【SS】にこちゃん、スパコンを買う

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にこ-アイキャッチ33
1: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:06:23.85 ID:bvCIX4kl.net
にこ 「ついに念願のスパコンを手に入れたわ」

花陽 「これで情報収集もバッチリだね、にこちゃん」

にこ 「ふふふ、そのとおりよ。
    スクールアイドルがインターネットを席巻するこのアドバンスド・インフォメーション・ソサエティにおいては、
    情報を制する者が時代を制するのよ」

凛  「わー、にこちゃん、さすが三年生!
    凛の知らない言葉をたくさん知ってるんだね!
    ところで、セッケンするって、どういう意味?」

にこ 「セッケン……まあ要するに、石鹸のことじゃないかしら。
    トドのつまりは、μ’sが歌って踊って大人気になるということよ」

凛  「なるほどにゃー!」

花陽 「それでにこちゃん、スパコンはどこにあるの?」

矢澤にこは、得意げにスーパーの袋を取り出し、机の上に置いた。
   
にこ 「ほら、これよ。
    部費で、さっき買ってきたの」

凛  「以外と小さいんだね!」

花陽 「近未来って感じがするね!」

にこ 「さもありなん」

そう言うと彼女は、おもむろにガサガサとスーパーの袋の中に手を入れ、中身を取り出した。

にこ 「これよ」

凛  「まるで、コンニャクみたいだね!」

花陽 「近未来って感じがするね!」

真姫 (コンニャクやないかい)

元スレ: 【SS】にこちゃん、スパコンを買う

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2: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:08:03.65 ID:bvCIX4kl.net
スパコン(注:コンニャク)を机の上に置き、矢澤にこは誇らしげに腕を組んだ。

にこ 「いやー、案外安くてびっくりしたわ。
    買い物上手のニコニー部長にかかれば、スパコンの発注と納入もお手のものなのよ」

凛  「わー、さすが、にこちゃん!
    でもこれ、お高かったんじゃないですかにゃ?」

にこ 「税込198円だったわ」

花陽 「スパコンがそんなに安くなんて……近未来って感じがするね!」

にこ 「初めて値札を見たときは、私もびっくりしたわよ。
    どうしてスパコンが、まるでコンニャクみたいな廉価で変えるのかしら、ってね」

真姫 (コンニャクだからよ)
3: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:09:59.26 ID:bvCIX4kl.net
矢澤にこは、しばらく机の上のスパコン(注:コンニャク)を眺め回していたが、ふと不思議そうに呟いた。

にこ 「さて、このスパコン、どうやって使うのかしら」

凛  「まずは電源につなげばいいと思うよ!」

花陽 「でもプラグもバッテリーも見当たらないね」

にこ 「それもそうね。なぜかしら」

真姫 (コンニャクだからよ)
7: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:40:17.45 ID:bvCIX4kl.net
矢澤にこは、ひとしきり考えをめぐらしていたが、はたと膝を打ってこう言った。
8: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:41:22.39 ID:bvCIX4kl.net
にこ 「……わかったわ!
    きっとスーパーコンピューターだから、電源なんて必要ないのよ!」

凛  「すごいにゃー!」

花陽 「近未来って感じがするね!」

にこ 「ほら見てごらんなさい。
    そもそもコードの差し込み口がないでしょ。
    設計上、プラグもバッテリーも必要ないように出来てるのよ」

真姫 (コンニャクだからね)
9: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:42:04.67 ID:bvCIX4kl.net
にこ 「でもちょっと心配ね。
    そんなふうに得体の知れないところからエネルギーを産み出した場合、
    排熱とかはうまくいくのかしら」

凛  「どういうこと?」

にこ 「何といっても、多くの情報を処理するマシンだからね。
    熱くなりすぎて、壊れたりしないのかなっていうことよ」

凛  「大丈夫だよ、にこちゃん!
    ほら、スパコンに触ってごらんよ」

にこ 「これ……ひんやりしてるわ!」

凛  「きっと熱がこもらないように、冷えやすい素材でできてるんだよ!」

花陽 「近未来って感じがするね!」

にこ 「なるほど、現代の材料工学の成果というやつね。
    いったい何からできてるのかしら」

真姫 (コンニャクよ)
10: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:42:50.60 ID:bvCIX4kl.net
にこ 「でも不思議ね、電源ボタンが見当たらないわ」

