【SS】未練と別れ【閲覧注意】

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にこまき-アイキャッチ3
1: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 16:00:56.64 ID:y80a7IDa.net
息抜きに鬱SS、死亡ネタ注意
昔投下したSSといろいろ被ってしまう点もありますがご了承下さい

元スレ: 【SS】未練と別れ【閲覧注意】

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4: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 16:14:16.16 ID:y80a7IDa.net
穂乃果「へぇー!真姫ちゃん海外旅行に行くんだ!」

穂乃果が嬉々として私に尋ねてくる

真姫「旅行じゃないわ、研修よ」

父の海外研修に共に付いていくことになった私

およそ三日ほど学校を開けることになってしまうが、何も心配はいらないだろう

海未「しかし最近はテロリストによる自爆テロも少なくはありません、やめた方がよろしいのでは・・・・・」

真姫「大丈夫よ、海未は心配症ね」

不安な顔をしながら迫ってくる海未、だけど私はその言葉を払いのける

私は医者になるため自ら父の研修についていくと頼み、今更断れないのだ

凛「お土産待ってるにゃー!」

花陽「頑張ってきてね!」

絵里「真姫ならきっと大丈夫だわ」

ことり「応援してるよ!」

真姫「みんな・・・・・」

μ'sのみんなから暖かい言葉をもらい、私は励まされた

しかしその輪の中に入ってこない一つの存在があった

真姫「にこ、ちゃん・・・・・」
5: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 16:27:42.91 ID:y80a7IDa.net
にこ「・・・・・何よ」

無愛想につぶやく彼女

μ'sのみんなのことを一番大切に思っているのは彼女である

私も例外ではない、むしろ自分のことを一番気にかけてくれていると思うくらいだ

そんな彼女が感情を入れずに発した言葉は、周りの空気を一気に冷ました

絵里「にこ、、何よってことはないでしょ」

にこ、「・・・・・別に」

絵里「別にって・・・・・真姫が海外に行っちゃうのよ?」

にこ「・・・・・だから」

絵里「だからってそんな、にこは真姫のことを一番に想っているはずよ、なのに最後にかける言葉がそれって・・・・・」

にこ「・・・・・知らない」

しびれを切らした絵里が彼女に詰め寄るが一向に相手にする気配はない

確かに彼女から声をかけてもらえないのは寂しいがたった三日の間だ、すぐ戻ってくる
7: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 16:37:50.53 ID:y80a7IDa.net
真姫「そろそろ帰って帰宅しなくちゃいけないわ」

穂乃果「そっか、じゃあね真姫ちゃん」

みんなに別れを告げて帰ろうとしたその時、今まで口を紡いでいた希が私に声をかけてきた

希「絶対、帰ってくるんよ」

真姫「え、えぇ」バタン

希の不穏な話し方に違和感を覚えつつ私は静かに扉を閉じた

最後の最後まで彼女からの励ましや言葉をもらえなかったのは少し心残りである

だけどまた再びこの部室に戻り、いつもの日常に帰ってくる-------------はずだった

そんな私の願いは叶わぬ夢へと消え去った、私の存在と共に
8: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 16:53:04.24 ID:y80a7IDa.net
後ろで扉が締まる音とともに私は正面へ向いた

そこには希が曇らせた表情で立っていた

希「にこっち、今日うちと一緒に帰ろ?」

にこ「いいけど・・・・・」

ついその頼みを承諾してしまったがこの時の私は混乱していた

本当は一人で帰りたかったが、心とは裏腹に口は簡単に嘘を吐いていた

違う、希だからだ

もしほかの誰かだったら私は嫌だと素直に言えたのだろうけど、相手は私の親友東條希

断ったら断ったで何がなんでも一緒に帰ろうとするはず

けどそうじゃない、私はこの悲しい気持ちを希に打ち明けたかったから、聞いて欲しかったから受けてしまった

彼女に伝えることができなかった私の想いを・・・・・
9: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 17:02:39.31 ID:y80a7IDa.net
希「にこっち、どうして真姫ちゃんを見送ってあげなかったん?」

にこ「そんなの私の勝手じゃない」

希「本当はちゃんと一言告げておきたかったんやろ、できるなら一対一で」

希の前では嘘は隠し通せない、騙せると思った自分に恥じる

にこ「・・・・・」

しかし私は黙り込んだ、打ち明けたら楽になる筈なのに体がどうしても拒んでしまう

希「真姫ちゃんは優しい子や、みんなもにこっちも寂しくなる気持ちはわかる」

にこ「・・・・・」

希「でもだからって一言もかけてやらんのは違うと思うんよ、にこっちだけやない、みんな辛いんや」

にこ「・・・・・そんなの、わかってる」

希「にこっちは真姫ちゃんに一番思い入れがあるもんなぁ、でもうちがにこっちの立場だったら尚更声をかけるで」

にこ「っ・・・・・」

希「・・・・・にこっちは真姫ちゃんのこと」

にこ「それ以上言わないでっ!!」
13: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 18:53:34.73 ID:y80a7IDa.net
一人語りかけるように話していた希を大声で止める

希「・・・・・ごめんな」

にこ「・・・・・私こそ」

のぞにこ「・・・・・」

わたし達の間に沈黙が流れる

そして断ち切るように希が言い放った

希「明日の昼、空港に行って真姫ちゃんを見送るんや」

にこ「え?」

希の言っていることに戸惑ってしまう私

希「真姫ちゃんは授業中だし恥ずかしいから見送りはしなくてもいいって言ってたけど、にこっちなら見送りに行って喜んでくれると思う」

希「だかたお願いや、行ってあげてな?」

まるでお願いなのに元から行くことが決められてるような言い方だ

しかし私は親友の頼みを断るほどあくまではない

にこ「わかったわよ、仕方なく行ってあげるわ」

希「本当は会いたくて仕方なかったんやろ、素直じゃないんやなぁ」

私のそっけない言い方でも本心を見事突いてくる希

希には感謝してもしきれないくらいだ

私は明日真姫ちゃんと会い、自分の気持ちを正直に伝える

にこ「真姫ちゃん・・・・・」
14: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 19:15:20.47 ID:y80a7IDa.net
にこ「どうして!?さっきまで電車は動いていたじゃない!」

駅員「ですがこの大雨と雷では・・・・・」

近くにいた駅員に怒りをぶつける

その怒りの理由は大雨と雷による電車の緊急停止

しかもそんな最悪の天候は音乃木坂とその近辺の都市のみ

彼女が乗る空港での飛行機の欠航はないらしい

にこ「早くして!空港に行けないじゃない!」

駅員「申し訳ありませんが諦めた方がよろしいのでは・・・・・」

にこ「大切な人の見送りを諦めろっての!?」

駅員「し、しかし・・・・・」

私はと駅員の口論を含め数十分、ついに動きが

ピンポンパンポーン

「○○駅で停車しておりました電車は再出発いたしました、あと三十分ほどでこの駅へ到着いたします」

「今後も三十分遅れで再開させてもらいます、ご迷惑をかけて申し訳ございませんでした」

アナウンスから流れる再出発の報告

私の怒りも収まり、駅員も安心した表情を見せていた

にこ「でも三十分も遅れちゃった、間に合うかどうかギリギリ」

もしかしたらもう間に合わないかもしれない、けど一部の望みにかけて私は電車に乗った

にこ「待っててね、真姫ちゃん!」
15: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 19:32:44.97 ID:y80a7IDa.net
にこ「は・・・・・は・・・・・」

受付「どうされましたか?」

にこ「××便は・・・・・もう行きましたか・・・・・?」

受付「はい、先程離陸しました」

その言葉を聞き私の体にどっと疲れが現れた

彼女に会うため疲労を忘れ走ってきた私

それが無駄だと知った瞬間、まるで宇宙から帰ってきた後のような疲労感に襲われた

にこ「そう、ですか・・・・・」ドサッ

溜息とともに椅子に腰をかける

今更電話なんてできないし、するつもりもない

にこ「これからどうしたらいいんだろう・・・・・」

全く動く気になれない私は、悲しみと疲労に打ちひしがれながらそのまま目を閉じ眠った・・・・・
16: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 19:46:21.19 ID:y80a7IDa.net
真姫「はぁ・・・・・」

結局最後まで彼女に合うことはできなかった

出航時間ギリギリまで粘ったがに彼女の姿が現れる気配がない

両親に呼ばれ仕方なく私は海外行きの飛行機に乗った

真姫「にこちゃんに会いたかった・・・・・」

そうだ、電話、まだ電話したら間に合うかもしれない

淡い期待を抱くなか、それは一つの発砲音からやってきた

パァン!!!

真姫「!?」ビクッ

突然の音に体が跳ねてしまう、そしてざわつく機内

ザワザワザワ

テロリストA『静かにしろぉ!』

テロリストB『この機体は我々が占拠した!』

テロリストC『貴様ら全員、手を頭の後ろで組めぇ!』

英語の勉強がまだまだ未熟な私でもわかる

この飛行機は・・・・・テロリストに乗っ取られた
18: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 19:58:16.50 ID:y80a7IDa.net
テロリストA『・・・・・』コツコツ

テロリスト達が機内をうろついている、おそらく人質探しだろう

テロリストA『そこの女、来い』カチャ

真姫「っ!」

どうやらその貧乏くじを引いたのは私のようだ

しかしこういう時こそ冷静にならなくてはいけない

真姫「・・・・・はい」

テロリストA『いいか、お前は人質だ、周りが下手な動きを見せたら容赦な撃ち殺す』

真姫「・・・・・」コクコク

恐らく大人しくしてろとでも言われたのだろう、私はテロリストの言葉に黙って頷く

両親の顔が見える、青ざめてる様子で見るに堪えない

安心させるためにも周りに気づかれないよう微笑む

真姫「・・・・・」ニコッ

大丈夫、絶対助かるから
20: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 20:10:26.98 ID:y80a7IDa.net
私はある作戦を考えた

目の前の席のはちょうど同じ年に見える警察手帳を持った男たち三人がいる

警察手帳はうまく隠し通し、私にだけ見えるようにちらつかせてきた

人質、しかも未成年の女性に向かって無茶な注文をしてくる

しかしそうも言ってられない状況、私は作戦を実行した

真姫「うわああああああん!!」

テロリストA『な、なんだ!?どうした!!』

テロリストB『コイツいきなり泣き出したぞ!』

もちろんこれはウソ泣きだ

しかしテロリストたちはうまく騙されてるみたい

テロリストC『黙らないと撃つぞ!』カチャ

銃を向けれれた、だけどここでひるんではいけない

真姫「うわああああああん!!!」

テロリストC『ち、畜生!こいつ泣きやまねぇ!』

テロリスト達が動揺し始めたその時
24: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 20:20:52.64 ID:y80a7IDa.net
警官A「捕まえろ!」

警官BC「おうっ!」

テロリストA『しまった!』

作戦は見事成功、抵抗する暇もなく次々と抑えられていくテロリスト達

テロリストB『俺たちを、はめやがったな!』

警官B「おとなしくしてろ!」ガシッ

運がいいことにテロリストは皆体格はそこまで良くはない

警官たちに完璧に捕まっているようでもう安心だ

真姫「パパ!ママ!」

私は急いで両親のそばへ駆け寄る、今すぐ泣き出しそうな私を受け止めて欲しかったから

しかし私は安心しきっていた、まだ銃を手放していなかった犯罪者に背を向けて警戒を解いていた

テロリストC『このクソ野郎!!』

パァン!!!
29: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 20:57:55.94 ID:y80a7IDa.net
真姫「っ!!!」

体に衝撃が走り抜ける、全身を貫かれたような鈍い痛み

だんだんと抜けていく力を振り絞り自分の胸元を見る

すると体に黒い穴が空き、周りから赤い血がにじみ出ていた

それを認識した私はその場に倒れ込んだ

ドサッ

警官C「こ、こいつっ!!」

テロリストC『へ、へ、へ』

パァンパァン!!!

再び二つの銃声が響いた

警官A「・・・・・自殺してやがる」

警官B「油断していた!服の内側に銃を隠し持っていやがった!」

パァン!!!

警官C「!!」

また銃声、流れからしてもう一人のテロリストも自殺したのだろう

この時悟ってしまった

私はここで死ぬ
36: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 21:10:00.45 ID:y80a7IDa.net
目の前が霞む、傷の痛みも引いてきた

死ぬ前の前兆みたいなものだろう

両親が傍に駆け寄ってくると同時に私は目を閉じた

何も聞こえない、何も感じない

ただ浮かんでくるのはμ'sのみんなとの思い出、走馬灯というものだ

穂乃果、ことり、海未、絵里、希、凛、花陽、みんなの顔が次々と消えていく

最後ににこちゃんの姿が現れる

一番会いたかった人に会えずに死んでいくのに最後の最後で浮かび上がるなんて運命とはとても残酷だ

こんなことになるならにこちゃんに私の気持ち、伝えておけばよかったなぁ

真姫「さようなら、にこちゃん・・・・・」
46: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 21:31:47.64 ID:y80a7IDa.net
ザワザワザワ

にこ「・・・・・?」

空港のざわめきで私は眠りから覚めた

なぜ騒いでいるのか寝ていた私は全くわからない

少し軽くなった体を起こして流れる人ごみに話を聞いてみることにした

とりあえず人当たり良さそうな青年を選んだ

にこ「一体どうされたんですか?」

青年「君は知らないのか?」

にこ「はい・・・・・少し寝ていたもので」

青年「あれを見てくれ」

青年が指さした先にはテレビがあった

映し出されていたのは清楚な女性と飛行機の写真、見えにくいが字幕も入っているようだ

恐らくニュースだろう、その女性は悲しげな表情をしながら淡々と話した

キャスター「-------------繰り返しお伝えします、先ほど△△空港から離陸した××便にてテロが発生致しました」

にこ「っ!?」
47: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 21:54:42.13 ID:y80a7IDa.net
キャスターの言葉を聞き私は完全に目を覚ました

再度ニュースに目を通し、字幕を読んでみる

【速報:××便にてテロが発生、詳細は未だ不明】

どくんっ!

心臓の鼓動が早くなる、嫌な予感がする

ただ願うのは真姫ちゃんの無事それだけ

もし真姫ちゃんがあの飛行機に乗っていなかったらと思いたい

にこ「お願いします神様、どうか真姫ちゃんを助けてくださいっ・・・・・」

キャスター「-------------情報が入りました、偶然乗り込んでいた三人の警察官によりテロリスト集団は鎮圧された模様です」

にこ「・・・・・良かった」

つい安堵のため息が漏れる、寝たばかりなのにまた疲労がたまってしまった

しかし次のキャスターの言葉によりその安心感は絶望へと変わる

キャスター「-------------ですが鎮圧後、テロリストの一人が隠し持っていた銃で乗客の一人を殺害しました」

にこ「!!」

違う、違う、違う

嫌な予感が脳裏をよぎる

私は必死に消そうとするが消えてくれない

にこ「・・・・・」がたがたがた
49: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 22:02:27.13 ID:y80a7IDa.net
青年「だ、大丈夫ですか?顔が真っ青ですが・・・・・」

にこ「・・・・・」ガタガタガタ

青年の問いかけに答える暇などない

私は私と真姫ちゃんのことで精一杯だった

にこ「ごめんんさい神様、にこがもっと真姫ちゃんに素直になっていたらこんなことになりませんでした」

にこ「これからは素直に生きます、だからどうか、どうか・・・・・真姫ちゃんを助けてあげてください」

必死に祈った、祈って祈って祈り続けた

周りからどう思われようが関係ない、真姫ちゃんが無事なら私はそれでいい

キャスター「-------------再び情報が入りました、死亡した乗客の身元が判明したようです」

胸が苦しい、頭が割れそう、今にもここから逃げ出したいほどだ

早く真姫ちゃんの無事を知り楽になりたい、そう願った

キャスター「被害者の名前は-------------」



私は神様を信じるのをやめた
53: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 22:16:14.32 ID:y80a7IDa.net
花陽「にこちゃんもう真姫ちゃんに会ったかな?」

凛「にこちゃんばかりずるいよね!真姫ちゃんが帰ってきたらたっぷりと抱きつくにゃ!」

授業が始まる前、何気なくつぶやく私と凛ちゃん

ガラッ!

