花丸「目指せ善子ちゃん!」善子「え?」

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よしまる-アイキャッチ9
—スクールアイドル部室—


花丸「という事で痩せるずら」

善子「急ね……ひょっとして堕天した?」

花丸「そんな雑に堕ちないよ。ほら、もうすぐオラの誕生日でしょ?」

善子「えぇ」

花丸「オラっていろいろ食べるの好きだから、誕生日には皆がご馳走作ってくれると推理したの。平成の杉下◯京と呼んでもいいよ?」エッヘン

善子「あれ放送されたの平成よ」

花丸「でも今の状態で更にご馳走食べたら……函館の悲劇の再来!」

善子「なんかあの時、ゴムボールみたいになってたわね」

花丸「だから付け焼き刃でもいいからなるべく、できるだけ、少しでも痩せたいの!」

善子「大変そうねぇ。まぁ頑張んなさいよ」

花丸「善子ちゃんもだよ?」

善子「私まぁまぁ痩せてるんだけど?」

花丸「だからだよ。夜更かしやあんまりご飯食べない、キングオブ不健康な善子ちゃんとダイエットすればオラもきっとやつれ……ほっそりするはず!」

善子「今日はガンガンディスるわね。でも誕生日まで今日を抜いて3日しかないのに無理じゃないの?」

pixiv: 花丸「目指せ善子ちゃん!」善子「え?」 by 二三

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花丸「じゃあやめる?……やめない!」

善子「今日テンション高いわねぇ……」

花丸「とりあえず痩せる方法考えて」

善子「丸投げ!?」

花丸「自分で思い付いていたら、今頃ナイスボデーになってるからね」

善子「考えても実行しないだけでしょ……とりあえず明日暇なの?ルビィと遊ぶ予定とかない?」

花丸「明日はお家で、のっぽパンの食べ比べをしようと思っていたから大丈夫だよ」

善子「痩せる気ゼロじゃない」

花丸「世界が告げているずら。ほっそりしろと」

善子「まぁ暇だから付き合うけど……そろそろ皆来るから、先に着替えときましょ」

花丸「うん」ヌギヌギ

善子「……胸も痩せたら?」ジトー

花丸「痩せた方がいいかな」

善子「……どっちでも」


—翌日・沼津駅前—


善子「お、ずら丸早いわね」スタスタ…

花丸「集合時間の30分前にはいるのが普通ずら」エッヘン

善子「まじめねぇ」

花丸「そういう善子ちゃんも、堕天使なのに待ち合わせの5分前だよ?」ニヤニヤ

善子「ま、魔界タイムだと3時間遅刻してるのよっ!あとヨハネ!」

花丸「はいはい。それでこの後は?」

善子「走るのよ」

花丸「ウォーキングが良い」

善子「歩いて痩せるなら、太った人なんてこの世にいないわ。練習着着てるんだから汗かいても大丈夫でしょ?」

花丸「せっかくのっぽパン食べながら景色見ようと思ったのに……」

善子「痩せるって目的忘れてない?」

花丸「ちゃんと覚えてるけど、何だかんだマルの事助けてくれる善子ちゃん優しいね」ニコニコ

善子「別にそういうのじゃなくて……と、とにかく行くわよ!」タッタッタ…

花丸「ま、待って!」トテトテ…

善子「ほらほら、昼まであちこち走るんだからのんびりしてる暇なんかないのよ?」

花丸「お昼まで!?マル倒れちゃう……」

善子「毎日、果南の地獄のようなランニングやってるでしょ」

花丸「あれは練習だから頑張れるの」

善子「?」

花丸「なんていうか、今日はお休みのマルだからのんびりゆっくりウォーキングしたいの」

善子「速度上げるわよー」タッタッタ…

花丸「善子ちゃんの鬼ー!」

善子「ヨハネっ!それと堕天使!」


—1時間後・定食屋—


花丸「天国じゅらぁ……///」グデー

善子「半分歩いてたくせに……本当に痩せる気あるの?」

花丸「あるもん」

善子「じゃあお昼はお新香だけにしてよね」

花丸「デザートで焼き魚定食頼むからいいもん」

善子「どっちがメインなんだか……あ、すいません、焼き魚定食と天ぷら定食で」

花丸「さっすが善子ちゃん」

善子「ヨハネよ……行きが1時間だから帰りはもっとかかりそうね」

花丸「ここら辺は初めて来たけど、善子ちゃんは良くここに来るの?」

善子「地図アプリ見ながら走ってたじゃないの」

花丸「ちずあぷり?」

善子「スマホを何の為に持ってるんだか……ほら、スマホ貸してみて」

花丸「えっ……あ、ちょ、ちょっと待って」ポチポチ…

善子(そりゃあ他人にスマホを簡単に貸すわけないか。ずら丸もそこら辺はしっかりしてるのね)

