千歌「素直になれる薬?」

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千歌-アイキャッチ8
千歌「はぁ・・・。」

鞠莉「どうしたのちかっち?」

鞠莉「溜息なんて珍し・・・、くもないわね。」

後ろから明るい声で話しかける鞠莉ちゃんが少しうっとおしくって、一瞥してまた前に向きなおす。

鞠莉ちゃんだってつい最近までダイヤさんや果南ちゃんのことを悩んで溜息ついてたくせに・・・。

鞠莉「ここ最近ずっと溜息つきっぱなしよ?」

鞠莉「溜息をつくとHappyが逃げちゃうんだからね♪」

pixiv: 千歌「素直になれる薬?」 by 猫鍋

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だったら、あんなに溜息ついてた鞠莉ちゃんだって幸せが残ってないかもね。

ダメだ。

最近嫌なことばっかり考えちゃうよ。

チカって本当にダメダメだ・・・。

千歌「はぁ・・・。」

鞠莉「ちかっち・・・。」

眉が八の字に下がって心配そうにチカを見つめてくれる鞠莉ちゃん。

全く、本当に世話焼きで優しい先輩なんだから。

それに比べてチカはなんてダメな後輩なんだろ。

千歌「はぁ・・・。」

3度目の溜息をついたとき、後ろからふわっと鞠莉ちゃんに抱きしめられた。

鞠莉「ちかっち? 何があったかは知らないけど、私に話をしてみてくれない?」

鞠莉「あなたは1人で抱え込む癖があるんだから。」

鞠莉「私に話せない事なら果南でもダイヤでも誰でも良いから話をして。」

鞠莉「今のあなた、すっごく悲しい顔してるんだもの。」

鞠莉「そんなちかっち放っておけるほど、私も薄情じゃないの。」

鞠莉「だから、ね?」

ぎゅっと抱きしめてくれている力がこもっていくのが分かる。

また、溜息をつきそうになるのをぐっと我慢すると、鞠莉ちゃんの方に向きなおした。

そして、正面から抱き着いて少しずつと話をすることにした。

千歌「最近ね、よーちゃんのことを考えると胸がモヤモヤするんだ。」

千歌「2人っきりで話したり遊びに行ったり何かをしているときは良いモヤモヤなんだけど。」

千歌「よーちゃんが他の人と楽しそうにしているのを見ると悪いモヤモヤになる。」

千歌「良いほうのモヤモヤは胸の中に留めて置きたいんだけど、悪いモヤモヤは少しでも胸の中にいると苦しいんだよ。」

千歌「だから溜息でモヤモヤを出してたんだ。」

千歌「ねぇ鞠莉ちゃん? これってどうしたら治るのかな?」

千歌「どうすればいいの?」

千歌「答えを知ってるなら教えて・・・。」

話をし始めると止め処なく言葉が紡がれていく。

奥底に秘めていた暗い感情。

誰かに見せてもいいのかどうかは分からなかったけど、これ以上チカ1人で抱え込めそうになかった。

鞠莉「答えね・・・。」

鞠莉「その前に1つ答えてもらってもいいかしら?」

千歌「何?」

鞠莉ちゃんは優しくチカの頭を撫でてくれる。

ここ何日間かずっと心の中がざわざわしてたけど、頭を撫でられるだけで少しだけ落ち着いてきた。

鞠莉「ちかっちは曜のことを好きなの?」

千歌「も、もちろん好きだよ!」

鞠莉「それは友達としてLikeなのかしら?」

鞠莉「それとも・・・、恋人になりたいくらいLoveなのかしら?」

千歌「それは・・・。」

そんなの分かりきっている。

よーちゃんのことは大好き、いや愛しているって言ったほうがいいのかな?