勢い良く開けられた扉、その先にはわたし達の担任の先生がいた

凛「あれ?次の授業は先生じゃないですよね?」

アハハハ

突然入ってきた担任に問いかける凛ちゃんと笑うクラスメイト

だけど先生の顔から明らかに同様が伝わってきた

花陽「先生どうしたんですか?顔が真っ青ですけど・・・・・」

つい聞かずにはいられなかった

今考えるとこの発言は軽率だった、先生の心を傷つけてしまったかもしれない

先生は教卓に立ち、震える声で言い放った

先生「・・・・・みんな、落ち着いて聞いてくれ、実はな」

笑っていたクラスメイトも凛ちゃんも先生の深刻な顔に思わず真剣になる

先生「西木野が-------------死んでしまった」
55: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 22:32:20.42 ID:y80a7IDa.net
ことり「冗談、だよね?」

海未「そうです、そんな下手な嘘はやめてください」

りんぱな「・・・・・」

私と凛ちゃんは先生から告げられた内容をそのままみんなに伝えた

それぞれ交代しながら、私が泣きそうになると凛ちゃんに代わって、凛ちゃんが泣きそうになると私が代わる

そうしながらなんとかいい終えることができた

絵里「・・・・・本当よ海未、生徒会長と副会長の私と希にだけ先生は話してくれたわ」

希「花陽ちゃんと凛ちゃんが話したこと全て先生から言われたことそのものや」

二人は元から知っていたらしく、冷静にことりちゃんと海未ちゃんをなだめる

ことり「だけどこんなことって・・・・・」

海未「信じられるわけ、ありません・・・・・」

穂乃果「・・・・・」

花陽「穂乃果、ちゃん?」

一人私たちが話している中ずっと静かに聞いていた穂乃果ちゃんに話しかける

すると元気そうな顔でこう言った

穂乃果「ま、真姫ちゃんは帰ってくるよ!みんなが言ってることは嘘なんだよね!」

ことり「穂乃果ちゃん・・・・・」

穂乃果「だ、だって真姫ちゃんは大丈夫って言ってたじゃん!あんな元気だったんだし戻ってくるよ!」

海未「穂乃果・・・・・」

穂乃果「あ、そっか!みんな穂乃果を騙してるんでしょ!穂乃果そんな分かりやすい嘘に引っかかったりなんか・・・・・」

ことうみりんぱなのぞえり「・・・・・」

穂乃果ちゃんが無理に出そうとしている声は元気になるどころか更に虚しい気持ちへとさせていった

穂乃果「みんな黙らないでよ、黙っちゃ嫌だよ、穂乃果に言ってよ、嘘だって」

誰もが口はを挟むことをやめようとしたその時

にこ「嘘なんかじゃないわ」
59: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 23:13:27.46 ID:y80a7IDa.net
花陽「にこちゃん!?」

凛「ど、どうじたのにこちゃん真姫ちゃんに会いに行ったんじゃないの?」

にこちゃんが戻ってきた

ただでさえみんなは悲しんでるのににこちゃんはいたって冷静だ

にこちゃんは真姫ちゃんと特に仲が良かった人

なのにまるで気にしていないような素振りを見せてくる

にこ「ええ、もちろん行ってきたわ」

ことり「じゃあさっきことも・・・・・」

にこ「知ってる、真姫ちゃんが死んだんでしょ」

海未「なっ!!」

にこちゃんから出た発言はみんなが言わないよう暗黙に決められていた言葉

それがにこちゃんの口から出るなんてこの場にいる誰一人として予想できなかったこと

絵里「にこ!そんな言い方やめなさい!」

にこ「だって事実じゃない、いつまで経っても引きずっていたらスクールアイドルの活動ができないわ」

絵里「にこ!!」ヒュッ

希「絵里ち手を出したらあかん!」

絵里ちゃんがておあげた瞬間希ちゃんが止めにかかる

だけど叩かれた物音は別の方向kら聞こえた

パシッ!!
61: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/09(日) 23:29:18.04 ID:y80a7IDa.net
絵里「穂乃、果・・・・・?」

にこちゃんの頬に赤い手のあとがついている

その頬の先には振り抜いていた穂乃果ちゃんの手があった

にこ「ったいわね!何すんのよ!」

穂乃果「っ・・・・・」ツー

希「穂乃果ちゃん、泣いてるん?」

穂乃果ちゃんは涙を流しながらこう言った

穂乃果「どうしてにこちゃんが真姫ちゃんのことをそんなふうの言えるの!」

穂乃果「二人はとても仲が良かったのになんで死んだことを受け入れられるの!」

穂乃果「穂乃果でさえ受け入れたくないのに、にこちゃんが受け入れられるわけが無い!」

穂乃果「なのにどうして・・・・・どうして!答えてよにこちゃん!!」

にこ「・・・・・ごめん、帰る」

穂乃果ちゃんの説得も失敗し帰ろうとするにこちゃん

しかしそれでも必死に止めようとする穂乃果ちゃん

穂乃果「待ってよにこちゃん!ちゃんと答えて!」

ことり「穂乃果ちゃん!」ガシッ

海未「ダメです!穂乃果!」ガシッ

穂乃果ちゃんの行く手を阻むことりちゃんと海未ちゃん

穂乃果「どうして止めるの!」

ことり「真姫ちゃんが死んで一番辛いのはにこちゃんだよ!」

穂乃果「でもにこちゃんは・・・・・!」

海未「今にこを追い詰めては行けません!一人にさせてあげましょう!」

穂乃果「・・・・・」

いつの間にかにこちゃんは部室から去っていた

穂乃果ちゃんも落ち着きを取り戻し、とりあえず解散することにした

穂乃果「にこちゃんどうして・・・・・」
84: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/10(月) 20:20:49.95 ID:rsx67fuo.net
ここはどこだろう

私は覚えている、あの飛行機で不運にもテロにあい、胸を銃弾で撃ち抜かれて息を引き取ったことを

ここは死後の世界?それにしては生活館が溢れ現実味が出過ぎている

私はここに見覚えがある、私の部屋だ

私は生き返った?

そんなことはありえない、生物は皆死んだら生き返ることはできない

ましてやそんな空想でしか起こりえない出来事、現実で起こってたまるものか

じゃあなぜ私は意識があり、今ここにいるのだろう

私は死んではいなかった?

あの後奇跡的に一命を取り留め、長い眠りから目覚め私は今ここにいる

・・・・・とりあえず確認しなければならないことは沢山ある、まずはそれを終えてからだ
85: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/10(月) 20:31:32.50 ID:rsx67fuo.net
いろいろ調べた結果、わからないことだらけだった

一つ理解したことは、今の私は視覚以外の互換が機能していない

例えば何か食べ物があるとしよう

私は物を見て認識することができるが、匂いを嗅ぐこと、触ること、味を確かめること、咀嚼音を聞くことができない

特に触覚に関して言えば

何かを触ろうとすると手が物をすり抜けてしまう

何度も何度も繰り返したが私の手は空を切るばかり

それどころか通り抜けるときの気持ち悪さに二度と物を触ろうと思わなくなった

もう一つわかったことがあった、私は地面から少しだけ浮遊しているみたいだ
87: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/10(月) 20:39:51.05 ID:rsx67fuo.net
歩く動作を行うとまるで本当に歩いてるように見えるが実際は違った

足は地に着いておらずただホバー移動を繰り返しているみたいな感覚

手だけでなく足も空を掻くだけのものとなり、動くのが億劫になってしまった

どうしてあのまま死んでしまわなかったのだろう

その幽霊のような私の存在は、私の魂、抜け殻だけがこの世に残り現実をさまよっていることを決定づけた

死ぬ間際未練を断ち切った筈なのにこれではまた未練が生まれるだけでなく増幅していくだけだ

にこちゃんにもう一度会いたいという私の抜け殻がそう願うのを抑え

どうか一晩眠り、そのまま目覚めることのないように祈り、私はまた深い闇に堕ちた
89: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/10(月) 21:19:17.10 ID:rsx67fuo.net
ガチャ

穂乃果「!」

希「穂乃果ちゃん・・・・・」

絵里「やっぱり来ていたのね」

部室で一人静かに横になっていたら扉の開く音で目を覚ました私

扉の先には悲しげな表情をした希ちゃんと少し目を吊り上げている絵里ちゃんがいた

絵里「練習は当分無しって言ったはずよ」

希「絵里ちそんな怒らんでも・・・・・」

絵里「希に聞いてない、私は穂乃果に聞いているの」

希「・・・・・ごめんな」

絵里ちゃんの声色に圧倒されて尻込みしてしまう希ちゃん

穂乃果「・・・・・当分っていつまでなの?」

絵里「それは・・・・・わからないわ」

穂乃果「なんだ、絵里ちゃんもわからなかったんだ」

絵里「どう言う意味かしら」

私はとぼけてみせた

穂乃果「休みがいつまでかわからないから、今日からまた再開するかもしれないから部室に来たんだよ」

希「っ・・・・・」

穂乃果「絵里ちゃんもそうなんでしょ?」

絵里「穂乃果っ!」

突然怒り出した絵里ちゃんが私に手を振り上げてきた

別にいいよ、今の穂乃果を叩いて少しでも楽になれるならそれで・・・・・
90: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/10(月) 21:36:53.48 ID:rsx67fuo.net
ガシッ!

希「絵里ちあかんて!穂乃果ちゃんを叩いたっ誰も幸せなんかならん!」

絵里「離して希!穂乃果に一発入れないと気が済まないわ!」

激怒する絵里ちゃんを必死に止める希ちゃん

・・・・・そういえば

穂乃果「今日にこちゃんはいないの?」

ピタッ

今までの激しい喧騒が一瞬にして止まった

絵里ちゃんは落ち着きを取り戻して告げた

絵里「にこは・・・・・来ていないわ」

希「欠席扱いなんやけど、多分真姫ちゃんが居なくなったショックで・・・・・」

穂乃果「・・・・・そっか」

希「他のみんなは?」

穂乃果「・・・・・部室に行くことが辛いんだって」

絵里「・・・・・」

希「・・・・・」

穂乃果「・・・・・」

伝えるにしてももっと他に言い方はなかったのかと自分ですら思った

心の中で謝る、二人ともごめんなさい
91: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/10(月) 21:43:20.81 ID:rsx67fuo.net
絵里「わたし達は先に帰るわ、穂乃果も早く帰りなさい」

穂乃果「・・・・・わかった」

私も身支度をしようかと動こうとした

希「最後に一つええ?」

穂乃果「?」

希「真姫ちゃんが死んでみんな辛いのはわかる、だけどな一番辛いのはにこっちなんよ」

穂乃果「そう・・・・・だね」

希「また明日な、穂乃果ちゃん」

にこちゃんには悪いことをしてしまった

希ちゃんの言う通り一番辛いのはにこちゃん

なのに私はそのにこちゃんに向かって追い討ちをかけるように平手打ちをした

明日にこちゃんが来たら謝ろう

それまではまだこの部室、私の居場所で少しだけ眠らせて・・・・・
100: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/11(火) 01:24:53.23 ID:7MYRs7dY.net
昨日は覚えていないことだらけだ

記憶に残っているのは空港に行ったこととその後部室に寄り穂乃果に平手打ちされたこと

あとは真姫ちゃんが・・・・・嫌だ嫌だ、思い出したくない

思い出そうとするだけで頭が狂いそうだ

自分では受け入れたつもりだったのに一日経つだけで全て体から出ていってしまった

最初から彼女の死を受け入れられるわけが無かったんだ

無理に押さえ込もうとしたら逆効果だったなんて、学校にいるみんなや穂乃果に顔向けできない

だから私は学校にも行かずこうして逃げるように街をフラフラとさまよっている

どこかでひょっこりと真姫ちゃんが現れるような気がして・・・・・
109: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/12(水) 21:04:52.56 ID:hF/WzW4L.net
・・・・・あ、今日学校に休むっていうの忘れちゃった

でも別にいいか、穂乃果とも喧嘩している状態で、ほかの部員とも合うのは気まずいし

彼女のいない学校なんて行く意味半分ないみたいなもの

彼女のいた学校だからこそ私は頑張ることができた

彼女のつくる曲は歌うのが楽しくて、聞くのが好きで・・・・・

私はいつの間にか彼女にも心を奪われてしまっていた

いつも喧嘩ばかりだけどそれが私の、私たちの日常で、けれどどちらも相手にとっては欠かせない存在だった

だからその存在の片方が消え、私の存在の多くも彼女と共に消え去った

いなくなって初めてわかった、私は彼女のこと・・・・・

これほど後悔するなら素直になっておけばよかった、早く気づけばよかった

もう考えてはいけない、昨日自分で言ったじゃないか

彼女はもうこの世にはいないと・・・・・
110: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/12(水) 21:16:54.88 ID:hF/WzW4L.net
気がついたら街を歩いていた

目を覚ました時のこと、私がここに来るまでの経緯は全くと言っていいほど思い出せない

むしろ思い出そうとすると扉を通り抜ける時の感覚や浮きながら歩いている感覚にぞわぞわと寒気がする

私がここにいるということはこれは夢じゃなかった

私は西木野真姫の抜け殻としてこの世に残ってしまい、いつか誰からも看取られることのないまま死んでいくのだ

死ぬことには怖くない、一度死んだ魂今更死んだところで誰かが悲しむわけではない

怖いのはいつ死ねるのかがわからないことだ、こんなことを考えている間に消えてしまうかもしれない

もしかしたら一生このままの可能性も・・・・・

一生?死んでいる身なのに一生などあるのだろうか

な私はいつまでこんな虚無感だらけの生活を続けなければならないのか

こんなにも早く死にたいと思ったことは生前でもなかっただろう

死んでいるのに死にたいなんて我ながらブラックなジョークを思いつくものね

面白くもなんともない
111: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/12(水) 21:30:32.27 ID:hF/WzW4L.net
この人混みに紛れながらわかったことが二つある

一つは、人間でも物と同じようにすり抜けてしまうということ

最初人混みにをよけながら進んでいったものの誰かとぶつかってしまった

しかしぶつかったと思っていたらその相手の体は私をすり抜けてどこかへ行ってしまったのだ

試しにもう一度目に留まった誰かにぶつかってみるとその人も私をすり抜けた

これによって私はまたこの体の仕組みに気づいた、それが二つ目

誰も私を認識できない

前からそうなんじゃないかと疑っていたが今回で確信がもてた

今思えば私はこの世に存在しないものだから当たり前のことだった

ますます私という存在が嫌になった

存在していない私はこんなにも無意味なものなのだと知ってしまい、ひどい自己嫌悪に陥った

声を出しても誰も私を見向きもしない

もう嫌だ、早く死んでしまって楽になりたい

それが無理ならば生き返らせろとまでは願わない

誰か私を、私に、気づいて



「そこの赤毛のお嬢ちゃん、まだ希望を捨てちゃいかんよ」
114: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/12(水) 21:41:58.46 ID:hF/WzW4L.net
真姫『えっ?』

唐突に誰かに呼ばれた気がした

一瞬空耳かと思ったらまた声が聞こえた

「お嬢ちゃん、あたしならお嬢ちゃんの悩み解決してあげられるよ」

空耳なんかじゃない、聴覚を失っている私にも聞こえる

声がする方向へ足を向ける、人混みなど関係無しにただ一直線に走り抜ける

その先には白いレースを施した机に向かい、座っている一人の老婆がいた

真姫『あなた・・・・・私が見えるの?』

老婆『もちろん、でなければ声などかけまい』

黒いローブに身を包んでいる老婆

見た目はすごく怪しいがそんなこと言っている場合じゃない

頼れるのなら藁にでも縋ろう

老婆『ずっと聞こえておったよ、お嬢ちゃんの心の声』

老婆『可哀想に、まだこんなに若いのに・・・・・』

一人黙々と喋る老婆に問いかける

真姫『一体何が言いたいんですか?』

老婆『ああすまない、本題に移そう』

老婆は一息つき私にこう言った

老婆『お嬢ちゃんは誰かに何か伝えたいことはないかね?』
117: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/12(水) 22:01:53.06 ID:hF/WzW4L.net
真姫『っ!』ドキッ

老婆の言葉により私の視界には色が戻りつつあった

今まで私は存在する価値を現実に否定され、存在すら危うかった私の世界に救いの手が伸ばされたのであった

老婆『その様子じゃと図星のようじゃな、先に聞いておこう、お主は誰と連絡をとりたいのじゃ?』

真姫『誰と?そんなの知り合いなら誰だっていいわ、私の存在に気づいてくれる人なら誰でも』

そういうと老婆は訝しげな表情をしながら私に聞いた

老婆『誰か一人じゃ、せっかくじゃから自分の一番身近な人にしたらどうじゃ』

真姫『身近な人?』

老婆『家族、親友、恋人、どんな人じゃろうと一人くらいは大切な人くらいいるじゃろ』

老婆が親切に例を挙げている間に私は考えていた

パパ、ママ、μ'sのみんな、その中から一人選べなんて酷だ

でもその迷いは一瞬にして消え、一人の少女が思い浮かぶ

真姫『・・・・・にこちゃん』
121: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/12(水) 22:17:11.58 ID:hF/WzW4L.net
老婆『・・・・・ほう、にこちゃんとは一体誰のことじゃ』

真姫『!』ハッ

つい口に出てしまった

悩んだ結果出た答えではない、唐突に頭に浮かび上がりそのまま声に出してしまっただけなのだ

でも無意識に名前が出てしまったということは、おそらくそれが本心だからだろう

真姫『矢澤にこ、私の・・・・・友達』

老婆『友達・・・・・本当にその子でええんじゃな?』

真姫『よろしくお願いします』

私は祈りと感謝を込めて老婆に一礼した

老婆『よかろう、ではその友達の特徴を教えてもらおうかの』

真姫『にこちゃんは・・・・・』

しばらくの間、私は主なにこちゃんの外見を軽く老婆に説明をした

説明に頷きながらも内容は全てメモ用紙みたいな紙に書き残している

一通り終えると老婆は次の言葉を口にした

老婆『説明の仕方からしてとても几帳面な性格なのじゃな』

真姫『ありがとうございます』

老婆『して、その子に対してとても思い入れがあることもわかった』

真姫『っ!///』

この老婆にはなんでもお見通しのようだ
124: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/13(木) 20:00:41.34 ID:QWdKYjdo.net
老婆『お嬢ちゃんに渡したいものはこれじゃ』

これは・・・・・携帯?しかも今ではあまり見かけないガラケーの方だ

ピンク一色で彩られており、装飾も一切されていないなんの変哲もないただの携帯だ

老婆『これを使うことで生きている人間誰か一人と通話ができる』

真姫『!!』

老婆の口からとんでもない言葉が飛び出した

亡霊が生きている人と通話できる携帯?そんな絵空事信じられるわけが無い

真姫『・・・・・本気で言ってるの?』

老婆『もちろんだとも、でなければお嬢ちゃんを助けるどころか声もかけない』

確かにそうだ、この老婆は元々現実からいなくなった私という存在に初めて気づいてくれた人

頼るあてもないし、とりあえずこの人を信じよう

真姫『いいわ、信じる』

老婆『それはよかった、さぁ携帯を触ってみなさい』

真姫『さ、触れるんですか?』

老婆『もちろんだとも』

物を通り抜ける感覚に怯えながらも、目をつぶり携帯めがけて手を伸ばす

すると・・・・・

真姫『・・・・・さ、触れた』

老婆『当たり前じゃ、触れなければ携帯なんぞ使えんじゃろ』

初めて物を触ることができた

その喜びは私の死後初めて経験した喜び

感極まり言葉をにごしながらも老婆に説明をした感謝を述べる

真姫『ありがとう、ございます・・・・・!』
125: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/13(木) 20:15:59.95 ID:QWdKYjdo.net
老婆『それとお嬢ちゃんに二つ言っておかなければならないことがある』

