善子「ずら丸&リリーとの幸せマタニティライフ」

シェアする

善子-アイキャッチ4
1: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:23:31.60 ID:Hbuyy/hz
从c*•ヮ•§ 前回の!
 
ノcリ,,^o^,,ル `¶cリ^ヮ^)| メイ*^ _ ^リ ボテライブ! 産シャイン!!  \デデーン!/
 
从c*•ヮ•§ 【ヨハネの生き血】なる薬を飲んだ善子は、花丸や梨子と″えっちなこと″をしたせいで、なんと二人を妊娠させてしまう
 
ノcリ,,//o//,,ル できちゃった、ずら♡

メイ*// _ //リ 責任、取ってくれるわよね♡

从c*;ーヮー§ そんな二人がつわりのせいでイベントに出場できなかったり、善子の一番を巡って口論になったり、お互いの陰口を言ったりで、徐々にaqours全体の空気が悪くなってしまう
 
メイ*#` ◇ ´リ ムッキー
 
ノcリ#,,`o´,,ル ずっらー
 
从c*^ヮ^§ 千歌や謎の人物【ディアマンテ】の助言によって真実の愛に目覚めた善子は、自らのエゴを懺悔した上で「二人に仲良くしてほしい」と訴え、無事花丸と梨子は和解したのであった
 
`¶cリ˘ヮ˚)| リトルデーモンの二人くらい、このヨハネが幸せにしてみせるわよっ!
 
从c*^ヮ^§ もうすぐ四人になるけどねっ!
 
从c*•ヮ•§ それから二ヶ月が過ぎ、わたし達は夏休みを迎えたのであった

※ 前作記事へのリンクです(管理人)

善子「……ずら丸とリリーを孕ませてしまった」

元スレ: 善子「ずら丸&リリーとの幸せマタニティライフ」

スポンサーリンク
2: ノcリ,,・o・,,ル ″よしまる編″ずら(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:24:44.51 ID:Hbuyy/hz
七月末、津島さんのお宅
 
ピンポーン
 
善子「来たわね」
 
花丸(インターホン)『もすもす』
 
善子「鍵なら開いてるわよ」
 
ガチャッ
 
花丸「おはようずら、ヨハネちゃん♡」
 
善子「ごきげんよう、我が″黄昏の理解者″よ。ってずら丸一人でここまで?」
 
花丸「ううん、梨子ちゃんと千歌ちゃんもバス停まで一緒だったんだ」
 
善子「そう、あの二人も……ってなんで千歌さんもっ!? 『何でも協力する』とは言ってたけど、まさか──」
3: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:25:51.97 ID:Hbuyy/hz
花丸「ヨハネちゃん、もしかして『梨子ちゃんを千歌ちゃんに取られた』とでも思ったんじゃ」
 
善子「ギクッ!? 前々から思ってたけどずら丸ってもしかしてテレパス?」
 
花丸「マルはヨハネちゃんの″黄昏の理解者″ずらよ」ズランッ
 
善子「だからって──」
 
花丸「冗談だよ。ヨハネちゃんが顔に出やすいだけずら」
 
善子「ぐぬっ!? それは気を付けなくちゃね」
 
花丸「千歌ちゃんはベビー用品の買い出し、その付き添いだよ」
 
善子「リリーの荷物持ちって訳? まあ、あの歩くたまごクラブならアドバイザーとしてうってつけかもね」
 
花丸「そういうこと。それに千歌ちゃんには曜さんがいるし」
 
善子「それもそうね。浮気なんてしようものなら曜さんに刺されてもおかしくないわね」
 
花丸「とにかく今日はマルと一日よろしくね♡」
 
善子「ええ」
4: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:27:02.28 ID:Hbuyy/hz
屋外、バス停付近
 
花丸「エレベーターがあって助かったずらぁ~」
 
善子「たかだか四階なのに?」
 
花丸「むうっ」
 
善子「しっかし……文字通りまるまるっと丸くなったわね」
 
http://q2.upup.be/f/r/HIdyFzTWmA.jpg
1531077811-レス4-画像

花丸「うん。つわりが終わったら、また前みたくたくさん食べたくなってね……そうしたら毎日少しずつ大きくなっていったの」お腹ナデナデ
 
善子「良かったわ、経過は順調みたいで」
 
花丸「でもこんなに大きくなるなんて思わなかったなぁ」
 
善子「恥ずかしくないの? そのタヌキの置物みたいなお腹で」
5: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:28:05.35 ID:Hbuyy/hz
花丸「デリカシーのない例えはやめるずらぁ// 『太ったね』って何回からかわれたことか。……本当は『おめでとう』って祝ってもらいたかったのに」
 
善子「お腹が大きくなったこと自体は恥ずかしくないのね?」
 
花丸「うん。だって大好きなヨハネちゃんの子どもなんだよ♡」お腹サスサス
 
善子「ずら丸// ちょっと照れるじゃないの」
 
花丸「前に教えてもらった【認識阻害】のせいなんだよね? お医者さん以外は誰もマルが妊娠したのを信じてくれないのって」
 
善子「ええ。例外もあるけどね」
 
度を超えた妊婦フェチの千歌さんとか
 
花丸「そうなんだね。人の理を無視して産まれてきた子でも、マルは大切に育ててあげるからね」お腹ナデナデ
 
善子「人の理を無視……確かにそうなるわね。だけどエコーとかでも異常は見つかってないんでしょ?」
 
花丸「うん、問題ないよ」
 
善子「なら平気ね。とにかく半年分の埋め合わせはするわ! まずはどこへ行きたい?」
 
花丸「つわりを乗り越えたら、ヨハネちゃんと一緒に行こうって決めていたところがあるんだ♪」
 
善子「わかったわ、地獄の果てだろうが付き合うわよっ!」
6: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:29:06.97 ID:Hbuyy/hz
沼津駅前でバスを降り、私達は真新しい喫茶店の前まで歩いた
 
花丸「ここずら」
 
善子「なんていうか……普通の女の子が入るのを躊躇いそうな雰囲気ね。このヨハネが言うのもアレだけど」
 
【ナイトメアスイーツ】ねぇ
 
花丸「でもヨハネちゃんとしては好きそうな店でしょ?」
 
善子「ま、まあね」
 
花丸「じゃあ行くずら♪」
7: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:30:10.00 ID:Hbuyy/hz
カランコロン♪
 
店員「よくぞお戻りになられました、魔王閣下に女皇陛下!」グルル
 
花丸「うむ、くるしゅうないぞ。リトルデーモン諸君!」
 
善子「ええー!? 狼男ぉーっ!?」
 
花丸「あれ? ヨハネちゃん、こういうの好みじゃなかったの?」
 
善子「メイドカフェとか執事喫茶の亜種なの!? ここって」
 
花丸「そうみたいずらね」

店員「では魔王閣下と女皇陛下のお席はこちらでございます」
 
花丸「うむ」
8: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:31:11.98 ID:Hbuyy/hz
善子「和洋折衷過ぎでしょ、この店! 吸血鬼にフランケンどころか、雪女に河童みたいなのもいるし」
 
花丸「でもヨハネちゃんの堕天使設定も、結構多方面の神話や宗教から取り入れているし」
 
善子「うそっ!? もしかして元ネタ把握してたりする訳?」
 
花丸「何度も言うけどマルは″黄昏の理解者″ずらよ。ほらっ♪」つメモ帳
 
善子「ええと【堕天使ヨハネ語録】っ!?」
 
花丸「うんっ♡」
 
善子「……なんか言った覚えのある言葉と、その解説がズラリと」
 
店員「魔王閣下、それと女皇陛下。我々は何を捧げればよろしいでしょうか?」
 
善子「えーと、魔王閣下ってのは私で、女皇陛下はこっち?」ずら丸ユビサシ
 
店員「さようでございます、閣下」グルル
 
善子「ううーむ、人間界の共通語で頼む」
 
他人がそういうモードで話しかけてくるとむず痒いものね
9: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:32:18.34 ID:Hbuyy/hz
店員「かしこまりました。では……ご注文はお決まりですか?」
 
善子「あー、そこからなのね」
 
花丸「はい、【愛の双頭巨人パフェ】をお願いします」
 
善子「何を頼むかも決めてたのね」
 
にしても微妙なネーミングセンスね
 
店員「【愛の双頭巨人パフェ】ですね、かしこまりました。お飲み物は何にいたしますか?」
 
花丸「オレンジジュースで。ヨハネちゃんは?」
 
店員「彼氏さん? もしもし、彼氏さーん?」

善子「って私のことっ!?」
 
店員「他に誰がおります?」
 
【認識阻害】の同性間恋愛を隠匿する効果のせいで、私は男性に見えてるって訳ね
 
善子「すみません」
 
店員「こちら【愛の双頭巨人パフェ】は、お二人で食べられる用のメニューでして」
 
善子「ああ、そういうことね。じゃあ私はエスプレッソで」
 
店員「オレンジジュースにエスプレッソですね。かしこまりました」
10: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:33:21.38 ID:Hbuyy/hz
善子「そういうメニューなら最初に言ってよね」
 
花丸「ごめんね、ヨハネちゃん。でも気になっていたでしょ?」
 
善子「ま、まあね」
 
花丸「しかもカップルで入店しないと注文できないんだよ」
 
善子「だからなのね、『一緒に』って決めてたのは」
 
花丸「うんっ♡ それにこれね、30分で完食できたら半額になるんだよ」
 
善子「タダじゃないのね、ケチ臭い」
 
花丸「だから一緒に頑張ろうねっ♪」
 
善子「別に頑張る必要は──」
 
花丸「あるよっ!」クワッ
 
善子「どうしてよっ! ゆっくりでいいじゃないのっ!」クワッ
11: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:34:23.16 ID:Hbuyy/hz
花丸「これ、欲しいんだ」ユビサシ
 
善子「副賞として黒猫のストラップ、ねぇ」
 
花丸「駄目、かな?」
 
善子「わかったわよ、そういう理由なら一肌脱ぐわ。にしてもずら丸ってホント猫好きよね~、練習着といいストラップといい」
 
花丸「うんっ、にゃ~ん♡」
 
善子「ふふっ、あざといっての。案外ずら丸が猫派だったから、犬派のリリーと険悪だったのかもね」ニコッ
 
花丸「流石にそれは関係ないと思うなぁ」
12: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:35:40.59 ID:Hbuyy/hz
店員「お持ちいたしました」つパフェ
 
善子「でっか」
 
http://q2.upup.be/f/r/s7J5WDrMup.jpg
1531077811-レス12-画像
 
※イメージです
これは東京武蔵小山の某ケーキ喫茶のものであり、重さ約3.5kg、高さ約50cmもあるそうです
 
店員「では、カウントを始めますね」
 
よしまる「「いただきます」」ペコッ
 
花丸「はむっ……んん~っ、うまいじゅらぁ~♡」
 
善子「いい食いっぷりね~」
 
花丸「ヨハネちゃんも早く食べるずらぁ」モグモグ
 
善子「わかってるわよ。はむっ」
 
花丸「どう?」

善子「んん~っ♡ ヨハネ、昇天しちゃう~っ♡」
 
花丸「よかったぁ」ニコッ
 
善子「これなら毎日でもイケるわね」
 
花丸「もっとゆっくり食べた方がいいよ」
13: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:36:42.52 ID:Hbuyy/hz
15分後
 
善子「うっぷ」
 
花丸「ほらね、言わんこっちゃない」
 
善子「でも……2/3は胃の中に納めたわよっ、げふっ」
 
花丸「そうだね、あと一息ずら」
 
善子「っていうかずら丸は平気なの?」
 
花丸「うん。マラソンと同じだよ、自分のペースを崩しちゃ駄目ずら」
 
善子「この量ならもう、ずら丸一人でいけるんじゃ──」
 
花丸「駄目だよ、ヨハネちゃんもあとちょっとは食べないと」
 
さくらーふぶーきのー♪
 
善子「ううっ、サライが聞こえてきた……」
 
花丸「うん、実際に流しているからね」
 
善子「ノリいいわねー、このお店!」
14: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:37:44.00 ID:Hbuyy/hz
残り3分でなんとか完食できた
 
よしまる「「ごちそうさまでした!」」ペコッ
 
善子「どーよっ! ヨハネの胃袋は天界より広いのよっ!」
 
花丸「お疲れ様、ヨハネちゃん♪」
 
善子「食事で『お疲れ様』ってのはどうなのよ?」
 
店員「おめでとうございます! 今景品をお持ちいたしますね」
 
花丸「お願いします」
 

花丸「美味しかったね♡」
 
善子「……しばらくはイチゴもチョコも視界にすら入れたくないわ」
 
花丸「ごめんね、ヨハネちゃん。無理なお願いして」
15: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:39:06.91 ID:Hbuyy/hz
善子「気にすることないわよ、たまにはイイとこ見せたいしねっ!」
 
花丸「ヨハネちゃん//」
 
店員「どうぞ」つストラップ
 
花丸「はい、ありがとうございます」ペコッ
 
花丸「ヨハネちゃんもありがとね」ニコッ
 
善子「どういたしまして」
 
花丸「ヨハネちゃんだと思って大事にするね、この子」
 
善子「それはまた大層なことで」

まあずら丸の喜ぶ顔が見られたなら頑張った甲斐があったというものか
16: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:40:08.26 ID:Hbuyy/hz
会計を終え、【ナイトメアスイーツ】を後にした
 
善子「しかしケロっとしてるわね、ずら丸は。一人で2/3は食べたでしょうに」
 
花丸「うん、もうちょっとなら食べられそう」
 
善子「時間制限がなかったら一人でもイケてたんじゃない?」
 
花丸「ふふっ、かもね」
 
善子「やっぱりつわりが終わってから食べる量増えたの?」
 
花丸「そうだね、いつもの倍くらいになったかも。気が付いたらおせんべいとか、一人で一袋丸々食べちゃったこともあるし」
 
善子「妊娠してるからって食べ過ぎちゃ駄目よ。産後太りで体型が戻らないって人も多いみたいだから」
 
花丸「……気を付けるずら」
17: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:41:09.57 ID:Hbuyy/hz
10分ほど腹ごなしに歩いて、目的地の公民館へ着いた
 
