にこ「にこの目が大変なことになった」

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1: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/26(金) 23:13:47.92 ID:drgevF2Y.net
にこ「……最近目の色が変」

にこ「なんでかしら……。日に日に鮮やかな赤になってきてる気がするわ」

にこ「寝不足……なはずはないわよね。ちゃんと体調管理には気を付けているし」

にこ「にこの目、元々赤っぽかったけど。いくらなんでもこれじゃアニメキャラみたいよ」

にこ「んー……別に目が痛かったりはしないんだけど。なんか気になるのよね。眼科にでも行こうかしら」

元スレ: にこ「にこの目が大変なことになった」

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2: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/26(金) 23:14:13.97 ID:drgevF2Y.net
タタタッ

穂乃果「にこちゃーん!」バッ

にこ「わわっ!? あっ、危なっ!」

穂乃果「おっはよー!」ギュー

にこ「ちょっといきなり抱き付くんじゃないわよ! 危なく転ぶとこだったじゃない! このあほのか!」

穂乃果「も~ひどいよにこちゃ~ん」モギュー

にこ「だから離れなさいって言ってんのよ! は~な~れ~な~さ~い~!」グイグイ

穂乃果「えっへへ~、もしかして、にこちゃん恥ずかしがってるの?」

にこ「誰がよ! あーもう! 顔が近い近い!!」

穂乃果「あはは、にこちゃん照れてる~。顔真っ赤だよ?」

にこ「うるっさいわね! 全然そんなことないんだから!」
4: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/26(金) 23:15:13.28 ID:drgevF2Y.net
穂乃果「ふふ、そんなこと言ったって説得力ないよー。あれ、そう言えばにこちゃん、目、真っ赤だよ?」

にこ「え? ああこれね。なんか最近変なのよ」

穂乃果「ふーん、でも綺麗な色だね」

にこ「そう? ってあんまりじろじろ見ないでよ」

穂乃果「えー、いいじゃん。真っ赤で宝石みたいだしさ――っ!?」ビクンッ

にこ「?」

穂乃果「……」フラ……

にこ「……? ちょっと穂乃果?」

穂乃果「にこ、ちゃん……」

にこ「ちょっと、大丈夫? あんたの方が顔真っ赤じゃない?」

にこ「心なしか、目もうつろだし……」

穂乃果「大丈夫です……」フラ……フラ……
6: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/26(金) 23:16:02.31 ID:drgevF2Y.net
にこ「大丈夫『です』!? って全然大丈夫に見えないわよ! なんかよろよろしてるし!」

穂乃果「大丈夫です……」

穂乃果「ちょっと穂乃果、あんたそんなしゃべり方じゃないでしょ!? 海未じゃあるまいし」

穂乃果「にこちゃん……」ギュゥ……

にこ「ちょ、ちょっと……何、穂乃果……?」

穂乃果「にこちゃん……いえ、にこ様……」ギュウ……

にこ「様ぁ!? ちょっと冗談でしょ!? 穂乃果、ちょっとおかしいわよ!」
7: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/26(金) 23:17:14.54 ID:drgevF2Y.net
穂乃果「にこ様……にこ様……」モギュゥ……

にこ「いたっ!? 痛い!  離して!! この、いい加減に……っ!」

穂乃果「……」

にこ「穂乃果ッ、やめなさいッ!!」

穂乃果「はい」スッ

にこ「はぁ、はぁ……穂乃果……?」

穂乃果「何でしょうか……?」

にこ(いったいどうしたっていうのよ、穂乃果……? 顔は真っ赤だし、息は荒いし、目は虚ろ。病気か何か?)

にこ(でもさっきまではいつも通りだったし……)

にこ(とにかく、このままじゃ不味いわ。まずは穂乃果と目を合わせて)グッ

にこ「穂乃果! しっかりしなさい! 元に戻りなさいよ!」

穂乃果「あ」ビクッ

穂乃果「……あれ? にこ、ちゃん……?」
9: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/26(金) 23:18:19.45 ID:drgevF2Y.net
にこ(戻った……?)

にこ「穂乃果……あんた、大丈夫なの?」

穂乃果「え? あれ……穂乃果、どうしたんだっけ……?」

にこ「どうしたんだっけ、って。それはにこが聞きたいわよ」

穂乃果「? あれ? にこちゃんに抱き付いて、それから……あれぇ?」

にこ「覚えてないの?」

穂乃果「うん……。あの、にこちゃん。穂乃果……もしかして、何か変なこと、した?」

にこ「……ううん、何にもなかったわ。ったく、あんたもアイドルなんだから、朝っぱらからボーっとしないでよね?」

穂乃果「う、うん。ごめん。じゃあ、穂乃果行くね。にこちゃん、またね」

にこ「ええ、またあとでね」



にこ「……」
10: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/26(金) 23:19:27.79 ID:drgevF2Y.net




にこ(どう考えても、さっきの穂乃果はまともじゃなかった)

にこ(顔を真っ赤にして、なんていうか、夢うつつっていうか……熱に浮かされてるみたいっていうか)

にこ(アイドルの熱狂的なファンって子が、本物に会ってあんな感じだったの見た時ことあるけど……丁度そんな感じだった)

にこ(そりゃ確かに、にこはスーパーアイドルだし? 出会ったファンの子が感極まっちゃうことはあるかもしれないけど)

にこ(毎日のように会ってる穂乃果が、にこの顔を見ただけであんなになるなんて考えにくいわ)

にこ(何だっていうのよ……)
11: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/26(金) 23:21:06.45 ID:drgevF2Y.net
希「にこっち、何一人でぶつぶつ言ってるん?」

にこ「ん、何だ希じゃない」

希「あー、会うなりそれはいくらにこっちでもひどいやん」

にこ「うるさいわね。考え事してるんだから、邪魔しないで」

希「へ~、にこっちが考え事なんて、これは傘の用意をしないといかんね」

にこ「どういう意味よっ!」

希「そうやって反応するってことは分かってるってことやん?」

にこ「希っ!」

希「ん……? にこっちの目、こんな赤かったっけ?」
14: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/26(金) 23:23:36.16 ID:drgevF2Y.net
にこ「ああこれ? なんか最近こうなのよ」

希「寝不足なん? それで充血してるとか」

にこ「まさか。早寝早起き、美容にも大切だしいつも心がけてるわよ」

希「ふーん……にしても不思議な色やなぁ」

にこ「ちょっとまじまじ見るのやめてよ」

希「ええやん減るもんやないし……?」クラッ

にこ「ちょっ、希? 大丈夫なの?」

希「……」ユラリ……

にこ「希?」
15: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/26(金) 23:24:46.89 ID:drgevF2Y.net
希「にこっち……」

にこ(頬が真っ赤で、目が……。これ……もしかして穂乃果と同じ……?)

にこ(それに、表情が……心なしか、うっとりしてるような……)ゾク

にこ「ちょ、ちょっと冗談でしょ? ねえ、希?」

希「にこっち……にこっち……」グッ

にこ「嫌っ! 触らないでっ」バシッ

にこ「……あっ、ご、ごめん希!」

希「…………」

にこ「なに、何で何も言わないのよ……」

希「…………」ユラ……

にこ「む、無言で近づいてくるのやめてよ!」

にこ「ちょっと、おふざけにしても性質悪すぎるわよ! 希っ! 止まりなさいよ!」

希「っ!?」ビク

にこ(止まった……? そういえばさっきの穂乃果も……。もしかして、にこの言うことをきくの?)
16: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/26(金) 23:25:42.95 ID:drgevF2Y.net
にこ「希?」

希「はい」

にこ(返事をした。言葉は聞こえているのね。なら、試しに)

にこ「にっこにっこにーしなさい」

にこ(いつもの希なら、にこにこう言われたからって素直に従わないだろうけど)

希「にっこにっこにー」

にこ「!」

にこ(まさか、本当に? どういうこと、こんなあっさり。まるで催眠術にかかったみたいに……)

にこ(……どうでもいいけど、虚ろな目でやられるとすごくシュールね)

希「にっこにっこにー」

にこ「……これはこれで貴重な絵面ね」パシャ
19: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/26(金) 23:28:11.65 ID:drgevF2Y.net
にこ「って撮ってる場合じゃなかった。もし穂乃果と同じなら……まっすぐ顔を見て、と」

にこ「希っ! 元に戻りなさいっ!」

希「っ」ビクン

希「う……、あれ? にこっち?」

にこ(やっぱり、戻った)

希「ウチ……?」

にこ「……ボーっとしてたわよ。疲れてるのはあんたの方なんじゃない?」

希「うーん? そう……なんかなぁ……」

にこ「しっかりしてよね。体調管理はアイドルの基本よ」

希「ん……ごめんにこっち。ちょっと保健室行ってくるよ」

にこ「わかったわ。お大事にね」

希「ありがと、ふふ、にこっちは優しいね」

にこ「~~~っ!! いいから、さっさと行きなさいよ!!」
20: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/26(金) 23:29:06.39 ID:drgevF2Y.net



にこ「穂乃果といい、希といい……どういうこと?」

にこ(急に熱でもあるみたいに顔を赤くして、何だか……)

にこ(そう、にこに見蕩れてた、みたいな……)

にこ(まさか、にこの可愛さに魅了されちゃったとか? だから、にこの言うことを何でも聞いた?)

にこ(って、何よそれ。それじゃ魅了どころか、まるで洗脳じゃない。馬鹿馬鹿しい、いくらなんでもアニメやマンガじゃあるまいし)

にこ(それに仮にそうだとして、なんで急に。別ににこは何もしてないのに。二人とも、にこの顔を見てから急に……)

にこ「待って、もしかして」

――にこちゃん、目、真っ赤だよ?

――綺麗な色だね

――そう? ってあんまりじろじろ見ないでよ

――えー、いいじゃん。真っ赤で宝石みたいだしさ――っ!?



――――にこっちの目、こんな赤かったっけ?

――不思議な色やなぁ

――ちょっとまじまじ見るのやめてよ

――ええやん減るもんやないし……?



にこ「もしかして、にこの目を見たから……?」

にこ「この目の、せい……?」



???「…………」
22: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/26(金) 23:46:20.21 ID:drgevF2Y.net




にこ(廊下に人影は……なし)キョロキョロ

にこ「よし」コソコソ

――『アイドル研究部』

ガチャ

にこ「誰も……いないか。当たり前よね、もうすぐ授業だし」

にこ「えっと、鏡鏡っと……」

にこ(うわー……改めてみると凄い色ね。確かに綺麗かもしれないけど、素直に喜べないわ)

にこ「ふぅ……なんかどっと疲れた。座ろ」

にこ(たぶんだけど、にこの目を見た相手はおかしくなるみたい。っていってもまだなったのは穂乃果と希だけだから、確証はないけど)

にこ(だからって他の人に試すわけにもいかないし)

にこ「あーもう! いくらにこがアイドルだからって、視線でファンを魅了するにしても行き過ぎよ!」

にこ(慕われるにしても、あんなのにこが望んでるものじゃないわ。命令を聞くだけの人形のようなファンやメンバーなんて欲しくないし)

にこ「こんなんじゃ、とてもじゃないけど教室に行けないわ。クラスメイトが全員あんなになったら怖すぎるし」

にこ「かといって、このままじゃ……はぁ、どうしようかしら」
26: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 00:12:31.48 ID:QlGUmN00.net
キィ……

にこ「誰っ!?」バッ

穂乃果「にこちゃん……」

にこ「穂乃果!? あんたなんで!?」

穂乃果「えっと……にこちゃんが、部室に行くのが見えたから、気になって」

にこ「そ、そう。ほ、ほら、もうすぐチャイムなるわよ?」

穂乃果「にこちゃんは……」

にこ「に、にこもすぐ行こうと思ってたのよ。あんたもいつまでもこんなとこにいると、海未に怒られるんじゃない?」

にこ「部室の戸締りはやっておくから、あんたはさっさと」

穂乃果「ねぇ」

にこ「な、何? ほらもう時間ないわよ。遅れるでしょ」

穂乃果「にこちゃん、さっき、やっぱり何かあったんでしょ?」

にこ「えっ、な、何よいきなり。何でもないって言ったじゃない」

穂乃果「嘘だよ。だってあの時のにこちゃん、すごく動揺してたもん」

にこ(く……なんでこういう時だけ妙に鋭いのよこいつ)

穂乃果「ねぇ……、何か困ってるなら、穂乃果相談に乗るよ?」

にこ「……だから、別に何でもないわよ」

穂乃果「嘘」

にこ「嘘なんて――」

穂乃果「嘘だよ。何でもないなんて。だってにこちゃん」

穂乃果「さっきから、穂乃果の方向いてくれないじゃん」
27: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 00:24:32.85 ID:QlGUmN00.net
にこ「……!」

穂乃果「ねえ、何でもないなら、ちゃんと穂乃果の顔見てよ」

にこ「それは……」

穂乃果「穂乃果のこと、嫌い? だから顔も見たくないの?」

にこ「ち、ちがっ」

穂乃果「なら。ちゃんと見て?」ツカツカ

にこ(こっちに来る! け、けど止めようにも……)

穂乃果「にこちゃん、なんで俯いてるの?」

にこ「べ、別ににこの勝手でしょ? それにあんたこそ、あんまり見られると気になるんだけど」

穂乃果「にこちゃんを見るのは穂乃果の勝手だもん」

にこ(くぅぅ、本当、こいつったら~!)

にこ「……遅刻したら、先生に怒られるわよ」

穂乃果「そんなのどうでもいい。ねぇ、にこちゃん……」

にこ「……海未やことりも心配するわ」

穂乃果「穂乃果はにこちゃんが心配だもん」

にこ「本当、何でもないのよ。だから穂乃果」

穂乃果「また嘘だよ。それにもし本当なら……ちゃんと穂乃果の目、見てよ。見るまで穂乃果、帰らないんだからね」

にこ(あーもう! それが不味いってのに! こういう時のこの子、本当強情なんだから!)
28: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 00:40:03.82 ID:QlGUmN00.net
穂乃果「にこちゃん、ねぇ……穂乃果のこと、見てよ」

にこ「……嫌よ」

穂乃果「どうして……?」

にこ「どうしても、よ」

穂乃果「穂乃果、やっぱりさっき何かしちゃった? だから怒ってるの?」

にこ「それは違うわ。本当に、さっきは何でもなかったの」

にこ「部室に来たのも、たまたま気が向いただけなのよ。そりゃ、ちょっとサボっちゃおうかな~とかは思ったけど」

穂乃果「……」スッ

にこ「ちょっとあんた何を」

にこ(にこの頬に両手を……、まさか無理やり目を合わせるつもり!?」

にこ「やめてっ!」ガッ

穂乃果「きゃ……っ!」ドサ

にこ「あ……」

穂乃果「痛……」

にこ「ご、ごめんなさい穂乃果……そんなつもりじゃ」

穂乃果「ううん、こっちこそごめんね……」

にこ「あ、ぁ……」

穂乃果「にこちゃんは嫌だって言ってたのに、その気持ちも考えずに無理やり……穂乃果最低だよね」

穂乃果「ごめんなさい。もう、出ていくから……」

にこ「ほの、か……」

ガチャ バタン

にこ「……これで、これでいいのよ。また穂乃果をおかしくするわけには、いかないもの」

にこ「い、いいの、これで……」ジワ

にこ「な、泣かない……にこは……スーパーアイドルにこにーは……グス……これくらい、じゃ、くっ、泣かないんっ、だから……っ!」
41: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 18:07:15.80 ID:QlGUmN00.net
にこ「くっ……」ゴシゴシ

にこ「へこたれてたまるもんか」

にこ「とりあえず、ネットで調べてみましょ……」カチカチ





にこ「はぁ~……色々調べてみたけど」

にこ「やっぱり、こんな症状の病気なんてあるわけないか……」

にこ「となると、病院で診てもらってもダメそうね。そもそも、診察するお医者さんがおかしくなっちゃいそうだし」

にこ「あとは……」カチカチ

にこ「吸血鬼とか悪魔とか、化け物なんかは目を見ただけで人を操ったりできる、ってあるけど……馬鹿馬鹿しい、これじゃオカルトもいいとこよ」

にこ「にこは正真正銘の人間! 人間なんだから!」

にこ「……化け物なんかじゃ、ないわ……」

キーンコーンカーンコーン
42: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 18:10:31.52 ID:QlGUmN00.net
にこ「……あ、チャイム。休み時間、か」

にこ「結局、授業サボっちゃったわね」

にこ「そういえば、穂乃果はちゃんと授業出たんでしょうね……?」

にこ「……はぁ、自分のことで手いっぱいなのに、なんで穂乃果のことなんか心配してるんだろ」

にこ「あれこれ考えすぎて、なんだかのど渇いてきたわ……」

にこ「……水飲みに行くくらい、大丈夫よね?」





にこ「ふぅ、誰にも見つからないような水飲み場まで行ってたら、遅くなっちゃったわね」

にこ「さっき、またチャイムが鳴ったってことは、授業もはじまっちゃったか」

にこ「二時間も続けてサボったら、エリーとか希に怒られるかな」

にこ「それとも、心配してるかしら……? 携帯、電源切ってたし」

にこ「今更確かめるのも、ちょっと嫌というか、怖いわね」

「あら? そこの貴女?」

にこ「えっ?」
44: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 18:15:48.11 ID:QlGUmN00.net
教師「もう授業は始まっているわよ? こんなところで何をしているの?」

にこ「先生……? まずっ!」

にこ「あ、あのえーっと……」

教師「あら……あなた、確か3年の矢澤さん、だったわね。スクールアイドルをやってる」

にこ(ば、バレてる!)

教師「頑張ってるのは聞いてるけど、いくらアイドル活動が忙しいからって、授業をサボってはダメよ」

にこ「えっと、そのー……」

教師「ちょっと、聞いてるの?」

にこ「き、聞いてます」

教師「そう言いながらも、そっぽ向いたままじゃないの。どうにも反省の色が無いようね」

にこ(ヤバい、ここで捕まったら……)

教師「仕方ないわ……職員室まで来なさい。あなたの担任の先生にも、このことは伝えないといけませんからね」

にこ(確実に大事になる。どうすれば……)
45: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 18:18:34.01 ID:QlGUmN00.net
にこ(そ、そうだ! この目の力なら! でも、そうしたら……また穂乃果や希みたいに……)

にこ(でもこのまま職員室になんて行ったら、不味いことになる。下手したら穂乃果たちみんなにも知られるかもしれない)

教師「それじゃ、行きますよ、矢澤さん」

にこ(うぅ……使いたくなんてないけど! もうこうするしか!)

教師「……矢澤さん?」

にこ(ええい! ごめんなさい!)

にこ「先生!」バッ

教師「えっ? 矢澤さん、何を……ッ!?」ビクッ

にこ「……」

教師「ぁ……」ボー……

にこ「……いけた、みたいね。やっぱり、にこの目を見た人はこうなっちゃうのか……」
46: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 18:20:59.70 ID:QlGUmN00.net
にこ「っと、今はそれよりも」

にこ「先生、あなたは『誰にも会いませんでした』 ですよね?」

教師「ええ……私は誰にも会ってないわ」ボー……

にこ「まずはこれでよし。っと、でもいつまでもこのままじゃ不味いわね」

にこ「ええっと、そうだ。先生」

教師「はい……」

にこ「あなたは『職員室に戻ったら、いつも通りに戻りなさい』……と」

教師「職員室に戻ったら……いつも通りに……戻ります……」

にこ「それじゃ、『もう行ってください』」

教師「はい……」フラフラ

にこ「行ったわね……。これで、大丈夫だといいけど……」
47: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 19:11:13.80 ID:QlGUmN00.net
にこ「ともあれ……なんとかなった、かな。ふぅ、一安心……っ!?」ハッ

にこ(安心した? いま、にこ……安心、したの? 人を、まるで操り人形のようにしておいて?)

にこ「う……」ズルズル

にこ(結局、自分がよければいいの?)

にこ「うぅ……っ」

にこ(気持ち悪い……! 吐きそう……!)

にこ(にこはアイドルなのに……みんなを笑顔にするアイドルなのに……!)

にこ「うぐ……うぅ……!」ジワ

にこ(こんな、こんなの……! 自分勝手な考えで、人をあんなにして……! こんなの、アイドルじゃない)

にこ(これじゃ、アイドル失格よ! それどころか……)

にこ「こんなんじゃ……ほんとに、にこ……ばけもの、じゃない……!」グス



「にこちゃん」
48: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 19:22:06.24 ID:QlGUmN00.net
にこ「!」ガバッ

にこ「あんた……」

穂乃果「にこちゃん、泣いてるの?」

にこ「な、泣いてなんかないわよ!」ゴシゴシ

穂乃果「だって……」

にこ「だっても何もないわ! 泣いてないったら泣いてない!」グス

にこ「それよりあんた! 何でこんなとこにいるのよ! 授業中でしょ!」

穂乃果「にこちゃんがそれを言うの? 知ってるよ、さっきも結局、教室行かなかったんでしょ」

にこ「う……」

穂乃果「絵里ちゃんや希ちゃんが心配してたもん。休み時間にわざわざ穂乃果の教室まで来て、にこちゃんのこと知らないかって」

にこ「あいつら……全くお節介なんだから」

穂乃果「みんなにこちゃんが心配なんだよ。もちろん、穂乃果もだよ?」

にこ「それは……悪かったわよ、心配かけて」

にこ「にこは大丈夫だから、あんたも教室戻りなさいよ。先生にみつかったら面倒よ?」

穂乃果「……さっきのにこちゃんみたいに?」

にこ「っ!? 穂乃果、あんた、見て……?」
49: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 20:41:18.67 ID:QlGUmN00.net
穂乃果「うん……やっぱり、気になって。部室に行こうとしたんだけど」

穂乃果「にこちゃん、穂乃果のこと怒ってるかなって躊躇ってたら、チャイムが鳴っちゃって」

穂乃果「そしたら、にこちゃんが先生に捕まってるのが見えたから」

にこ(ほぼ最初からじゃない……。じゃあ、さっきのアレも見られたってことよね)

穂乃果「……ねぇ、にこちゃん。さっき、先生に何してたの?」

にこ「そ、それは」

穂乃果「にこちゃんが先生に怒られてたと思ったら、急に先生がどっか行っちゃって……」

穂乃果「それに先生、様子が変だった」

にこ(やっぱり) 

穂乃果「にこちゃんに最初お説教してたのに、途中から何だかぼーっとしてたし」

穂乃果「にこちゃんが……何かしたんだよね?」

にこ(そこまで見られてたなら、もう誤魔化せそうにないわね……)

穂乃果「にこちゃん」

にこ「ええ、そうよ……」
50: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 21:45:46.94 ID:QlGUmN00.net
穂乃果「やっぱり」

にこ「……」

穂乃果「ねえ、もしかして……朝の穂乃果も?」

にこ「……」

穂乃果「穂乃果も、あんなふうにおかしくなって、それでにこちゃんに迷惑かけちゃった?」

にこ「……大したことなかったから、気にしなくていいわよ」

穂乃果「そっか……。でも。にこちゃん、ごめん、なさい」

にこ「……別に、怒ってなんかないわよ。だから謝らなくたって」プイ

穂乃果「ありがと、にこちゃん。良かった……良かったよぉ……」ポロポロ

にこ「ったく、大げさなのよ。……それに」

穂乃果「え?」

にこ「にこの方こそ、あんたにひどいこと、したわ」

穂乃果「ううん。気にしてないよ。にこちゃんの言い方だと、したくてしたわけじゃなかったんでしょ?」

にこ「それは、そうだけど。でも」

穂乃果「いいの。お互い様ってことで、終わりにしようよ」

にこ「……そうね。あんたが、それでいいなら」
52: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 22:28:53.16 ID:QlGUmN00.net
――『アイドル研究部』

ガチャ バタン

穂乃果「えへへ……結局、一緒にサボっちゃったね」

にこ「まったく、あんたは教室に戻れって言ったのに」

穂乃果「だって、穂乃果あんまり授業好きじゃないし。ここまで来たらいっそ出ても出なくても一緒かなあって」

にこ「はぁ~。言っとくけど、海未やことりに怒られても、にこは庇わないからね」

穂乃果「ええ~!? ひ、ひどいよにこちゃーん!」

にこ「何といわれたって無理よ。本気で怒ってる海未の怖さは、あんたの方が分かってるでしょ。にこにどうしろっていうのよ」

穂乃果「あはは……それは、そうなんだけど」

にこ「……それで?」

穂乃果「え?」

にこ「聞きたいこと、あるんでしょ?」
53: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 22:33:07.61 ID:QlGUmN00.net
穂乃果「教えて、くれるの……?」

にこ「もう、今更だしね。それにあんたの性格じゃ、聞くまで納得しないんじゃないの?」

穂乃果「あはは、やっぱりばれちゃう?」

にこ「あんた、分かりやすいからね。ばれない方がおかしいわよ」

穂乃果「穂乃果、そんなに分かりやすいかなぁ」

にこ「ま、自分じゃ分からないんだろうけどね。で?」

穂乃果「あ、うん。さっき、にこちゃんが穂乃果や先生に何かした、って言ってたけど」

にこ「まあ、当然気になるわよね」

穂乃果「うん。それににこちゃん、さっきからずっと穂乃果の目、見ないようにしてるでしょ」

穂乃果「朝の時とは違って、こっち向いてはくれるけど、目は一度もあってないもん」

にこ「……あんた、時々鋭いわよね」

穂乃果「そういえば、朝も目が変、ってにこちゃん言ってたよね。にこちゃんの目……どうかしたの?」 
54: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 23:13:18.61 ID:QlGUmN00.net
穂乃果「目を?」

にこ「ええ。こんなこと言っても、信じられないかもしれないけど。にこの目を見た人が、おかしくなっちゃうのよ」

穂乃果「おかしくって、さっきの先生みたいに?」

にこ「ええ。なんだか熱に浮かされたみたいになって……その、にこの言うことを、何でも聞くようになる、みたいな」

穂乃果「何でも……」

にこ「……こんなの、気持ち悪いでしょ? わざとじゃないとはいえ、にこは、穂乃果にだって」

穂乃果「そんなことないよ!」ガタッ

にこ「うわ!? ちょっと穂乃果、いきなり何よ、びっくりするじゃない」

穂乃果「だって、にこちゃんは穂乃果がおかしくなって、何でも自由にできたのに、何もしなかったんでしょ?」

にこ「それは、にこもこの目のこと、まだよくわかってなかったし」

穂乃果「それでもだよ!」

にこ「穂乃果……ありがと」

穂乃果「えへへ、どういたしまして!」

にこ「でも、だからこそ今はにこの目、見ない方がいいわ」

穂乃果「にこちゃん……」
56: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 23:51:21.43 ID:QlGUmN00.net
にこ「分かるでしょ? また、あんたをあんな風にしたくはないの」

穂乃果「で、でも! またそうなるって決まったわけじゃ」

にこ「いいえ、分かるのよ。にこの目を見たら、きっとまた、おかしくなるわ」

穂乃果「そんなことないよ! 大丈夫だよ!!」

にこ「その根拠のない無駄な自信はどこから来るのよ……」

穂乃果「だって、大丈夫だって感じたんだもん」

にこ「やっぱり根拠ゼロじゃない!」

穂乃果「ゼロじゃないよ! よーし! じゃあにこちゃん! そこまで言うなら、確かめてみようよ!」

にこ「確かめて、って、どうするのよ」

穂乃果「もう一度、穂乃果の目、見てみてよ!」

にこ「ちょっと待ちなさいよ! どうしてそうなるのよ!? あんた、にこの話ちゃんと聞いてた!?」

穂乃果「もちろんだよ! にこちゃんの目が、不思議な力を持ってるって」

にこ「なら、どうなるかわかるでしょ! いい? あんた、にこの操り人形になっちゃうのよ!?」

穂乃果「大丈夫だよ! にこちゃんのこと、信じてるから!!」

にこ「どういう理屈よ! あんた、にこの話理解してないでしょ!!」
57: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 23:52:03.97 ID:QlGUmN00.net
穂乃果「いいからいいから! ほらほら!」グイグイ

にこ「ああもう、引っ張らないでよ! ちょっと穂乃果、いい加減にやめなさい! 本当に不味いのよ!」

にこ(また穂乃果をあんなにするなんてごめんよ! このあほのか! 人の気も知らないで……!)

