みもりんスペシャル「三十路探偵・みもりんの事件簿M XIII」戦慄!呪われた村 みもりんVS怪奇現象!!忌まわしき20年前の悲劇…[字][解][デ]

シェアする

海未-アイキャッチ30
1: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:00:01.14 ID:+KSQa6Xt
交番前

ブーン……キィッ

ガチャッバタン

みも「こんにちはー」

えみ「こんにちは、なにか困り事?」

みも「えっと……ここに行きたいんだけど、この地図ちょっとわかりづらくて」ピラッ

えみ「あー、そこかぁ」

みも「道ってこっちであってるのかな?」

えみ「あってはいるけん、ちょっと待ってり。私がもっとわかりやすい地図描いてくるで」

みも「ほんと!? ありがとー」

えみ「えっと、紙は……」

くす「探偵ー、道わかったー?」

みも「今地図描いてもらってるー! ちょっと待っててー!」

くす「だって、なんちゃん警部補」

じょる「その地図でちゃんとたどり着ければいいけどねぇ……」

元スレ: みもりんスペシャル「三十路探偵・みもりんの事件簿M XIII」戦慄!呪われた村 みもりんVS怪奇現象!!忌まわしき20年前の悲劇…[字][解][デ]

スポンサーリンク
2: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:02:00.58 ID:+KSQa6Xt
五分後

えみ「はい、どうぞ」スッ

みも「ごめんね、手間かけさせて」

えみ「これくらいお安い御用だって」

みも「ほんと助かったよ、ありがとね」

えみ「どういたしまして。その地図の通りに行けばたぶん大丈夫だでね」

みも「ふむ……なるほどなるほど」

えみ「でもあんななんもないとこになにしに行くだ?」

みも「それは……ちょっとした用事があってね、あはは」

えみ「用事ねぇ……」

みも「あっ、別に悪いことするわけじゃないよ! ホントだよ?」

えみ「そりゃ悪いことするのに交番寄る人なんていねぇずら」

みも「だよねー、あはは」

えみ「じゃ、気ぃ付けて行き」

みも「うん、バイバーイ!」スタスタ
3: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:04:00.49 ID:+KSQa6Xt
数日前 バー

みも「話ってなんですか? くっすんまで呼び出して」

じょる「その……一緒に行ってほしいところがあってさ」

みも「旅行にでも連れてってくれるんですか?」

くす「旅行!? 行きたい行きたい!」

じょる「いやっ、旅行ではないんだけど……」

みも「じゃあなんなんですか?」

じょる「ちょっと捜査を手伝ってもらえないかなって」

みも「捜査? どんな事件の?」

じょる「あー、事件があったわけじゃなくてね」

みも「……?」

じょる「なんというか、事件かどうかを調べる……みたいな?」

みも「はあ……」

じょる「とにかく一緒に来てほしいんだよ。ダメかな?」

くす「私はいいけど、探偵は?」

みも「うーん……ま、南條さんの頼みなら断る理由はないか」
4: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:06:00.32 ID:+KSQa6Xt
現在 山道・車内

みも「あの、南條さんにいくつか聞きたいことがあるんですけど」

じょる「だろうね……なにが聞きたいの?」

みも「じゃあ、まずひとつめ。これって仕事なんですか?」

じょる「あぁ、一応ね」

みも「だとしたら思いっきり管轄外ですよね? もう長野ですよ、ここ」

じょる「いろいろ事情があるんだよ。うちの署、私のことで県警に借りがあるからさ」

みも「そうですか。でも仕事ならどうして部下じゃなくて私たちを連れてきたんですか?」

じょる「それはぁ……みもちゃんたちが喜ぶと思って」

みも「……なんか嘘くさいですね」

じょる「う……」

みも「まあいいや。それよりなにを調べるのかくらい、いい加減教えて下さいよ」

くす「あっ、それ私も気になってた!」

じょる「あ~……そのうち教えてあげるよ、うん」

みも「今言ってくださいよ」

じょる「と、とにかく極秘の捜査だから! 私が警察だってこともみもちゃんが探偵だってことも内緒だからね!!」

みも「えー……じゃあ私なんて名乗ったらいいんですか?」

じょる「うーん……旅人?」
5: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:08:00.48 ID:+KSQa6Xt
十分後

みも「くっすん、まだ着かないの?」

くす「地図の通りならもうすぐだと思――」

ガタンッ! ギギギ……ボフッ!

みも「ん? くっすんオナラした?」

くす「してないよ!」

みも「でも今『ボフッ!』って」

じょる「というか車止まったんだけど」

みも「……まさかガソリン入れてこなかったとか言わないよね?」

くす「そんなわけないじゃん、ちゃんと満タンにしてきたよ」

みも「じゃあなんで車動かないの?」

くす「うーん……たぶんエンコしたんじゃないかな」

みも「えー……」

じょる「しょうがないからここからは歩いていこっか」

みも「そんなぁ~」

じょる「ほら、早く降りて」
6: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:10:00.51 ID:+KSQa6Xt
くす「くっすん号、いい子にしてるんだよ?」

みも「名前つけてたんだ、その車……」

くす「可愛いでしょ?」

みも「可愛いのはいいんだけどさ、思い切って買い替えたら?」

くす「なんで?」

みも「今みたいにいきなり止まったりするからだよ」

くす「……今日はたまたま調子悪かっただけだもん」

みも「あのメルセデスのカクカクしたやつ乗りなよ。くっすん丸目好きでしょ?」

くす「あれいくらすると思ってるの?」

みも「さあ?」

じょる「ふたりともちゃんと荷物持った?」

みも「あ、はい」

くす「大丈夫っ!」

じょる「んじゃ行くよ」

………………

…………

……
7: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:12:00.42 ID:+KSQa6Xt
集落

みも「とうちゃーく!」

じょる「あー疲れた……」

くす「わぁ~、こんなとこに人住んでるんだ……ん? なんだあれ」トテトテ

みも「あ、くっすんどこ行くの?」スタスタ

じょる「ちょっ、ふたりとも待って……」ノロノロ

くす「げっ、よくわかんないけど不気味な石像だった……」

みも「おー、なんか呪いのアイテムみたい……よく見るとそこら中に似たようなのが置いてあるね」

くす「ほんとだ。気持ち悪ーい」

じょる「……あのさ、少し休まない?」

みも「んー、そですね。どっかに座れそうなとこないかな……?」

りぴ「こんにちは」

じょる「うおっ、びっくりした……」

みも「こんにちはー。えっと、この村の人だよね?」

りぴ「うん。3人ともお疲れみたいだし、よかったらうち来る?」
8: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:14:00.32 ID:+KSQa6Xt
りぴ宅

