梨子「ハッピーバースデー」

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梨子-アイキャッチ1


千歌「いやー、今日も練習疲れたね?」

曜「そうだねー。でも大分できるようになったかな」

千歌「確かに! 最初の頃と比べたらね」

梨子「二人とも凄いなあ。それに比べたら私なんか全然だよ……」

千歌「いやいや、梨子ちゃんも十分上達してるからね」

曜「うんうん。梨子ちゃんはもっと自信を持って」

梨子「うぅ、そうかなあ」

梨子「あ……」

千歌「どうしたの、急に?」

梨子「ううん。部室に忘れ物しちゃったのに気付いて」

梨子「ごめん、取りに戻るから二人は先に帰ってて」

千歌「わかった。また明日ね」

曜「また明日。暗くなるから気をつけてねー」

梨子「うん。二人も気をつけてね。ばいばい」

pixiv: 梨子「ハッピーバースデー」 by あめのあいまに。

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梨子「はあ。練習後に来た道を戻ると、余計に疲れる気がする」

梨子「早く回収して帰ろっと」

梨子「ん?」

梨子(部室から何か話し声が……まだ誰か残ってるのかな)



ルビィ「ということで、梨子ちゃんバースデーパーティをやりたいと思います!」

花丸「わーパチパチパチ」

善子「ふふふ、この堕天使ヨハネがリリーに最高の魔術道具を授けましょう」

花丸「それはやめるずら」

花丸「マルがさり気なく何がほしいか聞いておこうか?」

ルビィ「サプライズパーティだから、バレないようにしてね」

花丸「了解ずら!」



梨子(ええー、これって私の誕生日会の打ち合わせ!?)

梨子(嬉しいけど、どうしよう……思いっきり聞いちゃったよぉ)

梨子(とりあえずこの場は退散して、何も聞かなかったフリするしかないよね)

梨子(そーっと、そーっと)ガタン

梨子(あ……ヤバッ)

善子「誰!?」

梨子(ここは一か八か)

梨子「にゃ、にゃ~ん」

ルビィ「猫ちゃんだったね」

花丸「なぁんだ。てっきり忘れ物でも取りに来た梨子ちゃんに聞かれちゃったのかと思ったずら」

梨子(花丸ちゃん鋭い……でも、なんとか誤魔化せたみたい)

梨子(今度こそ帰りましょ)



梨子(そして、翌日から私と一年生たちとの戦いが始まった)

善子「ねえ、リリー。火曜って暇? 練習お休みだし、放課後一緒に遊びましょ」

梨子「うん。良いよ」

善子「やった! ルビィたちもいるけど良い?」

梨子「もちろん。むしろ私がお邪魔しちゃって良いのかな?」

善子「いーの。私たちなんだかリリーととっても遊びたい気分だから」

梨子「そうなの? それなら楽しみにしてるね」

善子「沼津で買い物して、そのあとルビィの家に行くことになってるの」

梨子「へえ、ルビィちゃんちに。ふふっ、あんまり騒ぐとダイヤさんに怒られちゃいそうだね」

善子「平気よ。そんなに騒がないし、私たちが親睦を深めてるっていうのに邪魔するほど生徒会長も野暮じゃないでしょ」

善子「ふふふ、きっと良いことが起こるから震えて待ってなさい。じゃあ私はもう行くけど、絶対忘れないでよね!」

梨子「うん。じゃあねー」フリフリ

梨子「ふう」

梨子(なんとか普段通りに接せられたかな?)

