穂乃果「異能で廃校を救うよっ!」

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穂乃果-アイキャッチ23
1: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:07:08.00 ID:G7Wtb/cy
単調に降り続ける雨の中で、その調和を乱すように不規則に動く二つの人影。
暴力的ではあるがテンポの変わらない雨音に混じり、二つの人影のバシャリと水場を踏む足音がアクセントを生む


「…そろそろ良いかしら」

『は…何が?』


そう問う雨水に濡れた、まるで作り物とは思えない猫耳を付けた女と対峙しているのは、水色の仮面をつけたブロンドの少女


「…終わらせてあげる」ピチャ…


仮面をつけた少女はしびれを切らしたのか、腰をかがめて水たまりへと手をついた
深夜の秋葉原,大通りから2、3本外れた人気のない寂れた裏路地。
夜道のアスファルトは雨水に濡れ、道端に出来た水溜まりの波紋は、微かな街頭の光によって広がっていく様を照らし出される。

上空では陰鬱とした雨雲が集まり、ビルの間で乱雑な音を立てて激しく降っているのは雨。


『このっ…』


暗闇の中で時々ちらりと光を反射して見えるのは、氷でできた刃と鋭利な爪
そこからは刃物が互いにぶつかり合う音が聞こえてくる


「当たらないわぁ」

『はあぁっ!』

「…その程度なの?」シュッ

『こいつっ…』バシャッ


すると…地面についた手を中心にし、一瞬にして地表が冷気で包まれていく

元スレ1: 穂乃果「異能で廃校を救うよっ!」

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2: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:07:47.28 ID:G7Wtb/cy
瞬間、違和感を感じた猫女は即座に身を引くが
目線を下におろすと両足は氷で固定され動かなくなっていた。


『…ッく』

「もう一回チャンスをあげる、」
「…………死にたいの?……さっさと答えなさい」

『う……』
『……じ……い』

「?…よく聞こえないのだけれど」



ザァという雨音にかき消され、
消え入るような声は聞き取ることができない。

「もう少しはっきり喋ってくれないかしら」

『…私じゃ…ない』

絶望したように猫女は目線を下ろすと雨水で出来たスケートリンクが仮面の女に繋がっていた。

「そう、残念ね…」

手を雨水から抜くとリンクの上に降り立つ

「…あなた、バレエって知ってる?」

仮面女は氷の床を滑るように猫耳女へ走ると、雨水に濡れていくリンクの上で加速していく!!!

右手には巨大な氷の刃が形成され、大きく振りかぶり──────


「ダスビダーニャ…」


─────ザシュッ

瞬間、
猫耳女は足を氷につけたまま、その場に倒れた


「…無駄足だったわね」


この天候では猫耳女の血が止まることもないだろう
相手が倒れたのを確認し、仮面女はそこから立ち去ろうとする

しかし
その背後に猛スピードで駆け、迫り来るもう一つの人影。
3: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:08:13.48 ID:G7Wtb/cy
その影は。長く、鋭利な返しのついた即死級の爪を携えていた。走る勢いのまま、その爪を仮面女の背後から突き刺そうとする。


────シュ…

「疲れたわ…」


走り寄る陰に、少女は気が抜けているために気づかず。

影が振りかぶって爪が背中に突き刺さるッ

直前、
暗闇を利用して進む襲撃者に、どこからともなく突風が吹いた

吹き飛ぶ程ではないが影はよろめき、その影は体勢を崩して足下に僅かな水音を立てる。


「(水音…)…他にもいたのねっ」


すぐに仮面女は相手が姿勢を崩した所へ振り向く勢いを利用し、踵蹴りをかます!
突然の反撃にその影は大きなダメージを食らい、受け身もとれずに倒れ…
撃沈。

不意の攻撃にとっさに気付いたことに感謝し、仮面の女は今度こそ休息をとる。


「はぁ…」


そう呟きながら、彼女は顔の前面を覆う水色の仮面を外した。その仮面の両目の辺りには、両端がとがった横長の黒い楕円形がふたつ。
口の辺りには不気味な笑みを貼り付けていた。

「もう終わったわ」

仮面女の声は雨の降り続ける裏路地にしっとりと響く。
4: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:08:56.36 ID:G7Wtb/cy
…しばらくすると今まで降っていた大量の雨粒が段々とその数を減らしていき、
パラ…パラ…………

雨雲は完全に消える

…………ピチャ……
すると
路地の暗い横道から、暗闇から溶け出てくるようにロングツインテールの少女がぼんやりと姿を現す。

『なぁ…ちょっと油断しすぎやん?』スッ…

「…やっちゃったわ」

『…まぁ、うちがカバーできるし気にしなくていいんよ』

「ありがと、今度から気を付けるわ…」

『…ねぇ』
『前から思ってたんやけど、うちらが別にこんなことやらなくてもいいんやない?』

「…」
「勝手にやってるだけだし、私は貴方に協力してなんて言ってないわよ?」

『いやいや、危なっかしくて見てられんよ。毎回ハラハラするし、うちがいないと厳しいんやない?』

「……まぁ、それはそうなのだけれど、」

『あーそんな顔せんといてよ。止めるっていうまでうちは協力するから、死なんといてな?』

「…そうね」
仮面女は手に持っている仮面を振りながら、興味がなさそうに返事をした

『もう…。あと、毎回思うんやけどその仮面付ける意味あるん?』

「…気休めよ」
6: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:09:53.25 ID:G7Wtb/cy
第1話「叶え!私たちの夢??」



穂乃果「いやー、今日もパンがうまいっ」ハムッ

ことり「…あっ、それ昨日のニュースで特集されてたパン?」

穂乃果の「おおっ良く分かったね。あの後、直ぐ買いに行ったんだよ!」

海未「…行動力が凄いですね」

ことり「でもさ、そのあとのニュース怖くなかった?」

穂乃果「パン買いに行ってたから分かんないや」ハハ
7: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:10:06.80 ID:G7Wtb/cy
海未「あの事件のことですか、通り魔の事もありますし…こんどは秋葉原で起きたらしいですね」

ことり「まだ犯人捕まってないって」

穂乃果「あー、そうらしいね~」モグモグ

海未「穂乃果も用心してくださいよ、どこにいるのか分からないんですから」

穂乃果「でもさ、周りで事件とか起きたら少し嬉しいかも」モグモグ

海未「ちょっと!歩きながらパン食べないでください」ゲシッ

海未「それに不謹慎過ぎます」

穂乃果「えぇー」
8: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:10:58.06 ID:G7Wtb/cy
ことり「なんでそう思ったの?」

穂乃果「だってさー、能力があるのに使えないって言うのはなんか勿体ない気がするんだよね」

海未「勿体ないからと言って使うものではありません。」

穂乃果「暇だしなにか起こんないかなー」

穂乃果「能力、……海未ちゃんはいいよね、身体能力上昇と五感も上がるんだっけ?」

ことり「穂乃果ちゃんの能力も悪くないとおもうけどな」

ことり「でもスポーツとかに使えるのはいいよねー」
9: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:11:14.60 ID:G7Wtb/cy
海未「度々いってますがスポーツ、武道に能力を使ったことはありません」

穂乃果「使っちゃえばいいのにぃ」

ことり「ことりは結構羨ましいかも」

海未「能力なんてあってもいいことなんてありませんよ、疲れるだけです」

穂乃果「持ってるからそんなこと言えるんだよ、いいなー」

ことり「…何か廊下に人集まってない?」

ザワザワ

海未「行ってみましょうか」
10: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:11:58.66 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「事件?事件?」


    《〝廃校〟》  ババン


穂乃果「えーっ!音ノ木が廃校?!」

ことり「!…そうみたいだね」

海未「……なぜでしょうか?」

穂乃果「こういう事件は求めてなかったよ…」ズーン

海未「ことりはなにか知っていますか?」
11: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:12:12.47 ID:G7Wtb/cy
ことり「ことりも今知ったばかりで詳しいことはわからないの…」

海未「…そうですか」ウーム

穂乃果「ことりちゃん、お母さんに会ったら聞いてみてくれる?」

ことり「うんっ聞いてみるね」

絵里「ねぇ、」ズイッ

ことり「ピイィッ」ビクッ

絵里「…ことりさん」
12: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:13:47.58 ID:G7Wtb/cy
希「こんにちは」

穂乃果「生徒会長…と、副会長も?」

絵里「理事長からなにか言われてない?」

ことり「いまその話をしてたところで……」
ことり「わたしは廃校に関してなにも言われてないです」

絵里「そう…。」
絵里「希…行くわよ」

希「…ほなな~」
13: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:14:04.46 ID:G7Wtb/cy
海未「廃校なんて突然ですね、」

ことり「うん、どうしてだろう」

穂乃果「…んっ?ことりちゃん足、包帯巻いてるけど怪我してるの?」

ことり「ああちょっと骨折しちゃってたみたい」

海未「いまさら気づいたのですか?昨日からつけていましたよ?」

ことり「…でも、もう直ってるような気がするんだよね。普通に動けちゃうし」

穂乃果「なら良かったけど」

海未「そうなのですか?それなら良いのですが」

ことり「うんっ、…でもさ廃校なんてそっちの方が心配だよ」

穂乃果「…いきなりだもんね」
15: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:14:47.60 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「ただいまー…」

雪穂「どうしたの?お姉ちゃん元気ないね、いつもならうるさい位なのに」

穂乃果「学校が廃校になっちゃうんだって」

雪穂「それまた急だね」

穂乃果「そうなんだよ~、このまま音ノ木残ると思ってたのにー!」

雪穂「それは残念だったね、おねえちゃん」

穂乃果「えー、雪穂意外とあっさりしてない?」
16: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:15:02.92 ID:G7Wtb/cy
雪穂「そうかなー」
雪穂「でも、ここら辺だと生徒数も同じくらいでUTXか音ノ木だし迷わなくてよかったかも」ナハハ

穂乃果「雪穂ひどいよーっ!」

雪穂「案外そういうもんでしょ」

穂乃果「えーっそうなのかな…」

雪穂「…まぁまぁ、急だしなにか変わるかもよ?ゆっくり考えようよ、ほら理由もわかってないし座ったら?」

穂乃果「ありがと、優しいね」ストン

雪穂「そうかな?」
17: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:15:49.15 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「…ところで今見てるの何?」

雪穂「…切り替え早いね、これは今流行ってる探偵物のドラマ」
雪穂「見てみると意外と面白いんだよ」

穂乃果「へー」

テレビ ハンニンハオマエダーッ

穂乃果「……」ボー

穂乃果「…廃校かぁ」

穂乃果「……」 ブーッブーッブーッ
18: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:16:03.45 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「あっ…スマホかな」

穂乃果「どこだっけ、あった!」ピッ

穂乃果「はい、…ことりちゃん?なになに?、……あっ忘れてた…それで?」

穂乃果「…聞いても教えてくれない?………ことりちゃんのお母さんも落ち込んでるのか、…聞きずらいよね、…ごめんね、…はーい…ありがと」

雪穂「ことりさんから?」

穂乃果「うん、なんで廃校になるのか聞いてたんだけど分かんないって」

雪穂「そっかー」
19: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:16:57.40 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「…理由があってさ、それを止めれば廃校中止あり得るんだよね?」

雪穂「私に聞かないでよ、知るわけないじゃん」

穂乃果「それもそうだよね、また明日いろんな人に聞いてみようかな」ノビーッ

テレビ  なんだと?陰謀なんて…

穂乃果「…」

穂乃果「……ん?」

穂乃果「そうだっ!これだよ!!陰謀だよっ!!!」

雪穂「…は?お姉ちゃん、漫画の見すぎじゃない?」

穂乃果「絶対何かあったんだ!」
20: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:17:23.94 ID:G7Wtb/cy
雪穂「ねぇ、いつからお姉ちゃんは陰謀論者になったの?あの理事長さんがそんなことするわけないじゃん」

穂乃果「ことりちゃんのお母さんがしないのはわかってるよ!周りの人が仕向けたんだよ廃校に!!」

雪穂「お姉ちゃんもう高校二年生でしょ?そういうの止めて、中二病乙」

穂乃果「ひどいなーっ、理由教えてくれないとか、絶対ことりちゃんのお母さん困ってるよ~」

雪穂「そういうのを無理矢理陰謀とかに結びつけるからだめなんだよ、他にもいろいろあるかもしれないじゃん」
21: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:18:10.44 ID:G7Wtb/cy
雪穂「…聞いてる?」チラ

穂乃果「陰謀だよっ!絶対陰謀だよっ!!」ワクワク

雪穂「はぁ、もう勝手にすれば?」

穂乃果「…生徒数も同じくらいだし、UTXと音ノ木ちょっとライバル関係?…、怪しい……」

雪穂「!…ねぇ、お姉ちゃんっ」

穂乃果「色々調べてくるっ」ドタドタ

雪穂「…行っちゃったよ、」
22: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:18:32.55 ID:G7Wtb/cy
────────

穂乃果「ネットだけで調べても、って思ったからUTXに来てみたけど…」

穂乃果「実際に見ると建物とか本当に立派だねっ!」

穂乃果「校舎の前に大きいモニターもあるし、この建物…何階くらいまであるんだろう」ポケー

穂乃果「でも…何かここら辺落ち着かないっていうか……」ザワザワ
穂乃果「…うーん。怪しい?」

穂乃果(…皆モニターすっごい見てるけど、どうしたんだろう)キョロ
23: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:19:21.64 ID:G7Wtb/cy
─────What’cha do what’cha do?

穂乃果「…スッゴく格好良いじゃん!」

キャー キャー ツバササーン

穂乃果「人気も凄いなー、格好いいし可愛いもん当たり前か。…!…穂乃果もアイドルとかやってみるのは!?」

キャー エレナサン- アンジュサンモ- キャー

??「ちょっと!あんた達騙されてるんじゃないわよ!」

ダレー?アノヒト

??「アイドルなんかにかまけて…、さっさと帰りなさい!」

ナニイッテルノー? ワカンナーイ
24: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:19:36.49 ID:G7Wtb/cy
??「うっるさいわねー!」

穂乃果(頭に何か被ってる人が喚いてるんだけど…)

??「…だ か らー!」

穂乃果「あのー……」(マスクも、サングラスもしてるし…)

??「何?、忙がしいんだけど!」クル

穂乃果「なんでそんな事、皆に言うんですか?」

??「ふーん…聞きたいの?」ズイ
25: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:20:22.81 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「え?ま、まぁ」(アルミホイル頭に被ってたんだね…この人…)

??「……良い?、A-RISEってどこの学校所属か知ってるわよね?」

穂乃果「確か……UTXですよね」

??「そうよっ!!」クワッ

穂乃果「!うわっ」ビク

??「それで、私が独自に調べたところ…A-RISEとUTXには色々な闇がある!!」ババン

穂乃果(ヤバそうな人だなぁ…、っていうかこの人。音ノ木の制服きてんじゃん…)

??「!あっあんたも音ノ木じゃない、そうね……」
26: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:20:37.05 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「…?」

??「…じゃあ、今の音ノ木の生徒数とUTXの生徒数。どっちが多いと思う?」

穂乃果「…UTX?」

??「っ違うわ!」

穂乃果「じゃあ音ノ木なの?」

??「そうよ。今まではUTXの方が多かったけど、最近、音ノ木が抜いたわ」

穂乃果「へぇーっ凄いじゃん!」
27: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:21:18.80 ID:G7Wtb/cy
??「でも、よく考えて…音ノ木が廃校になるわよね?」

穂乃果「…あっ」

??「…気付いた?ほら、おかしいでしょ?」

穂乃果「…生徒数が抜かれたから、まさか…UTXは音ノ木坂学院を…」ガクガク

??「…そう」

穂乃果「廃校に…!」ガクッ

??「ええ、これは陰謀よ…」

穂乃果「…やっぱり!」
28: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:21:37.22 ID:G7Wtb/cy
第2話「能力者を見つけよう!」




穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃんおはよう!」

海未「おはようございます」

ことり「おはよう、穂乃果ちゃん今日は早いね♪」

海未「てっきり今日も少し遅れてくるのかと思いましたが、どうかしたのですか?」

穂乃果「穂乃果そんなにおくれてた~?」

海未「はい、ほぼ毎日」
29: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:22:20.41 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「…う~ん、ってそれより廃校する理由がわかったんだよ!」

ことり「ことりでもわからなかったのに?」

穂乃果「うんっ」

海未「本当なら理由を早く聞かせてほしいです」





穂乃果「陰謀だよ!!」ドンッ
30: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:22:34.68 ID:G7Wtb/cy
海未「…はい?」

ことり「それはちょっと…」

穂乃果「廃校の原因は絶対に、ちゃんとしたものじゃないよ!」

海未「真面目に聞いていたのですが、穂乃果に期待した私が愚かでした…」

海未「バカな話してないで行きますよ」スタスタ

穂乃果「ほんとうなんだってばー」ズリズリ

ことり「……そんな必死に…海未ちゃんちょっとだけきいてあげれば?」
31: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:23:16.31 ID:G7Wtb/cy
海未「はぁ…一応聞いてあげますが、根拠は?」

穂乃果「話すね、ことりちゃんもわかると思うけど、お母さん落ち込んでたし理由も教えてくれなかったんでしょ?」

穂乃果「それに、知っちゃったんだ。UTXと音ノ木、生徒数が昔は音ノ木の方が少なかったけど段々増えてきてるんだって」

海未「?…それが陰謀に繋がるのですか?妄想甚だしいです。」

海未「生徒数がUTXを抜いたのは、今回たまたまですよ?相手はアイドルグループA-RISEも有るんですし、次は抜かれますよ。」

穂乃果「えー、でもぉ~」

海未「生徒数ごときでUTXが陰謀を企てると?あり得ませんよ」
32: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:23:31.49 ID:G7Wtb/cy
ことり「UTXは生徒少なくてもやっていけそうだしね…」

ことり「穂乃果ちゃんちょっと考えすぎかな~?…」

穂乃果「ことりちゃんまで~。」

穂乃果「じゃあ、今日ことりちゃんのお母さんに会わせてよ!

ことり「なんで?」

穂乃果「直接穂乃果が聞くから、それを二人とも見て決めて?廃校の理由が真っ当か…」
33: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:24:18.57 ID:G7Wtb/cy
未「フフっ…」
海未「…まぁそれで目を覚ましてくれるのなら良いでしょう」

ことり「うん、そうだねっ」




穂乃果「髪を整えてっと…」

穂乃果「制服、乱れてないかな…」ポト

穂乃果「よし!」

穂乃果「いきなり聞いちゃっても良いよね!」

穂乃果「失礼します」ガチャ

親鳥「…どうぞ穂乃果さん、何かありましたか」

穂乃果「廃校になる理由は?」

海未(いきなり聞きましたね)

親鳥「廃校はまだ、仮の段階ですよ?それに今は諸々の理由で話せません」
34: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:24:32.85 ID:G7Wtb/cy
ことり(まぁ予想はしてたけど)

穂乃果「なぜ今話せないんですか?」

親鳥「色々な事情があるんです」

穂乃果「いつ頃理由は教えてもらえるんでしょうか」

親鳥「いつになるとかは言えませんね」

穂乃果「いつかは教えてもらえますよね」ズイッ
親鳥「はい」
35: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:25:20.30 ID:G7Wtb/cy
親鳥「それだけですか?出口はあちらですから」

穂乃果「何か言いづらい訳があるんですか?」

親鳥「しつこいですよ、私も忙しいので帰って頂けますか」

親鳥「…それではこれで」

穂乃果「はい、…ありがとうございました」ガチャ
36: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:25:34.39 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「ほらー海未ちゃん聞いた?理事長なんかピリピリしてて、ちゃんと答えてくれなかったもん」

ことり「…結局、教えてくれなかったね」

海未「うーん、、、穂乃果への受け答えは微妙でしたね…」

穂乃果「だよねだよねっ!……あ、ちょっとトイレいってくる」

海未「穂乃果、もう少し言い方はないのですか?」

ことり「…穂乃果ちゃんお花積みに行ってくるの?」

海未「それですっ!」ビシッ

穂乃果「じゃあ穂乃果お花積みにいってくるねっ」

海未「はい、どうぞごゆっくり」
37: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:26:19.47 ID:G7Wtb/cy
ことり「ピリピリしてるのは少しストレス溜まっちゃってるのかも」
ことり「最近夜遅くまで考え込んでる時とかあったし、」

海未「しかし…何かあるとしても、陰謀とまではいかないでしょう」

穂乃果「色々やって、考えても教えてくれないならさ」

海未「どうなのですか?」

ことり「穂乃果ちゃん、何か思い付いたみたいだね」

穂乃果「うんっ分かったよ」

海未「なるほど、聞かせてもらいましょう」

穂乃果「ふふん」

穂乃果「…ならさ、穂乃果たちで廃校を解決しちゃおうっ!」

ことり「え?いつかは教えてくれるとおもうよ?、それからでも良いんじゃないかな」
38: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:26:34.48 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「いつか教えてくれるって言ったって、その時には色々手遅れかもしれないじゃん」

海未「じゃあ、どうするのですか?」

穂乃果「……そうだね」

ことり「穂乃果ちゃん、どうするの?」

穂乃果「穂乃果達の異能で廃校を阻止するんだよっ!」

海未「…はい?」

ことり「どういうことかな~?」

穂乃果「そういう能力者を見つけて、廃校にならないように協力してもらえばいいんだっ」

海未「見つけて、協力してもらう??」

ことり「それはそれで時間がかかるようなー」
39: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:27:18.99 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「ことりちゃん忘れてるかも知れないけど、穂乃果はその人が能力者かどうか分かるんだ」

海未「…廃校に対して都合が良い能力者が見つかるなんてありえますかね?」

穂乃果「でね、一年生の入学式の時に、この中に絶対能力者がいるって感じたんだよっ!」

海未「聞いて下さいよ…」
海未「で、見つけて手伝ってもらうのですか?」

穂乃果「うん!」
40: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:27:34.01 ID:G7Wtb/cy
海未「初対面の人に協力するとは思えませんが」

穂乃果「大丈夫だよ!」

ことり「穂乃果ちゃんが言ってると大丈夫な気がしてくるけど…」

海未「厳しいんじゃありませんか?」

穂乃果「…でも他にやれる事とか思い浮かばないし」

海未「…そうですか…」
海未「…じゃあ見つけたら言ってください、それまでは弓道部に出ています」

ことり「じゃあっ!ことりは家でお母さんのへや、少し調べて廃校について調べてみるね」
41: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:28:19.46 ID:G7Wtb/cy
穂乃果(うーん、とりあえず校舎を歩き回ってみたけど)

穂乃果(何も感じないね)

穂乃果「…ピアノの音?」

穂乃果「ん、」ザワッ
穂乃果「…何かこっちにいる気がするっ!」ダッ

~♪
42: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:28:34.29 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「ピアノの綺麗な音~」

穂乃果「あっここ、音楽室かな?…おーい!」フリフリ

穂乃果「入るよー」ガラッ

真姫「…誰よあんた、いきなり」

穂乃果「…ねぇ、君能力者でしょ」

真姫「ヴぇぇッ、なんで分かるの?」

穂乃果「なんとなくねー」フフン
43: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:29:17.55 ID:G7Wtb/cy
真姫「で、なんの用?」

穂乃果「あなたの能力を教えてほしいんだけど…」

真姫「はぁ?何も知らない人に教えるわけないじゃない」

穂乃果「…うーん、じゃあ友達になろうよ」

真姫「と、友達?」

穂乃果「そう、友達になって私に協力してほしいの」

真姫「まぁ、友達になってあげてもいいけど//。それで何に協力するの?」
44: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:29:29.99 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「廃校の阻止」

真姫「!?結構な目標ね 。」

穂乃果「教えてほしいな~」スリスリ

真姫「…///、でも私の能力が役に立つかは分からないわよ?」

穂乃果「なんで?」

真姫「能力がそういうのじゃないのよ」

穂乃果「教えてよ~、もう友達なんだからっ!」ギュッ
45: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:30:50.79 ID:G7Wtb/cy
真姫「///う~、…まぁ見せてあげるわよ」

───

そう言うと、真姫は近くにあったノートから切れ端をちぎって指で摘まみ、穂乃果に注視するよう促す。

真姫「…」

すると小さな紙の断片は、真姫の指先に発生したソフトボール大の炎に包まれ、一瞬で黒い塵と化して消え去った。
その燃えカスは、開けていた窓から吹いた風によって流されていく…

真姫「ん…見た?」パラパラ

穂乃果「えっ?すごいよっ!」
46: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:31:06.63 ID:G7Wtb/cy
真姫「…そういうものなのかしら、ちなみにあなたは?」

穂乃果「あなたはって?」

真姫「能力よ、私が見せたんだから教えなさい」

穂乃果「そうだね、穂乃果は衝撃波が出せるんだ。…あと、さっき見せたみたいに誰が能力者かたまに分かる」

真姫「私はそれに引っ掛かっちゃったのね、ついてないわ」

真姫「あと、…衝撃波を出せるってどういう意味?」
47: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:31:30.77 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「うーん、見せた方が早いかな?」
穂乃果「…じゃあ、いくよ!」


───
そう言うと、穂乃果は片手を広げて窓の外に向けた。

そうすると掲げられた手の平の前方には、平たい円錐形の歪みが形成される。
フォォ───

その半透明の歪みは、円錐形の先端を外側に向けて現れていた。

穂乃果「はっ!」

そう声を出すと、衝撃波はそのままの形で回転するように、風を切って手のひらから飛んでいく。
轟音を立てて放出された先には、中庭の大木。衝撃波が当たって大きく揺れると、その幹は木片を散らして、大きなクレーターを作っていた。

真姫(…かなりの威力ね、)
48: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:31:45.05 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「どう?」

真姫「ふーん、こういう能力の種類もあるのね。面白い…」

穂乃果「えへへー」

穂乃果「じゃあ、廃校阻止に協力してくれる?」

真姫「?…まだ急だし決められないわ、それに色々と能力者ってめんどくさいのよ?」

穂乃果「そうなの?」

真姫「そうよ」
49: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:32:27.86 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「そっかー、じゃあまた決まったら教えてくれる?」

真姫「…まぁ、あまり返事は期待しないでね」

穂乃果「いいよ、いいよ気にしなくて、もう友達なんだから」

真姫「…友達///」

穂乃果「うんっ!それで返事は待つとしてさ、真姫ちゃんの他に能力者っぽい子っていた?」

真姫「能力者っぽい子、ねぇ……あっ…確か体育で50メートル走のタイムが毎回違う子がいて怒られてたわ」

穂乃果「…他には無いかな?」
50: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:32:43.05 ID:G7Wtb/cy
真姫「え…まぁそれぐらいね、他に思い当たる節が無いならあたってみるのもいいんじゃない?」

穂乃果「なるほどー、ちなみに特徴は?」

真姫「ボーイッシュな感じでショートカットよ」

穂乃果「なるほど、なるほど。じゃあ今度ちょっと会ってみるね」

真姫「あまりグイグイいきすぎないようにね」

穂乃果「っじゃまた今度!今日はありがとーっ!!」バイバイ

真姫「じゃあね」フリフリ
51: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:33:33.76 ID:G7Wtb/cy
________________



真姫ママ「おかえりーっまきちゃん」

真姫「ただいまーっ」

真姫ママ「あれ?今日何か良いことあった?」

真姫「…普通よ、普通」

真姫ママ「なんか嬉しそうだったから」ウフフ

真姫「別に何もないわよ…」

真姫ママ「友達でもできたの?」
52: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:33:46.87 ID:G7Wtb/cy
真姫「うっ、友達くらいいるわよ…今日は先輩の友達が増えたの」

真姫ママ「あらーっ、そうだったの良かったわね、まきちゃん」

真姫「まぁ…ね」クルクル

真姫ママ「それでどういう子だったの?」

真姫「うーん…元気そうな感じの、衝撃波射出?って言う能力を持った子だったわ」

真姫ママ「!能力者の子と友達になったの?何か危なかったりしない?気を付けるのよ?」

真姫「もう、大丈夫よ」
53: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:34:37.62 ID:G7Wtb/cy
真姫パパ「おお、真姫おかえり」

真姫「あれ?パパもう帰ってたの?ただいま」

真姫パパ「はは、最近イレギュラーな仕事が多くてね。真姫、学校は楽しいか?」

真姫「…まぁね」

真姫パパ「そうか、それはよかった。それでさっき能力者の子がいたって言ってたが本当か」

真姫「あれっ聞いてたの?…それで友達になったの」
54: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:34:56.23 ID:G7Wtb/cy
真姫パパ「少し聞こえちゃってな」

真姫「別にいいわよ」

真姫パパ「なるほど…能力者の友達か、大事にするんだぞ」

真姫「もちろんじゃない」
55: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:35:46.42 ID:G7Wtb/cy
─────親鳥の部屋


ことり「お母さんが帰ってくる前に、廃校とか調べとかないと」イソイソ

ことり(最後は机かな)

ことり(ここに何か資料がなかったら、もうしょうがないねっ)チラッ

ことり(うーん、見たところ特に変わったものは置いてないね)

ことり「」ゴソゴソ
56: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:36:08.86 ID:G7Wtb/cy
ことり(なにもないなぁ)

ことり(ゴミ箱?)

ことり(なんか入ってるけど…UTXって書いてある!)

親鳥「ただいま~、ことり」ガチャ

ことり「あっ、おかえり~」(いい所だったのになぁ)

親鳥「…あれっ」
親鳥「…ことり、私の部屋にいるの?」
57: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:36:36.49 ID:G7Wtb/cy
ことり「ちょっとハサミ借りようと思って」ハハ

親鳥「……ハサミならここじゃなくてもあると思うけど?」

ことり「…そうだったっけ?ことり、忘れちゃった~♪」

親鳥「なにそれ」フフ
親鳥「…まぁいいわほかの所には触れてないわよね?」

ことり「うんっ」

親鳥「じゃあいいわよ、ハサミ後で返しといてね、夕飯すぐできるから待ってて」
58: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:37:10.28 ID:G7Wtb/cy
ことり「わかった待ってるねっ」バタン

ことり(あぶなかった~)



親鳥(他の所には触ってないって言ってたし、多分大丈夫よね。)
親鳥(もっとも、そんな見られて困るようなものはここに置いてないけど…)
親鳥(…)ハァ

───
──────
─────────

親鳥「廃校の理由なんて、どう言えばいいのよ…」

──────プルルルルル

親指(…固定電話?)

親鳥「はい、南です。」ガチャッ

『…。…例の件だが…どちらにするのか決めたのか?』

親鳥(ボイスチェンジャー…それに、今度は家の電話からなのね)
親鳥「…ええ、大体は…しかし。そんなことはっ」

『関係ない、確定したら早く知らせろ』
59: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:37:36.55 ID:G7Wtb/cy
親鳥「でも、私に────事なんて決める権限は…しかも急すぎます。理由もなんて言えば……」

『…出来なければ────してもらうだけだが、』

親鳥「そんな…」

『あるいは……ちょっと外を見てくれ』

理事長「外、ですか?」

『外に車が何台か走っていると思うが、適当な車を言ってくれ』

理事長「何故ですか?」

『なんでもいい』

理事長「…じゃあ、黒の軽自動車で」

『わかった』

─────ッドオオオオォン…

理事長「…っ」

理事長「任意の車を、爆発させた…?」

『その通り…爆発の規模も調節できるんだがね』

理事長「…何が言いたいんでしょうか?」

『これは脅しの手段でもあるし、最終手段でもあるんだ。…私たちもこれを使いたい訳じゃない。だからこちらの要求を素直に飲んでほしい』

理事長「学校を爆発すると?」

『場合によっては、だが…我々も悪魔か何かじゃない。それ以前の条件、どちらかで良いと言っているんだ。決めろ』

親鳥(脅してる時点で関係ないわよ)
親鳥「そうですか…」

『再度言わせてもらうが、』

親鳥「…知ってるわ」

『条件に対して抵抗を行う、警察や自治組織に連絡したのを我々が感知した時点で─────

親鳥「はい?………あ、すみません。気のせいです」

『何か疑問でも?』

親鳥「何もないわ」

『ならいい、』
『そうなれば…二つの条件を無理矢理にでも呑みこんでもらう事になる』
60: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:37:53.53 ID:G7Wtb/cy
第3話「ファーストコンタクト」



穂乃果「昨日、能力者の子。見つけたんだ」

海未「…穂乃果とはいえ早いですね」

ことり「能力とかについても教えてもらえたの?」

穂乃果「もちろん!紙を燃やしてたから炎とかの能力だと思うんだよね」

海未「で、それは廃校阻止に役立つのですかね?」

穂乃果「えっ?…でも、何か助けになるかもしれないよっ」
61: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:38:40.84 ID:G7Wtb/cy
ことり「まぁ見つかったんだし良いんじゃないかなぁ?」

海未「そうですか?」

ことり「それでね、ことりはお母さんの部屋を調べてみたんだ」

穂乃果「どうだったの?」

ことり「ゴミ箱にUTXって書いてある紙が捨ててあって、それを調べようとしたらお母さんが帰ってきちゃったの」

穂乃果「じゃあUTXが関係してるってことだよねっ」
62: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:38:57.57 ID:G7Wtb/cy
海未「それは少し早計ではありませんか?たまたまその紙を捨てたと言うことも」

ことり「でもね、お母さんが来たあともう一回調べようと思ったら、なくなってたの。それにお母さん、部屋に入って欲しくなさそうだったし」

海未「そうですか。そうなると少し怪しいかもしれませんね」

穂乃果「そうだよ、絶対UTX関係してるよっ!」

海未「しかしそう疑うのも…」

ことり「あっもう少しで授業始まっちゃうよ」

海未「この話は一旦ここで終わりです、また話す機会はあるでしょう」

穂乃果「はーい」
63: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:39:44.27 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「今日は昨日真姫ちゃんに聞いた子を探しに行こうかなー」

穂乃果「ふふーん」プラプラ

穂乃果「!」

穂乃果(何か感じる…)ザワ

穂乃果「こっちだっ」ダッ

穂乃果「ねぇっそこの君」(昨日真姫のちゃんに聞いてた特徴と違うかも?)
64: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:39:57.42 ID:G7Wtb/cy
?「はっはい、なんですか」

穂乃果「君能力とか持ってたりする?」

?「持ってないですっ」

穂乃果「本当に?持ってると思ったんだけどなー」

?「ほ、本当です」

穂乃果「嘘いっちゃダメだよ~?」

?「え…」
65: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:40:21.41 ID:G7Wtb/cy
??「かよちんに話しかけないで頂けますか?」

穂乃果「えっひどいなー、ただ能力者?って聞いてるだけだって」

?「能力者なわけないじゃん、ね?かよちん」

?「え?うっうん」

穂乃果「あれ、って言うか昨日真姫ちゃんが言ってた人じゃない?」

??「凛のこと?…なんて言ってたの?」
66: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:40:38.94 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「能力者かもしれないって」

凛「えっ、ほんと?ばれちゃったの?」

穂乃果「能力者なの?」

凛「あっ」

穂乃果「じゃあさ、もしかしてそっちの子もやっぱり能力者だったりするんだよね?」

凛「って言うかなんでそういうこと聞くの?」

穂乃果「じゃあそうなんだ~」
67: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:41:19.51 ID:G7Wtb/cy
凛「うー、…じゃああなたの方から言ってくれたら教えてあげる」

花陽「いいの?凛ちゃん、そんなこと言って」

凛「普通は教えないから大丈夫にゃ」

穂乃果「衝撃波が出せるんだ!」

凛「…えーっほんと?」

花陽「って言うか言っちゃったね…」
68: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:41:32.62 ID:G7Wtb/cy
凛「うーん、じゃあ言うしかないね、凛は高速で移動できるんだ」

穂乃果「おおっそれはすごいね、じゃあそっちのかよちん?さんは?」

花陽「花陽です。私は能力に耐性があるというか…」

穂乃果「なるほどっ、だったらさ君たち放課後とか何してるの?」

花陽「…部活とか探してます」

凛「凛もかよちんと同じー」
69: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:42:08.54 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「じゃあ、この学校が廃校になるのは知ってるよね?」

凛「まぁ、それは知ってますけど?」

穂乃果「みんなでさ、廃校を阻止しようよっ!」

花陽(いきなり話がぶっとんじゃいました)

凛「さすがに能力者といっても出来ないにゃー」

花陽「少し難しいかも…」

凛「っていうか、なんで凛たちが協力しなくちゃいけないの?」

穂乃果「だってそれは、……新入生が入ってこないから後輩ができなくなっちゃうよ?」

凛「…それで?」フーン

穂乃果「それに君たちが三年生になったとき生徒は君たちの代しかいないかも…」チラッ (いけたかな?)

凛「…あーっ、確かにそれはいやにゃ、」ズーン

花陽「確かにそうかもしれないですっ」
70: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:42:35.92 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「おおーっ、じゃあ協力してくれるかな?」

凛「…でも、そういうの危険なんじゃないかにゃ??」

穂乃果「えっ?」

花陽「このまえいきなり、能力者じゃないかって襲われたんです」

穂乃果「?…そんなことあったの?」

凛「だから凛はかよちんをそういうのに巻き込みたくないって思うの」

花陽「凛ちゃん…」

穂乃果「……よしっ!じゃあ、穂乃果が二人を守る!だからきょうりょくして!!」

凛「本当に守ってくれるの?」

穂乃果「もちろんっ」

凛「うーん、じゃあ凛に勝てる人がいるなら手伝ってあげる」

穂乃果「勝負って?」

花陽「殺し合いはダメだよぉ」
71: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:43:23.95 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「内容は?」

凛「…とりあえず言っただけにゃ」

穂乃果「えーっ、考えてなかったの?」

凛「うんっ」

花陽「あはは…じゃあ能力を使えるもので勝負がいいと思います」

穂乃果「そうだよね~」
72: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:43:57.59 ID:G7Wtb/cy
________________


海未は昨日と同じく、弓道場に訪れていた。

静かな道場の中で、敷かれたフローリングの上に海未は袴を着て体を横向きにして立つ。
弓を持って据えられた海未のその視線は、土を背景とした的に向かっており、

海未(…今日も穂乃果は能力者を探しているらしいですね。そう見つかるものではないとは思いますが、)

そんな事を思いながら、左手で弓を、右手で弦を持って引き分けていく
キリキリキリ───────

海未(能力者……ですか。)

─────ピタ
弓が適当な圧力をかけられた状態で動きを止める。

海未(数年ほど前でしたね、 )
海未(その存在が生まれるきっかけと考えられている現象が起きたのは… )

そう思い返しながら、海未は弓と弦を持つ微小な体の震えを止めた所で…

海未「…」フワッ
ふっと右手の力を緩める。
73: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:44:25.19 ID:G7Wtb/cy
フッ…。海未が弦を放すと、今まで張り詰めていた弓と弦がもとの長さに戻ろうとし、矢に力がかかる。

海未(あの時に飛行機で旅行中だった知人が言うには虹色の透明な巨大な膜か何かが、)

─────ヒュッ…
すると矢は威力が落ちることもなく、ただ真っ直ぐに進み、的に吸い寄せられるかのようだった。

海未(東京中心部から半球状に周りの地域へと広がって行くように見えたそうです。)

パンッ
矢は的中し、破裂音のようなものを道場に響かせる。

海未(……雑念が入ってしまいましたが馴れてきましたね、能力を使って射るのも…)フゥ…

海未「(穂乃果やことりには能力を武道などには使っていない、と言いましたがそれは公の場での話です)」
海未「(こういう道場に私しかいない時、興味程度に能力を使って射ることはあります。)」

海未「(…が、能力を使って射るとかなり疲れるんですよね。……そろそろ矢を取りに行きましょうか)」テクテク

海未「(しかも能力を使う時は矢の威力減衰がほぼ無い、ので射形は普段射る時ともちろん違ってきます。…変な癖がつかないと良いんですけど。)」テクテク
74: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:44:52.98 ID:G7Wtb/cy
海未「……あれ」ググッ

海未が取りに行ったその矢は、安土(的を支える土の土台)にも大きく突き刺さっている状態。
そのため、抜くのに海未はいつもより力を要した。

海未「思ったより刺さってましたね…」スポ


___

海未(…この前射った時はもう少し的の真ん中だったような、…まぁ良いでしょう。)
75: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:45:41.75 ID:G7Wtb/cy
海未(次はいつも通り普通に射ましょうか)
海未(……色々と能力を使ってみたらどうなるか、少し気になりますがね)キリキリ

『じゃあこの方法はどうかにゃ?』

『えーだめだよー、それじゃあ凛ちゃんに有利じゃん』

『えー』

『パン早食いは?』

『じゃあラーメン早食いっ』

『能力関係ないんじゃないかな~』

『たしかにそうかも』

『そうだったーw』

キャッキャッ

海未(外が少し騒がしいですね…穂乃果と誰でしょうか……二人いるようです)
76: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:46:07.20 ID:G7Wtb/cy
海未(全く…注意しましょう)カタン
海未(…何をしているのでしょうかね)

海未「うるさいですよ。穂乃果」ガラッ

穂乃果「…あっ海未ちゃんまた能力者の子見つけたんだ!」

海未「はやいですね!?」

花陽「こんにちは」

凛「…誰ですか?」

海未「園田海未です。こんにちはって言うか、もう少し声量落としてください。うるさいですよ」

穂乃果「はーい!」

花陽「ごめんなさい」

凛「わかったにゃ」

穂乃果「今からこの子と勝負するんだけど海未ちゃんやる?」

海未「…なんで勝負することになったんですか?」

穂乃果「勝ったら協力してくれるんだって」
77: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:47:10.61 ID:G7Wtb/cy
海未「…いいじゃないですか、内容は?」

花陽「今決めていて能力を使えるものがいいかなーって言ってました」

海未「なるほど、だからうるさかったんですね……じゃあ相撲というのはどうですか?」

穂乃果「…なんかテレビでみてそうだよね」

凛「相撲?」

海未「はい、ある一定の範囲から出たら負けというルールで」

花陽「なるほど、それならいいかもしれませんね」

凛「かよちんが良いなら凛それでやるよ」

穂乃果「じゃあそれでいいの?」

凛「賛成にゃ!」

海未「それではやりましょうか」

穂乃果(海未ちゃんが意外とノリノリな件について)
78: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:47:36.62 ID:G7Wtb/cy
海未「もう少し人目がなくなってからやりましょうか」

花陽「そうですね」

海未「そういえばことりはどこにいるのでしょう?」

穂乃果「病院行ってくるみたいで、でもことりちゃん後で穂乃果のこと手伝ってくれるって言ってたから来ると思うよ」

海未「…それでは少しベンチにでも座って待ちましょうか」

凛「じゃあ凛は土俵?書いてくるね。広めでいいですか?」

海未「それでいいですよ。お願いします」

海未「ことりは来てませんが…私で良ければそろそろ始めませんか?」(これ以上暗くなっては)

穂乃果(ZZZ…)

凛「うん良いよ。これで凛たちが負けたら協力してあげる」

海未「…しかしそれでは申し訳ない気がします。そちらが勝ったときの報酬を決めてもらってもいいですよ?」
79: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:48:27.14 ID:G7Wtb/cy
凛「かよちんどうする?」

穂乃果(ZZZ…)

花陽「うーん…」

凛「じゃあラーメンとおにぎり奢ってほしいにゃ」

海未「フフッそんなものでいいのですか?」

凛「ラーメン好きなので」

海未「なるほど…」

穂乃果(ZZZ…)

花陽「じゃあ最終確認をするけど、ある一定の範囲から外に出たら負けで、円の中で倒れるのはオッケーだったよね?」

凛「そうだよっ」

海未「それではいきましょうか」
80: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:48:53.95 ID:G7Wtb/cy
_________

放課後のやや紫がかった空の下。

音ノ木坂学院グラウンド上の土を凛が足で削って書いた半径約7メートルほどの円。
その内側に二本の線を挟んで、二人はにらみ合う。
花陽「用意は…?」

凛「」ぱっぱっ

相撲の塩のかわりに砂を撒いているつもりでしょうか。ふふ、面白いですね

凛「ほらっ」

海未「私もですか?」ぱっぱっ

花陽「…」

花陽「はっきょーおぉいいっ」

花陽「……のこったっ!」

凛「じゃあ…いくよっ」
────シュンッ────

開幕、私に迫ってきましたか…さすが異能なだけあって速いですね…
ぶれてほとんど見えません。…そういえば能力も聞いてませんでした。

凛「はっ!」

恐らくこのスピードを見るに高速移動とかでしょうか。
81: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:49:21.33 ID:G7Wtb/cy
海未「ぐっ」ドスっ

まさかもう凛に攻撃を当てられるとは…油断していましたね。

凛「あれ、意外と弱いの?」

海未「…どうでしょうかね」チラ
3メートルほど後ろに飛ばされましたか。この能力がなければ完全に外に出てました…

凛「まだまだいくよっ」シュンッ

海未「くッ」
すぐ後ろに戻ったと思ったら間髪いれずに、凛からのタックル

海未「うぐっ…」ドスン
今度はきちんと受けれはしましたッッ!
…が、まぁ2メートルぐらい下がってしまいました。
ふむ、タックルを連続で行い私を押し出す戦法でしょうか。

凛「いけそうだにゃ…」

海未「」グッ
ええ…しかし、様子見はここまでです。
同じ手は食らいませんよ。

海未「…」タッタッ
土の円の中を外縁沿いに、回りながら移動します。

また後ろへと下がり、海未へタックル。
凛「」シュンッ

海未「…」ヒラ
次の凛のタックルを…体を右にそらして避けます。
凛「…」ビュッ

ギリギリで避ければスピードを落とし切れずに、外へ行く…どうでしょうか……。

凛「…」タタタッ

凛「…あっもしかしてそのまま勢いで出ていっちゃうと思った?さすがにそれはないにゃー」ピタッ

…そこまでバカではないですか。

海未「フッ」ブンッ
凛が止まったところに、海未は振りかぶって左フックをお見舞い。

凛「当たらないにゃ」ヒョイッ

海未「なかなかすばしっこいですねっ!」
82: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:49:45.96 ID:G7Wtb/cy

……


凛「にゃっ!」シュン…
今度もまた同じようにタックルをして来ますか…

凛は恐らく近接攻撃は何らかの理由で、タックルしか使えないようですね。
どうしましょうか、拳を当てようと思っても早すぎてタイミングがつかめません。
海未「…むむ」

凛「」シュンッ

これは左に避けます、ものは試しです。つかんでみましょうか。

海未「…」パシッ

凛「…」ヒョイッ
凛「つかまんないよっ」グン

───スカッ

掴むことはできないと……ふむ。

…このまま攻撃出来ないままでは……円の外沿いを回りながら進んで回避しても、いつかは当たって負けてしまいます。

海未「」チラ
ここで終わるわけには行きませんが…何かスピードが落ちる方法は…。

凛「」ダッ
…様子を見ても、思ったより体力は消耗してなさそうですね。
83: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:50:35.25 ID:G7Wtb/cy
凛「」シュンッ

海未「…」ヒラリ
…これも避けます。
なるほど…高速移動ということは相対的に周りの物体も早くなります。

凛が進むであろう場所に拳を置いて準備しておくというのはどうでしょうか………、
あまり当たるとは思えません。止めましょう。……となると

凛「」シュンッ

海未(ここでっ!)
海未「すみません、凛」サッ

凛「痛いっっ…砂っ!?」

昔、雨の日に生身でバイクに乗っていたら体に滴が当たって痛いと、いうことを聞いたことがあります。
今回はそれを砂に置き換えました。

海未「これであまりスピードは出せませんね」ニヤッ

凛「少し卑怯なんじゃないかにゃ~?」
84: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:51:05.20 ID:G7Wtb/cy
凛「でもっ!」シュンッ

凛はまたタックルをしてきましたが、
やはり砂を投げられる事を踏まえて先程と比べてスピードを抑えています。
これならばタイミングを見極められるはずです。
海未「…」…

凛「…」シュ

海未「……」ジリ…
海未「…ここですっ!」

凛が私と適切な距離になったところでそのまま凛の腕を横から掴み、
合気道の要領で凛のスピードを外に受け流します。
海未「はぁっ」

凛「!あっ」ドンッズザザザザ

海未「…すみません、少しやり過ぎましたかね」
85: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:51:55.33 ID:G7Wtb/cy
_____________

凛「あー凛負けちゃったにゃ、約束だしね。協力してあげるよ」

海未「すみませんね、ありがとうございます」

花陽「擦り傷結構出来ちゃったけど、凛ちゃん大丈夫?」

凛「たぶん大丈夫にゃー」

真姫「大丈夫じゃないわよ、早く見せなさい」

凛「誰?」

花陽「多分、同じクラスの西木野さんじゃないかな?」

海未「どうしたのですか?」

真姫「穂乃果先輩に用事があったんだけど…あなた何か怪我してたし」

凛「ありがとにゃー」

真姫「あと来る途中にあなたたちを見てる人が何人かいたんだけど…」

花陽「本当?」

海未「誰かわかりますか?」
86: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:52:24.13 ID:G7Wtb/cy
真姫「良くわからなかったけど、まぁすぐいなくなったから大丈夫なんじゃない?」

海未「だといいのですが、」

海未「…そういえば穂乃果に用ですね?……穂乃果起きてください」トントン

穂乃果「んんー?、あれっ寝てた?」

海未「寝てましたよ」

穂乃果「真姫ちゃん?どうしたの?」

真姫「昨日の返事よ、忘れたの?」

穂乃果「あっそうだった」ハハ

真姫「はぁ、それで考えたんだけど協力してあげてもいいかなって、友達だし///」

穂乃果「ほんと?ありがとー」ギュッ

真姫「…まぁね//」

海未「それと凛と花陽も協力してくれるって言ってますよ」

穂乃果「すごいじゃんっ!二人共もありがとねー」

凛「よろしくにゃっ」

花陽「よろしくお願いしますっ」
87: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:53:08.63 ID:G7Wtb/cy
ことり「おくれてごめーんっ」ヤンヤン

海未「大丈夫でしたか?」

ことり「うんっ怪我はもう大丈夫だって、」

穂乃果「おおーっ!、今みんな揃ったんだ!」

花陽「どういうことですか?」

穂乃果「廃校阻止協力してくれる人っ」

凛「…他に人いたんですね」

穂乃果「いるよっ?!」
88: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:53:32.07 ID:G7Wtb/cy
________________________

ことり「ほのかちゃん、今日の放課後は何するの?」

穂乃果「人集めたけど、何したらいいかわかんなくなっちゃった」ナハハ

海未「考えていなかったのですか?」

ことり「ははは…」

穂乃果「う~んどうしたら良いかな?」

ことり「…なにか思い付いた?」

穂乃果「…そうだっ、とりあえず部活申請!」

海未「なぜですか?」

穂乃果「ほら、人も集まったしさ!部費とかもらえるかもしれないじゃん?!」

ことり「そうかなぁ?」

海未「何部って報告するんですか?」

穂乃果「あんまり考えてないけどとりあえず申請しに行こう!」
89: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:54:22.12 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「あっ…でもあの生徒会長かぁ」

絵里「私がどうかしたかしら?」

穂乃果「えっ」

海未「噂をすれば…ですね」

ことり「こんにちは~」

絵里「はい、こんにちは」

海未「何か用事ですか?」

絵里「いや、たまたまここを通りかかっただけよ」
絵里「それで、私がどうかしたの?」

穂乃果「えぇっと、学校を復興させるために部活申請しようと思いまして…」

絵里「…ごめんなさい、今はどんな部活も新設は断っているの」

穂乃果「そうなんですか…」
90: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:54:45.96 ID:G7Wtb/cy
ことり「あの…生徒会長さんは廃校の理由とかわかったりするんですか?」

絵里「私もまだ良くは分かってないの、できたら私も教えてほしいわ」

海未「どうしましょうか…」

絵里「でもこの学校のことを思ってくれる人がいるのは嬉しいわね」

穂乃果「何か役に立てることないですか?」

絵里「…そうね、もしよかったらUTXの学校説明会に行ってくれないかしら?」

穂乃果「UTXのですか?」

絵里「そうよ、私も行こうと思ったんだけど…その日に生徒会の会議が入っちゃって行けないの、だから代わりに行ってみないかって」

穂乃果「なるほどー」

ことり「それはいつなんですか?」

絵里「今週の日曜日ね、行くなら、だけれど」

海未「…学校説明会、我が高校との違いを知るためにも行ってみてもいいかもしれませんね」

ことり「その日は空いてるよ♪」
91: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:55:28.13 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「よしっじゃあ一年生も誘って皆で行こう!!」

海未「じゃあ今すぐ聞きに行きますか?」

絵里「あと、会場はUTXの別館だから気を付けてね?それじゃあよろしく。」

穂乃果「それではっ、さよならー」

ことり「さようなら♪」

海未「ではお先に失礼します」

絵里「…ふぅ」

希「ねぇえりち、かわいい後輩を巻き込んじゃってええの?」ヌッ

絵里「きゃっ…ちょっと希、どこにいたのよ。」

希「さっきから近くにいたよ?」

絵里「…そうかしら?」

希「それで、さっきのはどういうことだったの?」
92: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:55:51.90 ID:G7Wtb/cy
絵里「ああ、今話してたこと?」

希「そうやん?」

絵里「…あれは、ただ純粋にあの子達のためになると思って勧めたただけよ。」

希「行けないって言ってたけど、今週生徒会の集まりなんてあったん?」

絵里「なかったかしら?」

希「とぼけるのもいい加減にし、この前妹さんが大変な事になったのも分かるけどな…」

絵里「どういう意味?」

希「…本当は分かってるやろ?えりちそれから本当に違うで、」

絵里「…ほらくだらない事言ってないで、早く戻って仕事終わらせちゃいましょ?」 

希「それはそうやけどな…」

絵里「…何か言ったかしら?」

希「…いや、なんも言っとらんよ」

絵里「そう?じゃあ生徒会室へ行きましょうか」
93: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:56:17.88 ID:G7Wtb/cy
第4話「学園訪問」



穂乃果「うわぁっここがUTX学園?」

海未「別館ですが、まぁそうですね」

花陽「UTXはアイドルグループがあることでも有名ですよっ」

穂乃果「ARISEだったよねっ」


UTX学園、別館校門前へと来た一行。
別館は本館と異なり建物の高さは抑えられているが、その分横に建物が延びている。そして外観は本館と同じようにガラス張りであり、日光を反射しギラついていた。

凛「こっちもでっかいにゃー」

ことり「別館なのにね…」

真姫「…そんなに驚くほどかしら」

凛「嫌みかにゃ?」
94: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:56:40.42 ID:G7Wtb/cy
海未「穂乃果、こちらですよ」

一行は学校内に設置してある案内板に従って目的地へと進む。

意外にも内観は普通の学校とあまり代わり映えがない印象を受ける。

A教室、多目的室、理科室等では、制服を来たUTX生が来場者へと学校の良さを伝えようと呼び掛けていた。

ことり「これは学食紹介だねっ」

穂乃果「豪華なんじゃない?」

花陽「はわぁ、この学校の学食おいしそうです~」

穂乃果「うわぁー、このパンもおいしそう!」ジュルル

花陽「ご飯の種類が選べる!?これだけで入学材料になりますねっ」キラキラ
95: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:57:06.74 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「イチゴパン?最高だよっ!」

海未「ちょっと、二人とも学食コーナーにへばりつかないでください」

ことり「また後で見に来よう?」

穂乃果「そうするっ」

花陽「わかりましたっ」

真姫「食への関心がすごいわね」

凛「凛はこっちのかよちんもすきにゃー」

海未「あの角を右ですね」

目的地であった講堂は賑わい、ほとんどの人が座りながら時間になるのを待っていた。
少し探すとちょうど6人分の席が連続して空いており、肩を並べて座る。

ことり「ちょうどいい時間に来れたかもね」

穂乃果「うんっ」
96: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:57:40.16 ID:G7Wtb/cy
海未「遅れなくて良かったです」

凛「ここで何をするのかにゃ?」

真姫「学校説明会なんだから説明するに決まってるでしょ?」

花陽「学食…」

真姫「…」
97: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:58:25.57 ID:G7Wtb/cy
そうこうしているうちに頭上のライトが消え、天井の光が差し込んでいる窓ガラスに暗いカーテンがかかる。光を遮断して暗くなった会場にステージのスポットライトが点いて明るくなり、その壇上に一人の学園の代表者らしき生徒が姿をあらわす。

簡単な挨拶を終えてから
壇上で説明が始まり、最初は挨拶、そしてアイドル、学校の設備、歴史、部活動などへと話題が移る。
98: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:58:44.70 ID:G7Wtb/cy
そして話が中盤を過ぎたかという頃。

海未「コラっ穂乃果なに寝てるんですか起きてください」

穂乃果「…だって暗いんだもん」

海未「そういう問題じゃないです…全く」
海未「あれ?…明るくなりましたよ?」

穂乃果「え?」

突如、穂乃果のいる辺りが明るくなる。
電気がついたのかと天井へと目を移すと窓ガラスが大きく割れており、そこではカーテンがはためいて光がチラチラと漏れ出していた。

割れたガラスを見て、会場が少しだけざわめく。

ざわ…  ざわ…  やざわ…
99: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 01:59:51.16 ID:G7Wtb/cy
壇上の人「すいません、天窓が割れてるようですね。もし、ガラスが落ちてきた方がいらっ
しゃっ──────

───あぁっ」ブワッ
話している途中で脈絡もなく、いきなり後ろへ吹っ飛びステージの背後の暗がりへ消えて見えなくなった。

真姫「は?」

凛「今のなに?」

そして次はステージ近くの席、前列に座る人から数人かがめくり上がる様に上空へ二メートルほど投げ出され、地面へと鈍い音をたてて落ちる。

当たり前のようにパニック状態となる会場。
立ち上がり、我先にと出口へと逃げ出す聴衆。

花陽「?…ダレカタスケテー」

ことり「?」

穂乃果「これなんかヤバイよっ!」
100: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:00:25.62 ID:G7Wtb/cy
海未「早く逃げましょう!」ダッ

しかし、幅の狭い出口へと向かう人の波にのまれて先へと進むことができない。

穂乃果「うぅっぐるじぃ」ギュウギュウ

海未「先はどうなっているのでしょうか」ギュウギュウ

真姫「キモチワルイ」ギュウギュウ 

少し背伸びをし、視線をさきへ向けると二つある出口の扉は両方ともしまっており、
扉のレバーを押しても開かない様子。そのためドア付近、先頭は圧死されそうな勢いである。

海未「これは……後ろへと下がってください!」ギュウギュウ

ことり「うん、わかった頑張るっ」ギュウギュウ

花陽「了解です」ギュウギュウ

だが、ステージ近くには正体不明の現象。なにか嫌な予感がする。

海未「すみませんが、私を先に下がらせてください」モギュッ

凛「いいよっ」ハイッ ムギュッ
101: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:00:50.68 ID:G7Wtb/cy
海未「やっと出れましたか」フゥ

数分かして、人の波から脱出し息をつく海未。

そしてステージの方を見定め、何が起こっていたのかを確認。
人影を3つほど見つけ、そのうちの一人と目が合ってしまう。

穂乃果「ねぇ海未ちゃん、あの三人たぶん能力者だよ」

海未「出られましたか」

穂乃果「まだ他の皆は出れてないけど…」チラッ

海未「穂乃果、逃げるならあそこから逃げられますが、どうしますか?」

穂乃果「穂乃果はここにいるけど、海未ちゃんはどうする?」

海未「…相手が能力者であるならば私たちが対処するしかない気がします」

穂乃果「そうだね…ファイトだよっ!!」
102: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:01:12.53 ID:G7Wtb/cy
海未は能力を発動、薄暗い中もう一度周りを見渡し周囲の状況を確認。

穂乃果はすぐさま駆け出し能力者へと向かっていった。

感覚を研ぎ澄まし、海未の後方には人の集団と呻き声、前方ステージ側を見るとツナギのようなものを着た女のシルエットの能力者が三人。ではなく…二人?

疑問に思っていると急激な風の流れを感じて思わず伏せ…
刹那、頭上を鋭利な物が掠める感覚。

海未「誰ですか?」

思わず見渡すが、海未意外誰もおらず。
注意していると今度は脇腹へと直に衝撃を感じ、横に1メートル蹴飛ばされる。

海未「うぐっ」
103: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:01:40.55 ID:G7Wtb/cy
そんな海未へ透明人間は続けざまに拳を振り抜くッ!
海未「(こっちですねっ!)」
海未は方向から判断して相手がいるであろう場所に、半ば倒れた体勢から蹴りを入れる。

「…ぅ」
微かなうめき声が聞こえた後

海未「はっ…」
倒れた状態から転がるように横へ移動し、すぐさま立ち上がる。
薄暗い中、目では見ることができない相手に対して武道の構えを取り虚空を睨む

海未(刃物を持った透明人間?…でしょうか、竹刀でも持ってくるんでしたね)



一方穂乃果、なにも考えずにステージ近くへ突撃し、相手と二メートルほどの距離になったところで。

駆けながらそのまま両手の平から同時に別々の二つある人影、相手へと衝撃波を放つ。

穂乃果「フゥッ」ゴオォ

二つともオーバーオールのようなものを着ており、胸の辺りが少し膨らんでいる。
少しだけ開いていた胸元から下地にはEHの文字が見えた。

穂乃果の発した衝撃波は片方へ直撃!
一人は後ろの壁へと背中から打ち付けられ、その衝撃に耐えきれずに気絶

穂乃果「ヨシッ」グッ
104: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:02:07.11 ID:G7Wtb/cy
だが、もう片方の衝撃波は穂乃果の目標とは全く別の方向へと向かっており、壁に当たって亀裂を作る。

穂乃果「当たんなかったか~」

そして打ち損じた人影は衝撃波を出した穂乃果を敵と見なしたのか、両手をクロスさせて別々の袖口へといれると、裁縫で使うような細い針に釣糸をつけたものを取り出した。
片手で4本、合計両手で8本の針。
「眠れ…」

それは大仰に手を振るうと、意識を持ったように一斉に穂乃果へと向かう。

穂乃果「針?」

穂乃果は並んで襲いかかってくる針を斜めに進んで避け、接近した相手へと攻撃を目論むが、いきなり針は軌道を変え穂乃果をホーミング。

穂乃果「なにこれっ?!」

思わぬ起動を描いた事に驚く、この針のスピードは早く避けきれそうにもない。

穂乃果(どうしよう)
105: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:03:00.69 ID:G7Wtb/cy
穂乃果(うーん…)

思考を巡らす、迫り来る針、だが所詮針である。
穂乃果は針を十分に引き付け、足を背後へあげ靴の裏へと5本ばかり刺させるのに成功。
残りの迫る三本の針は太ももへと二本、あと一本は右手で受け止める。

穂乃果「…っ」
穂乃果(…けっこう痛いなぁ、でも)チラッ

穂乃果「…今だっ」
穂乃果は空いている左腕で、針の操作に苦戦している相手に至近距離で衝撃波を打つ!
手の平から猛烈なエネルギーが放出され、空気を切って真っ直ぐに飛んでいくッッッッッ

「ッがは…」
外す道理はなく、相手にクリーンヒット!
至近距離で発射された衝撃波に耐えきれず、瞬時に意識を失う。

穂乃果「おおっ倒せたよっ!……いつつ、?…針になんか塗ってある?」

穂乃果「あっ」クラッ
106: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:03:43.19 ID:G7Wtb/cy
海未は未だ透明人間との駆け引きを行っていた。

目を瞑り聴覚、触覚を集中させ攻撃を避けて相手の攻撃からのカウンターを狙うが、
なかなか厳しい。


海未(一体、どこでしょうね…)
107: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:04:10.46 ID:G7Wtb/cy
第5話「まきりんぱな」


真姫「やっと出れたわ、」フゥ

ことり「海未ちゃん大丈夫?」

海未「はい、ですが。透明人間がいます」

真姫「…はぁ?!頭おかしくなったんですか?海未先輩」

海未「能力者ですよ、ことりは下がっててください」

ことり「うん、わかった」

真姫「…なるほど、最近物騒ね。ちょっと私の後ろに来て」

海未はすぐに真姫の背後へと移動する。

真姫(見えないなら、一帯を焼いてやるわ)
真姫はさっと両手を正面へ掲げると腕が強張り、両手の平から炎が噴出される。
一般的なキャンプファイヤーの二倍は有ろうかという炎量。
薄暗い会場が一気に明るくなる。

ことり(すごいっ)
108: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:04:33.70 ID:G7Wtb/cy
海未(火事になりませんかね…)

そこは考えているのか、火をすこしだけ地面から浮かせていた。

凛「すこし暑いんじゃないかにゃ~?」

花陽「すごい燃えてるっ」

ことり「良かった!二人とも出れてたんだね」

海未「気をつけて下さい、能力者がいますよ」

花陽「えっ?いるんですか?」

凛「かよちんは凛が守るよっ!」

真姫「ちょっとうるさいわね!」ゼエハァ
真姫は炎を右から左へと放ち続けているが、短時間でもなかなか体力を使うよう。
能力を使いながら肩で息をしている。

海未「すみません、そろそろ私たちが相手をします」

真姫「もう無理…」シュボォ
その場でペタりと座り込む。
110: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:05:25.86 ID:G7Wtb/cy
凛「凛の出番にゃ!」

海未「花陽はことりと真姫と一緒にいてください」

能力者であるならば能力が解けている。すなわち、焼けていれば体が見えるはずだが肉体は見つからない。

海未「まだ辺りにいるはずです、気を付けてください」

凛「わかったよ」ギロッ

花陽「そこですっ」
今までは真姫の炎で見えなかったが、
能力耐性を持つ花陽は透明人間がどこにいるのか見えるようになっていた。
その指先は、凛の3メートルほど左を指す。

場所を確認した凛は地面を踏みしめて急加速!
相手が逃げない間に短距離 高速移動。

そして…突き飛ばすッッッ!!!

凛「はっ」ドンッ
111: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:05:42.51 ID:G7Wtb/cy
凛の早さに反応できなかった相手は気を失い能力が切れたのか、倒れた体勢のままじんわりと姿を現した。

その服装は胸元にEHと書いてあるライダースーツ、顔から推測するに性別は女。

年頃は女子高生ぐらいだろうか、手にはナイフが握られており、服も着ていたことから触れているものも透明化させるようだった。
112: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:06:21.02 ID:G7Wtb/cy
─────UTX本校舎

英玲奈「…別館で?……了解だ」

自らへの命を確認した英玲奈はいつものように待機場にあるロッカーを開く。


三つ並んだ長方形のロッカー、一番右にあるのが彼女に割り当てられているもの。
中にはあまり物は入っていない、目につくのは立て掛けられている日本刀。
その刀はテレビで見るような和テイストの中に少しだけ機械的な雰囲気をまとっている。

英玲奈は刀を手に取り、駆け足でUTX別館へと向かった。

英玲奈「…」タッタ

今日は学校説明会等、他にも案件があったらしく学院にいる英玲奈の他にメンバーはおらず、廊下には彼女自身の足音のみが聞こえる。

「…」サ
しかし背後に一人の仮面を着けた女があらわれ英玲奈の首を後ろから拘束し、手首をつかんだ。

「動かないで」ガシッ
113: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:06:42.44 ID:G7Wtb/cy
英玲奈「…こんな時に」

「五月蝿いわね」

英玲奈「もしかしてこのタイミングを狙ったのか?」

「さあね…それ、地面に置いて」

英玲奈「…」
英玲奈「ああ…わかった」カラ

英玲奈は右手で持っていた刀を地面に落とさせられ、女は足でそれを壁際へと蹴った。

「あの女はどこ?」

英玲奈「なぜそんなことを聞く?」

「質問に質問で返すのはNGよ」

英玲奈「はぁ…答えるわけないだろう」

「そうかしら?」

そして女に掴まれている英玲奈の左手首の周りに、絶対零度の氷を当てられたような感覚。

「…助けて欲しかったら早く話すことね」
114: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:07:16.31 ID:G7Wtb/cy
英玲奈「ふむ……だが、お前に助けを懇願するほどではない」

「は?」

英玲奈「…どうしたんだ?今日はお仲間が見あたらないぞ?」

「…」
英玲奈は一瞬の動揺を見抜き、肘で脇腹を突く

「…っく」

英玲奈「」パシッ
拘束が緩くなったところで手を振り払い、拘束から抜け出す。
英玲奈は身を低くして、回転するように壁際の刀を取り、

英玲奈「足…」ブン
その体勢のまま横へと切る。

それに対して仮面女は軽やかに飛び退き、斬撃の範囲内から脱し距離をとった。
115: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:07:20.99 ID:G7Wtb/cy
英玲奈「ふむ……だが、お前に助けを懇願するほどではない」

「は?」

英玲奈「…どうしたんだ?今日はお仲間が見あたらないぞ?」

「…」
英玲奈は一瞬の動揺を見抜き、肘で脇腹を突く

「…っく」

英玲奈「」パシッ
拘束が緩くなったところで手を振り払い、拘束から抜け出す。
英玲奈は身を低くして、回転するように壁際の刀を取り、

英玲奈「足…」ブン
その体勢のまま横へと切る。

それに対して仮面女は軽やかに飛び退き、斬撃の範囲内から脱し距離をとった。
116: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:07:56.57 ID:G7Wtb/cy
英玲奈「行くぞ…」フッ
真正面から斬りかかった英玲奈を、女は持っていたナイフを取り出して迎え撃つ。
「…」チャキ

降り下ろされた刀を、女はナイフで体の外側へと受け流し軌道をそらす

英玲奈「」フラッ

そして、仮面女は英玲奈が体勢を崩したところへナイフを突き立てようとするが、

英玲奈「…」サッ
こちらも見ずに横に避けられる。

英玲奈「フ…」
そして英玲奈は先ほどの刀を降り下ろしたままの状態から────

ズンッ

柄で女の手首を打った。
すると女の手からナイフが滑り落ち、床でカランと音を立てる。
「…ウッ」(ナイフを……完全に見切られた?)

