希「ハッパと銃と銃とカネと」

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1: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:12:19.72 ID:YJy2hDcD.net
 
希(家計狂うまで賭け狂うな)


希(この格言を思い出した時にはもう手遅れだった)


希(いつの時代、どんな時にも、自らの一切合財)


希(はたまたそれ以上のものをテーブルに投げ込んじゃうお馬鹿さんがいる)


希(それはポットの中でうねりとなって、対戦相手やディーラー、見物の野次馬に別テーブルの客)


希(しまいに店の外の無関係な有象無象すら巻き込むハタ迷惑な力場を生み出しちゃうことが――往々にして――あるんよ)


希(でもね、そんなこと当人はつゆ知らず)


希(唯々独り頭を抱えて、目の前に突き付けられた己の不運を呪う作業に手一杯なのだ)


希(どうしてこんなことに――って)

元スレ: 希「ハッパと銃と銃とカネと」

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2: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:13:15.91 ID:YJy2hDcD.net
 
―――

――


希「さあ寄ってらっしゃい見てらっしゃいお買い得品だよー」


希「普段は占い師今日は売り尽くし、出血大セール中の露天商のぞみんでーす」


希「スイスで作って中国でコピって日本でパチってきたこの金時計がお値段たったの」


穂乃果「一本2000円? 随分安いんだね」


希「それだけじゃない、今なら星空亭の凛ちゃんラーメンひと箱オマケしちゃう!」
3: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:15:11.61 ID:YJy2hDcD.net
 
穂乃果「おお、これで三分測れってことだね。でももうひと声!」


希「よーしウチも乙女やん。一週間の保証書に血統書も付けるわ、もってけドロボー!」


穂乃果「やったーお買い得の極み!これは買うっきゃない!」


希「まいどっ。さーさー早い者勝ちだよ、そこのおねーさんもお一ついかが?」


   
「そのラーメン、ちょっと見せてもらってもいいですかぁ?」
4: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:16:05.83 ID:YJy2hDcD.net
 
希「ええよええよ、好きなだけ見てって」


希「盗品かもって心配してる? なぁに、タダで仕入れた品ってだけよ」


希「だからなーんもやましいことなんて――ヤバっ、サツだ!」


ことり「こらー!期限切れのラーメンが売られてるって通報で来てみれば」


ことり「またあなた達なの? 今日という今日は許しません!」


希「あかん穂乃果ちゃん逃げるよ! そこの段ボール持って」


穂乃果「うわわわ、待ってよー!」
5: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:17:49.36 ID:YJy2hDcD.net
 

希(得体の知れないやつだとよく言われる)


希(全てを見透かしているようで怖い、不気味だとも)


希(でも何のことはない。ウチは人よりちょっと口が上手くて、観察眼に優れてるだけ)


希(だから同じくちょっと人をのせるのが上手い穂乃果ちゃんと、盗品さばく商売やってるんだけど)


   
希「穂乃果ちゃん急ぎ!」ダッ


穂乃果「はひぃぃ、ちょ、ちょいタンマ」


 
希(ね? ホントに全てを見通す力があるなら、こんなノーフューチャーしてるはずないでしょ)
6: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:19:17.11 ID:YJy2hDcD.net
 
穂乃果「うわっ!」ズデーン 


ガラガラガラ


希「ああ、何やってんの、商品が」


   
希(そんなウチでも最近思うことがある)


   
希「そろそろ潮時かなぁ、この生き方も」
8: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:20:51.85 ID:YJy2hDcD.net
 
――――

凛「で、ここまで逃げてきたの? だっさ」


凛「あ、希ちゃんそのスープは飲んじゃダメ!」


希「まーまーちょっとくらい大目に見てよ」ゴクゴクゴク


凛「三日前から早起きして仕込んだのに…」


穂乃果「ごめん、でも三日前から何も食べてなくてさ」ズルズルズル


希「ぷはっ、どうせほとんど使わないんだしいいでしょ?」


凛「それは…そうだけど」
9: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:22:06.53 ID:YJy2hDcD.net
 
希(小さなラーメン屋を営む凛ちゃんは三人の中で唯一の定職もち)


希(まあウチらがこうして昼間から押しかけられる時点で景気の方はお察しだけど)


   
穂乃果「あ、でもね。明日で目標額貯まる予定なんだ」


希「そうそう。二人合わせて250万円」


希「あとは凛ちゃんだけなんやけど」チラッ


凛「……」


凛「そこの電子レンジの中」
10: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:23:45.84 ID:YJy2hDcD.net
 
希「おっ、あるある」ガチャ


穂乃果「いくらー?」


凛「250万」


凛「それが今の凛の全てだよ」


希「合わせて500万ぴったりか。ギリギリノルマ達成ってとこかな」


穂乃果「でも凛ちゃんが出資してくれる気になって助かったよー」


希「ついこの前まで嫌がってたのにね。なんか心境の変化でもあった?」


凛「…月末にね」


凛「借金のカタにこのお店とられちゃうの」
11: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:25:20.47 ID:YJy2hDcD.net
 
凛「だからどうしてもまとまったお金が必要なんだ」


凛「本当に勝算あるんだよね? その賭けポーカー」


穂乃果「大丈夫だよ、我らが希選手はカードゲームじゃ無敵だもん」


凛「でも相手の人も強いんでしょ? 凛は絶対に負けられないの! このお金を増やせないと」


希「じゃあどこかでお金貸してもらう?」


凛「やだよ…この町の金融屋さんはみんな裏でヤの付く人たちと繋がってるんだもん」


凛「ヤーさんに金借りたらお終いにゃ。それくらい凛にだって分かるし」


凛「わかった、腹くくるよ…」


穂乃果「よしきた、今から私たちは一蓮托生だよ。ワンフォアオール、オールフォアミー!」


凛「それで、対戦相手は誰なの。勝負の場所は?」


希「ブラッディ・マリーのとこ」


凛「げっ」
12: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:29:23.39 ID:YJy2hDcD.net
【ポルノショップ“純潔のマリー”】


Prrrrr…ガチャ


鞠莉「ハーイ希。景気はどないデッカー」


鞠莉「え? お金用意できたの」


鞠莉「うーんそうねぇ約束したし」


鞠莉「いいわ。週末の夜9時からよ。場所は追って連絡するから」


鞠莉「うん、うん、そういうことで。チャオ~☆」ガチャ


鞠莉「…はぁ」


鞠莉「どうやってタネ銭集めたのかしらあの豚」


鞠莉「果南はどう思う?」
13: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:30:00.28 ID:YJy2hDcD.net
 
果南「東條希には昔からつるんでバカやる友達が二人いるんだって」


果南「丁度鞠莉と私とダイヤみたいなさ」


鞠莉「一緒にしないでよ。でも納得」


鞠莉「一応そのお友達のことも調べといて」


果南「オッケー」


果南(またダイヤに任せるかなん)


鞠莉「で、希については?」


鞠莉「あの子なんか強気なのよね~」


鞠莉「よっぽど腕に自信あるのか只のバカか」
14: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:31:29.31 ID:YJy2hDcD.net
 
果南「東條希がカード勝負の鬼なのはこの界隈じゃ有名だよ」


果南「まるで手札や相手の心を透かして見てるみたいだって」


果南「勝ちすぎて町中の賭場から出禁くらっちゃったんだ」


鞠莉「それでうちを駆け込み寺にしようってわけ…ナマイキね」


鞠莉「オシオキが必要だわ」ベチョッ


果南「うわ何それ、新種のサボテン?」


鞠莉「うちの新製品よ。まだ試作だけど」ヴィンヴィンヴィン


果南「こっち向けないでよ、なんかやだ!」


鞠莉「モーターにF1カーのエンジンと同じ技術が使われてるの」


鞠莉「デザイナーは故H・R・ギーガー氏。目指したのは、人の尊厳を刈り取る形状」


鞠莉「これのモニター第一号はのぞみんで決まりね☆」
15: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:34:42.44 ID:YJy2hDcD.net
 
鞠莉「ところで」


鞠莉「…///」ソワソワ


果南「なに、突然くねくねし出して?トイレ?」


鞠莉「今夜もまたアレ、してくれないかなーって」


果南「アレってどれのことさ」


鞠莉「バ・プ・テ・ス・マ…♡」


果南「……」


果南「わかった。洗面器に水張ってくるよ」









ジャボン!


鞠莉「がァァっ、ごぽごぽごほっ…!!」ブクブクブク…


果南「…」グググ
16: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:35:49.55 ID:YJy2hDcD.net
 
※※※※※


善子「こんばんわリトルデーモン。今宵も堕天ラジオの時間がやって来たわねククク…」


善子「今回は我が眷属の一人から送られて来た質問に答えようかしら」


善子「ズバリ、ヨハネの語りに度々登場するバプテスマとは何のことか」


善子「これは一般に、特定の宗教に入信する際行われる水を用いた洗礼のこと」


善子「宗派によって、洗面器に張った水に一瞬顔をつける程度から川に全身を浸す浸礼までやり方は様々」


善子「長くやらないと効果がないと思い込んで、ずっと水の中に入ったまま死んでしまった人もいると聞くわ」


善子「あ、これを聞いているリトルデーモンたちはくれぐれも真似しようなんて思わないように! これマジで危ないのよ、実際わた…」


善子「コホン、あなた達がヨハネの魅力に気付いた時には、既に洗礼と契約は完了しているのだから」


善子「今日はこの辺りにしておきましょうか。暖かくしてお休みなさい」


※※※※※
   
17: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:36:47.61 ID:YJy2hDcD.net
 

ザバァ


鞠莉「かひゅっ、ぅゲホゲホッゴボッ!!」


鞠莉「……ッきゅ~~~~はぁぁぁ///」


果南「っ…」ゾクゾク


鞠莉「ハァー…ハァー…ぁはっ♡」


鞠莉「果南に喜んでもらえると私も嬉しっ…」ギュッ


果南「…」ナデナデ
18: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:38:25.32 ID:YJy2hDcD.net
 
果南「…でもさぁ、これ鞠莉には何のメリットも」


鞠莉「頭掴んで無理やりされるの、好きよ?」


鞠莉「ねえ…次はもっと長くやってほしいな」


果南「二分以上は危険だよ」


鞠莉「普段債務者を脅す時はどれくらいやってるの?」


果南「ん…」









果南『もうちょっと待ってください? 寝ぼけんな! 顔洗って目ぇ覚ましなよっ!』グググ


ザバァ!


善子『ぅげほげほゴポッ! わ、わかったはら!すぐにお金返します!だからもうやめて!』


果南『よーし、じゃああと一回で勘弁したげる』


善子『じょ、冗談はよしこガハッごぽごぷっ!!』ジャバジャバジャバ









果南「……三分くらい?」


鞠莉「じゃそれでお願い。私の洗礼者(バプティスト)さん♡」


―――

19: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:39:22.69 ID:YJy2hDcD.net
 
【翌日――希のアパート】


凛「いつ来ても豚小屋みたいな所」


穂乃果「公衆便所かな」


希「あのなぁ、これでも毎日掃除してんの」  カサカサカサ


穂乃果「それでこのザマって…今何か横切らなかった?」 


凛「ここの管理人さんは建築基準法と衛生関連の法律を勉強した方がいいと思う」


希「凛ちゃんのお店は綺麗だもんね。まあ汚す客がいないんだけど」


凛「シャー!」


希「でもいいこともあるんよ。ここじゃ隣人はゴキブリと便所虫くらい」


希「多少悪だくみしてもバレっこないから盗品の置き場にはもってこいってわけ」
20: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:40:54.68 ID:YJy2hDcD.net
 
希「ところで花陽ちゃんは呼んでくれた?」


凛「もう少しで来ると思うよ」


凛「あまり乗り気じゃない感じだったけど」


   
希「よーし、二人ともこっち来て」


穂乃果「なに?」


希「ここの壁、薄くなってるの」


希「ちょっとした社会勉強よ。便所虫の這い回る音を聞いてみよか」







『真姫、今回のあなたの取り分よ』


『ひぃ、ふぅ、みぃ…ま、こんなところかしらね』


『次はにこよ…にこ? あの子どこ行ったの』
21: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:41:37.80 ID:YJy2hDcD.net
 
海未「さっき出かけましたよ。クサを一発キメてくると」


真姫「またにこにーモードで帰宅? 勘弁してほしいわ」


絵里「ずっと前からハマってるみたいよね。そんなにいいのかしら」


真姫「気になるって顔してるわね」


海未「いけませんよ絵里、あなたまで墜落しては」


海未「ジャンキーなぞ人の道に外れた唾棄すべき下郎です」


真姫「せめて医療用で止めておきなさいよね」


絵里「違う違う、そうじゃなくて」


絵里「にこが通ってる阿片窟、ホントにただ吸うだけの場所なのかなって」
22: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:42:46.44 ID:YJy2hDcD.net
 
絵里「洞窟の奥にジャングルが隠されてたりして。貴重な自然を私たちで保護するってのはどう?」


真姫「ハハ、賢いわねエリー」


真姫「ツバサの所へ持っていきましょうよ。彼女なら喜んで飛びつくわ」


海未「そんな夢物語より、まずは目の前の仕事を地道に片付けていきましょう」


海未「次の追い込みですが、この住所にあるオカルトグッズ専門店の――」







希「な?」


穂乃果「隣に住んでるのって」


凛「凛が今一番恐れてる職種の人達にゃ…」


希「借金取りだけじゃないよ。あの人ら法に触れることなら何でもやる」


希「世の中には便器の縁でしか生きられない人種もいるってこと。えんがちょ、えんがちょ」
24: >>23修正 2017/10/15(日) 22:46:32.77 ID:YJy2hDcD.net
 
花陽「あのー…」


凛「あ、かよちん来てたんだ」


希「おー!久しぶりやね。ささ、こっちこっち」


   
凛(凛の幼馴染のかよちんは、所謂何でも屋さん)


凛(横流し品からヤミ情報まで、この町のありとあらゆるものを仲介して生計を立ててる)


凛(希ちゃんは凛を通してたまに取引したがるんだけど、かよちんはあまりいい顔はしない)


凛(それでも今日呼んだのは、週末の賭けのためにあと10万ほど稼がないといけないから)


 
花陽「あの伝伝伝の初回盤が入荷したというから来ましたけど…」


花陽「この前みたいな不良品は勘弁ですよ」


希「品質は保証するって。ブツはこの中ね」ドサッ
25: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:47:14.44 ID:YJy2hDcD.net
 
花陽「……」


花陽「海賊版じゃないですかこれ!」


希「中身は一緒やん。本物は今やUMAみたいな存在だって聞くよ」


希「ビッグフットやネッシーの動画と同じよね」


希「本物の幻影を追いかけるより、偽物と分かっても楽しむ余裕を持つのが大人ってもんよ」


凛(相変わらず調子のいい事言ってるよ。オカルト肯定派じゃないの?)


花陽「初回盤にのみ付属するボーナスディスクは…」


希「勿論ないけど、代わりにこのスマホを付けようではないか」


希「気が利いてるでしょ。丁度買い換えようとしてたって、凛ちゃんから聞いたよ?」


花陽(うぅ…どうせこれもバッタもんなんだろうなぁ)
26: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:48:32.05 ID:YJy2hDcD.net
 
穂乃果「何迷ってるの? コピーとはいえお宝DVDがぎっしり詰まった段ボールがこ~んなにあるんだよ」


穂乃果「今買わなきゃ絶対損だって奥さん」


花陽「……」


花陽「分かりました。引き取らせてもらいます」


花陽「ひと箱1000円で」


ほののぞ「ふざけんなっ!!」
27: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:49:46.00 ID:YJy2hDcD.net
 
希「値切るとか以前の問題やんそれ。ひと箱15000は譲れないね」


花陽「950!」


穂乃果「なんで下がってんの? じゃあ13000ならどう?」


花陽「もうキリよく874にしませんか?」


   
凛(なんだかんだ言って、かよちんはお金になりそうなものなら選り好みしないんだよね)


凛(商魂逞しいというかふてぶてしいというか…凛はそんなかよちんも好きだけど)


凛(結局この三人は同じ穴のムジナ。汚れた便器に汚れた手を突っ込んで使えそうなものをすくい上げてる)


凛(というかこの町で、手が汚れてない人なんていないのかも)


凛(あ、もちろん凛はいつも清潔にしてるけどね!)
28: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:51:45.86 ID:YJy2hDcD.net
 
【とあるアパートの前】


曜「…」キョロキョロ


曜「」ピンポーン


   
『誰ー?』


 
曜「私だよ、開けて」


   
ガチャ


千歌「よーちゃん!遅かったね」
30: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:52:39.42 ID:YJy2hDcD.net
 
曜「それがさ、買い出しの途中で花丸ちゃんがまたトンじゃって」


花丸「じゅらぁ…」ダラダラ


千歌「うおーガンギマル」


曜「肥料と一緒に抱えて歩くの大変だったんだ。でも羅針盤の狂った子を放っておけないし」


千歌「とりあえず二階に上がろっか。我らがボスがお待ちかねだよ」
31: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:56:33.70 ID:YJy2hDcD.net
 


にこ「あ~へっぴり船長だ~おかえりにこ~」


曜「おわっびっくりした」


曜「お客さん来てたんだ」


にこ「ぬぃっこぬぃっこぬぃぃぃ~」プワーッ


曜「ぬへへ、すっかり出来あがっちゃって」


梨子「ちょっと曜ちゃん、こっち来て!」


   
梨子「客の前で肥料の袋なんて見せないで。何考えてるの?」


梨子「私たちが“栽培屋”だってバレたらどうするの」
32: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:58:08.06 ID:YJy2hDcD.net
 
千歌「だ、大丈夫だよーあれだけ茹ってたら」


梨子「千歌ちゃんも! また入口の檻を開けっ放しにしてたでしょ」


梨子「何のために猛獣用の檻を買い込んで玄関の内に取り付けたと思ってるの」


千歌「よーじんのためでしょ。でもよーちゃんなら話は別…」


梨子「甘い!」


梨子「声なんていくらでも偽装できるし。本人だとしても、誰かに脅されてたりしたら?」


梨子「そうやってまんまと玄関に侵入してきた不遜の輩を押し留める最後の防波堤があの檻なの」


梨子「面倒でも二重チェックを徹底して。玄関開ける前に檻開けるの禁止」
33: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 22:59:15.05 ID:YJy2hDcD.net
 
曜「外に監視カメラつけるってのは」


梨子「目立っちゃうでしょ。ここ表向きは貧乏学生の下宿なんだから」


   
千歌(はーっ毎度梨子ちゃんのお説教には参っちゃうなぁ)


曜(漫画の読み過ぎだよ。そこまで警戒しなくてもさー)


花丸(じゅらぁぁ壁さんとお話するの楽しいずらぁぁていうかシラフでこの世界が見えてる梨子ちゃんってどんだけぇぇ)


 
梨子(とか思ってるんだろうけど。ここは玄関フリーパスが適用されるド田舎と違うんだよ?)


梨子(おのぼりさんの三人と私が大学で出会って早三年)


梨子(今や皆はすっかりこの町に染まった…のは表面上だけ)


梨子(この人たちどこかお気楽で底抜けてる。危機意識が出力不足だよ…!)


梨子(私がしっかりしないと。学生でいられるうちに、この副業で稼げるだけ稼ぐんだから)
34: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:00:38.21 ID:YJy2hDcD.net
 
【オカルトショップ“選霊者ヨハネ”】


善子「ひっ」


ダイヤ「どうしました? 夜道に悪魔でも見たような顔して」


善子「ま、待って、話を聞い」


ダイヤ「ふんッ」ゴチン!


善子「がっ…!」


善子「っ~~~~! いきなり何するのよこの石頭!」


ルビィ「うるさい、口答えする前にお金返せよっこのグズ」ゲシゲシッ


ダイヤ「ルビィ。暴力はおやめなさい」
35: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:02:24.95 ID:YJy2hDcD.net
 
善子「だから話を聞いてってば!」


善子「来週の頭までにはお金作るわよ。アテもあるし」


ダイヤ「ほう」


善子「週末の賭けポーカーよ。あなたのとこのボスも参加するやつ」


善子「さっき電話で許可も取り付けたのに。なんで取り立て人が来るわけ? ほう・れん・そうはどうなってるのよ?」


ルビィ「ルビィはほうれん草なんて嫌いだもん」


善子「あっそ。悪かったわね、おこちゃまにアメを出すの忘れてたわ」


ルビィ「これでもしゃぶるかオラっ」凸ビッ


ダイヤ「ルビィ何度言えばわかるの。汚い言動は慎んで」


ダイヤ「淑女たるもの、正しく美しい言葉遣いを心掛けなさい」


ルビィ「ごめんなさぃ…」
36: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:04:46.30 ID:YJy2hDcD.net
 
ダイヤ「さて堕天使さん。本日はここまでにしておきますが」


ダイヤ「聞くところによると貴女、他でも借金をこさえているとか」


善子「ぎくっ」


   
ダイヤ「…」チラッ


ダイヤ「ここにある大きな十字架、実際に人を磔に出来そうですわね」


善子「は? な、何言って」


 
ダイヤ「貴女がいつ天に還ろうと私の知ったことではありませんが、くれぐれも」


ダイヤ「私たちへの貸しを清算しないまま逃げられると思わないことね」


ダイヤ「次は本物の洗礼者を連れてくることにしますわ。私の幼馴染の」


善子「そ、それってまさか…!」


善子「純血のマリーの右腕、バカナン・ザ・バプティストのこと!?」


ダイヤ「バは余計です」ゴチン!


