希「エリチと一緒に住み始めたのはいいものの」

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のぞえり-アイキャッチ2
1: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 23:17:54.26 ID:p1HZC6jc.net
希「会える時間が余計減った気がする…」

にこ「なに?愚痴?」

希「ちゃうよ…、ううん…愚痴かもなー…」

にこ「まあ同じ大学って行っても学部違うんだししょうがないんじゃないの」

希「そうやけどさー」

飲みなれないお酒を口にしてついついにこっちに愚痴を吐いてしまった

1、2年のころは一緒にご飯も食べていたのに今じゃエリチはゼミが~とかなんとか言って

帰ってくるのは22時過ぎで朝もうちより早く出てしまう

希「はぁー…もう合コン行ってやる!エリチのアホー!」

にこ「ちょっ、声でかい!」

希「なんやにこっち余裕やん。彼氏いるん?」

にこ「い、いないわよ!」

希「あー!そうやったそうやった、にこっちにはあの子がおるもんな!」

にこ「なっ…!ち、違うわよ!別に私と真姫はそんなんじゃ!」

希「真姫なんて一言も言ってないやん」

元スレ: 希「エリチと一緒に住み始めたのはいいものの」

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4: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 23:30:54.81 ID:p1HZC6jc.net
にこ「…っ!」

顔を真っ赤にしてお茶を少し飲んだにこっちの顔に自然と笑みがこぼれた

希「ええなぁ…。住む前は一緒にいられる時間増えて嬉しいなんて思ってたのに、住む前のほうが良かったわ…」

にこ「希」

希「あーにこっちに愚痴るとか負けた気分やー…」

にこ「なんでよ!」

机に突っ伏して目を閉じると一気に眠気が襲ってきてそのまま身を預けそうになる

遠くでにこっちの「ちょっと希!」なんて声も聞こえてきたけど今はもう眠くて眠くてしょうがなかった



希「…ん」

重たい瞼をあけると見慣れた天井と見慣れたカーテンから入る日差しが目に入った

希「うち…痛っ…」

体を起こすと激しい頭痛に思わず片手で頭を抑えた

そういえば昨日にこっちと呑んでたはずなのにいつの間に家に帰ってきてて

いつの間にか服も着替えられていた

コーヒーの匂いに釣られるようにリビングへ顔を出すとエリチがコーヒーを飲みながらプリントか何かに目を通していた

絵里「あ、おはよう希」

希「おはよう…」

何も言わずとも当たり前のように立ち上がりうちのぶんもコーヒーを入れてくれたエリチは朝食の準備も進めてくれていた

希「ごめん。今日うちの当番やのに…」

絵里「いいわよ。いつも希にはお夕飯任せちゃってるし」

エリチが入れてくれたコーヒーを口に含み時計に目をやるといつもエリチが出る時間
7: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 23:43:12.36 ID:p1HZC6jc.net
希「エリチ、もうそろそろ時間やないの?」

絵里「え?あ、ほんと」

希「片付けはうちがやるからええよ」

絵里「ありがとう。ごめんね」

希「ううん。いってらっしゃい」

絵里「いってきます」

久しぶりにエリチにいってらっしゃいを言った気するなぁ…なんて考えながら食パンをゆっくりかじった



「じゃあ今日はここまで」

講義が全て終わり伸びをしながら身支度を進めていると

いつも一緒にいる友達に「ねぇねぇ!」と声をかけられた

希「ん?」

「今日これからみんなでご飯食べてに行くんだけど希ちゃんも一緒に行かない?」

彼女の後ろには数人に顔見知りの女の子とあまりよく知らない男の子の姿があった

希「うちは…」

いつもなら断るはずなのに今日は…どうせ家に帰っても誰もおらんしなぁ…

そんなことが脳裏を過ぎって

希「うん。行こうかな」

「ほんと!?やったー。希ちゃんとご飯久しぶりだもんね」

彼女達と連なって歩いていると普段は学内でもそんなに会うことがないエリチが

目の前から歩いてきて思わず目を逸らしてまった
10: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/24(火) 23:51:22.82 ID:p1HZC6jc.net
気づきませんように!

そんなことを願ってみてもやっぱりこんな目立つ状態ではいやでも視線に止まるだろう…

絵里「希?」

名前を呼ばれ体がびくっとはねた

希「エリチ…」

絵里「今から帰るの?」

希「う、うん」

絵里「そう、気をつけてね。今日も遅くなると思うから戸締りちゃんとね」

希「そのことなんやけど…」

絵里「ん?」

希「今日うちもみんなとご飯食べに行くから遅くなると思う…」

みんなという言葉にエリチはうちの後ろで待ってくれているとみんなへと視線を向けると

さっきまで優しかった笑みが少し強張ったように見えた

絵里「男の子も一緒に…?」

希「うん」

「希ちゃーん?先に行っちゃうよー?」

希「ごめん!今行く!…じゃあそういうことやから…」

絵里「希!」

逃げるようにエリチに背を向けみんなのほうへ駆け寄った

昨日合コンしてやるー!なんて意気込んでたのが嘘のように罪悪感だけが募っていった
16: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 02:11:57.77 ID:IAblQ7fT.net
「食事」という名目は大学生にとって男女揃えば合コンになるというは何となく察していたけど

いきなり隣に知らない男の子が座り話にも馴染めずただ笑って合わせていた

やっぱり意地なんか張らないで帰れば良かった…

そんなこと思ってもやっぱりエリチのことが頭を過ぎると「エリチがいけないんだからね!」という感情も湧いてくる

希「ほんまうちって面倒くさい女やな…」

「え?なんか言った?」

希「ううん。何にも」

「希ちゃんだっけ?飲み物足りてる?」

希「う、うん…」

急に隣の男の子から話しかけられ無意識に体を離したのにすぐさまに近くに寄られ顔が引きつっていくのが自分でもわかった

「希ちゃんって彼氏とかいるの?」

希「いないけど…」

「えー、意外!モテそうなのに!」

希「ずっと女子校だったから…」

笑顔を無理矢理作りそう答えると彼がさらに距離を詰めて来たのを感じ思わず立ち上がった

希「ごめんなさい。ちょっと…」

「えー」

席を立ち輪の中から抜けようとしたうちの手を彼がぎゅっと掴んだ瞬間ぞわっという感覚が体中を巡りを思わずその手を振り払った

希「あ、えっと…ごめんなさい。すぐ戻るので」

「ほんとにすぐだよー」

うちは逃げるようにしてトイレに駆け込むと触られた部分を流水で何度も何度も洗い流した
25: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/25(水) 18:24:41.83 ID:IAblQ7fT.net
気持ち悪い…

初めて抱くそんな感情が自分の中で渦巻いていた

「希ちゃん、大丈夫?」

ふいに友達に声をかけられびくっと体がはねた

「顔色あまりよくないよ?」

希「ううん。大丈夫。ちょっと飲み過ぎただけやから」

「そう?じゃあ先戻ってるね」

希「うん」

本当は今すぐにも帰りたかったけどここで帰ってしまうとみんなの楽しそうな雰囲気を壊してしまいそうで

とりあえず席に戻ることにする

希「大丈夫…」

そう自分に言い聞かせ席に戻るとさきほど彼がうれしそうな顔をこちらに向けた

「遅かったじゃーん」

希「ちょっと電話してたんよ…」

「そうなんだー。あ、もう飲み物ないじゃん!何飲む?」

やだ…近寄らないで…触らないで

そう思うのにこの場の雰囲気に合わせて笑顔を作ることしかできなくて息がつまりそうになる…

エリチ…

無意識にそう心の中で呟いた彼女の顔がふいに目の前に現れた

絵里「希」

はぁはぁと荒い呼吸を繰り返し額に汗を滲ませたエリチの姿

希「幻?」

絵里「本物よ」

呆れたように笑ったエリチは知らない男の人に触られていたうちの手をそっと自分のほうに引き寄せ

絵里「ごめんなさい。この子、もう帰っていいわよね?」

と周りで唖然としていたみんなにそう声をかけた
37: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 00:06:06.30 ID:GAF7TMO7.net
「…あ、じゃあ一緒に」

そういいかけた友人の言葉を遮るようにエリチは机に1万円札をそっと置いた

絵里「この子具合悪いみたいだから、また今度ご一緒させてもらいます。ほら、行くわよ」

希「え、あ、うん」

引っ張られるようにして店を出るとエリチは繋いでいた手をそっと離しスタスタと先を行ってしまった

それを追いかけるようにして後ろについて歩く

怒ってる…

背中越しでも何となくエリチの心情や表情がわかってしまった…

しばらくエリチの後をついて歩き人通りが少ない通りに来るとまったくをこっちを見ようとしないエリチの背中に話しかけた

希「…ごめんな」

絵里「なんで謝るの?」

まだこっちを向いてくれない

希「…なんや怒ってるから…」

絵里「…別に怒ってないわよ」

そう答えた声は明らかに怒ってるときのエリチの声

希「怒ってるやん…。…っ!」

歩いていた足を止めたエリチの背中にぶつかり少し後ろによろけた

絵里「…わよ…」

希「え?」

絵里「怒ってるわよ!」
47: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/26(木) 18:49:17.20 ID:GAF7TMO7.net
振り向いたエリチは悲しそうな表情を浮かべそっとうちの手を優しく握った

