迷子の迷子のダイヤちゃん

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ダイヤ-アイキャッチ30
「今日はお世話になります」

「いえいえ、こちらこそありがとうございます」

今日はわたくしの家の近くの旅館に来ています。
ここでお父様が会合?というものを開くらしく、偉い人とたくさんお話しするみたいです。
お父様とお母様に連れられてきたわたくしとルビィ。
ルビィはまだ幼くお母様が近くにいないと不安で泣いてしまいます。
本来はお手伝いさんにわたくしとルビィを預ける予定でしたが、そういうこともありわたくしたちも一緒に来ました。
今日はここにお泊りということで、それが少し楽しみです。

pixiv: 迷子の迷子のダイヤちゃん by バッツ

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「くろさわダイヤです。よろしくおねがいします」

「おお、ちゃんと挨拶できて偉いね」

お父様がみんなに挨拶をしなさいと言いました。
そうすると褒められました。嬉しいです。

「それじゃあ、ダイヤとルビィを頼む」

「ええ、任せてくださいませ」

この旅館は沼津に行くときにいつも前を通っていました。
家の近くなのでまさか泊まることはないだろうと思っていましたが、何が起こるかわからないものですわね。
なんでも、この旅館で執筆を行っていた青森の文豪がいるそうです。
それがまた興味深いですわね。

「うっ・・・うわああああん!!!」

「あらあら、ルビィさん。どうかしたのですか?」

ルビィが泣いてしまいました。
お母様もルビィが泣く理由を探し、どうにかできないかと模索中です。
こうなると、お母様はルビィにつきっきりです。
泣き止むまでも少し時間がかかります。

わたくしは何をしましょうか?
そういえばこの旅館は結構広いですわよね。
わたくしの好奇心が呼び起こされます。
お母様はしばらくルビィのお世話。少しくらいならいいですわよね?

部屋を飛び出すとそこは巨大な迷路でした。
どこに行けばいいのかも分からない状況。でも、だからこそこういうのは楽しいのです。
どこへ向かうかも自分の気持ち次第。
周ってみましょう。

ここは温泉でしょうか?
家の近くにこんなに立派な温泉があっただなんて知りませんでした。
今日はここに入れるのでしょうか?
気持ち良さそうですわ。
他のところに行ってみましょう。

___

「ルビィさん。これでよろしいでしょうか?」

「きゃっきゃっ♪」

「ふふっ、可愛いですわね。ねえ、ダイヤさん。・・・ダイヤさん?・・・ダイヤさん!?どこですの!?」

___

ここは厨房でしょうか?
美味しそうな匂いが漂ってきます。
あの蒸してるのは・・・まさかプリン?
このような旅館でそのようなものを作っているとは意外ですわ。
しかし、プリンはわたくしの大好物。
こうなると晩御飯が楽しみになります。

ここは・・・なんでしょうか?
というよりもここはどこでしょうか?
そういえばわたくしはどっちから来たのでしたっけ?
もしやこれは・・・迷子ですか?
どうしましょう・・・このままではお父様とお母様に迷惑をかけてしまいます・・・
勝手に出てきた罰が当たったのでしょうか?
もうルビィにも会えないのですか・・・?
悪いお姉ちゃんでごめんなさい・・・

「あれ?あなたはだれ?」

「えっ?」

そこに立っていたのは蜜柑色の髪をした可愛らしい女の子。
見たところわたくしと同い年でしょうか?

「わぁ!すっごいきれいなかみのけ!」

「あの・・・」

「あっ、ごめんね。わたしはたかみちか!よろしくね!」

「・・・くろさわダイヤです。よろしくおねがいします」

なんだか少し騒がしい人ですわね・・・
ここで立ち往生してる場合じゃありません。なんとか部屋に戻らないと。

「ね!よかったら一緒に遊ぼうよ!」

「いえ、わたくしは・・・」

「さあ!早く早く!」グイッ

「え、あのちょっと・・・」

___

「ここがちかのへや!」

どうやらこの旅館の子みたいですわね。
この子に案内してもらえば部屋に戻れるのでは?