にこ「まだ間に合うわ! 穂乃果、お願いだから離して!」

穂乃果「にこちゃん、往生際が悪いよ? ほらほら、こっち向いてよ!」

にこ(く……ご丁寧にがっちり頬を掴んじゃって! 逃げられないじゃない!)

穂乃果「やっぱり、綺麗な赤い色だね……」

にこ(うぅ……穂乃果の顔が、大きな目が……目の前に……!)

にこ(しっかりするのよにこにー! 宇宙一のスーパーアイドルが、自分のとはいえ、こんなわけ分かんない目にふりまわされてたまるもんですか!)

にこ(そうよ。自分の目だもの。これくらい、何とかしてみせる……! これ以上、穂乃果やみんなに、迷惑かけらんないわ!!)グッ

穂乃果「……」ジー

にこ「……」

穂乃果「……」ジー

にこ(まじまじと見ると、やっぱりこの子可愛い顔してるわよね。ってそうじゃなくて)

にこ「……穂乃果?」
58: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/27(土) 23:54:06.55 ID:QlGUmN00.net
穂乃果「……あれ? にこちゃん、穂乃果、変になってる?」

にこ「そういうことを聞く時点で、十分変ではあるけど。でも、さっきとは違うわね」

にこ「だって穂乃果、あんた今、にこの言うこと何でも聞けそう?」

穂乃果「え? え~っと、流石に何でもは嫌、かなぁ……」

にこ(本当に、大丈夫だった……。朝の穂乃果には効いたのに)

穂乃果「あれ? ってことは」

にこ「効かなかった、みたいね。いえ、それとも……」

にこ(もしかしてにこ、この目をコントロールできた?)

穂乃果「ふふん。どう? やっぱり穂乃果の言う通り、大丈夫だったじゃん!!」

にこ「そう、ね……」トス

穂乃果「わわっ、にこちゃん大丈夫!?」

にこ「ええ。ちょっと力が抜けただけよ。どっかのあほのかがとんでもないことするから」

穂乃果「あー、またあほのかって言った! ひどいよ!」

にこ「あんたなんかあほのかで十分よ。本当、こっちは生きた心地しなかったんだからね」

にこ「またあんな、人形みたいなあんたを見るなんて、耐えられないわ。なのに無理矢理……」

穂乃果「うっ……それは、ごめんなさい……」シュン

にこ「まあいいけど。おかげで何か、掴めた気がするし」

にこ「……ありがと、穂乃果」

穂乃果「? えへへ、よくわかんないけど、どういたしまして」
65: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 20:16:13.22 ID:VPQ8eOT8.net
穂乃果「ふふ」

にこ「何よ。にこにこしちゃって」

穂乃果「ん~、ようやくにこちゃんが穂乃果を見てくれたと思ったら、嬉しくてさー」

にこ「なっ!? い、いきなり何言い出すのよ!?」

穂乃果「あっ、にこちゃん照れてる~? 顔真っ赤だよ~?」

にこ「う、うるさい!」

穂乃果「ふふ~ん、顔を真っ赤にして睨まれたって、怖くないもーん」

にこ「うぐぐ……」

にこ「でも……そうね」

穂乃果「?」

にこ「あんたがいなかったら、にこ、本当に、どうしようもなくなってたかも」

にこ「この目をコントロールできたのは、穂乃果のおかげかもね。だからもう一度言わせてもらうわ」

にこ「ありがとう、穂乃果」

穂乃果「ふぇっ!? お礼を言われるほどのことなんてないよっ!?」カーッ

にこ「あれあれ~? あんた、照れてんの~?」ニヤニヤ

穂乃果「あっ、う……だって、にこちゃんがずるいんだもん……」

穂乃果「あんな綺麗な目で見つめられたら、なんだか恥ずかしくなっちゃうよ……」モジモジ

にこ「ん? ごめん、よく聞こえなかったんだけど、何て?」

穂乃果「な、何でもないよっ!」
66: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 20:17:13.66 ID:VPQ8eOT8.net
穂乃果「……あ、そうだ! ねえにこちゃん、その目が何とかなったんなら、教室にも戻れるんじゃない?」

にこ「確かにそうね。コントロールできたとはいえ、まだ不安がないわけじゃないけど」

にこ「これ以上サボるとエリーたちが何するかわかったもんじゃないしね。放っておいたらとんでもないことしそう」

穂乃果「あはは、案外あり得るかもしれないよね」

にこ「笑ってるけど穂乃果、あんたも他人事じゃないわよ。海未への言い訳、考えておくことね」

穂乃果「あっ!? そ、そうだった……。どぉしよぉ~!!」

にこ「ま、せいぜい覚悟を決めておきなさいよね」

穂乃果「待ってよにこちゃん! 見捨てないでぇ!!」

にこ「嫌よ! にこだって大変なんだから!」

穂乃果「そんなこと言わずにぃ~!!」

にこ「あーもう、裾を掴むの止めなさいよ! 伸びちゃうでしょ!」

ガチャ

にこ「ん?」
67: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 20:19:04.25 ID:VPQ8eOT8.net
凛「……」

穂乃果「あれ? 凛ちゃん?」

にこ「どうしたのよ凛、一人で。部室に何か用事?」

凛「……」

凛「……にこちゃん、見つけた」

にこ「……凛?」

にこ(あの目……表情、まさか!?)

穂乃果「もー、凛ちゃんもサボリ? ダメだよ~、真姫ちゃんや花陽ちゃんに怒られちゃうよ?」

にこ「穂乃果っ! 凛から離れなさい!」

穂乃果「えっ」

バシッ

穂乃果「きゃっ!? り、凛ちゃん……!?」グラッ

にこ「あぶなっ!」ガシ

穂乃果「あ、ありがとにこちゃん。転んじゃうとこだった」

にこ「別にいいわよ。それに、呑気にお礼を言ってる場合じゃなさそうよ?」

穂乃果「えっ?」
68: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 20:20:38.57 ID:VPQ8eOT8.net
凛「にこちゃん……捕まえる……」

にこ「……やっぱり、か」

穂乃果「り、凛ちゃん? 何言ってるの?」

にこ「穂乃果、ぼさっとしない! 逃げるわよ!」ダッ

穂乃果「わっ、にこちゃん!?」




タッタッタッ

穂乃果「にこちゃん、あの凛ちゃん、もしかして……」

にこ「たぶん、そうだと思うわ……」

穂乃果「凛ちゃんも、にこちゃんの目でおかしくなっちゃったの?」

にこ「いいえ、違うわ。今日、凛に会うのはさっきが初めてよ」

穂乃果「それじゃ……?」

にこ「……」

にこ(分からない……。にこ以外に、同じ目を持った人間がいるってこと? だとしたら、誰が?)

にこ(それに、何故にこを狙うの?)

穂乃果「にこちゃん……」

にこ「考えるのは後! 今はとにかく逃げないと!」
69: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 20:22:22.00 ID:VPQ8eOT8.net
穂乃果「う、うん! あの凛ちゃん、普通じゃないもんね!」

凛「逃がさない……」

穂乃果「うわわ! 凛ちゃんが追いかけてきてるよ!?」

にこ「そりゃそうよね! ってか足速い!」

凛「……」

にこ(いつも元気な凛が無表情で追いかけてくるとか、ちょっとどころじゃないホラーね!)

穂乃果「はぁっ、はぁっ、このままじゃ追いつかれちゃうよ! ど、どうするの!?」

にこ「はっ、はっ……穂乃果、あんたも一緒に逃げてるけど! 凛の狙いは、にこだけみたいだしっ、あんたまでにこに付き合うことないわよ!?」

穂乃果「いまさらだよにこちゃん! それににこちゃんのこと、放っておけるわけないよ!」

にこ「……ったく、本当、あほのかなんだから……」

穂乃果「で、でもどうしよう!? もう逃げきれないよ!」

にこ「く……!」
70: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 20:25:20.09 ID:VPQ8eOT8.net
穂乃果「そ、そうだっ! にこちゃん!! 穂乃果の目を見て!!」

にこ「えっ!?」

穂乃果「にこちゃんの目で!」

にこ「……! そ、そういうこと!? で、でもそれじゃ……!」 

穂乃果「穂乃果なら大丈夫だから! にこちゃん!!」

にこ「ええい、もうそれしかないか……っ! 穂乃果!! 頼むわよ!!」グッ

穂乃果「うん!」ジッ

にこ「『にこを連れて、全力で凛から逃げなさい』!!」カッ

穂乃果「!」ドクン

穂乃果「行けるっ! 力が溢れてくる!! にこちゃんっ!」グイッ

にこ「ちょ、ちょっと!? わわっ!!」

穂乃果「このまま一気にダッシュだよっ!!!」ダッ

にこ「だからってなんでにこをおひめさまだっこなのよぉぉぉぉ―――!!!」
72: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 21:04:14.54 ID:VPQ8eOT8.net




ダダダダダ……

にこ「ちょ、穂乃果!? 速い速い!! 速すぎ!!」

にこ「どこまで行く気よ! 学院出ちゃうじゃない!? 止まれ、止まりなさいっての!!」

穂乃果「行ける……!! 今の穂乃果とにこちゃんならどこまでも行けるよ!!!」

にこ「頬を染めたまま恥ずかしいセリフ口にして暴走すんなっての!!! このあほーっ!」ベシ

穂乃果「いったぁ!? って、に、にこちゃん!?」

にこ「ぜぇ、ぜぇ……ようやく正気に戻ったわね……全く、この大馬鹿あほのか!!」

穂乃果「ひどい! 穂乃果大馬鹿でもあほでもないもん!! って、いたたたたっ!?」

にこ「ええっ!? にこ、そんな強く叩いてないわよ!?」

穂乃果「ち、ちが……なんか全身が、ビキビキいって……痛っ、な、なんで? いたたたっ!!」

にこ「あー……なるほどね。分かったわ」

穂乃果「え? なに? あ、いた、いたた……っ」

にこ「たぶん、にこの目の力で、無理やり限界以上の力を出したから、身体の方がついていけなかったんじゃない?」

穂乃果「あ……確かに、漫画とかでもそういうのある……いたた……」

にこ「凛は何とか撒いたみたいだし。ちょっと休みましょ。流石にこんなところまで来る生徒も先生もいないだろうし」

穂乃果「う、うん……ちょっと動けそうにないから、そうする……」

にこ「はぁ、穂乃果、助かったけど、さっきのはもうしないからね」

穂乃果「で、でも……また凛ちゃんが追いかけてきたら」

にこ「しないからね」キッ

穂乃果「わ、わかりました……。その、ごめんなさい……」

にこ「ふぅ。分かればいいのよ。正直、あんまりこの目は使いたくないんだから。それに……」

穂乃果「?」

にこ「あんたに無理させてまで、助かろうなんて思わないわ」

穂乃果「にこちゃん……」

穂乃果「それは穂乃果もだよ! さっきにこちゃん、穂乃果に『自分を見捨てて』みたいなこといったけど、あんなの許さないんだからね!」

にこ「でもそれは」

穂乃果「にこちゃん!」ズイ

にこ「わ、分かったわよ、もう言わないわ!」タラ
74: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 21:54:14.48 ID:VPQ8eOT8.net
穂乃果「ん、うぅ~ん……」ヨロヨロ

にこ「穂乃果、大丈夫なの?」

穂乃果「うん、もう何とか動けそう……。まだちょっと変な感じするけど」

にこ「無理しないの。もう今日の授業は諦めたし、ゆっくり休みなさいよ」

穂乃果「ん、そうする……」グデー

にこ「それにしても、さっきの凛はいったい……」

穂乃果「うん、おかしかったよね? 穂乃果が見た、にこちゃんの目を見た先生みたいだった」

にこ「ええ、まさにそんな感じだったわ。おそらく誰かに操られたんでしょうね」

穂乃果「操られた……ひどいよ! 凛ちゃんを操るなんて!」

にこ「そうね。改めて思ったわ。人を人形のように操るなんて、してはいけないことよ」

穂乃果「やっぱり、にこちゃんは優しいね。穂乃果を見たのがにこちゃんでよかったよ」

にこ「何言ってんのよ……もう」

穂乃果「でも、にこちゃんじゃないとすると、凛ちゃんをあんなにしたのは一体誰なんだろう?」

にこ「凛が一人で来たってのも気になるわ。真姫や花陽なら、何か心当たりがあるかもしれない」

穂乃果「なるほど! じゃあ、一年生の教室に行く? あ、でもそれより花陽ちゃんたちにここに来てもらった方が早いかな?」

にこ「それはやめときましょ。もし凛にまで知られたらまずいわ」

穂乃果「あ、そっか」

にこ「とはいっても、一年生の教室まで行くんじゃ危険度は変わりないけどね。でも、何とか情報を集めて、凛も元に戻さないと」

穂乃果「じゃあ、行動開始だね! 凛ちゃんと会わないように、こっそり行こう!!」

にこ「声が大きいわよ……あんた、こっそりの意味わかってる? 

穂乃果「あ、そ、そっか……ごめん」
75: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 22:16:29.72 ID:VPQ8eOT8.net
にこ「もう、気をつけなさいよね。そんな大声出したら、誰かに見つかるかもしれないじゃない」

ガスガスガスッ

にこ「ほらこんな風に……って!? 何!? 何なのよっ!?」

穂乃果「にこちゃんっ!? これ、刺さってるのって、矢? ……まさか」バッ

海未「……」

穂乃果「海未ちゃんっ!? なんで弓道の服着て……え? 待って、なんで穂乃果たちに狙いつけてるの?」

にこ「穂乃果、ぼけっとしない! あの海未は凛と同じよ、分かるでしょ!!」

穂乃果「そんな……凛ちゃんだけじゃなくて、海未ちゃんまで……?」

海未「次は当てます……」

ヒュッ……ビッ

にこ「っ……!!」

穂乃果「にこちゃんっ!!」

にこ「平気よ、かすっただけ! 海未! しっかりしなさい! 元に戻りなさいよ!!」

穂乃果「そうだよ海未ちゃん! こんなのダメだよ!! やめてよ!」

穂乃果「にこちゃん! 何とかならない!?」

にこ(屋上の海未までじゃ、距離が遠すぎる……! にこの目で正気に戻すにも、これじゃ効かないわ……!)ギリッ

海未「……」キリキリ

穂乃果「うわぁ! 矢をつがえてる!! どどどどうしよう~!!」

バシュゥゥ……モクモクモク

海未「!?」

にこ「ぷわっ!? なにこれ!?」

穂乃果「ごほっごほっ……うわぁ、目の前真っ白だよぉ~!?」

にこ「これ、消火器の、煙? 誰が……? そ、それよりチャンスよ穂乃果! 今のうちに!!」

穂乃果「ごほっ、そ、そっか!」

タタタッ

海未「にこ……? いない……」

海未「……逃がし、ましたか」
76: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 22:17:46.23 ID:VPQ8eOT8.net




――空き教室

にこ「ぜぇ、はぁ……まったく、ぜぇ……なんだって、はぁ……言うのよ……」

穂乃果「うぅ……走ったらまた足が痛くなっちゃったよ~……」サスリサスリ

にこ「しかし、凛だけじゃなく海未までとはね。……どこのだれか知らないけど、ずいぶんふざけたことしてくれるじゃないの……!」

穂乃果「うん……μ’sの皆を操って、にこちゃんを傷つけて……! ぜったい許さないよ!!」

にこ「おかげで制服がダメになったわ。高くつくわよ、これは……!! 絶対に海未たちを元に戻して、犯人にはお返ししてやるんだから!!」

穂乃果「そうだ! にこちゃん腕!! 怪我は!?」バッ

にこ「……」

穂乃果「にこちゃん? 大丈夫なの?」

にこ「あ、うん……平気よ。びっくりしたけど、よく見たら傷一つ無いわ。当たったのは服だけだったのかも」

穂乃果「よ、良かったぁ~」ヘナヘナ

にこ「心配かけて悪かったわね」

にこ(……確かに、傷一つ無い。でも、さっき感じた痛みと、この服の血の痕は……?)
83: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 20:43:12.10 ID:BuekCTUT.net
カラカラ……

ほのにこ「!?」ビク

にこ(誰か入ってきた!?)ヒソヒソ

穂乃果(も、もしかして凛ちゃん!? それとも海未ちゃん!? に、逃げないと!!)ヒソヒソ

にこ(落着きなさいよ穂乃果! まだそうと決まったわけじゃ)ヒソヒソ

穂乃果(でも穂乃果たちが隠れてるのが見つかったら!)ヒソヒソ

にこ(それはそうだけど!)ヒソヒソ

穂乃果(ねえにこちゃん、やっぱり穂乃果にその目で)ヒソヒソ

にこ(それはもうしないって言ったでしょ!!)ヒソヒソ

「にこちゃん、穂乃果ちゃん? いますか?」

にこ(! 待って穂乃果、この声は……)

花陽「二人とも、ここにいるの?」

にこ「花陽!」

穂乃果「花陽ちゃん!」
84: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 20:43:52.93 ID:BuekCTUT.net
花陽「あっ、二人とも! よかったよぉ、見つかって」パァ

にこ「びっくりさせないでよ、もう。心臓止まるかと思ったわ」

穂乃果「でも花陽ちゃんでよかった~……」

花陽「あ、ご、ごめんなさいっ。驚かすつもりはなかったんだけど……」

にこ「まあいいわ。こっちも花陽にはちょうど用があったしね」

花陽「私に、ですか?」

にこ「そう、ちょっと凛のことで聞きたいことがあってね」

花陽「凛ちゃんの……」

穂乃果「……花陽ちゃん?」

花陽「あっ、ううん、なんでもないの。それで、にこちゃんたちは凛ちゃんに会ったの?」

にこ「ええ。まあね。でもちょっと気になったことがあって、花陽なら何か知ってるかなと思ったのよ」

穂乃果「何でもいいの。花陽ちゃん。何か、凛ちゃんのことで気が付いたことない?」

花陽「ええっと……」
85: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 20:45:07.22 ID:BuekCTUT.net
花陽「それは、にこちゃんたちの方が、よく知ってるんじゃないかな?」

にこ「えっ?」

カッ!

にこ「きゃぁっ!」

穂乃果「わわっ!?  何これ!? 何か光ったと思ったら、目がっ!? 」

にこ「うく……っ、今の、カメラのフラッシュ? 目が、眩んで……!」

穂乃果「は、花陽ちゃん、一体何でこんな!?」

花陽「ごめんねにこちゃん。穂乃果ちゃんも。でもこうしないと、にこちゃんの目で操られちゃうって」

にこ「!! 花陽、一体何でそれを!?」

花陽「……やっぱり本当なの? にこちゃんがその目で、みんなを操ってるって」

穂乃果「違うよ花陽ちゃん!! にこちゃんはそんなことしない!!」

花陽「……穂乃果ちゃんは、にこちゃんの味方なんだね。目の力で、味方にしたのかな」

にこ「違うわっ!」

穂乃果「そうだよ! 穂乃果は穂乃果がしたいから、にこちゃんを助けてるの!!」

花陽「言葉だけなら、何とでもいえるよね」

花陽「だって、にこちゃんの力で、凛ちゃんみたいにしちゃえばいいんだもん」

にこ「!! 花陽、凛は!」

花陽「昨日まではいつも通りだったのに……凛ちゃん、おかしくなっちゃってて……」

にこ「花陽……」
86: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 20:47:35.48 ID:BuekCTUT.net
花陽「にこちゃんのせいだって、にこちゃんが、凛ちゃんをあんなにしちゃったって……!」

にこ「誰よ! そんなこと言ったのは!!」

穂乃果「そんなの嘘っぱちだよ! にこちゃんがそんなことするはずないでしょ! 花陽ちゃんなら分かるよね!?」

穂乃果「アイドルが大好きで、メンバーみんなをとっても大切にする、優しいにこちゃんのこと、花陽ちゃんも知ってるでしょ!!」

花陽「あ、にこちゃんは……。だって……、凛ちゃんが……でも……」

にこ(まだ視力が回復しない……! 目の力に頼る気はないけど、これじゃ逃げられないわ)

にこ(それに何より、花陽をこのままにしておくわけにはいかない。何としてでも誤解を解かないと!)

にこ「花陽、お願いよ、信じて……!」

穂乃果「花陽ちゃんは、にこちゃんや穂乃果を信じられない?」

花陽「うぅ……でも、凛ちゃんが……、にこちゃんを捕まえないと……凛ちゃんが……」

にこ「花陽っ!」

花陽「うわあぁぁぁぁっ!!」

バチィッ

にこ「がっ……!」ガクッ

穂乃果「にこちゃんっ!」

穂乃果「花陽ちゃん、何をっ!?」

花陽「はぁ、はぁ……、ご、ごめんなさい! ごめんなさい! でもこうするしか!!」

にこ「花陽、あんた……!」

にこ(痛ったぁ……! 今の、まさかスタンガン? 何でこんなものを、花陽が)

にこ「うぐ……っ」

にこ(不味い、視力は戻ってきたけど、今のショックで痺れて、力が入らないわ……)
87: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 20:48:59.77 ID:BuekCTUT.net
穂乃果「花陽ちゃん! やめてっ!」

花陽「穂乃果ちゃんも動かないでっ!」バッ

穂乃果「ううっ」

花陽「抵抗しないでね……。もうこれ以上、ひどいこと、したくないの」ジワ

にこ「はな、よ……泣いてるの……?」

穂乃果「花陽ちゃん……」

花陽「何もしないでくれれば、私ももう、何もしないから……」

花陽「にこちゃんを捕まえれば、それでいいって言ってたから……」ポロポロ

にこ(さっきから聞いてれば、花陽を唆したヤツがいるみたいな言い方ね? そいつが黒幕、かしら)

にこ(……ともかく、このまま捕まるわけにはいかないわ。穂乃果も巻き込んじゃってるし、何とかしないと)

にこ(……やっぱり、この目に頼るしかないの……?)

花陽「ごめんなさい、ごめんなさい。でも、私はこうするしか……」

花陽「もうちょっとだけ、おとなしくしてて……」
88: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 20:52:21.97 ID:BuekCTUT.net
ガラガラッ ピシャッ

「だからって、はいそうですか、なんて、認められないわ」

花陽「えっ!? 誰っ!」バッ

「はい、特製スプレーた~っぷり噴射、ぷしゅっ、なんてね」プシュ

花陽「ピャァ!?」

絵里「ごめんね花陽。でもここはにこたちの味方をさせてもらうわ」

にこ「あんた……!?」

穂乃果「え、ええっ!?」

にこ「絵里!?」

穂乃果「絵里ちゃん!!」

絵里「助けに来たわよ! にこ、穂乃果!」

にこ「……どうでもいいけど、今の希の持ちネタじゃない?」

絵里「ふふっ、実はいつか使ってみたかったのよね」ニコニコ

花陽「絵里、ちゃん……っ!? な、なんでここに……っ!」ヨロヨロ

絵里「花陽、ごめんなさいね。そのスプレーは、ちょっと眠くなるだけらしいから安心して」

花陽「う、ぅ……」

絵里「今はおやすみなさい」

花陽「えり、ちゃん……りん、ちゃん……」フラッ

絵里「おっと」トサ

絵里「ふふ、よく食べすぎて体重が、なんて言ってるけど、軽いわよ花陽」

絵里「ごめんね、床にだけど、横になっててね」

花陽「すぅ……すぅ……凛ちゃん……。にこ、ちゃん……ごめん、なさい……」

にこ「花陽……。いいのよ。気にしてないわ」

穂乃果「……にこちゃん」
89: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 20:56:40.20 ID:BuekCTUT.net




絵里「さて、大丈夫だった、二人とも?」

にこ「何とかね……。助かったわ」

穂乃果「絵里ちゃん、ありがとー……穂乃果もうだめかと思ったよぉ~!」

絵里「うふふ、どういたしまして。本当に危ないところだったみたいね」

にこ「いや本気でヤバかったわ。絵里が来てくれなければ終わってたわね」

穂乃果「にこちゃん、大丈夫?」

にこ「ええ、目ももう見えるし、痺れも消えたわ。あんたこそどう?」

穂乃果「穂乃果も大丈夫だよ!」

絵里「ハラショー、って言ってる場合じゃない、か。どうにも厄介事みたいね」

にこ「まあそんなところね。本当、勘弁してもらいたいんだけど」

花陽「う、ううん……」

穂乃果「ところで、花陽ちゃん大丈夫なの?」

絵里「大丈夫よ。真姫に貰った特製スプレーだけど、あくまで防犯用だから」

にこ「信じていいものか悩むわね……」

穂乃果「あっさり眠らせちゃって、まるでドラマか映画みたいだったよ……」
91: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 21:31:58.66 ID:BuekCTUT.net




~事情説明中~

にこ「……ってわけ」

絵里「なるほどね、にこの目がそんなことになってるなんてね」

にこ「にこもなんでこうなったのか、さっぱり分かんないわ。おまけに次から次へと面倒事が起きるし」

穂乃果「絵里ちゃんは、どうしてここに?」

絵里「にこの姿がどこにもないから、心配してあちこち探してたのよ」

絵里「そしたら、にこと穂乃果と凛が追いかけっこしてるわ、海未が屋上から矢を撃ってるわ、まあ普通じゃないと思ってね」

絵里「途中で見かけた花陽の様子もおかしかったから、こっそりつけてきてたってわけ」

にこ「はぁ……ならもっと早くに助けてくれればよかったのに」

絵里「ごめんね。でも私も何が何だか分からなくて、事態を把握するまで時間がかかったのよ」

にこ「ま、それは分かるけどね。いきなりこんなこと言われて順応できるのなんて、どこかの誰か位よ」

穂乃果「?」

にこ「しかし、こんな話、絵里が信じるとはねー」

絵里「あら。そう?」

にこ「だって、今はともかく、以前のお堅い生徒会長だったあんたじゃ、こんな話しても鼻で笑ったんじゃない?」

絵里「ええ~? それはちょっとひどくない?」

穂乃果「あ、それはちょっと思うかも」

絵里「穂乃果まで!」

絵里「もう……。普通だったら信じなかったかもしれないけどね。さっきも言ったけど、明らかに普通じゃなかったしね」

絵里「希も、『今日のにこっち、なんかおかしかったかも』なんて言ってたからね」

にこ「なるほどね」

絵里「それに、花陽には悪いことしたけど、大切な仲間のにこがピンチなんだもの。助けてあげなきゃいけないじゃない?」

にこ「ば、ばか……何言ってんのよ」

穂乃果「ふふっ、にこちゃんまた頬真っ赤だよ」

にこ「うっさいわね!!」
92: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 21:40:29.81 ID:BuekCTUT.net
絵里「ねえ、ところで今更なんだけど。私もにこの目、見てもいい?」

にこ「はぁっ!? 何でよ!?」

絵里「いや、話を聞いたら気になっちゃったのよ。あ、でもにこに操られたいとか、魅了されたいとか変な意味じゃないからね?」

にこ「いきなり人の目を見たいってだけで、十分変よ……。まあ、いいけど。今なら力を使わないようにコントロールできるし」

絵里「ハラショー! じゃあ早速!」ズイッ

にこ「近いわよ!! いきなり迫ってくるんじゃない!」

絵里「ふぅん、すごく綺麗な赤い色ね」

にこ「前はこんなんじゃなかったんだけどね。最近、妙に色が変わってきたのよ」

絵里「でも、それ以外は特に変なところはないわね。瞳孔も普通だし、変な模様が浮かんでるわけでもない」

にこ「ええ、だからにこも最初はそこまで気にしてなかったんだけど」

絵里「思い当たる原因とかは?」

にこ「さっぱり。正直、お手上げよ」

絵里「でも……本当に綺麗。まるで宝石、ルビーかしら。確かにこれは、虜になりそうだわ」

穂乃果「だよね! 穂乃果もこのにこちゃんの目、好きなんだ~」

にこ「あんたら……、はぁ、言っても無駄よね、うん。もういいわ……」

にこ「言っとくけど。力を使って、にこの目を見るの、無理矢理終わりにしてもいいんだからね」

絵里「あら、にこはそんなことしないわよね?」

穂乃果「にこちゃん優しいもんね!」

にこ「~~~! あーもう! 分かったわよ! もう好きなだけ見ればいいじゃない!!」
98: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 23:14:26.58 ID:BuekCTUT.net
花陽「う、うぅん……」モゾモゾ