善子「児童図書館なんていつぶりかしらね」
 
少年「あべっく~」
 
花丸「アベックだって、ヨハネちゃん♡」
 
善子「無視よ無視。っていうか本の配置、相当変わったのね」
 
花丸「10年以上前だからね、最後に来てから」
 
善子「そうなの? 私は中学の時、神話とか調べに来てたから」
 
花丸「そうなんだ。ヨハネちゃんって勉強熱心だよね」
 
善子「一応ママが先生だしね、調べ物自体は嫌いじゃないわ。というか意外だわ、ずら丸こそよく利用してそうなのに」
 
花丸「マルの場合は欲しくなったらすぐに買っちゃうからね」
 
善子「ルビィが呆れてたわよ。『お金は大丈夫なの?』ってね」
 
花丸「だからまずは借りて読んでみてから買うって決めたんだぁ。この娘が産まれてきたら、たくさんお金が掛かるから」お腹ナデナデ
 
善子「……そうね、今度の資金繰りも考えておかなくちゃね」ハァ
18: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:42:12.58 ID:Hbuyy/hz
絵本コーナー
 
善子「うっわー【はらぺこあ○むし】とか懐かしー」
 
花丸「うーん、これと、あとこっちも借りていくかなぁ?」
 
善子「って何冊借りるつもりよっ! 持つの私なのにっ!」
 
花丸「借りられるだけだから……10冊ずら」
 
善子「そんなにっ!? 一度に借りてく必要あるの?」
 
花丸「うん、ちょっと参考にしようと思ってね」
 
善子「参考? 何の?」
 
花丸「絵本作り、始めようと思っているんだ」
 
善子「絵本作り? 今だって4コマ描いてるのに?」
 
ずら丸が月一で描いてるaqoursの活動記録を兼ねた4コマ漫画は、メンバー全員の間で好評なのよね

花丸「うん。将来絵本作家を目指すのもいいかなー、ってね」
 
善子「悪くはないけど小説とかと比べてレベル下がるんじゃ──」
19: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:43:13.58 ID:Hbuyy/hz
花丸「甘く見ちゃいけないよっ!」クワッ
 
善子「ずら丸っ!? 大声出しちゃ駄目でしょ」
 
花丸「あっ……ごめんね、ヨハネちゃん」
 
善子「……まあ他に人いなかったみたいだし、気を付けなさい」
 
花丸「うん。だけど子どもはね、ガワだけ繕っている薄っぺらい話はすぐ見破るんだからね!」
 
善子「具体的には?」
 
花丸「女の子をいっぱい出してきゃっきゃうふふ~♡ させておくだけのお話とか、格好いい男の子にそれっぽいキザな台詞を言わせるだけのお話とか」
 
善子「その発言、多方面に喧嘩売ってるわよ」
 
花丸「そうかな?」
 
善子「そうよ。で、どんな話にするつもり?」
20: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:44:14.51 ID:Hbuyy/hz
花丸「マルがスクールアイドルをしていて思ったこと、感じたことを伝えていくお話」
 
善子「抽象的過ぎない?」
 
花丸「いっぱいいっぱいあるからね、伝えたいことって。でもまずは梨子ちゃんと喧嘩して、仲良くなるまでのことをお話にしたいの」
 
善子「リリーとの喧嘩ねぇ。確かに私達三人とも、色々考えさせられたものね」
 
花丸「でしょ? マル達みたいな悩みを抱えている人にこそ読んでもらいたいなぁ、って思っているの」
 
善子「ガチな三角関係の話なんて、それこそきゃっきゃうふふ~♡ なライトノベルでも滅多に見ないと思うけど?」
 
大概ヒロインが雪だるま式に増えていくから、三角どころでは済まないからなのよね
 
花丸「別に二股がどうとかってだけじゃないずら」
 
善子「そうでしたね、悪かったわ。で、どんな風にしたいって考えてるの?」
21: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:45:16.83 ID:Hbuyy/hz
花丸「主人公は二人のネズミさんで、題名は【りりとずら】」
 
善子「まんま【ぐりと○ら】じゃない! 元ネタの作者から訴えられるわよっ!」
 
花丸「……それもそうだね」
 
善子「著作権侵害の賠償金ってかなりの額になるみたいだからね、そのタイトルで出版社に持ち込もうとだけはしちゃ駄目だからねっ!」
 
花丸「う、うん。それじゃあヨハネちゃんなら、どんなお話にするの?」
 
善子「ククク、そうね【かいけつヨハネとゆかいなリトルデーモン】なんてのは──」
 
花丸「それも【かいけつゾロ○】のモロパクずら」
 
善子「いいでしょ! そんな咄嗟に浮かぶもんじゃないし、持ち込むつもりもないし」
 
花丸「それで、どんなお話なの?」
 
善子「一応聞いてはくれるのね」
 
花丸「うんっ」
 
花丸「だいたい想像はつくけれどね」ボソッ
22: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:46:28.64 ID:Hbuyy/hz
善子「決まってるでしょ? クールでチャーミングな堕天使ヨハネ様が──」
 
花丸「キツネの」
 
善子「だから元ネタから離れてっ! 部下のずららとりりりを従えて共に──」
 
花丸「マルと梨子ちゃんずらね、やっぱりイノシシの」
 
善子「だーかーらー! どうして話の腰を折ろうとするのよっ!」
 
花丸「いや、だってヨハネちゃんから『どうぞご自由に突っ込んで下さい』オーラが出てたから」
 
善子「えっ!? ずっとそんなの出てたの? だからずら丸やリリーを始め、誰も彼もが親しくなるとどんどんツッコミが激しくなるのね」ウルッ
 
花丸「冗談ずら」
 
善子「わかってましたよ、ふーんだっ!」ムスッ
 
花丸「それで続きは?」
23: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:47:30.11 ID:Hbuyy/hz
善子「ヨハネとずららとりりりの三人組が、行く先々で起こるトラブルをズバッと解決していく愉快痛快ファンタジーなの!」
 
花丸「ふむふむ」
 
善子「で、助けられた人達はみーんなヨハネに魅了されてリトルデーモンになっちゃうのよ!」
 
花丸「改悪乙ずら」
 
善子「しつこいっての!」
 
花丸「だって元ネタだと吹っ飛ばされてもオナラでUターンしたり、崖から落ちても霜焼けで鼻が膨らんだおかげで木に引っ掛かったりするんだよ」
 
善子「今思い返せばくっだらないを通り越して、よくそんなネタが浮かんだって感心するわね」
 
花丸「でしょ? こういうセンスを出せるようになりたいなぁ」
 
善子「プロ目指すつもり?」
24: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:48:31.63 ID:Hbuyy/hz
花丸「やるからにはね。でも今は『この娘達のために』って考えているけどね」
 
善子「確かにいきなりってのは厳しいものよね」
 
花丸「でもいつかはちゃんと本屋さんに並んで、ここや図書館でも貸し出されるような絵本を作って、一人でも多くの人に読んでもらいたいなぁ」
 
善子「なかなか大層な夢ね」
 
花丸「うん。スクールアイドルやっているうちに、欲が出るようになったのかなぁ?」
 
善子「別にいいんじゃない? 夢はデカくなけりゃつまらないでしょ?」
 
花丸「○たま乱太郎?」
 
善子「そうよ、アレも昔はよく観てたものよ」
25: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:49:38.50 ID:Hbuyy/hz
花丸「ヨハネちゃんって案外、小さい子向けの漫画やアニメ好きだよね?」
 
善子「そうかもね。たまにドラ○もんとかクレヨン○んちゃんとか見ると結構面白くない?」
 
花丸「うん、あるある」
 
善子「今度映画のDVD借りてきて一気見でもするかしら?」
 
花丸「いいかもね、そういうのも。小さい子が何に惹かれるのかの勉強になるかも」
 
善子「ずら丸も相変わらず勉強家なのね」
 
花丸「そうかも。でも欲張りなマルもこれで、ヨハネちゃんや梨子ちゃんと一緒に地獄行きずらね」
 
善子「って私とリリーは地獄行き確定な訳ぇ!?」
 
花丸「だって堕天使なんだから神様が受け入れてくれる訳ないずら」
 
善子「クックックッ、まあねっ☆」
26: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:50:39.48 ID:Hbuyy/hz
善子「ずら丸ってさ、おっとり屋さんの割には案外負けず嫌いなとこあるわよね?」
 
花丸「そう……かもね」
 
善子「実はaqours一番だったりして」
 
花丸「流石にそうではないよ」
 
善子「どうして?」
 
花丸「だってマル、みんなと違ってまだなんにも凄い結果、出せていないんだから」
 
善子「ラブライブで優勝したってのに?」
 
花丸「それはあくまで九人みんなで、でしょ? マル一人の功績じゃないよ」
 
善子「まあね。でもそれじゃ納得いかないっての?」
 
花丸「うん。だってみんなそれ以外でも色々と結果残しているんだから」
 
善子「そうかしら?」
27: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:51:43.08 ID:Hbuyy/hz
花丸「そうだよ。ヨハネちゃんは動画サイト上にいっぱい応援してくれる人がいるし、梨子ちゃんはピアノコンクールで入賞しているし」
 
善子「言われてみれば確かにね。曜さんだって高飛び込みの天才だし」
 
花丸「でしょ。aqoursは元から出来る人達の集まりだったんだよ」
 
善子「って千歌さんとルビィは?」
 
花丸「千歌ちゃんはスマ○ラの世界ランキング上位に入っているんだよね? そこかなぁ」
 
善子「凄いと言えば凄いけど、『その努力をもっと他に向けなさい!』ってのが個人的な意見ね。で、ルビィは?」
 
花丸「ルビィちゃんはかわいさランキング一位だし」
 
善子「しれっと何言ってるのよっ!? あくまで『ずら丸の中で』だけでしょ!」
 
花丸「まあね。でも『友情と恋愛感情は別物』なんでしょ?」
 
善子「ま、まあそう言ったわね」
 
リリーと千歌さんの間に友情があるように、ずら丸とルビィの間にだって友情はあるのよね
28: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:52:44.56 ID:Hbuyy/hz
花丸「ルビィちゃんなら函館のイベントを主催したって実績があるずら。忘れていないよ」
 
善子「理亞と二人でとはいえ、アレも相当なものよね」
 
花丸「だからね、悔しいんだよ。マルだけがまだ、そういう世間から認められる賞を取ったりしたことがないから……」
 
善子「ずら丸……アンタから『悔しい』なんて言葉が出るなんてね」
 
花丸「マルだって……ヨハネちゃんや梨子ちゃんに並びたいんだよ」
 
善子「なれるわよ。このヨハネの″黄昏の理解者″なんだから」肩ポンッ
 
花丸「ヨハネちゃん//」
 
善子「まあ別にそういう公の場で賞を取ることだけが絶対、って訳でもないと思うけど。一人一人歩く速さも選んだ道も違うんだし」
 
花丸「それじゃあマルの気が済まないずらっ!」
29: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:53:45.84 ID:Hbuyy/hz
善子「ずら丸……だったら全力で挑みなさい! 人生何事も挑戦あるのみよっ!」
 
花丸「うんっ!」
 
善子「もしダメだったとしても、このヨハネが慰めてあげるから」
 
花丸「ありがとうね、ヨハネちゃん♡」
 
善子「ずら丸は何度も立ち上がれる? 胸に手を当て──」
 
花丸「Yesと答えるずらっ!」ガッ
 
善子「そういうことよ。それに統廃合の件と違って、失敗したって『後がない』って訳でもないんだしね」

花丸「そうだよね、がんばルビィ! ずら」
30: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:54:46.97 ID:Hbuyy/hz
善子「さてと、もう行きたいところはないわね?」
 
花丸「うん、少し早いけど帰るずら」
 
職員「ちょっとそこの旦那さん」チョイチョイ
 
善子「旦那って……私?」
 
慣れないものね、【認識阻害】の効力って
 
職員「そうそう。今ね、二階でこういう企画やってるんだけど、どう?」つボード
 
善子「えっと『奥さんの気持ちになってみよう、妊娠体験講座』?」
 
花丸「ヨハネちゃん、『何事も挑戦あるのみ』だよねっ」ニコッ
 
善子「そうね、やるしかないじゃないの。妊婦さん直々に勧められたなら」
31: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:55:47.29 ID:Hbuyy/hz
二階講堂
 
参加者は私を含めて三人だけ、しかも女性は私だけだった
 
職員「という訳で、妊娠されている方にとっては、何をするのにも一苦労な訳です」
 
以前千歌さんから講義を受けていたのもあって、その辺の知識はほとんど頭に入っていたので割愛する
本当にあの人は歩くたまごクラブよね
 
職員「ではこれからが、本日の講座のメインとなります。皆さんどうぞ立って下さい」
 
善子「こ、これって……」
 
青年「妊婦さんの胴体みたいな形状ですね」
 
職員「マタニティウェアっていうんですよ。しかもオハラグループがアメリカから輸入した高性能版なんです」
 
善子「へ、へぇー。……こんなこともやってたのね、オハラグループって」
32: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 04:59:46.11 ID:Hbuyy/hz
職員「まずは腰を痛めないようにベルトを巻いて下さい」
 
善子「はい」マキマキ
 
職員「ではウェアを着けるので『バンザーイ』して下さい」
 
善子「はーい」バンザーイ
 
係の人が上からウェアを被せてくれた
 
善子「うっ……おっも」
 
鏡を見ると妊婦さんの大きくなった胸やお腹を象ったウェアが胴体を覆い、すっかり臨月の妊婦さんを思わせる容貌になっていた
 
※イメージです
http://q2.upup.be/f/r/X256pvcKS8.jpg
1531077811-レス32--画像

善子「それにきっついわね」
 
ゴムによってお腹と腰がぎゅっと締め付けられる感触がする
 
職員「アメリカでは一月の間、それを着たまま生活したパパさんもいるんですよ」
 
善子「ええーっ!? コレ、どれぐらい重いの?」
 
職員「合計10キロですね、大きめの米袋ぐらいです」
 
善子「ふふふ、それはなかなかしんどくなりそうね」
33: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:01:09.25 ID:Hbuyy/hz
職員「まずは階段まで歩きます」
 
