真姫「あなたはずっとここにいた」

シェアする

真姫-アイキャッチ13
1: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 17:40:25.92 ID:FIuVLJHN0.net
ことり「マカロンがおにぎりに変わっちゃったの」

海未「…………はい?」

ことり「マカロンがおにぎりに変わっちゃったの」

絵里「ことりは何もおかしなことは言ってないわ。本当に私達が目を離した隙にマカロンがおにぎりに変わってしまったの」

海未「私が弓道場に行っている間に何があったというのですか」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)

元スレ: 真姫「あなたはずっとここにいた」

スポンサーリンク
3: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 17:43:03.18 ID:FIuVLJHN0.net
にこ「そうね、順を追って説明していくわ。あれは練習が始まる前の事なのだけど」


にこ『なんだか集まりが悪いわね。もうすぐ練習始まっちゃうじゃない』

真姫『しょうがないわよ。土曜の授業の後に急遽招集をかけたんだし』

凛『本当なら今日は休みだったはずだもん。いきなり練習しだすとか言い出したにこちゃんが悪いにゃー』

にこ『だ、だってしょうがないじゃない……最近いろいろあって練習不足だったし』

花陽『うん、ライブももう近いしね。今のままだと不安だから、私は練習ができて嬉しいかな』

希『えーと、今いないのは絵里ち、穂乃果ちゃん、海未ちゃんかぁ』
4: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 17:44:44.73 ID:FIuVLJHN0.net
希『絵里ちは先生に頼まれた用事が終わってから合流、海未ちゃんは弓道部の活動があるから練習は不参加やったね』

真姫『穂乃果は?』

ことり『穂乃果ちゃんはフリルを買いに行ってくれたんだ』

にこ『フリル?』

花陽『そういえばことりちゃん、部室で衣装づくりをしてたもんね』

ことり『うん、その時に、衣装に新しくフリルを付け加えようかなってなってなったとき、穂乃果ちゃんが買いに行ってくれるって』

にこ『あ、ことりには衣装づくりがあったわね、急な練習で邪魔しちゃった?』

ことり『ううん、もうあと少しで完成だから、気にしないで♪』

ガチャ

凛『あ! 穂乃果ちゃん来たみたい!』
5: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 17:46:32.55 ID:FIuVLJHN0.net
穂乃果『じゃーん!』

ことり『わぁ、穂乃果ちゃん、それ今人気の……』

穂乃果『うん! 駅前のお店のマカロンだよ!』

花陽『すごいよ、穂乃果ちゃん! それ限定で全然手に入らないって話題になってるんだよ!』

にこ『へぇ、気が利くじゃない。わざわざ買ってきてくれるなんて』


海未「穂乃果……またあなたはダイエットメニューを無視した買い食いを……!」

穂乃果「ち、違っ……話の続きを聞いて!」
6: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 17:48:29.31 ID:FIuVLJHN0.net
希『でもわざわざ買ってきてくれなくても、穂むらのお饅頭じゃ駄目だったの?」

穂乃果『あはは……じつはこれ穂乃果が買ってきたものじゃなくて、お店の人が差し入れでくれたんだ。今度のライブ頑張ってねって』

にこ『ああ、なるほどね』

花陽『わ、おっきなマカロン』

真姫『マカロン? 大きすぎてなんなのかわからなかったわ』

凛『じゃあ、早速食べようよ!』

花陽『だ、だめだよ……今は絵里ちゃんも海未ちゃんもいないし……折角だから皆で食べようよ』

凛『そ、そうだね。ごめん、凛うっかりしてた』

真姫『まぁ、凛が焦る気持ちもわからなくないけどね。今はお昼前の中途半端な時間でお腹もすいてるし』

希『絵里ちの用事は練習が始まる頃には終わるみたいやけど、海未ちゃんは今日は弓道部やからね。食べるのは帰る頃になるかな?』

穂乃果『うう……帰る頃かあ。あーあ、早く食べたいなあ』
8: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 17:50:59.25 ID:FIuVLJHN0.net
穂乃果『この“たっぷりバターを使って焼き上げ生クリームとチョコクリームをふんだんに盛り込んだ特製マカロン”』

