ことり「バースデーKiss」

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1: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:30:25.62 ID:6OV51FBe0.net
「いたぞ!ヤツだ!!」

「逃がすな!追え!!」

夜風を纏い、仮面で素顔を隠し、月を背に空を舞うその姿は、人の心に等しく焼き付いていく。
本日の獲物であるブルーダイヤ《蒼の神話》を手に微笑むその姿を見て、人々はこう呟く。


「あれが怪盗……エリーチカ」


エリーチカ「ふふっ…。今日もお仕事お疲れ様♪」バサッ


コウモリの様に空を飛び、鷹のように獲物を狙い、黒猫の様に闇に紛れる。
鮮やかなその様子は、まさに芸術と言える。


だが、そんな神出鬼没な彼女にも、ついに終わりの時が来た────。

元スレ: ことり「バースデーKiss」

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2: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:30:58.07 ID:6OV51FBe0.net
*


────ピピピ


絵里「ん……」パチッ

絵里「さて…時間ね」

絵里(今日の獲物は100年に1度しか公開されない伝説の宝石…必ず盗んでみせるわ)

絵里「さて早速指定の場所へ────」


────ピリリリ!ピリリリ!


絵里「きゃっ……け、携帯の電源切り忘れてた…」

絵里「って、穂乃果?……何の用かしら」ピッ
4: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:31:27.77 ID:6OV51FBe0.net
穂乃果『もしもし絵里ちゃん?今お仕事終わった頃かな?』

絵里「…えぇ、そうね。"今丁度終わったわ"」

穂乃果『良かったー!…いやーこんな時間に電話してゴメンね…穂乃果も最近忙しくってさー』

絵里「穂むらも景気良さそうでよかったわ。……それで、何か用?」

穂乃果『あっ…えっと……用って程の用じゃなくて。最近どうしてるかなーって…えへへ』

絵里「…ごめんなさい穂乃果。今疲れてるから、そういう話ならこっちからかけ直すわ」

絵里「だから、もう切るわね?」

穂乃果『あ!ま、待って!!じゃあ、これだけでも伝えなきゃ!』

絵里「何よ一体…そんなに慌てて……」

絵里「……え?それ、どういうこと?」
5: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:31:55.11 ID:6OV51FBe0.net
*


────コツコツ


絵里「……」


穂乃果『ことりちゃんを、日本で見かけたって。そういう噂を聞いたの』

穂乃果『でもおかしいよね?帰ってくるなんて全然聞いてなかったのに……』

穂乃果『何か、用事でもあったのかな…』


絵里(ことりが、日本に?)

絵里(一体…なぜ……)


────コツコツ…ピタッ


絵里(…考えても仕方ない。とにかく私は…)

絵里「いつも通り、盗みを遂行するだけよ」スッ

エリーチカ「待ってなさい…伝説の宝石!」



「……」タッ
6: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:32:22.13 ID:6OV51FBe0.net
*

エリーチカ「はぁ…はぁ……!」

エリーチカ(ま、まさかこの私が、ここまで相手の策略にハマるなんて……)

エリーチカ(一体…どういう────)


────ガシャン


エリーチカ「なっ……!こ、ここも行き止まり…!!」

エリーチカ「ならこっちから────」


────バスッ


エリーチカ「いたっ…!!な、何かが脚に……」

エリーチカ「これは……マカロン?」


「もう逃げられませんよ!怪盗エリーチカ!!」


エリーチカ(この声…!…そう、そうなのね...)

