ダイヤ「血の代償」

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ルビィ-アイキャッチ13
千歌「ほえぇ~、花丸ちゃんの家は除霊師だったんだ」

花丸「お札や儀式を用いて、人間に憑りついた悪霊を追い払う仕事のお手伝いをしているずら」

ルビィ「確か昨日もやってたんだよね?」

花丸「うん」

善子「マジ……?」

花丸「ここ最近悪霊に憑りつかれた人が多いみたいで……この一週間で十人以上も来たずら」

pixiv: ダイヤ「血の代償」 by にひゃく

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梨子「そ、そんなに……」

ルビィ「……ッ …………ッ」ヒソヒソ

花丸「中には浦女の生徒もいたよ」

果南「身近に憑りつかれた人がいたなんて知らなかったよ……」ゾワッ

鞠莉「私が依頼した子よね?」

花丸「そうずら」

千歌「鞠莉ちゃんが頼んだの?」

鞠莉「ええ。授業中にいきなり奇声を上げたり、一人でブツブツ何か言ったりして様子が変だったからね」

ダイヤ「ああ、あの方ですか」

果南「確かに何かに憑りつかれたって言われれば納得かも……てっきり精神的な病気か何かと思っていたし」


ルビィ「……ッ ………ッ …ッ」ヒソヒソ


花丸「強力な悪霊は憑りついた人間に超能力を発現させて周囲の人を傷つける恐れがあるから早めに除霊しないと危険なんだよ」

善子(ちょ、超能力ですって!?)パアァ

花丸「……今、『ちょっといいかも~』とか思ったでしょ?」ジトッ

善子「え゛え゛!? い、いや~ソンナコトオモッテマセンヨ……?」


ルビィ「………ッ!? べ、別にルビィそんな事……」ヒソヒソ


花丸「目が泳いでるずら!」

善子「だ、大丈夫よ! 意図的に憑りつかれようなんて考えてませーん!!」

花丸「どーだかねぇ」ジッ


ルビィ「―――もう!! だからそんなんじゃないってば!!」


花丸・善子「「!?」」ビクッ!!