真姫『言わなければならないこと?』

いろいろ話した気がするがまだ足りないのだろうか

老婆『まず一つ目じゃがこれはあまり重要なことではない』

真姫『? じゃあ話す必要ないってことかしら』

老婆『いや、そうじゃない、頭の片隅にでも置いといてくれればよい』

この身となっては覚えることなど何もない、記憶の容量は空っぽだ

わざわざ隅に追いやる必要もないだろう

老婆『この携帯は登録者以外誰も使えない』

真姫『登録者?』

初めて出てきた単語に少し戸惑ってしまう

その様子を見て老婆は訂正を求めた

老婆『ああすまん、登録者というのは文字通りこの携帯の登録者のことじゃ』

真姫『そういうことね、でもその登録者はどうやって設定するの?』

老婆『登録者はお嬢ちゃんと話している間あらかじめ決めてある』

真姫『私?』

老婆『そう、設定は全て決めてあるから後は持ち主の名前を入力するだけじゃ』

携帯を手渡され、慣れない手つきで名前を入れる

真姫『西木野真姫っと、これだけでいいんですか?』

老婆『それでよい、はれてこの携帯の持ち主はお嬢ちゃんじゃ』

携帯を開いてみる、画面には電話とメールの二つの単語だけが並んでいる

老婆『その携帯には電話とメールの二つしか機能がない、でも連絡手段としては十分じゃろ』

真姫『そうね』

老婆に感謝してもしきれない

私が安堵し気を緩めたその時、老婆が険しい表情を見せながら言った


老婆『忘れてるようだが二つ目の内容を言っとらんぞ』

真姫『あ、すみません』

老婆『これは決して忘れるでないぞ』

声も低くなり、念を押されて少し腰が引けてしまう

老婆『二つ目はな・・・・・』
127: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/13(木) 20:33:00.20 ID:QWdKYjdo.net
老婆『持ち主が死んだ瞬間、相手の頭からその持ち主の記憶が全て消えてしまう』

真姫『っ!?』

老婆の言っている意味がさっぱりわからない

真姫『・・・・・どう言う意味よ』

老婆『例を挙げるとしよう、お嬢ちゃんの携帯の相手も同じような携帯を持つことになる』

老婆『お嬢ちゃんはその携帯を通じて相手とのみ通話とメールができるようになる、ここまではいいじゃろう』

私と彼女が連絡を取るためには同じ携帯が必要

だけど彼女以外の誰かとは連絡を取ることは愚か、声すら聞けない

真姫『同じ携帯?』

老婆『相手にもお嬢ちゃんに渡した携帯と同じものを用意しなければならないのじゃが、それは後で話そう』

そんな簡単な話ではないと思うが、何か策があるのだろう

老婆『続きを話そう、もしお嬢ちゃんがこの世から本当に消えてしまった場合、相手の記憶から全てお嬢ちゃんに関する記憶が消えてしまうのじゃ』

真姫『そ、そんな!!』

老婆『まれに生きている方が先に死んでしまう場合もあるのじゃが、その時も同じ現象が起こる』

私が消えてしまったらに彼女にに忘れ去られる・・・・・

老婆『しかし忘れられるのは相手のみであり、家族や知人には影響がない』

彼女が忘れてもパパとママ、μ'sのみんなは私のことを覚えている

老婆『どうじゃ?携帯を私に返して記憶に残るほうを選ぶか?今なら間に合う』

彼女の、にこちゃんの記憶から、私が、私の存在が、消えてしまう

真姫『・・・・・そんなの決まってるじゃない』
128: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/13(木) 20:47:22.73 ID:QWdKYjdo.net
老婆『・・・・・そうか、やはり大切な人の記憶から自分の存在が消えるのは辛いじゃろう』

老婆が携帯をとろうとした、しかし私はそれを拒んだ

真姫『私はにこちゃんと連絡を取るほうを選ぶ』

老婆『ほう?例え記憶がなくなったとしても?』

真姫『好都合よ、私が消えてしまえばにこちゃんはもっと悲しくなる、だから私が記憶から消えてしまえば悲しむことなんてなくなるもの』

・・・・・なんて綺麗事並べているけどただ彼女と話せるならなんだっていいだけ

でも一生私が死んだことを記憶に残しておくくらいならいっそ消してしまった方がいいと思っているのは本当

私は自分の事しか考えない弱い存在

老婆『お嬢ちゃんは強いのじゃな』

真姫『そんなこと、ありません』

老婆を騙しているようで心が苦しいが仕方のないことだ

私は今すぐ彼女と話したい、ただそれだけ

老婆『記憶は偶然に偶然が重なって甦てしまうこともあるが、あまりにも確率が低いから考えなくても良いだろう』

真姫『わかりました、それでにこちゃんにどうやって携帯を渡すんですか?』

さっきから気になっていたことだ

この大衆の中特徴を知っていたとしても見つけることは並大抵のことではないはずだ

老婆『・・・・・そろそろ来るじゃろう、お嬢ちゃんは私のとなりに立ってな』

真姫『?』

ふと思った、老婆は一体何者なのだろうかと
134: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/15(土) 18:01:08.25 ID:djNWfROM.net
誤爆った、すまん



彼女は老婆に呼ばれなにか話をしている

私はその会話の内容を聞き取ることができない

恐らく私と同じ内容のことを話してるのだろう

しかし、そうすると一つの疑問が浮かぶ

なぜさっきは老婆の声が聞こえたのに今は聞こえないのか

老婆『それはお嬢ちゃんにのみ聞こえる声で話しているからだよ』

真姫『きゃあ!』

突然話しかけられつい飛び跳ねてしまう

老婆『そう驚きなさんな、逆に言えばこの声だと他の誰にも聞こえなくなるのじゃ』

真姫『便利ね』

老婆『そして普通の声に戻すと・・・・・』

老婆の声が途中で聞こえなくなった

なるほど、老婆は人に聞こえる声と私に聞こえる声での二つを使い分けられるわけだ

空白の会話があったせいか老婆の向かいにいる彼女が首をかしげている

老婆が取り繕って会話は無事再開したようだ

このまま行けば彼女にも同じ携帯が手渡され、連絡が取れるようになるだろう

真姫『・・・・・ちょっと待って!』

老婆『なんじゃ?』

私は会話中の老婆を制止させ、お願いを持ちかけた
135: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/15(土) 18:02:25.87 ID:djNWfROM.net
老婆『どうしてじゃ?』

真姫『そのことを伝えたらにこちゃんは携帯をもらわなくなる、私のことを忘れるなんてにこちゃん嫌がるから・・・・・』

なんて自意識過剰な言葉なんだろう、自分で言って恥ずかしくなる

だけどこうでもしなければ唯一の連絡手段が途絶えてしまう、にこちゃんの記憶から私が永遠に消えないまま残ってしまう

それだけは絶対に避けなければ

老婆『・・・・・心得た、記憶の話は言わないでおこう』

真姫『ありがとうございます』

こうして無事彼女に携帯が手渡され、そのままどこかへ去っていった

上手くいけば彼女から忘れられるだろう

でもなぜか、忘れられるのは私の望んでいることなのに

言葉を繰り返すだけで胸が締め付けられるほど痛い、苦しい

忘れてよ、忘れないで、私の心が叫んでいる
136: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/15(土) 18:22:47.62 ID:djNWfROM.net
老婆『大丈夫か?忘れられるのは辛いじゃろうに』

真姫『・・・・・いえ、こうした方がにこちゃんのためですから』

会話中にも私の心の声を聞いていたようだ

老婆『そろそろお嬢ちゃんも帰らなければならないゃろう 、最後にお嬢ちゃんの存在について教えよう』

真姫『私の、存在?』

老婆『お嬢ちゃんは魂だけの存在言わば亡霊じゃ、まぁお嬢ちゃんならだいたい察しはついてたじゃろ』

老婆の言う通り私はこの体のことについての考えは老婆の考えとあっていた

しかし老婆のおかげで確信がもてた、やはり私はこの世にいるべき存在ではないことを

そして次の老婆の言葉に衝撃が走った

老婆『・・・・・言いたくなかったが、お嬢ちゃんは後一週間で消えてしまう』

真姫『なっ・・・・・』

思わず言葉がつまる、これは事実上の余命宣告

あれほど消えてしまいたいと思ってたのに希望がもてた瞬間この後悔ぶり

老婆『今日は木曜日、じゃから来週の木曜日の丁度零時にお嬢ちゃんは電話相手の記憶と共にこの世から消え去ってしまう』

余命一週間という文字が頭をぐるぐる回る

一週間、一週間だけ彼女の声が聞こえる

それをすぎれば私は・・・・・

老婆『すまんのぅ、これも仕事なのじゃ・・・・・』

真姫『・・・・・いえ、教えてもらって助かります』

長くあるように思えた時間が急速に縮こまった気がした

後一週間という短い間、私は何をしたらいいんだろう

老婆『お互い短い間生涯じゃ、大切な人と色んなことを話すんじゃ』

真姫『ありがとう・・・・・ございました・・・・・』

老婆の最後の言葉を聞き、私はこの場を立ち去った
137: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/15(土) 18:38:03.58 ID:djNWfROM.net
にこ「・・・・・ただいま」

さきほどあったお婆ちゃんの話を頭で繰り返しながら帰路についた

にこママ「にこ!学校から休みの連絡がなかったって電話があったわ!今までどこほっつき歩いてたの!」

にこ「・・・・・ごめんなさい」

朝からあまり意識がしっかりしていなかったから私は謝ることしかできなかった

でもそんなこと、私にとってはどうでもいいことだった

にこママ「・・・・・最近休んでばかりじゃない、まだ友達が死んだことを引きずってるの?」

彼女が死んだことを話に出された私の心は燃えさかるほど怒り狂った

にこ「真姫ちゃんが死んだことを話に持ち出さないでよ!まだ引きずってる?当たり前じゃない!真姫ちゃんは私の大事な・・・・・大事な・・・・・」

泣いちゃだめだ、死んだのは悲しいけどそれを表に出しちゃだめなんだ

にこママ「・・・・・ごめんなさい、引きずらないわけないわね」

にこ「・・・・・うん」

母が理解を示してくれて良かった、責められ続けてたら私は泣いていたかもしれない

にこママ「夕飯もうすぐできるけど、どうする?」

にこ「・・・・・いらない」

にこママ「そう、でも少しでも食べないと体に悪いから後でまた来なさい」

にこ「ありがとう、ママ」

そう言って私は部屋に篭った
138: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/15(土) 19:00:03.74 ID:djNWfROM.net
にこ「はぁ・・・・・」

母に言われ改めて思う、彼女は死んでしまったんだと

老婆の言っていたことも嘘だ、よくある詐欺とか相手を騙して楽しんでる連中と同じ

・・・・・万が一の可能性を考えて彼女の名前を出してしまったけれど失敗だった

あの後彼女の家に大量の請求が来たらどうしようか

責任なんて取れる筈がないのに

にこ「・・・・・疲れてるのね私、体休めなきゃ」

明日はまた学校だ、学校に行ったらみんなに謝らなきゃ

最後にもらった携帯を覗く、表示されるのは電話とメール、二つの単語だけ

試しに電話を開くと電話帳に書いてあるのは一人の名前

西木野 真姫

つまらない冗談、つながるわけないのに

もし繋がったとしたらそれは私がこれから見る夢の中だけだ

ドサッ

にこ「・・・・・あれ?」

どうして枕が湿っているんだろう

うろ覚えの記憶をたどってみる、昨日は帰ってそれから・・・・・

にこ「!」

気づけば両目から涙がこぼれていた

泣かないって、決めたのに、どうして

にこ「あれ?あれ?なんで私、泣いてるんだろ?」

自分に疑問を投げかけてもその涙は止まらない

にこ「涙が止まらないよ真姫ちゃん、悲しいけど我慢してた筈なのに、涙が止まらない」

にこ「おかしいよ、こんな、泣かないって、決めたのに・・・・・う、く・・・・・」

思い出した、私は昨日

にこ「うわああああああああああああああああああああああああん!!!」

泣いちゃったんだ
139: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/15(土) 19:23:56.91 ID:djNWfROM.net
帰ってから長い時間考えてた

本当にこの携帯で彼女と連絡が取れるのか

ならば実際にかけてみたらいい、でもその勇気がない

老婆のことは信じている、けどもし繋がらなかった時のことを考えたくないからだ

繋がらなかったらどうする?このまま一週間彼女と話すことができず、ただ時間を消費して消えていく?

・・・・・考えなければよかった、背筋が凍るような感覚が襲った

まだ繋がらないと決まったわけじゃない、どうせいつかは消えるんだ、だから明るく考えよう

老婆からもらった電話に手をかける、この電話だけが私に持つという喜びを与えてくれる物だ

時間は十時を過ぎている、今からかけても寝ているかもしれない

だけど一刻も早くたしかめなければ、時間は限られている

今日かけなければ一週間後の私は後悔してしまうだろう

恐る恐る電話帳を開くそこには名前と思われる字が一人分だけ載せられている

矢澤 にこ

彼女の名前だ

カーソルを合わせ、送信ボタンに指を合わせる

どうか彼女が起きていますように

そう願いを込め私はボタンを押した

ピッ
140: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/15(土) 21:27:54.78 ID:djNWfROM.net
ピリリリリ ピリリリリ

・・・・・電話?

どうやら私は泣きつかれて寝てしまったらしい

電話の着信音?でも私の電話ではない

あの老婆からもらった携帯だ

ふと時間を見てみると夜の十時半、普段ならもう寝ている時間だ

こんな時間に一体誰だろう

誰と言ってもこの携帯がつながる相手は一人しかいない

彼女、真姫ちゃん以外考えられない

けど夜中であるのも相まって怖い、もしかしたらいたずら電話の可能性がある

もらった携帯は詐欺に使われる代物で、出たらお金を請求されるかも・・・・・

そんな不安を考えていると

ピリッ・・・・・

にこ「あ・・・・・」

止まってしまった

私が変な考えしていたばかりに

相手が本当に彼女でこの着信が最後だったとしたら私は・・・・・

急いでかけ直す、焦りと緊張で手が震える

トゥルルルルル… トゥルルルルル…

にこ「お願い出てっ!真姫ちゃん!」

ピッ
141: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/15(土) 21:33:17.79 ID:djNWfROM.net
真姫『・・・・・駄目ね』

寝てたのか着信に応じたくなかったのかそれともただの手の込んだいたずらだったのか

明日またかけるにしても彼女が出たくないと思ってるのならもうやめよう

諦めかけていたその時

ピリリリリ…

真姫『!』

あの携帯から着信音が鳴る

携帯を手に取り今度こそボタンを押す

ピッ

真姫『・・・・・にこちゃん?』
143: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/15(土) 22:20:54.88 ID:djNWfROM.net
にこ「!!!」

彼女だ。彼女の声だ

電話越しだけど、音質が少し悪いけど私にはわかる

死んだはずの彼女の声だ

真姫「にこちゃん、聞こえる?」

にこ「・・・・・ええ、聞こえるわ」

あれだけ泣いたのに思わず涙ぐんでしまう

鼻をすする音が彼女にも聞こえたようで

真姫「泣いてるの?みっともないわね」

この人を小馬鹿にする態度、彼女そっくりだ

絵里「泣いてなんかないわよ、そっちこそにこの声が聞こえて嬉しいんじゃないの?」

真姫「・・・・・ええ、とっても嬉しい」

思わぬ答えが帰ってくる

こっちは彼女に似合わない素直な声だ

真姫「本当に嬉しい、こんな姿になってから声どころか音すら聞いてなかったもの」

真姫「ありがとう、にこちゃん」

・・・・・だめだ、また泣きそうになってしまう

でも彼女には絶対泣いてる姿は見せたくない、泣いてるなんて思われたくない

彼女から見た矢澤にこはいつも笑顔だから
にこ「嘘ついてごめん、にこも真姫ちゃんの声が聞けて嬉しい」

真姫「知ってる、にこちゃんの声震えてるもの」

言われて気づいた、いつも彼女はこういうところが目ざとい

にこ「わかっててもいうな!」

真姫「ふふっ」
150: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/15(土) 22:36:01.26 ID:djNWfROM.net
訂正
>>143の絵里ちゃんはにこちゃんです
他スレで絵里ちゃん出してたからね、仕方ないね
いやほんとすみませんでした
144: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/15(土) 22:21:51.60 ID:djNWfROM.net
時計を見たらもうすぐ12時を過ぎようとしていた

にこ「まだ話していたいけど、もう寝なくちゃいけないの」

真姫「わかったわ、じゃあ電話切るわね」

にこ「あ、待って!」

電話を切ろうとした彼女を慌てて止める

真姫「どうしたの?」

にこ「・・・・・明日も、電話していいかな?」

真姫「もちろんよ、むしろしてくれないと暇でしょうがないわ」

彼女の言葉に安堵する

にこ「絶対する!約束だよ!」

真姫「ええ、約束ね、また明日」

にこ「お休み真姫ちゃん」

真姫「お休みにこちゃん」

プツッ ツー… ツー…
146: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/15(土) 22:28:00.00 ID:djNWfROM.net
彼女の声が聞けた

私はもうそれだけで十分なほど満足している

これがあと一週間しかないと思うと悲しい気分になってしまう

せっかく彼女と話せたんだ、逆に考えよう

後一週間もあるんだ、彼女とずっとお喋りしよう

そしたら私は心置きなくこの世から去れるだろう

私が死んでしまった後のことなんて考えなくたっていい、記憶が消えてくれるのだから

明日は何を話そう

これほど楽しみなことは生前にもあまりなかった

大丈夫、明日は平日で彼女は学校に行くんだ、その間に考えよう

今日は不快感なく安心して眠れそうね・・・・・
158: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/16(日) 10:40:17.35 ID:N8HJ7WdX.net
海未「真姫は警察に協力し、自分の命を犠牲にしながらもテロリストを捕まえることができたそうです・・・・・」

絵里「そう・・・・・」

希「真姫ちゃん、頑張ったんやな・・・・・」

穂乃果「・・・・・」

海未ちゃんが知り合いの警官から聞いた話を淡々と述べた

一昨日までは三人だけだったこの部室もいつの間にかみんな通うようになっていた

・・・・・二人を除いて

いつも思う、どうして真姫ちゃんだったんだろう

あの時私が止めていたら、あの時私が無理にでもついて行ってあげたら

そんなことばかり考えていると胸が苦しくなる

真姫ちゃん、ごめんなさい・・・・・

にこ「みんな!早く練習行くわよ!」

ほのことうみりんぱなのぞえり「!!」

にこちゃんが部室に現れた、それもこの前とは違い意気揚々と

重くなる寸前の空気で口を開いたのは絵里ちゃんだった

絵里「・・・・・にこ、残念だけど練習はできないわ」

にこ、「? どうしては」
159: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/16(日) 10:54:25.41 ID:N8HJ7WdX.net
絵里「どうしても何も・・・・・」

