善子「……ずら丸とリリーを孕ませてしまった」

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1: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:05:47.68 ID:PEKGQtfZ
よっちゃんルーム
 
善子「クックックッ、愛しのリトルデーモン二人に生命の果実を授けてしまうなんて……このヨハネも堕ちるところまで堕ちたものね」
 
善子「……なんてふざけてる場合じゃないわ、どーしよー!」
 
この私、堕天使ヨハネ……もとい津島善子は、大切な親友二人を無事妊娠させてしまいました!

※ 前作記事へのリンクです(管理人)

千歌「曜ちゃんと梨子ちゃんを孕ませたい!」

元スレ: 善子「……ずら丸とリリーを孕ませてしまった」

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3: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:07:14.30 ID:PEKGQtfZ
ことの発端は、一月半前に十千万にて開かれた閉校祭の打ち上げまで遡る
 
千歌「じゃあカンパーイ!」つ紙コップ
 
よしりこまる「カンパーイ!」つ紙コップ
 
集まったのは私とずら丸とリリー、そして家主である千歌さんの四人だ
 
ちなみに曜さんと果南さんは閉校祭で使ったうちっちーを返品するため三津シーパラダイスに
 
ルビィとダイヤはラブライブのクイズ大会参加者向けの補習講座を自宅にて開催
 
マリーは理事長としての仕事があるという。本当に私達の見えてないところで色々苦労してたのね
5: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:08:36.13 ID:PEKGQtfZ
梨子「千歌ちゃんおめでとう!」
 
千歌「ありがとね、梨子ちゃん」ニコッ
 
善子「おめでとうって、何かめでたいことでも?」
 
千歌「うん。わたし高海千歌は、一昨日から正式に曜ちゃんとお付き合いすることになりましたっ!」
 
善子「お付き合いって……恋人としてっ!?」
 
千歌「そうだけど?」
 
花丸「ほえ~、それはおめでたずらぁ~。お赤飯炊かないと」
 
善子「それは妊娠した時でしょ?」
 
花丸「……そうだったずら」
 
そもそも女の子同士で″えっちなこと″しても、妊娠するなんてあり得ないし
6: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:10:11.11 ID:PEKGQtfZ
梨子「色々手を回した甲斐がようやく出たのよ」ヒソヒソ
 
善子「……リリーも相当苦労したのね」
 
梨子「本当にね。千歌ちゃんも曜ちゃんも奥手だから」
 
善子「でもリリーとじゃなくて曜さんとなのね。意外だわ」
 
って言いたくなるぐらい、リリーと千歌さんはいつだって一緒にいる印象があったのに
 
千歌「梨子ちゃんは大切な親友だよ。……でも、そういうのとは違うかな?」
 
花丸「昨日は『千歌ちゃんの誘いを断って来た』って聞いていたけど、それなら納得だなぁ」
 
善子「確かにずら丸の言う通りね。で、来といてアレだけど……千歌さんは曜さんと一緒じゃなくて良かったの?」
7: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:11:34.55 ID:PEKGQtfZ
千歌「ううん? どうしてそうなるかな?」キョトン
 
善子「いや、せっかく付き合い始めて初の休日でしょ? 曜さん達に同行して、後からデートとか行かないのってことよ」
 
千歌「ああ~、そういう意味ね。曜ちゃん、今日は果南ちゃんと二人きりで話したいことがあるんだって」
 
梨子「海外留学の話?」
 
千歌「多分ね。……ってどうして梨子ちゃんが知ってるのっ!? まだわたしと曜ちゃんしか知らないはずなのに」
 
梨子「……ごめんなさい。あの時盗み聞きしてたの」ペコッ
 
千歌「あの時って、初日の晩?」
 
梨子「うん。校門の前の」
8: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:12:58.84 ID:PEKGQtfZ
善子「うわぁ、ちょっと引くわーリリー。進展が気になるからって、ストーカー紛いの行為はないわー」
 
花丸「善子ちゃんのしつけがなっていないからずらよ」
 
善子「善子じゃなくてヨハネっ! っていうかしつけって何よ、しつけって」
 
花丸「リトルデーモンのしつけはご主人様のお役目ずら」
 
善子「だったらずら丸もしつけの対象になるわよっ!」
 
千歌「あはは、相変わらず仲良しだね~二人とも」ニコニコ
 
花丸「でしょ~。千歌ちゃんわかっているね~」
 
梨子「むぅーっ」プクー
9: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:14:27.87 ID:PEKGQtfZ
千歌「付き合ってるからって『おはようからお休みまで、ずぅーっと一緒じゃなきゃ嫌っ!』ってのはちょっと、ね?」
 
梨子「そういう考えなのね、千歌ちゃんは」
 
千歌「うん。曜ちゃんの場合、家が離れてるからってのもあるけどね」
 
花丸「親元にいるうちは仕方ないよ、千歌ちゃん」
 
善子「心は繋がっているのに、世界の理が愛し合う二人を分かつなんて……神は相も変わらず意地悪ね」
 
千歌「ほんとだよー。中学で引っ越すまでは近場だったのにさー」ブーブー

善子「千歌さんと曜さんって元々ご近所さんだったのね」
10: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:15:51.28 ID:PEKGQtfZ
千歌「で、他に何か聞きたいことはあるぅ?」ドヤァ
 
善子「ぐうっ……なんか自慢気ね。リア充爆発しなさいっ!」
 
梨子「じゃあ質問」シュッ
 
千歌「はい、桜内さん」ビシッ
 
善子「先生と生徒じゃないんだから」
 
梨子「千歌ちゃんは曜ちゃんが他の娘と仲良くしてて、ムッとしたりしないの?」
 
千歌「それはその娘が『曜ちゃんを奪っちゃうかもっ!?』って嫉妬するってことかな?」
 
梨子「うん、そんな感じ」
 
善子「曜さんは学校の人気者だし、そういうの頻繁に起こりそうよね」
 
千歌「うぇぇ……そうかも」
 
花丸「千歌ちゃん、ドンマイずら」ポンッ
15: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:17:16.66 ID:PEKGQtfZ
千歌「でもね、そういうのはまだないかな。まっ、今のところはだけどね」
 
花丸「千歌ちゃんってそういうところ、ちゃんとメリハリ付けるんだね」
 
千歌「そうだよ。さっきの話に戻るけど、もしもわたしと梨子ちゃんが恋人だったとしても、わたしは梨子ちゃんの都合を優先してあげてたと思う」
 
梨子「まあ千歌ちゃんはいつでも私のやりたいことを尊重してくれてたしね」
 
善子「夏の予備予選でリリーがピアノコンクールを選んだのも、千歌さんが背中を押したからだったわね」
 
梨子「うん」
 
善子「だったら千歌さんに限っては『これでもう私以外とおしゃべりできないよねっ♡』って監禁したりするのはあり得ないわね」
 
花丸「ヤンデレなんて未来ずらぁ~」
 
千歌「未来にもそうならないからねっ! ……多分」
19: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:18:39.64 ID:PEKGQtfZ
バカチカー バカチカー
 
千歌「うん、美渡ねえから通知?」ポチポチ
 
花丸「どうしたの?」
 
千歌「えーと『おやつとジュース買ってきてやったから取りに来い!』って。ちょっと下行ってくるね」スタッ
 
梨子「なんだかんだで美渡さんって妹思いよね」
 
花丸「ツンデレずらね」
 
千歌「っとその前に――」トコトコ
 
善子「ってなんでこっち来るのよ!?」
27: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:20:03.86 ID:PEKGQtfZ
千歌「で、よっちゃんは梨子ちゃんと花丸ちゃん、どっちと付き合うつもり?」ヒソヒソ
 
善子「ぶふっ!?」
 
梨子「汚いわよ、よっちゃん」プンプン
 
花丸「食べ物を粗末にしちゃ駄目だよ、善子ちゃん」プンプン
 
善子「ヨハネっ! もう、二人から叱られたじゃない!」
 
千歌「ちゃんと決めた方がいいよ、あくまでわたし個人の意見だけどねっ」ヒソヒソ
 
善子「別にずら丸とリリーをそういう風には――」
 
千歌「にしし。両手に花だねっ、よっちゃん♡」
 
りこまる「「千歌ちゃんっ!?」」
 
善子「ちょっ!? 何言ってんのよっ!?」
 
千歌「いっそ三人で結婚しちゃいなよ! よっちゃんならアリだと思うよっ」ニシシ
 
善子「千歌さんっ!? ……後で覚えときなさいよっ!」
 
千歌「ばいばいきーん☆」シュタッ
33: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:21:26.01 ID:PEKGQtfZ
ほんと千歌さんってば、いつもいつも無茶苦茶なこと言って私達を掻き回すんだから
 
というか仮に三人で付き合うにしても、問題はずら丸とリリーの仲なのよね
 
花丸「結婚かぁ~、でも善子ちゃんのお嫁さんにぴったりなのはマルだけどね」
 
善子「だからヨハネだってば!」
 
花嫁衣装のずら丸……和風でも洋風でも悪くないわね
 
梨子「花丸ちゃんがよっちゃんを幸せにできるの?」
 
花丸「もちろんずら。お料理にお裁縫だって一通りできるんだからね」
 
梨子「そうなのー? なんか台所でつまみ食いしてそう」
40: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:22:49.53 ID:PEKGQtfZ
花丸「そんなことしないずら! ついでに出来合いのハンバーグを『手料理』と嘘ついて出すような梨子さんにだけは言われたくないなぁ」ムスッ
 
梨子「んなっ!? どうして花丸ちゃんがそれをっ!?」
 
花丸「善子ちゃんが教えてくれたんだよ」
 
善子「ヨハネっ! でも確かにリリーは変なとこで見栄っ張りよね」
 
梨子「言い振らさないでよっ! それに見栄っ張りだなんて」
 
善子「……教えたのは悪かったわ」ペコッ
 
花丸「で、実際はどうなの梨子さん?」
 
梨子「できないけど……別にお料理くらい、愛の力でできるようになりますよーだ!」プンッ
 
善子「愛にそんな力はないわよ」
 
でもエプロン姿で台所に立つリリーは様になってそうね
42: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:24:13.09 ID:PEKGQtfZ
梨子「なんてったって私は作曲ができるしっ!」ドヤァ
 
花丸「さすがにお料理と作曲は関係ないと思うなぁ」
 
善子「そこは同意」
 
梨子「よっちゃんまで……」
 
花丸「それにガミガミうるさい梨子さんを嫁にしたら、善子ちゃんの気が休まらないずら」
 
善子「ヨハネっ!」クワッ
 
梨子「いちいちよっちゃんにそのやり取りさせてる花丸ちゃんの方が、よっぽどストレスになるんじゃないの?」
 
花丸「これはマルと善子ちゃんなりのコミュニケーションずら」
 
善子「ヨハネっ……ってええっ!? ……悪いけどその発想はなかったわ」
 
梨子「ふふっ、花丸ちゃんの勝手な思い込みじゃないの。それなのに″黄昏の理解者″ねぇ」
 
花丸「むぅーっ」プクーッ
52: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:25:36.68 ID:PEKGQtfZ
梨子「やっぱりよっちゃん直々に″上級リトルデーモン″に認定された私の方が、よっちゃんのパートナーに相応しいわよね!」ドヤァ
 
花丸「そんなことないずら! ヒステリックな梨子さんが善子ちゃ……ヨハネちゃんの胃に穴を開けて、解約になるに決まっているよ」
 
すみません。それ適当に宣言しただけで、詳細な設定までは考えてませんでした
 
花丸「やっぱり女の子なら、おおらかな娘が一番だよね~」
 
善子「自分でおおらかとか言っちゃうの、ずら丸?」
 
一緒にいて落ち着くのは認める
シャクだから言わないけど
 
梨子「花丸ちゃんはおおらかというより適当なだけでしょ」
 
花丸「適当じゃないずらー!」ムウッ
 
梨子「私が注意するのは、よっちゃんのためを想っているからこそなのっ!」
 
確かにリリーが理不尽な理由で怒ったことは一度もないわね
なんだかんだでみんなのことをちゃんと見てて、大切に想っているからこそね
60: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:26:50.31 ID:PEKGQtfZ
花丸「でも梨子さんはどこが悪いのかちゃんと教えてあげていないでしょ? 善子……ヨハネちゃんを『どうでもいい』って見なしているからじゃないの?」
 
梨子「何が良くなかったのかはよっちゃん自身が考えないと駄目よ!」
 
善子「うーん、どっちの言い分にも一理あるわね」
 
梨子「一から十まで説明してたら、自分の頭で考えられなくなっちゃうでしょ」
 
善子「何気に酷くない、リリー!?」
 
っていうかこれって母親としての子どものしつけ論!?
 