ルビィ「……あ」

梨子「る、ルビィ……ちゃん?」

鞠莉「いきなり大声出してどうしたの?」

果南「と言うか、さっきから一人でブツブツ何か言ってなかった?」

千歌「確かにずっと一人で何か言っていたね」

善子「ルビィ……あんたまさか―――」


ダイヤ「いやいや、それはあり得ませんわ。だって我が黒澤家も除霊師なのですわよ?」


花丸「そうずら。ルビィちゃんに限って悪霊に憑りつかれてるなんてあり得ないずら」

ルビィ「そ、そうだよ。あ、あはははは……」ダラダラ

鞠莉「それもそっか」

善子「全く……紛らわしいことしないでよね!」

ルビィ「ご、ごめんなさい……」シュン


梨子「でも、ダイヤさんの家も除霊師なのに、花丸ちゃんみたいに忙しそうに見えないのはそうしてですか?」

花丸「そりゃ、黒澤家に除霊を依頼する人が誰もいないからだよ」

千歌「どーして?」キョトン

善子「千歌……察してあげなさい」

ダイヤ「善子さんが思っている事とは違います! 寧ろ黒澤家の方が除霊師としての能力は上ですわ」

花丸「その通りずら。オラ達では除霊出来ない悪霊でも、黒澤家なら簡単に除霊出来るからね」

梨子「ますます分からない……」

ダイヤ「それは、その………あれですわ」

ルビィ「除霊の方法が“ちょっと”荒っぽいんだよ……うん」

ダイヤ「簡単に言えば木製の棒で急所をぶん殴るって言えば伝わりますかね?」

果南「あ~あ……なるほどね。そりゃ誰も頼まないわ」



―――ガラガラ



曜「ごめん! 遅くなっちゃった」

千歌「おお! やっと来たね」

梨子「水泳部の方は大丈夫だった?」

曜「え、あ……ええっと………」

果南「曜?」


「―――あっ!! やっぱりここに居た!!」


千歌「あなたは……水泳部の子?」

曜「……ッ」

「今日こそは水泳部の練習に出てもらうんだからね! その約束だったでしょ!?」

梨子「そ、そうなの?」

曜「いや、その………」

鞠莉「……曜」

果南「どうなの?」

曜「………うん」

果南「そう、ならそっちを優先しなきゃダメだよね」

曜「で、でもライブまで日にちが無いんだよ! 今はこっちの練習の方が優先でしょ!?」

ダイヤ「ですが、予め約束していたのでしょう?」

千歌「そっか~……曜ちゃん今日は一緒に練習出来ないのかぁ」ガッカリ

曜「……ぅ」ズキンッ

梨子「仕方ないでしょ? 水泳部と兼部なんだから」

千歌「分かってるよぉ」ブゥ

「全く……将来有望な飛び込み選手だって評価されているのに、どうしてスクールアイドル部なんかと兼部してるのよ」ブツブツ

曜「ちょっと! どういう意味さ!?」

「……言葉の通りよ。曜ちゃんは気が付いてないかもしれないけど、あなたの実力は全国レベルだって言われているのよ!? 本気で打ち込めばもっと大きな大会で優勝だって狙えるはずよ!!」

花丸「ほえぇ……曜ちゃんってそんなに凄かったずらか」

ダイヤ「………」

曜「だ、だったら何さ! 私は千歌ちゃん達と一緒にスクールアイドルをやるって決めたんだよ!」

「そうだね。でも水泳部も本気でやるって言ってたよね?」

曜「それは……そう、だけど」

「なら水泳部でも結果を残せるように努力するのは当然だよね?」

曜「………」

ダイヤ「曜さん、この子の言っている事は何も間違っていません。違いますか?」

曜「……違わない」

ダイヤ「なら、約束はきちんと守らないといけませんわね?」

曜「……うん」

ダイヤ「大丈夫です。曜さんなら飛び込みとスクールアイドル、どちらもきっと素晴らしい結果を出せます。それだけの素質があるのですから」ニコッ

曜「ダイヤさん……分かった、行ってくる………」シュン

ダイヤ「ほーら、不貞腐れないの! 元気なところがあなたの長所でしょう!」ペシッ

「じゃあ、曜ちゃんは連れて行きますね」

曜「……」



鞠莉「ふふ、ダイヤってば曜のお姉ちゃんみたいね?」

果南「扱い方がちょっと幼い子向けだった気がするけど」

千歌「むぅ……曜ちゃんを励ますのは千歌の役目なのに!!」

梨子「ダイヤさんに嫉妬しないの」ペシッ

千歌「あだっ!?」

ダイヤ「では、私達も練習を始めましょうか」

8人「はーい」




~~~~~~~~~~~~~




曜(さっきはみんなに余計な心配かけちゃった……反省反省)

曜(冷静に考えれば、自分でどっちも頑張るって決めたんだからしっかりやらないと)

曜(飛び込みでもきちんと結果を残す約束は守らないとダメだよね!)

曜(よし、頑張るぞ!!)


「準備運動は終わった~?」


曜「はーい!! 今行きま―――」

『―――本当ニ?』

曜「え?」ピクッ

『―――本当ニ飛ビ込ミヲヤリタイノ?』


「曜ちゃん?」


『千歌チャンヤ梨子チャン、ミンナト一緒ニ練習シタインジャナイノ?』

曜「だ、誰!? 誰が話しかけているの!!?」

「ど、どうしたの……? 誰も曜ちゃん話しかけていないよ?」

曜「……へ?」

『―――ヤリタイ事ヲ邪魔サレタ負ノ感情……チョットシタ負ノ感情デモ、積ミ重ナレバ深ク大キナ心ノ闇トナル。憑リツクニハ十分ナ闇ダ』ズズズズ

曜「ぐっ!? ぐううううううううう!!!!?」シュウゥゥゥ

「ど、どうしたの!?」

曜「く、苦しい……!! な、何かが……私の中に、強引に……入って………!!」

『―――汝ノ身体、頂クゾ』

曜「が、があああああああああああああああ!!!!!!?」

「曜ちゃん!!」




