絵里「μ'sと雨と私の誕生日」

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絵里-アイキャッチ6
登校中のこと。
ポツポツと傘が水を弾く音が聞こえていた。

はあ──こうも雨が降ると憂鬱な気分になっちゃう。
もうすぐ私の誕生日だっていうのに……。

pixiv: 絵里「μ'sと雨と私の誕生日」 by アヤミ

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希「おはようさん♪」

絵里「あ、おはよう……」

希「あれれ、もしかして元気ないん?」

絵里「ないことはないけれど……」


なんて歯切れの悪いこと言ったら希が決めた顔で──


希「さては、ちゃんと寝れなかったんやな?」

絵里「残念♪は・ず・れ♡」

希「はずしたかぁ~」


残念がってるけど全然そんなふうには見えなくて──
意図はまったくわからないけれど、わざとはずしたみたい。


希「でも良かった。おどけた態度取れるくらいには元気あるんやね」クスクス

絵里「ぁ……」


驚いた……この子、最初から私が元気ないこと気づいてたのね……。
クスクス、これもお得意のスピリチュアルパワーなのかな?
そう笑っていると、なんや全然元気やん──って言われちゃった♡
元気が出たのは希のおかげ♪



   ────────────



今日も雨が降っている。
うーん、なんかなぁ──って唸っていたらにこに声をかけられた。


にこ「どうしたにこ~?難しい顔して」


あ、いつもか──とにこが言う。
え、私っていつも難しい顔してるの?
まあ、それは置いといて──


絵里「雨降ってるなぁ~、って」

にこ「は?」


ん~。雨が降ってるこのなんとも言えない雰囲気を上手く言葉にできない。
作詞家の海未先生だったら言葉にできるのかな?
うん。私にも難しいことなんだから──


絵里「にこには難しいか」

にこ「どうゆう意味?」


ジトー。わあ、すごい顔。
せっかくのかわいい顔が台無しよ?とほっぺをムニムニする。柔らかい♡


にこ「ちょ、なにすんのよ──てか冷たい」

絵里「え?」

にこ「あんたの手。冷たいわよ」


ほら──って私の手をにこが優しく包む。
あ、ほんとだ。にこの手を暖かく感じるってことは、私の手が冷たいってことだ。


にこ「これあげるわ」

絵里「?? カイロ?」

にこ「最近雨が続いて気温低いんだから、ちゃんと防寒対策するのよ?」

絵里「ありがとう、にこ♪」


ああ……暖かい……。
カイロの熱が全身に染み渡っていく……。
ほんとにありがとう、にこ──もう一度感謝を告げると、にこが照れてる……。
この子はお礼言われるのに慣れてないみたいなのよねえ……まあ、そこがかわいいんだけど♡
あ、“そこも”か。クスクス♪


   ────────────


ザーザー。今日はどしゃ降り!
なんかいっそ清々しいわね……て、そんなことないか。


海未「おや?絵里」

絵里「あ、奇遇ね♪」


ご一緒してもよろしいでしょうか?──なんて律儀に言ってくる。

やだ、海未ったら年下なのに私よりしっかりしてるじゃない……まあいつもだけど♪
絵里おねえちゃん感心しちゃう──くすくす♡

どうぞって引いてあげた椅子に海未が会釈をして座る。


海未「絵里が図書室にいるのは珍しいですね」

絵里「そうかしら、海未もじゃない?」

海未「私はたまに来ますよ。ここは静かなので落ち着くんです」

本を取り出す海未。本を読みに来たのね──ってここは図書室なんだから普通じゃない……のんびりしに来た私が変なのよ。まあ、この時間は利用者少ないし、いーよね?

しかし、難しそうな本読んでるなぁ。
あっ、そうだ!雨が降っているなんとも言えない雰囲気を海未からどう言うか聞いてみよう──って思ったけど本にすごい集中してる……邪魔しちゃ悪いわよね


───
──


海未「──り……絵里。あ、おはようございます」

絵里「うん?おはよう……?」


あれ、私寝ちゃってたんだ……。


海未「良い夢でも見てましたか?」

絵里「え?」

海未「いえ、笑っていたので」


どんな夢見てたっけ……?
うーーん。思い出せない……。


絵里「ごめん、海未。思い出せないわ」

海未「そうですか」

絵里「そうだ、聞きたいことがあったんだ」

海未「なんでしょう?」

絵里「あ、なんだっけ?」


私に聞かれても……ってオロオロ。
ほんとに何聞こうとしてたんだっけ?
全然思い出せないや……。


海未「思い出せたときに言ってください」クスクス

絵里「……そうね」


   ────────────


休み時間。
音楽室の前を通りかかったところでピアノの音が聞こえた。
もしやと思い覗き込むと──ビンゴ♪
あの赤毛を見間違えるはずないわ!
お邪魔しちゃおーっと♡

ガチャリ。


絵里「やっほー☆」

真姫「え、エリー!」

絵里「何してるの?」


聞くとそっけなく、ピアノ弾いてる──いや、それは見ればわかるんだけど……。
──アプローチが悪かったわ。はんせい。


絵里「ピアノ弾いてる理由を聞いてるのよ」

真姫「なんとなくよ」

絵里「気晴らしとか?」

真姫「それもあるかも」


ふむふむ、なるほど。
ピアノ弾いてると落ち着くのかな?
海未と同じような感じかしら。

きっと──たぶん、ここのところ雨続きで──曇ってしまった心を晴らしに来てるのね。


真姫「~♪」


ポロン、ポロン──♪
真姫の奏でるピアノの音が心地いい。

落ち着きに来た真姫のピアノを聞いてたら、なんだか私が落ち着いちゃった♡


   ────────────


お?
あれは花陽と凛ね……なにしてるのかしら?