英玲奈「…これ以上お前に構ってる暇はない、……それに、あいつはここにはいないぞ?」
117: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:08:17.96 ID:G7Wtb/cy
…にゃ…

おー…、の…

…のか、穂乃果大丈夫ですか?

穂乃果「あ、海未ちゃん」ガバッ

ことり「よかったよっ!」ダキッ

穂乃果「穂乃果寝てた?」

花陽「ステージの前で寝てましたよ」

凛「良かったにゃー」

真姫「針刺さってたわよ?、なんか塗ってあったみたいだけど…」

穂乃果「たぶんそれで寝ちゃったんだと思う」ハハ

海未「気を付けてくださいよ?もう…」
118: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:08:50.68 ID:G7Wtb/cy
英玲奈「…申し訳ないが、穂乃果?君からも話を聞かせてくれないか?」

海未「その人が助けてくれたんですよ」

穂乃果「ARISEの英玲奈さん!?ありがとうございますっ!それで穂乃果に話を?」

英玲奈「ああ」
英玲奈「もう他の皆には話を聞いたんだ。」

穂乃果「そういう事なら…」
___
____
___

英玲奈「EHか…」

穂乃果「知ってるんですか?」

英玲奈「たぶんな…」

穂乃果「おしえてくれたりします?」

英玲奈「ああ…さっき彼女らにも説明したがおそらくEast Heart 、アイドルグループの名前だ」
119: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:09:49.21 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「…?いやアイドルグループがなんで?」

英玲奈「……なぜだろうな。…聞くが君はアイドル活動をしていたりするのか?」

穂乃果「んーしてませんけど」
穂乃果「何か関係があるんですか?]

英玲奈「なるほど…まぁあまり関係ないから安心してくれ。君たちも色々疲れただろう」

花陽「けっこうお騒がせしちゃいましたか?」

英玲奈「きちんとこちらで騒動にならないよう処理しておくから大丈夫だ。」
120: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:10:47.26 ID:G7Wtb/cy
─────音ノ木坂学院 翌日

絵里「それで学校説明会はどうだった?」

穂乃果「はい、UTXの事が良くわかりました。」

絵里「…なにか変わった事とかはなかった?」

ことり「はいっ♪」

絵里「行ってくれて助かったわ、ありがとう」

海未(あの後で改めて英玲奈さんにこの事は口外はしないようにと、釘を刺されました。)

海未(騒ぎをあまり公表したくないのは分かります。しかし、目撃者はかなりいたように思うのですが…処理しきれるのでしょうか)

穂乃果「じゃあっ!部活申請しても良いですか?」

絵里「なんでそうなるのよ」

穂乃果「えー、行ってあげたのに~」

絵里「あなたたちもUTX行けて良かったじゃない、予定が合わなかっただけで私も行きたかったんだから」
121: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:11:07.99 ID:G7Wtb/cy
海未「穂乃果、そういってるんですから」

穂乃果「お願いしますよ~。…うーん……よっ!会長!!」

絵里「おだてても何も出ないわよ?」(この子結構しつこいわね)

希「そうやね…えりちがお世話になったのも確かやしな……」

絵里「って希?」

希「今部員が一人の部活動があるんやけど、そこに入れて貰ったらどう?」
122: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:11:56.24 ID:G7Wtb/cy
第6話「にこ糖質」



希「今部員が一人の部活動があるんやけど、そこに入れて貰ったらどう?」

ことり「良いんですか?」

希「大丈夫や。一人で寂しくやっとるから入ってあげたらきっと喜ぶんやない?」

穂乃果「なるほどっ、ありがとうございます」

海未「そんな部活動があるんですか」

希「あるんよ、ちょっと見てきたら?」

絵里「…今はなにやってるか正直わからないけれどね」

ことり「とりあえず目星がついてよかったね♪ほのかちゃんっ」

穂乃果「早速行こー」

希「ほな、」

ことり「おー」
123: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:12:20.09 ID:G7Wtb/cy
海未「他の三人も呼びに行きしょうか」

穂乃果「もちろんっ」



真姫「…昨日パパに事件の事話しちゃったの」

穂乃果「ええっ!?」

真姫「でも、秘密にしてくれるって。昨日結構しつこく問い詰められちゃって言っちゃった…ごめんなさい」

海未「まぁ言った事は仕方ないですからね」

ことり「秘密にしてくれるなら大丈夫だよっ」

真姫「ありがとう、でもパパが護身用にってこれをくれたの」ミテ

凛「これってムチ?」

真姫「そう鉄で出来たムチ」

花陽「ちょっぴり重そうだね」

真姫「これでも軽量化したんだって」
124: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:13:06.94 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「どうやって使うの?」

真姫「鉄で出来てるからこの鞭の温度を上げると熱くなって物を分断出来るようになるの」ブゥン

穂乃果「!?こわっ、ちょっとこっち向けるの止めてよ」

真姫「あと何かグローブ?軍手もくれたんだけど、良くわからなくて…」

海未「手の甲の部分にスイッチがついてますね、押すんでしょうか」

ことり「なんだろうね?」

真姫「パパにまた聞いてみるわね」

穂乃果「よろしく…って…?…ちがうよっ他の用事があってさ…

_____________


花陽「ここがその副会長が言ってた部活の、部室ですか?…」

真姫「窓ガラスに内側からアルミホイル?がはられてるわね」

凛「じゃねんがするにゃー」
125: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:13:25.44 ID:G7Wtb/cy
ことり「なんかちょっぴり怖いかも」

海未「何かあったらすぐ逃げますよ」

凛「早く部室に入ろうよ」

穂乃果「よし!たのもうっ!!」バンッ!

真姫「ヴエェェッ!?なにこの部屋…」

??「!?!あんたたちっ、もう私を嗅ぎ付けたのっ?対策は万全だったはずなのに」
126: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:13:58.59 ID:G7Wtb/cy
穂乃果が勢い良く扉を開ける!
すると、そこには部室の天井と壁一面にアルミホイルが貼り付けられ、光が反射してギラギラと光っていた。
銀色のそれは隙間なく敷き詰められ部屋は異様な雰囲気をまとっている。

そして、この部屋の主はというと、このような内装に相応しく?頭全体を覆うようにアルミホイルを被っており、ご丁寧に後頭部には二つ穴が開いてそこから黒い髪が二房垂れ下がっていた。ツインテールである。

穂乃果「あれ、どこかで会いましたか?」
127: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:14:29.57 ID:G7Wtb/cy
??「いくら世界を支配しているからって、いきなり部屋を開けるのはどうなのかしら?」

穂乃果「え?」

海未「すみません、なんのことですか?」

真姫「イミワカンナイ」

??「とぼけてんじゃないわよ!あんたたちのやり口はわかってるんだからねっ!?」バンッ

ことり「えーっと、やり口?」

花陽「」ビクッ

凛「かよちんがびっくりしちゃったじゃん!」

穂乃果「あの、ぶし─────」

??「ああ、そう。でもね…私はまだやるべきことがあるのっ」ダッ

そう言った後に座っていた椅子の後ろの窓を手慣れた様子で開け、窓の外へ出ると走って逃走!

『にこっ』

花陽「行っちゃいました…」

ことり「とりあえず話した方がいいとは思うけど」

穂乃果「おいかけようっ!」

凛「凛に任せるにゃー」

凛は女が走り去った方向へと駆け出し、
校舎の中庭へと出て左右を見たあとに加速。
128: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:15:20.11 ID:G7Wtb/cy
『まてー』タッタッ

『待たないわよ』

『……はいっ、つーかまーえたっ』

『はなしなさいよっ』

『離すわけないにゃー』

『くっ、…あんたやっぱり組織のヤツね!』

『何のこと?』

『知ったかぶりしても無駄なんだから!』


凛「つかまえたよっ」

逃走女子を羽交い締めにして穂乃果たちの前へと持ってくる凛。

穂乃果「さすが凛ちゃんっ」ナデナデ

凛「えへへ」
129: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:15:46.20 ID:G7Wtb/cy
??「でもね、あんたたち甘いわよ」

その瞬間、
拘束していた身体は外側からドロッと形が崩れていき、白い煙のようなものを放出しながら蒸発?した。

凛「うえぇっ?」

穂乃果「能力者!?」

しかし、その問いに答えるべき存在はいない。

海未「…そうとしか判断するしかありませんね」

ことり「能力者さんだったのかな~」

真姫「ここら辺は能力者多いわね」

花陽「すこし怖いです」

穂乃果「!…能力者だったんだね、もっと入部したくなっちゃったよ!」メラメラ

海未「まぁほどほどにアプローチしましょう」

ことり「そうだね」
130: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:16:33.91 ID:G7Wtb/cy
花陽「あの~」
一同の比較的後ろにいた花陽がなにかに気付いたのか、部屋にある棚の上に位置する壁についたアルミホイルを見つめている。
その先には僅かにアルミホイルの膨らみができていた。
花陽「周りも見てください」

良く見ると所々にアルミホイル壁の凹凸が他とは違うところがある。

穂乃果「これ、なんだろうね」

穂乃果が該当箇所のアルミホイルをペリリとめくると。

ことり「ポスター?」

真姫「もうすこし剥がしてみて」

穂乃果「うん」ペラッ

海未「これは?」

花陽「!…とあるアイドルグループのポスターです!」

穂乃果「アイドルグループ?」

花陽「そうですっ、ここら辺では割りと知られていると思います」
131: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:17:00.70 ID:G7Wtb/cy
真姫「アイドル好きなの?」

花陽「うんっアイドルグッズとかは持ってたりするよ」

凛「凛は知ってたにゃー」

海未「しかし、なぜアイドル?」

ことり「うーん…」

穂乃果「他も調べてみない?机の中とか…」ニヒヒ

海未「それはダメですよ、穂乃果」

穂乃果「固いよ~海未ちゃん」

穂乃果「まずはー、…おおっ日誌?これはいいかも?」

海未「固いとか言う事じゃありません、ダメなものはダメです」

ことり「おねんがぁいっ♪」

海未「…しょうがないですね。今回だけですよ、全く」

穂乃果、ことり「はぁーい」

穂乃果「見るよっ」
132: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:17:38.28 ID:G7Wtb/cy


真姫「それで…何か分かった?」

穂乃果「これ、途中で途切れてる」

ことり「そこで終わっちゃったのかな?」

穂乃果「あっまた再開してる」

凛「その時なにかあったのかな?」

穂乃果「読んで見たけど、途切れた前日はアイドルのライブ行ってたっぽいね」

凛「見せて見せてっ」


×月5日

今日は某アイドルのフリーライブに行ってきたわ。
思っていたより出来が良かったにこ。
諸々____
_______
______

明日はA-RISEの出待ちをするにこ。?

_______________________
133: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:18:03.18 ID:G7Wtb/cy
花陽「なるほど、アライズですか分かります!」

真姫「良くこんなに書けるわね」

穂乃果「で、これがまた再開した一年前のやつだよっ」

海未「少し背徳的ですね」ワクワク

ことり(うみちゃん…)


×月13日

やはりUTXには何かがあると思う世間には公表できない何かが。
きっとフリーメイソンという組織の傘下にあるのは間違いない。
A-RISEのAはまさしく、あのマークだ。この世界を牛耳らせる訳にはいかない。
諸々____
_______
______

結果、電磁攻撃あるいは思考を読み取られないようにアルミホイルを頭に被ることにした。

_______________________



真姫「ぶっ…」プルプル

花陽「ひっ!怖いです…」

凛「大丈夫だよ。かよちん」サスリサスリ

ことり「妄想?」

海未「なんですかこれは」キラキラ

希「今どんな感じ~?」ガラッ

穂乃果「あ、希先輩っ見に来てくれたんですか?」

希「まぁな、ちょっと心配やったし」

ことり(大丈夫って言ってたけど心配だったんだね…)
134: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:18:50.16 ID:G7Wtb/cy
海未「あの、恐れながら日誌を拝見させて頂いていたのですが、にこ先輩に何が?」

希「…ちょっと見せてな」

ことり「どうぞ」

希「ふむふむ…」

希「まぁやっぱりこの時期になんかあったんやろな」ペラ

真姫「アイドル関係で何か?」

希「せやな、…昔にこっちは、ここにも書いてあるようにアイドルを目指したり追っかけをしてたんや」

凛「へーっ」

希「でもある時にパタンと学校に来なくなって、どんくらいかな。一週間くらいでまた学校に来たんやけど様子が変でな…」

ことり「それでどうしたんですか?」

希「今までと違って、それからはアイドルの話なんて一切しなくなったんよ。まるでアイドルに不信感を抱いてるような感じで…と言ったらいいんやろか」
135: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:19:13.92 ID:G7Wtb/cy
花陽「そんな事が…」

真姫「その時期になにかがあったのは間違いないわね」

海未「アイドル関係でしょうね…」

希「あ、あとそれから段々と違う方向にもおかしくなってきたんや」

希「…組織とか、アルミホイルとか…」

真姫「……うーん、それ軽度の統合失調症になっちゃってるのかも…」

穂乃果「なにそれ?」

真姫「精神病の一つよ」
真姫「この記録のない期間によほどショックな事があったのかもしれないわね」

穂乃果「そうかもしれないけど、戻すにはどうしたら良いの?」

真姫「うーん……統合失調症確定ではないけど、違うとしてもその不安材料?を取り除けばなんとかなるかも…」

花陽「アイドルが好きそうでしたし、それ関係かも…」

希「その線はあるやろな」
136: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:20:00.62 ID:G7Wtb/cy
ことり「たしかに色々アイドルの追っかけとか、出待ちもしてたみたいだし」

凛「それで決まりにゃ!」

穂乃果「それだね!理由はほぼ確定っ!…でもさ。どうやる?」

花陽「アイドル関係かぁ…」

海未「おそらくそうでしょう」

希「色々、不安とかも取っちゃえばいいんやない?」

穂乃果「おおっ、良いね!」

真姫「うーん…まぁ、とりあえずやってみれば?」

穂乃果「じゃあ明日、{にこ先輩}奪還計画開始っ!!」

希「よろしく頼んだで、」
137: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:20:21.85 ID:G7Wtb/cy
─────

穂乃果「にこせんぱーいっ!」

にこ「げっ昨日のヤツら、三年生のクラスまで来て何のつもりよ!」ダッ

穂乃果「私はあなたの仲間です」スッ

にこ「え?…」
にこ「いきなり仲間って言われ─────

海未「見てください、皆のこの頭を!」

にこ「アルミホイル…」ハッ
にこ「ふーん、…わかってるわね。あんたたち」

凛「電磁攻撃から身を守るためにゃ」ビシッ

ことり「少し部活動について聞かせて貰えませんか~?」

にこ「ふふ、いいわ少しだけ私の部室を案内してあげる。ついてきなさい」

穂乃果「気になったんですけど、UTXのアライズについて何かあったんですか?」

にこ「アライズ?!」

花陽「何か知ってるんですね?」
138: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:21:16.27 ID:G7Wtb/cy
にこ「もちろんよっ悪の組織だったの、おそらく影でフリーメイソンと繋がっているわ」

真姫(アホね)

にこ「色々にこが調べて見たんだけど、とてつもなく強大な計画が動いているわ。ヤツラは陰謀を企てているの」

穂乃果「私もUTXの陰謀はあると思います、音ノ木坂学院と生徒数もほぼ似てましたし」

にこ「そうよね、他にも沢山あるの。知ってる?ARISEのAはあのピラミッドに付いた目の形とも酷似しているのよ、」

穂乃果「おおっなるほどぉ!」

にこ「…でしょ?」ニヤ

にこ「っとついたわね、あれ。あの扉に張ってたアルミホイルは?」

海未「剥がれちゃったんじゃないですかね」ハテ?

にこ「なら、また張らないとね」ガチャ

扉を開けると天井と壁一面に張ってあったアルミホイルはすべて剥がされており、元々張ってあったアイドルのポスターのみが壁に張り付いていた。
139: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:21:39.50 ID:G7Wtb/cy
部室内は昨日のようなまがまがしさはなく、華やかな雰囲気を醸し出す。
今までアルミでおおわれていた棚の中のアイドル関連グッズも露になり、元々の
アイドル研究部を取り戻したように見えたが。

にこ「うっ…これは………ねぇ、あんたたち何したのか分かってんの?」ギロッ
にこ「私の仲間なんじゃないの?…勝手に人の部室に入って勝手に防御壁剥がして!!、何のつもりよ!!出ていきなさい!!!」

穂乃果「…アイドル、好きなんですよね?」

にこ「っ…なんでそうなるのかしら」

花陽「こんなにグッズを並べるなんて嫌いじゃできませんっ」タナユビサシ

にこ「それは敵の情報を集めるためよ」

海未「ならグッズは必要ですか?」

にこ「証拠品よ…」
140: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:22:26.70 ID:G7Wtb/cy
ことり「こんなにアイドルのポスターが張ってあって…」

にこ「…」

凛「アイドルかわいいにゃー」

にこ「…」

真姫「強情ね」

花陽「伝伝伝こんなに集めている人がアイドル嫌いなわけがありませんっ!」

にこ「…でもっ」

穂乃果「良いんですっ!!」ダキッ

穂乃果「もし、何かあっても。私たちがいるんだ!私たちが守るっ!!」

穂乃果「アイドルを好きで良いんだよっ!!!アイドルが酷いことするわけないじゃないですかっ!なんでそんな事をしたのか、理由があるはずですっ!!信じて、もう一人じゃない、私たちは仲間なんだよっ!!!」

海未「私も能力持ちですから、」フッ
141: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:22:50.07 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「だから、私たちをアイドル研究部に入部させてくださいっ!!!!」

ことうみまきりんぱな「お願いしますっ!!!!!」

にこ「…」
にこ「……」ウル

にこ「…」ゲシゲシ

にこ「…ほんっと、しょーがないわねー。」
にこ「……私、…なんで頭にアルミホイルなんかつけてるのかしら」

穂乃果「なおった!?」

真姫「成功ね」

にこ「でも、本当にいいの?」

にこ「私の部活に入ったら、アイドルについて調べていく事になるわよ。あんたらの目的は廃校阻止らしいじゃない」

穂乃果「…それって、A-RISEの事ですよね。私達もA-RISE、UTXについて調べているんです」

にこ「UTX、A-RISEが廃校に関わってるって?」

穂乃果「そうですっ!」
142: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:23:32.61 ID:G7Wtb/cy
にこ「………フッ…まぁ悪くないわね」
にこ「良いわ、あんたらの入部を認めてあげる。最後に言うけど、危険よ?」

穂乃果「はいっ!分かってます」

にこ「私はなんでアイドルの頂点に立つA-RISEがあんな事をしてたのか、分からない。でも…そんな事をしてたのには理由があるはず。」
にこ「にこはそう信じてる。……だから…その理由を知るためにはどんなことだってやるわ。…」

穂乃果「…なるほどっ」


にこ「あんた達に、その覚悟は…ある?」
143: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:23:51.83 ID:G7Wtb/cy
【生徒会室】

絵里「えーっとここは…」カキカキ

希「…」

絵里「…ふむ」

希「えりち、見て…」

絵里「…何?」

希は生徒会室の窓から、立ったまま外へ視線を向ける。
絵里「希?」

希「雨、止んでる」
そしてその先では今までの天候をかき消すかのように、雨雲の割れ目から差し込まれた幾つかの陽光が煌めいていた。
144: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:24:54.20 ID:G7Wtb/cy
第7話「相手は誰だ?」前編



海未「学校の廃校阻止について、かなりの暴論ですがとりあえずUTXを調べると…」

海未「で、方法についてですが。何かありますか?」

穂乃果「うーん…尾行とか?」

凛「…見つかりそうにゃ」

真姫「誰か捕まえちゃう?」パンサー

花陽「ええっ?」

ことり「止めた方がいいかも…」

真姫「…冗談よ」

にこ「そうね…UTXに乗り込むわけにもいかないし…。次にアライズのライブをやる場所で何か掴むとかしかないわね」

海未「それしか無いですか…」
145: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:25:12.61 ID:G7Wtb/cy
にこ「…今、会場を調べるから待ってて」カタカタ

海未「すみません、にこ先輩」

にこ「なんか先輩って煩わしいから先輩禁止で」

穂乃果「雜っ」

にこ「あーここか、」

穂乃果「どこどこ?」

にこ「ビルの中に巨大なステージがある所よ、結構設備が揃ってるみたいね。」

花陽「ビルの中ですね…」

にこ「アライズ…」
にこ「なにがあるかわからないし、行くとき護身具とか持ってったら?」

ことり「そんなに危険なの?」

にこ「一応よ、べつに持ってかなくてもいいけど」

真姫「私はパパにもらったムチを持ってくわ。あっ…そういえば前に言ってたグローブ使い方が分かったわよ」

海未「ほんとですか?」
146: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:25:57.75 ID:G7Wtb/cy
真姫「そうよ、それと私にGPSのお守りもくれたの」フフン
真姫「なんでこんなにぶ厚いのか知らないけど…何か穴開いてるし。」

凛「早くグローブ出すにゃー」

真姫「……聞きなさいよ、で。例のグローブなんだけど…」ゴソ

凛「あーっこれミッションインポッシブルで見たことあるかも」

真姫「まぁ機能は違うけど、デザインは確かに似てるところはあるかもしれないわね」

真姫が取り出したそのグローブは下地が黒色の化学繊維で作られており、
手の甲についている正方形の薄い装置からは、指先一本一本にかけて細い半透明の青いラインが通っていた。

花陽「これ何?真姫ちゃん」

真姫「手の甲の機械で高周波を発生させる、名づけるなら高周波グローブね。」

海未「おぉ…」(カッコいいです…)
147: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:26:19.50 ID:G7Wtb/cy
真姫「はいこれ、海未にあげる」

海未「ええ!?こんな高価そうな物もらっていいんですか?」

真姫「いいのよ、多分海未が一番活用できると思うから」

穂乃果「なんで?穂乃果もほしいよっ!」

真姫「あげないわよ。海未、前に家に日本刀があるって言ってたでしょ?そのグローブはめれば、かなり切れ味が上がるはずよ。」

海未「ありがとうございます真姫、あなたは最高ですっ!」

真姫「まぁ私じゃ使えないし、捨てようと思ってたぐらいだから気にしなくていいわよ」//

海未「恩に着ます、」

凛「いいなー」

にこ「…はいっ、聞いて。ライブの日付は三日後よ。コンサートビルでやるのよ」

ことり「ちょうど午前授業の日だねっ」

にこ「にこも色々調べとくからあんたらも用意してなさい」

ことり「チケットはどうするの?」

真姫「無料の席と有料の優良席があるみたいだけど、行くだけだし必要ないでしょ」

海未「分かりました」
148: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:27:09.85 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「穂乃果、それまで何してよう?」

ことり「休憩とかかな?」

花陽「ライブを見る用意もしていいですかっ?」

にこ「…許可するわ」

花陽「了解しましたっ」

凛「凛は特にないにゃー」

真姫「三日後ね」

_____________
149: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:27:30.77 ID:G7Wtb/cy
─────コンサートビル


真姫「思っていたより立派な場所ね、ここ」

花陽「真姫ちゃん当たり前だよっ。あのARISEなんだから」

真姫「…確かにそうね」

アイドル研究部4名は秋葉原から少し離れたビルを訪れていた。

彼女らが制服のまま、立っている場所はロビー、そこはライブが始まるまでの待機場所である。
地上から7階程上がった所にあり、僅かにある窓からは他ビルの広告板が見えた。
そして、その真上はライブ会場として4階分ほどのスペース。その上は会場管理室、さらにその上からは事務所、オフィスが閉めているというのがビルの内部構成であった。

一同はロビー内の壁際にある、布で覆われた円柱状の椅子へと並んで腰をかける。

真姫「あれ?にこちゃん達はまだなの?」

花陽「にこちゃんと凛ちゃんは今日、先生に職員室に呼ばれちゃったみたいで、待つって言ったんだけど…」

ことり「優しいよね、アイドル好きの花陽ちゃんのために皆に先に行ってていいよなんて」

花陽「聞いてたの~?ことりちゃん」

ことり「聞いちゃいましたっ♪」

真姫「穂乃果は?」

ことり「穂乃果ちゃんも呼ばれてたみたい」
150: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:27:55.52 ID:G7Wtb/cy
海未「…もしかしてこの前の定期試験の事ですかね?」

ことり「どうかなぁ?」

海未「全く…」

真姫「ねぇ、いつごろ始まるんだっけ?」

花陽「あと1時間位かな」

真姫「…長いわよ」

花陽「そう?以外と早かったりするよ」

真姫「そういう物なのかしらね」

海未「瞑想でもしてましょうか」

ことり「いつ頃みんなここに来れるかな?」

真姫「適当に待ってれば来るでしょ」

花陽「まぁ心配しなくても良いと思うよ?」

海未「」


海未「」??

海未「…何か騒がしくありませんか?」

ことり「そう?」

花陽「準備してるんじゃないかな」

真姫「また事件とか勘弁してほしいわよ?」

海未「……五感をあげましたが、異常な騒がしさです」

真姫「はぁ…」
151: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:28:14.54 ID:G7Wtb/cy
花陽「だんだん私にも聞こえて来ましたっ」

ことり「あっ」

ことりが向かいの壁へと視線を泳がせていると横目にロビー端の階段から数人が焦った様子でかけ降りて行くのが見えた。

ことり「見てっ…本当に何かあったのかも…」

真姫「…ねぇ…どうする?」

花陽「何もないんじゃないかな…」

真姫「一応見てきた方がいいんじゃない?」

ことり「有事じゃないといいけど…」

海未「勘違いであることを祈りましょう…少し上の様子を見てきます」

花陽「…もし何かあったらどうするんですか?」

海未「どうするもなにも、元々は情報収集が目的でしたからしょうがないです」

ことり「そうだね…」
152: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:29:00.19 ID:G7Wtb/cy
真姫「一人じゃ危ないわ、私も行ってあげる。待つのも疲れたし」

海未「有難うございます」

ことり「私も行きたいっ」

花陽「花陽もですっ」

海未「すみませんが、私たちだけで大丈夫だと思いますので二人で行かせて貰います」

真姫「大人数でいってもしょうがないし、後からにこちゃん達も来るから待っててあげて。」

花陽「わかった、皆が来るもんね」

ことり「じゃあ、かよちゃんとお話してるねっ」

海未「はい…待っててください。上まで見てきますから」

真姫「行ってくるわね」フリフリ

海未「では二人供ここで待っていてください。無いとは思いますが、もし避難指示のようなものが出た場合は早急に逃げてください」

ことり「海未ちゃん達がまだいるのにそんなこと出来ないよ」
153: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:29:21.20 ID:G7Wtb/cy
花陽「私達の事は気にしなくてもいいよ」

海未「しかし…」

花陽「後から凛ちゃん達も来るし大丈夫」

ことり「そんな危ないことはしないし、それに何もないんじゃない?海未ちゃん」

海未「…」

真姫「私はそれでいいわよ。心配しなくても二人なら臨機応変に対応できるんじゃない?」

海未「…危険な事はしないで下さいね。では、」

ことり「気を付けてね」

花陽「また後で~」


花陽「…行っちゃいましたね」

ことり「お話でもしてよっか」
ことり「かよちゃんはいつからアイドル好きなの?」

花陽「小さい頃からです、キラキラしててとっても素敵だから憧れちゃいます」
154: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:30:09.48 ID:G7Wtb/cy
ことり「そうだよね、今はARISEかなり人気だしね」

花陽「はい、ここの有料入場券の倍率、凄かったらしいですよっ」

ことり「そうなんだぁ……。そういえばさ、能力者って数年前位かな?出てきたの」

花陽「はい…凛ちゃんも中学生のころに発覚しました。」
花陽「ある日一緒に走ってたらいつの間にかものすごく遠くへ行っちゃってて…」

ことり「そうなんだ~海未ちゃんもn──────

「「>♪~<」」

「ARISEの今回のイベントは誠に申し訳ありませんが、急遽中止とさせていただきます」
「払い戻し等については後程インターネット上に掲載する予定です」
「代替措置については必ずご用意させていただきますので、速やかにお帰りください。」
155: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:30:30.25 ID:G7Wtb/cy
ザッ

ツバサ「当グループARISEからも謝罪させていただきます」
ツバサ「今回の件については必ず後で埋め合わせいたしますので今回はどうかお帰りください」

ツバサさ~ん  キャー     ダイテー       

花陽「ツバサさんが出てきた?」

ことり「やっぱり、何かあったのかな…」

花陽「うん…」

ことり「海未ちゃんたち頑張ってるんだし、私たちもここで待ってないと」

花陽「そうだね」

「あちらのエレベーターか階段からお降りください」

キャー   アクシュシテー

ツバサ「とりあえず避難してからと言うことでいいかしら」ウインク

コッチミタワ  キャー     ハイッ
156: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:30:59.29 ID:G7Wtb/cy
花陽「見つかったら注意されちゃいますっ」

ことり「ここに隠れられるかも」ゴソゴソ

キャー

ツバサ「こっちに来てくれる?」

ドコマデモッ カッコイイー   ツイテキマス


───────────────

海未と真姫の二人は各階を確認し、歓談しながら階段を上へ上へと駆け上がっていく。

真姫「所で、海未は何か持ってきたりしたの?」

海未「はい。真剣というわけには行きませんでしたが」チラ

真姫「木刀ね、あのグローブは?」

海未「さすがに木刀では使えないと思いましたので」

真姫「…まぁそうね」
157: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:31:18.39 ID:G7Wtb/cy
真姫「あれ、海未の能力ってなんだっけ?」

海未「身体感覚能力上昇ですよ」

真姫「早口言葉?それ。」

海未「ちがいますよ、五感と筋力反射神経もろもろが上がるんです」

真姫「そうなの」チラ「……この階も何もないわ」

海未「今のところ特に変わった場所はないですね」

真姫「いい調子だわ」

海未「何も無いといいのですが…」
海未「所で、凛と花陽とは仲がいいんですか?」

真姫「なんで?」

海未「一年生ですし、よく会うのではと思いまして」

真姫「…まぁそうね」

海未「ふむ……この階は…」
海未「ちょっと見てください」チョイチョイ
158: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:32:03.08 ID:G7Wtb/cy
真姫「何?……ハァ…案の定ね、行きましょ」テクテク

海未「見つけて良かったと言った方が良いのか、悪いのか…」扉バタ

彼女らが踏み入れた先は一般的なオフィス。

パソコン等がのった長方形の白い机が適度な感覚を開け、碁盤目状に並んでいる。天井の散水機からは水が霧状に放出され、デスクの上に散乱していた書類は水でにじむ。
オフィスチェアは無造作に倒れ、足のローラーがカラカラと音を立てていた。

海未「スプリンクラーが作動してるようですね」キョロ

真姫「結構ぬれるものね…これ、止まらないの?」ピチャ

海未「どうでしょうね、いつかは止まると思いますが」

真姫「あれ?誰もいない?」
159: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:32:27.61 ID:G7Wtb/cy
海未「…いや、奥にいますよ」

奥、窓際では淡い青色の仮面をつけた女がこちらを向いていた。
その仮面は顔全体を隠し、どこか冷徹な印象を抱かせる。


「…」

真姫「かなりの不審者ね…」グッ

海未「目的は情報収集ですよ真姫」

真姫「…大丈夫よ」

海未「何をしてるんですか?」


女は無言で濡れた手を二人に向けて振り払うと、親指ほどの氷塊が指先一本一本からとんだ。


真姫「氷?」ボッ


それらを真姫は能力による炎を放出して受け止める。


真姫「いきなり、なによ」

「…」

海未「話す気は無いようですね。どうしましょうか」
160: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:33:47.43 ID:G7Wtb/cy
真姫「やるしか無いんじゃない?」
真姫「……私と相性が良いと思うわ、行かせて」

仮面女は水を手にまとわせて氷塊を放つ。

海未「隙を見て私が攻撃します」サッ


_______

様子見で真姫はジャブとばかりに炎を放つが、仮面女が手をかざすとその火は消える。


真姫(手周囲の温度を下げたのかしら、連続してやってみる?)


今度は3回ほど連続して両手から交互に炎を撃つ、右手で胴、胴、最後に頭へと目がけて。
161: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:34:07.68 ID:G7Wtb/cy
それに対して、仮面女は一撃目の炎を手で殺し、

二撃目は手のうちに氷を形成し炎へとぶつける、溶解熱を利用して消滅…
白い靄が上がる。

「…」ボワッ

「…」タタッ
徐々に真姫と距離を詰める仮面女は、最後の炎を左前へと上体をそらして回避、

「…」サッ
一歩進み踏み込んでから、右手で真姫の首をつかまんとするが

海未「真姫っ」

海未の木刀がそれを阻み、真姫はとっさに首へと微かな違和感を感じたために後ろへと下がる。
162: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:34:32.69 ID:G7Wtb/cy
真姫「ごめん…ちょっと休ませて…」
首をおさえながら真姫は比較的離れたオフィスの椅子へと向かった。

海未「大丈夫です、任せてください」
海未「…さて、私に代わりましたが今だ話す気は?」

「……。」
その問いにもあくまで答えず。

海未「それは…?」
気が付くと仮面女の真っ直ぐに揃えられた両手の指先では、氷が半透明のパルチザン尖端を形成していた。

海未「…」
海未「…それでは行かせて頂きます」
窓際に不敵に立つ仮面女を見据え、両手で持った木剣を斜めに構えた。
海未「…」サ
163: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:34:52.14 ID:G7Wtb/cy
海未「……」ブン

海未は木刀を振り上げ、大ぶりな軌道を描いて女へと正面から振るう。
もちろん女は討たれるわけもなく、片手で受け流し、

もう片方の氷剣で海未に反撃。
「…」シュッ

海未はその行動を予測していたようで、刀剣でいなす。
氷と木がぶつかるガギンという鈍い音が響き。
仮面女は氷の礫を徐々に戦術へと織り交ぜていく─────
164: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:35:33.48 ID:G7Wtb/cy

……




パソコンや書類が並ぶ中、
拮抗した実力の斬撃をお互いに繰り返し、切り合う。だが、やはり繰り返される氷塊による手数でのアドバンテージか、海未は力では多少勝っているものの押され気味である。

「…」ブンッ

海未「…ッ」ギリギリ

そのため戦闘の最中、海未は女の指先から氷が飛ぶたびに後ろへと下がりながら戦うしかなかった。

海未(…このままでは不味い、)
165: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:35:53.19 ID:G7Wtb/cy
海未「…」ブゥン

「…」ガギッ

「…」シュッ ヒュン

海未(また氷の礫…)サッ

海未「うっ」ゴン

気付けは背後にガラス壁が迫っており、海未はこれ以上下がることは叶わない状態に。。。

「…」ヒョイ

それを見て、仮面女は地面に落ちていたペットボトルをさっと拾い上げる。
そして手に持ち仮面女は、
海未へ、ペットボトルと氷塊とで左右に分けて同時に投げた。

海未(子供騙しですか?)ブン
それを海未はペットボトルの方向へと避けて、刀で分断。
「(…かかったわね)」
166: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:37:04.60 ID:G7Wtb/cy
海未の木刀の圧力に耐えきれず、ペットボトルが内容物を吹き出す。

海未「…」ビシャッ
そのため、中身の液体がこぼれ出て海未の顔にあたる。

「…」スッ
そこに女がすぐさま近より、顔にさっと手をかざすと、顔面の液体が凍り始めて海未の視界を奪う。

海未(冷たいッッ、顔全体の感覚が有りませんっ)パキパキ

「」ニヤリ
防御力。諸々が下がった海未の身体へ、仮面女は半回転して渾身の後ろ回し蹴りを腹部へと食らわせる。

海未「うぐっ」ドスッ
腹への衝撃を受けた海未は、うめき声を上げて体をくの字に曲げる。

「ダスビダーニャ…」ググッ

海未「…このっ」ギロッ
167: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:37:19.85 ID:G7Wtb/cy
海未は蹴られた勢いで、手足を前に向けながら、
「…」ズンッ

海未「…うぁっ」パリイイィィィン
背中からガラスを突き破って、外へ飛び出る!

真姫「…海未っ!?」
奥に下がっていた真姫は派手なガラスの割れる音に何事かと顔を上げ、この状況を確認するように叫ぶ


海未「…っ」
真姫の叫びとガラスの割れる音を聞きながらビル高層階より、中空へと放り出された海未は、

「……」フッ
重力に従ってガラスと水滴を伴って、なすすべもなく回転するように地面へと落ちていった…
海未「…」パラ…パラ……
168: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:38:11.45 ID:G7Wtb/cy
第8話「相手は誰だ?」中編


真姫が派手な音に何が起きたか、と面をあげると奥のガラス壁が大きく割れており、そばには仮面女。

真姫「海未はっ!?」
しかし、そこいたはずの海未の姿はなかった。

真姫「…」
真姫は少し首をさすったあとに女へと駆け、あえて使っていなかったムチを取り出してふるった。

真姫「…焼き切ってあげる」ブンッ

女は手の氷剣で受けとめたようとしたが、ムチによって溶け切れてしまう。が、瞬間に気づいた女はムチをかわしきる。
すぐさま下がってから氷を幾つか放ち、真姫はそれを溶かし切る。
169: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:38:30.29 ID:G7Wtb/cy
そのあとすぐさま真姫のムチによる連撃。
真姫「効かないわよっ!」ビュンッ
「…」サッ

真姫「くらいなさいっ」シュルッ
「…っ」サ

真姫「…このっ」シュ
「…」サッ

真姫「ちょこまかと…」シュッ
「(鬱陶しいわね…)」サ

真姫「ふっ」ブンッ
「(アブなっ)」…サッ

真姫の攻撃を回避する以外の方法が見当たらない女は、段々とフロアにおいてある机を横目にしながら奥へ追い詰められていく。

真姫にとっては良いことに、対処法が見つからない以上、仮面女はどこかのタイミングで鞭に焼切られてしまうのは明白だった

真姫「ふんッ」ビュ
「…」ゴンッ
171: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:39:28.69 ID:G7Wtb/cy
真姫「何よそ見してんのよっ!」
「…」アブナッ

「…これは……」
(ゴルフクラブ……鉄製の棒ね…)

「…」ニヤ

真姫「…」シュッ
「…」ヒラリ

真姫「…は?」シュルッ
そして女は奥にあったゴルフバッグからクラブをとりだし、それを手のひらでしっかりと握りしめると────
真姫「無理よっ!」ビュッ

真姫のムチを受けた

「…」フ
そのクラブは溶ける事はなく、ムチはクラブにしっかり巻き付いてしまう
真姫「えっ!?」

「…」シュルル
女がクラブを引くとムチは真姫の手から離れていく
真姫「あっ…」
172: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:39:56.06 ID:G7Wtb/cy
「…」ダッ
直ぐに女は剣を生成すると真姫へと迫って切り上げ

真姫「」サ
真姫はすんでの所でかわす、

真姫(…鞭がなくなった今、近付いて戦ったら負けしかない。隠れるか距離をとらないと…)

真姫(でも能力を使おうにも、もう体力がない…)

「…」ズ…

真姫(これは…厳しいわね……)


─────────


ことり「私たち以外、お客さん全員避難したっぽいね」

花陽「良かったです~」

避難指示にしたがわないために、ロビーの端の椅子がまとめて置いてある場所へと隠れたことぱな。

花陽「あっちの方から誰か来ましたっ」サッ


英玲奈「あんじゅ、我々も帰るぞ」カツカツ

あんじゅ「え~、私たちはいいんじゃない?」コッコッ
173: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:40:44.23 ID:G7Wtb/cy
英玲奈「本部に連絡はしたんだから、でしゃばる必要はない」

あんじゅ「でも直ぐ終わらせられると思うんだけど…」

ことり(終わらせる?)

英玲奈「そういう問題じゃないんだ、あんじゅ」

あんじゅ「行かないの?」

英玲奈「行って我々が能力を使っているところを写真にでも撮られたらどうするんだ」

あんじゅ「そんなこと無いって、」

花陽(二人とも能力者だったんですかっ!?)ガタッ
ことり(かよちゃんっ静かに!)

英玲奈「…この前似たような状況があっただろう忘れたのか?」

あんじゅ「あったの?……ねぇエレナ」チラ
あんじゅ「…今何か動かなかった?」

ことり(みられてたの!?)
花陽(はうぅー、ごめんなさい)

英玲奈「そうか?、て言うか状況については覚えていないのか」
174: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:41:07.67 ID:G7Wtb/cy
あんじゅ「椅子の所、見てくるわね」トコ

英玲奈「はぁ」

花陽(不味いですうぅ)
ことり(花陽ちゃん大丈夫だって、安心してよ)

英玲奈「一応見といてくれ」

あんじゅ「たしかこの裏側らへん」カツカツ

花陽(こっちに来ましたっ)ドキドキ
ことり(ばれちゃうっ)ハラハラ

あんじゅ「…ここかn─── ガバt

花陽(ばれましたっ…)ガクブル
ことり(ごめんなさいぃ)ヒィ

英玲奈「…おい!」
英玲奈「…まさか、なし崩しに上階に行こうとしてないよな?」

花陽(まだ、みられてない!?)
ことり(はやくあっちに行ってー)

あんじゅ「フフ、そんなわけないじゃない」

英玲奈「じゃあ戻ってこい、確認なんてしなくていい。普通に考えて危険な場所にとどまる理由なんてない」

あんじゅ「それもそうね、じゃあ階段で上へ…」

英玲奈「ダメだ、行ったらあいつの思う壺だ、放っておけ」

あんじゅ「相変わらずロボットみたいに堅物ねエレナは」

英玲奈「余計なお世話だ、ツバサも待ってるんだ。エレベーターにのれ、行くぞ」ピッ

あんじゅ「はいはい」テクテク

花陽(はい、セーフ)
ことり(よかったあぁ)

英玲奈「ツバサもファンに囲まれて大変だな」

あんじゅ「本望じゃない?」フフ
175: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:41:55.88 ID:G7Wtb/cy
花陽(死ぬかとおもった…)
ことり(…寿命が縮んじゃったよ)

英玲奈「一階で良いな?」pi

あんじゅ「ええ」



ことり「エレベーターで行ったね」

花陽「良かったです。でも、あのARISEのお二人が能力者だったとは」

ことり「ツバサさんも能力者だったりして」

花陽「ありえるかも…」

ことり「でも、能力者って知れたことはかなりの大きいねっ」

花陽「うん、普通の人は誰も知らないと思うよ。ARISEの秘密が知れて嬉しいですっ」

ことり「…上に行ったけど海未ちゃん達大丈夫かな」

花陽「心配だよね」

ことり「上に行くわけにも行かないし……ッ」チラ

花陽「待つしかないですね……?…さっき窓の外に何か。…どうしたの?ことりちゃん」
176: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:42:18.77 ID:G7Wtb/cy
ことり「…う……ち…」パクパク

花陽「今窓でちらっと落ちていったやつ?」

ことり「…う……み…ちゃん、う…海未ちゃんっ」

ことり「海……未ちゃん…が落ちて…いった」

花陽「エエッ!?海未ちゃんがオチテイッチャッタノオ?」

ことり「…早く下に行かなきゃっ!」

花陽「私もついてきますっ」


階段へと急いで、駆け下りていく二人

花陽(真姫ちゃんは大丈夫かな…凛ちゃんたちに伝えとかないと)タッタッ

ことり「うみちゃん…うみちゃん…」タッタッ

花陽「…下からだれか来てます」

ことり「だれっ?」

花陽「…」ゴク…
177: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:43:04.70 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「おおっ!ことりちゃん、花陽ちゃんっ来たよっ!」バッ

ことり「ハノケチェン?」

にこ「急いでるみたいだけど、どうしたの?」

凛「なんか今日ライブ中止みたいだったけど来ちゃったにゃー」

ことり「海未ちゃんが…下に落ちてっちゃった…」

穂乃果「海未ちゃんが!?」

にこ「…なにかあったわね」

花陽「それでっ真姫ちゃんもまだ上にいて…」

凛「えっ真姫ちゃんも?!ほら早くっ」

穂乃果「真姫ちゃんは見てくるから…海未ちゃんの事よろしくっ!!」

にこ「早く行くわよっ」ダッ

───────
178: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:43:30.60 ID:G7Wtb/cy
────浮遊感

…まさか外に

海未は体をビルへと向けながら落下し、窓際に立つ仮面女を呆然と見据えることしか出来ずに下へと落ちていく。

こう地面と放れていては、…録な受け身とかはさすがに取れませんね…ハハ……

重力に従って落ちていく海未。

その体はいつのまにかビル下部を囲むように発生していた濃霧へと、飲み込まれていった。


──────バァンッ

「…っぐ」
海未は背中に強い衝撃を感じ、

「うぅ…」
「……痛…これは車の上に落ちたんですか?」

屋根がへこんで少しだけクッションになったようですね

(それにこれは霧…ですか)
車の上に仰向けになりながら、ぼんやりと白くなっている身の周りを見渡す。
179: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:44:30.23 ID:G7Wtb/cy
(不穏な空気です。起き上がらないと)
「はっ…────ズキ
「…」
「動くのは厳しそうですね…」

海未「…」



花陽「おーい」

ことり「うみちゃん居たら返事してー」

海未「!…」

花陽「うみちゃーん」

海未「ここです!、」

この霧の中でことりは見通しの悪いなか、ビル横に路上駐車している中型車の上に海未を見つけた。

ことり「うみちゃあぁ~ん、よかったよぉ」

花陽「無事でなによりです」

海未「ありがとうございます」
180: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:44:52.84 ID:G7Wtb/cy
花陽「落ちてくるのが見えて、来ました」

海未「女に蹴りおとされて……。…はっ真姫がまだ上に…」

ことり「凛ちゃん達が確認しに行ってくれたよ。大丈夫」

海未「なら良いのですが」

ことり「海未ちゃん大丈夫?」

海未「…背中を強く打ち付けました、」

ことり「痛そう、視界も悪いし、ことり達今何処にいるか分からないよ」
ことり「…この霧何だろうね?」

海未「ここに来た時は霧なんて有りませんでしたよね。それに今の時間帯にも場所的にも、かなり不自然」

花陽「私は霧は見えるけど、その感覚はないから、たぶん能力者の影響だと…」

海未「ここでも能力者、全くどうなっているんですか」

ことり「…じゃあ、海未ちゃんとりあえず、ここから移動しよう」

海未「そうですね、少し手伝ってくれませんか…」

花陽「もちろんですっ」
181: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:45:57.80 ID:G7Wtb/cy
───────


真姫「…クッ」

「…」テク…

真姫「…やるならやりなさいよ」

「……威勢がいいわね」コォォォォ…
「…」♪ボルシチ~♪
「…あ」

「…ちょと静かにしてくれない?」


「何?」pi

『うちは順調やけど、そっちはどうなん?』

「上々よ、」チラ

『それなら良かったわ。……誰かにあったりした?』

「……二人会ったわ、一人はビルから外に蹴飛ばしてやったけど」

『ちょっ、…』

「能力者なんだし、そのくらい大丈夫でしょ」

『っ大丈夫なわけないやろ!?…。』

「私は別にそれでもいいけどね」

『はぁ…亜里沙ちゃんのことがあって必死なのは分かる、でもな。その人関係ないやん』
『冷静になるんや。急いでどうってなるもんでもないやろ…見境なさすぎや』

「五月蠅いわね、私の勝手でしょ…。」タンタン
「…また誰か来たみたい……もう切るわよ?」

『…まって…確認や、うちが合図を出せばいいんやっけ?』

「そうよ、」pi
「さぁ、お次は誰が来るのかしらね…」

真姫「凛っ?!」
182: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:46:25.59 ID:G7Wtb/cy
にこ、穂乃果よりも速く移動できる凛は、ことぱな の話を聞いてからは全力疾走。
二人よりも速く目的の二人がいるはずの階へと足を踏み入れた。

凛「まきちゃーん」ぱっ

真姫「…ふ」ググ…

凛が目にしたのは壁際で足を氷漬けにされて身動きがとれなくなっている真姫だった。
この様子を見ると、体力を使い果たし能力を使用するエネルギーも無いように思えた

「お仲間かしら?」

その向かいには仮面の女が細長く、氷で出来た棒状の大きな矢じりを右手に構えていた。
長さは一メートルほどで、氷塊の両端は鋭くとがり、先端は真姫の方向を向く。

凛「真姫ちゃんになにしてるのっ」シュイン
それを見て直ぐに女の方へと素早く迫ってタックル

「この子も能力者?」
凛からのタックルを受け氷槍を手から放してしまうが女は倒れる事はなく、そのまま氷剣を形成し、すぐさま近距離で凛に切りつける。

「氷の剣?」サッ
それを凛は直ぐに後ろへと下がり避け、
183: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:47:40.60 ID:G7Wtb/cy
真姫「凛…あまりスピードは出しすぎないで…」

凛「まきちゃんっ大丈夫?」

真姫「まぁまぁよ、ねぇ…凛。高速移動で水に当たったらまずいわよ」

凛「何となくわかった、任せて!」
真姫からのアドバイスを受けて攻撃態勢になる凛、最低限のスピードで女へと迫って正面から顔面を殴る、
凛「…」シュッ

「…」パキッ
女は一瞬、濡れていた仮面表面の水を凍らせて迫る拳に合わせて滑るようにさけ、

「…」シュッ
凛の顔へ直ぐ殴り返すが避けられる。
凛「あたんないよっ」サッ


攻撃に当たらない為と様子を見るために、距離を取る凛。
女は距離が出来た所で氷を放ち、飛び放たれた氷塊を凛は身を低くしてよける。
そして標的を逃した塊は、後ろの壁へとめり込む。

─────ビシビシッ

凛「このっ」ピョンッ

凛はさっきの身を低くしたままの体勢で、女へと正面から迫り、両腕で胴にしがみつくッ
そしてそのまま一緒に女の後方に倒れ、動きを封じこむっ!

「」バタン

凛は女の体を腕で固定したまま、倒れた女の頭の先にある机の引き出しへ頭部を叩きつけようと足で地面を蹴る。
184: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:48:09.73 ID:G7Wtb/cy
「…」ググ…

頭上へ動かされた女は、凛の腕と自分の体の間へと手を潜り込ませて体を捕らえている腕をはがすように上へと押し上げるッ

すると仮面女は凛の拘束から抜け出し、体を転がすようにして脱出!

女は立ち上がるとさっと右手に剣を形成し、立ち上がりきれていない凛へと一気に寄る。

凛「う…」ヨロッ

しかし距離が近づいた所で、凛が狙っていたのか屈んでいた高速の足払いが女のくるぶしに命中して上体が傾くッッッ!

「…」グラッ

横へころんだ拍子に女はとっさに右手で倒れ込んだ受け身をとるが、
そこへ立ち上がった凛が迫り、下向きの腹へと思い切り蹴りあげた!

「うっ」

女は腹を蹴られ上半身が上へとぐらつき、小さなうめき声をあげる。

凛「このっ」バッ

そのまま凛は後ろから羽交い締めにしようとし掴みかかる!
が、わき腹を女の右肘で突かれてしまい、伸びた手を引っ込め少しだけ距離をとった──────

「…」サッ

立ち上がった女は机の上に置き去りにしてあった鉄製の水筒を左手に持って、蓋を外す。

凛「何するのっ!?」

女は空いた水筒を手に持ったまま身構えていた凛へと走って右手で殴りかかり、凛が横へ避けた所に液体を掛けて足付近を凍らせ、

「…」ビシャッ

凛「…あっ!」

凛の少しの拘束時間に女はフロア奥へと駆け出し、奥へ駆けていくと通路の横に曲がって姿が見えなくなる。

「待つにゃ!」??

いつの間にかシャワーのような音はなくなっており、スプリンクラーからの放水はとまっていた。
その中で凛はスピードをだんだんと高めながら、女を追いかける。
185: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:48:36.06 ID:G7Wtb/cy
─────────


ことり「うみちゃん肩を貸すからっ、ほら」
花陽「気にし無くていいですよ」
海未「…ありがとうございます」

車の上で横の状態になっていた海未は、ことり、花陽の肩へと両腕を回して場所を移動しようと動き出していた。

海未「しかし、この霧ではどちらの方向に進んでいるのかわかりませんね」

花陽「なんかぐるぐる回っているような」

ことり「風も結構強いのに霧は晴れないし…」

海未「どこかで行動を変える必要がありそうですね」

ことり「ねぇ…あそこになんか高くて白いのが見えない?動いてるような」

花陽「ぼんやりとですが見えますっ」

海未「あれは…?……霧を巻き込んだ竜巻ですっ!速く逃げましょう」

ことり「竜巻っ!?」

花陽「…」

ことり「花陽ちゃんどうしたの?」
186: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:48:55.18 ID:G7Wtb/cy
花陽「あっちの方向に行ってきます」

海未「何故?」

花陽「能力耐性があるので…この霧も関係してると思うから、近くに行ってきて調べてきますっ」

海未「そんなの危険です。逃げましょう」

花陽「能力者耐性があるから大丈夫ですっ行かせて下さいっ」

花陽「…」ジ

海未「………耐性ですか…無理しないで下さいね、」

ことり「何かあったら直ぐに戻って来てね」

花陽「はい、見てくるので、怪我もしてるし先に逃げててください」

海未「申し訳ありません」

ことり「気を付けてねっ」
187: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:49:29.49 ID:G7Wtb/cy


海未「竜巻とは逆に進んだものの、霧が全く晴れませんね」

ことり「先もあい変わらず見えないし」

海未「…視程も短か過ぎます。」

ことり「そういえば怪我大丈夫?」

海未「さっきまでかなり痛かったのですが、段々治ってきた気がします」

ことり「よかったぁ、そんなに酷くなかったのかな?」

海未「あれで軽いという印象は受けませんでしたがね…」

ことり「本当に大丈夫なの?」

海未「…ことりといれば、あんな傷大したことありません」

ことり「うみちゃ~ん」ギュッ

海未「す、少し痛いですよ、ことり//」

ことり「えへへ、ごめんねっ」

海未「…また風が……今までよりも強くなっている気がしませんか?」ビュオォ

ことり「確かにそうかも」
188: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:49:52.80 ID:G7Wtb/cy
二人が歩いていく中、ことりはついと前方へ目を凝らした。
すると、漂う霧の中に黒い人形のシルエットが見え、
段々こちらへと近づいてくるのに気が付く

ことり「うみちゃんっ」
ことりの海未を掴む力が少しだけ強くなる。

海未「様子を見ましょう」

海未もそちらへ目を向けると、霧の奥にある怪しげなシルエットの輪郭が少しずつはっきりし、ユラリと姿を表す。

「なぁ、用事があるんやけど」

現れた人物は顔にピエロの面をかぶり、紫色の髪は後ろで二つに大きく分けて結んでいた。

海未「…何ですかっ」

ことり「…」ゴク

「…頭にトサカがついてる子、ちょっとついてきて貰うで」

海未「ことりのことですかっ?」

ことり「…なんで?」

「なんでもや」

ことり「…え?」
ことり「理由を教えて欲しいです♪」

海未「絶対に渡しませんよ、力ずくでも…」ギラッ
189: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:50:39.66 ID:G7Wtb/cy
「えー、うち痛い事とか嫌いなんよ」

海未「私も嫌いですがね」

「じゃあ渡してくれてもいいんやない?」

海未「…ダメです」

「……ふーん」

海未「では帰らせて頂きますので」

ことり「ごめんなさいっ♪」

「……帰れるん?」

海未「…この霧もあなたが?」

ことり「ほんと?」

「…まぁそうやね」
「どうするん?、…」

海未「ならば…やるしかありませんね」

ことり「うみちゃんっ、怪我は?…」
190: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:50:58.66 ID:G7Wtb/cy
海未「…今なら動けますよ」

ことり「ことりが闘うっ!」

海未「ことりに怪我させるわけにはいきません、身を低くして静かにしていてください」

ことり「でもっ────

「…行くよ?」

海未「では…」

脇に差した木刀を握り締めてから、地面を足で強く蹴りつけ超筋力で一気に斬りかかる。

しかし、迫る刀が女にふれる直前に海未の進行方向とは逆向きに突風が吹き、進む勢いが落ちる

結果、届くと想定していた刀の軌道は女のかなり手前を薙ぎ、当たらない。

「どこを狙ってるん?」
それに対して反撃する事なく、女は後ろへと下がると霧に隠れた。
191: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:51:43.56 ID:G7Wtb/cy
海未「消えた?」

海未は周りを見渡す。

海未「…」
海未「ぐっ」ドス
わき腹をふいに蹴られて体勢を崩し、蹴られた方向を見る。

海未「隠れて奇襲と、そう来ますか…」

海未(…五感上昇)
霧の中で目をつぶり、神経を張り巡らしていく。

海未「…」

海未「…」

───ビュオ

海未「ここですっ」ス
急激な風の流れの変化を肌で感じとり、その方角に刀をつきだす。

「えっ!?」グワン
海未の刀は女の胴をかなりの勢いで掠め、動揺を誘う。
192: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:52:10.60 ID:G7Wtb/cy
そこへ海未は突いた体勢のまま、刀を横に薙ぎ払い、女の横腹に当て、

「いった!」
女は鈍い痛みを感じ仮面の中の顔をしかめる。

逃げるように霧に隠れると、女は今度も様子をうかがうようだった

海未(…また隠れましたか、しかし迎え撃つだけです)

海未「…」

海未「…」

海未「…」(動きがない…)

海未「…」

海未「逃げましたか?」
立ち止まって音沙汰のない霧の中に問いかける。

(答えるわけないやろ。まぁ逃げてもいいんやけどね。本来の目的やないし…)

(でもこの状況で理事長の娘を見つけたんよ、こんな良い機会逃すのもなぁ)

(…うーん、普通に動いただけでも見つかりそうやね、やっぱり能力一気に使ってみるしかないかな。)

海未「まだ霧は晴れませんね…」
海未は霧の中にまだ女がいると推測し、また耳を澄ませる。
193: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:53:14.45 ID:G7Wtb/cy
海未「…」ジ

「は…」

───────ゴオオオオォォ…

海未「!」
その耳に轟音が聞こえるとたちまち猛烈な風が吹きすさび、

海未は身を低くして備える、

しかし今までとは桁違いの風量であり、今の海未に踏ん張るに足りる力はなかった。  
洋服の裾がたなびき、バサバサと音を立てる

海未「うぁっ」ヒュウ
海未は障害物のない中、
風によって盛大に後ろに吹き飛ばされ、体を大きく地面に打ち付けられる

海未「……」
見ると、落下地点で海未は未だ動いていないようだった。
ピエロ仮面の起こした切り札級の全力の風、その衝撃は海未が気絶するには十分であった。

「…これめちゃくちゃつかれるんよなぁ」ゼエゼエ

ことり「うみちゃんっ!、さっきのでも怪我してたのに…また。…ひどいよっ」タッタッ

「ごめんなぁ…うちもやることがあるんよ。」
「約束は約束やし、ついて来てもらうよ、とさかちゃん」
194: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:53:35.90 ID:G7Wtb/cy
ことり「そんなの知らないっ」

「これはあんたのためにもなるんよ?」

ことり「イヤだよっ」

「はぁ…」
「眠っといてや」
女はことりの鳩尾に下突きを打つ。

ことり「」ドサッ
女はことりを抱えあげ、
意識をなくし力の抜けた四肢を支えながら、地面に横たわる海未のそばを通りすぎていく。

「…たまたま霧展開しとったからよかったものの、なかったらやられ─────

花陽「待って下さいっ!」

「ん?…」
「さっきの竜巻の方から来た子やん、どうしたん?」

花陽「…その抱えている女の子です、どうするつもりですか?」

「え?倒れてたから助けてあげようと…」
195: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:54:24.40 ID:G7Wtb/cy
花陽「…じゃあ、もう一人女の子近くにいまたと思うんですけどその子は助けないんですか?」

「他にもいたん?…はは」

花陽「あの、その子私が助けるので気にしなくてもいいですよ?」

「えーでもせっかく見つけたんだし、うちが助けたいな」

花陽「私こっちに来れたのは結構大きい風音が聞こえたからで…もしかして竜巻とか起きたのはあなたのせいですか?」

「どうやろなぁ?」
(能力使って逃げようにもさっきのでかなり体力消耗したし、なんとかできないんかな)

花陽「…もし、ここで私に渡してくれたらこのことは黙っていてあげます」

「脅してるん?」

花陽「いや、私はその子を返してほしいだけで…」

「うーん…」

「でも、…そんなことしたくないんよな」ビュオッ
残り少ない体力を消費して、花陽に強めの風を吹かせる
196: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:54:47.30 ID:G7Wtb/cy
花陽が後ろへ転倒するだろうとおもい、
女はその隙をついて逃げ出す体勢をとったが…

「え?」

花陽「今、何かしました?」

(風、効いてないん?)
「……いや、なんもしとらんよ。」

花陽「でも今、能力使いましたか?」

「…ん、まぁ」

花陽「じゃあ私には効きませんよ」

「どんな能力なん?」

花陽「教えませんっ、ていうか早くことりちゃんを放して下さい」

「そんな悪役みたいに…うちべつにこの子に悪いことなんてせんよ」
「ちょっとだけ預かりたいってことで、な?」

花陽「ダメですっ!」

「じゃあ、あんたは何でUTXに来たん?」

花陽「いきなりなんですか?」
197: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:55:35.48 ID:G7Wtb/cy
「いいから、いいから」
「言ったらこの子放してあげるかもしれんよ?、うちとバトルとか嫌やろ?」

花陽「放してくれるなら……。」

「うちに話して」

花泉「うーん……実はUTXの事を、ライブついでに調べに来たんです」
花陽「でもA-RISEのライブが無くなっちゃって……。…ほら話しましたよ?」

「ふーん、うちも実はUTXに用事があってここに来てるんよ」

花陽「ほんとですか!?」

「そうそう、で。うちらとあんたらの目的は多分同じ方向を向いてる気がするんよ」

花陽「それで、なんですか?」

「だからこの子を預からせて欲しいと」

花陽「ダメに決まってますっ」

(まぁダメよなぁ)

花陽「私、ことりちゃんを返して貰うためなら…」ズ…

「あぁっ!。待って待って、うちが悪かったわ」
198: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:55:53.31 ID:G7Wtb/cy
花陽「…分かってくれるならいいです」

(もう風はおこせそうにないし…闘う体力もさっきので尽きちゃったしなぁ)
「ごめんな、この子は返すんよ」スッ

花陽「良かったです、ありがとうございます」

「別にいいんよ」
(この状態で捕まるよりはましや)

花陽「それでは」ペコリ

「ほな……でも、また会うような気がするんよ、そん時はよろしくな」

花陽「…えっ?会うんですか?」

「そうやな、案外すぐに会うかもしれへん」

花陽「そうなんですか…」

「んー…あんま気にせんでいいよ、じゃ」

(はーぁ疲れたぁ、少し休憩したら予定通り迎えにいこかな)


─────────
199: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:56:53.07 ID:G7Wtb/cy
にこ「ちょっとまちなさいっ穂乃果。行きすぎ、多分ここの階よ」

穂乃果「通り過ぎちゃった?、ここだねっ」

にこ「そうよ」

穂乃果「扉、開けるよ?」

にこ「早くしなさい」

穂乃果「おーい!」バタン

扉を開けると真姫が壁際に屈んで、何やら足に手を当てていた。
足には氷の塊が付着しており、足首に手を当てて溶かしているようだった

穂乃果「真姫ちゃんっ、足凍ってるの!?」

にこ「能力者?」

真姫「ええ、足を氷で拘束されちゃったから、溶かしてるの」

穂乃果「凛ちゃんは!?」

真姫「凛が途中で助けに来てくれたんだけど奥の方に行っちゃったわ、一応見てきてあげて」
200: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:57:18.62 ID:G7Wtb/cy
にこ「わかったわ」

穂乃果「真姫ちゃんはいいの?」

真姫「私はもうちょっとで多分終わるから行ってて」

にこ「あっちの方?」

真姫「そう、走って言ったわ」

穂乃果「良しっ、行こう!」

穂乃果「ここを左に曲がったっぽいね」

にこ「所々、壁床に氷とか水がついてない?ここら辺」

穂乃果「やっぱり能力者なのかなぁ」

にこ「さっき真姫が能力者って言ってたわよ?」

穂乃果「そうだっけ?」ハハ


『んしょ、んしょ……ああっ!…やっぱり動けないにゃーっ』

『おーいっ』

『近くに誰かいたら来てー…』

『…』

『…にゃあー』


にこ「いま凛の声聞こえなかった?」
201: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:58:07.46 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「私も聞こえたよ、近くにいる?」

『にゃあ~』

にこ「あっちのトイレの辺りから聞こえない?」

穂乃果「確かにそうかもっ!」

凛『にゃー…』

にこ「りんー、どこにいるの?ー」タッタッ

凛『あーにこちゃん来てくれたのっ!?、トイレにいるにゃー』

穂乃果「凛ちゃーんっ何かあったの?」オーイ

凛『穂乃果ちゃんもっ?冷たいから早く助けてー』

にこ「ここの女子トイレね、」

凛『真ん中の個室のなかだよ!」』

にこ「今行くわ」

凛『あと、中入ってもあんまり見てほしくないにゃ…』
202: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:58:30.31 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「どう言うこと?」

にこ「…ねぇ、個室の鍵閉まってるじゃないの」ガチャガチャ

凛「そんなー」

穂乃果「あっじゃあ、私がドア壊すよ。凛ちゃんちょっと気を付けてね」ザッ

凛「…気を付けるってな────

穂乃果「はっ」
トイレ個室から数歩離れたところで、穂乃果の手から個室のドアへ衝撃波が射出される。

バキィッ
扉が壊れる音が聞こえて破片が飛び散り、見事衝撃波は命中した。

にこ「……そういえば、個室に上から入れば良かったわね」

穂乃果「凛ちゃん大丈夫?」

凛「まぁ…」

にこはドアの真ん中の、穂乃果によって作られた大きな穴から中へ入る。

個室内はトイレットペーパーや壁に氷や水が付着しており、その上さっきのドアの欠片が床などに散乱していた。

凛はというと

にこ「…うん」

正面で膝をついて、両手を清みきった便器の氷の中に突っ込み動けなくなっていた。

その上、凛の体には穂乃果が壊したドアの破片がもろにふりかかっていたのである。

凛「…」
203: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:59:17.13 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「どう?……あっ…」
穂乃果「凛ちゃんごめんね…」

凛「別にいいよ…それより早くここから手を抜きたいんだけど」

にこ「ちょっと抜けそうにも無いわね…」

穂乃果「真姫ちゃん呼んでこよっか」

真姫「…皆こっちにいるのー?」

穂乃果「おおっ!」

凛「真姫ちゃんっ」

にこ「凛が氷で動けなくなっちゃったの、溶かしてあげて」

凛「はやくー!」

真姫「分かったわよ、」

にこ「ドア壊れてるでしょ?そこにいるわよ」

真姫「ああ、あそこね」スッ

凛「ここだよっ」

真姫「凛、あれ?手が…」ジッ

真姫「……ドンマイよ。凛」b
204: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 02:59:35.94 ID:G7Wtb/cy
凛「そういうのいいにゃ」

真姫「…じゃあ溶かすけど…これ、結構時間かかるかもしれないわね」

凛「結構かかっちゃうの?」

真姫「まぁ待ってなさい」

にこ「そうだ、凛の追いかけて来た人って?」

凛「追いかけてたら、その人にこんな風に捕まっちゃって」
凛「そしたらまたトイレから出ていったと思う」

穂乃果「どんな人だったの?」

凛「仮面被ってたにゃ!」

にこ「なるほど他には?」

凛「あんまり覚えてないにゃー」

真姫「私も会ったけど、髪型はポニーテールだったわ」

穂乃果「仮面でポニーテールだね!」

にこ「まだいると思う?」
205: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:00:25.73 ID:G7Wtb/cy
凛「それは分からないなー、でもまだいるかも」

穂乃果「そっかー、」

真姫「じゃあ二人とも探して来たら?」

凛「しっかり見つけて懲らしめてほしいにゃ」

穂乃果「任せてよ!」

にこ「…じゃあ凛、真姫。探して来るわね。探しに行くわよ」タッ

穂乃果「にこちゃん了解だよっ!」ダッ

真姫「便器に手突っ込むなんてね…」

凛「わざとやった訳じゃないって…」

真姫「知ってるわよ」

凛「汚いよ、早く帰って手洗いたいにゃぁー」

真姫「でも、多分そんなに汚くなってないわよ?」

凛「本当?」
206: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:00:59.69 ID:G7Wtb/cy
真姫「ここ作られたの最近みたいだし、そんなに汚れてないわ」

凛「でも使った人いるんじゃないの?」

真姫「掃除も行き届いてるみたいだし、気にしないでいいのよ」

凛「ほんとっ?」パアッ

真姫「もちろん」(保証はできないけどね…)

にこ「凛が仮面つけた女って言ってたけど、かなりイタくない?」

穂乃果「ん~仮面つけたくなる気持ちも分からなくもないけどね」

にこ「そういうの好きなの?」

穂乃果「まぁね。でも海未ちゃんも好きだよ、ああいうの」

にこ「意外とそういうとこあるのね」

にこ「…それで、どこいったのよ仮面の奴」
207: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:03:14.81 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「じゃあ、さっき来た道行ってみない?」

にこ「まぁ、どこというあても無いしね」

穂乃果「いるかな~?」ヒョイッ

にこ「いた?」

穂乃果「あの人かな…?」

にこ「……なるほど、凛から聞いた通りだわ…。仮面つけてるじゃない。ほらっ!穂乃果行くわよっ!」
208: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:04:35.01 ID:G7Wtb/cy
第9話「相手は誰だ?」後編



穂乃果達は通路を戻りながらあの女はどこかと探し…
今日最初に真姫に会ったルームとトイレの間にある通路の奥に、凛が言っていた仮面の女が見えた……


外 ~~
外 | |
外 | |
外 _| |
外 《トイレ》_ |
外 | |
外 | |
外 |ほ |
外[ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ に  ̄ ̄ ̄ ̄∫
外[ 面 ∫
外[____ _______ __∫
外 | | | |
~~ 《真姫Fi Co》


https://i.imgur.com/odcUOQX.jpg
1544803628-レス208-画像
209: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:05:50.30 ID:G7Wtb/cy
外の様子が見えるガラス壁を後にして、颯とほのにこに振り返る女…仮面の中の瞳が二人を捉える。

にこ「あいつね!」

穂乃果「間違いないよっ」

「…っ」ダッ

しかし、女はほのにこへ襲いかかると思いきや奥にある横へ進む通路へと足先を向けるが

穂乃果「逃がさないよっ」ブワッ

穂乃果は通路と女の足の間に衝撃波をすぐさま放ち、逃走を阻んで牽制!

