曜「男装……?」

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曜-アイキャッチ9


曜(今日はCYaRon!の皆で私の家に集まって遊……もとい、ユニットの親睦会&活動方針検討会)

曜(の、はずだったんだけど)

ルビィ「わぁ、やっぱり曜ちゃん似合ってる!」

曜「そ、そう? なんだか照れちゃうな」

ルビィ「次はこっちを着てほしいなぁ」

曜(なぜだか一人ファッションショーというか、絶賛私がルビィちゃんの着せ替え人形になっていた)

pixiv: 曜「男装……?」 by あめのあいまに。

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曜(千歌ちゃんが来るまででの間、最初は衣装係同士、いろいろ意見交換したりコツとか失敗談を共有したりしてたんだけど)

ルビィ『ルビィ、最近作った衣装持ってきたんだけど』

曜『おお、どれどれ』

ルビィ『でも、いまいちしっくりこないんだぁ。ただ、どこが悪いのかはっきりしなくて』

ルビィ『自分で着てみてもピンとこなくて……そうだ、曜ちゃん着てもらっても良いかな?』

曜『私? 私で良ければじゃんじゃん着ちゃうよー』

曜(なんて安請け合いしたのが大間違い。気づけばあれやこれやと出てくる衣装を次々と着る羽目に)

曜(というか、大分大荷物だと思ったら、服が入ってたからなんだね)

曜「はぁ……」

ルビィ「あ、ごめん。曜ちゃん疲れちゃった?」

曜「……ううん! 大丈夫、大丈夫」

ルビィ「良かったぁ。あ、次はこっちをお願いします」

曜「うん……」

曜(千歌ちゃん、早く来てー!)





曜「おかしい」

ルビィ「えっ。ルビィの衣装、やっぱりどこかおかしいですか?」シュン

曜「あ、いや。ルビィちゃんの作った衣装はとっても素敵だよ」

ルビィ「ありがとう! えへへ、ルビィもこの衣装とっても曜ちゃんにお似合いだと思います」

ルビィ「こうやってちょっと髪型をいじると、本当にイケメンの王子様みたい」

ルビィ「曜ちゃんは可愛い衣装も格好良い衣装も、どっちも似合うから凄いなあ」

曜「あ、あはは。それは言いすぎかも」

曜(あれから三十分、いまだにルビィちゃんによる衣装攻めは続いていた)

曜(千歌ちゃんが遅刻してくるのは珍しくないけど……少し気になる)

曜「私、千歌ちゃんのこと探してくるね!」

ルビィ「あっ……」

曜「すぐ戻るから~!」

曜(私は千歌ちゃんを口実に、ルビィちゃんの部屋を飛び出した)

ルビィ「……戻ったらペアでモデルになってもらうのも良いかも」

曜(最後の一言は、聞こえないふりをした)



曜「うーん、とはいったものの」

曜(千歌ちゃん、どこにいるんだろ。こっち向かってる途中なら、バス停方向に進めば会えるかな)

曜(そうだ、電話してみれば良いんだ。まさか寝てるってことは、ないよね?)

Prrr...

曜「あれ、出ない」ツーツー

曜「えっ、切れちゃった?」

曜「メッセージ送ってみよ。どこいるの、っと」

曜「……既読にならない。やっぱりおかしい」

曜「もしかして、何か事件に巻き込まれてるんじゃ!?」

曜「それで犯人にスマホを取り上げられて……」

曜「こうしちゃいられない、探さなきゃ!」ダッ

曜「おーい、千歌ちゃーん!」

曜「うぅ、いない。もう遠くに連れ去られちゃったのかな……」

曜「やだよ、千歌ちゃん返事してよ……」

「て! 返してってば!」

曜「って、いた! 千歌ちゃ……誰かと話してる」コソッ

男A「だから、俺らと遊んだら返してやるって」

男B「そうそう」

千歌「だから、私急いでるの!」ピョンピョン

男A「俺たちと遊ぶより急ぎの用なんてないだろ」ヒョイ

曜(ナンパ……というより絡まれてる。助けにいかなきゃ)