「あの、ここでいちばん大きい部屋にはどうやっていけばいいですか?」

「ふぇ?宴会とかやるばしょ?知ってるけど。それより一緒に遊ぼう!」

「そういうわけにはいきません。おかあさまがまってますから」

「むぅ。そう言わずに・・・ダメ・・・?」

「うっ・・・」

どうもこの子のペースに流されてしまいます。
しかし、この子がいればその部屋にはたどり着けますし、少しくらいならいいですかね?お母様には申し訳ありませんが・・・旅館内にはいるので安心してください。

「・・・わかりました。すこしだけですわよ」

「やった!ダイヤちゃん!」

「えっと、ちか・・・ちゃん?」

「うん!ちかだよ!」

なんだか不思議な人ですわね。初対面なのに気軽に話せて、わたくしを巻き込んでいく。これがこの子の力なのかもしれませんわね。

「じゃあ、これ!ゴムボール!へやのなかで投げっこしよ!えい!」

「きゃ!もっとゆっくり投げてください!えい!」

「えへへ、ごめんね!えい!」

「ふふっ、えい!」

ボール無げだなんてやったことがありませんでしたわね。お父様もお母様も忙しくて、なかなかわたくしと遊ぶ時間もなくて。それにルビィも生まれました。
最近では習い事も多く、こうやって遊ぶのも久しぶりな気がします。
こうやって無邪気に遊ぶのが、ずっと憧れだったのかもしれません。

「ダイヤちゃん!次はこれ!」

「はい!ちかちゃん!」

___

「見つかったか!?」

「いえ・・・そんな、ダイヤさん・・・」

「必ず見つかる・・・だから自分を追い詰めるな・・・。高海さん、どうでしたか・・・」

「こちらにもいませんでした・・・見てないのは娘の部屋くらいで・・・」

「行きましょう。千歌ちゃん、入るわよ。あら、ふふっ・・・」

「すぅ・・・すぅ・・・ダイ・・ヤ・・・ちゃん・・・」

「すぅ・・・ちか・・・ちゃん・・・」

「良かった・・・ダイヤさん・・・本当に・・・」

___

千歌ちゃんと遊びすぎて、疲れて眠ってしまったみたいです。
結局お父様とお母様だけではなく、旅館の人にも迷惑をかけてしまいました。
ちゃんとごめんなさいをしたら許してくれました。
そして、今日は旅館に泊まるのですが、わたくしは千歌ちゃんの部屋に泊まることになりました。
これで夜も一緒です。

晩御飯には茶碗蒸しが出てきました。プリンかと思ったら、蒸していたのはこれだったみたいです。もちろん美味しかったですが、少しだけ残念な気持ちになりました。

「ダイヤちゃんとちかって同い年なんだね」

「ええ、だから小学校からは一緒に通えますわね」

「やった!これからもずっと一緒だよ!その先も!」

「ええ、もちろんですわ。じゃあ、おやすみなさい。ちかちゃん」

「うん、おやすみ。ダイヤちゃん」

_____
___
_

「千歌ちゃん。早く起きてください。学校に遅刻してしまいますわよ?」

「うう・・・あと5分・・・」

「早く起きなさい!」

___

「行ってきます!」

「全く、もっと早く起きてください」

「でも、寝坊するとこうしてダイヤちゃんが迎えに来てくれるからお得な気分!」

「少しだけ会える時間が延びるだけですわよ?」

「それが嬉しいのだ!」

千歌ちゃんと出会ったのは随分前ですわね。
あの時、もし迷子になっていなかったら、ただの同級生になっていたかもしれませんわ。
昔の自分に感謝ですわね。

「あれ、どうしたの?なんだか嬉しそう!」

「ええ、あなたと出会えたことに」

「えへへ!」

わたくしたちは幼馴染。

いつでも一緒です。
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2018年5月26日
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