絵里「ごめんなさい…。本当はちょっとだけ様子見て帰るつもりだったの…」

優しく握ってたうちの手をさらにぎゅっと握ったエリチはそのままうちの肩にそっと頭を乗せた

絵里「何で男の人に簡単に触らせたりするのよ…」

小さく囁くような声でそう呟いたエリチ

うちはなんてつまらない意地を張ってんだろう…

こんなにもエリチはちゃんとうちのこと考えてくれてたのに…

うちの勝手なわがままなせいで大切なゼミまで休ませてしまって…

希「うちってほんま面倒くさい女やん…」

絵里「希?」

希「エリチ、うちらやっぱ別々に暮らさん…?」

エリチの重荷にだけはなりたくない…
55: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/27(金) 20:58:59.27 ID:KFPNy6lW.net
絵里「え…?」

顔をあげたエリチと目が合い昔と変わらない青く綺麗な瞳に涙が溢れそうになった

エリチは変わらない…変わってしまったのはうちだけや…

希「ほら、うちらもう3年生やしそろそろ就職とか考えなきゃあかんし」

希「エリチなら難なく内定貰えそうやけどうちは自信ないから」
  
希「エリチだけ内定貰ってうちもらってない!なんて状況になったらエリチも気まずいやん?」

適当な理由がぽんぽんと口から出てくることに自分でも少し驚いた

絵里「…そんなことないわよ。だから今までどおり一緒に」

希「ごめん…。うちが気まずいんよ…」

本当はそんなこと気にしてないしエリチなら上手いこと立ちまわれることくらいわかってた

でもこれ以上うちのわがままにエリチを付き合わせるのは心苦しかった…

きっとこのままエリチと一緒にいたら「もっと一緒にいたい」「もう少し早く帰ってきて」「朝は一緒に行こう」

なんてことを口走ってしまいそうでエリチを困らせてしまう…

絵里「…そう…。じゃあ私が出て行くわ。あの部屋は元々希の部屋でしょ」

そう言って切なそうな笑みを浮かべたエリチにうちはただ「うん…」とだけ答えた
59: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 00:10:25.76 ID:fwaxkaBD.net
絵里Side

同じ家に帰り 同じ食卓を囲んで 同じテレビ番組で笑って 同じ時間におやすみって言って

そんな当たり前だったことが段々なくなっていたことを私もわかっていた…

絵里「『今日も遅くなります。お夕飯先に食べててください』」

出来るだけ寂しくさせないように慣れない絵文字をたくさんいれて希にメールを送る

すぐに「わかった~。頑張ってな~」と同じように絵文字入りで返してくれる希

直接を顔を見ないとわからないことをメールだけで読み取って

希の本当の気持ちをわかってあげられなかった私はなんて大馬鹿なんだろう…

希の本当の気持ちに気づいたときはすでに心の距離が広がってしまっていた…



大学近くの物件が載っている雑誌に目を通してみても何がいいのか

何が重要なのか自分でもよくわからなくて頭を抱え込んだ

絵里「やっぱ実家から通おうかしら…」

「絢瀬さん、そろそろゼミに…って部屋探してるの?」

絵里「あ、うん。今のところ出ていくことになって…」

「じゃあうちに来れば?」

絵里「え、でも…」

「私のところもルームシェアしてた子がちょうど一人暮らし始めるって出て行くところなの」

絵里「そうなの?じゃあ…考えてみるわね」

「うん!」

ゼミが一緒で仲よくなった彼女はどことなく穂乃果に雰囲気が似ていて親しみやすかった

そんな彼女の言葉に私は少し揺れていた
68: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/28(土) 16:43:00.18 ID:fwaxkaBD.net
久しぶりにいつもより早く帰ると温かい料理と優しい希の笑顔に迎えられた

こんな景色を見たのはいつぶりだろう

絵里「ただいま」

希「おかえり。先お風呂入る?」

絵里「ううん。お腹空いたから先にご飯食べるわ」

希「了解!あ、ちゃんと手洗わなきゃダメやで」

絵里「わかってるわよ」

何気ない会話といつもと変わらない希につい先日言われたことが頭を過ぎり

もう元には戻れないの…?と口に出してしまいそうになった



久しぶりに希の顔を見ての食事は逆に新鮮でついつい希の一挙一動を目で追ってしまう

希「さっきからじろじろ見てどうしたん?」

絵里「ううん。別に…。そうだ、ゼミの子がね一緒にすまないかって言ってくれてそこに住もうかなって」

希「ふーん…」

絵里「ごめんなさい…。なるべく早く出て行くようにするから…」

希「…うん」

それ以上会話は続くただ二人でもくもくと目の前の料理を口に運び続けた
75: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/30(月) 00:50:52.98 ID:oD5GnN/U.net
希Side

希「そこは「嫌だ!希と一緒に住みたい!」って言うところやろ!なぁ、にこっち!」

にこ「希、あんた飲みすぎ…」

にこっちは呆れたような表情を浮けべながら枝豆を口に含んだ

希「そりゃうちが一緒に住みたくないとは言うたけど今まで一緒に住んできて「はい、そうですか」ってなれるエリチってどうなん!」

にこ「だったらそんなこと言わなきゃ良かったでしょ」

希「だって…うち面倒くさい女なんよ…」

にこ「うん。知ってる」

希「そこは「そうでもないわよ!」でしょ!」

にこ「そういうところよ!」

ふてくされたように頬を膨らませ机につっぷしたうちを見たにこっちは小さなため息をついた

にこ「じゃあ「行かないで」って言えば?」

希「うちが?」

にこ「あんた以外に誰がいるのよ」

希「でもうちが一緒に住むの嫌やって言ったんやで…?」

にこ「どっちが言ったとか言わないじゃなくて希がどうしたいか、でしょ」

希「うちが…どうしたいか…」

にこ「確かに希は面倒くさいけどそんな面倒くさいところを一番わかってるのは絵里でしょ」

にこ「だから少しくらいのわがまま絵里にとってはなんでもないことよきっと」

残り少なくなっていたグラスのお酒を一気に飲んだにこに

にこ「ほら、帰るわよ」

と促されるように起こされタクシーに無理矢理乗せられた

またにこっちに励まされたわ…悔しいけどにこっちもうちにとっては憧れなんよ…
78: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/30(月) 20:44:04.18 ID:oD5GnN/U.net
希「ただいまー」

声を弾ませながら家のドアを開けるとびっくりした顔のエリチと目が合った

絵里「おかえり。なーに、酔ってるの?」

希「にこっちと呑んでてん」

絵里「もう希そんなにお酒強くないんだからのみすぎないでっていつも言ってるじゃない」

呆れたような顔を浮かべうちの肩を支えてベッド近くまで運んでくれたエリチにぎゅーっと抱きついた

絵里「ちょっ、希、どうしたの」

希「行かないで…」

絵里「え…?」

希「行かないでよエリチ…。この家にずっとおって…」

そのままエリチと一緒にベッドに倒れこみエリチはびっくりした顔でうちのことを見ていた

希「本当は寂しかっただけなんよ…せっかく一緒に住んでるのに全然顔合わせる機会減ってもうて…」

ほぼ愚痴のようなことを漏らしエリチを困らせてしまってるのはわかってる

でも今こうしてお酒の力を借りてでも素直にならないともう言えない気がして

希「もっとずっと一緒にいたいんよエリチと…」

絵里「希…」
85: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 03:09:53.47 ID:ePePkrN1.net
絵里Side

ベッドに倒れこみうつろになっていた希の瞳から一つ、二つと涙がこぼれた

希「もっとずっと一緒にいたいんよエリチと…」

そう言って私の胸に顔を埋めたまますすり泣く希の頭をそっと撫でた

やっぱり私は希に甘えすぎてたみたい…

希ならきっと大丈夫、わかってくれている、そんな自分勝手な気持ちを希に押し付けていたのかもしれない

絵里「希、ごめんなさい…。私…」

私も希とずっとこのまま一緒にいたい…

言いかけた言葉を遮るような希の柔らかい寝息が胸元から聞こえ始めた

絵里「希?」

希「…スー…スー…」

絵里「…もう」

私はそのまま希のことをぎゅっと抱きしめると同じように目を閉じた

絵里「おやすみ希」
89: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 18:44:49.02 ID:ePePkrN1.net
希Side

希「…ん」

窓から射す眩しい光にゆっくり瞼を開けると見慣れた天井

希「あれ…?うち…」

昨日にこっちと呑んでてその後どうしたっけ…

希「…っ痛」

二日酔いで痛む頭を抑えながら起き上がろうとすると背中側に何かぬくもりを感じ寝返りを打った

希「え…」

目の前に瞼を閉じ小さな呼吸を繰り返すエリチの姿があり慌てて起き上がった

どうして…!?