りぴ「とりあえずお茶をどうぞ」スッ

じょる「あぁ、ありがと」

みも「どうもー」

くす「いただきまーす」

りぴ「ところで、こんな山奥までなにしにきたの? 仕事かなにか?」

みも「うん、私たんて――」

じょる「みもちゃん」

みも「――じゃなくって、旅人なんだよ。日本中いろんなところを旅してるの。名はみもりんと申す」

りぴ「へ~そうなんだ。じゃあふたりは旅人の子分かなんか?」

じょる「子分って……」

みも「まあくっすんは子分みたいなものだけど」

くす「え?」

みも「こっちの南條さんはなんというか……えへへ」

りぴ「なるほど」

じょる「なるほど?」
9: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:16:00.39 ID:+KSQa6Xt
りぴ「あっ、私はりっぴー。よろしくね」

みも「こちらこそよろしく」

りぴ「ちなみに今夜は村に泊まっていくつもり?」

みも「一応そのつもり……ですよね?」

じょる「うん。宿ってどのへんにあるか教えてくれる?」

りぴ「あ~……そういうのはないんだよね。ここって観光スポットとかもないから」

くす「え……じゃあ野宿するってこと?」

みも「やだよそんなのー」

じょる「テントでも持ってくればよかったなぁ……」

りぴ「あ、うちでよかったら泊まってってもいいけど」

みも「ほんと!? 泊まる泊まる!」

りぴ「ただ……布団が二組しかないから、泊めてあげられるのは――」

みも「ああ、それなら大丈夫。くっすんは床で寝させるから」

くす「私だって布団で寝たいよ!」
10: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:18:00.29 ID:+KSQa6Xt
みも「あのねぇ、くっすんが布団で寝たら南條さんが床で寝ることになるんだよ? それでもいいの?」

じょる「みもちゃんは布団譲る気ないんかい」

くす「だったら私がなんちゃん警……あっ」

りぴ「なんちゃん系?」

くす「“なんちゃん”と同じ布団で寝るもん! ねー?」

じょる「まあそれでもいいけど……」

みも「えー、なら私が南條さんと寝たい」

りぴ「心配しなくても他に泊めてくれそうな家に連絡してみるから。ちょっと待ってて」スタスタ

みも「……よし、じゃあ誰が一人になるか決めよっか」

くす「オッケー、どうやって決める?」

じょる「前みたいにくじで決めたら?」

みも「いや、くじは失敗しそうな気がするのでじゃんけんにしましょう」

くす「負けた人が一人になるってことでいいよね?」

みも「うん。それじゃいくよ……じゃんけんっ――」
11: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:20:00.39 ID:+KSQa6Xt
しか宅

しか「いらっしゃい。で、誰がうちに泊まるの?」

くす「……私です」

しか「そう。じゃ入って入って」

くす「はい……」

みも「荷物置いたらすぐ出てくるんだよー?」

くす「わかってるよ……」

ガラガラ……

じょる「すごい落ち込みようだな」

みも「あんなの南條さんが頭撫でればすぐ元気になりますよ」

じょる「そんなんで元気になるかね?」

みも「あのくっすんですから」
12: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:22:00.44 ID:+KSQa6Xt
ガラガラ

みも「あ、出てきた」

くす「じゃ、行こっか……」

じょる「その前にくっすん、ちょっとおいで」

くす「なに……?」

じょる「よしよーし……」ナデナデ

くす「!!!!!!」シャキッ!

じょる「おっ?」

くす「よーし、はりきって行こう!」スタスタ

みも「ねっ? 私の言ったとおりでしょ?」

じょる「う、うん」

………………

…………

……
13: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:24:00.32 ID:+KSQa6Xt
みも「ねえ、南條さん」

じょる「んー?」

みも「私とくっすんって南條さんの仕事を手伝うために連れてこられたんですよね?」

じょる「あー、まあ……」

みも「でも仕事の説明をしてくれないんじゃ手伝いようがないですよね?」

じょる「……とりあえず怪しい物とかを適当に探しといてよ」

みも「怪しい物ねぇ……およ?」

くす「なんかあった?」

みも「いや、あっちに女の人が……」

じょる「どこよ?」

みも「あれ? 誰か手招きしてるように見えたんですけど……」

くす「行ってみようよ、どっかに隠れたのかもしれないし」

みも「そだね、行こ行こ」
14: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:26:00.34 ID:+KSQa6Xt
みも「うへぇ、草だらけ……」

くす「ほんとに人なんていたの?」

みも「いたよ、私見たもん」

くす「じゃあ見間違いじゃない?」

みも「うーん、絶対人だったと思うんだけど……」

くす「ま、たまにはそういうこともあるよ」

じょる「……アサだな」

みも「えっ、もう午後ですけど?」

じょる「朝じゃない、麻。いわゆる大麻だよ」

みも「へー……って、なんでそんなものが生えてるんですか?」

じょる「たぶん自生してるんでしょ」

くす「大麻ってその辺に生えてるものなの?」

じょる「うん、場所によるけどね。大麻は古くから日本各地で栽培されて野生化していた上に――」

じょる「旧日本軍が第二次世界大戦前より軍需品生産を目的として、長野県や北海道などで生産を推奨したから――」

じょる「第二次世界大戦後の大麻取締法の制定後も北海道、長野、東北地方とかに自生しているんだよ」

みも「そうなんだぁ……なんかWikipedia読んだみたいに詳しいですね。よっ、ジョルペディア!」
16: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:28:00.28 ID:+KSQa6Xt
くす「これだけ生えてたらちょっとくらい採って帰ってもわからなさそうだね」

じょる「言っとくけど葉っぱ一枚でも摘んだりしたら即逮捕するから」

くす「そんなことしないよ~」

みも「あはは、くっすんもそこまでおバカじゃないよねー」ポイッ

じょる「ん? 今なんか捨てなかった?」

みも「えッ!?!?!? き、気のせいですよ……ね、くっすん?」

くす「いや、私に聞かれても」

みも「そこは嘘でもいいから『うん』って言ってよ!」

じょる「……まあいいや。とにかく保健所に連絡しとこう」スッ

みも「ほっ……」

じょる「あ、ここ圏外だ」

くす「いつものパターンだね」

じょる「まったく山はこれだから……一旦戻って誰かに電話借りよっか」

みも「ですね。ふふんふふふんふーん、大麻が大好き~♪」スタッスタッ

じょる「やめなさい」スタスタ

くす「落ち着かないなら大麻でも吸えよ~♪」スタッスタッ

じょる「やめろっての」スタスタ
17: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:30:00.32 ID:+KSQa6Xt
ぱい宅

