善子「ヨハネとルビィのエトセトラ」

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よしルビ-アイキャッチ2


ダイヤ「最近、ルビィの様子がおかしいのですが。何か心当たりはありませんか?」

善子「と、言われてもねえ」

ダイヤ「なんでも良いんです。ルビィは最近善子さんといることが多いようですから」

善子「そこまで言うなら、最近の話でも幾つかしましょうか」

善子「まあ、大して役に立つとも思えないけど」

ダイヤ「ありがとうございます」

善子「まずは、そうね」



pixiv: 善子「ヨハネとルビィのエトセトラ」 by あめのあいまに。

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ルビィ「善子ちゃん、善子ちゃん」

善子「なによ」

ルビィ「よく考えたらさ、ルビィたちって初めて会った時、善子ちゃんが天から降りてきたんだよね」

ルビィ「それって、なんだか運命的だと思わない?」

善子「え゛……」

善子(あれは、天から降りてきたというより、木から落ちてきただけだったけど)

善子(大体あの場には他にも人いたでしょ)

善子「そんなこと、ないと思うけど?」

ルビィ「ええー、そうかなあ。ルビィはなかなか素敵な出会いだったと思うんだけど」

ルビィ「だって、少女が空から降りてきた天使と出会って始まる物語だよ。ドラマの世界みたい」

善子「まあ、字面だけ見たらそうかもね」

ルビィ「でしょ? えへへ、善子ちゃんもやっぱりそう思うんだー」

善子「いや、今のは無理やり言わせただけでしょ」

ルビィ「うーん、聞こえませーん」

善子「まあでも、出会い方は置いといて、私はルビィと出会えて良かったと思ってるけどね」

ルビィ「えっ?」

善子「私の趣味のこと、頑張って理解してくれようとするし。スクールアイドルのこと生き生きと話してるの見るとこっちも楽しいし、なんか子犬みたいで可愛いから見てて落ち着くし」

善子「いつでも頑張るルビィを見てると、こっちも頑張ろうって気持ちにもなれたわ」

ルビィ「うぅ、善子ちゃんはズルいよ」

善子「何が?」

ルビィ「~っ! 知らない!」

善子「そう? 変なの」

ルビィ「もう、善子ちゃんってば。本当善子ちゃんなんだから」

善子「ルビィが何を言いたいか分からないけど」

善子「とにかく、感謝してるわ。伝えたいことはそれだけよ」

善子「ふふっ、本当はリトルデーモンにこんな直接謝意を表すことなんてないんだからね。今日は特別よ?」ナデナデ

ルビィ「ヨハネ様ぁ……」



ドン

ルビィ「ねえ、善子ちゃん」

善子「何よ、急に壁際に私を追い詰めて。リトルデーモンのくせに主人である私に逆らおうとでも言うの?」

ルビィ「そうだよ?」

善子「えっ」

ルビィ「ふふふ。善子ちゃん、ルビィは決めたよ。下剋上して、ルビィが善子ちゃんの主になるって」

善子「良い度胸ね。後で覚えてなさいよ」

ルビィ「すぐに私に、溺れさせてあげる」ボソッ

善子「ん……」ゾクゾク

善子(耳元で囁かれて、ルビィの吐息があたってこそばゆい)

善子「こんなとこ、誰かに見られたら大変よ」

善子「恥ずかしがり屋のあんたじゃ、耐えられないんじゃない?」

ルビィ「ルビィ、思ったんだ。善子ちゃんは鈍感だし、ルビィはちんちくりんだし」

ルビィ「漫画みたいに素敵な出来事ばっかりは、そうそう起こらないって」

善子「言ってる意味が、よく分からないわね」

ルビィ「だから代わりに、スリルを求めるのも悪くないかなって」

善子(壁際で体勢を崩された私は、そのまま腰を下ろしてしまう)

善子(ルビィは覆いかぶさるように私の前に立ちはだかって、顎を手で持って上を向かせる)

ルビィ「いつも上から目線で気丈な善子ちゃんも、こうして見るとか弱い女の子だね」

善子「言ってなさい」

ルビィ「善子ちゃんの髪、サラサラ。黒くて長くて綺麗で、嫉妬しちゃう」

善子(ルビィは撫でるように数度私の髪を手で梳いて、それからゆっくりと鼻先へと持っていく)

善子「やめっ……嗅がないで」

ルビィ「あはは、赤くなってる。可愛い」

善子(鼻がくっつくくらいの距離で、ルビィの瞳に私が映る)