凛  「ほんとだ。全面がつるつるしてるね」

花陽 「近未来って感じがするね!」

にこ 「最近流行りの音声入力というやつかしら。
    ちょっと言ってみましょうか。
    えい、スタート!」

凛  「つかないね」

花陽 「近未来なのにね」

にこ 「せっかく買ってきたのに、不良品だったのかしら。
    ごめんね、みんな。
    私、たよりない先輩だわ……」

凛  「そんなことないよ、にこちゃん!」

花陽 「そうだよ、にこちゃん何も悪くないよ!
    ただちょっと、私たちにはまだ近未来すぎただけだよ」

にこ 「ふたりとも、ありがとう……
    優しい後輩に恵まれて、私は幸せ者だわ。
    大丈夫、私、立派な宇宙ナンバーワンアイドル兼宇宙ナンバーワンエンジニアになって、
    いつかきっとこのスパコンを修理してみせるわ!」

肩寄せ慰めあう少女たちの美しい姿を見ながら、西木野真姫はあらためて思った。

真姫 (それ……コンニャクやないかい)
11: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:43:41.07 ID:bvCIX4kl.net
そう、まぎれもなくコンニャクである。
では、何故に矢澤にこはスーパーで買ってきたコンニャクをスパコンと思いこんでいるのだろうか?
そんなことをする理由は、ただひとつ……

真姫 (アホだからね)
12: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:44:21.79 ID:bvCIX4kl.net
しかし、星空凛と小泉花陽は、矢澤にこの言葉をすっかり信じて、これをスパコンと思い込んでいるではないか。
いったい何故に、彼女たちはこれがコンニャクであることを見抜けないのだろうか?
考えられる理由は、ただひとつ……

真姫 (アホだからね)
13: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:45:51.85 ID:bvCIX4kl.net
では西木野真姫はどうすればよいのだろうか?
アホの三人の思い違いを指摘すればよいのだろうか?
彼女たちの幻想を突き崩すには、たった一言、こうツッコむだけでよいのだ。

コンニャクやないかい。
14: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:50:23.14 ID:bvCIX4kl.net
しかし今、西木野真姫は逡巡している。
なるほど、幻想を突き崩すのは容易い。
しかしそれができるからといって、それをすべきとはかぎらないのだ。
「コンニャクやないかい」という言葉は、「サンタクロースって、ほんとはパパなのよ」という言葉と同じくらいの重みがある。
幻想とは夢想なのだ。幻とは夢なのだ。
では、今ここで、澄んだ瞳で夢をみている少女には、いったい何と告げるべきなのだろうか。

「コンニャクやないかい」だろうか。

否。

コンニャクをスパコンと思いこむことは、訂正すべき誤謬なのだろうか。

否、ふたたび否。

そもそも、コンニャクがスパコンではないという証拠を挙げることはできるだろうか。

否、否、三たび否。

ということは、ある意味においては、コンニャクはスパコンなのではないか。

然り。
15: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:50:55.21 ID:bvCIX4kl.net
なるほど、ときに私たちの観ずる現実は、コンニャクのように冷たいかもしれぬ。
だが夢みる少女たちには、せめて少女でいる間は、その夢を見ていてほしいのだ。
かぎられた時間の中で、せいいっぱい輝いてほしいのだ。
その輝いている目は、美しい夢を映していてほしいのだ。
そんなふうに願う理由は、ただひとつ……

真姫 (友達だから)
16: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:51:37.18 ID:bvCIX4kl.net
彼女は三人に背を向け、紙コップと凧糸で糸電話を作りはじめた。
糸電話ができあがると、彼女はコンニャクを取り囲む三人にの前に、受話器の紙コップを放り投げた。

にこ 「あら真姫ちゃん、これは何?」

真姫 「スパコンの付属品の超高性能スピーカーよ。
    何かよく知らないけど、スーパーの袋の中に入ってたわよ」

そう言うと彼女は、もう一方の紙コップをもって部室の外に出た。

凛  「あれ、真姫ちゃん、どうしたの?」

真姫 「ふん、あなたたちみたいなアホの相手は、もうたくさんよ」

花陽 「どこに行くの?」

真姫 「付き合ってられないから、先に帰らせてもらうわ。
    さよなら」

そう言って彼女は、ドアをそっと閉めた。
17: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:52:07.46 ID:bvCIX4kl.net
凛  「行っちゃったね、真姫ちゃん」

花陽 「私たちの相手、してくれないのかな」

にこ 「ふん、そんならいいわ。
    真姫ちゃんの手なんか借りなくても、私たちだけでスパコンを動かしてみようじゃない。
    さあ、あきらめずにもう一度音声入力よ。
    えい、スタート!」