花丸「鍵かけてるから解いたずら」スッ

善子「ありがと。たしかこのアプリを開いて、ここを押すのよ」

花丸「画面が逆でよくわかんない……隣行ってもいい?」

善子「えぇ」

花丸「よいせっと……」スタスタ…ストンッ

善子「それでこれなんだけど、」

花丸「……」スタスタ…ストンッ

善子「……何で戻るのよ」

花丸「いや……ここからでも画面見えるからここでいいや」アセアセッ

善子「教えるの面倒だから隣来なさい」

花丸「うぅ……で、でも」

善子「?」

花丸「……あ、汗かいて……臭う……から///」

善子「そんな事気にしないわよ」スタスタ…ストンッ

花丸「よ、善子ちゃ、」

善子「ほら、このアプリでやるの」グイッ

花丸「そ、そうなんだ……」ソワソワ

善子「これが私達が今いるとこ。ここを押して沼津駅って入力するとルートが出たり……」

花丸「……」ソワソワ

善子「……このボタンを押すとずら丸の家が魔界に飛んでいくわ」

花丸「ほへぇ……」ソワソワ

善子「話聞いてる?……汗、そんなに臭わないわよ?」クンクン

花丸「ずらっ!?な、なんで匂い嗅いでるの!」

善子「すっごく気にしてるみたいだったから」

花丸「だからって……もう」ムスー

善子「私は気にしないってば。私達……ほら、と、とも……だち、だし」

花丸「……ほんとに匂いとかしない?」

善子「えぇ。のっぽパンの匂いがするくらいよ」

花丸「じゃあ大丈夫ずらね」ニコニコ

善子「のっぽパンの匂いなら良いのね……」

花丸「それで何だっけ。ここ押すとどうなるの?」グイッ

ムニュッ

善子「ひっ!?」ポチッ

花丸「善子ちゃん?」

善子「よよよヨハネ!」

花丸「なんだかさっきのマルみたいになってる……」ジトー

善子「何でもないったら!ほ、ほら!マップの説明の続きを、」

花丸「……善子ちゃんは良い匂いするずらよ?」クンクン

善子「何であんたまで匂い嗅いでんのよ!?」

花丸「善子ちゃんも匂い気にしてるのかなぁって……でも本当に爽やかな匂い……みかんたくさん食べたの?」

善子「苦手なの知ってるでしょ……デオドラント使ってるだけよ」

花丸「でおどらんと……でもやっぱり善子ちゃんの匂いずら」

善子「どういう意味よ」

花丸「なんと言うか……落ち着く匂い?」

善子「そんな事初めて言われたけど、悪い気はしないわね」

花丸「ばーちゃんと同じずら」

善子「悪い気してきた」ジトー

花丸「冗談だよー。そういえばちずあぷりの説明もういいの?」

善子「だいたい話したからいいわ。スマホ返……あぁ、驚いた拍子に電源切っちゃったわ」ポチッ

花丸「ま、待って、」

善子「……え?」

善子(なんでスマホの待ち受けが……私とのツーショット?これ前に撮ったやつよね)

花丸「あっ、いや、その……」オロオロ…

善子「そんなにプリクラ楽しかったの?」

花丸「ぷり、くら?」

善子「前に撮った時も大はしゃぎしてたけど、待ち受けにするくらい楽しかったんなら、ルビィと行けばいいのに」

花丸「オラは、」

店員「焼き魚定食と天ぷら定食お持ちいたしましたー」

善子「ありがとうございます……それじゃ食べましょ」

花丸「……いただきます」

善子「いただきます」

善子(何か言いかけていたけど……まぁ後で聞けばいいか)