「…」クル…

ならばと女は体の向きを変え、にこと穂乃果の間を俊敏に通り抜けようとする。

しかし

にこがすぐに反応、
両手の中指と薬指を折り曲げてそれ以外の指を伸ばす。

にこ「にこっ!」
ユラァ…

するとにこの身体の輪郭が揺らぐように見えた後、元あった体を真ん中の位置にして全く外見が同じのにこが二人現れ、

にこ「「逃げ道は塞がせてもらうわ!!」」ダンッ

仮面の女が通れる廊下のスペースを、ほのにこにこで封鎖する!
210: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:06:10.18 ID:G7Wtb/cy
女は逃走経路をふさがれ、少しだけ狼狽えるような様子を見せた。

穂乃果「いけるかな…」

その様子を見ながらジリジリと三人で横に並び、仮面の女に距離を詰めていく

それに伴いながら仮面の女はほのにこに向かいながら後ろをチラチラと見やり、窓際へ下がる

「…」ジリ…

女は3人と一定の距離を保ちながら後ろへと移動するが体は三人の方をむき、様子を用心深く観察する

仮面の女がほのにこに体を向けながら右手に、先ほど穂乃果に通過を阻まれた通路を通りすぎる。

にこ「今よっ穂乃果!」

穂乃果「うん!」
仮面の女が通路を通り過ぎ、逃げ道がなくなったところで穂乃果は右手を構え

─────フオオォッ

衝撃波が穂乃果の手から放たれると、女に向かった!
211: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:07:11.08 ID:G7Wtb/cy
「…」サ

女は衝撃波を右肩ギリギリ、すんでの所で体を傾けて避ける

だが、

にこ、2「「はっ」」バッ

衝撃波が女に一直線に向かったと同時に、
にこ、にこ2は地面を一斉に蹴りつけ、仮面女に飛びかかっていた。

「…」グ

しかし、その攻撃に対して、
女はにこが飛びかかってきた勢いを利用してそちらに足を上げ──────────

膝げりをかます!

にこ「うげっ」
もろに腹に食らったにこは呻き、少しの間動きが停滞…

にこ2「こっちもいるわよっ」ダッ

にこ2は、女がにこ対して行った膝蹴りの一連の動作を終える前

にこ2「はぁっ!」ブンッ

体勢が不安定な間に一気に迫り、女の顔面に右フックを振り抜く。

「フッ」ガシ

その視界の端で捉えた拳を仮面女は避けることは出来ずに、辛うじて左手を上げて腕の外側で顔面をガード!

だが殴られた多少の衝撃は、顔に伝わって仮面女の視界を揺らし

「…ック」グワン

穂乃果「食らえっ!」ゴオ

そこへ穂乃果が二発目の衝撃波を連続して撃つ。

女はその状態ではかわせず右肩に被弾、!、フラつくッッッ!!
212: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:07:29.56 ID:G7Wtb/cy
にこ「もらったっ!」ブンッ

そして先ほど受けた膝蹴りのダメージから、
立ち直っていたにこは、その隙を逃さずに仮面女の胴体に蹴りを入れ

にこ2「…」ガシッ
止めとして、移動していたのか…にこ2は後ろから羽交い締める。

仮面女は、にこ2に後ろから掴まれ、前にはにこ、と穂乃果。完全に拘束されたようだ。

穂乃果は女に近づき、女の左肩に右手を突きつける。
穂乃果「…」サッ

にこ「穂乃果、UTXについて何か知ってるのかも」

穂乃果「分かったよ!うん、…取り合えず。、UTXについて、何か知ってるんですか」

「…」
仮面の女はにこ2に掴まれた状態のまま動こうともせず、
…何もしゃべらない。
213: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:08:17.12 ID:G7Wtb/cy
そこでにこが女に問いかける。
にこ「…あんたがここで暴れてた理由は?」

「…」
これに対しても何も答えず。

穂乃果「…」

「…」

にこ「…もう仮面はずしちゃう?」

穂乃果「確かにそうだね」

にこ「はずすわよ?」

にこ「…」ト…
にこは女の付けている仮面の顎の部分に手をかけ、

穂乃果「…」ゴク
その手を手前に引き顔から離れる!!


と思った瞬間

────パッ
ビシャアアアァァッッッ!!!

女の背後にある窓越しに突然大きな雷が落ち

瞬刻、目が覚めるような光に階一帯が白く照らし出され雷鳴が鳴り響く

にこは突然の雷に驚くと共に、拘束する手を緩め、

穂乃果も同様に注意力が散漫になり、女への注意を逸らしてしまった

仮面の女はというと、
「…」ビク…
彼女自身も雷にビクッと一瞬だけ身体が反応する。
214: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:08:42.09 ID:G7Wtb/cy
しかし、
仮面の女は穂乃果とにこの一瞬の動揺を見逃さなかった

「…」サッ
雷鳴を合図かのように動き始め、しゃがむように、緩んでいたにこの拘束から抜け出す

にこ2「あっ」

穂乃果「にこちゃんっ」

「…」ヒュッ
女はしゃがんだ状態のまま振り向き様に、にこ2の腹に肘打ちを食らわせた

にこ2「…っ」

穂乃果「えいっ」ブン

穂乃果は逃さまいと女に殴りかかるが、あえなく避けられ

にこ「にがさないわよっ」グワッ

にこが飛びかかって、女に迫る

「…」
それを迎え撃ち にこに向かいあう女、
接近し互いに両手の平をあわせて指を絡めるようにつかみ合い
にこ「…ふぬぬぬ」ガシッ

「……」ググ

にこ「ぬぬぬ…」グググ
倒れぬようにと、両足に力を込め、踏ん張る!

にこ「……」グッググ

「…ふぬぬ……ふんっ」ブンッ
女と力を掛け合うが、体格差によって、にこは横の壁際に投げ出され、
にこ「って」ゴン
215: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:09:08.29 ID:G7Wtb/cy
にこを振り払った女は後ろの窓壁に向き直り、一気に駆け出すッッッ!!!
「…」ダッ


穂乃果「待てっ!」
穂乃果も同じ方向に駆けていく!


女は窓までの4メートルほどの距離をダッシュし、窓壁に当たる寸前に両腕をクロスするように顔前に掲げ、

「…」サッ

──────パリイイィィィン

女はその状態のままスピードをゆるめることなく、窓をぶち破って外に飛び出したッッッ!!!


「…」フワッ


にこの耳に、ガラスが割れる音が聞こえ、
にこ「…は?」

穂乃果「穂乃果もっ!!」ダン

穂乃果も追う様にして行動していたため、女と同じところから外にジャンプして飛び出し、

穂乃果「ハッ!」バッ

体を空中に投げ出した!!

にこ2「ちょっと!…あんた何やってんのよ!!」シュバッ

急いでにこ2は穂乃果の落ちかけている体の足首を、前にスライディングするように外に体を乗り出して掴む。

にこ「あぶなっ」ガシッ
216: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:09:26.84 ID:G7Wtb/cy
そして、にこは穂乃果を掴んだ「にこ2」の腰辺りをつかみ、

その姿勢のまま、ビルの内側へと力をかけるように足で踏ん張る。

にこ「…ふっ」ズリ…ズ……

穂乃果「落ちちゃうよっ!」

にこ2に足を捕まれながら、空中で頭を下にしてビルの側面で宙ぶらりんになる穂乃果。

にこ「あんたが勝手に落ちていったんでしょうがっ」

穂乃果「いやだってさ~、あんな自信満々に外に出てくから何かあると思うじゃん」プラプラ

にこ「確認してから外に出なさいよっ!」

穂乃果「確認してたら逃げられちゃうような気がしちゃって、」

にこ「実際もう逃げられちゃったじゃないっ」
217: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:10:11.33 ID:G7Wtb/cy
そうこうしているうちにずりずりと、にこは窓の外側へと吸い寄せられていく。

それに比例し穂乃果も段々と下に降りていく。

穂乃果「…それよりさ、早く引き上げてくれない?」

にこ「……ちょっと今考えてるから待ってて」

穂乃果「えっ!?、ほんとに落ちちゃうよーっ」

にこ「うっさいわね、引き上げるのって結構力いんのよっ」

穂乃果「うぅー」プラーン

にこ「…真姫と凛が来てくれれば、」

穂乃果「来たのっ?」

にこ「待ってるだけよ」

穂乃果「えぇー」

にこ「おとなしくしてなさい」

穂乃果「了解っ!」
218: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:10:35.89 ID:G7Wtb/cy
にこ(まずいわね、掴む力も段々なくなって来たし。っていうか真姫と凛早く来なさいよ)

にこ2の穂乃果の足を掴む手が、汗で少しずつ滑りはじめて来る。

穂乃果「まだ来ないの?」

にこ「まだよ」

にこ(うーん……そうだ、この状態なら使える?)

にこ「にっこにっこにー!!」

すると腰を掴むにこの右隣にまたも同じ外見のにこが一人ぼやぁと姿を現した。

穂乃果「ちょっと!にこちゃんふざけてる場合じゃないでしょ?」プンプン

にこ「こっち見えないでしょ?真面目にやってんのよ、待ってなさい」

すると先ほど現れたにこは二人がきた道を戻り、真姫、凛がいるトイレの方に急いで向かった。

にこ「穂乃果、そういえば女を追って出ていったけど、そいつどこ行ったか見えた?」

穂乃果「ごめん、外出たときには見えなくなっちゃってた」ハハ

にこ「意味無いじゃない全く。……ってことは協力者がいたって事かしら?」

穂乃果「まぁ確かに氷系の能力だったもんね」

にこ「あの状況じゃ、その能力はあんまり関係ないわよね」

穂乃果「だよねっ」
219: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:11:21.51 ID:G7Wtb/cy
にこ「…今凛と真姫呼びいってるから、もうちょっと待ってて」

穂乃果「はーい」

穂乃果「…」

穂乃果「ねぇ、にこちゃんの能力ってどんなの?良く分かんないんだけど」

にこ「…この状況で聞く?」

穂乃果「知りたいし…」プラーン

にこ「いいわ、教えてあげる。」

にこ「見て分かるように、私は分身が作れるわ。でも無限に作れる訳じゃなくて、」

穂乃果「それで?」

にこ「基本は2人、にしかなれないわ」

穂乃果「えーっ!そんだけにしかなれないの?」

にこ「基本…よ。集中加減によるわね。分身を作ると、にこ自身が二人になるんじゃなくて、にこが使える体が増えるってことなの」

穂乃果「…?」

にこ「…まぁ分かりやすく言うと、にこと外形、身体能力が全く同じ操り人形を作れるって言うこと」
220: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:11:36.12 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「それならわかるかも…」

にこ「だから、分身を使うときは体を2つ同時に使ってるみたいな感じね。喋ってるのが分身でも本体でも、それは同じ『にこ』が喋ってるのよ」

穂乃果「ふむふむ…」

穂乃果「…うーんと……本体がやられたらどうなるの?」

にこ「全部消えるわ」

穂乃果「ん……じゃあ、今、穂乃果の足を外に半分出て掴んでる方(にこ2)は?」

にこ「…本体よ」

穂乃果「えぇーっ!!」
221: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:12:21.32 ID:G7Wtb/cy
───────

真姫「穂乃果、あなた無茶しすぎよ」

凛「追いかけて外出てくなんて、バカだにゃー」

穂乃果「凛ちゃんも同じだよっ、定期テストの事で呼ばれてたじゃん!」

凛「それは関係ないにゃ!」

真姫(にこちゃんもじゃない?)

にこ「はいはい、もう穂乃果を引き上げたんだし。さっさと帰るわよ?」

真姫「人来る前に帰った方がいいわね」

凛「今日はもう疲れちゃったよー」

穂乃果「じゃあ帰ろっか!」

凛「うんっ」

真姫「でも、こんなに荒らしちゃったのに大丈夫かしら…」

にこ「大丈夫でしょ、大体あの女のせいだし」

凛「そうにゃそうにゃ!」

穂乃果「なんとかなるでしょ」

真姫「…はぁ」
222: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:12:44.20 ID:G7Wtb/cy
『…もう今日はクタクタや、』

「ごめんね、かなりこき使わせちゃったみたい」

『本当や、もう今までで一番多く能力使ったかもしれんよ』

「でもあなたの協力で今回のことは、世間の注目を集められたみたいなの」

『なら、よかったやん…』

「感謝してるわ」

『…今日な、あの状況で理事長の娘と会ったんよ』

「ほんと?」

『まぁな』

「で、どうしたの?」

『うちらが見守とった方がええと思うし、捕まえようとしたんやけど能力者がいて出来んかったわ』

「…まぁ別に捕まえても妨害くらいにしかならないからいいわ」
「それより能力者の数よ。こっちもあったわよ?5人もね」

『!?能力者結構いたみたいやな』
223: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:13:10.46 ID:G7Wtb/cy
「…ちょっとこれからの行動がやりづらくなりそう」

『そうやね、…でも。今日あった子達と話はしたん?』

「してないわ」

『協力…とかは考えないの?』

「なんで協力なんかするのよ」

『…目的とか利害は一致してそうだったし、』

「それだけ?」

『…また会う。そんな気がしたんよ』

「そんな気がするって…」

『だって、今日あった中に知り合いもいたやろ?』

「……まぁ、否定はしないけど」

『…協力、考えてみたら?』

「知りあいだからって協力する理由にはならないわ、私には私の目的があるもの」

『…うちらだけでこの先、進むのは難しいって知ってるやろ?』
224: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:13:31.62 ID:G7Wtb/cy
「今まで通りの私たちのやり方で問題無いわ」

『…』

「とりあえず、今日はありがとう。助かったわ」
「疲れたんでしょ?今日はどこか行って奢ってあげるわよ」

『…ほんと?』

「ええ」

『じゃあっ焼肉さんで良いん?』

「もちろん、」
225: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:14:17.78 ID:G7Wtb/cy
─────────

真姫「結局、海未は大丈夫だったの?」

穂乃果「あのあとことりちゃんから連絡来て、とりあえず大丈夫だって」

にこ「さっき見てきたけどあの高さから落ちてたのね」

凛「結構高かったよね、あそこ」

穂乃果「うん、まぁ無事だったし良かったよ」

真姫「それにしても、ここの階段。長いわね…」

穂乃果「下ってるのに」
凛「もう疲れちゃったの?」

真姫「いや、全然そういうわけじゃ無いわよ」

にこ「ほんと?」

真姫「そうよ!単純にただ長いなって思っただけよ」

凛「そうなんだぁ~」

真姫「なによっ!」

「おいっ大丈夫だったか?」

にこ「!…あんた誰?」
226: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:14:37.68 ID:G7Wtb/cy
「ああ、こういうものだ」ス

穂乃果「って警察?」

警察「ごめんごめん、驚ろかせたね。色々な方面から通報があって来たんだよ。」

真姫「そうなんですか」

警察「でもそのわりには何が起きてるのか全く分からなくてね、先行して様子を見に来たんだ。」

にこ「私たちは大丈夫なので、気にしないでください」

警察「なら良かった、話を聞きたい所だけど…今日は早く気を付けて帰りなさい」

穂乃果「はいっ分かりました」
227: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:15:37.66 ID:G7Wtb/cy
─────コンサートビル 一階

花陽「皆無事で良かったですっ」

にこ「まぁ情報は、ほとんど得られなかったけどね」

凛「かよちん怪我してない?」

花陽「うん、大丈夫だよ」

穂乃果「海未ちゃんも落ちたのに無事なんてすごいよ」

海未「たまたま落ちた所と当たり所が良かっただけですよ」

穂乃果「あとさ、今日会ったあの仮面の女の人会ったことあるような気がするんだけど」

海未「はい、私も会ったことがあるような気がします」

真姫「そうかしら」

ことり「どんな人だったの?」

穂乃果「仮面をつけて、ポニーテールで」

海未「…金髪!」

ことり「知り合いで金髪って…」
228: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:15:58.15 ID:G7Wtb/cy
凛「確かに金髪だったにゃ」

花陽「不良とか?」

にこ「染めてるって感じじゃなかったけどね」

海未「おそらく地毛です。……生徒会長ですよ」

真姫「!あっ、確かに…」

にこ「仮面着けて髪の毛金髪って…」

ことり「分かりやすいね」

穂乃果「生徒会長なら確かにピンと来るよ!」

凛「じゃあっ会いに行かなきゃ」

花陽「あの、決めつけはよくないと思うから、それとなく会った時に聞いてみませんか?」

海未「確かにそうですね」
229: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:16:44.18 ID:G7Wtb/cy
にこ「じゃあ、明日会いに行きましょ」

真姫「……あれ…?ちょっと電話来たから出るわね」ゴソゴソ
「はい」ピッ
真姫「あっ…パ、お父さん?…」

凛「…パ?」

真姫「///…それで?」

真姫パパ『ライブ行っているんだろ、大丈夫なのか?』

真姫「大丈夫って?」

真姫パパ『能力者関係で何かあったらしいが』

真姫「ええ、大丈夫よ友達とも会ったし心配しなくていいわ」

真姫パパ『ならよかった、気を付けるんだぞ』

真姫「分かったわ」

真姫パパ『…迎えはいるか?』

真姫「友達と帰るから大丈夫よ」
真姫「……切るわね?」

真姫パパ『ああ』

花陽「何だって?」
230: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:16:59.88 ID:G7Wtb/cy
真姫「大丈夫か?ってね」

にこ「…あんたら、もう人が結構集まって来てるし早く帰るわよ」

穂乃果「じゃあ帰ろっか」

海未「しかし皆、目立った怪我が無くて良かったです」

ことり「んー、でも海未ちゃんはちゃんと病院行ったほうが良いんじゃない?」

海未「やはりそうでしょうか…」
231: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:17:45.07 ID:G7Wtb/cy
─────音ノ木坂学院 翌日


にこ「さて、今日は改めて昨日の情報交換をするわよ!!!」ドンッ

凛「凛からいっくにゃあぁー!!」

花陽「はいっ!私もA-RISEについて分かったことがっ!!」

真姫「異様にテンション高いわね…」キーン

凛「えーっとまずはね~」

花陽「凛ちゃんもA-RISEについて何かあったりするのっ!?」

にこ「…」
にこ「…あれ?」


にこ「っていうか、二年生組は?」
232: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:18:41.74 ID:G7Wtb/cy
第10話「活動禁止!」



にこ「今日、学校で二年生見かけた気がするんだけど」

真姫「私は知らないわ」

花陽「私もですっ」

穂乃果「ごめんごめん、遅れちゃった~」バタン

凛「他の二人は?」

穂乃果「あー海未ちゃん病院行ってるんだけど、ことりちゃんは一応その付き添いだよ」

花陽「結構大変なんですか?」

穂乃果「そこまでじゃないけど一応検査ってことでね」

花陽「良かったですっ」
233: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:19:26.54 ID:G7Wtb/cy
にこ「穂乃果、今日情報共有する予定だから座って話すわよ」

穂乃果「いや、参加したいんだけど理事長に呼ばれちゃって」

真姫「また何かやったのね?」

穂乃果「そうかも」ハハ

凛「えーじゃあ、今日4人で話合うの?」

にこ「皆いるときに話したいわね…」

穂乃果「んー、今話の途中だけどさ。放課後に来てって呼ばれてるから行くね」

にこ「しょうがないわ、じゃあまた今度話しましょ」

花陽「さよなら~」

穂乃果「じゃねー」フリフリ
234: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:19:47.28 ID:G7Wtb/cy
真姫「じゃあ、今日はどうするの?」

凛「話せないから帰る?」

にこ「…そうね、代わりに昨日少し話題に上がった生徒会長に会いに行くわよ」

花陽「えーっ早速ですか?」

にこ「そう、ほら行くわよ」

真姫「そんな翌日に行かなくても」

凛「…しょうがないにゃー」


─────西木野総合病院

海未「一人で行くから良いといったんですけれど」

ことり「だって海未ちゃんが心配だったんだもん♪」

海未「その気持ちは嬉しいんですがね」

ことり「…それにしても結構人いるね」
235: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:20:35.66 ID:G7Wtb/cy
海未「確かにそうですね、座る椅子も少し探したくらいですし」

ことり「まだ呼ばれないのかな~」

海未「あそこのテレビでも見て待ってましょうか」

ことり「今の時間ニュースやってるみたい」

海未「明日の天気は晴れですか」

ことり「…あっあれって昨日皆で行った所だよね?」

海未「昨日行ったライブの件…案の定ニュースになってますね」

テレビ ……先日、秋葉原近くのコンサートビルで起きた事件についてですが

テレビ まだ事件の原因、目的もよくわからず、捜査は難航しているようです。
236: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:21:04.21 ID:G7Wtb/cy
テレビ 行動にまるで方向性が見えず、まるで事件を起こすだけの為に暴れたという可能性も…

ことり「恐かったね…」

テレビ 今回の事件による被害者は少なく2人、どちらも軽傷者のようです。

海未「あのまま帰って来て良かったのでしょうかね」

テレビ 警察は捜査の方針を──────

ことり「ことり達なにも悪いことやってないから、大丈夫なんじゃないかな」

海未「まぁ、その時はその時です」

「園田、園田海未さーん」

海未「あっ、呼ばれたようなので行って来ますね」

ことり「じゃあここで待ってるね」

海未「はい、」



海未「それで…怪我の度合いはどのくらいでしょうか」

「ああ、あまり気にしなくても良いですよ。すぐ治ります」

海未「それは良かったです」

「えーっと……この怪我で…本当にビルから落下したんですか?」

海未「はい」

「…」
「落ちた所に何かあったり?」
237: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:22:04.60 ID:G7Wtb/cy
海未「車の屋根に落ちましたけど」

「それにしてもねぇ…」

海未「そうですか…」

「ビルから落ちた、そして落ちた先にも緩衝剤になるような物はほとんど無かった。……でも、本当は?」

海未「うーん…本当なんですがね」

「本当にですか………あっ!すみません」

海未「どういうことですか?」

「いや、あなたぐらいの世代でごく稀に来るんですよ」

海未「…?」

「ほら数年前にあった現象の影響ですよね」

海未「……あっ、そうですね。分かりました」

「はい。じゃあ一応薬類は出しておきますので」

海未「ありがとうございます」
238: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:22:21.36 ID:G7Wtb/cy
「…それと、定期検診とか興味ありますか?」

海未「検診ですか、でも学校でも似たような事はやるので」

「そうですよね、それではお体に気を付けてお帰りください」

海未「ありがとうございました」ガラガラ
239: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:23:08.12 ID:G7Wtb/cy
─────音ノ木坂学院


真姫「それでこれから生徒会長に会うって…生徒会室に行くの?」テクテク

にこ「そうに決まってるじゃない」

凛「凛は生徒会室なんてほとんど行ったこと無いけど」

花陽「緊張しますっ」

にこ「慣れよ、慣れ」

凛「もし行って生徒会長が本当に、この前の仮面の女の人だったらどうするの?」

にこ「…そんときは捕まえるわ」

花陽「出来るかなぁ」

真姫「こっちに能力者4人もいるのよ?大丈夫よ」

花陽「ならいいけど」

凛「凛、能力者ってよく分からないんだけど」

真姫「にこちゃんとか詳しいんじゃない?」

にこ「まあ皆、話しようとしないからね」

凛「なんで?」
240: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:23:50.39 ID:G7Wtb/cy
にこ「うーん、少し長くなるわよ?」

凛「いいよー」

にこ「じゃあ数年前に東京で大きな事件というか、現象があったの覚えてる?」

凛「あー凛が6年生の時ぐらいの?」

真姫「まぁ大体そのくらいね。謎の多い出来事で、今でも良くわかってないんだけど」

にこ「その事件の後から段々と、能力者って言われる人が出てきたの」

花陽「そうなんですか、あまり実感はなかったです。」

にこ「ん…能力者が生まれたのは東京近辺だけだったし、関連した事件が起きなかったからかもしれないわね」

にこ「公の場、公共機関とかでも取り上げられないしね。ネットでもそういう記事は殆ど見ないし」

凛「だからなのかにゃ?」

にこ「まぁそういうことよ」
241: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:24:36.67 ID:G7Wtb/cy
花陽「そろそろ生徒会室ですね」

真姫「本当に昨日の奴だったらこらしめてやりましょ」

凛「にゃあっ!」


にこ「失礼するわよ」ガチャリ

希「どうぞー」

真姫「生徒会長っているのかしら」

希「生徒会長?今日はもう帰ってしもたよ?」

凛「…なんで?」

希「何か用事があるとかで、近頃頻繁にあるし…うちは気にしてないけど」

花陽「明日はいますかね?」

希「わからんなぁ」

花陽(どこかで会ったような…?)

にこ「あっそ、じゃあもう用は無いわ。帰るわよ」

希「なぁ、せっかく来たんやからさ。お茶でもしてかん?」
242: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:24:54.39 ID:G7Wtb/cy
真姫「でも、そういう目的で来たわけじゃないんで」

希「なんや、せっかく美味しそうな高級米菓子もらったからあげようとおもったんだけどな」

花陽「お米ですか!?」

希「え?まぁ」

凛「かよちん?」

花陽「三人とも、ちょっと休憩してもいいんじゃない?」

真姫「米につられたのね」

にこ「高級、米菓子…」

凛「かよちんも言ってるし、どうせもう今日は帰るならお茶していこうよっ」

にこ「…私はどっちでもいいわ」

真姫「うーん」

希「あっトマトジュースもあるんよ」
真姫「まぁそんなに言うならお茶してあげてもいいけど」クルクル
243: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:25:18.98 ID:G7Wtb/cy
─────西木野総合病院


海未「ことり、先ほど病院の検査が終わりましたよ」

ことり「あっどうだった?」

海未「大したことは無いそうです」

ことり「それなら良かったっ」

海未「はい」

ことり「じゃあ会計終わったら帰ろっか」

海未「そうですね…あれは?」

ことり「どうしたの?」

海未「ほら、あの後ろ姿。生徒会長じゃありませんか?」

ことり「確かに」

海未「仮面女のこともありますし、少しだけ付けてましょうか」

ことり「うん、」コソコソ

海未「どうやら怪我をしているから来たというわけでは無さそうですね」

ことり「誰かに御見舞い。とかかな?」
244: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:25:35.90 ID:G7Wtb/cy
海未「その線もあり得ますね。もう少し様子をみましょうか」

ことり「階段上がってくみたいだね」

海未「追いかけましょう」

ことり「角を曲がって…あれ、いないよっ」

海未「…もう少しあたりを探しましょうか」

___
_____
___

ことり「いなくなっちゃったね…」

海未「見失いましたね、巻かれたのか。見失ったのか。」
245: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:26:09.36 ID:G7Wtb/cy
─────音ノ木坂学院 廊下


穂乃果「あれ、場所忘れちゃった。理事長室てこっちだっけ」

ヒデコ「お、穂乃果じゃん、」

穂乃果「あっヒデコ、それにフミコとミカも」

フミコ「最近何か忙しそうだよね、廃校阻止?するみたいだけど」

穂乃果「そうだよ、でもそう簡単には行かないんだよね」

ミカ「ちょっと進んだ?」

穂乃果「まあまあね、UTXが怪しいってことかな」

ヒデコ「UTX?」

穂乃果「そうだよ!」

ヒデコ「…まぁ、困ったことがあったら何でも言ってよ。いつでも協力するからさ」

穂乃果「ありがとう!」

ミカ「そういえば、さっきどこ向かってたの?」

穂乃果「放課後、理事長に来るように言われちゃって行く途中だったんだ」
246: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:26:27.12 ID:G7Wtb/cy
ヒデコ「この前定期テストあったけどその事かな?」

穂乃果「もうそのことは言われてるからね~。部活の事だったらにこちゃんだと思うし、テストあるからその事かな」

ミカ「そのために釘を指すのかもって事?」

穂乃果「あんまり厳しくないといいけどね」

フミコ「ごめんね、行く途中で足止めちゃって」

穂乃果「全然いいよーじゃあまた明日」

ヒデコ「色々頑張ってねー」

穂乃果「それじゃね~」
247: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:27:00.50 ID:G7Wtb/cy
─────音ノ木坂学院 生徒会室


希「皆そこの椅子、座ってええよ?」

真姫「じゃあ…」

希「それで、うちの生徒会長に何の用事が?」カタン

凛「あー、それはねっ昨日コンサートビr──

真姫「ちょっ、凛」クチオサエ
真姫(その事は皆で内緒にしとくって言ったじゃない)

にこ「……いやー部活動の予算アップ出来ないかなと思って来たんだけど、…生徒会長いなかったみたい」

花陽「」モグモグ

希「予算審議の時期やないのに?」

にこ「えっ…」

真姫「(…にこちゃん何やってんのよ)」

希「それに生徒会長じゃなくてもうちが対応することは出来るんだけどね。予算、今から話合う?」

にこ「…ん、…ならそうして貰おうかしら」

希「じゃあ、今の予算はっと」書類サガシ-

にこ「…」
248: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:27:21.38 ID:G7Wtb/cy
希「ここかな~?」

凛「…」

希「おおっ、あったあった!」

希「それでどうするん?予算」

真姫「…はぁ、もういいわよ。」
真姫「この前生徒会長に似てる人を見かけたから、その場所にいたのか確認したかっただけ」

希「…なるほど、そうなんか。」

にこ「…そういうことよ」(うまく濁したわね)

希「この前って昨日?うちコンサートビルで君たちみたいな子見かけたんやけど」

にこ「Oh…」

凛「確かにいたにゃ」

真姫「あー、」(ごまかせばいいのに)

花陽「このお菓子一個ありますか?」

希「一杯あるんよ食べきれんし、たくさん食べてな」

花陽「ありがとうございます」パクッ

希「それで風の噂でうち、君たちが廃校阻止の活動してるって聞いたんよ。そのビルで何かあるん?」
249: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:28:12.74 ID:G7Wtb/cy
真姫「A-RISEのライブを皆で見に行ったのよ、中止になっちゃったけどね」

希「…A-RISEって確かUTXの所やね、」

真姫「だから?」

希「UTXについて調べてたん?」

真姫「…」

にこ「……。一応そういうことになるわね」

希「なるほどなるほど」

真姫「で、何が言いたいの?」


希「うちもUTXには用事があるんよ」


凛「それで?」

希「今度あったら助け合おうなって話や」

凛「?」
250: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:28:32.25 ID:G7Wtb/cy
にこ「いや、なんであんたとそんなことしなきゃ行けないのよ」

希「近いうちにな、カードもそう言ってるんよ」ピラッ

真姫「まぁ内容によるけどね」

希「別に悪いことはないやろ」

にこ「……いいわ、もし利害が一致してたら仲間にでも何でもなってやるわ」

凛「仲間が増えるの?やったね!かよちん」

花陽「それは止めて」

希「じゃあ、そういう事で下校時刻も過ぎるし、早く帰った方がええよ」スック

真姫「もうそんな時間ね」

にこ「皆、帰るわよ」

凛「さよならー」

花陽「お菓子美味しかったです、ありがとうございましたっ」ペコ

希「それはよかったなぁ」

真姫「それじゃあ」

希「またな~」フリフリ
251: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:29:18.75 ID:G7Wtb/cy
─────音ノ木坂学院 理事長室前


穂乃果(たしか、理事長室ここだよね?)

穂乃果「失礼しますっ」ビシ

理事長「穂乃果さん、わざわざ来てもらって悪いわね」

穂乃果「いや、全然大丈夫ですよ」

理事長「そうですか、とりあえずそこに座って下さい」

穂乃果「それでは…」スッ
穂乃果「あの~勉強ならこれからきちんとやりますので───────

理事長「…穂乃果さん」

穂乃果「はいっ」

理事長「今回呼んだ理由はあなたが言っている成績、学業云々とか…そういうことではありません」

穂乃果「そうなんですか!?」

理事長「単刀直入に言います」

穂乃果「…はいっ」


理事長「アイドル研究部の活動は明日をもって…禁止とします」
252: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:29:37.53 ID:G7Wtb/cy
第11話「はなればなれ」


にこ「今日こそは話合うわよっ」

にこ「とりあえず…。一昨日に私達が行った所、時間が経ってかなり報道の規模が大きくなってるみたい」

真姫「結構派手になっちゃったみたいね」

海未「私とことりも昨日病院のテレビでも見ました。」

ことり「ビックリしちゃったよ」

花陽「私もネットで見ましたっ」

凛「そんな大事になってたの?」

にこ「で、うちらにとって問題なのは。これよ」ミテ

穂乃果「雑誌と新聞?」

真姫「ちょっと!私たちの事のったりしてたの?」
253: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:30:22.45 ID:G7Wtb/cy
にこ「んー微妙な所ね、能力の事だし新聞とか雑誌には載ってないの」ピラッ

ことり「よかったぁ」

にこ「でも、色々調べたらネット上の深い所では、写真は載ってないけど記述で書かれてたりしてたわ」コレコレ

花陽「…あー、かなり断片的ですけど載っちゃってますね」ジー

海未「私が落ちたところも少しだけ書かれています」ジー

にこ「まぁ今は一番詳しく載ってる所を表示してるんだけど、他にも色々今回について考察してる所はあるわよ」

にこ「まぁでもこのサイトは他のと比べても段違いに詳細ね」

真姫「詳細って言ってもこのレベルなのね」ジー

凛「何かμ’sって書いてあるけどこれ何?」

にこ「ああ、この記事を書いた人が今回ここに書いた人達にそう名付けたらしいわ」

海未「謎の能力者集団μ’sですか…」

穂乃果「それでμ’sの意味は?」

真姫「簡単にいうとギリシャ神話に出てくる女神の名前ね」
254: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:30:39.06 ID:G7Wtb/cy
花陽「なんでそんな名前つけたんでしょうか?」

にこ「そういう人はそう言うものに救世主とか名付けたがるものよ」

真姫「神格化して影響力を高めたりね」

花陽「でも、ここに書いてある集団って…」

にこ「ちょっと…話ずれちゃったけど、今日は話し合いするのよ」

花陽「そうだったね、」

海未「穂乃果、さっきから思ってたのですが今日はどうしたのですか。様子が変ですよ?」

ことり「何かあったの?」

穂乃果「そんな変かなぁ」

凛「普通じゃない?」

真姫「…とりあえず話し合いましょ」

花陽「そうだね」
255: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:31:25.07 ID:G7Wtb/cy
海未「ほんとに大丈夫ですか?」

穂乃果「大丈夫だって~」


__
____
______


穂乃果「活動禁止っ!?」

理事長「はい…」
理事長「申し訳ないですが、そういうことです」

穂乃果「どうしてもですか」

理事長「ええ…本当は部長の矢澤さんにこう言うことは告げるべきなのだろうけど穂乃果さん、貴方に話したのはそれだけ本気だって事」

穂乃果「どういうことですか?」

理事長「矢澤さんが悪いってわけじゃないけれど、私が活動を止めてって言っても素直に止めて皆に話してくれる訳じゃないと思う。性格、目的からして…だから貴方にこの事を話したの」

穂乃果「そうですか、禁止にする理由は聞いても…?」

理事長「……ごめんなさい、…廃校に伴ってということで良いかしら…。私も、こうするしかないの…」
256: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:31:43.19 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「じゃあ、廃校は…」

理事長「…もうほとんど廃校は確定したわ。……今まで阻止しようとしてくれて有り難う。…これからもことりのことも宜しくね」

穂乃果「っはい…失礼しました」

______
____
__


穂乃果「…昨日、理事長に呼ばれたって言ったじゃん」

にこ「言ってたわね」

ことり「それで、どうしたの?」

穂乃果「……アイドル研究部の活動を禁止するって…」

にこ「っぬわぁんでよ!」

真姫「…急ね」

海未「本当ですか?」
257: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:32:32.14 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「そうだって」

凛「なんで?」

穂乃果「…廃校するに伴って……、とか」

にこ「っていうかなんで部長の私に言わないわけ?!」

花陽「活動禁止ですか…」

真姫「…」
真姫「…でも考えると部活なくなってもあんまり問題ないわよね?」

凛「確かにそうかも、集まって話してるだけだにゃ」

海未「まぁ部活がなくなってもそういうことは出来ますからね」

にこ「ちょっと!あたしは大有りよ!」

花陽「思い入れもあるもんね」

ことり「じゃあ他のところで話すしかないのかな」

穂乃果「そういうことでもないの」
258: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:32:49.09 ID:G7Wtb/cy
海未「どういうことですか?」

穂乃果「部の活動禁止っていうこと、だからそういうこともやめてほしいって」

にこ「じゃあ今までみたいなことはするなってこと?」

穂乃果「そういうことだと思うよ」

真姫「だから部の活動禁止って言ったのかもしれないわね」

凛「そういわれてもにゃぁ」

花陽「じゃあこれからどうするの?」

にこ「抗議に行くに決まってるじゃない!」

海未「…少し落ち着きましょう、ことりのお母様も他に事情があるかもしれません」

ことり「そうだね、少しそういう所あるかも」

花陽「理事長さんの決定だし、それなりの理由があるのかもね」

穂乃果「じゃあ今日からどうする?」
259: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:33:37.87 ID:G7Wtb/cy
真姫「何か理事長さんから連絡があるまでは活動は止めておくしかないかもね…」

凛「そうする?」

花陽「皆とも仲良くなってきたのに…」

ことり「活動しないだけで、また会えるんだから大丈夫だよ」

海未「…様子見ですね」

穂乃果「せっかく分かってきたのにっていう気もするけど」

真姫「今日はもう帰りましょ。考えても仕方ないわ、また部活に入る前に戻るだけよ」

にこ「は…皆そんな感じなのね。」

穂乃果「いや、そういう訳じゃなくて」

にこ「いいわよ、」

穂乃果「だから違うって!」

にこ「……とりあえず少しは大人しくしてるわ。」
にこ「でも……その代わり、まともな理由の説明が理事長から数日こなかったら、にこはまた動くから」

穂乃果「…」

にこ「じゃね」バタン

穂乃果「…」

ことり「…」

凛「…」
260: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:34:00.42 ID:G7Wtb/cy
真姫「…今理由なんか話しても意味ないわ、とりあえず少し待ってみた方が良いわよ」

花陽「…そうだね」

海未「部活がなくなってもまた会えるんですから…とりあえず、今日は各自家に帰ってゆっくり考えましょう」

穂乃果「うん…」

ことり「穂乃果ちゃんが気にすることじゃないよ…」

穂乃果「ありがと、ことりちゃん」


───────
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261: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:34:49.09 ID:G7Wtb/cy
凛「かよちん、真姫ちゃん。あそこのラーメン屋さんおいしかったね~」

真姫「…ちょっと私はお腹いっぱい」ウプッ

花陽「ほんとにおいしかったね」

凛「真姫ちゃんは自分でそのメニュー頼んだのになさけないにゃ」

真姫「ちょっと!凛が大きい方が良いって言ったんでしょうが」

凛「そうだっけ?」

真姫「そうよ!」

凛「かよちん、カレーもメニューにあったけど、どうだった?」

花陽「豚骨の豚野郎カレー?あれおいしかったなぁ」

真姫「…それにしても最近寄り道多いわね、別にいいけど」
262: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:35:08.07 ID:G7Wtb/cy
凛「だってさー、放課後やることなくなっちゃったし」

花陽「活動停止になっちゃったもんね」

真姫「あれからちょうど2週間くらいかしら…」

凛「最近皆と会ってないね…」
花陽「うん…」
真姫「……」

真姫「…」

真姫「そうね…っていうか凛はほんとラーメン飽きないのね」

花陽「うんっ凛ちゃん、ラーメン大好きだもんね」

凛「凛は毎日ラーメン食べてもいいよっ」

真姫「…まぁ知ってるわ」

花陽「…」ビク…

凛「…かよちん?」

花陽「……ねぇ…何処からか視線を感じない?」

凛「え?ほんと?」
263: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:35:53.96 ID:G7Wtb/cy
真姫「花陽?」

花陽「最近、時々そんな感じがして…今もちょっとその感じがしたから…」

凛「気のせいじゃないかにゃ?」

真姫「そんな気がするだけじゃないの?」

花陽「そうかな?」

真姫「言われてみたら、あるような気がしてくるけど」

凛「お化けだったりしてねっ」

真姫「お化け?…フッ、そんなのいるわけないじゃない」

凛「ふーん、そうなの?…」
凛「じゃあ真姫ちゃん。サンタさんはいるの?」

花陽「凛ちゃん?…」

真姫「いるわよ」
264: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:36:16.23 ID:G7Wtb/cy
凛「じゃあ幽霊もいるよ」

真姫「なにそれ、意味分かんないんだけど!」

凛「意味わかるって、」

真姫「どういう意味よっ」

花陽「…凛ちゃん?」

凛「…あっじゃあこの辺でお別れだね」

真姫「ニゲナイデ!」

花陽「…もうここまで来ちゃったみたいだね。私たちはこっちだから、真姫ちゃんまた明日」

凛「お化けに気を付けてね」ニシシ

真姫「いないわよ、じゃあ、また明日」

凛「バイバーイ」

花陽「じゃあね~」フリフリ


真姫「視線…ねぇ……」

真姫「…」テク…
265: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:37:06.02 ID:G7Wtb/cy
真姫「着信?」トマトトマトトマト♪
真姫「…」pi
真姫「誰よ…ってにこちゃん?!」


真姫「何?」

にこ『それで、あんた最近暇?』

真姫「んーまぁ…寄り道は今日したわね」
真姫「久しぶり。それで、何?」

にこ『言うと、協力して欲しいことがあるんだけど』

真姫「もしかして…また活動、やり始めたの?…。」

にこ「あのままなんの説明もなしよ?…良いの?」

真姫「まぁ良くはないけど…。…それで、協力?って…内容にもよるわね」

にこ『西木野総合病院の患者について教えて欲しいの』

真姫「…知ってどうするの?」

にこ『……この前のコンサートビルの仮面女について調べるためよ』

真姫「ああ、生徒会長に似てた人ね。」
266: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:37:26.66 ID:G7Wtb/cy
にこ『そうよ、』

真姫「…それをやれない事はないかもしれないけど」

にこ「その人についてだけで良いから、お願いっ真姫ちゃんっ」キャルルン

真姫「でも…そういうことして良いのかしら……」

海未『私からもお願いします』

真姫「!…海未もいるの?…それなら大丈夫そうね……しょうがないわ、調べてみるわね」

にこ『ちょっと、何で私だとダメなのよ!』

真姫「でもなんで海未もいるのよ?…真面目だし…」

にこ『私が真面目じゃないみたいじゃないっ!…海未には理詰めで説得できそうだったし、なんとか協力してもらうことにしたわ。口も堅そうだしね』

海未『そういうことです、生徒会長が病院に行っているのを見たので…』
267: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:38:16.18 ID:G7Wtb/cy
真姫「わかったわ、調べたら教えるわね。どうすれば良いの?」

にこ『絢瀬っていう苗字の患者がいたら教えて、部屋番号も』

真姫「部屋もなの?」

にこ『そうよ』




───────
268: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:38:40.35 ID:G7Wtb/cy
真姫パパ「ただいまきちゃん!」

真姫「おかえりパパ、」

真姫パパ(スルーか…)

真姫「それでちょっと教えて欲しいことがあるんだけど…」

真姫パパ「なんだ?」

真姫「お父さんの病院の患者さんについて知りたいの」

真姫パパ「…患者の名前とかか?」

真姫「うん」

真姫パパ「…ちょっと難しいかもな、…なぜ知りたいんだ」

真姫「友達が最近休んでるみたいで、理由を聞いてもなかなか教えてくれないから、病院のデータでその子のこと何か分からないかって思って…」

真姫パパ「なるほど、理由はわかった…」

真姫(パパ、嘘ついちゃってごめんなさい…)
269: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:39:23.63 ID:G7Wtb/cy
真姫パパ「…そうだな。明日病院に来たなら、私の部屋に患者のデータをまとめた資料が置いてあるかもしれない」

真姫「放課後に見に行けばいいの?」

真姫パパ「だがな、絶対に読んだりするんじゃないぞ?」ニコ

真姫「?…そういうことね」

真姫パパ「仕事に集中してそんなことに気を配れないかもしれないからな」

真姫「わかったわ、ありがとパパ」フフ
270: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:39:57.59 ID:G7Wtb/cy
─────西木野総合病院

真姫「ここに来るのは少し久しぶりかもね」

真姫「確か、こっちにパパの部屋が…」

真姫パパ『だから、なぜそういうデータを取ったんだ』

真姫(何か話しながらこっちに歩いてくる?)

『もしそれが影響を及ぼしていたらと思ったんですけど』

真姫パパ『今までも普通に処置してたら病気は治っていただろ、する必要はない』

『しかし、例外もあるかもしれませんよ』

真姫パパ『父親が政治家だからって調子にのるんじゃないぞ』

真姫パパ『…例外もあるかもしれんが…こんな事をするな、これでは嘘じゃないか』

『嘘も方便だとおもいますが』

真姫パパ『はぁ、せっかく優秀な女医が入ってきたと思ったら…全く』
271: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:40:41.97 ID:G7Wtb/cy
真姫パパ『院長は私だ。勝手なことはするなよ』

『承知いたしました』

真姫パパ『それで、今からいく───────

真姫パパ「おおっ、真姫じゃないか。」

真姫「あっパパ」

真姫パパ「…私の部屋はあそこにあるぞ」

真姫「わかってるわ」

真姫パパ「そうか、それなら良かった」
272: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:41:01.74 ID:G7Wtb/cy
真姫パパ「おい、行くぞ」

「あの、よろしいでしょうか」

真姫パパ「もう構わんが…」

「この前言っていた能力だけを抽出して使用する装置についてですが」

真姫パパ「ああ…あれか、変な事には使ってないよな?一回使用したら、また使うのにも時間もコストもかかるのだからな」

「もちろん承知しております、それで…」

真姫パパ「……いいよ、爆発させるかなんだか知らないが、私はもう良い。勝手に持ってってくれ」

「ありがとうございます…それではまた後で」

真姫パパ「じゃあな」

「それでは…」
273: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:41:28.71 ID:G7Wtb/cy


真姫(ここね)

真姫「…」ガチャリ

真姫(資料はっと、…あそこの机の上に置いてあるやつかしら。パソコンの事ね)

真姫(画面の鍵の解除はされてたみたいだけど…)
真姫(あれ、どれかしら…これはっ?)カチ

真姫(……ふーん。)
真姫(能力者の特徴について…パパも大変ね。こう言うのも相談されちゃうんだから…性別が女で成年前の早熟な時期…か)

真姫(って、これは違うわ)

真姫(ちゃんと調べないと、…多分これね患者さんについてのってるのは)

真姫「…ヴエェ」

真姫(当たり前だけど多いわね…)

真姫(…ふーむ、……名前検索しないと多過ぎて無理ね)カチカチ

真姫(検索boxは…。そこね、[絢瀬]っと)ポン

真姫(……一件該当したみたいね、)

真姫「…………。」
真姫(【絢瀬 亜里沙】。年齢をみると、…生徒会長の妹かしら)

真姫(…70×号室の患者、これくらい調べとけば良いわね。)

真姫(…帰ってからにこちゃんに連絡しましょ)メモメモ
274: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:42:05.34 ID:G7Wtb/cy
─────西木野総合病院 70×号室 翌日

亜里沙「…」

絵里「___________そして、」

絵里「亜里沙、私はついに犯人を見つけたわ」

絵里「絶対に罪を償わせるから待っててね……」

亜里沙「」

絵里(…)

絵里「……そうね…こんな話はたぶん嫌よね。」

絵里「…明るい話をしましょ、この前自分で久しぶりにペリメニ作ったのよ。そしたらね、塩と砂糖を間違えちゃって、……」

亜里沙「」

絵里「ふふ。とても甘かったわ」

亜里沙「」
275: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:42:56.07 ID:G7Wtb/cy
絵里「…」
絵里「亜里沙にも食べさせて、反応を見てみたかったわね…」

亜里沙「」

絵里(…あれからどのくらいたったのかしら、事故に巻き込まれてからそれっきり…)

亜里沙「」

絵里「返事、してくれなくなっちゃったわね。眠っているの?…」

亜里沙「」

絵里「……」

亜里沙「…」

絵里「あなたはいつになったら目を覚ましててくれるのかしら…」ス

絵里(何も無かったかのように傷はないけれど…)

絵里「…」
276: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:43:19.33 ID:G7Wtb/cy
亜里沙「」

絵里「……」

コツコツ

絵里(…)

絵里(誰かこっちに来てる!?、)

絵里「…」
絵里(…足音から推測すると二、三人かしら…)

絵里(それにしても……この時間帯にだれかが来るなんてこと、あったかしら。)
絵里(…まさか……!…UTX!?)

絵里(…可能性はあるわね)

_________

突然の未だ見ぬ来訪者へと備え、

絵里はすぐさま亜里沙の寝ているベッドの横に置かれている花瓶を手に取った
277: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:44:12.25 ID:G7Wtb/cy
その花瓶には、見舞いの品として絵里が売店で買ってきた花と共に、
水道から入れてきた花瓶に入れる量としてはいささか多く見える水が入っていた。

絵里「…」ス…

絵里は亜里沙へと体を向けたまま、
花瓶の取っ手の部分を持ち、接近してくる足音へ備える

その体は亜里沙の方を向き、椅子に座って気づいてない振りを装う

絵里「…」

いくつかの足音が部屋へと入って来ると、それは絵里の背後近くで足を止めた─────
「…」ピタ……

絵里(来たわね…)ゴク
278: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:44:31.74 ID:G7Wtb/cy
第11話「エリーチカ」


絵里(来たわね…)ザッ
絵里は振り向き様に侵入者達へ、花瓶の下部を大きく振るう。
しかし、

絵里「音ノ木の制服!?」

UTXではないと知った瞬間、花瓶を止めようとはするが勢いを殺せず───
「いたっ」ゴンッ

絵里「あっ」

にこ「ちょっと!、何すんのよ痛いじゃない!」

にこ「いきなり花瓶ぶつけるとか頭おかしいの?」フン

真姫「…ちょっと、水かかっちゃったじゃない!」ビチャァ

絵里「ごめんなさいね、手が滑っちゃって」

にこ「……謝ったから許してあげるけど…」

真姫「私は!?」

絵里「…っていうかあなた達も何しに来たの?……ここの部屋に世話になってる知り合いなんていないんじゃない?」
279: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:45:17.10 ID:G7Wtb/cy
海未「確かにそうですね」

真姫「別に良いじゃない、来ても」

絵里「それとも、この前あなた達二人で生徒会の私に言いに来たけど、あの仮面女じゃないかって?……」
絵里「そんなわけないじゃない」

海未「しかし、金髪の女の方なんてそうそういるものではないと思いますが…」

絵里「染めてたかもしれないじゃないの」

真姫「…あれは地毛に見えたわ」

絵里「…もう!、話はまた学校で聞くから早く帰って!」

にこ「は?毎回学校で聞きにいってもちゃんと取り合ってくれないじゃない!だから来たのよ!」

にこ(それに…ここに来たら相手の弱味を見つけて、その近くで対話を有利に進められるって訳……)

絵里「いいから帰って」

海未「とりあえず話を聞いてください、なにも貴方をこの前の騒動の首謀者だと通報しようなんて思ってません」

絵里「違うって言ってるでしょ?」

真姫「…真摯に答えなさいよ」
280: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:45:34.67 ID:G7Wtb/cy
にこ「真姫ちゃん、やって」

真姫「はぁ…」

真姫はにこからの指示を受けると病室の亜里沙へと近より、その体に両手をかざした。

絵里「ちょっと、何やってるのよ…」

にこ「あんたもこの前見たように、この子は能力者。炎を出せるわ」

絵里「えっそうなの?」

にこ「…白々しいわね、この前見たでしょ?」

にこ「で、その子が今、あんたの妹の近くにいるわけだけど…」

真姫(…演技だけどね)

にこ「…あんたはこの前の仮面つけた女?」

絵里「違うわよ。あと、その手をどけて…脅してるわけ?」

海未「そういうわけではありませんが」

絵里「脅して、亜里沙を焼き殺したら…もちろんあなた達は罪に問われる事になるけど、そこは考えてるのかしら?」

にこ「……本当にそう思ってるの?」
281: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:46:20.99 ID:G7Wtb/cy
絵里「そうだから言ったのだけれど…」

にこ「ハッ…めでたいやつね」

絵里「…」ッ

真姫「…どうかしら」

海未「確かにそうとは限りませんよ」

絵里「…じゃあ説明してみなさいよ」

海未「いいですよ、……あなたも知っていると思いますが、能力者関連の事件は実際に法廷で、事実通りに裁かれる事ありません」

絵里「ふーん、それで?」

海未「何故か…」
海未「…能力者の事件、事故は証拠がほとんど見つからず立証が難しいからです。」

海未「……例を出すと、本当に真姫が貴方の妹さんに火を放ったとしましょう。それで、あなたがそれを通報したら…」チラ

真姫「…たぶん私が裁判所に行く事になるわね、それであなたは《この女の子》私ね。が貴方の妹を能力で焼き殺したって言うわ。でも…それを証明できるのかしら、」

真姫「…鮮明に防犯カメラとかに写っていれば別だけど」

絵里「…」
282: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:46:40.92 ID:G7Wtb/cy
真姫「今この国は正確に能力者なんて把握してないわ、私が能力者だって糾弾されても私は能力者じゃないって言えば良いだけ…」

真姫「もし私が能力者だって確定しても、他の能力者の能力のしわざによる可能性だってあるわ、」

にこ「他にも色々あるけど、まとめると能力者の起こした能力による事件は、結果的にはきちんと法に問われないってわけ…」

海未「あなたもそれを分かっているのでは?」

にこ「こんなこと知らなきゃ、ビルであんな大胆に動けないわよ」

絵里「…ふーん」

真姫「…」

にこ「…」ジ

絵里「…良く知ってるじゃない、まぁそれは、その通りよ。」

絵里「……だから?」

海未「……それをあなたも知っているから────────

絵里「この前の仮面の女は私って?…ふふ、」
283: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:47:37.06 ID:G7Wtb/cy
海未「……いいでしょう…三つ目の根拠です。にこがこの病室に来たとき貴方は何をしましたか?」

絵里「花瓶をぶつけたけれど」

海未「確かにそうですが、私が言いたいはそこではありません。」

絵里「何?」

海未「真姫を見て思いましたが花瓶に入っていた水の量として、あれは少し多かったのではないかと…」

真姫「…確かに多いわね」ピチョ

にこ「……まるで水を別のことに使うためのような」

海未「ちなみに、この前の騒動の発端者も、水を使って能力を発現してましたね…」

絵里「…そうだったわね」

海未「…どうですか?他にも言ってあげましょうか?」

真姫「これで三つね…」

絵里「はぁ…もういいわ、私はあなた達が言ってる仮面の女よ、」

にこ「…やっと認めたわね」

絵里「面倒くさくなってきたわ」
284: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:48:05.88 ID:G7Wtb/cy
海未「では、なぜこの前のビルの様な事を?」

真姫「聞かせてもらうわよ」

絵里「聞いたら早く帰ってくれるんでしょうね…」

絵里「…能力者は法に問われない。
亜里沙は明らかに能力者が発端だと思われる事件に巻き込まれてからこうなったわ…」

絵里「普通に犯人が見つかる事を僅かながらに期待した、けど今も亜里沙は昏睡状態のままで……犯人は罪を償わずに生きている…」

絵里「私はそれが許せないし、許すつもりもない」
絵里「そんなんじゃ亜里沙が報われないわ…それから私は妹を事件に合わせた犯人を独自で探し始めた。見つけてきちんとした罰を受けてもらう為にね」

にこ「それがこの前のUTXに関係あんの?」

絵里「……夜な夜な怪しそうな能力者を見つけては問い詰めたわ、お前がやったのかってね。友達にまでも協力してもらって…」

絵里「そのうちね、UTXが関係しているかもしれないって言うやつが出てきた。今まで具体的な事を聞いた事なんてなかったから、とりあえず信じたわ」

絵里「それにすがるしかなかったの、まぁ実際本当だったんだけどね。UTXの近くでは能力者の事件が多かったり」

絵里「協力者を得る為に、それを私は周りにいる人に知らせようと『UTXは能力者と黒い関わりがある』なんて言ったわ、」

絵里「でも、誰も信じてくれなかった。…だから私はUTXに世間の目を向けようとしたの…」

真姫「それで…」
285: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:48:54.24 ID:G7Wtb/cy
絵里「そして今回みたいに騒動を起こして世間の目をUTXに向けようとした。…今までは毎回沈静化されちゃったけどね」

にこ「じゃあ、この前のコンサートビルの件については流石にUTXは押さえきれなかったってわけ?」

絵里「そうね…あなた達に正体がばれた分の成果は得られたと思うわよ?」

真姫「見つけて悪かったわね」

にこ「…今まで思ってたより、理由はまともね」

海未「…」

絵里「で?話したんだからさっさと、ここから出ていって、一回で終わるように全部話したんだから」

海未「…それについては感謝させて頂きます」

海未「それで…、一つお願いがあるのですが……」

絵里「…何?」

海未「私たちと組みませんか?」

にこ「!…海未!?あんた何言ってんのよ」

絵里「…そうよ、私は貴方をビルから蹴飛ばしたのよ?」
286: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:49:11.29 ID:G7Wtb/cy
海未「それがあった上でもです。利益はかなりあると思いますが」

真姫「そんな事言う気はしていたけど…」

絵里「…もし協力しても、私には利益なんてないわ。貴方たち、遊んでるようにしか見えないもの」

にこ「フンッこの前私に捕まってたじゃないの、…それに遊んでなんかないわ」

絵里「そうだったの?…分からなかったわ」

真姫「仮面の女はあなただってたどり着いたんだから、そこは認めてほしいわね?」

絵里「…ミトメラレナイワァ」
絵里「結局お遊びよ、何も分かってないわ」

海未「我々も真面目に廃校の原因を調べているんです、何故そう頑なになるのですか」

絵里「どうせ飽きたら止めるんじゃない?廃校への思いなんてその程度よ、」

海未「…そんなものではありません、私達は見つかるまで探し抜くんですよ」グッ

絵里「…あら、怒っちゃったの?」
絵里「……でも。じきに、あなた達は気楽に探偵ごっこなんてやってられなくなるわ」

海未「どういうことですか?」
287: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:49:56.75 ID:G7Wtb/cy
絵里「そのままの意味よ?…でも…もう遅いかもしれないけれど…」

真姫「…は?」

にこ「…」

絵里「UTXの学校説明会へ行った時に、廃校問題を調べるなんて止めておけば良かったのに、良い機会だったわよ?」

海未「あなた、…知っていたんですね」

絵里「でも…この前のコンサートビルの件は……さすがに、不味かったんじゃない?」

真姫「…何が言いたいの」

にこ「ヤバイ奴らに目をつけられたって?」

絵里「ええ」

海未「じゃあ、それこそ我々に協力して貰わないと困りますね」

絵里「イヤよ、」

にこ「…私は別にどっちでもいいわ」

海未「しかし…」

絵里「イヤ、私の目的があるのよ…」
288: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:50:18.07 ID:G7Wtb/cy
海未「…」

真姫「…ねぇ、もう帰らない?」

海未「…ですg────
絵里「ん?…」ピク

にこ「何?」

ザッザッ

真姫「足音、」

絵里「ほら…」

海未「…一人ではありません、何人かいます」

絵里「…いつか来るとは思っていたけど…」
絵里「……いいわ、もしそこのやつらと戦えたら、協力、考えてあげてもいいかも」

にこ「あんた何様よっ……。」

海未「にこ、注意してくださいっ!」

にこ「ッ…来たわ…」

真姫「誰っ!?」ザッ



───────
289: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:51:05.72 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「ここのクレープ美味しいね~」

凛「穂乃果ちゃんが今食べてるのって新しく出たやつ?」

穂乃果「うんっイチゴがたくさん入ってるって!」

ことり「イチゴ好きだもんね、穂乃果ちゃん」

花陽「それも美味しそうですね」

凛「かよちんのやつは米粉の生地だっけ?」

花陽「うん、生地がもちもちして、美味しいよ~」

凛「へー、確かに美味しそうだね」チラ

花陽「…凛ちゃんもこのクレープ食べる?」

凛「かよちんいいの?」

花陽「もちろんっ、どうぞ」ハイ

凛「…頂きますっ」パクリ

花陽「どう?」

凛「ッ美味しいにゃ~??」
290: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:51:24.86 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「今日たまたま花陽ちゃんと凛ちゃんに会ったからここ来たけど正解だったね!」

花陽「このお店知れて良かったです」

凛「…そうだ、ここって病院の近くだっけ」キョロ

ことり「うん、あそこに見える建物かな?」

凛「あっほんとだー」

穂乃果「ねぇ、ことりちゃんのクレープの具落ちそうだよ?」

花陽「チーズ?のクレープですか?」

ことり「チーズケーキを丸ごとクレープ生地で、そのまま包んだやつだって」

凛「重みで垂れ下がってるにゃ…」

ことり「結構多かったかも」テヘヘ

穂乃果「じゃあ穂乃果のも食べさせてあげるから一口ちょーだいっ」

ことり「いいよー、こっち向いて…はいっ」スッ

穂乃果「ことりちゃんもっ」ズイッ

穂乃果、ことり「「」」パクッ
291: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:52:15.05 ID:G7Wtb/cy
ことり「…ん、穂乃果ちゃんの美味しいねっ」ペロリ

穂乃果「おーチーズケーキが丸ごと具になるって珍しいけど、意外といける!」

凛「珍しいなんてレベルじゃないにゃ…」

花陽「…そういえば今日海未ちゃんっていないけど、どうかしたのかな?」

穂乃果「最近部活とかで色々あるみたい」

凛「たしか弓道部だよね?」

ことり「うん、結構上手いんだよ?海未ちゃん」

凛「…確かにバシバシ当てそうにゃ」

ことり「そうだ、海未ちゃん部活終わったかもしれないし電話してみる?」
ことり「、まってて」ピ

凛「じゃあ、真姫ちゃんとにこちゃんも皆、呼ぶにゃっ」

花陽「じゃあ真姫ちゃんに聞くよ?」pi

穂乃果「えーっと、にこちゃんの連絡先は…」pi
292: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:52:32.30 ID:G7Wtb/cy
凛「みんなで集まるの久しぶりだねっ」

花陽「確かにそうだね~」プルルル

ことり「この後皆でどこ行く?」

穂乃果「そうだね、ファミレスとか?」プルルル

凛「ボウリングとかは?」

ことり「それいいかもね」

花陽「まきちゃ~ん?」プルルル

ことり「まきちゃんまだ出てないの?」プルルル

花陽「海未ちゃんもまだっぽいね」

穂乃果「にこちゃんもまだ出てない…」プルルル

ことり「えっ?…二人とも?」

凛「寝てるんじゃないかにゃ~?」

花陽「そうかなぁ?」
293: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:53:26.86 ID:G7Wtb/cy
ことり「出なかった…」

花陽「真姫ちゃんも」

凛「えっ二人とも出なかったの?」

穂乃果「え?大丈夫かなぁ…」プルルル

ことり「何かあった、とか無いよね…」

穂乃果「…おーい!にこちゃーん」

穂乃果「……あっ!出た、にこちゃんっ?!!」ガチャ


穂乃果「穂乃果だよっ!暇なんだけど今大丈──────」
にこ『!…このっ…暇どころじゃないわよっ』ゼエゼエ

穂乃果「え、どうしたの?」

にこ『今逃げてんのよっ!』タッタッ
294: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:53:44.63 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「?、誰から?」

にこ『変なやつらから!病院ちかくで!』ドォン

にこ『、そん中に能力者がいるんだけどヤバい』ゼエハア

穂乃果「??…なんで?」

にこ『今説明する暇なんてないけど…とりあえず真姫と海未、』ドコォ
にこ『…うわっ、あと生徒会長も気絶してる』ズドン

穂乃果「え!?何があったの?」

にこ『危なっ、』バキィン
にこ『…今逃げてるけどもう無理かも、……捕まる…』タッタッ

穂乃果「何が?」

にこ『早くっ!』ドタドタ

穂乃果「分かったっ病院に行けば良いの?」

にこ『………今から私のgps入れて位置情報送るからそれを追って!』ソコニイルゾ

にこ『…あんたら、しつこいのよっ!』ソコダッ
295: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:54:12.84 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「了解っ」

にこ『頼んだわよっ!!』カクホ-

穂乃果「うんっ!!」

にこ『ねぇ!ちょっとその手、放しなさ──────プツ

穂乃果「ッにこちゃんっ!」

ことり「どうしたの?穂乃果ちゃん」アワアワ

穂乃果「にこちゃん達を早く助けなきゃ!」

凛「っ…どう言うこと?」

穂乃果「真姫ちゃん海未ちゃん生徒会長もそこにいるみたい」

花陽「なんで!?」

穂乃果「穂乃果も良く聞けなかったけど、とりあえずgps送られて来るからそれを追ってって!」
296: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:54:31.69 ID:G7Wtb/cy
第12話「START:DASH!!」



─────西木野総合病院


真姫「誰っ!?」ザッ

にこ「A-RISEの綺羅ツバサと優木あんじゅ?!」

あんじゅ「はぁ~い」

ツバサ「こんにちは、にこさん」

ツバサ「それに音ノ木坂学院の皆さん?」

真姫「なんでUTXのA-RISEがこんな所に?」

海未「A-RISE以外にも後ろに人が何人かいるようですが…」チラ

ツバサ「そうね……絢瀬さん、あなたなら私達がここに来た理由を分かってるんじゃない?」

絵里「…さぁ?」
297: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:55:02.35 ID:G7Wtb/cy
あんじゅ「わからないの?」

ツバサ「あなたたち3人を尾行して接触するタイミングを伺ってたの」

にこ「…尾行?」

ツバサ「でもたまたま仮面の女に会いに来たんだもの、びっくりしちゃうわよ」

あんじゅ「で…まぁそうなったら私達も出てきた方がいいかな?って」

ツバサ「まぁ元々あなたがどこにいるかは分かってたんだけどね」チラ

絵里「ふーん…」

真姫「…私達、監視されてたの?」

海未「話ぶりからはそうですが…」

あんじゅ「ええ、ちゃんと見てたわ。お陰でまとめて捕まえ易くなって感謝してるわよ」

にこ「まとめて捕まえるって、…ここにいる私達4人?」

あんじゅ「概ねそうね、他にもいるけど…今はね」

にこ「なんで捕まらなきゃいけないわけ?」

ツバサ「…この前のビルの件で色々あなたたちのことが分かっちゃったから、確保しなくちゃいけなくなったの」

あんじゅ「命令だから、しょうがないわ…」
298: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:55:17.36 ID:G7Wtb/cy
絵里「全力で抵抗させてもらうけど…良いのかしら」

ツバサ「もちろんよ?貴方の妹さん、近くにいるみたいだけどね…」

絵里「…」ジロ

あんじゅ「行くわよ?」

海未「やるんですか?にこ、真姫」

にこ「…やるしかないでしょ」

真姫「……了解」

絵里「…」
299: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:55:44.13 ID:G7Wtb/cy
_______

病院の一室に一瞬緊張が走り、あんじゅとツバサが出口側に下がる。

絵里「は…逃げるの?」

ツバサ「別にそういう訳じゃないわ」

すると…下がった二人の間から、つなぎのような服を着た、ぱっと見中高生くらいの少女が姿を見せる。

あんじゅ「じゃあ…やってもらって良いかしら?」サ

後ろの女1「いいよ、任せて」

真姫「…あなた達はやらないの?」

あんじゅ「色々壊しちゃうかもしれないから…」

ツバサ「そういうこと、…それじゃよろしくね」サ

にこ(耳に何かいれてる?)