花陽『見た目で何となくすごそうだなぁとは思ってたけど、名前を聞くとよりカロリーが怖くなってきちゃった……』

ことり『実際にすごいみたいだね。噂では一個当たり900kcalだとか……』


海未「900!? 穂乃果ぁ!」

穂乃果「うわぁーん! 食べてないのに怒られるなんて理不尽だよぉ!」

海未「それだけのカロリーを消費するのに一体どれだけの苦労が――!」

海未「……? 食べていない……? ならそのマカロンはどこにいったのですか」

にこ「だからさっきからいってるじゃない。今目の前にあるおにぎりに変わったのよ」
9: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 17:54:20.92 ID:FIuVLJHN0.net
海未「穂乃果がもらってきたマカロンがこのおにぎりに、ですか? うーん……」

真姫「信じられないのは私達も同じよ。ともかく話をつづけるわよ」


真姫『すごいカロリーね。また海未に怒られるんじゃない?』

穂乃果『大丈夫、大丈夫! たまには息抜きもしないと! それに何度も頼めば結局海未ちゃんは折れてくれるから!』


海未「……」ギロッ

穂乃果「ヒッ……さ、さっきから思ってたけど細かい会話の説明はいらなくない!?」

穂乃果「マカロンがおにぎりに変わった顛末だけ説明しようよ!」

真姫「それもそうね。このあとすぐに私たちは練習をしようってことになったの」

花陽「うん、マカロンは部室においたまま、練習着に着替えて屋上に向かって……」

凛「それで練習が終わって部室に帰ってきたら、マカロンが全部おにぎりに変わってたの!」
10: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 17:56:42.59 ID:FIuVLJHN0.net
海未「まさか魔法のようにマカロンが突如おにぎりに変化したとは考えられません」

海未「であれば、誰かがマカロンとおにぎりをすりかえたのでしょう」

絵里「それは無理ね」

海未「……? どういうことですか?」

絵里「部室には鍵がかかっていたからよ。そうよね?」

真姫「ええ、扉は勿論、窓もしっかりと施錠されていたわよ」

絵里「そして部室の鍵を持っていたにこはずっと屋上にいた。だから誰かがすり替えるということは無理なのよ」
11: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 17:59:04.98 ID:FIuVLJHN0.net
海未「そんな馬鹿な……」

希「確かにおかしな話やけど、実際に誰も触れないはずのマカロンが消えて、どこからかおにぎりがあらわれてるわけやからねぇ」

海未「……すみませんが、やはり会話や行動の詳細を聞いてもいいですか? きっとどこかにヒントが隠されているはずなんです」

希「おっ、名探偵海未ちゃんやん?」

凛「正解はひとつじゃないにゃー」

海未「茶化さないでください」
12: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:01:42.71 ID:FIuVLJHN0.net
ことり「えーと……マカロンは皆で集まってから食べようってことになって、それで皆で練習着に着替えて……」

海未「その時は絵里と私を除いたメンバーが部室にいたんですね?」

ことり「うん、そうだよ。それから先に着替え終わった穂乃果ちゃん、にこちゃん、希ちゃん、それから私が先に屋上へ向かったの」

海未「つまり部室には残ったのは……」

真姫「言っておくけど、残った私達が共謀してすり替えたとかじゃないからね」

希「ふぅーん? でもおにぎりとか花陽ちゃんを連想しちゃうし、案外……』

花陽「ピャア!?」

希「あはは、冗談やん。にこっちならともかく、μ'sでも一番ぴゅあぴゅあな一年生組がそんなことに加担するはずないもんね」

にこ「私ならともかくってどういうことよ……」

ことり「三人は私達からそう遅れることなく屋上に来たから、多分すり替えをする時間はなかったんじゃないかな……」

希「マカロンは隠すなりなんなり出来ても、おにぎりの準備がね。さすがの花陽ちゃんも九つもおにぎりは持ち歩いてへんし」
13: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:05:45.14 ID:FIuVLJHN0.net
凛『ふあぁ……お腹すいたにゃー……』

凛『マカロンはおいしそうだったし、どこからかいい匂いもただよってくるし、もうそろそろ限界だよー』

真姫『体を動している間は空腹も紛れるでしょ。花陽、鍵は?』

花陽『よし、と。うん、今かけ終えたよ』

真姫『じゃあ、行きましょうか。エリーは先生に何かを頼まれていたのよね? だったら職員室に鍵を預けたときに合流できるかもね』



花陽「部室に鍵をかけて、私達は通り道でもある職員室に向かったの。そして職員室の入り口にある鍵置き場に鍵を預けて……」

凛「その時、絵里ちゃんも職員室の中にいたのを見たよ。先生と話していたから声はかけなかったけど」

絵里「ああ、あの時の入室音はあなた達のものだったのね。部室の鍵が置いてあったからそうだと思ったのだけど」

海未「鍵はにこが持っていたはずでは?」

絵里「用事がすんで屋上に向かう時に、鍵を持って行ったのよ」

絵里「ほら、鍵はなくさないために職員室に預けることが多いけど、帰り際にまた職員室へ入室するのもちょっと煩わしいじゃない?」
14: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:08:52.71 ID:FIuVLJHN0.net
穂乃果「ハッ! わかった……犯人がわかったよ……!」