エリーチカ「…それは私を捕まえてから言いなさい!美人警察官さん!?」バサッ


「……っ!」タッ
7: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:32:48.49 ID:6OV51FBe0.net
エリーチカ「…はぁ……はぁ……」


────カツカツカツ


エリーチカ「な、なかなかやるじゃない」


────カツカツカツ


エリーチカ「私をここまで追い詰めたのは……あ、貴女が初めてよ」


────カツカツカツ


エリーチカ「やっぱり気心を知れた仲だと、私の行動はお見通しってわけ?」


────ガバッ


絵里「そうでしょう?……ことり」

ことり「……絵里、ちゃん」
8: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:33:15.71 ID:6OV51FBe0.net
絵里「まさか貴女に捕まるなんて、夢にも思ってなかったわ」

ことり「…どうして、どうしてこんなことしたの?」

ことり「絵里ちゃんは…絵里ちゃんは絶対こんなことしないって…思ってたのに……」

絵里「理由なんて、一つだけよ」

絵里「世界中に、私の実力を示したかった!私という存在を、この世に残したかった!!」

絵里「…どう?幻滅した?」

ことり「……怪盗エリーチカ、強盗の現行犯で逮捕です」ガチャ

絵里「…ふふっ、そうね。私の負けよ。さぁ、牢獄なり死刑台なりお好きな所へ────」



ことり「よいしょ、っと」ストン

絵里「……え?」
9: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:33:42.65 ID:6OV51FBe0.net
ことり「うん?どうかした?絵里ちゃん」

絵里「いや、ちょ、そこは私をカッコよくパトカーに連れていく所でしょ!?なに呑気に隣に腰掛けてるのよ!!」

ことり「うーん……だってことり、絵里ちゃんとお話したいし」

ことり「それに…今日は絵里ちゃんのお誕生日だもんね?」

絵里「た、誕生日……」

ことり「それともことりとお話するの…イヤ?」

絵里「……わかったわよ、好きにしなさい」

ことり「うんっ。ことりの好きにするね」

絵里(相変わらず読めないわねこの子は……)
10: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:34:09.23 ID:6OV51FBe0.net
ことり「……もうあれから10年かぁ」

絵里「10年…あっという間ね、ほんと」

ことり「……」
11: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:34:35.58 ID:6OV51FBe0.net
私は、絵里ちゃんのことが好きだった。
初めて会った時からの、一目惚れ。

その綺麗な横顔と、何事にも真剣な性格。
完璧という言葉がとても似合う。それが第一印象。

でも、μ'sとして付き合っていく内に、徐々に硬い仮面の裏も見せてくれるようになって。
涙もろい一面だったり、怖がりな一面だったり。全てが全て、絵里ちゃんをより輝やかせていて。

そんな絵里ちゃんに、私はもっと恋をしていました。


でも、
12: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:35:02.05 ID:6OV51FBe0.net
絵里『ことり!』

ことり『あ…絵里ちゃん、ご卒業おめでとう』

絵里『ありがとう。…ほんと、今日で音ノ木を離れちゃうなんて。今でも信じられないわ』

ことり『そっかぁ…そう、だよね……』


どんなに手を伸ばしても、絵里ちゃんは雲の上で。
必ず私は、置き去りにされてしまう。

その事実が、私をより苦しめる。
13: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:35:29.18 ID:6OV51FBe0.net
絵里『寂しくなるわね…会えなくなると』

ことり『…いつでも、遊びに来て欲しいな』

絵里『…そうね、みんなの邪魔にならない程度に遊びに来ようかしら』

ことり『約束、だよ?』

絵里『…えぇ、約束ね』


別れの時は、徐々に迫っていた。
私と絵里ちゃんを繋ぎとめるものが、消える。
欲しかったものが、目の前にあるのに。

私の手には、届かない。
14: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:35:56.81 ID:6OV51FBe0.net
絵里『…それじゃあ行くわね。』

ことり『……絵里ちゃん!!』

絵里『え?』

ことり『あ、あの……っ』


私は…絵里ちゃんのことが好きです
だから、離れないで
ずっと…私を貴女の隣に居させて……
15: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:36:23.55 ID:6OV51FBe0.net
ことり『…元気でね?』

絵里『…ことりもね。私達の後を、頼んだわよ』

ことり『……うん』


言えなかった。
それを言うのは酷だと思ったから。
絵里ちゃんにこれ以上、余計な心配を掛けたく無い。

そう、自分に言い訳してしまった────
16: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:36:50.02 ID:6OV51FBe0.net
ことり「…」

