ルビィ「ハーゲンダッツは美味しかった?」

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ルビィ-アイキャッチ11
~黒澤家・台所~

ダイヤ「さぁて、お風呂上りのお楽しみ。昨日買っておいたハーゲンダッツをゆっくり楽しむとしましょう♪」ウキウキ

ダイヤ「確か冷凍庫のこの辺に……えっ、あれ、そ、そんな……ない! ないッ! ありませんわ! わたくしのハーゲンダッツが! ずっとこれを楽しみに今日一日……ッ」ガクッ フルフル

スーパーカップ「俺の備蓄は十分だぜ、お嬢」

爽「おいおい、俺を忘れてもらっちゃ困るぜ」

MOW「モ~」

ダイヤ「お黙りなさいッ!! わたくしの気分は今ッ! 完全にハーゲンダッツになってしまっているのですッ!」

ダイヤ「ううう……ぐすっ……ふぐっ……ま、また買ってくるしか……ッ」



~黒澤家・ルビィの部屋~

ルビィ「う~ん、アイスおいひぃ♪ 善子ちゃぁも食べる? はい、あ~ん♡」ピトッ

善子「はぅっ♡ はっ……はぁっ……んっ……♡」ビクッ ヒクヒクッ

ルビィ「あはっ♡ お口と間違えちゃった。舐め取ってあげるね♪」クスクス


黒澤ルビィ、齢15にして覚醒――

pixiv: ルビィ「ハーゲンダッツは美味しかった?」 by 藍植りん太

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苛烈なる未成熟。暴虐なる小悪魔。諸手に振るいて醸し出すは悪逆無道の色気の奔流。

内浦の民は子々孫々まで語り継ぐ。流した浮き名の千万無量。

曰く、“黒澤にルビッチあり”と――


善子「――ぁ……ん……♡」ピクッ……ピクッ……

ルビィ「――とっても清々しい気分。まるで目の前の霧が晴れたみたいに」

ルビィ「これが本当のルビィなんだ。いつもオドオドビクビクしてる小動物みたいに貧弱な女の子なんかじゃない……!」

ルビィ「全ての童貞女子を指先1つで堕として嗤うッ! それが私、黒澤ルビィなんだッ!!」

ルビィ「ルビィは王になるッ! 内浦中の女子を堕とし、この地をルビィの魅力で支配するッ! この力はその為のパワーだ――君臨せし者の権能だッッッ!!」

ルビィ「……さてっと、手始めに善子ちゃぁを堕としてみたけど、童貞女子力どのくらいだったんだろう」

ルビィ「えーっと、黒澤家の倉で見つけたこの“童貞女子力スカウター”で――」ゴソゴソ

スカウター『3500μS』ピピッ

ルビィ「ふーん、3500マイクロソノダ……。なかなかの童貞女子力だね。でも今のルビィならこのくらいの相手なら簡単に堕とせるってことだよね」

ルビィ「それじゃあ次の獲物は誰にしよっかなぁ……なーんて、そんなの始めから決まってるもんね♪」



~翌朝~

ルビィ「ふわぁ……うゅ、ねむい……」

善子「ル、ルビィ……? 昨日は、わ、私達……あの、し、しちゃった、のよね……?」

ルビィ「ん? あー、うん。そだねー」

善子「わ、私その……昨日は途中から記憶が無くて……あ、ご、ごめんなさい! せっ、責任は! と、と、とるから……その、あんなことしちゃった後でこんなこと言うのもおかしいかもしれないけど……わ、私達、つつつ付き合ってるってことでいいのよね!?」

ルビィ「あははー」

ダイヤ「あら、おはようございます二人とも。善子さんはよく眠れましたか?」モグモグ

善子「ひゃい!? あ、えっと、は、はい!」

ダイヤ「なら良かったですわ。またいつでもお泊りにいらしてくださいね」パクパク

善子「わ、分かりました! お……義姉様!」

ダイヤ「!? なっ、なんですのいきなり!? い、妹!? 善子さんがわたくしの妹に!? こ、これが噂の黒澤サファイアってやつですの!? なんという……いけませんわいけませんわ……ッ!」ペロペロ

ルビィ(おねえちゃぁ朝からハーゲンダッツ食べてる……昨日の夜騒いでたけどあの後すぐ買ってきたのかな……まあいいや)

ルビィ(次のターゲットは決めてたんだぁ。昨日スカウターで計ったらAqoursで一番の童貞女子力5000μSを誇る……曜しゃんです♡)

ルビィ(3500μSの善子ちゃぁがこんなに簡単に堕とせたんだから、きっと楽勝だね。頑張ルビィ!)



~放課後~

善子「ルル、ル、ルビィ? 今日は部活無いし、い、一緒に帰りましょ? それで、その、もしよければなんだけど、きょ、今日も、あの、お泊りに行っても――」

ルビィ「あ、ごめん。今日はちょっと用事があるからダメなんだ。ばいばーい」タッタッタ

善子「うぇぇ!? ちょ、ルビィ!?」

花丸「……」

善子「な、なぜ……き、嫌われた? もしかして私がヘタクソだったから……?」

善子「――フッ、結局ヨハネは誰にも飼い慣らされることはない……永遠に孤高を貫く宿命にあるのね……くすん……」

花丸「……」

花丸(――なんだかここ最近、内浦全体に良くない気が漂ってる気がする)

花丸(気のせいだといいんだけど……悪い予感がする、ずら)



~部室~

ルビィ(昨日のうちに曜しゃんを呼び出しておいたんだよね。来てるかなー)コソッ

曜「ルビィちゃんまだかなー。相談ってなんだろう」ポケー

ルビィ(あはっ♡ いたいた。これからルビィに陥落されるとも知らないで)ニヤニヤ

ドア「ガララーガ」開

ルビィ「よ~うしゃん♡ お待たせしました!」

曜「あ、ルビィちゃん! 全然待ってないよ、今来たとこだから!」

ルビィ「今日は来てくれてありがとうございます!」

曜「ヨーソロー! この渡辺曜、大事な後輩に頼まれたら水平線の果てからでも駆け付ける所存であります!」ケイレイ!