花丸「梨子さんは善……ヨハネちゃんを馬鹿にし過ぎずらっ!」クワッ
 
梨子「馬鹿にしてるのは花丸ちゃんの方でしょっ!」クワッ
 
梨子「ムッキー」
花丸「ずっらー」
 
千歌「お待たせ~、ってまた喧嘩してるの? あの二人」
 
善子「……いつものことよ」ヤレヤレ
 
正直な話、この時はまだ猫と犬の喧嘩レベルの問題としか考えていなかった
68: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:28:05.01 ID:PEKGQtfZ
千歌さんが戻って来た後は、四人でひたすらスマ○ラをやった
 
結果は千歌さんの全戦全勝という結果に終わったが
 
ヨハナレフ「 あ…ありのまま今起こった事を話すわ!
 
『私達が千歌さんを包囲したと思ったら 
 
いつのまにか私、ずら丸、リリーの三人全員が吹っ飛ばされていた』
 
な…何を言っているのかわからねーと思うけど 
 
私も何をされたのかわからなかった…
 
頭がどうにかなりそうよ…
 
裏技だとか連射コンだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてない… 
 
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったのよ…」
78: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:29:18.77 ID:PEKGQtfZ
梨子「っていうか千歌ちゃん強過ぎ」
 
善子「私達三人がかりで挑んでも一回も飛ばせないなんて……化け物かっ!」
 
千歌「そりゃね、わたし世界ランキングベスト16に入ってるし!」ドヤァ
 
花丸「ほえ~どおりで歯が立たないと思ったずら~」
 
善子「さすが任○堂のリトルデーモン、『好きこそものの上手なれ』ってヤツね」
 
花丸「……千歌ちゃんも世間に認められる凄いものを持っているんだね」
 
千歌「えへへぇ~♪ そうでしょ~」ニヘラー
 
善子「ゲームのトップランカーって正直微妙なところよね。まあ3対1で圧倒するってのは素直に凄いけど」
86: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:30:37.59 ID:PEKGQtfZ
梨子「実質的には2対1じゃない」
 
千歌「ちょっと梨子ちゃん、その言い方は――」
 
梨子「だって花丸ちゃんはまず基本の操作ができてなかったでしょ」
 
花丸「マルは今日が初めてずら」
 
善子「そういう訳だから仕方ないでしょ」
 
花丸「それより夢中になり過ぎて、どんどんテレビの前に迫っていった梨子さんに言われたくないなぁ」ムウッ
 
千歌「そうだね。ちょっと邪魔くさかったよ、梨子ちゃん」
 
梨子「もうっ、みんなして私を悪者にしてっ!」ムウッ
93: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:31:49.24 ID:PEKGQtfZ
花丸「やるっての?」ムウッ
 
千歌「ちょっと!? リアルファイトはやめてよねっ!」
 
善子「っていうか、こんなことでまでいちいち喧嘩するのね。アンタ達は」
 
千歌「ごめんね梨子ちゃん、どうどう」
 
梨子「ムッキー」
 
千歌「花丸ちゃんも落ち着いてってばー」
 
花丸「ずっらー」
 
やれやれ、またやってる
 
当時はその程度にしか考えていなかったのだ
99: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:33:04.42 ID:PEKGQtfZ
あの日は夏合宿の時みたく、千歌さんの部屋に泊まることになっていた
 
リリーは千歌さんとラブライブ決勝で歌う曲について相談があるらしく、私とずら丸が先に入浴することになった
 
花丸「ふぃ~っ、極楽極楽ずらぁ~♡」
 
善子「にしても、いつ見てもドデカいわねぇ。低身長のクセにそのサイズは反則でしょ」ジーッ
 
花丸「ううっ、そんなに凝視されると恥ずかしいよぅ//」
 
善子「いいじゃないの、ずら丸の神器なんだから」
 
花丸「神器?」
 
善子「そうよ。スタイルがいいってそれだけで立派なアドバンテージじゃないの。特にスクールアイドルとしては」
 
花丸「よし……ヨハネちゃんはマルをそういう風にしか見ていないの?」
107: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:34:17.07 ID:PEKGQtfZ
子「今さら言う必要ある? そんな訳ないって」
 
花丸「つまり?」
 
善子「ずら丸はどこに出しても恥ずかしくない美少女ってことよ」
 
花丸「よし……ヨハネちゃん//」
 
善子「もちろん性格面も込み込みでね」
 
花丸「……普段は『芋っぽい』とか『ババ臭い』とか言うくせに」ブクブク
 
善子「実際ババ臭いじゃないの。趣味といい、『ずら』って口癖といい」
 
花丸「ずらぁーっ!?」ガーン
 
善子「ほら、また『ずら』って言った。おかげで話してても時々女の子だって忘れるもの」
 
花丸「酷いずらぁ、いくら何でもデリカシーに欠けているずらぁ」グスンッ
114: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:35:19.70 ID:PEKGQtfZ
しまった、ちょっとからかい過ぎたかも
 
善子「わ、悪かったわよ」
 
花丸「ねえ、よし……ヨハネちゃんはマルのこと、嫌い?」ウルッ
 
善子「嫌いな訳ないでしょ。もし嫌ってたら、こんな風におしゃべりなんかしないわよ」
 
花丸「そう……だよね?」
 
善子「そうよ。あと、無理して″ヨハネちゃん″って呼ぼうとしなくていいからね。なんか一回一回言い直そうとする方が、聞いててムズムズするから」
 
花丸「うん、ヨハネちゃ……いや善子ちゃん」
 
善子「って言ったそばから一発で言えるようになってるし」
 
花丸「あっ、本当だね」
122: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:36:21.26 ID:PEKGQtfZ
善子「でもずら丸とこんな風にくっだらないやり取りしてるの、私は好きよ」
 
花丸「……くっだらないって」ブクブク
 
善子「落ち着くってことよ。実家に帰って来たみたいで」
 
花丸「やっぱりババ臭いってことじゃ――」
 
善子「違うっての!」
 
こうやって二人でずっと漫才みたいな掛け合いしてるのも悪くはないかもね
 
花丸「ねえ、ヨハネちゃん?」
 
善子「どうしたの、ずら丸?」
129: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:37:25.10 ID:PEKGQtfZ
花丸「ヨハネちゃんはマルと梨子さんなら、どっちの方が好きなの?」
 
善子「ぶっ!? ……どうしてそんなこと聞くのよ!?」
 
花丸「マルはね、高校で再会してからずっとヨハネちゃんのこと、気に掛けてきたつもりなんだよ」
 
善子「わかってるわよ、感謝してる」
 
自己紹介でいつもの堕天使モードを発揮して不登校になった私へ、毎日プリントを届けたり励ましてくれたのは他ならぬずら丸なんだから
 
花丸「だからね、取られたくないよ。後から割り込んできた梨子さんに」
 
善子「ずら丸……」
 
ずら丸が嫉妬心をあらわにしてるなんて
132: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:38:27.80 ID:PEKGQtfZ
花丸「マルは梨子さんと違って地味でチビで、その上作曲も出来ないグズだけど――」
 
善子「もう止めなさい!」
 
そんな風に自分を……私の大切な人を悪く言わないで!
 
花丸「ヨハネちゃんを大切にしたいって気持ちなら……気持ちだけなら負けないつもりだよっ!」
 
善子「ずら丸……アンタも案外負けず嫌いなのね」
 
花丸「かもね。でなくちゃいくらルビィちゃんに誘われたからって、スクールアイドルを始めたりなんてしなかったと思うなぁ」
 
善子「でも最後に決めたのはずら丸自身の意志でしょ?」
 
花丸「うん」コクッ
136: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:39:29.54 ID:PEKGQtfZ
善子「そういう自分なりの芯を持ってるとこ、嫌いじゃないわよ」
 
花丸「マルのこと、ちゃんと見てくれているんだね」
 
善子「当然でしょ。この堕天使ヨハネの隣に佇む″黄昏の理解者″なんだもの」
 
花丸「ヨハネちゃん……ありがとうね、大好きずらぁ♡」ダキッ
 
善子「ちょっと// ずら丸っ!?」
 
ドクン、ドクンとずら丸の心音が伝わってくる
 
そしてそれはどんどん早くなっていく……
 
花丸「このまま時が止まってしまえばいいのに」
 
善子「ずら丸らしくない洋風な例えね」
143: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:40:33.40 ID:PEKGQtfZ
花丸「西洋の文学だって、それなりに読んでたりするんだよ。だからね……んっ♡」チュッ
 
善子「んむっ//」
 
ちょっ……ずら丸の舌が私の中に……
 
花丸「ぷはぁ~、こうやってフレンチキスだってできるんだよ♡」
 
まさかずら丸から攻められる日が来るなんてね
 
善子「……ずら丸の気持ちはわかったわ。受け止めてあげる」
 
花丸「ヨハネちゃん// うんっ♡」
 
そして他人の家の浴室であるのも忘れて、私とずら丸は″一つになった″
 
それは私達の″初めて″だった
150: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:41:35.08 ID:PEKGQtfZ
その後で私とずら丸はお互いの身体と浴室を洗い、風呂場を後にした
 
善子「ふぅ~。次、いいわよ」
 
梨子「うん。じゃあ入るわね」
 
ずら丸と″した″手前、リリーとは顔を合わせにくいわね
 
善子「……千歌さんは?」
 
梨子「客が多いからお手伝いだって」
 
善子「よくそんな状況で呼べたわね。気前はいいけど無計画なんだから」
 
梨子「閉校祭を見に来た遠くの人達が泊まってるんだって」
 
善子「ああ、そういうことね。十千万としては嬉しい予想外という訳ね」
 
花丸「戻ろう、千歌ちゃんの部屋に」
 
善子「ええ」
157: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:42:42.29 ID:PEKGQtfZ
部屋に戻ってすぐに千歌さんが来て、リリーと話した決勝曲についての変更点を教えてくれた
 
しばらくしてリリーが戻って来たのと入れ替わりで千歌さんが浴室に向かい、私達は消灯時間まで特に言葉を交わすこともなくスマ○ラに没頭した
 
 そしてそれは、私が夜中にトイレに起きた時のことだった
 
善子「ふぅ、ちょっと飲み過ぎたかもね」
 
キィッ
 
梨子「よっちゃん」
 
善子「リリーも飲み過ぎたの?」
 
梨子「ううん、そんなに」
 
善子「じゃあどうして――」
164: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:43:44.85 ID:PEKGQtfZ
ドンッ!
 
善子「ひゃっ//」
 
壁ドンっ!?
 
梨子「ちょっと確認しときたいことがあって、ねっ♪」ニコッ
 
起きたばかりで寝ぼけた感じはしないわね
二人きりになりたくて、ずっと寝ないでいたのかしら?
 
善子「何よ? 明日じゃダメなの?」
 
梨子「うん。今聞いとかないと私、気になってとても寝られそうにないの」
 
善子「そう。で、何?」
170: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:44:49.00 ID:PEKGQtfZ
梨子「単刀直入に聞くわ。よっちゃんは私と花丸ちゃんなら、どっちが好き?」
 
善子「んなっ!? ……同じこと聞くのね、ずら丸と」
 
梨子「……やっぱりそういう話したのね、花丸ちゃんと」
 
善子「ズバズバ切り込んでくるのね、リリーらしいと言えばらしいけど」
 
梨子「そうかしら? 私は普段どおりのつもりだけど」
 
善子「ま、まあ振ってきたのはずら丸だけど」
 
梨子「それで、どう答えたの?」
 
善子「リリーに答える必要ある? あくまで私とずら丸の問題よ」
 
梨子「はぐらかしたの?」
 
善子「さあね」
176: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:45:51.40 ID:PEKGQtfZ
梨子「失礼だと思わないの? 花丸ちゃんに対して」クワッ
 
善子「気にするのね、ずら丸のこと。口を開けば言い争ってばかりなのに」
 
梨子「さすがに同情するわ、恋敵としても」ハァ
 
善子「やっぱりそう見なしてるのね」
 
梨子「ええ。それと私に対しても」
 
善子「えっ!? リリーに対しても……ってつまり?」
 
梨子「言わなくちゃわからない? それとも知ってて敢えてとぼけてるの?」
 
善子「わ、私は――」
 
そういうことか、難聴なライトノベルの主人公レベルまで堕ちたつもりはないわよ
183: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:46:54.61 ID:PEKGQtfZ
つまるところ「どっちを選ぶのかはっきりしろ!」って言いたいのよね
 
でもずら丸と″した″以上、私が選んだのはずら丸な訳で……
 
梨子「……わかってるわよ、私が後からしゃしゃり出てきたってことぐらい」シュン
 
善子「り、リリー?」
 
梨子「私、昔から誰か一人にベッタリしちゃうところがあるから」
 
善子「ああ……わかるわ」
 
梨子「以前は千歌ちゃんのことで曜ちゃんに勘違いさせちゃったこともあるし」
 
善子「ああ……夏の地区予選前のやり取りでなんとなく察したけどね」
 
梨子「でもね、好きになっちゃったんだから仕方ないじゃないの」ウルッ
189: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:47:56.88 ID:PEKGQtfZ
梨子「あの日からずっと……頭の中はよっちゃんで埋め尽くされちゃったんだから」
 
善子「リリー……そんなにも私のことが」
 
梨子「怒りっぽくてお料理もロクに出来なくて、花丸ちゃんと違って胸だってそんなに大きくない」
 
善子「リリーまで自分を悪く言うつもり?」
 
梨子「それによっちゃんと仲良くなってから日だって浅い。けどね……よっちゃんのことが大好きだって想いなら、負けるつもりはないから!」チュッ
 
善子「リリー……んむっ//」
 
ずら丸に続けてリリーまでっ!?
 