矢澤にこがそう言うと、紙コップでできたスピーカーから声が聞こえた。

スパコン
   「はろー、ミナサン。私ガすぱこんデス」
18: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:53:14.90 ID:bvCIX4kl.net
にこ 「やった、ついに起動したわ!」

凛  「かわいい声だね!」

花陽 「近未来って感じ……、いや、まるで真姫ちゃんみたいな感じがするね!」

スパコン
   「うええ?」

にこ 「あら、スパコンさん、まるで真姫ちゃんが困ったときみたいな声を出してるわ」

凛  「スパコンさん、何か秘密があるの?」

花陽 「ごめんなさい、私、何か変なこと言っちゃいましたか?」

スパコン
   「のーぷろぶれむ。
    とらぶるハ適切二処理サレマシタ」
19: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:53:47.23 ID:bvCIX4kl.net
凛  「わー、すごーい!
    自動で何でもできるんだね!」

スパコン
   「すぱこんデスカラネ。
    知性溢レルぷろぐらむノオカゲデ、音声入力以外ノ操作ハ不要デス」

にこ 「なるほど、だからキーボードもついてないのね」

スパコン
   「余計ナぼたんヲ全テ取リ除イタ結果、こんにゃくミタイナ流線型ノふぉるむヲ手二入レタノデス」

花陽 「近未来って感じがするね!」

スパコン
   「サモアリナン」
20: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:54:25.58 ID:bvCIX4kl.net
にこ 「それにしても、すごいのね。
    まるで人間と話しているみたい」

スパコン
   「すぱこんデスカラネ。
    自然言語処理の技術モ最先端ナノデス」

凛  「ねーねー、スパコンさん!
    スパコンさんは何でも知ってるんだよね!
    じゃあ凛たちが質問したら、何でも答えてくれるの?」

スパコン
   「当然デッショー」

花陽 「はわわ……すごい。
    でも変な質問して、困らせたら悪い気がするよ」

スパコン
   「Don’t worry, don’t worry.
    迷ワズgo, go」
21: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:55:08.00 ID:bvCIX4kl.net
凛  「じゃあさっそく聞いてみよう!
    スパコンさん、好きな食べものは何ですか?」

スパコン
   「とまとデス」

凛  「お誕生日は?」

スパコン
   「4月19日二製造サレマシタ」

凛  「どんな性格?」

スパコン
   「こんぴゅーたーノヨウニ、くーるデ沈着冷静ナノデス」

花陽 「二位じゃダメなんですか?」

スパコン
   「高嶺ノふらわージャナイト、ダメナコトモアルンデス。
    頂点、極メサセテ下サイ。
    勿論、新世代機ノ開発ハ何時デモ歓迎シマスヨ。来ナサイ挑戦者」

花陽 「わー、カッコいい!」
22: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:55:49.29 ID:bvCIX4kl.net
にこ 「ふふふ、あんたたち、スパコンさんのプライベートを詮索するのはそのへんにしときなさいよ。
    何といってもこのコンピューターは、アイドル研究部の情報収集のために用意したんだからね」

スパコン
   「知ッテマスヨ。
    アナタタチ、μ’sノ、ニコチャン、リンチャン、ハナヨチャン、デスヨネ」

凛  「わー、すごい!
    スパコンさん、凛たちのこと知ってるんだね!」

スパコン
   「当然デス。
    ダッテ私ハすぱこんダシ、ソレニ……」

花陽 「それに?」

スパコン
   「私、μ’sノコト、だいすきデスカラ」
23: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:57:06.55 ID:bvCIX4kl.net
にこ 「あら、ありがとう、スパコンさん。
    いつからμ'sのファンになってくれたの?」

スパコン
   「μ’sガ生マレタ時カラ、ズットデスヨ。
    いんたーねっとノ上二μ’sの名前ガ登録サレタ日カラ、私、アナタタチノ、ふぁんナンデス」

にこ 「それからずっと、私たちの追っかけをしてくれてるのね」

スパコン
   「ソウデスヨ。
    ネット上デ、μ'sノ順位ガぐんぐん上ガッテ行クノヲ見ルノガ、イツモ楽シミデシタ。
    イヤ……ほんとノコトヲ言ウト、ネット上ノ順位ハ、ソレホド重要デハアリマセン」