穂乃果「あ」

花陽「あれ……ここ、は……」

にこ「気が付いた?」

穂乃果「花陽ちゃん大丈夫?」

花陽「にこちゃんっ!? 穂乃果ちゃん!?」ガバッ

花陽「あぅ……」フラ

絵里「おっと。私もいるわよ。花陽、無理しないの」

花陽「絵里ちゃんも……。そっか、私……」

絵里「とっさのこととはいえ、ごめんね花陽。どこか痛かったり、気分が悪かったりしない?」

花陽「うん、大丈夫……。にこちゃん、穂乃果ちゃん。私の方こそ、ごめんなさい……」グス

にこ「気にしてないわよ。あんたも大変だったのは分かるし」

穂乃果「穂乃果も全然気にしてないよ! だから花陽ちゃん、泣かないで、ね?」 

花陽「うん……ごめんなさい、ごめんなさい……!」ポロポロ

にこ「余計泣かしてどうすんのよ」

穂乃果「うぇ!? だ、だって。そんなつもりじゃなかったんだよ~」
99: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 23:15:23.44 ID:BuekCTUT.net
にこ「はぁ~、ったく」

花陽「あっ、あの」ビク

にこ「花陽」

花陽「は、はいっ!?」ビクビク

にこ「怖かったでしょ」スッ

花陽「あっ……」

にこ「友達の凛がおかしくなって、いきなりわけわかんないことになってて、怖かったでしょ」ギュ

花陽「にこちゃん……」

にこ「あんたは優しい子よ。にこたちにひどいことをしたって、つらくて泣いてたでしょ」ギュゥ

にこ「でも、もう泣かなくていいの」

にこ「にこが言えたことじゃないけど。きっと大丈夫、大丈夫だから」ナデナデ

花陽「ありがと、にこちゃん……。あったかいよ……」ギュッ

にこ「ん。落ち着くまで、こうしてていいからね」

花陽「うん……」



穂乃果「にこちゃん、すごいね」

絵里「流石にこよね。お姉さんなだけあるわ」

穂乃果「……私たちもお姉ちゃんなんだけどね」

絵里「何が違うのかしらね……」
100: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 23:18:24.93 ID:BuekCTUT.net




花陽「ありがとう、にこちゃん。もう、大丈夫」

にこ「落ち着いた?」

花陽「うん」

絵里「ともあれ、一安心ね」

穂乃果「花陽ちゃん……よかったよぉ~」

にこ「問題はまだまだ山積みだけどね」

花陽「そ、そうだよっ! 凛ちゃんがっ!」

穂乃果「は、花陽ちゃんっ、無理しちゃだめだよ!」

にこ「そうよ。凛はにこたちが助けるわ。絶対に、何があってもよ!」

絵里「私も手を貸すわよ。凛はμ’sメンバー以前に、大切な友達だからね。もちろん花陽もよ」

穂乃果「穂乃果もだよ! 花陽ちゃん、心配しないで! 絶対に凛ちゃんを元に戻してあげる!」

にこ「ってわけ。だから凛のことはにこたちに任せなさい。この宇宙一のスーパーアイドルにね」

花陽「みんな……、うん、お願い、します……凛ちゃんを、助けて!」

ほのにこえり「「「任せなさいっ!」」」
109: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 20:39:35.46 ID:rlu9ZmH9.net
にこ「それじゃあ花陽。教えてくれない?」

花陽「う、うん」

にこ「にこの目のことを、誰から聞いたのか。誰が、にこを捕まえて来いって言ったのか」

にこ「おかしくなった凛のことについて、あんたに何か言ったのもそいつじゃない?」

にこ「何でもいいわ。知ってることがあったら、教えて」

花陽「えっと……朝、凛ちゃんの様子がいつもと違ってて」

絵里「ふむふむ」

花陽「私のことも、まるでわからないみたいだったの。それが悲しくて、怖くなって……」

穂乃果「花陽ちゃん……」

花陽「そうしたら、凛ちゃんをそんな風にした人がいるって……」

にこ「それよ。花陽、あんたにそう言ったのは誰なの?」

花陽「う、うん……ええっと、確か……」

にこ「……」

花陽「あ、あれ……?」

絵里「どうしたの?」

花陽「おもい、だせない……」
110: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 20:41:31.21 ID:rlu9ZmH9.net
にこ「思い出せない?」

花陽「うん……誰かに会って、お話したはずなのに。いつ、どこで会ったのか。誰だったのかが……思い出せないの……」

絵里「そんな、だってそんな昔のことじゃないでしょう?」

穂乃果「ど忘れしちゃったとか?」

絵里「いくらなんでもそれはないんじゃない?」

にこ「さっきの花陽の様子からしても、その相手に言われたことは覚えてるみたいだったしね」

絵里「話した相手のことだけ忘れた、ってのはちょっとおかしいわね」

穂乃果「確かに」コクコク

にこ「もしかして……、これも目の力、なの?」

穂乃果「ええっ? 操るだけじゃなくて、記憶を消しちゃうなんてこともできるの?」

にこ「分からないけどね。可能性はあるんじゃない?」

にこ「だって穂乃果。あんたが一番最初ににこの目を見た時、自分が何をしたのか覚えてなかったでしょ?」

穂乃果「そ、そう言えば……」

絵里「しかしもしそうだとすると、相手は徹底的に正体を隠すつもりかしら」

絵里「ずいぶん用心深いわね……」

穂乃果「なんかずるいね」

花陽「ご、ごめんね。私がちゃんと覚えていれば……」シュン

にこ「ほら、そんな顔しない。花陽のせいじゃないんだから」

穂乃果「そうそう! 悪いのは花陽ちゃんにそんなことを言った人なんだから!」

絵里「でもにこ、花陽は本当に記憶を消されたのかしら?」
111: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 20:51:19.47 ID:rlu9ZmH9.net
穂乃果「絵里ちゃん、どういうこと?」

絵里「私はまだ、にこの目の力を見たわけじゃないし、穂乃果みたいに体験したわけでもないけど」

絵里「そんなに都合よく、特定の記憶だけ消すなんてできるものかしら」

にこ「でも現に穂乃果や希は……」

絵里「そこもよ。にこたちの話からすると、操られた時に穂乃果は記憶を失ったんじゃなくて、したことを覚えてなかったんでしょ?」

にこ「そういえば、そうね」

穂乃果「うん」

絵里「花陽の場合とは、ちょっと違うと思わない?」

にこ「そうかもしれないけど……」

絵里「記憶というのはあちこちにつながっているのよ。下手に一部分の記憶を消すなんてしたら、それこそ思いもよらない事態になるかもしれないわ」

絵里「ふとしたことで、思い出されないとも限らないしね」

穂乃果「え~っと。絵里ちゃん、つまり?」

絵里「もしかして、だけど。忘れさせたのではなく、『話をした自分のことだけは、思い出さないように』とかって命令をしたとかは考えられない?」

にこ「なるほどね……。でも、だとしたらどうするの?」

絵里「……にこの力で、その命令を打ち消せないかしら?」
112: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 20:56:34.94 ID:rlu9ZmH9.net
穂乃果「ええっ!? にこちゃんの力で!?」

にこ「目には目を……暗示には暗示ってわけ? でも」チラ

穂乃果「それって、花陽ちゃんににこちゃんの目を使うってこと、だよね?」

にこ「……」

花陽「にこちゃん……」

絵里「あくまで案の一つとして、だけどね。でも、冷静に考えたら、にこにも花陽にもそんなことをさせるわけにはいかないわね」

絵里「ごめんなさい、二人とも。そうと決まったわけでもないのに、ちょっと軽率だったわ」

にこ「謝んなくていいわよ。それより別の方法を」

花陽「待って! 絵里ちゃん! にこちゃん!」

穂乃果「花陽ちゃん!?」

花陽「絵里ちゃんの言ったこと、きっと正しいと思う」

花陽「思い出そうとすると……頭の中に、鍵を掛けられた部分があるみたいな気がするの」

穂乃果「鍵……じゃあ、やっぱり」

絵里「記憶の封印か。自分で言ったことだけど、人に出来るとするなら、とんでもない話ね」

花陽「にこちゃん、花陽の記憶が力になれるのなら」

花陽「もしそれが、凛ちゃんを助ける手がかりになるのなら……。にこちゃん! 私に力を使って!!」

絵里「花陽……あなた」

穂乃果「にこちゃん……」

にこ「……花陽、いいの?」

花陽「うん……にこちゃんになら、いいよ。信じてるから」

にこ「ありがと」

花陽「ううん、私こそ、ありがとう。いっぱい迷惑かけちゃった分、ちょっとでも力になりたいの」

にこ「わかったわ。その想い、無駄にはしない」
113: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 21:06:03.64 ID:rlu9ZmH9.net
にこ「その椅子でいいわ。花陽、座って」

花陽「う、うん……。えっと、これでいい?」

にこ「ええ。それじゃ花陽、本当にいいのね」

花陽「大丈夫。だから、お願い」

穂乃果「なんだか、こっちまで緊張するね」

絵里「私もよ。にこの目の力、私は初めて見るしね」

にこ「……行くわ」キィンッ

花陽「……あ……にこ、ちゃん……」ポーッ

絵里「花陽の頬が赤いわ。表情もなんだか、幸せそうね」

穂乃果「う、うぅ……。穂乃果もあんな感じだったのかなぁ。なんだか恥ずかしくなってきたよ」

絵里「にこ、上手くいったの?」

にこ「それが分かるのはこれからね」

にこ「花陽」

花陽「はい……にこちゃん、何でしょうか……?」

にこ「にこの質問に、答えてくれる?」

花陽「はい……何でも聞いて、ください……」

にこ「昨日、おかしくなる前の凛、何か言ってた?」

花陽「えっと……練習も無いから、遊びに行くって……」

にこ「どこへ行ったのかしら?」

花陽「秋葉原……って、言ってました……」

花陽「海未ちゃんと、一緒だって……、私は、いけなかったけど……」

穂乃果「海未ちゃん、凛ちゃんと遊んでたんだ」

絵里「穂乃果も知らなかったの?」

穂乃果「う、うん。昨日は店番頼まれてたから、遊べなかったし。今日は学院まで、穂乃果一人で来たから」

にこ「二人とも黙って。花陽、それじゃ今日、学院に来てからにこたち以外の誰かと話した?」

花陽「……朝に、凛ちゃんと……クラスのみんなと……真姫ちゃん、です……」

にこ「それ以外に、いつもは合わないような人とか、話さない人がいなかった?」

花陽「……えっと……ええ、と……」
114: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 21:18:18.92 ID:rlu9ZmH9.net
花陽「……いました」

にこ「!! 花陽、誰か知ってる人? 名前は分かる?」

花陽「……知ってます。私、その人のこと、知ってます……。でも、分からない、分からないんです……」

絵里「どういうこと?」

にこ「かなり強く記憶を封じられてるみたいね」

花陽「うぅ……う、にこちゃん……私、にこちゃんに応えたい……」ブルブル
 
穂乃果「花陽ちゃん、大丈夫? 汗が……」

にこ「これ以上無理させるわけにはいかないわ。仕方ないけど、ここまでに……」

花陽「そうだ……あの服、あの服は……、見たこと、ある……」

にこ「あの服?」

花陽「しろい、服が……うぅ」ガクガク

にこ「……ありがとう、花陽。十分よ」ギュ……

花陽「……分かり、ました。にこちゃん、ごめんなさい。ちゃんと、答えられなくて……」ポロポロ

にこ「いいえ、そんなことないわ。よく、頑張ったわね」ナデナデ

花陽「あ……えへへ……」

穂乃果「あっ、また。いいなぁ……花陽ちゃん」

絵里「本当、幸せそうね」

にこ「外野! うるさいわよ!!」

にこ「ふぅ。よし……花陽、『もういいわよ、元に戻って』」

花陽「はい……」スゥッ

にこ(瞳に光が戻った。無事、解除できたみたいね)

花陽「あっ……にこ、ちゃん。私……」

穂乃果「いつもの花陽ちゃんに戻ったね」

絵里「この目で見ても、やっぱり不思議ね」

にこ「ごめんね花陽。ひどいことして」

花陽「ううん、平気だったから……気にしないで。穂乃果ちゃんも、絵里ちゃんもありがとう」

花陽「ずっと手を握ってくれてたんだよね。だから、怖くなかったの」

穂乃果「えへへ、どういたしまして」

絵里「ふふ、手くらい、いつでも好きなだけつないであげるわよ」

花陽「うん。……ふふふっ」
115: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 21:58:30.21 ID:rlu9ZmH9.net




にこ「ん? 花陽。もう立ち上がっていいの?」

花陽「うん。もう大丈夫。みんなに心配、掛けちゃったね」

にこ「花陽。無理しないで、保健室でちゃんと休むのよ? 何なら早退しなさいね」

絵里「凛のことは心配しないでね」

穂乃果「穂乃果たちに任せて!」

花陽「ありがとう、穂乃果ちゃん、絵里ちゃん、にこちゃん。凛ちゃんたちのこと、どうかお願いします」ペコ

にこ「ええ。安心しなさい。すぐにいつもの凛を連れてくるから」

花陽「ふふ。うん、そうだね、にこちゃんがそう言ってくれるなら、信じられるよ」

花陽「じゃあ、私は行くね。みんな、お願い」

タタタ……

にこ「花陽には本当、無理させちゃったわ。後で美味しいおにぎりを作ってあげないとね」

穂乃果「手伝うよ、にこちゃん」

絵里「私もよ。それにしても……秋葉原、か」

穂乃果「海未ちゃんと凛ちゃんが出かけてたって……」

絵里「その二人とも、おかしくなってる」

にこ「偶然で片付けるには、出来過ぎよね。とりあえず、そこで何かあった可能性は大ね」

穂乃果「それに、白い服ってのも気になるよね」

絵里「う~ん……。とはいえ、白の服なんていっぱいあるから、それだけじゃ絞り込むのは難しいかもね」

穂乃果「そっか、そうだよね」

にこ「それでも、とりあえずは一歩前進ね」

絵里「ええ」
116: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 21:58:59.48 ID:rlu9ZmH9.net
穂乃果「じゃあ、秋葉原に出発?」

絵里「まだ授業中なんだけど……」

にこ「エリー、それ、私たち誰も言う資格ないわよ」

絵里「うぅ……でも元生徒会長が堂々とサボるのは」

穂乃果「だよね……」

にこ「あんたはもっと性質悪いけどね。現生徒会長さん」

穂乃果「うぐ……そういえば穂乃果、今日は全然授業出てないや……」

にこ「私も」

絵里「わ、私は途中からだし……」

にこ「でも今は?」

絵里「さ、サボってます」シュン

穂乃果「たぶん海未ちゃんと凛ちゃんもだよね」

にこ「μ’sメンバー授業サボりまくりね」

穂乃果「ことりちゃんに心配かけちゃったかなぁ。寂しがってるかも」

絵里「あっ、そういえば希も……後で連絡しとかないと」

にこ「そう言えばにこも携帯の電源切りっぱなしのままだわ。……もう今更感あるけど」

にこ「さて、いつまでもここにいても仕方ないし、秋葉原、行ってみましょ」

絵里「そう、ね……分かった、もうこうなったらどこまでも行くわよ!」

穂乃果「そうだね! 凛ちゃんたちのことも、にこちゃんの目のことも、早く解決しないと!」

にこ「では改めて、秋葉原へ」

ほのえり「しゅっぱーつ!!」
122: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 23:59:23.33 ID:rlu9ZmH9.net
――音ノ木坂学院 正門

コソコソ……

にこ「ここまでは誰にも見つからずにこれたわね」

穂乃果「授業まっただ中で正門から堂々と出てこうなんて人、そうはいないもんね」

絵里「私たち以外にはね……。とはいえ、誰かに見られないとも限らないし、早く出ましょ」

穂乃果「おっけーだよ。じゃ、行こうっ!」

にこ「はいはい、はしゃがないの」

にこ(っ!? 何、誰かの視線が……!)ゾク

にこ「穂乃果っ、ちょい待ち!」グイ

穂乃果「わっ、にこちゃん!?」

ガッ

絵里「あ、足元に矢が!? なに、何なのっ!?」

穂乃果「この矢は……ど、どこから!? そ、それよりも、まさか」

にこ「……あんた、いつからスナイパーになったの? 隠れてないで、出てきたら?」キッ

絵里「えっ、にこ? 誰に言って……」

海未「よく……気付きましたね……」スッ

穂乃果「やっぱり、海未ちゃん!?」

絵里「気配が、全然分からなかった……」

にこ「正直、自分でもなんで反応できたのか分からないわ」

にこ(でも……なんとなく、感じられたのよね。感覚も、鋭くなってるのかしら……)
123: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 00:00:23.67 ID:HNEzsjpR.net
海未「三人とも……どこへ行こうと……いうのですか……?」

穂乃果「あきは」ムグ

絵里「穂乃果、それは言わない方がいいかも」

にこ「どこだっていいじゃない? たまには授業抜け出して遊びに行くのも、乙なものよ?」

にこ「海未、あんたもそんなとこで弓なんて持ってないで、一緒にどう?」

海未「そうはいきません……。にこは、ここで捕まえます……」

にこ「まあ、そう簡単に行くとは思ってなかったけど。でも捕まる気もサラサラないわよ」

海未「今度は……逃がしませんよ……にこ……」スッ……キリキリ

絵里「海未! ちょっと、本気!?」

穂乃果「やめて海未ちゃん! お願いだから、正気に戻って!!」

海未「……どいてください、穂乃果」ヒュッ

ガス

穂乃果「ひっ、海未ちゃん……そんな」ペタン

絵里「穂乃果っ!? く、海未っ! いい加減にしなさいよっ!!」

にこ「幼馴染の穂乃果の呼びかけでもダメか。正直、ちょっと期待してたんだけど」

穂乃果「うみ、ちゃん……どうして……どうして、こんな……」グス

絵里(にこ、どうする……?)ヒソ

にこ(射ってきてるっていっても、今のとこ全部威嚇ね。意識的になのか無意識かは分からないけど。当てる気はないのかも)ヒソ

絵里(それなら強行突破? 流石にいくらなんでも、人に直接当てようとはしないんじゃない? 矢にも限りはあるだろうし)ヒソ

にこ(だといいけど……操られてる状態だから、逃げようとしても当てに来ないって確証がないからね……)ヒソ

にこ「それに……海未をこのままにしておけないわよ。穂乃果のためにも、海未のためにもね」

絵里「まあ、そうよね」

穂乃果「にこちゃん……! 絵里ちゃん……!」

にこ「ほら穂乃果、立って」グイッ

穂乃果「う、うん」

にこ(逆に、チャンスかもしれない。屋上から射られてたさっきと違って、同じ地面の上にいる今なら)

にこ(近づくことさえできれば、にこの目で正気に戻せるかもしれない)

にこ(問題は、どうやって近づくかだけど……)
129: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 08:44:22.16 ID:HNEzsjpR.net
海未「にこ……あなたでは私には勝てません……おとなしくしてください……」

にこ「好き勝手言ってくれるわね。ま、確かに身体能力だけならそうだけど」

絵里「流石のあなたでも、私たち全員相手ではどうかしら? 降参するなら今のうちだけど?」

海未「……」

にこ「それに、こんな場所で騒いでたら、人が来るんじゃない? それは不味いんじゃないの?」

海未「関係ありません……」

にこ(操られてるとはいえ、この程度の揺さぶりじゃ効かないか。それに……)

にこ「ああは言ったものの。先生たちにみつかったら不味いのはお互い様なのよね。捕まったら間違いなくお説教コースよ」

絵里「それは避けたいところね。とはいえ、こうしていてもらちが明かないわ」

にこ「せめて、海未の近くまで行ければ……」

絵里「目の力を使うのね……?」

にこ「ええ。海未を正気に戻すにはそれしかないと思う」

穂乃果「さっき屋上から狙われた時みたいに、誰か助けてくれればいいんだけど……」

絵里「あ、それ私だわ。消火器のでしょ?」

穂乃果「あ、そうかなーって思ってたけど、絵里ちゃんだったんだね」

にこ「やっぱそうか。となると、今度は助けは期待できないわね」

にこ「そうなると……やっぱイチかバチか、当たって砕けろで行くしかないか……!」グッ

絵里「にこ、あまり無茶は……」
130: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 08:47:20.69 ID:HNEzsjpR.net
穂乃果「……ね、にこちゃん」

にこ「穂乃果、どうしたの?」

穂乃果「いくら海未ちゃんでも、一回矢を射ったあとすぐには射れないと思う」

にこ「穂乃果、あんたまさか」

穂乃果「うん。穂乃果が突っ込むから。その隙に海未ちゃんを」

絵里「ダメよ! いくらなんでも危険すぎるわ!! さっきだって、あなたに向けて……!」

にこ「そうよ! 今度も外してくれるとは限らないわ! もし当てようとしなかったとしても、万一のことがあったら!」

穂乃果「大丈夫。きっと、大丈夫だよ。だって、海未ちゃんが穂乃果に酷いことするはずないもん」ブルブル

穂乃果「さっきのだって、操られてたからだもん。本当の海未ちゃんは、そんなことしないもん……」ガクガク

にこ「あんた、足が震えてるじゃない!! そんなんじゃ無理よ!」

にこ「それに言ったでしょ!! あんたに無理させてまで、助かろうなんて思ってない!!!」

穂乃果「無理なんかじゃないっ!」

にこ「っ……」

穂乃果「本当は、怖いよ。怖いけど……でも、にこちゃんが酷い目にあうことの方が、ずっと怖いよ!!」

穂乃果「それに、あんな海未ちゃんを見るのは、すごくつらいの!! 大好きなにこちゃんが、大好きな海未ちゃんとこんなことになってるのも!!」

穂乃果「穂乃果は、海未ちゃんも助けたい……! でも、それができるのは、にこちゃんの力だけなんだよ」

穂乃果「なら、穂乃果ができることをしたいの。力になりたいんだよ……!」

絵里「穂乃果……」

にこ「にこはもう、あんたたちに十分助けてもらってるわ。だからそんな無茶をする必要ないのよ」

絵里「そうよ、きっと手があるはず。だから穂乃果、ここはなんとか逃げて、方法を考えましょ!」

穂乃果「そんな時間、無いよ。今、やらなきゃ!!」

穂乃果「海未ちゃんを、早く助けてあげなきゃ! だから……」

穂乃果「にこちゃん、お願いだよっ!! 穂乃果が行くから、海未ちゃんを!!」ダッ

にこ「あっ、待ちなさい! まだ話は! ああもうっ!!」ダッ

絵里「穂乃果!? にこ!!」
133: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 09:26:06.98 ID:HNEzsjpR.net
穂乃果「海未ちゃん!」

ダダッ

海未「……邪魔をする気ですか、穂乃果……」スッ

穂乃果「海未ちゃん……! お願い! 穂乃果、信じてるから……! もう、もう止めて!!」

海未「止まりなさい、穂乃果。あなたに用はありません……。止まらなければ……」

穂乃果「イヤだっ! そんな海未ちゃんの言うことなんて、聞くもんかっ!!」

海未「あくまで邪魔をするのですか……しかた、ありません……」

穂乃果「ううっ!!」

海未「……」

ヒュッ

にこ「穂乃果! 海未!! この、バカっ!!!」

ドッ

穂乃果「わあっ!? あ、あれ……いたく、ない……なんで……」

にこ「うぐ……ッ!!」

海未「……え」

絵里「にこっ!?」

穂乃果「あ、あ……にこ、ちゃん……ッ!?」

にこ「くっ……このスーパーアイドルにこにーが、あんたを囮になんて、出来るわけないでしょ……!」

にこ「あんたも絵里も、もちろん海未たちも、大切な仲間、なんだから……」

穂乃果「にこ、ちゃん……矢が……、ち、血が……!!」

海未「え、あ……、そ、そんな……? ちが……わた、私は……」カラン

絵里「にこっ!! し、しっかり!! い、いま救急車を!!」

にこ「平気よ、これくらい……大したこと、無いわ……」

絵里「嘘言わないで! すぐに病院に行かないと!!」

穂乃果「に、にこちゃん……! ご、ごめんなさい、穂乃果のせいで……! し、しんじゃやだよぅ……」ポロポロ

にこ「大げさよ……こんなの、軽く刺さっただけじゃない」グッ……ズル、カラン

絵里「十分大事よ! 血だって出てるし!」

穂乃果「海未ちゃん! ひどい、ひどいよっ! なんで、こんなこと!!」

海未「ちがい、ます……! そんな……あ、あぁ……、当てようなんて、そんな……」ヨロ

海未「わ、わたしはにこを、にこを捕まえてくれば、それだけって……こ、こんなつもりは……」ガクガク
134: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 09:29:02.61 ID:HNEzsjpR.net
にこ(……海未が動揺してる。流石に、これは予想外だったみたいね。やっぱり当てる気はなかったのか)

にこ(屋上の時のセリフは脅しで、私の腕にかすったのは、ただの偶然だったみたいね)

にこ(にしても、思ったほどじゃないとはいえ、やっぱ痛いわね。ズキズキするわ……)

にこ(何はともあれ、いまがチャンス。ここを逃すわけにはいかない!)