—30分後—


花丸「初めてだったけど美味しかったね」

善子「どこもあんな感じの味だとは思うけど……美味しかったわ」ニコニコ

花丸「それじゃ帰りも頑張るずら」スタスタ…

善子「どうせまた歩くんでしょ」スタスタ…

花丸「食後1時間は急な運動しちゃダメってじーちゃんが言ってたから」

善子「今日一日、ただ散歩してただけになるけど良いの?」

花丸「うんっ」

善子「痩せるのはずら丸だからどっちでもいいけど……ここら辺本当に何にもないわね」

花丸「浦の星女学院の近くよりマシじゃない?」

善子「あっちは海とか千歌の家とかリリーとかいるから賑わってるじゃないの」

花丸「たしかに」

善子「歩いているだけで声かけてくれたり家に呼んでくれたり……何で沼津ってあんなに良い人だらけなのかしら」

花丸「それが普通ずら。道ですれ違ったら挨拶して、知り合いなら少しお喋りしたいなぁって。いつも一緒にいる友達なら尚更ね」

善子「友達……友達なの?」

花丸「オラとルビィちゃんはそう思ってるけど……」

善子「ず、ずら丸はたしかに友達だけど、他の皆は……私の事どう思ってるのかしら」

花丸「面白い堕天使」

善子「バカにしてるじゃないの!」

花丸「親しみを込めてね。それに皆、善子ちゃんが良い子だって知ってるし友達だと思ってると思うよ?」

善子「なら良いけど……ずら丸はどうなのよ」

花丸「オラ?」

善子「初めの頃、ユニット組んだ時にルビィちゃんと善子ちゃんがいないと、お先真っ暗ずらなんて落ち込んでたでしょ。果南とダイヤと仲良くなれた?」

花丸「あの時はまだ、皆の事をよく知らなかったから……今はもう2人のお姉ちゃんに甘えっぱなしだよ」

善子「2人のお姉ちゃん……ユニット練習の時って、果南とダイヤ、どういう感じなの?」

花丸「いつもとすこーし違うずら」

善子「例えば?」

花丸「ルビィちゃんがいないせいか、ダイヤさんが結構ぼうっとしてるの」

善子「何それ見たい……!」

花丸「そしてたまにオラの事をルビィと呼んでしまって、間違えましたわ///って顔赤くしたり」

善子「絶対可愛いじゃないのそれ」

花丸「少し抜けてるダイヤさんが良いのに、本人は必死に隠そうとして……きっとルビィちゃん、毎日楽しいんだろうなぁって」

善子「お姉ちゃんだから常に緊張してるのかしらね。ユニットの時だけ心の安らぎ的な」

花丸「ルビィちゃんを曜ちゃんと千歌ちゃんに任せてリラックス……子育てし始めた新米お母さんみたい」

善子「ルビィ見てるだけでヒヤヒヤするから仕方ないわよ……果南はどうなの?」

花丸「果南ちゃんも逆で、ユニット練習の時はオラ達を引っ張ってくれるずら」

善子「へぇ……いつもはのんびりしてて、ダイヤと鞠莉に任せっぱなしかと思ってたのに」

花丸「ダイヤさんがのんびりし出すから、必然的に果南ちゃんがやるしかなくて」

善子「まぁダイビングの指導とかしてるし、そういうのは得意なのかもね」

花丸「でもたまに疲れてる時は、今日はお昼寝の練習ーって昼寝しちゃう事も」

善子「ダイヤは止めないの?」

花丸「むしろニコニコしながら、果南ちゃんの寝顔見て幸せそうにしてるね」

善子「AZALEAそれでいいわけ……?」

花丸「果南ちゃんが練習メニューと時間と次の予定決めて、ダイヤさんがそうですわねぇってニコニコして、オラがのっぽパンを食べる。これがAZALEAずら」

善子「仲良し親子じゃないの。ってかあんたは何にもしないの?」

花丸「AZALEAのマスコットキャラクターだから、いるだけでいいんだって」

善子「適材適所ってやつね」

花丸「うん。とろいオラがいろいろやるよりは、ダイヤさんと果南ちゃんに任せた方が、」

善子「可愛いからぴったりって意味で言ったんだけど」

花丸「えっ……そ、そっか」

善子「えぇ」

花丸「……」

善子「……」

善子(な、何で急に無言に……何か怒らせるような言い方した……?)