~~~~~~~~~~~~~




ダイヤ「……」ポケェ

鞠莉「ダイヤ? 何間抜けな顔して空見上げてるの?」

ダイヤ「んな!? 間抜けとは失礼な!」

果南「でも実際間抜けな顔だったよ」

ルビィ「う、うん」

ダイヤ「ぐっ……間抜けでしたか……」


花丸「曜ちゃんの事でしょ?」

ダイヤ「……ええ」

千歌「曜ちゃんの?」

ダイヤ「ちょっと心配なんです……」

梨子「心配って、そんなに気にする必要は無いんじゃ……」

ダイヤ「ええ、普段なら何も問題ありません。ただ……」

花丸「今は悪霊に憑りつかれる人が多発しているからね。だからダイヤさんは心配しているずら」

鞠莉「どういう事?」

ルビィ「憑りつかれている人が沢山いるって事は、内浦周辺に悪霊が大量発生しているって事なんです」

ダイヤ「それほど騒がれていませんがこれは非常事態なのです」

善子「どうにか出来ないの?」

花丸「原因不明だから何も対処できないんだよね……」


ダイヤ「悪霊は負の感情を持った人間に憑りつきます。ちょっとした気持ちの沈みで簡単に入り込んできてしまうのです」

果南「負の感情……」

鞠莉「負の感情なんて誰でも抱くものでしょ? その度に憑りつかれるなら全人類憑りつかれた人まみれになっちゃうじゃない!」

ダイヤ「本来、悪霊なんて霊は身近にそうそう居ません。一生に一度……いえ、一度も近くに現れる事無く人生を終える人が大半です」

千歌「なら……近くに悪霊がいるときに、偶然嫌な気持ちになっていたら―――」



「きゃあああああああああああ!!!!!!!」

「誰か!! 誰か助けて!!!!」



善子「ひ、悲鳴!?」

果南「しかもプールの方からだよ!?」

ダイヤ「嫌な予感が的中ですか……!」


千歌「曜ちゃん……曜ちゃん!!!!」ダッ

梨子「ちょっ、千歌ちゃん!?」ダッ

果南「追いかけよう!」

花丸「だ、ダメずら! 危ないからここに居ないと!!」

ルビィ「どどどど、どうしよう」アワアワ

ダイヤ「花丸さん、先にプールへ向かって下さい」

花丸「! りょ、了解ずら!!」ビシッ

ルビィ「お姉ちゃんは?」

ダイヤ「花丸さんの除霊で解決するならそれでいいのですが……」



ダイヤ「―――万が一に備えて、私の除霊道具を生徒会室から取って来ますわ」




~~~~~~~~~~~~~




梨子「こ、これは……!?」

果南「プールサイドがボロボロになってる……」

鞠莉「何をすればここまで壊せるのよ!?」


「……う、うぅ………」


ルビィ「さっきの水泳部の子だ! しっかりして!!」ユサユサ

善子「揺するのは止めた方がいいわ! 頭を打っているかもしれない……」

ルビィ「! わ、分かった」


千歌「………嘘、でしょ……?」ガタガタ

花丸「……マズイ…これはかなりマズイ事態ずら……!」



曜「―――ググググ……ガアアアアアアアアアッハハハハハハハ!!!!」



果南「何……あれ………よう、曜なの?」

鞠莉「水が……浮いている? まるで鞭みたい……」

梨子「叩きつける度にコンクリートの地面にヒビが入っている! とんでもない水圧よ!?」

善子「プールサイドをボロボロにしたのは曜のせいって事?」ゾワッ


花丸「間違いない……曜ちゃんに悪霊が憑りついているずら! しかもかなり強力な……!」


千歌「じゃ、じゃあ早く除霊してよ! 花丸ちゃんなら出来るでしょ!?」

花丸「む、無理……ずら」

千歌「どうしてよ!!」ガシッ

花丸「マルの除霊方法は対象者の額にお札を貼る必要がある! あの水の攻撃を掻い潜りながら曜ちゃんに近づくのは不可能ずら!」

千歌「―――ッッ!!」

花丸「……仮に近づけてお札を貼れたとしても、超能力が使えるレベルの悪霊の除霊は今のマルには出来ない……ずら」

梨子「そ、そんな……」