そう、どうして練習ができないかなんて一番知っているのはにこちゃんのはずだ

そしてみんながにこちゃんに気づかい練習を自重しているのもある

なのににこちゃんは

にこ「いやいやいや、もうすぐラブライブ本戦なんだし練習しなきゃダメでしょ!」

本人が一番気にしていない素振りを見せる

凛「な、何言ってるのにこちゃん」

花陽「真姫ちゃんがいないのに練習なんかしたって・・・・・」

二人も思っていることをそれぞれ口にする

同級生の二人も真姫ちゃんが死んだ悲しみはにこちゃんに負けないはずだ

にこ「そうだけどさ、ほらにこはアイドル目指してるじゃん」

にこ「それに真姫ちゃんにだって私たちの頑張ってる姿見せてあげたい、だからどうしても出たいの」

見せてあげたい、天国にいる真姫ちゃんの事を話しているのだろう

にこちゃんはアイドルを目指している、だからラブライブで優勝して自分の名前を売り込まなきゃいけないのもわかる

でもそれは違う、真姫ちゃんが今の私たちが活動を続けてる姿を見てどう思うだろう

きっと悔しい、悲しい気持ちになってしまう

もし私が真姫ちゃんの立場だったら負の感情しか沸き上がらない

それにμ'sは・・・・・

海未「何言ってるのですかにこ!そんなこと私が許しません!」
160: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/16(日) 11:10:28.77 ID:N8HJ7WdX.net
唐突に海未ちゃんが怒声を上げる

にこ「ゆ、許さないって何よ・・・・・」

さすがのにこちゃんもこれには腰が引けたようだ

海未「真姫に私たちの頑張ってる姿見せたいですって?真姫が夢半ば死んでいったのがわからないんですか!」

海未「真姫は私たちのライブしている姿見たらどう思いますか、悲しむに決まってます・・・・・」

海未ちゃんはみんなの言いたいことを代弁してくれた

それはにこちゃん以外のみんなが思っていること

少なくとも私はそう思ってる

海未「なのにあなたは・・・・・自分の夢を叶えたいだけで真姫だけでなくみんなの気持ちを!」

ことり「海未ちゃん!」

ことりちゃんが静止しようとするが効果がなかった

海未「あなたが一番真姫の事理解してると思っていたのに・・・・・失望しました」

にこ「・・・・・言いたいことはそれだけ?」

聞き終えたにこちゃんが反論に出る

にこ「言いたいこと言ってそれで満足した?」
161: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/16(日) 11:23:17.87 ID:N8HJ7WdX.net
にこ「確かに自分勝手だったのは謝るわ、だけど真姫ちゃんが悲しむなんて誰が決めたの?」

にこ「私は真姫ちゃんの事を一番に理解してるつもり、アイドルに対する熱意に負けないくらい」

にこ「真姫ちゃんが死んだことを一番悲しく思ってるのは私、断言できるわ」

にこ「だからこそ完成させなきゃならないの、真姫ちゃんに見せて悔いの残らないようにしてあげたい」

にこ「真姫ちゃんは現に私たちの頑張ってる姿見たいと思ってる!」

にこ「何もしないまま終わるなんてそれこそ真姫ちゃんが可哀想!」

にこ「ラブライブのために今まであの子がどれだけ頑張ってきたと思うの!」

にこ「作曲はほぼ全て真姫ちゃんに任せて、真姫ちゃんはμ'sにとって必要不可欠な存在だった!」

にこ「真姫ちゃんがいなくてもμ'sが頑張ってる姿を見せて安心させてあげないとダメなの!」

にこ「真姫ちゃんがμ'sからいなくなってラブライブ本戦に挑むなんて無理に等し・・・・・」

にこ「でもみんなで叶える物語!その夢を叶えなくてどうするのよ!」

にこ「真姫ちゃんだって本当は叶えたかった夢がある!だけど真姫ちゃん一人じゃ叶えられなくなった!」

にこ「共通の夢を少しでの叶えてあげるのが仲間ってものでしょ!」

にこ「真姫ちゃんの事を何も知らないくせに真姫ちゃんを語らないで!」
162: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/16(日) 11:37:48.68 ID:N8HJ7WdX.net
部室に静寂が訪れる

真姫ちゃんの事を誰よりも理解している

そう豪語するにこちゃんの言葉にみんなは心が揺り動かされていた

まるで真姫ちゃんからそう言われたかのように語るにこちゃん

あの海未ちゃんでさえ困惑している

誰もが練習に向けて意気込もうとした、が

絵里「・・・・・にこ、悪いけどラブライブ本戦にμ'sは辞退するわ」

にこ「話聞いてた?真姫ちゃんのためにラブライブ本戦出るって言ってるの」

再び部室に嫌悪な空気が入り込む

絵里「残念だけどにこが言う完成品は真姫に見せることはできない」

にこ「なんで諦めるの!今からでも頑張れば・・・・・」

絵里「絶対無理よ、どうしようもないもの」

希「にこっち覚えとる?μ'sは9人でμ'sなんや」
164: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/16(日) 20:07:54.11 ID:N8HJ7WdX.net
にこ「!」

希「いくら今まで一番最高のライブができたとしても、真姫ちゃんがいなきゃ完成しないんよ」

希「一人でも欠けたらμ'sやない、真姫ちゃんがいないμ'sじゃない」

にこ「・・・・・」

希ちゃんのおかげでこの場が収まる、そう思ってた

だけどにこちゃんの次の言葉にみんなは驚きを隠せなかった

にこ「・・・・・真姫ちゃんは、いる」

ほのことうみりんぱなのぞえり「!!」

部室内がざわめく

絵里「にこ、一昨日自分で言ってたじゃない、真姫は死んだって・・・」

絵里ちゃんの言う通り、真姫ちゃんが死んだことを自分で公言した

それも私たち全員の前で

にこ「確かに真姫ちゃんは死んだ、それは私が自分で言った事だし否定しない」

ことり「じゃあなんで・・・・・」

にこ「でも真姫ちゃんはいる、まだこの世に残っている」
167: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/16(日) 20:31:18.90 ID:N8HJ7WdX.net
海未「・・・・・にこ、いくらあなたでも死人を侮辱することは許されません」

勢い良く叩かれた机とともに出された声は海未ちゃんのものだった

にこちゃんは負けじと言葉を返す

にこ「侮辱なんかしていない!いるからいるって言ってるの!」

海未「死んだ人間がこの世に現存しているわけがありません!高校生にもなってそれくらいのことが分からないのですか!」

にこ「いなけりゃこんな言い方しない!真姫ちゃんは死んだけどまだ魂だけ残ってる!」

海未「にこ!!」

凄まじく飛び交う怒声

このままだと二人の仲は戻らなくなってしまう

早く誰かが止めないと・・・・・

絵里「・・・・・にこ、そこまでいうなら証拠見せてもらうわ」

凛とした声で場を静める絵里ちゃん

こういうときに頼れるのはやはり絵里ちゃんだ

にこ「そういうと思って持ってきたの、証拠はこれ」

にこちゃんがカバンから出したのは小さなピンク色の携帯だった
170: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/16(日) 21:09:35.71 ID:N8HJ7WdX.net
凛「可愛い携帯だにゃー」

凛ちゃんが必死に場を和ませようとしている

無邪気に振舞凛ちゃんは、唯一の清涼材となっている

花陽「にこちゃん、この携帯どうしたの?」

続いて花陽ちゃんが柔らかい口調で問いかけた

にこ「昨日都内を歩いていたら変なお婆ちゃんに会って貰った携帯よ」

ことり「お婆ちゃん?」

色々とおかしな部分はあるが当たり前のように話すにこちゃん

海未「学校をさぼってほっつき歩いてたのですね」

にこ「何よ、あんたこそ部室に来なかったそうじゃない」

海未「知り合いの警官から真姫について聞いてたのです、それに練習は当分ないから来なくていいと絵里に伝えられたので」

にこ「練習ないのにまたのこのこと部室に現れたって訳ね」

海未「それはこっちの台詞です!」

目を離せばすぐさま悪態をつきあう二人

絵里「二人とも静かにして!今重要なのはにこが持っている携帯の事でしょう!」

また絵里ちゃんがこれを止め、本題に入ることが出来る
171: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/16(日) 21:32:28.46 ID:N8HJ7WdX.net
にこ「単刀直入に説明するわ、この携帯を使えば真姫ちゃんと話すことができるの」

誇らしげに語るにこちゃんを見て唖然とした

二人は驚きを見せながらも喜ぶ顔を見せる

二人は慌てふためき反応に困っている

二人は呆れため息をついている

凛「ほ、本当に真姫ちゃんと話せるの!?」

にこ「本当よ」

希「実際に真姫ちゃんと会話したん?」

にこ「したわ、昨日の夜にね」

海未「馬鹿馬鹿しい、そんな大嘘誰が信じますか」

にこ「じゃあ信じなくていいわ」

自信ありげに話すにこちゃんと、それぞれ違いながらも盛り上がるみんなを見て私はふと思った

やっといつものμ'sに戻れるのかなぁ、と
172: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/16(日) 21:47:11.23 ID:N8HJ7WdX.net
にこ「じゃあそうね、凛、電話かけてみなさい」

凛「い、いいの?凛が最初で?」

にこ「もちろんよ、ただし最初は私だったけど」

花陽「凛ちゃん!次は私ね!」

にこ「勝手に決めないの、まぁでもいいわ、つけてみなさい」

凛「うん!」

一つの携帯を前にはしゃぐ三人を見てつい微笑ましく思ってしまう

みんなも顔が緩んでいる、海未ちゃんですら少し口元が上を向いている

しかし暖かい空気は急に冷めてしまう

凛「・・・・・?携帯の電源がつかないよ?」

にこ「充電はしてきた筈なのに・・・・・」

どうやら携帯に何かがあったようだ

さっきとは違い不安な顔をする三人

希「凛ちゃん、少し貸してもらえる?」

凛「あ、うん・・・・・」

希「!」

携帯を手に取り驚いた表情を見せる希ちゃん、だけど

希「・・・・・だめや、この携帯つかん」

希望が一瞬にして消え去った

それはみんなの笑顔とともに

にこ「なんで、なんでつかないのよ!昨日はついてたのになんで・・・・・」

当事者であるにこちゃんですら・・・・・怯えてる?

怯えてる相手は、海未ちゃんだ

海未「やっぱり嘘ついてたんですね」
175: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/16(日) 22:04:53.58 ID:N8HJ7WdX.net
にこ「ひっ」

海未「あれだけ自信満々に言うのですから少し希望を抱いてしまったじゃありませんか」

やばい、海未ちゃん本気で怒ってる

海未「私は深く傷つきました、こんな私でも真姫と再び話せるなんてと思っていたのですが」

海未「みんなの気持ち踏みにじって、どうするんですか?」

こうなると海未ちゃんは止めることができない

絵里ちゃんですらどう対処したらいいか困っている

私なんかじゃ今の海未ちゃんと話すことすら許されない

にこ「みんなはまだ私のこと信じてるよね!真姫ちゃんと話せるって!」

にこちゃんは必死に辺りを見渡す、しかし

誰も目を合わせようとしない

にこ「昨日は真姫ちゃんと話せてたんだよ!本当だって!なんならつれて来て」

海未「見苦しいです、現実を受け入れてください」

容赦なく吐き出される海未ちゃんの冷たい言葉

にこ「り、凛!花陽!希!」

りんぱな「・・・・・」

希「にこっち・・・・・」

呼びかけも虚しく空を切った

にこ「そ、そんな目で見ないでよ」

にこ「変な、精神障害者を見るような目やめてってば」

にこちゃんの声には誰も反応しない、できない

どうしようもないこの状況、みんなここにいるだけで精一杯なのだ

にこ「ほ、穂乃果・・・・・」
177: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/16(日) 22:15:37.61 ID:N8HJ7WdX.net
穂乃果「!」

名前を呼ばれた

窮地に立たされたにこちゃんから苦し紛れに言われた私の名前

にこ「一昨日は本当にごめん、だけどせめて、せめて私に何か言って」

にこ「助けてなんて言わない、擁護してなんて頼まない」

にこ「だからお願い、何か言って」

にこちゃんの顔を見るのが本当に辛い

今にも泣きそうになっているにこちゃんの顔は見るに堪えない程歪んでいる

海未ちゃんを止められなかった私に何ができるの

にこちゃんは強い

最初に真姫ちゃんの死を受け入れ、真姫ちゃんのためになんとか出来ないかと頑張ってきた

私は弱い

私はそんなにこちゃんを否定してしまった

にこちゃんが負けそうになっているところに私は助けるどころか口を挟む権利なんかないんだ

そう言い訳している私自分は本当に弱い

私はにこちゃんから・・・・・無言で目をそらした
178: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/16(日) 22:29:00.05 ID:N8HJ7WdX.net
にこ「!!」

ごめんなさいにこちゃん、ごめんなさい

にこ「本当、なのに 、私は、真姫ちゃんと・・・・・」

にこちゃんの目からは涙が溢れていた

今までも随分泣いたのだろう、量は少ないが悲しみが痛いほど伝わってきた

あまりにも哀れな姿に海未ちゃんですら口を紡いでいた

にこ「う、う、うわあああああああああ!!!」

にこちゃんは突然大声をあげ携帯を取り上げに逃げるようにこの場を去る

希「にこっち!」

逃走するにこちゃんを追いかけようとする希ちゃん

絵里「待って希!」

絵里ちゃんが体を抱き止め、必死に説得する

希「離して絵里ち!今のにこっちをほっといたら!」

絵里「にこならそんなことしない!今は一人にさせてあげて!」

希「あ・・・・・にこっち・・・・・」

にこちゃんの姿が見えなくなったところで希ちゃんは追うのを諦めたようだ

残ったのは七人と重たい空気とにこちゃんの涙だけ

またにこちゃんを傷つけてしまった

こんな弱い私がにこちゃんに声をかけることなんてできないの

本当に・・・・・ごめんなさい
179: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/16(日) 22:43:00.90 ID:N8HJ7WdX.net
私は走った

怖かったから

信じてたみんなに裏切られたから

いや、裏切られたんじゃない

どっちも嘘はついていないもの

すれ違いが生んだ最悪の結末

これがもしくだらないことだったら明日には笑って忘れられるのに

携帯が、携帯さえついていたらこんなことにはならなかったのに

しかしここで私は昨日の老婆の言葉を思い出す

【この携帯は登録者以外誰も使えない】

にこ「は、はは・・・・・」

最初から理解される訳がなかったんだ

それなのに気付かず、無理して、墓穴を掘って、嫌われて

何してんだろ私

涙が枯れ果て、乾いた笑いしか出ないや

にこ「はははは・・・・・」
188: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/17(月) 21:04:13.36 ID:GreaSxXe.net
希「・・・・・どうかにこっちを責めんといて」

にこちゃんちゃんが去った後、希ちゃんがそう切り出した

海未「私も少々言い過ぎました、にこは真姫がいなくなったショックで気がめいってるのでしょう」

自分のしたことを反省する海未ちゃん

それがにこちゃんを傷つけた行動だとしても、すぐ反省できるなんてえらいよ

私はいつまで経っても成長しない

沈めてた顔を再び上げると希ちゃんが困惑していた

希「そう言う事じゃないんよ」

海未「?」

ことり「じゃあどういうこと?」

その場にいる全員が疑問を頭にに浮かべる

絵里「真姫と話したっていう事かしら、嘘に決まってるじゃない」

海未「そうです、先ほど話したとおりにこは気が動転していて・・・・・」

二人が否定の意見を口に出す

単純に考えたら死んだ人間と話すのは不可能、私ですらわかることだ

でもあの時のにこちゃんは違った

様子がおかしいと言う言葉で片付けてはいけない

気が動転していたとしても、にこちゃんのあの絶対と言いきれる自信はなんだったんだろうか

だがこんなこと言ってどうする、私もにこちゃんみたいな目に合うだけだ

どうしたら・・・・・どうしたら・・・・・

花陽「私は・・・・・そうは思えません」
189: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/17(月) 21:47:21.99 ID:GreaSxXe.net
絵里「は、花陽?」

沈黙の中、意外にも声を出したのは花陽ちゃんだった

花陽「あんなに真面目なにこちゃんが嘘をついたことなんてないよ!」

必死ににこちゃんを擁護する花陽ちゃん

先輩は禁止にしているが仮にも上級生相手に怯えず立ち向う姿が眩しい

花陽ちゃんが最初に言うなんて思わなかった

海未「しかし花陽!」

凛「凛もかよちんがそういうならにこちゃんを信じる!」

次に立ち上がったのは凛ちゃんだった

凛「それに真姫ちゃんと話せるか話せないかなんて話せる方を選ぶに決まってるにゃ!」

私から見た今の二人は眩しすぎる

それに比べて私はなんて弱い存在なんだろう

怖くて、怯えて、信じたいと思いながらも二人のように口に出すことが出来なかった

海未「凛・・・・・」

希「・・・・・本当は海未ちゃんも絵里ちも真姫ちゃんと話せるなら話したいやろ?」
190: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/17(月) 22:00:50.28 ID:GreaSxXe.net
絵里「それは・・・・・そうだけど・・・・・」

海未「もちろんです・・・・・しかし・・・・・」

希ちゃんの言葉に戸惑う二人

真面目な二人の事だから、非現実的な事を受け入れられないのだろう

ことり「ことりも真姫ちゃんとお話したい!」

希「穂乃果ちゃんもそうやろ?」

穂乃果「・・・・・私は」

つい押し黙ってしまう

私だって真姫ちゃんと話したい、けど

こんな私が真姫ちゃんと話せる立場なのか

海未ちゃんから聞いた話をもう一度思い出す

真姫ちゃんは死んでしまったけど、立派だったと

そんな立派な真姫ちゃんに今のちっぽけな私を見せたくない

希「・・・・・穂乃果ちゃん?」

穂乃果「・・・・・」コク

でも自分の気持ちに嘘はつけなかった

希ちゃんの言葉に私は小さく頷いた

希「これで決まりやな、みんな真姫ちゃんと話したい、その想いはみんな同じや」

海未「しかし希、まだ話せると決まったわけではありません」

絵里「何かあの携帯にあるの?」

すると希ちゃんは不敵に笑う

希「ふっふっふ、確信を持てんけどあの携帯を触ったとき一瞬感じたんよ」

希「あの携帯には不思議な力があるって」
192: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/17(月) 22:14:41.79 ID:GreaSxXe.net
花陽「本当!?」