女1「やっちゃうよ!」

あんじゅ「じゃ、頼んだわよ」バイバイ

女1「また後でね~」

絵里(亜里沙だけは…)
300: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:56:02.14 ID:G7Wtb/cy
すると女1は、にこ等4人の前で大袈裟に、右手を自らの正面に掲げる。

海未(何の能力でしょうか)ジリ

女はそのまま手を広げたまま前に出すと、
ゆっくりと力むように中指を親指にかけ───中指と親指のみが手の平で接触し合う、

にこ(何をしようと?)

力をかけると、はりつめる中指。女が中指を少しずらすと、

その指は滑るように親指の根本に向かう─────

女1「」ニヤ

真姫(指パッチン?)

にこ「あんたら!耳を早くふ───」

絵里(光?)


───────ピカッ────キイイィィィィィンン


にこ『さいで』サ

真姫「…っく」フラ
301: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:56:46.66 ID:G7Wtb/cy
海未「うぅ…」バタ

にこの言葉は女1の、手から発生させられた部屋中に響きわたる甲高い音によって途中でかき消され、

彼女らの平行感覚は奪われていた

絵里「……」バタン

そして音と共に女の手の平から発された部屋中を照らす強烈な白い光は、にこ達の視界をも重ねて奪っていく

にこ(くっ耳は辛うじて守れたけど、目が…白くて、見えない、皆は!?)

にこ「真姫、海未!」

真姫「…」

海未「」

絵里「」バタ

にこ(反応がない?…気絶してるの!?)
302: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:56:50.28 ID:G7Wtb/cy
海未「うぅ…」バタ

にこの言葉は女1の、手から発生させられた部屋中に響きわたる甲高い音によって途中でかき消され、

彼女らの平行感覚は奪われていた

絵里「……」バタン

そして音と共に女の手の平から発された部屋中を照らす強烈な白い光は、にこ達の視界をも重ねて奪っていく

にこ(くっ耳は辛うじて守れたけど、目が…白くて、見えない、皆は!?)

にこ「真姫、海未!」

真姫「…」

海未「」

絵里「」バタ

にこ(反応がない?…気絶してるの!?)
303: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:57:36.47 ID:G7Wtb/cy
真姫と海未はその場所で受け身も取らずに、崩れ落ちた体勢のまま病室の床の上で意識を失っていた

絵里はベッドの上の亜里沙に覆い被さるように気絶し、動かない

にこ(このままじゃ何も見えないじゃない…)

にこだけは辛うじて聴覚への攻撃に対処できたため、彼女だけは次の手段に移ることができた

にこ「にこっ」ボソ

そう発するとにこの背後に、にこ2がずれるように現れる。

にこの視界が真っ白に塗りつぶされていたため、にこ2の視覚を利用し、

身代わりも兼ねてにこ2をその場に放置したまま、今の本体であるにこ、は病室の窓へ体を乗り出し急いで外へ飛び出る

にこ「…」ヒョイッ

にこ「…」ダッ
304: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:57:54.15 ID:G7Wtb/cy
女1「はは、楽勝だわw」

女1「もう全員気絶させちまったよ、起きてるか~?」ユサユサ

女1「?…ツインテールのやつ……」

女1「多分、こいつ本物じゃないな、逃げられたか……おい、ちょっとお前ら捕まえてきてくれない?」

女2「別にいいよ~」

女3「はいはい、」

にこ(にこ以外の3人は全員気絶、とんだ初見殺しね。…簡易スタングレネード?……っていうか助け呼ばないとかなり不味いわ)タッタッ
305: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:58:41.84 ID:G7Wtb/cy
外側のすぐ下の階にあるバルコニーに運良く着地したにこ2は、少しだけふらつきながらまっ白になった視界を少しずつ回復させていく…

にこ(早く逃げないと…)アセ

にこ(う…良く見えないけど……こっちかな?)テク…

女2「ねぇ、そこのツインテール待ってくれない?」スタッ

にこ「あんたら、さっきの奴等の仲間ね…」

女3「逃げないでよ」テクテク

にこ「…は?…逃げるに決まってんでしょ!」タッタッ

女2「まぁそれはそうだよね」スタスタ

女3「逃がさないから」ダッ

にこ(捕まるわけないでしょっ!)

スマホ<♪ニッコリノマホオ~

にこ「ふんっ!」ダッ 

♪エガオノマホー

女2「はぁっ」ガバッ 

ナミダサヨゥナラ~

にこ「あぶなっ!」

ニッコニッコ♪ ニッコニ────
にこ「…あぁっ、こんな時に誰よっ!?」pi
306: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:59:03.37 ID:G7Wtb/cy
────

凛「じゃあっ早く追わないと!」

花陽「ねぇ、この地図の丸いの、にこちゃんの所のGPSだよね?結構早くなってきてるよ!」

穂乃果「車に乗せられたのかな、早く追うよ!」

ことり「タクシーとか呼んでみる?」

穂乃果「そんな時間ないよっ!」

ことり「じゃあっ」

凛「追うなら凛に任せてっ!」

花陽「たしかに凛ちゃんなら…」

穂乃果「たしか高速移動だったね!」

ことり「大丈夫?」

凛「すぐに追い付けるよ」

凛「…凛が連絡するからタクシーで追ってきて!」

穂乃果「ありがとう、絶対に行くよっ」

花陽「凛ちゃん、気を付けてね」

凛「凛に任せるにゃ」ドン
307: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 03:59:46.96 ID:G7Wtb/cy
凛は穂乃果と位置情報をスマートホンで共有した後に、自らのスマートホンを見て改めてにこがいる大体の位置を把握

にこのいる位置を表す矢印は、車に乗っているような速さで地図上を動き続けていたが、まだこの距離ならば追いつけると凛は思考する

そして上に羽織っていた制服のブレザーを脱ぎ、顔に軽くターバンのようにぐるぐると巻いた

スマホを後ろポケットに入れると、凛は両手を地面につけてクラウチングスタートの体勢を取り、準備をするように大きく息を吸う
凛「」フゥー

凛「…」(とりあえず真っ直ぐ…)

そして横で見ている少し心配そうな花陽達に大丈夫だよ、と軽く手をふった後に

凛はさっと前方に視線を向けると、


───────フッ


穂乃果らが瞬く間もなく凛はその場から消えていた…
308: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 04:00:10.43 ID:G7Wtb/cy
凛は超スピードで先ほど地図上で確認した場所に向かう

凛の視界では建物、車が残像を残しながら後ろに伸びていくように過ぎ去っていく

凛(…ここら辺?)

凛「…」ピタッ
ある程度進んだ所で急停止し、スマホを取り出すと未だに動き続ける位置情報を再確認する

凛(あっちの方向かな…)ビュン


……



凛(ここら辺にいるみたい、ちょっと疲れてきたにゃ)ハァハァ

少し大通りから外れた交差点で立ち止まり、信号待ちの車に視線を向けた

凛(あのおっきい車、怪しいかも)

一台止まっているめぼしい車、ワゴン車を見つけた凛は様子を伺おうと、そっと近づいていく

凛(……あ…信号が青になっちゃった)

ブロロロ…

凛(行っちゃうよ、…見ないと。追いかけるしか……)
309: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 04:00:59.02 ID:G7Wtb/cy
凛は車のスピードにあわせて後ろに追従するように追いかけるが、ぶれて車内を上手く見れない

凛「…これじゃ見えないじゃん」ム

凛「…えいっ!」ピョン

凛は思いきり良く、走り続ける車の後部に掴みつき、後ろの窓から車中を覗き見る。
凛「いるかにゃ~?」ズイ

『…今なんか揺れなかった?』ユサ

凛「あっ、にこちゃんと真姫ちゃんっ…眠ってるのかな?、ん…でも縛られてる」チラリ

凛「それに海未ちゃん、生徒会長もいるの!?」

『ねえ!、今後ろにだれかつかまってるわよ?』

『え!?』フリムキ

凛「にゃっ!?」
310: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 04:01:20.10 ID:G7Wtb/cy
【ほのタクシー車内】


──────♪─アサハパン、パンパパン ♪

穂乃果「あっ凛ちゃんから着信!」

ことり「ほんとっ?」

花陽「凛ちゃんっ!」

穂乃果「どうだった?」

凛『…ちょっと…ゼェ…待って……ハァ…』

穂乃果「凛ちゃん、落ち着いてからでいいよ」

凛『…ありがと……フゥー』
凛『にこちゃんのスマホ追ってたら、皆が、目隠しと…腕を縛られて車に乗せられてたの。』
凛『だから……助けようとしたんだけど、見つかっちゃって…何とかにげた…』

穂乃果「じゃあ、まだ無事なんだね?」

凛『うん、』
311: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 04:02:07.55 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「…動ける?」

凛『体力使っちゃったから、…休憩すれば大丈夫!』(ちょっと怪我しちゃったけどね)

穂乃果「良かった、じゃあ穂乃果達は追ってるね」

凛『うん、あとで追い付くにゃ…』

穂乃果「じゃあまた後で、」

凛『じゃあ───

───あっ待って、大事なこと言い忘れてた!』

穂乃果「ん、何?」

凛『その車に乗ってる人、…全員能力者かも』
312: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 04:02:45.81 ID:G7Wtb/cy

……


花陽(そろそろ車はこの道を通る筈です…)チラ


─────ブロロロ…


花陽「来ましたっ」

ことり「穂乃果ちゃん、あの車がきたよっ」

穂乃果は片手を前に突きだし、右手を左手で支えるようなポーズを取った。
穂乃果「任せてっ!」

──
────
──────

ことり「海未ちゃん達、気絶させられて捕まってるの!?」

穂乃果「うん、だから何とか車を止めて救出しないと…」

花陽「そんな、どうやって…。」
花陽は手元のスマホに写る位置情報に目を落とし、目で追っていた。

花陽「…。」
花陽「……!…戻ってきてる」
313: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 04:03:45.31 ID:G7Wtb/cy
ことり「どう言うこと?」

花陽「今まで街の中心部から離れるように進んでいたんですけど、ここで向きを変えて違う道でこっちに引き返してますっ」

穂乃果「じゃあ、追い付ける可能性はあるよねっ」

花陽「はいっあります」

ことり「運転手さんっ向きを変えてっ!」

──────
────
──

ことり(花陽ちゃんが言うには車はほとんど真っ直ぐにしか進んでないらしいから、通る場所を予想して待ち伏せするっていう賭けだったけど…)

花陽(賭けは当たったみたいですね)

穂乃果「ここだっ!…命中させるよっ!」ズドォン


計画は簡単。

4人を乗せた車が前を通ったら、穂乃果がその車に衝撃波を当てて、橋状の道の下でクロスするように通っている大きめの用水路に突き落とすだけ

そして横転させた車に、すぐにことりと花陽が駆け寄って4人の拘束を解いて逃走、というものだった

考えた事自体は単純だが相当に難度は高い、万が一の事も考えて周りにあまり建物がなく多少開けた場所を救出場所に選んだようだが…
314: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 04:04:00.94 ID:G7Wtb/cy
その待ち伏せをする用水路の水幅は広く、高速道路のガード下を通っており、両脇にはコンクリートの岸が幅広く作られていた。




断面

 ̄\ / ̄
\____ ___/
| 水水水水水 |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


上から

穂待機
平坂坂平平平平 水水水水水 平平平平坂坂平
橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋
橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋
平坂坂平平平平 水水水水水 平平平平坂坂平
平坂坂平平平平 水水水水水 平平平平坂坂平
平坂坂平平平平 水水水水水 平平平平坂坂平
平坂坂平平平平 水水水水水 平平平平坂坂平
315: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 04:04:51.03 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「命中させるよっ!」ズドォン


穂乃果の発生させた衝撃波は、走ってきた車の前輪にみごと命中し、スリップさせる事に成功。

──────キキーイィィッ   ギャリギャリギャリ
車はコントロールを失い、蛇行運転をはじめる。
そして橋の上にある道路の柵へ衝突して突き破り、道路の外へ!

橋の上から空中へ飛び出すと、

ガアアァンッ──────
車はその勢いのまま落ちていき、コンクリートの地面に触れた後、傷つきながら車体を横にしてゴロゴロと転がっていく

316: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 04:05:08.73 ID:G7Wtb/cy
最終的に、用水路の水場と岸の段差で車体を斜めにし、車は水に半分浸かった状態で止まった…


ことり「花陽ちゃんっ!」タッ

花陽「うんっ」


三人が待ち伏せしていた逆の岸側で停止した車に向かって、ことぱなは橋を経由して救出に向かい、穂乃果もそれに続く



穂待場
平坂坂平平平平 水水水水水 平平平平坂坂平
平坂坂平平平平 水水水水水 平平平平坂坂平
橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋
橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋橋
平坂坂平平平平 水水水水水 平平平平坂坂平
平坂坂平平平平 水水水水水 平平平平坂坂平
平坂坂平平平平 水水水水車 車平平平坂坂平
平坂坂平平平平 水水水水水 平平平平坂坂平
平坂坂平平平平 水水水水水 平平平平坂坂平
317: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 04:05:59.29 ID:G7Wtb/cy
ことり「車、倒れちゃってる…」

花陽「起こしてみないとだめかな?」


─────パリィンッ───
ことり「キャッ」ビクッ

花陽とことりが横転している車に近づくと横窓がいきなり割れ、そこから手が出てくる

しかしその手は脱出する為に窓をわるだけ。ではなく、うねうねと動き空へ伸びていくように見えた。

花陽「っ手が伸びていってる!?」

穂乃果「能力者ッ?、放れてっ!」タタッ

そしてもう一度、車からガラスの割れる音が聞こえる

ことり「まだあるみたい…」

────シュ
伸びた腕がもう一本、反対側の窓から出てきたと思うと

伸びている手の両方を水面に入れて、苦戦している様子もなく車体ごとコンクリートの岸に引き上げていく
ザパァ───

その後、腕はさっきとは逆に縮んでいき、シュルルと車の中に消えていった
318: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 04:06:13.55 ID:G7Wtb/cy
車は地面に上げられ通常の姿勢に戻りはしたが、引き上げられたばかりなので車体は濡れており伝ってくる少量の水が地面に滴る

その車の扉がゆっくりと開くと、中から出てくる人影が2つ。

花陽「気をつけて下さいっ」

中からこちらへ歩き出して来たのは彼女らの救出目標ではなく、

右手に、切れ目の入った小さいプラスチックの棒を1つ持ったメルヘンチックな女と、何も持ってはいないが両手が水に濡れているポニテの女。

そしてもう1人、最後に車から出てきた人影は

穂乃果「真姫ちゃんっ!」

しかしその目にはまるでいつものような色、雰囲気はなく、操られているようにただふらふらと歩いてくるのみ
319: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 04:07:36.57 ID:G7Wtb/cy
彼女らはなにも言わずにコンクリートで作られた地面の上を通って、穂乃果らへ近づいてくる

ことり「気を付けてっ!」


「まったく……」コツコツ


穂乃果「…何ですか?」


するとメルヘン女は何かの液体が入ったビンをポケットから取り出し、

花陽「…?」

「…そういう存在は集まってくるものなのかしら……」ピチャ

そう発したメル女は先ほどから持っていたプラスチック棒の先端へ、ビン内の液体をつけてそれを口にくわえた

花陽「気を付けてくださいっ…」

真姫「…」

「手間が省けて良かったわ、皆まとめて捕まえられるじゃないの──────


「「…音ノ木坂の能力者さん?」」シュルル
332: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:45:56.43 ID:G7Wtb/cy
第13話「奪還をめざして」



穂乃果「穂乃果が二人を後ろから援護するよっ、車の方に走って!」

ことり「…うんっ!」ダッ

花陽「行きますっ」タッ


用水路を横に車が停止しており、その前に真姫、メルヘン女、ポニーテールの女

その正面、3メートルほど放れた所で正面で相手と向かい合うように花陽、ことり、穂乃果が並ぶ

すぐさまメル女は先端に液体のついた棒を口につけ、そこへ息をふく

するとそこからはシャボン玉が発生!
日光を反射し色をつけ、いくつかあるそれはふわふわと飛んでいく
花陽、ことりへと向けて。


花陽「…シャボン玉?」


その裏でポニテ女は、腕を伸ばして穂乃果へ掴みかかろうとしていた


「…」シュルル


するとシャボン玉の形が不安定になり、割れた…が、単に割れるのではなく


ことり「爆発したの?」


その目からは、中心から直径15センチほどに渡り空中でシャボン玉が赤く爆発したように見えたのだ


花陽「たくさん飛んでますっ」


今爆発したのは多く飛んでいるシャボン玉の中の1つ、


ことり「そんなっ」


そのため、二人の目の前にはいくつものシャボン玉が迫ってきていた。近づけば爆発は免れないだろう


ことり「…」ジッ


迫るシャボン玉を花陽と二人で観察しながら、救出するためにその車へ迫っていく。
333: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:46:13.85 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「伏せて!」

ドォンッ!

が、そんな二人の背後から衝撃波が飛んでくるとシャボン玉の群れへむかい、接触した玉を次々と爆発させていく


穂乃果「早くっ」

花陽「ありがとっ!」


進行路を確保し、二人が走っていく様を注視しながら他の能力者へ穂乃果は目を向ける

様子がおかしい真姫、と手を伸ばすボブ女…


穂乃果「あっ」グイ


ポニテ女を見るとその手はいつの間にか穂乃果の真近くにあり、その伸びた両手に腕を捕まれ空中に引っ張られていく


「…」ヒョイ~

穂乃果「はなせっ」ジタバタ

「暴れないで欲しいんだけど」

穂乃果「離してくれたらねっ」

「…じゃあ、お望み通りに」ポイッ


穂乃果は望み通り拘束から解放される…が、その場所は空中であった

放り出された先には用水路の水、そこへ顔面から突っ込むことに


穂乃果「…っ」ドボン

穂乃果「…」ガボ…ガボ

穂乃果「…」スイー

穂乃果「うわっぷ」バシャ


流れながらも、なんとか顔を水面へと出し空気を吸う

そして目先にあったコンクリートで出来た岸を見つけると、そこへ手をかけて登った
334: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:46:41.56 ID:G7Wtb/cy
這い上がったばかりの穂乃果へ問いかける声の主はポニテ女


穂乃果「暑かったからちょうど良かったよ、ありがと」

「それなら良か穂乃果「よいしょっ」ザバァ


落下地点から流され、そこでは車一台分ほどしか移動してはいなかった、

が陸へ上がった場所はことり等がいる場所とは水を挟んで反対側の地点


「どうだった?」


った」シュルル

穂乃果と同じ側にいる女は、放れた穂乃果へ二本の腕を繰り出す。



穂乃果(…ダルシム?だっけ?)


そんなことを思いながら、女に体を向ける

穂乃果は走り寄りながら、
その手に触れられる瞬間に衝撃波を使って相手の手を体の外側へ振り払っていく


穂乃果「…」ブンッ


しかし痛みはないようで振り払われどもその腕は、何度も向き直り穂乃果へと攻撃を迫る

「まだまだよ…」


その手が迫って来ては、
穂乃果は自らの手や足、衝撃波を駆使して伸びる腕からの度重なる攻撃をしのいでいく

───────それを何度も繰り返して反撃の転機を伺うが。
335: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:46:59.76 ID:G7Wtb/cy
穂乃果(やっぱり、キリがないよ。これで衝撃波を撃っても当たらない)

「あら、全然攻撃してこないじゃない」

穂乃果「じゃあ…行くしかないね」グ

穂乃果「ファイトだよっ!」ダッ


両方の手を振り払った僅かなタイミングで覚悟を決めて、相手へと近寄ってから攻撃するためのダッシュ!


「来てみなさい」

穂乃果「行くよっ!」タッタッ


穂乃果が駆け寄りながらでも、互いの腕による攻守は緩まる様子はない

迫り来る手は穂乃果の接近スピードを遅めはする、けれど接近は免れなかった


穂乃果「イケるっ!」

「…このぉっ」ブンッ


ポニテ女のうねる腕や、走りながらの穂乃果のガードする四肢が高速で動き、肌色の僅かな残像を作りながら

着実に二人の距離は縮まっていく


穂乃果「ここだっ!」ピョン


相手との距離が理想的な所で、穂乃果は攻撃してくる手を一本踏み台にしてジャンプ!


「…なにっ」

穂乃果「ふんッ!」ブオォ


空中で一メートルほど放れた相手へ衝撃波を射出、

穂乃果は確実に当てるために接近したのだ、それが外れる事はない。

が…それは途中に障害物がなかった場合。
336: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:47:52.44 ID:G7Wtb/cy
「こっちもあるのよっ!」ドッ


ポニテ女はもう片方の空いていた手を使い、うねりよって穂乃果の衝撃波からの攻撃を瞬時にガード


穂乃果「くそっ」ゴロ


空中へジャンプした穂乃果はそのままポニテ女の頭上を飛び越え、背後へ転がるように着地し、立ち上がって向き直る。


穂乃果「…」サッ

「まぁなかなかやるじゃないの」ユラァ

穂乃果「そっちもね」

「でも、この繰り返しよ」シュルル

穂乃果「どうかなっ」ダ
337: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:48:25.46 ID:G7Wtb/cy
────────


ことり「ハノケちぇんっ!」


しかし、ふと見ると穂乃果が腕に捕まれ、空中で宙ぶらりんになっていた


「そっちに気を向けてて良いの?」


だがシャボン玉が今度は二人の間に迫ってきており、

花陽「ことりちゃんっ!」

ことり「うんっ…」サッ


ことりと花陽は反対方向に避けざるをえず、分断されるような形になる。
花陽が真姫に、ことりがメルヘン女というように…


真姫「…」

花陽「真姫ちゃん、どうしたの?」

真姫「…」

花陽「…真姫ちゃん?」

真姫「五月蝿いですこと…」
338: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:48:50.41 ID:G7Wtb/cy
すると真姫はいきなり手を花陽へ向けると燃え盛る炎を放った


花陽「えっ誰!?」


真姫の能力を知っていた花陽はさっと炎を避ける、しかし能力耐性があるから避けなくても良いのではないか…

確かにダメージが花陽に入ることはないが、今は耐性という異能を見せるべきではなかった


真姫「答えるわけにはいきませんわ」ブワァッ

するとまたもや炎を花陽へ放つ

花陽「絶対真姫ちゃんじゃないよね…」ヒョイ



真姫の手の向きを見極め、花陽は今度も炎を避けていく

花陽の能力はそれ自体で攻撃できるものではないため、自らの力で攻撃する他ない

今はまだ、ある時を待つのみ


真姫「…この能力、相当燃費悪いですわね」ボゥ

花陽「乗り移られてるの?」

真姫「そのとおり、私が操っていますのよ」
339: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:49:17.37 ID:G7Wtb/cy
つまり

相手の隙をつき、少しでもアドバンテージを生み出した状態で肉弾戦に持ち込むのが花陽の戦闘スタイルということになるだろう


真姫「行かせていただきます、」シュッ


そして、真姫が花陽へワンステップで迫ると熱量を感じる右の手刀を振りかざした

微量な炎が、遠心力によって手のひらの外側へ向かい指先から流れ出ると、赤い気体の刃が一筋…

それは花陽へと向かう


花陽「えいっ」パシッ


しかしそれは花陽からすれば、ただの女子高生のひ弱な手刀、見極めさえすれば対処するのは難くない


花陽「…」バッ


それを受け流すと、花陽は距離を取る。


花陽(真姫ちゃんを元に戻すには…)

真姫「まだまだですわっ」


思考している花陽へむけて真姫は迫るとまた手刀を何度も振り抜いていき、それに対して花陽もそれを受け流していく─────
340: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:49:32.59 ID:G7Wtb/cy
一方メルヘン女と対峙していたことり、


ことり「貴方たちなんなんですかっ」プンプン

「そのうちわかるわよ」プワプワ


メルヘン女は会話を交わすと先程と同じように息を吹いてシャボン玉を作っていく、

そしてそれらが流れるのはことりの方向


ことり「ずるいっ」ズリ…


こちらへ寄ってくるシャボン玉からなるべく離れようと、ことりはゆっくりとメル女から離れていく


「ねぇ、貴方たちの友達助けに来たなら車に乗ってるわよ?お友達」

ことり「近づけないよっ、そんなの」プンスコ
341: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:49:58.11 ID:G7Wtb/cy
「…まぁそうよね」フゥ-


そう言うとシャボン玉に直接息を吹き掛けるメルヘン女、透明な浮遊玉はその息吹きでことりへと一層迫っていく

そして、

───────バンッ

ことり「…きゃっ」


ことりの近くでシャボン玉は爆発し、ことりは悲鳴を上げる


「フフ…かわいい声ね、怯えちゃって」

ことり「だれでもびっくりするんだよっこんな事」

「まだあるわよ」フワァ~

ことり「もう怒っちゃいましたっ」プンプン

ことり「え~っと」ゴソゴソ


するとことりは鞄の中に手を突っ込みなにかを探しだす

しかし
そんなことりにも着々とシャボン玉は群れをなして近寄ってきて、ことりを待ってはくれない


───プワプワ
342: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:50:11.75 ID:G7Wtb/cy
───────


花陽「目を覚ましてっ!真姫ちゃん」

真姫「うるさいですわっ」シュッ

花陽「…うーん、うまく行かないよっ」ヒョイッ


拮抗した手での戦闘、それが何回か繰り返された頃だろうか


花陽(やっぱり、会話とかしてもダメなのかなぁ)パシッ

真姫「もう…」

真姫「埒があきませんわ、…ハァッ」ブワァッ


進みも下がりもしない戦闘。

真姫が手刀で切りかかり、花陽がそれを注視して受け流したり避けてみたり…と

しかし、そこへ変化を加えるべく、花陽が少し離れたタイミングで真姫は両手をさっと花陽に向けた…
そして、すぐさま手の平からは広範囲をカバーする極大の炎が花陽へ放たれる!

しかし極大の炎なんてものは花陽にはないものと同じ、燃え迫ってくるものを避けようともしない
343: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:50:45.39 ID:G7Wtb/cy
花陽は手を振り抜き、むしろ迫っていくように見えた
そう、今まで戦闘が長くなっていたのはこのタイミングを狙っていたためである


花陽「…」タッ


花陽は真姫に一歩踏み出すと、その炎の中に数歩踏み込んでから──────


真姫「…え!?」

花陽「ごめんっ」ドスッ


目を醒ましてほしい一心で、思いっきり真姫の鳩尾へ下突きをかます!


真姫「「…ウグッ」」ドスッ


真姫はまさかこの燃え盛る中を花陽が迫ってくるとは思ってもおらず完全に無防備な状態

花陽の能力を知らない真姫でないものが、彼女の体を動かしている…それによって、花陽はこの状況を生み出すことが出来たのである

真姫は炎を出すために両手を前に突きだした体勢、それで花陽の拳に耐えきれる訳もない

突然の拳の効果と体勢による無防備さにより、受けるダメージは強化、それは真姫の内蔵を大きく揺さぶっていく!

結果、
なすすべもなく真姫は一瞬だけうめき声を上げた後、花陽にもたれ掛かるように倒れこむとそのまま意識を失った


花陽「真姫ちゃんっ」ユサユサ

真姫「…」

花陽「真姫ちゃんっ!」

花陽「…」

真姫「」スゥ…スゥ…


花陽「呼吸はしてるみたい…良かった」
花陽(さっき車の方からも同時に呻き声が聞こえた?)
344: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:51:03.52 ID:G7Wtb/cy
一方ことり…


ことり「…あった!」


シャボン玉から逃げるように駆け回りながら、ことりが鞄から取り出したのは裁縫セットであり、その中から糸を取り出す


「なにするつもりよ」


その問いには答えず、ことりは糸の先端にペンのクリップの部分を絡ませると、それらを頭上で振り回した


ことり「これで反撃をしますっ」ブンブン


紐に勢いをつけてからペンをつけた先端を、ことりはえいっとメルヘン女にむけて投げた

空中を楕円に大きく飛び行く紐付きペンがメルヘン女近くへ行くと、
ペンに繋がって一緒に降りてきた糸が多くのシャボン玉に平行に接近していく

糸がまとめて球に接触すれば、同時に爆発を起こすのは必然であった


───────ッズドオオォォォォン…──────


そこら一体のシャボン玉が爆発音と共に赤く光った後に大きな爆発!

そこからは大きな熱波が吹きすさび、その熱風に思わずことりは顔を腕で庇う


オオォォォ…

ことり「…ごほ…ごほ」


ことりが目を開けるとメルヘン女の近くにあるシャボン玉も含め、ほとんどの透明玉は消え去っており、まだ残っていた玉ははるか上空を漂っていた
345: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:51:30.91 ID:G7Wtb/cy
メルヘン女はというと、

爆心からの位置はことりとあまり変わっていないようだったが、メル女はよりダメージを受けているようにことりは思えた

メルヘン女の服の黒く空いた穴からは少し焼けた肌が見え、髪の先端は焦げている
少し火傷しているような、その体は後ろへ尻餅をつく


「…」トスッ

ことり「…」ダッ


その時に、ことりは何か申し訳ないと重いながらも、メルヘン女が地面に落としていたシャボン液とプラスチック製の切り込みが入った棒を一応回収する


「…ゴホッ」
「まさかあんなことやられるとはね」


武器を取られたメルヘン女はそう言うと、能力の使役によって体力を使い果たしたのかその場でゴロンと横になり、…すっと寝始めた


ことり「…はは」

ことり「この人寝ちゃったよ」

ことり「……ん」パタ

ことり「…」スゥ

─────────
346: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:51:51.68 ID:G7Wtb/cy
穂乃果とポニテ女は未だに攻守を続けていた、ポニテ女が攻撃し穂乃果がそれをガードする


穂乃果(繰り返しになっちゃってるよ)チラ

「少し飽きてきたんだけど…」

穂乃果(そうだ)
穂乃果「穂乃果もだよ、って言うわけで」ダッ


今度はいきなり穂乃果が、ポニテ女に背を向けて後ろへと走り出す。


「まぁいいけど…」シュルル


しかしその背後を狙わない訳がない、ポニテ女は穂乃果の後ろを走って追いながらも、
腕を伸ばしながら攻撃を狙う。


「…」タッタッ

穂乃果「…」チラッ


もちろん穂乃果も分かっているので後ろを気にかけながら、
迫る腕に適度に反撃、防御しながら走っていく。
347: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:52:34.36 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「こっちだよっ」

「…」シュルル


ある程度走った所で、
穂乃果は、ポニテ女とその腕が自分にしっかりついてきているのを確認すると、
用水路の上につくられた橋を支えるコンクリート柱の、岸に立っている二本の支柱へ視線を向けた

もうその支柱の近くへ来ていた穂乃果は、ついてくる腕から逃げるように二本の支柱の回りを適当にぐるぐると回っていく

穂乃果(…どうかな)グルグル
そのため穂乃果を追う腕も必然的に支柱の周りを回ることに…


「…」グルグル

「なるほどね…ははっなかなか面白いわ、」

「でもこんなギャグマンガみたいなありきたりな方法で私の腕が絡まると思う?」

「…ないわよ」


そう言うといきなり穂乃果の近くで回っていた腕が止まると…今度は急速に短くなっていく、勢いは早く、その腕はまるで鞭のようにしなっていた

広範囲を円形に薙いでいく、遠心力も伴った急速に縮む腕には、今までの方法でも穂乃果は対応はできないだろう

風を切る危険な音をさせている───それに当たったら穂乃果はかなりのスピードで弾き飛ばされ、気絶は確実に思えた

今は巻き尺のように支柱から急速に、回りながら離れていく腕から身を守るために伏せるしかない


穂乃果「…くっ」

風を切りながら縮んでいく腕──────
「…チッ」

「運が良かったわね、当たらないなんて」
348: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:52:49.77 ID:G7Wtb/cy
「次こそ捕まえてやるわ」シュルル


そう向き直ると、
ポニテ女は今度も腕を伸ばして穂乃果へと向かわせる、6メートルほどの距離、同時に二本の腕が猛スピードで向かう


穂乃果「ふんっ」ドォン


そこへ穂乃果も相手へと向けて構えると、両手から衝撃波を二つ放った、伸びよる腕をちょうど迎え撃つような起動に乗せて

その衝撃波と腕は敏速にその距離を縮めていく
衝撃波は直線的で起動の変更は不可能であったが、
伸びゆく腕は軌道の変更は可能である

そのため両腕に二つの衝撃波が当たる瞬間、


──────スッ───────


それらを避けるのは容易であった
349: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:54:13.60 ID:G7Wtb/cy
その後、腕の所持者も通りすぎる衝撃波を避けるために、腕を前に出したままの状態で頭を下げて衝撃波を避ける!

腕はその衝撃波を躱したために穂乃果へとさらに勢い付き、相手の視線は下を向いていた


穂乃果「ここだっ」


穂乃果はその瞬間を狙っていたのだ

すると両手の平を後ろへと向けて、走ると同時に背後へ衝撃波を射出!一瞬だけ空間をカットしたように移動ッ

そしてその反動を利用して急加速し相手へと迫る!


穂乃果「…」ブンッ

「捕まえてやるわっ!」


そして応戦しようと数歩先の相手が面を上げる直前、

穂乃果は高速で進みながら、衝撃波を利用し真横にある橋下の壁へ向けてジャンプ!


「…あれ、どこ行ったのよ?」


ポニテ女は正面をみるが、想定していたその場所に穂乃果の姿はなかった…

穂乃果は2メートルほど空中に飛び上がっており、その髪をたなびかせると片足を壁について、


穂乃果「…」タンッ

穂乃果「ここだよっ!」シュ


相手の左上から肉薄するとその視角外から


「ぶへぇっ!」バンッ


壁を利用した飛び蹴りを顔面に炸裂させた!

その蹴りは衝撃波の遠心力も活かしており、威力はすさまじく
相手を顔から吹っ飛ばすと体を横にして転がらせていくほど


「…」ゴロゴロ…


穂乃果は相手に歩いていき、確実に気絶したのを確認、


穂乃果「やった!、」


腕をあげガッツポーズを取ると、横から花陽の声が呼び声が聞こえた
350: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:54:28.09 ID:G7Wtb/cy
第14話「A-RISEとの対峙」




─────音ノ木坂学院 教室

ヒデコ「ねぇ、本当めんどくさいんだけど」

フミコ「しょうがないよ、今日が当番なんだから」

ミカ「でも放課後の掃除がめんどくさいのは分かるよ、ゴミ出しもしなくちゃなんないし」

ヒデコ「だよね~」

フミコ「でももうちょっとで終わるし頑張ろうよ」

ヒデコ「…そうだな、ちゃちゃっと終わらせちゃおう!」

ミカ「おー」

フミコ「…あっ、その集めたの塵取りで取ってくれる?」

ヒデコ「了解っ」ササッ

ミカ「ねぇ、掃除終わったら今日はどうする?」

ヒデコ「うーん、最近は甘いものとか食べてばっかりだからな~、それ以外で」

フミコ「確かにそうだね」
351: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:55:10.17 ID:G7Wtb/cy
ミカ「この前行ったお店も美味しかったねっ」

ヒデコ「何か色々雑誌も置いてあったしね、ニュースとか今年のイベントとか」

フミコ「あっそう言えばラブライブって今度もやるんだよね」

ミカ「そうらしいね、気になってるの?」

フミコ「まぁまぁって所だけど」

ヒデコ「なかなか厳しいらしいね、この前運営が変わったらしいけど…そこからだっけ名前が変わったの」

ミカ「やっぱりA-RISEくらいが目玉かな」

フミコ「どうなんだろうね」

ヒデコ「うちの学校からもスクールアイドル出ないかな~あの幼なじみトリオとか良いと思うんだけど」

ミカ「結構うまくいきそうだよね…」
ミカ「あ…話それちゃったけどどうする?この後」

ヒデコ「さっきも言ったけど、私は甘いもの以外かな」
352: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:55:34.72 ID:G7Wtb/cy
ミカ「私は今日も甘いものがいいけどな~」

フミコ「え…だって、ちょっと余分なお肉が…」プニ…

ミカ「えいっ」プニッ

フミコ「あっちょっと止めてよ」///

ヒデコ「あたしもっ」プニ

フミコ「ヒデコまで//二人ともっ///止めてよっ」

ヒデコ「いいじゃん~」プニプニ

ミカ「確かにお腹がぷにぷに気味だねぇ」プニップニ

フミコ「早く掃除が終わらせるんじゃないのっ///」
フミコ「ねぇっ!//」

ミカ「…んぅ~…まぁそうだったね、ヒデコも」

ヒデコ「は~い、そうだね」

フミコ「これゴミ箱に捨てて、袋出したら終わりなんだから」

ミカ「…確かに直ぐだったね」

ヒデコ「…ほいっ」サッ

ヒデコ「……で、後はゴミ出しだけだね」

ミカ「誰が行く?」

フミコ「…うーん」

ヒデコ「…じゃあジャンケンでっ!」
353: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:56:21.72 ID:G7Wtb/cy
ミカ「いつものやつだね」

フミコ「わかったよ」

「「「最初はラブ!じゃんけ───────

ガラッ

「ヒフミちゃんたちいる~?」

ヒデコ「モブ子じゃん、いるけど、どうしたの?」

「何か三人を呼んでるっていう人がいて、」

フミコ「うーん…なんでか分かる?」

「いやぁ、特に聞かなかったけど出来るだけ早くきてほしいって」

ヒデコ「…じゃあ、とりあえず行ってみよっか?」

ミカ「このゴミ袋捨ててからで良い?」

「当番だっけ?」

フミコ「うん」

「じゃあいいよ、私やっとくから」

フミコ「いいの?」

「いいよ、私が出しとくから」

ミカ「ありがとっじゃあ行ってくるね」

ミカ「行こっ二人とも」

ヒデコ「おっけ!」

フミコ「うんっ」



────────────
354: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:56:36.14 ID:G7Wtb/cy
花陽(真姫ちゃん、呼吸も整ってきたし大丈夫そうだね、)

花陽(ことりちゃんと穂乃果ちゃんは…)
少し周りを見渡すとうつ伏せになっていることりが花陽の目に入った

花陽「ことりちゃんっ!」タタッ

花陽「大丈夫?…」

近寄ってことりを仰向けの体勢に変え、花陽は耳をことりの口に近づけ息を確認

花陽「大丈夫みたい…」

花陽「…あっ…でも洋服が」

花陽が改めてことりの全身を観察すると洋服は所々黒く穴が空いており、そこからは白く綺麗な肌が露出していた

しかし、大事な所は布できちんと隠されているよう

花陽「まだ良かったのかな?」

そんな花陽の耳に…ふと、ドッッという音が聞こえる

そちらへ視線を向けると
355: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:57:32.17 ID:G7Wtb/cy
花陽「穂乃果ちゃんっ!」

穂乃果が対岸でやったよ!という風に立っており、その正面に寝ころがっているポニーテールの女が見えた

そして、ここで気付いたのか穂乃果は花陽をみると手を振る

花陽「穂乃果ちゃんは大丈夫?」

穂乃果「うんっ」

花陽「じゃあ車入って皆の事先に見てるね」

穂乃果「おっけー後で行くねっ」

花陽「あと、こっちに来ても真姫ちゃんとことりちゃんは寝かしといてあげてね」

穂乃果「わかったよ」

花陽「よろしくね」

そうつげると花陽は車へと向かっていく、車に鍵はかかっておらず真ん中のスライド式ドアを横に開ける

花陽は中に入ると、一番最初に車の座席の上で倒れている紫色の髪の女に気が付いた。
356: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:57:46.57 ID:G7Wtb/cy
その髪形はショートボブ、胸は少し大きめで少し大人びた雰囲気を纏っている…その少女は腹を押さえるように気絶していた。

花陽(そう言えば真姫ちゃんも少しお腹を押さえていたような…)

しかし今の花陽にとってそれは重要ではない、
にこと海未、生徒会長を見つけるのが目標である

花陽「あっ!」

そしてあっさりと車の一番後ろの座席に猿轡を噛まされ縛られている三人を見つけ、その縄を外そうと後ろへ移動しようとした瞬間

花陽の耳に突如、大きな何かが崩れ落ちるような轟音が聞こえた


───────────────────
357: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:58:49.67 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「わかった!」

花陽に返事をし

穂乃果は先ほど言った通りに反対側の岸に向かうため一旦橋を経由しようと橋へさしかかる。

途中に、ふと一台のリムジンが向こう側から走ってきていた

少しの高級感を漂わせたリムジンは用水路にある、コンクリートで出来た大きめの橋の真ん中、穂乃果の数歩先でゆったりと止まった


穂乃果「リムジン!?」


穂乃果が驚いているさなか、綺羅ツバサ、続いて、優木あんじゅと統堂英玲奈というように車内から降りていく
358: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:59:04.19 ID:G7Wtb/cy
ツバサ「…」テク…

穂乃果「っUTXの…」ゴク

ツバサ「ええ、A-RISEで間違いないわ」

あんじゅ「穂乃果さん…?でいいのかしら」

穂乃果「いい…ですけど」

英玲奈「久しぶりだな、穂乃果」

穂乃果「あの時はどうもっ」

英玲奈「なに、気にすることはない」

ツバサ「え、二人とも会った事あるの?」

英玲奈「まぁちょっとな」

ツバサ「…そう」

穂乃果「それでっ聞きたかった事があるんですけど…」

ツバサ「質問?今?…なにかしら」
359: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 15:59:47.00 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「これは良い機会だと思うのでっ!!…」

あんじゅ「…ねぇ、いいの?」ザッ

穂乃果「…」ゴク…

ツバサ「あんじゅ、そのまま」サ

ツバサ「聞かせてくれる?その質問」

穂乃果「…UTXは、なんで音ノ木坂学院を廃校にさせるんですか?」

ツバサ「あら、知ってるのね?…UTXによって音ノ木坂学院は廃校になる。それは事実よ」

ツバサ「…それをUTXの生徒である、A-RISEの私達に聞くのね?」

穂乃果「はい!」

ツバサ「…いいじゃない、気に入ったわ…ほんの少しだけ答えてあげる」

英玲奈「おい、」

ツバサ「ある目的の為?かしら。…でも廃校なんて物は別にいいの」

穂乃果「…ならどうしてっ!!」

ツバサ「……これならいいでしょ?、…あんじゅ、やって」

あんじゅ「了解よ」
360: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:00:01.98 ID:G7Wtb/cy
そう言ってあんじゅが両手に付けていた白手を片方だけ外す

するとぱっと右の手の平を広げ、コンクリートの地面につける
そしてあんじゅの腕にぐっと力が入ったように見えると…


穂乃果「…え?」


バキバキと地面に触れたあんじゅの右手の形にコンクリートが手形のように凹んでいき、
地面は音を立て─────あんじゅの右手から放射状に亀裂がアスファルトへ広がっていく

刹那、

橋はあんじゅを中心にしてバギンと真っ二つに割れ、崩壊!

橋の両端が内側へと向かって傾き出し、あぶれ出た鉄骨、破片はボトボトと真下の用水路に落ち、崩れていく


穂乃果(なにこれ…)


そして用水路の上に積み上げられた残骸のうえにフワリ、とあんじゅは着地した


ツバサ「どう?すごいでしょ」


辛うじて残っていた橋の端に立っていたツバサが穂乃果に語りかける


あんじゅ「私がやったんだけど…」
361: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:00:47.17 ID:G7Wtb/cy
しかし、もう穂乃果は車に向かって直接、橋を通らずにその下を駆けだしていた


穂乃果(とりあえず皆と合流すればっ)タッタッ

ツバサ「直接向かうのね、最初からそうすれば良かったのに…」

ツバサ「でも行かせるわけないでしょ…」

ツバサ「…arise!」


ツバサが片手を穂乃果に向けると青白く輪郭が光った大きな白い棒のようなものがフッと現れた

それは鉄骨に似た形状をしており、似ているだけでなく重さもかなりあるように見える


ツバサ「ハッ…」


そして、それは駆けている穂乃果へ卒爾に飛んで行く

白棒は穂乃果が横たわる流水へ差し掛かるちょうど前に飛来し、すんでの所でかわされると地面に派手に突き刺さる


─────ッガアァァンッッ!!!


穂乃果「なにこれっ!?」

ツバサ「想像しやすいのよ、それ…まぁ結構疲れるんだけどね、」

穂乃果「え?」

ツバサ「ああ、知らなくていいわよ」

ツバサ「arise」フオン
362: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:01:02.96 ID:G7Wtb/cy
今度はツバサはコンクリートブロックのような形状の真っ白い物体を2つ生み出し、それを穂乃果へ向け連続して発射!

それを見た穂乃果は当たる直前に勢いよく用水路に飛び込み、
少しホワイトブロックが足を少し掠める程度に被害を納めるのに成功

その直後に穂乃果は用水路を急いで渡りきり、ことり、花陽がいる側の岸へ辛うじて降り立つ

しかし上がったすぐ直後、油断しているとふいに真横から飛んで来た白棒が、穂乃果を直撃し打ち飛ばす


穂乃果「うグッ!!」


数メートルほど乱雑に飛ばされ地面をバウンドする穂乃果はあえぐと、その痛みに顔を歪める

そして、追い討ちとばかりに慣れた様子のツバサから、白棒が風を切って猛スピードで、倒れて気絶している穂乃果へ迫る!


穂乃果「…うぅ」ボロ


しかし

銀色の髪の少女が突如穂乃果の前へ現れ、白棒をその身に受けた


ことり「ほのかちゃんっ!!」
363: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:02:27.84 ID:G7Wtb/cy
──────────

先ほど南ことりは橋が崩れる大きな音がきっけとなり、その数秒後に目を覚ましていた

側にはメルヘン女が倒れており自分の上には花陽、と首のタグにかかれているブレザーがかかっていた


「花陽ちゃん、かけてくれたんだ」
と呟き周りを見渡す

一番最初に気付いたのは派手に崩壊し崩れていた橋、
その次に拘束されている花陽が目に入った。

「花陽ちゃんっ!」

そして脇にいたのは藤堂英玲奈

「つかまっちゃったんだ…」

そして穂乃果はどうなのかと探していると、ちょうど用水路の水から這い上がってくるのがみえた


「穂乃果ちゃんっ!」


しかしその直後、この状況に似つかわしくない白棒が突然穂乃果の体を突き飛ばす
そして体が地面の上を転がっていくと、穂乃果はうつ伏せの状態で止まった


ことり(誰がっ!)


ことりは白棒の飛来した先にツバサがいる事を発見するが、
ツバサの手先に、今度は青く輪郭の光った重厚そうな白棒があるのを発見してしまう
364: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:03:02.36 ID:G7Wtb/cy
そしてその白い丸太のような棒は穂乃果へと迫る


こんな状態の穂乃果にこれ以上傷を受けさせる訳にはいかない、気付くとことりは駆け出していた、

自分の身の危険も考えずに…

穂乃果の前に飛び出すと

ガッッ、、
と縦長な白棒の先端がことりの身体をエの形に強烈に打つ

腹に当たったそれは山なりに、ことりを吹き飛ばしていく

ことりの肋骨は何本か折れ、内蔵にも幾つか刺さっていたようだ…


ことり「…うぐっ」


ズダンとかろうじて着地できた足はあり得ない方に折れ曲がり、ことりはやっとのことでバランスを取りながら立っていた
366: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:03:50.39 ID:G7Wtb/cy
ツバサ「やりすぎちゃったわ…」

ことり(今ここで動けるのは私しかいないからっ)ヨロッ


ことりは倒れている穂乃果、そして花陽、目的としていた車と目を移していく


ツバサ「それに、理事長の娘さんじゃない、なら大丈夫ね」

ことり(私が皆を…)

ツバサ「…あんじゅ、英玲奈捕まえるわよ」

あんじゅ「は~い」

英玲奈「了解した」


するとツバサが両手から大きな白棒をことりに向けて放つ!


ことり(とりあえずツバサさんからっ)


ことりは穂乃果の仕返しとばかりにツバサにターゲットを絞る、

そしてことりの両目が一瞬だけ鈍く虹色に光ったと思うと、

今まで折れ曲がっていた足がめきめきと音を立て正常な形態に戻り、腹の傷口から止めどなく流れ出ていた血は嘘のように止まっていた


ことり「ハアァッ!」ダッ


万全の状態に戻ったことりは一息に駆け出し、ツバサへ迫る
367: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:04:16.92 ID:G7Wtb/cy
そして走り寄る途中に飛来する凶悪な白棒は腕を犠牲にし、弾くようにその軌道をことり自身からそらしていく

走りながら、ことりの横を血が付着した白い物体が通りすぎる

ことりの目が光る度にその体は回復し、飛来物を防ぎひしゃげた腕も元の形態に戻っていく

そして、ことりが何メートルか進んだ所でツバサはことりへ攻撃するのを止めた


ことり「なんで?」


そこへ不意打に英玲奈の刀剣がことりの脇腹を一寸ほど切り裂く、鋭い痛みに思わず脇腹を押さえるが目が光ると直ぐに回復される。


英玲奈「なるほど、タフとは言っていたがこういうことか」シュッ


続けて英玲奈は右肩にかけて刀を振り落とす、

ことりはそれを避けるために右手で刀を受け止めるが、切れ味が良かったために親指の付け根から切り落とされてしまう


ことり「…ッ」

英玲奈「痛そうだな…」シュッ
368: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:04:34.02 ID:G7Wtb/cy
だが、攻撃の手を緩めることはしない
その切られた親指も、もう半分ほど再生しかかっているのだから。

英玲奈が攻撃するためにことりも攻撃せざるをえない、
刀の飛来する合間を抜い海未や穂乃果に教わった蹴りや、パンチを使って反撃をする。


しかし
ことり(まったく攻撃が当たらないよぉ)


その攻撃が英玲奈に掠りもしないのだ、まるで攻撃してくる場所が事前にわかっているかのように。

ことりは回復をしながら英玲奈と対峙し、せめて穂乃果が起き上がる時間を少しでも稼ごうとしていた



ことり「…」パシ

英玲奈「…」シュッ

ことり「…」ブン

英玲奈(この少女、能力に対する体力消費が異常に少ない、だが…もうこれで十分だろう)

英玲奈「あんじゅ、頼む」
369: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:05:37.36 ID:G7Wtb/cy
英玲奈がことりの後ろにいたらしいあんじゅを呼ぶと、

それに気づいたことりは後ろを振り返って、危機感から全力の拳を振り抜いた

だがそれは伏せていたあんじゅの頭上を通りすぎ、拳は空を切る

あんじゅがその隙にことりの体に手を触れると、ことりの体に異変が生じた

まるで体全体に鉄球をつけたように異様に身体が重くなったのだ、


ことり「…(動けない…)」ググ…


ことりはその重圧に耐えきれず思わずゆっくりと身を屈め膝を付いてから、四肢、胴体を地面につける状態でうつ伏せの状態になる

それによって負担が軽くなることはなく、ズンとのし掛かることりへの重圧は消えないまま…


ツバサ「あんじゅ、手は放さないでね」

あんじゅ「わかってるわよ」

英玲奈「縛るぞ」


あんじゅに触れられ身動きが取れないことりを、英玲奈が後ろ手に縛り上げる。

ことり(ごめん…穂乃果ちゃん、皆)
一緒に来た他のメンバーの事を考える

ツバサ「これでここに来たやつは全員なの?」

英玲奈「ああ、これで全員だ」
370: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:05:57.24 ID:G7Wtb/cy
あんじゅ「じゃあさっさと運びましょう」サ

ことり「放してっ!」

あんじゅ「無理ね、静かにしてた方がいいわよ?」

ことり「…クッ」
ことり(でも…まだ凛ちゃんがいるからっ!)

ツバサ「じゃあその子はよろしく」

ことり(まだ…時間は稼ぐっ)

ことり「…」グイ

あんじゅ「動かないでって…」

ことり(これで…少しでも時間を)

ツバサ「…え?あの車について来てたらしい女の子、見つけたって?」

あんじゅ「確か…短髪って言ってたわね」

英玲奈「ああ、さっき連絡が来てな、すばしっこいらしいがもう捕まえるらしい」

ことり「凛ちゃんっ!」

あんじゅ「だから動かないでって…」

ことり(もう…ダメだよ……)


残った凛を捕らえ完全にこの場を鎮圧、支配したA-RISE、当初の目的は達成したと確信し…。

傍らにいることり、地に伏せた穂乃果、意気消沈の花陽、行動不能の海未らを見渡す


ツバサ「これでコンサートビルに来てた奴等は全員?、」
371: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:07:55.55 ID:G7Wtb/cy
あんじゅ「そうじゃない?、ミューズか石鹸かどうか知らないけど」

英玲奈「意外と時間がかかったな」

ツバサ「まったく、私達がライブしようとしてたのに本当良い迷惑だったわ」
372: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:13:21.90 ID:G7Wtb/cy
英玲奈「ん…?」

あんじゅ「でも私たちが言えるのかしら…フフ」

英玲奈「…なぁ、今確保しているのは何人なんだ?」

あんじゅ「…えーっとここで多分7人よ」

ツバサ「で英玲奈が言ってたので1人だから、8人ね……!?」

あんじゅ「…え?」

英玲奈「足りない…」


瞬間、不自然に風が吹き英玲奈の黒髪は無造作に靡く

空に浮かぶ雲が太陽の光を遮り不穏な空気を漂わしては、ただならぬ雰囲気を感じさせる。


あんじゅ「なにこれ…」

ツバサ「誰?」


そして空中の湿度が上がり、先ほどから吹き続ける強い風はその勢いを弱めるどころか


「いや…9人や」


────ブワッッ


暗雲の下に声が響き、呼応するように風が吠えると外気に晒されたA-RISEに痛いほどの風を叩きつけたッッッ!!



「ウチを入れて……」ニヤ
373: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:14:12.06 ID:G7Wtb/cy
第15話「アド ナイン」


ツバサ「誰ッ!?」


背後にふと人の気配を感じて彼女らが振り替えると

猛スピードで回るタロットカードで出来た背丈ほどの竜巻が彼女らの前に現れていた

円形に飛翔するのは、パタパタと表面、裏面を交互に表していくスピリチュアルな雰囲気を纏った長方形の紙片


ツバサ「能力者ね…」


そして段々と渦巻くスピードが緩まっていくと思うと、
巻き込まれていたカードがピラ…と飛び散っていき旋風の中心が段々と明瞭になっていく───────


英玲奈「お前はッ!?」
374: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:14:26.62 ID:G7Wtb/cy
しかし今までゆったりと流れていたカードは予想とは裏腹に、今度は音を立てて急激にスピードを高めて回っていく


あんじゅ「何をするつもり?」

「ッはあぁッ!!!」バッ


すると先程までの規則的な動きに反し、カードが突然止まったように見えると、

一刹那、グレネード片のように猛烈な勢いで幾つものタロットは旋風から外れ、烈火の如くバラバラと四方八方に四散していく


ツバサ「…クッ」


大量の加速された鋭敏なタロットカードに、露出されていた肌が切られA-RISEの三人はとりあえずと目を庇わざるをえない

しばらくすると風は収まっていき、今まで飛んでいたすべてのカードが地に伏せる、

そして周りを見渡すが…


ツバサ「あんじゅ、理事長の娘がいないっ!!」

あんじゅ「あっ」

英玲奈「やられた、あの隙に…」
375: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:19:22.00 ID:G7Wtb/cy
「ことりちゃんは返してもらうで」

あんじゅ「そんな事できると思ってるの?」

ツバサ「音乃木坂学院副会長、東條希…」

希「おお…」
希「あのA-RISEさんがうちのこと知っとるなんて光栄、やな」

あんじゅ「そう?私たちの間では割と有名だったわよ?」

ツバサ「絢瀬さんとセットでね…」

希「そうやったか…」

希「でも、とりあえずこの場は退散させてもらうで」

英玲奈「出来るものならな…」

希「【ことりちゃん、穂乃果ちゃんを…。】ボソッ」

ことり「うんっ」タタッ

希【花陽ちゃんとヒフミトリオはもうエリチ達を確保してるから】

希「今度はうちが相手や」バンッ

あんじゅ「自己犠牲?大したものね」

希「ちょっと時間を稼ぐだけ…付き合ってもらうで」
376: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:20:25.74 ID:G7Wtb/cy
ことり「穂乃果ちゃんっ」ユサッ

穂乃果「あ…こと、りちゃん」

ことり「良かった…動ける?」

穂乃果「うん、脇腹がちょっと…痛いけど」

ことり「…血が!」ガバッ

穂乃果「いいからっ!大丈夫…」
穂乃果「つっ…急がないとダメなんでしょ、今は大丈夫だよ」

ことり「うん…」

────────キキーッ

ヒデコ「二人とも乗ってっ」

ことり「ヒデコちゃん!?」

穂乃果「なんで?」

ヒデコ「副会長に皆が大変なことになってるって…ってそれはいいから早く乗ってっ!」

ことり「うんっ」

穂乃果「ありがとっ、ヒデコ!」バタム
377: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:20:43.10 ID:G7Wtb/cy
ことり「海未ちゃん達はっ?」

にこ「大丈夫らしいわ」

穂乃果「えっにこちゃんも乗ってたの?」

真姫「私もいるわよ、」

ヒデコ「…他の皆はフミコかミカが行ってるから大丈夫」

真姫「穂乃果、ひどい怪我ね…大丈夫?」

穂乃果「うん、大丈夫」

真姫「一応、見といてあげるわ」

ことり「よかった…」

穂乃果「それでにこちゃんが捕まえられそうって電話で言ってたけど結局どういうことだったの?」

真姫「この前のコンサートビルでの件がかなり問題だったみたいね」
378: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:23:41.91 ID:G7Wtb/cy
にこ「それが発端でA-RISEに目を付けられたってところかしら」

ことり「…」

にこ「それにしても…」
にこ「ねぇ…ちょっとくらくらしない?真姫ちゃん」

真姫「そう、動けはするけど…確かにするわね」

穂乃果「捕まってる時に何かされたの?」

にこ「ああ、ちょっと薬っぽいの打たれたわね、そのあとすぐ気絶したわ」

真姫「能力者用の、気絶薬って所かしらね」

ことり「じゃあ…他には?」

にこ「能力がちょっと抑えられてるわね…今の感覚だけど」

穂乃果「そんなことあるんだね」

ヒデコ「ちょっと今いい?、」チラッ

ヒデコ「…車に向かって何か飛んできてるんだけど…」


──────────
379: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:24:01.66 ID:G7Wtb/cy
海未「うぅ…」

花陽「海未ちゃん?」

海未「あっ!花陽おはようございます」

花陽「ハハ…おはよう」

海未「なぜそんな不思議そうな…」

海未「あっ、そうですA-RISEが襲撃しに来て…私以外の人は?」

花陽「今まで気絶してたからわからないかもしれないけど、みんなも大丈夫だよ」

海未「それにしても、軽トラ…の荷台ですか?ここは」ガタガタ

ミカ「ごめん、ちょっと揺れるよね。車これしか残ってなくて」ガタガタ

花陽「全然いいですよ」

海未「…っていうよりミカっあなた運転しているんですかっ!!?」
380: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:27:11.54 ID:G7Wtb/cy
ミカ「ちょっと多めにみてくれないかなぁ、緊急事態なんだから」

海未「ダメですっ私たちはまだ18歳ではないのですよっ!!」

花陽「う~ん、でも運転はちゃんとしてるし」

ミカ「こういう時のために私たち練習しておいたから」ギュイイッ

海未「車の運転を!?」

ミカ「うん、」

花陽「レンシュウシチャッタノォ?!」

ミカ「だって私たちヒフミトリオだもん、皆の為にこういうことも想定しておかないとねっ」ビシ

花陽「この事態も見すこして…さすがですね……」マジデ

海未「先ほどから多少頭がクラクラしていましたが、さらに頭が…」

───────バンッ

ミカ「今の音なにっ!」
381: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:27:56.80 ID:G7Wtb/cy
海未「あなたは…」

英玲奈「知っているとは思うが…UTX学園、A-RISEの統堂英玲奈だ」

花陽「はわぁあ」

ミカ「え、この車の荷台に乗り移られたの?」

花陽「英玲奈さんっ!」

海未「花陽っ!、おそらく今の状況では敵ですっ」

花陽「あっ…気を付けます。う…でもサインを…」

英玲奈「まぁサインくらいはいいが、そのバックに書けばいいな?」キュポン

花陽「はいっ」

海未(どういうことですか)
382: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:28:13.46 ID:G7Wtb/cy
英玲奈「そんなに気にしなくていい」キュッキュッ

ミカ(ちょっと…)

花陽「ありがとうございますっ」

英玲奈「そんなに言われると照れるな」

花陽「いやいや、そんな」

海未「【ミカ、私が相手をします。そのまま運転を…】ボソッ」

英玲奈「それで…」

ミカ「わかったよ」

ミカ「あと海未、途中で見つけたんだけど…これいる?」

海未「これは、鉄パイプ……。まぁ無いよりはましです」パシッ

英玲奈「ふむ、そろそろいいかな?」

海未「花陽、ミカの隣の助手席に移動してください」シュルッ

英玲奈「…なるほど、」

英玲奈「分かっているようだな」ギンッ



────────
383: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:28:56.10 ID:G7Wtb/cy
絵里「希、みんな車には乗れたみたい」

フミコ「先輩たちもはやく乗らないとっ」

希「了解や」ダッ

絵里「いいわよ」バタム

フミコ「行きます!」ブオォォォ

あんじゅ「逃がさないわよ?」


するとあんじゅは腰につけていたワイヤー付きナイフを右手に取り出し、振りかぶって車に向かって投げると、突き刺す。

そしてあんじゅがワイヤーを利用し、車が加速しだすのと同時に屋根に乗り移る。


希「上、乗ってきたで…」

フミコ「車止めますかっ?」

希「そのままでええよ、飛ばして」
384: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:29:31.85 ID:G7Wtb/cy
フミコ「はいっ!」ギュオオオ


はぁ、と絵里が車の天井を見上げると、ナイフの半分が屋根を貫通して内側に入りこんでいた。


絵里「…希、良い?」

希「任せとき」


希が車の窓から外へ腕を出すと空へ向け、指全体を使って空気を捻るような仕草をする。

すると一気に雲行きが怪しくなり、しとしとと雨が降り出した。


希「こんなもんでええかな?」

絵里「ありがと、希」

希「…えりち、なんか体調悪そうやけど大丈夫?」

絵里「大丈夫よ問題ないわ」


侵入したナイフは屋根に一メートル四方の穴をあけようと動いており、それが完成するのもあと一辺だけになっていた。


絵里「ハァッ!」ガンッ


絵里はいきなりそれを押し上げると、滑り込むように屋根の上に上っていった。

屋根の上で、車の振動に揺られながら対峙するあんじゅと絵里。


あんじゅ「…結構会うわよね?、私たち」

絵里「そうね…」
385: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:30:23.31 ID:G7Wtb/cy
あんじゅ「まぁ、あなたが私に会いに会いに来てくれるからかもしれないけど。」

絵里「分かってるじゃないの」

あんじゅ「妹さん、治った?」

絵里「まだよ、あなたのせいでねっ…」ギリ

あんじゅ「そういうの面倒臭いわよ?…それに私のせいじゃないわ」

絵里「それなら、私のせいだっていうの?」

あんじゅ「それに早く気づいてほしいわね…」ガギッ


そう言うと、揺れる車から落ちぬよう、二本あるワイヤーつきナイフの内1本を足元に突き刺す。


絵里「善処するわ…」パキ…


そして絵里も、片足と車とを、凍った雨水で接着させる。


あんじゅ「…それは嬉しいわ、」シュッ


それを見たあんじゅはナイフを横へ切りつけ、絵里も懐から出したナイフでそれを弾く
386: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:31:11.27 ID:G7Wtb/cy
お返しと絵里は横蹴りを入れ、あんじゅはそれを自らの太股でブロックしダメージを軽減。


絵里「…ふっ」


後、絵里は右フックを振り抜かれるが、その拳は腕の外側でガード!


あんじゅ「ここよっ!」

続けてあんじゅの高速の足払いが氷で固定されていた足へ向かい、薙ぐ。

絵里「あっ」ガクン


足元の氷が割れると体勢が一気に傾き、バコンと音を立て、
絵里が雨で濡れる屋根の上で横たえると、

あんじゅは飛びつくように絵里の体へナイフを突き立てる

直前、
猛烈な勢いで風が横に吹き、あんじゅの足が屋根を踏み外す。
あんじゅの姿は屋根の上から消え、残っているのは突き刺さったワイヤーつきナイフのみ。


絵里「やったわっ!希!」

希「…うちの風や、それに…」

あんじゅ「まだよっ!」
387: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:31:54.89 ID:G7Wtb/cy
希「まだいるみたいやね?」


すると希とは反対側の座席の窓ガラスが蹴破られ、そこから外界の風と共にあんじゅが入ってくる。


フミコ「きゃあっ」

希「そのままや!」


あんじゅから流れるようにナイフが投げられ、顔を傾けて避けるのは希。

窓ガラスに突き刺さったナイフから伸びるワイヤーをとっさに引っ張り、車内で希はあんじゅを引き寄せると思いっきり殴る!

片腕でガードするあんじゅ、だが引き寄せる勢いも含めたパンチの威力は殺し切れないッッッ

あんじゅは痛みに顔をしかめながらもワイヤーを引き寄せ、窓に突き刺さったナイフを回収!持ち直して希へ切りかかろうとするが…


希「ほな、またな」ニィ


困惑顔のあんじゅへ希が手を振り払うような仕草をすると、車内から外側へ猛烈な風が吹き、

あんじゅは外へ吹き飛ばされる!!!


あんじゅ「やるじゃない…」ブワッ


頼りにしていたワイヤー付きナイフはもうどこにも突き刺さっておらず、あんじゅはもう車へ戻ることは出来なかった
388: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:32:07.44 ID:G7Wtb/cy
希「えりち、大丈夫なん?」
屋根から車内のシートへ、大事そうに絵里を回収する希に

絵里「大丈夫よ、…すぐに直るわ」クラクラ
寝かせられたシートの上で頭を擦りながら、そう答える

フミコ「…音ノ木坂学院でいいんですよね?行くの」

希「それでええよ」



────────
389: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:32:44.92 ID:G7Wtb/cy
真姫「ちょっと私もそろそろ限界なんだけど」

にこ「もう少しであれが届かない距離まで行けそうよ、頑張って真姫ちゃん」

真姫「そうだけど…」


彼女らが今乗っているワンボックスは先程飛んで来た白い重厚な棒が後ろに突き刺さり、使い物にならなくなった車のバックドアは根本から外されていた。

開け放たれたそこを正面に、本来は荷物が置かれるはずの場所で立ち、並んで相手を迎え撃っているのはにこと真姫


真姫「たぶん…あと一回ね、溶かしきれるのは」


車が通り終わった道では、所々地面に高温の液体が落ちておりシュウウと音を出し、白いもやを上げていた


にこ「体力的にもギリギリってところね、このコンディションだし良くやったわ」クラクラ

真姫「じゃあ次来るのを凌げば」

にこ「ええ、あとちょっとの距離だしね。…真姫ちゃん体力的に無理そうだったら変わるけど?」

真姫「ふっ…大丈夫よ」

にこ「さっすが真姫ちゃん。……今まで飛んで来たのを見たところ…ツバサの能力は物体生成ってところかしら」
390: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:33:04.91 ID:G7Wtb/cy
真姫「なんか白いのばっかだけど────────
真姫「来たわっ」

真姫「…え」

にこ「デカすぎ…」


遥か後方に見えた、高めの建物の屋上に立っていたツバサの上に見えたのは白く大きな球体

ツバサの能力で出来ていたそれは、おそらく解体現場で使われているような黒い鉄球と大差ないだろう


にこ「コレが最後だからって…本気出しすぎね」

真姫「あんなの溶かすのは無理よ…」


その球体はツバサから大空へ飛ぶと、空中を山なりに、車ごと潰さんと上から迫ってきていた
391: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:34:02.29 ID:G7Wtb/cy
にこ「ヒデコ!飛ばしてっ」

穂乃果「何があったの?」

真姫「早くッ!」

ことり「ピィッッ」

ヒデコ「なにか分からんけど分かったっ!」グ

にこ「真姫ちゃんも思いっきり炎出して!」

真姫「…なるほど、わかったわっ」


そこで真姫は足を使って、しっかりと車の床を踏みしめると思いっきり炎を車の後方に吹き出した

ヒデコと真姫により車のスピードをあげ、少しでも鉄球から逃れることに成功はしたが


にこ「足りないっ…」


それでもこのまま行くと鉄球は車の後部を、その重みでまっ平らにしてしまうだろう。

穂乃果、ことり、ヒデコには当たらないため、にこ、真姫がここで後ろへ飛び降りるのも策としてはあるが、ここで車が使えなくなるのは明白。
移動手段がなくなった彼女らは、追い付いたツバサになんなくやられるだろう
392: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:34:21.05 ID:G7Wtb/cy
真姫「にこちゃんっ」

にこ「やってみるわ……にこっ!!」


するとにこの体から、今度は上に弾けるようにもう一人のにこ(にこ2)が発生する
にこ2はそのまま車の屋根の縁を掴むと、即座によじ登って屋根に乗り立つ

仁王立ちのにこ2は球体を正面に据えて、球が車に当たる距離まで迫ってくると、それを受け止める訳ではなく

にこは足で車をしっかりと踏みしめると、落ちてくる球体の下部に手を添えた

するとその瞬間、
にこは球体と車の間につかえさせた棒のような役割を果たし、球体の落下する力を車の推進力へと変えていく!


