千歌「変わりゆく友」

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Aqours-アイキャッチ8
私、高海千歌は今、静岡市内の大学に通う大学2年生!

そして今年、晴れて成人となりました。

…え?現役で合格だなんて信じられない、って?

もう!これでも頑張って勉強したんですからね?

そのためアパートで一人暮らし中なのですが、年末年始ですので帰省しました。

すると、果南ちゃん、曜ちゃん、梨子ちゃんの4人で、当時2年生だった3人の成人のお祝い会を開くことになりました。

pixiv: 千歌「変わりゆく友」 by tsugarulefthors

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「かんぱーい!!!!」

4人そろって乾杯。

4人とも、みかんサワーです。

一口お酒を飲むと、果南ちゃんと曜ちゃん、それに梨子ちゃんが言いました。

「本当はダイヤとか鞠莉とかAqoursのみんなを呼びたかったけど…」

「5人とも都合が悪くて…」

「しょうがないよ。みんなそれぞれ進路があるんだから」

「千歌ちゃんがそれを言うなんて、成長したのかしら?」

「梨子ちゃん!?」

「確かに、あの千歌がもう成人だなんて、ね」

「果南ちゃんまで!」

でも、確かに5人とも何をしているんだろう?

実は卒業してからあまり連絡を取っていないので、よくわからないんです。

「ねえ、みんなは何してるか、わかる?」

「まず、ダイヤは大学生だね」

そうでした。東京の大学に推薦入学なんて、さすがだと思ったものです。

「ダイヤさん、それはそれは真面目に勉強しているって話よ」

梨子ちゃんも感心していました。

すると曜ちゃんも入ってきました。

「だけどダイヤさん、最近は雀荘に行くとか」

「…じゃんそう?」

「わかりやすく説明すると、麻雀を打つお店だよ」

曜ちゃんが説明してくれました。

…麻雀って、あの?

よくお客さんが部屋で打つことがある、あのゲームだよね…。

でも、いくらなんでもダイヤさんが麻雀なんて―

「私も、ダイヤさんがちょくちょく雀荘に行くなんて話を聞いたわね」

「えっ!?」

梨子ちゃんも知ってたの!?

「それでいながら単位はきっちり取ってるって、さすがダイヤだよ」

果南ちゃん、あっけらかんとして話すことなの…?



「ダイヤといえば、ルビィはダイヤと一緒に暮らしてるよ」

なんか急に話をそらされた気もしますが…。

だけどルビィちゃんも東京にいるんだ。

曜ちゃんも相槌を打ちました。

「そういえばルビィちゃん、確か東大生だもんね」

「えっ東大!?それって東京大学!?」

「そうだよ?あ、すいませーん、ぶどうサワー1つ!」

曜ちゃん、注文のついでにさらりと言うことなの…?

ルビィちゃん、そんなに頭が良かっただなんて…。

「”内浦から東大合格者!”って、ニュースになってたっけ」

梨子ちゃんも、けらけら話すことなの…?

「まあ実際ルビィは東大生、今東京で2人暮らししてるよ」

果南ちゃんまでごく普通に言うなんて…。

ルビィちゃんの東大合格が当然だったかのような雰囲気です。

「でもでも、ダイヤさんって麻雀に行くんだよね…」

「お金には困っていないみたい。学費にも生活にも影響してないって」

「だけどダイヤさんもすごいわよね。1円たりとも賭けないなんて」

うん、そりゃあ賭けたら大変なことになるからね…。

でも…だとしたら雀荘に行く必要ないよね…?

「先輩についていったら、面白くてはまっちゃったんだってさ」

果南ちゃんが教えてくれました。

麻雀にはまったダイヤさんと東大生ルビィちゃん…。

なんとも不思議な姉妹です…。



「鞠莉はイタリアで勉強中だよ」

さすがだね。やっぱり将来、オハラグループを継ぐのかな…?

そういえば、今は何の勉強してるんだろう?

それを聞こうとしたら、梨子ちゃんが先に話しだしました。

「鞠莉ちゃん、すごいよ。イタリアでも屈指のピザ職人だって」

「ピザの勉強中だったの!?」

あのシャイ煮を作った元理事長が、今はピザ職人!?

「たまたまテレビで見たけど、マルゲリータおいしそうだったなあ…」

梨子ちゃんの表情が思いっきり緩んでいます。

嘘をついていないようです…。

頼んでいたぶどうサワーを飲みつつ、曜ちゃんが言いました。

「腕はホテルオハラの料理人に勝るとも劣らないみたい」

曜ちゃんも知っているみたいです。

果南ちゃんも知っていたんだよね…?