希「本当や、でもほんの一瞬や、触れただけで消えてもうた」

海未「希、それだけでは確証がもてません」

海未ちゃんの言う通りあくまでこれは個人の感想

にこちゃんが持ってた絶対の自信はには到底及ばない

絵里「もしかしたら希の勘違いかもしれないしね」

希「ふーん、絵里ちはうちのこと信用してないんや」

絵里「そ、そんなこと言ってないじゃない!」

いつもみたいに絵里ちゃんをおちょくる希ちゃん

こんな時でも余裕を持てるところが流石だ

ことり「でも他にはもうないの?」

凛「できれば決定的なこれ!っていうのがほしいにゃー」

希「もう一つあるんやけど、これもさっきと同じで確証が持てんものなんよ」

自信なさげに答える

だけど情報自体が少ない今、どんな些細なことだろうとかき集めなければならない

希「あの携帯がにこっちの手に戻ったとき・・・・・電源がついたんや」
194: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/17(月) 22:32:46.78 ID:GreaSxXe.net
ほのことうみりんぱなえり「!!」

希「同時に力も瞬時に戻った、しかもとてつもなく大きい力」

希「あれだけの力があれば死者との会話も出来るかもしれんと思ってる」

驚愕した

そんな摩訶不思議なことが現実に起こって良いのだろうか

しかしその考えはすぐ消えた

真姫ちゃんと話せるならなんだっていい

ここにいるみんなそう思ってる

絵里「希、今大事なのは真姫と話せるか話せないということ、つまりどっちなの?」

希「え、絵里ち・・・・・肩、痛い・・・・・」

いつの間にか絵里ちゃんが希ちゃんの肩を強く掴んでいた

絵里「あっ・・・・・ごめんなさい・・・・・」

気がついた絵里ちゃんが謝りその場を取り繕う

海未「して、真姫との会話は可能なのですか?」

再度海未ちゃんが訪ねる、しかし帰ってきた言葉は思っていたものと違っていた

希「ここまで引っ張っておいて言うのあれなんやけど・・・・・たぶん無理や」
195: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/17(月) 22:53:53.66 ID:GreaSxXe.net
花陽「ど、どうして!?」

驚くのは無理もない

凛「今まで本当に話せるような話し方してたにゃ!」

みんな凛ちゃんと同じ思いを抱いていたいたからだ

希「・・・・・ごめんな、そこはうちの配慮が足らんかった」

海未「どうしてそこまで言いきれるのですか?こっちの方でも確証がまだ・・・・・」

もしかしたら聞き間違えかもしれない

そうでないとしてもどうにかして話すことができるはずだ

希「にこっち以外の人が電源を入れようとしてもつかなかったのに、にこっちが触っただけで携帯がついた」

希「この意味、後はわかるやろ?」

どうしても自分から答えを口に出さないようだ

遠回りした説明に答えに最初にたどり着いたのは、絵里ちゃんだった

絵里「・・・・・もしかしてにこ以外の人はあの携帯を使えないって事?」

希「ご名答、流石絵里ちやな」

希「あの携帯はにこっちの強い・・・・・強すぎる想いが響いて使えるようになってるはずなんよ」

希「だからいくらうちらが真姫ちゃんと話したいと思っていてもうちらがあの携帯を通じて真姫ちゃんと話す事は出来ない」

せっかく、希望が見えてきたっていうのに

希「うちが話したかったのは単なるにこっちの話のつじつま合わせ」

また・・・・・駄目だった

希「みんな・・・・・ごめんな」
196: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/17(月) 23:04:56.98 ID:GreaSxXe.net
凛「希ちゃんが謝ることないよ!」

花陽「希ちゃんのおかげでにこちゃんの疑いが晴れたんだよ、だから謝る必要なんてないよ」

希「凛ちゃん・・・・・花陽ちゃん・・・・・」

そうだ、私たちはにこちゃんの事だけでなく互いに疑心暗鬼に陥っていた

それを希ちゃんの説得によって開放されたのだ、意味が無いなんてことはない

ことり「じゃあこれからみんなで誤りに行こうよ」

突然ことりちゃんから提案が挙がる

海未「にこに、ですか?」

絵里「だけどもう時間が・・・・・」

ことり「だからこそだよ!せっかく解けたわだかまりなんだし今日中に謝っておいた方がいいよ!」

希「走ればまだ間に合うかもしれん、どうする?」

それぞれ顔を見合わせ頷く

だけど私は、穂乃果は・・・・・

穂乃果「・・・・・行かない」
197: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/17(月) 23:23:29.69 ID:GreaSxXe.net
私は拒んだ

ことり「ほ、穂乃果ちゃん?」

海未「どうしてですか!穂乃果も一昨日の喧嘩から仲直り出来るチャンスじゃありませんか!」

一昨日の喧嘩・・・・・あったね、そんなこと

仲直り出来るならしてるよ、だけどこんな姿の私を見てにこちゃんはどう思う?

喧嘩して、裏切って、挙句の果てに信じ切れていない私が行ったところで仲直りも何もないんだよ

穂乃果「・・・・・ごめん」

海未「謝られても困ります・・・・・」

ことり「全員で行かないと意味ないよ・・・・・」

また穂乃果のわがままのせいで二人を傷つけてしまった

この部室に再び嫌な静寂が訪れるかに思えた

~♪

絵里「あら、私の携帯だわ」

慣れた手つきで素早く電話に出る

絵里「はい、絢瀬絵理です・・・・・はい」

絵里「!? そ、そんな!!」
198: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/17(月) 23:37:07.51 ID:GreaSxXe.net
絵里「だってまだ一週間以上も先ですよね!!今はそれどころじゃないんですよ!?」

絵里「こっちの事情をわかってて言って・・・・・ならば辞めさせてもらいます!」

絵里「できない!?何故ですか!!今更できない?それはそっちの責任じゃないですか!!」

絵里「もういいですっ!!」

ピッ

珍しく取り乱していた絵里ちゃんにすくむみんな

希「・・・・・どうしたん絵里ち、いくらなんでも怒りすぎやない?」

絵里「・・・・・ごめんなさい、あまりの出来事に訳がわからないの」

海未「訳がわからない、とは一体?」

絵里「とりあえずみんなに聞いて欲しいことがあるの」

絵里ちゃんは一度息を整えこう言った



絵里「ラブライブ本戦の開催が来週木曜日に短縮したわ・・・・・」
199: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/17(月) 23:48:15.97 ID:GreaSxXe.net
みんなの呼吸が止まる

一瞬だったがその感覚は長く、音のない世界に放り込まれたようだった

時計の針の音で意識が戻りはっとする

海未「た、短縮?順延とかじゃないんですか?」

絵里「だから私は困惑しているの、運営の意図していることが全くわからない」

花陽「そんな・・・・・真姫ちゃんがいないのに急に短縮なんて・・・・・」

凛「にこちゃんもいないにゃ、結局連れ戻すこともできなかったし・・・・・」

希「もうこの時間じゃ無理やろなぁ・・・・・」

海未「作詞はまだしも、曲はどうしたらよいいのでしょうか・・・・・」

ことり「衣装もまだ完成してないよ・・・・・」

穂乃果「・・・・・」

口々に出る不満、嫌気、不安・・・・・

今日この上なく一番重苦しい空気が私たちを襲う

希「今日は帰ろうか、これ以上ここにいても仕方ないし暗くなって帰れなくなるで」

声を出すのに精一杯であっただろう希ちゃんの言葉で私たちは解散した
207: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/19(水) 19:54:49.69 ID:zdy0pJkY.net
にこ「ぐすっ・・・・・ひぐっ・・・・・」

誰も信じてくれなかった

自分の説明不足と記憶力が皆無だったから

でも海未だけでなく全員にまであんな白い目で見られるとは思ってなかった

あの状況、確かに私は痛い子同然だった

けれども伝えたのは真実のみ、嘘はついていない

偽善でもない、親切心で教えた筈なのに裏目に出てしまった

どうしたら信じてもらえたのだろうか

最初から無理だったのではないか?

私にしか知らない、出来ないことを説明すること自体が無謀だった

だったらもう諦めるしかない

諦めて、彼女に慰めてもらおう

真実を知る者同士で傷を舐めあおう

私は彼女の名前にカーソルを合わせボタンを押した

ピッ
208: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/19(水) 20:11:22.90 ID:zdy0pJkY.net
ピリリリリ ピリリリリ

真姫『!』

傍らで私の携帯が鳴る、きっと彼女だ

ピッ

真姫『もしもし?にこちゃん?』

にこ『・・・・・』

名前を呼ぶが返事が帰ってこない、声を整え改めて呼んでみる

真姫『にこちゃん?いるの?』

にこ『・・・・・にっこにっこにー!』

ああ良かった、応えてくれた

あの頃と同じ元気な声が帰ってきて胸を撫で下ろす

真姫『呼んでも声が聞こえないからいないと思ったじゃない』

にこ『私から電話かけたんだからそんなわけないでしょ!』

真姫『ふふっ、そうね』

いつも通りの彼女につい笑みがこぼれてしまう

にこ『なーに笑ってんのよ』

真姫『にこちゃんと話すのが唯一の楽しみだもの、嬉しくてついね』

にこ『ふ、ふん!いつだって付き合ってあげられるんだからそういう照れくさいのやめてよね!』

真姫『はいはい』

こうして話していると本当に彼女が近くにいるみたいで心が安らぐ

ただ一つ違和感を覚える

真姫『にこちゃん、泣いてたでしょ』
211: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/19(水) 20:28:00.51 ID:zdy0pJkY.net
にこ『っ・・・・・』

彼女の息が詰まるような音が聞こえた

真姫『図星なんでしょ、違うの?』

さらに問い詰めると、彼女は意外にも早く折れた

にこ『・・・・・そうよ、どうしてわかったの』

真姫『声が少し枯れてるもの、さっきの声だって無理して出してたんでしょ?』

にこ『携帯なのにわかるの?』

真姫『相手がにこちゃんならね』

にこ『・・・・・真姫ちゃんには敵わないや』

本当はにこちゃんの声以外の音が聞こえないからなんだけど

つい調子のってしまった

真姫『どうして泣いてたの?』

にこ『みんなと喧嘩したのよ』

真姫『喧嘩!?』

メンバー内での言い合いはさほど珍しくもない

しかし彼女が喧嘩、加えて泣くほどだと言うにはそrrなりの理由があるのだろう

真姫『教えてもらえるかしら』

にこ『ええいいわ、私のこと惨めに思わないでね』

真姫『思うわけないわ、話して頂戴』

今日一日あったことを私は声を出さず黙って聞き終えた
212: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/19(水) 20:56:28.02 ID:zdy0pJkY.net
真姫『・・・・・私のせいね』

にこ『ど、どうして真姫ちゃんのせいになるの?』

真姫『私がにこちゃんを止め・・・・・ううん、死にさえしなければにこちゃんは・・・・・』

我ながら酷い慰め方だと思う

何を言えばいいか分からずこんな答えを返してしまった

にこ『何それ 、死ななければ良かったなんてどうしようもないことだし、そんなのみんな思ってることだわ』

案の定呆れられた

にこ『でも慰めようとする気持ちは伝わったわ、ありがとうね』

真姫『ううんいいの、にこちゃんとこうして話せるから活力が得られてるんだし』

にこ『私も、よ』

互いに必要としあっている、なんていい関係なんだろうか

そう思ってると彼女から提案が挙がった

にこ『ねぇ、明日一緒に出かけない?』
213: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/19(水) 22:18:14.29 ID:zdy0pJkY.net
真姫『え?』

それは思ってもない言葉だった

にこ『一応今でも生きてる時みたいに動けるんでしょ?』

真姫『ど、どうしてそれを・・・・・?』

そう、私はこのことを彼女には伝えていない

老婆から聞いたのだろうか

にこ『同じ携帯持ってるんでしょ?だったらあのお婆ちゃんに貰いに行ったんじゃないの?』

彼女はこういうところで鋭い

真姫『ご名答よにこちゃん、よくわかったわね』

にこ『じゃあ早速予定決めよっか、どこか集合場所決める?』

話が楽すぎてすっかり忘れていたことがあった

真姫『今更言うのもなんだけど、私あまり外出たくないの』

にこ『えぇ・・・・・本当に今更ね』

またも呆れられた、そりゃそうだ

これから計画立てようっていうのに外に出たくないなんて本末転倒もいいところ

真姫『物とか人をすり抜けるのが嫌なのよ、あと浮いて歩いてる感じが』

私は完結に思ったことを話した、すると

にこ『じゃあにこが真姫ちゃんの家に迎に行くわ』
214: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/19(水) 22:34:59.34 ID:zdy0pJkY.net
にこ『それならいいでしょ?』

真姫『・・・・・ふ、ふふ』

彼女の優しさにまた笑ってしまう

にこ『な、何が可笑しいのよ』

真姫『なんでも、でもそうしてくれるとありがたいわ』

にこ『そっか、今日は疲れたから午前中寝て午後から行こっか』

真姫『泣きつかれたんでしょ』

にこ『う、うるさいわねぇ!』

このやりとりも久しぶり、何も変わってない

にこ『じゃあまた明日、早く寝るのよ~』

真姫『ええ、また明日』

フプツ ツー…ツー…
219: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/20(木) 21:10:38.36 ID:g8Ly+obk.net
ピンポーン ピンポーン

彼女の家の前でインターホンを鳴らす

あ、音聞こえないんだっけ

周りに恥を晒してしまう

気を取直して彼女の携帯を鳴らす

数秒の間もなく彼女は通話に出てきた

にこ「おはよう、真姫ちゃん」

真姫「・・・・・んー」

気だるそうな彼女の声

どうやら寝起きのようだ

にこ「ちょっと、これからデートだってのにだらしない声出さないでよ」

真姫「デ、デート!?」

軽いちょっかいに案の定引っかかってくれた

これで目が覚めたはずだ

にこ「ったく、どうせ準備なんてしなくていいんでしょ?早く来なさい」

真姫「・・・・・後で覚えてなさいよ」

プツ ツー…ツー…
220: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/20(木) 21:20:38.75 ID:g8Ly+obk.net
覚えて?仕返しでもしてくるのだろうか

眠気覚しのついでにジョークを言ったつもりなのに何を気にしてるんだか

彼女はそういうのにいちいち過敏だ

何をしてくるのか、見えない相手がしてきそうないたずらなど全く予想がつかない

すると今度は私の携帯が鳴った

ピリリリリ ピリリリリ ピッ

にこ「来た?」

真姫「オマエノウシロダ」

尋ねると彼女の声とは思えない声のようななにかが帰ってきた

にこ「ぎゃあ!?」

当然のように驚き、今まで出したことのない声で後ろを振り向く

が、誰もいない

そりゃそうだ、いたとしても見えないし

真姫「ふふっお返しよ」

周りを見渡すとこっちを見て笑いながら話しているおばちゃんたちが見える

にこ「冗談じゃないんだけど・・・・・」
221: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/20(木) 21:38:49.35 ID:g8Ly+obk.net
真姫「それで、どうするの?」

悪びれた様子もなしに彼女が尋ねてくる

にこ「とりあえず公園まで散歩、人通りの多い所には行きたくないでしょ」

真姫「・・・・・そうね、やることもないし」

とりあえず今日の日程は決まった

公園までしゃべりながら散歩する、ただそれだけ

でもそれがわたし達にとって一番の選択だと思う

真姫「じゃあ行きましょ」

にこ「行く前にちょっといいかしら?」

そそくさと行こうとする彼女を止める

真姫「何よ」

にこ「少しくらい謝ってくれてもいいんじゃない!?人を驚かせておいて何その態度!!」

言いたいことを言ってやった

真姫「最初にこちゃんからからかってきたんでしょ」

にこ「私から?」

身に覚えがない、そんなからかうこと私言ったっけ?

真姫「その・・・・・デ、デートって・・・・・」

先程からおばちゃんたちが目に入ってきて会話に集中できない

にこ「ごめん、もう一回言って」

真姫「もういい!置いてくわよ!」

にこ「え?え?」

突然怒られ勝手にどっか行こうとする彼女

どこにいるかすらわからないのが致命的だ

でもさっきデートって聞こえたような・・・・・

これってデートじゃないの?
222: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/20(木) 22:07:43.80 ID:g8Ly+obk.net
にこ「本当に見えないのね・・・・・」

真姫「そんなに見えない?透けてるとかじゃなくて」

にこ「本当に近くにいるのかどうかすらわからないもの」

真姫「そう・・・・・」

本人は気にしてるようだ

確かに完全に見えないのと透けて見えるのでは全く違う

少しでも姿が認識できるのなら存在を相手に認めてもらえる

それだけでも気が楽になれるはずなのに彼女はいないも同然だ

この携帯があるから私に知られているが、なければ一生誰にも認識されぬまま過ごしていくことになる

想像しただけでも寒気がしてしまう、ためになるというのなら慰めてあげよう

にこ「でもこうして私と話せてるんだからいいじゃない、他の人なんて気にしなくたっていいしさ」

真姫「そうだけど・・・・・にこちゃんはちゃんと生きてるじゃない、私とは違うわ」

あ、傷を深くしてしまったかも?