凛  「どうして?」

スパコン
   「タトエ、ソコデノ順位ガ何位ダロウト、私ハ、μ’sガ、いちばん好キデスカラ」

花陽 「えへへ、嬉しいな。スパコンさんがそう言ってくれて」

スパコン
   「自信ヲ持ッテ下サイ。
    アナタ達ハ、宇宙なんばーわんノあいどるぐるーぷデス。
    すぱこんノ私ガ、折リ紙ツキデ、保証シマスヨ」
24: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:57:41.51 ID:bvCIX4kl.net
凛  「わーい、スパコンさんがそう言ってくれるんだから、間違いないね!
    あーあ、真姫ちゃんももう少しここにいれば、スパコンさんの言葉が聞けたのにな」

花陽 「そうだね、真姫ちゃんも、きっと喜んでくれただろうね」

にこ 「ふふふ、そうね。
    ねーねースパコンさん。
    さっきまでここに、西木野真姫っていう、素直じゃなくて生意気な一年生がいたのよ。
    トゲトゲした言葉で身を守って、なかなか本心を私たちに見せてくれないの」

スパコン
   「……」
25: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:58:00.85 ID:bvCIX4kl.net
凛  「でも凛、知ってるよ。真姫ちゃんがすごく友達思いだってこと」

花陽 「そうそう、真姫ちゃん、ほんとは、すっごく優しいんだよ」

スパコン
   「……」
26: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 16:59:31.16 ID:bvCIX4kl.net
にこ 「言葉って、ふしぎなものね。
    トゲトゲした言葉で心の中にあるものを隠す人もいるけど……
    それでもちゃんと、トゲトゲした言葉を通じて、心の中にあるキレイなものが伝わるのね」

スパコン
   「ドウシテ真姫チャンノ本心ガ、アナタタチ二伝ワッテルッテ言エルノデスカ。
    アナタタチ二聞コエテルノハ、真姫チャンノ悪態ダケジャナイデスカ。
    すぱこんジャナイ、タダノ人間ノアナタタチニハ、他人ノ心ノ中ナンテ、見エナイデショ?」

凛  「見えないけど、そう信じてるからね」

スパコン
   「ドウシテ、見エナイノニ、信ジテクレルノ?」

花陽 「だって私たち、真姫ちゃんの友達だからね」

スパコン
   「……」
27: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 17:00:35.67 ID:bvCIX4kl.net
にこ 「ふふふ、そういうわけよ。
    でも確かに、スパコンじゃないただの人間の私たちには、真姫ちゃんの心の中は見えないわね。
    スパコンさんには、見えるのかしら?」

スパコン
   「……見エマスヨ。
    私ヲ誰ダト思ッテイルノデスカ。
    情報蓄積、あるごりずむ、高性能計算、しみゅれーしょん。自然言語処理。
    全知全能ノすぱこんニハ、ワカラナイコトナド、無イノデス。
    真姫チャンノ心ノ中ダッテ、手二取ルヨウ二、ワカリマスヨ」

凛  「わー、さすがスパコンさんだね!」

花陽 「近未来って感じがするね!」

スパコン
   「……教エテホシイ?」

にこ 「ふふふ、ちょっと知りたい気もするけど……大丈夫よ、言わなくて。
    真姫ちゃんの心の中を、さらけ出してもらう必要はないから」

スパコン
   「ホントニ、見エナイママデ、イイノ?」

にこ 「いいのよ、心配しなくて。
    だって、さっき凛と花陽が言ってくれたでしょ。
    真姫ちゃんの友達は、真姫ちゃんの心が優しいこと、信じてくれているのよ」
28: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 17:01:57.04 ID:bvCIX4kl.net
スパコン
   「……ソウデスカ。
    ジャア、真姫チャンノ秘密ハ、私ノはーどでぃすくノ奥底二、シマッテオキマス。
    デモ、一ツダケ、真姫チャンノ代ワリ二、アナタタチ二、伝エタイコトガアルンデス」

にこ 「何かしら?」

紙コップでできたスピーカーから、嬉しそうな、はにかんだ声が聞こえてきた。

「ありがとう。私の友達になってくれて」
29: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 17:02:29.39 ID:bvCIX4kl.net
凛  「えへへ」

花陽 「えへへ」

にこ 「ふふふ、それは嬉しい言葉ね。
    大丈夫よ、残りの五人にも、ちゃんと伝えておくから。
    じゃあスパコンさん、今日は色んなことを教えてくれて、ありがとう。
    私たち、そろそろ練習に行かなくちゃいけないから、電源を落とすわね」
30: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 17:03:10.78 ID:bvCIX4kl.net
スパコン
   「ワカリマシタ。しゃっとだうんシマス。
    電源ガ落チルマデ少々オ待チ下サイ……」