梨子(ルビィちゃん家かー。千歌ちゃん家もだけど、あそこも凄く歴史の由緒のあるお家だよね)

梨子(それにしてもよっちゃん、とっても遊びたい気分とか良いことが起こるとか、普段言わないようなことを……隠し事は下手みたいだね)





千歌「だよねー」

曜「あはは」

梨子「あ、ごめん。私ちょっと」

千歌「あ、トイレ? いってらっしゃーい」

梨子「そんな大きな声で言わないでよ……」

梨子「はあ、まったく。千歌ちゃんってば……って、あれ?」

梨子(曲がり角の影から覗く、尻尾のようにゆれる髪……ルビィちゃんだよね)

ルビィ「あ、梨子ちゃん。偶然ですね」

梨子「え、ええ。そうね……」

梨子(明らかに待ち伏せしてたみたいだけど、ここはスルーよ桜内)

梨子「ルビィちゃんは最近どう? 練習は大変じゃない?」

ルビィ「はい! 憧れていたスクールアイドルに自分が慣れるなんて夢みたいで、とっても楽しいです」

ルビィ「練習もキツい時はあるけど、好きなことのためだって思うと頑張れちゃいます」

梨子「ルビィちゃんは本当にスクールアイドルが好きなんだね」

ルビィ「うん。とっても。毎日が楽しいです。でも……」

ルビィ「実はルビィ、最近悩みがあって」

梨子「そうなの?」

ルビィ「はい。冷蔵庫にあった抹茶プリンをおやつに食べたんですけど、実はお姉ちゃんのだったみたいで」

ルビィ「買い直そうと思ったけど高くて、ルビィのお小遣いじゃちょっと……」

梨子(ダイヤさん……ご愁傷様です)

梨子(ルビィちゃんもしょっちゅうやってる気がするけど、わざと……じゃないわよね?)

梨子「まあ、謝るしかないんじゃないかな? 誠意を見せれば、ダイヤさんもきっと分かってくれるよ」

ルビィ「ですよね! 怖いけど、ちゃんと謝ろうと思います」

ルビィ「相談にのってくれてありがとう、梨子ちゃん。ちなみに梨子ちゃんは最近悩みとかってありますか?」

梨子(これは……プレゼントの参考にしようとしてるのかな?)

梨子(まず自分の悩みを話してから相手にも聞く。ルビィちゃん、意外とやるわね)

梨子「うーん。悩みってほどではないけど、私って冷え性みたいで」

梨子「これからどんどん涼しくなるから、どうしようかなーって」

ルビィ「わかります。ルビィも手とか足とかすぐ冷えちゃって……」

ルビィ「……あ、そろそろ授業始まっちゃいますので、ルビィはこれで」

梨子「うん、ばいばい」

梨子「……」

梨子「しまった、トイレ……」





花丸「梨子ちゃーん」

梨子「あれ、花丸ちゃん? どうしたの」

花丸「急に梨子ちゃんの顔が見たくなったずら」

梨子「ええっ、それはまた突然ね」

梨子(花丸ちゃん、キャラがブレてるけど、これはルビィちゃんたちと同じく、リサーチに来たのよね)

梨子(そういえば、さり気なくほしいものを聞くって言ってたっけ)

花丸「梨子ちゃん、梨子ちゃんは何かほしいものとかないずら?」

梨子(直球! 露骨過ぎるよ花丸ちゃん! 隠す気ゼロなんじゃ……)

梨子「欲しいものかあ」

梨子(多分、何も知らなかったら"どうして"って聞いてたけど、事情を知ってると突っ込めない)

花丸「なんでも良いずら。善子ちゃんみたいに、リトルデーモンとか本物の魔術書とか言わなければ」

梨子「あはは……そうだ、最近お気に入りのカップが壊れちゃって。代わりを探してるんだ」

花丸「なるほど……ありがとう梨子ちゃん!」

梨子「う、うん」

花丸「それじゃあマルはもう行くね」

梨子「じゃあねー」

梨子(花丸ちゃんのあの笑顔を見てたら、細かいことはどうでも良くなっちゃった)

梨子(待ち遠しいなー、誕生日。ふふっ、今までで一番楽しみかも)