真姫「私のような出来損ないの存在なんか・・・・・」

酷く落ち込んでいる、悔しいのだろう

自分の周りは生きているのに自分だけ生きてるとも死んでるともわからない存在

むしろ中途半端だからこそ嫌なんだろう

生きているのが羨ましい。いっそ死んでしまいたい、けど死ねない

思考を巡らせば巡らすほど彼女がかわいそうになってくる

だから唯一彼女の存在を理解できる私がそばにいなくてはならないのだ

にこ「そんなこと、ないよ」
223: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/20(木) 22:33:21.93 ID:g8Ly+obk.net
真姫「いいの慰めなんて、本当のことだもの」

にこ「慰めなんかじゃない」

慰めの気持ちはある、けどただそれだけで人を慰めようだなんて思わない

真姫「じゃあなんで?それなりの理由はあるんでしょ?」

あるに決まってる、だって

にこ「実際私は真姫ちゃんに助けられてるから」

真姫「そんなことない、だってにこちゃんは」

すかさず物を言う、言い訳なんてさせない

にこ「ううん助けられてるの、こうして一緒に話せてるだけでも心が凄く穏やかになれる」

にこ「しかも真姫ちゃんから毎日慰めてもらってる、あれは嘘なの?」

真姫「にこちゃん・・・・・」

私の本音、思ってること全てをさらけ出した

お願いだから卑屈にならないで、そんなのあなたじゃないから

真姫「嘘じゃないわ、にこちゃんをどうにか助けてあげたかったから慰めるしかなかった、それだけ」

にこ「それだけでもいいよ」

そのそれだけに私は助けられてるんだから

にこ「もうすぐ公園よ」
230: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/22(土) 16:14:23.52 ID:wHL1p30A.net
にこ「やっと落ち着けるわ」

彼女とともに公園のベンチに座る

それでも座った感覚がしないのはいつもどおり

もう慣れたもんだ

にこ「ちゃんと座ってる?」

目の焦点を合わせないまま聞いてきた

隣にいるとわかってるけれど姿が見えないから当然か

真姫「なんて言えばいいかわからないけど、何となく座ってる風にしてるわ」

なんて言うと彼女はおかしな顔をした

にこ「素直に座ってるっていえばいいのよ」

真姫「座ってはいないもの、座れないから」

事実を言ってるだけなのにまた変な顔された

にこ「そんなこと言われたってもどかしいだけ、私と一緒にいるときくらい人らしくしなさい」

真姫「人らしくって何よ・・・・・」

にこ「あーもうっ!屁理屈はいいの!」

彼女は私の方へ向き、言った
231: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/22(土) 17:17:42.00 ID:wHL1p30A.net
にこ「あんたは人なんでしょ!だったら人でいいじゃない!」

真姫「でも私は・・・・・」

人じゃないのに人らしく生きていていいのか

私は死んだ身なのに、彼女と会話なんてしていいのか

にこ「生きてはいないけど存在はしてるじゃない、それは私が一番わかってる」

真姫「!」

にこ「だからせめて私といるときは人でいて、真姫ちゃんはまだ存在している」

偶然かもしれない

姿がない私を彼女は目で認識できる筈がない

けど彼女は私と目を合わせてこう言ったんだ

真姫ちゃんはまだ存在している

そう言ってくれた

不思議だ、彼女にそう言われると本当に自分が生きてるような錯覚に陥ってしまいそうになる

真姫「・・・・・にこちゃんには負けたわ、わかったわ、にこちゃんといるときは人らしく振る舞う」

にこ「そう、それでいいのよ」

でもその前に

真姫「にこちゃん、周りから白い目で見られてるわ」

にこ「!!」

透明で助かることもあるのね
236: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/23(日) 23:26:10.93 ID:gAeNanj/.net
にこ『すみませんでした!』

周りにペコペコと頭を下げる彼女

第三者から見たらただの痛い人だから仕方ない

にこ『あ~恥ずかしかったぁ~』

だっきまでの頼りがいのある面影はどこ行ったのやら

にこ『もう帰ろっか、一秒でも早くここから抜け出したいし』

真姫『あ・・・・・うん』

嫌とは言えなかった

あれだけたくさん話せたんだ

彼女がそういうのなら従い、またあの殺風景な部屋に戻ろう

にこ『・・・・・ねぇ』

真姫『なに?』

公園を出たところで声をかけられた

彼女が思いつめた顔をしているなんてよっぽどのことだ

にこ『どうしたらみんなに真姫ちゃんのことをわかってもらえるかな?』
237: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/23(日) 23:41:36.46 ID:gAeNanj/.net
彼女は優しい

喧嘩したのにそれでもなお諦めず、私と話せる喜びを誰かと共有したいと願っている

私はそんな小さく力強い背中を押してあげたい

けれども

真姫『・・・・・わかってもらえなくても、いい』

にこ『え?』

予想外だったのか、彼女は間の抜けた顔を向けてくる

にこ『どうして?真姫ちゃんだってみんなと話したいはずでしょ?』

真姫『当たり前じゃない、けれど出来ないなら仕方ないわ』

にこ『そうだけど・・・・・』

彼女は無理をしている

みんなと喧嘩し、家族にすら話せない事情を持っている

私と会話できていることでなんとか精神を保っていられる状態なのだ

彼女の背中は小さく力強い

けれども押してしまえば今にも崩れてしまいそうな脆い一面も隠し持っている

私はもう彼女の辛い姿なんて見たくないから

真姫『私の存在を認めさせること自体難しい話、これ以上私のことでにこちゃんに無理させたくない』

にこ『無理なんか・・・・・』

真姫『無理じゃないかもしれない、けれど今はやめてほしいの、辛くなるだけだから』

そういうと彼女は諦めと同時に新たな覚悟を決めた

にこ『・・・・・わかった、けどいつかきっとみんなにもこの嬉しい気持ちを分け与える』

にこ『それは真姫ちゃんも一緒だからね』

真姫『期待しているわ』
238: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/24(月) 00:09:48.18 ID:gafLUVoB.net
真姫「それじゃあ私左の道だからだから」

にこ「あ、家まで送って・・・・・」

真姫「気にしなくていいわ、迎えありがとうね」

別れを告げようとする彼女

でもなんだかそのまま彼女が消えてしまいそうで、いなくなってしまいそうで

それが嫌で私は必死に叫んだ

にこ「ま、待って!!」

真姫「!」

呼び止めたはいいがどうしよう

このまま別れたくない、だけどそのためにはどうしたらいいのか

考えろ、考えろ、どうしたら・・・・・

・・・・・今彼女の家には誰もいない、毎日一人じゃ寂しいはずだ

にこ「私の家に、来ない?」

真姫「・・・・・?」

どうやら彼女は理解しきっていないようだ

にこ「あの家じゃ一人で寂しいでしょ?だから、私の家に来たら寂しいの和らぐんじゃないかって・・・・・」

真姫「・・・・・本当ににこちゃんは優しいのね」

にこ「え?」

褒められて少し動揺する

真姫「こんな私に対してここまで優しくしてくれるなんてにこちゃんしかいないわ」

にこ「あ、あったりまえよ!真姫ちゃんのためなんだし!」

あまりの恥ずかしさに照れ隠しをするが隠せていない気がする

真姫「そうさせてもらおうかしら、にこちゃんといられたら気持ち楽になれそうだし」

にこ「そう言ってもらえるとこっちも気が楽になれるわ」
240: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/24(月) 00:41:16.21 ID:gafLUVoB.net
にこ「・・・・・よし」

誰もいないことを確認して家にあがる

真姫「どうしたの?」

にこ「家でずっと通話してたら怒られるでしょ」

しかも姿が見えない相手とだなんてなおさらだ

真姫「・・・・・ごめ」

にこ「謝らないの、誘ったの私なんだから」

この子は本当にもう・・・・・

真姫「わかったわ」

にこ「ここが私の部屋、外出る時以外は常にここにいること」

にこ「私がご飯食べてる時とお風呂入ってるときはいないけど、それ以外はここにいるから安心して」

他の人の家だって意識を取り除かなければならない

彼女には安心してもらいたいから

真姫「ありがとう」

にこ「じゃ、ママたちが帰ってくるまで話してよ・・・・・か・・・・・」

真姫「にこちゃん!?」

疲れたのか私は力なく倒れ、床に就いた
241: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/24(月) 13:18:15.85 ID:gafLUVoB.net
にこ「・・・・・最悪」

最近ちゃんとした睡眠を取れていない

時間は充分あるのに泣き疲れたりして何もしないまま朝になってしまうことが多い

にこ「とりあえずお風呂ね、布団かけなかったから寒すぎる」

にこ「ご飯も食べてないし何もしてない・・・・・っくしゅん!」

今後からちゃんとした生活を送ろう
243: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/24(月) 13:30:35.44 ID:gafLUVoB.net
簡単にシャワーを浴び、なにか作ろうと台所へ

するとテーブルの上に大皿に盛られた野菜炒めと置き手紙が

【これ食べててね、きちんと夕飯を取るように! ママより】

昨日の昼食から何も食べていなかったので小皿と箸を用意し、取り分けていただく

ママの野菜炒めはいつ食べても美味しい

機械ぼように黙々と口に運び、食べ終えた

空腹を満たすのには最適な量だった

・・・・・なにか忘れてる気がする

にこ「あ、真姫ちゃん」
245: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/24(月) 13:44:23.57 ID:gafLUVoB.net
急いで食器を片付け部屋に戻る

自分の事で精一杯で彼女の事を忘れていた

携帯を手に取り彼女を呼ぶ

ピッ

真姫「おはようにこちゃん」

寝ているかと思ったらそんなことなかった

にこ「起きてたの?」

真姫「にこちゃんが起きる三十分前くらいかしら」

やられた、今の一部始終全部見られたわけだ

ただでさえ寝顔は見せまいと彼女が寝るまで起きようとしていたのに

真姫「にこちゃんの寝顔、案外可愛いのね」

にこ「うぐっ・・・・・」

どうしてだろう、彼女に言われるとすごく恥ずかしい

誰に寝顔を見られようと言われようと軽く受け流すことができたのに

前まではこんな事無かったのに

真姫「寝起きのひどい顔から慌てて戻ってくるまで全部見てたわ」

にこ「うわああああ!!」

枕に顔を埋めてのたまるしかなかった
246: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/24(月) 13:59:42.39 ID:gafLUVoB.net
真姫「悪かったわ、謝るから顔上げて」

投げた電話越しからそんな声が聞こえてくる

にこ「・・・・・」

こんな顔彼女に見られたくない

真姫「にこちゃん、笑ったりしないから、ふふっ」

にこ「笑ってるじゃない!・・・・・あ」

思わず顔をあげてしまった

なんなんだ今日は、空回りしかしない

真姫「今日はどうするの?」

にこ「・・・・・んー、昨日話そうって言ってたのに私寝ちゃったしね」

真姫「でもどこも行くところないんでしょ?」

人を暇人扱いして

にこ「じゃあ今日こそずっと話してよっか」

真姫「そうね」
247: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/24(月) 14:19:55.64 ID:gafLUVoB.net
穂乃果「・・・・・はぁ」

自分の弱さにただただため息が漏れる

それも起きてすぐベッドの中でだ

普段なら昼までぐっすり寝てるが昨日今日と続いて早く起きてしまう

楽しいはずの休日、それがこんなにも重いなんてことはなかった

本戦が近いのに練習は休み

こんな状態で練習しても意味が無いという絵里ちゃんの判断だ

私が誰かに一声かけるだけでも違うのにそれができない

また誰かを傷つけてしまいそうで怖い

私はこんなにも臆病になってしまった

コンコン

雪穂「お姉ちゃん起きてる・・・・・わけないか」

当たり前のように言われ少し癇に障る

穂乃果「起きてるよ」

雪穂「め、珍しいね、いつもお昼まで寝ているのに」

穂乃果「それよりどうかしたの?」

これ以上馬鹿にだれたくないので話をそらす

雪穂「えっとね、お姉ちゃんにお客さんが来ているの」

穂乃果「お客さん?」

その言い方からしてみんなのうちの誰かじゃ無さそうだ

雪穂「確かツバサさん・・・・・だっけ」
249: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/24(月) 15:27:17.39 ID:gafLUVoB.net
穂乃果「ど、どうしたんですか?」

突然の来客に驚きを隠せない

まさかこの人が来るなんて思わなかった

ツバサ「あなたに話があるの」

穂乃果「話、ですか?」

わざわざそのために来てくれたことに申し訳なく思う

ツバサ「ラブライブの話とあなたたちの話、どっち先聞きたい?」

急に質問をされ戸惑う

どちらとも話すなら選ぶ必要は皆無のはずだ

穂乃果「・・・・・じゃあラブライブの話で」

ツバサ「わかったわ」

ツバサさんは深く息を吸い、言った

ツバサ「ラブライブ本戦が来週の木曜日になったのは知ってるわね?」

穂乃果「はい」

今のわたし達にとってはとても嫌な情報だ

ツバサ「私も運営に掛け合ってみたんだけどダメだったわ、予選落ちしたわたし達の話を全く聞き入れてくれなかった」

穂乃果「そんなことまで、すみません」

ツバサ「気にしなくていいの、自分たちでやったことだから」

他のスクールアイドルのためここまでやるなんて流石ツバサさんだ

私なんかには到底できっこない
250: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/24(月) 15:54:10.67 ID:gafLUVoB.net
ツバサ「それでわかったことなんだけど、本戦の開催が短縮した理由」

穂乃果「もしかして真姫ちゃんの事が関わってるんですか?」

ツバサ「そう、西木野真姫さんの事故が大会短縮の理由」

やっぱりそうだったんだ

ツバサ「あれは不慮の事故だったけど少なくとも運営側にもクレームが来るわ」

ツバサ「だけど中止なんてしたらせっかく頑張ってくれた全国のスクールアイドルが可愛そう」

ツバサ「板挟みの中出した結論が大会短縮ってこと」

長々話していたツバサさんは一息ついていた

穂乃果「そうですよね・・・・・でも真姫ちゃんのせいじゃないです」

悪いのは真姫ちゃんを殺したテロリストだ

ツバサ「それくらい承知してるわ、でも運営からしたらさっさとこの大会を終わらせたいの、わかってあげられるかしら」

穂乃果「わかりました、みんなにもそう伝えておきます」

今の私にうまく伝えられるか不安だ

ツバサ「次はあなたたちμ'sについてのこと」

ツバサさんは真剣な顔をして言った

ツバサ「μ'sにはラブライブ本戦に出て欲しいの」
256: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/29(土) 20:30:13.98 ID:UfgsILjP.net
ピンポーン

にこ「!」

私の家のインターホンだ

真姫「どうしたのにこちゃん?」

にこ「ごめん、誰かが来たみたい」

真姫「・・・・・それじゃ一旦切るわね」

ピッ

邪魔になってはいけないと思ってくれたにだろう

彼女のさりげない気遣いに心を和ませられ、玄関に足を向かわせる

ピンポーン

にこ「はいはい、今出ます」

ガチャ

そこに立っていたのは・・・・・穂乃果だった

にこ「・・・・・穂乃果?」

穂乃果「・・・・・」

呼びかけてみるがピクリとも反応がない

穂乃果はうなだれたまま動こうとも喋ろうしない

にこ「とりあえず上がって、そこに立ってられても困るわ」

穂乃果「・・・・・うん」

穂乃果はコクリと頷き玄関を跨いだ

穂乃果が家に来たのは何ヵ月ぶりだろう

私がみんなに追いかけられ、家に逃げ込んだとき以来か

その頃のまだ元気だった穂乃果の面影は微塵も感じられない
258: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/29(土) 21:00:45.62 ID:UfgsILjP.net
にこ「何の用事?人の事信じようとしなかったくせによく顔を出せたわね」

この時の私は少々イラついていた

あの日最後の頼りだった穂乃果に裏切られ私はとてもショックだった

彼女がいなければこうしてまともに精神を保つことなどできなかった

穂乃果「・・・・・ごめん」

相変わらずなよなよしている姿も見ていて腹が立つ

にこ「謝ってもらったってしょうがないわ、要件を聞いた後さっさと帰って欲しいの」

にこ「あんたの顔を見てるとイライラするから」

穂乃果「・・・・・」

また黙り込む

あの時もそうだ、頼る宛がなく穂乃果に助けを求めたら俯いたままごめんの一言

正直不愉快だ

にこ「で、要件はなんなの」

期待なんてしていない

今の穂乃果が考えていることなんてたかが知れてる

勇気を出して私に謝りに来たけど玄関前で怖気づいた、そんなところだろう

そんな私の浅はかな考えとは全く違う答えが帰ってきた

穂乃果「にこちゃん、ラブライブに出よう」
261: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/29(土) 21:14:00.77 ID:UfgsILjP.net
にこ「なっ・・・・・」

穂乃果「今日、A-RISEのツバサさんに言われたの、私たちにどうしてもラブライブに出て欲しいって」

にこ「ふ・・・・・ふざけないで!!!」

何を言っているんだ

私はラブライブに出ようとみんなを励まし誘ったはずだ

なのに誰も、誰も私の呼びかけに答えてくれなかった

彼女が死んでしまったことによって出場を諦めていた

だからこそ私は彼女のためにと言ったのに

誰も・・・・・応えてくれなかった、信じてくれなかった

今更

にこ「今更何!!私はあの時みんなで一緒にラブライブに出ようっていったはずよ!!」

にこ「穂乃果だっていたでしょ!!今更虫が良すぎるのよ!!」

にこ「あの時ならまだしも今は私の信用なんてないようなもの!!」

にこ「どうしてもっと早く応えてくれなかったの!!」

にこ「どうしてもっと早く信じてくれなかったのよおおおおお!!!」

もう手遅れ、何もかも
262: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/29(土) 21:24:22.01 ID:UfgsILjP.net
穂乃果「に、にこちゃ・・・・・くる、し・・・・・」

にこ「・・・・・!」

私はいつの間にか穂乃果の胸ぐらを掴んでいた

慌てて素早く手を離す

穂乃果「っかは・・・・・けほ・・・・・」

にこ「・・・・・ごめん穂乃果、でも私は今の穂乃果以上に辛かった、苦しかった」

にこ「それくらい、わかってよ」

穂乃果「・・・・・うん」

そうだ、怒りで我を忘れていたけど聞かなきゃならないことがあった

にこ「どうしてA-RISEのツバサさんが穂乃果に?」

穂乃果「・・・・・それはね」
264: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/29(土) 23:22:00.24 ID:UfgsILjP.net
--------------------

穂乃果「・・・・・」

ツバサ「あなたたちが辛いのは十分承知してる、私だってA-RISEのメンバーが一人でも欠けたら悲しむわ」

ツバサ「けどあなたたちは私たちに勝った、そうでしょう?」

ツバサ「私たちだけじゃない、全国のみんながμ'sを待っているの」

穂乃果「でも・・・・・」

ツバサ「でも・・・・・何?」

穂乃果「今のμ'sの心はばらばらで、とてもライブなんてしてられる状態じゃありません」

穂乃果「曲も真姫ちゃんがいないからどうしようもなくて・・・・・」

ツバサ「簡単な話、それはリーダーであるあなたがみんなを信じてあげられなかっただけのこと」

穂乃果「え?」

ツバサ「たとえどんな状況であっても諦めないで人を信じるのがあなたの役目でしょ?」

ツバサ「まだ・・・・・疑ってるんじゃない?」

穂乃果「・・・・・はい」

ツバサ「曲の方もどうするかじゃなくてあの子ならもう作ってあるって信用しなくちゃ」

穂乃果「! わ、私!今から謝りにいかないと!」

ツバサ「そうね、謝れるなら今すぐ行った方がいいと思うわ」

穂乃果「ツバサさん、ありがとうございました!」

ツバサ「・・・・・頑張ってね」
265: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/29(土) 23:36:47.50 ID:UfgsILjP.net
--------------------