うち昨日…えっと…

痛い頭を抱えながら昨日のこと少しずつ思い出していく

希「うち…」

言ったんや…エリチに…

恥ずかしさでみるみるうちに顔が熱くなっていくのを感じに枕に顔を突っ伏した

絵里「…ん…希?」

希「あ、ごめんエリチ。起こし…っ」

目を覚ましたエリチのほうへ顔を向けると思いのほかエリチの顔が近くにあり

また顔が熱くなっていくのを感じてそのまま枕に顔を埋めた
90: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 19:02:25.07 ID:ePePkrN1.net
絵里「希?」

エリチの手がふいにうちの髪に触れ思わず体がびくっとはねた

絵里「こっち向いて希」

優しい声 優しい手

希「…ずるいわ…」

そんなん向かずにはいられないやん…

チラっとエリチのほうへ視線を向けると優しく微笑みながうちの髪を撫でるエリチと目が合った

絵里「おはよう」

希「おは…よう」

絵里「私ずっとここに居てもいいかしら?」

昨日うちが漏らした言葉にエリチはそう返してくれた

元々はうちの部屋、でも今はうちとエリチの部屋

だからそんなの決まってる

希「うん。おって、ずっと」

エリチにぎゅっと抱きしめられうちも同じようにぎゅっとエリチを抱きしめた

ずっとこんな幸せが続けばいいのに…
94: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/03/31(火) 20:05:03.97 ID:ePePkrN1.net
絵里Side

絵里「そういうわけで引越しはなくなったの。誘ってくれたのにごめんなさい…」

「ううん。気にしないで。ちょっと残念だけど…」

絵里「え?」

「絢瀬さん話合うし一緒にいて楽しいから少し狙ってたんだ~」

絵里「えっ!?」

「なんて冗談だよ」

からかうような笑みを浮かべクスクスと笑う彼女に私は安心にも似たため息をついた

やっぱりどことなく穂乃果に似ている

絵里「もう…からかわないでよ」

「ごめんごめん。でもゼミもそんなに出られなくなるんじゃ少し寂しくなるなぁ…」

絵里「ごめんなさい…」

「じゃあさ、今度の合宿は絶対来てよ。私達もあと何回参加できるかもわからないし、ね?」

絵里「…そうね。考えてみるわ」
103: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/01(水) 05:17:41.44 ID:1E3QV0R+.net
絵里「あのね、希」

希「んー?」

夕飯の準備を進めている希の背中越しに声をかけた

絵里「実は今度ゼミの合宿があるんだけどね、その…」

希「んー?いつ行くん?」

絵里「えっと、再来週…」

希「そうなんや?あ、お土産は物じゃなくて食べ物がええな。エリチどうせ変なもの買ってくるやろうし」

絵里「へ、変って…そんなことないわよ」

希「えー?だってあの変な置物やってエリチが買ってきたんやで?」

リビングの棚の上にあった置物を指差しながら頬を膨らませた希

絵里「ぐぬぬ…。それより、行ってもいいの…?」

希「当たり前やん。いちいち聞かんでもええよ。こうしてたまにでも早く帰ってきれるだけで嬉しいから…」

絵里「希…」

希「あっ!もしかして男の人もいるん?」

じと目で見られて首を大きく横に振った

絵里「もう、私のゼミ女の子の割合のほうが多いの知ってるでしょ」

希「うん、知ってる」

にこっとからかうような笑みを浮かべた希に嬉しいため息をこぼす

絵里「もう…」

希「さっ、もうご飯できたで。はよ机の上片付けてエリチ」

絵里「うん」

合宿終わったら希とも旅行に行こうかな

そんなことが帰りに頭を過ぎり本屋で旅行雑誌を買ったのはまだ希には内緒
108: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/02(木) 23:22:21.53 ID:m48V9ZtY.net
希「エリチー、歯磨きセットは持ったー?」

絵里「うん。ちゃんといれたわよ」

希「ほんまに忘れ物ない?」

絵里「平気よ。それに山奥って言ってもちょっと下ればコンビニくらいはあるところみたいだから」

希「そうなん?じゃあ気つけてな」

絵里「うん。行ってきます」

希「いってらっしゃい」

希に見送られ今日から2泊3日の合宿が始まる

サークルに入ってない私にとっては初めての大学での合宿で

いつもはサークルで年に1,2回旅行に行く希を家で待ってる身の私にとっては

希が私みたいに寂しがってないか少し心配でもあった

でも最初で最後になるかもしれない合宿に私は少し浮き足立っていた
112: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/03(金) 03:13:13.03 ID:HI1iIkoC.net
絵里「おはよう」

「おはよー」

待ち合わせ場所につくと何人かの子達はすでに集まっていてバスに乗り込んでいた

私も外で点呼を取っていた先輩に軽く挨拶をしてバスに乗り込み空いてる席に座った

車中で数人の子とすれ違い挨拶を交わすが彼女が姿がなくふと外で待つ先輩のほうへ視線を送った

先輩は腕時計を気にしながら改札のほうや、バスやタクシー乗り場のほうをキョロキョロと見回している

絵里「どうしたのかしら…」

携帯を取り出し彼女に電話をかけようとしたとき走ってくる彼女が姿見え顔がほころんだ

「ふぅー。ギリギリセーフ」

絵里「遅刻ギリギリなんて珍しいわね」

荒い呼吸を整えている彼女に問うと「いやー、まいった」と言った表情を浮かべた

「うーん、昨日楽しみすぎて眠れなくて」

絵里「もう、小学生みたいね」

「えへへ」

そう言って照れたような笑顔を見せた彼女に私もつい頬が緩んだ
115: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/05(日) 04:51:10.85 ID:UnOEn9Vz.net
合宿所につき一度それぞれの部屋へとバラけ私と彼女も自分の部屋へと向かった

「2階だから眺めよくてよかったね」

絵里「ほんとすごい綺麗」

部屋からは自然が一望が出来ほんのりと富士山も見えた

「はぁー、疲れたー」

そう言ってベッドに倒れこんだ彼女に私はそっと手を差し伸べた

絵里「ほら、荷物置いたら下に集合でしょ」

「初日くらい休ませてくれてもいいのにー」

ぶつぶつと言いながらも私の手を取り起き上がる

握った手をさらに強く握られて私は自然と彼女と手を繋いで集合場所へと向かった


「この後は18時から夕食、その後は21時までに各々でお風呂済ませてください」

先輩から今後のスケジュールを聞かされ私が真剣に耳を傾ける中

彼女はウトウトと眠気と戦いながらも最後には私の肩にもたれ寝息を立てていた

「それじゃあ夕飯まではお部屋でゆっくりして明日に備えてください」

先輩からの解散の声にみんなが散り散りになり私は寝息立てていた彼女の頭をそっと撫でた

絵里「もう終わったわよ」

「…ふぇ?」

絵里「お夕飯までお部屋でゆっくりしていいっていうから少し横になったら?」

「うん。そうしようかな」

眠い目をこすり立ち上がった彼女と私はまた自然と手を繋ぎ自分達の部屋へと戻った
119: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/06(月) 01:33:46.86 ID:L2QEtwhd.net
部屋につくと電池が切れたように眠りについた彼女に布団をかけなおし

携帯を手に窓際へと向かった

希「もしもし?」

絵里「あ、希。今、大丈夫?」

希「うん。ちょうど帰ってきたところやから。そっち何時についたん?」

絵里「お昼過ぎにね。今は部屋でゆっくりしところよ」

希「そうなんや」

他愛のない会話

何時間ぶりかに聞いた希の声

絵里「ふふっ」

希「どうしたん?急に笑って」

絵里「希の声聞くとやっぱり安心するなぁって思って」

希「もう寂しくなったん?」

絵里「ちょっとね」

そんなことを話ながらふと外の景色に目をやると綺麗な夕日が目に入った

絵里「そっちも夕日綺麗?」

希「うーん?うん、綺麗やで」

聞きなれたベランダの戸を開ける音が電話越しに聞こえ思わず目を瞑った
120: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/06(月) 01:43:15.85 ID:L2QEtwhd.net
絵里「希、今日あったことなんでもいいから教えて」

希「今日あったこと?うーん、なんやろう…、あ、今日トイレットペパー安かったから買っておいたで」

絵里「ありがとう」

希「あとなー、亜里沙ちゃんにも会ってたまにはこっち帰ってこーい!って怒ってたで」

絵里「え!?ほんとに?」

希「うん。亜里沙ちゃんも寂しいんよ」

絵里「…うん。電話してみるわ」

目を瞑っている間だけ希と一緒にいるような気持ちになれて少し寂しさも和らいだ

「…ん」

ベッドに寝ていた彼女が眉の間にしわをよせ声をあげた

絵里「ごめんなさい。もう切らなきゃ…」

希「もうええの?」

絵里「うん。希分充電できた」

希「なん?それ」

クスクスと笑い合い「またね」と挨拶を交わし電話を切った

額に少し汗をにじませていた彼女のために窓を少し開けもう一つのベッドに腰をかけると

涼しい風と外で響く綺麗な虫の声に私はそのままベッドへ意識を預けた
123: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/06(月) 04:33:58.28 ID:L2QEtwhd.net
同級生Side