千歌「今日も練習疲れたー」

梨子「お疲れ様」

千歌「月曜からこんなに飛ばしたら一週間持たないよ」

曜「えー、そう? これくらいがちょうど良いんじゃない?」

千歌「出た、Aqoursの体力バカ二号」

梨子「一号は?」

千歌「もちろん果南ちゃん」

曜「だよね」

千歌「当たり前の顔で同意してるけど、曜ちゃんも同類だって話だからね?」

千歌「それより梨子ちゃん、今日うちに遊びに来ない?」

梨子「ええっ!? 疲れてるんじゃないの?」

千歌「クタクタだよー。だから梨子ちゃんと遊んでリフレッシュしようかと」

千歌「それに新曲の打ち合わせとかもしたいし」

梨子「まあ私は良いけど。どうせ隣だし」

曜「なになに、曜ちゃんを仲間外れにして何をしようとしてるのかな?」

千歌「曜ちゃんも来る?」

曜「もちろんであります!」

梨子「え、でもバスの時間とか平気?」

曜「大丈夫、すぐ帰るから。先っちょだけだから!」

梨子「何が先っちょだけなの……曜ちゃんテンション変じゃない?」

曜「そりゃもう幼馴染の家に行って、可愛い幼馴染と美人な転校生に囲まれるなんてね」

千歌「も、もう曜ちゃん。可愛いだなんて……あ、梨子ちゃん。録音するからもう一回先っちょだけって言って」

梨子「おい高海」

梨子(なんか今日の二人明らかにおかしいよね? なんだか千歌ちゃん家行くの不安になってきた)

梨子「ごめん、やっぱり私」

千歌「梨子ちゃん、逃げようったって」ガシッ

曜「そうはさせないよ!」ガシッ

梨子「きゃっ……」

千歌「千歌の家まで」

曜「全速前進ヨーソロー!」

梨子「ダレカタスケテー」





曜「ふう、遊んだ遊んだ」

梨子「ご飯までいただいちゃって、迷惑じゃなかった?」

千歌「全然! 気にしなくて良いって」

梨子「そう? ところで、曜ちゃんバスは……」

曜「もちろんないよ!」

梨子「ええ……」

曜「今日は泊まっていくからだいじょーぶ! さっきお母さんにも許可もらったし」

千歌「そうだ、梨子ちゃんも泊まろうよ。このままお泊り会しよ?」

曜「そうそう。私も泊まるし、一人も二人も変わらないって」

梨子「曜ちゃんがそれを言って良いのかな……」

千歌「ほら、新曲の話もできてないしさ」

梨子「それはこの時間まで遊んでたせいじゃない」

曜「でも梨子ちゃんもノリノリだったよね」

梨子「うっ、確かに楽しくて時間を忘れてたのは否定できない」

千歌「ということでお泊り会けってーい」

曜「わーい」

梨子「もう、その代わりちゃんと新曲の話するんだからね」





千歌「そろそろ寝ようか」

曜「そうだね、明日も学校だし」

梨子「結局、少しも曲の話はできなかったね」

千歌「まあまあ、こういう日もあるって」

梨子「うぅ、千歌ちゃんが言い出したのに」

千歌「ごめん、本当にごめんって! 次はちゃんとやるから」

曜「ほら、今日はもう寝よう?」

梨子「うん……そうだね」

千歌「それじゃ電気消すよー」

梨子(はあ、千歌ちゃんったら適当なんだから)

梨子(それにしても、なんだか遊び疲れちゃった……まだ月曜なのに)ウトウト

梨子(朝になったら、教科書取りに戻らないと……曜ちゃんは、どうするんだろ。帰ってたら間に合わない、よね……)ウトウト

梨子「……」スヤスヤ

曜「千歌隊長、ターゲットが眠りに入りました」

千歌「りょーかいなのだ。それでは曜隊員。さっそく準備に取り掛かろう」

曜「ヨーソロー!」

梨子「……んんっ」

梨子「……」スヤスヤ

千歌「ちょ、曜ちゃん。声が大きいって」シーッ

曜「ごめん、つい」ヒソヒソ



千歌「梨子ちゃん、起きて起きて」

梨子「うう、もう朝? ……って、まだ真っ暗」

千歌「せーの」

皆「お誕生日、おめでとー」

パン パパン

梨子「きゃ、なになに!?」

曜「おはヨーソロー」

果南「まだ夜だけどね」

千歌「梨子ちゃん、十七歳のお誕生日おめでとう」

梨子「え、ん?」チラッ

梨子(0時ちょうど、日が変わった瞬間にってことか。千歌ちゃんらしいというか。でも)