ルビィ(……なんか変だな)

ドア「ガララーガ」閉

鍵「ガチャリ」

曜「あれ? 鍵かけるの? そんなに誰にも聞かれたくない相談なんて……よーし、私も心して相談受けるよ! 大船に乗った気でいてね!」

ルビィ「……はい、ありがとうございます♪」

ルビィ(やっぱりおかしい……。童貞女子力5000μSの曜しゃんなら、可愛い女の子と密室で二人っきりになった時点でキョドりだすはず……)

ルビィ(…………まあ、とりあえずプラン通りに進めてみるか)

ルビィ「あの、相談っていうのは……最近ルビィなんかおかしくなっちゃったんです」

曜「おかしくなっちゃった? どういうこと?」

ルビィ「とある人のことが気になっちゃって、胸が苦しくって、辛くて泣きたくなったり……でも嫌じゃなくって、目が合ったりお話しできたり、そんなちょっとしたことで嬉しくなったりキュンキュンしたり……」

ルビィ「Aqoursの活動も忙しくなってきたのに、その人のことを考えるとダンスや衣装作りも集中できなくなっちゃって……ねえ曜しゃん――」

ルビィ「このキモチは、なんなんでしょうか」ウルウル

曜「――うーん。あはは……こういうことは私よく分かんないし、相談するなら他に適任がいそうな気がするけど――」

ルビィ「私は曜しゃんに教えてほしいの! この初めてのキモチを……曜しゃんがどう思うのか聞いてみたいんです」

曜「そっか……。じゃあ率直に私の意見を言うけど、ルビィちゃんはきっと――恋、してるんだと思う」

ルビィ「――恋。このキモチが、恋なんですか?」

曜「う、うん。あはは……私なんかの意見じゃ参考にならないかもだけど――」

ルビィ「そんなことありません!」ズイッ

曜「ル、ルビィちゃん……!?」

ルビィ「ルビィ、もっと教えてほしいです! 曜しゃんにもっといろんなこと……この甘酸っぱいキモチも、その先のことも……」

曜「ルビィちゃん、それって……」

ルビィ「――みんなで練習してる時も、一緒に衣装作りしてる時も、ずっと曜しゃんのことを見てました。元気で明るくて、誰とでも仲良くなれて……ルビィに無いものをいっぱい持ってる曜しゃんのこと」

ルビィ「ルビィ、曜しゃんのことが好きなんです! ルビィを曜しゃんの彼女さんにしてくださいっ!」

曜「よ、ようそろ……!」

ルビィ(あはっ♡ 効いてる効いてる♪ ここでもう一押し!)

ルビィ「……でもルビィは不安です。曜しゃんはAqoursの中でもモテモテでファンも多いし、ルビィなんかで繋ぎとめられないかもしれない……だから――」シュルシュル…

曜「っ!? ル、ルビィちゃんなんで脱ぎだして――」

ルビィ「――曜しゃん、ルビィ小っちゃいけど、もう子供じゃないよ」

ルビィ「ルビィの身体で、曜しゃんの心も掴まえちゃいます……♡」ピトッ

ルビィ(ふふっ♡ ここまで誘惑してあげればきっと曜しゃんのココはもう――)スッ

ルビィ「……ッ!? しょんな……!」

ルビィ(勃って、ない……ッ!? そんな馬鹿な!)

曜「――ルビィちゃん」スッ

ルビィ「あっ……」

曜はルビィの肩に手を添えると優しく身体を離した

ルビィ「曜しゃん……?」

曜「ありがとう。まさかルビィちゃんにそんな風に見られてたなんて思わなかったけど、とっても嬉しかったよ」

ルビィ「じゃ、じゃあ――」

曜「でもごめん、私はそのキモチに応えられない」

ルビィ「……!? !?!?!?」

曜「ルビィちゃんは可愛い後輩だし、大切な仲間だよ。もし恋人になれたらきっと楽しくて幸せだと思う。だけど、私にはもう――」

ルビィ(そんな……そんなことが……ルビィが、この黒澤ルビィがフラれる……? そんなふざけたことがあってたまるか……ッ!)

ピピッ

ルビィ(っ! 童貞女子力カウンターが――)

カウンター『5μS』

ルビィ(童貞女子力たったの5……だと……ッ!?)

曜「だからルビィちゃんがもしこの先他の女の子に恋した時は、私しっかり応援するからいつでも相談に――」

ルビィ「やめて!」ダキッ

曜の足に縋りつくルビィ

曜「ル、ルビィちゃん……」

ルビィ「断ったりなんかしないで! お願い曜しゃん! ルビィを捨てないで! ルビィ、曜しゃんの言うことなら何でも聞くよ? 恥ずかしいことでもエッチなことでも、他の女の子がしてくれないことなんだってしてあげるよ?」

曜「……」

ルビィ「他に好きな人がいてもいいから! 身体だけの関係でも、便利な女でもいいよ! どんなコスプレだってしてあげる! だからルビィのこと見ててよ!」

曜「……私ね、ルビィちゃんのこと尊敬してるんだよ。おどおどしてるようだけどちゃんと芯があって、みんなの期待に応えようと頑張ってて――」

ルビィ「じゃ、じゃあ――」

曜「――だからこんな惨めな姿、見たくなかったよ」

ルビィ「が……ッ」ワナワナ

ルビィ(この黒澤ルビィを……憐みの視線で見下ろすだと……ッ!? こんな、こんな馬鹿なことがあってたまるかッ! それはお前の役割じゃないッ! 堕とした女を見下ろすのはこの黒澤ルビィだ……ッ! だというのに渡辺曜、貴様はァ……ッ!!)