花丸「……お腹減ったずら」

善子「燃費悪っ!?食べたの10分前よ!?」

花丸「とりあえず向こうのカフェでクレープ食べよっか」

善子「ダメ!痩せるって自分から言い出したんでしょうが」

花丸「でもぉ……善子ちゃんは食べたくないの?」

善子「ずら丸が頑張ってんのに食べるわけないでしょ」

花丸「……1つ聞いてもいい?」

善子「うん」

花丸「どうして手伝ってくれたずら?」

善子「どうしてって……ひ、暇だから」

花丸「ふーん」

善子「うん」

花丸「……」

善子「……」アセアセッ

花丸「善子ちゃん、嘘付いた時ほくろをかくよね」

善子「なんでバレ……ってほくろないわよ!それダイヤ!」

花丸「やっぱり嘘付いてたんだぁ」ニヤニヤ

善子「ずら丸のくせに……その人を騙す才能、異形達との戦いで役に、」

花丸「堕天して逃げるのはズルいずら」ジーッ

善子「……お、恩返しよ///」

花丸「恩?」

善子「千歌達に手を差し出して貰った事は感謝してる。でも1番最初は……ずら丸だったから」

花丸「ほぅ」

善子「ずっと感謝してて、いつか何か恩返しできたらなぁって……だ、だからこうやって手伝ってんの!ほら、ランニング再開するわよ!」タッタッタ…

花丸「あっ……ふふっ、やっぱり良い子ちゃんだね」ニコニコ


—翌日放課後・校門—


善子「ずら丸行くわよー」

花丸「……善子ちゃん」

善子「うん?」

花丸「もうダイエットやめる」

善子「早っ」

花丸「だって昨日、お家に帰って体重計に乗ったら……2キロ増えてたずら!おかしい!」

善子「定食屋から沼津駅までの間、口にしたモノ並べてみなさい」

花丸「クレープ、おしるこ、のっぽパン5本、おまんじゅう、肉まん」

善子「それだけ食べて、2キロで済んで良かった方よ」

花丸「善子ちゃんが止めないからだよ。オラは善子ちゃんの堕天封印をお願いされて、あの時一生懸命頑張ったのに」

善子「また懐かしい話を……それより料理なんて作れるの?」

花丸「いつもばーちゃんの手伝いしてて、少しならできるよ。ダイエット料理くらい簡単だから、善子ちゃん腰抜かすと思うなぁ」

善子「すっごく心配なんだけど。あといくらなんでも付け焼き刃すぎない?一食だけカロリー低めにしても意味ないような……」

花丸「千里の道も一歩から。今日の夕ご飯を低カロリーにすれば、向こう1週間は何食べても大丈夫!」

善子「全国のダイエットを頑張ってる人達に怒られるわよ」

花丸「と、ところで善子ちゃんは料理できるっけ?」アセアセッ

善子「無理」

花丸「カップラーメンに詳しいのに?」

善子「あれは不登校中に……って今は関係ないわよ」

花丸「まぁオラと善子ちゃんがいれば何とかなるよ。昨日、恩返しするって言ってくれたし」ニヤニヤ

善子「恥ずかしいから言うなっ///」

花丸「じゃあ早速スーパーに行こっか。材料調達から戦いは始まってるからね」スタスタ…

善子「お、今日は母丸ね」スタスタ…

花丸「お菓子は買っちゃダメだよ?」

善子「ルビィじゃあるまいし」

花丸「ルビィちゃんと遊びに行くと、必ずどこかで飴買うんだよねぇ。オラも買ったやつを少し貰っちゃうけど」