絵里「ことり?どうかした?」

ことり「う、ううん!何でもないよ!ただ、みんな離れ離れになっちゃったなぁ、って」

絵里「…そうね」

絵里「卒業して、みんな自分の夢を叶えようと色々な道に進んでる」

絵里「穂乃果や海未のように家業を継いだ子達もいれば、真姫やにこみたいに夢を叶えた子も、凛や花陽のように、今を一生懸命生きてる子もいる」

絵里「希は…よくわからないけどね」

ことり「世界各地を回ってるんだよね?」

絵里「そうね。世界のスピリチュアルをこの目で確かめたい!って、日本を飛び出してそれっきり……」

ことり「たまに届く絵葉書が、ことりはすっごく好きだよ。綺麗な海や山や動物さんたち……」

ことり「世界ってこんなに広いんだって、そう思えるから…」
17: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:37:17.13 ID:6OV51FBe0.net
絵里「……はぁ、それに比べて私ときたら」

ことり「どうして泥棒さんなんて始めたの?確か○×企業に就職が決まったって……」

絵里「…あれね、嘘だったの」

ことり「う、嘘?」

絵里「内定確実、とまで言われてたけど…面接の時アガっちゃってね?それで……」

ことり「ど、どうして相談してくれなかったの!?」

絵里「で、出来るわけないでしょう!?あれだけ大見得張って落ちましたーなんて…口が裂けても言えなかったわよ……」

ことり「じゃあ、今まで何をしていたの?」

絵里「とりあえず最初はバイトを掛け持ちしてたわ。所謂、フリーターってやつね」

絵里「朝から晩までこき使われて...貰えるのは雀の涙みたいな給料ばっかり」

絵里「家にもだんだん居づらくなるし、みんなには相談できないしで…凄く辛かった」

ことり「絵里ちゃん……」
19: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:50:03.08 ID:6OV51FBe0.net
絵里「そんな時だったの。ある日のバイト帰りに駅前で宝石ショーがあってね」

絵里「世界各地から集められた宝石が、屋外展示されてたの。凄く綺麗で…沢山の人が訪れてたわ」

ことり「駅前の…それって……!」

絵里「そう、私の初仕事の時ね」

絵里「確かに全ての宝石には厳重なセキュリティが付いていた。でもね、私には随分ザルに見えたわ」

絵里「あの角には監視カメラが無い…警備員の配置が甘い…ガラスケースの厚さが薄すぎる……」

絵里「その時かしらね。こう、ゾクッと体の底から衝動が込み上がってきたの」

絵里「時間がピタリと止まって。心臓の鼓動すら、遅く感じた。……そして、気が付いたら」

ことり「宝石を盗んでいたってことかな?」
20: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:50:30.84 ID:6OV51FBe0.net
絵里「…最初は罪悪感で死んでしまいそうだった。遂に私は、堕ちるところまで墜ちたんだって」

絵里「でもね……心の底には凄く充実感があった。満ち溢れた達成感が、私にはあった」

絵里「その時私は思い出したの。生きてるって、こういうことなんじゃないかなって」

絵里「バレエをしてた時も、μ'sの活動の時も…いつも私には満ち溢れた感情があった」

絵里「でもバイトをしてた時はそんなこと無かった……つまり、私は盗みをする事で息を吹き返したのよ」

絵里「…悪いことだとは、分かっていたけどね」
21: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:51:05.90 ID:6OV51FBe0.net
ことり「…でも、あの宝石は展示者の元に返されたよね?どうして?」