初めてあった時から一目惚れっていうのかな。

よーちゃんの無邪気な笑顔に惹かれてしまったんだよね。

それから何をするにもずっと一緒。

楽しいことがあれば笑いあい、悲しいことがあれば泣きあった。

小さい頃は何も考えずに「よーちゃんだいすき~♪」なんて言ってほっぺにキスとかしてたけど、今思うと顔から火が出るくらい恥ずかしい。

いつからこんなになっちゃったんだろ・・・。

あの頃みたいに素直になりたい。

素直になってよーちゃんに愛してるって言いたい。

千歌「グスッ・・・うぅ・・・。」

鞠莉「泣かないでちかっち。」

鞠莉「ちょっと意地悪な質問だったわね。」

鞠莉「そんなに思い悩んでるんだもの、Love以外あり得ないわよね。」

鞠莉ちゃんの質問に今度は大きくコクリと頷くことで返事をした。

鞠莉「そっか・・・。」

鞠莉「今まで辛かったわね? 恋の悩みは一度悩みだすとどんどん深みにはまるもの。」

鞠莉「私もつい最近までそうだったから良く分かるわ。」

ああ、やっぱり鞠莉ちゃんも恋煩いをしてたんだ。

あの溜息はチカと同じだったんだね。

千歌「なら・・・、っどうして、ヒグッ、解決できたの?」

千歌「チカにも・・・グスッ、教えてよ。」

藁にも縋る思いだった。

このままじゃきっとよくない事だけは分かってる。

この想いの結末がどうなるにしても、前に進まない事には話にならないもん。

鞠莉「私達の時は・・・。」

鞠莉ちゃんは腕を組んでう~んと少し悩んでるみたい。

小声で「あれを話すのはちょっとまずいわね・・・。」ってブツブツ言ってる。

話を聞きたいけど、大分怖いよ・・・。

鞠莉「まあ、あまり詳しくは話せないほどドロドロしちゃったけど、とにかくお互いの全てをぶつけたわ。」

鞠莉「2年ぶりに再会して、すっかり仲直りって思ってたんだけど。」

鞠莉「やっぱりお互いに思うところがいっぱいあって、すれ違ったりギクシャクした。」

鞠莉「ねえちかっち? 果南とダイヤってどっちが嫉妬深いかわかる?」

急に質問をされて少しだけ焦る。

ダイヤさんと果南ちゃんか・・・。

果南ちゃんってああ見えて怖がりだし、大切にしたい人とか物は自分の傍に置いておかないと気が済まないタイプだしなぁ。

後結構、考えが短絡的だし。

ダイヤさんはずっと前からしっかりしてたんだろうし、一歩引いたところから物事を考えてそうだから、そこまでヒートアップしそうなイメージがないよね。

千歌「果南ちゃんかな?」

鞠莉「ふふふ、やっぱりそう思う?」

鞠莉「私もずっとそう思ってたの。」

鞠莉「だから再会してから果南のことばかり気にかけてた。」

鞠莉「それがまさかあんなことになるなんてね・・・。」

鞠莉「危うく命を落としちゃうところだったわ♪」

まあ、後は想像にお任せするわって言って、ペロッと舌を出して笑う鞠莉ちゃん。

ダイヤさん何をやらかしちゃったんだろ・・・。

気になるけど、今は他のことを考えてる余裕がなかった。

千歌「怖くなかったの? 一歩間違えてたら死んじゃうところだったんでしょ?」

鞠莉「そうね・・・。」

鞠莉「あのままギクシャクしたまま過ごして、また別れるくらいなら私は殺されたほうが良かった。」

鞠莉「それだけあの2人のことを愛してたんだもの。」

鞠莉「私は愛する人に何されても文句を言うつもりはないわ。」

鞠莉「例えそれが悲劇でもね。」

何をされてもいいか・・・。

少しだけ分かる気がする。

ちょっとだけ解決方法が見えたかな?

千歌「ありがとう、鞠莉ちゃんの話を聞いて少しだけ心が軽くなった気がするよ。」

鞠莉「のーぷろぶれーむ♪ 可愛い後輩の為なら、これくらいお安い御用よ♪」

頭を撫でてた手をちょっとだけ荒々しくワシャワシャしてくれる鞠莉ちゃん。

もうっ、せっかくセットした髪の毛がグチャグチャになっちゃうよ・・・。

鞠莉「で、ちかっちは曜に素直に話が出来そう?」

千歌「うぐっ、それは・・・。」

いざよーちゃんを目の前にすると色んな感情が溢れ出てきてこの気持ちを話せるかが分からなかった。

いや、多分無理だと思う・・・。

鞠莉「はぁ・・・、じゃあこれを使う?」

鞠莉ちゃんは胸のポケットから錠剤を出してくれた。

千歌「これは何?」

鞠莉「名称で言っても難しいから・・・そうね。」

鞠莉「素直になれる薬とでも言っておきましょうか。」

千歌「素直になれる薬!?」

あ、怪しすぎる・・・。

この世の中にそんな都合のいい薬があるわけがないよ。

チラッと鞠莉ちゃんの顔を見ると何故か満面の笑みでニコっとされた。

これはやばいやつかもしれない・・・。

千歌「せ、せっかくだけど薬に頼らなくてもチカ自身で言えるから・・・。」

鞠莉「無理ね!」

千歌「ふぇ?」

鞠莉ちゃんに即答されてしまう。

鞠莉「そんなになるまで溜めこむ人が、今から『はい、素直に話に行きます!』って言いに行けると思う?」

いいえ、思いません。

そんなのチカだって分かってるよ・・・。

鞠莉「だまされたと思って飲んでみて。」

鞠莉「きっと素直に話せるようになるから。」

はいって言って、無理矢理手渡されちゃった。

鞠莉「飲み方は夜寝る前に1錠だけ飲んで寝るだけよ。」

鞠莉「そうすれば朝になればとぉ~っても素直なちかっちになってるわ♪」

鞠莉「それじゃあグッドらぁ~っく♪」

肩をぽんっと叩かれてその場を後にする鞠莉ちゃんをチカは呆然と見送るしかなかった。

本当に優しいんだけど、強引な先輩だよね。


―――
――


その日の夜、チカはお風呂を上がった後ベッドの上でゴロゴロしてた。

手には昼間、鞠莉ちゃんからもらった薬を持っている。

千歌「はぁ・・・、素直になれる薬か。」

千歌「これが本物なら今日これを飲んで、明日久々によーちゃんと2人きりで遊ぶんだから、最後に告白出来るのかな?」

千歌「二人っきりで遊ぶかぁ~。」

千歌「もしかしてよーちゃんデートって思ってくれてたり///」

千歌「それに告白・・・///」

千歌「くぅ~///」

余りにも恥ずかしくて、ベッドの上でバタバタしてしまう。

美渡「こらっ!!バカ千歌うるさい!!!」

美渡「部屋で静かにいることも出来ないのか!!」

千歌「ご、ごめん美渡ねぇ・・・。」

やばいやばい、今日は美渡ねぇ早く帰ってきてるんだから静かにしないと・・・。

美渡「全くいつまでの子供なんだから・・・。次にうるさくしたらげんこつだからな!」

千歌「はぁ~い・・・。」

美渡ねぇが部屋を出て行くのを確認すると、ベッドの上にゴロンと寝転がった。

千歌「よーちゃん、愛してます。」

千歌「ずっとチカの傍にいてくれませんか?」

1人だと簡単に言える台詞が、よーちゃんの前では言えない。

やっぱり色々考えちゃうからなんだろうな。

千歌「・・・。」

もう1度手に持っている薬を目の前に持ってくる。

何も書かれていないパッケージ。

中身を確認したくて1つだけ取り出してみる。

鞠莉ちゃんが言ってた素直になれる薬は真っ白いタブレットだった。

匂いを嗅いでみても何もしない。

まあ、匂いがしないからって怪しくないわけじゃないだけどね。

千歌「ああ~、もう!!!」

千歌「決めた!!飲む!! 飲んで素直になってよーちゃんに告白するんだもん!!」

ちょっとだけやけ気味になって、勢いで薬を口の中に放り込んで、傍に置いてあった水で流し込む。

このまま寝ても良かったんだけど、何か身体に変化があっても嫌だから10分だけ待ってみた。

千歌「何も起こらない?」

身体にも心にもあまり変化を感じられなかった。

千歌「なぁ~んだ、鞠莉ちゃんにからかわれたのかな?」

千歌「せっかくだし、今日はこのまま寝ようっと。」

ひょっとしたら明日になったら何か変わってるかもという淡い期待をいだいていたけど、ちょっとだけほっとしたような、がっかりしたような複雑な気分で眠りにつくことにした。