でも抵抗はしなかった。ずら丸とだけなんて、リリーに悪いと思ったから
 
梨子「ぷはぁっ♡ よっちゃん……続き、していい?」
 
善子「え、ええ」
 
梨子「よっちゃんっ// 愛してるよっ♡」ガバッ
 
そしてそのままトイレの個室でリリーとも″身体を重ねた″
196: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:48:59.72 ID:PEKGQtfZ
そう、全ては私の優柔不断さと流されやすさが招いた結果だった

それから一月半後の卒業式の翌日
つまり今日の午前中、全校生徒が校舎に集まり打ち上げを行った
 
私はずら丸から「ヨハネちゃんと二人きりで話したいことがあるずら」と呼ばれ、空き教室へ向かった
 
善子「何よ? 聞かれたくないことって」
 
花丸「あの、その……」モジモジ
 
善子「ウブな乙女かっ!」
 
花丸「マルだって乙女なんだよ、ヨハネちゃん」ムウッ
 
善子「わかってるわよ。とにかく早く言いなさい」
206: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:50:23.26 ID:PEKGQtfZ
花丸「……で、でもね」モジモジ
 
善子「呼んだのはずら丸でしょ?」
 
花丸「だ、だけど――」
 
善子「ええい、じれったい! ″黄昏の理解者″なのでしょ? このヨハネの」
 
花丸「う、うん」
 
善子「だったらお互い隠し事はナシよ。言いなさい! 後でこのヨハネのとびっきりの秘密も教えてあげるから」
 
花丸「うん。じゃあ……これ見て」つ??
 
善子「こ、これって……」

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214: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:51:35.89 ID:PEKGQtfZ
妊娠検査薬!? 
ネットでアニメキャラに持たせるコラ画像なら嫌ってほど見たけど、こうして現物を突き付けられるなんて
 
花丸「できちゃった、みたい……ヨハネちゃんの赤ちゃん♡」
 
善子「は? からかってるの?」
 
花丸「わかっているでしょ? マルがそういう冗談なんて言わないって」
 
善子「ま、まあね」
 
花丸「マルだって初めは信じられなかったんだよ。だって……女の子同士で――」
 
ガラッ
 
梨子「ここにいたのね、よっちゃんっ!」
 
善子「リリーっ!?」
 
花丸「梨子さんっ!?」
 
梨子「ねえ、この意味わかるわよね?」
 
善子「ええっ!?」

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220: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:52:40.38 ID:PEKGQtfZ
リリーが持ってるのも妊娠検査薬よね!?
 
梨子「責任、取ってもらうからね」
 
花丸「えっ!? じゃあ……梨子さんも?」キョトン
 
梨子「えっと……花丸ちゃんも?」キョトン
 
りこまる「「……」」
 
善子「二人がフリーズしたっ!?」
 
ギギギ……とずら丸とリリーが壊れかけの機械のように、顔だけを私の方に向けてきたんですけど
 
花丸「ヨハネちゃんっ!」クワッ
 
梨子「よっちゃんっ!」クワッ
 
りこまる「「これってどういうことなのっ!!」」
 
善子「そ、そんなバカなぁーっ!!」
228: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:53:42.75 ID:PEKGQtfZ
そして私達は体育館に三人で戻った
 
千歌「全く、三人ともどこ行ってたのさ」
 
ダイヤ「わたくし達aqoursが辿った軌跡、そのPVをこれから皆さんに見てもらうのです。主役がいなければ始められませんわ」
 
ちなみにそのPVは私が中心になって作りました
 
千歌「にしても、やっぱり両手に花だね~ヨハネちゃん。いよっ、この女たらしっ!」
 
善子「花は花でもウツボカズラとラフレシアよ」
 
二人とも美少女とはとても呼べない形相で睨み合ってるんですが
236: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:54:46.51 ID:PEKGQtfZ
梨子「それって体温計じゃないの?」
 
花丸「違うずら。梨子さんのそれこそ座薬じゃないのかな? ヨハネちゃんのお尻に刺す――」
 
梨子「風評被害よっ!」
 
花丸「そうかなぁ? 隙あらばヨハネちゃんのお尻を撫でているのは誰かなぁ?」
 
梨子「ムッキー」
花丸「ずっらー」
 
千歌「ちょっと!? こんな時まで喧嘩しないでよっ!」
 
ダイヤ「花丸さんと梨子さんは、何のことで揉めているのですか? ヨハネさん?」
 
善子「は、ははは……何でもないわよ」
 
はぐらかしたものの、特別追及はされなかった
244: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:55:48.90 ID:PEKGQtfZ
なお、このヨハネの特別の秘密とは「ずら丸とリリーを″オカズ″にしていた」ことである
 
二人から「「うん、知ってた」」と返されたことと、『どちらがより多く″オカズ″にされたか』で言い争いになったことは言うまでもあるまい
 
とりあえずずら丸とリリーには「この件は今は三人だけの秘密にしておきましょ」と口外しないよう約束を取り付けておいた
 
でないと最悪、どこかの研究機関に「女の子同士で子供が出来た貴重なサンプル」として拉致されてもおかしくはない訳だし
 
また二人とも「「堕ろすつもりはない」」と宣言。ただどちらもまだ生理が止まったこと以外で「自分が妊娠した」という実感が沸いてこないようであり、改めて産婦人科で確認するという
252: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:56:54.64 ID:PEKGQtfZ
回想終わり
 
女の子同士でえっちなことをして妊娠する
そんな頭の悪い漫画や小説みたいなことが現実に起こってしまった
 
まあ実際のところ、一つだけ心当たりがあるんだけどね
 
善子「この【ヨハネの生き血】を飲んだから、それ以外あり得ないわよね?」
 
以前行き付けの雑貨屋さんで買った【聖ヨハネ福音の書】(全文英語)、そこに書かれていた【ヨハネの生き血】なる薬。その効力よね?
 
思い返せば材料に赤マムシやらスッポンやらローヤルゼリー等々、って書いてあった時点で怪しさ満点だったけどね
259: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:57:56.58 ID:PEKGQtfZ
今改めてGoogleで翻訳してみたところ、とんでもない効果が判明してしまった
というか最初っから【ヨハネの生き血】の作り方以外もちゃんと翻訳しておくべきだったわね
 
『【ヨハネの生き血】を飲んだ者は、男性ホルモンが過剰に分泌されるようになる。それにより女性同士の″性的接触″であっても、男性と女性が″交わった″場合と同様の現象が起こりうる』
 
善子「っていうか、なんでそんな人類史を覆すようなトンデモアイテムの作り方が書いてあるワケェっ!? 単に興味本位で作ってみただけなのに」
 
あとコレ読んで知ったけど「ヨハネ」って男性名だったのね
 
とにもかくにも、これからどうすればいいかしら
 
善子「助言を仰ぎましょうか。このヨハネを冥府魔道に引き入れた、悪魔の果実色の鱗を持つ邪龍に」
267: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 20:58:59.35 ID:PEKGQtfZ
プルルルー、プルルルー、カチャッ
 
千歌(TEL)『もしもし~?』
 
善子「ごきげんよう。第三の使徒、リトルドラゴンちかちーよ」ギランッ
 
千歌『よっちゃん、こんばんは。どしたの? こんな時間に』
 
善子「えーと、それは――」
 
千歌『またニコ生のお誘い? めでたくaqoursも優勝したし、そろそろファンのみんなに報告でも――』
 
善子「いや、そうじゃなくて……まあそれも今度やっときたいけど」
 
千歌『おやっ、じゃあ何?』
 
善子「ちょっと真剣に悩んでることがあってね」
 
千歌『あら、大事なお話?』
 
真面目モードになったわね
274: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:00:03.47 ID:PEKGQtfZ
善子「ええ、とても大事な」
 
千歌『それってわたしでなきゃ駄目な感じ?』
 
善子「千歌さん以外にはとても相談できそうにない話よ」
 
千歌『……わかったよ。わたしが答えられることなら、何でも答えるよ』
 
善子「恩に切るわ」
 
 さて、まずはどう切り出すべきか
 
善子「千歌さんって今、曜さんと付き合ってるのよね?」
 
千歌『うん、この前よっちゃん達の前で宣言した通りだよ』
281: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:01:05.96 ID:PEKGQtfZ
善子「そう。で、どこまで行ったの?」
 
千歌『どこまでって……どういうこと? デートの場所?』
 
善子「違うわよ。その……キスしたとか、″その先″とか」
 
千歌『ああー。そっちのことね、うん』
 
善子「で、どうなの?」
 
千歌『とりあえず、キス……までは//』
 
善子「一月半経ったけど、案外そういうものなのね」
 
千歌『まあ平均なんてわからないけどね』
 
善子「それもそうね。で、こっからが重要なんだけど」
 
千歌『うん』
287: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:02:08.29 ID:PEKGQtfZ
善子「もし千歌さんが曜さんを……妊娠させたら、どうする?」
 
千歌『えっ!? まさかよっちゃん……冗談抜きで女の子同士で赤ちゃん出来るなんて思ってるんじゃ――』
 
善子「そんな訳ないでしょ! 例えばの話よ」
 
実際に出来ちゃった訳だけどさ
 
千歌『……どんな例えなのさ』
 
善子「千歌さんが好きな本でもあるでしょ? 魔法で男の人のアレが生えちゃったり、IPS細胞があれば女の子同士でも子どもが出来るとか」
 
千歌『まあね、そういうのもなくはないけど』
 
何を隠そう、千歌さんはいわゆる「妊婦フェチ」である
ノーマルからエロ、和姦からハーレム、性転換やら人外相手なんかに至るまであらゆる方面に精通しており、その筋の専門家と言っても過言ではない
 
私も以前たっぷり一晩かけてこの変態から指導を受けたので、どういう点に萌えを感じるのかは少しだけわかっている
 
……理屈としてわかってるだけで、私も妊婦さんに興奮するようになった訳じゃないからねっ!
298: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:03:26.80 ID:PEKGQtfZ
善子「で、どうするの?」
 
千歌『そりゃ決まってるよ、責任は取る。フェチズムとか関係なしにね』
 
善子「そ、そうよね」
 
興奮する対象がマニアックだろうとも、千歌さんが「人として」まともなのは間違いないのよね
 
千歌『色々と情けないわたしを見捨てることなく、ずーっと隣で支えてくれてたのは曜ちゃんだもん』
 
善子「曜さんも『千歌ちゃんの笑顔に勇気を貰った』って話してたし、案外ウィンウィンなんじゃないの?」
 
千歌『……かもね、今ならそう思える』
 
今の千歌さんにリリーが以前語っていた「普通コンプレックス」は最早ない
秋の予備予選で「自分だってやればできる」という経験を積んだからに違いない
305: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:04:30.37 ID:PEKGQtfZ
千歌『なんだかんだで球技ならわたしの方が得意だし、歌だって上手いし。後はスマ○ラも』
 
善子「ス○ブラに注いだ分の努力を他に回してたら、もっと色々出来るようになってたんじゃないの?」
 
千歌『それは言うなっ! とにかく、そういうのってわたしが途中で投げたしたりせず、続けてきた結果だと思うから』
 
善子「そうね、このヨハネが堕天の道を追究してきたからこそ、aqoursに栄光をもたらすことができた訳だし」
 
千歌『だね、演出面はヨハネちゃんの功績で間違いないよ』
 
私が担当した音響や照明だって、ニコ生でリトルデーモンを増やすために研究してきたものだしね
 
善子「その言葉、素直に受け取っておくわ」
 
千歌『どういたしまして』
313: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:05:33.48 ID:PEKGQtfZ
善子「それはそれとして、もう一ついいかしら?」
 
千歌『もう一つと言わず何個でもいいけどさ、何かな?』
 
私が現在置かれている状況を推測される危険性はあるが、聞いておく必要があるわね
 
善子「もし曜さんの他に千歌さんのことが好きな娘がいたとするでしょ」
 
千歌『うん。でもわたしと曜ちゃんがラブラブなのは衆知の事実なのに?』
 
善子「大した自信ね。そうとわかってても『好きになっちゃったんだからしょうがない』、そういうのもあるでしょ?」
 
リリーが私に向けた言葉を引用しただけ、だけどね
 
千歌『まあ……なくはないかもね、うん』
320: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:06:35.82 ID:PEKGQtfZ
善子「それでその娘に迫られて、″一夜の過ち″を犯してしまったとする」
 
