ルビィ「お姉ちゃんが死んだ」

シェアする

ダイヤ-アイキャッチ6
お姉ちゃんが死んだ.

車に轢かれて死んだ.
即死だったらしい.

pixiv: ルビィ「お姉ちゃんが死んだ」 by ゆーりんちー

スポンサーリンク
生徒会の仕事で遅くなると言っていた.
一緒に帰るつもりだったけど,まだ時間がかかるからと先に帰るように言われた.

花丸ちゃんと一緒に帰った.
練習のことや授業のこと,何気ないことを話しながら帰った.

私がそうしている間,お姉ちゃんは1人で黙々と仕事をこなしていたのだろう.

手伝えばよかった.
そうすればもう少し早く帰れただろうに.
あの車と出会うこともなかっただろうに.

負担を少しでも背負ってあげればよかった.
そうすれば車を避けられたかもしれない.
それだけの体力や判断力を残せていたかもしれない.

お姉ちゃんは最近疲れていた.
いや,最近じゃない.少し前から疲れが溜まっているようだった.

当たり前だ.
毎日のように生徒会の業務をこなして,複数の習い事も続けて.

スクールアイドルを初めてからは見違えて明るくなった.それは間違いない.
精神的には楽になったのだろう.
好きなことを思う存分できるのだから.

それでもやることは増えていた.
今までやっていたことに練習まで加わったのだから.
体力的にはむしろ辛くなったはずだ.

もっとお姉ちゃんのことを見てあげればよかった.
お姉ちゃんはいつだって私のことを見ててくれたのに.

もっとお姉ちゃんのことを考えてあげればよかった.
お姉ちゃんはいつだって私のことを考えてくれたのに.

私は妹失格だ.
いつもお姉ちゃんに甘えてばかりだった.

私は黒澤の娘失格だ.
いつも家のことはお姉ちゃんに任せてばかりだった.

でも,そんなお姉ちゃんはもういない.

だから私は変わらなくちゃいけない.
黒澤家を守れるように.

お姉ちゃんが……安心して眠れるように


――――――――
――――――
――――


鞠莉「ダイヤっ……なんでよっ……!」ボロボロ

鞠莉「ずっと友達だよっていったのにっ……せっかくまた一緒にスクールアイドルができたのにっ……!」ボロボロ

鞠莉「なのにっ……!なんでこんなに早く死んじゃうのよ!」ボロボロ

果南「鞠莉……あんまり言うとダイヤが安心していけなくなっちゃうよ」

鞠莉「どうして果南はそんなに落ち着いていられるのよっ!」

鞠莉「果南はダイヤのことが大事じゃ――――」ハッ

果南「……」ボロボロ

鞠莉「果南……」

鞠莉「ううっ……うわーーーん!ダイヤーーーー!!」ボロボロ

果南「……」ギュッ ボロボロ

梨子「ダイヤちゃん……転校生の私にも優しくしてくれて嬉しかったよ……?」ポロポロ

曜「私お姉ちゃんいないからさ……もしいたらこんな感じなのかなって勝手に思ってたんだ……」ポロポロ

千歌「ダイヤちゃん……私,ダイヤちゃんと一緒にスクールアイドルができて本当に良かった」

千歌「本当に……本当にありがとうねっ……」ポロポロ

善子「ダイヤ……安らかに眠りなさい……」ポロポロ

花丸「ダイヤちゃん……ルビィちゃんのことは任せてね……」ポロポロ

ルビィ「……」ポロポロ

善子「そうよね……1番辛いのはルビィだもの」

花丸「ルビィちゃん……大丈夫?」

ルビィ「……大丈夫だよ」


そう,大丈夫.
大丈夫じゃなきゃダメなんだ.

だから泣くのは今日で最後.
明日から……私は変わる.