千歌「よーちゃん、おやすみなさい。」

日課となったスマホの待ち受けにしてるよーちゃんにおやすみの挨拶をして電気を消す。

今日はちょっといい夢がみれたらいいなぁ~。


―――
――


??「ねぇおきてよー!!」

??「ねぇってばっ!!!!」

誰かに身体を揺すられてる。

??「なんでそんなにおねぼうさんなの!!」

??「ねぇはやくおきてよー!」

千歌「もう、そんなに揺すらないでよ。」

千歌「まだ目覚ましも鳴ってないから、寝ててもいいでしょ?」

ふぁ~っと欠伸をしながら、身体を起こす。

まだ、眠い目をこすって辺りを見渡すとそこは見知らぬ景色だった。

千歌「あれ?ここはどこ?」

千歌「チカ、自分の部屋で寝ていたと思ったんだけど・・・。」

??「むぅ~!!ねぼけないで!!」

急に目の前に現れる声の主。

ううん? どこかで見たことがあるような・・・。

千歌「あなた誰? ひょっとしてチカと会ったことある?」

??「あってるよ。」

千歌「ふぇ?」

ちか「だってちかはちかだもん♪」

千歌「えぇぇ~~!!!」

そう言って小さなちかはニシシと笑顔を見せた。

ちか「ここはチカっていうとわからなくなるね。」

ちか「あなたのこころのなかだよ。」

千歌「チカの心の中?」

ちか「うん♪」

え?チカの心の中ってこんなにグチャグチャしてるの?

景色だってバラバラだし、それになんだか全体的に暗いような・・・。

ちか「それはあなたがさいきん、くらいことしかかんがえないからだよ。」

ちか「おかげでちかたちとぉ~ってもめいわくしてるんだからね!」

ぷんぷんという効果音さえ出てきそうなくらい小さなチカは怒っていた。

ちか「まえまではあそぶところもいっぱいあって、キラキラしてたのに・・・。」

ちか「それに、いまはよーちゃんもいないんだよ!」

ちか「それってひどくない!!」

ちか「ちかからよーちゃんをとりあげるなんてひどすぎるよ!」

今のチカの心の中にはよーちゃんがいない?

そんなの・・・、そんなの!!

千歌「チカの心の中によーちゃんがいないなんて嘘だよ!!」

千歌「こんなに毎日想ってるんだよ!!」

千歌「苦しくて苦しくて心が潰れちゃいそうなほど想ってる相手がいないなんてあえりえないよ!」

辺りを見渡してよーちゃんの姿を探す。

でも、真っ暗な部分が多すぎて見つけることは出来ない。

ちか「そんなのちかしらないもん。」

ちか「せっかくまいにちよーちゃんとあそびまわってたのに、きゅうにひとりにされるちかのきもちもかんがえてほしいよ。」

幼いちかは不満げに頬を膨らましてそっぽを向いちゃった。

なんなのこの空間は・・・。

なんでこんなことに・・・。

千歌「あっ、鞠莉ちゃんからもらった薬。」

あれってこんな効果があるの!?

それに素直になる薬だって言ってたのに随分効果が違うような気がするよ。

ちか「まりちゃん?」

ちか「それだぁ~れ?」

ちか「よーちゃんとかなんちゃんいがいのおともだち!?」

目をキラキラさせてチカに詰め寄る幼いちか。

千歌「お友達って言うか先輩っていうか、仲間って言うか・・・。」

ちか「なにそれ~、はっきりしないの~。」

ちか「おとなになったチカってなんだかめんどくさいんだね。」

ちか「おうちのおてつだいみたい♪」

ケラケラ笑い出す幼いちか。

面倒くさいか・・・。

確かにそうかもしれない。

前までは何も考えずに行動してたのに、最近はあれはダメだ、これだダメだって思考を停止させてばかり。

こんなのチカらしくないよね。

ちか「そんなにそっちのせかいがいやならこっちにいる?」

ちか「かわりにちかがそっちのせかいにいってあげるよ!!」

ちか「そうだ!それがいいよ!」

千歌「な、何を言ってるの!?」

チカと幼いちかが入れ替わるなんてそんなことできるはずが・・・。

ちか「できるよ。」

ちか「だっていまからあなたをここにしばりつけるんだから。」

幼いちかがニヤッと笑うと何処から現れたか分からない鎖でチカのことを縛り上げた。

千歌「ちょっと何これ!!」

千歌「外してよ!!」

ちか「やだ!!」

千歌「なっ!」

即答で断られ少しだけたじろいでしまった。

ちか「だってあなたにまかせるとよーちゃんとはなればなれになっちゃうもん!」

ちか「そんなのちかいやだからね!」

ちか「だからちかがよーちゃんにすきだっていってあげる!」

ちか「えへへ~、よーちゃん、すきっていったらちかのことなでなでしてくれるかなぁ~♪」

千歌「そ、そんなのダメだよ!」

千歌「それを言うのはチカ自身じゃないと意味が・・・。」

ちか「ああ~もう、うるさい!!」

ぎゅっと縛られてた鎖が締め上げられる。

千歌「きゃぁぁああ。」

ちか「あなたはおとなしくここですごしていればいいの。」

ちか「あとはちかにまかせて♪」

ちか「じゃあね♪ ばいばい、おとななチカ。」

そう言うと幼いちかの身体が浮き上がり、空に向かって登り始めた。

千歌「ちょっと待って!これを外して!!」

千歌「こんなところに置いて行かないでよ!!」

幼いちかが遠ざかるたびに辺りは暗くなっていった。

本当にこのまま入れ替わっちゃうの?