曜「それじゃあ、また明日。練習頑張ろうね」

絶句して動けないルビィを置いて、曜は部室を出ていった



~黒澤家~

ルビィ「……ただいま」

ダイヤ「随分と遅かったですわね――じゃありませんわッ!」クワッ

ダイヤ「ルゥビィィ! あなたまーたわたくしのハーゲンダッツを食べましたわね!? 毎日毎日いい加減にしなさいッ! せっかく昨夜買ってきて楽しみにしてましたのに……ッ」

ルビィ「……いやいやおねえちゃぁ今朝自分で食べてたじゃん」

ダイヤ「そんなわけないでしょう! 自分で食べたものを忘れるものですかッ!」

ルビィ(ええ……おねえちゃぁ疲れてるのかな……)

ルビィ「――というか、今帰ってきたルビィがおねえちゃぁより先にアイス食べられるわけないじゃん」

ダイヤ「グッ……確かに……。では一体誰が……? お父様? お母様? いやそんな馬鹿な――」

ルビィ(はぁ……付き合ってられないや……)スタスタ

ダイヤ「くぅっ……こうなったらまた買いに行くしか……お小遣いが……」クスン…



~ルビィの部屋~

ルビィ「……」

ルビィ「……うぁあああああああああああああああああああああああああああッッッ!!」

ルビィ「恥辱ッ! 恥辱ッ! 大恥辱ゥゥゥゥゥッ……!!」ドッタンバッタン

ルビィ「この黒澤ルビィがッ! 足に縋りついて関係を乞うなどという卑しい売女の真似事までしてやったというのにッ! 歯牙にもかけず捨て置くだとぉ!?」

ルビィ「ただの獲物風情が思い上がりおってからにィィィ!! 食うのはルビィだッ! 食われるものはただ王に頭を垂れて傅いておればよいのだッ! ライオンキングのようにィィッ!」

ルビィ「ハァッ……ハァッ……! 落ち着け、冷静になろう……認めなくちゃ。ルビィは負けた。負けたんだ。負けを受け入れてそれでも進まなくちゃ。ルビィはどうすればいい? どうすればこの負けを清算して王へと至れるの?」

ルビィ「……あの沼津一の童貞女子と名高い曜しゃんが、どうやって一夜にしてあんな非童貞ムーブを身に付けられたのか……そんなの、可能性は一つしかない」

ルビィ「寝取られた……ッ! 先を越された……ッ! 善子ちゃぁなどに構っている暇は無かったのだ……ッ! 覚醒して真っ先に堕とすべきは曜しゃんだった……ッ!」

ルビィ「それならルビィが取るべき次の行動は決まったね」

ルビィ「曜しゃんを寝取った謀反人を突き止め、徹底的に屈服させる! もう二度とルビィに反逆する気など起こらないまでに蹂躙し、完膚なきまでに自尊心を破壊してやるッ! この黒澤ルビィに服従することが生きる目的だと思えるほどにッ!!」

ルビィ「……とりあえずその英気を養うためにアイスを食べよっ♪」



~翌朝~

ルビィ「おはよーおねぇちゃぁ」

ダイヤ「おはようございますルビィ」パクパク

ルビィ(また朝からハーゲンダッツ食べてるよ……また盗んだって難癖つけられたら面倒くさいから証拠写真とっとこ)パシャッ

ルビィ「ルビィ、日直だから今日は先に行くね」

ダイヤ「あらそうなの? いってらっしゃい」モグモグ

ルビィ(――あれから一晩考えてみた。曜しゃんを寝取ったのは誰なのか)

ルビィ(ファンの人とか水泳部の人とかも可能性はあるけど、そこまで可能性を広げるときりが無いし時間もかかるから、まずはルビィと曜しゃんの共通の友達――Aqoursの中で考える)

ルビィ(真っ先に容疑者から外れるのは、その日ルビィと楽しんでた善子ちゃぁ。次に同じ家の中で大体行動は分かってるおねぇちゃぁ。最近アイスのことばっかりだしね)

ルビィ(あとあの日AqoursのLINEグループで一晩中スタンプを乱打しあってた鞠莉ちゃぁと果南ちゃぁも外していいと思う)

ルビィ(あとは――)



~教室~

ルビィ「ねぇ花丸ちゃぁ」

花丸「なに、ルビィちゃん?」

ルビィ「一昨日の晩ごはんってなに食べたか覚えてる?」

花丸「記憶力のテスト? 一昨日はねぇ……確か手巻き寿司だったずら。自分で具材を選んで巻いて作ったから覚えてるよ」

ルビィ「へぇ~、楽しそう!」

花丸「今度Aqoursのみんなで手巻き寿司パーティとかしてみるのもいいかもね」

ルビィ「いいかも!」

ルビィ(花丸ちゃぁは違う、よね……? あんまり花丸ちゃぁのことは疑いたくないし……)

善子「ね、ねぇルビィ……あの……」クイクイ

ルビィ「ん? ……善子ちゃぁもう我慢できないの?」ボソボソ

ルビィ「花丸ちゃぁ、ルビィたちお手洗い行ってくるね」

花丸「うん、いってらっしゃい」

ルビィ「じゃ、行こっ」

善子「ごめんねルビィ……ごめん……」

花丸「……」



~トイレ~

蛇口「ジャアアアアアア! キュッ!」

ルビィ「さてと……」手フキフキ

ルビィ(残るは二年生。でも教室に行くのは……ちょっと気まずいな……)

ルビィ(呼び出すか)



~空き教室~

千歌「ルビィちゃんどうしたのー? こんなところに呼び出して。部室じゃダメなの?」

ルビィ「ちょっと訊きたいことがあって……誰かに聞かれると恥ずかしいから」

千歌「ほほ~! お姉さんに話してごらんなさい!」

ルビィ「あのね……千歌ちゃんは“グループ内恋愛”ってどう思う?」

千歌「グループ内恋愛?」

ルビィ「うん。ほら、ルビィたちってスクールアイドルとはいっても、ファンの人達はまるで本物のアイドルみたいに応援してくれるわけだし、中にはガチ恋勢も――っていうか、プロよりも立ち位置が近いからむしろ多いのかも」