目が覚めると見慣れない天井

ベッドサイドにあった時計に目をやると17時ちょっと過ぎ

大きなあくびをしながら隣のベッドに目をやると小さな寝息を立てた絢瀬さんの姿があった

「絢瀬さんも寝ちゃったんだ」

絢瀬さんのベッドのほうへ行き布団をそっとかけなおす

あけられた窓から入って来た風で綺麗な金色の髪がゆっくりと揺れていた

白く透き通った肌 瞼を閉じ小さな寝息を立てるその姿はどこかのお姫様を見てるようだった

そっと髪の毛に触れると心臓の鼓動がうるさいくらいに跳ね私は吸い寄せられるように顔を近づけていった

軽く重ねた唇から伝わってくる体温に我に返りすぐに体を離した

「私…今…」

自分の唇に残る感触と体温が起きたことの重大さを知らしめていた

~♪~♪

ふいに鳴った絢瀬さんの携帯の音に体がびくっと跳ね上がる

携帯の画面には『希』という文字が見えた
129: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/07(火) 22:11:05.33 ID:xbulqCXm.net
出たほうがいいのかな…

携帯に触れようとすると着信が切れ携帯に「着信あり」という文字だけが残った

その音で目が覚めたのか絢瀬さんが小さく声を漏らした

絵里「…ん…どうしたの?」

「あ、携帯鳴ってたから出たほうがいいのかなって思って…。でも切れちゃって…ごめんなさい…」

絵里「ううん。たぶん希だと思うから」

軽く伸びをして時計を確認した絢瀬さんは優しく微笑んだ

絵里「そろそろ夕飯時間ね。下行きましょうか」

「…うん」

よく絢瀬さんの口から出てくる「希」という名前の女性

絢瀬さんの高校の同級生で、今一緒に住んでいる方だというのは聞いていた


「東條さんって彼氏とかいるの?」

絵里「え?」

何気なく聞いたそんな質問にご飯を口元に運んでいた絢瀬さんの手が止まった

絵里「い、いないわよ」

「ふーん。何か意外。スタイル良くて顔も可愛いからモテそうなのに」

絵里「…モテるだろうけど…でもダメよ!希に彼氏なんて!」

「ふふっ、絢瀬さん東條さんのお父さんみたい」

絵里「お、お父さん!?…そ、そうかしら…」

彼氏いないのかー

ってなんでちょっと残念がってるの私は…
130: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/08(水) 03:11:05.09 ID:o1P4urr7.net
私が絢瀬さんと初めて会ったのは入学式の日だった

最初は「うわっ…金髪とかギャルかな…」とか思ったのに

彼女の青い綺麗な瞳を見たときすぐにそれが自然なものだとわかった

その綺麗な金色の髪はいやでも目立ち、加えてスタイルの良さ、綺麗な顔立ちとくればいろんな人の目に止まる

でも彼女に気軽に話せる人はいつも隣にいた「東條希さん」だけだった

「ここ空いてる?」

絵里「え?あ、はい…」

同じゼミで彼女を見たとき最初は好奇心で話しかけただけだった

みんなが話しかけたいのに話しかけれないそんな彼女がどんな人なのか気になって

同時にそんな彼女と話せる優越感も少しあった

でも彼女のことを知っていくうちに好奇心とは違う感情が生まれ、自分でもそれが何なのまだわからないでいる…

もっと一緒にいたい、もっと話したい、もっと触れたい、もっと…もっと…

そう思ってしまう気持ちが何なのか わからないでいる…
137: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/08(水) 21:36:19.74 ID:o1P4urr7.net
絵里Side

希に彼氏?

そんなの…そんなのダメよ…認めない

でも…高校とは違う…周りもみんな彼氏を作り出して男性経験がない私達のほうが珍しい

希もやっぱり欲しいのかな…彼氏…

そう思ったら合宿で上がっていたはずのテンションがぐっと下がってしまった

今すぐ希の声を聞かないと安心できないわ…

絵里「ごちそうさま」

「え、早いね」

絵里「うん。ちょっと…」

食器を片付けすぐに部屋を向かうと携帯を手に取った

絵里「あら?希から電話きてたのね」

着信履歴に希の名前があり驚いた

きっと寝てる間にきてたのね

私はすぐにかけなおし希が出るのを今か今かと待ちわびた

希「もしもし?エリチ?」

数回のコールののち希の声が携帯を通して聞こえる

絵里「希?」
139: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/08(水) 21:53:43.38 ID:o1P4urr7.net
希「うん?なんか息切らしてるけど走ってたん?」

絵里「ううん。今すぐ希の声が聞きたくて走って部屋に戻ってきたのよ」

希「…て、照れるやん…」

絵里「でも本当のことだもの」

数時間ぶりに聞く希の声

それを聞いたら下がっていた気持ちがまたぐんとあがる

絵里「あの…希?」

希「ん?」

絵里「希もその…彼氏とか…欲しいの?」

その問いにしばらく沈黙が続く

希「どうしたん?急に」

絵里「う、ううん。やっぱりいいわ。こんなこと聞いてもしょうがないものね」

希「…んよ」

絵里「え?」

希「別に欲しいと思わんよ。エリチ以上に好きな人おらんしな~」

絵里「なっ!…希…」

からかうようにそう言った希の言葉に顔がかーっと熱くなっていく

希「エリチは欲しいん?」

絵里「私も希以上の人なんていないわ」

さっきまでの不安だった気持ちが吹き飛び笑みがこぼれる

電話の向こうで希もクスクスと笑っていた

絵里「希」

希「ん?」

絵里「…好きよ」
140: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/08(水) 22:02:44.91 ID:o1P4urr7.net
ふいに出た言葉だった

希「それは…友達としてってこと?」

絵里「…え?あ、そ、そうね、うん」

希「ふーん…」

また流れる沈黙

まずいことを言ったかしら?そんな感情が押し寄せてきて謝ろうとした言葉を希に遮られる

希「エリチのアホ!」

絵里「え?え、え、希?なんで怒って…」

希「そんなの自分で考えなさい!」

そのまま電話が切れぷーぷーという悲しい音だけが耳元で響いていた

絵里「な、なんで怒ってるのよ…」

希が怒った理由がわからずもう希の声が聞こえないはずの携帯電話をじっと見つめた

コンコンと壁を叩く音が聞こえ音のほうへ顔を向けると同室の彼女が優しく微笑みながら壁にもたれかかっていた

「電話もういいの?」

絵里「あ、うん。ごめんなさい、帰ってきてたの気づかなくて」

「ううん。いいよ。それより喧嘩でもした?」

絵里「そんなんじゃない…と思うけど…気持ちがわからなくて」

精一杯の笑顔を浮かべ彼女にそう返すと彼女は私の隣にそっと腰をかけた

「ねぇ、ちょっと外出てみない?」

絵里「外?」

「うん」

そして彼女の手に引かれ私は暗くなった合宿所の外へと繰り出した
143: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/09(木) 02:58:47.24 ID:hislVZ/P.net
絵里「ね、ねぇ、どこ行くの?」

「ちょっとねー」

暗いところが苦手な私にとって街灯もない山道を通るのは恐かった

彼女の腕に必死にしがみつきできるだけ離れないように歩く

しばらく歩くと目の前に明るい光が見え自然と頬が緩んだ

光の先にあったものは小さなベンチとその目の前に広がる綺麗な夜景だった

絵里「すごい…」

「先輩に聞いて絢瀬さんと来たいなって思ったから連れてきちゃった」

絵里「ありがとう。すごい嬉しいわ」

私達はそこのベンチに腰をかけただただ綺麗に輝く夜景を二人で見つめた

希とも見たいわ

そう思うと同時にさっき希が怒ったことを思い出しガクンと肩を落とした

「東條さんのこと?」

絵里「うん、怒らせちゃったみたいでどうしたらいいかわからないのよ…」

絵里「でもなんで怒らせちゃったかわからなくて…友達として好きっていう以外何があるのかしら…」

「ほら、東條さんっていつも一緒にいるから家族みたいな関係がいいとか?」

絵里「あ!確かにそれもあるかもしれないわね!家族!家族かー…、ありがとう!何かわかった気がするわ!」

「ううん…」

手を握ってお礼を言うと彼女は苦笑いを浮かべ顔を逸らした

絵里「どうしたの?」

「う、ううん。なんでもない」

どこかつらそうな彼女の顔を見たかぎりなんでもないという感じではないように見える
148: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/11(土) 03:49:30.03 ID:IPCokeMS.net
同級生Side

最低だ…

東條さんが怒った理由、その言葉の意味、何となくわかってたのに私は…

「…最低だ…」

絵里「え?」

「…本当はわかってるのに気づかないフリして絢瀬さんに嘘ついた…」

絵里「嘘?」

握られていた手をそっと離し絢瀬さんから景色へと視線を変えた

「きっと東條さんの好きは絢瀬さんとは違う、恋人としての好きだと思う」

そう言ったあと絢瀬さんが動揺したような仕草をしたが横目でわかった

そんなあなたをもっと動揺させてしまうことを私は今から口走ってしまう…

「私もね…東條さんとおんなじ気持ちだよ」

時が止まったかのように私と絢瀬さんの間で沈黙が広がる

どれくらいそうしていたのかはわからないけどそのあと絢瀬さんは

真っ赤になる顔を隠すように口元に手の甲を添えた

「へへっ…言っちゃった…」

言っちゃった…もうきっと絢瀬さんとは前のようには戻れない…
154: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/13(月) 04:31:10.48 ID:UZesgNf5.net
絵里「な、何言ってるのよ…」