嫌だよ。

千歌「助けて・・・。」

千歌「よーちゃん!助けて!!」


―――
――


ちか「ふぅ~ん、ここがチカの世界なんだ。」

ちか「身体がおっきくなったからなんだか変な感じがする。」

ちか「まあいっか。」

ちか「早速よーちゃんを探しに行こうっと!」

美渡「朝からうるさいぞバカ千歌!!」

美渡「なんで静かにできなんだよ!」

ちか「あっ美渡ねぇ。」

ちか「ちかに何か用?」

美渡「さっきから朝ごはんが出来たって呼んでるのに一向に返事をしないから見に来てやったんだよ。」

美渡「そうしたら部屋の中で騒いでるときたもんだ。」

美渡「はぁ・・・、本当にいくつになってもお前は!」

ちか「いひゃい!いひゃいよ!みふぉねぇ!!」

美渡「罰なんだから痛くて当たり前だ!」

美渡「ちっとは反省したらどうなんだ!」

ちか「ちか、ふぁにもふぁるいことふぃてないもん!」

ちか「みふぉねぇがわるいんだふぉん!!」

美渡「そんな悪いことを言うやつはもっとこうだ!」

ちか「いふぁい・・・、う、うぇ~ん。」

ちか「みふぉねぇがいふぃめる・・・。」

美渡「お、おい何もマジで泣く事ないだろ?」

ちか「うあぁぁぁぁん!!」

美渡「千歌どうしちまったんだ?」

志満「二人ともどうしたの?」

志満「リビングまで声が聞こえてるわよ。」

ちか「志満ねぇ~、グスッ、美渡ねぇがいじめるの。」

ちか「ちか何も悪い事してないのに・・・。」

ちか「ふぇ~~ん・・・。」

志満「あらあら、美渡ちゃん?」

美渡「わ、私はいつものつもりでからかっただけで・・・。」

ちか「ちかのほっぺを力いっぱい引っ張ったもん!」

ちか「やめてって言ってもやめてくれなかったもん!」

ちか「美渡ねぇ嫌いっ!!」

美渡「お、おいおい千歌。」

ちか「ふん!」

志満「まあまあ、千歌ちゃん。」

志満「それくらいで許してあげて朝ごはんにしましょう。」

志満「今日は急がないと曜ちゃんと遊ぶんでしょ?」

志満「遅れても知らないわよ?」

ちか「ふぇ? ちか、今日はよーちゃんと遊ぶの?」

志満「ええ、そうよ。」

志満「ほらっ、あまりゆっくりしてると曜ちゃんが迎えに来ちゃうわよ?」

ちか「わ~い!それならすぐに食べるね♪」

バタバタ

美渡「はぁ~、やっと行ってくれたな。」

美渡「それにしても今日の千歌はちょっとおかしかったなぁ。」

美渡「なんていうか小さいころの千歌みたいだったよ。」

美渡「なぁ志満ねぇ?」

志満「・・・。」

美渡「志満ねぇ? どうしたんだ?」

志満「いいえ、なんでもないわ。」

志満「ほらっ、私達もさっさとご飯食べちゃいましょう。」

美渡「それもそうだな。」


―――
――


曜「ちぃ~かちゃん! おはヨーソロー!」

ちか「よーちゃんだ♪」

ちか「えへへ~、おはヨーソロー♪」

曜「おお~、いつもは恥ずかしがってやってくれないのに今日は珍しいね♪」

ちか「だって、おはヨーソローはよーちゃんとの大切な挨拶だから、ちかがしっかり返してあげないとよーちゃんが可哀想じゃん!」

曜「嬉しいこと言ってくれるね~。」

曜「そんな千歌ちゃんにはハグしてあげる♪」

ちか「えへへ~、よーちゃんに抱っこしてもらうの、ちか大好きだよ♪」

曜「・・・?」

ちか「どうしたのよーちゃん?」

曜「あっ、ううん何でもないよ。」

曜「それじゃあいこっかちかちゃん♪」

ちか「はぁ~い♪」

曜「ちかちゃんは何処か行きたいところある?」

ちか「ちかの行きたいところ?」

ちか「そーだなぁ~。」

ちか「どこがいいかなぁ~。」

ちか「うぅ~ん・・・。」

曜「ふふっ、そんなに悩まなくってもいいのに。」

ちか「だって大好きなよーちゃんと一緒に行く場所だよ!」

ちか「よーちゃんとなら何処に行っても楽しいけど、今日は特別だから本気で考えたいの!」

曜「そっかそっか。」

曜「なら落ち着いて考えて♪」

曜「私はちかちゃんの隣でずっと待ってるから♪」ナデナデ

ちか「えへへ~、よーちゃんのナデナデはとっても気持ちいいよ♪」

曜「可愛い・・・///」ボソッ

ちか「よーちゃん何か言った?」

曜「な、なんでもないよ///」

ちか「そう?」

ちか「あっ、よーちゃん! ちか、みとしーに行きたい!!」

曜「へ? みとしーがいいの?」

曜「ついこの間Aqoursの皆で行ったよ?」

ちか「いいじゃん! 今日はちかと2人っきりだよ!」

ちか「それにみとしーはちかにとってよーちゃんとの大切な思い出が詰まった場所なんだ!」

曜「ちかちゃん・・・。」

曜「うん、分かった♪」

曜「一緒に行こう!!」

ちか「やったー♪」

ちか「よーちゃんと水族館デートなのだ♪」

曜「デデデ、デートって///」

ちか「よーちゃんはちかとデートするの嫌なの?」ウルウル

ちか「ちかのこと嫌いなの?」ウルウル

曜「そんなわけないよ!」

曜「ちかちゃんとなら喜んでデートしたいであります!」ケイレイッ

ちか「えへへ~、ちかもよーちゃんとデートしたいであります!」ケイレイッ

曜「じゃあ、みとしーに行こっか♪」