男B「というか、その子達もここ呼んでよ。一緒に楽しもうぜ」

千歌「もう! うるさい! 良いから返して」バシッ

男A「痛っ。てめえ、下手に出てたら調子乗りやがって」ドン

千歌「きゃっ」

曜「……」プツン

曜「ねえ」

男B「ん、なんだてめえ?」

曜「その子のこと離しなよ。嫌がってるじゃん」

曜「今なら見逃してあげるからさ」

男A「はぁ? ガキが一丁前に正義の見方気取りかよ。俺たちゃ忙しいんだ。あっち行ってな」

曜「こっちは今虫の居所が最高に最悪なんだ。離さないなら、どうなっても知らないよ」

男B「ごちゃごちゃとうっせえんだよ!」

曜「……忠告したからね」

男B「先手必勝、オラァ!」ブンッ

曜「……ふんっ」

男B「ぐぇ」ドシン

男A「い、一本背負い……」

男A「てめえ、やりやがったな!」

曜「……はぁ!」

男A「ぎゃあ」ドスン

曜「どうしたの? まだやる?」

男A・B「て、てめえ……覚えてやがれ~!」

曜「ふん。口ほどにもない」

曜「大丈夫だった? 怪我してない?」

千歌「は、はい……」

千歌「あの……ありがとう、ございました」

曜(ん? なんか千歌ちゃん話し方が変じゃない?)

曜(あっ、もしかして私が男の子みたいな格好してるから、気づいてない!?)

曜(んー、だとしたら適当に誤魔化しておこうかな)

曜(その方が面白いしね)ニシシ

曜「あんなの大したことないよ。でも、気をつけないと駄目だよ。可愛いんだから、すぐ変なのが寄ってきちゃうよ」

千歌「か、かわっ……もう、やめてください」

曜「あはは、本当のことなんだけど。あと、敬語じゃなくて良いよ」

千歌「あぅ、そう? そうだよね。ちょっと気が動転してたみたいで」

千歌「それにしても格好良かった! まるで本当の王子様みたいだったよ!」

曜「ありがとう。お世辞でも嬉しいよ」

曜(ルビィちゃんも言ってたけど、皆大げさだなあ)

曜「それじゃ、私はこの辺で!」

千歌「……」ガシッ

曜「?」

千歌「このままじゃ千歌の気が収まらないよ! お礼も兼ねて、このまま付き合って」

曜「え?」

曜(えぇ~っ!?)



曜「別にパフェ代くらい自分で出したのに」

曜(千歌ちゃんに連れられて、私は近くの喫茶店に来ていた)

千歌「さっきも言ったけど、何も無しじゃ千歌の気が済まないから。ここは千歌の顔を立てると思ってさ?」

曜(と、千歌ちゃんの気迫に押されて結局奢ってもらうことに)

千歌「それにしても、さっきは本当にありがとう!」

曜「いやいや、当然のことをしたまでだよ」

千歌「そんなことないよ。千歌なんて怖くて足が竦んじゃって」

曜(わりと真っ向からぶつかってた気もするけど……)

千歌「やっぱり格好良いなあ。千歌もそんな風になれたらなあ」

曜「ち、千歌ちゃん!?」

曜(千歌ちゃんに格好良いって……!)

曜(って、やば。驚きのあまり名前で呼んじゃった。今は他人のふりしないといけないのに)

千歌「?」

曜(千歌ちゃんは……あんまり気にしてなさそう)ホッ

千歌「あはは、千歌なんかじゃ無理って、分かってるけどね」

曜「そんなことない!」

千歌「えっ」

曜「千歌ちゃんはとっても魅力的じゃん。そりゃ力勝負で男の人には勝てないかもしれないけど」

曜「千歌ちゃんだって良いところいっぱいあるよ。可愛くて、優しくて、明るくて、一目見た時から素敵だなって思ったもん」

曜「それに何かあったら、私が千歌ちゃんを守るから」

曜「……はっ」

ザワザワ

曜(しまった、いじける千歌ちゃんを見て、思わず暴走してしまった)

曜(というか、今の完全に一目惚れの告白みたいじゃん。私何やってるの!)

千歌「うぅ、恥ずかしいよ……」

曜(照れてる千歌ちゃんも可愛い……じゃなくて、余計な注目を集めちゃったし、このお店にはいられないな)

曜「千歌ちゃん、行こっ」ギュッ

千歌「ふぇ? わわっ」

曜「すみません、お代ここに置いてきます!」

曜(私は千歌ちゃんの手を取って、逃げるように店を後にした)





曜「さっきはごめん! つい熱くなっちゃって」

千歌「う、ううん。大丈夫。千歌のこと、気にして言ってくれたんだもんね。嬉しかったよ」ニコッ

曜(良かった。怒ったりはしてないみたい)

曜(でも、その屈託のない笑顔が渡辺曜に向けられたものじゃないと思うと、なぜだか胸がチクリとした)