───────ギュイィン


球体が落下するのと同時に、車はさらに急加速し球体から回避することにも成功っ!!


にこ「…やったわっ!」

真姫「本気で潰されるかと思った…」

ヒデコ「良かった…、じゃあ本来の目的地に向かうね」

穂乃果「どこなの?」

ヒデコ「今の状況だと取り合えず音ノ木坂に行ってって言われたから、学校に行くよ」

ことり「学校に!?」

ヒデコ「うん、副会長が一旦学校は経由した方が良いって…皆も同じ所に向かってるから」

ことり「そうなんだ…」

穂乃果「うんわかったよ!、ヒデコよろしくっ」

ヒデコ「お安い御用っ!」

──────────
393: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:34:49.42 ID:G7Wtb/cy
海未(やはり鉄パイプでは…)


路上を走る軽トラックの不規則に揺れる足場で睨み合っているのは、海未と英玲奈。


英玲奈「ふむ、なかなかやるではないか」シュッ

バシッ

海未「…む」ググ

英玲奈「鉄パイプなのだろ?」ググ

海未「…」パッ

英玲奈「振り回すにはおおよそ使いづらいだろう」キンッ

海未「そうですね、いささか…」ブンッ

英玲奈「クッ」ギン

英玲奈「おい、刀が一部欠けたぞ…」ポロ

海未「それは良かったですね」フンッ
394: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:35:06.98 ID:G7Wtb/cy
英玲奈「…鉄パイプも振り回すし普通の力とは思えんな」シュッ

海未「鍛えてますから」キンッ

英玲奈「いや、やはりそのレベルではない。」
英玲奈「君は能力者だろうしな、筋力増強とかそこらへんではないか?」ザ

海未「ふむ…そういう貴方は?」ブゥン

英玲奈「質問に答えて欲しいが…」キンッ

ミカ「…あっ!」


─────ギュイイイイッ


と、ここでミカは何かが飛び出てきたのか、いきなり車のハンドルを横に切る

その衝撃で二人はよろけ、
不運にも海未だけが軽トラの荷台から上半身飛び出た状態になってしまう


英玲奈「ふっ…」

英玲奈「なに、そこまで酷いことはしないさ」
395: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:35:49.95 ID:G7Wtb/cy
よろけた状態からすぐさま立て直した英玲奈は刀を持ち直すと、無防備な海未に迫る

海未(…まずいですね、鉄パイプも落としてしまいまいたし)

花陽「海未ちゃんがっ」

この状態では窓越しでしか、海未に接する事が出来ない

英玲奈「すまないな…」ザ

英玲奈「ハッ…」

一思いに英玲奈が刀を海未に向けて降り下ろし、

万事休すかと海未は目を瞑る


凛「海未ちゃんっ」ダンッ


突如、軽トラの前から現れた凛が中空に現れたかと思うと、ジャンプをしてからのドロップキックが英玲奈に炸裂!

英玲奈「…うぐっ」

ズダッ

海未「凛!?」
396: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:36:05.95 ID:G7Wtb/cy
英玲奈は荷台から転がり落ち、地面で受け身を取るとヨロリと体勢をすぐさま立て直した

英玲奈「…う」フラ

凛「ふんっ!」V

英玲奈「まさか蹴られるとは思わなかったな…」

凛「まだ行くよっ」シュン

英玲奈「だがな、もう当たる事はない」サ

凛「じゃあ次っ!」シュン

英玲奈「無駄だ…」サッ

凛「これでっ」シュッ

英玲奈「当たらんぞ」サ

凛「なんでっ?」

英玲奈「…さぁな」

凛「もうっ─────
397: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:36:48.36 ID:G7Wtb/cy
海未「凛、今はもういいですっ。取り合えず今は逃げましょうっ!」

英玲奈「待てッ」

花陽「早く乗ってっ」

凛「かよちんっ…分かったにゃ!」ダッ

ミカ「良い?」

花陽「凛ちゃんも乗ったっ」

英玲奈「逃がさんっ」ギリ

凛「じゃーねー」フリフリ

ミカ「おっけー!」ブオオォォ

英玲奈「逃げられたようだな…」

英玲奈「…」

英玲奈「……まぁいいだろう、…戻るか」
398: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:37:45.78 ID:G7Wtb/cy
───────音ノ木坂学院地下倉庫


にこ「もう3年過ごしてるけど、学校にこんな所あったのね」

花陽「確かに少しビックリです」

真姫「…だから取り合えず音ノ木坂に来たの?」

希「まぁそうやね」

凛「希先輩は知ってたんですか?」

希「希ちゃんとか呼び捨てでええよ、…うちは副会長になってからここ知ったんよ」
希「えりちもね」

絵里「最初は地下にこんな所があるなんて思ってもなかったけど」

穂乃果「ゴホゴホ、ちょっと埃っぽいね…」
399: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:39:16.49 ID:G7Wtb/cy
ことり「まぁ倉庫みたいなものらしいから」

にこ「それで納得したわ、段ボールとか色々、散らかってるもの」

海未「構造的にも倉庫を目的としてそうな感じではありますね」

真姫「で、希はなんでここに私たちを?」

希「まぁ正確にはうちではないんよな」

真姫「じゃあ誰が?」


理事長「私よ」スッ


花陽「理事長さん!?」

凛「どういうことにゃ?」

理事長「少し驚かせてごめんなさいね、」
400: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:39:44.61 ID:G7Wtb/cy
にこ「…ねぇ最初に聞きたいんだけど、私たちをここに呼んだ理由は?」

理事長「偶然しったのだけれど、生徒が危険な状態になっていると聞いたので保護ということですね」

にこ「じゃあここは安全っていう事?」

理事長「はい、そういうことになります。」

花陽「そういうことなんですか」

凛「あの~今日見たいテレビが夕方からやるんですけど帰っていいですか?」

理事長「申し訳ないですが、状況も考えてここでもう少し待機してもらいます」

凛「…はーい」

理事長「良い機会なので、ここで言いたいことがあります。部活動を禁止したはずですが、なぜ貴方達はまだ部活動を行っていたのですか?」

にこ「…なんでそれを」

穂乃果「…?」

凛「まさかにこちゃん、」

ことり「活動してたの?」

にこ「はは…」

理事長「他にもいますよね、海未さん、真姫さん」

花陽「ええっ!?」

ことり「海未ちゃんも?」

海未「すみません」

真姫「…そうよ」
401: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:40:30.80 ID:G7Wtb/cy
理事長「そこであなた達に処分を受けてもらいます。」

凛「まさか凛達は含まないよね…」

理事長「部活動の連帯責任で部員全員です」

穂乃果「えぇっ」

凛「真姫ちゃんっ!」

真姫「ナニヨっ」

理事長「今度は、その処分を破れば皆さんは退学処分となり学校から出ていって貰います」

真姫「退学?」

絵里「部員じゃないし、私たちは関係ないわよね」

希「そうやね、」

にこ「なにそれ、その程度でむちゃくちゃじゃない」
402: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:41:02.60 ID:G7Wtb/cy
花陽「完全に飛び火じゃねぇか…」

凛「かよちん…」

ことり「そんなっ」

にこ「でも、私は絶対にやらないわよ」

凛「そうにゃそうにゃ!」

穂乃果「こんなの可笑しいっ」

理事長「なるほど、もしやっていただければ穂乃果さん、凛さんの進級。にこさんの卒業を保証します」

穂乃果「えぇっ!」

凛「やるにゃ!」

にこ「しょうがないわね~」

真姫「いいの?そんなの」

理事長「それだけやってもらう価値という物はあります」

海未「では、何かを行うというその処分について教えて下さい」

理事長「そうですね……ここで私から質問があります。貴方達は部活動で、本当は何の為の活動をしていたのですか?」
403: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:41:52.24 ID:G7Wtb/cy
花陽「…本当は?」

穂乃果(これは…)「はいっ廃校を防ぐための活動です!」

理事長「正直でいいわね、その行う処分というのは廃校の阻止です」

真姫「…廃校の阻止」

ことり「そうなのっ?」

穂乃果「まだ出来るんですかっ!?」

海未「…ふむ」(それにしても何故ここでいきなりそんな事を)

理事長「そう、廃校を阻止してもらいたいの。一回あなたたちに協力してもらうだけ、それで終わりよ」

花陽「廃校の阻止に協力…ですか」

理事長「それに今回でUTXへの行動を開始しないと、廃校云々の前に貴方達は普通の高校生活は送れなくなります」

凛「どういう事?」

にこ「さっきみたいなことがこれから日常的に起きるって事?」

理事長「はい、これは貴方たちのためでもあるのです」
404: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:42:07.70 ID:G7Wtb/cy
理事長「もちろん絢瀬さん、東條さんにも協力は頼むわ」

希「…うちらにも?」

理事長「ええ、」

絵里「…」

穂乃果「分かりました、じゃあ私たちは何をすればいいんですか?」

理事長「今はまだ言えないわ。後々情報を整理したら皆さんに伝えさせてもらいます。」

凛「じゃあまだ良いんだね。」

理事長「…そろそろでしょう、皆さんお待たせしましたお帰りになって良いですよ。その前に注意事項がありますが…」

花陽「なんですか?」

理事長「くれぐれも人目の無い場所に寄り付かないように、相手が能力を行使しやすい状況ということなので。…まだ危険な状態ではあることは変わりません、そこをお願いします」

にこ「ふーん、じゃあそこ以外はこれからも普通の生活を送れば良いのね」

理事長「ええ、くれぐれも危険な事はしないように」
405: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:42:32.36 ID:G7Wtb/cy
理事長「そして、もし能力者と遭遇した場合は直ぐ様逃げてください。能力者に狙われるという事は、これから十分にあり得ることですので」

海未「承知しました。」

理事長「それではお気をつけて」

凛「このエレベーターで帰ればいいのかな」

真姫「そうみたいね」

絵里「早く地上に出たいわ」

にこ「うーん、今日の献立は─────────


理事長「希さん、ちょっと…」


────────────────────
406: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:42:59.47 ID:G7Wtb/cy
第16話「軽やかな昼下がり」



絵里「それで、これはどういう状況かしら…」

希「皆でおでかけやけど?」

絵里「いや…そこを聞いてるのよ」

皆で地下倉庫に集まった翌日。

理事長から話をされた全員で、晴れ渡った青空が眩しい秋葉原の駅前に集まった一同。
少し賑わいを見せる駅前の広場では、まばらに人が行き交っている。

希「せっかく皆と知り合ったんやから、仲良くなった方がええやろ?」

絵里「私は別にそういうの良いんだけど」

希「友達少ないやろ、えりち」

絵里「余計なお世話よ」

穂乃果「絵里先輩っ、何か行きたい所とかありますか?」

絵里「別にないわ、」
407: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:43:44.61 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「じゃあ勝手に決めちゃいますねっ」

絵里「えぇ…」

凛「凛は皆でラーメン食べにいきたいにゃー」

花陽「今度はどこのお店に行きたいの?」

凛「あのお店!」ビシ

にこ「またあそこ行くの!?」

真姫「ちょっと煩いわよ」

絵里「はぁ」

希(昨日の一件で皆の事を少しは見直して、皆に対する雰囲気は多少柔らかくなった印象やけどな)

─────
──────────
───────────────


希「ん?なんですか理事長さん」

理事長「実は、ひとつお願いがあって」

希「?」

理事長「一応廃校の阻止を手伝ってくれるのでしょう?」

希「少なくともうちはそのつもりやけど」

理事長「やはり…絢瀬さんは違うのですか?」

希「まそうやな、…ああ」

理事長「そうです。絢瀬さんに廃校阻止のチームに入るよう促して欲しいのです」

希「なるほど、でもなぁ」
408: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:44:03.63 ID:G7Wtb/cy
理事長「絢瀬さんが加るか加わらないかの差…絢瀬さんを含めた9人揃って、初めて作戦の成功率は期待できるものとなるのです」

理事長「難しいですか?」

希「いや、そういう訳ではないと思うんやけど。…実際えりちも廃校の阻止についても思う所がないわけやない」

理事長「それなら他の理由が?」

希「…えりちも廃校を防ぎたいのは確かや、でもそれを行うのに少し抵抗というか迷いがあるんやと思う」

理事長「それで?」

希「えりちには他にも目的、企みがあるんやけど。」
希「作戦にあたっての皆との関係、実力、危険性、巻き込みたくない気持ち。妹の為であるえりちの本来の目的、その使命と学園の廃校という問題の兼ね合い」

理事長「…」

希「そんな気持ちが色々混ざりあって、えりち本人でも気持ちがわからんくなってるんやと思う…。だからそこを解決さえすればえりちの為にもなるし」

理事長「…協力もしてくれるかもしれない、と」

希「……えりちの気持ちを救いさえすれば…や」

理事長「なるほど、ではそれをやって頂けますね?」

希「今までそうなるように頑張ってきたんや、うちでそんな事できたらとっくにやってるんよ。……でもな」

理事長「穂乃果さん達とならできると、」

希「そうや、うちと皆とでならできるかもしれへん」

理事長「なるほど、それはよかったです。では願いしましょうか。」

希「はいっ」

理事長「……あと付け加えるようですが…作戦の事もあるので近日中に頼みましたよ」

希「…了解しました」



───────────────
──────────
─────
409: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:44:32.59 ID:G7Wtb/cy
海未「この味もいけますね、ここの和風ラーメン気に入りましたよ。凛」

凛「気に入ってもらえてよかったにゃ」ズズー

穂乃果「これは美味しい…」ズズ

にこ「美味しいし値段もお手軽、…いいわね」

花陽「ああーっこの半チャーハンもいけますっ!」モガモガ

真姫「花陽、すこし落ち着きなさい」

絵里「これは何かしら…」コト…

凛「ああ、それはにんにくだよっ」

絵里「にんにく?」

希「んと、ガーリックとも言うんよ」

絵里「…思い出したわ」
410: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:44:59.04 ID:G7Wtb/cy
凛「凛はいつもいっぱいいれるにゃ!」サッ

凛「…」サッサッ

凛「こんくらい!」ドサ

絵里「凄いわね…」

凛「…」ズズーッ

ことり「凄い食べっぷりだね」

凛「っぷはぁ」ぷわ~

穂乃果「替え玉ひとつ!」

「あいよっ」

ことり「…うゥっ」

凛「えっどうしたの?ことりちゃん」プハァ~

ことり「…なんでも…う……」

凛「え、」ズイッ

凛「何?」プハァ~

ことり「…うぅ」

海未「こらっ!凛。やめなさい、ことりが嫌がってるじゃないですか」

凛「えっ?」プハァ~

海未「うぷっ!、…取り合えず口の中を洗ってから、少し離れてラーメンを食べてくださいっ」

絵里「…フフ」
411: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:45:42.86 ID:G7Wtb/cy
凛「…少し酷くないかにゃ~?」

真姫「…あなた臭うのよ」

凛「えっ?どこが?」

にこ「口よ、にんにく」

凛「あぁ~っ!」プワァ~

穂乃果「うっ…確かににんにく臭いよ」

凛「みんなしてひどいにゃ」

希「うまいんやけどなぁ、そこがデメリットや」

花陽「チャーハン美味しいです…」モグモグ


─────────────
412: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:46:00.90 ID:G7Wtb/cy
ことり「次はゲームセンターかな?」

希「おっええやん、」

海未「一人では行かないのでなかなか新鮮ですね」

にこ「私のクレーンゲーム手さばき見せてやるわ!」

穂乃果「あ、ダンスゲーム新しいの入ったんだってー、皆でやろうよ!」

花陽「良いですねっ」

絵里「…へぇ、そんなのもあるのね」

真姫「ちょっとごちゃごちゃした感じは嫌いだけど…」

凛「じゃあにこちゃんからにゃ」

穂乃果「いいよっ、」

にこ「ちょっとなんで私からなのよ!って別に全然いいけど」

花陽「二人同時プレイ可能みたいですね」
413: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:46:42.43 ID:G7Wtb/cy
希「じゃあえりちがやってみたら?」

絵里「えっ、私?」

海未「いいじゃないですか」

にこ「私、結構上手よ」

真姫「…自信あるのね」

ことり「絵里先輩っ」

絵里「まぁそんなに言うなら…」



Let’s Dance!



Finish!!!
414: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:46:56.52 ID:G7Wtb/cy
にこ「ふんっ…こんなもんよ」

絵里「どうかしら、」

花陽「すゴいですっ」

にこ「でしょ?」

希「上手いもんやな」

凛「すごいにゃ!」

にこ「やっぱりぃ~?」

真姫「さすが……会長結構やるのね」

にこ「…」ズコッ

花陽「二人とも十分凄いですけどねっ」

穂乃果「これで初めてなんですか?」

絵里「まぁ、ね」

ことり「なんかすごい滑らかできれいでしたっ」
415: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:47:52.77 ID:G7Wtb/cy
凛「うーん、昔なにかやってたりしたの?」

絵里「バレエをやってたわ」

海未「なるほど、だからですか」

希「さすがやね」

花陽「アイドルみたいだったです」

絵里「少し照れるわね///」

希「それでえりち、エアホッケー見つけたんやけど、やらない?」

絵里「…いいわね、やりましょう」

真姫「何か乗り気ね」

にこ「見てやるわよ」
416: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:48:29.80 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「なになにっ?」

にこ「…れでぃー」

花陽「ファイ!」

のぞえり「はあぁっ」スッ

シューーーーーーッ
カンカンカンカンカンカンカン!カンカンカンカンカ!ンカンカンカンカンカン!
カンカンカンカンカンカンカンカ!ンカンカンカンカンカンカンカンカン!カンカンカンカン!
カンカンカン!カンカンカンカ!ンカンカンカンカンカンカンカン!カンカンカンカン!カンカンカンカンカンカンカンカン!!!!!!!!!

ことり「早すぎて見えない…」

海未「まさか、これも能力者の」

真姫「さすがに違うわよ…」


─────────────
417: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:48:59.37 ID:G7Wtb/cy
真姫「お次はカラオケ?」

にこ「そうよっストレス発散!」

「9人でよろしいですか?」

にこ「はい」

凛「そうにゃ」

絵里「結構みんな活動的なのね」

にこ「絵里…会長、学生証はある?」

絵里「あるわよ」

海未「…会長ですか…絵里先輩、なぜ音ノ木坂学院の生徒会長になろうと思ったんですか?」

絵里「急になによ」
418: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:49:14.37 ID:G7Wtb/cy
海未「いや、少し気になって」

「103番の部屋になります。ドリンクバーもご自由にどうぞ~」

穂乃果「わかりましたっ!」

凛「早くいくにゃー」テクテク

花陽「にこちゃんアイドルの曲一緒に歌いまわない?」

にこ「大歓迎よっ」

希「えりち、海未ちゃんも」テク…

海未「わかりました」

絵里「そうね」テク

絵里「私が生徒会長になった理由ね。…始め生徒会長を募集していた時に誰も立候補しなかったの。」

絵里「それでしょうがないから私が立候補しただけよ。…先生も何か私に期待しているみたいだったし会長になれば良い事ありそうでしょ?」テクテク

海未「そうなんですか、」テク
419: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:49:38.72 ID:G7Wtb/cy
真姫「入って、ドア。閉めるわよ」

海未「…ありがとうございます」

絵里「…理由なんて大したことないわ」

海未「いや、すごいですよ。それでも生徒会長になろうだなんて、私はそんなに積極性はありませんし。人前に出ることなんて恥ずかしいので…」

絵里「そう、」


穂乃果「穂乃果から歌行くよー!」

凛「行っちゃえー!」

にこ「ねぇ!最初は私って言ったじゃない」

ギャーギャー



絵里「…楽しそうね」

海未「…今何か?」

絵里「…え?」

希「まぁえりちは素直やないからな」ヌッ

絵里「いや、本当に何もないわよ」
420: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:50:07.87 ID:G7Wtb/cy
希「さっき話してた生徒会長になった理由も、ちょっと違うんやない?」

海未「え、違うのですか?」

絵里「ちょっと!違うわけじゃないわよっ」

希「なら、自分では気づけてないのかもしれへんな」

絵里「そんなわけないじゃない」

希「本当にそうなん?」

絵里「違うわよ……。たぶん」

穂乃果「ほらっ絵里先輩もっ」グイッ

絵里「あっ!」

♪~

真姫「ほら、ちょっと声張って!音程上げてっ!」

絵里「もっと!?」

花陽「はいぃ~」

にこ「にこはこれで良いのよっ」

凛「もう凛にはわかんないにゃー」

ことり「真姫ちゃん、…プロだね」
421: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:50:49.67 ID:G7Wtb/cy
───────某喫茶店

穂乃果「いやー歌った歌った!」

凛「もう喉がカラカラ…」

ことり「ことりはあったかいものが飲みたいかな~」

海未「そうですね、私はコーヒーにしましょうか」

絵里「わ゛だじも゛ぞれ゛がい゛い゛わ゛ね゛」

凛「ぷっ、もう絵里ちゃん声がおっさんみたいにゃ」

絵里「な゛ん゛でずっで~」

凛「きゃー!」

真姫「(もう馴染んでるわね…)」

花陽「あの歌の振付も覚えてるんですね、さすがです」

にこ「いや、そこまでじゃないわよ、…あの程度もう体に染みついてるっていうかぁ?」

真姫「でも…振付ぶりっこ過ぎよ、あれ」

にこ「あれが今の最先端なのよっ!」
422: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:51:04.76 ID:G7Wtb/cy
希「聞いたけどほんとにみんな歌もうまいんやね、」

真姫「確かに、ちょっと練習してあんなに上達したんだもの」

希「みんなでアイドルとかやっちゃう?ゲーセンでのダンスもうまかったし」

にこ「……アリね」

希「え?」

穂乃果「海未ちゃんも歌うまかったよ~」

海未「穂乃果、やめてください、人前で歌ったなんて考えても恥ずかしすぎます」

ことり「でもそんなこと言う割には最後のほうノリノリじゃなかった?」

海未「うぅ~、あれは少しテンションが上がっただけです」

穂乃果「それなら、ノリノリってことでしょ?」

海未「…そうでしょうか?」///

花陽「私はココアにしようかな」

真姫「ブラックで」

凛「真姫ちゃん大っ人~」

凛「凛もかよちんと同じ!」
423: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:51:49.64 ID:G7Wtb/cy
希「うちはカフェモカ」

ことり「ことりはぁ~キャラメルマキアート♪」

穂乃果「あえて……ここはオレンジジュース、…かな?」

にこ「なんのあえてよ、それ」

にこ「みんな決まったわね、。店員さ~ん」





海未「でも、絵里先輩がこんな話しやすいとは思ってませんでした」

絵里「そうかしら…」

凛「だっていつも目が鬼みたいに怖かったもん」

花陽「凛ちゃん?」

ことり「う~ん」

絵里「いや、そうだったかもしれないわね」

真姫「あっさり認めるのね」

絵里「まぁ実際自分でもそんな気はしてたけど、そこまで気が回んなくて。今まで死にそうなくらい色々大変だったみたい…他人事のようだけど」

穂乃果「そこまで!?」
424: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:52:06.63 ID:G7Wtb/cy
にこ「ほんと、希がいなかったらどうなってたか分かんないわよ?」

希「それは言い過ぎやよ」

絵里「希にはほんとに感謝してるわよ?」

希「…うちも、えりちに助けてもらってるんやからお互い様や」

絵里「そう?」

穂乃果「あっ!ちょっと思い出したんだけどさ、コンサートビルの時にビルからそのまま飛び降りて行ったじゃん。あれってどうやって逃げたの?」

絵里「ああ、あれね」

希「あれは思いっきり下から上に風を巻き上げたんよ」

にこ「じゃあ、あのときは私達の上にいたってこと?」

絵里「そういうことよ、分からなかったでしょ」

穂乃果「てっきり下に行ったものかと…」

花陽「そんな使い方もあるんですね~」

にこ「……そろそろ、時間も時間だし帰らない?私、チビ達の面倒もみなくちゃいけないから」

ことり「もうこんなに立ってたの?」

真姫「あっという間にこんな時間ね」

穂乃果「じゃあ帰ろっかー」


アリガトウゴザイマシター
カランカラ~ン
425: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:52:54.43 ID:G7Wtb/cy
真姫「これでお開きね」

凛「今日はいっぱい遊んだにゃ~」

絵里「ありがとう、皆。今日は良い気分転換になったわ。もう会わないかもしれないけど、次に会ったときは宜しくね」

海未「何を言っているんですか?絵里。」

ことり「明日も会うんだよっ皆で♪」

絵里「…はい?」

花陽「この前集まった事ですよっ」

凛「まだ分からないの~?」

真姫「呼び捨てを許すほどの関係になったじゃない」

にこ「これからも皆でやるのよ。あんたにも必要で、あんたがやりたいこと」

絵里「あ…」

穂乃果「そう、この9人皆の力で学校を廃校から救うんだよ!!!」
426: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:53:10.73 ID:G7Wtb/cy
絵里「そうね……でも、私は」

穂乃果「妹さんが事故に遭った原因、絵里ちゃんはそれで自分を責めてるんでしょ?…そして、それは絵里ちゃんを復讐に縛り付けてる」

希「妹さんが大事で、それに決着をつけたいのも大事や。でもな、それは復讐か学校の存続かじゃない」

絵里「…ぇ?」

希「…二人では無理でも、皆となら出来るんや」

穂乃果「ここにいる皆、9人の力だったらそれはどっちかじゃない…両方なんだよっ!!!」

絵里「…」

絵里「…ええ、その通りかもしれないわね」

穂乃果「じゃあっ」

絵里「その気持ちは嬉しいわ。でも、もう少しだけ私に考えさせてくれないかしら」

絵里「色々と頭の中で整理しなくちゃいけないの、」

穂乃果「そうだね…待ってるから、絵里ちゃんを」

絵里「ありがとう、」
427: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:54:31.39 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「そして、全部片付いて、全てが終わったら。今日みたいに皆揃って遊ぼうよ、普通の高校生みたいに」

絵里「……それは、…本当に楽しそうね」

海未「絵里…明日は休日ですが、理事長からの通達で私達は朝9時頃に学校の理事長室前に集まる事になっています」

絵里「…分かったわ、それまでに答えは出す」

海未「はい、」

花陽「今日、絵里ちゃんと仲良くなれて良かったです!」

にこ「明日、来なさいよ」

希「気負う必要なんてないんよ」

ことり「待ってるよ、絵里ちゃんの事」

絵里「…ええ、それじゃあね。楽しかったわ」

凛「凛も楽しかったよ!」

真姫(明日、来なさいよ…)

穂乃果「またねー!」ブンブン

絵里「…♪」


─────────
428: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:54:51.74 ID:G7Wtb/cy
─────────

真姫「ねぇ…私達、理事長に音ノ木坂学院を救ってもらいます、みたいな事言われたけど。…本当に私達がやる必要あるかしら」

にこ「どういう事?この前決めたじゃない」

真姫「でも普通の高校生よ?私達はなんでそんな事をしなくちゃいけないのかしら」

真姫「実際に被害があったのなんて、この前の誘拐だけよ?…」
真姫「怖かったけど」ボソ

真姫「そんな程度でやる必要なんてないわ。…もし廃校になったら他の学校に移るだけ、私達への害なんてそれだけよ」

にこ「だからやらなくて良いって?…まぁ私も学校が廃校してもそこまで気にしないと思うわ、でもね─────」

真姫「ナニヨt───────」

にこ「伏せてっ!!!」バッ

真姫「何すんのよっ」ズザザ

にこ「いてて、回りを見なさい」ホラ

真姫「きゃァっ何?」
429: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:55:42.29 ID:G7Wtb/cy
にこ「取り合えず立ちなさいっ!」

不良「…」ジッ

にこ「でも」サッ
真姫「なんかフラフラしてるわね」

不良「…」ヨロヨロ

真姫「刃物なんかもって、危ないわよ」

にこ「取り合えず逃げようにも、8人くらいね。…私達囲まれてるわ」

真姫「…どういう状況よ、これ」

にこ「取り合えず逃げるわよっここの隙間なら行けそう、真姫ちゃんっ!」コッチ

テク…

真姫「あっ」

にこ「塞がれたわね…」

真姫「どうするの?逃げれないじゃない」

にこ「こうなったら、そんな訳にはいかなそうね…」

真姫「相手もやる気みたいね」

にこ「そうね」

真姫「…」ゴク…

真姫「にこちゃんっ!」

にこ「殺るわよっ!!」




にこ「やっと終わったわ…不良とかに絡まれたのなんて初めてよ?」

真姫「でも、…少しだけ弱くなかった?」
430: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:55:59.55 ID:G7Wtb/cy
にこ「確かに~なんかフラフラしてたもん」

真姫「ヤクでもやってたのかしら…」

真姫「……やっぱりね…」サッ

真姫「これ、覚醒剤よ」

にこ「不良だし、あっても不思議じゃないわね。どうして使うのかしら」

真姫「…気分が良くなるとか、集中力が上がるとか聞かされて何も考えずに使っちゃうんでしょ。しかもこれ、害もかなり凶悪なやつよ」

にこ「どのくらい?」

真姫「一回分ぐらいなら大丈夫なわけでもないし、絶対にダメだけど…2回目からは死ぬレベルね」

にこ「ホントにしょうがないヤツら」サッ

真姫「だからフラフラしてたのね…」

にこ「それもあるかもしれないけど……」ジー

「…」
431: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:56:41.05 ID:G7Wtb/cy
にこ「…」テク

にこ「やっぱり、…こいつ能力者じゃないの。UTXと提携してる…スクールアイドル?……」

真姫「え?」

にこ「なんかこいつだけ後ろの方にいて、可笑しいとおもったのよね~。他のやつと違って意識もちゃんとしてたし」

にこ「まぁ最後に、にこがぶっ倒したんだけどね」

真姫「UTXってまだ私達を狙ってるの?」

にこ「この不良もたぶん能力か何かで動かされてたんだわ」

真姫「じゃあ、そいつらに捕まってた可能性も」

にこ「あるわね」

真姫「じゃあUTXはこのままだと…」

にこ「今回はギリギリ凌げたけど…このままじゃそのうちら9人、全員、終わってもおかしくないわ」

真姫「そんな事、ある?」
432: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:56:53.35 ID:G7Wtb/cy
にこ「あるわ…きっと、さっき話してたみたいに理事長の作戦をやらないなんて事は言ってられない。」

真姫「いつ狙ってくるなんて分からない。だから、早く決着を着けないと日常生活にも影響が出るって事?」
真姫「…それなら私はそんな事にはしたくないわよ」
真姫「…ねぇ?にこちゃん」

にこ「…もちろんじゃない」


────────
433: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:57:24.57 ID:G7Wtb/cy
海未「あれから皆と帰って来て、別れましたけど。ことり、話とは何ですか?」

ことり「ごめんね、皆で楽しく帰れてたのにこんな話するけど」

穂乃果「えっ今からそんな深刻な話?」

ことり「…実は、廃校の理由についてなの」

海未「ことり、まさか知っていたのですか?」

ことり「…ことりも最近知ったばかりで、今話しておきたかったんだ」

穂乃果「わかった…うん、ちゃんと聞くよ」

ことり「理由について、最初、穂乃果ちゃんが陰謀って言ってたけど。それに近いかもしれない」

海未「当たっていたのですか…」

ことり「この前から、お母さんにね。正体が分からない人から手紙とか電話が来てるの、そしてその内容が学校の廃校、運営についてなんだ」

穂乃果「それが」

ことり「うん、ビックリするかもしれないけど、内容は学校の廃校か、ことりを海外にあるUTXの姉妹校への転入をさせろって話で」

海未「なかなかメチャクチャな話ですね」
434: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:58:50.75 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「えーっ?。なんでことりちゃんが?」

ことり「ことりも分からない。しかも廃校か、ことりかなんて…だからね。これを知ったときにお母さんに、ことりが転入するくらいですむなら行くって言ったんだけど」

ことり「お母さんが絶対にダメだって、転入は表向きで、絶対にことりは行かせられないって言ってたの」

海未「そうなると廃校についても他の理由があるのかと疑いたくなりますね」

ことり「なんでそんな事知ってるのか聞いたけどお母さんは教えてくれなかった、学校を廃校にするとしか。…ものすごく悩んでたみたいだけど」

海未「それは悩みますね、親をとるか自分が学校の理事長であるかですから」

穂乃果「あれ、それって考えるとおかしくない?」
穂乃果「廃校にするのに、理事長は私達と廃校の阻止を考えてるんだよ?」

海未「…しかし、この前廃校って確定してましたし」

ことり「廃校させるのをやっぱり思い直したのかな」

海未「いや、おそらく違いますね」

穂乃果「なんで?」
435: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:59:28.88 ID:G7Wtb/cy
海未「散々悩み抜いてから我が子を守ると決断したのに、その後にわざわざ廃校を覆すとは思えません。1回しっかりと決めたのですから、信念を曲げるとは考えにくいです…」

穂乃果「じゃあどういうことなの?」

ことり「相手の約束と変わっちゃった…とか?」

海未「…ことりから聞いた話だとそれが一番可能性が高く思えます。それゆえに、この際だと理事長も強硬手段に出てことりも守り、廃校を阻止しようとしているのではないでしょうか」

穂乃果「…なるほどぉ」

海未「あくまで推測ではありますが…」

穂乃果「色々大変そうだね~」

ことり「ごめんね、…ことりさえ転入すれば良かったのに」

穂乃果「いや、そういうわけじゃないって~。穂乃果がことりちゃんの立場だったらどうなってるか分からないし」

海未「それに私達はことりが転入なんて、そんなことは求めてませんから」

ことり「ありがとう…、」グス…

海未「泣くほどじゃありませんよ」つハンカチ

穂乃果「それなら一層成功させないとねっ」

海未「はい、幼馴染みと学校の存続が懸かっているのですから」

ことり「うん、ことりも絶対に成功させるっ!」

穂乃果「じゃあ…今日は皆でお泊まり会だっ!」

海未「なぜそれが繋がるのですか?」

ことり「ことりは賛成~」

穂乃果「だって最近まで海未ちゃんとかいないときあったし、三人でお泊まり会してないじゃん」

ことり「そういう事だよっ♪」

海未「そう言われると、しょうがない気もしてきますがね…」

穂乃果「…よし、ことりちゃんっ最後の一押し!」

海未「えっ?」

穂乃果「いけぇっ!」

ことり「…海未ちゃん、おねんがぁ~いぃっ♪」ウルルン


────────────
436: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 16:59:48.55 ID:G7Wtb/cy
第17話「音ノ木存続計画」


理事長「これで全員ですか?」

希「えりち…」

にこ「まぁそうね」

理事長「そうですか、それでは作戦を説明していきたいと思います」

海未「もう少し待って頂けませんか」

ことり「もうちょっとだけ絵里ちゃんのこと待ってあげて」

理事長「…では、あと少しだけ」

真姫「結局、来ないかもね…」



海未「来ませんね…」

理事長「ふむ…それでは始めた───────

バタンッ

絵里「来たわよ」

希「えりちっ」

穂乃果「絵里ちゃんならって信じてたよっ」

花陽「ほっ…良かったです」

凛「生徒会長が遅刻はダメにゃ~」

絵里「こういう場面だと遅れて来るのが、お決まりでしょ?」

にこ「なに格好つけてんのよ、遅刻は遅刻よ全く…」

絵里「ごめんなさいね」
437: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:00:23.93 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「まぁとにかく全員揃って本当によかったよ。ことりちゃんのお母さん、お願いします」

理事長「お願いされたわ、始めるわね」



理事長「貴方たちにやっていただく計画の目標は只一つ、廃校の阻止です」

理事長「廃校阻止の妨げになっているのは主にUTX、あなた達にはUTXに向けてその能力を行使していただきます」

真姫「UTXねぇ」

にこ「まぁそんな所かしら」

花陽「本当にUTXが…廃校に関係して?」

理事長「ええ、詳しくは話せないけれどUTXを相手にすることになるわ」

花陽「でもUTXに私達が能力を使って良いんですか?」

理事長「はい、問題はありません」

花陽「でも…」

絵里「知らなかったかもしれないけれど、UTXと繋がってる能力者はたくさんいるのよ?」

花陽「ええっ!?」
438: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:00:41.14 ID:G7Wtb/cy
にこ「案外キナ臭いもんよ」

理事長「その為にやらなければいけないことが幾つか…」

理事長「今回、東條さんと絢瀬さん、矢澤さんからの情報提供もあって…かなりやるべき事が明確化されました」

理事長「ひとつ目は爆発能力をもつ能力者の排除、無効化。あるいはUTXからの保護です」

にこ「なに、そんなやついたの?」

希「いたんよ、うちも知ったときにビックリしたんやけどね」

海未「…強そうですね、倒せるのですか?」

絵里「いや楽勝よ、だって機械の中に寝かされて能力だけを使われるだけの道具みたいになっちゃってるから」

希「その場所に行くのは大変やけどね…」

真姫「私達がその能力者を排除しなければならない理由はなんですか?」

理事長「UTX曰く…音ノ木坂学院を廃校にしなければ中の人の有無にかかわらず、学校ごと全て爆発させるそうです」

凛「メチャクチャにゃ…」
439: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:01:22.75 ID:G7Wtb/cy
にこ「証拠が残らないからって…よくやるわね……」

真姫「じゃあつまり、学校自体が脅迫されてるってこと?」

理事長「そうですね」

海未(実際にはことりを引き渡させるための、廃校にさせるという選択肢にもなりえる圧力があって。そしてそれらを守らなかった場合の能力者による学校の遠隔による爆破…ですか)

海未(全部は言わないと言うことは、理事長の娘である、ことりに繋がりそうな不自然な情報は全て伏せる…と。)

海未「仕方ありませんね」

理事長「そして、二つ目はUTXが故意的に能力者を集めている証拠。これの回収です」

にこ「なかなかに抽象的ね…」

理事長「これをやって頂く理由について。遠隔爆発の能力者を排除した後に、もう一度UTXに能力者によって脅迫されるような事が起きないよう防止するためです」

絵里「…なるほどね。その証拠をUTXへの抑止力とするか、警察に何らかの形で提出すると言う事?」

理事長「その通りです」
440: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:01:35.79 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「でも、UTXで証拠の回収なんて…そんな見つかるものなの?」

理事長「そうですね、そこが少しネックではありますが…。UTXの理事長室、ここに何らかの証拠があるとは思っています。」

希「何らかの、なんや」

理事長「そこばかりは仕方がありません、最悪見つからなくても…取り合えず今の状況だと大丈夫ではありますから」

ことり「じゃあ取り合えず、その二つを頑張れば良いの?」

理事長「そういうことです。」

理事長「そしてこれらを行うのに障害となるのはUTXと提携しているスクールアイドル能力者とA-RISEの三人。…特にA-RISEは別格となります。」

理事長「これらをいかに処理するかが重要なポイントになるでしょう…」

理事長「そのために作戦としては大まかにA-RISE等の強敵を引き付ける囮の役、作戦の実行部隊に別れていただきます。」

理事長「その辺りを今から皆さんで話し合って今日中に決めてください。」

凛「今日中に?!」
441: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:02:23.89 ID:G7Wtb/cy
にこ「今回に至っては作戦は出来るだけ早めに遂行したほうがいいわ…」

理事長「良く分かっているようですね、にこさん。皆さんにはあえて知らせていませんでいましたが、もうすでに音ノ木坂学院(生徒含む)への攻撃は始まっています」

真姫「じゃあ…」

理事長「明日にも作戦を実行に移す、ということです」




─────決行当日


海未「これでこれから行う作戦の最終確認は終了です、」

穂乃果「いよいよ、だね。」

絵里「でも…本当に良いの?、私と希だけA-RISEのあんじゅを見つけるだけなんて…」

理事長「いえ、そこはかなり重要な部分ですよ。」
理事長「今のところ行動、出現場所のパターンが不規則な彼女を押さえるにはそれが一番なんです。…もちろん見つけたら相手を無効化する事もセットですし。」

希「しかも、それはえりちの目的でもあるやん、ここは乗らせて貰ったほうがええんやないの?」

絵里「…それはその通りね」
442: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:02:37.71 ID:G7Wtb/cy
ことり「後は皆でその作戦通りにやるだけだねっ」

穂乃果「うんっ!」

真姫「上手く行くといいけど…」

にこ「悩んでもしょうがないわ、やるだけよ」

希「あと数分後に始めるんやな…」

凛「でも、この皆と一緒なチームならやれる気がする!」

穂乃果「チームかぁ…。せっかくなんだしさ、チームの名前とか決めない?」

ことり「あっそれいいかも♪」

絵里「そうね、何かいいのあるかしら」

真姫「う~ん、なにが良いかしら」
443: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:03:24.45 ID:G7Wtb/cy
にこ「ぷりてぃにこにー音ノ木れすきゅうガールズは?」

凛「…激寒にゃ」

にこ「じゃああんたが考えてみなさいよっ」

穂乃果「あっ能力者ガールズ!」

絵里「そのまんまじゃない」

花陽「私は言いやすいのがいいかなぁ」

海未「黒の騎士団…というのは」

真姫「…他にないかしら」

希「…ならμ’sっていうのは、どうや?」

穂乃果「…あっそれいいかも!」

花陽「どこかで聞いたことあります」

希「音ノ木坂学院を廃校から救う9人の女神、ぴったりなんやない?」

ことり「凄いあってるかも、それ」

絵里「…いいじゃない」
444: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:04:41.05 ID:G7Wtb/cy
にこ「μ’s…じゃあ、あのネット記事書いてたのあんたって事!?」

希「どうやろなぁ?」

真姫「まぁでも気に入ったわ、μ’s」

穂乃果「じゃあμ'sで決まりっ!」

理事長「それでは…皆さん、そろそろ準備に入ってください。」

穂乃果「わかりました!」


穂乃果「皆とならどんな事だって出来る、穂乃果はそう思ってるから。心配しなくても良いっ、皆でなら何でも出来るんだよ!!!」

穂乃果「これが全部終わって廃校も何もかも片付いたら、また9人で集まろう。だから今日絶対に成功させるんだっ!!!」


コク…


穂乃果「よしっ!」


穂乃果「じゃあ行くよーっ!」



穂乃果「ミュゥーッズ!!オペレーション!!!」


スタァーーーートッ!!!!!


─────
445: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:05:31.13 ID:G7Wtb/cy
海未「穂乃果、こちらですよ」

穂乃果「分かった」


少し前、私達は4つのチームに別れて音ノ木坂そして私達の未来の為の行動を開始した。


1つ目のチームは、
にこちゃんと真姫ちゃんの、主にツバサさんを引き付ける役目と、千里眼をもつ能力者を排除を目的とした部隊。UTXの別館に向かっているみたい。

2つ目は、
ことりちゃんと花陽ちゃん、そして凛ちゃんの、UTXが抱えているA-RISE以外の能力者を全て引き付ける部隊。
方法としては大きな騒ぎを起こして、UTXの能力者をほとんど集めるんだって…
ことりちゃんが少し心配だけど、おそらくこの役目になっているのも理事長は考えがあるから

3つ目は、
希ちゃんと絵里ちゃんの、A-RISEの優木あんじゅを探して無力化する部隊。

最後は、
私と海未ちゃんの、皆が敵を引き付けている間に直接UTXに乗り込んで証拠を回収する部隊。統堂英玲奈に会ったら対処する事もここに含まれるんだって


海未「ここの入り口でもあるゲートを通るときに用意しておいたカードを使います、」

穂乃果「ヒフミ達凄いよね~、UTXに入る為にこのカードも用意してくれたんでしょ?」

海未「確かに、さすがヒフミですね」

スッ

穂乃果「すごいっ!本当にゲート通れちゃったよ」
446: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:05:46.34 ID:G7Wtb/cy
海未「穂乃果…静かに」

穂乃果「なに?」

海未「そんな事大声で言っていては疑われますよ、今後言わないようにしてください」

穂乃果「了解っ」

海未「…そうは言いましたが、人が殆どいませんね。不気味なくらいに」

穂乃果「確かに…ここに入ってから、学校の受付でしか人見てないかも…」

海未「皆の囮が上手くいっているということでしょう、」

穂乃果「なら穂乃果達も頑張らないとね!」

海未「そうですね」テクテク

穂乃果「これ、エレベーターだよね。行くけど何階だっけ?理事長室」

海未「覚えといてください、17階です」
447: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:06:38.36 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「じゃあ…これで行けちゃうね、乗っちゃおうよ」

海未「一応、気を付けて下さいね」

穂乃果「17っと!」ポチ



ガッコン ウィーーーーーン


穂乃果「着いたみたい」

海未「降りましょうか…」

穂乃果「海未ちゃん、刀持って来たんだね」

海未「はい。今回ばかりは何があるのか分かりませんし、手加減をするつもりもないので」

穂乃果「確かに、…右前に見えるのが理事長室かな」

海未「はい部屋の前に書いてありますから」

穂乃果「…あっそうだね」

海未「開けますよ…入ってする事は分かっていますね?」

穂乃果「うん!」



海未「…」ガチャッ

穂乃果「…」ソロ…
448: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:06:56.29 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「…誰もいないね」キョロ

海未「そのようです」

海未「好都合です、今のうちに早く見つけ出してしまいましょう」ガサ

穂乃果「見つけたらこっちのもんだもんね」ジー

海未「そうです」コト…

穂乃果「カギかかってる所とかないかな」ヒョイ

海未「……」ガサガサ

穂乃果「机の引き出しにカギかかってるみたい」

海未「次は鍵…ですか?」

穂乃果「いや、急いでるしね。…ごめんなさいっ」ドォン

海未「破壊したのですか?」

穂乃果「でも、一回謝ったから」

海未「そういう問題では…」

穂乃果「もうここに侵入してるんだし、関係ないよ!…たぶん」

海未「割きりの良さには感心しますが、もうやらないで下さいね」ソウサク

穂乃果「はーい」カチャ

穂乃果「あっ開いたよ」

海未「中に何か?」
449: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:07:21.28 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「あった…これかも?」ホラ

海未「おそらくそうですね、……資料のタイトルは…能力者についての────────

ウィーーーーーン

穂乃果「エレベーター?」

海未「一回下に降りて、又この階に来たようですね」

海未「端に隠れましょう」サッ

穂乃果「…」ゴク…

コツコツ…

穂乃果(こっちに来てる…)

海未(いざとなればこの証拠となる紙だけでも)

コツコツ

海未(部屋の前ですね…)

穂乃果(来たっ!)

ピタッ

海未「…」ハラハラ

コツコツ

海未「…」

穂乃果「ほっ…」

海未「通りすぎましたね」
450: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:07:38.32 ID:G7Wtb/cy
海未「…証拠は見つけたのですから早く帰りましょう」

穂乃果「順調に行けたね、実際やってみるとこんなもんだね」

海未「まぁ帰りでも油断は禁物ですよ?」

穂乃果「わかってるよっもう」

海未「フフ…それでは帰りましょうか」ガチャリ

穂乃果「うんっ、」テクテク

海未「…やはりUTXともなると廊下は新品同然に見えますね」テクテク

穂乃果「そうだね、なんか壁もきれいだし」

海未「エレベーターもこの階にあるままですし、すぐ帰れそうですね」

海未「…」

海未「……」

海未「…穂乃果?」クル

「またお前か、園田海未」

海未「統堂英玲奈…」サッ(待ち伏されていましたか)

穂乃果「…」モガモガ

海未「穂乃果を離してください」

英玲奈「こいつが私に、口を押さえられて刀を突き付けられている状態を見て、只で離すと思っているのか?」

穂乃果「…モガ」
451: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:08:16.36 ID:G7Wtb/cy
海未「じゃあ何をすればよろしいのですか?」

英玲奈「そうだな…決まっているに決まってるじゃないか」

穂乃果「…フッ」ドォン

英玲奈「…」サッ

英玲奈「衝撃波か、当たったら痛そうだな」

穂乃果「…クソ」モガモガ

英玲奈「いまお前が持っている紙の資料、返して貰おう。そうしたら離してやる」

穂乃果「…」ダメダヨ

海未「しかし…」

英玲奈「いいだろう、30秒待とう」

海未「…」

海未(……紙を渡す振りをして穂乃果を助ける…ですが、成功する可能性は無いに等しい)

~♪

海未(着信?)「…出ても?」

英玲奈「時間内なら構わん」
452: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:08:58.11 ID:G7Wtb/cy
海未 pi「ことりのお母様ですか!?………」

穂乃果「…」?

海未「はい……………なるほど………理由は後で?……そうですか」

英玲奈「…」

海未「…」pi

英玲奈「…」

穂乃果「…」ダメ

海未「分かりました」

英玲奈「ほう…、ではそちらから紙を渡して貰おう。丸めてその紙をこちらに投げろ」

海未「貴方が穂乃果を離すという保証は?」

英玲奈「私はそういう質ではない。それにこの状態でこいつを離して劣勢になるのは私だ。…だが、お前もそういう質だろう?」

海未「…はい、」

穂乃果「…」ダメダッテ

海未「…」ポイッ

英玲奈「…」ジッ…

英玲奈「ふむ…確認した」

英玲奈「…行くがいい」パッ
453: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:09:56.42 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「海未ちゃんっ!」ダッ

海未「良かったです…」ダキ

英玲奈「帰りも私が保証してやろう…じゃあな」

海未「…分かりました」

穂乃果「海未ちゃん、でも…」

海未「良いんですよ。あの紙はもう必要なくなりましたから」

穂乃果「ほんとっ!?」

海未「はい…」


─────────────
454: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:10:14.44 ID:G7Wtb/cy
真姫「にこちゃん、本当にここでいいの?」

にこ「理事長の指示通りだとここで合ってる筈よ」

真姫「今私達がいるのUTX別館でしょ?」

にこ「うん、」

真姫「だけどそのツバサってのが来ないわよ」

にこ「一応、さんってつけなさいよ」

真姫「はーい。ツバサさんここに来てないわ、あれほど理事長が警戒してた人が来ないって不味くないの?」

にこ「わざわざツバサさんを引き付けるっていう計画を1つ組み入れたほどだしね。」
にこ「…でも大人しく待ってなさい、そのうち来る筈。もし来なかったらその時よ」


─────────────
455: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:11:01.83 ID:G7Wtb/cy
凛「凛たちはここで他の人たちをあつめればいいんでしょ?」

ことり「そうだよっ、でも本当に集められるのかな…」

理事長『ああ、話してなかったわね。アライズと他の能力者たちで別の役割らしいから』

花陽「…だからですか?」

理事長『ええ、その他の能力者を一か所に引き付けるなんて簡単ってこと』

ことり「でも大丈夫かなぁ、そんなに来るのに…」

理事長『大丈夫よ。安心して、不安要素であるアライズも皆が抑えてくれてるし…怪我を負うことさえあり得ないわ。』

理事長『まぁ…計画通りに行きさえすれば、だけどね』

花陽「えぇっ!?ちょっと怖くなってきちゃいました…」

ことり「お母さんっ怖がらせないでよ」

理事長『あら、ごめんなさい。でも…只の能力者から上手く逃げてもらうだけなんですから、あなた達にとっては簡単なものでしょ?』

ことり「確かに、凛ちゃんも花陽ちゃんも(そしてことりの能力も…)だもんね」

理事長『そういうことよ、』
456: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:11:38.34 ID:G7Wtb/cy
凛「それで、ここでやることにしたの?…ことりちゃんのお母さん」

ことり「確かに…ここなら目いっぱい逃げ回れるかも」

花陽「町から外れた港の廃倉庫、ですか。ここ以外にもいっぱい倉庫建ってましたね」

理事長『人形とか保管してるみたいね。この敷地内なら、どこを逃げ回ってもらっていいわ』

凛「だったら、結構ひろいよね。ここ」

理事長『うーん、それにしても雰囲気たっぷりじゃない?ヤンキー映画に出てきそう。皆の奮闘、録画していいかしら』

凛「ふざけるのはやめてほしいにゃ~」

理事長『フフ…分かってるわよ』

理事長『……そろそろ来るはず、…。何かあったら連絡頂戴ね。私もやることがあるから』

花陽「わかりましたっ!」

ことり「お母さんも気を付けてね」

凛「うん!」

理事長『皆ありがと、あなたたちも気を付けてね。…それじゃ』プツ



町の喧騒から一際離れた所にある、大口を開けた大倉庫がいくつも連なる廃れた港。

昼過ぎのそこからは、いつものこの時間帯では考えられないような壮大で乱雑な音が聞こえて来る。

何かが爆発したと思えば、何かが削れるような音が響き、とにかく異常な状態。


そんな音の発生源である倉庫がまた、正常な状態であるはずはなく。

倉庫のガラスはドロドロに溶け、屋根にはフォークリフトが突き刺さり、ところどころ倉庫に開いた穴からは黄緑色の煙が上がっている始末。
457: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:12:04.58 ID:G7Wtb/cy
能力者同士の戦いによってそれは起こされているのだが、その人数は多く、この現実離れした空想的な戦いが収まる様子は微塵も感じられない。

そんな中で活発に動き、異能力を掻い潜るように薄暗い倉庫内を走り回って、一際目立っているのは3人の少女…ことり、凛、花陽。

倉庫内を縦横無尽に逃げ回るその顔からは疲労の色は見えないが……


凛「こんなにいるなんて聞いてないにゃ…加速!」シュイン

ことり「思ったより多い…ね」タッタッ

花陽「…でもこれなら、ぎりぎり逃げきれそうですっ」タッ

ズドオオオオオオオ!!!!!!

凛「しかも能力も分かりづらいのばっかり…」

花陽「ピャー」

凛「大丈夫っ!?」

花陽「まだ…大丈夫っ」

ことり「逃げ回るだけって…大変……」シュウウウウウ

花陽「そろそろ不味いかも」ゼェゼェ

ことり「花陽ちゃん、頑張って」

花陽「…あっ」ズデッ
458: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:12:36.47 ID:G7Wtb/cy
凛「かよちんっ」

花陽「私の事は気にしないでっ」

凛「そんなことできないよっ、…やられそうなら皆で戦っちゃおう!」クルッ

花陽「でもっ…逃げるんじゃないの?」ズル…ズル…

ことり「、お母さんは…敵を引き付けてればいいって」タッタッ

花陽「…ならいいのっ……かなぁ」タァッ…


そこへ突如、
建物の影から2本の重厚な白い柱が出現!

それは猛烈な勢いで一直線に飛ぶと花陽と凛に直撃ッッッ!
その衝撃に二人は一瞬の間に宙を舞う…

そしてその勢いのまま柱は壁に当たると、壁から出たコンクリートの白い瓦礫をつくった。

そしてその瓦礫の上に何者かの影が…

踏み越えてやって来るのは、A-RISEのリーダーでもあり能力者でもある綺羅ツバサ。

予想にもしないイレギュラーな登場



凛「うぅッ」

花陽「…ハァ…ハァ……」
459: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:54:26.36 ID:G7Wtb/cy
ことり「凛ちゃん!花陽ちゃんっ!」ユサ

ツバサ「こんにちは、ことりさん」

ことり「ツバサさんっ!!!」

凛「…う、」

花陽「…ハァ……ハァ…」

ツバサ「…、ちょっと力の加減が難しいのよ、これ」

ことり「…」キッ

ツバサ「う~ん私は来ないと思ってたのよね?ごめんなさいね。…来ちゃったのよ」テヘ

凛「うっ……。あ…れ?ツバ…サさんはにこちゃん、、と、真姫ちゃ…んが…」

ツバサ「ああ、その予定だったみたいね、実際は貴方たちの前にいるわけだけど」

他の能力者「…」タッ

ツバサ「ちょっと待っててもらっていいかしら」サッ

「…」リョウカイ

ことり「なんで他の能力者を止めたの」

ツバサ「…、ここで少し話が有るのよ良い?」

ことり「何の話っ?」

ツバサ「廃校についてよ」

花陽「廃、校…?」

ツバサ「ええ、その事で交渉…みたいものね。今なら考え直してあげても良いわよ?廃校についてね…。この作戦もその為でしょ?」

凛「そ、う…」

ことり「凛ちゃんも、花陽ちゃんも休んでてっ」

ツバサ「…音ノ木坂学院の廃校を免れたい、そして友人を救いたいのならば、南ことり、貴方は私と一緒に来なさい。」

ことり「…え?」
460: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:55:35.23 ID:G7Wtb/cy
花陽「なん…でことりちゃん、がっ」

凛「?…分かん…ない…けどことりちゃんは渡さない、にゃ!」

ことり「…でも」

ツバサ「どうする?」

凛「行かなく…ていいよっ。……皆は廃校阻止するために今、…戦ってるんだから…ことりちゃんが行くのなんて……誰も望んでないっ」

花陽「…行ったら…戦…かってる意味が無くなっちゃ…います。それに…せっかく仲良くなっ…たのに」

ことり「花陽ちゃんも凛ちゃんも…」

ツバサ「…もし来ないならここの能力者と加えて私…も入れて戦うことになるわ。……この状態でね」

ことり「そんなっ」
ことり(そんな事したらみんなは…)

ことり「…」ゴクッ

花陽「ダメですっ!」

ツバサ「来なさい」

凛「ことりちゃんっダメ」

ことり「でもっ、」

ことり「………行きます」

ツバサ「……それが一番いい選択よ」

ツバサ「…じゃあ、ついて来なさい」

ことり「…はい」

凛「ことりちゃんっ!」タッ

「…寝てろ」ガッ

凛「」バタ

花陽「凛ちゃんまでっ」タッ

「そうだね、君からでいっかな…」
461: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:57:05.09 ID:G7Wtb/cy
第18話「嵐の中の予感」


─────────────

凛「頭が…」クラ

凛「あれ、周りに誰も…」キョロ

凛「かよちんも…いない、あ…ことりちゃん行っちゃったのか…」

凛「あれっ?あっちに車があるけど」

凛「あれは…かよちんっっ!」

凛「…」ダッ

凛「かよちんを離すにゃ!!」

──────

凛は車に乗せられそうになっている意識を失った花陽を見つけ、走る

車の近くに行き、花陽を拘束している二人分の腕を目にも止まらぬ早さで振りほどくと、凛は花陽を抱き抱え倉庫の奥へ急加速し連れていく。

…少し離れると奥ばった倉庫の床へ、そっと花陽を下ろす


凛「かよちんっ、大丈夫?」ユサ

花陽「あ…、凛ちゃん?」

凛「うんっ!…大丈夫?」
462: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:57:22.83 ID:G7Wtb/cy
花陽「大丈夫、……だけどまだ足は動かない、かも。ちょっとすれば」ググ

凛「じゃあ、凛が背負ってくから捕まって!」

花陽「ダメっ凛ちゃんは逃げてっ、もう来てるからっ」ブルブル

凛「えっ?」


凛が花陽に言われ、後ろを振り向くと3人ほどの少女がすぐ近くでこちらを観察するように見ていた


凛「貴方たちはなんなのっ?」

「やっぱり最初に、こっちをやるべきだったんですよ」

凛「ふーん」

「直ぐに…やろう……」

花陽「凛ちゃんだけなら逃げれるからっ速く逃げて!」

凛「かよちんを置いては行けないにゃっ、それに、こんなにかよちんを怖がらせたやつは凛が絶対に許さない…」

「ゆるしてちょんまげ!」

凛「…」ブチッ
463: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:58:16.82 ID:G7Wtb/cy
花陽「私の事はいいからっ」

凛「かよちんは凛が守るって部活に入るとき言ったじゃん」ニ

花陽「でも」

「そういうの嫌いじゃ、ない…」

凛「かよちんは、だからそこで」
(かよちんなら、そこでまってたら連れていかれる…なんて事はないはず)

凛「待ってて」

花陽「…」(凛ちゃん…でも相手は3人だよ?)

「じゃあ、行くよ?」

凛「覚悟するにゃあぁーーーーっっ!!!!!」シュイン
464: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:58:32.80 ID:G7Wtb/cy
───

まず急加速して狙ったのは、髪がふわふわとしたおっとりした雰囲気のタレ目の少女。

加速して近寄ると思いっきり殴る!しっかりとした手応え


凛「えっ」


凛が驚いたように何の抵抗感もなくタレ目の少女は拳に当たると、転がっていく。

「いた…い、」ゴロゴロ

「ちょっと、彼方っ何やってるんですか?相手は加速の能力ですよっ。援護してて下さい」

彼方「わかった…しずく」


しずく、と呼ばれた敬語を使う清純派のような少女はその瞬間、消えた。緑の煙を残して…

煙は、風に流されて自然と凛の方に流れていくように見えた。

凛がその煙をはてな顔でいぶかしんでいると、

煙は人の形を作り、
颯と、しずくと呼ばれる少女がそこから表れる!
すぐさま腕を振り上げ攻撃するが、凛は加速の能力者である…避けるのは易い。

回避した凛はカウンター気味に殴り返す、だが殴った瞬間拳にあるのは掴み様のない煙の感覚のみ。


花陽(…煙になる能力ですか、)
465: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:59:15.65 ID:G7Wtb/cy
しずくが消え、少しだけ困惑した凛の目前が突然に明るくなり……爆発!

真っ赤な熱量にすぐさま飛び退く凛


凛「なに今のっ?!」

「あー、出て来て久しぶりだから座標がずれちゃうんだよね」

しずく「かさねちゃん大丈夫?」

かさね「なんか機械から出てきたら使うの難くなったんだよね…」

花陽(じゃあ、あの子って強いって言ってた遠隔爆発させる能力の…)

しずく「それは残念ですね」

彼方「でも、…なんで出てこれたの?…」

かさね「何か違う子が来るっていってたよ」

しずく「そうなんですか」

凛「…」シュイン
凛(でも、こいつら凛のスピードには及ばないにゃ)


戦闘中に隙を見せたかさねに、急速に迫って殴りかかる!!

がそこへ、転移…、という言葉が聞こえると目の前に鉄製のドアが表れ

じゃあ、と回り込んで凛はかさねへ攻撃するが、今度は大きな机が現れて阻み

凛が一瞬だけ静止して思考…

すると机の向こうから凛への突然の爆発攻撃!

凛は伏せるように避けきってから、下からかさねに反撃する!!

がまた同じように障害物が現れ攻撃は阻まれる


凛(これは多分あいつの能力にゃ…、ならあのタレ目を見つけなきゃねっ)


そこで凛はちょうど入口近くの倉庫のドアがなくなっているのを見つける。
466: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 17:59:52.10 ID:G7Wtb/cy
すぐさま空っぽのドア枠へ向かって加速すると、今度は今まで外に置いてあった机がなくなっているのを見つけ、回りを見渡す

視界の端にチラリと動くものが1つ

彼方である。その髪をふわふわと揺らしながら何かを探しているようだった


凛「いたにゃっ!」


そして見つけてからは簡単、主だった凛への対抗手段を持たない彼方を、猛スピードで組伏せると拘束して完了!


凛「よしっ!これで大丈夫」


彼方を無力化した凛は元々彼らと戦っていた場所に急いで戻る、

そして先ほどの場所に着くが、大倉庫の中には100人はいようかという人形が立ていた。


凛「…なにこれ?」


何か嫌な予感、人形を横目に急いで花陽を探す

…だが見当たらない、何処にもいないのだ。


凛「どこに…」

かさね「ここよ」


凛が声に合わせて上を見上げると、倉庫の7メートル近い高さの天井の骨組みに花陽が括りつけられていた。


花陽「うぅ…」


鉄製の骨組みの上にたっているのはかさね、
467: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:00:38.23 ID:G7Wtb/cy
かさね「あのまま待ってれば良かったのにね」

花陽「ごめん、凛ちゃん」

凛「かよちんは悪くないよっ」

かさね「こっちも本気でやらせてもらうから、終わりよ…」

かさね「しずくっ!」


倉庫内にその声が響くと、凛の周りを並び立っていた幾つもの白いマネキン人形の体から、一斉に緑色のモヤが内側から外へ漏れ出、
ガクガクと動き出すと皆一様にグリンと顔を凛に向けて、無機質に襲いかる


凛「これはヤバイにゃっ」シュバッ


逃れようとするも、

凛を中心に圧倒的な数の力で、無理矢理にでも徐々に作られていく人形の渦

凛は人形から遠ざかろうと周囲に近付く白き者を、目一杯の力で辛うじて押し退けていた

だがそれも最初だけ、人形が密接するにつれてさらに中心への力は増していのだ…

その円は大きく回転しながら内側へ内側へと凛を押されていく


凛「ふぐっ…」ギュウ…ギュウ…

凛「…ぅ……」ギュウ……ギュウ

凛「………ぁ…」ギュウゥ…


そしてギリギリまで踏ん張って形成していた凛だが…その台風の目は、ついに押し潰されてなくなってしまった


凛「」
468: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:01:04.30 ID:G7Wtb/cy
そこに出来たのはしずかにうごめく、人形が渦巻く、只の真っ白い円のみ。
凛は飲み込まれ、人形に押しつぶされた姿は見えなくなっていた…


ギュウ…ギュウ…

花陽「凛ちゃんっ!」


その声は薄暗い倉庫で、うごめく人形のガチャガチャという音の中に返答なく無情にも響いていく。


かさね「…」

花陽「そんな…」

かさね「まぁ…こんなものかな、そこにあった人形が役立って良かったよ」

かさね「さて、あの子はあとで回収する…。…でいいかな。」

しずく【さすがにもう大丈夫だとおもいます、いいですよ】

かさね「おーけー、…かよちん?さん大人しくしててね」

花陽「凛ちゃん…」

かさね「ほらちょっと一瞬だけほどくからあっち向いて」


かさねに促され、花陽はうなだれたままそっぽを向くと鉄骨とくくりつけられていた腕の感覚が軽くなる

そしてかさねに再度、腕を捕まれた。


かさね「じゃあ、歩いて。変なことしたら爆発しちゃうかもよ?」
469: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:01:56.79 ID:G7Wtb/cy
かさね「あっそうだね君には効かないかも、じゃあ言い換えよっか…。…別のことしちゃうかもよ?」

花陽「…」

かさね「なんか言ってよ…」グイッ

花陽「…そんなこと、どうでもいいです」ボソッ

かさね「え?」グイ

花陽「そんなこと、…そんなこと……どうでもいいですっ!…」


そう言い切るとかさねに捕まれていた腕を花陽は一思いに振り払うと


花陽「凛ちゃんっ!!」


、はら…と鉄骨から身を投げ出した


かさね「あ…」


花陽にとってこの高所から落ちる事なんてその瞬間頭にはない。

ただ、凛の事ばかりで…
470: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:02:34.21 ID:G7Wtb/cy
かさねはとっさに手を伸ばすが、その手は花陽へは届かずに空を掴む

スローモーションで落ちていく花陽は、
凛と同じように渦巻く人形の渦へ飲み込まれていくように見えた。

実際には数えるほどもなかった秒を経て、
花陽の体は高い運動エネルギーを保ったまま真っ白い円の中心に落下する。

それはまるで白いペンキに1滴の水を垂らしたかのようで…
落下した瞬間、
下方でたまっていた人形が一斉に空中に爆ぜていき、花陽を中心として中空に波打っていく!

そしてかさねが瞑ってしまっていた目を開けると、


そこには倒れた人形の中で花陽を抱き抱える凛の姿が。


花陽「凛ちゃん、良かったよ…」グス

凛「かよちんもっ」
凛「でもあんまり無理しちゃダメだよ?今回はかよちんのお陰で助かったけど」

かさね「チッ…しずくっまだイケる?」

しずく【人形のコントロールをあの瞬間に半分ほど切られましたが…】

かさね「もう半分はいけるって事だね?」

しずく【そういうことです】
471: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:03:19.93 ID:G7Wtb/cy
比較的外側にあった人形が倒れた状態からギシギシと体を起こしていく、その数は半分ほど減っていたがそれでも少ないという事はない。


花陽「まだ結構残ってるみたい、だね」


覚悟を決めた表情で周りを見回しながら、背中合わせの凛に今の状況に対する感想を伝える


凛「めんどくさいやつらにゃ」


花陽によって人形の力が抜けた一瞬で、凛は覆い被さっていたそれらを目一杯の力で蹴散らしたのだが、
周りにまだ数が残っている事に少し苛立ちを覚えていた凛はそう答える


花陽「凛ちゃん、あの子たぶん皆とも話してた目的の能力者だから」

凛「そうなんだっ、なら凛達でやっちゃおうよ」フシャーーッ
472: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:03:33.58 ID:G7Wtb/cy
しずく【そんな簡単にはいかせないよ】


今度は今までのような動きを人形はせず、タイミングを測るようにバラバラに二人に襲いかかる。


花陽「凛ちゃんはあの子を追って、花陽が人形の数を減らしておくからっ!!」

凛「わかったにゃ!」


人形の合間を縫いながら、少し離れたところにいるかさねに迫っていく!

