【YDK】善子「ヨハネ堕天使神ってる」

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善子-アイキャッチ27
1: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/08(金) 23:24:14.71 ID:fvkuKw+p
善子「塾…?」

「そうよ。よしちゃん最近、学校の成績落ちてきてるでしょ?」

善子「でも…」

「よしちゃんは頭いいけれど、もっと勉強しなきゃ教師にはなれないわよ?」

「よしちゃんはやれば出来る子なんだから。頑張りなさい」

善子「……はい」



やれば出来る子。

YDK。

元スレ: 【YDK】善子「ヨハネ堕天使神ってる」

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2: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/08(金) 23:26:29.48 ID:fvkuKw+p
【よし子 7さい】


善子「ママ! 今日ね、よしこね、学校でしょーらいのゆめって書いたの。見て見て!」

「あらそう。見せて」


「……『わたしのしょうらいのゆめは、学こうのせん生になること』…!」

「よしちゃんは先生に成りたいのね! いい子よ!」

善子「えへへ~!」



親は、私が教師になることを嘱望した。

私が教師に成りたいと言うと、親は喜んだ。

私はそれが嬉しくて、何度も繰り返した。



善子「よしこ、しょーらいはママやパパみたいな、先生になるの!」
4: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/08(金) 23:44:47.34 ID:fvkuKw+p
私は、電車に揺られている。

行き先は、親が勝手に入会を決めた学習塾だ。



善子「………」



YDK。

どこかで聴いた3文字のアルファベットを呟いてみた。

『やれば・出来る・子』

やれば出来る。

じゃあ、やらなければ…?



YDK。

『やらないのは・ダメな・子』
5: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/08(金) 23:47:04.29 ID:fvkuKw+p
【善子 10さい】


「よしちゃん。ちょっと」

善子「なに、ママ?」

「テスト…見たわ」

善子「あ、算数のテストね!」

善子「そのテストね、最後の問題が難しかったんだけど、あきらめずにがんばったら正解できて…」


「……どうしてこんなに点数が低いの?」

善子「え?」
7: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/08(金) 23:48:39.76 ID:fvkuKw+p
「85点と採点されてるけれど、これはどういうこと?」

善子「それは…。あ、他の子も点数低かったの! だから…」

「問題を見たけど、この程度のテストなら100点じゃないとおかしいわ」

「よしちゃん。あなたは将来、教師に成るんでしょう? だったらしっかり勉強しなくちゃいけないわ」

「よしちゃんは善い子なんだから、勉強をしないダメな人間にならないようにね」

善子「…」

「分かった?」

善子「……うん。勉強がんばるね」



私は、親の悲しむ顔が見たくなかった。

だから勉強を頑張った。

勉強をしないのは、ダメな子だからだ。


私は悪い子じゃない。

私は善い子なんだ。
9: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/08(金) 23:58:59.38 ID:fvkuKw+p
塾の看板は白く明滅していた。

空の闇は、そのまばゆい光を強調する。



善子「………」



YDK。

『やっても・できない・子』


私は今まで、勉強を怠ったことはなかった。

勉強すれば親が喜んでくれる。

だから友達も作らず、机に張り付いて勉強してきた。

私は頑張った。

勉強して勉強して勉強した。

でも、その努力には結果が伴わなかった。



善子「………はぁ」



私は、親の期待には応えられなかった。
11: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 00:00:39.89 ID:2Ajt7jWf
【善子 11歳】


善子「塾…?」

「そうよ。よしちゃん最近、学校の成績落ちてきてるでしょ?」

善子「でも…」

「よしちゃんは頭いいけれど、もっと勉強しなきゃ教師にはなれないわよ?」

「よしちゃんはやれば出来る子なんだから。頑張りなさい」

善子「……はい」



この日から私は、YDKに囚われた。
12: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 00:12:17.59 ID:2Ajt7jWf
私が塾に通いだしたのは、小学校高学年の頃。

塾では、学校の授業でわからなかった部分を復習し、まだ習っていない単元を予習して、クラスメイトと差をつけた。

中学に入ってからも通い続け、学校の授業以外にも高校受験に向けての対策も進めていた。

私は毎日、家でも学校でも塾でも勉強した。

勉強した。とにかく勉強した。


この頃の私は、いわゆるガリ勉だった。

学校では、『机島模試子』なる仇名を付けられていたそうだ。

別に構わなかった。嘲笑われても気にならなかった。他人なんてどうでもよかった。

親の為に、教師に成る為に、夢を叶える為に、私は勉強した。


……いや、目的なんてものはとうに見失っていた。

私は、自分が自分であるために、自分の存在意義を示すために、勉強し続けた。



YDK。

『やらないと・ダメな・子』
13: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 00:13:14.90 ID:2Ajt7jWf
【私 14歳】