善子「ばっ…!」


ルビィ「ばいばい、また来ますから」
37: 【鞠莉の店】 2017/10/15(日) 23:06:38.59 ID:YJy2hDcD.net
 

果南「うん、りょーかい。おつかれー」ピッ


果南「ダイヤたち、これから戻るってさ」


果南「津島善子にも釘刺しといてもらったよ」


鞠莉「来週が待ち遠しいわ。一度人を十字架に釘付けにしてみたかったの。ゴルゴダの丘ごっこ」


鞠莉「そうそう丘といえば。この町にも丘の上にお屋敷があるじゃない」


果南「西木野さんち?」


鞠莉「丘だけに最近お金に困ってるらしくてね。金策に色々とオークションに出品するんだって。これカタログ」


果南(あ、何となく話が見えてきたような)
38: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:08:47.14 ID:YJy2hDcD.net
 
鞠莉「マリーが狙ってるのはこれ。ホーランド&ホーランドの最高級水平二連散弾銃の二挺セット」


果南「いつからテッポーおたくになったのさ」


鞠莉「いや全然興味ないケド?」


   
鞠莉「部屋のインテリアにいいかなって。金持ちって壁にこういうの飾ってるイメージあるじゃない」


果南「まあね」


果南(ここに飾ってあるのは竿丈1メートルのバイブレードとか20万ボルトの電撃鞭とかそんなんばかりだしなぁ)


鞠莉「ビンテージで、生産数の少ない超レアものなんだって。スタート価格は一挺2500万から」


鞠莉「アホくさ。なんでガン如きにそんな値を張らなきゃいけないワケ?」


果南「普通のやつを店で買えば」


鞠莉「安物じゃカッコ付かないでしょ」


 
鞠莉「ってことでお願いかなぁ~ん」


果南「はいはい分かったよ…」
39: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:09:57.80 ID:YJy2hDcD.net
 
―――




聖良「ではその屋敷にある銃を全て盗ってくればいいわけですね?」


果南「そそっ、壁に飾ってあるやつは全部ね」


果南「銃以外のものは好きにしちゃっていいからさ」


理亞「それとは別に成功報酬はきっちり頂くわよ」


果南「わかってるって」


理亞「あまり私たちを安く見ないで。こちとら一流のプロフェッショナルなんだから」


果南(車上荒らしのね。ケチなコソ泥姉妹が)


聖良「他にもはっきりさせておきたいことがあります」


聖良「この案件、雇い主は誰でしょうか」
40: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:10:54.10 ID:YJy2hDcD.net
 
果南「目の前にいるじゃん」


果南「私だよ。キミたちはそれだけ分かってればいいの」


果南「プロなんでしょ。仕事だけはきっちりやってよね」ミシッ


パリンッ


果南「おっと失礼。つい力んじゃって」


果南「知ってるかな。このグラス一杯の水でも人は溺れるんだよ」


果南「陸で溺れるのってどんな気分なんだろうね」


聖良「…なるほど。それが洗礼者の名の由来ですか」


理亞「しばれんね」ボソッ


果南「じゃあ、連絡待ってるから。(日本語喋れやエスキモー)」


聖良「ええ、お任せを。(人語を解するゴリラがいたとは驚きですね)」
41: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:12:14.37 ID:YJy2hDcD.net
 


―――


   

凛「ついにこの日が来た…」


穂乃果「私たちの運命を決めるカード勝負の日が…!」


凛「希ちゃんは?」


穂乃果「隣の部屋で瞑想するって」
 
42: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:13:41.20 ID:YJy2hDcD.net
 
希「………」


   
穂乃果「おーい希ちゃん? そろそろ時間だけど」


 
希「………」


   
凛「さっきから微動だにしないよ。凄い集中力だにゃ」


 
希「………んがっ」


   
希「決まったーホームラン!東條選手ブザービーで奇跡のオウンゴール!」


 
穂乃果「一足先に夢見てるだけだこの人っ」


凛「さっさと起きてよバカ―!」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
43: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:15:52.11 ID:YJy2hDcD.net
 
【賭場】


ヒデコ「招待状を拝見」


希「ほい。諭吉さんの書かれた紙が500枚」


ヒデコ「よし入りな」


ヒデコ「ただしアンタだけ。後ろの二人は駄目だ」


凛「えーっ!?」


穂乃果「そりゃないよ。勝負が終わるまで、ここであなたとお見合いでもしてろっての?」


ヒデコ「こっちから願い下げだよ。隣のバーにでも入ってな」


凛「でも…!」


   
希「仕方ないよ二人とも。ここは言われた通りに」


希「心配せんでも、ウチは一人でも大丈夫。やってやるわ」


 
穂乃果「よし、任せたぁ!」


凛「希ちゃんに凛たちのタマ預けるにゃ!」
44: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:17:33.84 ID:YJy2hDcD.net
 
【同時刻――西木野邸前】


聖良「いい理亞?ここからはお互いを色で呼び合いましょう」


聖良「私のことはブラックと」


理亞「あ、姉さまズルい。私もブラックが良かったのに」


聖良「早い者勝ちよホワイト」


理亞「いやよホワイトなんてダサい。パープルにして」


聖良「しょうがない子ね…」カチャカチャ


   
聖良「…」カチャカチャカチャ


 
聖良「…」カチャカチャカチャカチャ


   
理亞「どうしたの? そんな鍵に何手間取ってるの」
45: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:19:32.42 ID:YJy2hDcD.net
 
聖良「ち、力が…」プルプル


聖良「手に、ちから、はいらなくて」


理亞「はぁ? どうして…!」


   
聖良「か、顔…」


聖良「顔、近付けないで……んふっ」


理亞「顔って………あっ」


 
理亞「っ、っっ……くふっ……ふふぷ」


聖良「……………くひッ」


   
理亞「だ、だっだ、誰よ…っ、かっ顔が割れるとっ、マズいっ、から」


理亞「パン、ストッ、被ろって、いっい言い出したの……!」
47: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:23:19.81 ID:YJy2hDcD.net
 
聖良「~~~~~~~~~~っっ」プルプルプル


   
理亞「そっそっその、潰れた肉パンマン、みたいな顔やめてよっ…!早く顔面に伝えてッ」


   
聖良「む…り…に、決まってるじゃな、い」ヒクヒクヒクヒク


   
聖良「どうせ…捨てるからって、ヒック!こんな縮んだやつ使うから…!」


 
理亞(ダメッッッ、、、、ふっきん!が、裏返りそっ)


   
聖良「ちょ、やめてっそれッ、なに、動き、その顔、でっ」


   
理亞「ハァフゥハァシーハァフゥハァー…!!」
48: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:25:08.83 ID:YJy2hDcD.net
 
【十分後】


聖良「落ち着いた?」


理亞「ええ…」ハァハァ


聖良「……ンフッ」


理亞「…そこ代わって。私やるから」


聖良「ッ~~~~~~~~~」コクコクッ


    

理亞(くっそ、まだ手が、震え)


理亞(集中、集中…!)


理亞「」スーハースーハー


理亞「よし」


聖良「理亞」


理亞「なに」


聖良「マンドレイク」グィ


理亞「ぷっは!」
49: 【バーの軒先】 2017/10/15(日) 23:26:46.48 ID:YJy2hDcD.net
 
―――――


   
「ぱっしょねえええええええええ~~~~!!!」ゴオオオオオオオ


   

穂乃果「……」


凛「……」


   

穂乃果「今バーから飛び出していった人、燃えてたよね?」


凛「うん」


   

穂乃果「とりあえず入ろっか。寒いし」


凛「うん」
50: 【賭場】 2017/10/15(日) 23:28:05.11 ID:YJy2hDcD.net
 
―――――

   
フミコ「本日この場を仕切らせて頂きます、ディーラーのフミコです」


フミコ「勝負は日本でポピュラーなクローズドポーカーになります」


フミコ「デックはジョーカーなしの52枚。カードチェンジは一度のみ。アンティの仕方ですが」


 
善子(イチイチ説明されなくても分かるっつーの。早くして…!)


鞠莉「お手柔らかにね、ミス・ハイカード」ヒソヒソ


希「…どーも」


希「中々いい場所を用意したね。だだっ広いスタジオに程よい照明」


希「普段ここで撮影したりしてんの?」
51: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:30:11.53 ID:YJy2hDcD.net
 
鞠莉「あら、ご存知ない?」


鞠莉「うちのレーベルはA(アダルト)Vじゃないの。A(アニマル)Vよ」


希(げー)


鞠莉「今度撮影所を見学に行く? 私、農場と水族館に知り合いが多いのよ」


   
鞠莉「…ねえ、よく豚は綺麗好きだって言うじゃない」


鞠莉「私カンドーしちゃったの。あの子たち本当に徹底しててね」


鞠莉「このレーベルは特殊だから、長続きするアクトレスが少なくて」


鞠莉「そこで使い物にならなくなった交尾相手を尻の毛一本残さずキレイに平らげてくれるのが」


   
フミコ「それではゲームを始めたいと思います。よろしいでしょうか」


 
鞠莉「――続きは勝負が終わってから、ね」


   
鞠莉「説明の義務が生じるだろうから」


   
希「…上等やん」
 
52: 【バー】 2017/10/15(日) 23:33:21.20 ID:YJy2hDcD.net
 
―――――

   
ミカ「注文は」


穂乃果「ミモザ」


凛「何かテンション上がるやつ」


    
穂乃果「あとさぁ、テレビのボリューム下げてくれない?」


穂乃果「流石にうるさすぎ。表まで響いてたよ」


   
ミカ「観てる人に言ってよ。リモコン持ってるの彼女だから」


ミカ「当店的にはお勧めしないけど」


   
凛「ねえそこの人! テレビの音下げてくださーい」


   


   

ツバサ「…」チラッ



   
ツバサ「嫌よ」
53: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:35:02.45 ID:YJy2hDcD.net
 
ほのりん「……」


   
穂乃果「ひゅー」


 
凛「いやよ」キリッ


   
穂乃果「かっくいいー」


   
ほのりん「あははははは!!」


   


ツバサ「……」
   
54: 【賭場】 2017/10/15(日) 23:36:05.90 ID:YJy2hDcD.net
 
―――――


善子「9とAのツーペア!」


希「悪いね、スリーカード」


善子「はがっ」


   
善子(またやられたッ、こいつ…!)


善子(ブラフにはかからないし、本当の勝負手には乗ってこないし)


善子(顔面神経痛一歩手前になるくらい練習したヨハネのポーカーフェイスは完璧なはず…!)


善子(一体何なのよっ!? ホントにカードが透けて見えてるわけぇ?)
55: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:37:43.49 ID:YJy2hDcD.net
 
希「見えてるんはカードじゃなくて心の動きよ」


善子(うげっ心を読まれて??)


希「筋肉の痙攣とか、瞳孔の収縮。訓練じゃどうにもならない部分に現れる動揺は絶対に隠せない」


鞠莉「フーン?」


善子「そ、そんな…」


   

希(なんちゃって。流石にそこまで読めないわ。部分的にはホントだけど)


希(今までの賭け方からクセも大体わかったしね。この子は自分がスリーカード以下の時は強気に出れないみたい)


希(でもそれじゃダメなんよ。このルールじゃストレートとかフルハウスとか、漫画みたいな手は中々入らない)


希(場の流れを読みつつ、ブタでも攻めていかなきゃ。多少の出血も必要経費のうち)
56: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:40:43.96 ID:YJy2hDcD.net
 
善子「レ、レイズ! 35万」


鞠莉「フォールド(降り)」


希「レイズ、70万」


善子「うぐっ」


   
善子「コ……ふ、フォールド」


    

希(はい残念こっちはブタでしたー。向こうは最低でもワンペアあったろうに勿体ない)


   
フミコ「希様の総取りです。チップが移動します」


   
善子(やばい、もう資金が)


   
希(ジリ貧になった相手はどんな臆病者でも最後に必ず一勝負仕掛けてくる)


   
希(…あと一押しやんな)
57: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:42:28.85 ID:YJy2hDcD.net
 
善子「ハァ、ハァ…」


善子(きたっ、キングが三枚、最初から手札に)


善子「二枚チェンジ」


善子(フルハウスこいフルハウスこい………ちっ)


善子(まあいいか。スペードKのスリーなら中々の)


   
希「五枚チェンジ」パサッ
58: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:43:22.59 ID:YJy2hDcD.net
 
善子(はっ? 何こいつ、またヨハネの心を乱そうとして…!)


善子(でも残念だったわね。今回はそこそこの手が入ってるもの。安心感が違うのよ)


   
善子「ベット、20万」


善子(ここで少しは盛り返させてもらうわよ)


 
希「レイズ、30万」
59: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:45:27.17 ID:YJy2hDcD.net
 
善子(無駄よ!そんなバレバレのブラフでヨハネを脅そうたって)


善子(五枚ドローでストレート以上の手がすんなり入るわけないでしょーが)


善子(そう、スリーカードより上はまずないと思っていい)


善子(んでもって、そっちの捨て札にはAが一枚含まれてた)


善子(そこからさらにデックに三枚のAが眠っていてそれを連続で引いてくる確率)


善子(えっと…パッと頭に浮かばないけど限りなく低いのは分かる。つまりキングのスリーに敵う手なわけがないのよ)


   
善子「ここで引き下がるわけにはいかないわ。その倍額レイズ、60万よ!」


希「うんにゃ、じゃあウチもその倍積むね」
60: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:49:34.38 ID:YJy2hDcD.net
 
善子(!…私の強気に対してこうもあっさり応えてくるなんて)


   
善子「フ……ククク」


 
善子(なるほどなるほど。これが一流のブラフってやつなのね…勉強になったわ)


善子(でも今回ばかりは通用しないんだから。我が糧となりなさいッ)


    

善子「この勝負にヨハネの全てを捧げる。オールイン!」


   

フミコ「賭け金が確定しました。それではショウダウンを」


    

希「Aのスリー」


   

善子「……」


   

善子「ぉひょひょひょ」
 
61: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:53:34.01 ID:YJy2hDcD.net
 
善子「ひょひょひょひょ…」


   
善子「…なんでぇ」


   
善子「なんでなんでなんでぇ!!???」


   
希(悪いね、重ね重ね)


希(たまにこーいうことあるんよ。自分が勝っててチップに余裕があるとき)


希(手札はイマイチ。何を切るか考えるのも面倒で、いっそこれ全捨てすればステキな手が入るんじゃないかって予感)


希(そして割とその通りになっちゃう。でもこれオカルトとは違うんよ)


希(たまに、だけど一勝負に一度くらいは成功しちゃうの、偶然に)


希(このふわふわした掴み所のない全能感。だからポーカーはやめられない)


   
フミコ「Kのスリーに対してAのスリー。この勝負希様の勝…」


   
善子「じいいいいいざあすくらああああああああああい」
62: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:54:47.13 ID:YJy2hDcD.net
 
善子「イカサマよ! こんな、あり得ない! キングにAで!? レフリー!」


善子「何がレイズよレズレイプしたろかオラアアアア!」


フミコ「レッドカード!」ピピーッ


フミコ「対戦相手への暴力および性行為は禁止です。善子様は退場!」


ヒデコ「お帰りはこちらからどーぞ」ガシッ


善子「はっ放せえええええええ!!!」


ヒデコ「外でね」
63: 名無しで叶える物語 2017/10/15(日) 23:57:04.93 ID:YJy2hDcD.net
 
鞠莉「さてと」


   
鞠莉「雑魚は片付いたわね。タネ銭もいくらか増やせたじゃない」


   
希(やっぱりここまで大人しかったのは、この状況を作り出すためか)


   

鞠莉「ここからが本当の」


   
希「勝負っ!」


   


    


鞠莉(なワケないでしょ。処刑(ワンサイドゲーム)の始まりよん)
   
65: 休憩 2017/10/15(日) 23:57:38.09 ID:YJy2hDcD.net
ロック
ストック

トゥー
スモーキング
バレルズ       ×       ラブライブ!
66: ここまでのまとめ 2017/10/15(日) 23:59:08.62 ID:YJy2hDcD.net
 
【ボンビー3バカ】ほののぞりん

・なけなしの500万を元手にデカく稼ぎたい
・希を代表に週末の賭けポーカーへ


【アブノーマルカップル】まりかな

・賭けポーカーを主催
・西木野卿の持つ二挺の猟銃を欲しがる


【コソ泥シスターズ】Saint Snow

・果南から猟銃強奪の依頼を受ける
・西木野邸に侵入成功


   
【クラッシーBiBi】うみまきえりにこ

・希の隣に住むギャングチーム


【ボンクラ栽培屋】ようちかりこまる

・にこが通う大麻の加工販売部屋
69: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:07:12.64 ID:QE8ERMc/.net
 
鞠莉「ハイカードよ」


希「同じくブタやん」


   
フミコ「両者ともにAハイ。この場合スペードAを持つ希様の勝利です」


    
鞠莉(確かにやるわねゴロツキにしては。100万の勝負に躊躇なくブタで突っ込んできた)


鞠莉(オマケにツキもあるみたい。こればかりはどうしようもないわ)


   
鞠莉(でもね…)


   
鞠莉(奥の手ならいくらでも仕込んであるんだから。奥の方にね)


    
鞠莉(今よ果南、合図を送って!)
 
70: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:08:52.12 ID:QE8ERMc/.net
 
果南(このポーカーで負け知らずの鞠莉は当然イカサマしてるんだよね)


果南(鞠莉たちが勝負してる部屋にはあらかじめ複数の隠しカメラがセット済み)


果南(別室の私がその映像を確認して相手の手役をこの送信機に入力)


果南(後は鞠莉の内裏に待機させてある特注のローターがモールス符号の要領で振動するってわけ)


果南(この通しで私たちは連戦連勝の限りを尽くしてきた。でも今回は)


   
果南「くそぅ、あの希ってやつカメラの存在を疑って警戒してるのかな」


果南「うまい具合に身体でガードしててよく見えない…!」


 
果南(舐めるなよっその部屋にいくつカメラが仕込んであると思う?)


果南(こっちは盗撮技術も業界一、アングルも縦横無尽の小宇宙なんだ。どこかに必ず隙があるはず)
   
71: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:10:28.49 ID:QE8ERMc/.net
 
【西木野邸】


西木野パパ「んーっ、んーっ」


   
理亞「無駄よ。どんなにもがこうとその縄はほどけない」


理亞「いいこと? 今猿ぐつわを外すからこっちの質問に答えて」グィ


理亞「金庫はどこにある。言って、さもないと」


   
西木野パパ「ふッ、っくくく…」


   
理亞「なにが可笑しい!?」
72: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:13:15.95 ID:QE8ERMc/.net
 
聖良「やめなさいホワ…パープル」


理亞「姉さま? どうしてパンストを被ってないの」


聖良「あなたも脱ぎなさい。敵味方問わず悪影響しかないわそれ」


   
聖良「そして銃を運ぶのを手伝って。思ったより沢山あるの、一人じゃ持ちきれない」


   
理亞「でもこいつから金の在処を―――姉さま後ろっ!」


   

和木「死に晒せ!腐れ売女の盗人どもッ」チャキッ


   
聖良(銃!?)


   
理亞「危ない伏せて!」


 

――ズドォン!
    
73: 【賭場】 2017/10/16(月) 01:14:42.39 ID:QE8ERMc/.net
 
―――――


鞠莉(果南? 合図はどうしたのよ、向こうの手は?)


   


果南「あ、今一瞬見えたっ」


果南「見てろよー……さっきのアングルは、ここかな?」


   


希「レイズ、100万」


鞠莉(果南!ハーリー!)



   
ヴー!ヴー!


   
果南「っ…誰?このいい時に」ピッ


   
果南「はいもしもし?」
75: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:17:40.07 ID:QE8ERMc/.net
 
理亞「話が違う!武装したババアのメイドがいるなんて聞いてないッ」


理亞「そいつの持ってた銃で姉さまのサイドテールが吹き飛んだのよ?」


   
果南『その銃も含めてちゃんと全部盗ってきたんだろうね』


   
理亞「お望み通りにね。それよりこの落とし前はどうつけてくれるの?」


 
果南『わかった、話は後で聞くよ。今取り込み中なんだ』


   
理亞「あっそんなことしても無駄よ姉さま、パンストの先端でサイドテールを再現しようだなんて……もしもし、もしもし?」ツーツー


   
理亞「切られた……キレていい…?」ワナワナ


   
理亞「」スゥ


    
理亞「誰も彼もろくたらもんじゃねこの町は!」
 
76: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:20:45.41 ID:QE8ERMc/.net
 
―――――


フミコ「鞠莉様。宣言をお願いします」


   
鞠莉「……レ、いやコールよ」


   
フミコ「ショウダウン。ツーペアとスリーで希様の勝利です」


   
希「ちぇ、のってこなかったか」


鞠莉(かなああああん何してるのおおお)


   

果南「おいっ、映ってよ、この肝心な時に、このオンボロモニターは」


果南「こういう時は斜めに叩いて…せいっ」


果南「やった映っ――消えんなおい!」
   
77: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:22:17.19 ID:QE8ERMc/.net
 
希(今夜のウチにはツキも味方してる。丁度満月だしね)


希(勝ちも積もって2000万の大台に届きそう)


希(後はこのまま適当に勝負を降り続け――られたら楽なんだけど)


希(配当は軍資金の半分を出した凛ちゃんが2に対してウチと穂乃果ちゃんが1ずつ)


希(さらに二人で用意した250万円、そのほとんどは闇金つまんだものだからそれの返済分も考えると)


希(ウチの手元に残るのは300万ちょい。これだけやってそんだけ?)


希(もっと稼がなきゃ。せめて新しい商売を始められるくらいには)


希(かと言って突っ張り続けるのもそろそろ苦しい。ツキはいつまでも続かないし)


希(どこかで一発大きい勝負をしなきゃ。幸い仕掛けるに十分なチップは貯まった)


希(今がその時なんよ…! 問題は相手が全然のってこないこと。金持ちのクセにしみったれが)
78: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:24:38.49 ID:QE8ERMc/.net
 
希「ねえ、一つ不思議だったんだけど」


希「今ウチの手元には2000万ある。でもこの程度、そっちの感覚じゃはした金でしょ」


希「この勝負、鞠莉ちゃんにとっては勝ち負けはどうでもいい時間潰しなんだね。少額しか賭けないし」


   
鞠莉「…ちょっと違うデェス」


鞠莉「暇潰しのお遊びのなのはその通り」


鞠莉「でも落ちてるマネーは拾う主義なの」


   
フミコ「鞠莉様、チェンジは」


鞠莉「三枚頂戴」


希「ウチは一枚」
79: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:25:56.97 ID:QE8ERMc/.net
 
鞠莉「あなた達が道端の100円を拾う感覚かな」


鞠莉「お金持ちって貪欲なのよ。貧乏人より遥かにね」


鞠莉「2000万だけ…としか考えられないのがあなた達の限界」


鞠莉「でもここじゃそんなものはない」


鞠莉「やり方を変えるわ。ベット、200万」
80: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:28:30.45 ID:QE8ERMc/.net
 
希(きた…!)


希「レイズ、250万」


   
希(最初はゆっくり)


 
鞠莉「のってあげる。レイズ、350万」


   
希「レイズ…450万」


   
希(多少迷ってる風に――)


 
鞠莉「さらにのせるわ、650万」


   
希(そらきたっ、もう引き返せんよ?)
81: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:30:17.83 ID:QE8ERMc/.net
 






鞠莉「レイズ、1400万」


   
希(おいおい)


   
希(どこまで吊り上げるつもりなんこの輪っかお化けは)


   
希「…」チラッ


   
希(ウチの手は一枚チェンジで呼び込んだハートのフラッシュ)


希(大概は失敗してブタになるチェンジ。向こうもそう読んでる、そう思わせることがウチの狙い)


希(とはいえ、いい加減ここらで受けとくか)


   
希「コー」
82: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:32:17.47 ID:QE8ERMc/.net
 

希(いや…向こうはそもそも金銭感覚が違う。この程度痛くも痒くも思ってないハズ)


希(いよいよとなればフォールドすることに何のためらいもないはず)


希(ウチは違う。もうあくせく働きたくないんよ)


希(ここでこの黄色いATMから毟れるだけ毟らなきゃ)


   
希「レイズ、1500万!」


    
鞠莉「レイズ、2000万よ」
83: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:34:18.69 ID:QE8ERMc/.net
 
希(結局いくとこまでいったか)


   
希「…オールイン」


   
希(限界まで張ったよ。さぁ、勝負!)


 

鞠莉「」ニタァ


   
鞠莉「レイズよ、3500万」


   

希「……」


 
希「……は?」
84: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:36:46.19 ID:QE8ERMc/.net
 
希「ちょい待ちタンマ、こっちはこれ以上お金ないってば。そしたら手を開けて勝負でしょ?」


   
鞠莉「トンマさんねぇ。ポーカーは金を積んで相手を降ろすゲームよ」


   
鞠莉「積めなくなったらそこでオ・ワ・リ」


   
希「いや、でも普通のルールじゃ」


フミコ「ここでの勝負は青天井と最初に説明したはずですが」


希「んなっ」


 
希「そんなのウチ聞いてな…」


   
希(――あの時)


   
希(ブタがどうのとか、気色悪い話でこっちの注意逸らしたのも作戦の内か…!)
85: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:38:58.47 ID:QE8ERMc/.net
 
フミコ「ゲーム途中でチップの買い足しは認められてます」


フミコ「希様、不足分の1500万をお求めになられますか?」


   
希「これが狙いやったんか…資金不足での強制フォールド」


希(金の重みでウチの手を踏み付けて開けせないつもり…!)


   
鞠莉「だってだって、このゲームってお金持ってる方が有利なのは常識だし」


鞠莉「今更囀られても困るんだけどなぁ」クスクス


鞠莉「でもカワイソーだから」


鞠莉「マリーが折衷案を出してあげる」
86: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:39:40.01 ID:QE8ERMc/.net
 
鞠莉「あくまでルールに則った勝負をしましょ」


鞠莉「続行するにはチップを追加すればいいのよ。問題はそっちにその資金がないことだけど」


鞠莉「貸すわ。私が、賭け金の不足分を」


希「1500万を、ウチに?」


鞠莉「ノンノン。貸し付けに当たって一つ条件がある」


鞠莉「賭け金は倍の7000万に引き上げるわ。つまり、そちらに貸すのは5000万円」
87: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:42:25.50 ID:QE8ERMc/.net
 
希「ふざけてるの?」


鞠莉「マリーはいつも大真面目デェース」


鞠莉「みみっちい賭け代じゃ熱くなれないのよ。やるならちょっとは大きな勝負をさせて」


鞠莉「さあどうする? この勝負受ける? それともこのまま降りちゃうの?」


希「ぐっ…」


   
希(さらなる金のプレッシャーで押し潰す気か。でも予想してなかったことじゃない)


希(この重圧さえ跳ねのければ、あと怖いのは、万一相手に手が入っている場合)


希(向こうはワンペア残しの三枚チェンジのはず。それでフルハウス以上を完成させた?)


希(いやいや弱気になっちゃダメ。相手と自分の手役、確率、ブラフ、裏の裏の裏を読んでいったらキリがない)


希(どの道もう降りるという選択肢はないんだから)
88: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:45:50.15 ID:QE8ERMc/.net
 

希「……いいよ」


希「のったるわ、この勝負に」


   
鞠莉「そうこなくっちゃ♪」


   
フミコ「それでは賭け金7000万で確定です。続いてハンドの開示に移ります」


   
フミコ「ショウ」


   
希「っ…」ドクンドクン


 
鞠莉「…」クスッ


   
フミコ「ダウン」


   





    
89: 【バー】 2017/10/16(月) 01:48:15.91 ID:QE8ERMc/.net
 
―――――


穂乃果「くー…」ウツラウツラ


凛「希ちゃん遅いにゃ…」


   

カランカラン


希「……」


   

凛「あ、希ちゃん!」


   
穂乃果「おっ帰りー!どのくらい勝ってきた? ねえねえ早く見せて~」
    
90: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:49:54.93 ID:QE8ERMc/.net
 
ミカ「注文は?」


希「…ダイエットコーラ」


希「いや…やっぱ普通のコーラ…炭酸抜きで」


   
穂乃果「オイオイオイ」


    
凛「それより勝負は? 凛たちのお金はどうなったの?」


   
希「それともう一つ……これは小原さんとこにツケといて」


    
希「カクテルの、ブラッディ・マリーを一杯」フラ~


    
ガシャアン!