絵里「わ、私じゃないわよ」

穂乃果「えー、でも絵里ちゃんは一人で鍵を持ってた時間があるわけだし……その時にすり替えられたのかなって」

絵里「一人で鍵を持っていた時間があると言っても短い時間よ? だって私は花陽達の入室音の後、すぐに屋上へ向かったもの」

花陽「うん、そうだね。屋上についてすぐに絵里ちゃんも追いついたよ」

凛「マカロンを全部食べて、おにぎりを用意する時間があったとは思えないにゃー」

希「さっきの花陽ちゃん達のアリバイと同じやね」

絵里「そもそも私はその時点ではマカロンが部室にあった事を知らないのよ」
15: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:12:49.58 ID:FIuVLJHN0.net
海未「……練習着はどうしたんですか?」

絵里「え?」

海未「職員室から屋上へ直行したんでしょう?」

海未「まさか練習着で学校の用事をこなしていたとは思えませんし、制服のままダンスレッスンをしていたとも思えません」

絵里「あ、ああ。屋上で着替えたのよ。荷物の中に練習着があったから」

にこ「これは本当よ。だって着替えるところをみてたもの」

海未「……」

絵里「そう、その時ににこに部室の鍵を渡したのよね」
16: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:15:29.86 ID:FIuVLJHN0.net
凛『ううーん、良い匂いー、きっと料理研究部からだよねー。うんうん、もうそろそろお昼ご飯のじかんだしねー』

にこ『ちょっと、凛! 練習始めるわよ! もう、花陽、引っ張ってきて』

花陽『り、凛ちゃん、ダメだよ。練習もうはじま――はぁぁー……! お米の匂いー!』

にこ『ミイラとりがミイラになってどぉすんのよ!』



希「えーと、それから練習を始めて……大体20分ぐらいは皆ダンスレッスンに集中してたんよね」

ことり「その後はグループごとに分かれて、問題のある箇所を重点的に練習したんだよ」

海未「練習中は誰かがその場から抜けたりはしなかったのですか?」

にこ「何よさっきから。私達の事疑ってんの?」

海未「いえ、そういうわけでは……ただ考えうる可能性を消していけば最後には答えに辿り着く。今はその最中という事です」

にこ「なんだかはぐらかされたような……」
17: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:18:23.90 ID:FIuVLJHN0.net
にこ『ちょっと穂乃果、遅いじゃない。トイレにしても長すぎるわよ』

穂乃果『えへへ、ごめんね、トイレで一緒になった花陽ちゃんと、ちょっと話し込んじゃって』

花陽『ご、ごめんなさい……』



絵里「最初の20分は誰も抜けなかったわよ。でもその後のグループごとの練習では、何人か屋上から降りてたわね」

絵里「ただ誰がどれだけの時間を降りたかまでは……」

花陽「グループ分けもその時々で変わったし、途中で休憩も挟んだりしたし……」

海未「つまり誰でも部室へ向かうこと自体はできた、という事ですね」

にこ「ちょ、ちょっと! 私の事を忘れてるんじゃないわよ!」

にこ「言われてたでしょ、にこはずっと屋上にいたって」
18: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:20:35.87 ID:FIuVLJHN0.net
凛『お腹がすいて頭がくらくらしてきたよー』

絵里『ちょっと長引いてしまったわね。今海未から連絡もあったし、今日の練習は終わりにしましょうか』

穂乃果『よぉし! そうと決まれば早く部室に行こうよ! マカロンが待ってる!』

ことり『ま、待ってよー、穂乃果ちゃーん!』



希「そうやね、にこっちはほとんどの時間をウチと練習したし、ウチのいない間はえりちが一緒やったもんね」

海未「部室の鍵はにこがずっと持っていた。間違いありませんね?」

にこ「そうよ。鞄の中とかじゃなくてポケットにずっと入れてたもの。誰にも取ることはできなかったわ」

凛「はっ! さては誰かがこっそりとにこちゃんから鍵を掏ったのかも! だったらずっと一緒にいた希ちゃんが怪しいにゃあ!」

希「あはは、いくらなんでも気付かれないように鍵は取れへんなー。まぁ、こっそり背後に忍び寄ってワシワシするのは得意やけどねぇ!」

にこ「!? ちょ、なんで私にっ!? や、やめ……イヤァァァァァ!」
19: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:23:44.61 ID:FIuVLJHN0.net
花陽『あれ? 穂乃果ちゃん達は?』