少し震えた声 動揺してるのがわかる

私はここでやっと絢瀬さんのほうへと顔を向けた

顔を真っ赤に染め目線を泳がせる彼女が可愛くて愛しくて私は…

絵里「…っ」

一瞬触れた唇の柔らかい感触

気づいたときには目を大きく見開き口元を押さえる絢瀬さんが目の前にいた

「あっ…、えっと…、ごめんなさい…!」

逃げるようにその場から立ち去り元来た道を必死で駆け出した

なんで…なんでまた私は…

柔らかい感触が残る唇にそっと触れると私の頬を涙が伝った


どれくらい走ったのかわからない

息が続く限り走り続け気づくと宿舎が見える場所まで走ってきていた

「はぁ…はぁ…」

呼吸を整え冷静さを取り戻したところで私はあることを思い出していた

あそこまで行く途中異常に怯え私の腕に必死にしがみついていた絢瀬さんのことを

私は呼吸がまだ整わないまままたあの場所へと駆け出した
158: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/15(水) 03:56:31.99 ID:YL5nZkHC.net
絵里Side

「きっと東條さんの好きは絢瀬さんとは違う、恋人としての好きだと思う」

私の胸の奥のほうから今まで感じたことのない感情がこみ上げてきた

希が私を…?

そう思ったとき希が怒ったわけ、今までの言動がパズルのように重なっていくのがわかった

同時に私が抱いていたこの気持ちも希と一緒だったんだ…と確信にも来た感情がこみ上げてきた

早く希の声が聞きたい…

そう思っていたのに

「私もね…東條さんとおんなじ気持ちだよ」

その言葉を聞いたとき同じように胸の奥が震えていた


走り去っていってしまった彼女を追うことが出来ずベンチにそのまま座り込んだ

好き…?あの子が私を…?

さっきの赤くなった彼女の顔を思い出すとまた胸が大きく鼓動を繰り返す

私もきっと彼女のことが好きだと思う…

でもどういう好きなのかわからない…

希のとは違う好きなの…?わからない…自分で自分がわからない…

私は綺麗な星空が輝く夜空を仰ぐとそのまま両目を腕で覆った

絵里「…わからないわ…」

ふいにガサガサという音が背後から聞こえ振り向いた

「…良かっ…た…、まだいた…」

そこには肩で呼吸する彼女が立っていて荒い呼吸を少し整えるとにこっと笑った

「恐いのダメなんだよね?一緒に帰ろう」

絵里「…そのために戻ってきたの?」

「…?うん」

私はこの子を傷つけることは出来ない…

そのときそんな気持ちが私の心の中に芽生えていた
165: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 04:08:21.41 ID:FrzwYevP.net
部屋につくとどことなく気まずい空気が流れ目も合わせられない私とは対照的に

彼女は明るくふるまい笑顔を見せる

「もう遅いしお部屋のシャワー使おっか?」

絵里「そうね…」

「絢瀬さん先入って」

絵里「でも…」

「いいからいいから。私、明日の準備とかしておきたいから」

絵里「じゃあ…」

お風呂セットと着替えを手にシャワールームに行くと鏡の前の情けない顔の自分と目が合った

彼女に気を使わせているのはわかってる

でもどんな言葉をかけてもどんな顔を見せてもきっと彼女を傷つけてしまう…

そう思うとただ自分の手をぎゅっと握り締めることしかできなかった


絵里「あがったわよ」

シャワールームから出て彼女にそう声をかけると背中を向けてた彼女の体がびくっとはねた

そして慌てて顔を手で拭うといつものように元気な声をあげる

「じゃ、じゃあ私も入ろうかな」

彼女はテキパキとお風呂の準備を進め出てきたばかりの私の横を通り過ぎるときに

見えた彼女の瞳にはうっすらと涙を浮かべていた

その瞬間、私は咄嗟に彼女の腕をぎゅっと掴んでいた
175: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 04:18:31.60 ID:MUBzrViw.net
「絢瀬さん…?」

掴んだもののどう言葉をかければいいのかわからず掴んでいた腕をそっと離した

彼女は何事もなかったかのようににこっと笑い

「髪乾かさないと風邪引くよ」

と優しい言葉をかけるとそのままシャワールームの扉をそっと閉めた

私はさっきまで彼女の腕を掴んでいたまだ少しぬくもりの残る手をぎゅっと握り締めそのままベッドにうつぶせに倒れこんだ

絵里「…どうすればいいの…」

どうすれば彼女を傷つけないの…

どうすれば今までみたいに笑ってくれるの…

どうして…どうして…が何度も何度も頭の中をぐるぐると回る

今までだって告白されたことは何度かあった

異性も、同性もそれとなく理由をつけても断れてこれた

なのに彼女にだけは嘘をつけなくて…だからといって正直にもなれなくて…

キリキリと痛む胸元をぎゅっと掴んだ


しばらくそのままベッドで脱力しているとシャワールームの扉が開く音が聞こえ

濡れた髪を拭きながら彼女が出てきた

「あ!髪乾かさないと風邪引くっていったでしょ!」

絵里「あ…」

「もうこっち来て、やってあげる」

彼女は自分のほうのベッドに座るとぽんぽんとベッドを叩いた

言われるがまま彼女の前に腰をかけるとドライヤーの風と彼女の指が私の髪を包み込んだ

絵里「ごめんなさい」

「ううん。熱くない?」

絵里「平気。気持ち良いわ」

そういえば希と一緒に住み始めたときもこんな風に乾かしあいしたわね

希の髪は長いから時間かかって結局私の髪もうほとんど乾いてたのよね

絵里「クスクス…」

「ん?なんで笑ってるの?」

絵里「ううん。ちょっと希…」

希…その言葉を口に出したとき彼女の手が一瞬止まり私もそれ以上何も言えず沈黙が流れた
176: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/21(火) 03:58:34.50 ID:n8WmJeSr.net
「…東條さんとは高校から一緒なんだっけ?」

突然の問いに動揺しながらも

絵里「え、ええ…」

と答えた

「確か女子校だよね?」

絵里「ええ」

「あー絢瀬さんモテそー」

絵里「えぇっ!?そ、そんなことないわよ」

「えー、絶対うそー」

さっきまでの気まずかった雰囲気が嘘のように会話が弾み

彼女が気を使って話を振ってくれているのがわかって私も必死に平静を装っていた

でも時折会話が途切れ沈黙が流るとなんともいない空気が私達を包んでいた…

「…はい、できたよ」

絵里「ありがとう。…じゃあ今度は私がやってあげるわ」

「え、でも…」

絵里「私だけやってもらうのも何か悪いわ」

「…じゃあお願いしようかな」

今度は私のベッドのほうへと彼女を座らせると濡れた髪にそっと触れた

「何か恥ずかしいかも…」

えへへっと照れたように笑う彼女に私の顔にも笑みがこぼれた

私とは違う綺麗な黒髪

絵里「…綺麗ね」
180: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/24(金) 03:51:07.52 ID:jrmFH6LU.net
「ありがとう」

それから彼女の髪を乾かす間と会話という会話はなくただ静かに時間だけが流れていった

合宿中彼女としっかり会話したのがそれが最後で合宿2日目となればみんな忙しく動き回り

それぞれ同じテーマに沿った組で別れて行動することが多く、チームが違う彼女とは部屋が同じでも

お互い時間が合わず顔を合わす機会も減っていた


合宿最終日前夜みんなの発表が終わりやっと安堵した空気が広がった

宴会にはお酒も並びにぎやかな声が室内に響いていた

「絢瀬さん飲んでる~?」

絵里「あ、飲んでます」

隣でいい具合に出来上がってる先輩に私は笑みをもらすと離れた席に座っていた彼女に目を向ける

「ほら、飲んで飲んで」

「あ、はい!」

同じようにいい具合に出来上がった先輩に絡まれていたが彼女がお酒が弱いことを知っていた私は思わず「あっ!」と声を出した

案の定その一杯だけで顔を真っ赤にし倒れた彼女をみんなが心配し駆け寄った

「え、ちょっ大丈夫!?」

「おーい!大丈夫かー!」

私はその輪の中に倒れている彼女の腕を取り自分の肩にかけるとゆっくりと持ち上げた

絵里「部屋まで連れていきます」

「う、うん、よろしくね」

軽い挨拶を済ませ彼女を引きずるように部屋までつれていくとベッドに寝かせた

魘されてるかのように眉間にしわを寄せ唸っている彼女の額にそっと手を添える

絵里「…ったく、ああいうのは軽くあしらえばいいのよ…」

でも断れないのが彼女の優しさであるのは重々承知している

だからこそこんな優しい彼女を傷つけ気を使わせてしまっていることに胸が痛んだ…

ふとしばらく見れていなかった携帯に目を向けると希から着信が入っていた

彼女がそっと離れ窓際に行くと着信履歴から希へと電話をかける

希が出る間のたった数秒の時間でさえも長く感じ希の声が電話越しに聞こえると自然と笑みがこぼれた
181: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/24(金) 04:09:36.33 ID:jrmFH6LU.net
>彼女がそっと離れ窓際に行くと着信履歴から希へと電話をかける ×