善子「……ママ。塾に行くから、電車代ちょうだい」

「はいはい。どうぞ」

善子「……ありがと」

「よしちゃん、また学校の成績が落ちてるみたいね?」

善子「……分かってる」

「塾ではテスト対策してないのかしら? 今度、講師の人と話をしなきゃ…」

善子「だ、大丈夫だから。私から先生にテスト対策してくれるようお願いする」

「そう。それならいいわ」

「内申は受験に響くんだから、しっかりしてもらわないとねぇ」

善子「うん…」


「あら、引き止めちゃったわね。早く塾に行ってらっしゃい」

善子「………………行ってきます」
14: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 00:15:24.97 ID:2Ajt7jWf
家から歩くこと十数分。

私は、看板煌めく建物に入った。

中は相変わらず音で賑わっていた。

他の人達は私のことなど気にも留めず、四角い画面に釘付けとなっている。

私も席に着いた。そして手慣れた所作で準備を整え、画面を見つめた。


画面の中には、道着をまとったキャラクターがいた。

私がボタンを押すとそのキャラクターは反応し、攻撃を繰り出した。

キャラクターは私の操作通りに動き、そのことが私の胸を躍らせた。


この日も私は、ゲームに興じた。
16: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 00:27:37.77 ID:2Ajt7jWf
レバーを傾けると、キャラクターはその方向に移動する。

ボタンを押すことでキャラクターは技を繰り出し、押し加減で技の強弱を調節できる。

その他にもガードや必殺技などを駆使し、先に対戦相手の体力を0にした方が勝利となる格闘ゲームだ。

私はゲームセンターに来ると、他のゲームには目もくれず、このゲームの筐体に向かう。

かなりやり込んでいるため、実力は上級者レベルだと自負している。



「さあ、勝負しましょう!」



ゲームをしていると突然、筐体の向こう側から挑戦状が叩きつけられた。

対戦中だった画面は切り変わり、挑戦者が乱入してきた。

拒否権はないため、その勝負に臨むしかなかった。

嫌ではなかった。むしろ私は、彼女との対戦を望んでいた。



『対戦相手 ヨハネ』

私と堕天使との戦いが、幕を切った。
17: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 00:28:42.68 ID:2Ajt7jWf
善子「くっ……この…!」

ヨハネ「ふふふ♪」



私はこのゲームに、それなりの自信があった。

しかし、相手はそれを上回る実力を備えていた。

勝負は瞬きする間もなく決した。



ヨハネ「今日も、私の勝ちね♪」

善子「くっ、強い…」

ヨハネ「どうする?もう一戦やろうか?」

善子「お金、もうないです」

ヨハネ「あら、そう? 私が出してあげてもいいけど」

善子「……大丈夫です」



ヨハネは立ち上がり、私に目配せすると、その場を離れていった。

私も立ち上がり、彼女の後を追った。
18: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 00:42:23.06 ID:2Ajt7jWf
私たちはベンチに座った。

奢ってもらった午後茶を両手で覆うと、その温もりを感じられた。



ヨハネ「ねえねえ、YDKちゃん」

善子「なんですか?」

ヨハネ「今日もいい勝負だったわ。ありがと」

善子「…」



私には、彼女の言葉が嫌味のように聞こえた。

実際、私たちの間にはそれ程の実力差があった。



善子「……必殺技のコマンドは覚えたんですけど、うまくタイミングが掴めないんです」

ヨハネ「的確にコマンドを入力できるだけですごいじゃん。神ってるよ!」

善子「はぁ…」



彼女はよく、不思議な言葉を使った。
19: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 00:43:51.81 ID:2Ajt7jWf
善子「あの、『神ってる』って何ですか?」

ヨハネ「え、知らないの? 神ってる~」

善子「はぁ…?」

ヨハネ「ほら、ゲームの難易度で言えば分かりやすいでしょ」

ヨハネ「かんたん、ふつう、むずかしい…と来たのに、その次はなぜか鬼よね?」

ヨハネ「そういうことよ」

善子「え…。よく分からないんですけど…」

ヨハネ「要するに、深く考えなくていいの」

善子「はぁ…」



結局この時は、彼女の言葉を理解するに及ばなかった。

私が『神ってる』の意味を知るのは、それから数年後のことだ。
20: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 01:00:41.60 ID:2Ajt7jWf
【YDK 14歳】