千歌「だったら!」ダッ

梨子「ま、待って!!」ダッ

鞠莉「!? 千歌、梨子!!」

果南「ダメだよ!! 今の曜に近づいたら―――!?」



千歌「曜ちゃん!!! 私だよ、千歌だよ!!」

梨子「お願い……目を覚まして!!」

曜「……!! ヂ、ヂガ……チャン……リゴ、チャ………ン………」

花丸「う、嘘……まだ理性が残って……!?」


千歌「悪霊なんかに負けないで!! 戻って来てよ……曜ちゃん!!」ポロポロ

曜「チカ……チャン………」



曜「―――ダメ、今スグ逃ゲテ」



千歌「えっ」

曜「ダメダ……ダメダダメダダメダアアアアアアア!!!!!!? 抑エ、オ゛サ゛エ゛キ゛レ゛ナ゛イ゛!!!」

花丸(水の塊が大きくなった!?)

曜「ヨ゛ケ゛テ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛!!!!!!」ゴッッ!!



梨子(―――……あっ)

千歌(これ……死ん―――)



―――パァーン!!!



果南「……えっ?」

鞠莉「曜の攻撃が……弾け飛んだ」

善子「木刀……木刀が飛んできたわよ!?」



ダイヤ「―――遅くなりました」スタッ



ルビィ「お姉ちゃん!」

千歌「ダ、イヤ……さん?」

花丸「遅いよ!! どこで何をしていたずら!!!」

ダイヤ「黒澤家の除霊式が組み込まれた木刀を探すのに少々手間取りましてね……最近誰かあれを使って遊びましたわね?」ゴゴゴゴ

果南「ね、ねえ……善子? もしかしてだけど昨日チャンバラごっこしたあれって……」ダラダラ

善子「果南……ここは黙っておきましょう……」ガタガタ

ダイヤ「お二人は後でお説教ですわ」

善子・果南「「!?」」



曜「グルルルルルルルル……」ギロッ



ダイヤ「おやおや……随分荒々しい形相ですわね」

花丸「除霊出来そう……?」

ダイヤ「心配ご無用ですわ。国木田家が除霊困難な悪霊を何とかするのが黒澤家の役目ですから」

ダイヤ「鞠莉さん!! 周囲に生徒が集まらないよう理事長として呼び掛けて下さい!!」

鞠莉「わ、分かったわ!」

ダイヤ「他の皆さんもここから離れ―――」

曜「グルアアアアアア!!!!!」ゴッ!!


梨子「きゃああ!?」

果南「うわっ!?」ドサッ

千歌「何これ……水の壁……?」

ダイヤ「……ご丁寧に分断して下さいましたか。好都合ですわ」

善子「ど、どうしよ……逃げそこなっちゃったわよ!?」

ルビィ「大丈夫だよ。ルビィと花丸ちゃんから絶対に離れないでね?」

善子「え、ええ……」

花丸「千歌ちゃん、梨子ちゃん、果南ちゃん! 私達は大丈夫だから、鞠莉さんと一緒にみんなに呼びかけて!」

梨子「う、うん!」

千歌「……曜ちゃんをお願い!」

ダイヤ「お任せください」ニコッ



ダイヤ「さーてと、久々に暴れますか」ブンッ!ブンッ!

善子(生き生きした顔で木刀振り回すダイヤってのも新鮮ね……)

ダイヤ「―――ふッ!!!」ダンッ

曜「グゥ!!?」

ダイヤ「せいやあああ!!!」ブンッ!

曜「ッッ!!!」

花丸「凄い! 悪霊が操る水の鞭を完璧に見切ってるずら!! これなら攻撃が当たるのも時間の問題ずら!」

ルビィ「………」

善子「いいえ……このままじゃダメよ!」

花丸「え?」


ダイヤ「くっ、せい!!! はあああ!!!」ブンッ!ブンッ!ブンッ!

曜「………」シュッ


ダイヤ(斬撃が当たらない!? 動きのキレも目に見えて良くなっている……この悪霊、曜さんの体に慣れ始めている!!)

曜「……フ」ニタァ

ダイヤ「!!? しまっ―――」

曜「ガアアアア!!!!」ドゴッ!!

ダイヤ「ぐっ!!!?」ヨロッ

曜「ッッッ!!!!」ゴオオオオ゙ッ

ダイヤ「がはっ!!!!?」


ルビィ「お、お姉ちゃん!!?」

善子「水圧だけで人が吹き飛んだ……ッ」ゾワッ