彼女からそっと離れ窓際まで行くと着信履歴から希へと電話をかける ○
182: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/24(金) 04:28:10.64 ID:jrmFH6LU.net
希「もしもし?エリチ?」

絵里「もしもし?ごめんなさい、電話出られなくて」

希「ううん。明日帰ってくるんよね?何時くらいに帰ってくるん?」

絵里「うーん、観光もして帰るから夕方かしら」

希「そうなんや…。あ、お土産は絶対食べ物やからね!」

絵里「はいはい」

後ろで彼女が寝返りをうつ音が聞こえ振り返ると目を閉じ寝息をたてているのが聞こえ胸を撫で下ろした

希「エリチ?」

絵里「ごめんなさい、同室の子が寝てる子があまり大きい声は出せないの…」

希「そうなんや、じゃあそろそろ切ったほうがええかな…」

絵里「ごめんなさい…」

希「ええよ。どうせ明日ゆっくり話せるやん。お土産話楽しみにしとる」

絵里「うん。…おやすみなさい希」

希「おやすみエリチ」

電話を切ると今にも雨が降り出しそうな空を見上げ自分の唇にそっと触れた

絵里「ごめんなさい…」

まだ少し残る彼女の感触と揺らいでいる心

ちゃんと話さないと…よね

話して希とも彼女ともちゃんと向き合わないと…よね

そう自分に言い聞かせ痛む胸をぎゅっと掴んだ
189: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/04/28(火) 03:01:38.32 ID:RrvKq/+c.net
短いようで長かった合宿が終わり家路へと向かう道中

何度も止まっても「いや…」っと考えこんではまた歩き出すという

周りの人から見ると不審者ともとれる行動をしているのは自分でもわかってる

でも希にどう話すべきか…そればっかりが頭を巡り、希がどう反応するかまで想像しては立ち止まり頭を抱えた

ふいにと言えど彼女と唇を重ねてしまったこと、心が揺れていること、希の気持ちに気づかなかったこと

話したいことは山ほどある

でも勇気が出ないのだ…

そんなことを考えてるうちに家につき小さなため息を一つついた


絵里「ただいま」

希「おかえりー。どうやったー?合宿」

絵里「思い出話もいいけどまずはお風呂に入りたいわ。汗かいちゃって」

希「あ、お風呂わいてからもう入れるで」

絵里「さすが希ね」

希「へへ」

久しぶりに見た希の笑顔に私も笑みをこぼすと無意識に希の髪にそっと触れていた

希「え、エリチ?」

絵里「あ、ごめんなさい…!」

希「…ええけど…なんかあったん?」

その言葉に体がびくっとはねた
195: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/05/01(金) 03:39:09.58 ID:gOwcnRV9.net
絵里「な、なんでもないわ…。お風呂入ってくるわね」

言うと決めていたのに希の顔を見た途端に罪悪感が一気に湧き起こり私はお風呂へと逃げた

きっと希、変に思ったわよね…

絵里「はぁ…」

大きなため息をつきながら服を脱いでいった


お風呂から出ると部屋中にいい匂いが広がり笑顔の希が出迎えた

希「ご飯、もう出来てるで」

絵里「なんか悪いわ…」

希「ええんよ。エリチ疲れてるやろ?ほら、座って座って」

背中を押されながら席につくと希も目の前の席につき二人で「いただきます」の声をそろえた

久しぶりの希との食事

絵里「うん、美味しい」

希「そう?エリチがいない間暇やったからにこっちに色々料理教えてもらってん」

絵里「へぇ~、さすがにこね」

希「今日作ったのはうちやけどね!」

そうドヤ顔で返され二人だけの食卓に自然と笑い声が響いた

希「それで、合宿どうやったん?」

絵里「え?あ…うん。楽しかったわよ。お土産もちゃんと買ってきたわよ、食べ物」

希「おー!」

リビングに置かれていた旅行鞄からお菓子と名産のものを取り出し希に渡すと希は嬉しそうにそれを眺めていた

絵里「ちゃんとお望み通りのものでしょ?」

希「うん。エリチが選んだものにしてはええやん。あ、それとも友達に選んでもらったん?」

絵里「え?ち、違うわよ…」

合宿でのことを話すたびに希に何か悟られるんではないかと思い私は目を合わせられないでいた…
199: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/05/02(土) 03:56:10.49 ID:xTRSj27D.net
希Side

旅行から帰ってきてからエリチが何かおかしい

おかしいのはわかるんだけどどうしてなのかはわからない

でも

希「避けられてる気がする…」

にこ「ふーん」

希「もう!聞いてるん?にこっち!」

にこ「聞いてるわよ。絵里に直接聞けばいいじゃない」

希「そんなの出来てたらとっくにしとるわ…」

なぜかにこっちにはこんなにも素直になれるのにエリチの前じゃいい子ぶってまう…

希「はぁ…やっぱり怒ったこと気にしてるんかな…」

にこ「じゃあただの痴話喧嘩じゃない」

希「普通の喧嘩やったらエリチのほうから毎回謝ってきてくれるもん…」

にこ「それもそれで問題ね…」

希「うーん…」

もしかしてうちが怒った理由気づいたんかな…

でもそれだと避けてる理由は拒絶…やんな…

希「はぁー…」

にこ「まぁ元気出しなさいよ」

希「出ないわ…」

にこ「じゃあパーッとこの後遊びに行く?みんなで」

希「みんな?」
202: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/05/08(金) 01:42:51.17 ID:yuFF5IGt.net
希「おー、ほんまにみんな揃っとる」

真姫「『みんな』ではないけど」

にこ「ことりは留学中だしね」

希「でも今月帰ってくるんやろ?」

穂乃果「うん!海未ちゃんと二人で空港までお迎えに行くんだー」

希「そうなんや。海未ちゃん実は寂しくて夜な夜な泣いてたりして…クスクス」

海未「私は別にそんなんじゃ…!」

凛「そういえば絵里ちゃんは?」

にこ「あー…絵里はこれから誘おうと思って、希さえ良ければだけど…」

真姫「もしかして喧嘩中なの?」

希「…別にええよ誘っても。今日はゼミないって言ってたから暇やろうし…」

にこ「…じゃあちょっと電話してくるわ」

そう言って店を出ていくにこっちの背中を見送りながら不安そうな顔をしている花陽ちゃんと

ちょっと面倒くさそうな顔を浮かべた真姫ちゃんと目が合った

空気悪くしちゃったかな…そう思っていたのに穂乃果ちゃんと凛ちゃんの二人は相変わらず騒がしくて

ここならエリチと少しは話せるかもな、そんな自信が湧いてきていた
204: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/05/12(火) 00:22:38.90 ID:y/ha72cK.net
にこ「絵里、30分くらいで行くから先始めててって」

穂乃果「やったー!じゃあ乾杯しちゃおっか!」

穂乃果ちゃんの掛け声でみんなのグラスがいい音を鳴らし自然と笑顔があふれ出す

やっぱ穂乃果ちゃんはすごいなあ

希「…?そういえばあの子も穂乃果ちゃんに何となく似てたような…」

にこ「何ぶつぶつ言ってんのよ」

穂乃果「…?な、なに?恐いよ…希ちゃん」

希「観察中や、エリチはきっと穂乃果ちゃんみたいな子好きやからね」

穂乃果「えぇー…。あ、そういえばこの前絵里ちゃんが穂むらに来てくれて少しお話したんだけど」

希「エリチが?」

穂乃果「うん。聞いてない?何か悩んでたみたいだったけど…」

なんで穂乃果ちゃんのとこ…

やっぱりあの子と合宿で何かあったんかな…

悪い予感がどんどん的中していくようで胸の中がざわざわしていく…
210: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/05/13(水) 03:42:27.71 ID:22/Qq5J/.net
絵里Side

合宿からしばらくたち何となく希と距離をあけてしまっていくを自分でもわかっていた

でも顔を合わせるたびにあの夜のことを思い出し罪悪感で胸がいっぱいになる…

絵里「はぁー…」

いつもならレポートの手伝いやなんとなく誘いで長期休みも会っていた彼女からの連絡も

あの合宿から一度もなくそれが余計に私の心の中にモヤモヤをうんでいた



絵里「よろしくお願いします」

先生「ええ、こちらこそよろしくね」

職員室を出ると見慣れた廊下、聞きなれた吹奏楽部の音楽、部活の声

夏休み明けから始まる教育実習の挨拶で久しぶりにこの学校の空気に触れて

走馬灯のようにみんなとの思い出が頭の中を駆け巡っていた

絵里「ほんと懐かしいわ…」

ここで希と会ってみんなとμ’sの活動をしてそして今もここに残る生徒達の声に私は瞳に溜まった涙をそっと拭った
217: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/05/18(月) 03:32:21.61 ID:yYLgHLMh.net
帰る途中ふと思い出し私はあの場所に寄った