ぱい「電話?」

じょる「うん。あっちの森に麻が生えてたから、保健所に連絡したくて」

ぱい「えっと……連絡って?」

じょる「ああいうのは犯罪に繋がりかねないからね。しっかり除草しないと」

ぱい「あっ、それなら私が後で電話しておくから大丈夫!」

じょる「そう? じゃあよろしく」

みも「ねえねえちょっと聞いていい?」

ぱい「なぁに?」

みも「こういう辺鄙なとこ来る度に思ってたんだけどさぁ」

じょる「みもちゃん言葉を選ぼうね」

みも「なんでわざわざこんなとこに住むことにしたの?」

ぱい「なんでって、ずっとここに住んでるからだけど……」

みも「えっ、そうなの?」

ぱい「うん。この村の人はみーんなそうだよ」

くす「へ~、よっぽどこの村が好きなんだねー」
18: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:32:00.21 ID:+KSQa6Xt
うち「ぱいるちゃん、なにしてるのー……?」フラッ

じょる「ん?」

ぱい「あっ、うっちー! 今お客さん来てるから部屋戻ってて!」

うち「は~い、ふふっ」フラフラ……

じょる「今のは?」

ぱい「えっと、うっちーはその……」

みも「ふむ……私の推測が正しければ――」ニギッ

ぱい「わっ、なに!?」

みも「ああ、やっぱり。今の子彼女でしょ?」

ぱい「な、なんでわかったの?」

みも「私は選ばれし人間だから!」

ぱい「……?」

くす「にしても随分とご機嫌だったね」

ぱい「あー、たぶんさっきお酒飲んだからじゃないかな?」

くす「ふーん、そっかー」
19: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:34:00.20 ID:+KSQa6Xt
じょる「……ところで話を戻すけど、この村には昔から住んでるんだよね?」

ぱい「はい」

じょる「じゃああの麻も前から生えてるの?」

ぱい「たぶん生えてたと思うけど……」

うち『ぱいるちゃーん、まだ話終わらないー?』

ぱい「もうちょっと待ってー!」

みも「……あんまり長居するのもあれだし、そろそろ行きましょうか」

じょる「だね」

ぱい「ごめんなさい……」

みも「いいよ、私たちが押しかけたのがいけないんだし」

じょる「さっきの件、よろしくね」

ぱい「さっきの?」

じょる「保健所に電話するって話」

ぱい「あっ、それか。任せてください!」

みも「そんじゃお邪魔しましたー」
20: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:36:00.35 ID:+KSQa6Xt


くす「で、これからどうするの?」

みも「うーん……とりあえず旅人らしく村の人とおしゃべりでもしよっか。いいですよね?」

じょる「ああ、うん」

みも「よーし、それじゃレッツラゴー!」


そら宅

そら「旅人かぁ……ちなみにこれまでどんなとこに行ったの?」

みも「え? あー、えっとね……そうだなぁ……」

じょる「みもちゃん……」

みも「あ、あはは、もう忘れちった!」

そら「ははーん……さては旅人っていうのは嘘だね?」

みも「ギクッ!」

くす「そそそそんなことなななななな……!」

じょる「ふたりとも、おお落ち着いて!」
21: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:38:00.46 ID:+KSQa6Xt
そら「ズバリ! 3人は心霊マニアでしょ!」

じょる「ゲッ」

みも「しんれー?」

くす「マニア?」

そら「時々来るんだよなー、そういう人。なんかこの村噂になってるんだよね?」

みも「噂って?」

そら「女の霊を見たとか声を聞いたとか、あと物が勝手に動いたりとかって。それ確かめに来たんじゃないの?」

みも「はぁ……」

そら「私から言わせてもらうと、その噂は本当だよ」

くす「えっ……つまり“出る”ってこと……?」

そら「うん。覚悟ができてないなら早く村から出たほうがいいと思う」

みも「またまたぁ」

そら「嘘だと思うなら夜中まで待ってみなよ」

みも「……マジなの?」

そら「ふっふっふ……」
22: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:40:00.33 ID:+KSQa6Xt
りぴ宅

りぴ「じゃあちょっと出かけてくるから、適当にくつろいでてよ」

じょる「うん、行ってらっしゃい」

りぴ「行ってきまーす」

ガラガラ……ピシャッ

じょる「あー、なんか喉乾いたね。お水持って――」

みも「南條さん」

じょる「な、なに?」

みも「ちょっとそこに座ってください」

じょる「……はい」

みも「どういうことか説明してもらえますよね?」

じょる「いやぁ、なんというか……いろんな噂があるんだねぇ、うん」

みも「なーんーじょーさーん……!」ゴゴゴゴ……

じょる「わ、わかったよ、ちゃんと説明するからっ」

くす「なんちゃん警部補、私たちを騙してたの……?」

じょる「騙してたっていうかさぁ……」
23: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:42:00.29 ID:+KSQa6Xt
みも「ここが心霊スポットだって知ってて私たちを連れてきましたよね? ねっ!?」

じょる「だ、大丈夫だよ、幽霊なんて出ないから。それを証明するのが今回の仕事だし……」

みも「じゃあほんとに出てきたらどうすんですか」

じょる「そん時はそれが偽物だって証拠を探すの。いいね?」

みも「ちっともよくないですよ!」

くす「でもさっきの人、嘘ついてるようには見えなかったけど……」

みも「そもそもどうして南條さんがそんなこと調べてるんですか?」

じょる「言ったでしょ? 県警に借りがあるって」

みも「事件も起きてないのに警察が動く理由がわかりません」

じょる「まあそれは巡り巡ってってやつなんだけど、こういう山奥の村って過疎化が進んでるでしょ?」

じょる「だから移住者を呼び込んだり、店を作ったりして村おこしをしようって話になったらしくてね」

じょる「ところがどうやらこの村は呪われた村として一部で有名らしくてさ」

じょる「興味本位で村に来る人はたまーにいるみたいなんだけど、その程度じゃ地域活性化には繋がらないみたいで」

じょる「というかむしろその噂のせいで人が寄り付かないんじゃ? ってことで調べることになったんだよ」

くす「あっ」

みも「どうしたくっすん」
24: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:44:00.41 ID:+KSQa6Xt
くす「もしかしてくっすん号が止まったのも呪いのせいなんじゃ――」