にこ「海未」ヨロ

絵里「にこ! 動かないで!!」

穂乃果「ダメだよにこちゃん、無理しちゃ!!」

にこ「ごめん、二人とも。邪魔……しないで」

穂乃果「にこ、ちゃん」

にこ「海未」フラ

海未「あ……あぁ……にこ……」

にこ「大丈夫、にこは、大丈夫だから。にこを、しっかり見て」

海未「……あ」

にこ「分かってるわ。あんたがしたくてやってるわけじゃない。憎むべき敵は、あんたにこんなことさせたヤツ」

にこ「これはただの、『悪い夢』よ。少し休んで、『目が覚めれば、すべて忘れて、いつも通りになる』わ」

にこ「生真面目で、堅苦しくて、ちょっと不器用だけど……。でも、まっすぐで、一生懸命で、優しい、園田海未にね」

にこ「だから……今は、『ゆっくり、眠りなさい』……」キィィン

海未「……」ヨロッ

にこ「……うっ」クラッ

穂乃果「海未ちゃん!?」

絵里「にこ!? しっかり!!」

にこ「ありがとエリー。平気、ちょっと疲れただけよ。それより穂乃果、海未は……」

海未「…………すぅ」

穂乃果「大丈夫、眠っちゃっただけだよ」

にこ「そう……。よかった。後は上手くいっていてくれることを祈るだけね」

にこ「海未にもひどいことしちゃったわ。でも、こんな記憶、無い方がいいからね」

穂乃果「にこちゃん……、ごめんね。ありがとう……」
135: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 09:30:47.66 ID:HNEzsjpR.net
にこ「今日はみんな、よく謝る日ね。いいのよ。これくらい。それより、海未を助けられてよかったわ」

にこ「でも穂乃果。あれだけ言ったのに、また無茶して! 次やったら、本当に許さないからね!!」

絵里「あなたが言うセリフじゃないわよ! にこ、あなた自身の方がよっぽど!!」

穂乃果「そ、そうだ! 傷、傷の手当てしなきゃ!!」

絵里「とにかく止血しなきゃ! ハンカチくらいしかないけど……え?」

にこ「……」

絵里「血が、止まってる? いえ……待って。傷が、無い……?」

穂乃果「え、そんな……だ、だって、あんなに、血が出てたのに……」

にこ「……」

穂乃果「にこ、ちゃん……」

絵里「にこ、これは……」
140: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 16:02:17.59 ID:HNEzsjpR.net
にこ「実を言うとね。そんな気は、してたわ……」

にこ「ちょっと前から、違和感はあったのよ。さっきだって、やけに感覚が鋭くなってたし……」

にこ「気のせいって、思いたかったんだけどね」

穂乃果「もしかして……さっき、矢がかすった時も、やっぱり本当は……」

にこ「そう、みたいね。破れたところに血の痕があったから、怪我はしたんでしょうね。すぐ、治っちゃったみたいだけど」

穂乃果「そ、そんな……どうして……」

にこ「別に、おかしなことでもないんじゃない? こんな目をしてるんだもの、他に変な力があったって」

絵里「で、でもそれじゃ、まるでっ」

穂乃果「絵里ちゃんっ!」

絵里「ッ! いえ、何でも、ないわ」

にこ「エリー、いいのよ。にこも、そう思うわ」

絵里「にこ……」

にこ「ふふっ、にこ、やっぱり……化け物、なのかしらね」

にこ「そうよ、結局、海未のためとか言いながら、人の記憶を勝手に弄ったりして」

にこ「やってることは同じよ。やってはいけないことを、してるの」

にこ「だから。人のこと言う資格なんて、ないわ。こんなことするヤツなんて、化け物以外の何物でも……」

穂乃果「そんなことないっ!!」
141: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 16:03:09.18 ID:HNEzsjpR.net
にこ「え……」

穂乃果「にこちゃんは、にこちゃんだよ! お化けなんかじゃない!」ダキッ

絵里「穂乃果……」

にこ「でも、にこは……」

穂乃果「穂乃果は知ってるもん! にこちゃんは、とっても優しくて、いつもみんなのことを想ってて!」ギュ

穂乃果「その目の力だって、悪いことに使ってない! やろうと思えば、何だってできるのに!」

穂乃果「穂乃果や花陽ちゃんに使ったときだって、さっき海未ちゃんに使ったときだって! にこちゃんいつもどこか苦しそうだった!」

穂乃果「そんな優しい人が、お化けなんてこと、絶対にないよ!!」

絵里「……そうよね。穂乃果の言う通りよ」ギュ

にこ「エリーまで……。で、でもにこは……こんな目で……」

絵里「あら? 私はその目、とっても綺麗って言ったの忘れたのかしら? それは不思議な力を持ってるからじゃない。にこの目だからよ」

絵里「アイドルに対してまっすぐで、いつもキラキラして、やりたいことに一生懸命な、にこだからよ」

絵里「そんな綺麗な目をした人が、化け物なはずないわ。自分のために他人を虐げるような人の目じゃない」

穂乃果「そうだよ! にこちゃんは何度も穂乃果を助けてくれたもん! だから、いくらにこちゃんでも自分で自分のことをそんな風に言っちゃだめだよ!!」

絵里「私も同じ意見ね。にこ、次にそんなこと言ったら、私も許さないわよ」

にこ「ばか……あんたら……ぐすっ、本当、ずずっ、わけ、わかんないわよ……」

絵里「ふふっ、あんなこと言ったくせに、泣き虫さんね、にこは」ナデナデ

にこ「泣いてなんて……ぐす、ないわよ……!」

穂乃果「こんなかわいいにこちゃんが、お化けなわけないよね」ナデナデ

にこ「止めてよ……、ふたり、とも、撫でないでよ……ひっく、ほ、ほんとに……涙、出てきちゃうじゃない……っ」

にこ「ばか、だいっきらい。こどもあつかい、してぇ、あんたたちなんて、だいっきらい、なんだからぁ……」

穂乃果「嫌いって言われても、穂乃果はにこちゃん大好きだからね」

絵里「そうそう。なんて言われようと、私はにこを好きでいるからね」

にこ「なによ。それぇ……ずび……。でも、ありがとう、穂乃果、絵里……」ギュ

穂乃果「にこちゃん……穂乃果は、ずっとにこちゃんの味方だからね」

絵里「ほら、アイドルにあるまじきひどい顔になってるわよ。はい、ハンカチ」

にこ「うぅ……なによ……、すん、あんたたちの、せい、じゃないの……」
142: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 16:25:09.15 ID:HNEzsjpR.net




にこ「うぅ……」

絵里「ふふ」ニコニコ

穂乃果「にこちゃん耳まで真っ赤だね。意外と照れ屋さんなのかも」」ニコニコ

絵里「そういうとこ、可愛いわよね」ニコニコ

にこ「穂乃果! 絵里! ばっちり聞こえてんのよ! 誰が照れ屋よ!!」

穂乃果「わー、にこちゃんが怒ったー! 逃げろー」ダッ

にこ「待ちなさいよ!」ダッ

絵里「ほらほら、にこも穂乃果も遊んでる場合じゃないでしょ」

穂乃果「はーい。ごめんねにこちゃん」

にこ「ふーんだ。というか、エリーに言われるとなんか釈然としないんだけど」

にこ「ね? おさぼり元生徒会長さん」

絵里「うぐっ」

穂乃果「うぅ……何か穂乃果にもダメージ来るよ……」

海未「う……ん……」

にこ「っと、海未をこのままにしておくのは不味いわね。どこかに寝かせておくか」

穂乃果「それとも、起こそっか?」

絵里「無理やり起こすのはちょっとかわいそうだけど、仕方ないかしら」

絵里「にこの力が上手く行ったのか、確かめた方がいいでしょうし」
143: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 16:25:44.12 ID:HNEzsjpR.net
にこ「あー、それはあるわね」

にこ「絵里がさっき、『力で記憶なんて消せるものなの?』って言ってたし、にこも正直不安がないわけじゃないけど」

にこ「……上手く行っててもらわなきゃ困るからね。記憶を弄るなんて、やっぱり勝手なこととは思うけど……」

海未「ん……すぅ……」

にこ「もし覚えてたら、この子、きっとすごく気にするでしょうし。あんなこと、覚えてる必要はないわ」

絵里「確かにね……」

穂乃果「大丈夫だよ、きっと」

にこ「え?」

穂乃果「だってにこちゃんの目は、こんなにやさしいんだもん」

穂乃果「それに、海未ちゃんのためにしたことだもん、きっと上手くいくよ」

絵里「そうね」

にこ「まったく、相変わらずの根拠ゼロなんだから……」

にこ「でも、不思議と信じられるわね。あんたの言葉」

穂乃果「えへへ……そうかな」
144: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 17:02:09.78 ID:HNEzsjpR.net
穂乃果「じゃ、海未ちゃん起こすね」

にこ「わかったわ」

穂乃果「海未ちゃん、海未ちゃん」ユサユサ

海未「ん……うぅん……何ですか、穂乃果……」

海未「え? 穂乃果?」パチ

穂乃果「気が付いた? 海未ちゃん、大丈夫?」

海未「ええ……、というより、ここは……? 私は、いったい……」

にこ(……さっきまでとは違うわね。いつもの海未だわ。元に戻った、のかしら)

海未「何故私はこんな場所に? この格好も……」

にこ(覚えてないみたいね。上手く行ったみたい。ちょっと、複雑だけど……よかった、のよね)

海未「それににこと絵里まで。何かあったのですか?」

穂乃果「う!? そ、それは……にこちゃん!」

にこ「え? ええっと、それはね?」

海未「? 何ですか?」

穂乃果「何って、その、ね?」

海未「見れば、明らかにまだ授業中ではないですか。三人も揃って、こんなところで何をやっているんです!」

穂乃果「うっ!!」

にこ(それは海未にも言えることだと思うけど……)
145: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 17:04:53.46 ID:HNEzsjpR.net
海未「まさか、授業をサボろうとしていたのではないですよね?」

穂乃果「あ、え~っとそれは~……」

海未「学校を抜け出して、三人でどこかに行く、などとは言いませんよね?」

にこ「いや、そうじゃないのよ?」

にこ(大体あってるけど……)

絵里「実はね、海未がいつまでも教室に来ないって穂乃果が心配してね。私とにこも手伝って、探してたのよ」

絵里「そうしたら、あなたが倒れて気を失ってるのを見つけてね? 下手に動かしても不味いかなって、ここで休ませてたの」

にこ「え? そ、そうそう! まさか海未がね! 弓道着のままでね!!」

穂乃果「海未ちゃんぴくりとも動かなくて、びっくりしたんだよっ!」

海未「倒れた……? 私が、ですか?」

穂乃果「海未ちゃん、最近生徒会と練習で疲れてたんじゃないかな! む、無理しちゃだめだよ!!」

海未「そう……でしょうか? 特に無理をしたつもりはないのですが……」

絵里「じ、自分じゃ分からないものよ! わ、私も生徒会でそうだったから分かるわ!!」

海未「しかし……」

にこ(ちょっと無理があるんじゃない?)ヒソ

絵里(でも、他に言いようが……本当のことは言えないし)ヒソ

穂乃果(これで押し切るしかないよね……)ヒソ

穂乃果「海未ちゃんがまた倒れたら穂乃果泣いちゃうよ! だからね、海未ちゃん!」

にこ「部長の言うことは聞いておくものよ! 海未はちゃんと休みなさい!」

絵里「疲れって知らず知らずのうちに溜まるものだしね!!」

海未「はぁ……、まあ、どうも覚えていないようですし、疲れていたのは確かなのかもしれません」

穂乃果「そ、そうだね!!」

にこ「あんまり無理しないでよね! 海未がいないと、μ’sの活動にも影響が出るんだから!」

絵里「今日の練習は休みにしましょ! だから、無理せず体を休めること!!」

海未「……分かりました。大事を取って、今日は休むことにしますね……。先生にも早退の旨を伝えてきます」

穂乃果「うん、いってらっしゃい!」

にこ「ゆっくり休みなさいよ~」

絵里「海未、またね」

海未「ええ、では失礼します」ペコ
146: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 17:12:21.62 ID:HNEzsjpR.net




穂乃果「……何とか誤魔化せたね」

絵里「勢いって大切よね」

にこ「寝起きで海未の頭が回ってなかったのは大きかったわね。ひやひやしたわ」

にこ「さて、海未を助けられたのはよかったけど、結構時間食っちゃったわ。流石にいつまでもここにいるのは不味そうよね」

絵里「そうね。じゃあ改めて出発……」

穂乃果「? 絵里ちゃん、どうかした?」

絵里「いえ……ちょっとね。すっかり忘れてたんだけど」

にこ「何よ、にこのことじっと見て」

絵里「冷静になってみると、にこ、すごい格好よね……」

にこ「え? あ……」

穂乃果「そう言えば、制服は腕のところ破けちゃってるし、血の痕も……」

絵里「その格好で真昼間の秋葉原をうろついたら、犯人を捕まえる前に警察に捕まりそうね……」

にこ「でもどうすんの? 流石にこの格好で家に戻るわけにはいかないわよ? みんなに心配かけるし……」

穂乃果「教室に戻るのも……また凛ちゃんや先生、海未ちゃんに見つかったら……」

絵里「うぅん……。あ、そうだわ」スッ

穂乃果「スマホ? 誰かに電話するの?」

にこ「一体誰に?」

絵里「あ、もしもし? ちょっとね、お願いが……」
149: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 18:01:05.21 ID:HNEzsjpR.net
――希の部屋

希「はー、まさかにこっちがそんなことになってるなんてね」

にこ「なりたくてなったわけじゃないけどね」

希「えりちもいなくなったと思ったら、にこっちたちとおったんやね」

絵里「ええ、まあほっとけないしね」

希「しかし、にこっちの目の力、かあ。それで朝、ウチも変になってたんやね。覚えてはいないんやけど」

にこ「あ、そうね……ごめん、希」

希「気にせんでええよ。しかし、話を聞けば聞くほどスピリチュアルやね」

にこ「今回ばかりは全くその言葉の通りなのがね」ハァ

絵里「突然ごめんね希。授業抜け出してもらったうえ、部屋にまで押しかけて」

希「ええよええよ。ウチで力になれるんならね」

穂乃果「でも希ちゃんもサボっちゃったね」

希「授業とにこっちなら、にこっちの方を取るのは当然やん。気にしないでええんよ」

にこ「本音は?」

希「ウチだって授業そこまで好きでもないからねー。にこっちとえりちだけサボっててずるいやん」アハハ

希「もちろん、にこっちたちが困ってるなら力になりたいってのは本当やよ?」

にこ「ふん……、べ、別ににこはそんなに困ってなんて……」

希「ふーん? じゃあ、服そのままでええん? あかんよ? アイドルがそんなボロボロの格好じゃ」

にこ「く……それは、そうだけど……」
150: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 18:02:53.20 ID:HNEzsjpR.net
希「穂乃果ちゃんたちも着替えた方がええよ? ウチの服なら自由に使っていいから」

穂乃果「え? でも穂乃果たちは服ボロボロじゃないよ?」

希「アキバに行くんやろ? こんな時間に学生服のままじゃ、おまわりさんに見つかったら怒られるやん?」

絵里「あ……なるほど。それはあり得るわね」 

希「音ノ木坂学院の生徒会長・元生徒会長がそろって補導、とかなったら大失態やん」

希「せっかく廃校を免れたのに、悪い噂が立ちかねないよ?」

穂乃果「そっか……それは困るよね……」

絵里「それじゃあ希の言う通り、私たちも私服に着替えておきましょうか」

穂乃果「うん」

希「じゃ、いくつか持ってくるよー」

にこ「可愛い服にしてよね。にこに似合うようなやつね」

希「はいはい。もっとも、胸はにこっちのサイズに合わないかもしれんけどなー」

にこ「希っ!!」

穂乃果「絵里ちゃんも希ちゃんもいいなぁ……大きくて」

絵里「そんなこと言われても……」
152: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 18:37:23.26 ID:HNEzsjpR.net
にこ「これでよし、と……。二人とも準備出来た?」

絵里「ええ。その服似合ってるわよ、にこ」

にこ「ふふん、なんたって素材がスーパーアイドルにこにーだもの。当たり前でしょ」

穂乃果「絵里ちゃんも可愛いよ! ありがと、希ちゃん!」

希「ええよ~。しかし、ウチが着るのとはやっぱり雰囲気ちがうね~」

絵里「希。この埋め合わせは後で必ずするから」

希「別にそんなんしなくてもええのに。でもそうやね、みんなが元に戻ったら、一緒に焼き肉いこ」

穂乃果「うん! 楽しみにしてるね!」

にこ「そのためにも、さっさと片を付けないとね。まずは凛を何とかするところからかしら」

絵里「花陽にも頼まれてるしね。私はちょっと見かけただけだけど、早く元の元気な凛に戻してあげないと」

穂乃果「凛ちゃん、学校にまだいるのかな……」

絵里「花陽と海未は早退したかもしれないけど、ことりと真姫もまだ学校にいるわよね。今の凛と会ったら……」

にこ「う~ん、不安がないわけじゃないけど、あくまで凛の狙いはにこ一人なんだし、邪魔しなければ大丈夫じゃない?」

穂乃果「なるほど~。そういえばおかしくなってた凛ちゃん、穂乃果のことはまるで目に入ってないみたいだったもんね」

絵里「ここで心配してても仕方ないわね。どうする、にこ?」

にこ「凛のことは気になるけど、まずはアキバに行きましょ。元々そのつもりだったしね」

穂乃果「分かったよ、にこちゃん」

絵里「じゃ、希。私たちはいくわ。希はどうする?」

希「ん~……あんまり人数増やしてぞろぞろ行ってもなぁ……。足手まといになっても悪いし、ウチはここでみんなを待っとるよ」

にこ「それがいいわ。正直、危ない目に遭う可能性も高いしね。だから穂乃果もエリーも、希と一緒に待ってても」

穂乃果「ここまで来てそれはなしだよ、にこちゃん」

絵里「そうよ? にこ、一人で無理なんてさせないからね」

にこ「はぁ、そう言うとは思ってたわよ。仕方ないわね……でも、本当、危なくなったら自分のことを考えてよね」

にこ「にこは、大丈夫だから」
153: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 18:53:38.90 ID:HNEzsjpR.net
――秋葉原駅 電気街口

ガヤガヤ

にこ「平日昼間のアキバも、意外と人がいるもんね~」

絵里「こんな時間に来ることなんてないから、ちょっと新鮮ね」

穂乃果「そうだね~。で、これからどうするの?」

絵里「花陽によれば、昨日、海未と凛が遊びに来てたってことらしいけど」

にこ「そうね……。ただ、手がかりを探すにしても秋葉原全体ってなると広すぎるわ」

絵里「時間も限られてるしね。端から端までしらみつぶしにってのはちょっと現実的には難しいわね」

穂乃果「うーん……、ん?」

♪~♪♪~

穂乃果「あれ、メールだ」

にこ「ん? 誰から?」

穂乃果「あ、花陽ちゃんからだよ。やっぱり早退したんだって」

絵里「そっか。じゃあ、花陽に関しては一安心ね」

穂乃果「あ、それと凛ちゃんが昨日、行くって言ってた場所が書いてあるよ!」

にこ「グッドタイミングね。凛たちが行った場所、にこたちも巡ってみましょ」

絵里「闇雲に動き回るよりは、何か見つかる可能性も高いしね」

穂乃果「海未ちゃんと凛ちゃん、何か所か寄ったみたい。まずは――」
155: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 19:13:40.99 ID:HNEzsjpR.net




――神田明神

にこ「ここ?」

穂乃果「うん、そうだって。希ちゃんが巫女さんやってるから、二人で会いに行ったんだって」

絵里「ああ、同じユニットだしね、あの三人」

穂乃果「あ、あかりちゃんだ」

御神馬・神幸号「ブルル」

穂乃果「この子、小さくてかわいいよね~」ナデナデ

絵里「ちょっと穂乃果、目的がずれてきてるわよ」

にこ「う~ん、でも、ここは外れかしら。手がかりになりそうものはなさそうね」

穂乃果「え? なんで?」

絵里「だって、もしここで何かあったのなら、希もおかしくなってるはずじゃない?」

絵里「でも、希はいつも通りだったし、逆にここに来る前に何かあったなら、おかしくなった二人に希が気付いたはずだわ」

穂乃果「そ、そっか。確かにそうだね」

にこ「でもせっかくだし、お参りくらいしてく?」

穂乃果「さんせーい」

絵里「異議なし。これくらいはね。それに神様にも悪いものね」

穂乃果「それじゃ、早速お賽銭あげようよっ!」

にこ「ちゃんと手を清めてからよ?」

絵里「神様に怒られちゃうからね」

穂乃果「は、はーい。流石に二人ともバイトで巫女さんしてただけあるね……」
156: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 20:15:29.15 ID:HNEzsjpR.net
にこ「お賽銭、いくら入れる?」

穂乃果「え、ええっと……10円」

絵里「私は100円にしようかしら……」

にこ「にこは……穂乃果と同じでいいか。じゃ」

チャリンチャリンチャリン

ペコ ペコ

パンッ パンッ

にこ「……」

穂乃果「……」

絵里「……」

ペコ

にこ「ところで二人とも、何お願いしたの?」

穂乃果「へへ~、ないしょ」

にこ「とか言って、どうせお小遣いアップとかでしょ」

穂乃果「ちっがうよ~! にこちゃんが元に戻れますようにって……あっ!」

絵里「あら、私と一緒じゃない。あと、凛を早く元に戻せますように、ってね」

にこ「それはにこもお願いしたけど……」

穂乃果「穂乃果も! なんだぁ、じゃあ、みんな同じだね!」

絵里「ふふ、私たち、息ピッタリね」

にこ「べ、別にメンバー同士なんだからそれくらい当然でしょ……いちいち言わなくたって」

穂乃果「にこちゃんと絵里ちゃんとはユニット違うけど、この三人で組んでも面白そうだね!」

絵里「そうね。じゃあ、もし機会があったらやってみる?」

にこ「ま、機会があったらね」
158: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 20:32:26.87 ID:HNEzsjpR.net




にこ「さて、お参りもしたことだし、次の場所に行きましょうか」

穂乃果「あ、あんなところにジュースの移動販売車があるよ?」

にこ「あんたねぇ……何しにここ来たと思ってんの?」

穂乃果「そ、それはそうなんだけど……。でも、色々あったから、のど渇いちゃって」

にこ「う。それは、にこもだけど……」

絵里「まあ、一杯くらいならいいんじゃない? 実は私も、ちょっと何か飲みたいなって」

にこ「……仕方ないわね。飲んだらすぐ行くからね」

穂乃果「やったー! にこちゃんありがとー!」ダキッ

にこ「だー! だから抱き付くんじゃない! 待ってなさい、今買ってくるから。三人分ね」

穂乃果「うん、お願い。あ、これお金」

絵里「私も出しておくわ。はい、にこ」

にこ「おっけー。みんな同じのでいいわよね。じゃ、行ってくるから」タタタ

絵里「そういえば、穂乃果。花陽のメールにはなんて?」

穂乃果「あ、うん。ちょっと待ってね」

にこ「買ってきたわよー」

穂乃果「ありがとー! わー、冷たくておいしい」

絵里「本当ね。なんか生き返るわ」

にこ「たかがジュースで大げさよ。でも、確かに美味しいわね」

にこ「……ん? あれ、あそこにいる子、音ノ木坂の制服じゃない?」
161: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 20:38:51.30 ID:HNEzsjpR.net
穂乃果「え? どこ?」

にこ「ほら、あれ。あそこよ」

絵里「ん~? ……ああ、わかったわ。それにしても、結構距離あるわよ。にこ、よく気付いたわね」

穂乃果「もう! 学校サボってこんなところにいちゃダメなのに。ここは生徒会長の穂乃果が注意しないと」

にこ「あんたそれ、盛大なブーメラン発言になってるからね」

絵里「それはともかく。ねえ、あの子……何か探してない?」

穂乃果「そう言えば……やけにきょろきょろしてるね……」

にこ「っていうか、あの後姿、髪型……」

穂乃果「ねえ、もしかして……あの子……」

絵里「あ、私もなんとなく心当たりが」

凛「……にこちゃん」バッ

にこ「やっぱり! 凛!?」

穂乃果「凛ちゃん!? 何でここに!」

絵里「追ってきたのかしら? って、そんなこと言ってる場合じゃないか」

凛「にこちゃん」ダッ

穂乃果「わわ! 凛ちゃんがこっち来るよ!?」

凛「にこちゃん、捕まえる……」

<ワッ ナンダアノコ
<アッブナー
<アレ、オトノキノセイフクジャナイ
<アノコノカオ ドッカデミタヨウナ……

ザワザワ

凛「逃がさない……」

穂乃果「どどどどうするの!?」

にこ「こんな人目のあるところで、騒ぎになったらヤバいわ! ここは」

絵里「ここは……」

穂乃果「そうだね、ここは……」

ほのにこえり「「「ヨキニハカラエミナノシュー!」」」ダダダッ
164: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 22:30:32.83 ID:HNEzsjpR.net
――秋葉原

ダダダダ

にこ「なんか今日は凛から逃げてばっかりな気がするわ!」

穂乃果「はぁ、はぁ……また全力疾走する羽目になるなんてぇ~! 今度は力も使ってもらえないし~!」

絵里「穂乃果、泣き言言ってる場合じゃないわよ! もたもたしてると追いつかれるわ!」

凛「……」ダダダ

穂乃果「ふぇぇん、凛ちゃん足速すぎだよぉ~!」

にこ「とにかく、人気の無い場所へ!」

絵里「って言っても、どこへ?」

にこ「次曲がって、裏路地に!」

穂乃果「わ、わかった!」

タタタッ

絵里「平日とはいえ、ちょっと道を外れただけで、一気に人がいなくなるのね」

穂乃果「こんな場所があるんだ……。確かにお店もないしね」

にこ「ここなら、多少のことじゃ誰かに見つかることも無いでしょ。迎え撃つわよ」

絵里「にこ、無理はしないでね」

穂乃果「ごめんねにこちゃん、結局にこちゃんの力に頼っちゃって」

にこ「いいのよ。こんな力でも、何かの役に立つんならね」

にこ「さあ来なさい、凛!!」
165: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/01(水) 22:32:28.67 ID:HNEzsjpR.net
タタタ……

凛「にこちゃん……いた……」

にこ「きたっ!」キィン

凛「っ!」バッ

穂乃果「え、あっ!?」

絵里「逃げた……! にこ、凛は?」

にこ「……ダメね。目を見る前に逃げられたわ」

穂乃果「すごい反応だったね……。飛び退って、まるで猫みたいだったよ」

にこ「この目のことはバレてるみたいね……。あの凛を相手に目を合わせるのは、なかなか骨が折れそう」

絵里「そうね。もっとも、凛の狙いがにこな以上、向こうも今のであきらめたりはしないでしょうけど……」

穂乃果「また鬼ごっこになるのはやだよぉ~」

にこ「それは勘弁してもらいたいわよね。そのためにも、凛を元に戻さなきゃ」

絵里「とはいえ、何も考えずにいたのではさっきの二の舞になりそうよ」

にこ「あの凛の俊敏さを前に、目を合わせて力を使うには……どうすれば……?」
172: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 21:04:26.26 ID:UhstObro.net
にこ「バカ正直に追いかけたところで、にこの足じゃ凛には追いつけないわ。悔しいけど」

穂乃果「穂乃果も」

絵里「私も正直、凛に追いつく自信はないわ……」

にこ「ううん、海未でもいればね……。ん? この気配」ピク

凛「……」

にこ「凛!」クルッ 

凛「……!」バッ タタタ……

穂乃果「い、いつの間に背後に……」

絵里「音も無く忍び寄ってたのね。本当、猫みたい」

穂乃果「今の凛ちゃんは『にゃ』って言ってないのにね」

絵里「操られてるから?」

にこ「二人ともアホなこと言ってないで、真面目に考えて……ってまた!」バッ

凛「!!」スッ タタタ……

にこ「ああああもう!!! 待ちなさいよっ!」ダッ

絵里「にこ!?」

穂乃果「あっ、待ってよ~!」





にこ「ぜぇ……ぜぇ……」

絵里「はぁ、はぁ……追いかけると逃げる癖に、立ち止ってると近づいてくる……」

穂乃果「……でも、にこちゃんが力を使おうとするとまた逃げちゃうね……」

絵里「完全に遊ばれてるわね……」

穂乃果「今のにこちゃんの感覚、鋭くなってるって言ったのに……」

にこ「凛の反応、良すぎるわよ!! 何なのよあれ!!!」

絵里「やっぱり正攻法じゃ無理そうね……」
173: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 21:21:49.51 ID:UhstObro.net
にこ「正攻法じゃ無理って、じゃあどうすんのよ」

絵里「必要なのは発想の転換よ。追いかけるんじゃなくて……別の方法ね」

にこ「別の方法? 罠とか?」

にこ「っていっても、こんな街中で、人相手に仕掛けられる罠なんて……」

穂乃果「罠……。そ、そうだ! ねえ、にこちゃん、絵里ちゃん!」

絵里「穂乃果、何か思いついたの?」

穂乃果「うん! えっとね、耳かして」

にこ「なによ?」

穂乃果「……で……が……したら……を……」

絵里「ふむふむ」

穂乃果「穂乃果が……で、にこちゃんは……」

絵里「なるほど」

にこ「でも、それ本当にうまく行くの?」

穂乃果「大丈夫だよ! きっとうまく行くよ!」

にこ「出たわ穂乃果の直感」

絵里「まあ、この際だしやるだけやってみましょ」

穂乃果「だよね、ファイトだよ!」

にこ「まあ、物は試しね……了解、作戦開始よ」
174: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 21:23:04.07 ID:UhstObro.net




凛「にこ、ちゃん……いない……?」ウロウロ

にこ「凛」

凛「!!」バッ

にこ「ふ~ん? そんな物陰に隠れちゃって、にこを捕まえるんじゃなかったの?」

凛「……」

にこ「こっちよ、凛。あんたにこの宇宙一アイドルのにこが捕まえられるのかしら?」タッ

凛「……捕まえる……」ダッ

にこ(よし、追ってきた。予定通りね)

タッタッタッ……

にこ(しかし本当、あの子足速いわね。ま、今回は逃げ切る必要はないわ。あそこまで行けば)

凛「にこちゃん……待て……」

にこ「待てと言われて待つ奴なんていないわよっ!」

にこ(この路地に入れば……!)クル

凛「……!」

にこ「……しまったっ!」

凛「いき、どまり……。にこちゃん、追い詰めた……」ダッ
175: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 21:25:16.17 ID:UhstObro.net
にこ「……ふふっ」