善子「はい」
 
50メートルもない距離だが、一歩一歩が重かった
 
青年「はぁ、はぁ、キツいですねぇ」
 
中年「ふぅ、ふぅ、だなぁ」
 
善子「ふぅ、確かにね。新手の筋トレって感じだわ」
 
残りの二人は20代前半と30代後半ぐらいかしら
意外と私がこの中だと一番体力があるのかもね、スクールアイドルやってる身だし
 
花丸「ぷぷっ、ヨハネちゃんもまるまるっと丸くなってお揃いずらね~」パシャッ
 
善子「ってずら丸、撮らないでよっ!」
 
花丸「せっかくなんだから、きちんと目に見える形で残しておくことが大切ずら」
 
善子「いや、だからってさ──」
 
花丸「それじゃあさっそく……ポチっとずら♪」ピロリン
 
善子「って何したのよっ!」
 
花丸「何って、梨子ちゃんに送っただけだよ」
 
善子「ええーっ!? 絶対笑われるわよね、リリー達に」グスッ
34: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:02:06.35 ID:Hbuyy/hz
職員「それでは、階段を下ります」
 
善子「はい」
 
職員「手すりを掴んでいいので、一段ずつゆっくり下りて下さいね」
 
善子「じゃあ私から行くわね」
 
青年「おう、頑張って」
 
善子「ってげげっ!? 足下見えないじゃないのっ!」
 
まん丸に突き出たお腹が見事に視界を遮っているわね
 
職員「大丈夫です? やれそうですか?」
35: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:03:03.99 ID:Hbuyy/hz
善子「ここまで来た以上、やるわよ!」
 
職員「わかりました。足下の感触を確認しながら、慎重にお願いしますね」
 
善子「はい。……よし、次は左足ね」
 
まずは右足を下ろし、地に付いた感じがしてから今度は左足を恐る恐る下ろす
 
善子「ふぅ。一段だけでもおっかなびっくりね」
 
職員「14段あるんで、本当にゆっくりお願いしますね」
 
善子「ふふっ、骨が折れるわね」
 
本物の妊婦さんはお腹にゲルじゃなくて赤ちゃんがいる以上、転倒したら一大事よね
もしも手すりがなかったり、あるいは両手が荷物で塞がっていたら……と考えるとゾッとする
36: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:04:00.26 ID:Hbuyy/hz
一階講堂
 
職員「では次は椅子に座って靴を履き替えます。足のサイズは?」
 
善子「えっと、23です」
 
職員「はい、どうぞ」つ靴
 
善子「ってやっぱりお腹が邪魔になるのね」
 
青年「ははっ、そうですね」
 
中年「このまま紐も縛るのかい?」
 
職員「もちろんですよ」
 
善子「ううっ……つっかえるわね」
 
お腹の部分に詰まったゲルは弾力性が強く、前傾姿勢を取る妨げになってしまう
 
仕方なく足を地面から浮かせた状態で紐も縛ってみせた
 
善子「ふぅ、なんとかってところね」
 
青年「よしっ!」
 
中年「とても立ったままじゃできそうにないな」
37: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:04:57.27 ID:Hbuyy/hz
職員「皆さん出来たみたいですね。では立ち上がってください」
 
善子「はい、よっこらせっと」フゥ
 
花丸「ぷぷっ、おじさん臭いずらぁ~」ニヤニヤ
 
善子「笑うなー、どうせずら丸も言ってんでしょ」
 
花丸「うん、まあね//」
 
 
職員「では今度はベッドで横になります。腰掛けて靴を脱いでください」
 
善子「はい、ってまた靴が相手ね」
 
青年「屈まないで済むならまだ楽ですね」
 
中年「うむ」
38: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:05:54.85 ID:Hbuyy/hz
職員「あお向けに寝てください」
 
善子「あお向けね」ゴロンッ
 
善子「って……おっも!?」
 
10キロ分の重みがお腹にのしかかってくることで、内臓が圧迫されている感じがする
 
職員「重いですよね、それが赤ちゃんと羊水の重さなんです」
 
青年「自分は普段あお向けで寝てるんですが、このお腹じゃとても無理ですね」
 
善子「そうね、抱き枕とか欲しくなるわね」
 
青年「ところでお兄さん、『わね』とか『よ』とか女性っぽい口調ですよね」
 
善子「そうかしら?」
 
青年「ええ、今だってそうでしょ。もしかして『そっち系』のお仕事とか?」
 
善子「してないわ……です。まだ高校生で──しまった!?」
39: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:06:53.72 ID:Hbuyy/hz
青年「そうなんですか。いやー自分も一人目は高校の時に出来ちゃったんですよ」
 
善子「大変でした……よね?」
 
青年「ええ。自分と家内、両方のオヤジからぶん殴られましたからね。『ガキがいっちょまえに″やることだけやって″養ってけるのか!』って説教込みで」
 
善子「でもやってけてるんですよね?」
 
青年「まあ一応は。家内の実家が洋菓子屋で、色々勉強中の身ではありますが」
 
善子「いいですね、仕事をしながら奥さんと一緒に居られるなんて」
 
青年「本当に助かってますよ。んで二人目が出来たんで、せめて少しでも家内の苦労をわかってあげたいなぁ……って感じです」
 
善子「そうですか」
 
中年「お前らみてえな若い子達がそう他人想いなのばっかだったら、もっと世の中良くなんだろうによぅ」
 
青年「仕方ないッスよ。ガキの頃はみんな自分のことでいっぱいいっぱいで、とても相手のことなんて考えてる余裕なんてないんスよ」
 
中年「だな。そんで『俺ガー俺だけガー』って声ばっかでっかくて、周りの迷惑なんざぁお構いなし」
 
青年「認めたくないものッスね、若さ故の過ちは」
40: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:07:50.50 ID:Hbuyy/hz
善子「お兄さん、もしかして○ンダム詳しかったりしない?」グイッ
 
青年「まあ一応。映像化されたヤツは一通りレンタルで観ました。そっちは?」
 
善子「鉄血で興味持って……とりあえず初代から順に追ってってUCまで」
 
中年「V観ろよV」
 
青年「Vはいいッスよね。お禿様が『見られたものではないから買ってはいけません』って言ってますが、観てください!」ウラゴエ
 
中年「シャ○ティか?」
 
青年「ええ。でも家内と観るのは……」
 
中年「だな、『母さんです』とかあるし」
 
なんかえげつないシーンでもあるのかしら?
41: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:08:47.68 ID:Hbuyy/hz
善子「まさかこんな形でガノタのお兄さんやおじさんがリトルデーモンになろうとはね」
 
花丸「むうっ、ヨハネちゃんが二人と仲良くなってるずらぁ」ムスッ
 
善子「ってずら丸、何も男の人にまで嫉妬しなくても」
 
花丸「ヨハネちゃんっ! 今度マルもガン○ム観るずら! 梨子ちゃんと一緒に」
 
善子「いや、そうまでして話についてきたい訳!?」
 
花丸「うん、ヨハネちゃんがマル達の大変さを分かろうとしてくれたように、ねっ♡」ニコッ
 
善子「ずら丸……わかったわ。UC辺りがいいかしら、映像が綺麗だし」
 
中年「やっぱり1stからに決まってるだろ。全てはここから始まったんだからな」
 
青年「自分のオススメは00ッスよ。人間ドラマに戦闘シーン、どれを取っても一級品ッス!」
 
中年「一期はまだ認める。だが二期は戦闘シーンが真っ赤でひたすら見辛いだけじゃねえか!」
 
青年「初代は作画崩壊が酷くて、アレを最初に見せるのはナンセンスッス!」
 
中年「んだとぉ!」
青年「やるッスかぁ!」
 
花丸「以前のマルと梨子ちゃんを見ているみたいずら//」カァー
 
善子「ほんとよね、人は争いを止められないのかしら?」
42: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:09:43.68 ID:Hbuyy/hz
こんな感じで私達は二時間ほどの間に、日常生活で行う様々な動作を行った
そして、そのどれもこれもに四苦八苦したのだった
 
職員「では本日の『奥さんの気持ちになってみよう、妊娠体験講座』はこれにて終了です。お疲れ様でした」ペコッ
 
善子「はい、ありがとうございました」ペコッ
 
職員「どうですか皆さん、少しは奥さんの日頃の苦労が分かりましたか?」
 
よしせいおじ「はい!」
 
青年「いい経験になりましたよ」
 
中年「だな、色々勉強させてもらったよ」
 
職員「でしたら、こちらとしてもやった甲斐があったというものです。にしても、最近は若い子が参加されることも増えてきて嬉しいです」
 
青年「月一ですよね? 前もそこの彼みたく10代の子がが?」
 
職員「ええ。しかも女の子が」
 
善子「女の子!? まさか……」
 
職員「印象に残ってますよ。一つ一つにえらく感動してましたからね、あのみかん頭でお下げの娘」
 
善子「ってやっぱり千歌さんじゃないの!」
43: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:10:40.77 ID:Hbuyy/hz
花丸「お疲れ様、ヨハネちゃん♪」つスポーツウォーター
 
善子「ありがとね。というかずら丸こそお疲れ様よ、それにリリーも。毎日こんな大変な思いしてたのね」ハァ
 
花丸「うん、そうだよ。6月に学校に来た時だって、手すりがなくて怖かったんだからね」
 
善子「そりゃ学校は基本生徒と先生しか利用しないからね。でも公共施設や商業施設はみんなが来るから必要って訳ね」
 
花丸「なるほど……そうずらね」
 
善子「朝は悪かったわ、無神経なこと言って」
 
花丸「ううん、何のことかなぁ?」
 
善子「ほら『たかだか四階でしょ』みたいな。それでも十分キツいでしょうに」
 
花丸「ああ……ありがとね、ヨハネちゃん」ニコッ
 
善子「どういたしまして。ほんと『若い時の苦労は買ってでもしろ』とはよく言ったものね」
 
花丸「ふふっ、ヨハネちゃんも大概『ババ臭い』こと言うよね」
 
善子「いいでしょ別に!」
44: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:11:38.34 ID:Hbuyy/hz
公民館を出ると、入り口に選挙のポスターが貼られていた
 
花丸「そういえば一昨年から18歳で投票できるようになったんだよね?」
 
善子「そうね、私達も来年には18になる──」
 
花丸「酷いずらぁ、妻の誕生日も覚えていないなんてぇ」グスッ
 
善子「あっ……ずら丸は3月だから再来年になるのよね。すっかり忘れてたわ」
 
花丸「うん、紛らわしくてごめんずら」
 
善子「なんでそれで謝るのよ」
 
花丸「なんとなく」
 
善子「投票日は8/15だから千歌さんと曜さんは投票できるみたいね」
 
花丸「梨子ちゃんだけだね、選挙権がないのは」
 
善子「9月だからね。そういえば私、思ったんだけど」
 
花丸「どうしたの、ヨハネちゃん?」
45: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:12:35.44 ID:Hbuyy/hz
善子「いや、ね。投票するならなるべく市民の目線で考えてる人に投票するべきなんじゃないかなー、ってね」
 
花丸「そうだね、弱い立場の人の気持ちを考えられる人がいいなぁ」
 
善子「具体的な政策も挙げてると信じられそうよね、『市内全域のバリアフリーを推し進めます』みたいな」
 
花丸「そうしてくれるとマルも助かるなぁ。ひいおばあちゃんがだんだん足腰弱ってきていて、心配だから」
 
善子「いっそこのヨハネが市長になって、リトルデーモン達の自由を妨げるありとあらゆる結界を取り払ってやろうかしら?」
 
花丸「その時はマルが広報を手伝うよ。それでしっかり者の梨子ちゃんが専属秘書を」
 
善子「ふふっ、それは名案ね」
 
 
お兄さんが話していたけど、『仕事』に『親』ねぇ
 
いずれ向き合わなくちゃならない問題よね
46: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:13:32.51 ID:Hbuyy/hz
夕方、よっちゃんルーム
 
千歌「花丸ちゃーん、迎えに来たよ!」
 
梨子「どうだった? デートは」
 
花丸「千歌ちゃんに梨子ちゃん。楽しかったよ、久しぶりにヨハネちゃんと色んなことができて」
 
千歌「そっかぁ、良かった」
 
梨子「じゃあ明日は私とねっ♡」
 
善子「へっ? すぐにリリーとも?」
 
梨子「嫌なの?」
 
善子「……別に嫌って訳じゃ──」
 
梨子「じゃあ決まり♪」
 
花丸「楽しんできてね、梨子ちゃん」
 
梨子「うんっ♪」ニコッ
 
善子「ま、まあいいんだけどね」
47: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:14:29.90 ID:Hbuyy/hz
千歌「どうだった妊娠体験? 大変だったでしょ?」
 
善子「そうね、ちょっとだけずら丸とリリーの苦労がわかったわ」
 
梨子「そっか。それはそれとして花丸ちゃん、いきなりあんな写真送ってくるのやめてよねー」
 
花丸「ヨハネちゃんがジャケット着てるやつ?」
 
千歌「それそれ。梨子ちゃんってばお昼食べてる時にいきなり『ぶっ!?』って吹き出したんだから」
 
花丸「はしたないずらよ、梨子ちゃん」
 
梨子「吹き出したのは千歌ちゃんもでしょ!」
 
千歌「そりゃあんなの見せられたら……ねぇ?」
 
善子「からかうなぁーっ!」
48: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:16:12.97 ID:Hbuyy/hz
梨子「それで、他にはどんなとこ行ったの?」
 
花丸「例のカフェで【双頭巨人パフェ】も食べてきたずら」
 
梨子「うそっ……巷で噂のアレ?」
 
花丸「うん。ヨハネちゃんと二人で完食できたよ、ほらっ」つ黒猫マスコット
 
梨子「ずるーい! 明日よっちゃんと行こうって思ってたのにー」
 
善子「そこはパスで」
 
梨子「ええーっ!?」
 
善子「しばらくはイチゴもチョコも見たくないのよっ!」
 
花丸「先攻の特権ずら」ドヤァ
 
梨子「ううっ……函館の時といい、どうして私はこういう場面でのジャンケンに弱いんだろう……」グスッ
 
千歌「そういえば梨子ちゃん、ルビィちゃんやダイヤさんと相部屋だったもんね」
 
梨子「大変だったんだからね。ダイヤさんが『ルビィが戻って来ませんわぁー』って泣き出して」
 
花丸「今でも毎日ルビィちゃんに電話しているみたいだよ、ダイヤさん。で、ルビィちゃんが『ちょっとお姉ちゃんが鬱陶しいよ』って愚痴っていたずら」
 
善子「ふふっ、シスコンのダイヤらしいわね」

千歌「妹が姉離れしようとしてるのに、肝心のお姉ちゃんがアレじゃあねぇ」ハァ
49: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:17:09.95 ID:Hbuyy/hz
善子「何から何まで悪いわね、千歌さん」
 