絵里「当たり前じゃない。私は盗んだ物には興味無いもの。あくまで、盗む事が好きなのよ」

ことり「だから今まで盗まれた物は、全部次の日の内に返されてたんだね」

絵里「えぇ。盗品を売り払うようなコネも無ければ、そんな気も持ち合わせていなかったから」

絵里「…そこからはもう毎日が輝いていたわ。盗みをする為には軍資金が必要でしょ?だから以前に増してバイトを増やした」

絵里「でもね、全然苦しくなんかないの。自分のやりたいことをやってる…自分は今、生を謳歌しているんだって……そう、思えたから」

ことり「…そして、今に至るってわけだね」
22: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:51:33.15 ID:6OV51FBe0.net
絵里「えぇ、ビックリしたわ。今回もかなり入念に下準備したつもりだったんだけど」

ことり「うん……でもね、絵里ちゃんならこんな時どうするかなって、そう考えたら…自然に」

絵里「…幾千の経験も、絆の前では無力なのかもしれないわね」

ことり「絆……もしかしたらそれだけじゃないかも知れないよ…」

絵里「?」

ことり「う、ううん!何でもない!何でもないちゅん!!///」ブンブン

絵里「そ、そう?……まぁよくわからないけど負けたものは変わりないものね」

ことり「ほっ……」
23: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:51:59.67 ID:6OV51FBe0.net
絵里「さて、私の話はおしまい。次はことりの番よ」

ことり「えぇー!?こ、ことりも!?」

絵里「当たり前じゃない。だってことりは確か、服飾の仕事をするためにパリにいたはずでしょ?」

絵里「それがなんで、日本で警察なんてしてるのよ」

ことり「えっと…ね、その。ことり、1度だけ希ちゃんに会ったんだ」

絵里「の、希に!?ど、どこで!?いつ!?」

ことり「三年前くらいに…パリの郊外の公園でね?……会いに来てくれたんだ」

絵里「えー…希ったら、私が手紙で会いましょって言ってる時は全然返してくれないクセに────」



ことり「その時にね、絵里ちゃんの事を知ったの」
24: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:52:27.34 ID:6OV51FBe0.net
絵里「…希は、私だって気付いてたのね?」

ことり「…凄いよね、世界中でニュースになってるのに、ことりも、穂乃果ちゃん達も…誰1人気づいてなかった」

ことり「それなのに希ちゃんだけは、いち早く絵里ちゃんだって突き止めてた」

絵里「…なんか言ってたかしら、私のこと」

ことり「……絵里ちゃんを助けてって、絵里ちゃんを救って欲しいって」

絵里「…はぁ。それで日本に?」

ことり「…最初は絵里ちゃんだって信じられなかった。絵里ちゃんがそんなことする筈無いって……」

ことり「でも、希ちゃんがあそこまで言うなんて何かあると思って……それで、確かめようと思ったの」

絵里「そしたら、本当に私だったってわけね」

ことり「あの時決断しててホントに良かったって…今ならそう思えるよ」
25: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:52:54.56 ID:6OV51FBe0.net
絵里「はぁー…。なんと言うか…私が言うのも何だけど、相変わらずお人好しね、ことりは」

ことり「そうかなぁ…でも、絵里ちゃんを助けられるなら…ことりは何でもするよ」

絵里「……ありがとう、と言うべきかしら」

ことり「ふふふっ、さて、どうでしょう?」

絵里「……ホント、何でこんなことになっちゃったのかしらね」ドサッ

絵里「……誕生日、ね。そういえばもう長年お祝いなんてしてなかったわ」

ことり「そうだったの?」

絵里「ろくに家にも帰ってなかったし…ずっと夢中で忙しかったから」

ことり「……じゃあ、今からやろう?」

絵里「…え?」

ことり「絵里ちゃんはここで待っててね…ことり、今からケーキを買ってきます!」タッ

絵里「あ、ちょ、ことり!?」

絵里「行っちゃった……あの子、自分が警察だってこと忘れてるんじゃないかしら?」
26: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:53:21.54 ID:6OV51FBe0.net
ことり「お待たせ~絵里ちゃん!買ってきたよ~」