ルビィ「そういう人達の期待を裏切っちゃうことになるのかなぁって思ったんだぁ」

千歌「うーむ……」

ルビィ「例えば……千歌ちゃんは、大好きなμ'sの穂乃果さんが他のメンバーとお付き合いしてたりしたら、幻滅しちゃう?」

千歌「……えっとね、ルビィちゃん。まず一つ言っておくよ」

ルビィ「?」

千歌「千歌はね、ほのえり派なんだよ」

ルビィ「へ、へー……」

千歌「ガチ恋勢じゃないからその人たちの気持ちは分からないけど、千歌は応援してるアイドルのみんながグループ内で仲良くしてると『いいなぁ』って微笑ましい気分になるよ!」

千歌「だから百合営業もどんとこいだよ! むしろご褒美だね!」

ルビィ「……じゃあ千歌ちゃんは、もしAqoursの中で百合営業するとしたら誰がいい?」

千歌「そうだなぁ――曜ちゃん」

ルビィ「!」

千歌「――と言いたいところだけど、なんか誰かに先を越されちゃったぽいしね」

ルビィ「……へー」

千歌「幼馴染だから、いつも一緒だから、想いを伝えるのはいつでもできる……そんな風に思って頑張らなかったのがいけなかったのかな。やっぱり人生って早い者勝ちなんだね」

ルビィ「…………そんなことないよ」

千歌「……」

ルビィ「誰かに出し抜かれたって、先を越されたって、諦めずに牙を研ぎ続けていればきっといつか勝てる……そのチャンスは巡ってくる……ッ!」

千歌「……ルビィちゃん?」

ルビィ「……って、マンガか何かで読んだことあった気がします」

千歌「……ふふっ。ありがと、ルビィちゃん」

ルビィ「いえ……」

千歌「――ルビィちゃんでもいいかもね」

ルビィ「なにが?」

千歌「百合営業の相手……♡」ニヤッ

ルビィ「っ!」ドキッ

千歌「……なーんちゃって! えへへっ、千歌はルビィちゃんのお役に立てたかな?」

ルビィ「え、は、はい! ありがとね千歌ちゃん!」

千歌「そっか! じゃ、また練習でね~!」タタタッ

ルビィ「……」フリフリ…

ルビィ(――何を千歌ちゃんごときにときめいているんだ黒澤ルビィ!)パンパン!

ルビィ(まあいいや……どうせそのうち千歌ちゃんも堕とすんだし……そんなことよりこれでハッキリした。曜しゃんを寝取った不届き者の正体が――)

ルビィ「桜内……梨子……ッ! 貴様はこの黒澤ルビィが直々にブッ堕とすッッ!!」



~放課後・桜内家~

梨子「珍しいね、ルビィちゃんが私の家に遊びに来たいなんて言い出すの」

ルビィ「えへへ。ちょっと今度の新曲用衣装のデザイン案を見てほしくって。作曲した梨子ちゃんの意見も聞きたいんだぁ」

梨子「そっか。私なんかの意見が参考になるか分からないけど……頑張って協力するね!」

梨子「あ、これ知り合いから貰ったチョコレートなんだけど良かったら食べて。ちょっと大人の味かもしれないけど有名ブランドのやつでとっても美味しいの」ガサゴソ

ルビィ「ほんと!? わーい!」モグモグ

ルビィ「ほんとだ! おいひぃ! でも香りがすごいね……」ケホケホ

梨子「初めて食べるとちょっとびっくりするよね。はい、アイスティー飲んでお口をさっぱりさせて」

ルビィ「うゅ……」ゴクゴク

梨子「……」ニィヤリ…

ルビィ「ぷはぁ! このアイスティーも美味しいね! 梨子ちゃんが淹れたの?」

梨子「ええ。特製のブレンドに挑戦してみたの。ダージリンをベースに、柑橘系のベルガモットをプラスして、そこに――」

ルビィ「γ-ヒドロキシ酪酸……かな?」

梨子「ッ……!?」

ルビィ「通称GHB。皮膚感覚が鋭敏になり、強烈な多幸感が得られる違法薬物。アルコールと一緒に摂取すると睡眠導入効果が現れて『身体は眠っているのに性的な刺激には敏感に反応する』という状態を作り出すのでデートレイプドラッグとして使用される」

ルビィ「アルコール分の多いウィスキーボンボンと一緒に食べさせるなんて、なかなか上手い方法を考えたね。そこまで手慣れてるってことかな?」

梨子「なんで分かったの……? この薬は無味無臭のはず――」

ルビィ「無味じゃないよ。ほんの少し塩辛い味がある。ルビィは黒澤の娘として小っちゃい頃から舌も鍛えられたからね。ごまかせないよ」ンベ~

梨子「くっ……ふんっ! それが分かったところで、もうすぐルビィちゃんもお寝んねしちゃうわ。そうすれば抵抗も出来ずにただ私に嬲られるだけよ!」

ルビィ「あはっ♡ それじゃあ待ってみよっか。本当に梨子ちゃんのプラン通りに事が進むのか。もしルビィが寝ちゃったら、この身体を梨子ちゃんの好きにしてもいいよ?」

梨子「……望むところよ」



~1時間後~

ルビィ「うーん……なかなかフルコンできないなぁ……」シャンシャン♪

梨子「なんで……なんで薬が効かないの!? 確かにちゃんと入れたし、ウィスキーボンボンもアイスティーも全部飲んだのに……!」

ルビィ「……もしルビィじゃなくて他の女の子ならとっくに寝ちゃって梨子ちゃんにいいようにされてただろうね。でも梨子ちゃん、ルビィのこと誰だと思ってるの?」

梨子「だ、誰だっていうのよ……?」

ルビィ「黒澤ルビィだよ?」

梨子「……し、知ってるけど」

ルビィ「だったら少なくともあと30倍は量飲ませないとダメじゃん。王を相手取るなら、万全の態勢で迎え撃たなきゃ」

ルビィ「そんなんだから東京から逃げ出す羽目になったんじゃないの? 音ノ木坂のドロップアウトレズが無垢な田舎娘相手に粋がって楽しかったぁ?」

梨子「……言ってはいけないことを言ったわね……黒澤ルビィィィ!!」ゴォッ

ルビィ(ピギッ……!? なんて強烈なレズの気! ルビィじゃなかったら薬盛られてなくても卒倒しちゃうね……!)