千歌『うーん、二股とはちょっと違うけど、知られたらマズい感じだね』
 
善子「例えるなら……ルビィ辺りが『ねぇ千歌ちゃん、ルビィと″イケナイこと″しましょ、あはっ♡』ってな具合に」
 
千歌『いやいやルビィちゃんに限ってそんな――』
 
善子「そうかしら? 函館の一件から少し大人びたように感じない? 髪下ろしてから妙に艶っぽくなったし」
 
ダイヤ達が卒業してからルビィはツーサイドアップをやめ、ストレートヘアーにイメチェンしたのよね
 
千歌『ルビィちゃんがしっかりしてきたのは否定してないんだけど。ヨハネちゃんにとっては大人になることと、性欲に素直になることがイコールなの?』
 
善子「それはないわ」キッパリ
328: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:07:39.32 ID:PEKGQtfZ
善子「で、後日ルビィが『ルビィだってね、千歌ちゃんの赤ちゃんちゃんと産めるんですよっ♡』って妊娠検査薬を見せ付けてきたとする」
 
千歌『うおぉーっ、えっちなゲームでよくあるパターンだろ、コレェ!』
 
善子「……そしたらどうするの? ルビィに堕ろしてもらう?」
 
千歌『それだけはない』キッパリ
 
善子「即答ね」
 
千歌『その場合、ちゃんと二人の面倒見るよ。傷付けたくないもん、わたしのこと好きだって人を』
 
善子「確かに『堕胎によってもたらされる心身の傷は大きい』ってよく聞くものね」
 
だからこそ、ずら丸にもリリーにも「堕ろせ」なんて言えずにいる訳だが
 
善子「周りから白い目で見られても?」
 
千歌『周りがどう思おうが関係ないよ。知ってるでしょ?』
 
善子「くくっ、【みかんクイーン】らしいわね」
 
千歌『電話だからいいけど、絶対外でそう呼ばないでよね』
336: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:08:42.43 ID:PEKGQtfZ
善子「安心なさい、ヨハネの口は地獄の門より固いから」
 
【みかんクイーン】こと千歌さんは百合妊娠小説の第一人者として、今やTwitter上では有名人なのよね
 
千歌『うん、ありがとね』
 
善子「【ディアマンテ】だっけ? 今でもやり取りしてるの?」
 
千歌『うん。スクールアイドルのことから学業、友達のことなんかもね』
 
善子「やけに信頼してるのね、SNS上での友人でしかない相手に」
 
【ディアマンテ】はいわゆる「ぽっちゃり」イラストの権威であり、様々な漫画やアニメのキャラを丸々と太らせたイラストを多数投稿しているらしい
 
【みかんクイーン】と【ディアマンテ】の活動によって、マニアックなフェチズムが徐々に受け入れられつつある
それがTwitter界隈の現状である
343: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:09:46.29 ID:PEKGQtfZ
千歌『ぽちゃ専以前に人格者だしねっ』
 
善子「どんな聖人君子なのよ、一度ご尊顔を拝んでみたいものね」
 
千歌『探偵気取りはNGだよ。誰だって知られたくないことはあるんだから』
 
善子「わかってるわよ、もちろん」
 
千歌『思えばほんとに些細なきっかけだったなぁ』
 
善子「スクドル板で調子に乗って特定されたんだっけ?」
 
千歌『そうだよ。あの日ね、初めてブロックされたんだ。今まで仲良くしてた人に』
 
善子「そりゃ千歌さんが悪い。口調や主張がTwitterでの呟きと一致してたんでしょ?」
 
千歌『悪いのはわかってても、初めてだったからすっごい凹んだよ。で、「何が原因だったんだろう」って悩みまくった』
 
善子「わかるわ、私だって何度もあったし」
351: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:10:48.74 ID:PEKGQtfZ
千歌『だよね。「ツイートから性格の悪さが滲み出ていたから?」「気付かないうちに何度も巻き込みリプライしてたから?」「その人はカプ固定って宣言してたので、雑食のわたしと相性が悪かったから?」……Twitter上でも心当たりはいくつかあったよ』
 
善子「そうそう、色々思い当たるのよね」
 
千歌『別のサイト利用してるのはわかってたから、訴えたくもなったよ。「確かにわたしはこういうフェチズムの持ち主だけど、それ以外は全然普通なんですよ!」ってさ』
 
善子「でもやらなかったのよね?」
 
千歌『うん、流石にね。で、わたしの愚痴ツイート見た【ディアマンテ】さんが「悩みがあれば相談に乗りますよ」「お互いの鍵垢で話すのでプライベートは保証します」って連絡してきた訳』
 
善子「なかなかお節介な奴なのね。乗る方も乗る方だけど」
 
千歌『まあね。そしたら「その人とは縁がなかっただけです。失ったものにすがるより、今あるものとこれから出逢う何かを大切にすべきでは?」ってアドバイス貰ったんだ』
 
善子「そうよね、そんなんで一喜一憂なんて馬鹿馬鹿しい。……まあフォロワーが少ない時期ならわかるけど」
 
私自身【堕天使ヨハネ】のアカウントでTwitterを始めた頃は色々苦悩したものだ
357: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:11:52.11 ID:PEKGQtfZ
千歌『そうなんだ。それで「もっと自分に素直になるべきです」って言われたから、大好きはもう隠さないと決めたんだよ』
 
善子「恋アク!? それ、曜さんが聞いたら怒るわよ」
 
千歌『いいじゃん、作詞したのはわたしなんだから』
 
善子「そして今に至る、と?」
 
千歌『うん。結果的にフォロワーが一時減りまくったり、たくさんの人からブロックされたりもしたけどね』
 
善子「いいじゃないの。代わりに同じ趣味嗜好を持つ変態共から崇められるようになったんだから」
 
千歌『まあねっ! わたしがいいと思ってるんだからいいのだ!』エッヘン
 
善子「流石ね、リトルドラゴンちかちー。周りの目なんて気にしてたら、やりたいこと何もやれないって悟ったのね」
 
千歌『そういうことなのです』キリッ
363: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:12:54.01 ID:PEKGQtfZ
千歌『話は戻るけど、法的な問題は小原家と黒澤家がなんとかしてくれるはずだよ』
 
善子「ホテルチェーンの一族と網元の家系にそこまでの力があるかしらね?」
 
千歌『ま、まあ内浦にいる分には』
 
善子「はは……そういうことにしとくわ」
 
千歌『でさ、こんな質問したってことは、とうとう告白されたんだね? 梨子ちゃんと花丸ちゃんから』
 
善子「ま、まあそんなところよ」
 
時々妙に鋭いのよね、この人
 
千歌『リアルはえっちなゲームやライトノベルとは違うからね。前にも言ったけどちゃんとした「恋人」にするなら、どっちか決めなくちゃいけないと思う』
 
善子「……そうなるわよね、やっぱり」ハァ
371: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:13:59.09 ID:PEKGQtfZ
千歌『でないと二人から刺されても文句は言えないよ』
 
善子「Nice boat. ってヤツ? それこそあり得ないっての」
 
千歌『スクイ○? とりあえず参考にはなったかな?』
 
善子「ええ、感謝するわリトルドラゴンちかちー。この恩、いずれ返そう」ギランッ
 
千歌『そう? ならば我もヨハネ様のハーレムに加えて――』
 
善子「ええっ!? いや、これ以上は――」
 
千歌『冗談だって。わたしには曜ちゃんがいるし』
 
善子「そ、そうよね。わかってたわよ、ええ」
 
本気かと内心ドキッとしたじゃないの!
 
千歌『でもよっちゃんなら三人どころか八人くらい囲おうとも――』
 
善子「aqours全員ヨハネのハーレム要員にしろっての!?」
 
千歌『もちろん冗談だってば。というかダイヤちゃんはともかく、果南ちゃんと鞠莉ちゃんはもう日本にすらいない訳だしね』
 
善子「そうよね、みんな大人になっていくのよね」ハァ
377: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/24(日) 21:14:53.63 ID:PEKGQtfZ
千歌『なんにせよ梨子ちゃんと花丸ちゃん、どっちを選ぶかはよっちゃんの問題だよ』
 
善子「言われるまでもないわ」
 
千歌『でもね、もし困ったことがあればいつでも力になるからね。曜ちゃんやルビィちゃんも、きっと同じだよ』
 
善子「……ええ。それじゃごきげんよう」
 
千歌『うん、お休み』ピッ
 
 
あくまで千歌さんは「私がずら丸とリリーから告白され、どっちに応えるか決めあぐねている」程度にしか考えてないみたいね
 
善子「……現実はその先の先の段階まで至ってる訳なんだけどね」ハァ
 
二股どころか二人を妊娠させただなんて、最悪CYaRon! の三人から血祭りにされた上で、aqoursから追放されてもおかしくない大問題よね
 
だったらずら丸かリリーのどっちか一人を選んで、もう一人には堕ろしてもらう? 
あるいは両方に?
 
善子「そんな残酷なこと……私が告げられる訳ないでしょ」
431: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:02:16.72 ID:0uuCGiDB
第二章
 
四月から統合先の高校に通うようになった私達は、六人でスクールアイドル部を立ち上げ再びaqoursとして活躍を始めていた
 
今は五月頭に開催される沼津市内のスクールアイドルグループが集まって行われるイベント、そこで披露するユニット曲の練習をしている
 
なお、新しく入部してきた娘はいない。クラスメート曰く「ラブライブ優勝したメンツの中に、今さらぺーぺーが入るってのもね」とのこと
とりあえず今年度は入部希望者を募る活動はしてない
433: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:03:47.62 ID:0uuCGiDB
千歌「じゃあNew Guilty Kissのこと、よっちゃんに任せるからね」
 
善子「ってなんで私がまとめることになってる訳!? 普通は三年のリリーがやるべきでしょ!」
 
千歌「だって″よっちゃんハーレム″なんだから、ご主人様がまとめないと。ねっ♪」ニコッ
 
善子「だからその呼び方は止めてってば!」
 
曜「そうでありますなぁ、この二枚目堕天使っ!」
 
ルビィ「ヨハネ様のカリスマ性があればなんとかなるよっ、がんばルビィ!」
 
善子「……曜さんにルビィまで」
 
このNew Guilty Kissとは三年生の三人が卒業してから新たに結成されたユニットである
マリーが抜けたGuilty Kissに、同じくダイヤと果南さんが抜けて一人になったAZALEAからずら丸を加えた三人構成だ

なおCYaRon!の三人からは″よっちゃんハーレム″と冗談半分で呼ばれているが
434: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:05:40.37 ID:0uuCGiDB
問題はもちろん、ずら丸とリリーの不仲な訳で
 
善子「待たせたわね……ってまたぁ!?」
 
この二人、相も変わらず顔を合わせればいつも言い争ってばかりなのよね
 
梨子「あの時はキーボードで雰囲気作った分、私の方がよっちゃんの役に立った!」
 
花丸「どんな演出も客が来ればこそだよ。客寄せのために校内を回ったマルの方が、ヨハネちゃんのためになったずら!」
 
どうやら閉校祭の時、私が開いた″占いの館″にてどっちの貢献度が高かったかで揉めてるみたいね
 
梨子「客寄せなんて誰でもできるでしょ! 花丸ちゃんじゃなくても」
 
花丸「曲なんて録音しておいたのを流せばいいだけずら! 梨子さんがあの場に居る必要はなかったよね」
435: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:07:25.04 ID:0uuCGiDB
梨子「生で演奏する方が臨場感が出るのがわからないのね」
 
花丸「aqoursが三人だった頃、ロクにビラ配りができなかったからやれないもんね」
 
梨子「ムッキー」
花丸「ずっらー」
 
善子「アンタ達ね、何回同じ話題で喧嘩するのよっ!」
 
梨子「よっちゃん//」
花丸「ヨハネちゃん//」
436: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:08:58.83 ID:0uuCGiDB
善子「『二人とも同じくらい役に立ってくれた』、そう何度も言ってるでしょ?」
 
梨子「よっちゃんが」
花丸「そう言うなら」
 
やれやれ、私が二人を認めれば渋々口論を止めてくれるのだが
 
なおスクールアイドルの活動に関しては、一応産婦人科の医師から「そこまで激しくなければ問題はない」と許可はもらってるそうだ
 
善子「さっ、練習始めるわよ! 本番までもう時間ないんだからねっ!」
 
りこまる「「うんっ!」」
 
善子「結局私が仕切ってるけど……まあいっか」
 
そして未だに、私はずら丸とリリーが私の子どもを身籠ったという事実を実感できずにいた
437: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:10:20.59 ID:0uuCGiDB
ずら丸とリリーのつわりが本格化に悪くなり始めたのは、イベント本番まで一週間を切ってからだった
 
二年B組教室
 
花丸「ヨハネ……ちゃん」ハァハァ
 
善子「どうしたのよ、ずら丸?」
 
花丸「ちょっと、気持ちわる……うぶっ!?」
 
善子「ずら丸っ!?」
 
花丸「うっ、うぶうっ」
 
えーと、こういう時は……
 
善子「先生っ! ずらま……国木田さんが吐きそうなので、ちょっとトイレまで」ガタッ
 
教師「え、ええ。お願いね、津島さん」
 
善子「ほら、行くわよ! 歩ける?」
 
花丸「うぶっ」コクッ
438: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:11:33.78 ID:0uuCGiDB
ずら丸の苦しげに吐き出す声と咳き込む音がトイレに響いた
 