善子「何であんなに飴好きなのかしらね」

花丸「口寂しいとか何とか」

善子「叫ぶわ飴舐めるわで喉乾きそうだけど……可愛いからいっか」

花丸「可愛いから大丈夫」

善子「そういえば今日の練習で転んでたけど大丈夫かしらね。膝から血も出てたし」

花丸「曜ちゃんがすぐ手当してたけど……あっ、そういえばルビィちゃん泣いてなかったずら!」

善子「言われてみれば……!」

花丸「あの人見知りで泣き虫なルビィちゃんが、スクールアイドルになって練習して転んでも泣かなくなって……大人になったんだね」ウルウル…

善子「そこで泣いたら本当に母丸になるわよ?」

花丸「ルビィちゃんのお母さんなら面白そうずら」

善子「ダイヤがストレスで痩せそうね」

花丸「お、オラは迷惑かけないもん」

善子「トラブルメーカーって自覚なかったの?」

花丸「英語はよくわかんないずら」

善子「逃げたし……あ、スーパー見えてきたわよ」

花丸「オラの戦争が始まるずらー!」タッタッタ…

善子(練習した後だって言うのに……ダイエット楽しくなってきたのかしら)スタスタ…


—30分後・善子宅—


花丸「包丁!」

善子「台所の下の方よ」

花丸「まな板!」

善子「水切りの横」

花丸「キッチンペーパー!」

善子「食器棚の右……って切れてるわね。たしかここにストックが……あった」スッ

花丸「いやはや、オラのお家の台所と全然違うから迷っちゃうね」

善子「壊さない限りは何使ってもいいからね」

花丸「さすがのオラでも壊さないずら。善子ちゃんのお母さんがびっくりするくらい綺麗にして戻すからね」

善子「ママの方は同窓会で楽しんでるはずだから、気にせずやっちゃって。して、ずっと隠してるけど何作る気なの?」

花丸「ふっふっふ……いや、くっくっく……!」

善子「おぉ、意外と似合うわね」

花丸「材料から予想して、当たったらのっぽパンあげる」

善子「景品が微妙……で、材料が……」

『こんにゃく』

善子「……え?これだけ?」

花丸「うん」

善子「……肝試しごっこ?」

花丸「料理の概念が吹き飛んだずら」

善子「こんにゃくをそのまま食べるのはダイエット食って言わないからね?」

花丸「それはさすがに悲しすぎるから……これと一緒に炒めるの」スッ

『焼肉のたれ』

善子「あぁ……って事はこんにゃくに味付けして炒めるって事?」

花丸「うん。すまーとほんで調べたら『なんちゃってステーキ』って出てきたから、美味しそうだなぁって」

善子「でもこんにゃくよ?食感とか無理ない?」

花丸「そこはまぁ我慢で」

善子「えぇ……」

花丸「とりあえず作るずら。まずこんにゃくに切り込みを入れて……一口大に切る」ササッ

善子「うん」

花丸「キッチンペーパーで水気を取って……焼く」ジュゥ…

善子「うん」

花丸「焼肉のたれをかけて終わり」

善子「私なんでここにいるのかしらね」

花丸「?」

善子「首傾げないで。なんか私にもさせなさいよ」

花丸「善子ちゃんはそこで見てるだけでいいずら。オラが全部やるから」

善子(随分とやる気……料理に目覚めた?)