千歌「いいっていいって、困った時はお互い様だよ。明日は花丸ちゃんの荷物持ちするからね」
 
善子「お願いね。ところで」
 
千歌「何か気になることでもあるの?」
 
善子「こっちに来るまでの間、ずら丸とリリーは喧嘩したりしてないわよね?」
 
千歌「ううん、全然。どころかお互い妊娠して困ったこととか解決案とか、積極的に意見を出し合ってたよ」
 
善子「すっかりママ友状態って訳ね」
 
千歌「寂しくない?」
 
善子「別に」
 
千歌「そっかぁ、そうだよね」
 
善子「今ならわかるわ、『友情と恋愛感情は別物』だって」
 
千歌「でしょ! それにこれくらいで寂しがってたら後々大変だよ」
 
善子「どうして?」
50: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:18:08.21 ID:Hbuyy/hz
千歌「だって赤ちゃん産まれたら、ずっとそっちに構っちゃうと思うんだ。梨子ちゃんも花丸ちゃんも」
 
善子「うっ……覚悟しとくわ」
 
千歌「とにかく今日はお疲れ様」
 
善子「ほんとにね、大変だったわ」
 
千歌「梨子ちゃんも花丸ちゃんもお腹がおっきくなってから、ずーっとあんな思いしてるんだからね」
 
善子「そうね、相手の立場になってみないとわからないものね」
 
千歌「でしょ。よく聞くじゃん、『賢者は歴史に学び、愚か者は経験に学ぶ』ってさ」
 
善子「ドイツの政治家が言ったんだっけ? まあこの言葉自体はサイコ○スってアニメで有名になった感じするけど」
 
千歌「そうだね。でもわたし達は愚か者だから、何でもやってみなくちゃわからないよ」
 
善子「本当にね、残念ながら。というか千歌さんもやってたのね、流石と言うべきか」
 
千歌「そりゃやらなくちゃ失礼ってもんだよ、妊娠フェチとしてね。ところでさ」
 
善子「何よ?」
51: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:19:04.70 ID:Hbuyy/hz
千歌「こういうのもあるんだけど、やってみないかな?」つスマホ
 
善子「えーと『男性でもできる陣痛体験』!?……ええー、それは流石に──」
 
千歌「っては言うものの、あと三ヶ月もしたら嫌でも経験することになるんだよ。梨子ちゃんも花丸ちゃんも」
 
善子「……そこは否定できないけど」
 
千歌「予約が必要みたいだけど淡島ホテルで受けられるんだって。やってみようよ!」
 
善子「果たして面白半分でやっていいものやら……」
 
千歌「だってわたし一人じゃ怖いんだもんっ! だからよっちゃんも一緒にぃっー」ウルッ
 
善子「やっぱ怖いんじゃないの!」
52: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:20:01.81 ID:Hbuyy/hz
ノcリ,,^o^,,ル ″よしまる編″終わりずら!
 
2期12話にて千歌ちゃんがメンバー全員に「勝ちたい?」と尋ねた際、花丸ちゃんもしっかりと「勝ちたい」と宣言した以上、彼女にも負けず嫌いなところはあるはずです
今回はその辺について掘り下げてみました
53: メイ*σ& ◆GDrQeI0O6pqJ (有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:36:07.81 ID:Hbuyy/hz
よくじつ!
 
善子「さてと、今日はリリーとね。まさか別の女の子と二日続けてデートする時が来ようとはね」
 
ピンポーン
 
善子「リリーよね? 鍵は開いてるから」
 
梨子(インターホン)『うんっ』
 
ガチャッ
 
善子「よく来たわね。上級リトルデーモン、リリー!」
 
梨子「我が主へ忠義を示すためならば、例え神の御前だろうと即座に駆け付けようぞ!」リリンッ!
 
善子「いや、今回はリリーとずら丸とで勝手に決めたんでしょ?」
54: メイ*σヮ<リゞ& ◆yY6E6vnW4I6J (有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:37:10.43 ID:Hbuyy/hz
梨子「まあ、ね。改めておはよう、よっちゃん」
 
善子「おはよう、リリー。で、ずら丸は千歌さんと買い出し?」
 
梨子「うん、昨日と逆でね」
 
善子「じゃあ行きましょ!」
 
梨子「うんっ♡」
 
善子「にしても、だいぶお腹が目立つわね。リリーの場合、結構背が高いからかしら?」
 
http://q2.upup.be/f/r/W3YhSk2VyN.jpg
1531077811-レス54-画像

梨子「そうかな? 確かによっちゃんや花丸ちゃんよりは高いけど」
 
善子「というか現aqoursで一番なのよね。それはともかく、リリーにもずら丸にもいらぬ苦労を掛けたわね」
 
梨子「私達を妊娠させちゃったこと?」
55: メイ*σヮ<リゞ″よしりこ編″よ(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:38:36.02 ID:Hbuyy/hz
善子「それはもちろんだけど【認識阻害】のこと。千歌さんから聞いたわ、『お母さんに伝えても信じてもらえなかった』って」
 
梨子「うん。日に日にどんどん大きくなってくのに、誰も妊娠したんだって信じてくれなくて。まるでこっちに引っ越してきた頃みたいだった」
 
善子「その頃は千歌さんが色々教えてくれたのよね?」
 
梨子「うん。だからこそあの頃以上に辛かった。まるで世界で一人ぼっちになったみたいだった」
 
善子「悪かったわ、寂しい思いをさせて」
 
梨子「ううん、悪いのは私。よっちゃんに強引に迫ったからだし、つわりの時『一人にして』って拒んだのだってそう」
 
善子「もうそういうのはナシっ! 十分過ぎるほど謝ったでしょ?」
 
梨子「……ごめんなさい」
 
善子「だからいいっての! これからデートなんだからもっと明るくいきましょ!」
 
梨子「そうよね、うん」
56: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:39:58.86 ID:Hbuyy/hz
善子「恥ずかしくないの、そのずっしりお腹」
 
梨子「恥ずかしかったよ// 『太った』って勘違いされて」
 
善子「ずら丸と同じこと言うのね。で、今は?」
 
梨子「そうでもなくなったかな。だってよっちゃんとの愛の証なんだもの♡ 女の子同士で赤ちゃんができるなんて『奇跡だよ』ね、千歌ちゃん的に言うなら」お腹ナデナデ
 
善子「ほんと奇跡よね、色んな意味で」

あれだけ険悪だったリリーとずら丸が和解できたことなんかも含めて
57: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:40:56.33 ID:Hbuyy/hz
ショッピングモール
 
善子「着いたわね。で、まずはどこまで?」
 
梨子「じゃあCDショップまで行きたいな」
 
善子「四階ね。エレベーターで行きましょ」
 
梨子「うん」
 
若者「あっ、どうぞ」サッ
 
梨子「ありがとうございます」ペコッ
 
善子「悪いわね」ペコッ
 
若者「いえいえ」
 
梨子「私、こういう風に譲ってもらえたのって初めて」
 
善子「そりゃ妊娠したのも初めてだからでしょ」
58: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:41:53.23 ID:Hbuyy/hz
CDショップ
 
善子「あっDeath Devilの新曲出てる」
 
梨子「よっちゃんの好きなグループだっけ?」
 
善子「ええ。ライブにも行ったことあるのよ」
 
梨子「どんな感じだった?」
 
善子「やっぱ生は空気が違ったわね」
 
梨子「そうなの? もっと具体的に教えて」
 
善子「そうね。ラブライブの大会に例えるなら他のチームのパフォーマンスも動画で見るのと、会場で直に見るのとじゃ全然違うでしょ? そんな感じよ」
 
梨子「確かに映像だけだと演者の気迫とかって伝わってこないものね」
 
善子「でしょ? そういうものよ。それで探し物は?」
 
梨子「うん、こっち」
59: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:42:56.24 ID:Hbuyy/hz
善子「クラシック?」
 
梨子「うん、胎教にいいかなって。お母さんも私が産まれる前から色んな曲を聞いてたんだって」
 
善子「リリーが音楽好きなのってそれもあるのかもね」
 
梨子「ふふっ、そうかも」
 
善子「で、買うCDは決まってるの?」
 
梨子「うん。えーと、モーツァルトの『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』と──」
 
※参考までに
https://youtu.be/pyQIwIb3E5E


善子「購入リストまで作ってたの?」
 
梨子「うん、よく見てるサイトのオススメなの」
 
善子「へぇ、そうなの。名前は聞いたことあるけど、どんな曲だったかすぐ思い出せないものね」
 
梨子「興味なかったんじゃ仕方ないって。私だってよっちゃんの好きなロックとかさっぱりなんだし」
 
善子「それもそうね、クラシックとか聞いてたら眠くなっちゃいそうね、ふわーぁ」
 
梨子「ロックと真逆でゆったりしてるもんね。でも『胎教で一番大切なのはお母さんがリラックスできること』なんだって」
 
善子「それもそうね」
60: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:43:53.65 ID:Hbuyy/hz
梨子「私、この娘に悪いことしちゃってた。ずっとイライラしてて花丸ちゃんを悪く言ったり、千歌ちゃんに当たり散らしたりして」
 
善子「ずら丸も千歌さんも許してくれたんだし、もう気にしちゃ駄目よ。……まあずら丸の場合お互い様だけど」
 
梨子「う、うん。そうだよね」
 
善子「そういうことよ。ずら丸といえば、アイツ聖歌隊に入ってたのよね」
 
梨子「そうなんだ、初耳。花丸ちゃんの小柄ながらも芯が通った力強い声は、そこでの練習の賜物なのかもね」
 
善子「やれやれ。リリーもずら丸も、本当にお互いのこと知らないでいたのね」
 
梨子「だからすっごく後悔してる。花丸ちゃんの悪いところばかり見てないで、もっと良いところにも目を向けていれば色々変わってたのかな? って」
 
善子「かもね。でも人間ってどうしても、他人の悪い面ばかりが気になっちゃうものなのよね。まさしく人の業ってヤツよ」
 
梨子「花丸ちゃんだけじゃないよ。ルビィちゃんやダイヤさん達先輩方とも、もっとたくさんお喋りしておくべきだったなぁ……って今になって思うもの」
 
善子「ほんとよね。ずら丸の場合、中学の頃からルビィと仲良かったから、時々マリーや果南さんとも鉢合わせしたみたいよ、黒澤邸で」
 
梨子「だから花丸ちゃんは先輩方と打ち解けるのが早かったんだね」
61: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:44:51.58 ID:Hbuyy/hz
善子「何にせよずら丸とは和解したんだし、これから知ってけばいいだけよ。お互いのこと」
 
梨子「うん。あと、これからは一人にばかりベッタリするところも直していかなくちゃね」
 
善子「えっ!? まさかの『浮気します』宣言!?」
 
梨子「よっちゃんは別枠だよ、『旦那様』として♡ あくまで『友達として』もっと多くの人と関われるようになりたいな、ってね」
 
善子「ああ、そういう意味ね。……というか旦那様って何よ!?」
 
梨子「いや、便宜上?」
 
善子「まあ、言わんとしてることはわかるけどねぇ」
62: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:45:49.29 ID:Hbuyy/hz
本屋
 
梨子「えーと、まずは『サルでもわかるお料理入門』と──」ポチポチ
 
善子「ってCDだけじゃなくて本の購入リストも作ってたのね」
 
梨子「うん。結構あるけど大丈夫?」
 
善子「いいけど、その前に確認させて」
 
梨子「うん」つスマホ
 
善子「どれどれ……料理に裁縫に子どものしつけ……色々始めるつもりなのね」
 
梨子「駄目、かな?」
 
善子「別に。ずら丸にも伝えたけど、何か新しいこと始めるつもりなら何でも付き合ってあげるわよ」
 
梨子「うん、その時はお願いねっ」
63: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:47:05.95 ID:Hbuyy/hz
善子「で、絵本コーナーだけど」
 
梨子「えーとまずはジリアン──」ポチポチ
 
善子「ってやっぱりー」
 
梨子「10冊ほど買うつもりだけど大丈夫?」
 
善子「持つのは平気だけど、それもどっかのサイトからの受け売り?」
 
梨子「うん、あるサイトの1位から10位までのやつだけど」
 
※これらになります、読んだことがある本もあるかも知れませんね

http://q2.upup.be/f/r/XeO5jwxQtR.jpg
1531077811-レス63-画像1

http://q2.upup.be/f/r/qbdWdqz4u6.jpg
1531077811-レス63-画像2

善子「試し読みとかしてみたの?」
 
梨子「ううんっ!? そんなのってあるの?」
64: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:48:23.06 ID:Hbuyy/hz
善子「駄目よ、駄目駄目!」クワッ
 
梨子「日本エレ○テル連合!? どうして? みんな『いいね』してるのに?」
 
善子「確かにその考え方は一理あるわね」
 
梨子「でしょ、だから間違いないって」
 
善子「はぁ、ほんとリリーって自主性がないのね。さっきのクラシックといい」
 
梨子「そんなことは──」
 
善子「ないでしょ! そうやって自分の頭で考えず安易な流行りに乗るだけなら、上級リトルデーモンの地位を剥奪することも考えなくちゃならないわねっ!」
 
梨子「ええっ!? それだけは……ううっ」グスッ
 
善子「ちょっ!? こんなとこで泣かないでよっ!」アセアセ
 
少年「なにあれー」ユビサシ
 
母親「妊婦さん泣かせるとか、最低な旦那さんね」
 
善子「ちょっと、私が悪いみたいじゃないの!?」
 
梨子「嫌だっ……よっちゃん、捨てないでぇ……ううっ」ポロポロ
65: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:49:20.47 ID:Hbuyy/hz
近くのベンチまで移動しました
 