梨子「いいわ……あなたには薬なんて使ってあげない。あのまま寝ちゃってれば意識も無く記憶も残らず、なんにも知らないままスッキリ起きられて無事に帰してあげたのに……!」

梨子「この私の手でッ! 二度と舐めた口が利けない程に堕としてあげるッ!」

ルビィ「あはっ♡ 望むところだよ梨子ちゃん! ルビィは最初から直接ヤリあうつもりでここへ――ん……? ちょっと待って梨子ちゃん、今なんて?」

梨子「えっ? この私の手で二度と――」

ルビィ「いやその前……」

ルビィ(『意識も無く記憶も残らず、なんにも知らないまま』……? そうだ、GHBはそういう薬だった。なんで忘れてたんだろう)

ルビィ(それじゃあ曜しゃんは自分を童貞と思い込んだまま。あんな非童貞ムーブを執れるわけがない……!)

ルビィ「……梨子ちゃん、内浦に来てどれだけの人を手にかけたの?」

梨子「浦の星で目を付けた女の子たちを16人。Aqoursは最後にとっておこうと思ってたから、犯したのはまだよっちゃんだけよ」

ルビィ「そ、それじゃあ曜しゃんは――」

梨子「曜ちゃん? んー、確かに顔は好みなんだけど……曜ちゃんて“生えてる”子じゃない?」

梨子「私はリリー。雑じりっけない純粋な百合の信奉者。あくまで“生えてない”、無垢で未熟な可愛らしい少女が好みなの――」シュン!

ルビィ(ッ! 消え――)

梨子「ルビィちゃん、あなたみたいなね」ペロッ

ルビィ「ヒィッ!?」ゾクゾクッ

ルビィ(いつの間に背後に!? まずい……ここは梨子ちゃんの部屋、完全に相手のフィールド……ここまでの実力者だと思ってなかったから油断してた!)

ルビィ「――撤退!」ダッ

梨子「ちょ! 逃げる気!?」ダッ

ルビィ「ふんっ!」ダダダッ

窓「バリィィィン!!」

ルビィ「ほっ!」ピョーン シュタッ

ルビィ「お邪魔します!」ガララ

千歌「うわっ!? ルビィちゃんが突然梨子ちゃんちのベランダから跳んできた!?」

ルビィ「お邪魔しましたー!」ダダダッ

梨子「待ちなさぁい!!」ピョーン シュタッ

千歌「うわっ!? 梨子ちゃんまで跳んできた!?」

梨子「絶対に逃がさな――」

しいたけ「ワウーン!」ドドドドッ

梨子「うわっ! しいたけちゃん今は遊んでる暇は……! きゃっ!」ズデッ

しいたけ「ハッハッハッ!」ペロペロペロペロ

梨子「ちょっやめ……そこはっ! あひぃぃぃぃ!」ジタバタ

千歌「なにがなんだか……」



~黒澤家~

ルビィ「ハァ……ハァ……なんとか逃げ切った……?」

ルビィ(梨子ちゃんは思ってた通りのクソレズだったけど、曜しゃんを寝取ったのは梨子ちゃんでもないなんて……じゃあ一体誰が――)

ダイヤ「ルゥビィィィィィィ!!」ノシノシ

ルビィ「あ、おねぇちゃぁ。ただいま」

ダイヤ「あなた! まぁたわたくしのハーゲンダッツを勝手に食べましたわね!? 今度という今度はもう絶対に許しませんわ!!」

ルビィ「……ルビィ疲れてるんだけど。そういうの後にしてくれない?」

ダイヤ「んまぁっ!? あなたは姉に対してなんて口の利き方……ッ!」

ルビィ「何度も言ったけど、ルビィは今帰ってきたんだよ? 先に帰ってたおねぇちゃぁからどうやってハーゲンダッツを盗むの?」

ダイヤ「もうその詭弁も聞き飽きました! 今朝ルビィはわたくしより先に家を出ましたわね? その時にこっそり持ち出して外で食べることは可能でしょう!?」

ルビィ(……なぁんか話がかみ合わないなぁ)