花丸「お皿に盛ってこんにゃくステーキ完成!」

善子「これ料理って言うの、なんか負けた気しない?」

花丸「そう言うと思ってこちらもご用意しました」スッ

善子「花丸クッキングタイムね」

花丸「静岡県産の紅ほっぺー」

善子「おぉ……!」

花丸「を、焼きます」

善子「えっ」

花丸「別のフライパンに、」

善子「待って待って待って」

花丸「善子ちゃんがやるずら?」

善子「そうじゃなくて!なんで焼くのよ」

花丸「焼いたら甘みが増すって」

善子「誰が?」

花丸「cokecoccoパッド」

善子「変な広告を踏みにいかせるパチモンサイトじゃないの?」

花丸「せっかく付き合ってくれたお礼にイチゴ買ってきたのに……そんなに言うならオラ1人で食べるもん」

善子「ほ、本当に美味しいのよね?」

花丸「多分」

善子「……1個だけ焼かないってのは?」

花丸「仕方ないずら」


—5分後—


善子「……」

花丸「……」

こんにゃくステーキ『』
焼イチゴ『』
ご飯『』
味噌汁『』

善子「……カオスすぎる」

花丸「善子ちゃんの好きな魔界飯ずら」

善子「魔界飯……!い、いいわねそれ」ドキドキッ

花丸「最近流行りのちょろいってやつだね」

善子「ちょくちょく毒吐くわね……お腹減ったし食べましょ」

花丸「うん……頂きます」

善子「頂きまーす」

花丸「……こんにゃくずら」モグモグ…

善子「こんにゃくだもの」

花丸「ご飯ずら」

善子「ご飯と味噌汁はそのままよ」

花丸「焼イチゴは……あむっ」モグモグ…

善子「んむっ」モグモグ…

花丸「……未来じゅらぁぁ!」

善子「美味っ……!表面がプルプルして見た目はあれだけど」

花丸「その分、味が濃くなってるね」

善子「なんか焼イチゴだけで満たされるわ……幸せ」

花丸「じゃあこんにゃくステーキ貰っていい?」

善子「ダイエットしてるんだから自重しなさい」

花丸「むぅ……ってオラのご飯と味噌汁とこんにゃくステーキと焼イチゴがない!?」モグモグ…

善子「自分の胃袋に聞いてみたら?」

花丸「そこは優しく、私のあげるわって言うところずら」

善子「夕食抜きはさすがにキツいからやだ」

花丸「善子ちゃんのいじわる……お家でのっぽパン食べるからいいよ」

善子「夜中の食事って余計に太るとかなんとか」

花丸「のっぽパンは食べるの大変で、同時にカロリー消費してるから大丈夫」

善子「似たような事、カステラ潰しながら話してる人いたわよ」

花丸「世界は広いずら……善子ちゃん、お皿はオラが洗うから、」

善子「絶対ダメ」

花丸「えっ」

善子「三津シーでやらかしたの忘れたわけ?」

花丸「あの時のオラはどうかしてたずら……何かに操られていたかのように残念な子を演じて……」トオイメ

善子「何の話よ……まさか悪魔的な!?」

花丸「……くっくっく」

善子「堕天した……!」キラキラッ

花丸「こんにゃくステーキと焼イチゴを生贄に!」

善子「あーイチゴ美味しい」モグモグ…

花丸「( ゚д゚)」

善子「そういえば帰り大丈夫なの?」

花丸「帰り?」

善子「もうすぐ暗くなるわよ」

花丸「バスがあるから大丈……い、今何時!?」

善子「7時半ね」

花丸「終バス行っちゃった……ど、どどどどうしよう!」

善子「うちで料理するなんて聞いた時から、帰り気になってたけどまさか終バスの事忘れるなんて……そこまでダイエット食作りたかったの?」

花丸「……」コクンッ

善子「……と」

花丸「と?」

善子「……泊まる?」ソワソワ

花丸「えっ、いや、でも、わ、悪いよ……」

善子「こ、このまま徒歩で帰すわけにも行かないし……それしかなくない?」

花丸「いいの?」

善子「夜中にのっぽパン食べるのを阻止できるからね」

花丸「……お言葉に甘えるずら」ペコッ

善子「よし。そうと決まればちゃちゃっと片付けてゲームするわよ!」

花丸「げーむ?」

善子「最近曜にボコボコにされまくってるから、花丸で練習するの!ほらほら、こんにゃくステーキあげるからささっと食べて!」パクパク…

花丸「う、うんっ!」


—数時間後・善子部屋—


善子「……」ドヨーン

花丸「最近のげーむはすごいね。人間がタコになったりスミで縄張り広げたり……面白かったずら」

善子「なんで花丸に……初心者よ……?今日初めてなのに……なんであんなに裏取り上手いのよ……」

花丸「善子ちゃんが弱過ぎるんじゃない?」

善子「もうやだ引きこもる」

花丸「ガラスのハート過ぎ……善子ちゃん、本当にベッド借りていいの?」

善子「せっかく泊まりに来てるんだからいいわよ。ゲームで寝落ちして、床に寝る事も多いから気にしないで」

花丸「その優しくて気が利く善子ちゃんを、学校でも皆に見せてあげたらいいのに」

善子「意識して出るもんじゃないし、学校では堕天使ヨハネだからいいのよ」

花丸「もったいない……」

善子「……あんただけで十分だから」ボソボソッ

花丸「ん?」

善子「堕天儀式の呪文を呟いただけ」

花丸「ほへぇ……」ウトウト

善子「ずら丸、夜更かしできない質でしょ。早く寝ないと明日キツいと思うけど」

花丸「でもぉ……善子ちゃんと、おは……なし……」

善子「明日でもできるから。ほら、おやすみ」

花丸「う……ん……」

善子「……明日、か」


—翌日昼・スクールアイドル部室—


花丸「辛い……のっぽパン無限に食べたい……」グデー

善子「食べたら全てが水の泡よ」

花丸「わかってるずら……今日を乗り越えれば明日は天国……!ケーキとのっぽパンがオラを待ってる!」

善子「これで誰も料理を準備してくれなかったら悲惨よね」

花丸「あ、明日は学校お休みだから絶対準備してくれるずら!信じてるずら!」オロオロ…

善子(誕生パーティの計画もうっかり漏らさないようにしないと。目一杯幸せそうに食べる花丸か……良いわね)ニコニコ

花丸「どうして急に笑ってるの?」

善子「リトルデーモンが2000人くらい増えた気がして」

花丸「逆に減って、」

グゥ……

花丸「あっ///」

善子「そりゃあ昼食食べないでいたら鳴るわよ……少しくらい食べたら?」

花丸「……」フルフル

善子「昔っから変なとこ頑固、」

グゥ...