凛「?」

にこ「かかったわね凛!」クルッ

凛「!」バッ

にこ「逃げようとしても無駄よ! 穂乃果! 絵里!!」

穂乃果「絵里ちゃん! 今!」

絵里「オッケー! 引っ張って!!」ビィン

凛「!!?」ガッ グラッ

絵里「足元の注意がおろそかになってたわよ、凛!」

穂乃果「凛ちゃんごめんねっ!」

ドターン

凛「うぅ……っ」

穂乃果「やった! 大成功だよ!!」

にこ「ひもで足を引っ掛けるとか、こんな古典的な方法がうまく行くとはね……」

絵里「喜ぶのは早いわ、抑え込むわよ!」

凛「はな、せ……っ!」

絵里「穂乃果、逃がさないで!」

穂乃果「おとなしくしててね! すぐ、元に戻してあげるから」

穂乃果「にこちゃんっ!」

にこ「ええ、凛、こっちを見なさいっ!」

凛「……あ」

にこ「心配ないわ、すぐに終わるから」キィィン
176: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 22:00:54.95 ID:UhstObro.net




にこ「ん、それじゃ凛、『目を覚ましたら、いつもの元気な星空凛に戻ってるわ』」

凛「……はい……にこちゃん」ボー

穂乃果「力を使ってる時のにこちゃん、何だかいつもと雰囲気ちがうよね」

絵里「ああ、ちょっと神秘的な感じがするわね」

穂乃果「あの綺麗な目のせいかなあ……」

絵里「かもしれないわね。でも、何度見ても、不思議な光景ね。凛もあんなに頬を染めちゃって」

穂乃果「うぅ……穂乃果は自分があんなになってたんだと思うとやっぱり恥ずかしくなります……」

にこ「じゃ……『ゆっくり、おやすみ』、凛」

凛「うん……おやすみ……」カクン

絵里「おっと」

にこ「ふぅ、何とかなったわ」

穂乃果「にこちゃん、お疲れ様」

にこ「悪いとは思ったけど、凛にも操られてたことは忘れてもらったわ」

絵里「にこ……」

にこ「大丈夫よ、エリー。これは必要なこと、だもんね。海未ほどじゃないとはえ、覚えててもいい気分じゃないでしょうし」

穂乃果「にこちゃん、無理しないでね……。穂乃果たちがいるから……」ギュ

にこ「ありがと。でも本当、にこは大丈夫だから」
178: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 23:07:17.92 ID:UhstObro.net
凛「すぅ……すぅ…」

穂乃果「凛ちゃん、何だか気持ちよさそうに寝てるね」

にこ「まったく、にこたちの苦労も知らないで」

絵里「でも、この寝顔を見てたら私たちの苦労なんて、どうでもよくなっちゃわない? それに何だかほっとしたわ」

穂乃果「だよね。さっきまでの凛ちゃん、表情もほとんど変わらなくて、何だか人形みたいだったもん」

にこ「やっぱり凛はいつも通り、ちょっと生意気なくらいで、元気な凛じゃなくちゃね」

穂乃果「うん!」

絵里「これで花陽との約束も果たせたわね」

にこ「ええ。本当、なんとかなってよかったわ」

穂乃果「そうだ。花陽ちゃんにもメール送っておこ」ポチポチ

にこ「それがいいわね。あの子のことだから、きっと心配してるわ」

絵里「無理してたのがまるわかりだったからね。凛が元に戻れば、花陽もいつも通りに戻るでしょうね」

穂乃果「うん。海未ちゃんも凛ちゃんも、無事に元通りになってよかった! にこちゃんのおかげだね!」

にこ「ま、まぁ、これくらい何でもないわよ。それに、二人がおかしくなったのは、にこのせいでもあるようなものだし……」

絵里「でも、にこがいなければ二人とも操られたままだったわ。だから、やっぱりにこのおかげよ」

にこ「なんか誤魔化されたような……」

にこ「海未に続いて、凛も元に戻せたから、これで目的の一つは達成できたわね。あとは、二人がおかしくなった原因だけど」

絵里「そういえば花陽からのメール。神田明神の次に凛たちが行った場所はどこだったの?」

穂乃果「あ、うん。えっとね……」
185: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 21:03:02.40 ID:aHRhiI9n.net
穂乃果「地図出すからちょっと待ってね。ええと……今いるのがここで、目的地はここだって」

絵里「あら、そう遠くはないわね。じゃ、早速行きましょ」

凛「すぅ……むにゃ……、すぅ……」

にこ「待って、その前に凛を起こさないと」

穂乃果「そうだね。こんな場所で眠ってたら風邪ひいちゃうもんね」

絵里「そう言う問題じゃないと思うのだけど……」

にこ「ほら、凛。起きなさい」ユサユサ

凛「ん、んぅ……、なに、かよちん……凛、まだ眠いにゃ……」

にこ「にこは花陽じゃないわよ。ったく、寝ぼけてないでしゃんとしなさいよね」

凛「え……、あれ? にこちゃん? 何でこんなとこにいるにゃ?」

穂乃果(ちゃんと元の凛ちゃんに戻ってるみたいだね)ヒソヒソ

絵里(ええ、うまく行ったみたいね)ヒソヒソ

凛「にこちゃん、ここは三年生の教室じゃないにゃ」

凛「いくらにこちゃんが一年生に混じってても分からないからって、間違っちゃだめにゃ」

にこ「誰が一年生よ! 凛、あんた寝起きでいきなりそれか!」 

絵里「ふふっ」

にこ「エリーも笑うんじゃないわよ!」

絵里「ごめんなさい、にこ。ふふ」

凛「あれ? 絵里ちゃんもいるの? あ、よく見たら穂乃果ちゃんも」

絵里「ええ、私もいるわ」

穂乃果「凛ちゃんおはよっ! よく眠れた?」

凛「うん! 凛、ぐっすり眠って気分さっぱりにゃ!」
186: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 21:04:04.91 ID:aHRhiI9n.net
絵里(うん、間違いなくいつもの凛ね)

穂乃果(やっぱり凛ちゃんはこうじゃなくちゃね)

にこ「そもそもね、凛。ここは教室じゃないわよ」

凛「え……? にゃあああ!? ど、どこにゃここは! り、凛、なんでこんな場所に!!」

にこ「秋葉原よ。まぁったく、いくら天気がいいからって、こんなところでサボって寝てるなんて、いい身分ね」

穂乃果(にこちゃん、自分のことは棚に上げて、言い切ったね……)

絵里(何故かしら、どこかで誰かが『お前らが言うな』って言ってる気がするわ)

凛「ま、まったく覚えてないにゃ……凛、おさぼりしちゃったの?」

にこ「ええ。花陽も心配してたわ」

凛「か、かよちんが!? うぅ、凛、かよちんに悪いことしちゃったにゃ……」

にこ「悪いと思うなら、すぐ会いに行ってあげなさい。凛のことが心配で、体調崩して早退しちゃったのよ」

凛「にゃあ! そ、それは大変にゃ!! 待っててかよちん! すぐ行くにゃ!!」

凛「あっ、にこちゃん、穂乃果ちゃん、絵里ちゃん! ばいばーい!!」

タタタタ……

にこ「起きたばっかりだってのに。元気ねー」

絵里「でもよかったわね」

穂乃果「うん。でも凛ちゃん、よくあれで納得したね……」

絵里「花陽の名前が効いたわね。とはいえ、全く疑問に思わないとか、あの子大丈夫かしら……」

穂乃果「あはは……でも、それが凛ちゃんだから」

にこ「いいのよ。凛はあれこれ考えなくて」

絵里「まあ、今回の件に関してはそうかもね」

にこ「さて、それじゃ。にこたちも行きましょ」

絵里「ええ」

穂乃果「じゃあ、穂乃果についてきてね!」
187: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 21:26:07.25 ID:aHRhiI9n.net




絵里「ここ?」

穂乃果「うん、到着だよ!」

『ダンスゲームあります!』『新プライズ、クレーンに投入!』『クレジットサービスキャンペーン中!』

にこ「って、ここゲーセンじゃない! 穂乃果、あんたが遊びたいだけじゃないの!?」

穂乃果「ち、違うよ! ほんとにここだよ!? 花陽ちゃんのメールにちゃんと書いてあったもん!」

絵里「ふむふむ。確かにそうね。凛の希望かしら」

にこ「あ~、海未よりは凛が来そうな感じよね。と、にこたちは遊んでる場合じゃないし、次の場所行くわよ!」

穂乃果「えぇ~! にこちゃん、事件はどこで起こってるかわからないんだよ! ここもちゃんと調べないとだめだよ!」

絵里「そうね。意外にこう言う場所が穴かもしれないわよ」

にこ「そ、それは確かにそうかもしれないけど……」

穂乃果「あっ! ダンスゲームの新作が出てるよ! にこちゃん、勝負しようよ!」

にこ「だからそんな場合じゃないでしょ!」

穂乃果「あ~、そっか。勝てそうにないからそんなこと言って、逃げちゃうつもりだね」

にこ「ちょっと待ちなさいよ、そのセリフ、聞き捨てならないわね」

穂乃果「別に~? ゲームとはいえ、誰だって負けるの嫌だもんね」

にこ「この銀河ナンバー1アイドルにダンス勝負を挑むなんてね。いいわ、格の違いを見せてあげる。好きな曲を選んでいいわ」

穂乃果「そんなこと言って、後悔しても知らないよっ! 穂乃果この曲得意なんだからね! 負けないもん!」
 
にこ「にこを舐めてもらっちゃ困るわ。今のにこはA-RISEをも凌駕する存在よ! ほえ面かかせてあげるわ!」

絵里「……あ、この寝そべってる大きなぬいぐるみかわいい。ちょっと希に似てるし。やってみようかしら」チャリン
188: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 21:49:13.99 ID:aHRhiI9n.net




穂乃果「うぅ……、結局負けちゃった……自信あったのになぁ」

にこ「ふふん。にこの実力、思い知った? でも結構危なかったわ。穂乃果、やっぱりうまいわね」

穂乃果「えへへ……そうかな?」

にこ「楽しかったわよ。やっぱりあのゲームは二人で遊ぶといいわよね。またやりましょ」

穂乃果「うん!」

絵里「すっかり夢中になっちゃったわね」ホクホク

にこ「エリー、あんた姿が見えないと思ったら、ちゃっかりぬいぐるみ取ってきたのね」

ハイパージャンボ寝そべりぬいぐるみ「」テーン

絵里「ちょっと苦戦したけどね」

にこ「そんな大きなの、よく取れたわね……」

穂乃果「そのぬいぐるみ可愛いね~。穂乃果もとればよかったよ~」

絵里「また三人で遊びに来ましょ。今度はちゃんと休みの時にね」

穂乃果「その時まで残ってればいいけど……」

にこ「なら、週末に来ればいいんじゃない? それならいくらなんでも残ってるでしょ」

穂乃果「そうだね! うーん、今から待ちきれないよ!」

絵里「ふふ、気が早いわよ」

にこ「……ねえ、にこたち、何でアキバまで来たんだっけ」

穂乃果「昨日、海未ちゃんと凛ちゃんが来たからでしょ?」

絵里「それで、二人ともおかしくなっちゃってたから、その原因を探りに……あ」

ほのにこえり「「「そ、そうだったぁ!!」」」
189: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 22:19:15.73 ID:aHRhiI9n.net




にこ「はぁ、あれから改めてあちこち回ってみたけど、結局手がかりは無し、か」

穂乃果「歩きっぱなしで疲れたよぉ~」グデー

絵里「なんだかんだでかなりの距離を歩いたものね。結構時間も過ぎてるし」

にこ「今更だけど、お昼も食べてなかったわね」

絵里「確かにね。ちょっとどこかで休みましょ」

穂乃果「うん、そうしよ~」

絵里「それじゃ、また移動ね。どこ行く?」

にこ「うーん……にこはその辺のファーストフードでもいいけど」

穂乃果「あっ、じゃあさ。あそこ行こうよ!」

絵里「あそこ……?」
190: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 22:20:35.28 ID:aHRhiI9n.net
――メイドカフェ

にこ「なるほど、ここね」

穂乃果「うん」

絵里「ここ、ことりがバイトしてたとこよね。でも、なんで?」

穂乃果「単純に近かったから……、あと、ことりちゃんいたところだから、何かサービスしてくれるかな~って」

にこ「そんなわけないじゃない……」

「ほのかちゃぁ~ん、にこちゃ~ん、えりちゃ~ん!」

にこ「ほら、穂乃果がそんなこと言うから、ミナリンスキーの幻聴まで聞こえてきた」

「みんなまってぇ~……」

絵里「あ、私も聞こえたわ」

「置いてかないでぇ~」

穂乃果「ご、ごめん。穂乃果にも聞こえてきちゃった」

にこ「やっぱりみんな歩き通しで疲れてるのよ」

穂乃果「そうかも」

絵里「それじゃ、早くお店に入りましょ」

にこ「そうね」

ことり「うぅ~、みんなぁ~、ことりを無視しないでぇ~!」

にこ「って、本物!?」

穂乃果「ことりちゃん!?」

絵里「ど、どうして!?」

ことり「はぁ、はぁ、ふぅ~……、や、やっと見つけたよぉ……」
196: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 14:26:25.65 ID:xzMuvSVI.net
ことり「も~。ひどいよぉ、みんな、全然気づいてくれないんだもん~」

穂乃果「ご、ごめんねことりちゃん」

絵里「気付かなかったのは悪かったわ、ちょっといろいろあってね」

にこ「そもそもことり、なんでこんなとこにいるのよ?」

ことり「あ、うん。えっとね」

ことり「穂乃果ちゃん、いつまで待っても教室に来ないし、海未ちゃんも弓道部に行ったって聞いたっきりで」

ことり「二人とも電話も全然つながらないしメールも返ってこなかったから、どうしたのかなぁって、心配してたの」

にこ「穂乃果、あんたさっきことりの事気にしてた割に、連絡しなかったの?」

穂乃果「あぅ……それは、いろいろありまして……」

絵里「忘れたのね」

穂乃果「うう、はい。忘れてました……」

ことり「それに、先生に聞いたら海未ちゃんも具合が悪いからって、帰っちゃったっていうし……」

ことり「ことり、ずーっと不安で仕方なかったんだよぉ」

にこ(あ、海未もちゃんと早退したのね。でも、そのせいでことりに余計心配かけちゃった、か」

穂乃果「本当にごめんねことりちゃん。でも穂乃果は大丈夫だから」

絵里「海未も事故とか、病気とか、そんなんじゃないのよ。ちょっと疲れが溜まってただけらしいわ」

ことり「そっかぁ、それを聞いて安心したよぉ」

絵里「でもことり、よく私たちがここにいるってわかったわね」
197: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 14:31:00.58 ID:xzMuvSVI.net
ことり「うん。あのね、何か知らないかな?って花陽ちゃんに聞いたの」

絵里「花陽に? ああ、そうか同じユニットだものね」

ことり「うん。そうしたら、にこちゃんと絵里ちゃんと秋葉原に行ってるって教えてくれたの」

ことり「それで、いてもたってもいられなくて……ことりも来ちゃったんだ~」

にこ(あちゃー……その辺、花陽には釘を刺しておくべきだったわ。でも、まさかことりがこんな行動に出るとは思わなかったから……)

絵里(考えてみれば、穂乃果と海未の二人とも姿が見えなければ、こうなってもおかしくないものね)

にこ(確かに、あの三人の仲の良さを考えればそうだわ。迂闊だったわね……)

ことり「それで、三人とも、秋葉原まで来て何してたの? 授業あるのに……」

穂乃果「う、それは……そのぅ」

ことり「……何か大事なこと? にこちゃんと絵里ちゃんもいるし……」

にこ「まあ、そんなところね。詳しくは、言えないんだけど」

穂乃果「うん……」

ことり「ねえ、穂乃果ちゃん。本当に大丈夫なの?」 

穂乃果「う、うん。大丈夫、本当だよ!」

絵里「そうそう。私も付いてるしね。大事なことではあるけど、ことりが心配するほどのことじゃないのよ」

ことり「にこちゃんと絵里ちゃんは、その大事なことっていうの、知ってるんだよね?」

にこ「まあね」

穂乃果(知ってるっていうか、にこちゃん自身のことなんだけどね……)

絵里(それを説明するわけにはいかないからね……)
198: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 14:31:44.67 ID:xzMuvSVI.net
ことり「そうなんだ……。ことりにも、何かお手伝いできることないかな?」

にこ「ありがと。でも、気持ちだけ貰っておくわ」

ことり「そう……」ションボリ

にこ「ごめんね、ことり」

ことり「ううん! にこちゃん、気にしないで! でも、もし何か出来ることがあったら、ことりにも手伝わせてね!」

穂乃果「もちろんだよ!」

にこ「ええ、その時は頼むわね」

絵里(……ねえにこ)

にこ(何?)

絵里(ちょっと気になったんだけど。もしかして、ことりも操られてる、ってことはないわよね?)

にこ(え? うーん、海未や凛とは違っていつも通りみたいだし、それはないんじゃない?)

絵里(ならいいけど……、海未や凛の後だと、ちょっと心配になっちゃうのよね)

にこ(分からなくもないけどね……)
199: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 20:20:27.99 ID:xzMuvSVI.net
ことり「? にこちゃん、絵里ちゃん、何話してるの?」ヒョコ

にこ「わっ!? ことり!? 驚かさないでよ!?」 

ことり「あっ、ごめんなさい。あれ? そういえばにこちゃん……目の色が」

にこ「えっ、目?」キィン

絵里「ちょ、ちょっとにこ!?」

にこ「あっ」

ことり「にこ、ちゃぁん……///」トローン

穂乃果「こ、ことりちゃん……?」

にこ「し、しまった……! つい」

絵里「何やってるのよ、にこ! 力はコントロールできるんでしょ!?」

にこ「だ、だって急にのぞき込まれてびっくりしたんだもの! にこだけの責任じゃないわよ!?」

穂乃果「そ、それより早くことりちゃんを何とかしないと!!」

にこ「そ、そうね! ことり! 今のはナシ! もとに」

ことり「えへへ、にこちゃぁ~ん……」ギュッ

にこ「ひゃわぁぁ!!」ゾクゾクッ
201: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 20:22:32.68 ID:xzMuvSVI.net
ことり「ねぇ……にこ、ちゃぁん」

にこ「な、なにっ!? いやその前に、み、耳元で囁かないでよっ!」

ことり「ふふっ、ごめんね? でも真っ赤なにこちゃん、かわいいよぉ? たべちゃいたい」

にこ「なななな!? こ、ことり何言って!?」

ことり「やんやんっ、にこちゃんかわいすぎて、ことりのおやつにしちゃいたいよぉ~♪」サワサワ

にこ「ちょっ!? ことりあんたなにして……ひゃぅ! う、うなじ撫でないでっ!」

ことり「えへへ、にこちゃん、くすぐったい? じゃあ、こんなのはどうかなぁ?」チュッ

にこ「ひゃ、んっ! ことり、いま……?」

にこ(唇を触れさせて……啄むみたいな……。え、これ、キス……よね?」

ことり「ふふ、気持ちよかった? なら、もっとしてあげるね? ほら、ちゅんちゅん」

にこ「ん、くっ!? な、はだっ、あっ、ついばむの、んんっ、やめ……!」

絵里「」

穂乃果「」

にこ「ちょっとエリー! 穂乃果!! 何固まってんのよ! 見てないで助け」

ことり「それとも、ことりをおやつにしてくれる……?」

にこ「おやつって何がよ!? しないわよ!!! 食べないわよ!!!!」

ことり「いいよ、ことり……にこちゃんに、なら……」

にこ「はうぅっ!?」

にこ(ヤバイわこれ! 頬を染めてとろーんとした顔で上目遣いにのぞき込まれた上、あの甘い声を耳元に囁かれるとか!)

にこ(しっかりするのよにこ! こんな真昼間にアキバのど真ん中でこれ以上のことをおっぱじめたらアイドル生命どころか人生終了よ!)

にこ(で、でもこのことりの魅力は……! 抗いがたい……!)

にこ「ってなんで! にこの方が! 魅了されかけてんのよ!!」ガバッ

ことり「きゃっ」ドサ

にこ「はぁー、はぁーっ、ことり、ちょーっと調子に乗りすぎたようね……」

ことり「は、はわわわ……」プルプル

にこ「まあ、うっかりしてたにこの責任もあるけど。その辺にしときなさいね、こ・と・り?」ゴゴゴゴ

ことり「は、はい……にこちゃん、その……、美味しく、食べてね?」

にこ「だからしないって言ってんでしょーがーっ!!!!!」ガーッ
204: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 20:37:58.03 ID:xzMuvSVI.net




穂乃果(にこちゃん、これで大丈夫なの?)ヒソヒソ

にこ(ええ、ちゃんと力は解除したわ)ヒソヒソ

絵里(あ、ことりに目に光が戻ってきたわよ)ヒソヒソ

にこ「ことり?」

ことり「え……? あれ、にこちゃん? あれ、ことり、何を……?」

にこ「ちょっとボーっとしてたみたいね。ことり、大丈夫?」

ことり「あ、ごめんねにこちゃん。うん、平気。迷惑かけちゃった?」

にこ「……いいのよ。何もなかったし。きっと疲れてたんだと思うわ……」

絵里「海未もそうだったけど、生徒会とか練習とかで疲れが溜まってたのよ、きっと」

ことり「そ、そうなのかなぁ……。あと、にこちゃん……何だかすごく疲れてない?」

にこ「何でもないのよ、何でも……」

絵里「ことり、今日は練習も休みにするから。ゆっくり休んで」

ことり「うん、そうするよ」

穂乃果「そ、それじゃことりちゃん。穂乃果たち行くね」

絵里「また、明日ね」

ことり「うん、ばいばい。またね、穂乃果ちゃん、絵里ちゃん、にこちゃん」

にこ「ええ、また、学校で」
206: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 20:54:02.50 ID:xzMuvSVI.net




にこ「……なんか、この力を使って一番ひどい目に遭った気がするわ」ゲッソリ

絵里「あはは……、ことり、すごかったわね……」

穂乃果「むぅ……ことりちゃん……」

にこ「全く二人とも薄情なんだから。助けてくれたっていいじゃない」

絵里「ご、ごめんねにこ。ちょ、ちょっとあまりの事態に思考が停止しちゃって」

穂乃果「ほ、穂乃果も」

にこ「頼りにならないんだから……。おかげで危うくことりのおやつになるところだったわよ……」

絵里「冗談抜きでね」

穂乃果「う、うん」

にこ「はぁ、やっぱりこの目、ろくなもんじゃないわ……」

穂乃果「そ、そうだね……」

絵里「本当、使いようによっては怖い力よね。その目を持ってるのがにこでよかったと思うわ」

穂乃果「にこちゃんなら、ひどいことしないもんね」

にこ「……そんなこと言っても、何も出ないわよ」

絵里「でもまあ、さっきの様子を見ればことりが操られてたって可能性は消えたんじゃない?」

にこ「確かにね」

穂乃果「うん、ことりちゃんまで海未ちゃんみたいにおかしくなってたら、どうしようかと思ったよ」

絵里「別の意味でおかしくなっちゃったけどね。にこのせいで」

にこ「したくてあんなにしたわけじゃないわよ。にこにだって予想外だったわ」

にこ「でも、ことりが操られてなかったのは本当、よかったわ……もう、海未たちみたいなこと、ごめんだもの」

穂乃果「だよね……。穂乃果もこれ以上μ’sのみんなとあんなの……嫌だよ」

絵里「同感ね……。そういえば、結局バタバタしててお店入りそびれちゃったわね」

穂乃果「うぅ、思い出したらおなかが空いてきたよぉ~……」

にこ「にこもよ。もうどこでもいいから、適当に何か食べましょ」

絵里「そうね。じゃあ、そこのハンバーガーでどう?」

ほのにこ「「異議なし!」」
208: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 21:22:28.47 ID:xzMuvSVI.net




穂乃果「美味しかったぁ~!」

にこ「いつものハンバーガーなんだけどね。お腹が空いてると全然違って感じるわよね」

絵里「そうよね。ポテトなんか量多すぎたかな、なんて思ったのに。すぐなくなっちゃったもの」

にこ「あれは穂乃果が食べすぎなのよ」

穂乃果「え~? にこちゃんだっていっぱい食べてたじゃん! それも長いのばっかり!!」

にこ「はぁ!? 穂乃果の方が長いの食べてたじゃない!」

絵里「はいはいそんなことでけんかしないの」

絵里「それにしても、もうすっかり夕方ね」

穂乃果「あ、本当だ……もうこんな時間なんだね」

にこ「ちょっと長居しすぎたかしら」

絵里「まあ、お店に入った時間も時間だったしね」

穂乃果「これからどうする?」

絵里「そうね……。穂乃果、海未たちが行った場所、あと残ってるとこある?」

穂乃果「ううん。花陽ちゃんからのメールに書いてあった場所は一通り回ったけど……」

にこ「手がかりなし、か」

絵里「二人がおかしくなったことと、秋葉原に出かけたことは関係はなかったのかしら」

穂乃果「そう、なのかなぁ……。きっと何かあったんだと思うんだけど……」

にこ「……」

絵里「にこ?」

にこ「あ、うん。……これ以上は遅くなるし、今日はここで解散しましょ」
209: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 21:23:31.44 ID:xzMuvSVI.net
絵里「にこ、いいの?」

穂乃果「そうだよ、その目のことも、凛ちゃんたちをおかしくした原因も、分かってないのに」

にこ「いいのよ。そりゃ、気にならないとは言えないけど。海未も凛も元に戻せたし」

にこ「この目もコントロールできてるしね。ちょっと色が変なくらいなら、何とでも誤魔化せるし」

絵里「でも……」

にこ「いいの。こっちこそ、何だか変なことに巻き込んで、付き合わせちゃって悪かったわね」

穂乃果「ううん、全然気にしてないよ!」

絵里「そうそう。むしろ大して力になれなくてごめんね」

にこ「そんなことないわ。二人がいなかったら……、だから、ありがと」

にこ「それに、こんなこと言うのは変かもしれないけど……穂乃果、絵里、今日は楽しかったわ」

絵里「私も楽しかったわよ。また、一緒に来ましょ」

穂乃果「うん! 週末にまた来る約束だもんね!」

にこ「……くす。そうね。じゃあ、今日は解散! お疲れ様っ!」

穂乃果「お疲れ様~っ! またね!」

絵里「じゃあ、また明日。にこ、もし何かあったら相談してよね」

にこ「ええ……じゃあね」
211: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 22:13:47.30 ID:xzMuvSVI.net
――秋葉原 万世橋

トコトコ

にこ「車も、人の通りもあるし、店の明かりもついているのに」

にこ「……一人になると、何だか寂しいもんね」

にこ「いつもはなんだかんだで、誰かがいたからかな」

にこ「……ん、がらでもないわね、こんな感傷的なの」

にこ「結局今日は練習どころじゃなかったし……ちょっと、踊っていこっかな」

にこ「うん、そうしよ」

タタタ

にこ「ええっと、どこかいい場所は……」

キョロキョロ

にこ「この辺なら、いいか。音楽も何もないけど」

にこ「何やろうかな……。んー……まあ、思いついたのからでいいか」

にこ「あ、そうだ。あれにしよ」

にこ「ふーんふふふーん、ふーんふふ、ふふふふーん♪」

<ネェネェ、ダレカアソコデ オドッテルヨ
<スクールアイドルッテヤツジャナイノ?

にこ「キミはだれなんて~、きかな~いよ~♪ わかぁってーるー♪」

<カワイイコダナ タノシソウダシ

にこ「つーばーさをただのーかざーりにはーしーないー♪」

<アレ オドッテルコッテ モシカシテ 
<アッ ソウダ! アノコ ミューズノ ニコチャンジャナイ?

「……μ’s……?」
224: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 22:25:14.28 ID:cWT6Hy+0.net




にこ(よし、こんなもんかしらね。って、いつの間にか結構人が集まってきてるわ)

<ニコチャーン! ヨカッタヨー!
<カワイカッター! 
<ニッコニッコニーシテー
<オウエンシテルヨー!

にこ「やーん、ありがとーっ♪ 今度は練習じゃなくて、ライブににこを見に来てね~っ♪」

<ライブミニイクネー!
<ガンバッテネー!