みもじょる「それは車がボロいせいだよ」

くす「えぇ~……」

じょる「で、上がそんな変な捜査に人手は割けないとか抜かすもんでみもちゃんたちに声かけたってわけ。ほかに質問は?」

くす「特にない……かな?」

じょる「それじゃこの話は終わりってことで――」

みも「南條さん、なんか言い忘れてることありません?」

じょる「……ふたりともごめんね、大事なこと黙ってて」

くす「なんちゃん警部補……」

みも「まったくもう……呪いだろうがなんだろうが、南條さんのためだったら私たちが手を貸さないわけないじゃないですか」

じょる「みもちゃん……」

みも「だよね? くっすん」

くす「え!? あ、うん。ソダネ……」

みも「南條さん、私だけはどんなときでも手を貸しますからね」

くす「わ、私だって!」

じょる「ありがとう。みもちゃんたちがいてくれてほんと助かるよ」

みもくす「えへへ……」
25: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:46:00.43 ID:+KSQa6Xt
夜 しか宅

しか「んー……」カタカタ

くす「なにしてるの?」

しか「あ~……ネットバナナボート」

くす「ネットサーフィンね。ていうかここネット使えるんだ……」

しか「なんか用事?」

くす「あ、うん。その、今夜は一緒に寝てほしいなー……なんて」

しか「なんで?」

くす「だって……出るんでしょ?」

しか「ああ、別に大丈夫だよ。幽霊出ても死ぬわけじゃないし」

くす「そ、それって幽霊はほんとに出るってこと?」

しか「まあ……」

くす「じゃあ一緒に寝てよ! 怖いよっ!」

しか「えー、やだよ」

くす「そんなこと言わないでぇ!」ガシッ

しか「ちょっと、掴まないでっ!」
26: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:48:00.30 ID:+KSQa6Xt
りぴ宅

じょる「ねぇ、みもちゃん」

みも「なんですか?」

じょる「私たちのこと、まだくっすんには黙ってるの?」

みも「またその話ですか……南條さんは部外者なんだから引っ込んでてくださいよ」

じょる「思いっきり当事者だっての」

みも「慌てなくてもそのうち話しますから心配ご無用です」

じょる「そう言ってるけど、私たちが付き合い始めてからもう何ヶ月たったと思ってるの?」

みも「むぅ……」

じょる「いつまでもくっすんのこと騙してるわけにはいかないでしょ」

みも「“騙してる”か……今の南條さんにはあんまり言われたくない言葉ですね」

じょる「う……」

みも「でも南條さんの言う通り、今のままじゃダメなんですよね」

じょる「…………」

みも「もう少しだけ時間をください。くっすんには必ず話しますから」

じょる「……わかった。それじゃそろそろ寝よっか」

みも「そうですね。よっと……」ノソッ
27: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:50:00.27 ID:+KSQa6Xt
じょる「ちょっと、みもちゃんの布団そっちでしょ?」

みも「わかってますよ」

じょる「わかってんならちゃんと――」

みも「南條さんって可愛いですよね」

じょる「な、なにいきなり……」

みも「くっすんがここにいなくて助かりましたよ」スッ

じょる「待て。なにしてんの?」

みも「……わかってるくせにぃ。さ、早く脱いでくだ――」

じょる「ふんっ!」ベシッ

みも「いだっ!」

じょる「ここ人んち! 変なことしないでとっとと寝なさい!」

みも「ならせめておやすみのキスを――」

じょる「しません。私はもう寝るからね」バサッ

みも「ちぇっ……南條さんのケチ」

………………

…………

……
28: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:52:00.36 ID:+KSQa6Xt
深夜

みも「んぅ……あれ……」ムクッ

みも「真っ暗……寝よ」バタッ

??「ぅぅ……」

みも「ん? 今なにか聞こえたような……」ムクッ

シーン……

みも「気のせい……?」

??「ぁあ……」

みも「っ! やっぱり聞こえる……南條さん南條さんっ」

じょる「ぐー……」

みも「南條さんってば! 起きてください!」ユサユサ

じょる「んっ……すー……」

みも「全然起きない……こうなったら熱いキッスで起こすしか――」

じょる「ふぁぁ……なに? みもちゃん……」

みも「ああっ! なんで起きちゃうんですか!」
29: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:54:00.27 ID:+KSQa6Xt
じょる「起こしたのみもちゃんでしょ?」

みも「そうですけどっ!」

じょる「こんな夜中になんの用?」

みも「あ、そうだ。南條さん、なにか聞こえませんか?」

じょる「んん……?」

シーン……

じょる「……別に聞こえないけど」

みも「さっきは聞こえたんですよ! 人のうめき声みたいな……」

じょる「夢でも見てたんじゃないの? 眠いから寝させてよ……」

??「うあぁ……」

みも「ひっ……」

じょる「み、みもちゃん、不気味な声出さないでよ」

みも「私じゃないですって!」

じょる「だったら誰が――」

ガタガタガタ……!
30: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:56:00.22 ID:+KSQa6Xt
みも「な、なにっ!?」

じょる「まさか……ポルターガイスト?」

ガシャンッ!

みも「ひゃあっ!」ギュッ

じょる「ちょっ!? みもちゃんどこ触って――」

みも「やだやだやだやだぁ!!」

じょる「お、落ち着いて! 大丈夫だから!」

みも「ででででもっ!」

じょる「きっとただの地震だよ。たぶんすぐに治ま……」

みも「南條さん……? どうし――」

女「……す」

みも「え……」

女「あっしには関わりのないことでござんす!!!!」

みもじょる「ギャアアアアアァァァァァ……!!!!」

――――――

――――

――
31: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 20:58:00.28 ID:+KSQa6Xt
翌朝

みも「おはようございます……」

じょる「うん……おはよう……」

みも「その……南條さん」

じょる「なに?」

みも「今すぐこの村を出ましょう」

じょる「……そういうわけにはいかないよ」

みも「でも見ましたよね昨夜!」

じょる「見ちゃったから調べなきゃいけないんでしょ?」

みも「うぅ~……」

ドンドンッ!