花丸「うぅ///」

善子「プチ断食なんて無理しないで、食べたら良いのに」

花丸「オラは負けないもん……!善子ちゃんこそ食べないの?」

善子「付き合うって言ったでしょ。最後までやるわよ」

花丸「……ありがとう」ニコニコ

善子「それに昼食抜くとか慣れてんのよ」

花丸「善子ちゃんってあんまりご飯食べないよね。昨日はダイエット食で一昨日は色々食べて……3日前は何食べたの?」

善子「朝昼パン、夜たこ焼き」

花丸「不健康ずら……善子ちゃんはちゃんと色々食べて、元気でいて欲しいのに……」

善子「パンは結構腹持ちいいのよ。そう言うずら丸こそ不健康真っ最中じゃない。幸い、練習が休みだから倒れるとかなさそうだけど」

花丸「いきなりお休みになっちゃったね。皆同時に用事ができたなんて忙しいずら」

善子(明日の誕生パーティの準備する為だけどね)

花丸「はぁ……お腹減った」スッ

善子「そののっぽパンどこから出したのよ」

花丸「はっ!?つい無意識のうちに……」

善子「それでも食べないのね……誕生日パーティで太らない為って言ってもやり過ぎじゃないの?食べた後にダイエットすればいいのに」

花丸「オラ、先にダイエットして後で美味しいものたくさん食べたいタイプだから」

善子「ショートケーキのイチゴは最後まで残すタイプね……誕生日の後はどうするの?」

花丸「少しずつ続けていくつもりかな。運動もダイエット食もプチ断食も無理なくやっていくつもり」

善子「あ、結構本気だったのね。なんか理由でもあるわけ?」

花丸「……憧れの人がいるずら」

善子「憧れ……小説の登場人物とか」

花丸「ちゃんと生きてるよ。その人はね、すらっとしてるのに出るところは出てて、すっごい美人さんなの」

善子(ファッション誌でも見て影響されたのかしら)

花丸「それにすっごく優しくて、いつもオラの事を心配して一緒にいてくれるずら」

善子(優しいって事は身近な人……まさかAqoursの誰か?果南と鞠莉とダイヤと曜と梨子と千歌と……ルビィはペタンコだから違うだろうし)

花丸「オラ、その人の誕生日にここに行きたくて……頑張ってきたの」スッ

『ペアお食事券』

善子「レストランの……これ結構良い所のじゃないの」

花丸「じーちゃんが友達に貰ったからってオラにくれたの。ここで体重の事気にせず美味しいものを食べる為に、それとこれを機に憧れの人に少しでも近付けるように頑張っているずら!」

善子「憧れてた割に痩せるの遅いわねぇ……その人にはもう声かけた?」

花丸「ま、まだ。明日話しかけて、明後日行こうかなって」モジモジ

善子「上手くいくといいわね」

花丸「うんっ!」

善子(花丸の好きな人……気になるけど、とりあえず報われると良いなぁ)


—翌日・放課後—


花丸「しゃわしぇ……///」ヨロヨロ…

善子「ケーキとまんじゅうとみかん食べ過ぎで足元ふらついてるわよ」

花丸「プレゼントが重いからずら……でも皆、本当にパーティ準備してくれてて嬉しかったなぁ」

善子「こんなにプレゼント貰ってどうすんのよ……重い」ヨロヨロ…

花丸「なんて言いながら半分持ってくれる善子ちゃんなのでした」

善子「うるさい///」

花丸「何だかんだ言いつつ、ちゃんとプレゼント用意してくれた善子ちゃん、本当に良い子ずら」ニコニコ

善子「そ、そりゃあAqoursの仲間の誕生日だもの。祝わなかったから天界堕天条例に引っかかるわ」

花丸「ヨハネちゃん久しぶりに見た気がする」

善子「最近はここぞ!って時に堕天してるからレア度高いわよ?」

花丸「オチで使ってるって事?」

善子「ちがーう!」

花丸「善子ちゃん相変わらずだね」ニコニコ

善子「なんで嬉しそうなのよ……そうだ、あの話はどうなったの?」

花丸「相棒?」

善子「何で今更杉下さんの話持ち出すの。憧れの人の話よ」

花丸「あぁ……」

善子「今日誘って明日行くんでしょ。予定とかちゃんと確認したの?」

花丸「……まだ」

善子「まだって、もう夕方なのよ?電話する気?」

花丸「……直接言う」

善子「直接って……あぁ、近所なの?」

花丸「」フルフル

善子(近所でもないのに直接……どういう事?)