ヨハネ「さあ、勝負しましょう!」



手合わせが、私たちの挨拶だった。



善子「やっぱり勝てない…」

ヨハネ「技を狙いすぎなのよ。地道に弱い攻撃を続けるのも手よ」

善子「地道に…」

ヨハネ「YDKちゃんは要領いいんだから、落ち着いてやればいつか勝てるって!」

善子「……ありがとう。でも、無理だと思います」

ヨハネ「どうして?」

善子「私は、やってもダメな子だからです」

ヨハネ「『やっても・ダメな・子』………ふふ、YDKってそういう意味だったのね」

ヨハネ「私てっきり、『やれば・出来る・子』の略でYDKだと思ってたわ」

善子「そうですね…。どちらかというとそれは、ヨハネさんにぴったりな名前だと思いますよ」

ヨハネ「私もYDKなの?」

善子「善い方の、だけど」
21: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 01:01:48.20 ID:2Ajt7jWf
ヨハネ「YDK、YDK…」



彼女は、3文字のアルファベットを呟いた。



ヨハネ「でもどうせなら、もっといい感じの名前にしたいわ」

ヨハネ「YDK、何か良さげな案とかない?」

善子「え? ……じゃあ、Yは『ヨハネ』…とか」

ヨハネ「いいねいいね! 最初が決まれば、自ずと他も決まっちゃうね」

善子「もう決まったんですか?」

ヨハネ「うん。でも教えないよ~」

善子「どうしてですか…?」

ヨハネ「なんとなく、ね」

ヨハネ「……それより、あなたの名前もいい感じに変えましょう!」



嫌な予感がした。



ヨハネ「YDK…」

ヨハネ「『善子・堕天使・神ってる』…とかどう? 結構いい響きじゃない?」

善子「なんですか、それ…」



名乗ったことは一度もなかったのに、彼女は私の本名を知っていた。

そのことに関して、私は特に疑問を抱かなかった。
22: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 01:03:30.00 ID:2Ajt7jWf
プレイヤーネーム:ヨハネさんは、私にとてもよくしてくれる、ちょっと変わった人だ。

私がゲームセンターに通い始めてからずっと、格闘ゲームで対戦してきた仲だ。

彼女はとても善い人で、とてもゲームが巧かった。

彼女の人となりに触れ、私はすぐに彼女に好感を持った。

私は彼女に憧れた。

彼女は私とは正反対であり、私と違って善い人間だった。

反面教師ならぬ、正面教師にできる人間だった。

私は彼女のように、善くあろうとした。


だが、やはりYDK。

私は彼女にはなれない。

何故なら、私は悪い子だから。
23: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 01:18:40.43 ID:2Ajt7jWf
【悪子 14歳】


親は、言葉を失ってしまった。

呆れてものも言えなかったのだろう。


それは、塾からの電話を親が取ったことで、発覚してしまった。



「塾に行かず、ゲームセンターに通っていた、ですって…?」

「それも、半年も…」

善子「四ヶ月…だけど」

「四ヶ月も半年も一年も一緒よ! あなた何考えてるの!?」

善子「……ごめんなさい」

「ごめんなさいじゃないわよ! 半年よ!? 半年分の授業料パーよ!?」

「最近成績が落ちてると思ったら、まさかゲームセンターなんかに浸ってたなんて…」

「どうして、よしちゃんが…」

善子「………」

「ねえどうして…? どうして塾をサボってたの? 何か嫌なことでもあったの?」

善子「……ないよ」

「だったらどうしてサボってたのよ!」

善子「……ごめんなさい」


「私は、よしちゃんの為を思って…」



親は、『よしちゃんの為』と言った。

その言葉が引っかかった。

私の為…?

得体の知れない感情が込み上げ、私の喉を焼いた。
24: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 01:29:00.05 ID:2Ajt7jWf
ヨハネ「そっか…。もうYDKちゃんと一緒にゲームできないんだね」

善子「ごめんなさい…」

ヨハネ「YDKちゃんは最後まで、私に勝てなかったわけだけど…。まあ仕方ないか」

ヨハネ「またいつか、一緒にゲームしましょう? その時は、私のことをコテンパンにしてくれていいわ!」

善子「はい…」



ヨハネさんは、寂しそうな、でもどこか満足気な表情を浮かべていた。



ヨハネ「でもさ、ほんとにYDKちゃんが悪いのかな?」

善子「私がしたのは、悪いことです。塾をサボって、ゲームセンターに通って、借りた電車賃をゲームに費やして…」

ヨハネ「あはは。確かによくないね」

ヨハネ「けど、YDKちゃんは悪くはないよ」

善子「え…?」



ヨハネさんはよく、変なことを言う。
25: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 01:42:03.22 ID:2Ajt7jWf
ヨハネ「『高い』の反対は『高くない』、『大きい』の反対は『大きくない』…」