善子「もう平気?」
 
花丸「……うん。付き添ってくれてありがとうね、ヨハネちゃん」ハァハァ
 
善子「どういたしまして……って酷い顔色じゃない!」
 
花丸「あっ……本当だね、土気色ずら」ハァハァ
 
善子「保健室で休みなさいよ」
 
花丸「でっ、でも――」
 
善子「無理すんじゃないの。ノートなら録っとくから」
 
花丸「う、うん。お願い」
 
そしてそのまま保健室まで付き添って、ずら丸を保険医に預けた
439: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:12:46.29 ID:0uuCGiDB
ずら丸が体調を崩して練習に出られない件を千歌さんにメールで伝えたところ、『花丸ちゃんも? 実は梨子ちゃんも吐きそうになったんだよ』と返信が届いた
 
放課後、スクールアイドル部部室
 
善子「ずら丸は早退させたわ。『でも、もうすぐ本番だから――』って言ってきたから『だからこそよ。今はゆっくり休みなさい』って言い聞かせといたから」
 
千歌「そっか。それで良かったと思うよ」
 
曜「梨子ちゃんも早退させたからね、こういう時無理は禁物だよ」
 
善子「そうね、リリーにも同じ症状が出てるなら」
 
曜「それにしてもおかしな話だよね。梨子ちゃんと花丸ちゃんが同時に体調崩すなんて」
 
善子「え、ええ。でもたまたまじゃない?」
 
ルビィ「……だよね。二人して同じもの食べて当たった、とかじゃないよね?」
 
千歌「それこそあり得ないって。梨子ちゃんと花丸ちゃんの仲を考えたら」
440: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:14:22.79 ID:0uuCGiDB
曜「っていうかあの二人、元からあんな仲悪かった訳じゃないよね?」
 
ルビィ「うん、去年の末くらいから喧嘩するようになったと思います」
 
曜「言い方悪いけどさ、私にはお互いずっと無関心だったように見えたから不思議なんだよね。なんで今更ってさ」
 
ルビィ「そう言われると、確かに花丸ちゃんと梨子さんが話してるのって全然記憶にないですね」
 
善子「曜さんもルビィも何が言いたいのよ?」
 
曜「……いや、私には梨子ちゃんと花丸ちゃんが険悪なのは、善子ちゃんに原因があるように思えるからさ」
 
善子「ヨハネよ! ってどうしてそうなるのよ?」
 
ルビィ「ルビィもどうしてか気になります」
441: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:15:40.51 ID:0uuCGiDB
曜「善子ちゃんってさ、正直今の状況を楽しんでない?」
 
善子「ヨハネっ! そんな訳ないでしょ、馬鹿馬鹿しい」
 
曜「そう? ならいいけど端から見たら、善子ちゃんが二人に色目使ってるように――」
 
千歌「曜ちゃん、ちょっと言い過ぎだよ!」メッ
 
曜「千歌ちゃん……ごめん」ペコッ
 
善子「いいわよ、気にしてないから」
 
ルビィ「ねぇ、ルビィからも一つ聞いていいかな?」
 
善子「いいけど、何さ?」
 
ルビィ「ヨハネちゃんとしては、花丸ちゃんとも梨子さんとも友達でいたいんだよね?」
442: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:16:55.04 ID:0uuCGiDB
善子「……もちろんよ」
 
千歌「まああの二人が勝手に発情してるだけ、な感じはあるけどねっ」
 
善子「……発情ってウサギかい」ハァ
 
曜「とにかく、嫌ならハッキリ告げるべきだからね。『ヨハネと汝は主人と従者の間柄、永久の契りを交わすつもりはない』ってね!」
 
善子「え、ええ。それもそうね」
 
曜「……」
 
その日は通しの練習をするCYaRon!の三人を尻目に基礎トレだけをした
 
練習後ずら丸とリリーにメールを送ったところ、双方から『容態は安定した、明日は大丈夫』という感じの返信が届いた
443: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:18:08.06 ID:0uuCGiDB
翌日になっても、ずら丸の体調は芳しくなかった
 
花丸「はぁ……ふぅ……」
 
善子「大丈夫……じゃないわね、ずら丸」
 
花丸「う、うん。頭くらくらするずら」ハァ
 
お昼時でも
 
よしまる「「いただきます」」
 
善子「ってサンドイッチ一つで足りるの?」
 
花丸「うん。あんまり食べる気しないから」
444: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:19:28.22 ID:0uuCGiDB
クラスメート「変な病気?」
 
クラスメート「ダイエットしてる? 拒食症?」
 
クラスメート「三年の桜内さんって人も同じ症状出てるってさ」
 
クラスメート「確か同じスクールアイドル部の先輩よね?」
 
クラスメート「やっぱ張り合ってんじゃん!」
 
善子「そこ、根も葉もない噂流さないでっ!」
 
ただし、誰もこの症状がつわりによるものだと予想することはなかった
 
【認識阻害】が効いているからだろう
 
【聖ヨハネ福音の書】によれば、【ヨハネの生き血】の効力の一つに『対象が妊娠したと当人達の知人には認識されなくなる』というものがある

『家族や友人や師弟など、対象と強い関係にある者ほど効力が大きく、無関係の者にはそうでもない』ため、医者に診断してもらう分には問題ないというご都合主義的な性質のようだ
 
どうやらこの薬の精製方法が編み出された背景には『良家の婚姻統制により好きな人と自由な恋愛・結婚ができない時代だった』『同性間のカップルに対する風当たりが現代よりも強かった』というものが大きいらしい
445: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:20:41.12 ID:0uuCGiDB
放課後、スクールアイドル部部室
 
善子「ってな訳で、ずら丸は今日も早退させたわよ」
 
千歌「そっか。梨子ちゃんもそんな感じ。『ダイエットしてるの?』って聞いたら『そういう訳じゃないの』って」
 
ルビィ「大丈夫だよね? 花丸ちゃんも梨子さんも」
 
曜「どうだろうね、原因はよくわかってないんでしょ?」
 
善子「ええ。昨日病院で診てもらったそうだけど、原因不明ですって」
 
嘘だけど
 
ルビィ「未知のウイルスに感染した……とかじゃないよね?」
 
曜「それはない……とは言い切れないか」
 
千歌「よっちゃん、心当たりはない?」
 
善子「あればとっくに教えてるわよ」
 
こんな風に【認識阻害】の効力は千歌さん達にもしっかり働いていた
446: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:21:54.22 ID:0uuCGiDB
そしてその週の日曜日に、沼津の市民体育館にて合同イベントが開催されたのだが……
 
控え室
 
千歌「うん、わかった。今はゆっくり休んで」
 
千歌「そんな謝らなくていいって、大丈夫だから。じゃあね」ピッ
 
曜「じゃあ梨子ちゃんも?」
 
千歌「うん、とても出られる状態じゃないって」
 
ルビィ「そんなっ……花丸ちゃんといい、どうしてっ」
 
千歌「仕方ないよ、病気なんだから。わたし、伝えてくるね。『New Guilty Kissは一身上の都合上により、参加を辞退します』って」
 
曜「そうだね、お願い」
 
千歌「いいよね? よっちゃんも」
 
善子「え、ええ」
447: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:23:11.80 ID:0uuCGiDB
曜「ねえ善子ちゃん、本当に心当たりはないの?」
 
善子「ヨハネよ。何度も言うようだけど、知らないわ」
 
言える訳ないじゃない、「つわりよ」なんて
もし言ったところで【認識阻害】が働くから信じてもらえないでしょうし
 
曜「本当に? 私、善子ちゃんが何か隠してるように感じるんだけど」
 
善子「ヨハネっ。言いがかりはよしてちょうだい」
 
曜「だっておかしくない? 善子ちゃんと特別親しかった二人が、ほとんど同じタイミングに同じ症状が出始めるなんて」
 
善子「ヨハネだっての。たまたまじゃないの?」
 
曜「いいや、怪しいな。善子ちゃんが二人に何かしたんじゃ――」
 
ルビィ「やめてあげてよ、曜さんっ!」
 
曜「……ルビィちゃん」
 
ルビィ「花丸ちゃんと梨子さんが苦しんでて、誰よりも辛いのはヨハネちゃんのはずです。だよねっ?」
 
善子「え、ええ。ずら丸もリリーも、私の大切なリトルデーモン……もとい親友なんだから」
 
曜「……ごめん、そうだよね」
448: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:24:32.02 ID:0uuCGiDB
壇上
 
司会『さあさあ会場の空気も温まってきたところで、前回ラブライブ優勝チームaqoursから、CYaRon! の三人が登場だぁ!』
 
観客『うぉーっ!!』
 
ようちかルビ『会場のみんなー、今日はよろしくねー♪』
 
 

司会『続いては前回の東海地区予選にて――』
 
観客『あれ? CYaRon! だけ?』
 
観客『New Guilty Kiss はどうしたの?』
 
観客『2ユニットに分けて歌うんじゃなかったっけ?』
 
観客『私、生ヨハネ様が見れると期待してたのにぃー』
 
客席から不満の声が……しょうがないじゃないの
449: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:25:44.11 ID:0uuCGiDB
他校生徒「失望しましたよ、aqoursのこと」
 
善子「何? 喧嘩でも売りに来たの?」ギロッ
 
他校生徒「ロクに体調管理もできないメンバーが二人もいるなんて」
 
他校生徒「前大会優勝チームでありながら、情けないわね」
 
善子「アンタ達、好き放題言ってくれるじゃないの」
 
他校生徒「一部では有名なんですよ、ヨハネさんのこと」
 
善子「ヨハネ呼びは嬉しいけど、何のことよ?」
 
他校生徒「貴女が今日休んだ二人と二股掛けてたってこと」
 
んなっ!? 
450: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:27:04.13 ID:0uuCGiDB
だからってこんな連中の安い挑発に食って掛かると思ったら大間違いよ!
 
善子「下世話な話なら乗らないわよ」シッシッ
 
他校生徒「内心の焦りが顔に出てますよ」クスクス
 
他校生徒「おおかた二人と″やらしいコト″でもして、アレな病気にでも感染させたんじゃ――ぐっ!?」
 
善子「その言葉、取り消してっ!」キッ
 
他校生徒「乗らないんじゃないんですかぁ?」ニヤリ
 
千歌「ちょっとそこっ! 何やってんのさっ!」シュタッ
 
他校生徒「ちっ……お友達が来たみたいね」
 
他校生徒「じゃあトンズラしますか」ニヤニヤ
 
善子「ふぅ、ほんとヒーローみたいにいい局面で来るのね」フゥ
451: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:28:16.42 ID:0uuCGiDB
曜「あの娘達、市内でも有名な不良校のチームでしょ? よく参加できたよね」
 
ルビィ「そうなんですか……確かに周りの娘達も引いてますもんね」
 
千歌「大丈夫、よっちゃん? 何もされてない?」
 
善子「え、ええ。それはまあ」
 
千歌「そっか、良かった」フゥ
 
ゾウサモナイコトデス、ゾウサモナイコトデス
 
善子「このタイミングでリリーから?」ピッ
 
曜「っていうか何さ、その呼び出し音」
452: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:29:28.84 ID:0uuCGiDB
梨子(TEL)『あ、よっちゃん?』
 
善子「どうしたのよリリー?」
 
梨子『ごめんなさい、休むことになって』
 
善子「千歌さんも言ってたでしょ?『気にするな』って」
 
梨子『う、うん』
 
善子「ずら丸にも伝えたけど、今は自分のことだけ考えてなさい」
 
梨子『そう、よね? うん、わかってる』
 
善子「ところで、どうしてこんな時に掛けてきたのよ?」
453: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:30:41.71 ID:0uuCGiDB
梨子『生配信観てたら、聞こえてきちゃったから。観客のブーイング』
 
善子「……そう、集音機能が高いマイクも困りものね」
 
梨子『ふふっ、ほんとにね』
 
善子「とにかく、今は無理しなくていいんだからね」
 
梨子『うん、それじゃあね』
 
善子「お大事に、リリー」ピッ
 
千歌「今の電話、梨子ちゃんから?」
 
善子「ええ。『休むことになってごめん』って」
 
千歌「そっか、了解」
454: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:32:10.81 ID:0uuCGiDB
曜「でも梨子ちゃんと花丸ちゃんがこのままなら、考えなくちゃいけないよね」
 
ルビィ「何のことですか、曜さん?」
 
曜「いや、ラブライブの予備予選も四人で出ることね」
 
ルビィ「あっ……そう、なりますよね」
 
曜「後は作曲もね。梨子ちゃんが動けないなら、私達四人でやらなくちゃならないかも」
 
千歌「そっか、そうなっちゃうよね」
 
曜「じゃあ、やめる?」
 
千歌「やめないっ! 決まってるでしょ!」
 
善子「流石ね、リトルドラゴンちかちーは」
 
千歌「とにかく、よっちゃんも気にしちゃ駄目だよ。他所から変なこと言われてもね」
 
善子「ええ、ありがとね」
455: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:33:26.10 ID:0uuCGiDB
翌日からずら丸とリリーは学校に来なくなった
担任に確認したところ、どうやらちゃんと休学届けは出しているらしい
 
二人に電話を掛け「放課後に行っていい?」と尋ねたところ『今は一人にしてほしい』と断られてしまった
つわりで精神的に不安定になっている上、イベントに参加できずaqoursのみんなに迷惑を掛けたことが相当堪えているようだった
 
ずら丸に必要なプリント等を届けたりするのはルビィが、リリーに対しては千歌さんがしてくれた
ずら丸ともリリーとも家が離れている以上は仕方なく、以前千歌さんが愚痴っていたように「神を呪いたくなる」心境だった
 
いつしかaqoursは四人なのが当たり前のようになり、ずら丸ともリリーともメールで簡単なやり取りをするだけになった
456: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:34:46.04 ID:0uuCGiDB
よっちゃんルーム
 
善子(本当に神を呪いたく思ってるの? むしろ神に感謝したいのが本音じゃないの?)
 