善子(その顔は確かに、いつもと比べて少し軟弱に見えなくもない)

善子「あなたって、もっと大人しい子だと思ってたけど」

ルビィ「もう。ルビィだってやる時はやるんだよ」

ルビィ「……ねえ、善子ちゃん」

善子(ルビィは一度顔を離し、それから視線を目から鼻、そしてその下へと順々に落としていく)

ルビィ「しちゃおっか?」

善子(何を、とは聞かなくても分かった)

善子(吸い込まれるようにルビィの顔が私の顔へ近づいていって)

善子(ここらが、潮時ね)

ルビィ「きゃっ」

善子「ふふっ、形勢逆転ね」

善子(完全に油断していたルビィに足払いをかけ、体勢を崩す)

善子(倒れないよう背中に添えた私の右腕に、ルビィは体を預ける形になった)

善子「で、私にどうするって?」

ルビィ「そ、それは……」

善子「言ったわよね。後で覚えてなさいって」

善子「早速だけど、借りは返してもらうわよ」

善子(さっきルビィがしたみたいに、その愛らしい顔に私はゆっくり近づいていく)

善子(ルビィは観念したように目を閉じて、私からの罰が下るのを待っている)

善子(逃げられないよう左手で握ったルビィの右手に、きゅうと力が籠る)

善子「安心して。優しくするわ」

善子(一言、耳元で囁いてから)

善子(睫毛が触れ合う距離で私も目を閉じて)

ルビィ「……んっ」

善子(夕日に染まる教室で、二人の唇が重なった)



ダイヤ「ちょ、ちょっと」

善子「何よ」

ダイヤ「今の話はどこまで本当なの?」

善子「全部だけど」

ダイヤ「ぜ、全部!?」

善子「ちょっと、生徒会長ってそんな大声だすキャラじゃないでしょ」

ダイヤ「誰のせいですか、誰の」

ダイヤ「あなた、神聖な学び舎で、私の可愛い妹に、いったいなんてことしてくれたんですの」

ダイヤ「最近ルビィの様子がおかしいのは! 善子さん、あなたが誑かしたせいだったんですね!」

善子「いやいや、聞いてた? 最初にちょっかいかけてきたのはルビィなのよ? 私は正当防衛」

ダイヤ「そんな理屈が通りますか」

善子「それにたかがキスくらいで、あのルビィが呆けるわけないでしょ」

善子「ダイヤは知らないかもしれないけど、けっこう強かよ、あの子」

善子「だいたい、随分前の話だしね」

ダイヤ「う、うーん。いろいろとショックが隠せないのですが……」

ダイヤ「だとしたら、一体ルビィはどうして最近様子がおかしいのでしょう」

善子「そうねえ、強いて言うならアレかしら。とりあえず話すけど」

ダイヤ「ま、まだあるんですか……」



 保健室へ入ると、そこには誰もいなかった。
 室内はざわめきに包まれた校内と扉一枚隔てて、シンと静まり返っていた。

「大丈夫、善子ちゃん?」

「ええ、ごめんなさいね」

 ルビィに肩を貸してもらっていた私は、ゆっくりと空いているベッドに腰掛ける。
 体育の授業中に足を捻ってしまって、ここまで運んでもらったの。
 鼻孔をくすぐる独特の薬品臭が、学校という場所にありながら、どこか違う世界へ迷い込んだ気分にさせる。

「とりあえず、見せて」

「い、いいわよ……自分でやるから」

 足元へ縋るルビィに抵抗する。
 だけど結局、怪我人はじっとしてて、と強情なルビィに根負けしてしまった。
 足元に跪くルビィを見ていると、なんだかとてもいけないことをしている気分ね。

「はい」

 靴と靴下を脱がせてもらった足を、ベッドへと乗っける。
 空気に直接触れた解放感がどこか心地良い。

「わあ、ちょっと腫れてるね」

「そうかしら? こんなの唾でもつけときゃ治るわよ」

 捻った時はこの世の終わりかと感じたけど、見てみれば思ったほど目立たない。
 冷やせれば一番良いんだけど、放っておいても痛みは引きそうだ。
 それでもルビィは心配そうに患部を見つめていた。
 だから、安心させるためにそう言ったんだけど。

