にこ「えりぎつね」

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絵里-アイキャッチ23
1: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:36:10.98 ID:ZlSsM/Tx.net
むかしむかし、村のはずれの山の中に、「えりぎつね」という小ぎつねが住んでいました。

えりは、ひとりぼっちの小ぎつねで、いつも村にやって来ては、いたずらばかりしていました。



穂乃果「あー! また、お店のおまんじゅうとられたー!」

えり「しめしめ。穂乃果の家のおまんじゅうはおいしいな~♪」



海未「畑のいもが掘り返されています! えりのしわざですね!」

えり「うふふ、海未、ガードが甘いわね~」



ことり「マケミちゃん人形にヒゲが書いてあるよぉ・・・・・・うぇーん」

えり「やっぱりいたずらは楽しいチカ♪」



いたずら好きのえりのいたずらに、村の人たちは、いつも手を焼いていました。

元スレ: にこ「えりぎつね」

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3: やわ銀になりましたが>>1です(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:38:36.57 ID:wIgj2fKJ.net
あるとき、えりが川に行くと、川の中に人がいて、なにかやっているのが見えました。



えり「あら、にこじゃない」



川の中にいたのは、村の百姓のにこでした。

にこは着物をまくしあげ、川の中で、魚をとる「はりきり」というあみを動かしています。



えり「魚でもとってるのかしら。隠れて見てるチカ」



にこは、はりきりあみの一番後ろの、ふくろになった部分を川から上げ、中身をびくの中へ入れました。

それから、びくを土手に置き、なにかを探しにか、川上の方へとかけていきました。



えり「にこ、行っちゃった。よーし、びくの中になにが入ってるのか、のぞいてみるチカ」ソロリソロリ

えり「なにかななにかな・・・・・・?」ノゾキ
4: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:39:51.69 ID:wIgj2fKJ.net
バシャーン



えり「わ、ひっくりかえっちゃった!」



ニュルニュル



えり「きゃっ、なにか巻きついてきた!? ・・・・・・うなぎだわ!」

えり「いやーん、にゅるにゅるして気持ち悪い・・・・・・」



タタタタ

にこ「こらー! そこのあんた、なにやってんのよ!!」

えり「まずいわ、にこがもどってきた! 逃げなきゃ!」

えり「ああん、うなぎがはなれてくれない・・・・・・このまま逃げるチカ!」

にこ「この、どろぼうぎつねー!!」



えりは、うなぎを体に巻きつけたまま、いっしょうけんめいに逃げました。

しばらく走って、後ろをふりかえってみましたが、にこはもう追いかけてはきませんでした。
6: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:42:14.36 ID:wIgj2fKJ.net
十日ほどたって、えりがいつものように村にやってくると、にこの家におおぜいの人があつまっていました。



えり「なにかしら? お祭りでもなさそうだし。みんな、暗い顔をして・・・・・・」

えり「もしかして・・・・・・お葬式かしら?」

えり「にこの家のだれかが、死んじゃったの・・・・・・?」



えりが、そっと家をのぞくと、だれかが横になっているふとんの前で、にこが元気なく座りこんでいました。

にこの両どなりには、小さな双子のにこの妹たちが、にこにしがみついて、わんわん泣いています。

にこは、必死に涙をこらえているようでしたが、体が小さくふるえていました。



えり「そうか・・・・・・死んじゃったのは、にこのお母さんね・・・・・・」
7: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:43:11.29 ID:wIgj2fKJ.net
凛「・・・・・・まったく、ひどい話だにゃー」

真姫「ほんとよ。にこちゃんが、かわいそう・・・・・・」



にこの家にあつまった友人たちがなにかを話していて、えりは聞き耳をたてました。



凛「にこちゃん、お母さんのために、うなぎをとりに行ったらしいにゃ」

真姫「でも、あのいたずら好きのえりぎつねが、うなぎをとっちゃったんでしょ?」

花陽「にこちゃんと、にこちゃんのお母さんの気持ちを思うと・・・・・・」グスッ

えり「・・・・・・・・・・・・」
8: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:44:38.34 ID:wIgj2fKJ.net
その夜、えりは住みかの穴の中で、考えました。



えり「病気でとこについていた、にこのお母さんは、うなぎを食べたいと言ったにちがいないわ」

えり「だけど、私がいたずらをして、うなぎをとっちゃったから、にこはお母さんに、うなぎを食べさせてあげられなかった」

えり「お母さんの、さいごの望みをかなえてあげられなかったにこは・・・・・・やっぱり、悲しくてくやしい気持ちなのかな」

えり「あんないたずら・・・・・・しなきゃ、よかった」



えりは、ごろり、と体を丸くして、思いました。



えり「そういえば、おばあさまや、ありさも、私が「あわ」の粉をねって作ったペリメニが、好きだったな」

えり「でも、にんげんの狩りで、もうおばあさまも、ありさも・・・・・・」

えり「にんげんなんて、大きらいだけど・・・・・・でも・・・・・・」

えり「今のにこも・・・・・・私と、同じ気持ちなのかな・・・・・・」
9: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:45:46.67 ID:wIgj2fKJ.net
ある日、にこが、家の井戸の前で、麦をといでいました。