絵里「こんにちは」

「あら、こんにちは。久しぶりねー、どうしたの?」

絵里「ちょっと近くに来たので寄ってみました。穂乃果は?」

「あの子なら部屋にいるわよ。どうぞどうぞあがって」

懐かしい階段を登り懐かしい部屋の前で立ち止まるとそっと扉を叩いた

穂乃果「はーい」

開いたドアから顔を覗かせ目が合うとパーッと広がっていく懐かしい笑顔

絵里「久しぶり穂乃果」

穂乃果「絵里ちゃん!どうしたの!?」

絵里「ちょっと音ノ木坂に用事があったから寄ってみたのよ。入っていいかしら?」

穂乃果「どうぞどうぞ」

絵里「ふふっ。なんにも変わってない」

懐かしい話から今の話までいろいろなことを穂乃果と話した

その節々に見える以前と変わらない穂乃果に私はぽつりと言葉をもらした

絵里「いいなあ…」

穂乃果「ん?」

絵里「穂乃果は穂乃果のままで何にも変わってなくて安心したというか…」

あのころみたいに純粋に希と向き合うことが出来なくなってしまった今の自分と重ねると

昔も今も変わらず屈託のない笑顔を見せる穂乃果が眩しく思えた

穂乃果「そうかな?でも絵里ちゃんも全然変わらないよ!」

絵里「え?」

穂乃果「だって絵里ちゃん、希ちゃんとお友達の話ばかりだから」

絵里「あ…ごめんなさい。私自身の話まったくしてなかったわね…」

穂乃果「ううん。でもそれ聞いてて思ったの。絵里ちゃんは絵里ちゃんのままだったって」

穂乃果「穂乃果の知ってる自分のことよりも誰かのために一生懸命になってくれる昔の絵里ちゃんのままだった」

そう言ってまた懐かしい笑顔を私に向ける穂乃果

何となく似ていると思っていた彼女とは似ても似つかない穂乃果の姿がそこにはあって

今まで何を悩んでいたんだろう私は…

勝手に彼女に穂乃果を投影し傷つけたくないとモヤモヤして結局一番大切な人を傷つけてしまっていただけじゃない…
225: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/05/23(土) 04:00:26.98 ID:mUTksvq1.net
絵里「ありがとう穂乃果」

穂乃果「?」

お礼を言われたことに首を傾げた穂乃果は私はついぎゅっと抱きしめた

穂乃果「絵里ちゃん!?」

一瞬戸惑った声をあげた穂乃果だけど耳元で聞こえる私のすすり泣く声に気づいたのか

そのあとは何も言わずただ同じようにぎゅっと私を抱きとめていてくれた

絵里「ごめん…ごめんね…」

自分のバカさと今まで無意識に傷つけてしまっていた希のことを考えると

自然と涙が溢れ止まらなかった

後輩のしかも穂乃果にこんな姿を見せるなんて恥ずかしくてかっこ悪くて今すぐにも

笑って「なーんてね」なんて冗談を言いたいのにあふれ出す涙を止めることはできなかった

穂乃果「なんかよくわからないけど大丈夫だよ。大丈夫」

絵里「うん…うん…」



「また来てねー」

絵里「ありがとうございました。お邪魔しました」

一頻り泣いて土下座する勢いで穂乃果に謝罪をすると穂乃果「別にいいよー」と笑顔で返した

絵里「穂乃果…本当にごめんなさい…」

穂乃果「いいっていいって。それより今度みんなで集まろうよ!」

絵里「そうね。集まりましょう」

穂乃果「うん!じゃあまた今度ね!」

絵里「ええ」

穂乃果と別れ家路へ向かう途中私はある場所へ電話をかけた
228: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/05/28(木) 04:34:12.49 ID:0WdVHYs3.net
大学近くの小さなカフェ。私はテーブルの上にあった水を少し含み腕時計に目をやった

「ごめん!待った?」

カランコロンという鈴の音と共に慌てた様子で飛び込んできた彼女に私は微笑んだ

絵里「ううん。私も今来たところよ」

安堵した表情を浮かべ席についた彼女に店員がお冷を持ってきたタイミングで私達は共にアイスコーヒーを頼んだ

いざ彼女を目の前にすると上手く言葉が出てこず関係のない話ばかり振ってしまう私に

彼女は優しく微笑みながら小さなため息を一つついた

「何か話したいことあったんでしょ?」

絵里「え?…」

「私もずっと謝りたかったから…合宿のときのこと…」

彼女はすっと頭を下げた

「ごめんなさい…あの日絢瀬さんの気持ちも考えずに勝手にキスして告白して…本当はわかってたのに…」

「絢瀬さんが東條さんのことが好きってこと…」

絵里「ううん。私もあなたを傷つけたくないって思ってたのに結局私がはっきりしないせいで」

絵里「こうしてあなたを傷つけてしまったわ…ごめんなさい…」

お互い机で向き合って頭を下げる光景は傍から見たらへんな光景に思えたと思う

私達も顔を上げて目が合ったときおかしな光景な思わず「ふふっ」っと笑みがこぼれた

絵里「私、希が好きなの。だから…ごめんなさい…!」

「うん」

吹っ切れたような眩しい笑顔を向けた彼女は穂乃果に似た誰かではなく紛れもない彼女が姿がそこにはあった

そんな彼女に私はもう一度深く頭を下げた

絵里「本当に自分勝手だってわかってるんだけど…」

絵里「でもどうしてもあなたとはこれからも友達でいたいと思ってるの…。ごめんなさい…振られた相手と友達になんて我が儘よね…」

「え?何言ってるの?私はそのつもりだったけど?」

絵里「え…」

「だって絢瀬さんとはもっと話したいこといっぱいあるし、就職のこととか、就職のこととか」

絵里「ふふ…就職のことばっかりじゃない」

以前と変わらない彼女の笑顔と優しさに思わず溢れそうになる涙をぐっと堪え私も精一杯の笑顔の彼女へと向けた

希…あの日あなたを怒らせてしまった意味、私ようやくわかったの…あなたも私と同じ気持ちだったのよね…

だからこそ今度こそはっきりと言える「私も好きよ。一人の女性として」って
232: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/05/30(土) 04:18:40.49 ID:P7O0bqS6.net
希Side

絵里「もうみんな揃ってたのね」

穂乃果「絵里ちゃん!」

それからしばらく経ってエリチが来るとみんながわいわいと取り囲んだ

うちはその光景を見ながら手元にあったお酒をぐびっと飲み干した

にこ「ちょっと希呑み過ぎよ…」

希「ええの!今日は飲みたい気分なんよ」

エリチの目が合いにこっと微笑み返され一瞬ドキっとしたけどすぐに目を逸らした

ドキッ!じゃなくて、うちはエリチに怒っとるんよ!

そう自分に言い聞かせるようにするとすぐさまおかわりを頼む

絵里「私も同じのを」

みんなから解放されたエリチがにこっちとうちの間に腰を下ろした

絵里「今日飲み会って言ってたのみんなとだったのね」

希「…うん」

何事もなかったみたいに普通に話しかけてくるエリチに少しイラっとして

そっけない返事で返すとにこっちに「希」って怒られた

絵里「にこ、ありがとうね呼んでくれて」

にこ「別に私は…。それよりここの空気悪くする前にちゃんとしなさいよあなたたちのこと」

絵里「ええ」

にこっちに向けられていたエリチの視線がこっちに向けられる

絵里「希」

希「な、なん…?」

あくまでそっけない態度を続けるうちの手にそっとエリチの手が触れる
242: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/06/01(月) 04:44:55.48 ID:eX2Y5SyA.net
絵里「ずっと避けるようなことしててごめんなさい…」

希「べ、別に気にしてへんし…ってか避けられたとか気づかんかったし!」

避けられてたことに気づいてた自分がエリチのことをずっと見ていたのがバレたようで

恥ずかしくて精一杯の強がりを見せてそう言ううちを見透かしてるかのようにエリチが優しく微笑んだ

それがまた悔しくてついそっぽを向いた

絵里「ちょっと二人で話さない?」

そう言ってみんなの輪を抜けカウンター席に二人で腰をかけると

エリチは言いにくそうな顔を浮かべながらしばらく沈黙が続いた

希「…話するんやないの?」

絵里「そう…なんだけどね…」

また少しの沈黙の後エリチはゆっくりとこっちへ体を向けた

そして

絵里「ごめんなさい!」

希「え?」

急に頭を下げられ動揺するうちを余所にエリチは話を続けていく

絵里「合宿で希が怒った意味に全然わからなくて…」

希「あ、あぁ…。そのことならもうええから…」

きっとエリチはうちとは違う気もちやから…

そういいかけようとした言葉を遮るように出たエリチの言葉

絵里「でもやっとわかったの、あの時の意味も私の本当の気持ちも」

希「え…」

絵里「これ希に」
243: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/06/01(月) 04:46:46.81 ID:eX2Y5SyA.net
急に出された小包にまたも動揺しているとエリチはそっとその小包を開けた