時々それを妨害しようと白い手足が延びてくるが、走る勢いを利用した凛の回し蹴りが連続し炸裂!!!
473: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:04:14.57 ID:G7Wtb/cy
花陽に襲いかかる人形には、先ほどの凛のように圧迫させるような動きは見えない、その振る舞いには僅かな知性があるよう

まず迫りくる人形に目を配ると一番近くにいたものに花陽はハッケイのような形で手を触れる、

するとその瞬間、まるで糸が切れたかのように人形はガシャリと膝から崩れ落ちた


花陽「いけますっ!」
474: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:04:44.45 ID:G7Wtb/cy
凛「邪魔っ!」ガシャッ


人形を回転するように其処らへ蹴散らしながら超スピードで追っていく凛、それを人形を障害物にしながら逃げていくかさね

だがその人形も数を減らしていき、障害物にするほどの数もなくなってきていた。


凛「追い詰めたにゃ」


二人を遮る障害が無くなった凛はかさねに王手をかけるような心境だったのだが、かさねからはどうも追い詰められている…という雰囲気が感じられない。

かさね(これでとりあえず能力を使う分の体力は回復できたかな、それにその間に貴方の事もよく分かったし。)
かさね(…これは一石二鳥だよね)ウンウン

凛「何で頷いてるの?」

かさね「まぁいいじゃんっ…ハッ」ドォン

凛「…当たらないよ」シュイン


凛は爆発を見越して、…避け


─────ドッ


一瞬でかさねの顔面に蹴りを入れる

が鈍い。


凛「何で!?」


かさねはあろうことか、凛の高速の蹴りを爆発の爆発を利用し腕で受け止めたのだ!

そして、かさねが右に空いた拳にぐっと力を込め握りしめると


ッドオォン

凛「っ!!」シュイン


辛うじて爆発を避けるが、今まで凛のいた空間が真っ赤に燃える
475: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:05:28.59 ID:G7Wtb/cy
かさね「…おしいっ!」

凛(強い…)

凛(でもね、……やっぱり凛にその爆発は遅いよ)ニヤリ

凛「…」フッ


今ので爆発のタイミングを見極めた凛は一気にかさねに攻撃を仕掛けていく

かさねの前に突然凛の姿が現れると、

連続して攻撃を繰り出すが、すべていなされていく、


凛( でも…凛のが速いにゃっ!!)


かさねは凛の拳が迫ると腕で受け流し、その先を爆発させる…が凛もそれを見切っているので回避!


凛「フシャァーーッ!」シュッ


今度は蹴りと足を高速で振り抜くが、かさねにかわされると又、その先が爆発!

目にも止まらぬ早さで行われる格闘戦。

凛は勢いに任せ、その体は回転するように連続して蹴りや拳を振り抜いていく!!

かさねの前で残像を残し、猛スピードで攻撃を繰り返す手足はまるで竜巻のようで、

その竜巻を真っ赤に照らし、巻き込まれていくのはかさねの連続する爆炎!!!
476: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:05:43.32 ID:G7Wtb/cy
花陽「はぁっ!」ドンッ


ガシャ────────


ワラ…ワラ…とゾンビのように背後からも襲いかかる人形に冷静に対応していく花陽。

体、手足の動きは徐々に洗練されているようで、一定のリズムを持ち人形は花陽の前でなすすべもなくバタリと倒れていく。

その足元では只の人形の残骸が、徐々にではあるが、着実に積み上げられていた。

もう既に花陽の周りには数えるほどしか人形はおらず、人形との格闘の合間に凛とかさねの激しい戦闘がちらりと目に入る。


花陽(速く人形を倒してっ…)ガシャン
花陽(ピンチだったら花陽が助けに行かないと…)
477: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:06:41.64 ID:G7Wtb/cy
かさね「…ふんっ!」ドォン

凛(今ッ!)
凛「あまいにゃっ!!」


戦いの中で見つけた、一瞬の隙をついて凛は踏み出すと渾身の右手ストレート!


かさね「…」


だが、
困惑しているはずのかさねがニヤケ顔で正面に両腕を持ってくると瞬時にクロス。
大仰に伸ばされた腕の先にある、開かれた両手を力を込め…ぐっと握りしめた


かさね「…爆ぜなよ」

凛「…あっ」


すると凛の周りにいくつもの赤い点が一斉に現れ
刹那、


───────ズズズドオオオオオオオンンッ


凛を逃がさないようにとその体を包み込むように空間が真っ赤に燃え、轟音は鳴り響き、無慈悲にも一気に爆発が起こる!!!!!


かさね「こんなもんだね」パラパラ
478: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:06:57.19 ID:G7Wtb/cy
人形も巻き込んだのかプラスチックの焼けるような臭いが漂い、
かさねは爆心を確認すると満足したように鼻を鳴らした…瞬間、体は宙を浮いていた


かさね「なにっ!?」


とっさに下を見るとかよちんと呼ばれる少女、そして浮き上がって天井に視線を移すと鉄骨には凛と呼ばれる少女が立ってこちらを見下ろしていた。

そう、
花陽は先ほど大爆発された凛を間一髪で庇ったのだ。そして二人同時に油断していたかさねを瞬時に蹴り上げ、凛は能力を活かし一瞬で天井の柱に移動!!!


かさね「クソォっッッッ!」

凛「…お返しにゃ」フワッ


凛は飛ぶ降りると浮き上がったかさねを迎え撃ち、その腹を蹴って今度は地面に思いっきり叩きつける。


かさね「うぐっ…」ダンッ

花陽「凛ちゃん、やりすぎだよぉ」
479: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:07:43.26 ID:G7Wtb/cy
意識がはっきりとしないままで叩きつけられ、仰向けになっていたかさねに花陽は目を向ける。


凛「う~ん、…でも凛はこのくらいでやっと気が済んだにゃ」

かさね「…う」

花陽「大丈夫ですか?」

かさね「……」グッ…


花陽が語りかけるとかさねは虚ろな目で両腕を空中に掲げる、すると倉庫全体に数えきれないほどの赤点が現れた。


花陽「え?」

凛「かよちんっ危ない!!」シュイン


花陽は認識している異能への耐性をもつ能力。今回の爆発についてもそれは当てはまるが、能力による二次的な被害はそれに含まれない。
…つまりこのままでは爆発し焼け落ちた倉庫の残骸に花陽は押し潰され、死に至るということ。

宙に浮かぶ赤点が爛々と光る

次の瞬間、倉庫内は灼熱の炎に真っ赤に塗りつぶされた。



───────────
480: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:36:40.14 ID:G7Wtb/cy
第19話「作戦の結末」


海未「いったい、どういうことですか?」

穂乃果「海未ちゃんっ」

理事長「皆さんが揃ってから話したいので、少しだけ待っていただけますか。連絡はしたのですぐに集まる筈です」

海未「…分かりました」

バタンッ

絵里「だって計画が中止って…」

穂乃果「絵里ちゃん、希ちゃんっ」

希「…どういう事やろな」テクテク

絵里「ちゃんと説明して頂けるんでしょうね?」バンッ

理事長「もちろんです。そのために待っていて頂くのです」
481: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:38:08.25 ID:G7Wtb/cy
海未「結局あんじゅさんは見つかったのですか?」

希「一応目星はつけてあったんやけどね、動きがなかったから」

海未「そうですか…」

真姫「…はぁ」バタン

にこ「戻ったわよ…」

穂乃果「どうだったの?」

真姫「予定通りに行動したわ…行っても何も出来なかったけど」

にこ「不思議なくらい静かでね」

穂乃果「やっぱり?」

理事長「……これで…揃いましたか」

海未「…これでですかっ?」

希「え、まだ6人しかおらんやん」

理事長「そうです」

希「は…どういう事や?」

真姫「ことり、凛、花陽は?」

穂乃果「来るんじゃないのっ!?」

理事長「…追って話をします」

海未「…」

絵里「それでいいわ…」
482: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:38:22.83 ID:G7Wtb/cy
理事長「…この学校は皆さんの在学中まで存続。つまり、音ノ木坂学院は廃校を免れる事に成功しました」

真姫「それで?」

理事長「これで当初の作戦の目標は達成、作戦は終了です」

真姫「…それだけ?」

絵里「期限つきの存続、ね…」

にこ「計画通りに行かなかったことは?」

海未「他のメンバーについては!?」

理事長「凛さん、花陽さんは今、病院に救急搬送中です。ことりは辛うじてほぼ無傷でした」

希「…凛ちゃんと花陽ちゃんは無事なん?」

理事長「怪我の具合はまだ、よく分かりません。ただそういう知らせが入ってきただけなので」

穂乃果「…大丈夫かな」

海未「…そうですか」

絵里「あと皆、作戦通りに行かなかったって言ってるみたいだけど…何か無いの理事長さん?」ギロ

にこ「相手の情報を上手く処理出来なかった、とか不備があったとか…, ないの?」

理事長「…作戦に不備は無かった筈です」

理事長「ですが、ここまで上手く行かないと立てた作戦に欠点があったと考えざるを得ません、あるいは……」
483: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:39:24.48 ID:G7Wtb/cy
絵里「…ふーん、疑ってるの?」

希「うちらの中に敵さんの内通者がおるって?」

穂乃果「穂乃果達の中にそんな事やる人なんて居るわけないよっ!」

理事長「…ええ、そんな事私も本心からは思っていません。ただ可能性の1つとして言っただけです…」

海未「…そうですね」

絵里「…」

理事長「まぁ、何はともあれ…」

理事長「…今回の事で我々は廃校を免れました。皆さんの協力に感謝します。これで解散です」

にこ「ぱっとしない終わり方ね…」

理事長「報酬も後々、手配させて頂きます」

真姫「なんだかね…」

穂乃果「皆が無事ならそれでいいよっ、凛ちゃんと花陽ちゃんは今何処にいるの?」

理事長「凛さん、花陽さんが搬送されたのは西木野総合病院です。」

穂乃果「ありがとうございますっ」

海未「ことりは…ことりは、何処にいるんですか?後から来ると思っていたのですが」

理事長「…」

穂乃果「…え?」

真姫「さっき無傷って言ってたじゃない、」

理事長「…はい、その通りです」
484: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:39:46.80 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「なら来るよね!」

理事長「…いえ、……来ません。」

希「どういう事や?」

理事長「…先ほど言い忘れていましたが…ことりはつい先程、今回の作戦とは無関係ですが…今日から海外へ留学することに決まりました。」

絵里「はい?」

海未「…全く意味が分からないのですが」

理事長「…ことりが海外に留学する、そう決めた、只それだけです。」

海未「ふざけているのですか?」

理事長「…事実を、…述べただけです」

にこ「そんなの、おかしいわよ」
485: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:40:25.72 ID:G7Wtb/cy
理事長「。…それで決定したんです……作戦は終わり…ありがとうございました」

真姫「ねぇ、ことりは?」

理事長「すみませんが、……私は…ここで帰らせて頂きます」ギシ…

海未「きちんと説明してくださいっ!!」グイッ

理事長「…っ」

希「海未ちゃんっ!」バッ

理事長「…」

穂乃果「海未ちゃんの気持ち、本当に、分かるよ…でも」ポロ…

海未「しかしっ…」

理事長「…すみません」ポロ…

海未「…あっ……」

理事長「…」テク………バタン

真姫「…」

にこ「…」

絵里「…」

穂乃果「…」

真姫「…もうっ!!」グッ

希「真姫ちゃんっ!物に当たるのは駄目や、…それ親御さんがくれたお守りやろ?」

真姫「私を守ってくれたとしても、そんなもの意味無いのよっ!!」ガンッ

穂乃果「そんな事ないっ!」

真姫「…」バラ…

海未「…」

にこ「あーあ…」
486: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:40:43.15 ID:G7Wtb/cy
希「駄目って言ったのに…」

真姫「…うぅ」

にこ「…」ヨシヨシ

真姫「…」スリ…

にこ「…皆で花陽と凛に会いに行きましょ」

絵里「…あら、これなに?」キラッ

希「お守りの残骸でなんか光ってる、やん?」

海未「…これは?」ヒョイッ

にこ「…あっ!」

穂乃果「なに?」

真姫「何よ?」

にこ「駄目っ!…」ガバ

絵里(マイク、…盗聴機?……)

希(お守りの中に盗聴機が入ってた?)
487: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:41:22.10 ID:G7Wtb/cy
にこ「ねぇ真姫ちゃん、これ…誰にもらったの?」

真姫「パパだけど…」

にこ「…」ギリ

真姫「何があったの?見せなさいよ」

にこ「ダメよ」

穂乃果「穂乃果は~?」

にこ「…ダメ」

穂乃果「酷いなぁ」

真姫「…」エイッ

にこ「あっ」

真姫「一体何があるのよ……」ゴソ

真姫「……」

真姫「……」ピッ…ピッ…ピッ…

穂乃果「…」

真姫「あ………」

にこ「…真姫ちゃん」
488: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:41:35.50 ID:G7Wtb/cy
真姫「…」

穂乃果「…ずっと話が漏れてたって事?」

真姫「…」

絵里「…真姫、貴方のせいじゃ無いわよ」

真姫「……」

希「しょうがない…、これに真姫ちゃんは関係あらへん」

真姫「…あ」

真姫「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

海未「真姫っ!しっかりして下さい!」
489: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:42:15.91 ID:G7Wtb/cy
真姫「絶対許さないぃっ!!」ジタバタ

穂乃果「真姫ちゃんっ、ことりちゃんは真姫ちゃんのせいじゃないっ」ガシッ

真姫「っ!!…パパがぁっ!!なんでよッッッッッッ!!!!!!」ジタバタ

にこ「大丈夫だからっ!、」

絵里「……これは…もう作戦を中止するなんてどこじゃ無いわね」

海未「…」

希「そうやな、今までの情報を考えても…理事長はああ言ってたけど、ことりちゃんを助けなあかん。」

絵里「それに…凛と花陽の搬送先は……」

にこ「落ち着いて…真姫ちゃん」

真姫「う、ありがとう」

絵里「…ごめんなさい、皆集まって話聞いてもらえる?」


──────────
490: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:43:52.77 ID:G7Wtb/cy
──────西木野総合病院



花陽「…」

~♪

花陽「はい、小泉です」

にこ『…花陽?』

花陽「はいっ!にこ先輩ですか?」

にこ『そうよ、皆を代表してかけてるわ。…病院に搬送されたらしいけど大丈夫なの?』

花陽「軽傷で、もう大丈夫ですっ」

にこ『…なら良かった、じゃあ凛は?』

花陽「…」

花陽「凛ちゃんは…」チラ


┏━━━━━━━━━┓
┃ 手 術 中   ┃
┗━━━━━━━━━┛


花陽「まだ…です」

にこ『そう…』

花陽「はい…」

にこ『きっと凛なら大丈夫よ』

花陽「…そうですよね」
491: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:44:37.79 ID:G7Wtb/cy
にこ『そうに決まってるわよ…。今から皆でそっちに行くわね、』

花陽「え、会いに来てくれるんですか?」

にこ『当たり前じゃない、皆で行くわ』

花陽「ありがとうございます。…でも、大丈夫だよ」

にこ『…なんで?皆も会いたがってるわよ?』

花陽「もし皆が来たら凛ちゃんも喜ぶと思うし、私も嬉しい」

にこ『なら…』

花陽「でも、ことりちゃんはいませんよね」

にこ『…いないわ』

花陽「ことりちゃんは凛ちゃんと花陽を庇ってくれたんです」

にこ『そんな事が、』

花陽「それに、ことりちゃんがいなくなる事なんて私も凛ちゃんも望んでないです。」

にこ『…』

花陽「お見舞いは後でも来れます。だから、今は─────


───────────
492: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:44:51.40 ID:G7Wtb/cy
─────西木野邸


にこ「お邪魔します」

真姫「…」

真姫パパ「おお!今日は速く家に帰って来れたぞ!、おかえり真姫。今日は友達も一緒なのか」

真姫「…」

真姫パパ「…真姫?」

真姫「パパ…」

にこ「…」

真姫パパ「なんだ?」

真姫「なんで…、なんであんなことしたのよッッッッッ!!!」

真姫パパ「何があった真姫?」

真姫「なに惚けてんのよっ!」

にこ「これ…見たら分かるわよ」ゴソ

にこ「正真正銘、盗聴機ね」
493: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:45:38.65 ID:G7Wtb/cy
真姫「…お守りの中に入ってたわ」

真姫パパ「…」

真姫「何か無いの?」グス

真姫パパ「……」

にこ「…」

真姫パパ「そうだな…」

真姫「…」

真姫パパ「…お前の友達を傷付けるつもりはなかったんだ……」

真姫「…そう」

真姫「なら、どうして?」

真姫パパ「元々、廃校を阻止するお前を守るために渡したのは事実…だが」

真姫「なんで皆も…」

真姫パパ「……本当に悪いことをした。全て話そう…」
494: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:46:04.80 ID:G7Wtb/cy
真姫パパ「実はな、パパはUTXと能力者について共同して研究をしてたんだ。UTXが主導でな、私はアシストみたいなものだったが」

にこ「…は?繋がってんの?あんた」

真姫「UTXなんかと、なんでッ?」

真姫パパ「事情があるんだ…」

真姫パパ「病院にはたくさんの患者がやって来る。そして治療中に時々普通では考えられないような患者のデータが取れる事がある。」

真姫パパ「ある時、その情報をくれとUTXが私の元に来て言ってきたんだよ」

真姫パパ「それからだ、UTXそして能力者と大きな関わりを持つようになったのは」

真姫パパ「だがもうその繋がりも、切ろう。私も能力者の研究なんて乗り気じゃ無かったんだ。それに…」

真姫「今更そんな事言っても遅いわ」

真姫パパ「…やつらは私の事も盗聴、監視していたことも今回の件で分かったからな」

真姫「パパ…」

にこ「ふーん…」

真姫「でも、何にしろ今後盗聴なんかしてたら絶対に許さないんだから」
495: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:46:59.96 ID:G7Wtb/cy
真姫パパ「ああ、これからは絶対にしないと約束しよう。」

真姫「絶対よ?」

真姫パパ「もちろんだとも…。…私はこれからUTXと直接話をしに行くが、私に聞きたい事はないか?」

にこ「花陽と凛の安全について…、今貴方の病院にいるはずよ」

真姫パパ「ああ、二人の安全を保証しよう」

にこ「あと、ことりっていう子知ってますか?」

真姫「何かUTXが関係してると思うんだけど」

真姫パパ「真姫、何故それを?」



─────────
496: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:47:13.68 ID:G7Wtb/cy
─────UTX本校舎 12階

あんじゅ「こっちよ」

ことり「…わかりました」テク

ツバサ「じゃあそのイスにでも座って待ってて」

ことり「あの、本当に凛ちゃんと花陽ちゃんは」

あんじゅ「…彼女たちから仕掛けていなければ大丈夫、安全なはずだわ」

ことり「そうですか…。あと、廃校はどうなったんですか」

ツバサ「そこも問題ないわ、あなたのお陰で廃校の危機は免れたわよ」

ことり「それなら良かったっ」
497: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:47:57.28 ID:G7Wtb/cy
ツバサ「…期限つきだけどね」

ことり「えっ…そんな事聞いてませんっ!」

ツバサ「廃校を一時でも免れたことに変わりはない。今さら言っても遅いわ」

ことり「話と違いますっ」

ツバサ「…細部まで話さなかったのは謝るわ、でもろくに質問もしないで勝手に解釈したのはあなた。もう無理よ」

ことり「そんなのずるいっ…」
ことり「さっきまでの話は無しですっ、今からことりは帰りますっ!」

ツバサ「…ことりさん、あなたの友だちがどうなってもいいの?そこも考えているのなら、そのお願い…聞いてあげてもいいわ。」

ツバサ「困るのは貴女だけど…」

ことり「…ずるいです」

ツバサ「しょうがないわ」

ことり「嘘つき…」

ツバサ「…なんとでも言えばいいわ。そろそろ装置の用意が出来るからその時までこの部屋で待ってなさい」

ことり「装置って…なんですか?」

あんじゅ「能力者用の拘束装置よ、緑色のね」

ことり「ことりが、それに?」

ツバサ「大丈夫、死にはしないわ」

ことり「えっ?」

あんじゅ「大人しく待ってれば大丈夫よ」

ツバサ「じゃあね~」バタム

ことり「ツバサさんっ!」
498: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:48:11.71 ID:G7Wtb/cy
ことり「…」シーン

ことり「…」

ことり「…チッ」
ことり「もう、ことり怒りましたよっ」プンプン

ことり「(ばれないように逃げちゃいますっ)」

ことり「…」ガチャガチャ

ことり「(やっぱり鍵かかってるみたい、どうしようかな)」

──────カツカツ…

ことり「(誰か扉の前を歩いてる?…ツバサさんたちの仲間っぽいけど)」

ことり「あの~、すみませんっ」

モブ子「どうかしましたか?」

ことり「ここの扉開けて貰えませんか」

モブ子「どうして?」
499: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:49:05.69 ID:G7Wtb/cy
ことり「ちょっとお花を積みにいきたくて…」モジモジ

モブ子「それは大変ね。…でも開けないように言われてるの、ごめんなさい…」

ことり「もう大変なんですぅっ!」///

モブ子「えっ///でもごめんなさい、我慢してもらうしかないわ」

ことり「う~ん……。」

モブ「じゃあね…」サッ

ことり「まって!」

モブ子「…なにか?」クル

ことり「ぅおねんがぁいっ?」キュンキュン
モブ子「トイレだけよ?」

ことり「(ちょろい…)ありがとうございますっ!」

モブ子「ちょっとまっててね~」カチャカチャ

ことり「…」ゴク…

モブ子「…はい、開いたわよ」ガチャッ

ことり「…」ヨシッ

モブ子「あら、どうして出てこないの?」

ことり「…」

ことり「ちょっとお話し良いですかぁ?」ウワメヅカイ

─────────
500: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:49:21.09 ID:G7Wtb/cy
─────音ノ木坂学院 校門

絵里「…音ノ木校門前で待ち合わせだから、そろそろ来るはずよ」

希「ちゃんとことりちゃんの居そうな場所も掴めたんやろか」

絵里「それについてはもう、ほぼ確定してるらしいわ。…後は私達でそこに行くだけよ」

希「ほな、気合い入れ直さんといかんね」

絵里「そうね」

希「あれ…あの車とちがうん?」

絵里「あ、そうっぽいわね、…ここよ!」ピョン!

希「そんな大袈裟にしなくても分かるんやない?」プ

絵里「相手に分かれば何でもいいのよ」

キキーーッ

にこ「速く乗ってっ!」バタン

希「了解やっ」

絵里「えらい急いでるわね」

にこ「その通りよ」
501: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:50:15.75 ID:G7Wtb/cy
真姫「和木さん行って!」

和木「分かりました、お嬢様」…ガロロロ

希「それで、向かってる場所を教えてもらってええ?」

真姫「もちろん。やっぱり皆の予想通りで間違いなかったわ」

絵里「ということは、ことりはUTXにいるって事?」

にこ「そういう事。で、おそらく今日中にことりは日本から海外に消える」

絵里「だから急いでたのね」

希「でも、それまた…。どういう事や?」

真姫「…ことり、能力者だったのよ」

希「…ああ」

絵里「そうね」

にこ「知ってた系なの?」

希「まぁ…」

にこ「じゃあ言いなさいよっ」

絵里「いや、だって色々複雑だったし…ねぇ?」

希「そうやな」ウム

真姫「…もういいわ、」
真姫「そしてことりの能力は…知ってそうだけど、超回復。その能力自体が特殊なのかは分からないけど、UTXはそれを狙っているわ」

にこ「…海外に持ってって研究でもなんでもするんじゃないの?」
502: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:51:00.48 ID:G7Wtb/cy
絵里「だから面倒くさい事になる前に持ってっちゃうって話ね…」

真姫「そういう事だと思うわ」

希「なかなか物騒やな」

真姫「…手段はUTX屋上にヘリポートがあるから、たぶんそれ。」

にこ「乗り込んでぶち壊せば良いのよ」

希「余り派手な事はやらんように…」

和木「お嬢様、目的地とは大分離れていますが本当にここで下ろしてよろしいのですか?」

真姫「問題ないわ、ここで」

和木「了解しました」

絵里「着いたの?」

にこ「ここから少し歩けば着くわ」スタ…

希「ここでええの?」

真姫「ここでいいのよ」スタ

和木「それではお気をつけて」

真姫「和木さん、その…ありがと」

和木「お安い御用ですよ、お嬢様」ブロロロ…
503: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:51:39.86 ID:G7Wtb/cy
絵里「ここからUTXまで15分くらいかしら?」

希「でも、直接車で行けば良かったんやないの?」

真姫「道路使って行きたくなかったのよ。出来るだけ相手の目に触れそうな所を行きたく無いから」

にこ「だから少し回り道で歩いて行くわ、廃れた所も通るし…だから20分くらいね」

絵里「わかったわ」

にこ「トロトロしてると置いてくわよ」

希「…なぁ、結局穂乃果ちゃんと海未ちゃんはどうするんやろな」

真姫「海未は来るかも知れないけど…」

にこ「…さぁね」

絵里「来るといいわね」
504: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:51:53.77 ID:G7Wtb/cy
────
────────
────────────

にこ「それはそれでいいわ、」

真姫「今までのをまとめて考えると、こうなんだけど…どう?」

希「なるほど、確かにそんな感じなら行けそうやね」

海未「ええ、充分ですよ。その案でことりを見つけに行きましょう」

絵里「決まったわね。やりましょうか」

にこ「穂乃果、聞いてた?」

穂乃果「ごめん、ちょっと聞いて無かったかも」

にこ「まぁ、分かるけど。…あんたが要なんだから、ちゃんとやりなさいよ?」

穂乃果「……いや…穂乃果は、…やらない」

海未「はい?」

絵里「やらないって?」

海未「ことりを、見つけるのをですか?」

穂乃果「…うん」
505: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:52:31.73 ID:G7Wtb/cy
にこ「?…どういう事よ、それ」

真姫「穂乃果、素直になりなさいよ」

海未「目を覚ましてください、穂乃果」

穂乃果「…逆に聞きたいけど、なんでことりちゃんが留学するって決めたのに皆でそれを止めようとするの?」

希「…え?」

絵里「ああ、穂乃果、まだ分かってないのね?あのタイミングで留学なんておかしいのよ」

にこ「しかも一回も顔を会わせずに、飛び立つの」

穂乃果「そんな事知ってるよ」

真姫「それならなんで…」

穂乃果「…ことりちゃんは前からずっと留学したがってたんだよ、」

海未「何の情報ですか?私は一度も聞いたことありませんが」

穂乃果「…でも穂乃果達のせいで海外へ留学に行き辛くなって。でも結局、行くことにしたけど。気まずくて面と向かって言えないから急に外国へ行くって事にしたんだよ。」

希「…穂乃果ちゃん」

穂乃果「…」
506: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:52:49.79 ID:G7Wtb/cy
海未「それは…、本当ですか?」

穂乃果「うん…」

絵里「そんなわけ無いでしょ」

穂乃果「…」

希「穂乃果ちゃん、なんでなん?」

穂乃果「…そのまんまだよ」

にこ「…ねぇ」

穂乃果「…」ダッ

真姫「あっ…」

にこ「…待ちなさい」タ…

海未「…」サッ

にこ「海未…」

海未「…皆さんはことりを出来るだけ追っていてください。、私が行きます。」



────────────
────────
────
507: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:53:19.88 ID:G7Wtb/cy
希「こんな道あったんや」テクテク

にこ「回りも空きビル、廃墟マンションだらけね」

希「…まだ真っ直ぐなん?」

真姫「まだよ、もし道が開けて来たらそこを右に行ってから曲がれば目的地に着くわ」

絵里「ちょっと薄暗いわね…」

にこ「まさか怖いの?」

絵里「…そんなわけ無いじゃない。薄暗いからそう言っただけ、慣れてるわよ?」

にこ「へー…」

真姫「段々日も暮れてきたわね」

希「そうやな、カラスさんも鳴いてるで」

にこ「真っ暗になるまでには終わるかしら」

絵里「時間的にも、そうなりそうに無いわね」

真姫「…そういえば、学院に乗り込んだ時の作戦とか立ててなかったわね」

絵里「確かにそうね」

希「今更決めても遅いやろ。それに、この時間ならツバサ位しかUTXにおらん気がするし。」
508: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:53:50.25 ID:G7Wtb/cy
にこ「まぁ4人ならツバサ相手でもギリギリ行けそうね、穂乃果がいれば結構変わると思うけど」

真姫「私たちで決着付けちゃいましょうよ」

希「それもええやん?」


廃ビル、廃マンションの間を走るくたびれたアスファルト。
4人は、高い建物が邪魔をして余り光の届かない紺色の地面を歩く

決戦前のリラックスも含めた、急ぎながらも、とりとめの無い話を交わす彼女らは未だ、廃れた高層ビル屋上から不適に見下ろす少女の姿に気付いていなかった

その少女はクナイとナイフを掛け合わせたような刃物を二つ持っており、柄の下部には銀色の長めのワイヤーが袖の中に通じている


「…」フフ
509: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:54:29.28 ID:G7Wtb/cy
少女が監視を続けていると、
歩み続ける彼女らがあるポイントに入り、それを確認すると今立っている建物へ自らの手を触れた


「…どうかしら」


すると…建物は上部から崩れていき、大雑把に砕かれたコンクリートの残骸は下を歩いている真姫らに一斉に降りかかる!

上空から落下するいくつもの灰色の塊、その影にいち早く気付いたのはにこだった


にこ「上ッッ!」

真姫「少し熱いわよっ!」ボオォォ

にこ「どうすんのよっ」


にこは叫ぶと自らの分身を作成!その分身を盾にするように、下に潜り込んだ

だが実際にその必要はなく、コンクリート片はいつのまにか空中で溶けると横に流れていき、一欠片もこちらへは落ちて来なかった。

少しはずれた所に高温になったドロドロの液体が落ちる


真姫「希、カバーありがと」

希「気にせんでええよ」

にこ「いいわね、あんたらは」
510: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:54:49.50 ID:G7Wtb/cy
「…なかなかの大技だったのだけれど」スタ

絵里「不意打ちとは、…やっぱりそういう人なのね。貴女は」

あんじゅ「しょうがないじゃない、絶好の機会だったんだから」

にこ「…なかなか良いタイミングで私達の事邪魔してくれるじゃない」

あんじゅ「そう?ありがとう」

にこ「皮肉よ、皮肉」

希「どいて貰えるん?そこ。うちら急いでるんや」

あんじゅ「そんな事情なんて知ってるわ、通さないわよ」

真姫「なら実力行使でいくわ…」

あんじゅ「あら、私とやるのね。歓迎するわよ」

真姫「4対1でしょ、そんな余裕ぶっていいの?」

あんじゅ「ここなら4人くらいでも相手してあげるわ」

にこ「…やってやろうじゃない」

あんじゅ「…」ニヤ

絵里「いや、…ダメよ……」

真姫「なんでよ絵里」

あんじゅ「…あら、どうして?」
511: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:55:34.34 ID:G7Wtb/cy
絵里「私が相手をする、…4人で戦っても勝つのはかなり厳しいわ」

にこ「全員でも?」

絵里「ええ」

あんじゅ「そんなに買ってくれてるのね、嬉しいわよ」

希「えりち…」

絵里「…早く行って」ジリ…

あんじゅ「…」ジリ…

絵里「……急がなきゃいけないんでしょ?…無駄に戦って時間を浪費することは無いわ、私がこいつを引き留める…」

真姫「…でも」

絵里「ことりが行ってしまってからでは、遅いでしょ……速くっ!」

絵里「それにね。私、ここで亜里沙の事も決着をつけなくちゃいけないから…」

希「うちは…」

真姫「…」

にこ「…真姫、行くわよ」

絵里「そうね…気を付けて」
512: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:56:11.51 ID:G7Wtb/cy
にこ「絵里、ことりが戻ってもね。あんたが居なくなったら意味無いんだから、…死ぬんじゃないわよ」

絵里「その時は、そうね…ジュースでも奢ってもらおうかしら」フフ

にこ「…なんでジュースなのよ」

絵里「今思い付いたから…」

真姫「…いいわ、私がいくらでも奢ってあげるから」

絵里「必ずよ?」

真姫「ええ、……その代わり生きて帰ってきなさい」

希「…なぁ真姫ちゃん、うちの奢りの分もあるん?」

真姫「…もちろん。望むならいくらでもね」

希「ふーん…ならえりちだけ奢って貰うのもずるいしな、うちも残らせてもらおか。」

絵里「希…」

にこ「これで決まりみたいね」

あんじゅ「…終わった?」

にこ「終わったわ。真姫ちゃん、今度こそ行くわよ」

真姫「急がないとね」

希「…お二人さんも気を付けてな~」

絵里「また後でね~」

あんじゅ「…終わったみたいね。……待ちくたびれたわ」

希「すまんなぁ…」バッ

絵里「さて、と……やりましょうか?」コオォォ…
513: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:57:28.83 ID:G7Wtb/cy
第20話「強き思い」


─────西木野総合病院


医者「暫くしたら起きると思いますよ」

花陽「ありがとうございますっ」

医者「いえいえ、それでは…」カラカラ

花陽「…凛ちゃん」

病室の小窓から見える半分沈んだ太陽の光が、窓枠に沿って外側から漏れでると白い壁に影とオレンジ色の境界を作り出す

切なくオレンジに彩られた病室には今にも泣き出しそうな顔の花陽と、包帯で所々を巻かれた凛、二人しかいなかった

ベッドの脇の椅子に座って花陽の見るものは、治療の終わった凛の横顔。
その顔も体も、夕日によって半分赤く照らし出されている。

花陽は不安そうに凛を見つめて、じっと、起き上がるのを待つ

そして数秒すると凛の手がもぞもぞと動き出し、何事もなかったかのようにゆっくりと片手で目を擦った

凛「ん?…おはよう、かよちん」

花陽「凛ちゃんっ!」ガバッ

凛「…凛は大丈夫だよ」ギュッ

花陽「凛ちゃん~」ギュッ

花陽「うぅ~良かったよぉ~」スリスリ
514: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:57:43.13 ID:G7Wtb/cy
凛「かよちん~…」ギュ

凛「…あっ、ちょっと痛いにゃ」

花陽「あ、ごめんね」

凛「でも少しだけだから、気にしなくて大丈夫だにゃ」ギュッ

花陽「そうなの?」スリ…

凛「うん」

花陽「ごめんね、凛ちゃん」

凛「何が?」

花陽「凛ちゃん花陽の代わりに庇ってくれたんだよね?凛ちゃんだけなら逃げ切れたのに、花陽を助けて…」

凛「そんなの別に謝ることじゃないし、当たり前のことだよ、かよちん。…かよちんだって凛が危ない時に助けてくれるでしょ?」

花陽「それはそうだけど」

凛「…ならこれでその話はお仕舞いにゃ。凛はかよちんの事が好きで、かよちんは凛の事が好き。それでいいんだにゃ」

花陽「うん、そうだね///」

カラカラ…

穂乃果「…」ソローリ
515: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:58:25.74 ID:G7Wtb/cy
凛「あっ穂乃果ちゃん」

穂乃果「…良かった、凛ちゃん大丈夫そうだね」

凛「もちろんっいつでも元気、勇気凛々!星空凛だもん!」

穂乃果「なにそれw」

穂乃果「まぁとりあえず二人とも元気そうで良かったー」

花陽「ありがとうございます」

穂乃果「いや、…お礼なんて言わなくていいよ。…むしろこっちが謝る位なんだし…」

花陽「どうしたんですか?」

穂乃果「…」

穂乃果「…凛ちゃんっ花陽ちゃんっ、怪我までさせて…こんな事にまで巻き込んでごめんなさい。」

凛「?…いや…」

花陽「穂乃果ちゃんが謝る事じゃないよ」

凛「そうそう」

穂乃果「穂乃果が、…穂乃果が廃校を阻止しようなんて誘わなければ二人もこんな事に…、ことりちゃんもっ」

凛「穂乃果ちゃんのせいじゃないよ?」

穂乃果「穂乃果が…余計な事なんてしなければっ」

花陽「……何があったのか分からないですけど、とりあえず落ち着いてみたらどうですか?……これ…水です」

穂乃果「…ありがとう」

穂乃果「…」コク…
516: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:58:49.60 ID:G7Wtb/cy
花陽「、あの…さっき海未ちゃんが穂乃果ちゃんを探しに、ここに来てたましたけど。それを教えてあげようと思って」

穂乃果「あ…やっぱり、そうだよね」

凛「やっぱり、って?」

穂乃果「いや、何もないんだ。…来たのってどのくらい前だった?」

花陽「花陽だけの時だったから結構前だと思いますよ」

穂乃果「…そうなんだね、ありがと花陽ちゃん」
517: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 18:59:17.74 ID:G7Wtb/cy
─────UTX本校舎 12階


ツバサ「…ことりさんが部屋からいなくなった?」

英玲奈「ああ、そして代わりにこいつが部屋の中に入ってのびてたぞ…」

モブ子「」ハナヂ

ツバサ「ああっもう何やってんのよ」

英玲奈「…床を鼻血で汚すとは、掃除が大変じゃないか」

ツバサ「そこじゃないわよっ、」バシッ

英玲奈「そうか、」

ツバサ「ボサッとしてないで早くことりさんを探すわよ!」

英玲奈「了解だ、」
518: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:10:49.70 ID:G7Wtb/cy
─────UTX本校舎 10階

ことり(うぅ~、ここも鍵がかかって開けられないよっ)ガチャガチャ…

ことり(エレベーターは動くみたいだけど追い詰められたら終わっちゃうし…)

ことり(なんとか10階までは階段で降りてこられたんだけどなぁ)パタパタ

ことり(この扉はどうかなっ)…カチャッ

ことり(開いたっ!)

ことり(なに、ここ…)ソッ
ことり(なんか機械がいっぱい並んでる…。)

ことり「(…あ、この図ってさっきツバサさんが言ってた装置かなぁ?緑色だし…ちょうど人一人入れそう)
(そして隣にある、この小さいブロックみたいなのなんだろう…3つ並んでるけど)」ヒョイ

ことり「(ふむふむ…、能力者拘束装置専用使い切り電源?……じゃあっこれ3つ全部壊しちゃえば…)」
519: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:11:02.75 ID:G7Wtb/cy
ことり(よしっ!…消火器を持って)
ことり(まずは一番左にあるのから叩いて破壊しちゃいますっ)

ことり「えいっ!」バキッ

ことり「次は真ん中のに狙いを定めて……、えぃっ!」バキッ

ことり「これで最後だねっ……せーのっ

──────バキィーンッ

ことり「あっ…(あと一つなのにっ)」

ツバサ「させないわよっ…ゴホッ(破壊した消火器の粉が…)」
520: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:11:47.09 ID:G7Wtb/cy
ことり「意外と早いんですねっ」

ツバサ「防犯カメラで場所はすぐに分かったの、このフロアは閉鎖したわ。抵抗は無駄よ」

ツバサ「…大人しく投降しなさい」ギロ

ことり「…ハハ…(…これは従った方が良いかも)はい…」

ツバサ「それでいいわ。英玲奈、ことりさんをその装置に寝かせてあげて」

英玲奈「…装置を持ってきといてちょうど良かった、その書いてあるラインにそって機械の上で仰向けになれ」

ことり「はい」スッ

英玲奈「…ツバサ、いいぞ」

ギュイイイイイイン

ツバサ「はーい」ポチ…

ことり「」スゥ……zzzzz

ツバサ「こんな感じなのね」

英玲奈「そういえば、これの試作機に入った奴はイーストハートだったな…。結局どうなったんだ?」

ツバサ「…死んだわ、残された3人のメンバーが可哀想だったわね」

英玲奈「そうか…。…彼女達も了承してたとは言えな」

ツバサ「ええ…。」

ツバサ「英玲奈、こんな事をやるのも今日で終わり、絶対に完遂するわよ」

英玲奈「ああ…勿論だ」


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521: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:12:02.95 ID:G7Wtb/cy
にこ「まさか、こんな形でここに来るなんて思ってなかったわ」

UTX内にあるエレベーターは屋上へ向けて、静かに音を立てて上っていく

真姫「私は来ること自体考えてもいなかったけど」

にこ「真姫ちゃん、あれ持ってきてるわよね」

真姫「え、にこちゃんが持ってるんじゃないの?」

にこ「は?…」

真姫「いや、にこちゃんが自分で持ってくって」

にこ「いや、そんなわけないじゃない……」ゴソ

真姫「…無いの?」

にこ「…うっさいわね……それに私じゃ…」ゴソゴソ……ゴソ…

にこ「……あったわ…」

真姫「ほら、にこちゃんじゃない」

にこ「別にいいのよ…あった事に感謝しなさい?」

真姫「はいはい、。ちゃんと注射器があって良かったわね」
522: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:13:33.67 ID:G7Wtb/cy
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真姫パパ「おそらく理事長の娘さんは、緑色の透き通った棺桶とよく似た形状の装置に入っている筈だ。そして、それが運び込まれているのはヘリコプター」

真姫「透き通った棺桶?なにそれ」

真姫パパ「…それはあくまで比喩だが…。まぁその機械には能力者を完全に拘束させる機能とその能力だけを抽出して使う機能。二つの機能がセットでついているんだ。…かなり高コストだがな」

にこ「それに、ことりが入ってるって?」

真姫パパ「そうだ、おそらく今回は拘束の機能目当てで使っているだろう。理事長の娘さんを助けるならそこが障害となりえる」

真姫「どういうこと?」

真姫パパ「その機械がどうやって娘さんを拘束しているかというと、気絶させたような状態でベルトに縛り付ける。…という簡単なものなんだが、このベルトが厄介で彼女自身の意識が目覚めないと外れないんだ。」
523: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:13:43.71 ID:G7Wtb/cy
真姫「なら水でもかけて起こせばいいじゃない」

真姫パパ「単純な気絶の状態ではない。薬品を使っての、かなり長期にわたって継続する意識の剥奪だ。」

にこ「やけに詳しいわね、あんた」

真姫パパ「ああ、私も開発にかなり加わっていたからね。」

にこ「…ほんと何やってんのよ」

真姫パパ「本当にすまなかった…。」

にこ「反省してんの?」
524: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:14:34.12 ID:G7Wtb/cy
真姫パパ「…それでさっきの話に戻すが、その状態から無理矢理に目覚めさせるには薬品の効果を打ち消さなければいけない」

真姫「つまり?」

真姫パパ「効果を打ち消す薬品をもって、それを彼女に投与してやればいい。単純な話だ」

にこ「それは今ある?」

真姫パパ「一応、念のためにと用意しておいたのが一つだけある。」

真姫「そこにある注射型の?」

真姫パパ「ああ、渡そうか」ハイ

にこ「結構入ってるのね」

真姫パパ「効果時間のラグを防ぐためにな、そんなに気にしなくていい」

にこ「思ったんだけど…機械ごと壊してことりを連れ去るってのは?」

真姫パパ「それは一番やってはいけない事だ」

にこ「なんでよ?」

真姫パパ「意識が戻らずに先に機械が壊れた場合、意識が戻らなくなるからだ」

にこ「なにそれ…」

真姫「ありがとパパ」

にこ「…礼は言っとくわね」



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525: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:14:47.14 ID:G7Wtb/cy
にこ「どうする?真姫ちゃんが持ってたほうが良い?」

真姫「それでもいいわよ」

にこ「じゃあ頼んだわ…。そろそろつくわよ」

真姫「分かってるわ」

にこ「皆もうまくやれてるといいけど」

真姫「問題ないでしょ、大丈夫よ」

彼女らが乗るエレベーターの階層表示に23の文字が映し出され、ガコンと四角い部屋が動きを止める

そして正面についた壁とも取れる扉が両側へ動き出すと、縦長に光が漏れ出、向こう側にある屋上の景色を少しづつ見せていく。

にこ「行くわよ…」

真姫「ええ」テク…


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526: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:16:03.41 ID:G7Wtb/cy
UTXから少し外れた廃ビル、廃マンション街では局地的な雨が降り空気を濡らしていた。
当然のように人の盛りはなく、灰色の壁や割れて枠だけになってしまった窓、それらがくたびれた雰囲気を辺りに匂わせる。

雨でコーティングされた高層の建物が並ぶ、寂しげな場所とも言えるそこには3つほどの人影があった。


絵里「ハァッ!」


絵里が氷剣をあんじゅへ横に切りつけ、


希「ほらっ」


希が挟むようにタイミングを合わせて反対側から回し蹴る。
527: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:16:09.42 ID:G7Wtb/cy
あんじゅはその両方を視界の両端に納めると、低空で背面ジャンプ!紙一重で氷剣を背中に流す

続けた希からの足も空振り、


希「…チッ」


舌を打つと、強風であんじゅを揺さぶるために一旦距離を離すのは希

だが、
そこへあんじゅは希にワイヤーを投げ希の腕に絡ませると、
自分の側へ引っ張り、反対側で構えていた絵里へぶつける!


絵里「…っ」


ドサリとまとめて倒れ込んだ二人に、あんじゅは空中で緩むワイヤーづてでナイフを降り下ろす!


──────ザンッ


降り下ろされたナイフを二人は反対側へ避け、

ノーダメージに抑えた絵里はあんじゅへワンステップで迫り、下から切り上げる

一方避ける際に雨で少し滑ってしまった希は、偶然にもナイフの着弾点をふと見て思わず目を見開く。
528: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:16:53.87 ID:G7Wtb/cy
ナイフは屋上に突き刺さる訳ではなく、その地面を縦長に抉っていたのだ。

瞬間
ナイフに砕かれ、空中にまった中でも大きなコンクリートの塊が希の頭を直撃!


希「(不味いっ…)」


視界が揺さぶられ、希の意識は暗闇に落ちる



絵里「希っ!」

あんじゅ「味方を気にかける暇なんてないわよっ!」シュッ

絵里「…くっ」サッ




絵里「…これでっ!」シュッ

あんじゅ「遅いわよ」サ


中ほどの距離で絵里とあんじゅは睨み合う…
能力による雨はまだ止んでいなかったが、希が欠けてしまったのは大きな痛手であった。

あんじゅがナイフをワイヤーづてに振り回すように自在に操り、絵里がそれを氷剣で受け止める。


あんじゅ「ほらぁっ」キンキンキンキン


一定のリズムで浮遊するナイフは絵里へと攻撃を繰り返す。
529: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:17:10.15 ID:G7Wtb/cy
絵里「(ここっ)」


絵里はある程度のナイフを避けきったタイミングで氷解を飛ばすと、あんじゅは横へ転がるようにさける。

そして前転を停止した体勢から、
あんじゅは後ろからナイフを平行に高速で引き寄せ、ワイヤーをつかって遠隔で切りかかる!


絵里「(甘いわっ!)」ギィン


絵里はそれを氷剣で頭上に弾き上げ、空中を舞ってから落ちてきたナイフを掴む。

絵里「…」グイッ


そして掴んだナイフを利用して引き寄せようとするが、


あんじゅ「…」ダッ


逆にあんじゅがワイヤーを利用して絵里へ迫っていた

あんじゅは迫る勢いを生かしてもう1本のワイヤーつきナイフを、絵里の外縁に向けて投げる!

絵里は周りに投げられたナイフが自らを縛ろうとしていることに気づくと、伏せるようにワイヤーをくぐり抜けた
530: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:18:05.46 ID:G7Wtb/cy
あんじゅ「はあぁっ!」


そこへあんじゅは間髪いれずに踵回し蹴りを振り抜くが、腕表面についていた雨水を凍らせて滑らせて回避

あんじゅが少しグラつき、

そこを狙っていた絵里は足に纏わせていた雨を遠心力で足先に集め、長氷剣が足先に形成!


絵里「とどめよっ!!」


足を使い思いっきりあんじゅに回し切蹴(げ)る!!!

─────シュイイイイイイイ…ズバァッ

あんじゅはナイフで受け止めるしかなく、膨大な力に、殺しきれる事のできない勢いッッ!!


あんじゅ「…っく(飛ばされるッ)」ブワァッ


ナイフを掲げながらもあんじゅは空中へ飛ばされ、
屋上を転がりながらもナイフを地面に突き刺し、その止まりそうにない慣性をザザ…と停止させる


あんじゅ「……やるわね…油断してたわ」

絵里「あなたにそんな余裕あったの?」

あんじゅ「体力は温存しておかないとね」

絵里「…。ねぇ」

絵里「…なぜありさがあんな事にならなければならなかったの?」
531: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:18:21.55 ID:G7Wtb/cy
あんじゅ「ああ、ショッピングセンターでだったかしら」

絵里「そうよ」

あんじゅ「聞きたいの?」

絵里「…もちろん」

あんじゅ「……いいわ、…話してあげる」

あんじゅ「あの時、あなた達は一緒にデパートに出掛けていた。その先で妹が事故に巻き込まれて昏睡状態に…。」

あんじゅ「あの事件、被害者が何人だったか知ってる?」

絵里「ええ、もちろんよ。だからこそ納得出来ない、たった一人だけよ?被害者は。それが亜里沙」

あんじゅ「ショッピングセンターの屋根が崩落し、それに巻き込まれた。老朽化が原因ってことになってるけど?」

絵里「表向きはね…」
絵里「でも、そんな訳ない…老朽化?あそこはまだ新しい方よ」

絵里「あの後色々調べ回ったわ、事件の事。」
絵里「で、結局…あなたしかいなかったのよ、そんな事が出来るのは……」

あんじゅ「そう…」
532: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:19:06.30 ID:G7Wtb/cy
絵里「白状しなさい」

あんじゅ「だから私が犯人だって?」

絵里「…貴方しかいないわっ」ギリ

あんじゅ「でもねぇ…」

あんじゅ「……これを聞いても?…。ある命令の一貫でやったんだけど、本当は誰も巻き込むつもりなんてなかったわ」

絵里「巻き込むつもりがなかった?…ハッ…やっぱりあなたのせいじゃない…」

あんじゅ「さぁ?…きちんと残骸の落下場所を確認してから能力を使った、でも落ちる瞬間に貴方の妹が真下に飛び出してきたの。」

あんじゅ「…そこで止めようと思ったけどもう無理ね、」

絵里「…あなたのせいでしょ?というか、亜里沙まで巻き込んで何故ショッピングセンターを壊すなんて事をしたの?」

あんじゅ「命令の一貫って言ったでしょ?」

絵里「命令って何なのよ」
533: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:19:28.40 ID:G7Wtb/cy
あんじゅ「あのショッピングセンターには能力者がいたのよ、そいつの確保」

絵里「だから何?」

あんじゅ「あなたも知っている筈よ、あのとき話題になっていた謎の通り魔。それが、その能力者」

あんじゅ「…その時、貴方もどこから湧き出て来るか分からない正義感で、捕まえようとしていたわよね?」

絵里「思い出したわ。でも…私の妹をあなたが巻き込んで良い理由にはならないと思うけど」

あんじゅ「違うわ、前も言ったでしょ?妹が昏睡状態になったのは貴方のせい。」

絵里「違うわ」
534: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:21:13.78 ID:G7Wtb/cy
あんじゅ「…あらそう、ならあの時の事を良く思い出してみたら?」


絵里「そうさせてもらうわ」

──
───

亜里沙「お姉ちゃんっ今日は何買いに来たんだっけ?」

絵里「ペリメニの材料よ。でもそこに本屋さんがあるから寄っても良いかしら」

亜里沙「いいよっ、丁度気になってる本が亜里沙もあるから!」

絵里「そう?じゃあ入りましょうか」

亜里沙「…ふふーん」トコトコ

亜里沙「…おぉー、」キョロ
亜里沙「ハラッセオ!漫画が沢山ありますっ!さすが和の国ですねっ」

絵里「……えぇ、…あまり関係はないけどね」

亜里沙「そうなのですか?」

絵里「まぁ…そうよ」
535: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:21:19.82 ID:G7Wtb/cy
亜里沙「じゃあ亜里沙、気を付けるね!」

絵里「…流石、私の妹だけあって賢いわね」

亜里沙「そうかな//」

ガチャッ

絵里「迷子のおしらせ?」

館内放送「……只今原因不明の火災が発生しております。室内にいるお客様は係員の指示に従って速やかに避難して下さい」ウーウー

絵里「…」ピリ

亜里沙「これは何ですか?」

絵里「…避難警報よ、逃げましょう」

亜里沙「分かりましたっ」
536: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:21:47.43 ID:G7Wtb/cy
ガヤガヤ

店員「急がず、走らずに、こちらの壁にそってお進み下さーい」

絵里「とりあえずは大丈夫そうね…」

亜里沙「買い物はどうしますか?」

絵里「また今度、一緒にいきましょ?」

店員「ゆっくりお進み下さーい」

カサイッテナンダヨー マッテ-
メンドクセエナ
コワイヨ- トオリマガインノ?
ドウガトロウゼー ハシラナイデッテ
カッテルトチュウナノニ

絵里「え?」(…通り魔がいるって?)

亜里沙「…お姉ちゃんどうしたの?」

絵里「なにも無いわよ?」

絵里(もし、あの通り魔がいるのなら行ってみる価値はあるわね。…それに他の人で対処ができるかどうか。……私が行かないと)
537: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:21:53.93 ID:G7Wtb/cy
亜里沙「何考えてるの?お姉ちゃん」キョトン

絵里「亜里沙、…一人で避難出来る?」

亜里沙「出来るけど、お姉ちゃんはどうするの?」

絵里「ちょっと忘れものをしたから取ってくるわ、亜里沙は先に行ってて。」

亜里沙「え…でも危ないと思うよ?」

絵里「絶対に大丈夫よ、」

亜里沙「…でも忘れ物ならもう一回買えばいいしさ…お姉ちゃん……」

絵里「…大丈夫よ、絶対に戻ってくるわ」

亜里沙「……。うん、分かった」

絵里「良い子ね、亜里沙は」ヨシヨシ

亜里沙「…お姉ちゃん///」スリスリ

絵里「よし!…それじゃ気を付けてね」

亜里沙「お姉ちゃんもっ!」

絵里「はいはい、」タッ
絵里「多分こっちの方向ね…」

亜里沙「…」
538: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:22:39.93 ID:G7Wtb/cy



絵里「結局、通り魔には会えなかったわね。痕跡はあったけど」

絵里「亜里沙ー、来たわよー」タタッ

ガヤガヤ

店員「ここの駐車場でしばらくお待ち下さーい」

ガヤガヤ

絵里「…亜里沙ー?いるー?」

ナンカ オンナノコガ ケガシタラシイヨ
ヤネガ クズレタッテ カワイソ-

絵里「女の子が?」

絵里「…」タッタッ

絵里「あの…」

店員「どうしましたか?」

絵里「怪我をしたっていう女の子の名前って分かりますか?」

店員「はい。怪我の程度は分かりませんけど、その子の名前は────────


──────
────
──
539: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:23:50.09 ID:G7Wtb/cy
あんじゅ「…どう?」

絵里「…確かに私にも責任はあるかもしれなかった。でも、あなたがそんな事をしなければあんな事にはならなかった」

あんじゅ「これを聞いても?…。」

あんじゅ「…貴方の妹さん、避難場所に行かないでショッピングセンターの中に戻ったのよ?…貴方がなかなか戻って来ないから心配で」

絵里「え?…」
540: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:23:57.26 ID:G7Wtb/cy
あんじゅ「全員避難して、普通ならだれも私の能力に巻き込まれる筈はなかったのに…」

あんじゅ「……もともと貴方が何か活動をしていたのは元々知っていたみたい、それで心配になっちゃうのは仕方ないわね」

絵里「それで…」

あんじゅ「探しに来るのは無理もないわ」

あんじゅ「…妹さんの事は貴方が仕向けたのと一緒」

絵里「でも…」

あんじゅ「でもじゃない、…あなたが妹を事故に巻き込ませたのよ。無駄な正義感でね」

絵里「…」ガクッ

絵里「そんな…」

絵里「…じゃあ、私が……」

あんじゅ「ええ、貴方が妹を昏睡状態にしたの」


─────────
541: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:25:10.87 ID:G7Wtb/cy
第21話「始まりの理由」


─────UTX屋上

にこ「…ここね」

真姫「ええ、」


両側に開いた二枚の扉を潜り抜け、UTX学院の屋上に真姫とにこの二人は足を踏み入れる。

手前には緑色の人工芝が5本ある通路を避けるように生え、少し行くと噴水の回りを囲むようにも通路があり、そこには一定の間隔でベンチが置かれている。
それらは白色の四角いライトで所々照らされ、奥には盛り上がった場所へ続く階段がついていた。
542: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:25:47.34 ID:G7Wtb/cy
階段の先の丸い地面にはHと大きく書いており、その上には黒いヘリコプター。

そしてにこ、真姫が警戒をしながら噴水の辺りまで歩くと背後に突然人影が現れる


ツバサ「…やっぱり来たわね」ザンッ

にこ「離れてっ!」ダッ

真姫「…」ダッ

ツバサ「そんなに警戒しなくてもいいのに…」

にこ「しなくていい訳ないでしょっ」

真姫「…ことりを返しにきてもらったわ」

ツバサ「知ってるわ。、でもそんな事させない為に私がいるの」


と同時にツバサは輪郭が青色の白い柱を、二本空中に浮遊させる。
543: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:26:03.41 ID:G7Wtb/cy
ツバサ「…このまま帰ったら許してあげる」

真姫「帰る訳ないでしょ」

にこ「無理」

ツバサ「…残念ね」


すぐさま白柱が脇からにこと真姫へ迫り、それを二人は外側へ飛ぶように避ける


ツバサ「避けるから芝生が傷ついちゃったじゃない、」

にこ「あんたのせいよっ!…ニコッ!!」
二人に増えると、同時に駆ける!


先頭のにこが殴りかかり、ツバサは白柱を形成し青色の輪郭で手先に浮かばせる

懐に入ればこちらのもの、と 右拳をツバサへ向かわせるが一瞬でそのにこの姿が消えた

なんとツバサは浮かばせたままの白柱を飛ばす事はせずに、手先に持つような浮遊させた状態のままで、
にこの体をすさまじい速さで打ったのだ!


ツバサ「こういう使い方、見せてなかったわね」

にこ(…近接も対応できんの?)


飛ばされていたにこの体は、蒸発するようにその場で消えた
544: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:26:55.55 ID:G7Wtb/cy
真姫(なら…)


真姫は特大の炎を放つ!


ツバサ「無駄よ…」


だがそれはツバサの目の前で形成された大きなシールドのようなもので防がれてしまう。

透き通るような白色をした、ツバサが生成した楕円形の中盾…その両脇に真姫の炎は流れていく


真姫「…ック」


だが、そんなツバサへ背後から迫っていたのは回し蹴りを行おうとするにこ!

しかし寸前でツバサがそれに気付くと、振り向きざまの右腕で足を弾く

続けてツバサが手を振り上げると真上に白柱が出現!!

白柱は頭上から襲いかかるが、辛うじてにこはそれを回避!白柱は地面に突き刺さるッッ

続けてツバサが右手を押しだすと白柱がにこへ迫り、伏せるように避ける!!
545: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:27:41.32 ID:G7Wtb/cy
真姫「にこちゃんっ!」ボォッ


そして援助とばかりに真姫は炎を放つ、
同じようにツバサは左手で分厚い盾を形成し防御!
炎は盾の前でせき止められてしまう


真姫(これって…)


真姫はここでひとつの事に気付いた、ツバサが産み出した一枚目の盾が消えている事、そして手を交互に使い物体を生成している事に

真姫(片手を交互に使って物体を発生させてる?もしかして…その形を保っていられるのは片手で一つずつ…。)

真姫(と、言う事はツバサが一度に使えるのは恐らく二つの物体まで、)

真姫「にこちゃんっツバサが使えるのは二つの物体までよ」

にこ「…ナイスよっ真姫ちゃん」

ツバサ「もう気付いたの?、まぁそれで?って所だけど…」
546: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:28:27.76 ID:G7Wtb/cy
今度は二本の白棒を同じ方向に向けるツバサ、それらが飛来するのは真姫

風を切り、微妙にずらされたタイミングで飛ばされる白棒!


真姫「燃やしてあげる…」ボオォ

しっかりと見極め、両方の白棒を溶かしきると

真姫「…次はこれよ」サッ…
腰に指してあった鉄製の鞭を取り出す

にこ「こっちもいるわよっ!」ズオォ


にこが分身し、余所見をしていたツバサにかかると同時に真姫も鞭を手に切りかかる!


ツバサ「うるさいわね…」


ツバサはにこ1に白柱を飛ばし、
左手にはもう一つの白柱を浮遊させたまま

にこ1が回避している間に、ツバサは迫ってきていた真姫を潰さんと白柱を降り下ろす

真姫とツバサの視線が交差!


──────シュルルッ


刹那、白柱に真姫の鞭が絡み2つに分断されると

焼き切れる

断面が溶けた白柱が地面に落ち、ゴトン、と音を立てる
547: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:28:55.51 ID:G7Wtb/cy
ツバサ「…くっ」


もう一度生成しなおそうとすると、
にこ1とにこ2が両脇から蹴りかかる!!

ツバサはにこ1の蹴りをあえて受けうめき声を上げながらも、
瞬間、にこ2にブロック状の物体を射出!


にこ(まずいっ!)


にこ1が自ら蒸発すると、にこ2の目の前にすぐさま出現!
ツバサからにこ本体への攻撃を防御!!

そこへ真姫は鞭を振るい、
ツバサは伏せると、その体勢を生かしたままの足払い!

完璧なカウンターに真姫はバランスを崩し、地面に安産型の尻を打ち付ける


真姫「…っッ」ドスン

ツバサ「潰れなさいっ!」


白柱を生成し、上から叩き潰す!!


にこ「…ドロップキック!!!」シュッ

ツバサ「…ぐっ」ドスッ

真姫「ありがとっ」



548: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:30:20.44 ID:G7Wtb/cy
ツバサはかわし、白柱でにこ1の体を打つ
すると一瞬でにこが消え、今度はツバサの側に現れる


にこ「オラァッ!」


そこへもう一人現れたにこも合わせての同時の蹴り攻撃!

ツバサは片方に白棒を突き刺す!
が、そんなツバサの腹に、必然的に残っていたにこの渾身の蹴り!


ツバサ「ぁがっ!」


くの字になり、呻き声をあげるのはツバサ
549: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:31:17.89 ID:G7Wtb/cy
さらに続けてツバサの頭上ににこが出現!

飛び下り蹴りをツバサの脳天めがけて降り下ろす

気配を感じたツバサは真上に白い、中身がスカスカの物体を生成


にこ「ちょっ…」


にこはそこへボフンと突っ込み、ツバサが下から這い出すと白柱をとばし
突っ込んだにこを消滅させる

そして、もう1体のにこの飛び膝蹴り!

だが、


ツバサ「知ってるわよっ!」


振り向き様に白柱を横へ凪ぐとにこは吹っ飛ばされ、屋上の柵にガシャンと受けつけられる


にこ「うぐっ」


攻撃を受け、消える…ということはない
550: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:32:22.37 ID:G7Wtb/cy
ツバサ「今度は此方が本体みたいね、」

にこ「そうね…っつ」

ツバサ「ことりさんは渡さないわ、どうやってもね」

にこ「ねぇ…あんた、こんな事やってて何も思わないの?」ユラ

ツバサ「…こんな事って?ことりさんの事とかかしら」

にこ「そうよ、それにもっと色々あるでしょ?…あんた、アイドルなんじゃないの?」

ツバサ「ええ、アイドルよ」
551: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:32:55.29 ID:G7Wtb/cy
にこ「良くそんな事言えるわね、こんだけのことやっといて…」

ツバサ「それは貴方も同じよ…」

にこ「あんた達に憧れてたってのに、逆になっちゃったじゃない。…あんた達にそこを聞くのもここに来た理由、」

ツバサ「昔はお花とかくれたわよね、ありがとう…」

にこ「…爆弾でも仕込んどけば良かったわ」

ツバサ「…分かったわ、話してあげる。私たちの行動の理由を」

にこ「…そう、」フゥー…

ツバサ「ええ、」

にこ「…きちんとした理由である事を願うわ」

ツバサ「私はそう思うようにしてるわ…」


ツバサ「…ラブライブを、存続させる為よ」



──────────
552: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:34:02.58 ID:G7Wtb/cy
──────西木野総合病院


凛「やっぱり穂乃果ちゃん何かあるのかにゃ~?」

穂乃果「何も無いって、凛ちゃんは怪我してるんだから寝てなきゃダメだよ」

凛「それくらい知ってるよ」

花陽「具合が悪いの?」

穂乃果「いやそういう訳じゃないけど」

ガララッ

海未「…失礼します」

穂乃果「ぇっ!」

凛「海未ちゃんだにゃ~」

海未「凛、怪我の具合はどうですか?」

凛「大丈夫だよ!」

海未「それなら良かったです、」
553: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:34:43.44 ID:G7Wtb/cy
花陽「海未ちゃんは?」

海未「凛に会いに来るのと……穂乃果。貴方を連れ戻しに来ました」

穂乃果「そう…」

海未「穂乃果、ことりを助けに行きますよ。連いてきてください」

穂乃果「…」

花陽「私も行っていいかな」

凛「凛も!」

海未「…二人はここで休んでいてください。貴方達は十分役目を果たしましたよ」

凛「少しくらい…」

海未「ダメです、これ以上怪我をする必要はありません。…逆に足で纏いにもなりかねます。」

花陽「そこまで言われたらしょうがないけど」

海未「休んでいて下さい…穂乃果、行きますよ」

穂乃果「…行かない」
554: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:34:57.34 ID:G7Wtb/cy
海未「何故ですか?」

穂乃果「…さっき皆の前で言った通りだよ」

海未「では貴方が先程いった事をまとめましょうか、…ことりは私達に面と向かって留学するのを伝えづらい為にいきなり外国に消える、」

海未「…だから追う必要はないと?」

穂乃果「そうだよ…」

海未「本当ですか?」

花陽「…えーっと、それは違うと思います、ことりちゃんが連れ去られたのは私達のせいでもあるんです。」

凛「凛たちがやられちゃったから、凛たちを助けるためにツバサさんの所に行ったの」

海未「…なるほど。」
海未「…そんな事が、……ありがとうございます…穂乃果分かりましたね?、…つべこべ言わずに行きますよ」

穂乃果「…そんな事があったんだね、知らなかった。」
穂乃果「でも、それでも穂乃果は行かない」

凛「なんで?」
555: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:35:39.71 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「ツバサさんから今ならことりちゃんの留学で全て決着が付くって言われて、考え直して貰えるなら外国に行くってことりちゃんは心に決めたんでしょ?」

海未「…それで私達は廃校を免れた、と」

穂乃果「そして、ことりちゃんのお母さんはことりちゃんの意志を尊重した。音ノ木坂学院を存続させたいっていう願いを…」

凛「…」

穂乃果「実はね…穂乃果、本当は音ノ木坂学院が廃校になる理由を最初から知ってたんだ……」

海未「…はい?」

花陽「最初から?」

穂乃果「うん、皆を集めて活動を始める前から…」

凛「なんでっ」

海未「…どういう事ですか、」

穂乃果「廃校の理由を理事長に3人で聞きに行った帰りに──────────
556: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:36:02.70 ID:G7Wtb/cy
───
──────
─────────

海未「それですっ!」

穂乃果「じゃあお花積みにいってくるね」

海未「はい、どうぞごゆっくり」


ジャアァー


穂乃果「…トイレにハンカチ落としたと思ってたんだけど、違ったのかな」

穂乃果「あのハンカチ結構気に入ってたのにな~、何処に落としたっけ」テク テク

穂乃果「う~ん…」

穂乃果「……それにしても、廃校か…なんでだろ」

穂乃果「あっ、ドアの前に落ちてるの穂乃果のハンカチ?」

穂乃果「理事長室に入る前に落としちゃったのかな、」トテトテ

穂乃果「良かったよ~」スリスリ

『…ええ、大体は…しかし。そんなことはっ』

『関係ないな、確定したら早く知らせろ』

穂乃果「ん?……何か中で言い合ってる?」
穂乃果「…」ピタッ
557: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:37:35.32 ID:G7Wtb/cy
『でも、私にそんな事を決める権限は…しかも急すぎます。理由もなんて言えば……』

穂乃果(ふむふむ…)
穂乃果(…交渉してるのかな)

『~』

穂乃果(なんか大変そうだね)

『~』

穂乃果(え…それって廃校の理由?)