ここあ「お姉ちゃん、ごはんー」

こころ「おなかすいた・・・・・・」

にこ「待っててね。今、用意するからね」



えり「お母さんがいなくなって・・・・・・にこは、ひとりで、小さな妹たちのめんどうを見ないといけないのね」



物置のかげから見ていたえりは、そう思いました。

そのとき、外の通りから、おにぎりを売る声が聞こえてきます。



花陽「おいしいおにぎりですよ~。とってもおいしいですよ~、ひとついかがですか~」
10: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:47:06.69 ID:wIgj2fKJ.net
凛「かよちーん! 凛におにぎり、いっこくださいだにゃー!」

花陽「凛ちゃん! いいよ、具はなにがいい?」



花陽は、おにぎりが入ったかごを道ばたに置いて、大きなおにぎりを持って凛のうちの中へ入っていきました。

えりは、そのすきに、かごの中からおにぎりを2、3こつかみ出して、もと来たほうへかけだしました。

そして、にこの家のうら口から、家の中へおにぎりを投げこんで、住みかに向かってかけもどりました。



えり「うなぎのつぐないに、まずひとつ、いいことができたわね」

えり「あのおにぎりで、にこと妹たちが、少しでも喜んでくれるといいけれど」

えり「たまには、いいことするのも、悪くないわね」
11: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:48:47.15 ID:wIgj2fKJ.net
次の日には、えりは、山でくりをどっさり拾って、それをかかえて、にこの家に行きました。

うら口からのぞいてみると、にことふたりの妹は、茶わんを持ってお昼ご飯を食べているところです。



えり「にこ、あのおにぎり、食べてくれたかしら」



にこ「・・・・・・それにしても、いったいだれが、おにぎりをうちへほうりこんでいったのかしら」

こころ「わるいいたずらをする人がいるんですね」

ここあ「お姉ちゃん、うたがわれちゃって、かわいそう・・・・・・」

にこ「そうね。どろぼうと思われて、あやうく花陽と仲がわるくなっちゃいそうだったわ」

にこ「希がちゅうさいしてくれたおかげで、なんとかなったけど・・・・・・」
12: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:50:05.70 ID:wIgj2fKJ.net
えり「・・・・・・しまった」

えり「にこ、どろぼうとまちがわれちゃったのね。わるいことをしたわ」



えりはそう思いながら、そっと物置の方へ回って、その入り口に、くりを置いて帰りました。



次の日も、その次の日も、えりは、くりを拾っては、にこの家へ持っていきました。

ときには、くりばかりでなく、大切にとっておいた、大こうぶつのチョコレートも持っていきました。
14: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:52:52.88 ID:wIgj2fKJ.net
ある月のきれいな夜、えりは、ぶらぶら遊びに出かけました。



えり「月もお星さまも、とってもきれいね。こんな夜は、なんだか歌いだしたくなっちゃうわね」



そんな、いい気持ちでくるくるまわっていると、なにやら細い道の向こうから、だれかが来るようです。

話し声が聞こえてきて、えりは、道のかた側にかくれました。

話し声はだんだん近くなり、見ると、それはにこと、にこの友だちの希という占い師でした。
16: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:54:55.70 ID:wIgj2fKJ.net
にこ「そうそう。ねえ、希」

希「どうしたん? にこっち」

にこ「このごろ、にこのまわりで、とてもふしぎなことがあるのよ」

希「なにが?」

にこ「ママが亡くなってから、だれだか知らないけど、くりやチョコレートなんかを、毎日、毎日、くれるのよ」

希「ふうん、だれが?」

にこ「それがわかれば苦労しないわよ。にこの知らないうちに置いていくんだもの」

希「ほんまに?」

にこ「ほんとだって。うそだと思うなら、あした見に来てみなさいよ。そのチョコを見せてあげるわよ」

希「へえ、ふしぎなこともあるもんやね」



えり「なんだか、私のくりやチョコレートのことを話してるみたいね」

えり「にこ、うれしがってくれてるのかな?」ワクワク



えりは、ふたりの後を、そっとついていきました。
17: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:56:13.82 ID:wIgj2fKJ.net
しばらく歩いたあと、希が言い出しました。