千歌「さ、次はどこに行こうか?」

曜「え、まだあるの?」

千歌「迷惑だった?」

曜「いや、迷惑というか……お礼ならもう十分もらったし」

曜(千歌ちゃん、初めて会ったのにこんなに積極的だなんて、よっぽど気に入ったのかな)

曜(というか、変な人に騙されてついていかないか、心配になってきたよ)

千歌「んー、だったらお詫びってことで」

曜「お詫び?」

千歌「そう! さっき公衆の面前で恥ずかしい思いさせられたから。お詫びに買い物に付き合ってよ」

曜「その節は大変ご迷惑をおかけしました……」

曜(それを言われちゃうと、断りづらいなあ)

千歌「ということで、レッツゴー!」

曜「お、お~」



千歌「いやぁ、久々にショッピングを楽しんだ気がするよ」

千歌「ごめんね、荷物持ってもらって」

曜「ううん。平気」

曜(千歌ちゃんはあれから始終楽しそうだった)

曜(私のことも信頼しきってるみたいで、肌が触れ合うくらい近づいても気にしてないみたいだった)

曜(レディースファッションのコーナーでいろんな服を試着する千歌ちゃんが見れたのは良かったけど)

曜(千歌ちゃんといるのは私なのに、まるで自分じゃない誰かが千歌ちゃんと仲良くするのを遠くから眺めるような)

曜(そんな不思議な感覚に苛まされて、スッキリとしなかった)

曜(周りからは微笑ましいカップルだと思われたりしてたのかなあ)

曜(下着売り場にまで連れていこうとするのは、びっくりしたけど)

曜(……カップル、かあ。千歌ちゃんも『私』とそうなりたいって思ってるのかな)

曜「はあ」

千歌「疲れちゃった? いろいろ連れ回しちゃったし」

曜「いや、なんでもないよ」

曜「そうだ、こっち行くと近道なんだよ」

千歌「そうなの? じゃあそっち行こう!」

曜(信頼、されてるなあ。暗い路地へと続く道も、なんの疑いもなくついてくるなんて)

曜(ごめんね、千歌ちゃん。千歌ちゃんは何も悪くないのに)

曜(私が悪い子だから、勝手に千歌ちゃんを騙すようなことをして、勝手にイライラして)

曜(これから千歌ちゃんに嫌な思いをさせちゃう……)

千歌「どうしたの、急に止まって」

曜「千歌ちゃん」ドンッ

千歌「ひゃ」

曜「駄目じゃん、知らない人にほいほいついていっちゃ」

曜「助けてもらって、優しくされて信じちゃったかもしれないけどさ」

曜「私だって男なんだからさ」

曜「こんな人気のないところで二人きりになったら、何されても――」

千歌「ええっ、よーちゃん男の子だったの!?」

曜「へっ……?」





曜(千歌ちゃんの叫びに思わず間抜けな声をあげてから数分、ようやく状況が整理できた)

曜「つまり、千歌ちゃんは最初から私のこと気づいてたの?」

千歌「当たり前じゃん! ちょっと見た目が変わったからって、曜ちゃんのこと間違えるわけないよ」

曜「じゃ、じゃあ最初に会った時敬語だったのは?」

千歌「それは気が動転してたからだって言ったじゃん」

曜「そ、そっか」

曜(良かった……。なんだか千歌ちゃんが知らない人のところに行っちゃうみたいでモヤモヤしたけど)

曜(あの笑顔も言葉も、全部本当の私に向けられたものだったんだ)

曜「……」

曜(んん? 待てよ)

曜(ってことは、喫茶店でのやり取りも)カァァ

千歌「どうしたの、急に赤くなって」

曜「なんでもない!」

千歌「そう? それじゃ帰ろうか」

曜「うん」

曜(千歌ちゃんはもう忘れてるのかな。その方が恥ずかしくなくて良いんだけど、ちょっぴり残念かも)

曜(忘れてって言えば、何か大事なことを忘れてる気がするような)スマホチラッ

曜「あっ!」

千歌「どうしたの、曜ちゃん」

曜「これ……」

千歌「なになに……って、うわ」

曜(そこにはルビィちゃんからの大量の新着通知が)

曜(違う自分を演じるのに必死過ぎて気づかなかったみたい……)

曜「というか、千歌ちゃんにもきてたんじゃない?」

千歌「千歌のスマホ、途中でバッテリー切れちゃったみたい」アハハ

曜「えぇ……」

曜(それから慌てて謝罪の連絡をして、珍しく激怒したルビィちゃんに松月の半熟プリン十個でなんとか許してもらったんだけど)

曜(それはまた別のお話)

おしまい
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