未来への上り坂

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千歌-アイキャッチ42
千歌「だー!!受験勉強、飽きたー!」

曜「まあまあ……。私も飽きちゃってるけどさ。受験も近いんだし」

千歌「そういえば、曜ちゃんって、どこの高校を受験しようと思ってるの?」

曜「うーん、いろいろ考えたんだけど、浦女にしようかなって……」

pixiv: 未来への上り坂 by ホイミン小川

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千歌「えっ!?沼津の高校から飛び込みで推薦が貰えたんじゃないの?」

曜「うん、まあ……」

千歌「もったいないじゃん……でも、どうして?」

曜「まず、果南ちゃんがいるってのが大きいかな。結構楽しそうだったじゃん、この前に会った時!」

千歌「うんうん。部活?か何かで忙しそうだけど、楽しそうだったよね!」

曜「もちろん、それだけじゃないよ。飛び込みの施設も結構しっかりしてるんだ。海が近いだけあって、本格的な施設なんだ」

曜「顧問の先生もいい感じの先生だったし。沼津の高校と大差ないんだ」

千歌「ふーん」

曜「そんなことを訊いてくる千歌ちゃんはどうなのさ?」

千歌「私も浦女にしよっかなーって。曜ちゃんほどしっかり考えてないけどね」

曜「そうなの?」

千歌「チカの家、お母さんも志満ねえも美渡ねえもみーんな浦女なんだ」

曜「だから?」

千歌「そういうわけでもないんだけどさ。志満ねえや美渡ねえに『浦女ってどんな感じなの?』って訊いたことがあるんだ」

曜「なんて言ってた?」

千歌「志満ねえは『のどかでいいとこよ。まあ、ちょっとのどかすぎるかもしれないけど』って。美渡ねえは『キングオブ田舎高校』って、ボロックソに言ってた」

曜「言いそう!」

千歌「でもね。二人とも、浦女のことを話すときに、なんか、こう、輝いてた。うーん、うまく言えないけど、輝いてたんだ」

曜「うん?」

千歌「二人ともいろいろと言ってたけど、『浦女が大好きなんだー』って気持ちが伝わってきたんだ」

曜「だから?」

千歌「だから!」

千歌「それにね、私、内浦が大好きなんだ!海もきれいだし、山もきれいだし、人も優しいし。ちょっと田舎すぎるかなーって思うけど。チカは大好き!」

千歌「だから、内浦の高校に通いたいなーって思ったんだ。あと、ついでだけど、果南ちゃんもいるしね!」

曜「果南ちゃんは『ついで』なの?このこと、果南ちゃんに言ったら怒られちゃうかもよー?」

千歌「もう、曜ちゃん!意地悪しないでよ!」

果南「千ー歌ー?何が『ついで』なのかなん?」

千歌「か、果南ちゃん!!」

曜「噂をすれば……ってやつだね」

果南「もうすぐ高校の先輩になるっていうのに、随分な言い方してくれてたじゃん?」

千歌「ヒエッ」

曜「これが、いわゆる先輩風」

千歌「か、か、果南センパイって呼んだほうがいいでしゅか?」

曜(噛んじゃった)

果南(噛んだ……どんだけアタシにビビってるんだ……)

果南「冗談だよ、冗談。イッツジョークってやつ」

千歌「なーんだ」

果南「ごめんごめん。千歌も曜も、浦女を選んでくれるのが嬉しくって。ついつい、からかいたくなっちゃった」

千歌「もーーー!」

果南「ごめんってば。でも、本当に嬉しいんだよ。さっきの話、ちょっと立ち聞きしちゃったんだけど、二人とも真剣に考えてくれたみたいでさ」

曜「果南ちゃん……」

果南「浦女はいい高校だよ。まあ、のどかすぎるし、登校するときの坂道が辛いけどさ」

曜「……」

千歌「えっ?果南ちゃんでもキツイの?」

果南「まあね」

千歌「そうなんだ。なんか、志望校を考え直したくなってきた……」

果南「えっ……そ、そんなにきつくない…よ……。ダイヤが、っていうか、ひ弱な友達が『キツイですわぁぁ』って言ってただけだからね!!」アセアセ

千歌「ふふふ……冗談!さっきのお返し!」

果南「こら!そんなことすると、受験勉強見てやらないぞ~!」

千歌「いいもん。果南ちゃん、勉強は頼りにならなそうだもーん」

果南「あー!言ったなー!」

千歌「逃げろー!」

曜「……」

果南「待てー……。って、曜、どうかした?」

曜「あ、いや、ちょっと考え事してて。私は絶対に浦女へ行くから!ヨーソロー!」

果南「う、うん」


曜(本当のことを言えない流れだった……)

曜(私が浦女を志望した本当の理由は、あの急こう配な『上り坂』)

曜(趣味:筋トレ、な私が分析するに理想的な勾配!)

曜(登下校するだけで、制服コスプレが最高にえっろく見える脚線美が手に入る筋トレになる!!)

曜(その脚線美を使って、幼馴染の千歌ちゃんを籠絡する!!!)

曜(そんなことを考えた不純な私には天罰が下るのでしょうかー!!!!)

曜(……なんてね)

曜(まあ、いいや。千歌ちゃんとのさっきの会話を録音しておいたから、パソコンに取り込んどこ)


約二年後、東京から最大のライバルがやってくるとは思ってもいない渡辺曜、中3の早春の出来事であった。



おわり
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2018年5月26日
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