善子(認めたくないんでしょ? 彼女達を妊娠させたせいで人生を狂わせてしまったことを)
 
善子(正直なところ鬱陶しかったんじゃないの? 恋人面してどこでもベタベタ引っ付こうとしてくる二人が)
 
善子(そうよね。万年発情期の二人がいなくなって、今はすっごい気楽でいられるじゃない!)
 
善子「やめて、やめて、やめてっての!」フルフル
 
私の中の悪魔達が甘言を囁く
 
善子(嫌なら「堕ろせ」って言っちゃえっての。そしたらどっちも絶望して私から離れてくれるから)
 
善子(早くしないと手遅れになるわよ。膨らんだお腹見せつけられてさ)
 
善子(まだ高校生なのにきちんと養ってける訳? あの二人と産まれてくるガキ二人の計四人も)
457: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/25(月) 06:35:57.90 ID:0uuCGiDB
善子「でも……だけど……嫌よ、そんなの……」
 
花丸(ヨハネちゃん……マルのこと、嫌いになっちゃったの……)ウルッ
 
梨子(嫌よ、堕ろしたくないわっ! よっちゃんの赤ちゃんなのよっ!)グスッ
 
それを伝えた時のずら丸とリリーの悲しむ顔がありありと浮かんでくる
 
善子「告げられる訳ないでしょ……ずら丸にも、リリーにも……」
 
何もせず独りでいる時間が怖かった
現実と向き合わないようにするために、毎日試験勉強や予備予選に向けた練習に精を出し、余計なことは考えないように心掛けてきた
 
それでも現実を突きつけられる時は来る訳で……
470: >>1です(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:05:08.55 ID:xU5qnzcc
ずら丸が再び登校したのは二ヶ月後、六月に入ってからだった
 
花丸「おはよう、ヨハネちゃん」
 
善子「来たのね、ずら丸。もう平気なの?」
 
花丸「うん。心配かけてごめんね」ペコッ
 
善子「いいのよ。ところで……少し太った?」
 
制服越しではあるが、ずら丸のお腹はちょっぴりだけぽこっと膨らんで見えた
 
花丸「太ったんじゃないよぅ。これはね、マルとヨハネちゃんの赤――ムグッ!?」
 
善子「わかったから、こういうとこで言わないのっ!」
 
花丸「ぷはっ……ごめんね、ヨハネちゃん」
471: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:07:06.96 ID:xU5qnzcc
善子「というか、そのお腹で授業受けるつもり?」
 
花丸「ううん、今日はちょっと手続きがあって」
 
善子「手続き? 何の?」
 
花丸「これずら」つ封筒
 
善子「これって……退学届け?」
 
花丸「うん。だからヨハネちゃん……マルとこの娘のこと、お願いします」ペコッ
 
善子「えっ……ええと――」
 
キセキダヨー キセキダヨー
 
善子「千歌さんからメール?」ポチポチ
472: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:08:24.25 ID:xU5qnzcc
千歌(メール)『梨子ちゃんもすっかり元気になったよ。「最近また食欲が戻ってきたの」ってさ。 というより逆に少し太ったように見えたけど、リバウンドかな?』
 
善子「リリーも来たのね、良かったわ」フゥ
 
花丸「『少し太った』、ねぇ」ジー
 
善子「ちょっとずら丸、勝手に覗かないでよっ!」
 
花丸「梨子さんも……諦めるつもりはないんだね」ギリッ
 
結局それ以上は何も追及されなかった
 
その日、ずら丸が教室に来ることはなかった
なお千歌さんのメールからリリーも同様だと把握できた
 
認めなくてはならないのか、私がずら丸とリリーを妊娠させてしまったのだという事実を
473: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:09:47.44 ID:xU5qnzcc
その日の晩、千歌さんから『電話してもいい? ちょっと大事な話があるから』とメールが来たので、『OK』と返信しこちらから電話を掛けた
 
千歌(TEL)『もしもし?』
 
善子「ヨハネよ。どうしたの?」
 
千歌『よっちゃん、本当のことだったんだね』
 
善子「いきなり何よ? 本当のことって」
 
千歌『「女の子同士で赤ちゃんができたら」って話』
 
善子「……どうしてそれを」
 
千歌『梨子ちゃんのお腹を見て。で、さっき確認したんだよ』
474: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:11:24.25 ID:xU5qnzcc
千歌さんがことの詳細を語ってくれた
 
千歌「そっか、療養に専念するために学校を」
 
梨子「うん。ごめんね、千歌ちゃん。私もう、スクールアイドルは続けられないから」
 
千歌「ううん、わたしは平気。でもその病気って全然良くなる感じじゃないの?」
 
梨子「うん、ちょっと珍しい病気みたいでね。クラスの娘に移ったら困るからね」
 
千歌「そうなんだ。それよりよっちゃんとは最近どうなの? 毎日やり取りしてる? 電話でもメールでも」
 
梨子「うん、一応週一でメールはしてる」
 
千歌「週一って少なくない? ……まあ部外者が口を挟むことじゃないか。だけどよっちゃんにも『辞める』って伝えてはあるんだよね?」
 
梨子「うん。でも作曲は出来そうだから、aqoursのサポーターとしてこれからもお手伝いさせてくれない?」
 
千歌「もちろん! ありがとね、梨子ちゃん♪」ニコッ
 
梨子「どういたしまして」ペコッ
475: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:13:39.64 ID:xU5qnzcc
そして千歌さんは朝バス停でリリーに会った時から気になっていたことを尋ねたそうだ
 
千歌「ところでさ、単刀直入に聞くけど」
 
梨子「なあに?」
 
千歌「梨子ちゃん、妊娠したの?」
 
梨子「……えっ?」
 
千歌「クラスのみんなは『リバウンドした』とか噂してるけど違うんでしょ? 梨子ちゃんだけじゃなくて花丸ちゃんも」
 
梨子「なっ、なんでそういう発想に至るのよ!?」
 
千歌「違うから、単なる肥満とは」
 
梨子「ちょっ// 何言ってるのよ千歌ちゃんってば」
476: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:15:02.65 ID:xU5qnzcc
千歌「だってお腹は膨らんでるのにさ、頬にも腕にも脚にも脂肪が付いてないんだよ。これってどう考えても太ったとかじゃない」
 
梨子「えっ、ええー」ヒキッ
 
千歌「どうなの? 赤ちゃん出来ちゃったの?」
 
梨子「……う、うん」
 
千歌「やっぱり。どうして誰にも話してくれなかったのさ、そんな大事なこと」
 
梨子「……お医者様以外、誰も信じてくれなかったの」
 
千歌「お母さんも?」
 
梨子「うん。陽性反応が出た検査薬、母子手帳、赤ちゃんが写ったエコー写真、それにこのお腹……どれを見せても」
 
リリーが上着をたくし上げて、妊娠五ヶ月の膨らみ始めたお腹を千歌さんに見せてくれたそうだ
477: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:16:29.14 ID:xU5qnzcc
千歌「うん、えっろ……じゃなくてその張った感じからして間違いないみたいだね。それで……相手は誰?」
 
どこかの不良男に無理矢理″犯された″のではないか、そうでないことを祈りながら確認したそうだ
 
梨子「……ちゃん」
 
千歌「ううん? 聞こえないからもっかい言って」
 
梨子「よっちゃんなのっ!」
 
千歌「ええっ!? よっちゃんとっ!?」
 
梨子「うん。でも信じられないよね? 私だって今でも半分夢なんじゃないかって思うの。いくらよっちゃんと″身体を重ねた″からって、女の子同士で赤ちゃんが出来るはずないんだから」
 
千歌「ってことは時期から推測するに……やっぱり閉校祭の打ち上げの時に?」
 
梨子「う、うん。やっちゃった//」
 
千歌「じゃあきっと花丸ちゃんも同じ日に……」
 
梨子「た、たぶんね」
 
千歌「わたしの家はラブホテルじゃないんだからねっ! 由緒ある旅館なんだからねっ!」
478: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:17:44.03 ID:xU5qnzcc
ということらしい
 
善子「……まさかお腹を見ただけで【認識阻害】を破るなんて。恐るべし妊婦フェチと言わざるを得ないわね」
 
千歌(TEL)『【認識阻害】? 何それ?』
 
善子「そ、それは――」
 
千歌『全部話してもらえる? 梨子ちゃんと花丸ちゃんに何が起こったのか』
 
隠し通す訳にもいかないので、全てを伝えることにした
 
興味本意で【ヨハネの生き血】なる薬品を精製し、自分で飲んでみたこと

その効力によってずら丸やリリーと″えっちなこと″をした結果、二人を妊娠させてしまったこと

またもう一つの効力により、家族やクラスメート達が誰も「二人が妊娠した」と想像すらできなくなることまで
479: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:18:56.63 ID:xU5qnzcc
千歌『ふむふむ、なるほどねぇー』
 
善子「信じてくれるの?」
 
千歌『うん、にわかには信じ難いけどね。でもここ数ヶ月の梨子ちゃん達を思い返したら合点がいくよ。それに――』
 
善子「それに?」
 
千歌『薄い本で見たことある展開だしねっ! かなり長編の』
 
善子「そ、そういう話もあるのね」ヒキッ
 
千歌『案外奥が深いのですよ、妊婦フェチズムだって』フンスッ
 
善子「へ、へぇー」ヒキッ
480: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:20:28.64 ID:xU5qnzcc
千歌『ともかく事情はわかったよ、よっちゃん達が抱えてた問題については』
 
善子「で、千歌さんはどうするつもり?」
 
行動力の塊たる千歌さんが、このまま何もしないでいるとは到底思えない
 
千歌『よっちゃんには悪いけど、わたしなりに動かせてもらうよ。正直なところわたしだけじゃなくて、曜ちゃんもルビィちゃんもうんざりしてるから』
 
善子「……わかってるわ」
 
千歌『本当に? 他人事だと思ってない?』
 
善子「そんなつもりは――」
 
現に五月の合同イベントに参加できなかった等の弊害が出ているのだから
481: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:22:38.02 ID:xU5qnzcc
千歌『今まで悪いと思って伝えないでいたけどさ、いっぱい聞かされてきたんだよ。梨子ちゃんから花丸ちゃんへの悪口』
 
善子「そ、そんな……」
 
千歌『「花丸ちゃんっていったいどういう教育受けてきたの? みんなで大事な話しててものっぽパン頬張ってるし」ってな感じの。これ以上は花丸ちゃんの名誉のため言わないけど』
 
善子「何よそれ……恋敵への最低限の敬意すら忘れたっての?」
 
千歌『やっぱりお互いそう見なしてたんだね』
 
善子「みたいよ。ってことはずら丸も陰口を?」
 
千歌『……うん。ルビィちゃんによると「梨子さんは寛容さが欠けているずら。ちょっとしたことですぐにキレるし。きっとマルや千歌ちゃんを作詞担当だからって見下しているんだよ」ってさ。もちろん梨子ちゃんの名誉のため、もっと酷いのは言わないでおくよ』
 
善子「ずっと気を遣ってくれてたのね。千歌さんも、ルビィも、曜さんも」
482: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:23:40.62 ID:xU5qnzcc
千歌『うん。本当は前みたく今の六人で仲良くやっていきたいよ、友達としてもね。でもこんな状況が続くってのなら、わたしにも考えがあるからね』
 
善子「え、ええ」
 
千歌『明日も手続きのために梨子ちゃんも花丸ちゃんも来るみたいだから、その時に話すよ。いいよね?』
 
千歌さんの声は静かな怒りを含んでおり、もし電話越しでなければ胸ぐらを掴まれててもおかしくはなかった
 
善子「わかったわ」
483: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:25:22.22 ID:xU5qnzcc
シャワーから上がってスマホを確認すると、Twitterに通知メールが届いていた
 
善子「まさか……このタイミングでくるなんてね」
 
ディア(メール)『【ディアマンテ】と申します。フォローしたばかりで申し訳ありませんが、可能ならば【堕天使ヨハネ】さんと一対一で「お話」したいのですがよろしいでしょうか?』
 