『条件に対して抵抗を行う、警察や自治組織に連絡したのを我々が感知した時点で─────

穂乃果(色々あるんだね…)

穂乃果「あっ……」ヨロ…

ガタッ

『え?……』
558: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:37:41.59 ID:G7Wtb/cy
穂乃果(ばれちゃうっ…)シーン

『…』

穂乃果「…」ハラハラ

『…なんでもないわ』

穂乃果(…ほっ)

穂乃果(でも、これは収穫だね、。……そうだよ、理由が分かってるなら廃校なんて穂乃果達で解決できちゃうじゃん)

穂乃果「…穂乃果達が学校を廃校から救うんだ」

穂乃果「……あれ…もし穂乃果達で音ノ木坂学院を救ったらヒーローかも!」

穂乃果「…」ウズウズ

穂乃果「…なんかわくわくしてきたっ。戻ったら早速、海未ちゃんとことりちゃんに言っちゃお~」ルンルン


─────────
──────
───
559: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:39:29.74 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「でも結局、そんな事は出来なかった。只の思いつきでもっと酷い事になっちゃった」

花陽「…」

穂乃果「結果的に…音ノ木坂学院とことりちゃん両方を無くしちゃう事になった……」

穂乃果「…穂乃果がそんな事思い付かなければ、学校が廃校になるだけで済んだんだよ」

凛「…違うよ」

穂乃果「ことりちゃんがいなくなる事も…凛ちゃんと花陽ちゃんが怪我することも無かったし、皆が辛い思いをすることもなかった」
560: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:40:03.75 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「全部穂乃果のせいなんだ…穂乃果が行動することで状況は悪くなっちゃう」

穂乃果「穂乃果が何も考えずに、廃校阻止するなんて、皆を集めなければ…」

凛「…」

花陽「…」

穂乃果「全部穂乃果が…」

海未「…穂乃果ッッ、あなたはどれだけ勘違いすれば気が済むのですかっ?」

海未「それに、皆を集めなければ良かった?貴方は私達の出会いまで否定するつもりですかッッッッ!!!」

穂乃果「だってその通りじゃん…」

海未「このっ…」

バッチイイイイィィィィン ゴキッ ンン!!!

凛(今変な音聞こえたよ…)
561: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:40:19.39 ID:G7Wtb/cy
海未「最低です…貴方は、貴方は最低ですッッ!!」

穂乃果「…」ヒリヒリ

花陽(すごく痛そうです…)

凛(…異能ビンタで首が傾いてるにゃ)

海未「…私達が私達との出会いを後悔していると思いますか?皆は穂乃果に感謝しているんですよ。」

穂乃果「…え?」

海未「…こんなに素晴らしい仲間と出会えて、仲間の為に命までかけられる」

海未「ええ、……そう引き合わせたのは穂乃果なんです。その貴方が皆と会わなければ良かった?穂乃果、貴方が言って良い事ではありませんよ」

穂乃果「…」

海未「穂乃果、ことりを助けに行きましょう。…貴方はこのままで本当に良いと思ってるのですか?」

穂乃果「…」

海未「…穂乃果?」

穂乃果「…いいわけないじゃん」
562: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:41:38.39 ID:G7Wtb/cy
海未「ならば…」

穂乃果「でも、これでまた失敗したらどうするの?…せっかくことりちゃんが穂乃果達の為に留学したのに、ことりちゃんの決意を無駄になんて出来ないよっ!!!」

海未「なるほど、そうですか…」
海未「それが今の穂乃果の本心ですか…貴方らしくない……」

穂乃果「そうかな…」

海未「ことりがいなくなって動転してしまうのは分かります、ですが以前の貴方を取り戻して下さい。哀しんでる場合ではありませんよ」
563: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:41:44.83 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「でも…」

海未「…はい、…もちろん失敗したら無駄になるかもしれません。ですが貴方も言ったように、このままで良い訳がないんです。」

穂乃果「…」

海未「…なら行動するしかない。始めに理事長室の前で貴方が決心したように……」

凛「そうだにゃ」

花陽「やりましょう!」

穂乃果「……うん、」

穂乃果「…そうだね」

花陽「穂乃果ちゃんっ」
564: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:42:45.70 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「…穂乃果少し変だったみたい」

海未「穂乃果…」

穂乃果「…やろうっ!」

凛「穂乃果ちゃん!」

穂乃果「…失敗したときはその時考えれば良いんだよ。それに穂乃果達が失敗なんてするわけないっ!」

穂乃果「……行こう、ことりちゃんを助けにっ!!!」

海未「ええ、行きましょう!」

穂乃果「凛ちゃん花陽ちゃん。二人はゆっくりここで休んでて、ここからは穂乃果が頑張らないといけないからっ」

穂乃果「…ことりちゃんも連れて皆でまた来るから待っててね!」

凛「待ってるにゃ!」

花陽「気をつけて下さいね」

海未「急ぎますので、それでは」

穂乃果「行ってきまーす!」ダッ


───────────────
565: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:43:02.18 ID:G7Wtb/cy
海未「ヒデコ、またお世話になりましたね」

ヒデコ「いいっていいって気にしないで、そんじゃ気をつけてね!」

穂乃果「ヒデコありがと!またねー」フリフリ

ヒデコ「あいよ~」ブロロロロ…

海未「…上って行けばUTXです」

穂乃果「…ん、あのビルの上雨降ってるけど希ちゃんかな」

海未「ええ、おそらく絵里と希ですね。私達の代わりに誰かを引き受けてくれているのでしょう」

穂乃果「…大丈夫かな」

海未「私達は私達のやることをやりましょう、気にしてる暇はありません」

穂乃果「分かってる、その間に穂乃果達が行かなきゃいけないから…」

海未「その通りです」

穂乃果「…行こう、海未ちゃん」

海未「はい」

566: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:43:42.28 ID:G7Wtb/cy
海未「このエレベーターに乗るのも二回目ですか」

穂乃果「…そうだね、」

穂乃果「海未ちゃん、今手につけてるグローブって真姫ちゃんにもらったやつ?」

海未「おお、分かりましたか。まだ電源は入れてませんがね」

穂乃果「…じゃあ脇に差してるのも真剣ってこと?」

海未「はい、一緒に使わないと意味がないので」

穂乃果「あんまり無理しないでね、穂乃果もいるんだから」

海未「…分かりました、ありがとうございます」

穂乃果「あれ、…穂乃果達の目的の階って23階だよね」

海未「確かにそうですが…。なるほど……スピードが緩みましたね」

15階あたりに向かうにつれ、だんだんと上昇スピードを落ちていくUTXエレベーター
567: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:43:55.47 ID:G7Wtb/cy
穂乃果「15階で一回止まるっぽいね、…だれか乗ってきたらなんて言おうかな」

海未「堂々と答えれば良いと思いますよ」

エレベーターは15階で止まる…

穂乃果「例えば─────────ガァンッッ


瞬間
海未と話していた穂乃果の前から刀が!

エレベーターの扉が開く寸前、鉄の扉を突き破って穂乃果の前に現れたのは刀!!


穂乃果「あぶなっ!」


そしてすぐさま引っ込むと扉の開いたら隙間から、縦に刀が降り下ろされる


───────シュッ


海未「避けてくださいっ!」


海未は穂乃果を押し出すように、ボタンが配置されているパネルの前に飛ぶように二人で移動する


「外したか…」

穂乃果「エレナさんっ!?」
568: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:45:50.23 ID:G7Wtb/cy
扉が開き、そこからエレベーターの中に姿を表したのは刀を片手に持つ藤堂エレナ

そして今度は刀で、二人の頭を突き刺すような軌道を描く
だが、エレナの刀はエレベーターの階層パネルに突き刺さり、バチバチと燐光をあげる

穂乃果と海未は伏せ、海未は抜刀。穂乃果は衝撃波をエレナへ射出!

だがその両方は刀を突き刺したままのエレナに体を反らすだけで避けられてしまう


穂乃果「なんでっ」

海未「ダメですっ、エレベーターは使えませんッ」

穂乃果「じゃあ階段でっ!」

海未「はい、走りますよ」ダッ

エレナ「そう急いでくれるな」ガキッ


エレベーターのパネルから刀を引き抜くエレナ、その目はしっかりと海未と穂乃果の後ろ姿を捉えている
569: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:48:39.00 ID:G7Wtb/cy
海未「こっちですか?」

穂乃果「こっちだよっ!」


二人はUTXの15階をエレナから逃げながら、階段を目指し走る
570: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:51:32.65 ID:G7Wtb/cy
そんな中、走る海未の目の前の壁に飛んできた刀が突き刺さる


海未「何ッ!?」


先端が突き刺さった刀が迫ったエレナにすぐさま回収されると、そこから海未に刀が降り下ろされる。
海未もとっさに鞘から刀を引き抜く


───────ガッ


海未「…ふっ」


海未とエレナが正面で鍔迫り合う。

エレナ「行かせんぞ」ギリギリ

海未「そうですかっ!」ガンッ


エレナの刀を振り払うと一気に距離を取り、エレナに正面を向けながら後ろにいる穂乃果に話しかける


海未「こいつは私が相手をします、穂乃果は先に行って下さい」

穂乃果「穂乃果もっ!二人で戦えばいいじゃんっ」
571: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:52:25.51 ID:G7Wtb/cy
海未「ダメですっ!、おそらく穂乃果の衝撃波はエレナに殆ど当たりません。それにエレナはかなりの手練れ、…二人で戦ってもジリ貧になるだけでしょう」

穂乃果「…だとしてもっ」

海未「それならば私が食い止めて穂乃果に行ってもらう方が良いです」

穂乃果「そうしたら海未ちゃんはっ」

海未「大丈夫ですっ、早く行って下さい」

エレナ「はぁっ」ブン

海未「早くっ」キン

穂乃果「でもっ!」

エレナ「よそ見している暇はあるのか?」ギリギリ

海未「穂乃果っ!」

穂乃果「でも…」

海未「穂乃果、…ことり……ことりが待っているんですから、いってあげて下さい」ギリギリ

穂乃果「…そうだね、……うん…」

穂乃果「…わかったっ!!」ダッ

エレナ「はッ」シュッ

海未「させませんよっ…」キンッ
572: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 19:59:30.81 ID:G7Wtb/cy
第22話「残された時間」



ガギンッッッッと互いの刀が強くぶつかると、海未とエレナは両者とも距離を取った

先程から、海未は真姫から譲り受けた青いラインの入った黒いグローブを手に嵌め刀を握っている。

刀は微かに振動しており、簡易の高周波ブレードとなって切れ味を増していた

対して英玲奈は、縦に一本切れ目のようなラインが入った刀を携えている
海未の刀は手に嵌めていたグローブを除けば純和風と言った感じであるが、英玲奈の刀は近代化された刀という風な印象を受けた


海未(…どう攻めましょう)

英玲奈「…やるじゃないか」

海未「そうですか、お褒めいただき光栄ですっ、ね!…」


海未は語尻を強めると同時に英玲奈に上段から切りかかる

刀は英玲奈の右肩辺りに振り下ろすが、身を引いてかわされる
573: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:00:26.89 ID:G7Wtb/cy
そして刀を振り下ろした海未の一瞬に英玲奈は
刀を連続して振り抜く!!

一太刀目は海未の左肩から斜めに刀が入るように、二太刀目は流れるように下から垂直に切り上げ、三太刀目に高速の突き!!

海未は一太刀目を後ろに下がりさけると、自身の刀を二太刀目に合わせ体の外側に流す

そして一旦引くと、英玲奈から突き出された刀は鍔と刀身の間で上に押し退ける


──────ガッ

海未(…貰いましたよっ)


英玲奈の左肩から右腰へと抜けるコースへ、これで終わりと力を込めて刀を降り下ろす


海未「はっ!」ドッ

英玲奈「…甘いッッ!」


すると英玲奈は身を引きながら自らの刀を瞬時に正面に持ってくる
574: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:00:38.47 ID:G7Wtb/cy
海未(これはっ…)


英玲奈は予測していたかのように続いた海未の刀を完璧に受け流し、

流れるような動作で身体を回転させると、足を使い瞬時に後ろ回し蹴り!!


海未「うぐッ」


回し蹴りを諸に食らうと、その勢いで海未は背中を白い壁に打ち付ける!

全身を打つような感覚に、一瞬意識を失いかける


英玲奈「止めだ…」
575: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:02:13.87 ID:G7Wtb/cy
壁際でドサリと付いた尻餅をついた海未に、英玲奈は上段から刀を振り下ろし

海未はとっさに刀を前に掲げると座った状態のまま、英玲奈と刃先を打ち付け合う


英玲奈「ほう…」グ…

海未「まだですっ」ググ
576: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:02:58.88 ID:G7Wtb/cy
能力の関係もあり、海未の方が力が強く、

刀が接触した状態から英玲奈を押し返すと、海未は間髪いれずに足払いをお見舞い!

英玲奈が床に転けた隙に海未はすぐさま立ち上がると、壁キックで斜めに空中へ跳び上がる


海未「はッ!」フワッ


刀を両手で持つと、

中空の落下エネルギーを伴って英玲奈の真上から刀を突き刺す


英玲奈(不味いな…)


事前に察知していたような英玲奈は横に転がり、すんでのところで海未の刀から逃れる


海未(逃げられましたか)

──────ガギィッ……ピキ…ピキ…


海未の筋力と高周波ブレードによって、刀は深く突き刺さり、そこからじわじわと亀裂が広がっていくッッ
577: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:03:33.30 ID:G7Wtb/cy
海未「…」ググ

英玲奈(刀が抜けないようだな…)チャッ…


そんな海未へチャンスと、英玲奈は迫ると即刻足下から刀を振り抜く


──────ザンッ


海未(不味いですっ!)


刹那、

──────ガララララッ…

…海未の刀を震源とし、UTXの廊下が砂ぼこりを上げ崩落した


英玲奈「…これはっ」

ガラ…ガラ……

英玲奈「ゴホッ…ゴホ……」

海未「……ケホッ」

英玲奈「意外と脆いものだ…、ゴホッ」

海未「…そうですね、こんなことで崩れるとは」
578: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:04:51.37 ID:G7Wtb/cy
英玲奈「ここは……、多目的ホールか」


海未と英玲奈が粉塵と共に舞い落ちたのは、14階に位置するUTXの多目的ホール
579: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:04:57.36 ID:G7Wtb/cy
大きさは15メートル四方の正方形と広く、
床と地面全てがクリーム色寄りの白で、それらを照らしているのもまた、天井に幾つも敷き詰められた白色パネルからの白い光

そのホールには何も置いておらず、あるのは白のみ。広大さを感じるにも関わらず、その白で埋め尽くされた空間は何か圧迫感を感じさせる。


海未「…」

英玲奈「…」

海未「英玲奈、…あなたに聞きたい事があるのですが、ここで聞いてもよろしいでしょうか?」

英玲奈「…?」

英玲奈「まぁ構わんが…」

海未「かなり前です、UTX学校説明会の騒動で助けて頂いたことがありましたよね。…あの時、なぜことりを含む私達を助けたのですか?」



─────────
580: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:10:50.42 ID:G7Wtb/cy
─────UTX学院 屋上


ツバサ「…ラブライブを、存続させる為よ」

にこ「全く意味が分からないわ…。このままだと私たちが最初の能力者としての犯罪者になりそうね、ツバサさん……」

ツバサ「あなた本気でそう思ってるの?…能力なんて得た人が必ずしも善人で事件、犯罪を起こさない訳ないでしょ?」

ツバサ「当たり前に能力を得たからと問題を起こす人もいる…あなた達みたいにね」

にこ「…自分達の事は棚上げ?」
にこ「それに、能力者の事件があった覚えなんてないわ。…でたらめ言うんじゃないわよ」

ツバサ「…それは上手く行ったって事よ。にこさん、その為に私達がいたの」

にこ「…?」

ツバサ「犯罪の証拠が残らない能力者はどう裁けばいいと思う?」

にこ「…」
581: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:52:01.49 ID:G7Wtb/cy
ツバサ「目には目を歯には歯を…。能力者には能力者をぶつければいいのよ」

ツバサ「証拠の残らない者同士、そいつを秘密裏に処理すればいい」

ツバサ「その役目を担っているのが私達…」

にこ「は?…それになんでUTXが?」

ツバサ「UTXって芸能関係と繋がりがあるから、そこから運悪く政治とも結びついてた…」
ツバサ「…当事流れていた能力者の特徴と合致点が多い私達が抜擢されてしまったのよ」

にこ「ふーん…」

ツバサ「…関係ないっていう事にはなっているけれど…しばらくして、スクールアイドル大会の運営が国に変わってラブライブになったわ」

ツバサ「ラブライブを開催するのと引き換えに、その異能の力を使えって…そう言われたらどうする?」
582: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:52:12.49 ID:G7Wtb/cy
ツバサ「…私達以外の異能を持つスクールアイドルも全て、UTXを通じてそうやって繋がっているわ」

にこ「…」

ツバサ「あまり腑に落ちてなさそうね。」

ツバサ「ねぇ、万が一スクールアイドルがもしそんなことをやっていたって知れたらどうなると思う?」

にこ「っまさか、それも脅迫の材料に!」

ツバサ「ええ、もし知れたらラブライブの運営以前の問題、スクールアイドルの未来はないわ」

にこ「そんな事…、……ほんとに?」

ツバサ「事実よ…」

ツバサ「…だからお願いするわ、ことりさんの事は諦めて帰って。彼女のことを悪いようにはしないわ」
583: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:55:01.45 ID:G7Wtb/cy
ツバサ「…私達がここでことりさんを送れば、ラブライブは続くの…それからはやっとアイドル活動に専念できる。」
ツバサ「…そしてそれはA-RISEだけじゃないわ」

にこ「…そうなのね」

ツバサ「ええ、だから…」

にこ「ないわ…」

にこ「…あんたらのアイドル活動、そしてラブライブ為に、友達を、今までの悪事を見逃せって言うのッッッ!?」

にこ「…はッ…ふざけんじゃないわよ。そんなの話にもならないわ…」
584: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:55:34.84 ID:G7Wtb/cy
にこ「もうちょっとましな理由は無かった訳?」

ツバサ「…そう」

ツバサ「あなたなら私の言ってることを分かってくれると思ったんだけど、違うみたいね」

にこ「分かりたくもないわ」

ツバサ「どんなに練習、努力をしても日の目を浴びることがなかったアイドル。…矢澤にこ」

にこ「…ッッ」

ツバサ「あなたにこそラブライブの必要性は分かる筈よ…。」

にこ「…」
585: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:57:09.12 ID:G7Wtb/cy
ツバサ「…その為なら私はなんでもやる」

にこ「なんでもって何よ…。」

にこ「…そんな事して成り立った物で評価されて喜ぶほど私は落ちぶれてない。それに…」

にこ「…ラブライブを存続させるため?そんなの知らないわよ、アイドルやりたいなら自分達で勝手にやってりゃいいじゃない」

ツバサ「ラブライブ!は必要なのよ。これからのスクールアイドルを守り、継承させるためにも」

にこ「ほんとにアイドルが好きなやつならラブライブなんて無くても勝手にやるわっ、」

にこ「あんたらはラブライブを理由にして、相手の要求を断る事が出来なかっただけ…。それを…ラブライブのせいにすんじゃないわよ!!」
586: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:57:14.22 ID:G7Wtb/cy
にこ「一回でも抵抗しようと思った事はあんのッ?」

ツバサ「…っ」

にこ「あんたはどっかで勘違いしちゃったみたいね…」

にこ「…アイドルは人を笑顔にさせる仕事、その過程だからって人を悲しませるなんてアイドルじゃない」
にこ「どんな事情があってもね…」

ツバサ「…」

にこ「…」キッ

ツバサ「なるほど…」

ツバサ「…そうね…あなたの言っていることは筋が通っているわ……」
587: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:58:21.92 ID:G7Wtb/cy
ツバサ「…ええ、だとしてもことりさんを渡さないっていう意志、目的は変わらないわッッ!」

にこ「クソ野郎ね、あんた」

ツバサ「…今までやって来た事を、犠牲にした人達を無駄にしないって為にも……。そしてこれからのラブライブ、スクールアイドルの為にも」

にこ「…いいわ。そんなもの全て無意味に還してあげる、あんた達をその枷から外す為にもねっ!!!」

にこ「真姫ちゃんっ!」

いつの間にか真姫はツバサの背後におり、ツバサの両手首を掴んでいた。
588: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 20:58:59.37 ID:G7Wtb/cy
真姫「おとなしくしなさい」

ツバサ「…さっきのは時間稼ぎだったの?」

にこ「少なくとも、さっき言ったことは本当よ」

ツバサ「そう…」


ここで頭を思いっきり後ろに振る
ツバサは真姫へ後頭突き!


真姫「っつぅ…」

ツバサ「…」パシッ

手の力が弱まったところで抜け出すと、すぐさま距離を取る
589: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:00:35.06 ID:G7Wtb/cy
真姫「痛っ…」

にこ「まぁこんなんじゃ掴まんないか」

ツバサ「姑息な手段ね…あなた達がそういうつもりなら、もう手加減はしないわ」

ツバサが手を掲げると、白柱が真姫とにこへ飛ぶ

にこ「あぶなっ」

ツバサ「…まだあるわよ」

そして間髪いれず、二撃目の白柱が二人へ飛んで行く


真姫「連続っ!?」


一撃目の物体が消えたとほぼ同時に二撃目の物体が射出されたのだ、
590: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:00:41.43 ID:G7Wtb/cy
そしてそんな事を考える暇もなく、三撃目が猛烈な勢いで二人へ飛んでくる


真姫「じゃまっ!」ボォッ


真姫は溶かし切ることにより回避!


にこ「つぅッ」


しかし…にこは分身での防御が間に合わなず、肩を強打し右肩から空中へ投げ出され

にこはコンクリートの地面に打ち付けられた


にこ「うぐっ」ゴン

真姫「にこちゃんっ、こっち!」グイッ


真姫は自らが隠れた高めの段差の影へ、打ちつけられたにこを引き寄せる
591: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:02:03.47 ID:G7Wtb/cy
にこ「…った」

真姫「…大丈夫っ?」

にこ「…ええ、…ちょっと打っただけだから大丈夫みたい」サスリ…

真姫「…本当に…?」

にこ「次、直撃でもしたらヤバイかもしんないけど」

真姫「え?」

にこ「…当たんなけりゃいい話よ、…もう大丈夫!行くわよっ、真姫ちゃん」
592: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:02:38.12 ID:G7Wtb/cy
真姫「でも、もう少し様子見たほうが…」

にこ「…様子みてても何も変わんないわっ!」

真姫「………あっ、にこちゃんっ、待って!!」

ツバサ「そこねっ」ビュッ


ツバサの手の先から、飛び出したにこへ白柱が放たれるッッ!


真姫「危ないっ!」ドンッ


にこが白柱が直撃する、
その手前でにこを守ったのはとっさに飛び出した真姫


真姫「…」グサッ


能力を使う暇はなく、自らが飛び出ることにより真姫はにこを押し退けた!!

回避し、にこと真姫は二人で倒れこむ!


にこ「真姫ちゃんっ!」ゴロゴロ
593: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:04:10.59 ID:G7Wtb/cy
ツバサ「まだまだっ!」


ツバサは真姫とにこが倒れこんだ地点へ、またもや連続して白柱を放つ


真姫「はぁっ!」


そして真姫は痛みをこらえながらも、目くらましと広範囲に広がる炎を放ち、離れた花壇の陰に隠れる


真姫「…ッ」ハァハァ


にこを押しのけて二人で逃げたのはいいものの、庇った際に足に鉄骨が当たりかなりのダメージを負ってしまった

真姫の足から出た血液が、足元に小さな血だまりを作る


にこ「真姫ちゃん、ごめんっ…にこが飛び出したせいで」

真姫「…いいわよ、困ったときはお互い様…でしょ?」
594: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:04:52.53 ID:G7Wtb/cy
にこ「でもっ…」

真姫「医者の娘よ?…このくらい自分でなんとか出来るわ」

にこ「……歩ける?」

真姫「厳しいかも…。…でも…私は気にしないで」

──────ビュン…───ビュン……


物陰に隠れたにこと真姫の回りをもの凄い勢いで飛び交っていくのはツバサの生成した物体。

何回も生成して飛ばされるそれは、風を切る音やベンチに当たるガキンという音を、何度も物陰に隠れるにこと真姫の耳に届ける
596: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:05:29.74 ID:G7Wtb/cy
にこ「これはヤバいわね。」

真姫「…にこちゃんだけでも、逃げて……」

にこ「…そんな事できるわけないじゃない」

ツバサ「…早く出てきなさい」


先ほどの真姫の目くらましで二人の居場所を見失ったツバサが、白柱を飛ばしながらどこかにいる二人に語りかける


にこ「…こんなの、」

真姫「……にこちゃん、逃げて…」

にこ「なに言ってんの?真姫ちゃんを置いてけるわけないしそれに…」

真姫「ことりも…でしょ?今のうちに助けを呼んできて、私が食い止める」
597: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:06:03.72 ID:G7Wtb/cy
にこ「…そんな事しないわ。今一番ことりの近くにいるのは私たち、この間にどこかに行っちゃったらどうするの?」

真姫「…でも」

にこ「真姫ちゃん…」

真姫「……ハァ…説得は無理そうね。少しの炎くらいなら、まだ放てると思うから」

にこ「分かったわ、ありがとう」


するとにこは何かを入れていたのか、ポケットに手を突っ込んで錠剤のクスリのようなものを取り出した


真姫「何?それ」

にこ「…風邪薬よ」
598: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:06:41.36 ID:G7Wtb/cy
真姫「どこかで見たわよそれ、…いや…!、っにこちゃんダメっ!」

にこ「風邪薬だって言ってるでしょ?」ゴクン

真姫「早く吐きなさいっ!覚醒剤よそれ!!」

にこ「…知ってるわよ、そんなの」

真姫「じゃあなんで飲むのよ」

にこ「…飲まないと勝てないからよ」

真姫「…ダメよッ」

にこ「じゃあ、また後でっ!」ダッ

真姫「にこちゃんっ!!」


錠剤を口に含んで、にこは物陰から一思いに飛び出しツバサに体を晒す
599: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:07:18.53 ID:G7Wtb/cy
ツバサ「…気でも狂ったの?」

にこ「いつも通りよ…にこっ!!」


するとにこの分身が1体、本体からずれるように現れる。とさらにそれが続き、ズズ…と合計3人のにこが現れる。


にこ(集中力が上がるっていうのは本当だったみたいね…)

ツバサ「4人?」

にこ「覚悟しなさいっ!!」ダッ
600: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:08:36.44 ID:G7Wtb/cy
そこから4人がシャッフルするように走ると皆ツバサへ走っていき、にこは4方向から同時にツバサへ蹴りかかる!

するとツバサが白柱を手先に生成すると振り回し、にこ2人を振り払う

残った二人にツバサは連続して白柱を放つが、片方は当たるまえに避けられ、もう片方は白柱を踏み台にされ空中から蹴りかかられる。

空から飛んできた蹴りを、両腕を使い防ぐツバサ。
そこへ背後に突如現れたにこから蹴られそうになるが、シールドを形成し防御。


にこ「ほらっ」ドスッ にこ「こっちよ!」シュ…
にこ「ハッ」ドッ にこ にこ
にこ「」 にこ 「」にこ「」 にこ「」 にこ「」 にこ「」


ツバサ「キリがないっ」
601: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:08:56.85 ID:G7Wtb/cy
にこ「」 にこ 「」にこ「」 にこ「」 にこ「」 にこ「」 にこ「」にこ「」 にこ 「」にこ「」 にこ「」 にこ「」 にこ「」 にこ「」

ツバサ「もうっ!」


にこがツバサの回りに何度も現れては消え攻撃を繰り返していく

にこは同時に3体の分身をコントロールし、本人も合わせての4人。
連続してにこは打撃を与えていき、その数に段々とツバサは防御に徹せざるを得なくなってくる
602: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:09:35.48 ID:G7Wtb/cy
ツバサの手先では白い柱とシールドがぶれるように青みを帯び現れては消滅し、打撃音を響かせる。
そしてその打撃を食らわせる4人のにこは、
まるで瞬間移動するように移動し、猛スピードで現れてはツバサに攻撃する瞬間だけを残し、消えていく…


ツバサ(人海戦術ってわけね…)

にこ「」 にこ 「」にこ「」 にこ「」 にこ「」 にこ「」 にこ「」にこ「」 にこ 「」にこ「」 にこ「」 にこ「」 にこ「」 にこ「」


四方八方から連続するにこからの打撃への防御をしながらツバサは思考を廻らす

にこは攻撃、ツバサは防御と一方的な展開になりつつある戦闘
603: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:10:00.78 ID:G7Wtb/cy
このままだとどこかのタイミングで防御に隙が生じ、ツバサはやられてしまうだろう


ツバサ(でも、そう持つかしら)


実際、しばらくたつとツバサのその予想通りにこの分身の生成スピードは少しずつ落ちて来ているように見えた。


にこ「」     にこ 「」      にこ
「」      にこ「」      にこ「」     にこ「」    にこ「」     にこ「」


にこ(まずいわね…)


にこがそう思った瞬間、2体のにこがツバサから連続してカウンターをくらってしまう
604: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:10:35.31 ID:G7Wtb/cy
ツバサ「ハァッ!」ドッ…


そこへ運悪くツバサの下突きがにこ本体の鳩尾に!


ツバサ「こいつねっ!」


ツバサは続けて回し蹴りをにこに叩き込む


にこ「…っ」ドスッ

ツバサ「オラァッ」ドンッ


止めでツバサは白柱をにこへ向けて射出!

したのだが…それはにこに当たる前に地面にドロリと溶け落ちる


真姫(よし)

にこ(ナイスっ)

ツバサ「そこねっ」


にこは1体分身を発生させると足を怪我している真姫の元へ向かわせ、隠れる場所を移動させる。


真姫「ありがと、にこちゃん」

にこ「作戦があるんだけど」
605: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:13:09.96 ID:G7Wtb/cy
真姫「何?」

にこ「ツバサがここに来るように私が誘導するわ、だからツバサが来たら能力を使って攻撃して。」

真姫「分かったわ、御安い御用よ」

にこ「そうしたらことりの所に行ける筈…」

真姫「そうね、」

にこ「にこだとやっぱり追い詰めきれないから、…頼んだわよ」


と、言い残すとその場で蒸発するように消えた。

ヘリコプターへ繋がる階段近くに位置する、人工芝を植えるために上がった段差の影に、しゃがむようにして隠れる真姫。
606: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:13:31.06 ID:G7Wtb/cy
息を整えながらことりに使う予定の注射器が、ポケットに入っているか改めて確認する。

真姫(…ことりに注射を打つくらいの時間は稼がないとね)

にこがツバサに何か言っているような声が聞こえる。するとツバサがにこへ攻撃を再開。

にこはツバサから飛んでくる物体から視線を外さないようにしながら、真姫の待機する場所に近寄っていく。

鉄と鉄の当たる音や、何かが砕けるような音を聞きながらツバサがくるのを真姫はじっと待つ

そして


にこ「今よっ!」


にこの声がし、影から身をのり出す。
そして真姫は手を構えた状態で、3歩で届くほどの距離にツバサを見つける。
607: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/15(土) 21:14:19.35 ID:G7Wtb/cy
真姫「ハアァッ!」


しっかりと目標を見て、薄闇の中燃え盛る炎をツバサへ放つ!!!


─────ボオオオオオォォ!!


そしてツバサはにこへ気をとられていたのか、防御壁を展開するのに一歩送れ、少量ではあるが真姫の炎を足に食らってしまう


ツバサ「あつ!!」

にこ「真姫ちゃんっ押さえてるから行って!」

真姫「わかった」


先程の痛みが引いてきたばかりの足に鞭を打ち、真姫はことりの眠っているヘリに階段を上り駆ける!
611: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:01:18.31 ID:GsTF1776
真姫「これね…」


真姫はヘリコプターに乗ると、目の前に ことりが入っている緑色の装置を見つけた

その装置に手を触れ、ことりの胸のあたりから顔までについているカバーを開けた
空気を吐き出すようなプシューという音が聞こえると、眠ったようなことりの顔が見える


真姫「…今起こしてあげるわ」


ポケットに入れていた薬を取り出すと、ことりの腕に注射を突き刺す。
プランジャーに力を込め、ゆっくりと液体を流し込んでいく


真姫「(あとちょっと…)」
612: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:01:30.12 ID:GsTF1776
にこ「ダメっ!」


しかしそこへツバサの白棒が飛んでくるのが真姫の目に見えた。真姫の炎で溶かそうにも、ことりが近くにいてそんなことはできない。

───パリィンッ

真姫「あぁっ…」


真姫は体を盾にして注射器を守ろうとするも、間に合わず

鉄骨は真姫は素通りし注射器を破壊するまでで収まらず、ことりの腕を貫通して装置にまでも突き刺さっていた。


真姫「このっ!!」ガンッ

ツバサ「…私が警戒してないわけないじゃない」
613: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:02:11.61 ID:GsTF1776
真姫「やってくれたわね…」

ツバサ「あら、こわいわ」

にこ「ごめんっ真姫ちゃん抑えきれなかった…。…でも…こうなりゃあんたを倒して、ことりを機械ごと持って帰ってやるわ」

ツバサ「できるものならね」

にこ「やってやるわよ」

真姫「ええ」ダッ


ツバサへ炎が放たれ、真姫はそれに続くように駆けるとツバサへ鞭を横に振り払う

ツバサは炎の下へ…真姫へ迫りながら地面を転がり回避する

そして自らに振り払われた鞭を、ツバサは下からその手を掴み、自分の方向へ引き寄せると、反対側に真姫を投げ倒す
614: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:03:12.76 ID:GsTF1776
ツバサがすぐに起き上がると、仰向けの真姫へ円錐形の白い物体を生成。…そして射出!

真姫は体を転がし、その起動から逸れる


真姫「…はっ!」ボォッ


そして、目眩ましに炎をツバサへ放つと距離を取った
615: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:03:20.11 ID:GsTF1776
そして着弾地点を見て威力を実感した真姫は体勢を取り直し正面を見るが、
視界の左端には何か白色の重厚なものが迫ってきている


ブワッ


次の瞬間、

…真姫の体は中を浮き、すぐさま地表にぶつかると、地面をバウンドしながら転がり、芝生の上でうつ伏せになっていた



にこ「真姫ちゃんっ!」

真姫「にこ…ちゃん、私は…大丈夫…」ググ…

にこ「……。」

にこ「……わかった」

ツバサ「次は貴方よ」
616: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:04:59.76 ID:GsTF1776
にこ(これから分身できたとしてもあと二、三体分…。もう限界ね、ここらで決めないと)

ツバサ「…だいぶ焦ってきてるみたいね」

真姫(足は動かないけど、手なら…)ズリズリ

にこ「さてね、あんたがそう思ってるからそう見えるんじゃない?」

ツバサ「面白いこと言うじゃない…」


本当に面白そうに顔をほころばせたツバサへ対抗してやるとばかりに、にこは二人で殴りかかった
617: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:05:07.45 ID:GsTF1776
真姫「ハァ…ハァ…」ズリズリ

ツバサ「それだけでいいの?」シュッ


一瞬のうちに、一体目のニコはツバサに近づく事も許されずに白柱で飛ばされ、
続いて接近したにこは手から振り払われた白い柱に打ち飛ばされる


真姫(…にこちゃんっ)

にこ「…っ」ゴロ…


地面に強く打ちつけられ、にこは自分から起き上がることが出来ない
618: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:05:58.34 ID:GsTF1776
にこ「まだよっ」


にこは横たえる体制から、また分身を発生させるとツバサに向かわせる

…が、ツバサが手を振り払うだけで白い物体は動き、にこの分身は消滅する


にこ「まだぁっ!」

ツバサ「芸がないわね…」サッ


またもやツバサが手を振り払うだけで、にこの分身はあっけなく消滅する。

にこ「クッ…」

ツバサ「…どうせやられるんだから」
619: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:06:30.14 ID:GsTF1776
ツバサが片手に白色の円錐形の物体を浮遊させながら、にこへとゆっくり歩いていく


真姫(あともうちょっとで火が届くのにっ…)ズリズリ

ツバサ「…殺してあげようかしら」

にこ「…やるならやんなさい」

真姫(…嘘よね?)


先ほどからツバサの右手に浮いている物体が空気を巻き込むように急速に回りだす。そして、その先端はにこを向いたままで…
620: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:07:04.08 ID:GsTF1776
ツバサ「…じゃあね」


…発射
円錐形の物体は、にこを貫く


真姫「…え、にこちゃ……」パク…パク


にこの胸には綺麗な円がぽっかりと空き、その傷穴からはどくどくと赤い血液が流れ出ていた…。


のではなく白いもや が流れ出ている


ツバサ「何ッ!?」

にこ「こっちよっ!」シュッ


油断していたツバサが振り向くと同時に全力の回し蹴りをお見舞い!
621: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:09:26.88 ID:GsTF1776
ツバサ「ぐッ…」


そして怯んだツバサの背後から左腕の垂れ下がったにこがどこからか走りより、ツバサの首を後ろから腕全体を使い締め上げる


真姫(これならっ!)


この状態ならばと十分射程圏内に入ったツバサへ、真姫は手のひらを向ける!


真姫(燃えなさいっ!)
622: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:10:26.10 ID:GsTF1776
にこ「…ふっ!」


真姫と二人で息を合わせるように、にこはツバサを離し真姫の炎から退避ッ


真姫「はあぁっッッッッッ!!!」


両手の平から放たれた、膨大な熱量と炎で彩られた極大の火炎は夜空までもを焦がしていく!

──────ボォウウゥウオオオォォッッ!!!!!!

ツバサ「ああああぁあぁぁ」ジュウウウ

躱し切れないツバサの左半身全体に炎が降りかかるッ!!

ツバサ「あぁ…、あ……ぁ」フラ…フラ……
623: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:10:39.86 ID:GsTF1776
ツバサは左腕、身体を大きく損傷し、今物体を生成できるのは右手だけ。
にこと真姫相手に1つの物体生成能力のみで戦うのはかなり厳しいだろう…


ツバサ「あ……ぁ…くそっ」ジュウウ…

にこ「真姫ちゃんっ!」

真姫「…やったわ」

ツバサ「あああっ!!!やってくれるじゃないのっ!!!!!…」
624: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:21:41.43 ID:GsTF1776
真姫の炎を食らったツバサは痛みに耐えながら、辛うじて焼けずに残った右手を空中に掲げる
にこが何かと見ると…その先には、家3軒分はあろうかという大きさの白い球体が発生していた

──────ズオオ…

ツバサ「…」

にこ「ちょっ…」

真姫「…これはヤバいわね」

ツバサ「体力的にも限界だったしちょうどいいわ、これで終わらせてあげる」
625: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/16(日) 01:22:05.92 ID:GsTF1776
にこ「…あんたも潰れるわよ?」

ツバサ「さぁね、運次第よ。…こうなったらしょうがないわ」

真姫「やけくそね、あんたも」

ツバサ「…どうとでもいえばいいわよ」


ツバサ「……潰れなさい」


ツバサが手に入れていた力を緩めると、青色の輪郭で浮かんだ白く巨大な球が重力に従って落下…


瞬間、彼女たちが悲鳴を上げる暇もなく

UTXの屋上は半球にくぼんだ上空の荒地と化した


─────────
2: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:06:43.65 ID:EGtx8mP7
第23話「カレッジガーデン」



あんじゅ「ええ、貴方が妹を昏睡状態にしたの」

絵里「私が…亜里沙を……」


希「「違うっ!」」


絵里「希ッ?…」

あんじゅ「あら、お目覚めなの?」

希「そうや」ボロッ…

絵里「希、…。…亜里沙は私のせいだったみたい」

希「…それは違うで」

あんじゅ「あなた今までの聞いてた?」

希「今ちょうど目が覚めたところや」

あんじゅ「…なら説明してあげるわ」

希「別にしなくてええで、うちは分かってるから」

あんじゅ「それで?」

絵里「…いいのよ、希。私のせいなの」

あんじゅ「そう言ってるわよ?」

希「違うって言ってるやろ…」

絵里「私が…」

希「えりち、…。…それは違うで、今えりちに必要なのは落ち込むことやない」

希「えりちのせいで亜里沙ちゃんが巻き込まれた?……そんなの知らんで…それに今は関係ない」

絵里「…でもっ私が亜里沙を」

希「今うちらがやるべきなのはこいつを倒すことや…」

あんじゅ「…」

元スレ2: 穂乃果「異能で廃校を救うよっ!」2nd

3: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:08:17.72 ID:EGtx8mP7
希「ここで嘆いていても何か変わるんか?…ことりちゃんを救えるんか?」

絵里「…」

希「そして亜里沙ちゃんを……」

絵里「…っ」

希「それに何言われたのかうちは知らんけどな、どこまで本当なのかは分からんで…。」

希「…そんなもんは亜里沙ちゃんが起きてから聞けばいいんや、謝るのはそこからでも遅くはない」

絵里「…」

希「…やろ?」

絵里「…」

絵里「ええ………、そうね…」グ…

あんじゅ「はっ、妹を事故に合わせたのは貴方なのに開き直るの?」
4: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:08:57.62 ID:EGtx8mP7
絵里「…そんなもの知らないわ。…それに直接の原因は貴方、それに変わりはない。」

絵里「今気づいたわ…私が亜里沙を巻き込んでしまった罪、そのうちの一つは事前に貴方を止められなかった事…。…それを貴方で償わせてもらうわ、優木あんじゅ……」

あんじゅ「…言うじゃない」

希「…うるさいで、元凶」

絵里「覚悟しなさいっ」

あんじゅ「…フッ」

あんじゅ「いいわぁ…私も本気で潰しにかかって上げる」…バッ

絵里「行くわよ希ッッ!」

希「もちろんやっ!」
5: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:10:03.48 ID:EGtx8mP7
廃ビルの屋上を全て埋め尽くすように貯まった雨水が、今も水面を揺らがせながら降りしきる雨を受け止め続けている


希「…えりち、雨量は十分やで、」

絵里「妹の敵、取らせてもらうわ…」バッ

あんじゅ「出来るものならね」フ…

絵里「終わりよ…」


絵里は地面に厚く貯まった雨水の層に右手を差し入れた───────途端、
絵里からあんじゅの足元へ波のように冷気が走り、水は氷へと変化、凝固していく

あんじゅの両足は完全に氷に固定され、その場所から動く事は出来ない


絵里「チェックメイトよ、」

あんじゅ「…どうかしらね」

絵里「言ってなさい…」


絵里が右腕に雨水をまとわせ、右手の先に巨大な氷の刃を作る。
透き通ったそれは鋭利な輝きを映し、骨までも軽く両断してしまうだろう。
6: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:11:28.83 ID:EGtx8mP7
絵里「…」タッ

絵里「…ハァッ!!」
闇に青白く光る大剣を携え、氷の上を加速していくッッッッッ!!!

足を氷の漬けにされたあんじゅに超高速の刃が迫り、…両断ッッッッッッ!!


だが、

絵里「……亀裂…?」


希「ッえりちっ!!!」


───────ドガァッ…


希が叫ぶよりも早く、凍らせた地面の雨水では亀裂が侵食を始めていた…
そして、それはあんじゅの目の前にいる絵里の足元でピキピキと音を立てる


あんじゅ「…チェックメイトなのはどっちかしら」

絵里「ッッッッッ!」


あと一歩、あと一センチで届くッッ…
だがッッッ、氷と共にコンクリートの地面は儚く崩れッッ奈落に落ちるッッッッッ!!!

───────ドゴォッッッ
7: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:11:52.10 ID:EGtx8mP7
希「えりちっ!」

あんじゅ「…さよなら~」


…ズズズズズズズ

あんじゅを中心とするように屋上は大穴を開け、闇を産み出すように中心から崩れ落ちていく


絵里「希ッ!」


絵里はコンクリートの残骸と共に、
廃ビルの地面に出来た、輪郭の歪な大穴の暗闇へと瓦礫と共に落ちていった…


希「そんな……、」

希「嘘やろ…」ペタン

あんじゅ「…嘘じゃないわ」


大穴にギリギリ巻き込まれず、折れ曲がった鉄の棒が突き出ているコンクリートの上で棒立ちになる希。

と…崩れ落ちた瞬間に、ワイヤーで安全地帯へ引き上げたあんじゅ。
8: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:12:29.89 ID:EGtx8mP7
辛うじて残っている足場に残っているのは、只二人のみ。


あんじゅ「あなたで終わりよ…」

希「………そうなんやな……。でも、そう簡単には終わらせないで、あんじゅッッッ」


希が手を捻ると、あんじゅの目前に二階ほどの竜巻が突然に出現!

あんじゅは巻き上げられ、空中に投げ出されるッッッ!!

悲鳴を上げそうな急激な浮遊感!思わずあんじゅは空を掻く!

だがっ

あんじゅ「…」シュッ…

中空から屋上の端にワイヤーを突き刺し、そのまま落下するとその真横を落ちていく
9: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:12:53.36 ID:EGtx8mP7
希「…させんよっ」


希はすぐさまあんじゅのナイフを抜こうとするッ、が

1歩遅く、
あんじゅがワイヤーを引き寄せ、向こう側から飛び上がるように表れると希の前に着地!


あんじゅ「遅いわよ…」

希「…チッ」
10: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:13:18.42 ID:EGtx8mP7
あんじゅ「…そう」シュッ


そこから動揺した様子の希へあんじゅはナイフを右、左と往復して切りつけ、希は下がるようにそれを避けきる


あんじゅ「ふーん…」

希「ハッ…」ブワァッ


切りつけ終わると希は風を吹かし、

あんじゅの姿勢の揺らぎに希は左ストレート、右フックからの肘打ち!!

希の連続した打撃を1発2発と外側へ受け流し、

最後の肘打ちは体を傾けて避けるとあんじゅはナイフを逆手に持ち相手の腹部へッ

そして希は腹へ迫るナイフを、あんじゅの方向へ手で押すように背けると

再度風を吹かし一気に距離を取る!!


希(あの刃物をどうにかせんとな…)

あんじゅ(能力の使い方が絶妙ね)


一瞬の間に思考を巡らす…。
11: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:13:46.03 ID:EGtx8mP7
あんじゅ「…」シュッ


すると距離が離れた所であんじゅは、両手とワイヤーで繋がっている二本のワイヤーを希の両脇へ挟むように、

同時に遠隔でけしかける!

シュ…──────

シュ…──────

希(来たっ)


ここで希は手を振るい、思いっきり風を両方のナイフへ吹き付ける

きれいな円形を描いて希へ飛来する刃物は風に吹かされ、ナイフの軌道は歪む

あんじゅのナイフは空中で不規則にさ迷い、ナイフはあんじゅの手から大きく離れた状態!!


希(今や…)
12: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:14:36.51 ID:EGtx8mP7
瞬間、希は自分に追い風を吹かし、一気にあんあんじゅの顔面に右フックを振り抜く!!

対するあんじゅはこの時間ではナイフが間に会わないことを悟り、その打撃へ合わせるように左手で希の顔に触れる!!


───────ドドッッッ…


希とあんじゅ、両者はクロスカウンターのような体勢で止まり、ググ…と力を込め合う
13: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:15:13.84 ID:EGtx8mP7
希の頬にあんじゅの手が触れ、あんじゅの頬へ希への拳がめり込んでいく…

だが、どちらかが倒れるのは必然…

…握られた一つの拳は力なく下へ落ちる


希「くっ…」ググ

あんじゅ「おしかったわね…」

あんじゅは希の頬に手を触れながら語りかける。


希「残…念……や、な」ググ


一方で希は何かの重さに耐えるように、段々と姿勢が低くなっていく


あんじゅ「ナイフを遠ざけるまではよかったわ、もう少し早ければって所だったけど」


あんじゅがかける重さは増していき、希は重力によってコンクリートの床に押し付けられる


希「…うぁ」ググ

あんじゅ「どこまで耐えられるかしら、」
14: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:15:47.86 ID:EGtx8mP7
希「は…なせ……」

あんじゅ「…無理な相談ね」

希「…っぁ」

あんじゅ「…」


少しすると雨雲は消え、今まで降っていた雨は止んでいた

希「」

あんじゅ「…ここで止めといてあげるわ」

あんじゅ「さて、ツバサのとこ───────」


絵里「待ちなさいっ!…」ダッ
15: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:16:03.12 ID:EGtx8mP7
あんじゅ「あら、まだ生きてたの?」


崩れたコンクリートの影から突然現れた絵里に、振り向きざまにワイヤー付きナイフで切り付ける

絵里はそれをナイフで弾く


あんじゅ「雨、止んじゃったみたいね…」

絵里「あなたのせいでねっ!」ギンッ


一歩踏み出すと絵里は上から切りつけるが、あんじゅはそれを事も無げにナイフでいなした


あんじゅ「あなたは怪我をしている上に、更に能力も使えない」

あんじゅ「…殺されに来たの?」

絵里「復讐しにきたのよ…」ボロ

あんじゅ「能力も使えない上に、負傷中ね…それでも……。いいわよ、いたぶってあげる」


落下の衝撃や、打撃でボロボロの絵里にあんじゅは連続してナイフを繰り出す
16: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:16:33.81 ID:EGtx8mP7
最初のうちは辛うじて残っていたナイフで絵里は攻撃を受けきれていたが、あるタイミングでそのナイフも弾き飛ばされ何処かへ行ってしまう


絵里「…」ジリ…

あんじゅ「…追い詰めたわよ」


あんじゅの対峙する絵里は切り傷だらけで、その太ももはぱっくりと割れ血が大量に流れ出ていた


絵里「…」ヨロ


フラフラとし、先程まで歩いていただけでも精一杯。もう限界の状態…

唯一の抵抗手段も消え、希のそばに立っていた絵里はその場であんじゅに背を向けるとひざまずく。
…雨も降っておらず、頼みの綱であったナイフもどこかへ行ってしまっては何もすることができない。


絵里「…希」ボソッ


そして祈るように希の手を握る
17: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:16:46.19 ID:EGtx8mP7
あんじゅ「あら仲間思いなのね」テク…

あんじゅ「…ばいばい」ダッ


絶体絶命…

もう何の抵抗手段も持たない背中を向けた絵里に、余裕を持った足取りであんじゅは近付き、

ナイフを突き刺す…


ドスッ…

絵里「…」

直前、何かが絵里の手先から延びているように見えた。

あんじゅ「…え」

突き刺すはずだったナイフは直前でピタリと止まり、その代わりにあんじゅが今感じているのは右足の刺すような痛み
18: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:17:46.59 ID:EGtx8mP7
あんじゅ「…っ」ググ…

思わず右足を動かそうとするが動かない、直接みるとそこには、どす黒い赤い槍のようなものが足を貫通して地面までにも刺さっていた

あんじゅ「これはッ…」

あんじゅに弾かれない箇所、狙いすまされた足元に血の槍が突き刺さり、彼女を動かす事を許さない。

絵里「…今よっ!」

希は消えかかりそうな意識の中で、かけ声が聞こえると雲がかった夜空に手を広げる

あんじゅ「なにをっ!!」

僅かに見える雲が黒に変色すると金に瞬き

刹那、
膨大な量の電子が空中に流れ出すッ
夜空をジグザグに走るのは金色の閃光ッッッッ!!!!!


──────ビシャアアアアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!


絵里は希を覆うように伏せ、向こうへ転がっていく。
…耳をつんざくような轟音が鳴り響き、あんじゅの体には膨大な量の電流が流れるッッッ!!!

瞬間、貫かれたあんじゅの体は痙攣、
皮膚が一部焼かれ、四肢から白い煙が沸き立つと…バタリ、と倒れた……。


絵里「…」ギュッ

あんじゅ「」


数秒たつと絵里は閉じていた目をそっと開け、雷の着地点を見る。…するとそこには雷に打たれ、無力にも倒れているあんじゅの姿が。


絵里「やった…のね……」

希「…よかった、」

あんじゅの体を貫いたのは雷、落下地点は黒く焦げ放射状に広がっていた。

絵里「…っ」
19: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:18:11.35 ID:EGtx8mP7
絵里「これで…」ガクッ

希「おっと…」ストッ
絵里は緊張が切れたのか膝からガックリと力が抜け、フラりと倒れかけるが希に支えられ持ち直す。

希「…えりち、しっかり」

絵里「そうね…」

両者の体は心身共に限界を迎えていた、

傷口が痛みながらも半壊になったビルの屋上で、二人ともなくゴロンと仰向けになる。
黒い空に星を眺めながら、絵里と希は冷たい屋上のコンクリートの床で横に並んだ

希「……ふぅ…」ゴロ…

絵里「…希、ありがとう。」
20: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:18:58.15 ID:EGtx8mP7
希「どういたしましてや、…」

希「……やっと終わったんやな…えりち…」

絵里「ええ、……これで亜里沙にきちんと向かえるわ、」

絵里「…それに、私が謝らなくちゃいけない事もみつかったしね」

希「そうやな、…早く目覚めるとええね」

絵里「そうね。…あとはことり達、皆の事だけど大丈夫かしら……」

希「皆なら、やれてると思うで」

絵里「そうね…」

そこで会話は途切れる…

雨水で湿った地面の上で、
猛烈な眠気と疲労に押し流された二人は同時に瞼を閉じ、ゆっくりと…いつまで続くかわからない眠りに落ちた……
21: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:19:14.44 ID:EGtx8mP7
──────UTX多目的ホール


海未「では、…あの時なぜことりを含む私達を助けたのですか?」

英玲奈「…そんな事か、もし人が困っていたら助けるのは当然ではないのか」

海未「…UTXのA-RISEに所属しているあなたが、あの場面でことりを捕まえずに私達を助けた事について疑問があるのです」

英玲奈「…それを私に聞いてどうするつもりだ?」

海未「…私を見逃して、あわよくばことりを助ける手助けをして頂きたい」

英玲奈「……」
22: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:19:56.75 ID:EGtx8mP7
海未「…」

英玲奈「……」

英玲奈「……ふっ」

英玲奈「…フハハハハハハハハハ」

海未「…何が可笑しいのですか?」

英玲奈「いや、何。そんな事を言われるとは思っていなかったのでな」

海未「…意外でしたか」

英玲奈「まぁな…。ふむ目的は分かった」
23: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:20:23.18 ID:EGtx8mP7
海未「そうですか、では…」

英玲奈「ダメだ、見逃す事はできない」

海未「ッ何故ですか?…」

英玲奈「…当たり前だ」

英玲奈「行かせる訳がないだろう、…私はお前らを倒す為に来たのだから」

海未「…そうですか」


英玲奈「私が君たちを見逃していたのは、…命令に従うままの私達を止めてほしかったからだ」

海未「止めてほしかった?…」
24: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:21:01.35 ID:EGtx8mP7
英玲奈「…君達にアイドルをやっているか私は前に聞いたな?」

海未「ええ、」

英玲奈「…スクールアイドルではない能力者、UTXの監視下にない異能の力を持つものを私は探していたんだ」

英玲奈「……だから私は君たちを見逃した、真相に辿り着いて闇から私たちを救ってくれる。それを期待してな…。」

英玲奈「…事実、辿り着いてくれた訳だが」

海未「じゃあなぜ今は?…」

英玲奈「…ああ、だがそんな行動こそが誤ちだと気付いたんだ。今はお前達をあの娘の元に行かせない…それが私がここにいるまぎれもない理由」
25: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:21:20.21 ID:EGtx8mP7
英玲奈「…私はな。逃げていたんだ、自らの罪を悩みという形でうやむやにし向き合う事がなかった」

英玲奈「どっちつかずの存在、悩みに答えが出ない由に活動の目的を阻害する方向へ行動をしてしまう。」

英玲奈「君たちを泳がす…そういう形で」

英玲奈「そうなってはツバサとあんじゅが頑張っているのに、私がそれを無駄にしたようなものではないか」


海未「そうですか…」

海未「…それが悪だと知っていても?」

英玲奈「ああ…何者にもなれなかった私だが、…それに気付いた私はお前を止めなければいけない。」

英玲奈「ツバサとあんじゅ、そして私の為にも…」

海未「…」

海未「…なるほど、お互い大切な仲間がいるようですね」

英玲奈「ああ」
26: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:22:15.23 ID:EGtx8mP7
海未「それ故に私達は戦う、ここで…」


海未はことりの為、英玲奈はツバサとあんじゅの為に…

二人は同時に刀を構え──────

チャリ…チャッ……

真っ白な空間に火花を散らすように睨み合う


英玲奈「…こい」

海未「では、お構いなく…」ザッ
27: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:22:36.14 ID:EGtx8mP7
最初に刀を抜いたのは海未。
大股で一本踏み出すと英玲奈の右肩に刀を降り下ろす。


────キンッッ


が、それはすぐさま弾かれた


海未「…でしょうねッ」


そこから海未は続けて刀を振り、英玲奈へ右左上斜下上…と5閃の連続した攻撃

ここらでダメージを与えておきたいと、海未は能力で強化された肉体にさらに力を込めて刀を振るい、5つの斬撃は一瞬のうちに行われる
しかし、


海未「なにっ!」


英玲奈は片手間のように刀を振るい、海未からの連続した刃をすべて受けきるッッッ!
それもまるで団扇を扇いでいるような軽快さで…


英玲奈「驚いているようだな」

海未「…ええ、少しばかり」

英玲奈「そうか」ガシャッ


言うと英玲奈は顔の横ほどまで刀を振り上げ、そこから体の反対側へ斜めに刃を降り下ろした
28: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:23:24.80 ID:EGtx8mP7
すると、その動作で刀の刃先の半分が縦についたラインに沿って外側にスライドし、

刀の刀身が倍に伸びると同時に


英玲奈「いくぞっ!」


英玲奈は一気に海未へ迫ると刀を振り抜く

刀が長いため、一撃目は海未の間合い外から横に一閃。
そして刀を往復させて二撃目。

そして海未は反撃できる、という訳ではないが連続の二撃を弾き返すことに成功!
鉄のぶつかる甲高い音が二つ響くと、海未のこめかみに冷や汗が流れる


海未「(間合い外から切られては、反撃も出来ない)」


次も間合い外からの攻撃が来るかと思い、
一思いと、海未は英玲奈の懐へ忍び込み、至近距離から腹への斬撃ッ!


──────ザンッ
29: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:23:37.99 ID:EGtx8mP7
英玲奈の刀は長く。おおよそ近距離では振り回しずらいように思えた。


海未(貰いましたよ…)

英玲奈「…」ジャキッ


瞬間、英玲奈の刀がスライドし元の長さに戻ると、すぐさま海未の刀を弾き返す


海未(なにっ…)


弾かれた海未はすぐさま縦に打ち返し、英玲奈は流れるように横一文字に切り裂く。

弾かれた分、英玲奈の刀よりもスピードが劣ったていた海未。つまり…英玲奈には斬撃は当たらず
30: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:24:07.73 ID:EGtx8mP7
英玲奈「当たりだ…」


だが、英玲奈の斬撃は海未の腹を切り裂くようなコースを描いている


海未「まだっ…」パシ


海未は英玲奈の刀へ左手を差し出し…辛うじて致命傷は避ける


海未「…っ」


腹に斬撃が直撃する事を避けるためにとっさに犠牲にした左の手から、じわりと血がにじみ出る。

海未(くぅ…)

英玲奈「ほう…」

海未(左手は使えない…ならば、それを生かすのみ)
31: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:24:45.66 ID:EGtx8mP7
英玲奈「ここで死ね…」


そこへ間髪いれずに英玲奈は海未を縦斬る
そんな刃を白羽取りのように海未は左手一本で受け止め、英玲奈の刀を掴んだ

左手の痛みをこらえながら、これで英玲奈は対処はできまいと、右手に持っていた刀を


─────────ズズッッッ!


瞬時に突き出す!!!

しかし、
英玲奈は捕まれた刀を持ちながらも、
刺し出された刃の鎬(横の平べったい部分)に左肘を打ち当て、刀を外側に受け流し回避!
海未は、これは不味いと瞬時に英玲奈に前蹴りをかます。


英玲奈「…」パシ


その隙に英玲奈は刀を回収

蹴りを当てる事はかなわなかったが、海未は距離を離す事に成功ッ
32: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:25:38.23 ID:EGtx8mP7
海未(どういう事ですかっ…一度も攻撃が当たった所を見たことがありません。あの状況からの突きをかわすなんて……)

英玲奈「そろそろ終わりにさせてもらおうか…」

海未「…クッ」ジリ…


手に嵌めていた黒いグローブと共に血だらけになった左手をぶら下げ、海未は右手に刀を持つ。…両手で持っていた場合と比べて力は半分。

普通に振るうことは出来るが、海未が両手だった場合と比べ今の英玲奈が刀を受けるに必要とする時間はかなり短くなっているだろう


海未「…ゴク」


海未の血液で濡れた黒いグローブから血が一滴、落ちる…


英玲奈「私も…ツバサの援護に行かなければならないのでな、……はっ!」


海未にワンステップで迫ると刀は通常の長さのまま、右肩へ切りかかり、

海未は英玲奈の斬撃を右手に持つ刀のみで弾いていく!
33: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:26:07.24 ID:EGtx8mP7
英玲奈から海未へ、あらゆる方向から斬撃が連続して繰り出されていき、

海未は目にも止まらぬ連撃を片手の刀一本で弾いては、流し、時には受け止めていく。

両者の間では刀が急速にうごめき、数多の金属音が響いていく、
刃の軌跡が残像となり、緩やかに曲がった白い閃が幾つも産まれては消えていく。


海未(ここで負ける訳には…)


もう何回刀がぶつかり合っただろうか、
そんな時、英玲奈の巻き上げにより海未の手から刀が離れ、


宙を高く舞う


英玲奈「私相手に、ここまでやるとはな…」

刀は回転しながら照明のライトを反射し、空中で瞬く

海未「…」


英玲奈と海未は向かい合う


だが海未は刀を持っていないにも関わらず、まだ構えを解いてはいなかった


海未「…」ス…
34: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:28:21.83 ID:EGtx8mP7
海未の手から離れた刀はまだ宙空に…、


カラ…カラ…


英玲奈「…ん?」ピク…


床に落ちてはおらず、銀色の刃は英玲奈と海未のちょうど中央で刹那、キラリと輝くッッッ


海未「ここですっ!」ギラッ

英玲奈「そうはさせんぞッッッ!」


それを確認した海未は超筋力でジャンプし、英玲奈に届くよりも早く刀を手に納める

そして空中から油断している英玲奈へ、頭から刀を一思いに降り下ろす!!


────────ジャキィンッ!!!


だが、この場面は先程の状況と類似

予想した英玲奈は空中からの刀を頭上で受け、空中の海未と正面でにらみ合う。

刀と刀が力強くぶつかり、鉄と鉄のぶつかる甲高い音を響かせるッッッッッッ

英玲奈の力と、落下してくる海未の片腕の力はほぼ互角、一瞬のようにも見えた押し合いは引き分け!!
35: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:28:51.72 ID:EGtx8mP7
両者とも吹き飛ばされるが、空中から飛ばされた海未は地面に落ちる形となるが

それでも、能力の効果により綺麗に着地することができた海未ッ
チャンスと、


海未「ハァッッッ」


転んでいた状態から立ち上がろうとしていた英玲奈へ─────


─────シュッ


刀を瞬時に振り抜き、
英玲奈も海未を切り返さんとばかりに刀を振り抜くッッッ

二人は太極図の如く、
互いに回転するように移動し、

海未は英玲奈の胸を横に一閃!英玲奈は海未の背に刃を!!


──────ザグッ


海未「…ぅグ」

海未「……カハッ…」タラ…

英玲奈「…残念だったな」


が、海未の刀はかすりもせず、英玲奈の刃だけが海未の腹を背後から深々と貫いていた…
36: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:29:22.26 ID:EGtx8mP7
英玲奈「…」ズブ


腹から突き出た英玲奈の刃は、刀身を海未の血で真っ赤に染めていく。英玲奈はピタリと海未の背に立ち、貫いたまま刃を持ち続ける。

海未「……カハッ…」

英玲奈「…私には当たらない」

英玲奈「…」ズズ…

海未「……いや、…」

海未「………当てました……よ」


海未の口から真っ赤な血がドロリと流れ落ちる


海未「…フ」

英玲奈「?……な…」

海未「……カハッ…」

英玲奈「これ…は………」


そして英玲奈の口からも血が流れ出ていた
37: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:35:36.71 ID:EGtx8mP7
英玲奈「まさ、か…これを狙って……」タラ…

海未「……あなたもここで私と…穂乃果を待っていただきますよ……カハッ…」

英玲奈「…そう、か」


海未は自分の体ごと、英玲奈を刀で貫いたのだ

ふと目線を下ろすと、自分とは別の刀が海未の体から突き出ており英玲奈の体を貫いているのが見えた


英玲奈「なる…ホど、…な……」


背後にたっていた英玲奈の支えがなくなり、真っ白い床に広がっていた赤い血溜まりにビチャリと二人同時で真横に倒れ込む。

倒れても互いの腹に突き刺さったままの刀からは未だに血が流れ出おり、二人を取り囲む液体の赤は白い地面を侵食していく。


海未(…穂乃果、あとは貴女に頼みましたよ)

海未は薄らぐ意識の中で、
固まりはじめネバついた血液に濡れた顔もそのままに、真っ赤な絨毯の真ん中で幼馴染みを思うと、意識を失った…
38: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:36:52.25 ID:EGtx8mP7
───────────


UTXの鉄で出来た非常階段を上へ上へと登っていく穂乃果、目的地はUTX屋上


穂乃果「はやくっ」カンカンカン

穂乃果「…」カンカン

ドオォッッ!!!ズズズズズ

穂乃果「何っ?、今の音…」
39: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:37:06.32 ID:EGtx8mP7
穂乃果「(上から聞こえて来たけど…とりあえず行けば分かるよね)」

穂乃果「…あと、3階上がれば屋上に出れるっ」




穂乃果が登っていた非常階段はUTX校舎の外側に位置しており、そこから屋上に出た場所は屋上のやや端。


穂乃果「え……なに、これ」
40: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:39:31.24 ID:EGtx8mP7
第24話「大切なもの」



穂乃果自身は、そこには普通にUTXの屋上施設があると思っていたが実際にはそんなものはなくなっていた。

元々噴水があったらしい部分を中心にして、屋上は超巨大な球で押し潰されたように崩壊していたのだ
屋上だったものの瓦礫の中には所々緑色の芝生と土が混じって見え、そこに少し水が漏れ出ているのも確認できた


穂乃果「ことりちゃんはっ!?」


ことりを探そうと少し回りを見渡すと、辛うじて崩壊せず、半分ほど残っているヘリ発着場にヘリコプターが停まっているのが見えた


穂乃果「あそこにいるのかな…」


ザクザクと瓦礫を踏み越え、歩を進める
そこで穂乃果には1つの人影が見えた…ヘリコプターの中に入り、何か機械を操作している影を

ツバサ「一回分、……かしら…」

穂乃果「ん、あれは…ツバサさん?」

穂乃果の声に反応したのか、ツバサはちょうど振り替える


ツバサ「穂乃果さん?…」


ことりの入っている装置の顔近くに設置してあるボタンを、ツバサは後ろ手に押した
41: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:39:57.27 ID:EGtx8mP7
すると装置が唸り始め、ことりの血液が急速な勢いで循環していく。
それと同時にツバサの焼けただれていた部分も元の姿に戻っていく

ツバサ「なるほど…」ジュワワワ

左腕を確認するように、ツバサは目の前で腕を動かすと穂乃果を見る


ツバサ「来たわね…」


ツバサ「…ことりさんは渡さないわよ?」

穂乃果「やっぱり………。…話が早くて助かるよ、ことりちゃんは返してもらうからね…」

ツバサ「やれるものならね」

穂乃果「絶対にやってみせる…」

ツバサ「来なさい…」

穂乃果「っ…ファイトだよッッッ!!!!!」ダッ




真ん中に半球状に穴の開いたUTXの屋上。

屋上では強風が吹き続け、砕けた窪みの中心で睨み合う穂乃果とツバサの髪をハラハラと風が無造作に撫でていく。
42: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:40:46.69 ID:EGtx8mP7
完全に空は暗くなり、下界と隔離され光が遮断された瓦礫の地面を、夜空の月明かりのみがうっすらと照らし出す。

淡い白の光が地面の瓦礫に合わせて小さな影を作り、その凹凸を踏み越えて穂乃果はツバサへ向かっていく。


穂乃果「…」ダッ


走りながら、まず小手調べと手を前に出し、衝撃波を射出


ツバサ「…」バッ


それに対してツバサも白柱を生成し、飛ばす!
43: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:41:14.37 ID:EGtx8mP7
ツバサは狙っていたのだろう、生成物は衝撃波に見事当たり、衝撃波は空気に溶けるようにして消滅。
白い生成物もその場にゴトンと落ち、すぐさま無くなる。

その間に走り寄っていた穂乃果はツバサの目前で衝撃波を放ち、続けて回し蹴る

ツバサはシールドを生成して衝撃波を防御、
すぐさま消滅させると、さっと一歩後ろに下がって穂乃果の蹴りを回避。

そしてその真上に白い物体を生成!

穂乃果を押し潰そうと真上から迫るのは白柱!!


穂乃果「(前にっ!)」ドン


頭上の影に気づいた穂乃果はすぐさま両手を前に出し、大きな衝撃波を放つッ!
44: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:41:59.72 ID:EGtx8mP7
それは回避行動と共に攻撃も兼ねており、衝撃波を放つ反動により後ろへ瞬時に移動!そしてその衝撃波はツバサヘ!!

穂乃果が落下物を回避し、白柱が瓦礫の地面に派手に突き刺さると、灰色の砂ぼこりを上げる


そんな砂ぼこりを巻き込んだ衝撃波をツバサはシールドを生成し、斜めに受け流すと衝撃波は形を崩し後ろへ流れていく

そしてツバサは今使ったシールドをそのまま穂乃果に飛ばす!

穂乃果は二つの衝撃波でシールドを迎え撃つが、その勢いを殺し切ることはできなかった
衝撃波が接したのは面(□)ではなく、線(一)だったためである


ツバサ(もらったわ…)

穂乃果(まだだよっ!)タッ


飛来する板はすぐ側まで迫ってきており、瞬時に地面に転がると真上に生成物を眺め、
横になった状態からツバサヘ衝撃波を放つ!