ルビィ「おねぇちゃぁはハーゲンダッツを何個買ってたの?」

ダイヤ「昨夜買ってきた1個だけですわ! たった1個しかなかったというのに……それをルビィ、あなたは……!」

ルビィ「――確かにルビィは昨日寝る前にアイスを食べたよ。一昨日もその前も、冷凍庫にあったアイスを獲ってきて食べた」

ダイヤ「ついに自白しましたわね!? さあおとなしく折檻を受け――」

ルビィ「アイスはアイスでも、いっぱいあったスーパーカップだよ?」

ダイヤ「……は?」

ルビィ「さすがのルビィでもおねぇちゃぁが大事に買ってきた1個だけのハーゲンダッツを食べたりしないよ。それにスーパーカップの方が量多いし」

ダイヤ「そ、そんなはず……」

ルビィ「それに、ほら」スマホポチッ

ルビィ「今朝のおねぇちゃぁの写真。ニコニコしながらハーゲンダッツ食べてるところだよ。これを見ても思い出せない?」

ダイヤ「ま、まさか……これは確かにわたくしとハーゲンダッツ……でも、そんな、はず、は……わたくし、そんな記憶は――ううッ!?」ガクッ

ルビィ「お、おねぇちゃぁ……!?」

ダイヤ「グッ……ガ……急にッ、頭が……ッ!」ギリギリ…

ルビィ「ど、どうしよう……! きゅ、救急車!? えーっと、で、電話はどこだっけ……?」アセアセ

ダイヤ「そ……ッその手に持っているスマホで……ッ」

ルビィ「うわぁ! そうだった持ってた! えーっときゅ、救急は、119番は何番だっけ……?」

ダイヤ「ヴゥ……ウヴァアアアアアアアアアアアアアアアアア……ッ!!」ドサッ

ルビィ「おねぇちゃぁ!? おねぇちゃぁしっかりしてよ!」

ダイヤ「――――――――――――フーッ。すみませんでしたルビィ。もう大丈夫ですわ」ムクッ

ルビィ「お……おねえちゃぁ……?」

ダイヤ「ちょっと記憶違いをしていたようですわね。疑ってしまいすみませんでした。さ、お夕食の前にお風呂に入ってしまいなさい。それとも、久しぶりに一緒に入りますか? クスクス♡」

ルビィ「……ッ」ゾッ

ルビィ(な、に……? この膨大で、禍々しいレズの気は――)

ダイヤ「あらあら、そんなに怯えなくともいいではないですか。あなただって覚醒しているのでしょう? 黒澤ルビィ、わたくしの愛しい妹――」

ルビィ「覚醒……まさか、おねぇちゃぁ――」

ダイヤ「レズビッチへ覚醒したのが自分だけだと? 王の器を持つものが己しかいないと、何故そう楽観的に信じ込めるのですか? その力の源が黒澤の血にあると感じていたのなら、何故姉であるわたくしがそうではないと思えたのですか?」ゴゴゴゴ…

ルビィ「あ……あぁ……っ」ガタガタ…

ダイヤ「ふふっ♡ アイスをスティールできても、狙った女性をスティールされているようでは……黒澤の血族としてはまだまだですわね」ニィヤリ

ルビィ「ッ……!? まさか……曜しゃんを寝取ったのは――」

ダイヤ「わたくしですわ♡」ペロリ

ルビィ「……ヴォねぇちゃァァァァッ!!」

ダイヤ「お~っほっほっほ! 悔しいでしょうねぇ! 内心舐めていた実の姉に、同じ屋根の下、壁を数枚隔てたところで曜さんをまんまと寝取られていたというのに! 今の今まで気づくことなくのうのうとアイスを貪っていたのですからァ!」

ルビィ「こんな……こんなのって……あんまりすぎるよぉ……っ」グスッ

ダイヤ「これで思い知ったでしょう。姉より優れた妹など存在しないのだとッ!」

???「騙されちゃだめよ、ルビィちゃん」

壁「ドゴォ!!!」

ダイヤ「ッ!? 何奴ッ!」

ルビィ「――ああ……梨子ちゃん!!」

梨子「しいたけちゃんを千歌ちゃんに押し付けて追いついてみれば、なかなかハードな状況のようね」

ダイヤ「フッ……誰かと思えば、梨子さんですか」

ダイヤ「――控えろ小娘ッ! 貴女は内浦の王の前にいるのですッ! 頭を垂れ、大人しくわたくしに忠誠を誓うか、尻尾を丸めて東京に帰るか、二つに一つですわッッッ!!」

ルビィ「逃げて梨子ちゃん! ここは黒澤家の屋敷……アウェイの梨子ちゃんじゃおねぇちゃぁには敵わないよぉ!」

梨子「へー、ここが貴女のホームグラウンドだと……そうおっしゃるんですか、ダイヤさん」

ダイヤ「何を当然のことを……」

梨子「私、ダイヤさんのこといいなぁって思ってたんですよ。今時珍しい和風美人で、いつも毅然としてて頼もしいけど、意外とお茶目で可愛らしいところもあって……それに何より――“生えてない”」シュン!

ダイヤ(速いッ……!)

梨子「――だというのに、これは何ですか?」ムンズッ

ダイヤ「はうっ♡」ビクン

ルビィ「梨子ちゃんが、おねぇちゃぁの股間を握ってる……?」

梨子「何故あなたに、こんな汚らわしいモノが“生えている”んですか?」モミッモミッ

ダイヤ「グッ……あふっ……♡ そ、それは……てやぁッ!」ブンッ

梨子「おっと」ヒョイッ シュタッ

ルビィ「――そっか。ここ最近感じてた違和感、やっと分かったよ」

ダイヤ「……」

ルビィ「おねぇちゃぁはビッチなんかじゃない。そして当然生えてなんかなかった。おねぇちゃぁはそんな禍々しいレズの気なんか纏っていなかった……!」

ルビィ「あなたは誰? なんでおねぇちゃぁのフリをしてるの? あなたなんでしょ、ルビィから曜しゃんを寝取ったのも。おねぇちゃぁからアイスを奪ったのも。ねぇ――」


ルビィ「ハーゲンダッツは美味しかった?」


ダイヤ?「――フフッ……クハハッ……ハーッハハハハハハッ!」

ダイヤの顔をした彼女は、長い髪をおもむろにポニーテールに結った

ダイヤ?「まったくあなた――ルビィちゃん? そんな幼い見た目だから油断してたけど、とんだ狸ね。まさかこんなに早く正体を明かすことになるなんて――」

ダイヤ?「まったく……ハラショーだわ♡」

梨子「――絢瀬絵里……ッ」

ルビィ「えっ……? 絢瀬絵里って……μ'sの絵里ちゃん……?」

ダイヤ(絵里)「その精神だけのコピー、といったところかしら。安心して、この身体は正真正銘あなたのお姉さん、黒澤ダイヤちゃんのものよ」

ダイヤ(絵里)「私には特殊なレズ能力があってね。『宿り木の下で(カーゲーベー)』――私の“タネ”を注ぎ込んだ相手に、私の精神を第二の人格として植え付けることが出来るの」

ルビィ「“タネ”を注ぎ込んだ……? じゃ、じゃあおねぇちゃぁは……絵里ちゃんに――」

ダイヤ(絵里)「この子、私のファンなんですって? ふふっ♡ とっても幸せそうだったわよ?」

ルビィ「よくも……よくもおねぇちゃぁをォォォォォッ!!!」ゴォッ!