   
穂乃果「うわぁ希ちゃんが白目むいて!」


凛「しっかりするにゃ!」


ミカ「大変だ、まるで15ラウンド戦った後のボクサーだよこれ」


穂乃果「誰かお水お水!」
   
91: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:50:40.94 ID:QE8ERMc/.net
 
―――――


鞠莉「ブラッディ・マリーは敗北の味。私からの奢りよ」


果南「誰に言ってんの」


鞠莉「それより何やってたのよ果南。いくら待っても全然合図来ないんだもん」


果南「ごめんごめん、機械の調子が悪くてさ…」


鞠莉「まあ何とか間に合ったから良かったケド」


鞠莉「果南の通しプラス、こんなこともあろうかと袖の奥に仕込んだ射出式スリーブ・カードホルダーで」


鞠莉「不要カードと仕込みカードを交換して、一瞬で手札はフォーカードに」


鞠莉「カードを回収されると一発でバレるから、そのターンで勝負を決める必要があるけど」


鞠莉「ま、上手くいくのもいつも通りだけどね」


果南「にしても5000万とは吹っ掛けたね。あの三人が払えると思う?」


鞠莉「ちゃんと考えてあるわよ。穂むらの娘さんがいたでしょ」
92: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:53:32.79 ID:QE8ERMc/.net
 
【二日後――穂むら】


穂乃果「どーしよ…どうすればいいの」ズーン


穂乃果「5000万の借金なんて、払えるわけないじゃん…」


凛「そもそも凛たちは関係ないよっ。勝負したのは希ちゃん一人じゃんか」


穂乃果「それがそうもいかないみたいでさ」


穂乃果「昨日町を歩いてたら、小原鞠莉の手下に捕まって」


――――――――

――――

――


果南『分かってると思うけど、借金は金を出し合った全員の連帯責任だからね』


果南『期限は一週間。それまでに三人で力を合わせてお金を作ること』


穂乃果『も、もし出来なかったら…?』
93: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:55:12.32 ID:QE8ERMc/.net
 
果南『あれ、希ちゃんから聞いてない?』


果南『まあいいや、ちょっと耳貸して。あんまり大きな声でする話じゃないし』


果南『―――』ゴニョゴニョゴニョ


   
穂乃果『……ぅ』


穂乃果『うぷっ、お、おげええええええええ』


 
果南『あーあ、みんな示し合わせたように同じ反応するんだから』


穂乃果『げほげほ…!うぅぅ』


果南『それが嫌なら別の方法もあるけど』


   
果南『キミの実家、そこそこ有名な和菓子屋さんなんだってね』


果南『うちのボス、最近お菓子作りに興味持ってるみたいなんだ』


果南『意味は分かるよね?』
94: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:57:12.31 ID:QE8ERMc/.net
 
凛「それだっそれだよ穂乃果ちゃん!」


凛「今から凛と一緒に穂乃果ちゃんのお父さんとお母さんを拝み倒しに行こ?」


穂乃果「いやそれは無理ッス」


凛「でもこのお店いつかは穂乃果ちゃんが後を継ぐんでしょ? なら穂乃果ちゃんのものじゃんか」


穂乃果「だったらいいんだけど」


穂乃果「プラプラしてばっかの穂乃果は愛想を尽かされて、後継ぎは雪穂に決まったのでした」
95: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:58:47.64 ID:QE8ERMc/.net
 
凛「でも雪穂ちゃん最近見ないけど。どこかに就職したんじゃないの?」


穂乃果「和菓子職人の修行で今はオランダ。亜里沙ちゃんって彼女と一緒に」


凛「すごっ…将来設計バッチリにゃ」


穂乃果「昔からしっかりしてるからなぁ雪穂は」


    
穂乃果「一方で穂乃果を待ち受けてるのは……ううっ、嫌だぁ」


穂乃果「非道すぎるよあんまりだ…こんな世界絶対間違ってるって…」シクシク


凛「き、気になるけど聞きたくない…」


   
凛(一体凛達どうなっちゃうの~?)
 
96: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 01:59:32.32 ID:QE8ERMc/.net
 
【善子の店】


善子「ムーッ、ムーッ!」


絵里「暴れない方がいいわよ。痛い思いをしたくなきゃ」


絵里「ネットがいいか、グリーンがいいか、あなたに選ばせてあげたんだから」


   
真姫(最近エリーがゴルフを始めた)


真姫(割とハマってるらしく、時と場所を選ばずプレイしたがる)


真姫(たとえ道具がなくとも、その場にあるものを利用して)


真姫(この場合、店にあった魔法のステッキがクラブで)


真姫(哀れな債務者が、ボールとティーを支える芝生の代わり)
97: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:00:27.87 ID:QE8ERMc/.net
 
絵里「チャー、シュー、メン」ヒュオン


善子「ビッ」


海未「ナイスショット」


真姫(今ちょっと鼻先掠ったわね)


   
絵里「そういえば聞いた?」


絵里「真姫、あなたの実家に泥棒が入ったそうよ」
98: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:01:22.98 ID:QE8ERMc/.net
 
真姫「…興味ない」


真姫「還暦迎えたメイドと浮気してた男なんて、どうなろうと知ったこっちゃないわ」


海未「真姫…」


   
海未「念のためご実家の病院以外の場所でDNA鑑定を受けてみてはどうでしょう。もしかすると貴女の母親も」


絵里「うーみー、あなたはいつも一言余計なの…よッ」ビュオン


    
絵里「フゥ――ところでまたにこが居ないんだけど」


真姫「いつもの場所デショー…」
99: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:02:58.31 ID:QE8ERMc/.net
 
【梨子達のアパート】


曜「にこさんヨーソロー。今日もキメにきたの?」


にこ「ううん、今回はお持ち帰り。のんびりしてる時間ないんだー」


   
曜「あ、そこの床気を付けて。花丸ちゃんが寝て」


にこ「にごぉ!?」ズルッ


ドサドサドサッ


千歌「わわっ、売り上げが」


梨子「!…二人とも早く拾ってっ」
100: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:04:04.98 ID:QE8ERMc/.net
 
にこ「っっ、ごめんねー。にこが拾うよ」


梨子「お客さんは座っててください。私たちでやります」


   

にこ「……」


にこ(意外とたんまり儲けてんのね、こいつら)


にこ(売り上げを靴箱に隠してたのか…)


にこ(待ってよ。確か前来た時、靴箱の山を見たような)


にこ(あれ幻覚じゃないわよね?)

   
101: 【穂むら】 2017/10/16(月) 02:05:45.02 ID:QE8ERMc/.net
 

穂乃果「ダメだよそんな夢物語ー!」


穂乃果「宝くじとか競馬の大穴狙いとか、凛ちゃんの案はどれも現実味なさすぎて却下だよ却下!」


凛「じゃあ穂乃果ちゃんには何か名案があるんですかー!?」


穂乃果「……」


穂乃果「銀行強盗、とか」


凛「ぶー!人のこと言えないどころかこっちはもっと非現実的だし」


   
穂乃果「大体無理なんだよ普通に考えて」


穂乃果「私たちパンピーのビンボー人があと五日で5000万を稼ぐなんてさ」

 
102: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:09:03.98 ID:QE8ERMc/.net
 
【鞠莉の店】


鞠莉「世の中、お金儲けのチャンスはそこら中に転がってるのよ」


鞠莉「例えばこの前私、ほとんど労せずに2000万ほど稼いじゃったの」


鞠莉「やり方はこう。まず色んな雑誌に多機能で格安なアナルバイブの広告を載せマース」


鞠莉「販売元は株式会社スカトロファック同好会とかメス犬二穴責め調教の友とかそんな感じの安直にお下劣なネーミングがいいでしょう」


鞠莉「代金を先払いさせた後、購入者に小切手付きの詫び状を送ったの」


鞠莉「輸入元で廃番のため、大変申し訳ありませんが商品をお届けすることが出来ません」


鞠莉「小切手という形で返金します、ってね」
103: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:11:17.59 ID:QE8ERMc/.net
 
果南「ふーん? それだけだと何も儲かってないみたいだけど」


鞠莉「よく考えてみて。スカトロファック同好会(株)からの小切手を換金できる猛者が何人いると思う?」


鞠莉「銀行の窓口で、自分の性癖がデカデカと印字された小切手を見せなきゃいけないのよ」


鞠莉「目論みは大成功。値段が安いからよく売れたし、少額だから返金を諦める人がほとんどだった」


果南「はは、相変わらず悪どいことやってるなぁ。いつかバチが当たるんじゃない」


鞠莉「でも私、これまで一度もしっぺ返しとか受けたことないケド?」
104: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:12:50.88 ID:QE8ERMc/.net
 
鞠莉「ある時気付いちゃったのよね。この世界の神サマはサボってばかりで全然仕事してないって」


鞠莉「それが分かればお金を荒稼ぐのなんてイージー♪なのに、変に気取ってブレーキかけるやつばっか」


鞠莉「金儲けにタブーなんてないの。奪える時に奪えるやつから奪えばいい。どんな手を使ってもオッケー」


鞠莉「それがこの世の理で正攻法。そういう風に出来てるのに。どうしてみんな煮え切らないのかしら」


鞠莉「勿論、後腐れのないよう賢く立ち回るのが前提だけど」

   
105: 【穂むら】 2017/10/16(月) 02:13:43.91 ID:QE8ERMc/.net
 

穂乃果「小原鞠莉にはいくつも異名があって」


穂乃果「その一つがマチェット・マリー」


穂乃果「借金を踏み倒そうとする人の手首を山刀(マチェット)で切り落としちゃうんだって」


穂乃果「その返り血の臭いが染みついてるからブラッディ・マリーとも呼ばれるようになったとか」
106: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:14:19.07 ID:QE8ERMc/.net
 
凛「凛が聞いた話は違うなぁ」


凛「借金で首の回らなくなった凛たちみたいな子を無理やりえっちなビデオに出演させるんだって」


凛「その時の、ほら、女の子のアレ」


穂乃果「バージンジュース?」


凛「毎日それ飲んでるって噂だよ。だから吸潔鬼のブラッディ・マリーって」


凛「とにかく凛は嫌だよ。あいつに献血するのも、店の棚に並ぶのも…」
107: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:15:50.40 ID:QE8ERMc/.net
 
ガチャ


ほのママ「お菓子とビール持ってきたわよ」


穂乃果「あー…そこ置いといて」


ほのママ「……」


   
ほのママ「扉の前でブラッディ・マリーがどうとか聞こえたけど」


ほのママ「あなた何かヤバいことに首突っ込んでるんじゃないでしょうね」


穂乃果「い、いや…! 全然そんなことないよ、別に、うん」


    
ほのママ「いい歳なんだから、いつまでもプラプラしてないで」


ほのママ「自分のことは自分で責任持ちなさいよ。昔みたいに面倒は見ないからね」


穂乃果「…わかってるよ」
108: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:18:00.23 ID:QE8ERMc/.net
 
ガチャン…


   
凛「なるへそ、こりゃ望み薄だね」


   
穂乃果「でしょ…」


   

穂乃果「私たちも、オランダに逃げる?」


   
凛「……」


 
ほのりん「はぁー…」
109: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:19:48.99 ID:QE8ERMc/.net
 
凛「…そーいえば希ちゃんはどこなの」


   
凛「まさか一人で逃げたんじゃ」


 

穂乃果「例の、ゴキブリの城に引きこもって飲んだくれてるよ…」


   
穂乃果「ああ見えて意外とメンタル弱いところあるからなぁ」

   
110: 【希のアパート】 2017/10/16(月) 02:21:07.22 ID:QE8ERMc/.net
 

希「………」ボケー


カサカサカサ


希「………」


希「………っ」パキッ


希「」モグモグモグ


希「ん!」


希「げええっ、ゲホゲホ…! 変なもん食べちった…!」


希「ウチの口ん中は寝床じゃないって…! 間違えんなやっ」


希(あかん、このままじゃ天日干しの洗濯物みたいにカラカラに…)
111: 【梨子達のアパート】 2017/10/16(月) 02:22:33.95 ID:QE8ERMc/.net
 


   

シュウウウウウ


千歌「まさかお札にアイロンがけする日が来るとは思わなかったなー」


曜「うひゃーこれ全部今月の上納分?」


千歌「ねえ、これだけあるんだからさ。ちょっとくらい抜いても」


    
梨子「ダメ。綺羅ツバサを甘く見ちゃ」


梨子「ただのチンピラから何の後ろ盾もなくここら一帯のクサの元締めに成り上がった人だよ」


梨子「抜け目なんてあるわけない。私たちなんて一瞬で消されちゃうんだから」
112: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:24:21.09 ID:QE8ERMc/.net
 
梨子「そうそう抜け目といえば」


梨子「今日のあれはマズかったよ。客に売り上げの隠し場所を見られちゃった」


梨子「ほらそこっまたお説教だーって嫌そうな顔しない! 大事なことなんだよ?」


   
曜「でもさ、見られたって言っても相手はあのにこさんだし」


千歌「トリップ中にあの人が出てくることあるよねー妖精の恰好で」


曜「わかるわかる」


 
梨子「だから甘いってば。二人ともそんなんじゃ糖尿まっしぐら、投獄でお先真っ暗だよ?」


梨子「いい? あの人シラフの時は別の意味で頭イっちゃってるの。普通に怖い人なの。ギャングスタなの」


千歌「ホントにぃ?」

   
113: 【にこ達のアジト】 2017/10/16(月) 02:25:48.97 ID:QE8ERMc/.net
 

にこ「本当よ」


にこ「私何度も見たもの。同じ靴箱が万里の長城みたく積み上がってるのを」


絵里「…どうやら私の勘が的中したみたいね」


真姫「待って、早合点は危険よ」


海未「そうですね。本当ににこの言う通り、ブツの品質が最上級のものなら」


海未「どうしてそんなに不用心なのですか」


にこ「それはあいつらが甘ちゃんだからよ。玄関潜った先にある檻に鍵も掛けてない」


絵里「檻ですって? 誰かイタチでも飼ってるの?」
114: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:27:36.74 ID:QE8ERMc/.net
 
『バカね、イタチじゃなくて外からやってくる虎を閉じ込めるためのものよ』


『虎って…その人たちサファリパークの中に住んでるの?不法滞在者?』


『アンタってロシア製のグーグル翻訳機よねぇ。比喩ってもんが分からないの? 定型表現以外は受け付けないチカ』


『…どういうこと?』


   


希(………なんかアホな幻聴が聞こえるなぁ)


   


希(……………あ、ここの壁薄いんだった)


 
――――――――――――


真姫「じゃあその檻はいつも開けっ放しなのね」


にこ「そうよ。セキュリティなんてガバガバもいいとこ」


にこ「客はそいつらと同じ頭の軽そうな学生ばっか。緩み切ってるのよ色々と」


海未「仮に現金入りの靴箱の山を奪えたとして、報復の恐れは?」


絵里「バックにヤバいのが付いてたら私たち一たまりもないわよ」
116: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:29:12.84 ID:QE8ERMc/.net
 
にこ「ないない。あいつら只の学生よ? 自家栽培専門の」


にこ「もし私があいつらのケツ持ちなら、とうの昔にクサごと伐採してるわ」


にこ「緊張感の欠片もないんですもの。だから現金入りの箱を客の目に触れる場所に置いといちゃうの」


にこ「この私を信用しなさいよ。あいつらが商売を始めた頃からの付き合いなんだから」


海未「その目が節穴でないことを祈ってますよ」


真姫「全部この人の見た幻覚なんじゃないのー」


――――――――――――


希「………」


   
希「……げんかく」


    
希「幻覚じゃ、ない!」ガバッ
   
117: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 02:29:42.10 ID:QE8ERMc/.net
ロック
ストック

トゥー
スモーキング
バレルズ       ×       ラブライブ!
118: ここまでのまとめ 2017/10/16(月) 02:30:31.46 ID:QE8ERMc/.net
 
【ボンビー3バカ】ほののぞりん

・鞠莉に5000万の借金を負う
・にこ達の大麻強奪計画を知る


【クラッシーBiBi】うみまきえりにこ

・希の隣に住むギャングチーム
・栽培屋への襲撃を目論む


【ボンクラ栽培屋】ようちかりこまる

・にこが通う大麻の加工販売部屋
・実は麻薬王ツバサの下請け


   
【アブノーマルカップル】まりかな

・5000万の借金のカタに穗むらを狙う
・面倒なことは回収屋のダイヤに丸投げ


【コソ泥シスターズ】Saint Snow

・西木野卿から大量の猟銃を強奪


【多重債務者ヨハネ】津島

・鞠莉やにこ達等多方面に借金を重ねる
126: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:34:00.83 ID:QE8ERMc/.net
 






鞠莉「期限まであと四日」


鞠莉「そろそろ頃合いね」


鞠莉「穂むらの方に直接追い込みをかけて」


鞠莉「カナン・ザ・バプティストの姿を見れば向こうも首を洗うはず」


果南「そうだね。洗面器持って行ってくるよ」


   
果南(勝手に訳の分かんない通り名付けてくれちゃって。まあクレイジーダイヤモンドヘッドに比べればマシだけど)


果南(というかダイヤが行けば十分だよね。私が出張らなくてもさ)


   
鞠莉「それで、頼んでた二挺の銃の方はどうなってるの?」


果南「ん、ああ、明日引き取る約束なんだ。向こうの都合でね」


果南(いけね、普通に忘れてたよ。今週は他に色々あり過ぎて)
128: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:35:22.61 ID:QE8ERMc/.net
 
【希のアパート】


凛「じゃあその学生アパートを襲ってお金とハッパを頂こうっていうの?」


希「違う違う、それじゃ同じように奪いに来たギャングさんたちと鉢合わせしちゃうでしょ」


   
希「ウチらがやるのは待ち伏せ」


希「お隣さんがブツを奪いに出かけた頃合いを見計らって、部屋に侵入して息を潜める」


希「そしてホクホク顔で帰って来たやつらを脅かして戦利品を強奪する」


希「名付けてお帰りなさいませアンブッシュ強盗作戦~」


希「気の緩んでるところを奇襲して楽に横取ろうって算段よ」


凛「そんなにうまくいくかなぁ。相手は本職なのに」
129: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:36:07.61 ID:QE8ERMc/.net
 
希「本職って言っても所詮はギャング崩れのチンピラがたった四人だもん」


希「ヤザワ団って言ってね。昔は三十人くらいの大所帯で幅を利かせてたんやけど」


希「調子に乗り過ぎてある日、敵対してた組織に凄腕の殺し屋を送り込まれて壊滅」


希「その時の生き残りが今回のターゲットの四人なんよ」


凛「えっ、それってヤバくない?」


凛「よく分かんないけど、その四人は凄腕の殺し屋さんの襲撃を生き延びたんでしょ? とんでもないツワモノに違いないにゃ」


希「いやそれがね…くくっ、まあ聞いてよ」
130: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:37:40.93 ID:QE8ERMc/.net
 
希「その日、ヤザワ団の事務所に送り込まれた凄腕の殺し屋は、凄腕らしく正面から一人で堂々と乗り込んできた」


希「けどヤザワ団も直前になってそのことに勘付いたらしくて」


希「殺し屋が姿を現した途端、全員で取り囲んで銃を突き付けたの」


希「360度の包囲網は完璧。アリの一匹も通さない肉の壁よ。殺し屋に逃げ場はなかった」


希「にも拘わらず殺し屋は不敵に口元を歪めると…先に動いた」


希「少し遅れて、ヤザワ団も撃ちまくったんだって」


   
凛「…」ゴクリ


 
穂乃果「それで…どうなったの」

   
131: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:38:42.67 ID:QE8ERMc/.net
 
希「ん? そんなの決まってるじゃん」


希「殺し屋は穴だらけになって死んだよ」


希「ヤザワ団も、味方の撃った流れ弾に当たってほとんど死んじゃった」


希「そん時偶々弾に当たらなかった残りカスがウチのお隣さんってわけ。そのまま死んでればダーウィン賞狙えたかもしれないのに」


希「人生、肝心な時に重要なんは頭の良さより運の良さってことを示す好例やんね」


希「どーしようもないおバカさんなのに死に時を逃したって点で言えば、その場で逝った人らよりお間抜けさんの四人組よ」


希「やつらが生き残ったのは、きっとここでウチらにカモられるため…そうに違いないのだ」


凛「占いやってる人って何でも都合良く解釈できて羨ましいにゃ」
132: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:41:07.99 ID:QE8ERMc/.net
 
穂乃果「…よし、やろう」


穂乃果「私はのるよ、その計画に」


   
凛「凛は――嫌っ」


   
穂乃果「どーしてっ? もうこれ以外にないんだよ? あと数日で5000万円作る方法は」


凛「だって普通に犯罪だし、襲う相手は犯罪者だし。どー考えても無茶苦茶だよ上手くいきっこないにゃ」


   
穂乃果「じゃあいいよ二人だけでやるから」


穂乃果「分け前も増えるしね。凛ちゃんだけ農場送りでお馬さんと仲良くやってればいいんだ」


   
凛「大体さ、そっちが持ってくる話って毎度ロクでもないのばっかり」


凛「この前だって二人から買った野菜詰めにゲジゲジした団体様御一行が――」
133: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:42:03.23 ID:QE8ERMc/.net
 
希「もういい、やめっ。今は仲違いしてる時と違うんよ?」


希「この計画は誰か一人が欠けても無理なの」


希「凛ちゃん、昔からの夢だったラーメン屋を守りたいんでしょ」


希「ならここで一発決めるしかないよ」


希「人生、厳しい時にこそ首括るより腹括ろう? な?」


凛「うぅ…」
134: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:42:56.83 ID:QE8ERMc/.net
 
希「向こうは四人。三人ならギリ対抗できるよ、不意を突ければね」


凛「でも…その筋の人達なんだから絶対あれ持ってるよね。バキューンってなるやつ」


希「大丈夫。あちらさんの用意してるハジキは一挺きりだって。この耳で盗み聞いたから間違いない」


凛「何が大丈夫なの? こっちは一挺も持ってないもん。最初から勝負にならないよ」


希「そこで凛ちゃんの出番というわけよ」
135: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:44:12.52 ID:QE8ERMc/.net
 
凛「なにそれ、凛に銃持った相手と戦えっての」


凛「ちょっと運動が出来るからって弾丸避けられたら苦労しないよ。常識でもの考えよーよ」


希「んなわけあるかーい。凛ちゃんはちょいと落ち着こうな」


希「考えてみて。無事横取りに成功したとして、現金はともかくハッパを捌くのはウチらには無理」


希「はい、そこで一人だけそーいうのを仲介してくれる何でも屋さんがこの町にいます」


凛「あっ」


希「その子と古い付き合いの幼馴染なら、交渉はスムーズに運ぶはず。ついでに必要な物資の調達もね」


凛「…ちょっと会ってくる、かよちんに」
136: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:46:01.97 ID:QE8ERMc/.net
 
―――――


凛「そういう訳なんだけど、何とかならない?」


花陽「…クサを買ってくれそうな人の心当たりならあるよ」


花陽「綺羅ツバサ」


凛「誰それ。知らないなぁ」


花陽「知らない方がいいよ…」


花陽「交渉は私に任せて。商品の見本ある?」


凛「見本か…ちょっと待ってて。何日かしたら渡すよ」


凛「それで他にも欲しいものがあるんだけど」


   

凛(相手は銃を一挺持ってる。それに勝つためには…)


    

凛「銃を二挺、手に入れられないかな」
 
137: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:48:03.79 ID:QE8ERMc/.net
 






ツバサ「オーケーいいわ。本当にそんな上物が手に入るというなら」


ツバサ「1キロにつき400万で買ったげる」ゴクゴク


   
花陽「あ、ありがとうございます…!」


   
ツバサ「ぷはっ――英玲奈、お客様にご飯ぐらい出しなさいよ。あと私に牛乳のおかわり」


   
英玲奈(ご飯って)


あんじゅ(これから炊くのぉ?)