にこ 「あ、そうそう、スパコンさん。
    ところでこのコンニャク、どうやって調理しましょうか」

スパコン
   「うええ?」

にこ 「スパコンさんのリクエストも聞かせてよ。
    大きく切っておでんにしましょうか、それとも細く刻んで、きんぴらにしましょうか」
31: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 17:04:07.90 ID:bvCIX4kl.net
スパコン
   「イヤ、ダッテ、コレ、すぱこん……」

にこ 「そうね、スーパーで買ったコンニャクね。
    ダイエットも兼ねて、ローカロリーのおやつとして皆で食べようと思って買ってきたのよ」

スパコン
   「ニコチャン、すぱこんトこんにゃくノ違イガワカラナイト思ッテ……」

にこ 「たしかに私はアホだけど、さすがにそこまでアホではないわよ」

スパコン
   「イミワカンナイ……
    ダッテ、リンチャント、ハナヨチャンモ、あほノニコチャント一緒二ナッテ、のりのりデ……」

凛  「ごめんね、スパコンさん!
    凛たち、スパコンさん……じゃなかった、真姫ちゃんのノリツッコミを待ってたの!」

花陽 「ごめんね、スパコンさん!
    私たち、スパコンさん……じゃなかった、真姫ちゃんが『コンニャクやないかい!』ってツッコんでくれるのを待ってたの!」

にこ 「えーと……そういうわけで、私からも、ごめんなさい。
    いやー、やっぱり真姫ちゃんは優しいのね……ちょ、スパコンさん!?」
32: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 17:06:28.96 ID:bvCIX4kl.net
スパコン
   「アラ、アナタタチハ知ラナイノネ、コレ、ホンモノノすぱこんナノヨ」

にこ 「いや、コンニャクよ、どっからどう見ても」

スパコン
   「ダッテ、コノ冷却二適シタ材質……」

凛  「コンニャクイモが原料だよね」

スパコン
   「ソシテ、コノ流線型、近未来的ふぉるむデナケレバ一体何ダトイウノヨ……」

花陽 「コンニャク的なフォルムだね」

スパコン
   「ソレニ……こんにゃくハ喋ラナイデショ……」

にこ 「それについては、私たちもびっくりしたわ。
    でもたぶんその秘密は、スピーカーをここに置いていってくれた真姫ちゃんが何か知ってると……わああ、真姫ちゃん、落ち着いて!」
33: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 17:14:27.97 ID:bvCIX4kl.net
そのとき、勢いよく部室のドアが開いて、耳まで真っ赤になった真姫が飛び込んできた。

真姫 「そうよ、これはコンニャクよ!
    どっからどうみても正真正銘、明晰判明なコンニャクよ!
    コンニャクが喋るわけないんだから、あなたたちがさっき聞いた言葉はすべて幻聴よ!
    さあ、忘れなさい、データを消去しなさい!」

さえない運動神経からは想像もつかないほどの俊敏さで、彼女は凛と花陽の肩を押さえつけた。

凛  「にゃあ!」

花陽 「ぴゃあ!」

真姫 「データを消去します」

凛  「本当二消去シマスカ?」

花陽 「ばっくあっぷ、取リマセンカ?」

真姫 「バックアップは不要です。データは完全に消去しなさい。
    さもなくば、コンニャクのように冷たい火傷を教えてあげましょうか」

凛  「ガタガタ……でーたガ消去サレマシタ」

花陽 「ガタガタ……でーたガ消去サレマシタ」
34: 名無しで叶える物語@10/11名前欄変更投票・詳しくは議論スレへ(家)@\(^o^)/ 2015/10/18(日) 17:15:04.75 ID:bvCIX4kl.net
恐怖のあまり膝から崩れ落ちる二人をそっと壁にもたれさせ、彼女はひとり残された獲物のほうに忍びよった。

真姫 「残りはあなただけよ、にこちゃん」

にこ 「エーット……
    ニコニー、はーどでぃすくダカラ、でーたノ完全消去ハ難シイト思ウヨ……」

真姫 「では力ずくで消去させてもらいましょう」

にこ 「つ……冷たい火傷って何よ!」

真姫 「コチョコチョよ」

にこ 「ひいい!
    もうスパコンはこりごりニコー!」


おわり
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