にこ「・・・・・それで私に誤りに来たわけね」

穂乃果「うん、私がちゃんとにこちゃんと真姫ちゃんを信じてあげられなかったと思うと胸が痛くてたまらなかった」

穂乃果の目には涙が浮かんでいた

穂乃果「怖かった、にこちゃんを助けて私もみんなからあんな目で見られたくなかった」

穂乃果「怖かった、にこちゃんを信じてあげられなかった自分が」

穂乃果も・・・・・穂乃果なりに辛かったのだろう

穂乃果「あの時私が勇気出せていたら少しは違ったかもしれないのに」

穂乃果「だからにこちゃん、本当にごめ----------」

プルルルルル プルルルルル
269: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/11/30(日) 23:22:06.55 ID:Ky/aeoDu.net
にこ「!」

私の携帯だ

穂乃果「・・・・・にこちゃんの、携帯?」

謝りかけてたであろう穂乃果が再び顔を上げる

その勇気を踏みにじった気分になり少し罪悪感が残る

にこ「ごめん、席を外させてもらうわ」

穂乃果「う、うん」

すぐに済ませようと扉を隔てて携帯に出た

ピッ

にこ「ま、真姫ちゃん?」

真姫「・・・・・ごめんなさい」

にこ「見てた?」

真姫「うん・・・・・」

申し訳なさそうな声をする彼女

心配させていたと思うと心が痛い

真姫「にこちゃんが穂乃果に掴みかかっていったところから、かしら」

にこ「そう・・・・・」

一番不甲斐ないところを見せてしまった

後輩の胸ぐらを掴む先輩なんて先輩失格よね

にこ「真姫ちゃん、穂乃果と話してた内容聴いて欲しいんだけど」

真姫「・・・・・わかったわ」

にこ「」
289: 名無しさん@そうだ選挙に行こう(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/14(日) 12:04:07.43 ID:+E/0NGAv.net
真姫「…」

にこ「…穂乃果のことは許したけどラブライブはもう諦めることにしたわ」

にこ「だってまだ他のみんなを許していないもん、散々私を裏切ったくせにラブライブ出場なんて虫が良すぎるわ」

仲間内での亀裂がある状態では出たところで優勝はないに等しい

その上、開催が早まり練習もろくにしてない私たちは出ることすら難しい

わざわざ恥をさらすくらいなら…

真姫「…にこちゃんが言いたいことはわかったわ」

にこ「理解してくれてありがと、真姫ちゃんだってみんなの姿見るの辛いだろうしやめ…」

真姫「お願いにこちゃん、ラブライブに出て」
291: 名無しさん@そうだ選挙に行こう(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/14(日) 12:18:49.25 ID:+E/0NGAv.net
にこ「…は?」

どうして、そんなこと言うのよ

少なくとも私が彼女の立場だったら悔しさで押しつふされるのに

ただでさえ自分という曖昧な存在に戸惑っているのに、なんで

真姫「私からのお願いよ、にこちゃん」

そんなお願いできるのよ

にこ「…真姫ちゃんわかってる?μ'sは崩壊寸前、練習だってしていない」

にこ「それに…言いたくなかったけど」

にこ「真姫ちゃんがいないから私からの曲がないのよ」

こんなこと言ったってしょうがないことはわかってる

今からでも別の誰かに頼めばなんとかなるかもしれない

でも私たちは彼女が作った曲でしか歌えない、踊れない

そうじゃなきゃ私たち、μ'sじゃない

真姫「…ふふっ」

にこ「ど、どうしたのよいきなり」

突然笑い出す彼女に少し引いてしまう

真姫「まさかあれが役に立つとは思わなかったから…ね」

にこ「あれ?」

真姫「…私の部屋にある棚の一番下」

にこ「え?」

プツッ ツー ツー
292: 名無しさん@そうだ選挙に行こう(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/14(日) 12:25:24.85 ID:+E/0NGAv.net
どういうことだろう

まず彼女に頼まれたのはラブライブへの出場

彼女から頼まれては断ろうにも断りにくい、だけど

そのためにはわだかまりを解かなきゃいけない

…もう信頼なんてどん底なんだからあがいてみようじゃない

明日あいつらと決着つけてやる

それともう一つは彼女が言ってた自分の部屋の棚の一番下という言葉

そこになにがあるのか

彼女を信用して行ってみるしか…

穂乃果「に、にこちゃん今…」

にこ「ほ、穂乃果?」

穂乃果「誰と話してたの?」
294: 名無しさん@そうだ選挙に行こう(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/14(日) 14:22:02.29 ID:+E/0NGAv.net
にこ「え、あ、これはその…」

まずい、通話に夢中で全く警戒していなかった

どんな言い訳をしようか思考を巡らす

素直に答えたらまた引かれてしまう

そうなったら何もかも終わりだ

にこ「…ママよ、今日も遅くなるって連絡が来たのよ」

我ながら下手な言い訳をしたものだ

だってこの携帯は穂乃果に見られたことがあるから

バレるのは時間の問題だった

穂乃果「さっき、真姫ちゃんって言ってなかった?」

にこ「…聞こえてたんじゃない」

穂乃果「ご、ごめん…」

最悪

これでな何もかもおしまいだわ

にこ「これでわかったでしょ、私は頭おかしいのよ、あんた変な目で見られたくなかったらさっさと帰って」

ギュッ
296: 名無しさん@そうだ選挙に行こう(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/14(日) 14:42:43.29 ID:+E/0NGAv.net
…え?

穂乃果「ごめんね…にこちゃん、ごめんね」

泣きながら謝られてる

穂乃果「本当…だったんだね…」

にこ「ちょ、ちょっと!」

状況がわからない

私は穂乃果に帰ってと言ったはず

それなのにどうして抱きしめられてるの

にこ「なんで、私は真姫ちゃんと話してるなんて嘘をついたのよ」

穂乃果「嘘なんかじゃないよ、穂乃果にはわかる」

にこ「わかるわけないでしょ、根拠も証拠もないのに」

穂乃果「私はにこちゃんを信じる!!」

にこ「っ!!」

信じる

私はどれほどその言葉を待ちわびたことか

にこ「だってわからないじゃない!私が嘘ついてたら!みんなを騙していたとしたらどうするのよ!!」

穂乃果「じゃあなんで…にこちゃん泣いてるの?」

にこ「あ…」

泣いてる?私が?

頬に手を当てると雫が流れ落ちていた

しかもこれは今まで流した悲しみの涙じゃない

穂乃果「泣いてる人が嘘つくわけないよ」

穂乃果「穂乃果はにこちゃんを信じる」

穂乃果「にこちゃんが真姫ちゃんのことを信じてるんだって」

穂乃果「だから穂乃果も真姫ちゃんのこと信じるよ」

にこ「うぐっ…ぐすっ…」

穂乃果「だからにこちゃんも私を信じて」

にこ「うわあああああああん!!!」

喜びの涙だ
297: 名無しさん@そうだ選挙に行こう(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/14(日) 15:03:01.87 ID:+E/0NGAv.net
穂乃果「じゃあやっぱりにこちゃん以外に使えないんだ」

にこ「そうみたいね…」

私だって彼女にみんなと会話させてあげたい

けど流石に諦めるしかないみたいね

大会が近いから方法を探す暇なんてないもの

穂乃果「そっか…残念だなぁ、穂乃果も真姫ちゃんと話したかったのに」

にこ「…!」

ひとつだけ、彼女とみんなを繋ぐ方法を思いついた

にこ「穂乃果、手紙書いてみない?」

穂乃果「え?」

困惑している穂乃果説明をする

にこ「真姫ちゃんに話したいことを書いてくれたら電話を通じて伝えてあげるわ」

穂乃果「本当!?今すぐ書くよ!」

にこ「確かここらに手頃な紙とペンが…あったわ、はい」

穂乃果「…」

すぐさま黙々と手紙を書き始める穂乃果

勉強でもこれくらい真面目に取り組めたらいいのに

にこ「…1枚余ってるみたいだし私も書くわ」

穂乃果「でもにこちゃんは電話があるじゃん」

にこ「いいのよ、こういうのは気分よ気分」

穂乃果「…」

にこ「…」

2人で日が暮れるまで手紙いっぱいに字を書いた
309: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 23:20:55.54 ID:G5ESVz+D.net
穂乃果「そろそろ帰るね」

にこ「うん…明日お願い」

穂乃果「任せて、また明日」

簡潔に別れの言葉を述べ、穂乃果は去っていった

にこ「信じる…か…」

一度裏切られた相手に信じろと言われ、それを信じる自分が馬鹿らしく思えてきた

けどその馬鹿らしい事も悪くはない

prrrr prrrr ピッ

真姫『…終わった?』

にこ「終わったわよ、もしかして寂しかった?」

真姫『そ、そんなわけ!』

携帯を手に取り他愛のない会話をするまで自然に行えるようになった

心が安らげる場所はここしかないから

にこ「明日…みんなと仲直りしてくる」

真姫『一人で大丈夫?』

一人なら大丈夫じゃない、けど

にこ「私は一人じゃないわ」

二人なら大丈夫

真姫「…そっか、頑張ってね」

彼女だっているのだから
312: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 23:39:09.30 ID:G5ESVz+D.net
海未「信じられません」

海未はそう冷たく言い放った

穂乃果「嘘なんかじゃないよ!私が保証する!」

希「そうは言っても穂乃果ちゃんだって実際に声を聞いたわけやないんやろ?」

穂乃果「うっ…」

穂乃果の抵抗も虚しく希に軽くあしらわれる

凛「凛たちも真姫ちゃんとお話したいしにこちゃんを信じたいけど…」

花陽「うん…」

凛と花陽も相手が悪いせいか怯えて口ごもってる

絵里「…二人に指示しておいて正解だったわ」

にこ「指示?」

なんのことかさっぱりわからず、大半の人が疑問を感じている

ことりと海未以外は

ことり「うん、衣装は完成したよ」

海未「曲がなくとても苦しかったのですが何とか後一歩のところまでこぎつけました」

絵里「振り付けも単純だけどパターンを組んできたわ」

三人とも休日に大会に向けて頑張っていたのだ

後三日という苦しい状況の中で

絵里「時間が惜しいわ、早くしたくをして練習に行きましょう」

海未「穂乃果とにこのせいでまた時間が短くなってしまいました…」

ことり「う、海未ちゃん、あまりそういうこと言わないで」

私と穂乃果はわだかまりが解けず悔しかったが時間がないのは事実なので練習へと急いだ

穂乃果「…行こう、にこちゃん」

にこ「…えぇ」
313: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 23:54:16.32 ID:G5ESVz+D.net
絵里「…今日中にどうにかならないの?」

海未「…ですがやはり曲がないと」

私たちがダンスに熱を注いでる中二人は悩んでいた

にこ「どうしたのよ」

海未「あなたには関係ありません、練習に戻ってください」

にこ「っ…」

相変わらず辛辣な態度、腹立つ

絵里「教えるだけならいいわ、気になって集中出来なくなるのも困るし」

海未と違い絵里は物分りが良くて助かる

絵里「海未の歌詞のラストがどうしても浮かんでこないのよ」

海未「私は今まで真姫の曲を聞いてから最後の歌詞を書いていたので行き詰まってしまいました」

久々に見る二人の自信なさげな顔、よっぽどのことみたい

絵里「歌詞ができたとしても曲がなければ意味がないわ、どうしたら…」

海未「周りの人で今すぐ作曲ができる方は…」

絵里「作曲者がいてなおかつ短期間で曲を作り上げたとしても駄目だわ」

海未「どうしてですか?選り好みしてる暇なんか…」

絵里「今まで私たちは真姫の曲だったからここまでこれたのよ」
315: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/21(日) 13:57:24.37 ID:tyHyvd0x.net
絵里「時間がないのはわかるわ、今すぐにでも誰かに作曲を頼まないと」

海未「でしたら…!」

絵里「ここまでこれたのは真姫のおかげよ、例え真姫がμ'sからいなくなったとしても真姫の曲を使うべきだわ」

支離滅裂だ

彼女がいなくなったのに彼女の曲を使うべき?

既存曲を用いるのならまだしもこの大会ではそれができない

彼女が生前に作り、ためておいたものでないと…!

海未「あなたらしくないですよ絵里、真姫がいないのに真姫の曲を使うべきだなんて…」

絵里「…自分でもおかしいことを言ってるのはわかる、けど海未は真姫以外の誰かが作った曲でステージに上がれる?」

海未「それは…」

絵里「この大会には私たちμ'sとして出なくてはならないの」

海未「じゃあどうしたらいいのですか!真姫が曲を残していったとは万一にも…」

にこ「私が真姫ちゃんの曲を見つける」
316: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/21(日) 14:07:42.22 ID:tyHyvd0x.net
海未「…冗談はやめてください、本気で怒りますよ」

にこ「心当たりはあるわ、実際に真姫ちゃんから聞いたし」

あの時の電話で意味深に彼女が言ってた言葉

あてはもうそれしかない

海未「にこっ!」

にこ「っ…?」

海未「絵里…なぜ止めるのですか」

海未が私に向けて振り上げた手を絵里が制した

絵里「…話を聞かせてもらうわ」

にこ「前に言った通りよ、この携帯を通じて楽譜のありかを教えてくれたの」

まだそれは確定ではない、しかし確信はしている

絵里「…本気で言ってるのね」

にこ「うっ…」

冷たい目線とでもいうべきか、睨み付けられ少し腰が引けてしまう

だけど…

にこ「本気よ、なんなら私一人で探してくる」

絵里「…そう、じゃあ今すぐ探してきてくれるかしら」

にこ「でも条件があるわ」
317: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/21(日) 14:16:06.20 ID:tyHyvd0x.net
絵里「条件?」

にこ「私が楽譜を見つけたらこの電話含め真姫ちゃんに関すること全て信じてもらうから」

そうでなければこの賭けは釣り合わない

絵里「…わかったわ」

海未「絵里!」

絵里「でも逆に見つからなかったらこっちの条件を呑んでもらう」

私の立場で断ることはできない、断るつもりもないけど

にこ「…わかったわ」

絵里「なら早く行って、一刻を争うの」

にこ「私に任せなさい!」

バタン

海未「…して条件とは一体?」

絵里「ないわ」

海未「ないのですか!?」

絵里「もしなかったとしても、屋上の掃除をさせればいいわ」

海未「どうしてそんなことを…」

絵里「私も…二人を信じてみたくなっちゃったから」
321: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/21(日) 16:33:16.61 ID:tyHyvd0x.net
急いで彼女の家へ向かった

…そう言えば絵里が言ってた条件の内容聞いてなかったっけ

いや別に聞かなくてもいいや

絶対楽譜は見つかるから

走ると同時に彼女へ電話をかける

真姫『どうしたの?にこちゃん』

にこ「これから真姫ちゃんの家に行くから真姫ちゃんも来てて」

真姫「…わかった」

察してくれたのか一度携帯を閉じ再び彼女の家に向かう

にこ「…真姫ちゃんの部屋の棚の一番下」

そうつぶやき、気づいたら門の前に立っていた
322: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/21(日) 16:47:06.41 ID:tyHyvd0x.net
誰もいないみたいだけど…入っていいのかしら

prrrr prrrr ピッ

真姫『入っていいわよ』

にこ「はーい」

殺風景だった

家は広く、部屋も多く、家具が充実している

それなのに誰もおらず、埃まみれで薄暗い

まるで廃洋館みたいだった

ひゅうっと玄関から入ってきた風に身震いする

真姫『…怖いの?』

にこ「そ、そんなわけないでしょ」

真姫『いつだったか私がいたら怖くないけど…みたいなこと言ってなかったっけ』

にこ「いつの話よそれ」

彼女のおかげで今日日が少し和らいだ

さぁ、さっさと見つけて帰ろう
323: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/21(日) 17:15:51.09 ID:tyHyvd0x.net
にこ「…あった」

大量の音符と線が並べられた数枚の髪を発見

すんなりと見つけてしまい拍子抜け

彼女のナビゲートがあったからこそなんだけど、家の見た目が見た目だったから私は探検する気分だったのかもしれない

真姫『良かったわ、じゃあそれをみんなの前に持っていってあげて…』

にこ「真姫ちゃんは来ないの?」

真姫『え』

無理な話ではない

外出できるのなら学校にも来れるはずだ

しかし彼女はそれを拒んだ

真姫『私はいいわ』

にこ「どうして?不安なら私がついて…」

真姫『私にとってみんなは眩しすぎるのよ』
329: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/21(日) 22:24:00.06 ID:tyHyvd0x.net
真姫『みんなのステージは見るつもりだけど、今近くで見たらきっと押しつぶされちゃうもの』

真姫『輝いてて、キラキラしてて、眩しいみんなの姿は消えそうなくらい透明な私にとっては毒なのよ』

寂しそうにつぶやく彼女の声が辛い

私も彼女の立場だったらみんなを見ているだけで泣いてしまいそうになるだろう

それは実際になってみなければわからないこと

でも彼女みたいに亡霊のような存在になれるわけもない

だから私は

真姫『私はにこちゃんの家に戻ってるわ、にこちゃんならきっと…』

にこ「…いつからあんたはそんなヘタレになったのよ」

携帯を通じて声をかける
330: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/21(日) 22:36:04.35 ID:tyHyvd0x.net
真姫『…ヘタレ?』

にこ「ヘタレよヘタレ」

真姫『なっ…私のどこがヘタレなのよ!』

にこ「眩しくて見えない?じゃああんたが話してる相手は何?」

真姫『何って…にこちゃんじゃない』

にこ「察しが悪いわね~、あんたは眩しいって言ってた相手にこの矢澤にこもはいってるのよ」

真姫『あ…』

ほんと、こういうのには鈍いんだから

にこ「それとも何?私だけ輝いてないって言うわけ?」

真姫『べ、別にそういうわけじゃ…』

わかっているけどわざとからかってみた

だって彼女が生きてた頃と同じ会話ができて

嬉しいんだもん
331: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/21(日) 22:51:59.92 ID:tyHyvd0x.net
にこ「私がいるじゃない」

真姫『!』

にこ『二人でいれば怖いものなし!そうでしょ?』

真姫『…うんっ』

そうそう、いつも喧嘩ばかりだけどこうやって最後には仲直りしてたっけ

にこ「あ!もうこんな時間!すっかり忘れてた!」

もう感傷に浸ってる暇なんてない

急いで戻らないと

にこ「真姫ちゃん行こ!」

真姫『本当に行くの?』

にこ「何今更迷ってんのよ!はやくしなさいよ!」

いつも言われてたこの言葉

変わらないこともれば変わったこともある

真姫『ふふっそれはこっちの台詞よ!』

でも変わったこともあれば変わらなかったことも

にこ「学校まで競争よ!」

それらの偶然が重なり合って

真姫『負けないんだから!』

私たちはこうして繋がってるんだと思う
332: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 00:23:32.69 ID:VPnjh4vQ.net
真姫『にこちゃん遅い』