 
花陽「あ、あの」


花陽「私は最悪レトルトでも構いませんので…」エヘヘ


英玲奈「……」
138: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:51:45.43 ID:QE8ERMc/.net
 

花陽「はふはふ」モグモグ


   
ツバサ「一つ聞くけど、そんな上質の大麻をどのルートで仕入れたの?」


   
花陽「ひゃあ? はいばいふぁら、ほだへひいてまふ」モグモグモグ


   
ツバサ「ふーん。まあ物が良いなら何でもいいんだけど」
139: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:52:29.01 ID:QE8ERMc/.net
 
ツバサ「サンプルで品質を確認した後は、私は取引に一切ノータッチ」


ツバサ「交渉はそこの二人に任せてるから勝手にやって頂戴」


   
ツバサ「ただし」


    
ツバサ「私に腐ったミルクを飲ませたら承知しないわよ」


   
ツバサ「お分かり?」


   

花陽「…ふぁい」モグモグ


   

花陽「」ゴクン


   

花陽「――あのぉ」


   

花陽「おかわり、いいですか?」

    
140: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:53:49.41 ID:QE8ERMc/.net
 
【ミカのバー】


穂乃果「おかわり!」


ミカ「またミモザ? あなたそればっかりだね」


穂乃果「いいじゃん別に。それより教えてほしいんだけど」


穂乃果「綺羅ツバサってどういう人なの?」


ミカ「この町で彼女を知らないってモグリね」


穂乃果「素潜りなら得意だよ」


ミカ「いい? あの人見た目は七五三だけど、中身は立派な893屋さん」


ミカ「あなた達が初めてうちの店に来た日のこと覚えてる?」
141: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:55:07.39 ID:QE8ERMc/.net
 

その日ツバサは店のテレビで好きなアイドルの歌番見ながら一人で飲んでた。


丁度推しが登壇したあたりで、ツバサの前には酔客が登場して絡み酒。


最初は音量を上げて無視を決め込んでたけど、テレビをプッツンブチ切られたことで彼女のブレーカーもプッツン。


まず店の消火器を抱えて外に運び出すと、私には火酒を運ばせた。


テレビをつけ直すと歌は佳境。酒とマッチのツープラトンは火強。


生放送で口パクがバレた推しと酔客は大炎上。


ファイヤーダンスを肴にツバサは一人ご満悦ってワケ。

   
142: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:56:38.45 ID:QE8ERMc/.net
 
【穂むら】


ダイヤ「――と、いうわけなのです」


ほのママ「……」


   
ダイヤ「今の話は寝耳に水。そちらとしても大変ショックだとは思いますけど」


ダイヤ「これで貴女の娘さんが今どういう状況かお分かり頂けたことかと存じます」
143: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:58:29.95 ID:QE8ERMc/.net
 
ほのママ「…それで?」


ダイヤ「どん底の娘さんを救うためには、貴女達の」  ゴトッ


   
ほのパパ「」スッ


   
ダイヤ「…なんですかこれ」


   
ほのママ「ビールよ」


ほのママ「店に来てくれたお客さんにはサービスしてるの」
144: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 22:59:21.99 ID:QE8ERMc/.net
 
ダイヤ「…いい店ですね」


ほのママ「どうも」


ダイヤ「鞠莉さんも大層気に入ってましたわ」


ほのママ「そうなの」


ダイヤ「分かりませんか」


ほのママ「いえ、よく分かってる」


   
ほのママ「うちの娘はぐうたらのアホンダラで世間知らずよ」


ほのママ「でももう一人前の大人なの。私がお尻を拭いてあげる歳じゃない」


ほのママ「彼女のことと当店は一切関係ありません。お引き取りを」
145: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:01:15.03 ID:QE8ERMc/.net
 
ダイヤ「…私個人としては立派な教育方針だと敬意を表したいところですけど」


ダイヤ「それでも立場上納得しかねます。娘さんのことが大切ではないの?」


   
ほのママ「そりゃ大切に思わない親はいないでしょう」


    
ほのママ「でもそれはそれ。これはこれですから」


   
ほのママ「鞠莉って雌犬に伝えなさい。こういうことばかりしてるといずれ痛い目を見るって」


   
ダイヤ「……フッ」


ほのママ「何か可笑しいところあったかしら」


   
ダイヤ「……」

   
146: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:02:42.62 ID:QE8ERMc/.net
 

ダイヤ「借金の期限は三日後です」


ダイヤ「それまでに今一度、どちらを取るかよくお考えになって」


   
ダイヤ「帰ります。ビールをどうも」


   

ほのママ「……」


 

ダイヤ「…お互いに大変よね」


   
147: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:06:38.66 ID:QE8ERMc/.net
 
―――――


果南「やーやーどうもご苦労様」


果南「ちょっと見ないうちに髪型変えた?はっきり言って似合ってないよそれ」


   
聖良「余計なお世話です」


理亞「割り増し寄越しなさいよ。人を危険な目に逢わせておいて」


果南「考えとくよ。それで物は?」


理亞「このトランクの中」ガチャ


   
果南「…これだけ?」


果南「もっと古い銃が二挺あったはずだけど」


聖良「いえこれで全部ですが」


果南「あるったらあるの!どこへやったの?」
148: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:07:13.86 ID:QE8ERMc/.net
 
理亞「古い銃…? 姉さまひょっとしてアレのことじゃ」


果南「アレってなにさ」


聖良「私を撃った家政婦が確かに古ぼけた銃を二挺持っていました」


果南「それは今どこに」


理亞「売った」


果南「はぁあ???」
149: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:08:18.35 ID:QE8ERMc/.net
 
理亞「仕方ないじゃない。金が入用だったんだから」


理亞「姉さまのカット代と駐禁切られた罰金とそれから」


果南「知ったこっちゃないんだよそんなのはッ。今すぐその二挺を買い戻して!」


聖良「あんなオンボロに価値なんてないと思ったから売り払ったのに。実際はした金にしかなりませんでしたし」


理亞「そうよ。銃だけで手一杯、他のものを盗る暇なんてありゃしなかった。だからお金が」


   
果南「撃たれたいの?」ガチャコン


果南「それとも売られたい? 娼館から食肉加工場まで卸し先は選り取り見取りだけど」


果南「それが嫌ならさっさと銃を取り戻してきて。一体どこのどいつに売り飛ばしたんだよ」
150: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:09:38.62 ID:QE8ERMc/.net
 
【穂むら】


凛「いやーかよちん様様だよー」


凛「丁度おあつらえ向きの銃が二挺入荷したところだったんだって」


穂乃果「それがこのボロっちくてカビ臭いやつ? 触ったらバラバラになったりしないよね」


穂乃果「…でもカッコいいね」


凛「でしょでしょ? バーン!」


穂乃果「おわっ、急に振り回さないでよ」


穂乃果「ちょっと長すぎるかも。いざって時にぶつけて落としたりしたら大変だよ」


凛「それは凛も思ってた。ここまで隠して持ってくるの苦労したし」


凛「漫画で見たんだけど、頭とお尻を切り落として短くするってのはどう?」


穂乃果「名案だね。物置にノコギリがあったと思うからちょっと見てくる」
151: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:11:53.92 ID:QE8ERMc/.net
 
穂乃果「あ、お父さんいいところに。うちにノコギリってさ」


ほのパパ「」クィ


穂乃果「え? お母さんが呼んでるって」


穂乃果「――小原鞠莉の手下がこの店に来たのっ?」


   
ほのママ「穂乃果」


ほのママ「ちょっとこっち来なさい」


穂乃果「…はい」


   


    

希「サーザエさん、サザエさん~♪」


希「サザエさーんは愉快だなー……んんっ?」


希(おっかしいなークスリやってるわけでもないのに、穂むらがぐにゃぐにゃ歪んで見えるよ?)

   
152: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:13:15.37 ID:QE8ERMc/.net
 

凛「あ、希ちゃんいらっしゃーい」


希「家主はあれ、何やっとんの」


凛「親子のスキンシップ」


希「隣人さんは明日決行するって。そっちの準備は出来た?」


凛「ばっちし」


希「おお、それが例の……二挺しかないの?」


凛「希ちゃんここは日本だよ。無いものねだりは良くないにゃ」


希「オマケに無駄に長いね…でもこのままでいいか」


凛「どうして?」


希「見た目の迫力でビビらせるの。人間が負けてる分武器の方で。撃ち合いはしたくないやん?」


希「向こうは四人で一挺、こっちは三人で二挺。これでようやくトントンかな」
153: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:14:28.72 ID:QE8ERMc/.net
 
凛「買ってきたのは他にもあるよ。まずはこの覆面」


希「おー凛ちゃんナイス」


希「隣に住んでるウチは特に顔を見られるわけにはいかないからね。気が利いてるよ」


   
凛「お次はこれ、引っ越し屋さんの制服」


希「うん?」


凛「首尾よく事が運べば帰り道はきっと大荷物でしょ。これを着てれば目立たなくて済むよ」


希「な、なるほど。凛ちゃん賢いね」


   
凛「そしてこれは凛の自前。高級和包丁セット一式」ガチャ


希「……」
154: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:15:16.68 ID:QE8ERMc/.net
 
凛「考えたんだけどね。不意を突いて銃で脅せても、相手が言うことを聞かなかったら?」


凛「むやみにぶっ放すわけにもいかないでしょ。音が響くからね」


凛「そこで刃物の出番にゃ」シャキン


凛「この肉切り包丁なら指なんて簡単にスッパ落とせるし、軒先に吊るした豚足みたく皮を剥いで捌いてやれる」


凛「凛たちが本気だってことを見せてやろーよ。やつらの身体にきょーふってやつを刻んでやる…」


凛「へ、へへ……包丁のサビにしてやるにゃ……腸抜きして四つん這いで部屋の中を……希ちゃんどうしたの?」


希「あ、いや、なんかごめんね…」


希「これ終わったら何か奢るよ。あとゆっくり休もうな」ポンポン


凛「?…変なの」


希「ところで、この包丁のもっと大きいやつはないの?」
155: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:18:30.10 ID:QE8ERMc/.net
 
【翌日――希のアパート】


   
凛「きたきたっあいつら出てきたよ」


穂乃果「うわぁ犯罪係数の高そうな顔ばっか。今更だけどホントにやれるか心配になってきた…」


希「ああして黒スーツにグラサンでバッチリ決め込んでるやつらに限って中身は大したことないの」


希「みんなあのスタイルに夢見すぎ。大体あれじゃこれからカチコミに行きますよーって宣伝してるようなもんだし」


穂乃果「確かに。じゃああの人たちバカなんだ」


希「バカなんよ。ウチらはそのバカから賢く掠め取るのだ」


希「さ、あいつらが車で出発したら部屋に侵入するよ。このピッキングツールとチェーンカッターで……ありゃ?」


希「チェーンカッターどこいった…?」ゴソゴソ


希「ない…ないよ、道具袋に入ってない」


凛「まさか忘れてきたの? 穂乃果ちゃん家に?」


穂乃果「何やってんのさこのバカー!」
156: 【梨子達のアパート】 2017/10/16(月) 23:20:29.18 ID:QE8ERMc/.net
 






花丸「すぴー…じゅらぁ…」


   
千歌「花丸ちゃんは毎日ほとんど寝てばっかりだなー」


千歌「たまに起きたと思えば、すぐトリップしてまた夢の中だし」


曜「典型的なダウナー体質なんだね」


   
ピンポーン


梨子「千歌ちゃん、出て」


千歌「はいはいどちら様ですかー」


   
『にこにーだよ。また買いに来ちゃった♡』


   
梨子「千歌ちゃん、断って」
157: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:22:00.60 ID:QE8ERMc/.net
 
千歌「あーごめんね。今日は梨子ちゃんが居ないからちょっと無理かなって」


   
『えーっ? 別にあなたでもいいじゃん。中に入れてよぉ』


『せっかく買い溜めしようとお金たーくさん抱えてはるばる来たのにぃ』


 
千歌「って言ってるけど、どうしよっか」


梨子「今何してるか分かるでしょ。売り上げの勘定中」


   
梨子「客を入れられる状態じゃないよ。第一私あの人苦手」
 
158: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:25:02.87 ID:QE8ERMc/.net
 
曜「客商売でその態度はどうかと思うけど」


千歌「そーだよ。うちの旅館もお客さんを選ぶようになってから瞬きする間に潰れちゃった」


千歌「今じゃ自分たちが寝泊まりする場所を探す日々だよ。お母さんたち元気にやってるかなぁ」


千歌「お願い梨子ちゃん。チカが学費を払えるかはここの売り上げに懸っているのだ、うん」


   
梨子「……」


   
梨子「分かりました。ただし今回だけだよ?」


   
梨子「急いでお金を片付けるから、時間を稼いで」


   

千歌「にこさん? 今下に降りてくからちょっと待っててくださーい」

   
159: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:27:11.24 ID:QE8ERMc/.net
 

ガチャ


にこ「やっと開いたー。もーいつまで待たせるの?」


千歌「いやーすみません」テヘヘ


千歌「あれ、どうしたんですかその恰好。誰かのお葬式でもあるの?」


にこ(あんたのね)


   
にこ「ん? あれれ」ガチャガチャ


にこ「檻に鍵が掛かってるよー?」
160: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:31:59.01 ID:QE8ERMc/.net
 
千歌「ああ、それ」


千歌「商売が商売だし、今度からは用心しなきゃと思って」


にこ「ふーん、そうなんだ」


   
にこ「ふざけたこと垂れてんじゃないわよ餓鬼」


千歌「え…」

 
にこ「今すぐここを開けなさい。さもないと」グィ


千歌「な、なにするんですかぁ~」
161: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:32:43.04 ID:QE8ERMc/.net
 
にこ「あんた千歌って言ったっけ。凌遅刑って知ってる?」


にこ「別名千刀万?。英語だとデス・バイ・ア・サウザンド・カッツ」


にこ「古代の中国で行われてた拷問よ。動けなくした後このナイフで」シャキン


にこ「つま先からゆっくりじっくり少しずつ肉を削り取ってあげる」


千歌「ひゃっ」


にこ「痛いわよ~? だって中々死ねないんですもの」


にこ「千なんて言うけど記録だと三千回斬り刻んでもまだ生きてたんだって」


にこ「どんな状態だったのかしらねぇ? 実地体験してみよっか」


千歌「きゅうう~」パタリ
162: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:34:13.32 ID:QE8ERMc/.net
 

海未「にこ、どうなっているのです」


真姫「檻は開いてるって言ったじゃない」


にこ「今日に限って何故か閉まってたのよっ」


にこ「そんで開け方を知ってるやつが気絶しちゃった!」


   
絵里「この子鍵とか持ってないの?」ゴソゴソ


にこ「無駄よ。これパスコード式の電子ロックだわ」


 
海未「とりあえず玄関のドアを閉めませんか。外に声が丸聞こえです」


絵里「そうね…」キィィ


真姫「待っ」


ガチャリ
163: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:35:53.67 ID:QE8ERMc/.net
 
にこ「何やってんの!玄関も電子錠なのよ?開かなくなっちゃったじゃない!」


海未「迂闊でした…これではまるで檻に閉じ込められた獣」


絵里「進むことも戻ることも出来ない。文字通りの八方塞がりね」


真姫「大体にこちゃんの話じゃ警備はザルだって…!」









曜「なんだか下が騒がしいね」


梨子「…!」


   
梨子「曜ちゃん、ライフルを取ってきて」


 
梨子「マズいことになったよ…」

   
164: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:39:48.08 ID:QE8ERMc/.net
 

にこ「ストーップ! 言い争っても始まらないわ」


にこ「やり方を変えましょ。絵里、ハジキを出して」


   
絵里「フフ…やっと出番ね」ゴソゴソ


絵里「これでハチのステーキにしてあげる」ジャキン


    
海未「…なんですかそのザクマシンガンを彷彿とさせるデカブツは」


絵里「DP28軽機関銃、通称スターリンの蓄音機よ」ドヤァ
165: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:42:32.88 ID:QE8ERMc/.net
 
にこ「えーりー…」


にこ「ハジキはあんたが用意するって言うから、てっきりトカレフかマカロフ持ってくるものとばかり」


にこ「だのにその年季入った対空砲は何? スターリングラード再現してって頼んだ覚えはないわよ」


絵里「そこに眠ってるおばあさまの形見なの」フンス


にこ「適材適所って言葉知ってる? 大は小を兼ねないのよ!?」


   


曜「ヤバいよあいつら機銃を持ってる……銃声があの世まで轟きそうなすンごいのを」


梨子「静かにしてて。銃ならこっちにだって…」チャキッ


 
梨子(落ち着いて……まず狙うのはあの金髪)プルプル


梨子(この距離なら外さない……今!)パシュッ
   
167: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:45:15.22 ID:QE8ERMc/.net
 

絵里「――――痛ッ」


   
絵里「ッ~~~~~~~~??!?!?」


 
海未「どうしたんですか突然」


   
絵里「今っ!首にッ!痛いのっ!何か当たって!飛んで来たのが!」


 
にこ「あン? なに夢見てんのよ」


真姫「寝違えたんでしょ」
168: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:46:48.51 ID:QE8ERMc/.net
 

梨子(も一回…!今度はあの赤毛に)パシュッ


   
真姫「ぎゃあ!」


海未「真姫!? 大丈夫ですかっ」


    
真姫「う、撃たれたわ…お尻を」プルプル


 
真姫「これっ、エアガンの弾ね……でも血が出てっ、オモチャの威力じゃ、ない…」


    
にこ「こぉんらぁクソガキ!よくもやったわねー!?」
 
169: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:49:37.94 ID:QE8ERMc/.net
 

――DoDoDoDoDoDoDoDo!!!!!!!!


   
曜「うわ!」


梨子「ひゃ」ダキッ


   

絵里「はラ゛しョオ゛オオォォォオオ゛オォォーッ!!!」DoDoDoDoDo!!!!!


   

チリンチリン…シュウウウウウウ


   
絵里「…快ッ感♡」ホッコリ


 
にこ「このスカタン! 一人勝手に戦争おっ始めるんじゃないわよっ」


   
絵里「え、なに。よく聞こえないの」キーン


 
にこ「無駄弾撃って騒音撒き散らしてもしゃーないでしょ!? あ~もぅ、いいからその銃よこしなさいって!」
   
170: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:51:50.06 ID:QE8ERMc/.net
 
にこ「隠れてるやつら!いるのは分かってるんだからね!」


にこ「出てこないなら、ここでおねんねしてる千歌とかいう子に痛い目にあってもらいましょ」


   
にこ「海未、ここからでもやれる?」


海未「問題ありません。その方の身体を檻の近くに引き寄せてくれれば」


    
にこ「紹介するわ。ここにいる海未はその手の“交渉”のスペシャリストでね」


にこ「通称はめ殺しの園田って呼ばれてんのよ」



   
曜「ハ…ハメ殺し、だってぇ…?」ゴクリ


梨子「い、一体何をされちゃうの…?」ドキドキ
   
171: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:54:02.17 ID:QE8ERMc/.net
 
にこ「海未、やっちゃって」


海未「では」ワキワキ


   
千歌「スー…スー…」


    
海未「……………ふんっ」


   
ゴリンッ
172: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:55:01.15 ID:QE8ERMc/.net
 
ようりこ「っ!」


   

千歌「」ダラーン


 
真姫「驚いた? 脱臼すると人間の腕ってここまで伸びちゃうのよ」


   
にこ「このままじゃカワイソーね。海未、戻してあげて」


   
海未「……ふっ!」


   
ゴキャリン
173: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:56:23.47 ID:QE8ERMc/.net
 

にこ「さ、次は反対側よ。どんどんやってきましょ」


海未「…!」ボギャリッ


   
にこ「ふふん、これは普段中々お金返してくれない人へのペナルティでね」


にこ「一晩中全身の関節を外してはめてまた外して」


にこ「最初は特急列車の警笛みたいな悲鳴がうるさくてしょうがないけど、10本目あたりでその気力も無くなっちゃう」


にこ「そこからが本番よ」ニィ


    
ゴキャン ボグリッ バキリ


   
にこ「これがまた効率のいいやり方なのよ。骨を折らずに、本人や周囲の心を折るには」
    
174: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:57:52.86 ID:QE8ERMc/.net
 
絵里「あの…にこ? したり顔で解説中に申し訳ないんだけど」


にこ「なによ、暴れたり漏らしたり大変でしょうけどそれくらいいつものことでしょ? 我慢して…」


絵里「いや、それがね」


   
千歌「クー…クー…」


    
絵里「この子、ずっと気絶しっぱなしで何のリアクションもないの」


   
真姫「普通激痛で飛び起きるわよ…?」


    
海未「不感症にも程がありますね。人形を相手にしているような気分です」ボギリッ


   
千歌「…ムニャムニャ」


    
絵里「心なしか心地良さそうですらあるわね…」
175: 名無しで叶える物語 2017/10/16(月) 23:59:42.93 ID:QE8ERMc/.net
 
絵里「どうするの? これじゃ見せしめにならないわよ」


真姫「傍目はマネキンで遊んでるようにしか見えないからね」


海未「腱の2、3本切断しましょうか」


にこ「いや、私がやる」


にこ「要は分かり易く派手にぶち撒けりゃいんでしょ」ジャキン
 
176: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 00:00:37.19 ID:EKZ5ucdK.net
    
にこ「聞いてる? オクビョー者のチキンちゃん達ー?」


 
にこ「十数えるまでに出てこないと、この銃でこいつのつま先を吹き飛ばす」


    

ようりこ「…!」
 
177: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 00:02:07.72 ID:EKZ5ucdK.net
 

にこ「いーち」


   


にこ「にー」


   


にこ「じゅう」DOM!


 
千歌「ぁん…」スースー


   

にこ「はーい吹っ飛んだ。すぐ出てこないからつま先吹っ飛んだ」


 
にこ「つーぎーは、どーこーにしーよーうかーなー」ネネネネネ
   
178: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 00:03:36.68 ID:EKZ5ucdK.net
 

梨子「出て行けばまとめてハンバーグの原料だよ…」ガクガク


曜「でも千歌ちゃんを見殺しになんて…! 腕を放してよっ」


   


にこ「決ぃーめたっ次は右腕をスッ飛ばそーっ」


にこ「ごーわん、ばーくさーい~♪」スッ


    
絵里「ガオガイガーはジェネシックが至高よね」


海未「私はファイガー派です」


真姫(スターガオー…)クルクル


   
にこ「ブロォウクン・ファントぉ…」


    

梨子「やめて! いっ今出ていきますから…!」
 
180: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 00:04:44.35 ID:EKZ5ucdK.net
 

曜「千歌ちゃあん!」


   
にこ「動くな」チャッ


海未「他に仲間は?」


   
梨子「…もう一人上にいます。色んな意味で」


 
にこ「ああ、あのいつもぶっ飛んでる子ね。今日もあっぱっぱーってわけ」


にこ「ほら、早くここを開けなさい」


   
梨子「…」ピッピッピ


ガチャリンコ
181: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 00:06:23.05 ID:EKZ5ucdK.net
 
にこ「はぁー狭かった。絵里、この蓄音機返すわ」


梨子「」ドックンドクン


   
にこ「こいつ」


にこ「なにが『梨子ちゃんは居ない』よ」


にこ「嘘つきは恋とドロボーの始まりよッ?」ドゴォ


梨子「うぐっ…!」


 
にこ「この私をナメたことをたっぷり後悔させたげる」


にこ「さあ上に案内なさい!へっぴり船長、アンタが船頭に立ってみんなを先導すんの」


にこ「たのしー航海へ出かけましょ。黄金と緑を求めていざしゅっぱーつ!」
182: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 00:07:10.27 ID:EKZ5ucdK.net
ロック
ストック

トゥー
スモーキング
バレルズ       ×       ラブライブ!
183: ここまでのまとめ 2017/10/17(火) 00:08:19.04 ID:EKZ5ucdK.net
 
【クラッシーBiBi】うみまきえりにこ

・金と大麻を狙って栽培屋への襲撃を敢行


【ボンクラ栽培屋】ようちかりこまる

・麻薬王ツバサの下請け
・にこ達の侵入を許す


【ボンビー3バカ】ほののぞりん

・にこ達の強奪計画に便乗を狙う
・強奪予定の大麻の仲介を花陽に依頼
・鞠莉の欲しがる二挺の猟銃を偶然入手


【コソ泥シスターズ】Saint Snow

・価値に気付かず二挺の猟銃を花陽に売ってしまう


【よろず屋小泉】花陽

・二挺の猟銃を凛達に売る
・凛達が強奪予定の大麻をツバサに仲介することを約束


【麻薬王ツバサ】A-RISE

・キレると怖い
・花陽が自分に卸す予定の大麻が誰のものか気付いていない
192: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 22:48:04.12 ID:EKZ5ucdK.net
 






にこ「ない…ないない、ぬああいっ!」


真姫「靴箱、全部空っぽね」


    
にこ「おいゴラァ!金をどこに隠したか言わないと舌切りスズメの丸焼きよォ!?」


梨子「へ、部屋の奥です、隠し扉があって…」


にこ「だからどこよ、指さしなさい」


曜「全身ぐるぐるに縛られてるのにどうしろって言うんだよぅ」


   
絵里「はぁ…はぁー…」


海未「絵里? 階段を上がっただけで息もあがったのですか」


絵里「この銃……私の体重くらいあるの…」ズッシリ
193: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 22:50:43.64 ID:EKZ5ucdK.net
 

絵里(相手は無力化したし、ちょっと置かせてもらいましょ)


   
「…………………」


   
絵里「あら丁度いいスタンドが。ここに立てかけとこ」ジャキリッ


   
「…………………」


   


「…………………」モゾモゾ

   
194: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 22:52:02.32 ID:EKZ5ucdK.net
 
にこ「チッ、この扉も電子ロック。ここは生物兵器の研究所かっつーの」


   
にこ「ねえあんた達…」クルッ


    

にこ「!?」


   

にこ「………誰よ、そこに立ってるの」


 
真姫「えっ…」


    


花丸「……………」ジャキリッ
 
195: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 22:54:09.87 ID:EKZ5ucdK.net
 

梨子「脳内花畑丸ちゃん!?」


   

花丸「…マルの知らない人たちがいる」


 

曜「いや、回路は正常みたいだよっ?」


   

花丸「梨子ちゃんと曜ちゃんがピンチずら」ガチャコン


   

梨子「二年振りぐらいに正気に戻ってる!」


 

にこ「ヤバっ、みんな避け」


   

曜「やっちゃえ国木田弩ッ砲ー!」


   

花丸「ず…」


 
花丸「ずらぁああああああァァァッ」DoDoDoDoDoDoDo!!!!!!!
   
