん、私からもなぞなぞ」

曜「渡辺曜には好きな人がいます」

曜「その人はいつも明るくて、笑顔が眩しくて、周囲の人にいつも元気を与えてくれるの」

曜「その人は自分のことを普通だ普通だって言うけれど、気が付けばいつもその人の周りには人が集まっていて、皆楽しそうに笑ってるんだ」

曜「だから私はその人を普通だなんて思わないし、たくさんの人がいる中で、私なんて要らないんじゃないかってちょっぴり不安なる時もあった」

千歌「曜ちゃん……」

曜「私って意外と不器用だからさ。ずっと近くにいたいって思ってたのに、迷惑かけないようにいつの間にか薄い壁を作ってた」

曜「格好つけたいっていうのもあったのかな。それなのに、本当の私を見てくれてないって、矛盾したことも考えちゃったりして」

曜「最近、いろいろあってやっと本音を少し出せるようになって、そしたらその途端喧嘩しちゃって」

曜「もしこのままその人と仲直りできなかったらどうしようって、とっても不安だった」

曜「でも、その人とは無事に仲直りできて、それどころか私のことを好きって言ってくれたんだよ」

曜「ねえ、千歌ちゃん。こんなのって奇跡じゃない? なんて」

曜「さて、問題です。私の好きな人は誰でしょう」

千歌「高海、千歌……」

曜「正解」

曜「千歌ちゃん……大好きだよ」

千歌「……! 曜ちゃん、私も!」

千歌「曜ちゃ、ん。良かっ、良かったよぉ」

曜「もう、なんで泣くの」

千歌「だって、嬉しくって。夢みたいで」

曜「安心して、ほら。夢じゃない」

千歌「あ……曜ちゃん、温かい」

曜「ふふっ、千歌ちゃんは冷たいね」

千歌「……曜ちゃんが待たせるから冷えちゃった」

曜「ええ、私のせい? 急に呼び出されたわりには頑張ったよ、私」

千歌「ふふん。待たせた男を困らせるのは、待った女の特権なのだ」

曜「私も女なのに……」

千歌「細かいことは良いの! ほら、戻ろう。私寒くなってきちゃった」

曜「あ、待ってよ千歌ちゃん」

曜(気が付くと、月明かりの下、いつもみたいにはしゃぐ私たち)

曜(多分、明日も明後日も、今日までとほとんど変わらない)

曜(でも今はまだこれで良いんだ。これからゆっくり進んでいけば)

曜(そのための一歩を、今日踏み出せたから)





千歌「曜ちゃん。今日最後のなぞなぞです」

千歌「花は花でも、顔にある花は? ヒントは英語、あと千歌が今したいことだよ」

曜「花、英語……うーん。あ、チューリップ?」

千歌「正解!」

曜「でもチューリップがしたいことって?」

千歌「それはね……ん」

曜「んんっ!?」

千歌「ぷはぁ……チュー、しちゃったね?」

曜「ちちち、千歌ちゃん!?」

千歌「えへへ。なんだか急に暑くなってきちゃった。今度こそ帰ろっか?」

曜(もしかしたら、ゆっくりなんてさせてもらえないかもしれない)

曜(駆けていく千歌ちゃんの背中を眺めながら、そんなことを思いました)

おしまい
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