中にはシルバーのリングがついたネックレス

希「ネックレス…?」

そう呟いたあとでエリチの首元にも同じようなネックレスが光ってるのが見えた

絵里「本物のリングはまだ買えないから安物だけど…」

希「ううん。でもなんで…」

絵里「言ったじゃない。自分の気持ちに気づいたって。私も希と同じ気持ちだから」

絵里「好きよ、友達としてじゃなくて一人の女性としてあなたのことが好き」

好き

ずっと欲しかった本当の言葉にどう反応していいのかわからず硬直するうちをエリチは心配そうに覗き込んだ

絵里「もしかして私の解釈間違えてた…?」

思いっきり首を横に振る

希「うちも…うちも好き…エリチのこと」

初めて声をかけたあの日からずっと大好きだった…
254: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/06/02(火) 03:04:23.15 ID:tpKchGoB.net
穂乃果「あ、二人共どこ行ってたのー!」

絵里「ちょっとね」

少し照れくさくて赤くなっているうちに気づいたにこっちが「よかったわね」って言ってくれて

思わずぎゅっと抱きしめた

にこ「ちょっ!なに急に!」

希「にこっちほんまありがとう!うちにこっちの幸せずっと願ってるから!」

にこ「あー、はいはい。わかったから早く離れなさいよ。みんな見てる」

絵里「いいじゃない。希が抱きつくなんて早々ないわよ」

凛「ん?なんか楽しそうにゃー!」

にこ「ちょっ、凛まで抱きつかないでよ!」

両端から抱きつかれるにこっちにみんなの笑い声が溢れ目の前でにこっちは恥ずかしそうに俯いた

凛「ほら、真姫ちゃんも!」

真姫「わ、私はいいわよ、別に…」

凛「あー!そっかそっか。そうだったにゃー」

真姫「な、何がそうなのよ!」

凛「別にー。何もないにゃー」

真姫「何もないってにやにやしてるじゃない!」

凛「何もないにゃー」

凛ちゃんにからかわれ真っ赤になってる真姫ちゃんを見つめるにこっちはボソっと呟いた

にこ「私も素直にならないとよね…」

希「せやな」

にこ「え…!?き、聞いてたの」

希「相談ならうちらが乗るでー」

にこ「い、いいわよ…」

久しぶりに集まって久しぶりに笑い合うこの光景

懐かしい中にも変わらないもの、変わったもの色々あって

うちとエリチも変わったようで変わらない

それが何よりも嬉しくてうちは満面の笑顔を浮かべた
260: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/06/06(土) 04:03:10.38 ID:Ln5a129X.net
絵里「久しぶりのみんな元気そうでよかったわね」

希「せやね。凛ちゃんなんて元気有り余ってる感じやったね」

飲み会の帰り道

エリチと他愛無い会話をしながら歩く

絵里「穂乃果は大丈夫かしら、あんなに飲んで…」

希「海未ちゃんが送ってく言うてたし平気平気…っあ!」

つい足がふらつき転びそうになった体をエリチがそっと横から支えてくれた

絵里「希も飲みすぎよ」

希「へへっ」

腰に回された腕にぎゅっと引きよせられ抱きしめられる

うちも同じように腰に手を回すとぎゅっと抱きしめた

それから自然と目が合ってそういう意味かな?なんて思って目を瞑ったのに一向に唇には何も触れない

希「エリチ?」

しびれを切らして目を開けるとエリチは額に汗を滲ませ明らかに動揺した表情を浮かべていた

希「どうしたん?」

絵里「あ…えっと…その…ごめんなさい!」

希「えっ…!?」

急に目の前で頭を下げられたかと思うとそのまままたぎゅっと抱きしめられた

絵里「実は合宿のときキス…したの…」

希「え…」

絵里「で、でも事故というか…不注意というか…と、とにかくごめんなさい…!」

ぎゅっと抱きしめているエリチの腕はカタカタと震え耳元はすすり泣くような声が聞こえた

希「バカやなエリチは」

涙目のエリチのおでこにデコピンをすると「痛っ!」と目を瞑った

その隙にエリチの唇にそっと自分の唇を重ねた

たった数秒の出来事だったはずなのにその一瞬はうちにはとても長く感じていた

絵里「え…希、今…」

希「隙ありすぎやエリチは」
265: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/06/07(日) 00:38:41.19 ID:X78+rpxC.net
絵里「え?隙?」

希「だからこうやってすぐキスされるんよ」

ふいっとエリチに背を向け歩き出すとエリチの慌てた声が背中越しに聞こえてきてついクスクスと笑った

絵里「の、希!やっぱり怒ってるの?」

希「べつにー」

絵里「本当にごめんなさい!」

希「ほんまに怒ってないよ」

だって生徒会室で眠ってしまったエリチにそっとキスをしてたことうちしか知らないから

だけど困り眉のエリチも可愛いからしばらくは内緒にしてようかな

なんて思ったらまた笑みがこぼれた

絵里「希笑ってる?」

希「笑ってへんよ」

絵里「嘘、今絶対笑って…」

希「…クスクス」

絵里「ほらやっぱり笑って…」

希「エリチ」

困り眉のエリチの腕をぐいっとひっぱるともう一度エリチの唇に自身の唇を重ねた

今度はさっきよりも長く深く

絵里「…っん」

あどけなく動くエリチの舌と目を瞑りながらみるみるうちに赤く染まる頬にうちの全身が震えていた

やばい…エリチのこういう顔すごい好きかも…

酒の勢いなのか、本心なのかわからないその気持ちに自然と腕をエリチの腰に回していた

希「…早く家帰ろエリチ…」
271: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/06/10(水) 05:00:26.47 ID:rONSquwh.net
それからのことはほとんど覚えてなくて目が覚めると見慣れた天井がそこにはあり小さなため息をついた

希「…今、何時…」

枕元にあるはずの目覚まし時計に手を伸ばしいるとその手に誰かの手が重なった

希「え…?」

絵里「希…起きたの?」

枕に肘をつきこっちを見つめながら微笑んだエリチは思考が停止し固まるうちの目の前で手をひらひらと振った

絵里「希?大丈夫?」

希「なっ!えっ!エリチ!?」

こういうことが起きるとこの行動を取ってしまうのが人間の性なのか

自分の服の有無を確認するために毛布を少しめくった

希「…っ」

案の定何も身につけていない自分の姿に恥ずかしくなりそのまま頭まで毛布を被った

絵里「希もしかして覚えてないの?」

毛布の隙間からチラッとエリチの顔を窺うと困ったような笑みを浮かべていた

希「うん…うち何したん…?」

絵里「何って…ねぇ…」

目を逸らし頬を赤く染めるエリチにうちは全てを察しまた頭まで毛布を被った

希「ごめんなさい!」

絵里「どうして謝るの?」

希「だってたぶん無理矢理やろ…?」

もぐっていた布団をはがされまたエリチと目が合った

絵里「本当に嫌だったらこうして一緒に寝てるわけないでしょ。それにどっちかっていうと私は無理矢理…」

希「え?」

絵里「だ、だって希が悪いのよ!人のこと脱がしておいてやっぱり今日はええや…とかいうし…」

希「エリチ…」

絵里「ご、ごめんなさい!」
273: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/06/10(水) 05:21:03.98 ID:rONSquwh.net
今にも泣き出しそうなエリチの頬に優しく触れる

希「ふふっ、昨日からエリチ謝ってばっかやね。…ねぇ、エリチ…」

絵里「ん…?」

希「今度はちゃんと素面のときにしたい…」

絵里「希…」

どちらからとでもなく触れる唇

絵里「私は今からでもいいけど…」

希「それは…それに今日からしばらく実家帰るんやろエリチ…」

絵里「明日からにするわ」

希「ダメやって…家にも連絡しちゃったんやんし」

絵里「平気よ、また電話すれば」

希「ダメやってば…」

絵里「どうしてもダメなの…?」

捨てれた子犬のような目でうちを見つめるエリチにうちはつい抵抗していた手をゆるめた

希「ずるい…」

絵里「希のことならずるくだってなるわよ私も」

そう言って微笑むエリチにぎゅっと抱きしめられ今度は一つ一つがうちの中に記憶として残っていった


数日後

希「エリチー、先行っちゃうでー」

絵里「ちょっと待ってー私も一緒に」

いつもと変わらぬ日常の中で前とは変わったことが一つある

絵里「ごめんなさい、ハンカチがどうしても見当たらなくて」

希「もう!もう忘れものない?」

絵里「あっ!あったわ忘れ物」

不意に触れるエリチの唇

絵里「いってきますのキス、忘れてたわ」

希「もう…」

もう一度今度はうちからエリチの唇に自身の唇を重ねた

これからのことはまだわからないけどうちはこの先もずっとこうしてエリチと一緒に歩いていければいいな

そう心の中で願いながら差し出されたエリチの手を優しく握った
274: 名無しで叶える物語(しうまい)@\(^o^)/ 2015/06/10(水) 05:22:36.80 ID:rONSquwh.net
終わり

のんたん誕生日に終わらせるはずが間に合いませんでしたが最後までありがとうございました!
誤字脱字多々ありお見苦しかったもしれませんが最後まで読んでくださりありがとうございました
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『希「エリチと一緒に住み始めたのはいいものの」』へのコメント

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