196: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 22:55:24.19 ID:EKZ5ucdK.net
 
――




プスプス…ガシャン


   
にこ「……みんな生きてる?」


    
「「「なんとか」」」


   


花丸「……」シュウウウウウウ


    
梨子「弾丸坊主ちゃん、追撃して追撃!」


   
花丸「あー、お空が真っ赤に割れてるずらぁ」ピーヒョロロロロ


 
曜「ああっまたエネルギー切れだ、意識が涅槃に飛んじゃってるっ」
197: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 22:56:53.12 ID:EKZ5ucdK.net
 
にこ「このカボチャ頭が」ボグッ


花丸「ほげッ」


にこ「中身詰め直してから出直してきなさい」


   
真姫「エリーあなたもね。得物を手放すなんて何考えてるのよ何も考えてないのね」


絵里「で、でも怪我の功名もあったみたいよ、ほら」


 
海未「どうやら今ので宝物庫への扉が開いた、というより粉々に」


にこ「おお、やっと…」


   

梨子(ああ、おしまいだ。あれを持っていかれたら私たちは…)
    
198: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 22:57:58.61 ID:EKZ5ucdK.net
 

真姫「これは…凄いじゃない」


絵里「とりあえずハラショーと言っておくわ」ハラショー


にこ「見なさいよこれ。テーブルの上にある売り上げ金だけでも数千万あるわ」


にこ「んで本命のクサだけど、こっちはちょっとした植物園ね」


にこ「全部でどれくらいになるのかしら。ひょっとして私たちの現役引退も近いんじゃない?」
199: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 22:59:00.60 ID:EKZ5ucdK.net
 
海未「ですが…多すぎます。とても全部は車に」


にこ「つべこべ言う前に積みなさいよ。持ってきたゴミ袋に詰めて」ガサガサ


にこ「何を心配してるの? 時間はあるし、一度で運びきれないなら何往復でもすればいいじゃない」


海未「ですがあまりぐずぐずしてもいられないかと。車も表に停めっぱなしですし」


海未「この町の警察は無能揃いですが、何故か駐禁の取り締まりだけは熱心ですから」


にこ「そう思うならあんた見てきてよ」

―――

200: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 22:59:41.99 ID:EKZ5ucdK.net
 
―――――


ことり「駐車違反ですっ」


海未(ほら言わんこっちゃない)


ことり「すぐ動かさないとレッカー車を呼びますよ?」


海未「申し訳ありません。ですがほんの少しの間なので」


ことり「ずっとここに停めたままなの、知ってるんですからね」


海未(ああもぅ)


海未「…分かりました。ちょっとこちらへ来てもらえますか」
201: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:00:49.67 ID:EKZ5ucdK.net
 
海未「今荷積みの最中なのですが」


海未「ご覧の通り後部席にはまだ余裕があります。新しい荷物のための」


海未「それは貴女です」シュトウッ


ことり「かっ???」


ことり「」ガクッ


海未「やれやれ…だから警察は嫌いなんですよ」
202: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:02:15.95 ID:EKZ5ucdK.net
 
絵里「うーみーその婦警コスしたカワイイ娘ちゃんは?」


海未「本物ですよ。レッカーを呼ぶとうるさい上に顔を見られたので」


にこ「しょーがないわねぇ。あとでバラしてザリガニに食わせましょ」


絵里「えーっ勿体ない」


にこ「じゃあバラす前に楽しめば?」


真姫「金とハッパとオマケの婦警も積み込み完了。早いとこアジトに引き上げましょ」
203: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:04:46.94 ID:EKZ5ucdK.net
 
【同時刻――にこ達のアジト】


   
穂乃果「さて、何とかふほー侵入できたはいいけど」


凛「一体どこに隠れればいんだろ?」


   
穂乃果「うーん…」


   


穂乃果「とりあえず何か食べ物と飲む物探そっか」


凛「さんせー!」


   
ヴー!ヴー!


『もしもし穂乃果ちゃん? 冷蔵庫漁ってる場合じゃないよ』
204: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:07:43.52 ID:EKZ5ucdK.net
 
希「今アジトの入口が見える位置に停めた車の中からかけてるんだけど」


希「やることは分かってるね? 念のため計画のおさらいをするよ」


   
1.お隣さんの部屋に侵入して隠れる


2.お隣さんが帰ってきたら飛び出す


3.銃で脅して縛り上げる


4.戦利品が積まれたままの車を奪って逃走


5.途中で車を乗り換えて隠し場所にブツを運ぶ


    
希「フフ、我ながら完璧な計画やね」


   
希「と、そんなこと言ってる間にやつらの車が帰って来た。二人はすぐ銃持ってスタンバって」


希「最後の一人が部屋に入るのを確認したらウチも突入するから」
    
205: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:10:18.97 ID:EKZ5ucdK.net
 

キキィ…ガチャ バタン


   
「らくしょーだったわね」


「海未、これ降ろすの手伝って」


 

希(思った通り、全員車から降ろした荷を運ぶのに両手が塞がってる)


希(今度こそ勝機はウチらにあり…!)

   
206: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:13:34.22 ID:EKZ5ucdK.net
 
ガチャ


絵里「はーっ肩こっちゃった。誰か電気つけて」


   
パチッ


 
穂乃果「う、動かないでっ」チャキッ


   
海未「っ…!?」


真姫「なっ何よこいつら…!」


 
凛「ちっちっ、大声は出さない方が身のためですわよ」チャッ


   
にこ「はっ…」


 
希「おっとっと。逃げ場はないよ」シャキン


   
希「さてと――鉛中毒になりたくなきゃ全員その場に伏せてくれる?」
207: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:16:34.39 ID:EKZ5ucdK.net
 
希「お宝を載せた車のキーは頂くよ。それとテープで縛らせてもらうね」グルグル


絵里「くっ」


真姫「サイテー…」


希「少しでも妙なマネしたらお仲間の頭がスプラッタだからね」


   
海未「…」ギリッ


穂乃果(希ちゃん早く! めっちゃ睨んできてるよぅ)


凛「ガン飛ばさないでくださる? ガン撃ち返すわよ」


にこ「…」ニヤッ


   
にこ「アンタたち、こんなことしてどうなるか分かってる?」


希「うん。明日から大金持ち」


にこ「必ず見つけてあげる。逃げられると思わないことね」


凛「やってみなさい。り…私かくれんぼは得意でしてよ」


にこ「必ずよ…」

   
208: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:20:42.78 ID:EKZ5ucdK.net
 






ブロロロロ


穂乃果「……」


希「……」←運転中


凛「……」


   

穂乃果(あ、あれ? フツーに成功しちゃったけど…?)


希(想像してたよりずっと簡単というか、あっさりすぎるというか)


凛(ひと悶着くらいはあるのがお約束じゃないかにゃー?)


 
ほののぞりん「……」


ほののぞりん「ま、いっか」
 
209: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:22:02.40 ID:EKZ5ucdK.net
 
希「二人とも、いちおう戦利品の確認を」


穂乃果「う、うん…」ゴソゴソ


   
凛「大丈夫、ちゃんとあるよ。お金にハッパに」


 
凛「なんだこれ」


   

ことり「ぅ、ぅ~ん…」


 

希「はいトラブルきたぁ!」
 
210: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:24:30.24 ID:EKZ5ucdK.net
   
穂乃果「婦警さんがどーしてこんなところに?」


希「さあね、自分の車と間違えたってことは無さそうだけど」


   
ことり「………ぁ」


希「やばっ目を覚まして」


 
凛「スタンガンでもくらうにゃ」ビリビリ


ことり「あばばば」


   
穂乃果「なんで咄嗟にそんな物騒っ!?」


凛「こんなこともあろうかと。備えあれば憂いなしってね」


希(やっぱ恐ろしいわこの子)
211: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:25:41.20 ID:EKZ5ucdK.net
 
ことり「ぅ……ぁ……」


穂乃果「気絶しない…見かけによらずじめんタイプなのかな」


凛「今度はちゃんと首筋に長い時間当てるよ」


   
ことり「あ…」


ことり「ぁなたたち、よにんのかお……おぼぇたんだから、ね…」


   
凛「もう殺すしかないよ」


希「落ち着け凛二等兵」


穂乃果「そうだよ、私たちまだ覆面被ったままなのに」


凛「あ…そっか」


   
希「ウチらとあいつ等のことを勘違いしてるっぽいね。なんか朦朧としてるし」
212: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:26:56.29 ID:EKZ5ucdK.net
 
希「でもこのまま乗せとくわけにもいかんし」


希「やっぱりもう一度眠ってもらってどこかに捨てよっか」


凛「よしきた」ビリビリビリ


   
ことり「」ビクッビクン


 
穂乃果「凛ちゃんもういいんじゃない?それ以上はやりすぎ」


穂乃果「…よく見たらこの人、いつも穂乃果たちの商売邪魔してきた腐警じゃん」


穂乃果「」ゲシゲシゲシッ


   
希「あとでウチにも代わってなー」

 
213: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:30:20.09 ID:EKZ5ucdK.net
 


―――


希「うしっ、ゴミも捨てたし、お宝の入ったゴミ袋も積み替えかんりょー」


 
穂乃果「じゃあ予定通り、私はこの車をどっかに捨てて」


凛「凛はハッパの見本をかよちんに届けて」


希「ウチはアパートの盗品置き場に金とクサと銃を運ぶね」
214: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:31:05.45 ID:EKZ5ucdK.net
 
凛「でも…ホントに大丈夫かな。またあそこに戻るなんて」


凛「やつらのすぐ隣に戦利品を隠しとくなんてさ」


希「そこが盲点なのだ。あの人らはこれから血眼になって捜索を開始するはずだけど」


希「まさか隣人が犯人とはすぐには思わんでしょ。でもまあ長くは危険やね」


希「早いとこクサを売っ払えるよう、花陽ちゃんに取引を急がせて」


凛「りょーかいです隊長!」


穂乃果「じゃあひとまず解散!」


穂乃果「各自仕事が終わり次第私の家に集合してそれから打ち上げねっ」
215: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:32:32.21 ID:EKZ5ucdK.net
 
【数時間後――ツバサのアジト】


   
英玲奈「これ、炊き立てだ」ホカホカ


花陽「ありがとうございますっ!くぅ~この香り」


 
あんじゅ「」クンクン


あんじゅ「この白いのは確かに上物よ。ツバサも嗅いでみて」


ツバサ「…そのようね」


 
ツバサ「いいわ、買ってあげる。1キロにつき200万でね」


   
花陽「……はへ?」
 
216: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:36:09.36 ID:EKZ5ucdK.net
 
花陽「ま…待ってください! 話が違います、1キロ400万の約束では」


花陽「それだって安いくらいなのに。末端価格800万にはなりますよこれ…」


   
ツバサ「気が変わったの」


ツバサ「400万と言ったのは昨日。今日になったら風向きも変わる」


ツバサ「買うのは明日。さらに半額でね」


 
ツバサ「すぐ捌きたいならそれで納得なさい。これでも輸入物に比べれば大盤振る舞いの価格よ」


花陽「っ……ご飯おかわりください」


ツバサ「この国ほどクサが高く売れる場所もないわ。麻取法バンザイよね」


花陽「うぅ…」


英玲奈「ほら、おかわりだ」ホカホカ


   
英玲奈(こちらの無茶な要求に被せることで自分の要求をさらりと通す。この女交渉の基本が分かってるな)
 
217: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:37:26.56 ID:EKZ5ucdK.net
 
ツバサ「あんじゅ、英玲奈と一緒にこのサンプルを“栽培屋”の所へ届けて」


あんじゅ「いいけど、どうして?」


ツバサ「そりゃあの四人の意見も聞きたいからよ」


ツバサ「見たところあそこで栽培してるのと似た品種のようだし」
   
218: 【梨子達のアパート】 2017/10/17(火) 23:42:17.26 ID:EKZ5ucdK.net
 






英玲奈「これは一体何の冗談だ? 悪い夢でも見ているのか私は」


   

千歌「えへへ…もぅ食べらんないってばぁ、むにゃむにゃ」ドクドクドク


 

英玲奈「つま先を大血壊させて転がってるやつが何故こうもぬくぬく顔で寝言を?」


あんじゅ「本人が幸せならそれでいいんじゃなぁい」


英玲奈「…それもそうだな」


 
英玲奈「だがツバサにとっては違うぞ。間違いなく悪いことが起きた」


あんじゅ「そしてこれから起きようとしてる…よね?」
   
219: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:44:08.66 ID:EKZ5ucdK.net
 
【にこ達のアジト】


にこ「…ありえない」


にこ「部屋中ひっくり返して探したのに、見つかったのはカビの生えたパンツとターボマン人形の右腕だけ」


にこ「盗聴器の一つも出てこないってのは一体どういう七不思議!?」


 
真姫「そんなものないってことでしょ」ハァ


海未「とっくに回収済みでしょうね。犯人たちはそこまで間抜けじゃありません」


絵里「乗り捨てられてた私たちの車も空っぽ、何の手掛かりも残ってなかったわ」


にこ「チッ、間抜けで空っぽなのは私たちの方ってこと?」


 
にこ「…町のチンピラどもを締め上げに行くわよ。片っ端から、一人残らず」


真姫「これからぁ? 私いい加減お尻の治療したいんだけど…」

   
220: 【ツバサのアジト】 2017/10/17(火) 23:45:28.35 ID:EKZ5ucdK.net
 

英玲奈「……」


あんじゅ「……」


   

ツバサ「」スパーッ


   

梨子「…」ダラダラ

   
221: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:47:05.84 ID:EKZ5ucdK.net
 
ツバサ「で?」


ツバサ「その首と尻を撃たれたやつらはどうなったの」


   
梨子「逃げました…その、仲間と一緒に…ツバサさんのお金と商品を持って」


 
ツバサ「違う」


ツバサ「今日の私は麻薬王のツバサじゃない。全殺しの綺羅(キラ・ザ・キラー)よ」


   
ツバサ「やつらを何で撃ったの?水鉄砲?」


ツバサ「私なら本物の銃と電動ドリルを使う」


ツバサ「ブツが戻らなかった時のために今から用意させておく必要があるわね」


梨子(ひぃぃ桜内トンネル開通着工宣言~!)
 
222: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:49:04.33 ID:EKZ5ucdK.net
 
梨子「わっ…私たちはただの雇われ栽培屋です…だから」


ツバサ「ハサミとジョウロじゃ戦えませんと」


ツバサ「私の庭を守るのも庭師の役目でしょうが。あなたも今日から枯れ木内に改名する?」マッチシュッ


梨子(ひぃぃん~もうやだぁぁ)


 
あんじゅ「でもどうするの。犯人を捜そうにもこれじゃ手掛かりが」


ツバサ「手掛かりですって? これよ」パサッ


英玲奈「小泉が持ってきたサンプルか」


 
ツバサ「これが偶然だと思う? 運命って書かれたドリンクバーを混ぜ合わせて楽しんでるチビッ子がいるとでも?」


ツバサ「あの白豚女、米だけじゃ飽き足らず私の粉まで盗んでまた私に売りつけに来たのよ」


ツバサ「呆れかえる白痴っぷりだわ。可愛がってあげたいからすぐここに引っ張ってきて」

 
223: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:52:13.23 ID:EKZ5ucdK.net
 
―――――


ほののぞりん「かんぱーいっ!!!」


穂乃果「いやーあの時は紙一重だったね」


凛「凛なんて未だに全身の毛穴が閉じてくれないよ」


希「二回死んだわウチ」


ほののぞりん「あはははっ!!!」
224: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:52:50.64 ID:EKZ5ucdK.net
 
凛「ところでクサを売る相手のことなんだけど」


希「麻薬王の綺羅ツバサでしょ」


凛「あ、知ってる?」


希「やべーやつだって聞くね」


穂乃果「身長伸ばすマシンで、商売敵を三日かけて伸びるチーズみたいにしちゃったんだってさ」


凛「アハハいいねそれ。凛一度あの機械使ってみたかったんだー」
225: 【ツバサのアジト】 2017/10/17(火) 23:54:58.53 ID:EKZ5ucdK.net
 






ツバサ「よくそんなのん気に食べてられるわね」


花陽「……ふぇ?」モグモグ


ツバサ「そのアホ面を見るに、本当に分かってないようね」


 
ツバサ「何が起きたか知ってれば、この真夜中にノコノコやって来て私の炊飯器にかじりつく余裕なんてないでしょうから」


ツバサ「答え合わせの時間よ。もうすぐ付け合わせのミートパイにされるあなたのお仲間の錬金術士たちは」


ツバサ「奪った私のブツを私に売れると本気で思ってたの?」


花陽「…」ポロッ


ツバサ「うすら馬鹿でもようやく理解が追い付いてきたかしら」
226: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:55:59.27 ID:EKZ5ucdK.net
 
ツバサ「さて…ここからは心して答えて」


    
ツバサ「嘘を吐いたり、とぼけたり、気にくわなかったりする度にその手でお茶碗が持ち辛くなっていくわよ」


 
ツバサ「間抜けさがセールスポイントの仲介屋さんでも、お仲間の居場所くらいは知ってるんでしょう」


    
ツバサ「これからも銭勘定できるくらい指を残したいなら…分かるわね?」

 
227: 【居酒屋】 2017/10/17(火) 23:57:22.84 ID:EKZ5ucdK.net
 

希「ま、あのおチビのでこすけも今回ばかりは無害よ」


希「こっちはあの上物を破格の値で卸してあげるんだから、下手にモメようとは思わないはず」


希「それでも一人頭二億は入ってくる計算なのだ」


希「借金も返せて前途は洋々。ウチらの未来は明るい!」


 
ほのりん「いえーっ!!」


    
希「ささ、どんどん飲んで食べよっ。今夜は寝かせないよー?」

 
228: 名無しで叶える物語 2017/10/17(火) 23:59:11.37 ID:EKZ5ucdK.net
 
【同時刻――オトノキ埠頭】


ボー ボー


   
ヒデコ「オーライ、オーライ」


 
ウィーン


   
ダイヤ「――へえ? 猫を飼い始めたのですか」


果南「うん。鞠莉に借金返せなくなって夜逃げしようとしてたやつの所で見つけたんだけど」
229: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:02:27.63 ID:QEO2mA37.net
 
果南「そいつがさ、借金のカタに取り上げようとした宝石を飼い猫に食べられたとかぬかすんだよ」


果南「そんな口はすぐ生コン流し込んで塞いでやったけど、流石に猫はねぇ…」


果南「うん…猫を殺せるわけないじゃんか…残酷すぎるって…」グスッ


ダイヤ「急に泣き出さないでよ…」


果南「ってことでカタ代わりに貰ってくことにしたんだ」


果南「宝石とかどうでもいいよ、これがまた可愛くてさ…」


ルビィ「ふわぁぁ」
230: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:04:35.35 ID:QEO2mA37.net
 
ルビィ「…ねみゅぃ」ウトウト


果南「無理にルビィを連れてこなくても良かったんじゃない」


果南「ほらアメ舐める?」


ルビィ「わぁ、優しい果南さんありがと!」


果南「どういたしまして」ナデナデ


ダイヤ「あまり甘やかさないでもらえますか」


ダイヤ「我が家ではおやつの時間以外に食べたら爪一枚という約束なの」
231: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:05:11.09 ID:QEO2mA37.net
 
果南「とか言いながらルビィちゃんの両手がキレイなのを見ると、甘いのはどっちなんだか」


ダイヤ「うるさいわね」


ダイヤ「今夜だって、約束を違えた者がどうなるかをこの子に見せてあげようと」


果南(相変わらずダイヤの教育方針ってどっかズレてるんだよねー)


 
鞠莉「…そうよね。プロミスは守らなくちゃ」


鞠莉「さっき日付が変わった。例の三バカの借金の期限は今日いっぱいよ」


鞠莉「それなのに何の連絡もこないって…!一体全体どーいう了見なのあいつら!」
232: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:07:39.92 ID:QEO2mA37.net
 
鞠莉「社会人としてこの態度はないでしょ!? 私たち全員反社会人だけど!」


果南「鞠莉、どうどう」


鞠莉「フーッ、そうね。ビークールにいきましょ」


   
鞠莉「約束を守らないやつには罰を与えればいい」


    
鞠莉「オッケー、沈めちゃって」


果南「クレーンの人、おねがーい」


   
ヒデコ「はいよー」ガコン


    
ウィーン


   
善子「お願いします話を聞いてください少しずつでも返しますから」


    

ルビィ「ぅ~ん…」ウツラウツラ


ダイヤ「ちゃんと見なさい」
233: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:10:24.77 ID:QEO2mA37.net
 

ウィイイイイイイイイイイン


   
善子「やめてください死んでしまいます後生ですからお願い」


    

果南「どれくらい浸けとく?」


鞠莉「最初だし、二分でいいかな…」ヴーヴー


   
鞠莉「あら電話だ――ハロー市長サン?」


   
鞠莉「うんうん、今度のチャリティ・パーティのことね」


    
鞠莉「モッチロン予定通りに開催しますけど? 費用は全部こっち持ちで」



   

善子「小原鞠莉さんいえマリア様どうかご慈悲を――あっ冷たっ!ごボッ」ジャボン


ブクブクブク…
    
234: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:12:40.06 ID:QEO2mA37.net
 

ダイヤ「大丈夫でしょうか」


ダイヤ「彼女を磔にした十字架、所詮はハリボテですし」


ダイヤ「クレーンに吊り下げたら、水中から引き上げる際に壊れてしまうのではなくて?」


   
鞠莉「ま、その時はその時でしょ――ううん、こっちの話よ気にしないで」


 
鞠莉「チャリティだけど、今年中に何らかの形でもう一回は企画するつもり。ええ、大マジよ」


   
鞠莉「ん~別にやましいことは考えてないって。寄付は言うなれば…そうね、ある種の趣味みたいなものだから」


 
鞠莉「そりゃ私はマリア様じゃないけど、ちょっとした善意くらいは持ってるつもりよ――うんホントに」


   

果南「鞠莉、そろそろ二分経つけど引き上げる?」


鞠莉(見てわかるでしょ今電話中――叫ばれたらうるさいからダメ)フルフル
 
235: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:15:11.59 ID:QEO2mA37.net
 
ダイヤ「…しかし私が言うのも何ですけど」


ダイヤ「随分と手間暇かけた余興をしますのね。利益を考えるなら、あまり効率的とは思えないけど」


果南「なにそれ。言いたいことがあるならはっきり言いなよ」


ダイヤ「何事にも限度があると言いたかっただけよ」


   
鞠莉「――ええ、そうよ市長。言わせたいやつには言わせとけばいいの」


 
鞠莉「こっちはキレイ事を言うつもりなんてさらさらナッシング。口だけの連中っていっちばん腹立つのよ」


   
鞠莉「フフ、今年も自称お上品な良識派の方々の顔を拝むのが楽しみよねぇ」


   
鞠莉「あいつらの目の前で、ポルノやギャンブルで儲けたうっす汚いマネーを募金箱の穴という穴にねじ込んでファックしてやる快感ったらないんだから」
 
236: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:16:26.89 ID:QEO2mA37.net
 