花丸「ダイヤさん!」

ダイヤ「う、ぐうぅ……」ヨロヨロ


ダイヤ「ゴホッゴホッ!! くっ……憑りついた元が曜さんなだけあって強い!! 私の動きじゃ押し切れない……!!」

花丸「そ、そんな……」

曜「カ゛ル゛ル゛ル゛ル゛ゥ……」ギロッ

善子「ね、ねぇ……何かこれ以上長引くのはヤバイんじゃないの?」

ダイヤ「……ええ。早く曜さんから悪霊を取り払わないと完全に乗っ取られてしまいます」

善子「えッ!!? だ、ダイヤ!!」

ダイヤ「分かっています!! ……分かっていますが……ッ!!」


ルビィ「………よし」スクッ

花丸「ルビィちゃん?」

ダイヤ「ルビィ?」



ルビィ「―――こうなったら“あの子”を呼び出そう」



ダイヤ「!!」

花丸「“あの子”?」

善子「まだ誰か助っ人がいるの?」

ルビィ「……うん。とっておきの助っ人がね」

ダイヤ「し、しかし!! ……本当にいいのですか?」

ルビィ「ルビィは大丈夫。曜ちゃんを救えるならこれくらいどうって事無いよ」

ダイヤ「………」

ルビィ「それよりもルビィはお姉ちゃんの体に傷を付けちゃう方が―――」

ダイヤ「……うふふ、気にする必要はありません。傷は時間が経てば治りますから」ニコッ

ルビィ「お姉ちゃん……」



ダイヤ「―――では、やりますわよ」カチカチカチッ

花丸「カッターナイフ……?」

善子「一体何を……まさかそれで攻撃する気じゃ―――」



―――スパッ!!!



ダイヤ「痛ッッ!!!」ブシュッ

善子(自分の手のひらを切った!?)ゾッ

花丸「ダイヤさん何してるずら!?」

ダイヤ「……ッ、ルビィ、こちらに来なさい」

ルビィ「………」スッ



―――ボタボタボタボタッ



ルビィ「ン、んぐ……ゴクッ」

花丸(血を飲んでる……?)

善子(それも結構な量よ? あれだけの出血量……大丈夫なの?)


ダイヤ「……そろそろですかね」



―――ドクンッ!!



ルビィ「んぐっ!!? ぐううううううううう!!!!!?」シュウゥゥゥ

ダイヤ「……」

善子「ちょっ!? 大丈夫なの!?」アセアセ

花丸「ルビィちゃん! しっかりしてルビィちゃん!!」


ルビィ「―――んぐううう!!? ううぅぅぅうう、ううううふふふふふふ……」ニタッ

善子・花丸「「?」」

ルビィ(?)「うふふ、ふふふふふふ♪ あははははははははははは!!!!!」

花丸「あわわわわ、ルビィちゃんがおかしくなっちゃった!?」

善子「瞳の色も蒼く変化した!?」


ルビィ(?)「ふぅ……入れ替わるのも久々だなぁ」

ルビィ(?)「やっぱり自由に身体を動かせるって気持ちがいいね♪」

ダイヤ「無事に入れ替われましたか」

ルビィ(?)「お久~♪ ダイヤ姉さん♡」

ダイヤ「ええ……お久しぶりですわ」



ダイヤ「―――サファイヤ」



善子「は? さ、サファイヤ??」

花丸「どういう事? 何が起こったの!?」

ダイヤ「ルビィの内に眠るもう一つの人格を呼び出しました。名は『黒澤 サファイヤ』」

サファイヤ「初めまして。サファイヤちゃんでーす」ニコニコ

善子「おぉ……いつのもルビィとは全然違うわね」タジタジ

花丸(内なる人格? でも、ルビィちゃんの体から感じる“これ”は明らかに……)

善子(姉の血を飲むことで第二の人格が現れる……何それ、ちょっとカッコいいかも)キラキラ


ダイヤ「時間がありません。サファイヤ、除霊に力を貸してください」

サファイヤ「えぇー、妹に頼らなきゃ勝てないって姉としてどうなの? ちょ~っと情けなくなぁい?」

ダイヤ「……い・い・か・ら、貸してください!」

サファイヤ「はいはい。全く……不出来な姉を持つと大変よねぇ」

ダイヤ「相変わらず癇に障る言い方しかしませんわね」イラッ


サファイヤ「こっちの準備は出来ている。いつでもどうぞ」