にこ「ふふっ、練習しててもファンを集めちゃうとか、にこの人気には困っちゃうわね~」

にこ「ふぅ……。ん、なんだかちょっとすっきりしたかも」

にこ「やっぱいいわねー。皆の反応もいい感じだったし。今度のライブもこの調子で行きたいわね」

にこ「……にしてもイメージ通り、いえ、イメージ以上に踊れたって感じね」

にこ「なんかキレが増してるっていうか。変わったのは感覚だけじゃなくて、体力もなのかしら。疲れもないし……」

にこ「うーん……アイドルとしてはいいことなのかもしれないけど、なんか複雑ね……」

パチパチパチパチ

にこ(あっ、まだ見てくれてた人がいたのか。いけない、気を抜いちゃってたわ。ファンサービスもアイドルには欠かせないのに)

「練習にしておくのがもったいないほど、素敵なダンスだったわ。流石、μ’sね」

にこ「えっ?」

「ごめんなさい。お邪魔しちゃったかしら。でも、本当に気持ちよさそうで、楽しそうに踊っていたから。つい、ね」

にこ「あんた……いえ、あなたは……」

「こんばんは。矢澤さん」

にこ「綺羅……ツバサ!?」
225: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 22:58:45.33 ID:cWT6Hy+0.net
にこ「A-RISEが、どうして、こんなところに」

ツバサ「あら、UTXはすぐそこですもの。私が秋葉原にいても、驚くことじゃないでしょう?」

にこ「そうだけど……」

ツバサ「むしろ私の方が驚いたわ。路上練習やストリートパフォーマンスをするスクールアイドルは少なくないけど」

ツバサ「まさかμ’sのメンバーが、この秋葉原で踊っているなんてね。それにさっきまでの応援、みんなに好かれているのね」

にこ「そんな、ことは……。A-RISEに、綺羅さんに比べたら」

ツバサ「ふふ、謙遜しなくてもいいのよ。今やμ’sは私たちA-RISEに勝るとも劣らない人気スクールアイドル。双璧といってもいい」

ツバサ「あなたはそのメンバーだもの。むしろ、注目されない方がおかしい」

にこ「……」

ツバサ「もちろん、私たちもあなたたちには注目している。同じスクールアイドルとして、強力なライバルとして、そして……」

ツバサ「いえ、これはこんなところで話すことじゃないわね」

にこ「……? 今、何か?」

ツバサ「いえ、何でもないわ。そうだ矢澤さん。いえ。にこさん……時間ある? 少し、お話ししない?」

にこ「お話?」

ツバサ「ええ。せっかくの機会だもの。どうかしら?」

にこ「……いいわ。にこもちょうどそうしたいと思ってたところよ」

ツバサ「決まりね。それじゃ、ついてきて」
226: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 23:39:11.37 ID:cWT6Hy+0.net
――UTX 講堂

にこ「……いつみても、立派な建物ね。外もだけど、中も」

ツバサ「ありがと。っていっても、私たちが建てたわけじゃないけどね」

ツバサ「さ、入って」

にこ「いいの? 部外者のにこも入っちゃって」

ツバサ「いいのよ。この時間じゃ誰もいないし。人に見つかったりしたら、大変だもの」

にこ「ま、そうかもしれないけど」

ツバサ「お互い大変よね。人気ものって立場は」

にこ「贅沢な悩みだとは思うけどね。でも、アイドルなんだからそれくらいじゃないと」

ツバサ「ふふっ、流石ね」

にこ「天下のA-RISEに言われるとなんか、照れ臭いわね」

ツバサ「そう? でもA-RISEっていっても、今ここにいるのは私だけだし。あなたもμ’sではあるけど、今は矢澤にこさん、でしょう?」

にこ「まぁ、そうかもね。そういえば、他の二人はいいの?」

ツバサ「いいのよ。私一人で、あなたと話したいと思ってたんだし」

にこ「ふーん……てっきり、あなたは穂乃果を気にしてると思ってたけど」

ツバサ「確かに、高坂さんも気にはなるけれどね。それとは別に、あなたのことはずっと気になっていたのよ」

にこ「それは光栄といえばいいのかしらね」

にこ「で、わざわざ邪魔が入らないようにしてまでの話って? スクールアイドル関係とか、ラブライブについてとか?」

ツバサ「そうね……それも興味深い話題ではあるし、他にもいろいろあるけど。まずは……」

ツバサ「あなたの、その綺麗な目について、お話ししましょうか?」
230: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 00:20:02.56 ID:T9f7+CJD.net
にこ「なっ!?」

ツバサ「遅いわ」キィィン

にこ「しまっ、た……!」ビキィン

ツバサ「ふふ、意外とあっさりかかっちゃったわね。油断してた? まさか、って」

にこ「ぐ……身体が……」

ツバサ「ふぅん? 予想はしていたけど、あなたには効きにくいようね。本当なら、今ので意識を無くすはずなんだけど」

ツバサ「どうやら動けなくなっただけ、か。まぁ、そこまで期待してはいなかったし、これで十分ね」

にこ「……あんた……! やっぱり、あんたが……!!」

ツバサ「そう。疑ってはいた? でも、気付くのが遅かったようね」

にこ「うごけ、ない……この力……やっぱり本物。でも、にこみたいな赤い目じゃないのに、なんで……!?」

ツバサ「あら。力をつかえるのは赤い目だけなんて、誰が決めたのかしら?」

ツバサ「瞳の色なんて関係ないのよ。確かに、他とは異なる鮮やかな色が、力を持つ証ではあるけれど」

にこ「く……」

にこ(確かに。にこの目が赤だったからそう思い込んでた。迂闊、だったわ)

にこ(改めて見れば、綺羅ツバサの翠色の目、雰囲気がにこと似てる。吸い込まれそうなほどに綺麗な翠だわ)

にこ「花陽が言ってた白い服、っていうのは、UTXの制服だったのね……! なら妙なことを吹き込んだのも……!」

ツバサ「ふふ、そうよ。今朝、登校中会ったときにちょっとね。何故、あの子がそれを覚えていたのかは分からないけど」

にこ「海未や、凛をおかしくしたのも!! やっぱりあんたが!」

ツバサ「そう。どうしてもあなたと会いたくて。偶々、秋葉原で見かけたときにね」

ツバサ「でも、こうなることが分かっていたなら、そんなまどろっこしいことしなくてもよかったわね」

にこ「あんた……! そんな、そんな理由で、海未を、凛を!! にこの、大切な仲間を……!」ギリ

ツバサ「怖い目をして睨んでも無駄よ。あなたの『魅了』では、私の力を破ることはできない」

ツバサ「そう、私の『支配』の力はね」
231: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 00:29:47.18 ID:T9f7+CJD.net
にこ「『支配』……! そうか、だから海未たちは」

ツバサ「そう。私の目は全ての意思を奪い取る。あなたの『魅了』のように、甘くはないわ」

ツバサ「この目が射抜けば、すべての人が私にひれ伏す。……例外を除いてね」

にこ「例外。それが、にこってわけ?」

ツバサ「ふふ、察しがいいわね。そう、今の私が知る限りでは、あなただけが唯一の例外。それは今の状況も証明している」

にこ「にこの……目が、同じだから」

ツバサ「そうよ。もっと言うなら、仲間。それとも同胞だから、って言った方がいいかしら」

にこ「同胞……ですって? 冗談!」

ツバサ「あら。お互い人と違う、同じような力を持つもの。それを同胞といわなくて何というの?」

ツバサ「にこさん、あなただって、薄々は分かってるんじゃないの? 人を自由に操れる力。怪我も一瞬で治ってしまう身体」

ツバサ「まだ実感してはいないかもしれないけど、人間以上の感覚の鋭さに、無尽蔵ともいえる体力」

ツバサ「私たちは他の人とは違うのよ。そして、あなたと私だけが同じなの」

にこ「違うッ! にこは、あんたとは違うわ! 自分のために、力を使って、人に好き勝手なことなんてしない!!」

にこ「にこは人間よ! ちょっと普通じゃなくたって、人間なのよッ!」

ツバサ「そう思いたい気持ちは分かるわ、でも、現実はそんなに優しくはない」

ツバサ「しょせん、人は異物を受け入れられはしないのよ。理解できないものへの恐怖は必ず、嫌悪を生み、拒絶から迫害へと至る」

ツバサ「化け物、と言ってね」
232: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 00:36:06.80 ID:T9f7+CJD.net
にこ「そんなことない! 穂乃果は、エリーは! こんなにこを、化け物じゃないって! 好きだって、言ってくれた!!」

ツバサ「……羨ましいわね。高坂さんたちなら、確かにそう言ってくれるでしょう」

にこ「なら! あなたにだって、きっとそういう人が!! これまでに! これからも、きっと!」

ツバサ「でも、それもいつまで続くかしら? 断言できる? 決して、彼女たちに疑念が生まれることはないと」

にこ「……!」

ツバサ「にこさん。あなた、自分の身体が異常な回復力を持っているのは知ってる?」

にこ「……ええ」

ツバサ「そこまで力が発現しているなら、おそらく……もう一年もしないうちに、成長……つまり老化が止まるわ」

にこ「え……? 老化が、止まる、って?」

ツバサ「まだ実感してはいないと思うけれど、大体全盛期まで成長すると、それ以上は変化しなくなる。つまり、私たちは不老なのよ」

ツバサ「流石に不死ではないけど、寿命自体も人よりもはるかに長いらしいわ」

にこ「ちょ、ちょっと待って、それじゃあ」

ツバサ「ずっと、そのままね。友達が大人になり、年をとっても、あなただけはその姿のまま」

ツバサ「人間である自分は変わっていくのに、隣にいる人だけはいつまでも変わらない。そんな存在を、人が受け入れられると思う?」

ツバサ「そう……必ず、破綻するのよ」

にこ「あなた……もしかして」

ツバサ「だから! 私と共にいきましょう? 私だけが、あなたと同じく歩んでいける。あなただけが、私と同じに歩いてくれるのだから」

にこ「にこ、だけが……」

ツバサ「……」

にこ「にこは、にこ、は……」
245: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 17:52:44.50 ID:T9f7+CJD.net
にこ「なんでなのよ。なんで、にこがなのよ……にこが、こんな……」

ツバサ「原因は分かっていないわ。血筋にも関係なく、極稀に現れる突然変異、ということしか、私も知らない」

にこ「なにか、何か治す方法が……あるんじゃないの?」

ツバサ「少なくとも、私が知る限り無いわ。そもそも、あまりにも現実離れしていて、病気と言っていいのかわからない」

ツバサ「現代医学でもその仕組みは理解できていない。当然、治療法もない」

ツバサ「それに、もしあったのなら、私がすでに試しているはずでしょう?」

にこ「つまり……にこたちは」

ツバサ「そうね。一生このままよ。そして、高坂さんたちとは、決して同じにはなれない」

ツバサ「今はいいかもしれない。でも、この先はどうかしら? その時、信じていた人に裏切られるのは、とてもつらいと思わない? 悲しいことだと思わない?」

にこ「にこ、は……」

にこ(穂乃果や、エリーや希が大人になって、でも、この姿のままで……みんなとどんどん違っていって……)

にこ(また、一人になるの……? 折角、μ’sのみんなと一緒だったのに。また一人ぼっちに……)

ツバサ「にこ、私はあなたを裏切らない。誓えるわ」

ツバサ「辛いでしょう? 苦しいでしょう? その辛さと苦しみを真の意味で分かってあげられるのは、私だけよ」

ツバサ「さ、にこ……。こっちに、いらっしゃい」

にこ(この手を取れば……にこは、一人じゃ、なく……)

ツバサ「そう、それでいいの。にこ、私と、一緒に……」




 『にこ』
246: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 17:53:48.48 ID:T9f7+CJD.net
にこ「え……? 今?」ピタ

ツバサ「……?」

にこ(確かに、声が、聞こえた。でも、どこから?)

 『にこ!』

にこ「この声……?」

ツバサ「声? 何の話を」

 『にこちゃん!』

にこ「また……。この、声は」

 『にこちゃんは、にこちゃんだよ! お化けなんかじゃない!』

 『にこちゃん……穂乃果は、ずっとにこちゃんの味方だからね』

にこ「そうよ……」

にこ(優しい声が、光となって、不安の闇を照らす)

 『そんな綺麗な目をした人が、化け物なはずないわ。自分のために他人を虐げるような人の目じゃない』

 『なんて言われようと、私はにこを好きでいるからね』

にこ(穏やかな声が、温かな風となって、苦しみの雲を吹き飛ばす)

にこ「なんで、信じられないでいたんだろう……、にこのことを、信じてくれたあの言葉を……」

(にこちゃん。にこっち。にこちゃん……! 大好きだよ! 頑張れ! 負けないで!!)

にこ「ありがとう……エリー、穂乃果……みんな」

にこ(二人の声が、μ’sのみんなの笑顔が……にこの心に、勇気をくれる)

にこ(そっと、胸を押さえる。鼓動を、感じる)

にこ「大丈夫。想いはもう、もらってたもんね。にこは、大丈夫よ……」

ツバサ「…………」

にこ「悪いわね。確かに、あんたは私と同じに歩けるのかもしれないけど」

にこ「にこが一緒に歩きたいのは、あんたじゃないの」

にこ「たとえ、歩く速さが違っても」

にこ「にこは、大好きなμ’sのみんなと歩きたい!」
247: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 18:11:58.16 ID:T9f7+CJD.net
ツバサ「それが、あなたの答えなのね」

にこ「そういうことね。A-RISEからのスカウトは確かに魅力的だけど、今はそれ以上に、大切なものがあるの」

ツバサ「そう……残念だわ。本当に……」

ツバサ「後悔、するわよ」

にこ「その時はその時よ。それに、そんなことにはならないって、思えるの」

ツバサ「どうして?」

にこ「根拠なんかないわ。こう言うと、まるで穂乃果みたいだけどね」

にこ「でも、そうね……何があっても揺るがない、そう信じられる仲間がいるから、かしら」

にこ「にこは、あの言葉を信じる。にこを化け物じゃないって信じてくれた、仲間の……大切な人たちの、あの言葉を」

ツバサ「……本当に、羨ましいわね……」

にこ「……」

ツバサ「でも! 私は諦められないのよ。連れていくわ、どんな手を使っても!」

ツバサ「あなただけが、私の救い! やっと見つけた希望なのだから! 絶対に!!」キィィン

にこ「っ! 無駄よ! あんたの力だって、今のにこには効かない! その目では、にこを操り人形にはできないわ!」キィン

ツバサ「く……っ! 今度は完全に、私の力を無効化した……。私以上に、力の成長が早い……!」

にこ「さあ、もうご自慢の力は通用しないのがわかったでしょ。にこを帰して」

ツバサ「確かに、このままでは無理ね。……保険を掛けておいたのは、正解だったわ」

にこ「保険……? 何を言って」

ツバサ「すぐにわかるわ。……いらっしゃい、高坂穂乃果さん」
248: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 18:33:36.66 ID:T9f7+CJD.net
穂乃果「……」スッ

にこ「!!」

ツバサ「言っておくけど、変装させた偽者とかじゃないわよ? 正真正銘の、高坂穂乃果さんよ」

にこ「なんで、なんで穂乃果がここに!? 穂乃果!!」

穂乃果「……」

にこ「穂乃果! 聞こえないの? まさか……」

穂乃果「……」

ツバサ「にこ。あなたなら、分かるわよね。今の彼女が、どうなっているのか」

ツバサ「本当に、いい子ね。あなたのことを、心から心配していたわ」

ツバサ「でも、いまの彼女は、私の可愛いお人形だけれど」

にこ「綺羅……ツバサッ!! あんた、穂乃果に力を! なんでそこまでっ!!」

ツバサ「言ったでしょう! にこ、私はあなたを諦められないと! どんな手段も使うと!!」

にこ「ふざけんじゃないわよっ! そんな卑怯な手を使うような相手に、にこがついていくと思うの!?」

ツバサ「ええ、もちろん、拒絶されるでしょうね」

にこ「意味わかんないわよ! 何でそこまで分かってて! ええい、今はそんなことより!」

穂乃果「……」

にこ「穂乃果、待ってなさい! すぐ元に戻してあげる! 大丈夫よ、海未や凛にはできたんだもの、にこの目なら!!」

ツバサ「その通りね。あなたの力なら、私の力を打ち消すことはできるでしょう」

ツバサ「でも、やめた方がいいわよ?」

ツバサ「あなたが力を使えば、彼女は光を失うわ」

にこ「今、なんて……? それ、どういう、ことよ……」
249: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 18:39:59.06 ID:T9f7+CJD.net
ツバサ「彼女に力を使ったとき、同時にこうも命じてあるわ。『もし、矢澤にこがあなたに力を使ったなら、あなたは光を失いなさい』ってね」

にこ「そんな嘘! いくらなんでも、でたらめよ! 失明させるなんて、ハッタリだわ!」

ツバサ「そう思うのは、あなたの自由よ」

ツバサ「でも、催眠術で熱した鉄だって思いこまされて、木の棒を当てられただけでも火傷する話とか、知らない?」

ツバサ「ただの思い込みでも、それくらい強い影響があるのよ。私の力で支配されている彼女は、どうなるかしらね?」

ツバサ「それでも嘘である可能性に賭けて、力を使う? 大切な穂乃果さんを賭けるような、そんな真似ができる?」

にこ(……ヤバい、あの目、本気の目ね。ハッタリじゃない)

にこ(ってことは、にこが力を使ったら、本当に穂乃果は……そんなの……)

にこ「……にこに、どうしろっていうの?」

ツバサ「単純なことよ。私の力を受け入れなさい」

にこ「つまり、あんたの操り人形になれってことね」

ツバサ「ええ。それが嫌なら、力を彼女に使って、私の支配を解けばいいわ。失明という代償を払ってね」

にこ「……」

ツバサ「でも、自分のエゴのために、大切な人の光を奪い、人生をめちゃめちゃにした時、あなたに私の力を防ぐ気力が残ってるかしらね」

ツバサ「あなたの心が折れれば、もう私の力を防ぐことはできない。あなたが手に入るのなら、私はどちらでもいいわ」

にこ「本気なの?」

ツバサ「本気じゃないとでも?」

にこ「あんたは、にこが欲しいんじゃないの? にこの姿をした、お人形でもいいっていうの?」

ツバサ「何も手に入らないくらいなら、それでもマシよ」

にこ「正気の沙汰じゃないわ……!」

にこ(こんな二択、選べないわよ。力を使えば、穂乃果が失明する。力を使わなければ、ツバサの支配は解けない)

にこ(そしてどっちにしろ、結局はツバサに支配される)

にこ(いったい、どうすれば……)
253: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 20:13:05.32 ID:T9f7+CJD.net
ツバサ「さあ、選びなさい。にこ」

にこ「……くぅ、こんなの、選べるわけ……」

ツバサ「選べないのなら、私の人形になりなさい。それで、あなたは苦しむことも、悲しむことも無くなるわ」

にこ「ぐ………」


 『らららんらん らららんらん ららららーらーらららー♪』


にこ「あ……」


 『らららんらららん らららららら ららーらーらーらー♪』


にこ「そうか……!」

にこ「そうだったわね……。こんな変な力のせいで、すっかり忘れてたわ」

にこ「にこもまだまだね。考えてみれば、こんな簡単な方法があったのに」スッ

ツバサ「なに、目を瞑って……観念でもしたの?」

にこ「いいえ、違うわ」

ツバサ「?」

にこ「本当、今日のにこはどうかしてた。こんな基本中の基本で、にこにとって、何よりも大事なことを忘れてたなんて」

ツバサ「何を言っているの?」

にこ「穂乃果っ!」

穂乃果「……」

ツバサ「無駄よ。あの子には聞こえていないわ」

にこ「そんなの関係ないわ! たとえ声が聞こえていなかろうが、無理矢理にだって届けるわよ!」

にこ「穂乃果。にこは、あんたほど上手くないかもしれないけど」

にこ「精一杯歌うわ。想いを胸に込めて、言葉に乗せて!! 今はあんたの……穂乃果のために! 笑顔を取り戻すために!」

ツバサ「あなた……何を!? 何をしようというのよ!?」

にこ「……よし」スゥッ

にこ「いっくよぉ~! ここからが、スーパーアイドルにこにーのステージにこっ!!!」
254: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 20:14:20.52 ID:T9f7+CJD.net
にこ「さぁ、最初っから飛ばすよぉ~♪ にこにーに、ちゃ~んとついてきてにこっ!!」

にこ(『START:DASH!!』『Snow halation』『Happy maker!』……)

にこ「まだまだにこっ!! ほらほら~っ! ぼーっとしちゃだめっ!」

にこ「つぎぃ! 『輝夜の城で踊りたい』っ! 聴いてにこっ!」

にこ(歌うわ! 思いつく限り! この想いを込めて!!)

ツバサ「歌……そんなもので、何ができるというの?」

にこ(歌い続けるわ! 例え声が枯れても! 喉が破けても! 想いが届くまで!!)

ツバサ「無駄な努力よ。私の力は、そんなもので……」

ツバサ「……え?」

穂乃果「……」ポロ

にこ「!」

にこ(聴いて穂乃果! にこは、ここにいるわ! 今度はあんたに、にこが想いを届ける! 歌にのせて!)

穂乃果「に、こ……ちゃ、ん……」ツゥ

ツバサ「涙……? そんな、バカな……。今の彼女は、完全に私の支配下にあるはず……!」

穂乃果「にこ……ちゃん」

にこ「穂乃果! ほのかぁっ!」

穂乃果「にこちゃん! にこちゃぁんっ!」バッ

にこ「わぁっ!? だからいきなり飛びつくじゃないっての!!」ギュッ

穂乃果「真っ暗な中で、聞こえてきたよ。ずっと、聞こえてたよ。にこちゃんの歌が……」

穂乃果「にこちゃんの想いが、穂乃果を助けてくれたよ……!」

にこ「ごめんね。にこのせいで、また酷い目に合わせちゃったわね……」ギュウ

穂乃果「ううん、そんなことない、そんなことないよ……! ありがとう、にこちゃん……!

ツバサ「こんな、こんなことが……こんなことが……!」

ツバサ「そんなはずはない……私の力が、ただの歌に負ける……?」

にこ「あんた、スクールアイドルのくせにそんなことも忘れたの?」

にこ「歌は力よ。こんな目なんてなくても、想いは人の心を動かすことができる!」

ツバサ「バカな……ありえないわ、そんなの、できっこない!」

にこ「出来るわ。だってにこは……化け物でも、ただの女の子でもない……アイドルだから」

にこ「歌に想いをこめて、人を笑顔にする、それがアイドルだから!!!」
257: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 21:21:23.33 ID:T9f7+CJD.net
ツバサ「アイドル……そんな……」

にこ「終わりね。あんたの負けよ」

穂乃果「ツバサさん……」

にこ「もう、あんたに勝ち目はないわ。にこと穂乃果を帰して。そして、二度と力をこんな風に使わないと約束して」

ツバサ「え……?」

穂乃果「にこちゃん、許してあげるの?」

にこ「穂乃果が許さないって言うなら別だけど。にこは……いいわ」

にこ「あんたの気持ちも……分からないでも、無いから」

ツバサ「……にこ……」

にこ「穂乃果、あんたはどうする? 許せないっていうなら、力を使ってでも……」

穂乃果「ううん、いいよ。穂乃果もにこちゃんも無事だったんだし、それで終わりにしよ」

にこ「分かったわ。それじゃ、これで終わり。いいわね」

ツバサ「……本当に、それでいいの?」

にこ「いいって言ってるじゃない。それとも、力で約束させられたい?」

にこ「にこは嫌よ、そんなの。信じてないみたいじゃない」

穂乃果「ふふ」

にこ「何笑ってんのよ!」

ツバサ「わかったわ……もう、この力は使わない。ごめん、なさい……」

にこ「ま、本当に困ったときは使えばいいんじゃない? ただし、人を不幸にしないようにね!」

ツバサ「ええ……。約束、するわ」
258: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 21:21:52.48 ID:T9f7+CJD.net
ガチャ バーン

絵里「にこ! 穂乃果!! 無事!?」

にこ「エリー!?」

穂乃果「絵里ちゃん!?」

絵里「……ごめんね遅れて。でも、その様子を見るに、無駄足になっちゃったかしら」

にこ「そんなことないわよ……。ありがと、来てくれて」

絵里「どういたしまして」

穂乃果「でも、絵里ちゃん。どうしてここに?」

絵里「別れた後にちょっと気になって、真姫に電話したのよ。そしたらね」

絵里「『秋葉原に行ったのなら、一つ、何より目立つのに、探し忘れてる場所があるんじゃない?』って教えてくれたの」

穂乃果「え……あ、そうか! UTX!!」

絵里「正解。で、ピンと来てね。たまたま会ったあの人たちに、ここまで連れてきてもらったわけ」

にこ「あの人、たち?」

タッタッタッ

あんじゅ「ツバサちゃん!」

英玲奈「ツバサ!」

ツバサ「あんじゅ、英玲奈……?」

あんじゅ「ツバサちゃん、もう、いいのよ」

ツバサ「え……あ……? でも、わ、わたしは……」

英玲奈「無理するな。事情は大体分かっている」

あんじゅ「絢瀬さんが、教えてくれたわ……辛かった、わね……」

英玲奈「私たちでは、ツバサの苦悩をすべてわかってやれないかもしれないが」

あんじゅ「すぐには信じてもらえないかもしれないけど。ずっと同じ速さで歩くことは、無理かもしれないけど」

英玲奈「私たちは、三人でA-RISE」

あんじゅ「そうでしょう?」

ツバサ「あ……」

英玲奈「話してくれ、ツバサ」

あんじゅ「何があっても、私はあなたのことを裏切らないわ」

英玲奈「ああ、私もだ」

ツバサ「うぅ……あん、じゅ……えれ、な……うっ、う……うわぁぁぁぁぁぁん……っ!」
259: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 21:25:07.83 ID:T9f7+CJD.net




にこ「やれやれ、にこなんてお呼びじゃないじゃないの」

絵里「ふぅ……、あんじゅさんたちについてきてもらってよかったわ」

穂乃果「あっちはあっちで任せておけば、大丈夫かもしれないね」

絵里「ええ。もう、私たちの出る幕じゃないわね」

にこ「ったく、もう勝手にやってって感じよ」

絵里「さ、私たちも、帰りましょう」

にこ「そうね……、帰ろ、音ノ木坂へ」

穂乃果「うん」

ツバサ「ねぇ」

穂乃果「は、はい!?」

にこ「何よ、まだなにか?」

ツバサ「ええ。一つだけ。……あなたたち、聞かせて」

穂乃果「えっと穂乃果?