「ひゃ」

 突如、足首にぬめっとした冷たい感覚が襲ってきた。
 驚いて視線を移すと、私の足にルビィが顔を寄せていた。

「ちょっとしょっぱい、かな」

「ルビィ! な、な、なにしてるの」

 ルビィが、私の腫れた箇所を一舐めしたのだ。

「だって、治すためには唾をつけなきゃって」

「言い方! というか、あんた分かってやってるでしょ」

 いくらルビィがお惚けでも、流石に今の言葉を文字通りに受け取ったりはしない。
 この子は、普段の仕返しに私を困らせてやろうと思ってるんだ。

「あはっ、善子ちゃんの足、とっても熱いね。もっと冷やさないと」

 そう言って私の素足へと舌を這わす。

「ちゅっ、ぴちゃ……ん、ちゅる、っ……」

「や、やめ……汚いから」

 くすぐったさに身をよじらせて、なんとかやめさせようとする。

「嫌なら逃げて良いよ?」

 それができるなら、そうしている。
 軽症とはいえまだ普通に歩くのは憚られる足で、しかもそれはルビィの手の中にあって、どう逃げろと言うのか。

「この悪魔」

 意地の悪い笑みを浮かべるルビィに、私は吐き捨てる。

「リトルデーモンとして光栄です」

 くすくすと、からかうようにそう言って。
 そしてまた、私の足の『治療』へと戻る。

「ん、ちゅ、ぱっ……ぅ、ちゅ、ん……っ、はぁ」

 保健室に、粘り気のある水音が響き渡る。
 それは次第にルビィの熱っぽい吐息が混じっていって、薄暗いこの部屋をとてつもなく背徳的な空間へと仕立てていった。
 丹念に執拗に、その全てが自分のものだとマーキングでもするみたいに、一切の隙間も残さず足首から下を舐めまわす。

「ちゅるっ、じゅ、ぅ……はぁ」

 最後に足の甲へとわざとらくキスマークを残し、それから名残惜しそうに糸を引きながらゆっくりと口を離した。

「はい、おしまい」

 口をゆすぎ、使い捨てのタオルで湿った私の足をふき取ると、ルビィはそう言ってこちらを見た。
 しばらく、そのまま見つめあっていたけど。

「それじゃ、戻ろっか」

 カチリと分針が動いた音で我に返って、ルビィは立ち上がって帰ろうとする。
 だけど、私は彼女の腕を掴んでそれを制止した。

「ありがとう、ルビィ。おかげで大分良くなったわ」

「え、うん」

 突然の感謝に、戸惑いながら返事するルビィ。
 混乱する頭で、どうすべきか迷っているようだった。
 その迷いが命取りとも知らずに。

「献身的なリトルデーモンには、たっぷりお礼をしなくちゃ、っね」

 私はその言葉とともに、ルビィの手を思い切り引っ張った。

「きゃあ」

 踏ん張りが利かずそのままベッドへと雪崩れ込むルビィに、私は位置を変え上手に覆いかぶさった。
 ルビィの顔を挟み込むように両腕をベッドにつき、膝は彼女の足の間に置く。
 ルビィは先ほどまでの『治療』のせいか肩を上気させ、顔も少し紅潮していた。

「善子ちゃん、授業終わっちゃうよ……ふぁ」

「ふざけたことを言う口は、ここかしら」

 私はルビィの口の端に指を突っ込んで引っ張った。

「ふぁへへ、ふぉひふぉひゃう……」

「ふふっ、なに言ってるかさっぱり分からないわよ」

 そのまま輪ゴムで遊ぶみたいに、何度かぐりぐりと動かす。

「このまま帰れるわけ、ないでしょ?」

 この部屋の雰囲気とルビィの行為で、私の中の熱は抑えきれないほどに昂っていた。
 ただでさえ最近ルビィのスキンシップが過剰で、もやもやとした日々を過ごしていたというのに。
 それに、先ほど見つけたルビィの瞳にも、ぬらぬらと暗く光るその奥底に、期待の色を見出したから。
 やっぱりヨハネはご主人様として、リトルデーモンの求めには応えてあげないとね。

「ね、養護の先生、戻ってきちゃうよ」

「黙りなさい……っん」

 いまだに往生際の悪い口を、私は自分の口で塞ぐ。

「ふぁ、ん……ぅ、ん……ぷぁ、んんっ……ちゅ、んぅ」

「ぷはっ……スリルがあるのが、好きなんでしょ? っん」

 いつだったかのルビィの言葉を、そのまま返してやる。

「や、っ、ちゅ、ん……んんっ、む……ん、ぅ……ふっ」

 いやいやと抵抗するルビィの顔を逃がさないよう、片手で頭を撫でながら口を離さないでいると、段々とルビィの力が抜けていった。

「っ、はぁ、はぁ……」

「ねえ、ルビィ」

 一分にも満たなかったかもしれないし、何分もしていたようにも感じる、その口づけを終えて、私はルビィと向き合った。
 どくどくと心臓がうるさいくらいに存在を主張してくる。
 息が苦しくなって、浅い呼吸を何度も繰り返す。
 首元を緩めるために、リボンを乱雑に外した。衣の擦れる音が、ぞわぞわと肌を粟立たせる。