ちか「うん♪」

ちか「はいっ!」

曜「うん? どうしたの?」

ちか「ふぇ? お手手は繋がないの?」

ちか「いつも繋いでたのに・・・。」シュン

曜「・・・、ふふふっ、そうだね。」ギュッ

曜「じゃあ行こう!ちかちゃん!」

ちか「うん♪」ギュッ


―みとしー内

ちか「おお~、やっぱりいつ来てもワクワクするね♪」

曜「そうだね♪」

ちか「しかも今日はよーちゃんと2人きりだから、余計にワクワクするよ!!」

曜「私もとぉ~ってもワクワクする!」

ちか「えへへ~♪」

ちか「あっ、あれ見に行こう!」タタタタッ

曜「ちょっっと、急に走ったら危ない! って言うか引っ張らないでぇ~!!」

ちか「あははははっ♪」


曜「ああ~、今日は1日中走り回ったから疲れたぁ~。」

曜「あんなにはしゃいだの久しぶりかも♪」

曜「それに・・・。」

ちか「すぅすぅ・・・。」

曜「ちかちゃんも疲れちゃったんだね。」ナデナデ

ちか「よーちゃん・・・。えへへ~。」

曜「・・・。」ナデナデ

曜「このままみとしーにいても仕方ないから、よっと!」

ちか「すぅすぅ・・・。」

曜「ふふ、千歌ちゃん前よりも軽くなってる。」

曜「スクールアイドルで動き回ってる成果が出てるのかな?」

曜「このままおんぶしてお家まで帰ろうかちかちゃん♪」

ちか「すぅすぅ・・・。」

曜「じゃあ千歌ちゃんの家に向かって全速前進ヨーソロー!」

ちか「・・・ろー・・・。」


―千歌の家

曜「こんばんわ―!」

志満「あら、曜ちゃん?」

志満「千歌ちゃんは・・・、寝てるのかしら?」

曜「あははは、遊び疲れちゃったみたいで眠っちゃったんです。」

志満「ごめんなさいね。」

志満「後は私が部屋まで連れて行くから。」

曜「ううん、最後まで私にやらせてください。」

曜「このまま帰っちゃったら、ちかちゃんが可哀想だから。」

曜「それに・・・。」

志満「どうしたの?」

曜「・・・、なんでもない。」

曜「さあ、ちかちゃん! お部屋に行こう!」

志満「曜ちゃん!」

曜「?」

志満「千歌ちゃんをどうかお願いね。」

曜「・・・、はい! 任せてください!」


―千歌の部屋

曜「よっと、はぁ~、疲れたぁ~。」

曜「本当にあれから1回も起きなかったなぁ。」ナデナデ

ちか「すぅすぅ・・・。」

曜「・・・早く起きないと帰っちゃうぞ?」

曜「それでもいいの? 千歌ちゃん?」

ちか「うぅ~ん・・・。」パチッ

ちか「あれ? ここは?」

曜「あははっ、やっと起きたね♪」

曜「おはヨーソロー♪ って、もう夜だった!」

ちか「おはヨーソロー♪」

ちか「ひょっとして、ちか、あれから寝てたの?」

曜「・・・そうだね。」

曜「まだ寝てるのかな、千歌ちゃん・・・。」ボソッ

ちか「よーちゃん?」

曜「ううん、何でもないよ。」

ちか「せっかくよーちゃんとのデートだったのに・・・。」シュン

ちか「途中で寝ちゃうなんて本当にちかはバカちかだよ・・・。」

曜「そんなことないよ。」

曜「今日は十分楽しかったじゃん!」

曜「ちかちゃんは楽しくなかった?」

ちか「もちろん楽しかったよ!!」

曜「なら良かった♪」

曜「じゃあもう十分楽しんだかな?」

ちか「もう帰っちゃうの?」

曜「ううん、私は千歌ちゃんが戻ってくるまで帰らないよ。」

ちか「ふぇ? ちかはもうお家に帰ってるよ?」

曜「そうじゃないよ。」

曜「あなたはちかちゃんであって、千歌ちゃんじゃない。」

曜「そうでしょ?」

ちか「・・・、流石よーちゃん。」

ちか「ちかのことなら何でも分かるんだね。」

曜「当たり前じゃん!」

ちか「何で? 何でわかっちゃうの?」

ちか「小さいころからのお友達だから? 親友だから?」

曜「ちかちゃん・・・。」

ちか「ねぇ!答えて!」

ちか「ちかはよーちゃんのことだい・・・。」

曜「ストップ♪」

曜「そこから先は、ちゃんと千歌ちゃんの口から聞きたいな。」

曜「ダメかな?」

ちか「ダメじゃないよ・・・。」

曜「それじゃあ!」

ちか「お願いがあるの!」

ちか「最後にぎゅっとして。」

ちか「頭もナデナデしてほしいの!」

ちか「あっちに帰ったらまた1人ボッチだから・・・。」

ちか「グスッ、今だけでもよーちゃんを独り占めしたいの・・・。」

曜「分かった。」

曜「おいでちかちゃん♪」

ちか「うわぁ~ん!!」ギュッ

曜「よしよし、寂しかったんだね?」

曜「1人でずっと寂しかったよね?」

ちか「寂しかったぁ~!! なんで! なんでよーちゃん急にいなくなっちゃったの!!」

ちか「ちかを1人にしないでよ!!」

ちか「ひどいよ・・・。」

曜「大丈夫だよ。」ナデナデ

曜「よく探してあげて、私は必ずちかちゃんの傍に居てるはずだから。」

曜「寂しがり屋で臆病だから、今頃そっちの私、泣いちゃってるかもしれないよ?」

ちか「うぅ・・・。」

曜「だから必ず見つけてあげて♪」ナデナデ

曜「約束できる?」

ちか「うん!きっと見つけてあげる!」

ちか「見つけてよーちゃんにしてもらったように、ぎゅってしてナデナデしてあげるんだ!」