絵里「私も? 何かしら」

ツバサ「……あなたたちは今のその想いを、にこさんとの絆を決して無くさないって、言い切れるの?」

穂乃果「もちろん! 何があっても、どんなときでも、穂乃果はにこちゃんの味方だよ!!」

絵里「私もね。今更何を言われようと、μ’sの絆は無くなりはしないわ。にこは私の大切な友達よ」

にこ「穂乃果、絵里……」

穂乃果「また赤くなってるね、にこちゃん」

絵里「今日何度目かしらね」

ツバサ「そう……、本当に、羨ましいわね」

ツバサ「でも、今度は、私もそんな素敵な仲間を作ってみせるわ」

にこ「そ。まぁ……頑張って」

にこ「にこたちも、負けないから」
263: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 22:00:28.58 ID:T9f7+CJD.net
穂乃果(あれから――あっという間に、一週間が過ぎた)

穂乃果(にこちゃんや絵里ちゃんが心配してたけど、海未ちゃんも、凛ちゃんも、そして私も。ツバサさんの力の影響は、欠片も残らなかった)

穂乃果(正直、私もほっとした。でも、にこちゃんの方がずっとほっとしてたと思う)

穂乃果(ちなみに、海未ちゃんはあの日倒れた(ということになっている)記憶がないことをしばらく気にしていたみたいだけど)

穂乃果(今はそうでもないみたい)

穂乃果(真姫ちゃんは、自分だけ蚊帳の外だったのが気に入らなかったのか、あの次の日、にこちゃんと喧嘩?していたようだけど)

穂乃果(今はすっかり元通りだ)

穂乃果(絵里ちゃんと希ちゃんも、いつも通りに今までと変わらない日々を送っている)

穂乃果(ちょっとだけ違ったことといえば)

穂乃果(絵里ちゃんや希ちゃんが、にこちゃんの顔をよく眺めていたりすること)

穂乃果(花陽ちゃんがにこちゃんを見るあこがれのまなざしが、ちょっと熱を増したことと)

穂乃果(ことりちゃんが、なんだかにこちゃんに可愛い服を着せようとする機会が増えた気がすること)

穂乃果(それくらいだった)

穂乃果(話を聞くと、A-RISEも上手くやっているみたい。何でも、あの日以来、メンバー同士の仲が、より深まったとか)

穂乃果(にこちゃんは、『ラブライブを目指すライバルを強くするなんて、余計なことしちゃったかもね』なんて苦笑いしていた)

穂乃果(で、そのにこちゃんは――)
265: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 22:05:27.26 ID:T9f7+CJD.net
――音ノ木坂学院 屋上

ガチャ

穂乃果(扉を開けると、見慣れたツインテールが風に揺れていた)

穂乃果(こちらに背を向け、フェンス越しに空を眺めているその後姿を間違うはずもない)

穂乃果「にこちゃん、ここにいたの?」

にこ「んー、まあね」

穂乃果「あー、その反応酷いよー。探したんだよー。今日は練習休みにしたのに。わざわざ屋上に来なくたって」

にこ「別にいいじゃない。にこがどこにいたって」

穂乃果「そうだけどさー」

穂乃果(私が横に並ぶと、にこちゃんがこちらに顔を向ける)

穂乃果(その瞳は、鮮やかな真紅。宝石のように綺麗で、どこか不思議な輝きの中に、私を映している)

穂乃果「目、綺麗だよね」

にこ「あんた、会うたびそれ言うわよね……。もう聞き飽きたんだけど」

穂乃果「あはは、だって本当のことだもん」

にこ「絵里と全く同じこというんじゃないわよ……」

穂乃果(結局、にこちゃんとツバサさんは、元には戻れないらしい)

穂乃果(不老ってのはぴんとこないけど、にこちゃんはもう、ずっとこのままの姿なんだって)

穂乃果(こんなこと言ったら、怒られそうだけど。でもそれって、ずっと可愛いにこちゃんのままなんじゃ……)

穂乃果(ほんのちょっぴり、羨ましいような……)

穂乃果(あ、でも背とか胸とかもそのままなのかな。それは……)

にこ「なによ。にこの目を見つめて。言っておくけど、穂乃果。お願いされても力は使わないからね」

穂乃果「そ、そんなこと考えてないよ~!」

にこ「どうだか? 海未にお説教されそうだから、その目で助けて!とか言うんじゃない?」

穂乃果「い、言わないってば! そもそも海未ちゃんにお説教されるようなこと……ない、はずだし……」

にこ「じゃあ、何よ」
266: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 22:10:09.95 ID:T9f7+CJD.net
ガチャ

絵里「遊びに行く約束、でしょ?」

穂乃果「絵里ちゃん」

絵里「まさか忘れてないでしょうね? 今日は練習もないし、私と穂乃果とにこで秋葉原に行って遊ぶわよ」

にこ「忘れてないわよ。あと今日は三人での予定だけど、別の機会に希連れて焼肉ね」

穂乃果「それも楽しみだよねー!」

絵里「それ以外に、メンバー全員でも遊びに行きたいわね」

にこ「まったく、物好きねーあんたら。『こんな』にこと一緒にいたいなんてさ」

穂乃果(そう言ってにこちゃんが、自分の目を指さす)

穂乃果(でも、私はそのセリフに、いつもこうやって返すんだ)

穂乃果「え~? だってにこちゃんは、本物のスーパーアイドルだもん。ずっと一緒にいたいってのは、当然だよ!!」

絵里「そうそう。そんなこと言っちゃだめよ。私の大切な友達を『こんな』呼ばわりするのは、にこでも許さないわよ」

にこ「分かったわよ。それと、持ち上げたところで奢りはしないからね」

穂乃果(そう言うにこちゃんは、耳まで真っ赤)

穂乃果(それを見て、絵里ちゃんと一緒に、小さく笑う)

穂乃果「えー」

絵里「えー」

にこ「なんであんたまで」

絵里「なんとなくよ」

にこ「はぁ、まったく。あんたたちといると小さな悩みなんてどうでもよくなるわね」

絵里「うふふ。お役に立ててるようで何より」

穂乃果「いつでも穂乃果たちを頼ってね! 何があっても味方だから」

絵里「そうそう」

にこ「はいはい。感謝してるわよ。……本当に、ね」

にこ「にこ、あんたたち一緒で、よかったわ……これからも、よろしくね」

ほのえり「「当然! μ’sの絆は、永遠不変だからね!!」」
268: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 22:38:08.59 ID:T9f7+CJD.net
――『アイドル研究部』

真姫「何よ。こんなところに呼び出して」

にこ「ん……まあ、ちょっとね」

真姫「何? にこちゃんらしくないわね」

にこ「悩んだんだけどね……真姫ちゃんは、知らなくてもいいんじゃないかって」

真姫「この間のけんかのこと? まあ、にこちゃんや穂乃果たちが何か隠していて、教えてくれないのが気にならないって言ったら嘘になるけど」

真姫「別にもういいわよ。誰だって秘密にしたいことの一つや二つあるでしょ」

にこ「いえ、やっぱり言うわ。後、いつかは海未と凛、ことりにも言おうと思うんだけど……」

にこ「今はまだ、その三人には言わないでほしいの」

真姫「なにそれ? いっそいまみんな集めていえばいいじゃない」

真姫「いえ、待って。私以外だと三人? じゃあ逆に、にこちゃん以外だとエリー、希、穂乃果、花陽は知っているのね」

にこ「ええ」

真姫「なにそれ。なんで半端に隠すの? 意味わかんない」

にこ「……お願い」

真姫「……まあいいわ。いずれ、全員にちゃんと話すんでしょ」

真姫「話してみてよ。聞くわ、にこちゃん」

にこ「真姫ちゃん……」
270: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 22:39:42.70 ID:T9f7+CJD.net
真姫「へぇ……そんなことになってたのね」

にこ「もう大変だったわよ……。結局、力を使いまくる羽目になったし」

にこ「事情が事情だけに、流石にすぐには海未や凛には話せないわ」

にこ「操られてたって言われてもね。信じられないでしょうし、いい気分はしないと思うわ」

真姫「気持ちは分かるけど……」

にこ「あとことりにもね」

真姫「それは教えても別にトラウマにはならないんじゃない? 事故のようなものだし、ことりも責めないと思うわよ?」

にこ「いや、にこの……気持ちの整理が」

真姫「分からないでも、無いけどね……」

真姫「でもよかったんじゃないの? 少なくとも、誰も不幸な結末にはならなかったんでしょ」

にこ「ま、そうなんだけどね。にこがちょっと変わったってくらいだし。それはもう別にいいし」

真姫「ならいいじゃない、それで。ハッピーエンドね」

にこ「……ね、真姫ちゃん」

真姫「なに、にこちゃん」

にこ「真姫ちゃん、にこたちみたいな人のこと、何か知ってるんじゃないの?」

真姫「……なんでそう思うの?」

にこ「だって、意外と驚いてないみたいだし」

にこ「あと、綺羅ツバサはあれこれ知っていたけど、誰かから聞いたような感じの言い方もしてたわ」

真姫「……私が教えた、って言いたいの?」

にこ「そこまでは言ってないけど。でも、他に知ってる人がいるって感じだった」

にこ「それにツバサは原因不明の突然変異、なんて言ってたけど。本当に、現代医学でも解明できないほどなの?」

真姫「科学や医学だって万能じゃないわよ」

にこ「それは分かってるけど……」

真姫「ふぅ、そんなに睨まなくても、ちゃんと答えるわよ」

真姫「確かに、にこちゃんたちのような症状は知識として知ってたわ。パパが言ってたのを、小耳にはさんだことがあるしね」

にこ「なら」

真姫「でも、原因とか、メカニズムとか、治療法は不明。これは本当よ」

真姫「中には『彼ら・彼女らは本当に人とは異なる種族なんじゃないか』なんて学説まであるわ」

にこ「そう……」
272: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 22:41:17.65 ID:T9f7+CJD.net
真姫「でもね」

にこ「え?」

真姫「結局、どんな力があろうと、それをどう使うか次第なのよ」

真姫「同じ人間でも、力持ちの人もいる、足の速い人もいる、頭のいい人もいる。いいことにも悪いことにも使える。それと同じ」究極的には個性の違い、程度の話でしかないわ」

真姫「にこちゃんには不思議な目の力と、ちょっと変わった身体がある。それだけよ」

真姫「だから、にこちゃんがそのやさしさ持っている限り、みんな、あなたのことを怖がったり、嫌ったりなんてしないと思うわ」

真姫「もちろん、私もよ」

にこ「ん……」

にこ「やっぱり、そう言ってくれると気が楽になるわね……」

真姫「ま、こんなのはもう、穂乃果やエリーにさんざん言われたんでしょうけどね」

にこ「ううん、嬉しかったわ。ありがと、真姫ちゃん」

真姫「べ、別に……こんなの、お礼を言われるようなことじゃないわよ」

真姫「それと、次から何かあったら私にも頼ってよね! 同じメンバーでしょ。水臭いじゃない……」

にこ「うん。ごめんね」

真姫「約束、だからね」

にこ「うん」
274: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 22:59:25.46 ID:T9f7+CJD.net







にこ「ん、んぅ……。なんだか、懐かしい夢を見てたわね」

にこ「あーあ……思い返せば、本当、にこの目のせいで大変なことになったわ」

にこ「でも、まあ……悪くはない、かな……うん。いい思い出だって、言える」

にこ「だって、みんながくれた想いがあれば……きっと、にこはいつまでも、大丈夫だから」



――FIN
275: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/06(月) 23:00:15.23 ID:T9f7+CJD.net
本編+αはこれにて終了です
拙い出来でしたが、お付き合いありがとうございました
292: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/07(火) 23:35:17.33 ID:5/vc5zwQ.net
後日談の番外編を投下していきます
293: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/07(火) 23:36:32.31 ID:5/vc5zwQ.net
――ある日の『アイドル研究部』

ダダダダダ
ガチャ
バーン

凛「たっ大変にゃ大変にゃ大変にゃー!!」

真姫「どうしたのよ凛、そんなに慌てて」

凛「り、凛見ちゃったにゃ! こ、これは……とんでもないことにゃー!」

真姫「だから落ち着きなさいよ。見たって何をよ」

凛「にこちゃんにゃ!」

真姫「にこちゃん? それのどこが大変なのよ?」

凛「大変なんてもんじゃないにゃ! じ、実はにこちゃんは……」

真姫「にこちゃんは?」

凛「にこちゃんは……にこちゃんの正体は……吸血鬼だったのにゃーっ!!」



 ―― 番外編 『凛、知ってしまったにゃ……!』――
294: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/07(火) 23:37:26.46 ID:5/vc5zwQ.net
真姫「はぁ? 何それ、意味わかんない」

凛「言葉通りの意味にゃ! にこちゃんは人間じゃなくて、吸血鬼だったのにゃ!!」

真姫「凛、あなた夜更かししてテレビでも見てたの? それともゲームのやりすぎ? 顔でも洗ってきたら?」

凛「本当にゃ! だって、凛、見ちゃったにゃ!」

真姫「何をよ」

凛「部室で、にこちゃんが穂乃果ちゃんの首筋に顔を埋めてた所を! あれはきっと、血を吸ってたのにゃ!!」

真姫「そんなわけないじゃない。何かの見間違えでしょ」

真姫(一体何やってんのよ、あの二人は……)

ことり「ううん、凛ちゃんの言ってることは、本当だと思う……」

真姫「ことりまで何言い出すのよ」

ことり「前にね、にこちゃんに衣装づくりを手伝ってもらってた時に、にこちゃん、手を切っちゃったことがあるの」

ことり「慌てて保健室に連れて行こうとしたんだけどね。『ベっ、別にこんなのなんともないわよ!』って」

真姫「本当に大したことなかったんじゃない?」

ことり「ううん、結構深く切っちゃったはずなの。血も出てたし。でも、放課後には何にもなかったみたいに……傷もなかったし」

ことり「その時はあんまり深く考えなかったんだけど……」

凛「やっぱり吸血鬼にゃ! 凛知ってるよ! 吸血鬼には普通の武器じゃ効かないにゃ!!」

ことり「ど、どうしよう……! どうすれば……」

凛「吸血鬼に効く武器を探すにゃ!!」

ことり「そ、そう言えば弱点いっぱいあるっていうよね!」

真姫「なんでにこちゃんを倒す前提で話が進んでるのよ」
295: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/07(火) 23:38:26.95 ID:5/vc5zwQ.net
ことり「でも、危なくないかな? 噛まれたら、ことりたちも血を吸われちゃうかも……そうしたら……」

凛「そ、そうだったにゃ。はっ!? じゃ、じゃあ噛まれた穂乃果ちゃんももう……」

ことり「そ、そうだよ! 穂乃果ちゃん、にこちゃんに噛まれちゃったんでしょ!? じゃあ……」

ことりん「「穂乃果ちゃんも……吸血鬼にされちゃった!?」」

真姫「二人して何言ってるのよ……」

凛「こうしてはいられないにゃ! 凛たちが何とかしないと!」

ことり「う、うん!!」

凛「にこちゃんに血を吸われて、みんな吸血鬼にされちゃうにゃ!!」

ことり「ぴぃ! こ、ことりも!?」

凛「凛、吸血鬼にはなりたくないにゃ! それにかよちんを吸血鬼になんてさせないにゃ!!」

真姫「話聞きなさいよ……。もう、意味わかんない」

凛「ことりちゃん、いくにゃ!」

ことり「うん! みんなを助けないとね!!」

凛「真姫ちゃんも!!」

真姫「ヴェエエ!? わ、私も? いいわよ、私は部室にいるから」

凛「だめにゃ! それは死亡フラグにゃ!! 部室に残ってたらにこちゃんに襲われてデッドでバッドなジエンドにゃ!!」

真姫「なんで無駄にリズミカルなのよ」

凛「だから真姫ちゃんも行くにゃ!!」

ことり「そうだよぉ、一緒にいこ、真姫ちゃん!」

真姫「ちょ、ちょっと引っ張らないでよ! わかったわよ、いく、一緒に行くからぁ~!!」
296: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/07(火) 23:39:24.38 ID:5/vc5zwQ.net
真姫「で、どうするのよ」

凛「まずは情報を集めるにゃ! 情報は武器にゃ!」

真姫「それで本を持ってるわけね」

凛「そうにゃ! この本にしっかり解説されてるにゃ!」

真姫(吸血鬼ドラキュラ……子供向けの怪談本じゃない)

ことり「ええっと……吸血鬼の弱点って、いろいろあるのは知ってるけど……」

真姫「大体有名なのは、十字架、聖水、にんにく、太陽光あたりね」

ことり「に、にんにく!?」

真姫(木の杭を打ち込むってのもあるけど……流石ににこちゃんにそんなことできるわけないし)

凛「ふむふむ」

ことり「でも、聖水とかすぐには用意できないよぉ~」

真姫「そもそもにこちゃん、陽の光の当たるところでも普通にしてるし、十字架のアクセサリ付けてたりするわよ?」

ことり「あ……そう言えばそうだね」

真姫「だから言ったでしょ? にこちゃんは吸血鬼なんかじゃないわよ」

凛「いや、そう考えるのは危険にゃ! こういう時は、みんなに意見を求めるにゃ!」

ことり「みんなに?」

凛「そうにゃ! かしこいかわいい先輩とか、スピリチュアルに詳しい人とかにゃ!!」

ことり「ええと、絵里ちゃんと、希ちゃん?」

凛「そうにゃ! きっと、いいアイディアを出してくれるにゃ!!」

真姫「エリーと希、ねぇ……」

ことり「真姫ちゃん、どうしたの?」

真姫「ううん、何でもないわよ」

真姫(ま、あの二人なら大丈夫でしょ……)
298: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/07(火) 23:43:54.89 ID:5/vc5zwQ.net
――三年生教室

ダダダダダ
ガラッ

凛「絵里ちゃーん! 希ちゃーん!」

絵里「あら、凛。どうしたの?」

希「ん? ああ、凛ちゃんやん」

絵里「慌ててるみたいだけど、だめよ、廊下を走っちゃ」

凛「あっ、ごめんにゃ。いやそれよりも、大変なことが起きてるにゃ!」

絵里「大変なこと?」

希「なにかあったん?」

凛「それが……」

ことり「はぁ、はぁ、凛ちゃんはやいよぉ~」

真姫「ぜぇ……ま、まちなさ……ぜぇ……りん……ぜぇ……」

希「ことりちゃんに真姫ちゃんまで。どうしたっていうん?」

凛「大変なことになってるにゃ!!」

真姫「それじゃ……ひゅー……ひゅー……わから、ない……わよ……」ガク

希「まず真姫ちゃんが今にも倒れそうなことが大変なことやん」

絵里「というか既に倒れてるわね」

真姫「」チーン
299: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/07(火) 23:46:14.88 ID:5/vc5zwQ.net
絵里「それで、凛がさっきから言ってるその大変なことって何なのよ?」

ことり「実は……」

(ことりん説明中……真姫ダウン中……)

絵里「はぁ、にこが吸血鬼、ねえ」

希「それは大変やねー」

凛「え、何そのドライな反応。μ’s最大の危機なんだよ!?」

絵里(希、これは完全に、にこのアレのことよね……)

希(多分そうやね。そもそも隠し通すのは無理やろうし……いずれはばれるとは思っとったけど)

絵里(それにしても、何で吸血鬼なんて誤解されるようなことを……)

ことり「絵里ちゃん?」

絵里「そうねさいだいのききね」

希「えりち。棒読みになってる」ヒソ

絵里「ごほんごほん。何でもないのよ」

ことり「それで、ことりたちはどうすればいいのかなって……」

絵里「うーん……」
300: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/07(火) 23:47:11.40 ID:5/vc5zwQ.net
絵里(どうしろもなにも……。そもそもにこは……。希、何かある?)チラ

希(うちに振るん? 仕方ないなー……)ハァ

希「せやねー。まずは一回、穂乃果ちゃんやにこっちに会ったらええんやない?」

凛「えええっ! そ、それは……」

ことり「ことりも、ちょっと……」

希「でも。ことりちゃんはまだにこっちに会ってないんやろ? なんでも鵜呑みにせずに、自分の目で確かめなきゃあかんよ」 

ことり「う、うん……それは、そうかも……」

希「それに、にこっちが血を吸ってるっていうんも、凛ちゃんは遠くから見ただけやん?」

希「にこっちが吸血鬼っていう、何か決定的な証拠はあるん?」

凛「それは……ないにゃ。確かに本当に血を吸っているかは、よく見えなかったかも……」

絵里「じゃあ、見間違えの可能性もあるわね。あるいは何か勘違いしたとか」

凛「なんかそう言われると……自信なくなってきたにゃ」

真姫「だから最初に言ったじゃない。何かの間違いだって」

希「お、真姫ちゃんもう大丈夫なん?」

真姫「ええ、なんとかね」

ことり「でも、どうしよう……凛ちゃん、どうする?」

凛「……にこちゃんと、穂乃果ちゃんに会いに行くにゃ」

凛「凛だって、にこちゃんのこと……本当は疑いたくないにゃ……」

ことり「うん……。そうだね……それは、ことりもだよ」

ことり「ことりも、にこちゃんにきちんとお話聞きたい、かな。ちょっと、怖いけど……」

凛「分かったにゃ。凛、にこちゃんたちに会って、ちゃんと聞いてみるにゃ」

絵里「それがいいわね。μ’sメンバー同士で変な溝ができたら困るからね。ちゃんと確かめてきなさい」

希「がんばってなー」

ことり「い、行ってきます……」プルプル

凛「骨は拾って欲しいにゃ……」

真姫「いくらなんでも大げさよ……」



絵里(にこの気持ちも分かるけど、いつまでも誤魔化せるものでもないしね……)

希(案外、いい機会なんかもしれんなぁ)
301: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/07(火) 23:51:53.36 ID:5/vc5zwQ.net
――音ノ木坂学院 廊下

テクテク

凛「希ちゃんたちの言う通りにしようと思ったけど。肝心のにこちゃんたちが見つからないにゃ」

ことり「そうだねぇ。にこちゃんも穂乃果ちゃんも、どこにいるんだろう?」

凛「ことりちゃんは知らないの?」

ことり「うん。にこちゃんには会ってないし、今日は穂乃果ちゃん、ホームルーム終わったらすぐ出て行っちゃったから……」

真姫「そう言えば、私も放課後になってからはにこちゃんたちには会ってなかったわね」

凛「さっき屋上かと思っていってみたけど、いなかったにゃ……」

ことり「うん……」

花陽「あれ? 凛ちゃんに真姫ちゃん、ことりちゃんも?」

凛「あっ、かよちん!」

花陽「三人とも、どうしたの?」

凛「そうだ、かよちん。にこちゃん何処にいるか知ってる?」

花陽「にこちゃん? うん。さっき会ったよ。えっと、穂乃果ちゃんと部室に行くって」

ことり「部室かぁ。入れ違いになっちゃったんだねぇ」

凛「ありがとかよちん!」

花陽「どういたしまして。部室に行くの? なら私もいっしょに」

凛「かよちん!」ガシッ

花陽「ピャア!?」

凛「凛はにこちゃんを信じたいにゃ……! でも万が一のこともあるにゃ!」

花陽「う、うん?」

凛「だから、かよちんはここに残るにゃ! 大丈夫、凛はきっと戻ってくるにゃ!!」

真姫「すさまじいまでの死亡フラグね」

ことり「あわわ……それはまずいよぉ!」

花陽「??? よくわからないけど、頑張ってね? あと、にこちゃんたちによろしくね」

凛「任せるにゃ!! かよちんのためにも凛は負けない! 音ノ木坂の平和は凛たちが守ってみせるにゃ!!」

真姫「どういうことなのよ、それ……。そもそも凛はにこちゃんをどうしたいの……」
303: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/08(水) 00:07:48.15 ID:+MNUgdtG.net
キィィ……

凛「あれ……なんか暗いにゃ……電気も点いてないし……」

ことり「カーテンが閉まってる? おかしいね、閉めた覚えなんてないのに……」

真姫(もうすでに嫌な予感しかしないわ)

凛「にこちゃんたちがやったのかにゃ」

ことり「そうかも。暗くてよくわからないけど……にこちゃんたち、帰っちゃったのかなぁ?」

凛「誰もいないなら、そうかも……?」

カタン

ことり「ぴっ!!」

凛「!! だ、誰かいる!?」

真姫「あれは……」

ユラリ……

穂乃果「……」

ことりん「穂乃果ちゃん!?」
310: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/08(水) 20:15:09.60 ID:+MNUgdtG.net
穂乃果「……」

凛「な、なーんだぁ、穂乃果ちゃんかぁ~!」

ことり「も、も~! 穂乃果ちゃん、びっくりさせないでよぉ」

凛「そうにゃそうにゃ! いるならいるって言って欲しいにゃ!」

ことり「本当、部屋まで真っ暗にして、驚かそうなんて趣味悪いよぉ~。ことり、心臓止まっちゃうかと思ったんだよ~」

穂乃果「……」

凛「あの……、聞いてる?」

ことり「……穂乃果、ちゃん?」

穂乃果「くす」

真姫「様子が変ね……」

凛「り、凛……すごーく嫌な予感がしてきたにゃ……」

ことり「そ、そういえば……穂乃果ちゃん、にこちゃんに噛まれたんだよね……?」

凛「あっ。じゃあ……」

真姫「……」

ことり「ね、ねぇ穂乃果ちゃん? おふざけなんでしょ? そうだよね?」

凛「ちょ、ちょっとしつこくないかにゃ? そろそろ終わりにしよ、ね?」

穂乃果「……うふふ」

ことり「えっ? ほ、穂乃果ちゃん? 目が……赤く……」
311: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/08(水) 20:15:38.26 ID:+MNUgdtG.net
凛「ま、まさか……本当に?」

穂乃果「凛ちゃん、ことりちゃん」

ことりん「「ひっ!」」

穂乃果「だめだよぉ、凛ちゃん、ことりちゃん。にこちゃんにひどいこと言っちゃ……」ギラ

ことり「あ、あれってき、牙……?」 

凛「お、遅かったにゃ……。穂乃果ちゃんは、もう……」

ことり「そ、そんな……ほのか、ちゃん……」

穂乃果「……そんな悪い二人には、お仕置きしなきゃね……」ユラリ……ユラリ

凛「こ、こっち来る……!」

ことり「あ、ぅ……」

真姫「…………」

ことり「ど、どうしよう凛ちゃん!?」

凛「……たった一つだけ、方法があるにゃ」

ことり「たった一つ?」

凛「そう。とっておきのやつにゃ」

ことり「とっておき? そ、それってもしかして……」

凛「逃ぃげるんだにゃーっ!」ダッ

ことり「えっ!? あっ、待ってぇー!? 置いてかないでぇー!!!」ダダッ
312: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/08(水) 20:27:02.37 ID:+MNUgdtG.net




凛「はぁ、はぁ……な、なんとか逃げ切った、みたい……」

ことり「ひぃー、ひぃー……足ががくがくしてるよぉ……」

ことり「あ、あれ……真姫ちゃんがいないよ?」

凛「えっ? あ、本当にゃ!」

ことり「ま、まさか逃げ遅れて……捕まったんじゃ……」

凛「もうだめにゃ……真姫ちゃんはおしまいにゃあ……」

ことり「そ、そんな……真姫ちゃん……ぐすっ」

凛「この仇はきっととるにゃ。だからことりちゃん、今は泣いちゃだめにゃ」

ことり「う、うん。でもまさか、本当に……穂乃果ちゃんが吸血鬼になっちゃったなんて……まだ信じられないよ……」

凛「凛も信じたくないけど……。これが現実にゃ……」

ことり「…………」

凛「せめてかよちんだけは、かよちんだけは凛が守るにゃ……」

「ことり? 凛?」

ことりん「ひぃぃぃ!!」

海未「な、何ですかいきなり!?」

ことりん「「あっ」」

ことりん「「海未ちゃん!!」」

海未「はぁ……私ですが……。二人とも、こんなところで何を……?」
314: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/08(水) 22:47:33.04 ID:+MNUgdtG.net
海未「穂乃果が吸血鬼になった?」

ことり「う、うん。そうなの」

海未「しかも、にこまで吸血鬼だというのですか?」

凛「うん。穂乃果ちゃんはにこちゃんに噛まれて吸血鬼にされちゃったんだにゃ」

海未「にこが……? はぁ、ゲームやマンガじゃあるまいし……。何を馬鹿なことを言っているんですか」

凛「本当にゃ! 間違いないにゃ!!」

海未「見間違いでしょう。大体吸血鬼なんて現実にいるわけがないではないですか」

凛「さっきまで凛もそう思ってたよ!! でも!!」

ことり「ことりも見たの。穂乃果ちゃんの目が赤くなって、口元に牙が覗いてたのを……」

海未「ことりまで……。二人とも疲れているんですよ」

ことり「そんなんじゃないよぉ~!!」

凛「信じてよ海未ちゃん!!」

海未「そう言われてもですね……」

ことりん「「海未ちゃぁん……」」ヒシッ

海未「はぁ、なら私も一緒に行きます。それでもう一度穂乃果たちに会えば、はっきりするでしょう?」

ことり「ええっ、でも……」

凛「それは……流石に、遠慮したい、かなぁって」

海未「何言っているんですか。練習もしなければならないですし、いつまでもこうしてはいられないでしょう」

凛「それは……そうだけど……」

海未「ならばさっさと誤解を解くべきです。ほら、凛、ことり! 行きますよ!」

ことり「ま、待って海未ちゃん! ま、まだ心の準備がぁ~!!」ズルズル

凛「り、凛急用を思い出したにゃ! きょ、今日は帰るにゃ!  だ、だから離してぇ~!!」

海未「往生際が悪いですよ、凛」

海未「許してぇ海未ちゃん!! 助けてぇ! かよちーーん!!!」ズルズル
316: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/08(水) 22:49:12.51 ID:+MNUgdtG.net
>>314 訂正 最後のセリフは海未ではなく凛です
320: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/11(土) 13:50:15.64 ID:BcYlHE73.net
――通学路

ことり「大騒ぎしちゃったけど……」

凛「結局、部室にはだれもいなかったにゃ」

ことり「鍵もかかってたしね」

海未「二人がもたもたしているからですよ。すっかり暗くなってしまったではないですか」

ことり「だ、だってぇ……」

海未「穂乃果やにこだけでなく、みんな帰ってしまったようですし」

海未「今から突然家に押し掛けるのは、流石に迷惑でしょう。明日の朝練で確かめますよ」

ことり「ひとまずほっとしたような……でも明日が怖いような……」

凛「うぅ……死刑執行を待つ囚人の気分だにゃ……」

海未「まだ言ってるんですか。全くだらしない」

凛「海未ちゃんはあの穂乃果ちゃんを見てないから、そんなこと言えるんだよ……」

ことり「う、うん……あの穂乃果ちゃん、すっごく怖かったんだよぉ」

海未「穂乃果が怖い、ですか。想像できませんね……」

ことり「海未ちゃんだって、実際に見たら絶対に悲鳴を上げて逃げ出しちゃうと思うよ」

凛「薄暗い部屋の中で、くすくす笑いながら真っ赤な目が光って、口元から牙がのぞいてたにゃ……」

ことり「お、思い出しただけで震えてきちゃうよぉ……」ブルブル

凛「凛、今夜夢に見そうにゃ……」ブルブル

ことり「や、止めてよ凛ちゃん……ことりも見ちゃいそうだよ……」

海未「二人とも穂乃果をなんだと思ってるのですか……。本人が聞いたら傷つきますよ」

穂乃果「そうだよ。いくらなんでもひどいよ~」

海未「ほら、穂乃果もこう言ってるではないですか」
321: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/11(土) 13:52:20.80 ID:BcYlHE73.net
ことり「え」

凛「う、海未ちゃん? 今」

ことり「だ、誰と、しゃべったの……」

海未「何を言っているのですか、穂乃果の声が……したでは……ない、ですか……」クルリ

穂乃果「うん。穂乃果だよ?」

ことり「ほ、ほほほのかちゃ……」プルプル

穂乃果「もう、みんな薄情だよねぇ。穂乃果を置いて帰っちゃうんだもん」

穂乃果「穂乃果、ずっとみんなのこと捜してたのにさぁ……」

凛「あ、ぅ……」ガクガク

穂乃果「ひどいと思わない? ねえ、海未ちゃん」

海未「あ、あなたは……ほ、本当に、穂乃果……なのですか?」

穂乃果「そうだよ? 何言ってるの、海未ちゃん」

海未「し、しかし……。そ、その……目が……目の、色が」

穂乃果「目? うん、そうだよ。だって今の穂乃果は……」

穂乃果「……吸血鬼だもん」ニィィ
329: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/11(土) 22:35:19.51 ID:BcYlHE73.net
海未「き、牙……!?」

凛「や、やっぱり見間違いじゃなかった……!?」

穂乃果「う~ん、みんな美味しそうで迷っちゃうな~」

穂乃果「ことりちゃんはとっても甘そうだし、凛ちゃんや海未ちゃんはさっぱりしてそうだよね」

海未「な、何の話ですか」

穂乃果「何って、分かるでしょ? みんなの血の味のはなしだよ~」

凛「ち、血って……」

穂乃果「だって吸血鬼が血を吸うのは当たり前じゃん。ふふ、誰からにしようかな~?」

海未「しょ、正気に戻ってください穂乃果! 人の血を吸おうなんて……あなたらしくもない!」

海未「ことり! ことりからも何か言って」

ことり「ぴ」

海未「こ、ことり?」

ことり「ぴぃぃぃぃ~~~っ!! も、もういやぁーっ!!!」ダッ

凛「あっ、待って! ことりちゃん、凛を見捨てないで――っ!!」ダダッ

海未「ことり、凛!? ……あ。ま、待ってくださいーっ!!」ダダダッ

ダダダダダダ……

穂乃果「……」ポツーン

穂乃果「……………あっ」
330: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/11(土) 22:52:22.89 ID:BcYlHE73.net




ダダダダダ

ことり「も、もうこんなのやだよぉ~!! 夢なら覚めてぇ~!」

<マッテクダサイコトリー!
<コトリチャン マツニャー!