善子「リリー、落ち着いた?」
 
梨子「う、うん//」
 
善子「言い方が悪かったわ。別にリリーを捨てるつもりはない、それはわかって」
 
梨子「うん、わかった」コクッ
 
善子「リリーのウチにさ、小さい頃読んでもらってた絵本って取って置いてないの?」
 
梨子「ううん、こっちに引っ越して来る時に全部捨てちゃった」
 
善子「そうよね、かさ張るものね。でもその中でも気に入ってたのはあるはずよね。憶えてない?」
 
梨子「うーん、あった気がするけど……思い出せないなあ」
 
善子「それもそうよね、ちっちゃい頃なら」
 
梨子「でもどうしてそんな質問を?」
66: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:50:17.37 ID:Hbuyy/hz
善子「いやね、私としては『自分が良かったって感じたものを読ませてあげるのが一番』って考えてたからよ」
 
梨子「よっちゃん……」
 
善子「試食とかと同じよ、何でも一度は自分で手に取ってみて、自分の心で判断する。それが大切なんじゃない?」
 
梨子「自分の、心?」
 
善子「そうよ、『お気に入りの一冊』とかって言うじゃない。それと一緒よ」
 
梨子「なるほどね、そうかも」
 
善子「みんなが『いいね』って言うからには、確かに万人を惹き付ける魅力があるのかも知れないわね。だからってそれを全部鵜呑みにして、自分で調べる努力を放棄しちゃ駄目ってことよ」
 
梨子「うん、そうだよね」
67: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:51:15.01 ID:Hbuyy/hz
善子「今から図書館か公民館まで行く? まあ公民館は昨日ずら丸と行ったばっかだけど」
 
梨子「じゃあそうする。……だったら昨日のうちにリスト渡しといて、感想とか聞いとけば良かったかも」
 
善子「借りてきてもらうんじゃないのね」
 
梨子「だって花丸ちゃんにも借りたい本があるんだし──」
 
善子「そうだけど……やっぱり自分で読んでみるべきよ。リリーとずら丸とじゃ、思うところも違うでしょうし」
 
梨子「そうだよね。私は私、花丸ちゃんは花丸ちゃんだもんね」
 
善子「じゃあ善は急げよ。他に買うものはないわよね?」
 
梨子「えっと、特には」
 
善子「じゃあ行きましょ。まずは図書館まで」
 
梨子「うん。でも本屋さんの中で『買うより借りよう』って話するのって、立派な営業妨害じゃ──」
 
善子「気付いてても言わないのっ!」
68: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:52:12.76 ID:Hbuyy/hz
リストにあった絵本は図書館で借りられたので、早めに帰宅した
 
善子「あっつー、図書館もバスの中も全然冷房効いてないじゃないのー」グデー
 
梨子「仕方ないよ、クールビズが叫ばれてるんだから」
 
善子「クーラー入れるわよ、あと冷蔵庫にジュース入ってるから適当に飲んで」
 
梨子「わかった、ありがとね」
 
善子「さてと、問題はリリーがどれくらいやれるかね」
 
梨子「よっちゃんはコ○コーラでいい?」
 
善子「ええ、それでお願い」
 
梨子「私はこっちの桃のやつにしよーっと♪」
 
善子「桃? あったっけ……」
69: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:53:25.65 ID:Hbuyy/hz
善子「ククク、堕天使ヨハネのお料理教室へようこそー!」E:エプロン+三角巾
 
梨子「いえーい!」E:エプロン+三角巾
 
善子「やけにノリいいわね、リリー!?」
 
梨子「そりゃよっちゃんと初めてのお料理作りだもんっ♡」
 
善子「初めてのたびに喜べるなんてお得な性格ね」
 
梨子「それで先生、記念すべき第一回は何を作るんですか?」
 
善子「それは……これですっ!」つクックパッド
 
梨子「お好み焼き? なんかレベル低過ぎじゃない?」
 
善子「いいでしょ! さっきお好み焼き屋さんの前通って食べたくなったんだからっ!」
 
梨子「ええーっ、そんな理由でー!?」
 
善子「でもお料理初心者向きだと思うわよ、お好み焼きって。っていうか私だってそんな手の込んだものは無理なんだから!」
 
梨子「そっか。じゃあまずは何からやればいい?」
70: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:54:22.92 ID:Hbuyy/hz
善子「これを千切りにして」つ半玉キャベツ
 
梨子「はーい。じゃあ左手で押さえながら……こう?」猫の手
 
善子「ええ、合ってるわ」
 
梨子「じゃあ切ってくね」トトトト
 
善子「なかなかいい手際じゃないの」
 
梨子「あの翌日から結構練習したんだからねっ!」
 
善子「翌日って……打ち上げの?」
 
梨子「うん、最初はパーでやって手を切ったりもしたけどね」
 
善子「ドンマイ。でも前言撤回しなくちゃね、『愛の力で料理が上手くならない』ってのは」
 
梨子「でしょ~えへへ~」トトトト
 
善子「ってリリー!? ちゃんと手元見なさいっ!」
 
梨子「あっ、ごめん」シュン
 
善子「やれやれ、先が思いやられるわね」
71: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:55:19.93 ID:Hbuyy/hz
善子「次は卵を割って。コンコンってヒビを作ってから、えいって指で押すのよ」
 
梨子「うん。って流石にそれくらいできるって」
 
善子「ほんとかしら?」
 
梨子「こんこん、えいっ!」パカッ
 
善子「やるじゃないの、リリー」
 
梨子「……この感覚を掴むまでに何個も無駄にしてママに叱られたんだけどね」シュン
 
善子「まあ最初は誰でもそんなものよ」
72: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:56:16.93 ID:Hbuyy/hz
善子「かき混ぜるのもお手の物ね」
 
梨子「うん、ダマだってできてないよ」
 
善子「確かにね、力も入ってるし」
 
梨子「えへへ~、また褒められちゃった~」
 
善子「だから集中しなさいっての! 溢れるからっ!」
 
梨子「ううっ、またやっちゃった」
 
善子「……いくらなんでもリリーの様子がおかしいわね」
73: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:57:14.14 ID:Hbuyy/hz
善子「ひっくり返すわよ、とうっ!」つフライ返し×2
 
梨子「おおーっ」パチパチ
 
善子「じゃあこのままリリーの分も──」
 
梨子「ううん、私がやる!」
 
善子「いや、リリーはやらない方が」
 
梨子「やらせてください、ヨハネ様の上級リトルデーモンとして!」リリンッ
 
善子「じゃあやってみなさい! やらないといつまでも上手くならないしねっ」
 
梨子「よっと♪」クルッ
 
善子「おおーっ、フライ返しを使うのもこなれた感じね」
74: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:58:12.00 ID:Hbuyy/hz
善子「はい完成!」
 
梨子「いえーい! よっちゃん、優勝w」肩バシッ
 
善子「あはは……でも今日はほとんどリリーがやったじゃない。だからリリーの優勝よ」ナデナデ
 
梨子「よっちゃん// ありがとね♪ じゃあさっそくソースを掛けて──」
 
善子「ってそれホットケーキ用のシロップよね!?」
 
梨子「あっ……間違えるとこだった」
 
善子「似てるけどこれ、お好み焼きなんだからね。はい、マヨネーズとかつおぶしも」
 
梨子「は~い」テヘペロ
 
善子「あとはその注意散漫さをどうにかすれば完璧ってとこね」
75: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 05:59:12.10 ID:Hbuyy/hz
よしりこ「「いただきます」」
 
梨子「はむっ」モグモグ
 
善子「どう?」
 
梨子「んん~っ、おいし~い♡」ニコッ
 
善子「いい食べっぷりね。作った甲斐があったわ」
 
梨子「やっぱりよっちゃんの愛情が詰まってるからかな~?」
 
善子「お好み焼き一つに愛情もへったくれもないと思うけど?」
 
梨子「私があるって言うんだからあるんです」キリッ
 
善子「……ま、いっか。そういうことにしとくわ」
 
梨子「自分で作るとお得よね。食べに行くとすっごい高いもん」
 
善子「ほんとぼったくり価格よね、お好み焼きもホットケーキも。まあ手間賃とか場所代も込みなんでしょうけど」
76: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:00:09.03 ID:Hbuyy/hz
梨子「ところでさぁ~」
 
善子「どうしたの?」
 
梨子「よっちゃんって双子だったの~?」
 
善子「違うけど……っていきなり何を」
 
梨子「だってぇ~よっちゃんが二人いるように見えるんだも~ん//」
 
善子「ちょっとリリー、顔赤くない? まさか……」
 
梨子「そっかぁ影分身かぁ~、さすが堕天使~」フフッ
 
善子「使えないってばよ!」ガサゴソ
 
梨子「ゴミ箱漁ってどうしたの~?」
77: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:01:14.48 ID:Hbuyy/hz
善子「やっぱり……この『ほろあまピーチ』ってお酒じゃないの!」
 
梨子「あれぇ~それジュースじゃなかったのぉ~」
 
善子「立派なお酒よ、アルコール3%入りって。じゃあやっぱりさっきから集中力が欠けてたのは──」
 
梨子「お酒ぇ~っ!? まさかよっちゃん、わらしをよわへてメチャクチャにぃ~//」ポッ
 
善子「しないってばよ! というより妊婦さんが飲酒ってまずいわよね、それ以前に未成年だし」
 
梨子「いや~ん、よっちゃんにおかしゃれりゅ~//」ヤーン
 
善子「そういう″プレイ″をする気は──」
 
梨子「うっ……うぶぅっ!?」
 
善子「って吐きそう!? これ使って!」つ買い物袋
 
梨子「うぶっ」コクッ
78: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:02:12.41 ID:Hbuyy/hz
ソファーに寝かせました
 
梨子「ごめんね、よっちゃん」ハァ
 
善子「いいっての、悪かったのは確認しなかった私なんだから」
 
梨子「ううん。そうじゃなくてあの日、よっちゃんを押し倒したこと」
 
善子「別にそれも気にしてないわ」
 
梨子「千歌ちゃんに相談したの」
 
善子「何を?」
 
梨子「『花丸ちゃんに負けたくない』って」
 
善子「そしたら?」
 
梨子「『強引に迫って既成事実作っちゃえ』って」
 
善子「あの変態めー、他人事だからって!」ギリッ
 
梨子「待って! 『冗談だから』って止められたから……だから……Zzz」スゥ
 
善子「って寝ちゃったし」
79: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:03:09.60 ID:Hbuyy/hz
そしてリリーが目覚めたのは夕方になってからだった
 
梨子「んんーっ、ここよっちゃんちだよね?」ノビー
 
善子「ようやくお目覚めね、眠り姫リリー」
 
梨子「確か私、よっちゃんとお好み焼き作ることになって……って今何時?」
 
善子「5時よ」ユビサシ
 
梨子「じゃあ私12時くらいからずっと──」
 
善子「ぐっすり寝てたわよ」
 
梨子「ガーン、一生の不覚」ショボーン メイ*´• _ •`リ
 
善子「大袈裟ね。デートくらいまた今度すればいいだけでしょ」
 
梨子「うん、そうする。でも今日は本当にごめんなさい、年上なのに情けないばっかりで」
 
善子「いいわよ、リリーの新しい一面が見れたんだから」
 
梨子「そう言われると複雑な気分」プクー
80: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:04:08.82 ID:Hbuyy/hz
善子「にしても、まさかリリーがここまで上達したとはね。″××料理人″の称号は撤回ね」
 
梨子「○イルズの称号みたいに呼ばないでよっ!」
 
善子「もしかしてその年までほとんど料理したことなかったの?」
 
梨子「……うん。お母さんが『指を怪我したら困るから』って、あまり手伝わせてくれなかったの」
 
善子「確かに過保護なところあるわよね、リリーのお母さんって」
 
梨子「そうかも。でも自分から『やらせて』って言わなかった私も悪いと思うから」
 
善子「リリー……」
 
梨子「それはお母さんにってだけじゃなくて他の人に対してもそう。家庭科で千歌ちゃんや曜ちゃんと同じ班になった時も、ほとんどあの二人がやっちゃって私は全然何もしなかった」
 
善子「そんなことがあったのね」
 
梨子「いや、『何もできないでいた』と言った方が正しいのかも」
81: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:05:06.44 ID:Hbuyy/hz
善子「仕方ないんじゃない? 何でも器用にこなせる曜さんと、旅館の娘の千歌さんとじゃ」
 
梨子「そうかもしれないね。でもやっぱり私、相当甘やかされて育ってきたんだなって感じるようになった。色々出来るaqoursのみんなを見てると余計にね」
 
善子「そうかしら?」
 
梨子「うん。欲しいものは何でも買って貰えた。ウチにあるあのピアノだってそう。そのくせ私は家の手伝いなんてほとんど何もしてこなかった」
 
善子「思ってた以上に甘やかされてたのね」
 
梨子「他人から貰うだけ貰っておいて、自分からは何らお返しをしないで今日まで生きてきたのよ」
 
善子「そんなことないわよっ! リリーはaqoursのためにいっぱい作曲してくれたじゃない!」
 
梨子「そうだけど……ピアノのために色々犠牲にしてきたんだよ。その結果がお料理もお裁縫もてんで駄目、我慢もロクにできないヒステリックな女子力ゼロ女」
 
善子「別にいいんじゃない? 女子力ゼロでも」
 
梨子「でもよっちゃんはそれで迷惑しないの?」
82: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:06:03.88 ID:Hbuyy/hz
善子「別に。まあ、すぐキレるところは料理の腕みたく直して──」
 
梨子「よっちゃんっ!」クワッ
 
善子「そういうとこよっ! とにかく、今時お裁縫とか苦手な女子だって珍しくもないんだし、気にすることないでしょ」
 
梨子「ありがと。でもあくまでこれは私自身の問題。やっぱりみんなが当たり前に出来てることを、私だけ出来ないのって悔しいから」
 
善子「リリー……アンタ、やっぱりずら丸と似た者同士なのかもね」
 
梨子「そういう話したの? 花丸ちゃんと」
 
善子「ええ。『aqoursの中で自分だけ特別な賞を取れてないのが悔しい』って」
 
梨子「そうなんだ。専門バカの私とは逆なんだね」
 
善子「一芸特化か、器用貧乏か。どっちが正しいとか有利かなんてわからないものね」
 
梨子「私と花丸ちゃんのこと?」
 
善子「一応そのつもり」
 
まあ中には他人には真似できない一芸を持ちつつ、何でも平均以上にそつなくこなせる天才の知り合いもいるが……アレは例外中の例外よね
残念ながら誰もが彼女のようにはなれない
83: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:07:01.14 ID:Hbuyy/hz
梨子「ずっと花丸ちゃんを見下してたクセに、私の方がダメダメちゃんだった」
 