ことり「コンビニのケーキでゴメンね…。でも、ちゃんとロウソクも付いてるよ~」

絵里「最近のコンビニって、何でも揃ってて便利よね」

ことり「それじゃさっそく……」
27: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:53:47.74 ID:6OV51FBe0.net
ことり「はっぴばーすでーとぅーゆー♪はっぴばーすでーとぅーゆー♪」

ことり「はっぴばーすでーでぃあ絵里ちゃん~」

ことり「はっぴばーすでーとぅーゆー♪」
28: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:54:14.15 ID:6OV51FBe0.net
絵里「ふーっ……」

ことり「わぁ~♪ちゃんと全部消えたね。おめでと~絵里ちゃん」

絵里「まぁ3本しか付いて無いものね……」

ことり「はい、絵里ちゃん。あ~ん?」

絵里「はいはい、あ~ん……。あら、なかなか美味しいわね、これ」

ことり「ホント?どれどれ……。うん、ホイップの甘さとスポンジの柔らかさが丁度いいね~」

絵里「ふふっ、ことりったらほっぺにクリームが付いてるわよ?」フキフキ

ことり「絵里ちゃんも付いてるよー?」フキフキ

絵里「……うふふっ」

ことり「……ふふっ」

ことえり「「あはははは!」」
29: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:54:46.77 ID:6OV51FBe0.net
絵里「やっぱりいいわね。誰かと一緒にいるって」

ことり「絵里ちゃん?」

絵里「久しく忘れてたわ、この感じ…。隣で誰かが笑ってくれることが、どれだけ幸せなことか……」

絵里「家族やμ'sのみんな。特に希と……ことり。そして私が盗みをしたことで迷惑を掛けた人達……」

絵里「みんなに…謝りたい……」グスッ

絵里「ごめんなさい…ことり、ホントにごめんなさい……っ」

絵里「私なんかのせいで…迷惑を……」

ことり「……ううん。いいの、絵里ちゃんがこうして戻ってきてくれたなら…それで」

絵里「…えぇ、決めたわ。ちゃんと私はやり直す。罪を償って、1からやり直すわ」

ことり「うん!その調子だよ、絵里ちゃん」
30: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:55:13.17 ID:6OV51FBe0.net
ことり「じゃあ、そんな絵里ちゃんにことりから誕生日プレゼントを贈呈ですっ」

ことり「こっち向いて?」

絵里「?」クルッ


「────」チュ


────ガチャ
31: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:55:42.87 ID:6OV51FBe0.net
絵里「!こ、ことり…これって……///」

ことり「…絵里ちゃんはね、まだ一つ。ずっと返し忘れてる物があるんだよ」

ことり「……ずっと、ずっと。出会った時からずっと……ことりは絵里ちゃんのことが好きでした」

ことり「みんなをまとめてくれる憧れのお姉さん…凄く綺麗で、凄くカッコイイその姿に…恋、してたの」

絵里「ことり…」

ことり「…待ってるから」

ことり「必ず、迎えに来てね?」

────

ことり「『約束、だよ?』」

────

絵里「!」

絵里「…えぇ、必ず」

絵里「約束、ね……」
32: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:56:09.28 ID:6OV51FBe0.net
ことり「うんっ!……それじゃあ、お話はこれでおしまい」

ことり「もう行かなくちゃ」スクッ

絵里「パリに戻るの?」

ことり「うん。絵里ちゃんが夢に向かって歩き出したなら、次はことりの番だから」

ことり「随分遠回りしちゃったけど…ちゃんと自分で納得のいく答えを出せてよかった」

絵里「…そう」

ことり「じゃあ、またね?怪盗さん?」

絵里「…えぇ、またね。警察さん」
33: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:56:35.89 ID:6OV51FBe0.net
*