絵里『先に部室に向かったわよ。よっぽどお腹がすいていたのね』

真姫『だったら私達も急いで向かいましょう。下手をしたら私達の分まで食べられかねないわ』

絵里『ふふ、そうね。急ぎましょうか』



にこ「うう……」

凛「ふあぁぁ……このおにぎりおいしいぃ」

花陽「うん、うん……!」

海未「!? ちょ、ちょっと待ってください! そんな怪しいおにぎりを食べるだなんて――」

真姫「一応調べたわよ。怪しい混入物や匂いはないから安心しなさい」

絵里「梅干しは入ってないのよね?」

海未「絵里! あなたまで!」

絵里「ご、ごめんなさい……私もお腹がすいてて……」
20: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:26:13.19 ID:FIuVLJHN0.net
穂乃果『にこちゃぁーん! 早く、早く!』

にこ『ちょっと落ち着きなさいよ。今開けるから』ガチャッ

ことり『あ……れ?』

穂乃果『え……!?』

花陽『あ、もう皆部室に入ってるみたいだね』

絵里『食べるのは皆がそろってからよー? ……ってどうしたの?』



穂乃果「はぁー、おにぎりおいしかったぁ」

希「良い塩加減やったね。具もあれば言う事なしやったんやけど」

花陽「いえいえ……! お米のおいしさが十二分に発揮されていました! むしろ下手に具を加えればお米のおいしさを阻害し――」

海未「まったく……誰が作ったものかわからないのですよ」

凛「そう言いながらも海未ちゃんも完食にゃー」

海未「う……」
21: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:29:27.06 ID:FIuVLJHN0.net
穂乃果『お、おにぎり!? あ、あれ? マカロンは!?』

ことり『マカロンがおにぎりに変わっちゃったの?』

絵里『そんな事があるわけないわ。誰かがマカロンとおにぎりをすり替えたのよ』

にこ『でも部室の鍵は私がもってたのよ』

穂乃果『うん、鍵も確かに締まってたし……』

絵里『なら窓から――』

真姫『今確認したけど、窓もしっかり施錠されていたわ』

希『え、じゃあ誰も外から部室に入ることはできへんかったって事? つまりこれは――』

絵里『密室殺人という事ね!』



海未「誰も死んでないでしょう」
22: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:31:47.04 ID:FIuVLJHN0.net
にこ「ともかくまぁ、今話したことが海未のいない間に起こった事よ」

凛「小さめだったからちょっと物足りないけど、おにぎり食べてお腹も落ち着いたかな」

穂乃果「ふあー……海未ちゃん犯人がわかったら起こしてね」

海未「穂乃果! 食べてすぐに寝ると牛になりますよ。それに犯人の目星はついたからもう起きてください」

ことり「え? もう犯人がわかっちゃったの?」

海未「あくまで目星ですが、私の予想が正しければ、思いの外簡単な事件だと思いますよ」
23: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:34:25.36 ID:FIuVLJHN0.net
海未「所謂今回の事件は密室が用いられているわけですが、この密室によって得をした人物は誰もいないんです」

ことり「得をした人物?」

穂乃果「どういう意味?」

海未「密室を仕掛けたからには相応の目的があるという事です」

希「そうやね、ミステリードラマなんかやと、鍵を持っている人物に疑いの目を向けるとか目的があるもんね」

絵里「他には中で被害者を自殺に見せかけたい場合とかもあるかしら。中から鍵がかけられ一見すると自殺のように見える死体、だから真犯人は容疑から逃れられる……」

海未「ええ、ですが鍵を持っていたにこの傍には常に誰かがいたため犯行は不可能。そして当然マカロンが自分の意志でおにぎりに変わることなどありえない」

にこ「なるほど、だから誰もこの密室で得をしていないってことね」

海未「おそらくこの密室は犯人にとっても想定外の事だったのでしょう」
24: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:36:47.92 ID:FIuVLJHN0.net
海未「真姫」