───────ズドォッ


砂ぼこりの中から放たれたそれをツバサはシールドで防ぐと、

今度は穂乃果の上に白柱を生成させると同時にツバサも一歩踏み出し、右に出した手の先に白棒を生成させるとブンと穂乃果を凪ぐ!
45: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:42:17.03 ID:EGtx8mP7
落下物の方が僅かに早く、穂乃果は衝撃波を使い反動で避ける…が、感じたのは浮遊感

穂乃果の足元が崩れたのだ


穂乃果「…!?」


崩壊した地面にツバサの白柱が突き刺さり、動大きく動かされた瓦礫は下に未だ残っていた空間へ流れ込む


ドサッ…

穂乃果「いつつ…」
46: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:43:01.20 ID:EGtx8mP7
感覚で3階ほど落ちた穂乃果は、クッションにもなった瓦礫の上で回りを見渡す

穂乃果が落ちた場所は職員室のようであった。

何処かが壊れている様子はなく、至って普通の状態を維持していた。

穂乃果の座っている瓦礫と、その真上に開いた夜空の星までも見通せる大穴以外は。


ツバサ「貴方たちはどれだけ私の学校を壊せば気が済むのかしら…」


すると、少し離れた天井にガラ…と穴が開きツバサが降りてくる
47: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:43:33.94 ID:EGtx8mP7
穂乃果「どう考えたってツバサさんのせいでしょ…」

ツバサ「…そうかしら?」


真っ暗な職員室で睨み合うツバサと穂乃果。

職員室の壁はUTXらしく全面ガラス張りで、窓の下には幾つかの明かりが漏れて見える

夜空を映す大きなガラスを背にする穂乃果へ、ツバサは言う


ツバサ「ことりさんは自分から留学するって言ったのよ?」

穂乃果「ことりちゃんは本当はそんな事望んでないっ」

ツバサ「だから?、留学するって言ったから留学させるだけの話よ」

穂乃果「ツバサさんはなんでこんな事するんですかっ!ことりちゃんの気持ちも本当はわかりますよね?」
48: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:44:15.93 ID:EGtx8mP7
ツバサ「…私は私のやるべき事をやるだけよ」

穂乃果「ことりちゃんを連れていく事が?」

ツバサ「…それで終わるのならなんでもやるわ、……だから貴方も諦めなさい」

穂乃果「あなたが何の為にことりちゃんを連れ去るのか、分からない。…でも穂乃果はことりちゃんを連れ戻す為にここに来た」

穂乃果「穂乃果の目的はそれだけ、ツバサさん。貴方は?」

ツバサ「ラブライブを、守るためよ…」


するとツバサは穂乃果へ向けて白柱を飛ばすッ

穂乃果が横に避けると飛来物は後ろの窓ガラスを突き破り、外へ消えていった

そしてツバサに向き直ると、間髪いれずに連続して白柱が飛んでくるッ!
49: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:44:43.75 ID:EGtx8mP7
穂乃果は窓際を走るように避け、その横から連続して飛来するのはツバサの白柱。


穂乃果「これはマズイね…」


駆け逃げるが白柱が収まる様子はなく、

数コンマ前に穂乃果がいた場所を白柱は貫いていき、外した先にある窓ガラスを破壊しては空に消えて硝子が割れる音だけを残していく


穂乃果(止まったらやられるッッッ)


ツバサの白柱が背後を通り抜けていくのを感じながら、職員室のガラス壁を横目に全力失踪で走る


ツバサ「なかなかすばしっこいわね…」


穂乃果の後ろに張られていた壁ガラスは全て割れ、外からの風を強く吸い込み、
その走った跡は微かな光を反射する割れるガラスで彩られていた

パリン、パリン、パリンと背後でガラスの割れる音を聞きながら穂乃果は走り続けていた…が、そんなに長く走り続けられる訳がない


穂乃果「…」タッタッ


ここは建物の中、職員室と言っても広さというものがある。
50: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:45:11.14 ID:EGtx8mP7
穂乃果(行き止まりじゃんっ!)


穂乃果は職員室という部屋の角を、揺れる視界の正面に見つける


ツバサ「追い詰めたわよ」


すぐ背後からはツバサの白柱が飛んできており、一瞬でも走るスピードを緩めたり、止まったら打ち跳ばされてガラスと一緒に奈落のそこへ落ちるだろう


穂乃果「…っく」ドォンッ!


ならば、と穂乃果は走りつつ衝撃波を正面に放ち目の前にあるガラス壁を破壊!

ガラスが弾け飛ぶと前方から風が吹き出し、その奥に建設途中の黒く高いビルが見える。


穂乃果「よしっ!」
これで進むべき道は出来た

穂乃果「…はっ!」ダッ

走る勢いのままジャンプし、空中に身を投げ出す!!

穂乃果「…」フワッ

ツバサ「…まさかっ」


衝撃波を下に放ち、滞空時間を伸ばすとUTXの隣にあるビルへ!


穂乃果「…」ブワァッ


穂乃果は空中を山なりに飛び、数メートルほど落ちたところでガラスを突き破るとその中に転がり込む


穂乃果「いたた…」ゴロゴロ


床を転がるようにこのビルへ侵入したため、突っ込んだ時の小さいガラスの破片が幾つか突き刺さっていた
51: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:45:49.71 ID:EGtx8mP7
穂乃果は一思いにガラスを抜くと、ビルの窓から顔をつきだしUTXの上部を見上げる


ツバサ「そこねっ!」


見上げた時、こちらを見下ろしていたツバサと運悪く目が合ってしまい、場所を特定される。


穂乃果(…これは移動した方が良いね)


とっさに穂乃果は足先をビルの内側へ向けるが
52: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:46:28.89 ID:EGtx8mP7
瞬間、穂乃果の転がり込んだ場所に白柱が突き刺ささり、それを滑り台のようにしてツバサが現れ
滑るのに利用した白柱は瞬時に消える


穂乃果「結構しつこいんだねっ!」


ツバサに衝撃波を時間差で二つ放ち、続けて穂乃果は後ろ回し蹴り

時間差で来た衝撃波を両方シールドで受け止め、そこから続かれた蹴りをツバサは外側に受け流す


ツバサ「…あなたにはこっちの方が良いみたいね」シュッ


そう言うとツバサの両手の先には、長く鋭い白色の剣心のみが青みを帯びて現れる
53: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:46:46.36 ID:EGtx8mP7
穂乃果「…」ジリ

ツバサ「いくわよっ!」


ツバサが右手を穂乃果に横へ振るうと、それに合わせて白い剣心も横に振るわれる

穂乃果は後ろに下がって躱すと、そこから衝撃波を利用したジャンプ!
上空からツバサに蹴りかかり、それと同時に右手から衝撃波も放つ

ツバサは剣心を消すとすぐさまシールドを生成、衝撃波をブロックしたあと白柱を凪いで空中にいる穂乃果を思いっきり横に打つ!

直前、
穂乃果は左手から衝撃波を放ち、中空でフワリと白柱を回避!!


穂乃果「ここだっ!」

ツバサ「…うぐっ」ゴンッ


頭を横に蹴飛ばし、穂乃果はツバサを床に転がす!


ツバサ「…ッく」クラ…


穂乃果は着地した後に続けて後ろ蹴りを振り抜く…

が、ツバサの白柱が真横に迫っていたので回避し、中断ッ──
54: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:47:30.32 ID:EGtx8mP7
穂乃果のストップモーション中にツバサは両手の先に剣心を再度生成すると、
すぐさま穂乃果へ切りかかる!


ツバサ「ハアァッ!!」


ツバサは右手の剣を振り抜いた後に左手、と連続して左右に切りつけるッッ

穂乃果はその両方を連続して後ろに下がって避け、衝撃波を両手から4つ放つとその後ろを追従するように駆ける!


穂乃果「…」ダッ


ツバサは剣心を消滅させるとシールドを生成し、衝撃波を全て受けきるが、続いで来るのは穂乃果の蹴り


─────────ブンッ


それもシールドで受けるが衝撃波を利用した蹴りの衝撃波は殺し切れず、ツバサはザザ…と足を後ろに滑らす


ツバサ「…チッ」

穂乃果(…ここで押しきる!)


穂乃果は着地すると、瞬時にツバサヘ衝撃波を連続して放つ!

────ドドドドドドドド!!!

円錐形の歪みが幾つも現れては、その先端をツバサに向け超スピードで飛んでいく
55: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:48:10.30 ID:EGtx8mP7
ツバサは幾つもの衝撃波を、シールドに両手を添えて受けていく。
空間を圧迫するような音と共に発射されるそれは、相当な威力とスピードを持って襲いかかり、ツバサはそれを全て受け止めていた…

だが、体力的にもこれ以上受け切れそうにもない

ツバサがちょうどそんな事を思っていた時、穂乃果からの衝撃波も偶然に止む


ツバサ(なるほど…)


そう、穂乃果も連続した衝撃波の射出により体力を大幅に消耗していたのだ…

ツバサは穂乃果を一瞬、覗き見る────


穂乃果「…」
バチッ
ツバサ「…」


一瞬だけ…そんな両者の目が合い、相手の思惑を同時に理解する。


穂乃果「…」ダッ

ツバサ「…」ダッ


ならばと両者は互いに走り寄る!!

建設途中のビルの廊下に1つしかない小さな照明の下、穂乃果とツバサの距離が急速に縮んでいく…

穂乃果は右手を相手に振り抜き、向かいのツバサも同じように右手を振り抜く!

そして両者が交錯した瞬間、


穂乃果「うあぁっ!!!」ドンッ

ツバサ「があぁッ!!!!」ドンッ


ツバサと穂乃果、両者は爆発したように吹き飛んでいく!!!

ツバサと穂乃果は後ろへ、互いに猛烈な勢いで吹き飛ぶ

両者は空中を浮遊した後

ツバサはコンクリートで出来た打ちっぱなしの上を転がっていき
穂乃果も同じようにコンクリートの上を転がっていく…
56: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:48:54.13 ID:EGtx8mP7

ツバサの背後はビルの内側に面していたのに対して、穂乃果の後ろは外へと続いている

穂乃果が転がっていくコンクリートの床は途中で途切れ、その先は奈落…

穂乃果は意識が朦朧としたまま転がっていき、フワリと空中へ投げ出された


穂乃果「…」パシッ…


が、間一髪でビルの縁を掴み落下を免れる
57: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:49:14.63 ID:EGtx8mP7
穂乃果「…うぅ」プラーン

強風に吹かされながら、ビルの側面と鼻先で向かい合う穂乃果。

穂乃果「…ふっ」ググ…

穂乃果「…」…グ…グ……

穂乃果「…あぁっ……」プラー…


上へ這い上がろうとはするが、もうそんな力は残っていない
58: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:50:02.96 ID:EGtx8mP7
そして、そんな穂乃果に迫ってきていたのはツバサ


ツバサ「…勝負は決まったみたいね……」


ツバサはガラスの割れたビルの縁に掴まっている穂乃果を見下ろす

穂乃果「…くっ」
そんなツバサに穂乃果は睨み返すが、

ツバサ「…私もやることがあるのよ」


掲げた右手に白柱を生成すると、穂乃果の真上に移動させる


穂乃果「…ことりちゃんをっ!!」

ツバサ「諦めなさい」

穂乃果「やだよっ」

ツバサ「そう…」

穂乃果「ことりちゃんを返してっ!!」

ツバサ「………じゃあね」

穂乃果「ダメっ!」


刹那、
穂乃果の言葉もむなしく、白柱は強大な重力を伴いツバサの手から落ちた……



──────────────
59: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:50:22.32 ID:EGtx8mP7
西木野総合病院の一室。
すっかり日の落ちた部屋ではベッドで横になっている少女と、やさし気な雰囲気を纏った少女がいた


凛「そうなんだ、」

花陽「…それでね」

凛「ねぇ、かよちん」

花陽「なに?」

凛「…凛に気使わなくていいよ、」

花陽「え?、…凛ちゃんどういうこと?」

凛「そのままの意味だにゃ、かよちん本当は行きたいんでしょ?」

花陽「…どこに?」
60: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:50:55.29 ID:EGtx8mP7
凛「皆のところに。一緒に、ことりちゃんを助けに行きたかったんだよね」

凛「凛が怪我して、心配だからこうして話してくれてるの分かるよ。すっごく嬉しい」

花陽「それなら良かったけど」

凛「…でも凛にはね、かよちんが行きたいけどさっきから我慢してるのも分かるにゃ」

凛「海未ちゃんと穂乃果ちゃんが行った時、そっちの方向見てすごく着いて行きたそうにしてたもん」

花陽「あっ…」

凛「…やっぱり?」

花陽「…///」

凛「だからさ、凛は一人でも大丈夫!」

花陽「凛ちゃん…」

凛「かよちんっ」
61: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:51:06.77 ID:EGtx8mP7
花陽「…本当に、いいの?」

凛「うんっ!…」

凛「…かよちんが皆を助けてきてあげて!」

花陽「凛ちゃんっ!」ギュッ

凛「かよちんっ!」ギュッ

花陽「…じゃあ、行ってくるね」

凛「気を付けてね、かよちんっ」

花陽「うんっ!」ダッ


花陽は凛に別れの挨拶を告げると、病室から飛び出し、暗い病院の廊下を走らないように早歩きでUTXに向かった


──────────────
62: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:51:33.38 ID:EGtx8mP7
無残にも崩壊したUTXの屋上、そこにはヘリコプターのバサバサというローター音が響き渡っていた。

ヘリコプター内でローター音に負けないように割と大きめな声を出しツバサはパイロットへ問いかける。


ツバサ「もう用意は出来てるの?」

「はい、もう行けます」

ツバサ「…じゃあ早く行っちゃいましょう」

「了解しました」


穂乃果らの抵抗もむなしく、ことりを乗せたヘリコプターはUTX屋上から夜空へ飛び立つ。そんなヘリコプター内にはパイロットとツバサ、そして装置に入ったことり。
63: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:51:55.14 ID:EGtx8mP7
ツバサ「…これで一段落ね」

「…とりあえずあそこに向かっておりますが、よろしいでしょうか」バタバタバタバタバタバタバタ…

ツバサ「問題ないわ」

「分かりました」

ツバサ「…」

ツバサ「……この子、どこに連れて行くの」

「さて、私らにも知らされていないもので」

ツバサ「そう…」

「はい、…なにか?」

ツバサ「なにもないわ、運転よろしく。…私は景色でも眺めながら寝てるわ」

「了解しました」
64: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:52:55.17 ID:EGtx8mP7
ツバサ(これでやっと、開放されるのね)
ツバサはヘリコプターの窓から、下に輝く秋葉原の町を見ながらひとりごちる

ツバサ(…英玲奈とあんじゅは大丈夫かしら、まぁあの二人なら無事な気はするけど…)

ツバサ(あとは、このまま目的地に着くだけね…)

「…あの、すみません」

ツバサ「どうかしたの?」

「いえ、あちらを見ていただいてよろしいでしょうか」

ツバサ「何?」グイ…


ツバサが目を向けたのはUTXの近くに建設中の高層ビル、完成すればUTXの高さも大きく越えるだろう一番高い部分に赤色の航空障害灯が点滅していた。


ツバサ「あれはっ」


そしてツバサは鉄骨がむき出しになっている建築途中のビルの、吹きさらしになっている屋上に立つ人影を見つけた。


ツバサ「早く高度上げてっ」

「えっ?」

ツバサ「早くっ!」
65: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:53:21.09 ID:EGtx8mP7
まだ上がりきっていないヘリコプターの窓から、すぐ横に立っている建設中のビルをみるとそこには穂乃果の姿があった

ツバサ「まだ生きてたのね…」

ツバサがふと見ると、
穂乃果は助走をつけるのか屋上で数歩後ろに下がっていた

ツバサ「これは…」
66: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:55:39.92 ID:EGtx8mP7
第25話「トゥー バード」



穂乃果「…ツバサさんはツメが甘いよ」


白柱を穂乃果の真上に生成し、それを落下させトドメとしたのはツバサの持っていた自らへの自負。それに産み出されたチャンスを活かし…


穂乃果「あのヘリコプターだよねっ」


建設途中のビルの、風吹く屋上に立つ穂乃果。
その目線の先には先程UTX屋上から飛び立ったばかりのヘリコプターが見え、

それはだんだんと高度を上げながら斜め前方に飛行していく


穂乃果「…これならヘリコプターに届く」
67: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:55:59.11 ID:EGtx8mP7
穂乃果の立つビルの屋上に下からだんだんと近づいて来ているのが、ローター音で彼女には分かった


穂乃果「…(大丈夫、穂乃果ならやれる)」ゴク…


そして、ここで急速にヘリコプターの上昇スピードが上がっている事にも


穂乃果「(逃がさないよっ)…」

──────バラバラバラバラ…

穂乃果「………今だっ!」
助走をつけ、一気に走り出す

ビルの柵のない縁が、走る穂乃果へ猛烈な勢いで迫ってくる


穂乃果「…はぁッ!」ダンッ


そして、衝撃波を下に放つと同時にジャンプ!!!!!


穂乃果「…うわぁっ!」フワッ


舞ったのは夜空

穂乃果の遥か下方には
秋葉原のビル群の灯す光
夜の町に幾つも煌めき、その合間を縫う車もカラフルな蛍のよう

そんな光景を眼科にちらつかせた穂乃果の視界の正面には上昇するヘリコプターが!


穂乃果「(もうちょっと!)」


ここでもう一度衝撃波を最大のパワーで射出!
穂乃果の体が空中で浮き上がり、ヘリコプターのランディングスキッド(ヘリコプターの足)へ接近!!!
68: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:56:24.39 ID:EGtx8mP7
そして、

穂乃果「…よしっ!!」ガシッ


ランディングスキッドを両手で掴むことに成功、第一段階はクリア!
次の段階は中に入ってことりを助ければいい


穂乃果「…フゥー……いくよっ!」


ヘリコプターに揺られ、ぶら下がりながら息を吐き出すと、
穂乃果は下を見ないようにしながら、風に吹かれながらもヘリコプターの側面を昇っていく


穂乃果「…」グイッ
69: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:56:53.91 ID:EGtx8mP7
穂乃果「ここに足もかけて…」ヨジッ

─────ブワァッ

穂乃果「うわっ!…」プラー
突風に煽られ、片手を放してしまう

が、すぐさま体勢を元に戻す

穂乃果「あぶなっ!」ドキドキ…

穂乃果「…」グッ

穂乃果「…」グイッ

穂乃果「…ここまで来たね」


ヘリコプターのドアの真横につき、服をバサバサとたなびかせながら穂乃果は一旦停止をする
70: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:57:20.98 ID:EGtx8mP7
穂乃果「…ふぅ、……あとはこの窓を破壊して、中に…」

という所で

ツバサ「しつこいわね…」バンッ

ドアについたガラスを破壊する前にそのドアが開く、

穂乃果「ツバサさんッ!」

穂乃果がツバサを見ると、その手の平はこちらを向いていた

ツバサ「落ちなさい」
71: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:57:34.70 ID:EGtx8mP7
穂乃果「(まずいよっ!)」ダンッ


物体をこちらに発射される前に、穂乃果はヘリコプターに飛び込む!

ツバサを勢いで押し退け、ヘリコプターの機内に飛び込むと、ことりの入っている装置がパイロット席の後ろに乗っているのを見付ける。

しかし、ツバサからの右拳が迫ってきており、そちらに対応するのが先だ

精密なヘリコプター機内で互いに能力を使う事は出来ない
穂乃果は左手で受け止めると、その拳をつかんだままツバサへ右フック!

ツバサはそれを腕の側面で受けると、内側から左ストレートを穂乃果へ振り抜く


穂乃果「…ぅくっ」


そして穂乃果は自らが出した腕を戻すも間に合わず、ストレートを諸に食らい呻き声をあげる。
72: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:58:21.44 ID:EGtx8mP7
続けてツバサが込心の右フックを見舞い、
相手の体勢が大きく崩れた所で、揺れる床に穂乃果を押さえつける。


穂乃果「…っ」ダンッ

ツバサ「諦めなさい、」ググ

穂乃果「くそっ!」ジタバタ…

ツバサ「…」ググ

穂乃果「…放せぇっ」ドォンッ


押さえつけられていた穂乃果は右手と左手からところ構わず、衝撃波を放つ!


ツバサ「穂乃果さんッ……っ!」


右手から発された衝撃波はツバサの肩をかすめ、ヘリコプターの空いていた片方のドアから出ていく。
そして左の手から放たれた衝撃波は運転席へと向かう!


ツバサ「……ッ…あっ」


衝撃波がツバサにかすり、力の抜けた間に穂乃果は拘束から抜け出す!

刹那、
ヘリコプターが大きく揺れた!!

穂乃果「…!」グラ…

ツバサ「…っく」グラ…


ヘリコプターから振り落とされないように、必死で機体に掴まり、揺れに耐える
73: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:58:48.58 ID:EGtx8mP7
ツバサ「…くそっ!」

ツバサ「パイロット!起きなさい!」


ヘリコプターのパイロットに衝撃波が当たり意識を失ったのだ。
コントロールは失われ、ヘリコプターはランダムに曲がりながら除々に高度を落としていく


ツバサ「起きてッ!」

「……はっ…今なにか…」
74: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:59:26.83 ID:EGtx8mP7
ツバサ「いいから、操縦してっ」

「分かりましたっ」


ヘリコプターの揺れに必死で耐えていた二人は、足場のバランスが戻ると、すぐさまツバサが穂乃果へ前蹴りをする

穂乃果はそれを外側へ受け流すと、鳩尾に下突く!
蹴りの体勢が終わっていないツバサに穂乃果の拳はクリーンヒット!!

ツバサはヘリコプターの空け放たれたドア付近でふらつき、穂乃果はそこへ横蹴りをお見舞いしようとする…が、見切られ、逆に足を捕まれる


穂乃果「(しまったっ)」


足はツバサに捕まれ、右足の方から穂乃果は外へ投げ出されるッッッ!


ツバサ「…さよなら」
75: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 01:59:45.93 ID:EGtx8mP7
上空から外に投げ出されながらも、ヘリコプター機内になにかに捕まれないかと穂乃果は手で探るが何もない


穂乃果「…(そんなっ)」

増していく浮遊感…

ならば…

穂乃果「まだっ!」ガシッ


衝撃波を下に放ち落下を少しだけ遅らせると、穂乃果はツバサの手をがっしりと掴む!!!


ツバサ「…ッッ!?」

穂乃果「…さよならじゃないよっ!」


ツバサは穂乃果につれられヘリコプター機内から、あっけなく空中に連れ出され…落下。

穂乃果とツバサは共に下へ落ちていく……

そして落ちる先には元の場所へ戻っていくかのように先程のUTX屋上があった
76: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:00:12.61 ID:EGtx8mP7
そして落ち行く空中でも二人の間で行われる能力を使った格闘戦


穂乃果「(こうなったら衝撃波をヘリコプターに当てて)ことりちゃんを救うっ!」ドォンッ!

ツバサ「させないわよっ!」ドォッ


穂乃果とツバサの上下が逆転しながら、互いに能力を放っては躱していく。
互いの隙を見抜いては空中で拳を振り抜き、能力を発動させる。


そして
穂乃果「やった!」


穂乃果の放った衝撃波がヘリコプターに当たり、煙を上げてバランスを失ったように動めく


ツバサ「…やってくれたわねっッッ!!!」


両者は互いに回転するように、高速で落ちていく、
どちらを下にさせ、落下の衝撃を相手に与えるかの格闘が繰り返される

ツバサと穂乃果は中空で衝撃波や、白い物体を周りに撒き散らしながら落下


そして
────────ズドオオォォンッッ!!!!!

両者は地面に激突する!!!
77: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:00:36.08 ID:EGtx8mP7
UTX屋上の崩れた地面に猛烈な勢いで激突した二つの影
地に落ちた瞬間、瓦礫の粉塵が巻き上がり穂乃果とツバサの姿は消える

パラ…パラ……

宙にただよう砂埃が晴れ、

二つのシルエットが夜に栄える微かな白いLEDの光に照らされ、はっきりと輪郭をあらわす。

何者かが何者かの上に乗っている…

下に位置する者の周りを囲うように瓦礫が凹み、上に位置する者は馬乗りの体制から離れると、相手のそばに立つ


ツバサ「…なかなか、やってくれるわね」

穂乃果「そうかな……」

ツバサ「そこは評価してあげるわ、」

穂乃果「…かはっ……」

ツバサ「…死になさい、」


クッション代わりにもなった瓦礫に受け止められた穂乃果を見下ろしながら、ツバサは右手に円錐形の物体を生成する。


ツバサ「私の目の前で、しっかりと」

穂乃果「…っく」


穂乃果は瓦礫の上で体を起こそうとするが、痛みと身体の損傷で起き上がることは出来ない
78: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:01:28.66 ID:EGtx8mP7
ツバサ「…ヘリコプターも、もうダメみたいだしね」


そしてツバサのバックにヘリコプターが落ちてくるかと思うと、UTXの屋上に激突!!

────────ドゴオオオオオオォォンッッ!

派手に地面で爆発を起こす

ツバサの背後から墜落したヘリコプターの爆風と熱風が流れだし、仰向けになっている穂乃果の髪を凪いでいく


穂乃果「そん…な…………」

ツバサ「あなたのせいよ…」

穂乃果「…こと…り……」

ツバサ「今度こそ、……さよならね…」


青い輪郭を纏いながら手の平で回転する白い物体、急速な勢いでツバサの手から離れ──────

穂乃果は瞼をぎゅっと閉じる

瞬間、

それは穂乃果の胸を貫いた…

穂乃果「…ガハァッ」

ツバサ「今度はあなたが息絶えるまでしっかりと見ていてあげる」

瓦礫にまでも貫通したそれは役目を果たすと溶けるように消え、

穂乃果「…っ……」

穂乃果の胸に空いた穴からドクドクと血が流れ出し、液体の中に赤色を主張しては瓦礫の隙間に染み込んでいく…

ツバサ「…私の目の前で死んでもらうわ」

穂乃果「……っあァ…」



「「「「穂乃果ちゃんッッ!!!」」」」
79: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:01:42.90 ID:EGtx8mP7
そんな状況に突如、乱入した人物が一人


ツバサ「だれよっ」

花陽「そんな事させませんっ!!」


右手にどこから持ってきたのか割と大きめなナイフを片手に持ち、ツバサを見据える


穂乃果「…はな……よ…、ちゃ…」

花陽「大丈ですっ、そこで待っていてくださいっ」

穂乃果「……」ドクドク…

ツバサ「まためんどくさそうなのが来たわね…」

花陽「…穂乃果ちゃんも死なせませんし、ことりちゃんも救いますっ!!」

ツバサ「…いいわ、やってあげる」フフ
80: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:03:03.28 ID:EGtx8mP7
燃え上がるUTX屋上、その避炎地となった瓦礫のサークルの上でツバサと花陽が対峙する


花陽「あなたを倒しますっ!」

穂乃果「…だめ……だ…よ…」

花陽「花陽があなたをっ!!」

ツバサ「…ここで立っているから…、来なさい?」

花陽「…いきますっ!」ダッ


ツバサを見据え、一気に駆け出してからのナイフで右から左へ切りつける!

ツバサは棒状の物を生成すると受け止めようとするが、ナイフは物体をすり抜ける


ツバサ「何っ!?」


咄嗟に顔を左手で庇い、なんとかナイフの直撃を免れる
そして間髪いれずに花陽は往復するようにツバサヘ連続して切りつけるッ
81: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:03:17.82 ID:EGtx8mP7
能力で防御が出来ないツバサは花陽からの連続したナイフの切り付けを、足を背後に動かしながら下がって躱していく


花陽(これならっ)


が、刹那…
ツバサは一瞬の隙をつき、花陽のナイフを持っている腕をがっしりと掴む


ツバサ「…慣れない物は使うもんじゃないわ」ガシッ

花陽「…あっ」カラン


そして腕を捻るようにされると花陽の手からナイフはこぼれ落ち、地面に突き刺さる


ツバサ「はっ!」ドス


そして一瞬の動揺を見せた花陽に、ツバサは渾身の膝蹴り!
花陽の鳩尾に膝が入り込み、うっ…、と背を丸めその場にうずくまる
82: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:04:01.01 ID:EGtx8mP7
ツバサ「…悪くはないけど、実戦が足りないわね貴方は」

ツバサは上げた右手に剣心を生成し花陽の真上にあげると、一思いに降り下ろす

花陽「(今ッ)」


相手が能力に頼りきった攻撃をしたときが花陽のチャンス。痛みをこらえ、立ち上がってツバサの顔面に拳を振り抜く!!!

ツバサの能力で産み出した物体など、花陽の認識内であれば効くことはない。

花陽が右から出した拳が風を切り、ツバサの顔面に向かい!!、殴る!!!

花陽の右拳にツバサの顔面を強く殴る手応え、感触が伝わってきた……

のではなく、今の花陽にあるのは腹部の焼けるような痛みのみ


花陽「…え?」

ツバサ「そこまで私はバカじゃないわ」

花陽「そん…な…」

花陽の背筋を、ある種の寒さと痛みが走っていく…

ツバサ「能力が効かない位、さっき知ったわよ」
83: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:04:25.68 ID:EGtx8mP7
痛みに花陽は視線を下ろすと、腹に刺さっていたのはナイフ
先程、彼女自身がツバサとの対決の為に持ってきていたナイフだ…


花陽「あ…ぁ……」ガクッ

ツバサ「ありがとね、…」

花陽「…ぁ」ス…

花陽「……」


ナイフを腹に突き刺したまま花陽は横にドシャリ、と倒れた…

ツバサ「これでもう終わりね…」

穂乃果「は…な……よちゃ…ん」
84: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:05:11.81 ID:EGtx8mP7
ツバサ「…あなたたちのせいで私たちの計画はめちゃくちゃよ、」

穂乃果「でもっ…、それ…は……」

ツバサ「まぁ貴方達に悪い事をしたと思う事はあるわ、…でも私達の計画を邪魔した償いは受けて貰う」

花陽「」…

穂乃果「…あ…うぁ」ドク…

ツバサ「…」

穂乃果「みん…な…ごめ………ん」



自分の体の胸あたりからドクドクと血液が流れ出るのを感じながら、穂乃果はここまでやってきた事を思い出していた
85: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:05:29.82 ID:EGtx8mP7
穂乃果(皆、ごめんね…私ことりちゃん助けられなかった……。皆一生懸命戦ってくれたのにね……)

心臓の鼓動と共に血が流れだしては、じんわりと瓦礫の隙間に吸い込まれていく。

穂乃果(…ことりちゃん、助けてあげられなくてごめんね。)

意識は段々と朦朧になるのと同時に、
心臓の活動も緩やかになり、ドク……ドク…と脈打つ間隔が長くなる

穂乃果(穂乃果が最初に助けないとか言ってたせいで遅れたからこうなったのかも……なんてね)

胸の傷口の感覚はすでに薄らいできており、最後まで諦めずに指先を動かそうにも、もう動きそうにない。

穂乃果(…皆と会えて本当によかったよ、……ありがとう…,……)

今にも消えさる意識の中、……

穂乃果(じゃあね…)







──────ジュワワワワ

穂乃果(…………あれ…なに、これ……)

穂乃果(なんか胸が…熱いよ)
86: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:06:06.13 ID:EGtx8mP7
穂乃果(それに…腕が、動く…)
思わず胸に手を持ってくると、傷口の当たりをさわる。


穂乃果「え…?」

ツバサ「(起きた?)…!?……これはっ」

穂乃果「なにこれっ!?」


穂乃果の胸に開いた穴は、血液が沸騰するような感覚を覚えさせながらじわじわと小さくなっているのだ

ツバサ「そんな筈は…」バッ…

ツバサは思わずヘリコプターの墜落した地点を見る。


ツバサ「どういう事っ!?…機械ごと燃えてる筈なのに…それに、なぜ意識が」


そこには燃え盛るヘリコプターの残骸をバックに、南ことりが立っていた。

穂乃果「…ことりちゃん」

ことり「穂乃果ちゃんっ、ありがとう」

穂乃果「良かったよおぉ」

ことり「うんっ」

ツバサ「生きてたのね…、」

ことり「…そういう事だよ、ツバサさん」
87: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:06:24.65 ID:EGtx8mP7
穂乃果(すごい。…傷口が全部なくなってる)

ツバサ「もう一度、捕まりなさいっ!ことり!!」
ツバサはことりに両手の平を向け、物体を生成する


穂乃果「させないよっ!」


ツバサの背後から、完全回復した穂乃果が全力の衝撃波を放つ!!


──────ドォンッ…

ツバサ「…ぁ」


無防備な背中を撃たれたツバサは前方に吹っ飛び瓦礫に打ち付けられると、あっけなく気絶した


ツバサ「…」フラ…

ツバサ「」バタ
88: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:07:13.89 ID:EGtx8mP7
穂乃果「ことりちゃんっ!」ダッ

ことり「穂乃果ちゃんっ!」ダッ
ツバサを排除したことりと穂乃果は走り寄り、しっかりと互いを抱き締めた

穂乃果「ことりちゃんが戻ってきて、生きててよかったよっ」ギュ

ことり「ことりもっ穂乃果ちゃんともう一度会えて嬉しいっ」ギュ

花陽「…」ユラ…

花陽「?……あれ?…」

花陽「…キヅガナオッチャッタノォ?↑」

ことり「花陽ちゃんも起きたみたいだねっ、」

穂乃果「花陽ちゃんっ!」

花陽「良かったですっ!」ダキッ

穂乃果「はなよちゃん…」ナデナデ

ことり「…フフ」ヨシヨシ

花陽「うぅ~」ギュ
89: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:07:34.59 ID:EGtx8mP7
穂乃果「…本当によかった。……他の皆も迎えに行って、皆で帰ろう」

ことり「そうだねっ♪」

花陽「はいっ!」

穂乃果「うん、じゃあっ…帰ろっか」


一件落着…
A-RISEからことりを取り戻し夜空に月が高く上がった頃、3人は肩を並べ荒れ果てたUTX学院の屋上を後にする




直前、

「…どこに帰ると言うの?」

────────ドオンッ ドンッ

花陽「…ッぁ」ドサ

突如、爆発音が二つUTXの屋上に鳴り響き

穂乃果「何っ!?」


小さなうめき声がし、穂乃果がそちらを向くと花陽が苦悶の表情で地面に倒れていた


花陽「っくあ゛ぁ…」

ことり「花陽ちゃんっ!」


片足と右脇腹が吹き飛ばされており、そこから真っ赤な血が生々しく、ダクダクと瓦礫を背景に流れ出していた


花陽「ぁ…」

穂乃果「花陽ちゃんっ!」

「その子が意識外の能力には対処できないのは本当みたいね、」
90: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:08:21.36 ID:EGtx8mP7
穂乃果「誰っ!?」

「…言っても分からないわよ」

穂乃果「花陽ちゃんをっ!!」

「貴方たちがA-RISEから話を聞いた以上、ここから帰す訳にはいかないの…」

ことり「あの人はっ…」

穂乃果「知ってるのっ?」

「私の事、知ってる?」

ことり「結構前、病院に行った時に真姫ちゃんのパパの近くにいつもいた人…」

「なるほど、確かにそうね」
91: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:10:24.95 ID:EGtx8mP7
穂乃果「花陽ちゃんに何をしたのっ?」

花陽「…うぅっ」

「爆発させただけよ…」

ことり「ひどいっ…」

穂乃果「爆発って、前から言ってたあの人?」

花陽「…その人は…凛ちゃんが倒しましたっ。…この人は別人、ですっ……カハッ」

ことり「花陽ちゃんはそのまま寝ててっ、怪我が…」
92: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:11:02.85 ID:EGtx8mP7
穂乃果「なんでこんな事をっ!?」

「UTX、A-RISEと国の繋がりを今はまだ世間に知らせる訳にはいかないの…」

ことり「なんで貴方にそんな事が関係あるんですかっ」

「…あなたは事情を余り知らないみたいね」

穂乃果「……じゃあ、…」

「そうよ。私がA-RISEそしてスクールアイドルを貴方達にけしかけたのよ…」

穂乃果「…皆の気持ちを利用してたのは、貴方なんだねッッ……」ググ…

「…そして音ノ木坂学院を廃校においやったのも…………この、私。」

穂乃果「…ッッこのぉっ!」

ことり「穂乃果ちゃんっ抑えてっ!」グッ
93: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:11:15.11 ID:EGtx8mP7
「…本当はことりさんさえ貰えれば良かったんだけどね、上手くいかなかったみたい」

穂乃果「…そうだよッッ!!」
穂乃果「うまく行くわけないっ、穂乃果達が止めたんだからッッッ」

「…ええ、だからこそ貴方達にはここで消えてもらうわ。ことりさんを残してね」

穂乃果「…ことりちゃんは渡さないし…ここで私達を消しても、他にもこの事を知ってる人はいるからねっ」
94: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:11:56.27 ID:EGtx8mP7
「……たとえば、音ノ木坂学院の生徒会長さんのこと?」

穂乃果「…っそうだよ!」

「そう?なら心配ないわ。場所の調べはついてるし、貴方の他の仲間もそう」

穂乃果「…そんな」

「死ぬ順番は変わるにしろ、全員なにも喋れないようにしてやるわ」
「…その中でも貴方達を一番最初に殺しあげる……。そうね、ここの次は絢瀬さんの所に行こうかしら」

穂乃果「皆の所には絶対、行かせないし絶対に皆を殺させない…」

「私を止めるなんて事、貴方達に出来るの?」

ことり「今度はことりが皆の為にっ…ここで貴方を止めますっ!!」

「私の能力を知っていて言ってるのかしら…」

穂乃果「知らなくてもお前を倒すんだよッッッ!!!」

「いいじゃないッッッ…」

ことり「行きますッッ!」

女医「………やれるものならねぇっ!!!」
──────オオオオオオオォォォ…

その女医は夜闇に映える炎を背後に、圧倒的なオーラを放ちながら血に濡れた白衣をたなびかせた…
95: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:12:59.76 ID:EGtx8mP7
第26話「μ’s ミュージックスタート!」



爆発したヘリコプターからいつのまにか燃え広がった火は十分其処らに燃え移り、猛烈な熱量で建物を焦がしていた

夜空にパチパチと炎が巻き上げられ、UTX屋上を赤く照らしているのは揺らめく炎
炎上する屋上を背景に ことりと穂乃果は白衣を着た謎の女医と睨みあう


ことり「いくよっ穂乃果ちゃんっ!」

穂乃果「…ファイトだよっ!!」


ことりと穂乃果は同時にスタートダッシュ!

ことりは先程花陽からもらったナイフを手に、穂乃果は自らの衝撃波を手に、女へ襲いかかる!!


女医「来なさいっ!!」


女は片手を前に出すと、走っている穂乃果の足元を爆破!その後ことりに迫ると、白衣の腰に差していた短剣を引き抜く!!

穂乃果の足元に赤色の点が現れたかと思うと、一瞬で爆発、衝撃波を射出し辛うじて避ける!

ことりは女医からの短剣をナイフで受け止め、


ことり「はぁっ」
横蹴り!からのナイフで横一閃に切りつける!


蹴りは女医に足で受け止められてしまうが、続けたことりのナイフは頭の側面に突き刺さる!


ことり「…やったの?」


刺さったナイフに頭から流れた血が伝い、地面にポタリと新鮮な血液が落ちる
96: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:13:34.58 ID:EGtx8mP7
穂乃果「やったよ!ことりちゃんっ!!」

女医「…」
女医「まだよ…」

穂乃果「え…?」


ここで女医は突き刺さっていたナイフをぬめり…と頭から引き抜く


ことり「…きゃあっ!」

女医「…貴方が驚くのね、面白いわ」


すると頭の傷口が沸騰したような音を立てて小さくなっていく…そして遂には傷口はぴったりと合わさり、傷跡なんてものはなくなってしまった。

穂乃果「再生?…」

ことり「まさか…」

女医「気付いた?」


女医は頭から抜き出したナイフを地面に投げ捨てると、呆然としていたことりを蹴飛ばし炎へと追いやる


ことり「…っ」ドサッ


受け身もとれずに蹴られたことりは、炎の手前の瓦礫の上に倒れ込む

女医「そこで待っていなさい…」

次の瞬間、ことりの目の前が爆発!
爆風に吹き飛ばされると、燃え盛る炎に投げ込まれる


ことり「きゃあぁぁぁぁっ!!」

穂乃果「ことりちゃんっ!」

女医「大丈夫、彼女は死にはしないわ。…出てくる間に貴方の相手をしてあげる」


謎の女医が両手を前に出すと、辺り一面が爆発!

瞬足の間、
穂乃果は衝撃波を下に放ち空中で爆発を見届けるとそのまま女医にアタック!!

衝撃波を2つ同時に放ち、女医が衝撃波を横に避ける。

そして、逃げた先に穂乃果は至近距離で衝撃波を射出!!

腹を抉るようなクリーンヒット!
衝撃波を食らうと、女医は二メートルほど吹き飛ばされ地面の上をバウンドしていく


穂乃果「いけたかな…」
97: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:14:04.12 ID:EGtx8mP7
女医「っグ…」

女医はうつ伏せになり、骨が何本も折れていてもおかしくないような状態から何事もなかったかのように起き上がる。


女医「…無駄よ」

女医「すぐに再生するわ」



立ち上がると、落ち着き払った態度で白衣についた汚れを手で払う

穂乃果「…くそ」

穂乃果は姿勢を低くすると、更に警戒を高める

女医「……貴方たちに私は倒せないわ」





穂乃果の周囲の地面は爆発によってボコボコになっており、焼け焦げた地面が黒く偏食していた。

穂乃果「…がァッ」ボロ

女医「…もう終わり?」

穂乃果「…うぅっ」フラ…

女医「あなたにも消えてもらうわよ…」

穂乃果「(もう、動け…ない)…くっ」

女医「…諦めが悪いのね、あなた」

女医の肉体には一つもダメージが入っておらず、退屈そうに穂乃果へ手の平を向けた…
98: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:14:51.15 ID:EGtx8mP7
女医「…そろそろ、あの子も出てくる頃ね」

ことり「…ホノカチャ…ン…」ジュウウウ

女医「ほら来た、…ナイスタイミングよ」b

ことり「ふざけ、ないでっ……」

穂乃果「ことりちゃん…、体が……」


ことりの体は炎に焼け、痛々しく見える全身は酷い火傷を負っているようだった。


ことり「…大丈夫、っ…元に戻るから」

ことり「…ふぅーーー」

ことり「…、ハッ」


すると
ことりの目が薄く虹色に光り、肌が沸き立つように見えると焼けていた肌がジュワ…と元の姿に戻っていく


ことり「…ハァ…ハァ……」

女医「へー、端からみるとこんな感じなのね」

穂乃果「ことりちゃんっ、ブレザー」


肌が焼かれていたという事は服も焼けていたという訳で、裸になっていたことりに穂乃果はブレザーを投げ渡す。
99: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:15:12.37 ID:EGtx8mP7
ことり「ありがと、穂乃果ちゃんっ」


ブレザーを来て上半身、と股下までギリギリ隠す事ができたことりは女医を睨み付ける。


女医「そんな怒らないでほしいわ」

ことり「…うるさいですよ」

穂乃果「…無事で良かった」

ことり「うんっ♪…ねぇ、ことりが合図したらことりの背中に衝撃波を撃つって出来る?」

穂乃果「えっ…出来るけど…。大丈夫なの?」

ことり「大丈夫っ、だから思いっきりやってね」

穂乃果「…わかった」
100: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:15:47.56 ID:EGtx8mP7
ことり「もう穂乃果ちゃんは休んでて…ことりがやるか─────

女医「爆ぜなさいっ!」

ことりのいる位置を連続して爆破!


ことり(ここで決めるっ!)


ことりはヘッドスライディングのように回避するが、膝下を爆発させられてしまう。
苦痛に顔を歪めた所へ、女医は更に容赦なく爆発を発生させる

爆炎が空間に幾重も重ねられ爆音が何度も鳴り響き、思わずその熱風に穂乃果は顔を覆ってしまう


女医(ここまでやれば、しばらくは再生できないわよね)

穂乃果(ことりちゃん…)


めらめらと熱で揺れて見える爆心、爆発の余韻にはオレンジと赤色の空気。
なにも動かず、あるのはユラユラと動く赤のみ…


女医「これで…」


瞬間、爆心からナイフが一閃飛び出ると女医の額に正面からグサリと突き刺さる。

女医「」

ナイフが頭に突き刺さり、女医の動きは一瞬の停止ッッッ!!!


ことり「穂乃果ちゃんっ!」

穂乃果「わかったっ!」
101: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:16:40.35 ID:EGtx8mP7
爆心から現れたことりの背中に、最後の力をふり絞り両手から全力の衝撃波を放つッッッ!
穂乃果の腕に血管が浮き上がりッ、発射した反動で肩が外れるッッ

空間をねじ曲げるように飛翔する衝撃波は風を切り、ことりの背中に猛烈なエネルギーをぶつける!!!


ことり(きたっ!)ドォッ


衝撃波に押されたことりは前に押し出され、額にナイフが突き刺さったままの女医に急接近!

ことりの体は右腕の肘から下をあえて残し、それ以外は全て蘇生!衝撃波の勢いに乗って欠損した右腕を前に突き出すッッッ!!


ことり「……こんどはことりが皆を、…穂乃果ちゃんを守るっッッ!!!」


右腕の肘に当たる部分は女医の胸、心臓の正面に接触

刹那ッ、ことりの肘から先の部分が再生を始めるッッッッッ!
女医の胸までもを巻き込み、再生していくのはッことりの右腕!!!!!


─────ジュブブブブブブブブブブブブッッッッ


ことり「これでぇっ!!」

女医「そんな事でッッッッッ!」

ことり「今度はッことりが皆を守るんだァッッッ!!」


(・8・)「死ねぇッッッ!!!」ズズズズズ

女医「ああああああああああッッッ」


ことりの腕は女医の胸を貫通ッッ!!!

─────ドスッ

欠損した腕は指の先まで再生ッ、右手が女医の背中から突き出るッッッ!!!

女医「…グハァッッッ」

女医の体は痙攣し、傷口から血をふつふつと吹き出していく
流れ落ちた新鮮な血液が体を伝うと、女医の白衣を赤く濡らしていく…

女医「…っつぅ」

ことり「ごめんなさい、でもっ…」

女医「…」
102: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:17:21.21 ID:EGtx8mP7
女医「………」

ことり「…こうしないとっ……」

女医「」

そして、動きが止まり力を無くした体がことりに頭を垂れ停止する。

ことり「…っ」

女医「」

ことり「やったよ…穂乃果ちゃんっ…」
103: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:19:01.14 ID:EGtx8mP7
背中からはことりの腕が突き出し、その腕は女医の心臓を貫通……

だが振り替えると、穂乃果は衝撃波の自らへの有り余る負担で意識を失っており、地面で倒れていた


ことり「穂乃果ちゃんっ…」


数秒たったあとに、ことりは女医からズブリと腕を引き抜く。

ことり「穂乃果ちゃんがっ…」タタッ

手に付いた女医の生暖かい血もそのままで、自分の体の限界も知らず、無い気力を振り絞り
穂乃果の側に向かう…

瓦礫の上をゆっくりと歩き、足を前へ前へと踏み出していく。

ことり「(もう少しっ…)」ヨロ…ヨロ…

…あとちょっとで穂乃果に届くっ……
穂乃果へ手を伸ばし………

ことり「ほのかちゃ────」

ことりは穂乃果に触れる…

ドサッ…

同時に限界を向かえ穂乃果の隣に膝から崩れるように倒れた。
そして、うつ伏せになったその顔は穂乃果の方を向いて……、


ことり「」


…静かに瞼を閉じた……。



…秋葉原の夜は黒に染まっていく………
104: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:19:30.75 ID:EGtx8mP7
女医「」

A-RISE、そしてスクールアイドルまでもを操りことりを捕らえるためだけに、音ノ木坂学院を廃校に仕向けた謎の女医。

彼女が倒され、全てが帰着した静かなるUTX屋上───────

穂乃果「」

そこでは穂乃果達を労るように燃え盛る炎が、深閑の夜闇に揺らぎ続けていた…
105: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:19:49.75 ID:EGtx8mP7
さん…、ほの……

ほ………さ ほの………さん

(だれか、が呼んでる?)

ほのか…………ん
ほのか…さ………ん

「…ほのかさん?」


大勢の人がUTX屋上にひしめいて慌ただしく消火活動や救急活動で往来している中、
穂乃果は消火が終わったのか、少し湿り気がある瓦礫の上で目を覚ました

消防隊員の叫び声や、救急のサイレンの音、水音、それらにかき消された声の主を確かめる


穂乃果「ことりちゃんのお母さんっ」

理事長「無事そうで良かったわ」

穂乃果「はい!」
106: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:20:26.57 ID:EGtx8mP7
理事長「穂乃果さん…ことりの事、ありがとね」

穂乃果「そんなって…、ことりちゃんと花陽ちゃんはっ!」

理事長「花陽さんの怪我は軽かったみたいで、一応だけど搬送されたから大丈夫だと思うわ、ことりはそこに」

穂乃果「ありがとうございますっ!」ダッ



穂乃果「ことりちゃんっ!」

「移送中ですので、少し離れて下さい」ガラガラ…

ことり「穂乃果…ちゃん?」ガラガラ…

穂乃果「そうだよっ!ことりちゃん、大丈夫なのっ?」

ことり「大丈夫…。能力を無理な使い方しちゃったみたいなだけだから……」

穂乃果「無理させちゃったかな…」
107: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:20:42.47 ID:EGtx8mP7
ことり「……ねぇ…これで、ことりも皆を守れたよね」

穂乃果「うんっ」

ことり「……良かった…」

穂乃果「…意識は?」

ことり「フラフラするだけ…。花陽ちゃんは、どう?」

穂乃果「…さっき聞いたけど、もう搬送されたから大丈夫だって。なぜか分かんないけど…そんなに傷はひどくないって」

ことり「…ちゃんと再生出来たみたいだね。良かった………穂乃果ちゃん、少し疲れちゃったから…ことり寝るね……」

穂乃果「うん、いいよ…おやすみ。ことりちゃん」

「それでは」ガラガラ

穂乃果「お願いしますっ」

ことり「…」スゥ……zzzzz

穂乃果「…」ウン…

穂乃果「良かった…」

理事長「…」トン

穂乃果「…はい?」
108: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:21:11.97 ID:EGtx8mP7
理事長「友達の心配もいいけど、貴方の怪我も酷そうに見えるわ。運んで貰いましょう」

穂乃果「…そうですね、確かに肩とかがさっきから……いてて」

理事長「……もう一度言わせて貰うけど本当にありがとう…穂乃果さん。……冗談じゃなくて、貴方は学校の救世神よ。あなたが皆を先導して──────」

穂乃果「っ、ありがとうございますっ。でも穂乃果の力だけじゃないんです、皆が居なかったらこんなこと出来ませんでした」

理事長「ええ…そうね。その通りだわ、訂正するわね」

穂乃果「そんな畏まらなくても…」ハハ

理事長「…本当に感謝しているわよ……。」


理事長「…学校の救世主である、…9人の女神、μ’sにね」
109: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:21:50.45 ID:EGtx8mP7
─────西木野総合病院 


ことり「皆さんっ、お見舞いに来ましたよっ♪」ガラッ

ことりが顔を除かせるのは西木野総合力病院の一室。部屋は共同病室となっており、なかで寝ているのは8人。
可動式になっている白いベッドの横並びの列が二つ、向かい合って設置されている。

穂乃果「あっことりちゃん、いらっしゃい~」

希「ことりちゃんは本当に大丈夫なん?」

ことり「大丈夫だよっ、すぐに治っちゃったから」

穂乃果「それにさ、ことりちゃん他の人も回復出来るんでしょ?なら穂乃果の怪我も治してよっ」

ことり「いいよっ」

海未「ことり、治してはいけませんっ!」

にこ「あんたがそれ言っちゃうの?」

海未「分かってはいますが、そう言わなければ…」
110: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:22:32.32 ID:EGtx8mP7
絵里「だって海未は瀕死だったから手術の時、ことりに能力使ってもらったんでしょ?」

海未「それは分かっています。ただ、ことりの負担がかなり大きいので、自分で治療出来るならばするべきだと」

絵里「そんなの分かってるわよ、海未をからかっただけ」

海未「ひどいです、絵里」

真姫「それにしても回復って…ことりの能力を調べたくなっちゃうわね」ジロリ

ことり「ピィッ」

凛「真姫ちゃんっダメだよ!」

真姫「当たり前でしょ?冗談よ冗談」

花陽「せっかく皆が揃ったんだからそんな事しないもんね、真姫ちゃん」

真姫「もちろんよ、花陽は良く分かってるわ」

にこ「その割には目がマジだったわね」

真姫「そんな訳ないじゃない、嘘つかないでほしいわ」
111: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:22:53.49 ID:EGtx8mP7
希「嘘か本当かウチが調べたるでっ!」ガタンッ

花陽「動かない方が…」

にこ「ちょっとお互い怪我してるn
希「ワシワシMAXや!!」ガシ

希「…ほうほう、」ワシワシ

にこ「やめっ…んっ……」///

希「なるほど、……」ワシワシ
112: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:23:25.32 ID:EGtx8mP7
にこ「あっ……んっ…」///

希「にこっちのm
真姫「ちょっと!希やめなさいっ!」

希「なんでや?」ワシワシ

にこ「…ん…あぁっ…」///

真姫「ここは病院だからよっ///!!」

希「なんでそんな赤くなってんのか知らんけど、止めたるわ」スッ

にこ「はぁ……」//

真姫「…」///
113: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:24:26.92 ID:EGtx8mP7
真姫「…で、にこちゃんが言ったのは結局嘘だったのかそうじゃないのか」

希「…ちょっと分からんかった、ごめんな」テヘ

にこ「ちょっと!ただ揉みたかっただけじゃないっ!」

凛「…」フフ…

凛「…ちょっと不謹慎かもしれないけど、皆と一緒に入院するのも悪くないにゃ」

花陽「そうだね凛ちゃん、やっぱり皆でいるのって楽しいっ」

絵里「あっそうだ、今思い出したけど…真姫っ!」

真姫「何?」

絵里「ジュースよ!」
114: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:27:38.74 ID:EGtx8mP7
真姫「ああ、覚えてたのね?…フッ」

絵里「ちょっと真姫、なにを笑ってるのよ」

真姫「……いいわよ、約束だから希望するまでジュース奢ってあげるわね」

穂乃果「絵里ちゃんずるいー」

希「うちのも忘れんといてな」

真姫「…あなたは無しよ」

希「えー、なんでや!」

真姫「病室で騒いだからよ、反省しなさいっ」

希「厳しいなぁ、真姫ちゃんは」

穂乃果「穂乃果もジュースほしいー」

凛「凛もー」

海未「二人とも止めてください、子供じゃないんですから」

凛「凛たちはまだ子供だよ?」

海未「屁理屈を言わないで下さい、凛」
115: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:28:09.67 ID:EGtx8mP7
ことり「ことりも欲しいっ!」

海未「ことりまで…」

にこ「じゃあ私も!」

花陽「花陽も…欲しいですっ」

穂乃果「全員貰うけど、海未ちゃんは本当にいいのぉ~?」

海未「…しかし……」

真姫「ちょっと!全員にあげるなんてまだ一言も言ってないわよ?」
116: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:28:49.43 ID:EGtx8mP7
ことり「本当にいいの?」

穂乃果「海未ちゃん?」

海未「うぅ…」

真姫「…ちょっと?」

海未「…」

海未「私もジュースが欲しいですっ!!」

ことり「言えたねっ!海未ちゃん」

真姫「…もう、しょうがないわね~。皆に奢ってあげるわ、何本でもいいわよ?」
117: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:29:03.77 ID:EGtx8mP7
穂乃果「ほんとに?」

凛「やったにゃー!」

真姫「パパに事件の事で攻めれば、多分いくらでもくれるから大丈夫よ。…奢るのは、皆で退院した時でいいかしら」

絵里「それでいいわよ」

ことり「退院祝いにもなるしねっ」

穂乃果「退院したら、約束通り皆で遊びに行こうよっ!」

ことり「そうだね、どこいこうかなぁ」

絵里「…退院ねぇ、そしたら全部終わりって事かしら」

花陽「どういう事?」

にこ「絵里と希も、そして私もUTXの事が殆んど片付いたからその事じゃない?」

絵里「その通りよ。今までの時間を能力者として使ってたから、これからどうしようかなって…」
118: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:29:47.05 ID:EGtx8mP7
にこ「これからやることに困ってんのね」

凛「確かに…凛も何やろうかな」

真姫「勉強じゃない?」

凛「えぇー、それ以外の事だよ」

希「にこっちはアイドルやろ?」

にこ「ええ、もちろんよっ!スーパーアイドルになってやるわ」
119: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:30:34.43 ID:EGtx8mP7
ことり「…そういえばA-RISEの三人ってどうなったの?」

真姫「ここに入院してるわ」

希「…マジなん?」

絵里「…生きてたのね、殺さないとっ」グッ

ことり「起きちゃダメですっ。怪我してるんだよ?絵里ちゃん」

絵里「それでも…」
120: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:31:11.69 ID:EGtx8mP7
にこ「っていうかなんで今になっても、そこまで復讐をしようと思うの?事情はもう十分、分かったでしょ?」

絵里「…わかったけど」

ことり「亜里沙ちゃんの事気にしてるんだぁ~」

絵里「…そうよ」

ことり「……じゃあっ、こっち来ていいよ~」フリフリ

絵里「…?」
121: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:31:25.80 ID:EGtx8mP7
ことり「これで大丈夫だよっ」

タタッ

「おねえちゃんっ!」バッ

絵里「亜里沙っ!?」ギュッ

亜里沙「おねえちゃんっ!ハラッセオ!!」ギュッ

絵里「本当に亜里沙なのっ?」ギュゥ

亜里沙「うんっ!亜里沙だよおねえちゃんっ!」

絵里「っ本当に?」

亜里沙「本当に、本当に亜里沙だよっ!お姉ちゃんっ!!」

絵里「亜里沙…」ギュ…

絵里「…嬉しくて、もう夢みたいよ」

亜里沙「亜里沙は夢じゃないよっ!」

絵里「そうね…」ナデナデ

絵里「……でも、どうして亜里沙が起きたの?」

ことり「昨日A-RISEの三人がことりの所にこっそり来てくれてね、亜里沙ちゃんはことりさんの能力なら治るって教えてくれたの」

花陽「ピャァッA-RISE?」

絵里「A-RISEが…」
122: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:31:58.36 ID:EGtx8mP7
海未「まさか、ことりはまた人に能力を使ったのですかっ」

ことり「ごめんね、でも本当にそれで終わりだったから」

にこ「まぁ、A-RISEも脅迫されてたみたいなもんだしね。悪に振り切んなきゃやってられなかったんでしょ」

穂乃果「……そうなんだ…。…ツバサさんたちは本当はラブライブを守りたかったんだって」

にこ「ああ、それは私も聞いたわ」

真姫「それにしてもやり過ぎだったけどね…」
123: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:32:11.35 ID:EGtx8mP7
凛「え、じゃあ、そのラブライブっていうのはどうなったの?」

にこ「あの女医?首謀者を倒して、ギリギリ形は保てたみたいだけど、消える寸前で…規模は更に小さくなったわ。」

花陽「そうなんですか、残念ですね」

にこ「まぁそのためにもにこがスクールアイドルで有名になって、ラブライブを盛り上げていくのよ」

海未「UTXも被害者だった、という訳ですか」

真姫「どのラインから被害者になるのかは知らないけどね」
124: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:33:11.46 ID:EGtx8mP7
希「なにはともあれ、亜里沙ちゃんが戻って良かったやん」

絵里「ええ、そうね」

亜里沙「亜里沙も嬉しいですっ!」

希「退院するまで絵里ちを待っててあげてな」

凛「じゃあ…凛たちっていつ頃退院出来るのかなぁ、それまでに皆がやる事とか決めようよ」

真姫「皆で行く所とかでしょ?」

にこ「そういうのはちゃんと皆で話した方がいいわよね」

花陽「それがいいですっ」

海未「そうですね、今せっかく揃っているんですから話しましょう」

穂乃果「何がいいかなぁ」

ことり「…穂乃果ちゃんなにかある?」

穂乃果「う~ん…」

海未「穂乃果?」

穂乃果「あっ!」




穂乃果「ねぇっ…」

穂乃果「…穂乃果から皆に一つ提案があるんだけどさっ…」
125: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:33:32.28 ID:EGtx8mP7
───────

コンコン…

理事長「はい」

真姫パパ『南理事長、予定通り話があるので参りました』

理事長「…どうぞ」

真姫パパ「失礼します」ガチャッ

理事長「…今日はどういった御用事で?」

真姫パパ「いやなに、娘達の事で話があるんだ。…そんなに警戒しなくても良いだろう」

理事長「警戒しますよ…」
理事長「…UTX関係者、及びに今回の事件、事故の関係者が何名か音信不通になっているそうですね…」
126: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:34:45.83 ID:EGtx8mP7
真姫パパ「それがどうかしましたか?」

理事長「…西木野総合病院院長の貴方に、何か知っている事があるのではと思いまして……」

真姫パパ「なるほど……知っている事もあるが、私が知らない事もある」

理事長「…現在までの貴方のサポート、それには十分感謝しておりますが、慎んで貰いたいこともあると言うことです」

真姫パパ「そうですか…まぁなんにしろ私の娘は死なくとも、今回の事件で入院することになったのは事実。」
127: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:35:14.84 ID:EGtx8mP7
真姫パパ「……廃校についてはどうでも良いが、その責任を取って貰わねばなるまい」

理事長「貴方はとんだ親バカですね」

真姫パパ「ほぅ…それを貴方が言うんですか?」

理事長「……なるほど、」
理事長「…言われてみれば確かにそうかもしれませんね」フフ

真姫パパ「…それでは本題に入りますが、今回の事件の鎮火に協力して頂きたい」

理事長「はい?先ほどそのような事は止めて欲しいと言った筈ですが…」

真姫パパ「今の話とこの話とは別です」

真姫パパ「現在マスコミ各社がUTXでの謎の炎上事件を嗅ぎ付けて、事件の判明の為に動き回っています」

真姫パパ「私の病院の方には彼女達の事は言わないように言っておきましたが、これでもし私の娘やその友達の関与が知れたら今回ばかりはかなり大変な事になります。」

理事長「…それはそうですが……」
128: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:35:56.74 ID:EGtx8mP7
真姫パパ「…なるべく騒ぎにならないように私も尽力しますので、あなたにもできるだけ関係各所に圧力をかけて事態の鎮静に努めて頂きたい」

理事長「なるほど…」

真姫パパ「よろしくお願いします」

理事長「……そうですね、娘達の為ですから…」

真姫パパ「はい…」

理事長「私にも出来る範囲というものはありますが、…関係するもの全てという事でしょうか」

真姫パパ「はい、娘達はもちろんUTX、A-RISEも含め、それらの情報がなるべく出ないようにして頂きたい」

理事長「繋がるものは全て…という事ですね?」

真姫パパ「そういうことです。」
129: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:36:10.34 ID:EGtx8mP7
─────数ヵ月後


亜里沙「はぁ~ドキドキする。ねぇ、お姉ちゃん達大丈夫かな」

雪穂「大丈夫だよ、きっと」

亜里沙「だってUTX学院でこの前凄い事件があったんでしょ?」

雪穂「ああ、屋上に保管してあったヘリコプターの燃料タンクがいきなり大爆発したってやつ?」

亜里沙「うんっ、でも友達が他にも色々あったって噂してて」

雪穂「そんな噂、嘘に決まってんじゃん。本当になにも無かったんだよ」

亜里沙「そうなの?」

雪穂「A-RISEもいい迷惑だよね、なんか変な噂が流れてるせいでスクールアイドルが完全に下火になっちゃったし」
130: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:36:54.96 ID:EGtx8mP7
亜里沙「じゃあ、ラブライブは?」

雪穂「うーんラブライブ自体はギリギリ残ったみたいだけど、消えちゃいそうなかんじなんだって」

亜里沙「ちょっと残念だね」

雪穂「心配しなくていいでしょ、これからお姉ちゃん達が出るんだしそんなの盛り返しちゃうって」

亜里沙「そうですねっ」

雪穂「まぁ、それにしてもお姉ちゃん達がUTXでA-RISEとライブするなんてね」

パソコン『もっと知りたい知りたい 過剰なLife いま夢の夢の中へ』
131: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:37:14.33 ID:EGtx8mP7
─────UTX学院屋上



もっと知りたい知りたい 過剰なLife
だから…Shocking Party!!

Dancing,dancing! Non-stop my dancing
Dancing,dancing! Non-stop my dancing
Dancing,dancing! Non-stop my dancing

Dancing,dancing! Let me do!


\ワー/ \キャー/


海未「穂乃果、そろそろ私たちの順番ですよっ」


穂乃果「は~い」

あの後穂乃果が提案したのは、皆でスクールアイドルをやらないかっていう話。

学校の廃校の問題も終わって、皆でこれからやるなら何がいいかなって思ったらアイドルっていうのが思い付いたんだ。
132: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:38:50.97 ID:EGtx8mP7
皆歌もうまいし、個性があって魅力的だからスクールアイドルにすごくぴったりだと思ったの

皆、穂乃果の提案には凄く驚いてたみたい、

海未ちゃんなんかは破廉恥ですって言って顔が真っ赤になっちゃって、ハハ…可愛かったけどね。

にこちゃんがこれを聞いたときは凄く嬉しそうだったし、他の皆も乗り気だったんだ

海未ちゃんは説得に少しだけ時間がかかっちゃったけど、最終的には皆でアイドルをやるってことになったんだよ!

穂乃果「いくよっ!」

真姫「とりあえずはラブライブ予選の突破ね」

花陽「もちろんですっ」

凛「テンション上がってきたにゃー!」

絵里「…A-RISEなんかぶっ潰してやるわ」ギラ

希「マジやん…」

にこ「マジでやんないでどうすんのよ希」

希「そのつもりやけど意味が違うって、…。…エリチちょっと力抜いときー」

絵里「そんなに入ってたかしら、ありがと気を付けるわ。」

希「それがええやん?」

海未「少し緊張してきました…」

ことり「大丈夫だよっ、ここまで皆とやってきたんだもん」

海未「確かにそうですね、…ええ、なんだか大丈夫な気がしてきました」

にこ「…気合い入れていくわよっ!」
133: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:42:47.53 ID:EGtx8mP7
あんじゅ「…私たちはもちろんだけど、あの子たち、こうやってアイドルしてるのが妙にしっくりくるのよね。」

英玲奈「確かに。…スクールアイドルを盛り上げてくれるような…もしかしてツバサ、それを狙って彼女らを誘ったのか?」

ツバサ「さぁね、でもいちμ'sのファンとして私は彼女達のことをサポートしたつもりよ」

あんじゅ「これでラブライブがまた息を吹き返すといいわね、」

英玲奈「今度のμ'sが救うのは学校ではなく、ラブライブということかな?」

ツバサ「…うまいこと言ったつもりかしら、英玲奈。…私達がいればそんなものは十分じゃない?」

あんじゅ「それもそうね」

ツバサ「まぁ、これからお手並み拝見ってところね」


実際にやってみたらやっぱり皆は穂乃果の見込み通りぴったりで、そんな中でA-RISEとも仲良くなって…

こうやってアイドルとか、廃校の阻止とか、この9人で大きなことを成し遂げようとする今が最高に楽しいんだ



花陽「そろそろ始まりますっ」

にこ「いよいよね…」

穂乃果「うんっ…。皆となら絶対やれるるっ!」


コク…
134: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:44:12.70 ID:EGtx8mP7
そして、なんだかね。

皆と出会ってこうやってアイドルをやるのがまるで運命だったみたいに時々思うんだ。


穂乃果「よーしっ!それじゃ行くよっ!!」


それぞれに性格や個性があって、9人で調和して支え合ってる。


それこそが私達なんだって、
異能で戦っていてもアイドルになってもどんな時もずっと離れない絆で繋がってる…それが、私達μ's……


穂乃果「1!」

ことり「2!」

海未「3!」

真姫「4!」

凛「5!」

花陽「6!」

にこ「7!」

希「8!」

絵里「9!」



「「「μ'sミュージックスタート!!」」」


The End
135: 名無しで叶える物語(プーアル茶) 2018/12/17(月) 02:45:25.26 ID:EGtx8mP7
ここまで読んでくれて感謝
バトルは地の文で書いたけど、自分が読みたいシーンがちゃんと入れられてよかったわ。
カッコ良く改編できたし自分的にはまぁまぁ満足しました。バトル物で「うちを入れて9人や」とかずっとやりたかったんだよ。
評判よかったら、Aqoursバージョンとか続編書くかもしれないからその時はよろしく
異能で戦ったらというパラレルだけど、最終的にアイドルに収束する気がしたんだよね。

読了おつかれ それじゃあまたどこかで
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『穂乃果「異能で廃校を救うよっ!」』へのコメント

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2018年5月26日
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(海外のデータ取り扱いに関する法律が変わる事に対応する為の再確認の様です)