梨子「ルビィちゃん……!」

ダイヤ(絵里)「あら、凄いレズの気ね。怒りによってもう一段階覚醒させちゃったかしら?」

ルビィ「今ッ! ここで貴様を倒すッ! おねぇちゃぁの身体から引きずり出してミカン畑の肥料にしてやるッッ!!」

ダイヤ(絵里)「確かに、ここであなたと梨子ちゃんの二人がかりならそれも出来るかもね。でも忘れたかしら? 私はね……“曜ちゃんも美味しくいただいた”のよ?」

扉「ガチャ」

曜?「こんばんはー!」

ルビィ「曜しゃん!? なんでここに――」

梨子「駄目ルビィちゃん! その曜ちゃんに近寄っちゃ――」

ルビィ「えっ……」

ガシッ!

ルビィ「!」

曜?「ふふっ♡ 捕まえたっ♪」

ルビィ「――そっか。曜しゃんの童貞女子力が急落したのは……もう曜しゃんが“絢瀬絵里”になってたからなんだね」

曜(絵里)「ご名答♡ ご褒美にチュウしてあげようかしら」クスクス

ダイヤ(絵里)「曜ちゃんの身体能力は沼津随一だそうね。童貞女子ではなくなり可愛い女の子相手でも本気を出せる今の彼女なら、あなたでも相手するのはキツいんじゃない?」

ルビィ(ふ、ふりり、振り払えない……!)

曜(絵里)「ゴホンゴホン、えーっと、どんな感じだったかしら。ンンッ……『ルビィちゃん、渡辺曜はルビィちゃんのこと……とっても大好きでありますっ!』……こんな感じ?」

ルビィ「勝手に……曜しゃんの真似をするな……ッ!」

曜(絵里)「んもう、せっかくの心遣いなのに……まあ、このまま“絵里”に堕とされたいならそれもいいわね。それじゃ、いただきます♡」

ルビィ「……ッ!」グッ…

ダイヤ(絵里)「ふふっ♡ ダイヤちゃんに曜ちゃん、さらにルビィちゃん。このまま内浦の女の子達を支配して、私達μ'sの全国支配をより盤石なものとするのよ! ふーっははっはっはっは!」

パッ!

ルビィ(!? 電気が消えた?)

曜・ダイヤ(絵里)「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」

ルビィ「ピギッ……! な、なに? あ、拘束が解けてる……」

梨子「――今日は新月……すっかり夜になって、電気を消せば部屋は真っ暗」

ダイヤ(絵里)「いやぁ! 暗い暗い暗いぃ!」

曜(絵里)「暗いのはダメなのぉ……!」

ルビィ「絵里ちゃんにこんな弱点が……知らなかった」

梨子「私は音ノ木坂に居た頃、必死に研究したわ。レズとして、あの伝説のμ'sに勝つために……結局東京を追われちゃったけどね。まさかこんなところで役に立つなんて」

ルビィ「――梨子ちゃん、ごめんね。さっきは酷いこと言っちゃって」

梨子「いいのよ。私がルビィちゃんを昏睡レイプしようとしたのは事実だし……ねぇルビィちゃん、私達これから組まない?」

ルビィ「組む?」

梨子「ルビィちゃんはこの内浦でレズの王を目指してるんでしょ? それに協力してあげる。そうね、さしずめレズ王に仕えるレズ騎士ってところかしら?」

ルビィ「……そうだね。これからもきっと、この内浦を狙ってくる輩はきっといると思う。いち早く内浦、そして沼津を掌握してそいつらに対抗するには、梨子ちゃんが味方になってくれたらとっても心強いよ!」

梨子「ありがとう。でも忘れないことね。いつだって私は、ルビィちゃんの寝込みを襲うチャンスを狙っているってことを」

ルビィ「謀反を狙う臣下程度を御せずして王は名乗れないよ」

梨子「――ふふふ、それでこそ私の仕える価値のある王ね。それじゃ、曜ちゃんは任せてもいいかしら。ダイヤさんは私がもらっていくから」

ルビィ「分かった。おねぇちゃぁをよろしくね」

梨子「仰せのままに……我が王よ」

パッ!

ダイヤ(絵里)「! 明るくなった! これで――」

梨子「『君を壁へと追い詰めて(ウォール・リリー)』」

ズォォォォォォォォッ!