鞠莉「嫌がらせ? オフコースノット、やらない善よりやる偽善が正義でしょ? 金とその稼ぎ方に貴賤なしってことを見せつけてやるの」


鞠莉「私はただ、理想に生きるより物質世界の正義を遂行していたいだけなのよ――うん、じゃあそういうことで。グッナイ~」ピッ


 
鞠莉「ふぅ…ちょっとおしゃべりが過ぎちゃったかな。ねぇダイヤ?」


ダイヤ「…はて」


鞠莉「全部聞こえてたでしょ。まあいいや」


   
鞠莉「そういうわけで、ダイヤもマリーの正義を執行するお手伝いをヨロシクプリーズ?」


鞠莉「朝になったら、例の三バカを訪ねて頂戴ね。これ住所」ピラッ

 
237: 【居酒屋】 2017/10/18(水) 00:20:56.51 ID:QEO2mA37.net
   

凛「う~もう飲めないにゃあ」


穂乃果「何言ってんのさ、夜はまだまだこれからだよ?」


希「あーそうだ」


希「潰れちゃう前に、小原さんとこに電話しとかなきゃ」


希「お金は今日ちゃんと持っていきますって」


 
穂乃果「でもまずはハッパを売らないことには」


穂乃果「そのへんどうなってるの凛ちゃん」


   
凛「…かよちんに電話してみよっか」

 
238: 【花陽の家】 2017/10/18(水) 00:22:53.54 ID:QEO2mA37.net
 

Prrrrr…ピッ


花陽「はい…小泉ですけど」


   
理亞『私よ。さっきから何度もかけてるのにどうして出ないの?』


 
花陽「ごめんなさい、今色々取り込んでて…」


   
理亞『まあいい。用件はこの前あなたに売った二挺の銃のことなんだけど』


理亞『お金は返すから、二挺とも買い戻させて』


 
花陽「えーっと…それはちょっと無理かも」
239: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:24:22.55 ID:QEO2mA37.net
 
理亞『どうして? 何なら少し色を付けるわ』


   
花陽「いやそういうことじゃなくて…もう売れちゃって手元にないんです」


 
理亞『はあ? ちょっとそれ』プツ


   
花陽「あれ…」


 

花陽「また勝手に電源が落ちちゃった」


   
花陽「希ちゃんに押し付けられたスマホ…やっぱり不良品だよぉこれ」

 
240: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:25:27.96 ID:QEO2mA37.net
 


理亞「切られた…」


理亞「なんて礼儀知らずなの、この町のやつはどいつもこいつも…!」


    
聖良「で、何と?」


理亞「それが、銃は二挺とも別のやつに売り飛ばしたって」


聖良「…なんてこと」


 
聖良「仕方ない。その旨、松浦果南に伝えましょう」

    
241: 【オトノキ埠頭】 2017/10/18(水) 00:28:09.32 ID:QEO2mA37.net
 

果南「買い戻せません、はいそうですかって訳にはいかないんだよ」


聖良『しかし契約時のブリーフィングでは壁に飾ってある銃と伺いました。これは事前説明の不備では』


聖良『その二挺が目当てなら最初からそう指定してくださいよ。どうしてわざわざ全ての銃と言ったんです』


果南(そっちに銃の価値がバレるとマズいからだよバーカ)


   
果南「じゃあこれも事前説明の不備になるのかな」


果南「雇い主の名前を言ってなかったね。小原鞠莉を知ってる?」


果南「そう、あのブラッディ・マリーだよ。鞠莉に睨まれてこの町で生きていけると思わないことだね」


果南「里帰りする? その場合は家族水入らず、まとめて水の底ってことになるけど」


果南「それが嫌ならせいぜい頑張って銃を取り戻すことだね。奪ってでも殺してでもいいからさ」

 
242: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:29:40.10 ID:QEO2mA37.net
 
ピッ


果南「まったく、使えないやつら…」


鞠莉「何だかメンドーなことになってるみたいね」


果南「ダイヤごめん!仕事増やしちゃって悪いんだけど」


ダイヤ「はいはい、銃の回収も追加ですね」


 
ダイヤ「…ところで津島善子のこと、いつまで浸けておくつもりなの?」


鞠莉「ウップス、すっかり忘れてたわ。引き上げて―!」
 
243: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:30:51.28 ID:QEO2mA37.net
 
ウィイイイイイイイン  


   
ザバァ


鞠莉「…あら消えてる」


鞠莉「プリンセス・テンコーばりの脱出マジック?」


   
ダイヤ「だから言いましたのに…十字架ごと沈んでしまったのよ」


 
鞠莉「まあ別にいいケドー。奇跡が起きれば自力であがってくるでしょ」


鞠莉「あの子が普段吹聴してたように、不滅の肉体と魂の持ち主ならね」








ブクブクブク…

 
244: 【花陽の家】 2017/10/18(水) 00:31:45.99 ID:QEO2mA37.net
 

花陽「あぁ、どうしよ…あれも詰めて、これも」


花陽(小泉花陽、今大ピンチです)


花陽(あの綺羅ツバサに睨まれた以上、この一件が片付いても私の立場は危ういまま)


花陽(もうこの町にはいられません。一刻も早く逃げ出すが勝ちです…!)
 
245: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:33:00.61 ID:QEO2mA37.net
 
ヴー!ヴー!


花陽「またあの人から…もしもし?」


   
理亞『銃を売ったやつの居場所を教えなさい!名前だけでもいいから!』


   
花陽「っ…買ったのは私の友達だけど、全部東條希って人の指示だと聞いてます!」


花陽「私が知ってるのはそれだけです!これ以上は」プツ


   
花陽「……また落ちた」


   
花陽「もういいやこのままで。それより早く荷造りをしなきゃ…!」

   
246: 【居酒屋】 2017/10/18(水) 00:34:12.23 ID:QEO2mA37.net
 

ツーツー


凛「…駄目だ」


凛「さっきから話し中とかでかよちんに繋がんないよ」


 
希「こっちも」


希「小原の店にかけても全然応答なし」


穂乃果「週末だし、きっとみんな忙しいんだよ。私たちと違って」


 
希「…ま、いっか」


希「そーいうことなら朝になるまで待とっか。飲み明かして!」


ほのりん「いえーっ!!」

 
247: 【にこ達のアジト】 2017/10/18(水) 00:35:26.33 ID:QEO2mA37.net
 
――

―――――


にこ「気が付けばもう朝よ」


 
絵里「」ドヨン


真姫「」ファ~


海未「」ギンギン


 
にこ「一晩中駆けずり回ったあげく成果ゼロとはね…」


絵里「ゼロではないわよ…」


真姫「少なくとも、この辺の連中の仕業じゃないわ」


海未「そうですね。近くにいれば流石に気付くはずです」


にこ「気付くですって? 犯人が隣の部屋にいたって分からないクセにっ!」
 
248: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:36:46.25 ID:QEO2mA37.net
 
にこ「あんたらの腐った顔見てるとムカムカしてくんのよ、この役立たず!」バシバシッ


絵里「あだっ」


真姫「何するのよ?」


にこ「うっさい、無駄口叩いてる暇あったら情報集めに行きなさいよこのっ」ゲシゲシ


 
にこ「おら海未、あんたもよっ…あ、ごめんなさい」


   
にこ「待っ、別に本気で怒ってたわけじゃ…昨日からずっとイライラしてて、悪気はなかったの!」


 
真姫「よく言うわ、散々人のことコキ使って」ドカッバキ


絵里「そのあげく八つ当たり? バカにするのもいい加減にしなさいよ」ポカポカ


海未「」パシパシパシーン
 
249: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:38:05.91 ID:QEO2mA37.net
 
絵里「いっせーので持ち上げるわよ」


   
にこ「おっ降ろして!降ろしてくださーい!」


 
真姫「壁に放り投げてやりましょ」


   
にこ「やめてー!」


 
海未「はぁっどっせい!」ブンッ


   
にこ「にごお゛お゛お゛おぉぉ」


 
ドガァ! パラパラパラ…

 
250: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:39:32.28 ID:QEO2mA37.net
 

海未「壁が崩れて…」


真姫「けほっ、まさかここまで脆かったなんて」


絵里「おーい、にこ生きてるー?」


 
シーン


    
絵里「どうしよう…頭を強く打ち過ぎたのかしら」


 


「こんな近くに………のね」


    

海未「にこ…?」


 

「みんなもこっちに来て見て。これは徹夜明けの幻覚じゃないわよ」


    


にこ「金もクサもついでに銃も――全部ここにあったんだわ!」
 
251: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 00:40:35.98 ID:QEO2mA37.net
ロック
ストック

トゥー
スモーキング
バレルズ       ×       ラブライブ!
252: ここまでのまとめ 2017/10/18(水) 00:41:44.78 ID:QEO2mA37.net
 
【ボンクラ栽培屋】ようちかりこまる

・麻薬王ツバサの下請け
・にこ達に金と大麻を盗まれる


【ボンビー3バカ】ほののぞりん

・にこ達から金と大麻の横取りに成功
・ブツと二挺の猟銃は希のアパートで保管
・朝一でアパートに帰宅予定


【麻薬王ツバサ】A-RISE

・買うはずだった大麻が自分のものと気付いて激おこ
・花陽から希たちの居場所を聞き出す


【よろず屋小泉】花陽

・荷をまとめて逃亡モード


【コソ泥シスターズ】Saint Snow

・二挺の猟銃を鞠莉に献上しないとヤバい
・銃は多分希ってやつのところ


【アブノーマルカップル】まりかな

・借金の期限は今日まで
・二挺の猟銃はよ


【金剛回収屋】ダイルビ

・借金と猟銃の回収請け負う


【クラッシーBiBi】うみまきえりにこ

・奪った金と大麻を奪われる
・上記のブツと二挺の猟銃を隣の部屋で発見


【駐禁ポリス】ことり

・そこらにポイ捨て
・にこ達四人の顔を見ていた


【多重債務者ヨハネ】津島

・マリアに虐待されるキリスト
・ガリラヤの奇跡の再現なるか
 
258: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:15:37.01 ID:QEO2mA37.net
 








Prrrrr…Prrrrr…


   
花陽「凛ちゃん出ないよぉ……あ、また電源が」


 

花陽「もう時間切れです。ごめんね凛ちゃん」


   

花陽(花陽は遠くから無事を祈ってます)


 
―――

――

259: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:17:46.56 ID:QEO2mA37.net
 


凛「むにゃむにゃあ」


   
凛「………ロン、發のみ1300!」


 
凛「はッ…夢か」


    
凛「びっくりした、夢の中でも借金背負って賭け麻雀やらされてるなんて」
260: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:18:54.62 ID:QEO2mA37.net
 
穂乃果「う~…大声ださないでよぉ…頭いたい」


希「すぴー…りちゅある…」


   
凛「二人とも起きてー清々しい朝だよ」


 
穂乃果「そんな朝があるもんか」


希「夜まで寝かせてー」


   
凛「もーしっかりしてよ。ハッパを売って借金返しに行くんでしょ?」

   
261: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:23:12.08 ID:QEO2mA37.net
 
【同時刻――希の部屋】


海未「間違いありませんね。これは昨日奪った金とハッパです」


にこ「この二挺の猟銃も、にこ達を襲った犯人が使ってたやつよ」


絵里「ついでにおばあさまの形見も取り返したわ♪」ガチャコン


   
にこ「喜ぶのはまだ早い。金とハッパを奥の部屋へ」


にこ「こんなふざけたマネをしてくれたやつらをブチブチぶち殺さないことには気が済まないわ」


にこ「ここで待ち伏せよ。帰ってきたところを滅多撃ちにしてやるんだから」
262: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:24:59.70 ID:QEO2mA37.net
 


真姫「…」ジー


   
にこ「真姫? あんたちゃんと聞いてるの」


絵里「どうしたのかしら。さっきからずっと猟銃を見つめて」


    
真姫「……間違いない」


   
真姫「これ、パパのだ……覚えてる、私…」

    
263: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:27:16.12 ID:QEO2mA37.net
 







ドォン!ドォン!


   
まき『わぁパパかっこいいー』


 
パパ『危ないから後ろの方にいなさい』


   
まき(…いっつもこれだ)


 
まき(おやすみのひでも、パパはわたしにみむきもしない)


まき(てっぽーをさわったりみがいたりするのにむちゅうで)


まき(そんなにいいものなのかな。わたしより?)
 
264: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:29:17.39 ID:QEO2mA37.net
 

まき(ちょっとみてみよう…)


   
まき『わっ、おもた…!』


 
パパ『――何してるんだ、離れなさい!』


   

まき『わっ、わわっ』


 
パパ『危ない!』


   

――DOM!

 
265: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:30:26.14 ID:QEO2mA37.net
 


   

まき『わああああんごめんなさいごめんなさい』


    

まき『わたしのせいでパパのおててが…』


   

まき『ぐすっ、わたし、パパがわたしよりてっぽーのほうがいいのかなっておもって、それで』


    

パパ『……真姫の方が大事に決まってるだろう』


   

まき『うわああああああああん』
    
266: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:32:37.92 ID:QEO2mA37.net
 







まき『やああああああっわああああああ』


   
パパ『なんだこの散らかり様は。一体何があったんだ』


 
和木『それが、壁の銃を見た途端急に暴れ出して』


   
パパ『………』


   
パパ『もうこれを飾るのはよそう。物置にでもしまっておいてくれ』


   

まき『わあああああああああ』


   
パパ『静かにしなさい!』


   
まき『ひぐっ』

 
267: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:37:09.64 ID:QEO2mA37.net
 
――

―――――


にこ「ちょ、一つ寄越しなさいって! なんで一人で二挺も持つ必要があんの!?」


真姫「嫌っ、これは私たちのなの!」


 
にこ「はーっ、はーっ…どうしたっていうのよ」


絵里「久々にワガママッキーが出たわね。ああなった西木野さんは手ごわいわ」


   
にこ「けっ、海未はポン刀持ってるからいいとして、私だけ手ぶら?」


絵里「毛ばたきとかラバーカップがあるじゃない。そっちの方がお似合いよ」


にこ「おい、どーいう意味よそれ」


   
海未「まあまあ、ここは一旦そっとしておきましょう。何やら訳ありのようですし」


海未「…そう。人には誰しも忘れ難い過去があるものです」
 
268: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:39:14.34 ID:QEO2mA37.net
 
絵里「海未? 前から思ってたんだけど、ひょっとしてあなたも」


海未「過ぎたことですよ」フッ


絵里「育ちの悪いにこやロシアの私はまだしも、海未みたいな子がギャングやってるのは不思議だったのよ」


   

海未「…私が何故この世界に身を堕とすことになったか」


 

海未「それを語るにはまず、父の経営していた道場」


   

海未「カマ掘モーホーファン倶楽部の失敗から始めなければなりません」


 
にこ「あーいいわ大体察せたし。回想ノーセンキュー」


絵里「そうよ。回想は死亡フラグだっておばあさまも言ってたわ。エリチカ過去は振り返らない」


    

真姫(パパ…)ギュッ

 
269: 【あばら家】 2017/10/18(水) 22:41:03.91 ID:QEO2mA37.net
 


チーン


仏壇『』


 
ダイヤ「…それでは行って参ります。お父さまお母さま」ペコッ


   
ルビィ「眠いよぉ…」ウツラウツラ


ダイヤ「ほら、貴女もちゃんと手を合わせて」


ダイヤ「昨晩遅かった分睡眠はたっぷり取ったはずでしょう」


ルビィ「すきま風が寒くて、中々寝付けなかったの…」


 
ダイヤ「…あの立て付けの悪い引き戸のせいね。今度家主に交渉してみるわ」
   
270: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:43:50.64 ID:QEO2mA37.net
 

ダイヤ(隙間とささくれだらけの木扉。歩く度軋んだ悲鳴を上げる廊下。何をやっても改善しない雨漏り)


   
ダイヤ(ここは酷いあばら家ですが、それでも)


 
ダイヤ(少し…ほんの少しだけ、懐かしの我が家を思い出します)


    
ダイヤ(二度と戻れぬ幼き日々の記憶ですけど…)


   
ヒュオオオオオ…


 
ルビィ「ぴぎっ」


ダイヤ「…冬が近いわね」


   
ダイヤ「さあ出発するわよ。鞠莉さんに貰った地図によると、ここから一番近いのは東條希のアパートね」


 
ダイヤ(今やらねばならないのは、これからの時期に備え、目の前の食い扶持を逃さぬこと)


ダイヤ(アイスは好きだけど姉妹仲良くアイスマンになるのは御免だもの。この子が一人前になるまで、私が守ってあげないと)


ダイヤ(そう思えばこの寒さも、身が引き締まる思いですわ)

   
271: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:44:59.56 ID:QEO2mA37.net
 
―――――


穂乃果「う~さぶっ」ブルッ


穂乃果「…来る時期間違えてるよ冬ショーグン」


穂乃果「凛ちゃんはパーカーのフードだけでよく平気だね」


凛「二人が着てるロングコートみたいなのって動きにくそうで苦手ー」


希「冬の訪れを楽しめなくなったのはウチらが大人になった証拠やね。悪い意味で」


穂乃果「どーでもいいけどアパートまで歩くのしんどいよー」


凛「身体動かした方が目も酔いも覚めるって」


希「ここまで来てつまらんことで捕まりたくないしね」


希「向こうに着いたらウチの車があるからそれまでの辛抱よ」
 
272: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:47:56.28 ID:QEO2mA37.net
 

穂乃果「ふわぁぁ、まだフラフラする~」


凛「!…穂乃果ちゃん車がっ」


   
プァァァン


 
穂乃果「わっ」


   
ブォォォォォ…


 
穂乃果「危な…!もうちょいで轢かれるトコだった…」


凛「気を付けなよもー。シャレにならないにゃあ」


   
希「でも今の白バンも大分飛ばしてたなぁ」


希「こんな朝っぱらから何を急いでるやら」

 
273: 【車中】 2017/10/18(水) 22:49:22.49 ID:QEO2mA37.net
 


梨子(もう少しではねちゃうトコだった…)ドキドキ


ツバサ「今度人が飛び出してきても避けなくていいわよ」


   
ツバサ「さてお嬢さん達、用意はいいかしら」


 
英玲奈「…」ジャキリ


あんじゅ「…」コクッ


   
ツバサ「思いっきり派手にやって頂戴。その場に動くものがいなくなるまで撃ちまくって」


ツバサ「私たちに爪を立てたらどうなるか、町中に知らしめてやるのよ」
 
274: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 22:53:51.94 ID:QEO2mA37.net
 
梨子「あ、あのー」


梨子「私は何でここにいるんでしょうか…」


ツバサ「運転させるためだけに連れて来たと思う?」


ツバサ「あなたの役割は人相の確認」


ツバサ「ただし、死体にした後でね。どのみち現場にいるやつは皆殺しよ」


   
ツバサ「まずは東條希ってやつの家から。金とハッパが見つかるまで続ける」


ツバサ「金とハッパを見つけた後も、犯人が全員死ぬまで続ける」


 
ツバサ「見えてきたわよ。みんな銃のチェックを怠らずに」チャキッ

   
275: 【希のアパートの近く】 2017/10/18(水) 22:55:50.85 ID:QEO2mA37.net
 


聖良「…」チャコッチャコッチャコッ


理亞「屋敷から盗ってきた銃がたくさんあって助かったね」ジャキリッ


聖良「使うことにならないといいんだけど」


理亞「自分が撃たれるよりマシよ」


   
理亞「姉さまも見たでしょ。あの果南とかいうゴリラ、懐にデザートイーグル忍ばせてたわ」


理亞「あんなのの的にされたくない。行きましょ」


 
聖良「!…待って、何かしらあの白バン」


   
聖良「アパートの真ん前に横付けしたわ」

   
276: 【希の部屋】 2017/10/18(水) 22:59:02.52 ID:QEO2mA37.net
   


絵里(今の音…)


 
海未(住人が帰ってきましたか)


   
にこ「迎え撃つわよ。構えて」


 

絵里「」ジャキン


    

真姫「…」ブツブツ


   

にこ「」ドキドキ


 

海未「…」ゴクリ

    
277: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:00:35.36 ID:QEO2mA37.net
 

ツバサ「突入!」


   

バキッ バァン!


 


英玲奈「ッ…!?」


   

絵里「え…?」チャキッ


 

あんじゅ(武装してる…! 私たちの襲撃を察して?)


   

にこ(誰よこいつらは!?)


 

海未(存じませんが、武器を向けられている以上)


   


――殺らなきゃ殺られる!

 
278: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:01:58.17 ID:QEO2mA37.net
 

DoDoDoDoDoDoDo!!!!!!!

   
               BANG!BANG!BANG!―――
          
    
 DOM!DOM!  バリィィィン! ガシャァァン!
              
 
279: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:03:01.69 ID:QEO2mA37.net
 

聖良「!?」ビクッ


   
理亞「何が起きてるの…」


 
聖良「知らないし知りたくもない」


   

理亞「どうする…? 私たちも動くの?」


 
聖良「…もう少しここで様子を見ましょう」


   
理亞「……そうね」

 
280: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:06:26.67 ID:QEO2mA37.net
 


海未「よくも絵里を…! はァッ」SLASH!


あんじゅ「ぎゃあ!」


   
英玲奈「あんじゅ!」DOM!


海未「ぐふッ」


 
英玲奈「もう一発…」カチカチッ


   

英玲奈「クソ、弾切れか」


 

英玲奈(お、こんな所に猟銃が。これを拝借して)


   


真姫「それに触らないで」バキッ

    
281: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:07:44.28 ID:QEO2mA37.net
 
英玲奈「ぐっ…!」


真姫「ねえ、あなた」チャキッ


真姫「散弾で撃たれた人体がどうなるか知ってる?」


真姫「例えば右手を撃ったら」DOM!


   
英玲奈「がっ…!」


 
真姫「ほら、丁度スパークリングワインの開栓作業に似てるのよね」


真姫「手首から上がコルクよろしくすっ飛んでいくの、ポン!って音を立てて」


真姫「切り口から真っ赤なのがしゅわしゅわ溢れ出てくる」


真姫「でもね、動脈があるからって思ったほど出血はしないでしょ。すぐにキレの悪いお小水みたいになって」
   
282: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:09:19.46 ID:QEO2mA37.net
 
英玲奈「…ころ、せっ」


真姫「そう、パパの右手に宿っていたブラック・ジャックは私が殺しちゃった」


真姫「あれから何もかもがおかしくなった。幸せの小鳥が逃げていったの」


   
にこ「真姫、そいつにトドメを!」


 
真姫「この二挺は誰にも渡さない。これは私たちのだもん…」フラ~


   
にこ「うおい、どこ行くの!? 戻ってきなさーい!」


 
ツバサ「よそ見してる暇があるのかしら」


   
にこ「ッ…!」

 
283: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:12:00.18 ID:QEO2mA37.net
 

――BANG!BANG!BANG! バリィィン


   
真姫「これ持って帰りましょ……どこに?」


 
真姫「丘の上のおうち…パパ入れてくれるかな」


   
真姫「…そうだ」


 
真姫(お金の詰まったバッグ。これも持っていけば喜ぶかしら)


   
真姫(きっと喜んでくれる。また三人でやり直すのよ)


    
真姫(裏口から外に出て――どこかで車を調達しなきゃ)


   
ガチャ バタン


    
ダイヤ「ごきげんよう」
 
284: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:13:26.17 ID:QEO2mA37.net
 

真姫「だれ…?」


ダイヤ「今日が期限です。約束のものを回収に参りました」


真姫「…なんのこと」


ダイヤ「あくまでしらを切るおつもり…」


   
ダイヤ「なら致し方ありませんねッ」ゴチン!