サファイヤ「―――……ボソボソッ」パチンッ

ダイヤ「ちょっとだけお待ちを。この手では握れないのでハンカチで止血しま………ん?」

ダイヤ(いつの間にか傷が治っている……これって―――)

サファイヤ「まだー? さっさとしてよね」

ダイヤ「……ふふ、素直じゃないんですから」ニッ



ダイヤ「行きますわ!!!」ダッ!!


サファイヤ「―――『時間加速(クイック)』」パチンッ


ダイヤ「はあああああ!!!!」

曜「グウッ!!?」

花丸「は、速い!! 速過ぎてダイヤさんの姿がハッキリ見えないずら!?」

善子「何をしたの?」

サファイヤ「ん? ああ、私の能力でダイヤ姉さんに流れる時間を加速させたの」

花丸「能力?」

サファイヤ「目の前の子……曜だっけ? その子がプールの水を操作出来るのと同じように、私も任意の対象に流れる『時間』を操作出来るの」

花丸(今の曜ちゃんと“同じ”ようにってことはやっぱり……)

善子「指パッチンで発動させるとか……ヤバイ、ヤバ過ぎでしょ! 痺れるわ!!」キラキラ

花丸「あー……善子ちゃん、こういうの大好きだもんね」

サファイヤ「ふむ、あんたが善子ちゃんか……」ジロジロ

善子「な、何よ……あと、ヨハネだから!」タジタジ

サファイヤ「ふーん……なるほどなるほど。初めて顔を見たけど中々いいじゃない」

善子「はぁ?」キョトン

サファイヤ「ルビィは花丸ちゃん派だけど、私は断然善子……いや、ヨハネ派ね!」ニコッ

花丸「ずらっ!? ま、マル派ってどういう意味ずら!?///」

善子「は、はいぃ?///」

サファイヤ「ルビィの花丸ちゃん好きは結構なものだからね。態度には出してないと思うけど二人が仲良くしている姿を見て内心かなり嫉妬しているわよ?」

花丸(そ、そうだったんだ……ルビィちゃんはマルの事が///)

サファイヤ「ヨハネの事も勿論好きよ? だからこそ仲間外れみたいで嫌な感じになったのかもね」

善子「そっか……ルビィには悪いことしちゃってたのね。反省するわ」シュン


サファイヤ「―――でもぉ、私はヨハネに一目ぼれしちゃったのよねぇ……」ピトッ

善子「ちょっ!? 近い近い近い///」カアァァ

サファイヤ「折角だし……このまま食べちゃおっかなぁ~♡」ペロッ

善子「ひゃっあ!?」ビクンッ

花丸「るるるるるるルビィちゃん、何頬を舐めてるずらあ!!!?」

サファイヤ「もう花丸ちゃんってば……私はサファイヤだって―――」



―――ビュン!!!



善子「危ない!」


サファイヤ「―――『時間遅緩(スロー)』」パチンッ


花丸「あ、れ……飛んできた水がゆっくりになったずら?」

サファイヤ「ささ、今のうちに安全なところに行っちゃおう」

善子「え、ええ」

ダイヤ「サファイヤ!! 無事ですか!?」

サファイヤ「何やってんのさ! 相手に反撃なんて許しているなんて姉さん甘すぎ!!」

ダイヤ「ぐっ、耳が痛いですわね……申し訳ございません」

ダイヤ「先ほどの効果が切れました! もう一度お願いします!!」

サファイヤ「ありゃ? ごめんごめん、ならもうちょっと長めにかけ直すね」


サファイヤ「―――『時間加速(クイック)』」パチンッ


ダイヤ「ッッッ!!!!!」ダッ!!!

曜「ガアアアアアアアアアア!!!!!」

サファイヤ(加速したダイヤ姉さんの動きについていけるのか……この子相当運動神経がいいんだね)

善子「ねえ」

サファイヤ「ん?」

善子「ルビィの……サファイヤがさっき使った能力で曜を遅くすればいいんじゃないの?」

サファイヤ「残念ながら『時間遅緩(スロー)』は私の周囲三メートルでしか作用しないの。まあ、後二つある能力のうち一つを使えば……」



―――ドスッ!!



サファイヤ「!?」

ダイヤ「ゴフッ……!!!?」ボトボト