善子「そうやって自分を卑下するのは止めなさい。っていうかずら丸の場合、家が結構厳しかったみたいだし」
 
梨子「そうなの?」
 
善子「質素倹約、服はほつれたら自分で直して使うのが当たり前。家事だけじゃなくて寺の掃除なんかも手伝ってたって話よ」
 
梨子「立派だね、花丸ちゃん」
 
善子「いいんじゃないの。ずら丸が厳格な教育熱心ママで、リリーが甘々の自由放任主義ママならバランス取れるし」
 
梨子「……バランスって」
 
善子「そしたらリリーの方が得でしょ。『花丸ママは厳しいから優しい梨子ママの方が好き』って懐かれて」
 
梨子「……むしろ娘達から舐められちゃいそうな気がしてきた」
 
善子「あー……その可能性もあるわね。しかもちゃんと厳しくする時と甘やかす時のメリハリまで付けようものなら──」
 
梨子「やめてっ! 私の完敗だからっ!」ウルッ
84: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:08:03.79 ID:Hbuyy/hz
善子「なんにせよ自分が『出来ない』ことを自覚して、成長していこうって姿勢は大切なんじゃない?」
 
梨子「どんなに情けなくても?」
 
善子「ええ。自分から目を背け、ただ出来る人や頑張ってる人を馬鹿にする連中の何倍もね」ナデナデ
 
梨子「よっちゃん//」
 
善子「リリーに私にずら丸、三人とも出来ないことはあってもお互い補い合っていく。それが家族ってものじゃないの?」
 
梨子「そうかもね、うんっ♡」
85: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:09:00.53 ID:Hbuyy/hz
1時間くらい後

千歌「迎えに来たよー、梨子ちゃん」
 
善子「″黄昏の理解者″の護衛、大儀であったぞ。リトルドラゴンちかちーよ」
 
千歌「ヨハネ様……我には勿体ないお言葉であります」
 
梨子「って千歌ちゃんまですっかりよっちゃん語をマスターしてるし」
 
花丸「ヨハネ卿に貢ぎ物を持って参りました」つストラップ
 
梨子「花丸ちゃんまで真似しなくていいからね」
 
善子「この黒猫……って今日も【ナイトメアスイーツ】まで行って来た訳?」
 
花丸「うんっ、ヨハネちゃんとお揃いにしたくて」ニコッ
 
善子「昨日の今日でよくもまあ……というか冗談抜きで太るわよ」
 
花丸「マルはまだまだ余裕あったずら」
 
千歌「うん、あの程度なら一人でも十分イケるっての!」
 
善子「って一人一つ食べてきた訳ぇ!?」
86: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:10:26.31 ID:Hbuyy/hz
ちかまる「「うんっ♪」」
 
善子「それも30分で!?」
 
ちかまる「「もちろんっ♪」」
 
善子「この大食娘二人は……」
 
梨子「ずるーい! 四人の中で行ってないの私だけじゃないの!」
 
善子「じゃあ今度みんなで行きましょ、ルビィや曜さんも誘って」
 
梨子「うん、そうする」

善子「あの二人も甘いもの好きだし、なんか一人で完食できそうよね」
87: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:11:24.38 ID:Hbuyy/hz
善子「……にしても」ジー
 
ちかまる「「?」」タユンッ
 
善子「……神を呪いたくなるわね、脂肪が全部胸に行くなんて」ソレナリー
 
梨子「同感」ハァ
 
善子「リリーだって妊娠して意外と大きくなったじゃないの!」
 
梨子「そうかな~?」タユンッ
 
善子「お腹の方が目立つだけで、胸だって2カップは大きくなったように見えるわよ」ジー
 
梨子「でもいずれ吸われて垂れるんだ……と思うとねぇ」ハァ
 
善子「それが母親になるってことよ」肩ポンッ
88: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:12:20.45 ID:Hbuyy/hz
善子「ところで千歌さん」
 
千歌「どしたの、よっちゃん?」
 
善子「二人で話したいことがあるから、ちょっと部屋まで来てちょうだい」
 
千歌「うん、いいけど」
 
梨子「まさかよっちゃん、とうとう千歌ちゃんまでハーレムに加えるつもりじゃ……」
 
花丸「二股どころか三股……ケルベロスずら」
 
善子「しないっての!」
89: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:13:17.29 ID:Hbuyy/hz
よっちゃんルーム
 
善子「千歌さんっ!」クワッ
 
千歌「いきなり何さっ!?」
 
善子「あの日リリーが迫ってきたの、千歌さんが入れ知恵したからだったのね!」
 
千歌「ど、どこでそれをっ!?」
 
善子「喋ってくれたのよ、酔っぱらったリリーがね」
 
千歌「駄目でしょ、妊婦さんにお酒飲ませちゃ! それ以前に未成年だし」
 
善子「……それは私の確認不足で……で、実際のところどうなのよ!」
 
千歌「それは……梨子ちゃんの方から相談されたからで……ごめんなさい」ペコッ
 
善子「いや、別に責めるつもりはないわよ」
 
千歌「そうなの?」
 
善子「そうよ、事実確認したかっただけ。制止したんでしょ?」
 
千歌「うん、そうだよ。『犯罪教唆になっちゃうから』って」
 
善子「だったら千歌さんは悪くないわ。でもどうしてあんな案を?」
95: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:13:59.31 ID:Hbuyy/hz
千歌「いやー、梨子ちゃんって優柔不断なところあるからさ」
 
善子「例の予備予選の時みたく?」
 
千歌「うん。ラブライブとピアノコンクールのどっちに出るか迷ってたから『自分の気持ちに素直になって』って伝えたんだよ」
 
善子「そうだったの。まあリリーの自己判断力が鈍いのは同意。今日だって『胎教のため』ってCDや絵本の買うリスト作ってたけど、全部まとめサイトの受け売りだったし」
 
千歌「へぇー、そうなんだ。確かに梨子ちゃん、ワイドショーで『若い女性を中心に大人気』とかって特集組んだら、すぐ飛び付きそうだしね」
 
善子「そうね、『これを買えば貴女や家族の運気が上昇します』って勧められて、ガラス玉を高値で買っちゃわないよう注意しなくちゃね」
 
千歌「孫が産まれたら振り込め詐欺にもねっ」
 
善子「ああ、そこまで未来のことは考えて──」
101: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:14:41.08 ID:Hbuyy/hz
梨子「へぇー。よっちゃんも千歌ちゃんも、私をそこまで主体性皆無の意志薄弱女だと見なしてたのね」ピキピキ
 
ちかよし「「り、梨子さん!?」」ギギギ
 
梨子「よっちゃんっ! 千歌ちゃんっ!」クワッ
 
善子「逃げるわよ、千歌さんっ!」シュタッ
 
よしこたち は にげだした!
 
千歌「そうだね。身重の梨子ちゃんなら、わたし達に追いつけ──」シュタッ
 
花丸「マルもいるずらぁー!」ガオー
 
しかし まわりこまれてしまった!
 
ちかよし「「なん……だと……」」
 
梨子「サイレントチェリーブロッサムナイトメア弐式ィ!!」ミシッ
 
ちかよし「「ピギャァーーっ!! ごめんなさーい!!」」
 
よしこたち は ぜんめつした!
106: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:15:38.71 ID:Hbuyy/hz
千歌「『母は強し』ってさ……こういうことを指すんだろうね」チーン
 
善子「そうね……ジ○リの映画によく出てくる、勝ち気なママさんの尻に敷かれる旦那さんになった気分だわ」チーン
 
花丸「ヨハネちゃんも千歌ちゃんも何言ってるんだか」
 
千歌「よっちゃん、辛いことがあったらいつでも一緒に飲んであげるからね」
 
善子「ありがとね、千歌さん。でも繰り返しになるけど、私達まだ未成年だからね」
 
花丸「仕事帰りに居酒屋で飲み交わす、背広姿のヨハネちゃんと千歌ちゃんの姿がありありと浮かんでくるずら」
 
梨子「完全にしがないサラリーマンのおじさんだよね、それ」
 
千歌「そぼ降るぅ~雨に濡れている お前のぉ~背中がぁ~♪」
 
善子「淋しげでぇ~ 思わずぅ~ 抱いてしまぁ~ったよ~♪」
 
ちかよし「「あぁあ~北内浦ぁ~ブルースよぉ~♪」」
 
梨子「完全に選曲がおじさんチョイスだよね!?」
 
原曲:野原ひろし「北埼玉ブルース」

https://youtu.be/Dx5mihGPlgs
113: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:16:44.37 ID:Hbuyy/hz
メイ*σ ヮ <リゞ ″よしりこ編″終わりよっ!
 
今回は敢えて梨子ちゃんの「自己主張の弱さ」という短所について掘り下げてみました
とはいえそれは1期10話でも描写されたとおり、我欲を出して他人に迷惑を掛けたくないという優しさ故のものでもあります
短所も見方によっては長所と捉えることができるのです
119: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:17:26.32 ID:Hbuyy/hz
8月上旬、海の家更衣室
 
善子「ずら丸、リリー、二人とも着替えた?」
 
花丸「うん、ばっちりずら」
 
善子「なんていうか……緑に横縞ってドラゴンみたいね。そのお腹といい」
 
りゅう○うとかカイリ○ーのボテ腹的な
 
http://q2.upup.be/f/r/2CBO87pGER.png
1531077811-レス119-画像

花丸「ママさん怪獣マルゴンずらぁー、がおー!」
 
善子「ってそれ千歌さんのパクりじゃ──」
 
花丸「梨子ちゃんも曜さんもやっていたけど? 怪獣ごっこ」
 
善子「あーそういえばそうだったわね。ところでその初代怪獣は?」
 
花丸「向こうで変態っぷりを発揮しているよ」
 
善子「もしや……」
127: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:18:36.17 ID:Hbuyy/hz
梨子「ちょっと千歌ちゃん、やめてよー//」
 
http://q2.upup.be/f/r/6snVQuYfdw.png
1531077811-レス127-画像

千歌「梨子ちゃんってば、やっぱり見られて興奮しちゃうタイプなんだね~♡」つ○REC
 
善子「って何やってるのよあの変態はっ!」
 
千歌「贅沢言えばまだ七ヶ月、臨月じゃないのが悔しいなぁ。でもいっか、ぐふぐふぐふ──」
 
ビシッ☆
 
千歌「──あだっ!?」
 
花丸「やめるずら」
 
善子「ずら丸が私以外にチョップ叩き込むの初めて見たわ」
 
千歌「ううっ、酷いよー花丸ちゃん」グスッ
 
花丸「セクハラ怪獣に天誅を下しただけだよ」
 
梨子「助かったぁ……花丸ちゃん、ありがとね」ニコッ
 
千歌「天誅って……でもね」
 
よしまる「「でも?」」
133: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:19:20.48 ID:Hbuyy/hz
千歌「わたしもよっちゃんも花丸ちゃんもワンピースなのに、梨子ちゃんだけビキニなんだよ。そりゃ見せたがりだと思うでしょ?」
 
善子「千歌さんの言い分も一理あるわね」コクッ
 
花丸「確かにそうずらね」コクッ
 
梨子「……よっちゃんに花丸ちゃんまで」
 
千歌「っていうかビキニじゃないの持ってたでしょ! 音ノ木時代のヤツ!」
 
梨子「うっ……それは──」
 
千歌「それは?」
 
梨子「伸びちゃったのっ!  昨日試しに着てみたらっ!」
 
花丸「じゃあマルのこれも今日でお陀仏かもね」
 
善子「でもリリー、どうするの? 着たってことは外に出ても平気ってことよね?」
 
梨子「うん。よっちゃんの赤ちゃんなんだもん、恥ずかしくないわ♡」
 
千歌「おおっ、言うねぇ~」
139: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:20:05.49 ID:Hbuyy/hz
花丸「むぅーっ、なんか負けた気分ずら。千歌ちゃん、ハサミない?」
 
千歌「ハサミ? 何に使うの?」
 
善子「……まさか女の修羅場にするつもりじゃ」
 
花丸「マルも今からお腹の生地を切り取ってビキニにするずら!」
 
梨子「いや、何なの? その意地の張り方は」
 
善子「ええーっ!? 止めなさいよっ!」
 
それはそれでえっろいんだから
肌を出せばいいってもんじゃないんだからねっ!
 