怪し過ぎる
彼あるいは彼女の存在は千歌さんから聞いてはいたが、こんな狙ったような時期に接触を図ろうとしてくるとはね
 
ディア『【みかんクイーン】さんから「貴女が大きな悩みを抱えている」と聞きました。微力ではありますが、悩みがあれば相談に応じますよ』
 
善子「やっぱり千歌さんの差し金みたいね」
 
「自分では後輩の悩みを解決する助けにはなれない」、そう判断しこの人に助力を求めたという訳か
 
ヨハネ『わかりました。お願いします』
484: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:26:24.83 ID:xU5qnzcc
ピロリン
 
善子「40秒で!? はっや」
 
ディア『では専用の鍵垢を用意していますのでそちらでお話しましょう』
 
URL込みのメール……相手のプライバシーを守るためのやり方ね
 
ヨハネ『わかりました、こちらも別垢でよろしいですか?』
 
ディア『はい、お願いします』
 
もう一つのアカウント【ヨハネMk-Ⅱ】にて【クレイジーディアマンテ】なる相手との対話が始まった
485: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:28:25.82 ID:xU5qnzcc
ディア『改めてよろしくお願いいたします』
 
ヨハネ『こちらこそ。【みかんクイーン】からどの程度聞いておりますか?』
 
ディア『いえ、特には』
 
善子「部外者にベラベラ喋ったりはしてないみたいね、千歌さん」
 
ディア『ですが、aqoursメンバーの交遊関係を鑑みるになんとなく察しは付いております』
 
ヨハネ『貴方は何者ですか?』
 
ディア『私はただ一人でも多くの方が、いつでも笑顔でいられる世の中を作る手助けをしたいだけです。そしてaqoursに関しては、そこらのにわかファンよりもよっぽど詳しいと自負しております』
 
善子「自信ありげね。案外千歌さんのクラスメートの誰かだったりして」ポチポチ
486: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:29:38.09 ID:xU5qnzcc
ヨハネ『親友二人が険悪な関係なのです』
 
ディア『国木田さんと桜内さんですか? 五月頭の合同イベントにNew Guilty Kissが参加しなかったこととも関係ありますか?』
 
善子「んなっ!? ただ者じゃないわね、コイツ」ポチポチ
 
ヨハネ『はい。というかラブライブ本戦以外もチェックしているんですね』
 
ディア『ええ。スクールアイドル絡みのイベントは一通り網羅しております』
 
ヨハネ『かなりディープなオタクなんですね』
 
ディア『そのつもりです。では本題に入りましょう。ヨハネさん、貴女は国木田さんと桜内さんにどうしてもらいたいのですか?』
 
善子「直球ね。どうしてって……」
487: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:30:53.39 ID:xU5qnzcc
あれ?
 
私はずら丸とリリーにどうしてほしいのだ?
 
今の今まで真剣に考えたことがあったのか?
 
認められたい?
必要とされたい?
傍に居てほしい?
尊重されたい?
愛されたい?
 
だけど肝心の二人は私の一番を巡っていがみ合い、憎み合い、罵り合っている
相手の存在を否定して、「自分だけが津島善子の隣に相応しいのだ」と主張し合っている
 
だけどそれは私のことが誰よりも好きだからこそであって……
488: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:32:05.73 ID:xU5qnzcc
まさか……
気付いてしまった

私の中に隠れ潜んでいた、あまりにも醜悪な本性というものに
 
でも認めたくない
それを認めてしまったら……私はもう二人に合わせる顔がないではないか!
 
きっかり3分経ってから確認のツイートが来た
 
ディア『仲良くなってほしくないのですか? お二人ともヨハネさんにとってかけがえのない親友ではないのですか?』
 
ヨハネ『私もそれを望んでいます』
 
ディア『本当ですか?』
 
善子「ケンカ売ってるの?」ムスッ
 
ヨハネ『本当です』
489: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:33:36.13 ID:xU5qnzcc
ディア『でしたら、なぜ「喧嘩は止めて仲良くして」と訴えないのですか? ヨハネさんをお慕いしているお二人なら聞き入れてくれるのではないでしょうか?』
 
善子「そ、それは――」
 
ずっと猫と犬の喧嘩程度にしか考えていなかったのは認める
だが水面下では陰湿な陰口合戦になっていたのが事実だった
 
ヨハネ『正直なところ、軽く考えていました』
 
ディア『それだけですか? ヨハネさんは大切な人同士が喧嘩しているのを見て「辛い」とか「苦しい」とは感じないのですか? 例えばお母様とお父様が言い争いになれば悲しくなりませんか?』
 
善子「いやに具体的な例えを出してくるわね」ポチポチ
 
ヨハネ『正直なところ、両親が別居中の身には堪えるものがあります』
 
そして次の問いかけこそ、私の本質を見抜いたものに他ならなかった
490: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:34:48.67 ID:xU5qnzcc
ディア『これは私の推論ですが、ヨハネさんは国木田さんと桜内さんが仲良くなることで、お二人の愛情が貴女だけに向けられなくなることを恐れているのではありませんか?』
 
善子「コイツはっ!」ギリッ
 
だからこそ『知ったかぶりも大概にして下さい!』とキレたツイートを送信してしまったのだ
 
ディア『すみません。つい後輩に接していた時のように厳しい物言いになってしまったかもしれません』
 
善子「あっ……」
 
頭に血が上っていたのが少し引いた
これでも向こうはこちらを案じてくれているというのに
 
そういえばaqoursにもこの人みたいにお節介で世話焼きな先輩が、つい数ヶ月前までいたのよね
491: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:36:03.75 ID:xU5qnzcc
ディア『ですが、こうは考えられませんか? 「恋愛感情と友情は別物である」と』
 
ヨハネ『別物ですか?』
 
ディア『はい。例えば桜内さんがヨハネさんを恋慕うようになったからといって、それが理由で高海さんを「どうでもいい」などと見なすようになりましたか?』
 
善子「まーた見てきたかのような例えを出してきたわね」ポチポチ
 
ヨハネ『やけに私達の交友関係に精通してますね?』
 
ディア『少なくとも桜内さんは高海さんに対してピアノ関係で励ましてくれたことへの恩義なり、共にスクールアイドル活動を頑張ってきた同志としての友情は持っているはずです』
 
善子「無視かい。……でも言いたいことはわかってきたわ」
 
わかってしまった
この人が私に一番伝えたかったことは――
492: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:37:16.93 ID:xU5qnzcc
ヨハネ『花丸と梨子が友達になっても私が嫌われたり無視されるようなことはあり得ない、そう言いたいのですか?』
 
ディア『ええ、回りくどくてすみません。古い友人からもよく注意されているというのに』
 
というより、わかっていたはずではなかったのか
前にリリーと千歌さんが……本人達がそういう会話をしていたではないか!
 
ヨハネ『いえ、おかげで大切なことに気付きました。私は皆に謝らなければなりません』
 
私は「好きだ」「愛してる」と好意を向けられて、鼻の下を伸ばしていなかったと言えるのか?
 
そんなずら丸とリリーの気持ちに対して、本気で応えようとしていたのか?
 
″えっちなこと″をして子どもが出来て、それが理由で向き合うのを拒んでいいほどの関係だったのか?
 
そして二人の仲が悪ければ好意が全て私に集中するなどとは、あまりにも自分本位で独善もいいところではないか!
493: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:38:30.97 ID:xU5qnzcc
善子「ぽちゃ専だからどんな人かと警戒してたけど、案外まともな人なのね」
 
ついでに自分の中にある「先入観から生じる偏見」も取り払っていかなければならないだろう
 
ディア『そうですか。aqoursの皆さんなら許し、受け入れてくれるはずです』
 
ヨハネ『はい、ありがとうございました』
 
ディア『かつてaqoursは三人の先輩方が揉めて一度解散した、と聞いております。どうか彼女達の過ちを繰り返さないよう、本音をぶつけて下さい』
 
善子「だからやけに詳しいわねっ!」
 
まさか【ディアマンテ】の正体は……

まあ、憶測でものを語るのはよそう
495: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/26(火) 06:39:42.94 ID:xU5qnzcc
翌日の昼休みに千歌さんからメールが届いた
 
千歌(メール)『曜ちゃんとルビィちゃんは衣装の生地の買い出しでいないから都合がいいかも。【認識阻害】が解けていない二人がいると、余計な混乱が起こるかもしれないからね』
 
『了解』だけの返信メールを送っておいた
 
決着をつけねばならない
私とずら丸とリリー、三人の拗れた関係に
517: >>1です(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 04:51:39.32 ID:BiuLLm+3
放課後、部室
 
善子「んで、ずら丸もリリーも……どうして練習着なのよ?」
 
ボディラインの出る練習着だと、二人のお腹がぽっこりと突き出してきたのがはっきりわかるわね
 
梨子「よっちゃん// ……千歌ちゃんが『後でマタニティヨガのやり方を教えるから』って」
 
花丸「まだ準備体操しかしていないけどね」
 
千歌「これで全員だね」
 
千歌さんがアイコンタクトを取ってきた
 
善子「ええ、関係者は」
518: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 04:53:30.07 ID:BiuLLm+3
梨子「どういうことよ、関係者って」
 
花丸「ルビィちゃんと曜さんは関係ないの?」
 
千歌「うん、これから話す件にはね」
 
梨子「何のこと?」
 
千歌「梨子ちゃんと花丸ちゃんのこと、それ以外に何かあるの?」
 
花丸「そ、それは……」
 
千歌「ないよね? 曜ちゃんもルビィちゃんも誰かを困らせたりしてないからね。それによっちゃんも」
 
りこまる「「……」」
 
真剣モードで淡々と語る千歌さんからは「私だって今までずっと我慢してきたんだぞ」という憤りが伝わってきた
519: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 04:55:18.74 ID:BiuLLm+3
千歌「はっきり言うよ。これ以上色恋沙汰でみんなに迷惑掛けるようなら、もうわたし達aqoursのメンバーには一切関わらないで。梨子ちゃんも、花丸ちゃんも」
 
花丸「何を言っているの、千歌ちゃん? ……冗談だよね?」
 
千歌「冗談じゃないよ、花丸ちゃん」
 
花丸「う、うん」
 
ずら丸が尻込みするほどの冷たい表情を見せる
 
梨子「勝手過ぎるでしょ! 元々誘ってきたのは千歌ちゃんなのにっ!」
 
案の定リリーが突っ掛かる
 
千歌「勝手なのはどっちさっ! わたしだけじゃなくて、曜ちゃんもルビィちゃんもずっと迷惑してたんだからねっ!」
 
梨子「あっそ。だったらもう絶交でいいじゃない。だとして今後、私抜きで作曲できるの?」
 
千歌「……やれなくはないよ。残った四人で協力すればね」
520: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 04:57:15.13 ID:BiuLLm+3
梨子「大した自信ね。やったこともないクセに」
 
善子「ちょっとリリー! いくら何でも――」
 
言い過ぎだ、そう感じたから制止を図った
 
梨子「よっちゃんっ!?」
 
千歌「言いたくないよ……わたしだって、こんなことさ……うっ、ううっ」
 
花丸「千歌ちゃんを泣かせるなんて最低ずらね、梨子さん」
 
どうしてこんな時にまで喧嘩しようとするのだ
 
梨子「は? 役立たずが何を偉そうにっ!」クワッ
 
花丸「うるさいっ! このヒステリー女っ!」クワッ
 
千歌「もう止めてよ……もう――」
521: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 04:57:59.16 ID:BiuLLm+3
善子「いい加減にしてよっ!!」
522: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 04:59:09.57 ID:BiuLLm+3
自分でもびっくりするほど大きな声が出た
 
梨子「よっちゃん……」
花丸「ヨハネちゃん……」
 
昨晩の【ディアマンテ】とのやり取りをしてから、どうするのが最善策かをずっと考えてきた
 
善子「千歌さん、全ての原因は私にあるの。だからずら丸やリリーじゃなくて、私と絶縁すれば丸く収まるわ」
 
千歌「でも、よっちゃんは何も――」
 
梨子「そうよっ! 悪いのはよっちゃんにまとわりつく花丸ちゃんで」
 
花丸「違うずらっ! マルとヨハネちゃんの間に割り込んだ梨子さんこそ」
 
善子「だからそういうのを止めてってのよっ!!」
 
りこまる「「……」」
523: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:00:37.13 ID:BiuLLm+3
千歌「何かあったの?」
 
千歌さんの差し金のクセに
 
善子「【ディアマンテ】って人から言われて気付いたの。私、ずら丸とリリーから求められる感覚に酔ってたんだって」
 
千歌「酔ってたって、どういうこと?」
 
善子「嬉しかったのよ。高校に入るまで友達一人ロクに作れなかった私が、今やこうしてみんなとワイワイやれてることが。そして……特別な感情を向けてくれる人が二人もできたことが」
 