希「にこっち、ウチ、思うんやけど・・・・・・さっきの話は、ひょっとして神様のしわざやない?」

にこ「えっ? 神様?」

希「ウチ、考えてたんやけど、きっとそれは、人間やない。きっと神様なんよ」

希「神様が、にこっちのお母さんが亡くなったのを、あわれに思って、いろんなものをめぐんでくださるんよ」

希「なんだか、すごくスピリチュアルやね」

にこ「そうなのかしら・・・・・・」

希「きっとそうやん。だから、毎日、神様にお礼を言うんよ、にこっち」

にこ「そうしてみるわ」
19: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:57:30.09 ID:wIgj2fKJ.net
えり「えー、なによそれ・・・・・・なんだかつまらないわね」



えりは、ちょっとがっかりして、思いました。



えり「私がくりやチョコを持っていってあげてるのに、神様にお礼を言われたんじゃ、なんだかがっかり」

えり「そんなの、みとめられないわあ」
20: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 00:59:03.77 ID:wIgj2fKJ.net
その明くる日、えりはひさしぶりに、あわの粉をねって、ペリメニを作りました。



えり「神様は、ペリメニなんて作らないだろうからね。今日は、これを持っていってあげましょう」

えり「にこ、よろこんでくれるかしら・・・・・・?」ワクワク



えりは、いっぱいのペリメニと、チョコやくりを持って、にこの家に出かけました。

にこは、物置でないしょくのボールペンを作っていました。

それで、えりは、家のうら口から、こっそり中へ入りました。
21: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 01:01:00.93 ID:wIgj2fKJ.net
そのとき、にこは、ふと顔を上げました。

と、きつねが、うちの中へ入ったではありませんか。



にこ「あいつ・・・・・・! このあいだ、うなぎをぬすんだえりぎつねが、またいたずらをしに来たのね・・・・・・!」

にこ「ようし、見てなさい・・・・・・!」



にこは立ち上がって、なやにかけてある火なわじゅうを取って、火薬をつめました。
22: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 01:01:52.81 ID:wIgj2fKJ.net
えり「~♪」

えり「こんどこそ、よろこんでくれるといいな、にこ」



にこ「ばれないように、そっと近づいて・・・・・・」

にこ「・・・・・・今よ!」



ドンッ
23: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 01:02:44.50 ID:wIgj2fKJ.net
にこは、戸口を出ようとするえりを、ドンと、うちました。

えりは、ばたりとたおれました。

にこは、かけよってきました。



にこ「よーし! とうとう、あのいたずらぎつねを・・・・・・あら?」



と、土間に、ペリメニがかためて置いてあるのが目につきました。

ほかにも、チョコや、くりがたくさん置いてあります。



にこ「え・・・・・・これ、なんで・・・・・・まさか」



にこは、たおれているえりに、目を落としました。
24: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 01:04:06.08 ID:wIgj2fKJ.net
にこ「えり、あんただったのね。いつも、チョコをくれたのは・・・・・・」



えりは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。



にこは、火なわじゅうをばたりと、取り落としました。

青いけむりが、まだ、つつ口から細く出ていました。
25: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/10/04(日) 01:05:54.92 ID:wIgj2fKJ.net
~おまけ~



穂乃果「・・・・・・って感じの劇をやりたいんだけど、どうかなっ!?」

絵里「穂乃果・・・・・・」

絵里「このキャスティング、インスピレーションだけで選んだでしょ。いたずら好きなら、凛か希じゃないの?」

希「まあ、ウチだったらたぬきに」

凛「凛だったら、きっと猫になっちゃうにゃー」

にこ「にこの扱いも結構ひどいわよ。ママ死んじゃってるし・・・・・・」

花陽「おにぎり売り歩いてる人って、なんなんでしょう・・・・・・」

真姫「私のせりふ、ちょこっとしかないし」

ことり「ことりは、せりふ1コしかなかったね」アハハ

穂乃果「う~ん、いいと思ったんだけどなぁ・・・・・・ねえ、海未ちゃんはどう思う?」

海未「・・・・・・う・・・・・・」

絵里「・・・・・・海未?」

海未「う・・・・・・うぐぅ・・・・・・うう・・・・・・!」グスグス

穂乃果「どどど、どうしたの、海未ちゃん!?」

海未「だめなんでずう・・・・・・小学生の時、教科書で読んで以来・・・・・・ごの話だげは・・・・・・」ウルウル

海未「子ぎつねががわいぞうで・・・・・・ううう・・・・・・え゛り゛ぃ~~、なぜ死んでじまうのでずがぁ~~!!」オーイオイオイ

絵里「私は死んでないって! いい子だから、泣き止んで、海未~!」



おしまい
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