ことり「やんやん!? 追いかけてきてるよぉっ!?」

ことり「逃げなきゃ! 逃げなきゃ……!?」

ドンッ

ことり「ぴいっ!?」

「ってぇな!?」

ことり「え!? あっ!? ご、ごめんなさいっ!?」

男1「あぁ? 『ごめんなさい』だぁ? てめぇ、人にぶつかってきてそれだけかよ!?」

ことり「ぴっ!? す、すみません!! ごめんなさい!!」

男「どこ見て歩ってんだよ!!」

ことり「ひぅ!! ほ、本当にごめんなさい! ことり、慌ててて……」

男「だからって人にぶつかってもいいってのかよ! ごめんで済んだら警察はいらねぇんだよ!! それくらいガキでも分かるだろうが!」

ことり「あ、う……」

男「おいおい、だんまりかよ? あ~あ、参ったぜぇ、いてぇいてぇ……」

ことり「す、すみません……。あの、大丈夫ですか?」

男「大丈夫なわけねぇだろうが! おいおい、こりゃ骨が折れたかもしれねぇよ!」

男「今すぐ医者に行かなきゃなぁ! 治療費もかかるぜぇ……。たっぷり賠償してもらわなきゃよぉ」

ことり「そ、そんな……」
331: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/11(土) 22:53:24.07 ID:BcYlHE73.net
ことり「そんなこと言われても……こ、困ります」

男「困ってるのはこっちなんだよ!」

ことり「ひ!」

海未「ことり! 追いつきましたよ!」

凛「ことりちゃん! ……あ、えっと、この状況は……?」

ことり「海未ちゃん……凛ちゃん……」

男「なんだてめぇら、こいつの連れか?」

男「今なぁ、こいつにぶつかられた慰謝料と治療費……そうだな。50万ってとこか? それを払ってもらおうって言ってんだ」

海未「な、なんですかそれは! たとえぶつかった非がことりにあったとしても、慰謝料と治療費なんて無茶にもほどがあります!

凛「そうにゃそうにゃ! そもそもどっからどう見てもおじさん怪我してるようには見えないにゃ!」

男「だとぉ!? てめぇ、舐めてんのかぁ!」

凛「ひっ!?」

「その辺にしときなさいよ」
334: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/11(土) 23:10:49.06 ID:BcYlHE73.net
男「誰だ!」

ことり「あ……」

「まったく、まだいるのね、こんな絵に描いたようなチンピラ」

ことうみりん「「「にこちゃん!?」」」

男「な、なんだこのチビ!」

にこ「誰がチビよ! っと、それより……まったく、あんたら揃いも揃って何やってんのよ」

海未「そ、それは……」

ことり「あの……」

凛「い、いろいろ事情がありまして……」

にこ「はぁ、まあ実を言うと大体の事情は分かってるんだけどね。まさかこんなことになるとは……」

凛「に、にこちゃん?」

にこ「ああ、いや。こっちの話よ。はぁ……本当、やれやれだわ」

男「てめぇ! 俺を無視するんじゃねぇよ!!」

にこ「うっさいわねぇ。大体、ことりがぶつかったにしてもちゃんと謝ったんでしょ? じゃあそれでいいじゃない」

にこ「それを何だかんだとねちねちと。あんたの器が知れるわよ」

にこ「悪いことは言わないから、さっさと行ったらどう?」

ことり「はわわわ……に、にこちゃん……!?」

海未「ちょ、ちょっと待ってくださいにこ……」

凛「火にガソリンぶちまける気かにゃ!?」

男「黙って聞いてりゃぁガキが調子に乗りやがって! ぶっ殺されてぇのか!!」

ことり「ひっ」

海未「にこ!」

にこ「しょーがないわねぇー! 言っとくけど、にこ、警告はしたんだからね!」

男「あぁ!?」

にこ「ほら、にこの目を見なさい!」キィン

男「目だぁ? それが何だって……」
336: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/11(土) 23:29:22.89 ID:BcYlHE73.net




にこ「あんたにぶつかったことりはちゃんと謝った。『それであんたはちゃんと許した』、そうよね」

男「そう……です……」

海未「……え?」

にこ「じゃあ、この話はこれでおしまい。お互いなにもなかったってことで、『さっさと行きなさい』よね」

男「ああ、はい……もう、行きます……」

凛「に、にこちゃん……だよね? なんだか、雰囲気が……」

にこ「おっと、それから、こんなつまんないこと、『すぐに気にしなくなる』わよね?」

男「ええ。もう、気にしません……それじゃあ……」

にこ「ん。じゃ、もう行って」

男「はい」フラフラ……

ことり「……い、行っちゃった……」

海未「どういう、ことです……? あ、あんなにあっさり……」

凛「にこちゃん、いま、な、何をしたにゃ……」

にこ「……ふうっ、使わないつもりだったのに! ああもう……何やってんのかしら!」

にこ「で、あんたら」

ことうみりん「!」ビク

にこ「見たでしょ? って聞くまでもないか。むしろにこが見せたようなもんだし」

ことうみりん(コクコク)
337: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/11(土) 23:30:33.16 ID:BcYlHE73.net
にこ「はぁ~~~~~…………! にこの今までの苦労、何だったのかしら。自分からバラすとか」

にこ「スーパーアイドルにこにーともあろうものが、大失態よ」

にこ「……でもま、おかげで、あんたたちに大事なくてよかった、ってことにしときましょっか」

海未「あの……」

にこ「分かってるわよ。……そんな畏まらなくても。どうせ聞きたいことがあるんでしょ?」

ことり「あ、うん……」

凛「まあ、その」

海未「教えてくれるんですか……?」

にこ「もうこうなっちゃったら隠しておく意味もないしね。とはいえ立ち話も何だし……」

ことり「あ、それじゃことりの家でお話しよう? 今日はお母さんも遅いし」

にこ「そう? じゃあ、お言葉に甘えるわね。それと……」ポチポチ

海未「にこ?」

にこ「ああ、ちょっとね。気にしないで、すぐにわかるから」

ことりん「「???」」

にこ「じゃ、ことりの家に行きましょ」

ことうみりん「「「あ。はい……」」」
339: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/11(土) 23:53:27.49 ID:BcYlHE73.net
――ことりの家

にこ「……ってことよ。大体こんなとこかしら。今の『にこの目が持ってる力』についてはね」

海未「ま、まさか……そんなことが……」

凛「び、びっくりにゃー……」

にこ「信じられないのも無理ないわ。にこだって自分のことなのに、最初は信じられなかったし」

ことり「ううん、ことりは信じるよ……、だって、さっきことりのことをその力で助けてくれたもん」

海未「私も、にこの力をこの目で直に見た以上、信じざるを得ません……。やはり本当に、にこの目に特殊な力があると」

凛「凛も信じるにゃ。さっきのにこちゃん、すごすぎだったもん」

にこ「そ。まぁ、信じるも信じないもあんたたちの勝手だしね」

凛「で、でもそうならにこちゃんは、やっぱり……」

ことり「そ、そうだ! にこちゃんは……本当に……吸血鬼なの?」

海未「穂乃果の血も……吸ったのですか? り、理由が、理由があるのですよね!?」

ことり「お願いにこちゃん! さっきのお礼に、こ、ことりの血を吸ってもいいから!」

ことり「だからお願い! ことりが吸血鬼になるから、穂乃果ちゃんを人間に戻してあげて!!」 

にこ「…………」

海未「そ、そうです! にこ! ことりの血で足りないというなら不肖この園田が!!」

凛「凛の血もあげるにゃ! だからかよちんだけには手を出さないで! お願いします!」

にこ「……何勘違いしてるのか知らないけど、にこは吸血鬼じゃないわよ?」
340: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/11(土) 23:55:12.85 ID:BcYlHE73.net
海未「……? え?」

ことり「にこちゃん、吸血鬼じゃないの?」

にこ「違うわよ。もうこの際だから言っちゃうけど」

にこ「確かに、今のにこは感覚も人以上に鋭くて、ちょっとくらいの怪我はすぐ治っちゃうし」

にこ「体力もそうね、本気出したら海未や凛以上かもしれないし。そもそももう歳もとらないらしいけど」

凛「そこまで聞くと吸血鬼っぽいけど……」

にこ「でも吸血鬼じゃないわよ。血なんて吸わないもの」

凛「え? でも現に穂乃果ちゃんは血を吸われて、吸血鬼になっちゃってるにゃ」

にこ「あー……それねー……」

<ピンポーン

ことり「あれ、お客さん?」

にこ「来たみたいね。ちょうどいいわ。ちゃんと説明してもらいましょ」

にこ「当人からね」

ことり「それって……」
347: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/12(日) 09:31:32.14 ID:N7ALzwz1.net
コンコン

「ことりちゃん……」

ことり「穂乃果ちゃん……だよね。いいよ、入って」

ガチャ キィィ……

穂乃果「こんばんは……。意外だったな、すんなり入れてくれるなんて」

海未「穂乃果」

凛「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「海未ちゃん、凛ちゃんも……。ふふ、とうとう観念したのかな?」

ことり「うん……」

穂乃果「そっか。でも心配しなくていいよ? ひどいことはしないから」

穂乃果「それで、誰からにする? ことりちゃん? 海未ちゃん? それとも凛ちゃん?」

ことり「……ことりが……」

海未「そんな、ことり!?」

凛「だめだよ! ことりちゃん!」

ことり「だから穂乃果ちゃん……二人は助けてあげて」

穂乃果「……いいよ。じゃあ、ことりちゃんの血をもらうね……」

ことり「……!」ギュッ

穂乃果「くすくす。怖くないよ、すぐ終わるから……」

「はい、そこまでー!」
348: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/12(日) 09:32:52.13 ID:N7ALzwz1.net
穂乃果「えっ!?」クルッ

にこ「にこにーチョップ!」ベシ

穂乃果「いたい!?」

にこ「その辺にしときなさいよ穂乃果。これ以上はやりすぎ。悪趣味よ」

穂乃果「にこちゃん!? で、でも……、あっ!?」ポロッ

海未「穂乃果?」

ことり「何か落ちたよ……?」

凛「これ、歯……それも、牙? え、えっ?」

海未「どういう、ことなんです?」

穂乃果「……あ、あはは……」

にこ「どうもこうも。にこが吸血鬼じゃないんだから、穂乃果が吸血鬼になるわけないじゃない」

凛「つ、つまり……?」

にこ「この牙は偽物、作り物……ってことよ」

ことり「で、でも……穂乃果ちゃんの目、にこちゃんみたいに真っ赤だよ?」

にこ「どうせカラコンかなにかでしょ。で、穂乃果? あんた吸血鬼なんかじゃなくて、正真正銘の人間の穂乃果よね?」

にこ「穂乃果が吸血鬼だっていうのは、嘘っぱち、冗談、お芝居。でしょ?」

穂乃果「うぅ……はい」

ことうみりん「…………えええええぇぇっ!!?」
349: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/12(日) 09:35:10.45 ID:N7ALzwz1.net
ことり「むぅ~……!」

穂乃果「あの……」

ことり「穂乃果ちゃん、嘘ついてたんだね? ことり、本当に怖かったのに」

穂乃果「こ、ことりちゃん、ごめんね? 海未ちゃん凛ちゃんも」

海未「正座」

穂乃果「え?」

海未「穂乃果、正座です」

穂乃果「え、なんで正座……う、分かりました……」

凛「それで? 何でこんなことしたにゃ?」

にこ「にこは大体分かってるけど。ちゃんと説明した方が身のためよ、穂乃果」

ガチャ

真姫「そうそう」

ことり「真姫ちゃん!? なんで?」

にこ「にこが呼んどいたの。まあ、今回の件に巻き込まれてたわけだしね」

凛「そ、それよりも、い、生きてたのかにゃ!?」

真姫「人を勝手に殺さないで。穂乃果が吸血鬼じゃないんだから、当たり前でしょう?」

真姫「あんたら二人が私を見捨てて逃げてったあと、穂乃果と話して普通に帰ったわよ」

凛「な、なら電話でもメールでもなんでも教えてくれれば……」

真姫「したわよ。でも全然気づいてなかったみたいじゃない」

凛「あ……ほんとだ……」

真姫「だいたい、友達を見捨てて逃げるなんて本当、薄情なんだから」

凛「そ、それは……」

ことり「ごめん、なさい……」

真姫「ま、いいけどね。私はにこちゃんたちのこと、元から知ってたし」

ことうみりん「ええぇっ!!?」

凛「なんで教えてくれなかったにゃ!!」

真姫「だから、何度も言ったでしょ! にこちゃんは吸血鬼じゃないって! 全然聞かなかったのはあなた達じゃない!」

ことり「そ、そういえば……」

凛「そうだったにゃ……」

真姫「で? 何でこんなアホなことしたのよ?」
350: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/12(日) 09:46:53.67 ID:N7ALzwz1.net
穂乃果「うぅ……元はね、希ちゃんのアイディア、だったんだよ……」

にこ「もうその時点で、半分以上、悪ふざけだけどね」

凛「あー……」

にこ「どうも、にこが変な誤解をされたみたいだから、いっそいい機会だし話したらどうかって言われてね」

穂乃果「でね、半端に調べられて、余計変な誤解されるくらいなら、いっそ穂乃果が吸血鬼のふりをして、みんなを思いっきり怖がらせちゃってから」

にこ「そこをにこの力で助けて、実は吸血鬼じゃないのよーって言って」

にこ「それで、にこの力なんてそんな大したことないのよーって、全部バラせばいいんじゃない?ってさ」

海未「なんでそんなことを」

穂乃果「だって。それなら、ドッキリだって、にこちゃんが吸血鬼じゃないって分かった時点で、もうにこちゃんのこと怖がりはしないんじゃないかなって」

真姫「そんなに都合よく行くものかしら……」

にこ「にこも、そこはあやしいと思ったけどねー。意外と穂乃果がノリノリでね」

穂乃果「だってドッキリしかけるのって楽しそうじゃん!」

にこ「ってこと。はぁ、正直言うと、にこは自分のこと、バラすつもりはなかったんだけどね」

真姫「穂乃果、あなたね……」

海未「呆れました……」

ことり「ひどいよぉ!」

穂乃果「でもでも! 誤解とはいえにこちゃんを吸血鬼なんて言うのはひどいもん! 穂乃果だって怒っちゃうよ!」

にこ「穂乃果にも、別ににこは気にしてないって言ったんだけどね。ずっとこうなのよ」

真姫「あー、なるほどね……」

凛「でも、穂乃果ちゃんの言う通りにゃ。凛だって、かよちんのこと悪く言われたら怒るにゃ」

ことり「そう、だよね……ごめん、なさい。さっきだって、助けてくれたのに……」

凛「にこちゃん、吸血鬼なんて言ってごめんなさい」

にこ「いいわよ。言ったでしょ、気にしてないって」

にこ「まーったく、カラコンに作り物の牙まで用意してさー」

にこ「吸血鬼になりきって、見てるにこの方がなんか恥ずかしかったわよ」

穂乃果「えへへ、何だか始めると思った以上に楽しくなっちゃって」

穂乃果「せっかくだし、こだわろうかなーって」

穂乃果「思った以上にみんな怖がってくれたし!」

にこ「おかげでこのありさまよ」
352: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/12(日) 20:33:56.51 ID:N7ALzwz1.net
海未「で、ですが。それなら凛が見たという、にこが穂乃果の血を吸っている光景はなんだったんですか?」

ことり「そ、そうだよ!」

凛「ちゃんと見たわけじゃなかったけど、確かに穂乃果ちゃんの首筋に、にこちゃんが顔を埋めてたにゃ!」

ことり「改めて聞くと、ちょっとすごい光景だよね……」

凛「血を吸っていなかったんだとしたら、二人は一体何をしてたんだにゃ!?」

穂乃果「あ、うん。その~……。ええと、なんて言ったらいいのか……」

にこ「穂乃果がね、虫に刺されたのよ」

凛「え? 虫?」

穂乃果「わぁぁぁぁ!! にこちゃん!?」

海未「穂乃果、静かにしてください。にこ、続きを」

にこ「昼寝してた穂乃果が虻だか蜂だかにね、首筋を刺されたのよ。で、寝起きでパニックになってね?」

にこ「『いたいよぉぉ!! 刺されたよぉ!! うえぇぇん、 毒が回っちゃう、死んじゃうよぉ~!!』」

にこ「『助けてえ! にこちゃぁぁん!! こわいよぉぉ、いたいよぉ~!! どく、すいだしてぇぇぇ!!』」

にこ「ってね。で、にこにしがみついてきて『おねがぁい! たすけてよぉ!! にこちゃぁぁん!!!』って泣くもんだから、しかたなく、ね」

海未「……」

ことり「あ、あはは……」

凛「穂乃果ちゃん、いくらなんでも……」

真姫「意味わかんない」

穂乃果「だ、だって! いきなり刺されたんだよ!? すっごく痛かったし! 本当に死んじゃうかと思って!!」

ことり(にこちゃん、なんだかんだで穂乃果ちゃんには優しいよね)ヒソ

凛(うん、みんなに優しいけど、特に最近穂乃果ちゃんには優しくなったよね)ヒソ

ことり(でもお願いする穂乃果ちゃんもだけど、するにこちゃんもすごいよね)ヒソ

凛(人に見られたら黒歴史確定にゃ。凛なら一週間は学校に行けないにゃ)ヒソ

にこ「ことり、凛。それ、にこには聞こえてるから」

凛「さ、流石地獄耳……」
353: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/12(日) 20:35:59.36 ID:N7ALzwz1.net
真姫「それで穂乃果を宥めながら、刺されたところから毒を吸い出してたわけね」

にこ「そ。まあ、実際死ぬようなことなんてないってわかってたけどね。だってこーんな小さな虫だったんだもの」

にこ「そもそも毒があるかだって怪しいとこだわ」

穂乃果「うぅ……秘密にしておきたかったのに……」

にこ「あんたがことりたちを脅かそうなんてするからよ。自業自得ね」

穂乃果「そ、そんなぁ……」

にこ「ま、長くなったけど。今回の騒動、全ての大本は穂乃果ってことね」ジロ

穂乃果「うぅ……すみません」

にこ「穂乃果が吸血鬼になった、てのもドッキリってことだから。悪かったわね、特にことりには怖い思いをさせて」

穂乃果「そんなつもりじゃなかったんだけど……ごめんね、ことりちゃん」

ことり「もういいよぉ。ことり、穂乃果ちゃんもにこちゃんも吸血鬼じゃなかっただけで、ほっとしたもん」

海未「ですが……にこ、その……」

にこ「大丈夫よ。言いたいことは分かるわ」

にこ「そういうわけで。吸血鬼じゃないにせよ、今のにこは人間、って言っていいかちょっと怪しい感じよ」

にこ「怖がられたり、不気味に思われても仕方ないわ」

穂乃果「にこちゃん……」ギュ
354: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/12(日) 20:58:50.66 ID:N7ALzwz1.net
海未「にこ、何を言っているのですか?」

にこ「え?」

海未「例え少しばかり、人と違った力と身体を持ってしまったとはいえ、あなたは私たちが知っている矢澤にこなのでしょう?」

海未「ならば、私たちも今まで通りです。にこの力を知ったからと言って、何かが変わるわけではありませんよ」

凛「そうにゃ! 確かにちょっと驚いたけど、でもにこちゃんはにこちゃんだよ!」

凛「それに、不思議な目だけじゃなくて、今のにこちゃんが本気出せば、運動も凛たち位できるんでしょ? それってすっごいことにゃ!」

凛「凛、にこちゃんのことすごいとは思うけど、気味悪いなんてちっとも思わないよ! かよちんだってきっと同じにゃ!!」

ことり「うん。さっきだって、隠しておきたかった力を使ってまで、ことりを助けてくれたんだもん」

ことり「こんなに優しい人だもん。にこちゃんのこと、怖いなんて思わないよ! ありがとう、にこちゃん!」

にこ「あんたたち……」

真姫「ほら、大丈夫だったじゃない。にこちゃんだけが気にしすぎなのよ」

穂乃果「そうそう! やっぱりμ’sににこちゃんを嫌いになる人なんていないんだよ!」
 
真姫「の割には、ドッキリなんて仕掛けてたじゃない。もし万一にこちゃんがお化けと思われたらどうしよう、って」

穂乃果「あはは……それは、その」

にこ「本当、穂乃果といい、エリーといい……μ’sってお人よしばっかりなんだから」

にこ「これじゃ……あれこれ悩んでたにこが、バカみたいじゃない……」ジワッ
355: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/12(日) 20:59:19.01 ID:N7ALzwz1.net
凛「あっ、にこちゃん泣いてるにゃ!」

にこ「な、泣いてなんてないわよ! また見間違えたんでしょ!!」ゴシゴシ

海未「あっ、え? す、すみません! 変なこと、言いましたか? 気に障るようなことが……」

ことり「ご、ごめんね? にこちゃん」

にこ「だから泣いてなんていないっての! 気にもしてない!」

真姫「……めんどくさい人ね。嬉しかったなら嬉しかった、って言えばいいのに。耳まで真っ赤にして」

穂乃果「なんだかにこちゃん、すっかり感激屋さんで、泣き虫になっちゃったよね」

にこ「そこ! うっさいわよ!! 誰が感激屋の泣き虫よ!!」

穂乃果「えへへ、ごめんなさーいっ」タタッ

にこ「あっ!? ちょっと穂乃果!? 待ちなさい、許さないわよーっ!」ダダダ

海未「……やっぱり、にこはにこですね」

凛「いつも通り過ぎて、全然怖くないにゃ」

ことり「そうだねぇ」

<マチナサイッテノヨー!!
<ヤーダモーン!
<コノ……! コウナッタラ……コノメのチカラデ……!
<エエ!? ソ,ソレハズルイ……ツカワナイヤクソクジャ
<モンドウムヨウヨー!
<ワァア!? ゴメンナサーイッ!

真姫「本当……意味わかんない」
356: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/12(日) 21:16:13.97 ID:N7ALzwz1.net
――ねぇ穂乃果。なんであの時、吸血鬼のふりをする、なんて言ったの? そりゃ確かに、凛にはそう誤解されてたみたいだけど。

――う~ん……。たまには穂乃果も悪戯してみたかった、ってのもあるし、海未ちゃんたちに説明したことも本当なんだけど。

――でも、ね。今考えると……ちょっとだけ、本当に吸血鬼になれたらなぁ、って思っちゃったんだ。

――……何でそんなこと。吸血鬼よ? 人間じゃないのよ、バケモノじゃない。

――うん。そうだね。でも、悪い子ばっかりじゃないと思うよ。

――なんでにこのこと見て笑うのよ。

――それに、ね?

――それに?

――穂乃果も吸血鬼になれば、ずっと歳を取らないで済むって思って。

――何よ。ずっと若いままでいたいっての? その歳でそんなこと言ったら、大人の女性の恨み買うわよ?

――にこちゃんが言えるセリフじゃないよぉ。そうじゃなくて、それならにこちゃんとずっと一緒にいられるでしょ?

――あ……





にこ「でもね、穂乃果。あんたはやっぱり、吸血鬼になんてならなくてよかったと思うわ」

にこ「言ったでしょ。にこのために、あんたに無理はさせられないって」

にこ「そんなことしなくたって、みんなにはたくさん助けてもらったんだから」

にこ「何度言っても忘れて。本当……あほのかなんだから……」

にこ「穂乃果だけじゃない。みんなお人好しで、まったくもう……」

にこ「でも、ありがとう。本当に、嬉しかったわ」

にこ「だから、またどこかで会えるといいわね……。ううん、きっと会えるわ。あんたたちみたいな人に」
357: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/12(日) 21:19:15.91 ID:N7ALzwz1.net
『凛、知ってるよ。アイドル研究部には、とってもすごくて、とっても優しい、素敵なスーパーアイドルがいることを』


 ―― 番外編 『凛、知ってしまったにゃ……!』――


――FIN
358: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/12(日) 21:20:40.75 ID:N7ALzwz1.net
これにて後日談も完結となります。
長々とした拙文でしたが、お付き合いいただいた方、お読みくださった方、ありがとうございました。
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『にこ「にこの目が大変なことになった」』へのコメント

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