千歌「ってアレかな? 売れなくなったアイドルがとりあえず脱ぐって……ムグッ!?」
 
善子「千歌さんはもう黙ってて!」
 
いつかの【ディアマンテ】みたくポロッと余計なこと言いかねないし
144: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:20:38.91 ID:Hbuyy/hz
実を言えば昨晩「カメラを回すこと」を許可したのは、他ならぬ私だ
 
回想、よっちゃんルーム
 
千歌(TEL)『だからね、女性が一番美しくなった姿をしっかりと残しておかないなんて損だよ!』
 
善子「お腹が大きい姿が?」
 
千歌『そうだよ! 大好きな人との愛の結晶、それを己が身に宿す姿こそ愛の究極形だとなぜわからんのだぁ! 津島善子ォ!!』クワッ
 
善子「なぜガン○ムのラスボスっぽい言い方をするのだぁ! 高海千歌ァ!!」クワッ
 
善子「というか久々に『善子』って呼ばれた気がするわね」
 
千歌『ってよっちゃんもノリノリじゃん!』
 
善子「今08小隊見てたのよっ! 一年戦争の外伝制覇するために」
 
共に「妊娠体験」をしたガノタのお兄さんとおじさんとは、Twitterでやり取りする仲になっている
 
千歌『ああ、最後にアイナさんが身籠ってるヤツね』
 
善子「そんなトコばっかり見てるのね。アニメの妊婦さんで興奮してる訳?」
149: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:21:12.00 ID:Hbuyy/hz
千歌『そんなことないよー。CLAN○ADで渚ちゃんが亡くなるとこで泣いたし、ハガ○ン一期でロゼちゃんが褐色の赤ちゃん抱いてたのは胸糞悪かったし』
 
善子「わかってるわよ。千歌さんの感性が一応普通なのは」
 
千歌『ううっ、ありがとねよっちゃん』ウルッ
 
善子「はいはい」
 
千歌『で、撮ってもいいの? もちろんコピーしてよっちゃんにも渡すつもりだけど』
 
善子「……わかったわよ、許可すればいいんでしょ?」
 
千歌「ほんとにいいの?」
 
善子「いいわよ。千歌さんには日頃お世話になってるし」
 
千歌『ありがとう、心の友よぉ!』
 
善子「ジャイ○ンかっ! っていうかどうして私の嫁達を撮りたがるのよ? 曜さんとは──」
 
千歌『ううっ……曜ちゃん、ようちゃあーん、うわぁーん』ビエーン
 
善子「喧嘩でもしたの? 仲直りしたいなら協力するから」
 
千歌『……ほんとに?』
 
善子「千歌さんが私の嫁達に手を出してこられたら困るし」
 
千歌『そんな理由でか。ってすっかり過保護な旦那さんが板についてきたよね?』
 
善子「リリーだけじゃなくて千歌さんまで『旦那』って呼ぶのね」
154: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:21:46.18 ID:Hbuyy/hz
回想終わり、砂浜
 
案の定、周囲の視線が痛いわね
 
「なにあの黒髪、妊婦さん二人も侍らせて」
 
「どこのニッチなラノベ主人公だよ」
 
「あの茶髪の娘、ちっちゃい割に胸おっきくね?」
 
「赤髪の娘はビキニだよ、エロ過ぎでしょ!」
 
「猥褻物陳列罪にならないの? 妊婦さんがお腹丸出しなんて」
 
千歌「はい、もっとお腹突き出して! そこでセクシーポーズ!」つ○REC
 
「あのカメラ回してるオレンジの娘、そこの民宿の娘さんだよね?」
 
梨子「ううっ、流石にここまで大勢の人に見られると//」
 
花丸「恥ずかしいずらぁ//」
 
善子「やっぱり……あっちの岩影まで行くわよっ!」
 
千歌「いよっ、aqours一のモテ女っ!」ヒューヒュー
 
善子「茶化すなっ! この変態みかんっ!」
157: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:22:19.34 ID:Hbuyy/hz
善子「ほらっ、リリーはこれでお腹隠して」つタオル
 
梨子「う、うん//」
 
善子「ずら丸は足元気を付けなさい」
 
花丸「わかったずら//」
 
千歌「ええー、そのモジモジする姿こそ──」
 
善子「千歌さん、曜さんと仲直りしたくないの?」
 
千歌「……すみません、ヨハネ様」
 
善子「少しは性的嗜好を隠そうとしなさいよねっ」
162: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:22:53.16 ID:Hbuyy/hz
岩影
 
千歌「ここはわたしと曜ちゃんと果南ちゃん、三人だけの秘密の隠れ家なんだよ」
 
梨子「最初からここで着替えまですれば良かったわね」
 
善子「果南さんが知ってるならダイヤとマリーも知ってそうだけど?」
 
花丸「もちろんルビィちゃんもね」
 
梨子「じゃあ結局『aqours全員の』ってことね」
 
千歌「そうなっちゃうね」
 
梨子「ところでさ」
 
善子「どうしたのリリー?」
167: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:23:27.80 ID:Hbuyy/hz
梨子「さっきね、ここに来るまでに視線を感じたの。海中から」
 
善子「ストーカー!? 千歌さんみたく妊婦フェチの?」
 
梨子「気のせいだと思うけど、一応ね」
 
花丸「たぶん気のせいじゃないずらよ、梨子ちゃん」
 
善子「ずら丸も何か心当たりが?」
 
花丸「うん。マルはね不自然に泡がブクブク出てるのを見たんだ」
 
善子「つまり海中から誰かが私達を見てたって訳ね」
 
千歌「アクア・ストーカーってヤツだね」
 
善子「なんかデュエ○のクリーチャーっぽい呼び方ね」
 
千歌「ちなみにこれは水中に潜む者ってのと、対象がわたし達aqoursだからってのを掛けた──」
 
よしりこまる「説明しなくていいわよ(から)(ずら)」
 
千歌「あらら~、三人とも息ぴったりだねぇ~」
 
※調べてみたところ【アクア・ストーカー】なるクリーチャーはデ○エマには存在していませんでした
173: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:24:05.16 ID:Hbuyy/hz
海の家
 
善子「はっ、ほっ、そいやっ!」クルッ
 
千歌「流石よっちゃん! 手際いいね~」
 
梨子「まーた【堕天使の泪】を売るつもり?」ハァ
 
善子「違うわよっ! これは【熾天使の泪】って別物よ!」
 
花丸「これはぱっと見、普通のたこ焼きと同じなんだね」
 
善子「ずら丸もリリーも四の五の言う前に食べてみなさいっ!」つ熾天使の泪
 
梨子「激辛だったら怒るわよ!」ハムッ
 
花丸「刺激物は赤ちゃんにも良くないずら」ハムッ
 
善子「どう?」
 
梨子「んん~~っ、あんまぁ~い♡」パァ
 
花丸「じゅらぁ~~っ♡ ……でも最近似たようなものを食べた気がするなぁ」
 
善子「そりゃ生地に溶かしたホワイトチョコを、タコの代わりにイチゴを入れてるからね」
 
花丸「なるほど~、あのパフェをイメージして作ったんだね」
 
梨子「よっちゃんの大好きを詰め込んだってことね」
 
千歌「よっちゃーん、【熾天使の泪】5パック追加ねー!」
 
善子「はいよっ!」
 
志満さんや美渡さんも普通のたこ焼きや焼きそば等を売っていたが、【熾天使の泪】はそれらを上回る歴代最高の売り上げを記録した
179: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:24:40.08 ID:Hbuyy/hz
花丸「それでね、函館のレンガ通りで滑った時に、ヨハネちゃんが咄嗟にマルの腕を掴んでくれたんだぁ」
 
梨子「で、どうなったの?」
 
花丸「結局ヨハネちゃんもマル共々雪山に埋まっちゃったずら//」
 
梨子「ふふっ、よっちゃんらしいオチね」
 
花丸「後で確認したら、ヨハネちゃんが『ずら丸、アンタ間違えて夏靴履いてたでしょ』って教えてくれたんだよ」
 
梨子「そうだったの。おっちょこちょいなところもあるのね、花丸ちゃんも」
 
花丸「う、うん// でもね、ヨハネちゃんがマルを助けてくれようとしてくれた、その気持ちだけで嬉しくなったんだぁ♡」
 
梨子「むうっ、やっぱり学年が同じってズルいなぁ」プクーッ
185: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:25:17.23 ID:Hbuyy/hz
花丸「じゃあ次は梨子ちゃんの番だよ♪」
 
梨子「うん。1月の市内イベント覚えてる? ユニットで参加したやつ」
 
花丸「もちろんずら。あの日も木枯らしが吹いて寒かったよね」
 
梨子「そうだったね。で、私達Guilty Kissの出番が終わったらね、よっちゃんがすぐに『コレでも飲んで温まりましょ』っておしるこ奢ってくれたの」
 
花丸「ヨハネちゃんらしい気配りだね。鞠莉さんにも?」
 
梨子「もちろん。ただ鞠莉さんから『まーたヨハネとリリーが桃色空間作ってイチャイチャデースかぁ』って茶化されたけどね」
 
花丸「むうっ、やっぱりユニットが同じってズルいずらぁ」プクーッ
 
梨子「いいでしょ、今は私達三人で家族なんだから♡」ニコッ
 
花丸「うん、梨子ちゃんもマルの大切な家族ずら♡」ニコッ
189: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:25:50.90 ID:Hbuyy/hz
千歌「いやー、すっかり井戸端会議に花を咲かす主婦の集い状態だねぇー」
 
善子「普通にガールズトークでいいじゃないの。っていうかずら丸とリリーはなんで今、冬の話してるのよ?」
 
梨子「夏だから、だよ」
 
花丸「暑いからこそ冬の思い出を語って、気持ちだけでも涼しくなろうってことずら」
 
善子「ああ、そういうことね」
 
梨子「ところでよっちゃん達はもうお手伝い終わったの?」
 
善子「残念ながらただのトイレ休憩よ」
 
花丸「そっかぁ、ヨハネちゃんや千歌ちゃんともお喋りしたかったのになぁ」
 
千歌「まあ5時には店仕舞いするから、その後でね」
 
善子「とは言うものの、私と千歌さんってあんまり女の子女の子した趣味ってないじゃない?」
 
千歌「……否定できないのが辛いなぁ」
 
善子「だから正直、あのきゃっきゃうふふ結界の中に入っていける気がしないわ」
 
千歌「寂しくない?」
 
善子「全然」
194: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:26:24.67 ID:Hbuyy/hz
千歌「なら良かった……けどわたしは良くないよぅ、よーちゃぁーんっ」ウウッ
 
善子「よしよし、困った先輩なんだから」ナデナデ
 
千歌「やめてよぅ// そんなに優しくしないでよぅ」グスッ
 
花丸「ヨーハーネーちゃーん」ピキピキ
 
梨子「よっちゃーん」ピキピキ
 
善子「国木田さん……桜内さん?」ギギギ
 
花丸「マルと梨子ちゃんがいながらっ!」グイッ
 
梨子「なに千歌ちゃんにまで色目使ってるのよっ!」グイッ
 
善子「ひはひひはひ、ひょふほふほほっへ、ひっはははひへー」(痛い痛い、両方のほっぺ、引っ張らないでー)
 
千歌「あはは……女の嫉妬って怖いねー。わたしも女だけどさ」
200: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:27:00.72 ID:Hbuyy/hz
夕方5時、店仕舞い後
 
りこまる「「Zzz」」スピー
 
千歌「あらら~、梨子ちゃんも花丸ちゃんも喋り疲れちゃったかな?」
 
善子「さっきまでずーっとガールズトークしてたのにね」
 
千歌「すっかり大親友……もといママ友だね♪」
 
善子「そうね……一応両方とも娘の片親が私なんだけど」
 
千歌「それもそっか」
 
善子「ところでここ、毛布はないの? 夏でも夜には冷えるでしょ」
 
千歌「起こさなくていいの?」
 
善子「いや、この幸せそうな二人を無理矢理起こすのもね」
 
千歌「そうだね、どうせ今日はウチでお泊まりだし。じゃあ取ってくるね」シュタッ
 
善子「悪いわね」
204: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:27:35.08 ID:Hbuyy/hz
善子「さてと、これから四人をどう養っていくか考えなくちゃね」
 
千歌「そうだね、こればっかりは真剣にだよ」
 
善子「学業に関してはオハラグループが在宅学習制度を進めてるんだっけ?」
 
千歌「うん。『ひとまず沼津市内の高校でテストするつもりよ』って鞠莉ちゃんが」
 
善子「渡りに船とはこのことね……っていうかいつの間にマリーとそういうやり取りしてた訳!?」
 
千歌「梨子ちゃんと花丸ちゃんが和解したその日のうちに」
 
善子「はっや。もしかしてこの制度を進める話が持ち上がったのって──」
 
千歌「それはよっちゃんのご想像にお任せするよ。ちなみにわたしも真相は不明だからね」
 
善子「……学歴の問題はクリアとして、やっぱり住む場所と仕事よねー」ハァ
 
千歌「だよね、五人同じ屋根の下で暮らしたいよね?」
209: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:28:09.36 ID:Hbuyy/hz
善子「当然よ! でも流石に子どもが産まれたら【認識阻害】が破れる可能性もあるでしょうし」
 
千歌「だね。お腹にいるうちなら『太った』で誤魔化せても、赤ちゃん抱いてたらそうもいかないかもね」
 
善子「……どうなるかしらね、私」
 
千歌「きっと梨子ちゃんと花丸ちゃんの家族みんなで市中引きずり回しにされた上で、十字架に張り付けにされるんじゃないかな?」
 
善子「ああ、ジーザス!」
 
千歌「あはは……堕天使でも神に赦しを乞うレベルの問題だよね」
 
善子「だとしても、避けては通れない問題なんだもの。覚悟はしているわ」
 
千歌「そっか、よっちゃんも成長したんだね」
 
善子「そうかしら? でも、もう逃げないって決めたから」
 
二人の好意からも
困難な現実からも
 
千歌「顔に出てるもんね、父親になる覚悟が」
 
善子「しつこいようだけど私も女だからねっ!」
 
千歌「うんうん。それはともかく、住む場所とお仕事ならいい案があるよ」
 
善子「何よ、そんな都合のいい案がある訳──」
215: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:28:42.61 ID:Hbuyy/hz
千歌「『ウチで住み込んで働く』ってことだけど」
 
善子「へっ!? 『ウチ』って十千万?」
 
千歌「そうだよ。今までいたお手伝いさんが定年で辞めちゃってさ、人手不足なんだよ。志満ねえも美渡ねえも、よっちゃんなら大歓迎してくれるはずだよ」
 
善子「なるほどね、またまた渡りに船ね」
 
千歌「空き部屋があるからそこなら敷金礼金ゼロだし、まかないも出るからね」
 
善子「至れり尽くせりじゃないの!」
 
千歌「どうですかヨハネ様? この物件、人間界を侵略する上でとても都合がよろしいのでは?」
 
善子「確かにね……とりあえず今は厚意だけ受け取っておくぞ、リトルドラゴンちかちーよ」
 
千歌「ありゃっ、保留ってこと?」
 
善子「そうよ。流石に何から何まで千歌さんのお世話になる、ってのもね」
 
千歌「そっか。まあ他にアテがなかった時の最終手段、ってことで」
 
善子「ええ、その時改めてお願いするわ」
 
千歌「どういたしまして。そういえば【ディアマンテ】さんにも頼れる知人がいるそうだよ」
 
善子「【ディアマンテ】ねぇ……どんな人?」
 
だいたい予想はついてるが
218: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:29:15.65 ID:Hbuyy/hz
千歌「大手ホテルチェーンの後取りさんとか」
 