梨子「どうしてAqoursの皆がここに?」

ダイヤ「千歌さんの案で、皆で梨子さんの誕生日を祝おうと。それで旅館の空いている部屋を借りて待機していたのです」

ルビィ「もともとは一年生でサプライズパーティを放課後にやろうって思ってたんだけど」

花丸「鞠莉ちゃんから、梨子ちゃんにバレてるかもって聞かされて」

鞠莉「皆で話し合って予定を変更しましたー。とーってもサプライズなパーティになったでしょ?」

梨子(立ち聞きしてるの、見られてたんだ……)

善子「リリーに勘付かれないように、ヨハネたちは当初の予定通り行動したんだけど、これが結構大変だったわ」

梨子「あー、それはわかるかも」

梨子(まさかお互い、気付かないふりをしてたなんて)

花丸「ということで、これは一年生からのプレゼントずら」

ルビィ「マグカップです。気に入ってもらえると良いんだけど」

梨子「ありがとう! とっても素敵なカップ……大事にするね」

果南「私たち三年生からは、これだよ」

梨子「ひざ掛け、とっても温かそう。ありがとうございます」

鞠莉「本当は、梨子のクラスのエアコンフル稼働とかも考えたんだけど」

ダイヤ「ダメです。職権乱用ですしプレゼントとしては度が過ぎてます。他の生徒にも示しがつきません」

鞠莉「ま、そういうわけ」

梨子「いえ、とっても嬉しいです。それにこれ、とっても高いんじゃ」

鞠莉「ノンノン。実は関連会社の試作品みたいなものなの。だから値段は気にしないで」

鞠莉「その代わり、使い心地とか感想をフィードバックしてちょうだい。製品化の際は参考にするから」

梨子「それは……責任重大ですね」

ダイヤ「本当、商売熱心なこと。今回はおかげでプレゼントには困りませんでしたが」

果南「これはセーフなんだ?」

ダイヤ「まあ、破格とはいえお代は出してますし、身近な人に試作品の感想を聞くというのも、おかしな話ではないでしょう?」

千歌「そして私たちからはこれ!」

曜「じゃーん、バースデーケーキです!」

梨子「わあ、すごい」

千歌「今は流石に食べれないだろうから、明日っていうか今日だけど、後で食べようね」

梨子「うん。本当に、皆ありがとう」

千歌「さ、それじゃあ誕生日会らしく皆でミニゲームでも」

曜「おお、良いね。実はまだ遊び足りないと思ってたんだ」

梨子「ええっ、今から?」

ダイヤ「規則正しい生活をしないと駄目ですよ。学校だってありますし」

鞠莉「ダイヤったら堅いんだから。こんな時くらい羽目を外したって良いじゃない」

善子「深き夜、堕天使ヨハネの刻が来たようね」

花丸「やめるずら、善子ちゃん」

善子「だからヨハネよ!」

ルビィ「あの、あんまりうるさくすると」

美渡「こら、千歌。今何時だと思ってるんだ」

千歌「わあ」

果南「すみません、美渡さん」

美渡「いや、どうせ大方この馬鹿が何か言い出したせいでしょ。果南ちゃんこそいつもバカ千歌の面倒見てもらってごめんね」

千歌「ひどい言い草だね」

曜「まあ仕方ない面もあるんじゃない?」

千歌「ええ、曜ちゃんまで!?」

梨子「ふふっ」

梨子(私、今とっても幸せだ)

梨子(内浦に来て、Aqoursに入って、本当に良かった……)

おしまい





梨子「ところで曜ちゃん、教科書はどうするの?」

梨子「取りに戻ってたら学校間に合わないよね」

曜「私? 私は全教科置き勉だから大丈夫!」

梨子「曜ちゃん……」

ダイヤ「ほう、曜さん……それは本当ですか」

曜「げっ、ダイヤさん。いやあ、あはは」

ダイヤ「笑って誤魔化しても駄目です! 罰として曜さんには追加課題です!」

曜「そんな~」

ほんとのほんとにおしまい
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