曜「やっぱりちかちゃんは優しいね。」

曜「じゃあご褒美に・・・。」チュッ

ちか「よ、よーちゃん///」

曜「おでこだけど、今はそれで我慢して。」

ちか「ありがとう///」

ちか「それじゃあ、またねよーちゃん。」

曜「うん! またねちかちゃん。」

ちか・曜「「ばいばい!」」


―――
――


あれからどれくらい経ったんだろう。

辺りは真っ暗なまま、身体には相変わらず鎖が巻き付いてる。

心の中だから幸いお腹がすいたりといったことはなかったから助かってるけど・・・。

千歌「よーちゃん・・・。よーちゃん・・・。」

こんなところに一生いるなんて嫌だよ!

よーちゃんに会いたい!

今なら素直に思える!

だからお願い!

千歌「ここからチカを出して!!」

そう叫んだ瞬間、空が急にピカーッと明るくなった。

千歌「な、何!?」

光の方向に目を向けると、幼いちかが下りてくるのが分かる。

ふわっと地面に着地すると、スタスタとチカの方へ向かってきた。

ちか「ただいま♪」

ちか「あれぇ? まだ、げんきそうだね♪」

ちか「よかったよ!」

相変わらず屈託のない笑顔を見せるなぁ・・・。

本当は怒鳴りたかったんだけど、そんな気も無くなってきたよ。

千歌「危なく、精神的に参りそうだったけどね。」

千歌「早くこの鎖をほどいてくれないかな?」

ちか「うぅ~ん、ほどいてあげてもいいんだけどねぇ~。」

大げさに悩む姿を見せる幼いちか。

ちか「1つやくそくして!」

千歌「約束?」

ちか「そう!やくそく!」

なんだろ・・・。

でも、約束しないとここから出してもらえなさそうだしな・・・・。

千歌「いいよ、それで? 何を約束すればいいの?」

ちか「ニシシ! それはねぇ~。」

あっ、あれは悪いことを考えているときの顔だ・・・。

昔、チカ自身が良くやってたから分かる。

ちか「もとのせかいにもどったら、めのまえにいるよーちゃんにすきっていってあげて!」

ちか「それがちかとのやくそくだよ!」

千歌「そ、それって///」

告白・・・だよね。

目の前によーちゃんがいるってことは、ちゃんと遊びにいけたんだ・・・。

ちか「どう?やくそくできる?」

ちか「できないならもう1かい、ちかがよーちゃんのところにもどるけど?」

正直恥ずかしいし、怖い。

でも、もうそんなこと言わないよ!

だって、今はこんなによーちゃんのことを想ってるんだから!

会いたいって、ぎゅっとしたいって、そして・・・。

大好きだって伝えたい!!

千歌「約束するよ。」

千歌「絶対によーちゃんに大好きだって言う!」

千歌「もうこの気持ちを隠したりしないよ!!」

ちか「うん♪ おねがいね♪」

幼いちかが手をすっと伸ばすと、チカを縛っていた鎖が解けて行った。

ちか「あとはあのひかりめざしてとんでいって!」

千歌「飛ぶって・・・、どうやって?」

幼いちかが指差したのは遥か高い空だった。

チカには翼もないし、ましてやジャンプなんかで届くって思わない。

ちか「よーちゃんにあいたいってねがえばとべるよ!」

ちか「きっとこころもからだもかるくなるから!」

ちか「がんばって!!」

千歌「よーちゃんに会いたい気持ちか・・・。」

すっと目を閉じてみる。

思い浮かべるのはよーちゃんの姿。

小さいころからずっと大好きだったよーちゃん。

よーちゃんに会いたい。

会って、大好きだって、この気持ちを伝えるんだ!

そう強く願ったその時、身体がふわっと浮く感覚がした。

ちか「えへへ♪ やればできるじゃん!」

ちか「じゃあね!」

ちか「よーちゃんによろしくね!!」

大きく手を振ってお別れをする幼いちか。

ちか「あっ、そういえばチカってあのことわすれてそうだから1つだけおしえてあげる♪」

千歌「チカが忘れてること?」

ちか「きょうね!ちか、よーちゃんとみとしーにいってきたんだ!」

ちか「ちょうど、あのときとおなじだね♪」

あの時と同じ?

あの時って・・・。

千歌「ねぇ!あのときっって・・・。」

身体が急にふわっと浮き上がり、どんどんと空へ登っていく。

ちか「だいじょうぶだよ! チカならきっとおもいだせるよ!」

ちか「よーちゃんとのたいせつなおもいでだもん!」

ちか「ちゃんとじぶんとのおもいでにむきあってね!!」

ちか「それもちかとのやくそくだよ!!」

幼いちかの姿はどんどん小さくなっていった。

千歌「わかった!!それもちゃんと約束するよ!!」

千歌「ありがとう!! あなたのおかげで自分の気持ちと向き合えた!」

千歌「だから行ってくるよ!!」

千歌「よーちゃんに好きだって伝えてくるよ!!」

ちか「うん♪」

ちか「がんばれ!おおきなちか!!」

最後に見た幼いちかの顔は、満面の笑顔だった。


―――
――


千歌「うぅ・・・、ここは?」

目を覚ますと、いつも通り自分の部屋の光景が目に入ってきた。

千歌「帰ってきたんだ・・・。」

帰ってこれたという事実に少しだけホッとする。

でも、なんだか身体が上手く動かない?