にこ「そりゃ、そうでしょうが!」

ショートカットに疲れないなんて聞いてない

真姫『この体ってとても便利なのね』

にこ「正々堂々と勝負しなさいよ!」

真姫『競争としか言ってないじゃない』

にこ「そりゃ…そうだけど…」

こういうのはいつも私の役なのに…

真姫『屋上行かなくていいの?』

にこ「わかってるわよ!」

屋上でみんなが待ってる

楽譜を見せびらかして目に物を見せてやるんだから

真姫『遅いわよにこちゃん』

にこ「ちょっとくらい休んでいいじゃない!」
334: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 00:48:20.27 ID:VPnjh4vQ.net
絵里「…本物ね」

にこ「言ったでしょ?」

自信満々に楽譜を見せびらかす

予想通りの反応で気分がいい

だけど一人だけ納得が行かない顔をしている

海未「…やはり信じられません」

ことり「海未ちゃん…」

にこ「…海未」

海未「誰かに頼んであった楽譜でしょう、見た目ではわからないからってそんな小細工は…」

にこ「っ!」

穂乃果「海未ちゃんいい加減にして」
336: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 01:15:53.56 ID:VPnjh4vQ.net
海未「ほ、穂乃果?」

誰もが怒りを示す前に穂乃果が言った

穂乃果「にこちゃんが楽譜を持ってきたら信じるって約束したんでしょ?」

海未「それは絵里が!」

穂乃果「でも海未ちゃん近くにいたんでしょ」

海未「ですから!」

激しい言い争い、穂乃果が海未に優勢だなんて…

穂乃果「いい加減にしてよっ!!」
338: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 02:22:22.83 ID:VPnjh4vQ.net
穂乃果「もうこれ以上μ'sが崩れていくのは嫌だよ!」

穂乃果「にこちゃんがみんなのために頑張ってくれてるのにそれを信じようとしない海未ちゃんなんて最低!」

穂乃果「私は弱気になっててこの前の時はにこちゃんを信じることができなかった…けど今はにこちゃんと真姫ちゃんを信じてる!」

海未「なぜそこまで言いきれるのですか!嘘ついてたらどうするんですか!」

穂乃果「友達を疑うことがおかしいんだよ!!」

穂乃果「本物の友達だったら嘘ついてるなんて思わない!信じてあげるべきだよ!」

穂乃果「にこちゃんの気持ちもわからないくせに軽く嘘ついてるだなんて言わないでよぉ!!」
346: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/29(月) 20:23:52.60 ID:jjXwl7UA.net
今までに聞いたことのないくらい大きな叫び

みんなが唖然としている中、海未が口を開いた

海未「…わかりました、穂乃果がそこまで言うのなら信じましょう」

ことり「海未ちゃん!」

海未「しかし今更心変わりしたところでそちらが私を信じられないでしょうが…」

にこ「信じるわ」

当然のように言い放った、でも海未は

海未「私はあなたを一度裏切ったのですよ!」

にこ「恨んでないし、もう許した」

海未「そ、そんな簡単に…!」

にこ「なんのことかしら~」

海未が折れるまでシラを切ろう

そう思ってたけど穂乃果が口を挟んできた

穂乃果「もう!にこちゃんがいいって言ってるんだからいいの!」

にこ「そうそう、終わりよければすべてよし!」

海未「…本当にすみませんでした」

にこ「私にだって落ち度はあるわ、ごめんなさい海未」

これでいいのよね…真姫ちゃん
347: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/29(月) 20:56:29.02 ID:jjXwl7UA.net
それから私たちは一丸となって頑張った

大会に向け少ない時間の中、暗くなっても練習を続けた

編曲が届いたのは大会前日でリハーサルもろくにできなかったけど、協力し合いなんとか形にすることはでき、いよいよ本番

その前日の夜…
349: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/29(月) 21:41:38.78 ID:jjXwl7UA.net
真姫『遂に明日ね』

にこ「もう練習でくったくたよ…筋肉痛になってないか心配だわ」

今までにないくらい頑張ったかもしれない

逆に言えばそれくらい努力してきたんだ、成功するに決まってる

真姫『あれ?この手紙は…』

にこ「わー!!」

すっかり忘れてた

結局渡すんだから隠さなくてのいいのにいきなりだったから慌てちゃった

真姫『勝手に読んだりなんかしないわよ、触れないんだし』

にこ「そ、そうだけど…」

真姫『二通あるけど宛は誰なの?まさか恋人?』

妙に声色を暗くする彼女、もしかして気にしてる?

にこ「真姫ちゃんにだけど…」

真姫『え、私!?直接いえばいいじゃない!』

もっともだ、なんならこの場で話したっていい内容、けど

にこ「形を残しておきたいの」

真姫『形?』

にこ「もし突然真姫ちゃんが消えちゃったら困るし、生きていた証だけでも残せたらいいかな~って」

真姫『っ…』

なんて冗談混じりに説明すると、予想もしない沈黙が訪れた

にこ『…真姫ちゃん?』

真姫『…え?』

しびれを切らした私が話しかけると我に返ったかのような声を上げる彼女

にこ「ちゃんと話聞いててよ!」

真姫『ご、ごめん…』

電話だからこういうのは不便なんだよね…

真姫『…ばか』
350: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/29(月) 21:59:37.78 ID:jjXwl7UA.net
真姫『二通も書いたの?』

まぁそこに気づくよね

にこ「片方は穂乃果の、もう片方は私の」

真姫『今読んでいい?』

にこ「…穂乃果のだったら」

真姫『ケチね』

恥ずかしいからに決まってるでしょ

にこ「もう寝る!お休み!」

真姫『もう…』

今頃読んでるのかな

携帯越しに笑ったりため息ついたり

私は彼女の声に安らぎを感じ、静かに眠りについた
351: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/29(月) 22:06:56.49 ID:jjXwl7UA.net
穂乃果「本番だね」

ことり「緊張する~」

海未「頑張りましょう…」

凛「かよちんしっかり!」

花陽「すぅ…はぁ…」

絵里「私たち…頑張ったわね…」

希「後は精一杯やるだけや」

みんな本番前の談笑をしている中私は…

にこ「…」

ここにいるはずだった彼女を想い、寂しさを感じる

でも…今は一人じゃない

穂乃果「にこちゃん」

にこ「何?」

穂乃果「真姫ちゃんのためにも頑張ろ!」

にこ「…えぇ!」

穂乃果「μ's!ミュージック…」

「スタート!!!」

私には信じてくれるみんながいる!
352: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/29(月) 22:13:28.04 ID:jjXwl7UA.net
最後から二番目のグループが踊っている

綺麗なステージ、綺麗な曲、綺麗な衣装

…そして綺麗な人たち

眩しすぎて良く見えない、目の前がぼやけてくる

私…泣いてる?

今の私にもこんな感情残ってたんだ

正直この観客席に来たくなかった

人はごった返し、時々自分の存在が消えてしまいそうな感覚に陥ってしまう

明日になれば私は消えちゃうし当然か

でも最後に、ひと目だけでもいいから

輝いてる彼女たち、μ'sの姿をこの涙が溜まってる目で見たい

私が遺していった曲で踊り舞う姿を…

「μ's!ミュージック、スタート!」
353: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/29(月) 22:21:35.76 ID:jjXwl7UA.net
…綺麗

前のグループよりもっと眩しく輝いてるのに

なのに、ちゃんと見えてる

彼女たちが輝いてる姿、ちゃんと見えてる

私の大好きな星のようにキラキラと踊る姿

自分の頬をつたう涙なんて関係無しに彼女たちの姿を目に焼き付ける

見れば見るほど涙が止まらない

それは自分が死んでしまった事への未練と

彼女とお別れをしなければならないことの涙なんかじゃない

それは感動の涙、嬉しさの涙

感謝の気持ちで胸がいっぱいになり、また涙が溢れ出す

みんな本当にありがとう…
355: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/29(月) 22:47:17.04 ID:jjXwl7UA.net
気がつくと曲は終盤になりフィナーレを迎えていた

あぁ終わってしまう、どうか終わらないで

こんな私でも輝くことができたこの時間が永遠に続いて欲しい

でも時間というのは過ぎるもの

いつの間にかみんなが整列していた

これで…終わりね…

「高坂穂乃果!」

「東條希!」

「園田海未!」

「星空凛!」

「矢澤にこ!」

「小泉花陽!」

「絢瀬絵里!」

「そして…西木野真姫!」

真姫『っ!!』

「μ's!ありがとうございました!!」

どうしてくれるのよ…

これじゃあ私…

潔く帰れないじゃない…

※ ことりが無いのはミスだそうです(管理人)

357: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/29(月) 23:10:31.90 ID:jjXwl7UA.net
真姫「お疲れ様にこちゃん」

にこ『ほんっとありえない!どう見ても優勝間違いなかったでしょ!』

未だに結果に文句を垂れる彼女

準優勝しただけでもすごいと思う

真姫「私が死んでなかったら…」

にこ『それはなし、仕方ないことじゃん』

真姫「…うん」

そうは言うけどやはり自分が悪いと思ってしまう

にこ『こうして真姫ちゃんと会話できてるだけで私は幸せよ?』

真姫「そ、そうね」

だからそんなこと言わないでよ

未練がまた…

にこ『そうだ!明日遊びに行くわよ!』

真姫「と、突然!?」

あまりのことにしんみりしていた気持ちがどこかへ行ってしまった

にこ『どこに行くか決めといてね!おやすみ!』

真姫「ちょっと!」

でもこれくらいあっさりしてくれた方がいいのかも

にこ『そ、それと…』

真姫『何?』

にこ『今日は一緒に…寝よ?』
361: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/29(月) 23:24:41.38 ID:jjXwl7UA.net
にこ『…こうしていると確かに妙な暖かさがあるかも』

真姫「なによそれ」

なんで今日に限って一緒に寝ようなんて言うのよ

にこ『明日どこ行きたい?』

真姫「どこだっていいじゃない」

どうせ行けないんだし

にこ『私は行きたいところたくさんあるわ』

にこ『映画館でしょ、ファミレスでしょ、それから水族館に遊園地!』

やめてよ

真姫「っ…」

にこ『動物園もいいわね…って聞いてる?』

真姫「…にこちゃん子供みたい」

にこ『なっ!?』

真姫「動物園て…ふふっ」

にこ『うるさいっ!もう寝る!』

うん、そのまま、寝てちょうだい、お願い…

にこ『…手紙、見て起きなさいよね』

ほらまた、私に帰れせる気ないでしょ

本当に…やめて…
364: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/29(月) 23:46:29.43 ID:jjXwl7UA.net
そろそろ時間ね…

にこ『絶対手紙読むのよ』

真姫「はいはい」

にこ『それと絶対デー…遊びに行くこと、約束よ?』

真姫「っ…」

約束…

それはいくら守ろうとしても守れないそんな約束

にこ『…約束よ?』

真姫「…」

にこ『…ねぇ』

真姫「…あーわかったわよ!約束ね!」

そんな悲しい顔されたらしないわけにはいかないじゃない

にこ『それでよし!それじゃまた明日ね!』

真姫「あ、待って!」

まだ言ってないことが…

にこ『すぅ…すぅ…』

真姫「…もう寝ちゃったのね」

逆に良かったのかも、この言葉を言って彼女に未練を遺して行くのは気が引けるもの

…記憶が消えるんだし関係ないか

にこ『真姫ちゃん…すき…』

最後まで足引っ張るつもりかしら

真姫『…ばかね』
365: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/29(月) 23:59:07.45 ID:jjXwl7UA.net
結局手紙は見なかった

だってこれ以上未練を背負いたくないから

別れるときにはさっさと別れる、それが別れってものでしょ

この一週間本当にいろいろあった

自分がなんの存在か知らずに現れる所から始まり

老婆に出会い、μ'sが大変な事になって、それでも準優勝を果たして

それから…それから…

もう一日だけでも生きていられたらなぁ

彼女とお出かけして自分の本当の思いを伝えて思い残すことなく行けるのに

…ごめんね、約束破っちゃって

手紙見れなかった、お出かけできなかった、ずっと一緒にいられなかった

好きって伝えられなかった

私があなたを好きになる資格なんてないの

だからね、あなたはほかの人を見つけて幸せになってね

…言いたいことまだたくさんあるけどもうお別れみたい

最後に一つだけ言わせて

さようならにこちゃん、ありがとう

大好きでした
366: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/30(火) 00:03:16.57 ID:jjXwl7UA.net
にこ「…ん」

にこ「ふわぁ~…よく寝たよく寝た!」

にこ「大会後にこんな快眠ができるなんて今日ついてるかも!」

にこ「さて、練習行かなきゃ!」

にこ「いってきまーす!」



にこ「…なにか忘れてる気がするけど、まぁいっか」
367: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/30(火) 00:06:26.06 ID:3GrtLea3.net
これ終わりです
息抜きのつもりでしたが話を膨らませすぎて二ヵ月半以上もかかってしまいすみませんでした
遅れたのは地の文が難しかったせいなのでこれからは抑えていきます
今までありがとうございました
373: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/30(火) 11:07:47.57 ID:3GrtLea3.net
地の文省略しますが救いのルートを

希「おはよ、にこっち」

にこ「おはよー!」

希「えらく機嫌がええやん」

にこ「なんか凄く気持ちよく寝れたからテンションが上がりっぱなしなのよね~」

希「それだけ?ウチはてっきり真姫ちゃん関連のことかと思ったんやけど…」

にこ「まき…ちゃん…?」

希「にこっち?」

にこ「それって…人?」

希「な、何言うてるんよ、冗談きついな~」

にこ「誰よそれ」

希「にこっち…嘘やろ…」

にこ「嘘も何も知らないものは知らないし…」

希「真姫ちゃんのこと…忘れたん?」
374: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/30(火) 11:31:47.06 ID:3GrtLea3.net
にこ「…」

希『いいにこっち?このことは誰にも喋っちゃならんよ、特に穂乃果ちゃんには』

穂乃果「にこちゃん!」

にこ「あ、穂乃果…」

希『話のを合わせるんや、ええな?』

穂乃果「ねぇねぇ、手紙どうだった?」

にこ「て、手紙?」

穂乃果「ほら、一緒に書いたじゃん!真姫ちゃん宛の!」

にこ「あ、あー!そうだったわね!」

穂乃果「で、どうだった?」

にこ「どうって…」

穂乃果「真姫ちゃんの感想だよ、聞いてないの?」

にこ「…ごめん」

穂乃果「もーにこちゃんのおっちょこちょいー」

にこ「なんか言った?」

穂乃果「な、なんでもないよ!ところで今日真姫ちゃんは?」

にこ「あーえー、どこか行ったんじゃない?」

穂乃果「なーんだ…にこちゃんが連れてくるかと期待してたのに」

にこ「…ねぇ穂乃果」

穂乃果「何?」

にこ「真姫ちゃんってどんな人だったの?」
375: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/30(火) 11:37:34.89 ID:3GrtLea3.net
にこ「その子の特徴は?どんな性格?」

穂乃果「え?え?」

にこ「本当にいたの?どういう子だったの?」

穂乃果「に、にこちゃん落ち着いて」

にこ「そんな子本当は…」

希「あー!急に用事思い出した!にこっち行くで!」

にこ「え、ちょ、希!?」

穂乃果「…にこちゃん?」
376: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/30(火) 11:44:46.81 ID:3GrtLea3.net
にこ「どういうつもりよ」

希「それはこっちもセリフや、話し合わせろって言ったやん」

にこ「だって自分の知らない人のこと、しかも知ってるのが当たり前のように話してくるんだもん!」

にこ「不安なのよ!自分が記憶喪失にでもなったんじゃないかって!」

希「…にこっち」

にこ「じゃあ教えて!真姫ちゃんとかいう私の知っていた存在の話を!」

希「わかった、真姫ちゃん…西木野真姫という子がいてな…」
378: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/30(火) 14:28:08.53 ID:3GrtLea3.net
にこ「…そんな」

希「にこっちが忘れてしまったのはにこっちのせいやない、他に原因が…」

にこ「…帰る」

希「にこっち!」

にこ「ごめん、一人にさせて…」

希「…」

にこ「…真姫ちゃん、ごめんなさい」

にこ「あなたがどういう人か知らなかったけど私のために頑張ってくれてたのね」

にこ「それなのに思い出せないなんて、私は最低よ」

にこ「ごめんなさい…ぐすっ…本当に…ごめんなさい…」
379: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/30(火) 14:35:30.25 ID:3GrtLea3.net
にこ「…練習勝手に抜け出してきちゃった」

にこ「でも何もかも嫌になってやる気が起きないし、寝よう」

にこ「いいことありそうとか言ってた自分が馬鹿みたい」

にこ「…これって…穂乃果の言ってた手紙?」

にこ「片方は穂乃果のだってわかるけど、これ私!?」

にこ「書いた覚えなんてないのに自分の字だし名前も書いてある…」

にこ「宛は…真姫ちゃん」

にこ「手紙まで書くくらい思い入れのある人だったのに、何もかも忘れたんだ」

にこ「恥ずかしいけどせめて全文読まなきゃ…」
380: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/30(火) 14:42:25.67 ID:3GrtLea3.net
にこ「…あれ?」

にこ「どうしてだろ、胸が痛い…」

にこ「もしかして病気かも…」

にこ「え…涙?」

にこ「この手紙読んでると何故か涙が止まらない…どうしよう…」

にこ「…大好き?そんな…全て忘れ去った人の事大好きなんて書いたの?」

にこ「なんでっ…なんで忘れたのよ私っ…」

にこ「大好きなら今からでもいいから思い出しなさいよ、矢澤にこ…!」

にこ「どうして顔すらも浮かんでこないのよぉ…!」

にこ「真姫ちゃん…ごめん…ごめん…!」

にこ「うわあああああああああん!!」

【連絡先 登録されていません】

終わり
382: 名無しで叶える物語(おにぎり)@\(^o^)/ 2014/12/30(火) 15:00:25.28 ID:3GrtLea3.net
最初そのつもりだったんですけど生き返らせる以外にないんじゃないかって思って
すみません
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