――――――――
――――――
――――


花丸「ルビィちゃん遅いね……」

善子「そうね……」

花丸「やっぱりまだ……」

善子「そりゃそうよ,姉が死んだんだもの」

善子「そんな簡単に立ち直れるはずないわ」

花丸「そうだよね……」

ガララッ

「おはよう」

花丸「あ,ルビィちゃん!おは……よ……」クルッ

善子「ちょっとルビィ,それどうしたのよ!」

ルビィ「あ,これ?黒く染めてみたんだ~」クルクル

ルビィ「どう?似合う?」

花丸「似合ってるけど……」

善子「なんで急に……」

ルビィ「ほら,お姉ちゃんが死んじゃって黒澤の娘がルビィ1人になっちゃったでしょ?」

ルビィ「だからこれからはルビィが対外的な挨拶とかもしなきゃだから」

ルビィ「黒髪じゃなきゃ示しがつかないかなって」

花丸「……そっか.ルビィちゃんの赤い髪,好きだったんだけどな」

善子「そうしろって両親から言われたの?」

ルビィ「ううん,そういうわけじゃないよ」

ルビィ「むしろ染めるって言ったら止められたくらい」

善子「じゃあどうして……」

ルビィ「ルビィがそうした方がいいと思ったから」

ルビィ「……お姉ちゃんもそうだったし」

花丸「ルビィちゃん……」

ルビィ「ほら!もう授業始まっちゃうよ!」ササッ

よしまる「……」


これでいいのだ.
赤い髪は黒澤の1人娘として相応しくない.

このまま髪も伸ばそう.
長髪のほうが見栄えも良いだろう.

もっとおしとやかにならなきゃ……お姉ちゃんみたいに


――――――――
――――――
――――


千歌「はあ~疲れた~」ドサッ

梨子「久々の練習だったもんね」フフッ

果南「情けないな~千歌は」

鞠莉「そうよ?早く感覚を取り戻さなきゃ」

曜「……でも,やっぱり変な感じだよね」

花丸「うん,8人しかいないのって」

善子「ちょっとあんた達」

ようまる「」ハッ

ルビィ「大丈夫だよ善子ちゃん」

ルビィ「ルビィはもう大丈夫」

ルビィ「だからみんなも変に気を遣わないで?逆に居心地悪いからさ」

善子「ルビィがそう言うなら……」

ルビィ「それに,お姉ちゃんが死んじゃって辛かったのはみんなだって同じのはず」

ルビィ「別にルビィだけじゃない」

7人「……」

千歌「……ねえ!このあとみんなで寄り道していこうよ!」

曜「いいね!私甘いもの食べたい!」

鞠莉「それならうちに来る?用意してもらうわよ?」

梨子「久しぶりに行ってみたいかも」

花丸「まるもまたあの美味しいやつ食べたいずら!」

善子「ふっ,皆がどうしてもと言うのなら私もついていくわ」

果南「じゃあ善子はお留守番ね~」

善子「なんでよ!」

ハハハッ

ルビィ「ごめんみんな.今日はこの後お稽古があるから」

千歌「お稽古?」

ルビィ「うん,今日はお琴のお稽古」

善子「あんたいつの間にそんなの始めたのよ」

ルビィ「ついこの間からだよ」

ルビィ「それくらいはできた方がいいかなって」

梨子「でも今,”今日は”って」

ルビィ「うん,今日はお琴」

ルビィ「他にも華道と茶道,あと日本舞踊なんかも始めたよ」

曜「どうしてそんなに……」

花丸「……ルビィちゃんそれって」

花丸「全部中学でやめたやつじゃ……」

ルビィ「そうだよ,もう1度始めてみたんだ」

ルビィ「やっぱり途中で投げ出すのはよくないし」

果南「……というか,全部ダイヤがやってたやつでもあるよね」

鞠莉「確かにそうね」

ルビィ「それはそうだよ.中学までは全部お姉ちゃんと一緒にやってたんだから」

花丸「ルビィちゃん……どうしてそこまで」

善子「ルビィ,あんた最近少しおかしいわよ」

善子「髪を黒くして伸ばし始めて,急に習い事まで始めたりして」

善子「まるで……ダイヤになろうとしているみたいな……」

ルビィ「……そんなつもりはないよ」

ルビィ「ルビィは黒澤家に相応しい女性になろうとしているだけ」

ルビィ「……それにルビィはそれしか知らないし」ボソッ

花丸「ルビィちゃん……そんなこと……」

ルビィ「じゃあみんな,また明日ね」スタスタ

善子「……ルビィ,大丈夫かしら」


そう,私はお姉ちゃんしか知らない.

