ゲーセンへの扉~Never open story~

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梨子-アイキャッチ27
今日はよっちゃんとゲーセンで待ち合わせて遊びに行く予定だ。

よっちゃんが少し遅れるということなので、先に入って待つことにした。

しかし、扉の前に立っていくら待っても扉は一向に開かない。

───あれ?でも扉はここだけよね?

普通に中で遊んでる人もいるし、休みということもないはず。

もう一度扉をよく見ると、手をかざしてくださいの文字。

───あっ、なるほど…。うわぁ…、めっちゃ恥ずかしいことした…。

pixiv: ゲーセンへの扉~Never open story~ by ゆっきー

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気を取り直して扉に手をかざしながらゲーセンの中に進もうとすると、扉に顔面を強打した。

───なんで!?もしかしてかざす時間が短かったと言うの…?

今度こそはと扉に手をかざすこと10秒。

扉はうんともすんとも言わなかった。

───いやいやいやいや!なんで開かないの!?

ここまで開かないと私も意地だ。

右手をかざしたり、左手をかざしたり、センサーに手を振ってみたり、思い付く限りを試してみた。

しかし開かない。我慢比べとでも言うかのように開かない。

その時、私の脳内に稲妻が走った。


───そうか。この扉もレズなのね!


そう考えると全て辻褄が合う。

きっとこの扉は女の子を直視したことがないのだろう。

いつも人が来ればすぐに左右に追いやられ、ちゃんと見ることが出来なかった。

しかし、私が勘違いして扉の前に10秒も立ってしまった。

10秒───。今まで女の子を直視したことがない扉がレズに目覚めるには十分すぎるほどの時間だった。

レズになってしまえば欲も出てしまう。

もっと女の子を眺めたい。あわよくば付き合いたい、と。

だから私がいくら手をかざしてもこの扉は開かなかったのだ。

───ごめんなさい…。私の不用意な行動のせいで1つの扉生を狂わせてしまったのね…。

もう私には責任を取る以外の選択肢が残されていなかった。

───私がこの扉を満足させないと…!

まずは、手をかざしてくださいの文字をゆっくり指でなぞってみる。

どこが感じやすくて、どこが感じないのかをしっかりと見定めるために。

───ここはどう…?ここは…?

扉の反応を確かめながら優しくなぞる。

何度もなぞること1分。『だ』の文字の辺りで扉が大きく反応したような気がした。

───ふふっ…、この辺りが弱いのね…。

弱いところさえ分かれば後は簡単。

そこを中心になぞり、時には手のひらで撫でる。

───あなた、可愛いわね。

そう褒めながら撫でると、さらに反応が良くなった気がする。

『だ』の辺りを中心に責めつつ、たまに『か』の辺りも指でなぞる。

そうすると少し物欲しそうにした気がしたので、扉全体を大きく手で撫でてみる。

───へぇ…、こっちの方が好きなのね…。

扉の反応が可愛くて、全身を撫で回すこと10分。

唐突に後ろから話しかけられた。

───あっ、お疲れ様です。

───えっ!?ゲーセンの前に不審者が出たんですか!?

扉を責めるのに夢中で、不審者の存在に気づけなかった。

もしかしたら何かされていたのかもしれないと思うと、少し鳥肌が立った。

───ごめんなさい、私ずっとここにいたけど不審者のことに気づけなくて…。

───本当ですよ!だから着いて行っても話せることなんてないです!

───えっ?ああ、扉を可愛がってました。

───ちょっ!?救急車を呼ぶのはやめてください!

───いやー、どれだけ試しても扉が開かなくてつい…。

───もっかい手をかざすんですか?何回やっても開かないものは開かないと思いま………あっ。

その日の待ち合わせ場所は沼津の交番に変更になった。
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