善子「やっぱりね」
 
千歌「サバイバル知識豊富なお姉さんとか」
 
善子「無人島生活でもしろっての!?」
 
千歌「でもよくあるじゃん。『船が沈没して流れ着いた男女が、その島で新たなアダムとイヴになって』みたいな」
 
善子「まあ、たまにそういうネタは聞くわね」
 
千歌「それに【ディアマンテ】さんも実家が網元らしくて、傘下のレストランや居酒屋のパートさんでいいならいつでも募集してるってさ」
 
善子「もう正体隠す気ゼロじゃないの! あの幼なじみ三人衆はっ!!」
221: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:29:49.05 ID:Hbuyy/hz
別の日、よっちゃんルーム
 
梨子「ゾウさんってこんな感じだったよね?」
 
花丸「うん、そっくりずら。お鼻も長くてお耳もおっきいし」
 
善子「いや、そんな象はいないわよね」
 
ごん太眉毛の犬の絵を見た時点でわかっていたが、リリーの絵のセンスって独特よね
それを「そっくり」と言っちゃうずら丸の感性もだけど
 
善子「で、どんな話なの?」
 
花丸「前に児童図書館でヨハネちゃんに話したお話だよ」
 
梨子「ネズミのりりとずらが喧嘩しちゃうお話」
 
善子「結局それになったのね。それで今作ってたページは?」
 
梨子「こんな感じ。『りりは「ゾウさんは好きだけど、キリンさんなんて大嫌い! キリンさんが好きだって人は、みんな頭の中にみかんがぎゅうぎゅうに詰まっているのよ!」とずらを悪く言いました』」
 
善子「意外に重めな内容なのね」
 
花丸「うん。でも大丈夫だよ、ちゃんと最後にはずらもりりも仲良しになって終わるから」
 
善子「そりゃ子供向けでバッドエンドってのはね。次のページ見ていいかしら?」
 
花丸「いいずら」
 
ペラッ
224: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:30:23.74 ID:Hbuyy/hz
善子「ってキリンはそっくりじゃない! ずら丸が描いたのね」
 
花丸「うん。1ページごとに交代にしようって決めたんだ。ねっ、梨子ちゃん♡」
 
梨子「ねーっ♡」
 
花丸「じゃあ読むね。『ずらは「キリンさんはかわいいけど、ゾウさんはかわいくないよ! ゾウさんがかわいいと思う人は、みんな目ん玉がみかんになっているんだよ!」とりりを悪く言いました』」
 
善子「ってまたみかん!? みかんから離れなさいよっ!」
 
梨子「でも将来出版するにあたって地元の特産品もアピールしときたいし。ねっ、花丸ちゃん♡」
 
花丸「ねー梨子ちゃん♡」
 
善子「『ねー♡』じゃないわよっ! むしろみかんへのネガティブキャンペーンにしかならないわよっ! 」
 
っていうかすっかり普通に「ねー♡」とか言い合う仲になってるし
 
善子「まあいいわ。で、次のページはっと」
 
ペラッ
229: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:30:58.02 ID:Hbuyy/hz
梨子「『りりとずらが言い争っていると、空から大きなみかんがゆっくりと降りてきました』。こんなだけど」
 
善子「って何その超展開!?」
 
花丸「『みかんの中から出てきたのは、みかん色の服を着たみかん星人でした』。どうかなぁ?」
 
善子「ってまんま千歌さんだしーっ!? しかもよく見たらページの隅っこに『Illustration:You Watanabe』って書いてあるし」
 
梨子「曜ちゃんに『絵本作るの』って話したら、『私にも手伝わせて』って」
 
善子「どおりでここだけやたら作画のクオリティが高いのね」
 
りこまる「「むぅーっ」」プクー
 
善子「……すみません」
234: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:31:33.73 ID:Hbuyy/hz
梨子「……続き読むね。『みかん星人は「私はキリンさんもゾウさんもどっちも大好きなの! だから何が嫌いかより、何が好きかを語った方がいいと思うんだ」とりりとずらに言い聞かせました』」
 
善子「そうね、『どっちも好きな人がいる』って理屈はわかるわよ」
 
花丸「でしょっ。でもね、『みかん星人は「まあ、みかんを馬鹿にする奴は人間だとは思わないけどね♡」とりりとずらに中指を立てました』って──」
 
善子「やめーい! これまでのいい話が全部台無しじゃないのっ! それ以前に人間じゃなくてネズミだし」
 
りこまる「「ええーっ!?」」ショボーン メイ*´• _ •`リ ノcリ,,´・_・`,,ル
 
善子「……というか私もみかん嫌いなんだけど、人間だって思われてないの?」
 
花丸「だってヨハネちゃん、堕天使だから」
 
善子「いや、そこで堕天使持ち出してこないでっ! とにかくこのページは没! 作り直し!」
 
梨子「なんかよっちゃんってば週刊少年誌の編集様みたくなってない?」
 
花丸「どちらかというと、お笑い芸人のツッコミ役って感じがするずら」
 
善子「そりゃこんだけツッコミどころ満載の絵本見せられたら、突っ込まずにはいられないわよっ! ありがとうございました!」
 
梨子「よっちゃんに『ありがとう』って言われちゃった//」ポッ
 
花丸「えへへ~ちょっと照れるずらぁ~//」ポッ
 
善子「心配になってきたわ。アンタ達脳みそぽわぽわコンビがそのまま母親になったら……って考えると」
239: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:32:08.19 ID:Hbuyy/hz
ペラッ
 
善子「あら、まだ最後まで出来てないのね。どういうオチにするつもり?」
 
梨子「えっとね、りりが関節技でみかん星人を押さえ付けて」
 
花丸「ずらが空手チョップで止めを刺すずら」
 
善子「やめなさいっ! 争いを止めるために共通の敵を作って、二人がかりでフルボッコなんて! っていうか千歌さんが見たら泣くわよっ!」
 
梨子「でも千歌ちゃんは私のお腹見て興奮する変態だし」
 
善子「ああっ、これまで積み重ねてきたリリーと千歌さんの絆が、たかがフェチズム一つでこうも容易く崩れ去るなんてっ!」
 
花丸「千歌ちゃんが変態なのは同意するけど、流石に薄情過ぎて哀れみを感じるずら」
 
梨子「花丸ちゃんは女の敵の肩を持つっての?」
 
花丸「でも千歌ちゃんはヨハネちゃんの味方だよ、梨子ちゃん」
 
梨子「むうっ」
花丸「ずらぁっ」
 
善子「ってまた喧嘩してるしー」
 
でも二人とも微笑んでいる
お互い「冗談だ」ってわかってる感じね
244: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:32:43.43 ID:Hbuyy/hz
善子「ま、まあ千歌さんが変態なおかげでこっちも色々助かってるのは事実だし──」
 
梨子「もしかしてよっちゃんも、すっかり妊婦フェチに!?」ヒキッ
 
花丸「あり得るずら。こんな身重のマル達といっつも一緒なんだもの」ヒキッ
 
善子「どうしてそういう発想が出てくるのよっ!?」
 
梨子「で、どうなの?」
 
善子「どうって言われても……私はずら丸やリリーがどんな姿になろうとも、二人を『愛してる』って気持ちは変わらないから」
 
梨子「よっちゃん//」
 
花丸「ヨハネちゃん//」
 
善子「強いて言うなら私は『ずら丸フェチ』兼『リリーフェチ』ってとこよっ!」ドヤァ
 
りこまる「「……」」
 
善子「なんか反応してよっ!」
251: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:33:28.14 ID:Hbuyy/hz
花丸「ヨハネちゃんが大層ご不満なそうなので、第二案を検討するずら」
 
善子「第二案? それってもしや……」
 
梨子「【かいけつヨハネシリーズ】だけど?」
 
善子「ってやっぱりーっ!?」
 
それも二人で話してたのね
 
善子「却下よ却下! 【○ロリ】の作者に訴えられるから!」
 
りこまる「「ええーっ」」
 
善子「それ以前に嫌よ! オナラで空を飛ぶ堕天使なんてっ!」
 
花丸「それが駄目ならガスを吸い込んで風船みたいになって──」
 
梨子「ぷっ、ちょっとやめてよ花丸ちゃん……この間の妊娠体験のアレ思い出しちゃったじゃないの」クスッ
 
善子「いい加減アレは忘れてっ!」
 
花丸「でも次の子どもがほしくなったら、今度はヨハネちゃんが産んでもいいと思うなぁ」
 
梨子「花丸ちゃんの言うとおりね。私達だけつわりや赤ちゃん産む時の苦しみを味わうなんて不公平だもんね」
 
善子「気持ちはわかるけど、だからって【ヨハネの生き血】を作ったりしたら駄目だからねっ!」
 
※イメージです
http://q2.upup.be/f/r/JgEHslpXyN.png
1531077811-レス251-画像

よしりこまる「ふふっ、あははっ!」
 
三人で笑い合う
 
これから娘達が産まれてきても、五人で温かい家庭を築いていけるに違いない
257: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:34:06.39 ID:Hbuyy/hz
???

花善(かよ)「よったん、おえかきしよっ」
 
善子「ええ、いいわよ。何を描く?」
 
花善「うーん、ワンちゃんがいいなぁ」
 
善子「お犬さんね……こんな感じかしら?」
 
花善「うわぁ、かわいい~」
 
花丸「本当にそっくりずらね。流石ヨハネちゃん♪」
 
善子「他にも描いてほしいものがあったら何でもいいなさい」
 
花善「うんっ」
262: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:34:41.43 ID:Hbuyy/hz
梨善(りーぜ)「よったん、ひこーきできたー」
 
善子「そうね、これなら遠くまで飛びそうじゃない」
 
梨善「うんっ」
 
梨子「よっちゃんが言うんだから大丈夫よ。飛ばしてごらん」
 
梨善「はーい、りこママ。えいっ!」
 
善子「おおっ、結構遠くまで飛んだじゃない!」
 
梨子「うん、上手上手♪」
 
梨善「えへへ~」
266: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:35:15.22 ID:Hbuyy/hz
花善、梨善「「よったん、おたんじょうびおめでと~」」
 
善子「このケーキ、二人で作ったの?」
 
花善「うん。でもね、はなまるママもてつだってくれたんだよ」
 
花丸「ちょっとだけだよ」
 
梨善「りこママはなんにもしなかったけどね」
 
梨子「いいでしょ! 私はちゃんと材料買ってきたんだし」
 
善子「そうなの……ありがとね。花善も、梨善も……ううっ」グスッ
 
花善「どうしたの? いたいの?」
 
梨善「ないちゃヤダよ、よったん」
 
善子「違うのよ……二人の優しさが、嬉しいのよっ」グスッ
 
梨子「あらあら、よっちゃんってば涙もろくなったのね」
 
花丸「そうだね。じゃあさっそくみんなでいただくずら」
272: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:35:52.88 ID:Hbuyy/hz
花丸「ヨハネちゃん♡」
 
花善「よったん♡」
 
梨子「よっちゃん♡」
 
梨善「よったん♡」
 
ママ二人と娘二人「だーいすき♡」
 
善子「私もよ、みんな♡」
277: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:36:31.01 ID:Hbuyy/hz
深夜、よっちゃんルーム
 
善子「……って夢か」
 
でもいずれ現実になる日が来るのよね?
 
花丸「う~ん、ヨハネちゃぁ~ん♡」ムニャムニャ
 
梨子「ふふっ、よっちゃぁ~ん♡」エヘヘェー
 
善子「二人とも……私は抱き枕じゃないんだから。悪いけどトイレ行きたいのよ」
 
そっと二人の手を振りほどくと、両手が臨月を迎えはち切れそうなほど大きくなったお腹に触れてしまった
 
善子「あっ//」ドキッ
 
トクン、トクンと四人分の生命の鼓動を感じる
 
善子「両手に花ならぬ、両手に腹ってヤツね……うっ//」
 
ちょっとムラってしちゃったじゃないの! 
妊婦さんのお腹に堕ちるなんて……なんという不覚っ!
 
こ、このヨハネがリトルドラゴンちかちーと同じ妊婦フェチなる冥府魔道に堕ちるなんて……絶対ぜーったいあり得ないんだからっ!

善子「でも……ちょっと久々に″抜く″かしら?」
 
まあ安定期を過ぎた以上″えっちなこと″をしても問題はないそうだが、二人やお腹の娘達が心配で″ヤってない″でいたのだ
281: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:37:05.53 ID:Hbuyy/hz
私達の前にはいくつもの大きな壁が立ち塞がっている
 
女の子同士で赤ちゃんが出来たのはどうしてなのか
まだ高校生なのに子どもを作って色々と大丈夫なのか
二人も妊娠させた責任は取れるのか
 
いずれは私とずら丸とリリー、三人の親族みんなに説明しなければならない
 
だけど私は堕天使ヨハネなのよ!
何人から咎められようがもう自分の気持ちに嘘はつかないし、行動の責任だって取ってみせる!
 
善子「だから安心して産まれてきなさい。アンタ達もお母さんも、このヨハネが幸せにしてあげるんだからねっ♡」ニコッ
286: 名無しで叶える物語(有限の箱庭) 2018/07/09(月) 06:37:39.37 ID:Hbuyy/hz
`¶cリ˘ヮ˚)| 終わりよ
 
前に千歌ちゃんが曜ちゃんと梨子ちゃんを妊娠させる妄想をするSSを書いたのですが、今回はそのアップグレード版として二部構成の欲張りセットにしてみました
 
ただし前回よりは妊婦萌えの要素は減らして、そういう趣味がない人でも読めるようにしてあります
スポンサーリンク

シェアする

フォローする

『善子「ずら丸&リリーとの幸せマタニティライフ」』へのコメント

当サイトはコメントシステムとしてDisqusを使用しています。
コメントの投稿にはDisqusへのアカウント登録が必要です。詳しくはDisqusの登録、利用方法をご覧下さい。
表示の不具合、カテゴリーに関する事等はSS!ラブライブ!Disqusチャンネルにてご報告下さい。

2018年5月26日
Disqusによるクッキー、IP、メールアドレスの利用に同意を求めるダイアログが表示された場合は、内容を確認しチェックボックスにチェックを入れて同意頂ければと思います。
(海外のデータ取り扱いに関する法律が変わる事に対応する為の再確認の様です)