真姫「ぶっ…!」ドサッ


 
ダイヤ「このバッグですね。毎度どうも」


ダイヤ「…あら?」


   
ダイヤ(これ、鞠莉さんが探していた猟銃じゃないですか)


 
ダイヤ「何故ここにあるのか分かりませんが手間が省けました」


ダイヤ「有難く頂戴していきますわね」

   
285: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:15:46.63 ID:QEO2mA37.net
 

理亞「あいつが持ってる猟銃よ!間違いない」


聖良「ええ。取り返しに行きましょう」


 
理亞「……」


   
聖良「……」


 
聖良「どうして動かないの」


理亞「そっちこそ」


   
聖良「私はここで車の番をしてようかと」


聖良「もう駐禁を取られるのは御免なので」

   
286: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:17:01.04 ID:QEO2mA37.net
 

ガチャ


ルビィ「あ、お姉ちゃんお帰り」


ルビィ「その銃どうしたの?」


ダイヤ「神様からの贈り物よ」


ルビィ「わぁ、いつも頑張ってるお姉ちゃんへのご褒美かな」


ルビィ「なんだか今日は凄く良い日になりそうな気がしてきたかも」


ルビィ「早く鞠莉さんたちの所へ行こうよ」


ダイヤ「ルビィ、何か忘れてない?」


ダイヤ「私が車を発進させる前に」


ルビィ「シートベルトを締める、だね」カチッ

 
287: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:19:28.88 ID:QEO2mA37.net
 

理亞「どうしたっていうの? サイドテールと一緒に意気地まで吹っ飛んじゃったわけ?」


聖良「そんなことない。ただ私の担当は車の運転というだけ」


理亞「産まれたての小鹿みたいなドラテクの持ち主がえばらないで」


聖良「そう言うあなたは免許持ってないじゃない」


理亞「ぐ…そっちだって三回も落ちてた」


聖良「でも受かりましたから」


理亞「ぐぬぬ…姉さまなんか、姉さまなんか…」


理亞「…いい歳して風呂上がりにマッパで徘徊ウーマンのクセに」


   
理亞「っていうか家だと裸族気味なのやめてよホントに」


聖良「それは今関係ないでしょ」


聖良「この町が暑いのが悪いんですよ。向こうにいた頃は」


 
理亞「っ…相手の車が出たわ!早く後を追って」


聖良「モチのロン……あれ?」キュルルル


   
聖良「なにこの振動、地震?」ガガガッ



理亞「サイドブレーキ下ろし忘れ!」

 
288: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:24:25.88 ID:QEO2mA37.net
 


真姫「うぅ…痛ったぁ」


   
真姫「……よくも」


   
真姫「私たちの思い出を奪ったわね」


   
真姫「許さない」


   

真姫「そこの車、停まって!」
   
289: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:26:39.06 ID:QEO2mA37.net
 
ガチャ


運転手「…なにするのあなた」


真姫「ほら、降りなさいよッ」グィ


   
キャー ナンダアイツ


 
真姫「手間をかけさせないで」バタン


   
運転手「返して私の車…」


 
真姫「邪魔」キュルルル


    
ブロォォン…ドツン!


   
真姫「待ってなさい…すぐ取り返しに行くわ」


 
ヒトガハネラレタゾー ダレカキュウキュウシャー

    
290: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:28:00.39 ID:QEO2mA37.net
 






にこ『あ~ヒマ』


絵里『マリカか桃鉄やる?』


にこ『飽きてないのアンタだけだと思うわよこの中で』


絵里『じゃあボンバーマンは』


真姫『…』クルクル


海未『もっとヤクザらしいことをしませんか?』


にこ『ヤクザらしいことって何よ』


にこ『ヤクザは暇な時ロシアンとか花札しかやらないとでも?』


にこ『沖縄くんだりまで行って紙相撲やるヤクザだっていんのよバカヤロコノヤロー(棒)』
   
291: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:30:04.22 ID:QEO2mA37.net
 
にこ『絵里ー罰としてなんか面白いこと言いなさいよ、一行で』


絵里『えー…罰ってなによ罰って』


絵里『…そうね』


絵里『この前お持ち帰りした子が酷い喘息もちだったのよ』


 
にこ『……』


   
にこ『いーひひひっあひゃひゃくひひっ』
 
292: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:31:45.51 ID:QEO2mA37.net
 
真姫『気持ち悪っ』


にこ『ふひゃひひははっやばいツボったお腹痛いぃ』


海未『何をそんなに悶えているのです。今の話のどこに笑える要素が?』


にこ『やばいやばいって私が呼吸困難よもぅ』


にこ『ひーっ、ひーっ…』


   
――

――――


 
にこ「ヒー…コヒュー…ヒー…」


ツバサ「随分と苦しそうね」カチ…シュボッ
 
293: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:33:06.90 ID:QEO2mA37.net
 
ツバサ「フーッ…ほら餞別よ。あなたも一服しなさいな」


ツバサ「しっかり咥えて。楽になるかもね」


   
にこ「ヒュ――ゴプッゴポッ!――ゴホゴハッゲヘッッッ!!!」


 
ツバサ「へえ、面白い。タバコの煙ってこうやって吸い込まれていくんだ」


   
梨子「なにを…してるんですか」


ツバサ「ん…ああ、首を撃った相手ってこいつのこと? 私が代わりに穴開けといてやったわよ」


梨子「いえ…違います」
   
294: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:34:43.30 ID:QEO2mA37.net
 
にこ「コヒュッ…!ヘァヒュガ――ゲヘァ」バチャバチャ…


ツバサ「見てよこのおチビちゃん、タバコ吸わせてあげたら自分の血反吐でうがいし始めて」


ツバサ「早く穴に噴水と煙突を立ててあげなきゃ」クスクス


   
にこ(う、み……えり…)


 
海未「」


絵里「」


   
梨子「…この人だ」


梨子「私が首を撃ったのはこの人で間違いありません」


 
ツバサ「お尻の君は?」


梨子「見当たらないです…」


   
ツバサ「そう、ならさっさとクサを車に運んで」


ツバサ「逃がさないわよ子猫ちゃん。すぐにとっ捕まえて皮をひん剥いてあげる」
 
295: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:37:40.77 ID:QEO2mA37.net
 

にこ「ヒュー…ュ…」


   
にこ「」


 
ツバサ「フン、虫の息も打ち止めね」


   


梨子「ツバサさん、全部積み終えました!」


 

ツバサ「…よろしズドムッ!


   

ツバサ「――あ?」ブシュウウウウ
 
296: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:39:15.13 ID:QEO2mA37.net
 

ツバサ(なに――首から煙が――私も? 赤いのが液漏れしてるんだけど)ドサッ


   
にこ「」ニッ


 
ツバサ(なんでこいつの顔が目の前に――倒れたのか私――死んだフリとか姑息すぎ)


    
ツバサ(マズいヤバい逝く――逝く時ってもっとこう段々意識が遠のくものかと)


   
ツバサ(これあれだわ今にも電池切れしそうなゲーム機よ突然ブチって切)


 
ツバサ「」

    
297: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:41:30.04 ID:QEO2mA37.net
 






ブォォォォォ


梨子(ツバサさんも居なくなちゃった…!じゃあこのハッパはどうすれば)


   
梨子「……」


    
梨子「退職金」


   
梨子「うん、そうだよ。千歌ちゃんも怪我しちゃったし」


   
梨子「ちょっとくらいもらってもいいよね? 私たちあれだけ働いたんだし!」


 
プァァァン


   
穂乃果「わわっ」


    
穂乃果「また轢かれかけた…危ないじゃんかー!」


凛「さっきと同じ白バンじゃない?」


   
希「どうしてウチの部屋の前から…」


希「まさか」

 
298: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:43:11.62 ID:QEO2mA37.net
 


シュウウウウウウウウ…


   
英玲奈「」


海未「」


あんじゅ「」


絵里「」


ツバサ「」


にこ「」


 

凛「なんじゃこにゃあ」


穂乃果「完っ全に事後だこれ」


希「お金とハッパは!?」

 
299: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:44:53.35 ID:QEO2mA37.net
 


希「……駄目、何もかも綺麗さっぱり無くなってた」


   
穂乃果「ここで一体何が」


希「わかんないけど、悪党どもが盛大にスワップしたあげく死体しか残らなかったのは事実やん」


 
凛「やばいにゃ…やばいにゃ…」


希「もうおしまいよ…アンゴルモアの大王さんが遅れてウチらのトコにやって来た…」


    
穂乃果「と、とにかくこの場を離れようよ!」

   
300: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:45:49.76 ID:QEO2mA37.net
 
【鞠莉の店】


鞠莉「ワッツ?」


ダイヤ「ですから、現金5000万と猟銃二挺を回収してきました」


ダイヤ「何を驚いているの。これがお望みだったのでしょう?」


鞠莉「確かにそうだけど…」


   
鞠莉「猟銃もホンモノだし、金もちゃんと揃ってるわね」


果南「銃はどこにあったの?」


ダイヤ「それも東條希のアパートで」


果南「…??」
   
301: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:47:13.38 ID:QEO2mA37.net
 
鞠莉「何はともあれよくやってくれたわ」


鞠莉「これでルビィと美味しいものでも食べて」スッ


ダイヤ「…どうも。では私はこれで失礼します」


   
ダイヤ「あ、そうそう。入ってくる時気付いたのですけど」


ダイヤ「表の看板無くなってましたわよ。誰かに悪戯でもされたんじゃなくて?」


 
果南「あーアレ前から外れかかってたんだよね」


鞠莉「後で業者を呼ばなくちゃ」


鞠莉「前のは小さすぎたから、今度は嫌でも目に入るようなビッグなのを作ってもらおっと」

   
302: 【店の前の通り】 2017/10/18(水) 23:49:15.15 ID:QEO2mA37.net
 


ダイヤ「フンフフンフンフン~」


   
理亞「出てきたわね。のん気に鼻歌なんか歌っちゃって」


聖良「猟銃を持ってないところを見ると、やはり中にいる誰かに渡してきたと見るべきか」


聖良「一体誰なんでしょうか…」


    
理亞「誰でもいい。少なくとも小原鞠莉よりはマシ」


理亞「いい加減覚悟を決めなきゃ」


理亞「さもないと私たち、北海道産のラベルを張られて明日の特売コーナーに並ぶのよ?」


聖良「…わかった。銃を持って」ガチャ
   
303: 名無しで叶える物語 2017/10/18(水) 23:50:36.52 ID:QEO2mA37.net
 

聖良「ここ、何の店かな」


理亞「さあ? 看板も出てないし分からないね」


   


   


    
真姫「……」

   
304: 休憩 2017/10/18(水) 23:50:58.86 ID:QEO2mA37.net
ロック
ストック

トゥー
スモーキング
バレルズ       ×       ラブライブ!
305: ここまでのまとめ 2017/10/18(水) 23:51:45.89 ID:QEO2mA37.net
 
【麻薬王ツバサ】A-RISE

・希の部屋にカチこみ待ち伏せていたにこ達とエンカウント
・大麻を取り戻すも全員あの世まで片道トリップ


【漁夫のリリー】桜内

・怖いボスが消えて大麻だけが手元に
・今日限りでバイトやめます


【クラッシーBiBi】うみえりにこ

・真姫の脱退と残りメンバーの全滅により解散


【トラウマッキー】西木野

・金とパパの猟銃をダイヤに奪われる
・彼女を追って鞠莉の店に辿り着く


【コソ泥シスターズ】Saint Snow

・猟銃を追って鞠莉の店に辿り着く
・鞠莉に殺されたくない中に入って取り返さなきゃ


【アブノーマルカップル】まりかな

・金と猟銃まで希の部屋から回収できたことに困惑中


【金剛回収屋】ダイルビ

・仕事は終わったのでおうち帰りますわ
・鞠莉の店を出てルビィの待つ駐車場へ


【ボンビー3バカ】ほののぞりん

・死体しか残っていない希の部屋で途方に暮れる
 
306: 【希の車】 2017/10/19(木) 00:57:15.25 ID:jQGduvx0.net
 


希「悪手よ、それは」


穂乃果「握手して仲直りできるならいくらでもするよっ」


   
穂乃果「とにかく電話を貸して!穂乃果が事情を話すから」


穂乃果「一度はちゃんとお金を揃えたんだよ? ちゃんと説明すれば向こうだって分かってくれるよ」


希「そんな血も涙もある相手なら良かったんだけど」


 
穂乃果「お願い…! 責任取るのが穂乃果たちだけならともかく」


凛「あーあー聞こえない。これは悪い夢にゃ」


穂乃果「…実家にまで迷惑かけたくないの」


穂乃果「自分勝手なのは分かってる…それでも私は」


   
希「………わかった」


希「ウチがかけるよ。それが筋だしね…」

 
307: 【店内】 2017/10/19(木) 01:00:14.46 ID:jQGduvx0.net
 


   
理亞「っ…」バクバク


聖良「…」ドキドキ


 
理亞「…ちょっと、姉さまが前歩いてよ」


    
聖良「後衛は任せて」


   
理亞「いつもそうやって尤もらしいこと言って誤魔化し…っ!?」


    

聖良「どうしたの」


   

理亞「その…」


   

理亞「後ろにいるの、だれ?」


    

真姫「……」

   
308: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:01:31.86 ID:jQGduvx0.net
 

Prrrrr…ガチャ


鞠莉「ハーイ純潔のマリーデェス。あら希?」


鞠莉「グッドタイミングね。丁度こっちからかけようと思ってたところ」


   
鞠莉「まず借金の5000万だけど、さっき確かに受け取ったわ」


鞠莉「どうやって用意したか知らないけど、それはひとまず置いといて」


鞠莉「マリーが興味あるのは、銃のこと」


   
鞠莉「説明してもらえるかしら。私の探してた二挺の猟銃がどうしてあなた達の所にあったのか」


鞠莉「今から全員で店に来て。二階のオフィスで待ってるから」
 
309: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:03:11.15 ID:jQGduvx0.net
 

聖良「む~っ」モガモガ


理亞「姉さま静かに!ここで大きな声出したらマズいでしょ」


聖良(だって…!)


   
真姫「…」ブツブツ


    
聖良(絶対幽霊じゃないですかあんなの! まるで生気の感じられない顔に血がべっとり…!)

   
310: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:05:06.07 ID:jQGduvx0.net
 
真姫「見たのよ……パパの猟銃が……ここに…」


理亞「猟銃…?」ピクッ


   
真姫「………それ」


 
真姫「あなた達、その銃を寄越して!」ガシッ


   
理亞「あっ何するの!それは私たちの」


   
真姫「うるさい、これもパパの銃じゃない!」


    
理亞「はぁ?」
   
311: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:07:28.34 ID:jQGduvx0.net
 

果南(何だか廊下が騒がしいような…)


鞠莉「~♪」フキフキ


鞠莉「こんなのを何千万も払って買うやつはバカよね~ぶっちゃけ普通のと違いが分からな――あら?」ガチャリ


鞠莉「この銃、どうして弾が入ってるのかしら」


   
ドアガチャ バタン


真姫「銃を放して…!」


理亞「それはこっちの………あ」


 
鞠莉「……」


果南「…どうしてキミがここに」


   
理亞「そっちこそ…」
 
312: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:10:20.46 ID:jQGduvx0.net
 


鞠莉「…?」


   
真姫(こいつパパの猟銃を…!)


    
真姫「こんのぉ!」ジャキッ


   

果南「鞠莉、危ない!」


    
真姫「」DOM!


 
果南「はぐッ…ッ」ドサッ


   

鞠莉「かなぁん!」チャキッ


 

真姫「ッ…!」

   
313: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:11:02.58 ID:jQGduvx0.net
 

――DOM!


           DOM!!――
 
314: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:12:34.70 ID:jQGduvx0.net
 


鞠莉「あふぁ…!」ドサッ


   

真姫「……ぁ」ゴポッ


 
真姫(おなか…あつい)


   
真姫(パパも……こんなかんじだったんだ)


   
真姫(これで………いっしょ)


   
真姫「」ガクッ


 

鞠莉「あ……が…」ドバドバ


果南「」ピクピク


   

せいりあ「」ブルブル


聖良「な、何これ…よく分からないうちに小原鞠莉も松浦果南も撃たれて…!」


理亞「にっ、逃げよう! もうここにいる意味はないからっ」

   
315: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:14:12.40 ID:jQGduvx0.net
 

鞠莉「かふ……ヒュー…っ…」


   
果南「……………ぐっ」ガバッ


   
果南「ッ…鞠莉ぃしっかり!」


   
鞠莉「かなん…よかった、動けるのね…」


   
果南「喋るなっ、すぐ手当てする。医者を呼ばなきゃ…」


   
鞠莉「…いい、の」


   
鞠莉「わかるから…もう助からないって……ごぷッ」


   
果南「そんな…!」
   
316: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:16:31.98 ID:jQGduvx0.net
 
鞠莉「ね……どうせ、死ぬ…なら」


鞠莉「最期は……いつもの、アレ…やってくれない…?」


   
果南「鞠莉…」


    
鞠莉「おねが……わたしの、洗礼者さ…」


   
果南「……」


 
果南「今から洗面器取ってくる時間はないね」


   
果南「だから…これで我慢して」スッ…


    
鞠莉「ん……っ」チュ…
 
317: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:17:45.98 ID:jQGduvx0.net
 

果南「…………………」グググ


   
鞠莉「………!~~~~~~~っ!!!」ギュウウウ


 

鞠莉(嗚呼…苦しくて幸せ)


    
鞠莉(血とはらわたの臭気満ち始めたこの部屋で、たくさんのポルノとアダルトグッズに囲まれて)


 
鞠莉(大好きな人の口づけで息の根を止められる……そう、これが私の人生)


   
鞠莉(これ以上何を望むっていうのよ…)

    
318: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:21:48.22 ID:jQGduvx0.net
 


果南「――――ッぷはぁ」


   
果南「ハァー……ハァ…ゼェ…」


   
鞠莉「」


 
果南「鞠莉…」


   
果南(その安からな顔見て……ちょっと安心したかな)


 
ボタ…ボタ…


   
果南「私も、少し疲れちゃったよ…」


   
果南「その胸の上で……ちょっとだけ休ませて」


   
果南「ちょっとだけ…」


   
トサッ…

   
319: 【店の前】 2017/10/19(木) 01:23:10.85 ID:jQGduvx0.net
 

聖良「なんて恐ろしい町なのここは…!」


理亞「北海道に帰りましょう!」タッタッタッ


 
キキィ…


希「着いたけど」


穂乃果「どういうことなの? 借金は受け取ったって」


凛「何かの罠じゃないかな」


   
凛「凛は行きたくないよ…ここで車見てるからさ」


希「凛ちゃん」


穂乃果「全員で来いって話だし。行くしかないよ」

 
320: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:26:54.84 ID:jQGduvx0.net
 
【駐車場】


ガチャ


ダイヤ「ルビィ、戻ったわ」


ダイヤ「喜びなさい。今回はボーナスを弾んでもらいました」


ダイヤ「これでまたしばらく食べていけ…」


   
ルビィ「」プルプル


    
ダイヤ「ルビィ…?」


   

「いい気なものね」


   

ダイヤ「……生きていたの」


    
善子「…」
   
321: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:27:40.25 ID:jQGduvx0.net
 
ダイヤ「お元気…ではなさそうね。血が出てますよ」


ダイヤ「酷いケガじゃない…車にでも轢かれたの?」


善子「ここに来る途中…自分の車にね」


ダイヤ「?」


善子「でもどうだっていいのそんなことは」
 
322: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:28:23.02 ID:jQGduvx0.net
 
ダイヤ「後部席は狭くありませんか。ルビィと場所を変わらない?」


善子「確かに狭いわ」


善子「この剣を構えるのも難しい」チャッ


ダイヤ「……」


善子「ハリボテの十字架と違ってこっちは儀式用の本物」


善子「下手に動くと、助手席と妹がまとめて串刺しよ」
 
323: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:29:41.77 ID:jQGduvx0.net
 
ダイヤ「目的はお金ですか」


善子「…小原鞠莉の元へ案内しろ」


善子「あの悪魔は、今どこに」


   
ダイヤ「…彼女は自分の店よ。そこから歩いてきたの」


善子「ふん…随分遠くに停めたのね」


ダイヤ「店の前の通りは駐禁ですから」


   
善子「車を出して。言うまでもないけど」


ダイヤ「慎重に…分かってますよ」


ブロロロ…

   
324: 【鞠莉のオフィス】 2017/10/19(木) 01:31:08.18 ID:jQGduvx0.net
 







真姫「」


鞠莉「」


果南「」


 
凛「にゃんじゃこにゃあ」


穂乃果「これさっきも見た…」


希「また死体の山…ウチら呪われてるんじゃ」
 
325: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:32:18.97 ID:jQGduvx0.net
 

凛「ねえ…机の上にあるのって」


希「うん。ウチらのバッグだよね」


 

穂乃果「お金入ってる…これ持って逃げようっ」


凛「さんせー!」


 

希「ちょい待ち」


希「折角だし銃も持ってこう」
    
326: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:33:41.63 ID:jQGduvx0.net
 
穂乃果「そんなのいいから早く逃げるよ!」


凛「そうにゃそうにゃ、こんな死体だらけの不気味部屋に居たくないよ」


   
希「凛ちゃんこれ幾らした?」


凛「友達価格で一挺七万」


希「出資者の一人として捨て置けないね」


   
穂乃果「もうこれだから関西人は…!」


希「生まれも育ちもココだけどね」ブイ


   
希「二人は先に車戻ってて。すぐ行くから」

   
327: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:35:30.67 ID:jQGduvx0.net
 
――

――――


   
ブロロロロ…


 
善子「まだなの?」


   
ダイヤ「もう少しです」


 
ルビィ(おねぃちゃぁ…)

 
328: 【店の前――希の車】 2017/10/19(木) 01:37:04.29 ID:jQGduvx0.net
 


バタン


凛「もー希ちゃんてば信じらんない」


穂乃果「でも、これで一件落着じゃないかな」


 
穂乃果「だって小原鞠莉は死んじゃったでしょ。ってことは借金もチャラ」


穂乃果「私たちを狙ってた悪い人たちもみんな居なくなっちゃって」


穂乃果「手元にはこのお金だけが残った」
 
329: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:39:22.73 ID:jQGduvx0.net
 
穂乃果「考えてみたらさ、穂乃果たちって何も悪いことやってないんだよね」


穂乃果「つまりこのまま黙ってれば――どしたの凛ちゃん」


   

ブオオオオオオオオ


善子「ちょっとスピード出し過ぎじゃない?」


ダイヤ「…偉いわルビィ」


ダイヤ「ちゃんと言いつけを守ったのね」


ダイヤ「これからもシートベルトは締めたままでいなさい」


    
善子「は…?」


   
ダイヤ「舌を噛まないよう歯を食いしばって!」


ルビィ「っ…!」ギュッ


   


凛「ほっ穂乃果ちゃ後ろっ、車が猛スピードで突っ込んでくる…!」


穂乃果「え…」


   
――ドガァ!!!!

   
330: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:42:04.51 ID:jQGduvx0.net
 






シュウウウウウウウウ…


   
ダイヤ「っ……ぁ……」


 
ダイヤ(あまりいい考えではありませんでしたね…)


   
ダイヤ(一か八か、アクセル全開で停車中の車に頭突きをかますのは)


   
ルビィ「…ぅゅ~ん」


 
ダイヤ(良かった、ルビィもひとまず無事のようで)
   
331: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:43:23.78 ID:jQGduvx0.net
 

ガチャ  バタン


   
ダイヤ(――今の音)


 
ダイヤ(扉が開いた…? まさか)


   
ダイヤ「あっ、っっ…」


   
ダイヤ(ダメ…ぶつけた頭がクラクラして)


 
ダイヤ(意っ、識が…)


―――


   
332: 【鞠莉のオフィス】 2017/10/19(木) 01:45:29.26 ID:jQGduvx0.net
 

希「ぬぬぬ」


鞠莉「」グググ


希「このメリケンさん猟銃を放してくれない…!」


   
希(死後硬直ってこんなすぐなるん? 関節がロックされちゃってる)


   
希「仕方ない。仏さんには悪いけど、力づくで指を一本一本…」


   


「何してるの?」


   

希「!?」ビクッ


   

果南「」ユラ~

   
333: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:47:55.13 ID:jQGduvx0.net
 

希(生きてた? そんなアホな…!)


希(一緒に仲良く旅立ったものとばかり…なに一人だけ帰ってきてんの~!?)


   
果南「ぜぇ、はぁ……汚い手で鞠莉に触れるな…」スチャ


    
希(どひぇぇごっついマグナムさん持ってるぅぅ)


希(こんなん一発で二度おっ死んでも釣りがくるよ?ダメージが来来世まで尾を引くって!)


   
希「お、お助け…」


   

「汚いですって? どの口が言うのそれ」


   

果南「――ん」クルッ


   


 
善子「ハァ…ハァ…」ダラダラ…


    

果南「へえ…地獄から蘇ってきたのかな」


 
希(ぞ、ゾンビがもう一体…?)
   
334: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:49:49.97 ID:jQGduvx0.net
 

果南「…気付いてる? キミ、お腹に剣みたいなのが刺さってるけど」


   
善子「ああ…表でちょっとした事故があってね」ググ…ブシュッ


    
希(躊躇いなく抜剣したよこの子)


   
善子「この魔剣こそ悪鬼を討ち滅ぼすための」


    
果南「」ZDOM!ZDOM!