「鞠莉にわかめピザを作ってもらいたいね」

「果南ちゃんも相変わらずわかめが大好きよね!」

「さざえピザもおいしいかも!」

3人で盛り上がっているところ悪いけど…。

「なんでまたピザ職人になったんだろう…?」

ごく自然な私の疑問に、梨子ちゃんが答えて言うには―

「たまたまピザを作ったら厨房にいた料理人が見て…」

「そのクオリティを料理人に褒められたからピザの修行を始めた、って言ってたわね」

そうなんだ…。

「だけど鞠莉ちゃん、経営の勉強もきちんとしてるみたいよ?」

なんて二刀流なんでしょうか…。



「すいません、生1つ。…そうだ千歌ちゃん、花丸ちゃんが今どこにいるか知ってる?」

曜ちゃんが話題を切り替えました。

「ううん、知らないのだ。どこにいるの?」

「青森」

「…え?」

「だから、青森県だよ!ブルーフォレスト!」

いや、静岡を「サイレントヒル」というようなことはしなくてもいいよ…。

「そうなの?でもなんで青森に行ったの?」

「花丸ちゃん、読書好きでしょ?」

「あー、そうだったね」

「特に太宰治っていう作家の小説をよく読んでたんだ」

「うん」

「その太宰治の出身が、青森県」

「うんうん」

「それで、花丸ちゃんは青森に行ったんだよ」

「つまり…?」

「太宰治に憧れて、花丸ちゃんは青森県津軽地方の弘前(ひろさき)市に行ったのであります!」

…筋の通っているような通っていないような理由でした。

曜ちゃんが生ビールを受け取る間に、果南ちゃんが話に入ってきました。

「小説『津軽』に沿って竜飛(たっぴ)岬…津軽の一番北の方まで行ったんだって」

「竜飛岬の画像見たけど、あの海潜ってみたいね」

…こちらもいつもの果南ちゃんでした。

「花丸ちゃん、津軽弁はある程度聞き取れるようになったんだって」

梨子ちゃんがコメントしました。

どう返すべきなのでしょうか…?

すると梨子ちゃんが。

「でも花丸ちゃん、なんだかんだいっても元気にしてるから大丈夫よね」

確かに、元気ならそれだけで十分だよね。

…と、まだメンバーがいたね。



「そうだ、善子ちゃんはどうしてるの?」

最後に名前が出てきた善子ちゃん。

どうしてるのかな?

「善子なら、今プロボウラーだよ」

「ええっ!?」

果南ちゃん、さすがに冗談は善子ちゃん―

「ああ!公式戦デビューでいきなりパーフェクト達成したよね!」

曜ちゃん!?というかいきなり快挙達成したの!?

「成績もそこそこいいし、元スクールアイドルだってこともあって、ルーキーなのに大人気!」

「ついたキャッチコピーが、『レーンに舞い降りた堕天使ヨハネ』だって!」

曜ちゃんと果南ちゃんがいうなら、本当なんだね…。

「テレビで、”ボウリングは元々、ピンを悪魔に見立てそれを倒すことによって悪魔を祓う儀式が由来”と言ってて…」

「それを聞いた善子ちゃんにスイッチが入って、とうとうプロになったんだよ」

堕天使キャラをきっかけに、こんな形で人生が変わるなんて…何があるかわかりません。



「…みんな、ちょっといい?」

一段落ついたところで、梨子ちゃんが声をかけました。

「いいよ」

曜ちゃんと果南ちゃんが答えました。

しかし、何のこと…?

と思っていたら。

鞄から取り出したのは…箱とライター。

「千歌ちゃん、ごめん。大丈夫?」

「あ、うん」

そういうお客さんもいるから慣れてるし、私はいいけど…。

梨子ちゃんが箱から細長い円柱状の物を取り出し口にくわえると、先端に火をつけました。

その先端が一瞬赤くなったかと思うと、ほどなく煙を吐き出しました。

そうか、梨子ちゃんは―

「よっちゃん元気かしら…」

「梨子ちゃん、善子ちゃんが内浦を離れてからたばこを吸うようになったんだ」

「もちろん20歳になってからだよ?」

「あ、うん…」

曜ちゃんが教えてくれた事実。

梨子ちゃんがたばこなんて、思いもよらないとはこのことでした。

「私、仮にも音楽の先生を目指しているから、本当はやめたいんだけど…」

「よっちゃんのことを思い出すと、どうしても吸っちゃうのよね…」

梨子ちゃんの心の闇は相当深そうです。

「今でも連絡取ってるし、それ以外では吸わないようにしてるけど、ね…」

そんな風に変わるなんて…。



「ところでさ、曜ちゃん」

梨子ちゃんの闇には触れないこととして、次は―

「ん?なに?」

「何杯飲んだ?」

「今日は控え目にしてサワーで4杯、生3杯、今日本酒1合だよ」

控え目で…?