千歌「梨子ちゃんと花丸ちゃんのことだね?」
 
善子「ええ。で、私のことでいがみ合っている二人がもし仲良くなったら『私は二人にとって特別じゃなくなっちゃうんじゃないか?』って恐れてた」
 
己の内に秘められていた醜い感情を当人らにぶち撒ける
524: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:01:49.97 ID:BiuLLm+3
梨子「そんなことないわよっ! よっちゃんは私の『特別』なんだもの」
 
善子「そうね、リリーと千歌さんの関係を考えればわかってたはずなのに」
 
花丸「恋愛感情と友情は別物ってこと?」
 
善子「そっくりそのまま、そう言われたわ。……そしてそこまで言われなくちゃわからない私はどこまで愚かなんだ、って感じたわ」
 
千歌「そんなこと誰にだってあるよ。よっちゃんが特別愚かだなんて思わないな」
 
善子「千歌さん……かもね。でもずら丸とリリーの喧嘩の原因になっていながら、本気で二人も止めようとしないでいた私が一番悪いのは事実よ。だから――」
 
回れ右をして部室を後にしようとすると――
525: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:02:47.96 ID:BiuLLm+3
花丸「ヨハネちゃん」
梨子「よっちゃん」
 
善子「……ずら丸、リリー」
 

りこまる「「行かないでっ!!」」
 

両手を掴んだ二人が縋るような眼差しを向けてきた
 
そんな二人に千歌さんが怪訝な視線を向ける
 
千歌「わかってるの? 梨子ちゃんと花丸ちゃんがよっちゃんを追い詰めたんだって」
 
花丸「……うん、今ならわかるよ」
 
善子「ずら丸……」
526: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:04:48.76 ID:BiuLLm+3
花丸「マルね、『梨子さんに負けたくない』って気持ちばかりが強くなっていたんだ。だってマルは梨子さんと違って人に自慢できるようなもの、何ひとつ持っていないから」
 
善子「そんなことないわよっ!」
 
花丸「ヨハネちゃんはいつだってそう諭してくれたよね。なのにマルはヨハネちゃんの気持ち、なんにも考えていなかった。ヨハネちゃんの懐の広さに惹かれていったはずなのに……」
 
梨子「花丸ちゃん……」
 
花丸「だから悪いのは自分勝手なマルの方。だから――」
 
千歌「うん、花丸ちゃんの気持ちはわかったよ。で、梨子ちゃんも何か言うことはある?」
527: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:05:53.25 ID:BiuLLm+3
梨子「私は逆に花丸ちゃんを自分よりもずっと下に見てた。それは単に運動や作曲が出来ないからってだけじゃなくて、何の『特別』も持ってないってことに」
 
善子「ライラプスの件?」
 
梨子「うん。あの経験を通して、『私とよっちゃんは運命の赤い糸で結ばれてたんだ』って信じるようになったの。それで私こそが……私だけがよっちゃんに相応しいんだ、って花丸ちゃんを見下してたの」
 
花丸「梨子さん……」
 
梨子「だからね、本当に悪いのは自分を特別扱いしてた私の方」
 
ずら丸は嫉妬心から
リリーは軽蔑心から
お互いを攻撃し続けていたという訳か
 
千歌「……そっか。でも今は梨子ちゃんも花丸ちゃんも『自分が悪かった』って思ってるんだよね? その言葉に嘘はない?」
 
りこまる「「もちろん」」
 
二人の声が一つに揃った
528: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:06:45.56 ID:BiuLLm+3
千歌「わかったよ、信じる。だって二人とも、一年間ずっと一緒に頑張ってきた仲間だもんっ!」
 
善子「全く……相変わらず甘いのね千歌さんは」
 
千歌「まあねっ。それともちろんよっちゃんもねっ♪」
 
善子「って私も!? でも原因を作ったのは――」
 
千歌「それを言ったら知らん顔して茶化してきたわたしも曜ちゃんもルビィちゃんも、みんな悪者になっちゃうんだけど?」
 
善子「……そこは否定できないわね」
 
千歌「でしょ。だから今回は誰か一人が悪かったんじゃなくて、みんな悪かったってことで。三方一両損ならぬ六方一両損だね」
 
善子「くくっ、何よその例えは」
 
千歌「ってな訳で謝れる? 梨子ちゃんも花丸ちゃんも」
 
りこまる「「うん」」
529: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:07:47.73 ID:BiuLLm+3
花丸「梨子さん……今までのこと、ごめんなさい」
 
梨子「花丸ちゃん……私の方こそ、ごめんなさい」
 
そして泣きながら二人が抱き合った
 
善子「ずら丸、リリー……私こそ、悪かったわ。うっ、ううっ……」
 
しばらくの間、女三人で抱き合って泣き続けた
530: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:08:54.96 ID:BiuLLm+3
落ち着いたところで私達三人は千歌さんの前に正対した
 
千歌「五ヶ月だからね、もう堕ろせないよ」
 
善子「わかってるわ」
 
千歌「その間どっちにも『堕ろせ』って言わなかったのは、梨子ちゃんも花丸ちゃんも同じくらい大切だからってことだよね? よっちゃんにとって」
 
善子「ええ、悪い?」
 
千歌「悪くはないよ。でもやってける? もちろんわたしもできる限りは何でも協力するつもりだよ」
 
善子「リトルドラゴンちかちー……この私を誰だと思ってるの?」
 
千歌「はっ、偉大なる堕天使ヨハネ様でございます」
 
千歌さんがわざとらしく跪く
 
善子「そうよ、堕天使は強欲なのよ! そしてそなたの忠義に感謝する」
531: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:10:18.46 ID:BiuLLm+3
花丸「ふふっ、久しぶりに聞いたなぁヨハネ節」
 
善子「ヨハネ節言うなっ!」
 
梨子「いよっ、よっちゃんかっこいいー♡」
 
善子「リリーも茶化さないでっ! ともかくリトルデーモンの二人くらい、このヨハネが幸せにしてみせるわよっ!」
 
千歌「もうすぐ四人になるけどねっ♪」
 
善子「揚げ足取らないでよっ!」
 
花丸「確かに千歌ちゃんの言う通りずらね」
 
千歌「でしょ? でもよっちゃんはわたしみたいな甲斐性なしじゃないから、なんとかなるって!」
 
梨子「千歌ちゃんとよっちゃんじゃ色々器が違うもんね」
 
千歌「ううっ、他人から言われると傷付くんですけど」
532: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:11:20.27 ID:BiuLLm+3
善子「ふふっ、そうみたいね。曜さん、この前千歌さんをヘタレ呼ばわりしてたわよ。『いつになったら手を出してくれるのかな?』って」
 
千歌「ええっ!? わたしはあくまで曜ちゃんが大切だから――」
 
善子「そこがヘタレなのよ」
 
千歌「くっ……経験者はかく語りきってヤツかよっ!」
 
梨子「あっ、噂をすればなんとやら」
 
両手に大きな買い物袋を持った曜さんとルビィがこちらに歩いて来る
 
曜「ただいまー」
 
ルビィ「って四人ともおめめが真っ赤だよっ、泣いてたの?」
 
善子「謝るべきよね? あの二人にも」
 
花丸「もちろんずら。……大丈夫だよね?」
 
千歌「大丈夫だよ」
533: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:12:23.16 ID:BiuLLm+3
よしりこまる「ごめんなさい」
 
ルビィ「よくわからないけど、三人が仲直りできたならルビィも嬉しいよっ」
 
花丸「ありがとうずら、ルビィちゃん」
 
曜「本当に和解できたかどうか見てるからね。私も、千歌ちゃんも、ルビィちゃんも」
 
梨子「うん、わかってる」
 
千歌「じゃあこれにて一件落着だねっ♪」
 
曜「そういえば千歌ちゃん、唐突に『ヨガを始めよう』って言い出したのはどうして?」
 
ルビィ「ルビィもそれは気になるなぁ」
 
千歌「そりゃもちろん梨子ちゃんと花丸ちゃんが妊し――ムグッ!?」
 
善子「なんで口にしちゃうのよっ!」
534: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:13:25.47 ID:BiuLLm+3
ようルビ「「ぷぷっ、あはははっ!」」
 
ちかよし「「あれ?」」
 
曜「冗談キツいよ、千歌ちゃん」
 
ルビィ「花丸ちゃんも梨子さんもリバウンドしただけ……ですよねっ?」
 
花丸「うん、休学中に食べ過ぎちゃった……ずら//」
 
梨子「私もちょっと自己管理が甘くて//」
 
千歌「これが【認識阻害】の効果なの?」
 
善子「みたいね。信じる他ないでしょ、こうハッキリ効力を見せられると」
 
その日は六人でヨガをやってお開きとなった
535: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:14:28.75 ID:BiuLLm+3
よっちゃんルーム
 
善子「さてと、【ディアマンテ】にも連絡しときますか。どうせ【みかんクイーン】から連絡受けてそうだけどね」ポチポチ
 
ヨハネ『ありがとうございました、【ディアマンテ】さん』
 
ディア『国木田さんと桜内さんを仲直りされられたのですね?』
 
善子「相変わらず反応早いわね」

ヨハネ『ええ、一応』
 
善子「まあ曜さんの言う通り、ずら丸とリリーのことはこれからも注意深く見守っていく必要はあるけどね。今は要観察……って千歌さんみたくダジャレになっちゃったわね」
 
ディア『そうですか。こちらこそお役に立てて光栄です』
 
これで二人の話はおしまい
 
……そう思った矢先だった
536: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:15:39.55 ID:BiuLLm+3
ディア『ところで、ヨハネさんは何フェチですか?』
 
善子「はい?」
 
想定外過ぎる質問に呆然としてしまう
 
ヨハネ『と言いますと?』
 
ディア『女性のどんなところに性的な魅力を感じるのか、ということです。例えば髪一つ取ってみても艶、匂い、髪質、あるいは掻き上げる仕草……色々ある訳です』
 
善子「そう言われると私、ずら丸やリリーのどこに惹かれたのかしら?」ポチポチ
 
ヨハネ『わからないんです』
 
ディア『と言いますと?』
 
善子「オウム返しね」ポチポチ
537: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:16:45.95 ID:BiuLLm+3
ヨハネ『花丸も梨子も美人ですが、特別容姿や仕草にドキッとしたことはないんです。一緒に居て落ち着いたり、逆にドキドキしたりというのはあります。たぶん心を好きになったのですかね?』
 
ディア『心ですか。なるほど、いいですね。わざわざ修羅道に堕ちる必要もありませんしね』
 
善子「修羅道ってそれ、カッコよくない? 今度ずら丸と一緒に和風堕天使、もとい鬼について研究してみるのもアリかもね」ポチポチ
 
ヨハネ『そうですね。ぽっちゃりイラストが万人受けしないのは確かですものね』
 
ディア『重々承知しております。ですが自分の大好きを貫くことが大切なのです』
 
ヨハネ『そうですね』
 
【ディアマンテ】から別れのツイートが送られてきた
538: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:17:33.37 ID:BiuLLm+3
ディア『では失礼します。妹もこれで安心して眠れるでしょう』
 
善子「妹っ!? まさか……」
 
ヨハネ『私達の関係について妹さんから知らされていたのですか?』
 
aqoursの中で姉がいるのは千歌さんとルビィの二人
つまり【ディアマンテ】の正体として単純に予想できるのは三人

ただし、私のクラスメート誰かしらの姉という可能性だって無きにしも非ずな訳で……
539: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:18:29.24 ID:BiuLLm+3
ディア『はい、東京に行った後でも毎日やり取りしています』
 
『東京』、この単語一つで確定しました
 
善子「こういう些細なツイート一つで身元バレって起こるものなのね、怖い怖い」ポチポチ
 
ヨハネ『いい妹さんですね』
 
ディア『はい、自慢の妹です』
 
善子「ルビィも色々動いてくれてたって訳ね、悪いわね」ポチポチ
 
ヨハネ『では改めてありがとうございました。失礼します』
 
このSNS社会では誰もが幾つもの仮面(ペルソナ)を使い分けて生きている
その仮面を無理矢理引き剥がそうとするのは礼儀知らずというものだ
 
善子「……これ以上追及するのはよしときましょうか」
540: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:19:32.84 ID:BiuLLm+3
こうして私とずら丸とリリー、三人の女達のいざこざは無事決着がついた
 
この間に私達は多くのことを感じ、考え、学び、反省してきた
 
私達はこれから人並み以上に多くの問題に直面していくに違いない
 
それでも……
 
花丸「ヨハネちゃん♡」
 
梨子「よっちゃん♡」
 
りこまる「「愛してるよ、ずっと♡」」
 
善子「ええ。二人とも、愛してるわよ♡」

三人一緒なら乗り越えられる。私はそう信じている
541: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/06/27(水) 05:20:37.08 ID:BiuLLm+3
`¶cリ˘ヮ˚)| 第一部は終わりよ
 
ノcリ,,・o・,,ル 第二部は″よしまる編″と″よしりこ編″、そして――
 
メイ*^ _ ^リ みんな大好き″ハーレム編″に続きます♡
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2018年5月26日
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(海外のデータ取り扱いに関する法律が変わる事に対応する為の再確認の様です)