善子「うそ……水がダイヤのお腹を貫いた!?」ゾワッ

ダイヤ「が、があ゛あ゛あ゛あ゛、ぐあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

ダイヤ(ま、マズイ……このままじゃやられる…!!)

曜「アハハハハハハハ!! ……ゴロズッ!! コノママ!! イマスグニイイイイイィィ!!!」

花丸「ダイヤさんの全方位に水の矢が無数に作られたずら!?」

善子「このままじゃダイヤが死んじゃう!! サファイヤ!!!」




サファイヤ「―――『時間停止(ポーズ)』」パチンッ




―――カチッ、カチッ、カチッ……ピタッ




曜「」

花丸「」

善子「」

ダイヤ「」

サファイヤ「……早速使っちゃったわね。一度しか使えないっていうのに勘弁してよ」スタスタ

サファイヤ「おーい、姉さん。ダイヤ姉さん聞こえる? もしも~し、生きてますかー??」

ダイヤ(……うるさい、聞こえてますわ)

サファイヤ「おお、良かった良かった♪」

ダイヤ(体の感覚は全く無いのに意識だけあるっていうのは気持ち悪いですわ)

サファイヤ「私の『時間停止(ポーズ)』使用中に意識だけでも維持出来るのは凄いことなんだよ?」

ダイヤ(時間が止まっているなら、代わりにこのまま曜さんにこの木刀をぶつけて除霊してくれませんか?)

サファイヤ「この能力発動中は私以外は何も動かせないって言ったでしょ。この状態じゃ豆腐すら壊せないし、発動前に持ってるものその場で固定されちゃうの。だから無理」

ダイヤ(ぐぬぬ)

サファイヤ「ただ、私が解除するまで時間は停止したままだから作戦を考える猶予は無限にあるよ」

ダイヤ(それは大きなアドバンテージですわね。それで、今の状況は?)

サファイヤ「油断してお腹のど真ん中に風穴開けられた“へっぽこ姉さん”が地面に倒れて悶絶中。その真上に無数の水の矢がスタンバイって感じ。簡単に言えば絶体絶命だね」

ダイヤ(へっぽこは余計ですわ! 油断したのは否定しませんが……)


サファイヤ「―――『時間逆行(リバース)』」パチンッ


ダイヤ(む!?)

サファイヤ「体の時間を戻して傷を無かったことにした。これで能力を解除してもすぐに動ける」

ダイヤ(……感謝しますわ)

サファイヤ「矢の軌道からして体を右に二回転させれば回避出来るわね。『時間加速(クイック)』の効果は持続中だから、後は一瞬で距離を詰めて曜の頭にその木刀を叩きつければ試合終了よ」

ダイヤ(ええ、分かりました)

サファイヤ「じゃあ、三カウントの後に解除する」

ダイヤ(了解)

サファイヤ「―――いーち、さんゼロ」パチンッ

ダイヤ(ちょちょちょっ!!!?)



―――ズドドドドドドドド!!!!!



花丸「だ、ダイヤさあああああああん!!!!!!?」

善子「そ、そんな……ダイ、ヤ………」ジワッ

サファイヤ「………」

曜「……フフフ」ニヤリッ




ダイヤ「―――何か面白いことでもありましたか?」

曜「ッッッ!!!?」ギョッ!!

サファイヤ「やっちゃえ、姉さん!!!」

ダイヤ「そーーれッ!!!!」ブンッ!!



―――グシャッ!!!!



曜「ゴッ……ガ、アア………」ドサッ

ダイヤ「ふぅ……除霊完了ですわ」

善子「え、えぇ……頭をフルスイングって………」

ダイヤ「下手に加減すると躱される危険があったので」

花丸「いくら何でもやり過ぎずら!! 早く救急車呼ばないと……」

サファイヤ「大丈夫よ。ダイヤ姉さんがぶん殴った直後に私の能力で怪我をする前の体に時間を戻したから」

曜「…………きゅう~~~~ん」ピヨピヨ

善子(何だろう……曜の頭の上にヒヨコが飛んでいるような気がする)

花丸「だからダイヤさんの傷も……あれ、時間を戻す? そんなことしたら憑りついた悪霊も戻っちゃうんじゃ……」