誰かに抱きしめられてる。

それにこの匂いは・・・。

千歌「よーちゃん!?」

半分寝てたチカの意識は一気に覚醒した。

曜「あっ、千歌ちゃん起きたの?」

千歌「うん、今起きたところだよ。」

窓の外からは光が差し込んでいない。

時計をチラッと見ると、12時をちょっと過ぎたあたりだった。

チカとよーちゃんはお出かけしていたであろう格好のまま。

千歌「ずっとチカのこと抱きしめてくれてたの?」

曜「うん♪」

曜「千歌ちゃんはお寝坊さんだから、私がぎゅっとしてあげたらいつか目を覚ますんじゃないかなって思ってね♪」

曜「でも、目を覚ましてくれて本当に良かったよ・・・。」

よーちゃんの抱きしめる力が少しだけ強くなる。

身体も少し震えてるみたい。

・・・、また心配かけちゃったんだね。

千歌「よーちゃん、ただいま。」

千歌「ありがとう、チカのこと心配してくれて。」

曜「おかえり千歌ちゃん!」

曜「気にしないで、千歌ちゃんに何かあったら私はいつでも駆けつけてあげるんだから!」

ニコッとチカに笑いかけてくれるよーちゃん。

その笑顔を見るだけで、心の中が温かくなってくる。

よしっ!

後は幼いちかとの約束を果たさないとっ!

千歌「ねぇ、よーちゃん///」

曜「どうしたの?」

千歌「聞いてほしいことがあるんだ///」

千歌「いいかな///?」ジー

曜「いいよ、聞いてあげる。」

チカが真剣な眼差しを向けていることが分かったのか、よーちゃんも真剣な顔で見つめ返してくれた。

さっきから心臓がバクバク鳴りっぱなしだ。

こんなに緊張したことがないよ。

千歌「あ、あのね/// その・・・///」

言葉が上手く出てこない。

ああ、やっぱりダメなのかな・・・。

チカには告白する勇気すらないのかな・・・。

目をぎゅっとつぶって、俯いてしまう。

すると、心の中から声が聞こえた。

ちか『がんばれ!! がんばれおっきなちか!!』

ちか『ちかならきっとできるよ!!』

そうだ、チカ約束したじゃん。

今度はちゃんと自分の気持ちと向き合うって!

目を開けて、顔を上げる。

千歌「よーちゃん!好き!大好きなんだよ!」

千歌「初めてあったときからよーちゃんのことが大好きだったんだ!」

千歌「この気持ちのせいで色々苦しいこともあったけど、でも、それでもチカの気持ちだから!」

千歌「どうしてもよーちゃんに伝えたかったんだ!」

曜「千歌ちゃん///」

すぅーっと息を吸っていつも練習していたあの言葉を言う。

千歌「よーちゃん、愛してます。」

千歌「ずっとチカの傍にいてくれませんか?」

ついに言ってしまった。

後はよーちゃんの返事次第。

恐る恐るよーちゃんの顔を見ると、真っ赤になって、目には涙が浮かんでいた。

千歌「よーちゃん?」

チカがよーちゃんの名前を呼ぶと、よーちゃんは抱き着いてきた。

曜「千歌ちゃん!やっと言ってくれた///!!」

曜「私ずっとずぅ~っと待ってたんだからね///!」

曜「千歌ちゃんから告白してくれるのをずっと///」

え?

よーちゃんがチカからの告白をずっと待ってたの?

嘘っ! なんで!!

曜「もう千歌ちゃん忘れちゃったの!!」

今度は少し怒り顔になるよーちゃん。

チカがよーちゃんのことで忘れるなんてことあるのかな・・・。

曜「じゃあヒントあげるね!」

曜「みとしーで約束したよね?」

みとしー? 約束??

あ、あれ? 思い出せない・・・。

するとよーちゃんがみるみる内に悲しい顔になってくる。

曜「さっきのちかちゃんは覚えていてくれたのに・・・。」

曜「ひどいよ・・。」

よーちゃん・・・、みとしー・・・、泣いてる・・・。

あっ、ああああああああああああああ!!!