お姉ちゃんは私の憧れであり,お手本だった.
だから私は,お姉ちゃんみたいになるしかない.

きっとそれが,黒澤家の女性というものだから.


――――――――
――――――
――――


花丸「3人で遊ぶのって久しぶりだね!」

善子「そうね,ここのところルビィがずっと忙しかったし」

花丸「今日はどこ行く?」

善子「とりあえずランチを食べて,その後ちょっと買い物したいわね」

善子「ずらまるは何かしたいことある?」

花丸「まるは映画を観に行きたいずら!」

善子「おっけー.じゃあそれも行くわよ」

善子「……そろそろ集合時間ね」

善子「ルビィは遅刻?」

花丸「あ!噂をすれば!」

花丸「おーい!ルビィちゃーん!」ブンブン

ルビィ「お待たせしました.花丸さん,善子さん」

花丸「……え?」

善子「ルビィ……あんた今なんて……?」

ルビィ「?何かおかしかったですか?」

善子「その話し方よ!」ガシッ

善子「あんた本当にどうしちゃったのよ!」

ルビィ「ああ,これですか」

ルビィ「これからは敬語を使っていこうと思いまして」

花丸「花丸”さん”って……」

ルビィ「この方が大人っぽく見えるでしょう?」

花丸「ルビィちゃん……もうやめよう?」

花丸「ルビィちゃんが髪を黒くしたって,習い事を始めたって,まるは何も言えなかった」

花丸「ルビィちゃんの言うこともわかったし,やっぱりダイヤちゃんのことが離れないんだと思ってた」

花丸「でも……やっぱりおかしいよ!」

花丸「こんなのルビィちゃんじゃない!」

ルビィ「私じゃないとはどういうことですか?」

ルビィ「前までの私も今の私も,私であることには変わりありません」

ルビィ「人は変わるもの.私は成長したのです」

善子「そんなの成長とは言わないわ!」

善子「あんた,ダイヤに憑りつかれてるんじゃないの?」

ルビィ「お姉ちゃんをお化けみたいに言わないでください!」

ルビィ「私はただ……お姉ちゃんをお手本にしているだけです」

善子「でもあんた……やっぱり異常よ」

善子「今のあんたを見て,ダイヤが喜ぶと思うの?」

ルビィ「それは……わかりません」

ルビィ「お姉ちゃんはいつも,私の好きなようにやらせてくれました」

花丸「だったら!」

ルビィ「それでも私は,今の姿が間違っているとは思いません」

ルビィ「今の私を否定するということは,お姉ちゃんを否定することと同じです」

花丸「そんなつもりは……」

ルビィ「……すみません,なんだか遊ぶ空気ではなくなってしまいましたね」

ルビィ「私は帰ります.申し訳ありませんでした」スタスタ

善子「ルビィ……」

花丸「うう……ルビィちゃん……」


これでいい.これでいいの.
2人との関係が崩れてしまうのは悲しいけど,やむをえないこと.

お姉ちゃんはずっとこうやって日々を過ごしてきた.
今の私にはまだ少し荷が重いけど,これからの鍛錬で相応しい姿になれるはず.

私が立派な女性になれば,きっとお姉ちゃんも喜んでくれる.
だからまだ……まだ足りない.

もっと近づくの.

もっと……もっと……


ルビィ「……これでいいんだよね?お姉ちゃん?」




終わり
スポンサーリンク

シェアする

フォローする

『ルビィ「お姉ちゃんが死んだ」』へのコメント

当サイトはコメントシステムとしてDisqusを使用しています。
コメントの投稿にはDisqusへのアカウント登録が必要です。詳しくはDisqusの登録、利用方法をご覧下さい。
表示の不具合、カテゴリーに関する事等はSS!ラブライブ!Disqusチャンネルにてご報告下さい。

2018年5月26日
Disqusによるクッキー、IP、メールアドレスの利用に同意を求めるダイアログが表示された場合は、内容を確認しチェックボックスにチェックを入れて同意頂ければと思います。
(海外のデータ取り扱いに関する法律が変わる事に対応する為の再確認の様です)