ダイヤ「一度消滅した魂は時間を戻しても元には戻りません。勿論死んだ人間も同様ですわ……」

善子「そうなんだ……」

サファイヤ「ま、即死じゃ無ければ何とかなるから、もしもの時は私が来るまで死ぬ気で生き残りなさい」

善子「出来れば“もしも”の時が来ないようにしたいわね……」



―――シュウウゥゥゥゥ……



花丸「サファイヤちゃんの体から煙が出てるずら!?」

サファイヤ「あー……時間切れか。ちょっと早いなぁ」

ダイヤ「『時間停止(ポーズ)』を使用してしまいまいたからね」

サファイヤ「むぅ、もう少し表に出ていたかったんだけどな」

善子「元のルビィに戻るって事?」

サファイヤ「まあね。もっとヨハネちゃんと仲良くなりたかったんだけど……残念♡」チュッ

善子「んな///」カアァァ

サファイヤ「あはっ♡ びっくりしたでしょ♪」

ダイヤ「サファイヤ……からかうのも程々にしなさい」

サファイヤ「は~い♪」

善子「ぐぬぬ……ヨハネの乙女心を弄ぶとは///」

花丸「むぅ」ジトッ

サファイヤ「安心してよ花丸ちゃん、“ルビィ”は花丸ちゃん派だからさ♪」ニコニコ



ダイヤ「今回も力を貸して頂きありがとうございました」

サファイヤ「いいのいいの。だって私は妹ですから」

サファイヤ「……ただ、一つ忠告しておく」

ダイヤ「?」

サファイヤ「こうやって何度も“私”という人格を表に出し続けているといつの日か“ルビィ”の人格に戻らなくなるかもしれないよ? 私としてはそうなってくれた方が嬉しいんだけどぉ」ニタァ

ダイヤ「………」

サファイヤ「それに入れ替わる為の血の量もこの先もっと増える。このままじゃ私を呼び出したら貧血で倒れるかもねぇ」ニタニタ

ダイヤ「……ふふふ」

サファイヤ「あ? 何で笑ってるのさ?」

ダイヤ「いや、やっぱり貴女もルビィと同じように優しい子だなと思いまして」

サファイヤ「はぁ? 私が優しい?」

ダイヤ「何だかんだ言いつつ、私やルビィの心配をしてくださるんですもの。サファイヤも心優しい私の妹ですわ」ナデナデ

サファイヤ「んな!? 勝手に頭なでんな///」

ダイヤ「貴女も大切な妹です。これからもルビィと仲良くしてくださいね」ニコッ

サファイヤ「……ふんっ! 考えておく!」プイッ


サファイヤ「………」



サファイヤ「」



ルビィ「―――ん、んん……?」

ダイヤ「おはようございます、ルビィ」

ルビィ「お、お姉ちゃん! 良かった……無事に終わったんだね!」

花丸「ルビィ……ちゃん?」

善子「あなたはルビィでいいのよね?」

ルビィ「そ、そうだけど……どうして善子ちゃんは顔を真っ赤にしているの?」

善子「えっ///」

ルビィ「ま、まさか……!? サファイヤちゃんが何か―――」

花丸「さっきサファイヤちゃんが善子ちゃんの頬にちゅ~ってしてたずら」

善子・ルビィ「「!!?」」

花丸「“ルビィちゃん”はマルにしてくれないずらか?」ズイッ

ルビィ「え、えっ? ちょっ、顔近……///」

花丸「サファイヤちゃんに出来て、ルビィちゃんに出来ないわけがないずら。さあ、早くやるずら~~」グイグイ

ルビィ「い、いや、でも……だって…その……ぴ、ピギャアアあああああ///」ダッ!!

花丸「ああ!? 逃げるのはズルいずら!!!」

善子(さ、サファイヤめぇ……これかルビィにどんな顔して会えばいいのよ///)

ダイヤ「やれやれですわ……」ハァ



曜「……えへへへ、それはダメだよぉ……千歌ちゃん、梨子ちゃぁん………」スヤスヤ



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『ダイヤ「血の代償」』へのコメント

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