千歌「思い出した!!!」

曜「へ?」グスッ

なんで、あんな大切な約束忘れてたんだろ・・・。


―――
――


あれは小学校の2年生の頃、チカの家族とよーちゃんの家族でみとしーに遊びに行った時のこと。

チカもよーちゃんも大はしゃぎで、みとしー中を走り回ってたんだ。

ふと気が付くとよーちゃんの姿がなかった。

チカは他の家族と合流できたんだけど、よーちゃんだけは一向に帰ってこなかった。

探しても探しても見つからなくって、迷子の放送をしても現れなかった。

さらわれたんじゃないか?とか何処かに落ちて大怪我をしてるんじゃないか?ってどんどん騒ぎが大きくなる。

チカは無我夢中で探したよ。

よーちゃん!よーちゃん!!って大きい声を上げてずっと探してた。

すると、関係者しか入っちゃいけないところから女の子のすすり泣く声が聞こえてきた。

チカがよーちゃんなの?って声をかけると、扉の向こう側から千歌ちゃんなの?って返事が返ってきた。

どうやら間違って入っちゃったらしく、おまけに外からカギを掛けられて出られなくなっちゃったみたい。

すぐにお母さんたちを呼んで、みとしーの人に扉を開けてもらうと、中からよーちゃんが飛び出してきたんだ。

チカにしがみついて、怖かった!このまま1人でずっといなきゃいけないんだと思ったって、ずっと大泣きしてた。

だからチカは慰めながら言ってあげたの。

ちか「だいじょうぶだよよーちゃん、どんなことがあっても、チカがよーちゃんのそばにずっとずぅ~っといっしょにいてあげるから!」

よう「グスッ、ほんとう?」

ちか「もちろんだよ!」

よう「じゃあ、ずっといっしょにいてくれるってことは、よーとけっこんしてくれるってこと?」

ちか「ニシシっ、それいいね♪」

ちか「じゃあ、かわいいなきむしよーちゃんはチカのおよめさんなのだ♪」ギュッ

よう「えへへ~、よー、ちかちゃんのおよめさんになれてうれしい!」ギュッ

ちか「やくそくだよ! ぜぇ~ったいのやくそく!」

よう「うん! やくそく!!」

ちか・よう「「ゆびきりげんまんうそついたらはりせんぼんの~ます、ゆびきった!」」


――
―――

千歌「だから、チカの心の中に居たのはあの頃のチカだったんだ・・・。」

やっとわかった。

なんで心の中に居たのが、小さい頃のチカだったのか。

なんで、ずっとよーちゃんと遊んでいたのか。

そして、よーちゃんがチカの心の中から消えちゃったのか。

チカが大切な思い出を忘れちゃってたから・・・。

千歌「よーちゃんごめんね。」

千歌「大切な思い出だったのに忘れちゃってて。」

千歌「本当にごめん。」

よーちゃんの顔を見ることが出来ず、思わず俯いてしまう。

するとよーちゃんはチカの両頬を掴んで、顔をあげさせた。

曜「本当だよ! 私すっごくショックだったんだからね!」

曜「ショックすぎて気絶しそうなくらいだったよ!」

曜「せっかく千歌ちゃんから告白されて、最高に幸せだったのに・・・。」

さっきからずっと涙目のよーちゃん。

嬉し涙と、チカに忘れられてて寂しかった涙が混ざっているみたいだ。

曜「でもね、ちゃんと思い出してくれた。」

曜「私との大切な思い出を思い出してくれたんだ。」

曜「私はそれだけでいいよ♪」

ニコッと細めた目から涙がこぼれた。

ああ、本当に愛おしい。

チカの中からよーちゃんが好きっていう感情が溢れ出てくる。

千歌「ねぇ、よーちゃん?」

今度はチカがよーちゃんの両方頬に手を添えた。

曜「ち、千歌ちゃん///!?」

千歌「チカね、よーちゃんとキスがしたい、・・・ダメかな?」

よーちゃんの頬に添えた手から分かるくらい、熱が伝わってくる。

顔は真っ赤か、せっかく止まっていた涙もまた溢れ出していた。

曜「いいよ/// 千歌ちゃんにならいくらでも///」

曜「お願いします///」

そういうとよーちゃんはすっと目を閉じてくれた。

千歌「ありがとうよーちゃん。」

チカはよーちゃんの唇にそっと近づく。

チュッ

千歌「愛してるよよーちゃん♪」

今度こそ大丈夫だ。

チカの心はきっとモヤモヤも晴れている事だろう。

幼いちか、ありがとう。

あなたのおかげでやっと自分の気持ちに素直になれた。

あれ?ってことはあの薬は本物だったのかな?

素直になれる薬だっけ?

うぅ~ん・・・。

まあいいや!

チカが考えても分かるわけないし、今度鞠莉ちゃんに聞いてみようっと!

それに今はこの時を大切にしないとね♪

そうでしょ?

よーちゃん♪

Fin



おまけ

ちか「あ~あ、せっかくひとりボッチじゃなくなったとおもったのになぁ。」

ちか「さびしいよ・・・。」

ちか「よーちゃん・・・。」

ちか「どこにいるんだよ・・・。」

ちか「ふぇぇ・・・。」ウルウル

ちか「うわ~ん!!」ポロポロ

??「・・・ちゃ~ん!」

ちか「グスッ、ふぇ?」

??「・・かちゃ~ん! どこにいるの~!!」

ちか「あのこえって・・・。」

よう「よーのことひとりにしないでぇ~!!」ポロポロ

よう「うわ~ん!!」ポロポロ

よう「なんで! ずっといっしょだっていったのに!!」ポロポロ

よう「やだよ・・・、ひとりはさびしいよ・・・。」ポロポロ

ちか「よーちゃんだ!!」

ちか「お~い!! よーちゃ~ん!!!」

よう「・・・?」グスッ

ちか「よーちゃん!! やっとみつけた!!」ダキッ

ちか「いままでどこにいってたの!!」

ちか「ちか、とぉ~ってもさびしかったんだから!!」

よう「よーだってわからないよ!」

よう「きゅうにまっくらなところにはいっちゃって、あるいてもあるいてもでられなくって・・・。」

よう「ちかちゃんのなまえたくさんよんだのにおへんじがなくって・・・。」

よう「こわかった・・・、もういっしょうあえないかとおもったよ!!」ギュッ

ちか「そっか・・・。」

ちか「おとななチカ、よーちゃんとちゃんとむきあえたんだね。」ボソッ

ちか「ありがとう、チカ。」ボソッ

よう「ちかちゃん?」

ちか「ううん、なんでもない。」ナデナデ

よう「えへへ~、ちかちゃんにナデナデしてもらったら、かなしいきもちもどこかにいっちゃうよ!」

ちか「ちかはよーちゃんがとなりにいてくれるだけで、こころがぽかぽかする!」

よう「もうこのてをはなしちゃやだよ!」

ちか「もちろんだよ!」

よう・ちか「「えへへ~♪」」

よう・ちか「「ずっといっしょだよ♪」」

おまけ終わり
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『千歌「素直になれる薬?」』へのコメント

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2018年5月26日
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