みも「うわぁっ!!」

りぴ「おおっ、なに? どうかした?」

みも「はぁ~……」ゴロン

じょる「おはよ……」

りぴ「はい、おはよー。あ、昨夜はお楽しみでしたねっ」

みも「えぇ? 全然楽しくないよ……」
32: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:00:00.12 ID:+KSQa6Xt
りぴ「あれれ、なんかあったの?」

みも「……出たんだよ」

りぴ「出たって? 虫かなにか?」

みも「幽霊に決まってるでしょ!」

りぴ「あ~、出たんだ」

みも「そんな当たり前のことみたいに……」

じょる「あのさ、夜中に地震とかなかっ……ん?」

りぴ「う~ん……気づかなかったけど、揺れてたの?」

みも「ってことはやっぱりあれポルターガイストだったんだ……」

りぴ「朝ご飯もうできてるから、早く着替えて出てきてねー」スタスタ……

みも「南條さん……もう一回言いますけど、この村を出ましょう。ねっ?」

じょる「……いや、ダメだよ」

みも「なんでですかっ!」

じょる「決まってるでしょ。昨夜のあれは幽霊なんかじゃないからだよ」

みも「へ……?」
33: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:02:00.26 ID:+KSQa6Xt
しか宅

くす「えっ……ほんとに幽霊出たの?」

みも「出たよぉ、女の幽霊!」

くす「ひぃぃ……」

みも「マジで怖かったんだから!」

くす「私のとこに出なくてよかったぁ……あっ、そういえば昨日の昼間も女の人見たって言ってたよね?」

みも「うん……でも昨夜出たのは違う人だった気がする」

くす「村に出る幽霊は一人だけじゃないんだ……」

じょる「だから昨夜のは幽霊じゃないって」

みも「怖いからって現実から目を背けちゃダメですよ南條さん」

じょる「じゃあみもちゃんはあれが本物だってことにしていいの?」

みも「いいもなにも実際に見ちゃったら信じるしかないじゃないですかっ」

じょる「もし本物だったら私たち絶対呪われたよ? あの女めっちゃ怒ってたし、謎の奇病に侵されるかも」

みも「え……」

じょる「でもあれが偽物なら呪いだって存在しない。だからちゃんと調べようよ」

みも「うぅ……わかりましたよ」
34: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:04:00.28 ID:+KSQa6Xt
りぴ宅

じょる「たぶん昨夜のあれはりっぴーの仕業だと思う」

みも「なんか根拠でもあるんですか?」

じょる「ない。いつものよく当たる勘だよ」

みも「まぁたでましたよぴったし勘・勘……そもそもなんでりっぴーが私たちに幽霊なんか見せる必要があるんですか?」

じょる「さあねぇ。とにかくあの子が出かけてるうちに調べないと……」

みも「無理ですよ、ポルターガイストを起こすなんて」

くす「あ! 私わかっちゃったかも!」

みも「えー?」

くす「きっと特殊能力を使ったんだよ!」

みも「あーそれだ。そういうことにしてもう帰っちゃいましょう」

じょる「いや、違うと思うよ? あの子どう見てもまだ20代でしょ」

くす「そっか、30過ぎないと能力は使えないんだ……」

じょる「というか『特殊能力でしたー』で上が納得してくれるわけないし」
35: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:06:00.22 ID:+KSQa6Xt
みも「むぅ……」

くす「よく考えてから発言しないとダメだよ、探偵」

みも「くっすんが言い出したんじゃん」

じょる「ふたりとも喋ってないでちゃんと調べて」

くす「はーい」

みも「……にしても、どうしてここにはふたりしか泊めてくれなかったんだろ」

じょる「布団が二組しかないって言ってたでしょ?」

みも「でもあの布団結構大きかったですよ? 寝ようと思えばふたりで一組でも大丈夫だったはずです」

じょる「ふむ……たしかに」

みも「なにかこの部屋に3人以上泊められない理由でもあるんですかね?」

くす「ねーねー、ふたりが見た幽霊ってどんなだったの?」

みも「どんなって、怖い幽霊だよ」

くす「そうじゃなくて」
36: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:08:00.30 ID:+KSQa6Xt
じょる「うーん……とりあえず女だったのは間違いないね」

みも「ええ、声も完全に女でしたからね」

くす「えっ、幽霊喋ったの?」

みも「うん。『なんとかかんとかー!』って」

じょる「あと歳は私たちと同じくらいに見えたかな」

みも「ですね。でもほんと怖かったなぁ……気付いたらそこに立ってるんだもん」

くす「そこって、障子の前?」

みも「そうそう」

じょる「障子の前……あっ」

みも「なにかわかったんですか?」

じょる「もしかしたら庭に手がかりがあるかもしれない」

みも「行ってみましょう」

くす「じゃあ私はもうちょっと部屋の中調べてみるね」

みも「ん、お願い」
37: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:10:00.20 ID:+KSQa6Xt


じょる「あー、やっぱりあった」

みも「この台が手がかりなんですか?」

じょる「うん、たぶんプロジェクターを置くためのものだと思う」

みも「プロジェクターって……まさか障子に映写した、とか言いませんよね?」

じょる「おっ、みもちゃんご名答」

みも「ええっ、本気で言ってます?」

じょる「なんで?」

みも「だって障子に映したら映像に線が入っちゃうじゃないですか。私がそれに気付かないわけないですよ」

じょる「そりゃ今みたいに落ち着いていればね。でもあの時の状況だったらどう?」

みも「それは……」

じょる「ふたりとも寝ぼけてたし、なによりみもちゃんはパニック状態だったでしょ?」

みも「べ、別にパニックにはなってなかったですよ? まあちょっとはびっくりしましたけど」

じょる「なぜ強がる……とにかくあの幽霊は偽物だった、そう考えるのが妥当だね」

みも「はぁ~、偽物かぁ。なんか怖がって損した気分……ん?」
38: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:12:00.34 ID:+KSQa6Xt
じょる「んじゃ一旦部屋に戻ろっか」スタスタ……

みも「あぁ、待って下さい! ここに変なスイッチが」

じょる「スイッチ?」

みも「押してみますね」ポチッ

くす『わあああああぁぁぁぁぁ!!!!』

じょる「うおっ、なんだ?」

みも「くっすん!?」パッ

シーン……

じょる「…………」

みも「…………」

じょる「……ちょっと様子見て――」

スゥー……

くす「た、探偵……なんちゃん警部補……」

みも「くっすん! なにがあったの!?」
39: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:14:00.29 ID:+KSQa6Xt
くす「ポルター……ガイスト……」

じょる「えっ?」

みも「もしかして今のスイッチ?」

くす「た、助けて……腰抜けちゃった……」

じょる「ちょっ、大丈夫?」タッタッタッ

くす「うぅっ、怖かったよぉ……」ギュウ

じょる「すごい悲鳴だったけど、ちびったりしてないよね?」

くす「うん、それはだいじょっ……」

じょる「お、おい、黙るなって」

みも「いや~、びっくりしたねー。突然ひとりでにポルターガイスト装置が動くなんて」

じょる「みもちゃん」

みも「ごめんくっすん! 私が無闇にスイッチ押したりしたから……」

くす「いいよ。それより私も面白いもの見つけたの。ほら、あそこ」

みも「なにあれ? スピーカー?」
40: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:16:00.25 ID:+KSQa6Xt
くす「額縁を外してみたら出てきたんだよ」