何してるの?──声をかけた人物が私だと知ってか、花陽は何かを背に隠して──『なんでもないよ』と慌てていたけど、凛が教えてくれた。


凛「絵里ちゃんのバースデーパーティーの準備ニャ☆」

花陽「!?ちょ、凛ちゃん!」

凛「あ」


そのまま固まる凛──と同じく固まる私。
え?バースデーパーティー??私の???


花陽「あ、あの今のは聞かなかったことに……」

凛「えーっと、あれはその、うそニャ」


なるほど。当日まで私に秘密にしておくつもりだったのね──


絵里「わかったわ、聞かなかったことにする♪」


それを聞いてか、ホッとする二人。
クスクス──♪


凛「あ、そうニャ~、絵里ちゃんの好きな食べ物ってなあに?」

絵里「チョコレートよ」


これはチョコレートを食べられそうな予感♡


花陽「これ良かったら」

絵里「ポッキー?」


くれるの?──もしやこれが口止め料!?──て花陽がそんなことするわけないか……

少し早いんだけど、その──はいはい、わかってるって♪


絵里「誕生日会楽しみにしてる♪」


   ────────────


あ~あ……

それは下駄箱で靴を履き替え、さあ帰ろう!としたところだった。

雨。

午前中は降ってなかったんだけどなぁ。
なんなのかしらね、帰るときになって降ってるこの現象。
どうせ降り出すなら校舎内にいる、授業受けてる間に降ればいいのに──


絵里ちゃ~ん♡

後ろから声をかけられる。
この甘い声の主はもちろん──


ことり「こんにちは♪」

絵里「こんにちは♪」


もう帰りだけどね♡


ことり「え~雨降ってるの?傘持ってきてないのに……」

絵里「お嬢さん、私の傘に入ってく?」

ことり「いいの?」


もちろんよってウインク♡
そしたらすごい笑顔で──『わ~い♪絵里ちゃんと相合い傘だ~♡』って言われちゃって──もう、意識しちゃうじゃない、くすくす♪

ことりと相合い傘をしてしばらく歩いているとことりが口を開いた──


ことり「なんか、傘の中の世界っていいよね」

絵里「え?」

ことり「自分だけの世界って言うのかな?」

絵里「あぁ、わかるかも……」

ことり「なんだか寂しさを感じるよね──」


ことりの言葉が私のなかにすんなりと入ってく──

雨の中、傘を差し──傘の中は、傘が雨を弾く音でいっぱいになって──うるさいはずなのに、どこか静かで──人の気配を感じさせない。

でも、ことりは笑った。


ことり「今は隣に絵里ちゃんがいるから寂しくなんてないよ」ニコッ


その笑顔に、思わずドキッとしてしまった。
ことりはこういう台詞を平気で言うのよね──
でもほんとに、ことりの言う通りで、だから私はこう言った。


絵里「ほんとにね♪」


雨は嫌だったけど、こんな雨の日なら悪くないかも♡


   ────────────


あ・り・が・と・う・♡──っと。
これで全員かな?
みんなから誕生日おめでとうのメールに返信をしていた。

午後には穂乃果の家で、誕生日会なんてものもやってくれるみたい──二年前ならあり得なかったこと。


呼び鈴が鳴った。
ドアを開けるとそこには──


穂乃果「誕生日おめでとう、絵里ちゃん!」

絵里「……ありがとう」


ん?なんで穂乃果は家に?
聞いたら──お出迎え♪……って、え!?
まだ出掛ける準備してないわよ!

もう穂乃果はいつも急なんだから……。

はやくはやく!と急かす穂乃果に、待って待ってと言いながら準備をしていた。

私が着替えていると、


穂乃果「おぉ~……」


穂乃果が見ていた。
ちょ、ちょっと!なんで私の部屋にいるのよ!リビングで待ってなさい!


──家を出て穂乃果の家に向かう。
雨は降ってないけど曇っていた。午後から晴れ予報♪


絵里「今日は晴れるみたいよ」

穂乃果「そうなの?」

絵里「ええ、天気予報見たの」


ここのところ雨続きで気が滅入ってたから晴れると嬉しい。
心の鬱憤を太陽が晴らしてくれる。


穂乃果「そうだね。穂乃果は雨も好きだけど、やっぱり晴れの方が好き!」


パッ──と、雲の隙間から光が差す。
太陽の光を穂乃果は浴びながら──
あ、晴れた~♪──って笑う。

その姿に言葉を失った。

なにか言いたい、でも言えなくて──。

穂乃果は私が見えない景色を見ているのかもしれない──なんて頭を過った。


穂むらに着いら穂乃果に『名前呼ぶまで目を開けちゃだめだよ?』と言われ、わかったわと二つ返事で答えた。

階段怖いわと言う私に『穂乃果がちゃんと案内するから大丈夫!』って言われて、オロオロしながらなんとか目的地に到着。


穂乃果「よし!絵里ちゃん♪」

絵里「?」


目を開けると同時に──パパンッとクラッカーが弾ける。
目の前にはμ'sのみんなと、大きなチョコレートケーキ。

そして────



   「誕生日おめでとう!」






おわり
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