「焼酎ロックも平気なんだけどね」

「曜ちゃん、酒豪なんだね…」

「お父さんにね、”お酒が強くないと船乗りになれないぞ”って言われてさ」

「いや、全然関係ないと思うんだけど…」

「船乗り目指して今もお酒の勉強しているから、大丈夫であります!」

…酔っ払ってない?会話がかみ合っていないような…。

「渡辺曜!いっきまーす!全速前進、酔う酒にー!」

と言いながらお猪口をぐいっと傾け、日本酒を飲んでいきます。

曜ちゃん、完全にお酒に酔う。

あ、今のは「曜ちゃん」と「お酒に酔う」をかけた…。

ともかく、曜ちゃんお酒は強い…いわゆる酒豪ですね、しゅごーい!

あ、今のは「酒豪」と「すごい」をかけた…。

あれ?そういえば―



「果南ちゃん、寝てるよね?」

「ええ、そうね」

果南ちゃんはすっかり寝てしまっています。

梨子ちゃんも気付いていました。

「果南ちゃん、結構『強い』って言われてるけど…」

「お酒はまったく弱いってダイヤさんから聞いてたけど、本当ね」

「でも仕方ないよ。ダイビングするしお酒をあまり飲めないって果南ちゃん言ってなかった?」

「恐らく、体質的にも弱いのかもしれないわ」

果南ちゃん、お酒弱いんだ…。

「でも車で来なかった?」

「代行を頼むから大丈夫よ」

「あ、そうか…」



「果南ちゃん、果南ちゃん」

体を揺さぶって、やっと起きました。

「ん…?ああ、ごめんごめん。お酒が弱くて…」

「私こそ、ごめんね、起こしちゃって」

「気にしないで。千歌に久しぶりに会ったから、私も付き合いたいし」

「ねえねえ、果南ちゃんは今もダイビングしてる?」

「もちろん!今の時期はちょっと暇だけど、ね」

「やっぱり果南ちゃんは違うよ。ちっちゃい頃から潜ってさ」

「曜だって高飛び込みで潜ってるじゃん」

「いや、それは潜るというか飛び込みよね…」

梨子ちゃんが突っ込みを入れると、果南ちゃんが話を戻しました。

「まあ…ダイビングショップは相変わらず繁盛してるよ」

「だけど、ダイビング以外にも新しいことを始めたい、って思ったんだ」

「新しいこと?」

確かに、チャレンジは大事だと思います。でも、何を始めるの?

「そう。今一番やりたいことは、スカイダイビングかなん?」

「…え?」

「ほら、パラシュートをつけて飛行機から降りる、あれだよ」

「それはわかるけどさ…」

海で「ダイビング」して、空からも「ダイビング」するの…?

「海に潜るから、飛行機とか山とか高いところにはあまり行けないけどね」

そういう問題じゃないような…。

「もちろん、海の中はとってもいいよ。海外での経験はよかったと思ってるし…」

「全国、いや世界中の海をダイビングしてみたいしさ」

「だけど、空の高いところからの景色も、海と全然違って綺麗なんだと思う」

「なかなか見られない風景を見るって体験、絶対悪いことじゃないよね」

熱く語ってくれました…。

果南ちゃんは、ダイブがだいぶ好き。

あ、今のは「”潜る”という意味のダイブ」と「”とても”っていう意味のだいぶ」をかけた…



色々話を聞いたけど、みんな変わったんだね。でも…

「みんな色々変わっていったけど…元気なら、いつかまた9人そろうよね?」

「そうだよ!みんなときっと会えるよ!」

「ええ!いつかどこかで、会える!」

曜ちゃん、梨子ちゃん…!

「みんな変わっていくところもあるけど、Aqoursの絆は変わらない、よね!」

「当然だよ!千歌もいいこと言うじゃん!」

果南ちゃん…!

それに引き換え私なんて―

「私、未だに普通だもん…」

「またー!ラブライブ!優勝して静岡市の大学で独り暮らしして、どこが普通なのさ」

もう果南ちゃん、私はやっぱり普通なんだよ…。

「実際普通だよ?得意だった卓球も全国大会で準決勝敗退だし」

「その時点で普通じゃないよ!?」

「曜ちゃん、違うよ!もう一つ得意な書道だって、書道展の県知事賞止まりだし」

「いやそれ全然普通じゃないよ!?」

「梨子ちゃんも違うよ!成績も優か、たまに良だし…」

「…千歌、今何学部?」

「医学部」

「「「絶対普通じゃない!!!」」」

…私って、普通じゃないそうですが、どうなのでしょうか…?





ありがとうございました。(了)
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