じょる「きっと幽霊の声を流すためのものだろうね」

みも「くっすんよく見つけたね、偉い偉い」

くす「えへへ」

みも「ん? ってことはこれで今回の仕事は終了ってことですよね?」

じょる「うーん、そうなんだけど……」

みも「やっぱり気になりますか。どうしてこんなことをしていたのか」

じょる「うん……悪いけど、もう少しだけ捜査に協力してくれないかな?」

みも「いいですよ、私も気になってることですから。くっすんもいいよね?」

くす「うんっ」

みも「でも理由ならりっぴーが帰ってきたら直接聞けばいいんじゃないですか?」

じょる「聞いても正直に答えてくれるとは限らないでしょ?」

みも「なるほど。で、どうやって調べるつもりですか?」

じょる「そうだなぁ……とりあえずこの村の呪いについて詳しい話を聞きに行こうか」
41: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:18:00.21 ID:+KSQa6Xt
そら宅

そら「村の呪いのこと?」

みも「うん、心霊マニアとしてぜひ話を聞きたいなーと思って」

そら「まあ話をするのはいいけど、なんで私に?」

みも「それはほら、なんか詳しそうだったから」

そら「呪いのことならこの村に住んでる人はみんな知ってるよ」

くす「それだけ恐ろしい呪いってこと?」

そら「というより、始まりを知ってるからかな」

みも「始まり?」

そら「ね、日本で子供の自殺が一番多い日って知ってる?」

みも「あ~聞いた事あるような……」

くす「えっとえっと、いつだっけ……」

じょる「9月1日、だよね?」

そら「その通り、9月1日。つまり、2学期が始まる日」

みも「それと呪いになんの関係があるの?」

そら「今から20年くらい前、この村でも自殺した子がいたんだよ」

そら「9月1日の朝、自分の部屋で首を吊って死んでるのを発見されたの」
42: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:20:00.31 ID:+KSQa6Xt
くす「じゃあ村に出るのって、その子供の霊?」

みも「くっすん忘れちゃったの? 私たちが見たのは大人の女だよ」

くす「あ、そっか」

じょる「察するに村に出るのはその子の母親かな?」

そら「はい。その子が死んでいるのを発見したのが母親だったんです」

そら「自分の子供が死んでから、母親はどんどん病んでいって――」

そら「最後はその子と同じ場所で同じように首を吊った……」

そら「それからこの村では母親の霊が今も成仏できないまま、ずーっと彷徨ってるんだよ」

くす「うわぁ……」

そら「村のあちこちに石像があったでしょ? あれはその親子を祀ったものなの」

くす「そうだったんだ……」

じょる「…………」

みも「その子の家ってまだ残ってるの?」

そら「ううん、随分前に取り壊されたから」

みも「そっかぁ」

そら「よかったら家のあった場所教えよっか?」
43: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:22:00.33 ID:+KSQa6Xt


みも「さて、それじゃ家の跡地にでも行ってみますか」

じょる「待って」

みも「どうかしましたか?」

じょる「ふたりはこの村に来てから、なにかおかしいと思ったことはない?」

くす「えっ?」

じょる「なんかこう、違和感を覚えたこととか」

みも「う~ん……そういえばこの村の人って全然方言喋ってないですね」

じょる「さすがみもちゃん、いいとこに気付くね」

みも「お、やった褒められた~」

じょる「他にはなにかない?」

くす「えとえと……」

みも「あっ、年寄りがいないとか!」

じょる「うん、それから?」

みも「まだあるんですか!? そうだなぁ……」

くす「待ってよ私もなんか言いたい!」

じょる「これはもう出てこないかな~?」
44: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:24:00.70 ID:+KSQa6Xt
みも「南條さんも一個くらいあげてくださいよっ」

じょる「ええ? じゃあ……車の数かな。村人の数よりも少なかった」

みも「それのどこがおかしいんですか?」

じょる「こういう田舎じゃ車は大抵一人一台持ってるんだよ」

みも「へー……で、結局南條さんはなにが言いたいんですか?」

じょる「つまりこの村に――」

くす「ああっ!! あったおかしいこと!」

じょる「なにかなくっすん」

くす「村人みーんな仕事してない!」

じょる「……あ」

みも「そういえば昨日も今日も平日だったね」

くす「でしょ? それにほぼ全員一人暮らしみたいだし、誰かが働きに出てるとかじゃなさそうだよね?」

みも「うわー、普段曜日とか気にしてないから気づかなかったぁ~」

じょる「そうか、わかったぞ! 行くよふたりとも!」スタスタ

みも「えっ、例の家があったのてそっちじゃないですよ?」

じょる「行き先はそこじゃない。ほら急いで!」
45: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:26:00.62 ID:+KSQa6Xt
夜 集会所

みも「よーし、全員揃ったね」

しか「ねえ、これってどういうことなの?」

みも「それはもちろん……お世話になったみんなにお礼がしたくって」

ぱい「りっぴーに呼び出された時は何事かと思ったけど……」

うち「まさかこんな豪華なディナーが用意されてるなんてねぇ」

りぴ「もう食べていい? 食べていい?」

みも「その前に、みんなで『いただきます』しよう」

そら「おぉ、なんか小学生に戻ったみたいだね」

みも「はいじゃあ手を合わせて! せーのっ」

一同「いただきます」

くす「はむっ、はふっ、ん~すっごくおいしい!」

じょる「そりゃあんだけ高い金払って注文したからね。あむっ」

みも「ちょっとくっすん! 私の分まで食べないでよっ!」

………………

…………

……
46: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:28:00.70 ID:+KSQa6Xt
みも「ふぅ~、食った食ったぁ!」

じょる「みもちゃん、くつろいでないでアレやってアレ」

みも「あっ、そうだった」スクッ

みも「みんなもう食べ終わったよね? 食後の挨拶も忘れずにやるよー。せーの!」

村人たち「ごちそうさまでした」

じょる「……さて、それじゃ始めようか」

みも「はいっ」

しか「あれ、まだなんかあるの?」

みも「むしろここからが本題だよ。えー……ずっと隠してたけど、実は私は旅人でも心霊マニアでもありません」

そら「えっ?」

みも「なんと私は、あの有名な名探偵みもりんなんですっ!」

くす「そして私は助手のくっすん!」

じょる「私っ……は、まあいいや」

りぴ「名探偵?」

ぱい「うっちー知ってる?」

うち「ううん、聞いたことない」

みも「……そんで昨夜のポルターガイストと幽霊のことなんだけど、あれ全部イカサマだよね?」

りぴ「そそ、そんな証拠どどどこに?」

みも「りっぴーが出かけてる間にいろいろ調べさせてもらったんだよ」

くす「スイッチで部屋を揺らして、障子に幽霊を映写したんでしょ?」

りぴ「!」
47: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:30:00.76 ID:+KSQa6Xt
じょる「まったく、あのしょうもない仕掛けに一体いくら使ったんだか……」