ダイヤ(絵里)「な……ッ! 曜ちゃんやルビィちゃんと私の間に壁が現れて――」

梨子「ふふっ♡」クイッ

ダイヤ(絵里)「ああっ……♡」ピクッ

梨子「真に飢えたレズは壁を作り出して壁クイできる――それが私の能力です」

ダイヤ(絵里)「ふんっ! 分断されようと、あなた程度私一人で――」

梨子「あなたは“タネ”を相手の中に注ぎ込むことで自分を増やしていくみたいだけど――知ってる? 薬は注射より飲むのに限るのよ、絵里さん♡」チュッ

ダイヤ(絵里)「んむ……っ!?」

梨子「んっ……れぅ……ぁむ……んふっ♡」

ダイヤ(絵里)「んぁ……んんっ……!?」ゴクッ

梨子「――ぷはっ。んふふっ♡」ジュルッ

ダイヤ(絵里)「――くっ……はぁはぁ……今、何を飲ませた、の……?」

梨子「あなたは知らなくていいことですよ。だってどうせ、もう“絢瀬絵里”は二度と目覚めることはないんだから」

ダイヤ(絵里)「なに、を……言って……ぁ……」カクンッ

梨子「……やっぱり、彼女の力は乗り移った“絢瀬絵里”由来のもの。ダイヤさん自体はあくまで普通のレズだった。薬が普通の量でも効いたのがその証拠ね」

梨子「さてと……あとはルビィちゃんに任せて、私は私で楽しむとしますか!」

梨子「それじゃ、ダイヤさんいただきま~す♡」



曜(絵里)「ふふっ、賢くないわね。電気を消したまま私の息の根を止めればよかったのに。また明るくしてくれて……1対1で、この肉体に勝てると思っているのかしら?」

ルビィ「……ううん。何をやってもトロいルビィが曜しゃんに勝てるわけないよ」

曜(絵里)「分かってるじゃない♡ それともこの身体に抱かれたかったのかしら? 何でもいいわ。それじゃあ遠慮なくあなたを――」ギチッ

曜(絵里)「なっ……!? なにこれ!? 体が動かない!? まるで縛られたみたいに――」

ルビィ「ルビィはトロくて、小さい頃から何をやっても上手くいかなかった。それでも一つだけ、胸を張って特技って言えるものがあるの。それはね、お裁縫。だからみんなの衣装を作れる。みんなの役に立てた」

曜(絵里)「糸かッ! 私の全身が糸で固定されているッ!」

ルビィ「あんまり無理に動かない方が良いよ。肉が裂けて、全身がバラバラになっちゃう」

ルビィ「ここはルビィのお家だもん。どこに糸を引っ掛けて、どう巻き付ければいいのか、真っ暗な中でも分かるもん」

曜(絵里)「チッ……これだから陣地作成型レズは始末が悪いのよ……ッ!」

ルビィ「ありがとう。あなたのおかげでルビィはもう一段階覚醒できました。この力でルビィは内浦を――沼津を手に入れる。そしていつかあなたの本体も……μ'sも、地べたへ引きずり倒して泥を飲ませてやる。そして――ルビィが天に立つ」

曜(絵里)「……ふふっ♡ そうね、楽しみにしているわ。この私の――本物の私の前にあなたが現れるのをね。その時は、私直々にエリーチカの虜にしてあげる♡」

曜(絵里)「私の“タネ”は世界中にバラまかれた。私はいつでもあなたの近くにいるわ。あなたの覇道の行く末を見守ってあげる」

ルビィ「ルビィが征くのは覇道じゃない――王道だよ」

曜(絵里)「――それじゃ、また会いましょう。до свидания」

曜「――ぅーん……あれっ……? ここは? 私寝てた……?」

ルビィ「――おはよう、曜しゃん♡」

曜「ル、ルビィちゃん!? えっ、こ、ここどこ!? ルビィちゃんち!? ってかなにこれ!? 縛られてて動けないんだけど……!?」ギチギチッ

ルビィ「曜しゃんはね、身体に悪い“タネ”が溜まっちゃってるの。だからルビィがぜ~んぶ絞り出してあげるね♡」

曜「へぁっ!? そそそそそれって……あわわ、よ、ようそろ……」ギンギン

ルビィ「あはっ♡ 覚悟してね曜しゃん♪ 一度ルビィに気持ちよくされちゃった童貞女子さんは、もう一生他の女の子じゃ満足できない身体になっちゃうんだよ? ルビィに心を盗まれちゃって、二度とルビィから離れられなくなっちゃうよ?」

曜「ル、ルビィちゃん……? あはは、や、やめよ? ね? その、こういうことはさ、えっと、好きな人と――」

ルビィ「大好きだよ、曜しゃん♡」

曜「よよよ、よーそろー……!」ビックン!

ルビィ「――『あなたの心はルビィの奴隷(スイートスティーラー)』」



~数日後・部室~

善子「ねぇルビィ……今日ウチ親帰ってこないの。だから……」

曜「ちょっと待ったー! ルビィちゃんは今日私とデートするんだよ!」

善子「駄目よ! 曜さんは昨日もデートしたんでしょ!?」

曜「昨日は衣装作りのためのお買い物だもん! 部活動だもん! 善子ちゃんは教室でずっと一緒に居られるんだから放課後くらい譲ってよ!」

善子「そっちだって衣装係もユニットも同じなんだから自重しなさいよ! あとヨハネ!」

ルビィ「あはは……」

果南「も~、最近ずっとこんな調子なんだから……」

鞠莉「仲良きことはビューティフルデース!」

果南「まあ練習は真面目にやってるし勝手にすればいいけどさ。ところでダイヤは?」

鞠莉「まだ仕事が残ってるって生徒会室よ。梨子っちが手伝いに行ってるわ」

果南「……あの2人も最近怪しいよね」

鞠莉「心配ナッシーング! 果南にはワタシがイマース!」モミモミ

果南「もしもしポリスメン?」

ルビィ(曜しゃんとおねぇちゃぁは、伝説の赤い玉が出るまで搾り取ったら無事に元に戻りました)

ルビィ(“絢瀬絵里”の襲撃をなんとか撃退して、ルビィたちの日常には一応平穏が戻ってきました。こんな日が続けばいいんだけど、きっとそうもいかないんだろうなぁ)

ルビィ(いつか来る戦いの日に備えて、一日でも早くこの地を平定しないと。この黒澤ルビィが王として君臨し、梨子ちゃんを筆頭としたレズ挙国一致体制を築かなければならないの)

ルビィ(その為にも、さてさてお次は――)

ルビィ「――誰を獲物にしようかなぁ♪ あはっ♡」



千歌「うんうん! いいねぇグループ内カップリング! きっと人気も爆発だよ!」

花丸「……ねぇ千歌ちゃん」

千歌「なにかな? 花丸ちゃん――?」

花丸「――――ううん、やっぱりなんでもないずら」

花丸(内浦に漂う良くない気は相変わらず……一体この場所で何が起こっているの?)

千歌「いや~、やっぱり百合って……ハラショーだね――♡」クスクス

おわり
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『ルビィ「ハーゲンダッツは美味しかった?」』へのコメント

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2018年5月26日
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