   
善子「ぎゃあっ!」


    
ドサッ


   
果南「悪鬼は討ち滅ぼされたね」シュウウウ
   
335: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:52:02.20 ID:jQGduvx0.net
 
果南「いや、もう一匹いたか」クルッ


希「ひっ…」


   


    


善子「い゛っ゛…た゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」


   

果南「……驚いた」


    
果南「これ50口径なんだけど。キミってば私以上に頑丈なんじゃない?」


   

善子「お前を倒すまで、ヨハネは絶対に死な」


    
果南「はいはいご苦労様」ZDOM!ZDOM!


   
善子「がぁあはっ!!」バタッ
    
336: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:53:39.48 ID:jQGduvx0.net
 
果南「さてと」クルッ


   
希「あわわ…」


    
果南「全部終わった後にやって来て、美味しいトコだけ持っていこうって虫が良すぎるよね」


   


善子「うるひゃいっ、私が来たのは」


    

果南「……はぁ」ZDOM!


   

善子「ぶぎゃぁるぅ!!!」ズザザッ


    

果南「なんなのアイツ…」
   
337: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:55:00.23 ID:jQGduvx0.net
 
希「あの世の空室状況に空きがないとか……ははは」


   
果南「誰がつまんない冗談言えって頼んだ?」チャキッ


    
果南「お前らのせいだ……お前達みたいなクズと関わったせいで鞠莉は」


   

善子「うっ…うぅ~」ヨロヨロ


    

果南「………水を差さないでよ」


   

果南「いいところなんだからさァ!!!」ZDOM!ZDOM!ZDOM!


    
チャリンチャリンチャリン…


   

善子「」ドシャリ
   
338: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 01:59:42.44 ID:jQGduvx0.net
 
果南「…もういいや」クルッ


希「っ…」


果南「言いたいことは色々あったけど面倒臭い」


   
果南「死んでよ、シンプルに」チャキッ


   

希「ぁ…」パクパク


   
果南「…なに?」


   

希「……ろ…」


   

希「……うし、ろっ」


   

果南「あ…?」クルッ


   

善子「…エゼキエル書25章17節」
   
339: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:01:11.52 ID:jQGduvx0.net
 

善子「心正しき者の歩む道は、心悪しき者のよこしまな利己と暴虐によって行く手を阻まれる」ブツブツ


   

果南「ちぇ、なんで生きてるんだよ死に損々々ないめ」


 
果南「ああ、そっか…忘れてたよ。ゾンビは頭を狙わないとだね」チャキッ


   

善子「――よって我は、怒りに満ちた懲罰と大いなる復讐をもって汝に制裁を下す」シャキン


   

果南「今度こそ終わ――」カチッ


 
果南「っ!?」カチカチッ


   
果南(弾が――)

 
340: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:03:03.42 ID:jQGduvx0.net
 
――ズブスッ!!!


希「いっ…!」


   
希(ウチの鼻先スレスレで、目の前のゴリラ女の心臓を貫いた剣先は止まった)


 

善子「そして――我が汝に復讐する時、汝は我が主である事を知るだろう」


   
ボタ…ボタ…


 
果南「はッ…なにそれ、カッコつけちゃって……」


   
果南「最後にっ、教えて…よ……それって、聖書とかの引用…?」


 
善子「いや――パルプ・フィクション」


   
果南「…どっちにしろ知らないや」


 
果南「」ガクッ
   
341: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:05:07.97 ID:jQGduvx0.net
 
希「……ぁ」


善子「…」チラッ


希「っ…」


   
希(その時、ほんの一瞬だけ、自分も殺されるんじゃないかと思った)


希(剣を持った血塗れの女が、あの晩の賭けポーカーで負かした相手だと気付いたから)


    
希(その子はウチと既に冷たくなってる小原鞠莉を交互に見やると、彼女なりに何かを察した様子で)


希(無言のまま踵を返し、にべもなく部屋から去っていった)


   
希(ドアを潜る前、2、3秒ほど立ち止まって、背中越しに軽く手を挙げた以外は)


    
希(その小さな背中が、まるで巨大な翼でも生やし広げているかのように、とにかく大きく感じられて)


   
希(ウチはしばらくの間、呆然と佇んでいた)

    
342: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:07:21.31 ID:jQGduvx0.net
 






ダイヤ「――――っは」


   
ダイヤ(私、どれくらい気を失って…)


 
ダイヤ「…」キョロキョロ


    
ダイヤ(津島善子が消えてる…さっきの音はやはり)


   
ルビィ「うーん…」


    
ダイヤ「ルビィ、ここで待ってなさい」ガチャ
   
343: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:08:53.60 ID:jQGduvx0.net
 

シュウウウウウウウウウウ…


   
穂乃果「……ぁ…ぁあ」


凛「ォア……う゛…~~~~~ッ」ピクピク


   
ガチャ


ダイヤ「前の車の方、大丈夫ですか?」


穂乃果「うぅ…」グッタリ


凛「お、お股のポップコーンが弾けたにゃ…」ヒクヒク


ダイヤ「大丈夫そうね」


   
ダイヤ「しかし申し訳ありません、なにぶん火急のことで――あら?」


   
ダイヤ「このお金が入ったバッグ、私がさっき鞠莉さんに渡した…」


   
ダイヤ「んまぁあなた達泥棒でしたのね。返しなさい、ほら」グィ
   
344: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:10:12.22 ID:jQGduvx0.net
 
穂乃果「ぁ……わたしたち…の」


ダイヤ「私達のですわ。さてどうしてやりましょうか」


   
ダイヤ「…まあ非礼はお互い様ですし」


ダイヤ「今回はバッグを返すだけで見逃してさしあげます。感謝するのね」


   
ダイヤ「さてと、もう一度これを鞠莉さんの所へ置いてこなくては」


ダイヤ「それにしてもあの二人は何をやっているの? 人が折角持ってきたお金をこんなにあっさり盗まれて…」


   
穂乃果「ぅ……あ…」ガックシ









穂乃果(その後のことはよく覚えてない)


穂乃果(気が付いたら警察にいて、私と凛ちゃんはそれぞれ重要参考人として取り調べを受けてたんだ)


穂乃果(だからここからは、一人だけその場にいた希ちゃんから聞いた話)
   
345: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:13:49.49 ID:jQGduvx0.net
 
穂乃果(あの後すぐ、小原鞠莉のオフィスで二人は鉢合わせした)


穂乃果(二人ってのはもちろん希ちゃんと、私からバッグを奪ったレザーコート女のことね)


   
穂乃果(希ちゃんは丁度二挺の猟銃を死体の指からはがしたところで、その周りには三つの骸が転がってた)


穂乃果(死体と、自分の方を向いた銃口を見て、レザーさんは凍りついた)


穂乃果(でも緊張してたのは希ちゃんも同じ。猟銃には弾が入ってなかったから)


 
穂乃果(気まずい沈黙がしばらく続いた後、二人が取ったのは大人の対応)


穂乃果(お互い今手にしているものを持ったまま、争うことなくその場から立ち去ったんだって)


   
穂乃果(裏口からトンズラこいた希ちゃんは、ひとまず二挺の銃を隠した後)


穂乃果(予想通りやって来た警察に着いていった。まあ自分の部屋であれだけ死人が出ればねー)
 
346: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:16:12.94 ID:jQGduvx0.net
 

凛「だからぁ何度も話してますにゃー」


   
穂乃果「たまたまあそこに車を停めてたら、いきなりぶつけられたんです後ろから」


 
希「帰ったら部屋がトンでもないことになってておったまげたけど、あと何日ここに泊まればいいの~?」


   

ことり「…私に暴行したのはこの人達じゃない」


 

穂乃果(それから私達は連日厳しい尋問を受けた――なんてことは全然なく)


穂乃果(やる気がないことで有名なこの町の警察は、今回の事件を悪者同士の抗争と結論付けたみたいで)


穂乃果(ギャング達の顔を見ていた例の婦警さんの証言もあって、私たちは割とあっさり解放が決まったのでした)


    
穂乃果(実際、今回の一件については訳わかんないことの方が多かったしね)


穂乃果(まさしく神のみぞ知るってやつだよ)
 
347: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:18:45.10 ID:jQGduvx0.net
   
【警察署前】


穂乃果「はーシャバの空気はうまいっ」


    
穂乃果「あ、お父さん」


   
ほのパパ「…」

   
穂乃果「迎えに来てくれたんだね」

    
ほのパパ「」クィ

   
穂乃果「え、お母さんが私と話したいことあるって…車の中で?」
    
348: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:19:51.65 ID:jQGduvx0.net
 

ほのママ「……」


穂乃果「……」


 
ほのママ「元気そうね」


穂乃果「…まあね」


   
穂乃果「ちょっと飲みたい気分かも」


ほのママ「家に帰ってからにしなさい」


   
ほのママ「お友達も来てるわよ。あなたの帰りを待ってる」


穂乃果「ああ…二人とも先に釈放されたんだっけ」
 
349: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:21:02.22 ID:jQGduvx0.net
 
ほのママ「それで…もう大丈夫なの?」


ほのママ「危険はない?」


穂乃果「うん、多分…」


ほのママ「多分ってなんですか。はっきり言えないの?」


   
穂乃果「あーもぅ、事件に関わった人はみんな居なくなりましたっ」


穂乃果「だから何も心配することはありません。これでいい?」ムスッ


ほのママ「そう。よかった」


 
穂乃果「……」


   
穂乃果「ありがとね」
 
350: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:22:17.85 ID:jQGduvx0.net
 
穂乃果「なんだかんだ言って私のこと心配してくれてたんだ」


ほのママ「何言ってるの」


   
ほのママ「私が聞いたのは、お父さんやお母さんそして雪穂のお店への危険がないかってことよ」


 
穂乃果「えぇ…」


   
ほのママ「そうそう、早く雪穂と亜里沙ちゃんを迎えに行かなくちゃ」


穂乃果「へ、私を迎えに来てくれたんじゃなかったの?」


 
穂乃果「っていうか雪穂が帰ってくるなんて聞いてないんだけど!?」


ほのママ「あなたがダラダラやってる間にも時間は進んでるの」
 
351: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:24:52.02 ID:jQGduvx0.net
 
ことり「ちょっといいですかぁ」 


ことり「ここ、駐車禁止です♡」


ほのママ「すぐに出します」


    
ほのママ「ほら早く降りて。そこはお父さんの席よ」


ほのママ「それとも一緒にくる?」


 
穂乃果「……」


穂乃果「いや、いい」ガチャ


    
穂乃果「今はバツが悪いや」
 
352: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:25:58.66 ID:jQGduvx0.net
 
穂乃果「はぁーっここから家まで歩きなんて。とほほだよ全く」


ほのママ「穂乃果」


ほのママ「あなたも今回の件で少しは分かったでしょ」


ほのママ「大人になるってことは、自分で自分の面倒を見るってこと」


ほのママ「それが出来ないようなことには、最初から首を突っ込まないことね」


穂乃果「…はぁい」


   
ほのママ「ま、あんたの方からお母さん達に泣きついてこなかったのは偉いけど」


ほのママ「この経験を次に活かしなさい」


ほのママ「大人は自分の足で歩くものよ」


―――


   
353: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:29:37.23 ID:jQGduvx0.net
 






穂乃果(その夜、穂むらの私の部屋で)


穂乃果(私たち三人はお互いの無事を祝ってささやかなパーティを開いていた)


   
穂乃果(お母さんは何も言わずお菓子とビールを運んできてくれて)


穂乃果(いつもの穂乃果だったら、両方とも飽きたーって文句垂れてるところだけど)


穂乃果(今回はそれがちょっと嬉しいと感じられるくらいには、私も成長したのかも…ね)


   


穂乃果「――それじゃあ希ちゃんは昨日解放されて、しかもうちに泊まったの?」


希「うん。アパートがあんなことになって、今夜寝る場所がないって頼み込んだら快く」


凛「厚かましさが服を着て歩いてるよ~」


穂乃果「まあ別にいいけどさ…」


    
穂乃果「とにかくこれで私たちは全員無罪放免。何も心配することはなーし」


凛「イェーーー……あ、そだ」


凛「結局あの猟銃はどうなったの希ちゃん」
    
354: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:31:30.45 ID:jQGduvx0.net
 
穂乃果「それはもちろん、とっくに処分してくれたんだよね」


穂乃果「なにせ今回の事件と私たちを結びつけるたった一つの証拠だもん」


凛「そっかぁ、切れ者の希ちゃんがそのことに気付かないわけ…」


   
希「……」


 
凛「希ちゃん…?」


    
希「…実はまだなの」


   
ほのりん「……」


 
ほのりん「ええーーーーっ!!??」
    
355: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:32:46.87 ID:jQGduvx0.net
 
希「だって勿体ないやん…」


希「凛ちゃんが出てきたら花陽ちゃんにまた売ろうと思って」


凛「それは無理だよ!かよちんこの町を出て行っちゃったんだから」


   
穂乃果「じゃあ、二挺は今どこに?」


   
希「そこ…穂乃果ちゃんのベッドの下」


   
ほのりん「今すぐ捨ててきてっ!!」
   
356: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:35:10.48 ID:jQGduvx0.net
―――――


TV『続きまして、今週のびっくり人間大賞のコーナー』


TV『津島善子さん(仮名)は通り魔に襲われ、全身複数個所の骨折と刀傷、さらに八発の銃弾を浴びせられました』


TV『ここまではよくある話ですが、なんと彼女はそのまま帰宅して就寝。翌日の午後に自力で病院に行ったというから驚きです』


TV『担当医の話によれば術後の経過は順調で、後遺症も残らないだろうとのこと。まさに現代のラスプーチンです』


TV『いやーたまにこういう人いますけど一体どうなってるんでしょうね?』


TV『思い出すところでは、背中に刃物が刺さったことに気付かず丸一日過ごしたり、ナイアガラの滝に転落して普通に泳いで上がってきたり』


TV『あ、そういえば後者の方は最近二度目のチャレンジをしてそのまま亡くなっちゃいましたね』


TV『人体が驚異的な生命力を発揮するにはタイミングも重要そうです。さてお次は、近々この町にオープン予定のハーブカフェの話題――』


   
ほのママ「……」


   
ガラッ


    
ほのママ「あら、いらっしゃい」


   

ほのママ「こちらサービスとなっておりますビールです、お客様」


   

ダイヤ「ありがとう」
   
357: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:36:48.64 ID:jQGduvx0.net
 
ダイヤ「娘さんはいらっしゃいますか」


ダイヤ「少々お話がしたくて」


   
ほのママ「二階の部屋にいるのでご自由に」


   
ほのママ「前のレザーコートも悪くなかったけど」


   
ほのママ「その着物の方がよく似合ってるわ」


   
ダイヤ「どうも」ニコッ

   
358: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:38:40.83 ID:jQGduvx0.net
 

TV『――忙しい現代社会で不足しがちな癒しを、私たちのカフェで感じてほしいと思ってます』


TV『セラピー効果のある植物に囲まれた空間で、香りを胸いっぱい吸い込んでゆったりと――あ、ちょっと千歌ちゃんっ!?』


TV『いぇーい、お母さんたち見てるー?――ヨーソロー!――じゅらぁぁ』


TV『あ、あはは…こんな感じで友人たちも協力してくれてます』


TV『来週オープン予定なので、よろしければ是非訪れてみてください――』


 
TV『以上、オーナーの桜内さんでした。次はオトノキトンネルの出口付近で起きた自動車事故について』


TV『中央分離帯に突っ込んだ乗用車に乗っていた二名の女性は、近場の西木野総合病院に搬送されましたが何れも軽い怪我』


TV『調べに対し運転手は、急いでいて分離帯がよく見えなかったと供述しているとのことです』


TV『警察によりますと、この運転手は数日前にも街中で脱輪事故を起こし病院に運ばれていたと――』


 
凛「希ちゃん、そろそろ捨てたかな」ソワソワ


穂乃果「まだ五分も経ってないけど……気が気でないよ」
 
359: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:39:58.20 ID:jQGduvx0.net
 
ガチャ


凛「あ、帰ってき」


   
ダイヤ「こんばんわ」


 
凛「にゃあ!?」


穂乃果(こ、この人、私たちの車にカマ掘りしたレザーの…!)


   
穂乃果「どーしてこの人がうちに?」ヒソヒソ


凛「知らないよっ、それより手に持ってるのってまさか」ヒソヒソ
 
360: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:40:53.24 ID:jQGduvx0.net
 
ダイヤ「今日ここを訪れたのは、このバッグをお返ししようと思って」


ダイヤ「貴女達のでしょう?これ」ドサッ


 
穂乃果「確かにそうだけど…」


凛「なんで?」


 
ダイヤ「この数日、私なりに今回のことをじっくり思案した結果です」


ダイヤ「鞠莉さんは貴女方を見くびった結果、思いがけない災難を呼び込んでしまったようですから」


ダイヤ「私は彼女の二の舞は御免ですわ。なのでこれはお返しします」
 
361: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:41:39.47 ID:jQGduvx0.net
 
ダイヤ「しかし大変なことをしてくれましたね」


ダイヤ「幼馴染は二人とも死に、私も失業ですわ」


 
穂乃果(もしかしてこれって)


凛(凛達を逆恨みしてタマもぎに…!?)


 
ダイヤ「…」フッ


ダイヤ「そもそも私と鞠莉さんの縁は、黒澤家の家業の失敗に端を発し――」
 
362: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:42:50.70 ID:jQGduvx0.net
 
穂乃果(そのままカマ掘りさんは長々と、自分と幼馴染たちとの馴れ初めについて語り始めた)


穂乃果(気が動転していたのと、ぶっちゃけ興味なかったからうろ覚えなんだけど)


 
穂乃果(なんかカマ掘りさんの実家は没落気味の名家で、ただでさえ傾いていたその家業にトドメを刺したのが)


穂乃果(外部からやって来た小原家なんだとか。以来カマ堀りさんちは小原家の小間使いになっちゃったそうで)


穂乃果(でも自分はそれを恨めしく思ったことは一度もないって――あれ?)


 
穂乃果(じゃあやっぱり穂乃果たちのことを仇討ちしに来たんじゃないの?)
   
363: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:45:25.65 ID:jQGduvx0.net
 
ダイヤ「――ですから、私は思いましたの」


ダイヤ「運命の理不尽さを是とし、弱肉強食の理を愛していた鞠莉さんなら」


ダイヤ「今回の一件でも、決して貴女方のことを恨みはすまい…と」


   
穂乃果「あー…うん、そうだねっ」


凛(さっぱり分かんないけど、とりあえず頷いておこう)


穂乃果(この人が納得してるんならそれでいいや)


   
ダイヤ「話は以上です。私はこれでお暇しますが」


ダイヤ「これも何かの縁。もし何か困ったことがあれば」


ダイヤ「ここを訪ねて来てください。名刺を渡しておきます」


穂乃果「…どうも」
   
364: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:46:58.52 ID:jQGduvx0.net
 






「またお越しくださいませー」


ダイヤ「ふぅ…」


ダイヤ(彼女らに一つだけ伝え忘れていたわ)


   
ダイヤ(私、今回の件では感動させられました)


    
ダイヤ(力なきものでも行動如何によっては、現状をひっくり返すことが出来る)


   
ダイヤ「それを教えてくれた貴女方には感謝します」ガチャ


ルビィ「やっと帰って来た…待ちくたびれたよぅ」


ダイヤ「ごめんなさい。さ、シートベルトを締めて」


   
ダイヤ「少し飛ばします。急ぎ懐かしの我が家に帰りましょう」


ダイヤ「明日から忙しくなりますわよ」
    
365: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:48:07.90 ID:jQGduvx0.net
 


ブロロロロロ…


    
穂乃果「すっごー…ベンツに乗って来たんだ」


凛「傍から見ると極妻だよね完璧に」


 
穂乃果「ウチウラの網元だってさ。名刺によると」


凛「マグロ漁船にでも乗せてくれるのかにゃー?」


    
穂乃果「でもそんな必要ないもんねー!」


穂乃果「このバッグに入ったお金さえあれば私たちは……私たちは」


 


    
穂乃果「中身空っぽだこれ…」

   
366: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:50:33.77 ID:jQGduvx0.net
 






希「…」トボトボ


希(肌寒い夜道を一人歩きながら考える)


希(結局今回のことは何だったのかなって)


希(あのオフィスに吸い寄せられるように色んな人たちが集まって、何人かは命を落とした)


   
希(赤毛の元お嬢様はパパの散弾銃に撃ち抜かれ、町で一番のド悪党は幸せの絶頂で逝き)


希(蘇った洗礼者(バプティスト)は、同じく蘇った本物の洗礼者(ヨハネ)に打ち倒された)


希(こうやって振り返ると神サマは仕事熱心なのかテキトーなのか分からんね)


   
希(でもこういうオカルトじみた偶然の共演って、ほんのたまさか起こり得ちゃうんだなって)


希(ドローポーカーで手札を全部捨てた後、ロイヤルフラッシュを引いてくるみたいに)
 
367: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:52:07.58 ID:jQGduvx0.net
 
希「そしてウチらは振り出しに戻ると――」


希「いや、状況は悪化しとるよね…」


   
希(小原からの借金は無くなったけど、それ以前の借金まで消えたわけじゃない)


希(穂乃果ちゃんと二人で借りた闇金からの負債は順調に膨れ上がってるし)


希(凛ちゃんもこのままなら約束通り月末に店を取り上げられる)


希「はぁー、ウチらにも少しでいいから神サマのお恵みがあったら良かったのに」


   

希「……ここでいいか」


希「この橋から川に落としちゃお」

 
368: 【穂むら】 2017/10/19(木) 02:53:27.85 ID:jQGduvx0.net
 

凛「ちょっと待って、バッグの底に何か入ってるよ」ゴソゴソ


穂乃果「何かの雑誌…?」


   
凛「てっぽーのカタログだ…何でこんなもの」


穂乃果「さあ…」


   
穂乃果「でもこの表紙の銃、どこかで見たことある気が」


凛「凛も」


   
ほのりん「……」


    
ほのりん「あの猟銃だっ!!」

   
369: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:54:28.39 ID:jQGduvx0.net
 

希「……よし」


   
希「さいなら」ポーイ


    
希「…さ、帰ろ」









凛「穂乃果ちゃんここ見てここっ!」


   
穂乃果「落札相場…一挺2500~3000万円んん!?」


    
凛「大変だ…希ちゃんに伝えなきゃ!」

   
370: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:57:32.46 ID:jQGduvx0.net
 

希「――ん?」


   
希「……橋げたに引っかかってる」


 
希「手間をかけさせないでよ…よっこいしょ」









凛「ちょいタンマ!二人でかけたら繋がらないって!」


穂乃果「私がかけるっかけるから!」

   
371: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:58:25.18 ID:jQGduvx0.net
 

希「うぎぎ…こんだけ手ぇ伸ばしてんのに」


   
希「あともうちょいで届…」


 
ズルッ


   
希「おわっ」


 
希(やば…!)

   
372: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 02:59:22.39 ID:jQGduvx0.net
 

ガシッ


希「っ……くっ」ブラーン


   
希(危な…もうちょいで川にダイブかますとこだった)


   
希「でもこれで銃にも手が届いて…」


   
ヴー!ヴー!


   
希「!」









穂乃果「お願い、早く出て…!」


凛「希ちゃぁぁん」ウルウル

   
373: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 03:00:35.47 ID:jQGduvx0.net
 

ヴー!ヴー!ヴー!


   
携帯『』ズル…ズル…


 
希(…マズい)


   
希(この斜めった体勢だと振動でスマホがコートから滑り出て…)


 
希(止めようにも右手は銃、左手は欄干に掴まって塞がってるし――いや銃は捨てていいのか)


   
希(でもさっきから右手がこわばったまま開いてくれない――まだ未練があるの…?)


    
希(っていうか誰よ、こんな時に電話かけてきてるのは――!)
 
374: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 03:02:25.04 ID:jQGduvx0.net
 

ヴー!ヴー!ヴー!ヴー!ヴー!…


   
希(このままじゃスマホか、さもなきゃウチごと川にぼちゃん)


   

希(銃を捨て…なんとかしてこの右手を――くそぅ、動いてよっ)


   

希(――ああもぅ)


   

希(どうしてこんなことに…)


   
FIN
 
375: 名無しで叶える物語 2017/10/19(木) 03:10:51.59 ID:jQGduvx0.net
おわりです
原作の方に興味持って観てくれた方もいるようで嬉しかったです
SSはラブライブパロ用にちょっと盛ってますが原作の方は無駄が無さすぎて必見です
読んでくれた人ありがとうございました
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『希「ハッパと銃と銃とカネと」』へのコメント

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