みも「部屋に私と南條さんのふたりしか泊めてくれなかったのは、重量オーバーを避けるためかな?」

りぴ「ちがっ――」

うち「で、あれがなんだって言うの? 別に怪我させたわけでもないのに」

みも「やっぱりうっちーも知ってたんだ、あの仕掛けのこと」

うち「し、知らないっ!」

みも「そうかなぁ? 思い返してみるとあの部屋に出た幽霊、うっちーに似てた気がするんだけど……」

うち「っ……」

じょる「昼間に聞いた20年前の話も全部真っ赤な嘘だろうね」

そら「……だとしても、なにか問題があるわけじゃないですよね?」

みも「問題は、なんのためにそんなことをしたかなんだよ」

みも「過去を捏造して、それを元に怪奇現象を起こした理由はなんなのか……」

みも「もしかしてこの村に人を近づかせたくなかったとか?」

そら「…………」

みも「この村の人たちは働いている様子がないのに、みんな普通に生活してるし車まで持ってる人もいるよね?」

みも「でもそんなお金、いったいどこから出てるのかな? 答えてくれる人、挙手!」

シーン……

みも「あれ、誰も答えてくれないんだ」

じょる「ところで、保健所にはもう連絡してくれた?」

ぱい「えっ……」
48: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:32:00.69 ID:+KSQa6Xt
じょる「その様子だとやっぱり電話はかけてないみたいだね」

しか「待って、保健所ってなんのこと?」

じょる「ああ、山に生えてる大麻を除草してもらおうと思ってさ」

しか「……!」

みも「ふふっ、困るよね? あれがなくなっちゃったら」

じょる「あそこに生えてる大麻を調べてみたら、収穫した痕跡があったよ」

くす「売ってるんでしょ? ここは携帯も圏外の山奥だけど、ネットは使えるもんね」

ぱい「で、でも私たちが収穫したって証拠はないよね?」

りぴ「そうだよ! イエティが採ってったのかもしれないじゃん!」

みも「そっか、まだ認めてくれないんだ……じゃあうっちー!」

うち「な、なに?」

みも「昨日は昼間っからお酒飲んで酔っ払ってたんだよね?」

うち「そうだけど……いけない?」

みも「そりゃお酒を飲んだだけなら別にいけなくないけど……あれ、お酒じゃないでしょ?」

うち「言いがかりはやめて」

みも「言いがかりなんかじゃないよ。さっきディナーの時、うっちーは何杯もお酒を飲んでたよね?」

うち「……それが?」

みも「でも今はこの通りけろっとしてる。お酒強いんだね」

うち「だからなに? 私だってたくさん飲めば酔っ払うことくらいあるよ」

みも「そうだろうね。でも……うっちーが酔っ払うほど飲んだら、相当お酒臭くなるはずだよ?」

うち「っ!」
49: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:34:00.74 ID:+KSQa6Xt
みも「あぁ、くっすんって結構鼻が効くんだけど、昨日うっちーに会った時は全然お酒の匂いはしなかったって。ね?」

くす「うん。お酒の匂いはしなかったんだけど、なんか青臭いというか変な匂いがしたよ」

じょる「おそらく大麻の匂いだろうね」

みも「吸ったんでしょ? 大麻」

うち「…………」

じょる「検査すればすぐにわかることだよ。まあ陽性反応が出たところで逮捕はできないけど」

みも「えっ、そうなんですか?」

じょる「大麻の吸引自体は違法じゃないからね。ただ吸ってたとなれば捜査はすると思うよ」

みも「だって。いい加減認めちゃいなよ」

じょる「ちなみにここの村人が全員県外からの移住者だってこともわかってるから」

ぱい「どうし……あっ」

うち「ぱいるちゃんっ!」

みも「どうしてって、誰も方言喋ってないんじゃさすがにおかしいと思うでしょ」

りぴ「わ、私たちは若いから方言なんて使わないんだよっ」

みも「ああ、もちろんその可能性も考えたよ?」

みも「でも本当に子供の頃からこんなところに住んでいたなら、方言と気づかずに使ってる方言もあるんじゃないかな?」

しか「方言と気づかない方言?」

じょる「例えば……さっきご飯を食べ終わった後、なんて言った?」

しか「……ごちそうさまでした?」

じょる「そう、全員迷うことなく『ごちそうさまでした』」

うち「他に言い方なんてないでしょ……」

じょる「あるんだな、それが」
50: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:36:00.19 ID:+KSQa6Xt
みも「長野じゃ食後の挨拶は『いただきました』って言うんだよ。知らなかった?」

そら「し、知ってるよ! たださっきは3人につられて言っただけで――」

みも「え? 私たちは手を合わせただけでなにも言ってないよ? だよねくっすん?」

くす「うん、私はなにも言わなかったよ」

じょる「右に同じく」

そら「ぐ……」

みも「この村で育ったっていうのが本当なら“いただきました”は普段から使ってたはず」

みも「それなのに誰一人として『いただきました』って言わなかったのは……おかしいずら?」

ぱい「う、うっちー、もうダメだよ全部バレてる……」

うち「ぱいるちゃんは黙ってて!」

そら「いや……もういいよ」

うち「まるちゃん……」

しか「これ以上ごまかせないかぁ」

りぴ「そうみたい……」

みも「認めるんだね? 大麻の密売を」

そら「うん……この村に移住したのは大麻を栽培するため」

そら「収穫した大麻はネットで注文を受けて、街で直接客に渡してた」

みも「まさか……今日りっぴーが出かけてたのも?」

そら「そうだよ。今週の当番はりっぴーだからね」

そら「あと心霊スポットの噂を作ったのも探偵の推理通り」
51: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:38:00.82 ID:+KSQa6Xt
じょる「でもこんな山奥なら噂なんかないほうが人は寄り付かないんじゃないの?」