花丸「……言うずら」

善子「え?あぁ、頑張りなさいよ」

花丸「……お、オラと一緒に……レストランに、い、行きっ、ませんか……?」モジモジ

善子「なんで私で練習するのよ」

花丸「練習じゃない……ほ、本番なの!」

善子「ん?」

花丸「ずら?」

善子「憧れの人をレストランに誘うのよね?」

花丸「ずら」

善子「今から誘うって言ったわよね?」

花丸「ずら」

善子「なんで私?」

花丸「よ、善子ちゃんが……好きだから!」

善子「わ、私?そんな事一言も言ってなかったじゃないの」

花丸「ダイエット始めた時に言ったのに……」ムスー

善子「そういえばそうだったような……って好き!?憧れじゃないの!?」

花丸「ぁ、ぅ……」アセアセッ

善子「ど、どっちなの?」

花丸「好きっ!」

善子「そ、そう……ずっと私になりたくて頑張ってきたって事?」

花丸「……」コクンッ

善子「ありがたいけど、やめなさい」

花丸「よ、善子ちゃん……?」

善子「ずら丸はどんなに頑張っても私になんかなれないわ。天界堕天条例を全て覚えなきゃいけないし、儀式もしないと」

花丸「お、覚えるずら!頑張って堕天する!頭に羽根も付けるから、」

善子「しなくていいの。あんたは花丸なんだからそのままでいいし、そのままがいいの」

花丸「でも……オラも善子ちゃんみたいになりたいずら!」

善子「……まぁ、私が無理に止める権利なんてないけど、1つだけ」

花丸「?」

善子「私はさ……美味しいものを食べて、幸せそうに笑う花丸の笑顔、好きだったんだけどね。ダイエットなんかしなくても、あんたは十分可愛いのよ」

花丸「……善子ちゃん」

善子「……」

花丸「オラ……」


—翌日・レストラン—


花丸「オラ、今日からここに住む」モグモグ…

善子「食材と間違われて料理にされるわよ」

花丸「遠回しにオラの事、豚か牛みたいに言ってない?」

善子「さっきから私の分まで食べてるくせに。昨日まであんなにダイエット頑張っていた花丸はどこ行ったのかしらね」

花丸「は、花丸?」

善子「何よ」

花丸「今までずっとずら丸だったから……」アセアセッ

善子「昨日告白されて少し時間貰ったわけだし……ちゃんと向き合ってみたいのよ。だからしばらくは花丸って呼ぶわ」

花丸「なんだか新鮮だね」ニコニコ

善子「……やっぱりずら丸に戻す」

花丸「ダメずら」

善子「えぇ……それより、私みたいになるんじゃなかったの?」

花丸「ならなくていいって善子ちゃんに言われたし……それに」

善子「うん」

花丸「オラの好きな人の、好きなオラになるずらっ」ニコッ

善子「って事は堕天もしてくれるの?」

花丸「それはやだ」

善子「なんでよ!」

花丸「オラはオラだからね」モグモグ…

善子「まったく……これ本当に美味いわね」モグモグ…

花丸「うん。今日は善子ちゃんもよく食べるね。お腹痛くならないの?」

善子「ここ最近食べなさ過ぎて、胃が小さくなってんのよ。だから今日から、食事はきちんと食べようって思って」

花丸「いい心がけずら」

善子「それにね」

花丸「うん」

善子「私も……好きな人の好きな私になってみようかなぁって」

花丸「好きな人……えっ///」

善子「だ、だからたくさん食べるって決めたの。花丸も手伝いなさいよ!」

花丸「いいけど……な、何を?」

善子「決まってるじゃないの」

花丸「……まさか」

善子「目指せ花丸!」ギランッ

花丸「えー?」ニコニコ

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『花丸「目指せ善子ちゃん!」善子「え?」』へのコメント

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2018年5月26日
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