ヨハネ「『善い』の反対は『善くない』。善子ちゃんは、何も悪くないよ」

善子「でも、私は悪い子だから…」

ヨハネ「サンタさんが来てくれないって? 安心して、サンタさんなんて存在しないから!」



彼女なりの冗談で励まそうとしているのが伝わって、申し訳ない気持ちになった。



ヨハネ「善子ちゃんは頑張りすぎたんだよ。ここいらで一旦休憩してみるのもいいんじゃない?」

善子「……どうすれば、休めるんですか…?」

ヨハネ「簡単だよ。嫌なこと全部ほっぽり出しちゃえばいいよ」

ヨハネ「学校も家庭も塾も勉強も受験も、全部知らないふりして忘れちゃえ!」

ヨハネ「そうしたらきっと、本当の自分が見つかるよ」

善子「本当の、自分…?」

ヨハネ「YDKでも、悪い子でもない………本当の、善子ちゃんがね」
26: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 01:48:33.05 ID:2Ajt7jWf
善子「………」



嫌なことは全部投げ捨てる。

それはつまり、現実逃避だ。

現実をないものにする…。妄想に入り浸る…。

『私』は、どこに居るのだろう?



善子「………休もう」



この日から私は、部屋に引き篭もった。
35: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 20:26:44.61 ID:2Ajt7jWf
【よしちゃん 3さい】


善子「ママ! これ、つくった!」

「あらぁ、よしちゃんすごいわ」

善子「あのね、よしちゃんね、がんばった!」

「すごいわ。流石よしちゃん、賢いわ」

「そうねぇ…。将来は教師かしら?」

善子「きょーし?」

「そうよ。よしちゃんはママみたいに教師に成るといいわ」

「偏差値の高い高校に進学して、有名な国立大学に入って、そして立派な教師に成るのよ」

「よしちゃんは賢い子なんだから、ママの期待通りに育ってね?」

善子「うん!」
36: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 20:45:35.89 ID:2Ajt7jWf
善子「………」



自分の殻に篭っていると、段々と自分のことが見えてきた。

私は親の期待に応える為だけに、生きてきた。

私の人生は、親のエゴで出来ていた。



「ねえ、あなたからも何か言ってよ…」

「なんで俺なんだ…。善子のことは全部お前に任せてるだろう」

「私、あの子が何考えてるか分からないのよ…。引き篭もってる理由も話してくれないし…」

「あなたもあの子の親なんだから、親の務めぐらい果たしたらどうなの?」

「疲れてるんだ…。カウンセラーでも呼んで、早く学校に復帰させればいいだろう」

「ちょっと、あなた!」



引き篭もることで分かったことがあった。

親は、私のことを数字でしか見ていなかった。

私の成績しか興味がなく、テストの点数でしか私のことを語れなかったのだ。
37: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 20:59:09.09 ID:2Ajt7jWf
コンコンコンと、扉は弱々しく鳴った。



「よしちゃん…」

善子「………」

「ねえ、よしちゃん…」

「これ以上、ママのことを苦しめないで…」

「ママ、もう疲れちゃったのよ…」

「よしちゃん…」



私は、勉強が嫌いだ。

私は、親が嫌いだ。

でも…



善子「……ごめんなさい、ママ」

「よしちゃん…!」



私は殻を破り、現実に身を堕とした。
38: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 21:19:37.38 ID:2Ajt7jWf
【津島善子 15歳】


善子「……お母さん。話があるの」

「何?」

善子「私ね…、高校は浦の星に行きたい」

「…!」



私の言葉に、親は激昂した。

親がそういう人間であることを、私は知っている。



善子「ごめんなさい。私は何をやってもできない子なの」

善子「どれだけ勉強したって成績は伸びないし、ゲームだって全然上達しなかった」

善子「私はお母さんが思ってるような人間じゃないの。だからお母さんの期待には応えられない」

善子「これで、私の反抗期は最後にするから、教師にもなるから…お願いします」

善子「私を、自由にしてください」



頭を下げていたので、このとき親がどんな顔をしていたのかは知らない。

ただ、私にとって、そんなことはどうでもよかった。

私はもう、親の顔を窺って生きる人生はやめたのだ。
41: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 21:32:10.26 ID:2Ajt7jWf
【??? ??歳】


「YDK、YDK…」



私は、3文字のアルファベットを呟いた。



「でもどうせなら、もっといい感じの名前にしたいわ」

「YDK、何か良さげな案とかない?」

「え? ……じゃあ、Yは『ヨハネ』…とか」

「いいねいいね! 最初が決まれば、自ずと他も決まっちゃうね」

「もう決まったんですか?」

「うん。でも教えないよ~」

「どうしてですか…?」

「なんとなく、ね」
42: 名無しで叶える物語(やわらか銀行) 2017/12/09(土) 21:33:08.76 ID:2Ajt7jWf
YDK。



善子「ヨハネ堕天使神ってる」

おわり
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