そら「そう思ってたんだけど、美女だらけの過疎村があるって噂が――」

くす「ええっ、そんな噂が流れたの?」

そら「いや、そういう噂が流れたら困るから先に心霊スポットの噂をネットに流したんだよ」

くす「うん?」

そら「それで最初は心霊マニアがよく来てたんだけど、あの部屋に泊まったらみんなすぐ逃げ帰ってね」

そら「そのうちこの村に来る人はほとんどいなくなったから、大麻のことは誰にも気づかれなかったよ」

じょる「うわぁ、なんて無駄なことを……」

みも「収穫した大麻って全部売ってたの? それともうっちーみたいに使ったりもした?」

りぴ「まあ時々……でも一番使ってたのはうっちーかな」

そら「ぱいるちゃんのためだもんねぇ……」

うち「ちょっと!」

ぱい「うぅ……」モジモジ

みも「なんで恥ずかしがってんの?」

しか「……このままずーっと、みんなでのんびり暮らしていけると思ってたのになぁ」

村人たち「…………」

みも「あっ、そうだ。村人ってもう一人いたはずだよね?」

りぴ「え?」

みも「昨日の昼間、大麻畑にいた子だよ。どこ行っちゃったの?」

そら「……ここに住んでるのは私たち5人だけだけど」
53: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:40:00.54 ID:+KSQa6Xt
みも「え……ってことは私が見たのって――」

じょる「いや、たぶんここが心霊スポットだって先入観のせいでなにかと見間違えたんだよ」

みも「ですよねー。幽霊なんているわけないし!」

くす「めちゃくちゃ怖がってたくせに……」

みも「くっすんなんか言った?」

くす「ううん、なんでもなーい」

そら「一つ教えて。いつから私たちのことを疑ってたの?」

みも「あー、それはぁ……いつから疑ってたんですか?」

じょる「うーん、最初はなんか違和感があるなーって思っただけだったけど――」

じょる「それがはっきりとした疑念に変わったのは、20年前の自殺の話を聞いた時かな」

そら「なにかまずかったですか?」

じょる「まずいもなにも、あんな話はありえないからね」

そら「どうして?」

じょる「だって長野県のほとんどの学校では、8月中に2学期が始まるんだよ?」

じょる「つまり9月1日は始業式の日じゃないから、あの話とは矛盾してるってわけ」

そら「そうだったんだ……」

みも「話にリアリティを持たせようとしたのが逆に仇になったんですね」

じょる「そういうこと。くっすん、警察呼んでくれる?」

くす「はーい!」

………………

…………

……
54: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:42:00.23 ID:+KSQa6Xt
えみ「いや~、まさか東京の刑事さんだったとは……」

じょる「刑事は私だけだけどね」

えみ「そうだだ? まあなんでもいいけん、ご協力ありがとうございましたっ」

じょる「じゃ、あとはよろしく」

みも「ところで南條さん、ディナーのために貸したお金はちゃんと返してくれるんですよね?」

じょる「あ~捜査費として認められれば返すよ」

みも「認められなかったら?」

じょる「大丈夫、成功報酬弾むって言ってたから」

くす「私お財布すっからかんだよぉ……」

じょる「ごめんね、私もこんなことになるとは思ってなかったからさ」

みも「というかさっきのってほんとなんですか?」

じょる「さっきの?」

みも「“いただきました”ってやつですよ」

じょる「ほんとだよ、巡査に聞いてみたら?」

みも「ねー! ご飯食べ終わったときの挨拶ってわかる?」
56: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:43:59.98 ID:+KSQa6Xt
えみ「……いただきました?」

じょる「ほらね」

みも「おー……」

くす「じゃあ私たちもそろそろ帰ろっか」

みも「そうだね、行こ行こ」

じょる「どうやって帰るつもり?」

みも「くっすんの車に乗ってくに決まってるじゃないですか」

じょる「いや、あの車壊れたろ」

みもくす「……あ」

じょる「忘れてたのか……」

みも「どどど、どうするんですか!?」

くす「私たち帰れないの!?」

じょる「うーん……とりあえずたった今走っていったパトカーにでも乗せてもらう?」

みも「それだっ! 追いかけるよくっすん!」タッタッタッ

くす「了解!」タッタッタッ

みも「待ってー! 私たちも乗せてってー!」タッタッタッ……

………………

…………

……
57: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:46:00.52 ID:+KSQa6Xt
数日後・夜 みも宅・寝室

みも「なーんじょーさーん! むぎゅっ」ギュゥ

じょる「なに? なんか用?」

みも「用というか……こうしてると落ち着くんですよねー、えへへ」

じょる「私はみもちゃんのぬいぐるみじゃないんだけど」

みも「わかってますよ、ぬいぐるみじゃなくて恋人でしょう?」

じょる「お、おぅ……」

みも「あ、照れてる。可愛いなぁもうっ!」

じょる「うるさいっ……ああそうだ、こないだのディナー代のことだけど、捜査費ってことでなんとかなりそうだよ」

みも「そうですかぁ、よかった~」

じょる「世間に知れたら税金の無駄遣いだって叩かれそうだけどね……」

みも「あはは。そういえばたしか成功報酬も出るんでしたよね?」

じょる「え? あー……」

みも「今度そのお金でくっすんと3人で美味しいものでも食べに行きましょうよ!」

じょる「そのことなんだけどさ……」

みも「どうかしました?」
58: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:48:00.29 ID:+KSQa6Xt
じょる「成功報酬、出ないんだよね……」

みも「へ? なんで!? ちゃんと幽霊はいないって証明しましたよね!?」

じょる「その……一回説明したと思うけど、あれは村おこしのための捜査なんだよ」

みも「わかってますよ、それがなんだって言うんですか?」

じょる「私たちは幽霊が偽物だってことを証明したついでに、あの村で大麻コミュニティができてたことも暴いちゃったでしょ?」

じょる「なんかそのせいで村おこしどころじゃなくなっちゃったみたいでさ……」

みも「そんなぁ……あんなに怖い思いしたのにっ!」

じょる「あれは偽物だったんだからいいじゃん」

みも「そういう問題じゃないですよぉ……」

じょる「あっ、私ちょっとトイレ」スタスタ……

みも「はぁ~……あれ、そういえば」

じょる『ここが心霊スポットだって先入観のせいでなにかと見間違えたんだよ』

みも「とか言ってたけど……」

みも(私が山で女の人を見たのって、心霊スポットの話を聞く前だったような……)

みも「わぁぁぁぁぁ……」

つづへ
59: 名無しで叶える物語(笑) 2017/12/14(木) 21:49:00.36 ID:+KSQa6Xt
お粗末さまでした。
スポンサーリンク

シェアする

フォローする

『みもりんスペシャル「三十路探偵・みもりんの事件簿M XIII」戦慄!呪われた村 みもりんVS怪奇現象!!忌まわしき20年前の悲劇…[字][解][デ]』へのコメント

当サイトはコメントシステムとしてDisqusを使用しています。
コメントの投稿にはDisqusへのアカウント登録が必要です。詳しくはDisqusの登録、利用方法をご覧下さい。
表示の不具合、カテゴリーに関する事等はSS!ラブライブ!Disqusチャンネルにてご報告下さい。