その後。私はパリに戻り、服飾の勉強を再開しました。
戻った直後、怪盗エリーチカが自首したと大々的なニュースとなり、世間を賑わせたことは今でも覚えています。

大変重い罰を受ける筈でしたが、自首してきた事、盗んだ物は直ぐ返されていたこと。そして、絵里ちゃんの反省的な態度により情状酌量が認められたそうです。

それでも何年間かは社会貢献が必要だったみたいで、多くのセキュリティ会社へ意見交換に引っ張りだこ……そう、手紙で聞きました。

そして、時は事件から丁度2年後……
ある晴れた、公園での出来事です。
34: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:57:02.66 ID:6OV51FBe0.net
ことり(…今日もお日様が気持ちいいなぁ)

ことり(そういえば、希ちゃんにあったのもこんな天気の日だったかも)
35: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:57:29.47 ID:6OV51FBe0.net
────

ことり『はぁ、最近上手くいかないなぁ…』

ことり『どうしたら、いいんだろう』


『何かお悩みごとやん?マドモワゼル?』


ことり『あ、いえ…ちょっと考え事をしてただけで……っ』

ことり『……え?』

希『久しぶりっ!ことりちゃん』

ことり『の、ののの希ちゃん!?』ガタッ

ことり『ど、どうして…!せ、世界中を旅してるんじゃ…』

希『せやで?でも、ちょーっとことりちゃんに頼みたいことがあってな?』

希『だから、ここに寄ったんよ』

ことり『頼みたい…こと?』

希『実は────』

────
36: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:57:56.83 ID:6OV51FBe0.net
ことり(…凄くビックリしたなぁ)

ことり(絵里ちゃんが泥棒さんで、世界中で大騒ぎさせてて……)

ことり(…あ、そういえばこんなことも言ってたような……)
37: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:58:27.93 ID:6OV51FBe0.net
────

ことり『ねぇ、希ちゃん。どうしてことりなの?』

ことり『希ちゃんじゃ、ダメなの?』

ことり『ずっと仲良しで…絵里ちゃんのこと、凄くよく知ってる希ちゃんじゃ……っ』

希『…あのな?ことりちゃん。よー聞いてな?』

────


ことり「…どれだけ相手のことを知ってても、どれだけ付き合いが長くても」

希「恋する乙女のパワーには、適わないんよ?」
38: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:58:54.11 ID:6OV51FBe0.net
ことり「うんうんそれで────」

ことり「って、の、ののの希ちゃん!?」ガタッ

希「あはは、ことりちゃんは変わらへんなぁ」

ことり「び、びっくりしたよぉ…。突然話しかけてくるから」

希「まぁ、ちょっと急いで見せたいものがあってな?」

ことり「急いで…?」

希「ほら、あそこ」

ことり「え……?」
39: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:59:21.25 ID:6OV51FBe0.net
────バサッ


途端に。公園にいた鳩が一斉に空へ飛び、私の視界を白に染め上げました。
羽ばたく音と、飛行機の音。眩しい陽の光。

でも、ことりの思考を一番に奪ったのは、


絵里「……お待たせ、ことり」


目の前に立っていた1人の女性。
私がずっと手をこまねいていた、欲しかったもの。

私がずっと、待ち望んでいた人……


ことり「絵里ちゃん……!」
40: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 22:59:53.71 ID:6OV51FBe0.net
私は絵里ちゃんに向かって走り出し、力の限り抱きついて、確かめました。
絵里ちゃんがここにいること。私が、絵里ちゃんを抱きしめていること。

絵里ちゃんも、ことりを強く抱きしめ返してくれました。強く、強く。私の気持ちに答えるように。


絵里「ことり…ただいま」


私の涙を拭いながらそう、呟く絵里ちゃんに


ことり「おかえりなさい…!」

ことり「そして、お誕生日…おめでとう!!」


大好きな絵里ちゃんに、キスをしたのでした。



おしまい。
41: 名無しで叶える物語(雨が降り注ぐ世界)@\(^o^)/ (ワッチョイW 5474-xYT4) 2015/10/21(水) 23:00:20.80 ID:6OV51FBe0.net
ありがとうございました。

絵里ちゃんお誕生日おめでとう!
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『ことり「バースデーKiss」』へのコメント

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