「シたい」

「いいよ」

 出てきた言葉は、とてもシンプルだった。
 そして、それに対する返答も。

「本当に良いの? 後悔しない?」

「しないよ。善子ちゃんの全部を知って、ルビィの全部を知ってもらいたいから。そのためなら、傷ついたって構わない」

「こんなの、普通じゃないわ」

「今更だよ」

「私のことなんて、知れば知るほど幻滅しちゃうかも」

「それでも……ルビィはもっと、善子ちゃんのずっと奥底まで触れたいよ」

 健気に瞳を揺らすルビィをそっと抱きしめて、その体温を近くで感じ取る。
 熱い。灼けるように。
 もう言葉はいらなかった。静かにキスをして、私たちは生まれたままの姿になる。
 手が、口が、全身が、心が、互いの求めるままに互いの体に証を刻んで。

 その日私たちは、少女を卒業した。



ダイヤ「」チーン

善子「って、感じかしら」

善子「ダイヤ? おーい、聞いてる?」

善子「何よ、聞きたいって言うから話してあげたのに」

ダイヤ「あ、あああ、あああ」フルフル

善子「うぇ!? ダイヤが壊れた」

ダイヤ「あなたは何てことをしてくれたんですかー!!」

善子「うわっ、急に叫ばないでよ」

ダイヤ「善子さん、私たちはまだ高校生なんですよ。それなのに破廉恥ですわ!」

ダイヤ「だいたい、どうしていつもいつも学校なんですか! 学校をホテルか何かと勘違いしてませんか?」

善子「そんなことあるわけないじゃない。ダイヤったら常識がないわね」

ダイヤ「な、な、な……」

善子「だいたい、破廉恥って言うけど、私たちは両想いなのよ」

善子「愛する者同士が求め合う、何も恥ずかしいことはないわ!」

ダイヤ「くぅ」

ダイヤ「いえ、ルビィは善子さんに誑かされてるだけに違いありません。あの愛らしくていつもお姉ちゃんお姉ちゃんと慕ってくれたルビィが急にそんなふしだらになるはずがないのです」ブツブツ

ルビィ「ただいまー」

ルビィ「あれ、善子ちゃん来てたんだ」

善子「お邪魔してるわ。あなたのお姉さんに呼ばれてね」

ダイヤ「ルビィ」

ルビィ「あ、お姉ちゃん」

ダイヤ「ちょうど良いところに帰ってきました。今、あなたたちの行き過ぎた交際について話していたところです」

ルビィ「ええ、善子ちゃん言っちゃったの」

善子「別に隠す必要もないでしょ」

ルビィ「そうだけど……でも、なんだか恥ずかしいなあ」

善子「ふふっ、照れてるルビィも可愛いわよ」ナデナデ

ルビィ「えへへ」

ダイヤ「そこ! ナチュラルにいちゃつかない」

ダイヤ「こほん……で、ルビィ」

ルビィ「はい」

ダイヤ「何も付き合うな、とは言いません」

ルビィ「本当?」

ダイヤ「善子さんもこんなですが、根は優しくて、人を悲しませるような人でないという点では信頼しています」

善子「こんなとは失礼ね」

ダイヤ「で・す・が!」

ダイヤ「黒澤家の娘たるもの、節度あるお付き合いに徹しなさい」

ダイヤ「キスとか、ましてや体を許すなど、私が生徒会長であるうちは許しません」

ダイヤ「分かりましたか?」

善子「だってさ?」

ルビィ「うーん……」

ルビィ「ごめんなさい。お姉ちゃん」

ダイヤ「え?」

ルビィ「ルビィはもう身も心も、ヨハネ様に堕とされちゃったから」

ルビィ「そのお願いは、聞けません」チュッ

善子「んっ……もう。ルビィったら。ヨハネの許可なく唇を求めるなんて、悪い子」

善子「お返しよ……ん」

ルビィ「ん、っちゅ、んん……ん、むっ」

善子「ふ、ぅん……っ、んんん……ぁ、ふ……」

チュッチュッ、イチャイチャ

ダイヤ「」

ダイヤ「なにこれ」

おしまい
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2018年5月26日
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