真姫「!」

凛「ええ!? 真姫ちゃんが犯人なの!?」

海未「二つ聞かせてください。事件の発覚後窓の施錠は貴女が確認したか、それからあなたは窓の施錠を確認した時にはにこが鍵を持っていたことを知らなかった。どうですか?」

凛「なーんだ、質問がしたかっただけかぁ」

真姫「……両方ともイエスよ」

海未「なら決まりですね。真姫、犯人は貴女です」

凛「うわぁ! やっぱり犯人だったにゃー!」
25: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:39:29.51 ID:FIuVLJHN0.net
絵里「それは鍵のかかった部室に入った方法もわかったということ?」

海未「いえ、最初から部室には鍵がかかっていなかったのです」

にこ「いやいや、ちゃんと鍵はかかってたわよ? 確かに私が鍵を開けたもの!」

穂乃果「そうだよ、穂乃果も一回鍵のかかったノブを回したし!」

希「……あ、窓!」

海未「はい、窓は鍵がかかっていなかったのでしょう。事件の発覚後、窓の施錠を一番に確認したのは真姫でしたよね?」

海未「その時にかかっていなかった窓の鍵を、確認のふりをして閉めたのではないでしょうか」

絵里「そ、それが本当だとしたら確かに簡単な話ね……」
26: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:41:59.23 ID:FIuVLJHN0.net
凛「じゃあ、本当に真姫ちゃんが……?」

海未「申し訳ありません、真姫。違うのなら違うと言ってください」

海未「そうすれば私は貴女の言葉を信じます。もう二度とあなたを疑うような真似はしません」

にこ「あ、あんたがやったの?」

真姫「……」

真姫「今のところはイエスともノーとも言わないわ」

花陽「ま、真姫ちゃん……?」

真姫「私からどちらかの答えを引き出したいのなら……このおにぎりの説明をしてくれる?」

真姫「仮に私が犯人だとしたら……わざわざ意味もなくおにぎりを作って放っておくなんて絶対にしやしない」

真姫「つまりこのおにぎりが存在することにはなんらかの理由がある。そうせざるを得なかった理由が」

真姫「私が犯人だと言うのなら、その理由も説明しなければならない。そうでしょ、探偵さん?」
27: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:44:35.66 ID:FIuVLJHN0.net
希「まぁ、確かに方法は分かっても理由の方はさっぱりやね。どうして真姫ちゃんがマカロンをおにぎりにすり替える必要があったのか」

凛「意味が解らないにゃあ。海未ちゃん、どうしてなのかわかるの?」

海未「ええ、勿論説明できますよ」

真姫「!」

海未「真姫はμ'sの活動に人一倍熱意をもって取り組んでいます」

海未「まぁ真姫は照れ屋ですから、なかなかその本心を露わにはしてくれませんが」

花陽「うん、真姫ちゃんは作曲もダンスも、お医者さんになるための勉強で忙しいのに毎日頑張ってるんだよ!」

真姫「ちょ、ちょっと……私が聞かせてほしいのはそんな話じゃなくて――!」

海未「そう、頑張っているからこそ、穂乃果の行動は看過できなかった」

真姫「……」
28: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:47:05.55 ID:FIuVLJHN0.net
穂乃果「ふぇ!?」

海未「また太ったでしょう?」

穂乃果「むぐっ」

海未「だからこそ私がダイエットメニューを組んだのではないですか」

海未「にもかかわらず、超高カロリーなマカロンを食べようとするその暴挙。真姫でなくとも憤るのは無理もないというものです」

穂乃果「そ、そのことが今回の事件にどう関係あるっていうの!?」

海未「ですから、あなたにマカロンを食べさせないために真姫はマカロンを始末したのです」

海未「これは私にも責任がありますが……一度勢いのついた穂乃果を止めることは誰にもできませんからね……」

海未「叱ろうと、説得しようと結局はマカロンを口に運ぶさまが目に浮かぶようです」

希「それに今回は差し入れやしねー。食べる『大義』みたいなもんがある分、余計に言って止まるもんじゃないやろうね」

穂乃果「うう……ごめんなさい……」シュン
29: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:50:16.18 ID:FIuVLJHN0.net
海未「さて、マカロンを始末しようとした真姫は予め部室の窓を開けたまま、屋上へ向かいました」

海未「そして休憩中に頃合いを見計らって部室へ向かい、窓から入室する……」

凛「それでいて、マカロンを全部一人で食べちゃったんだね!? ずるいよ、真姫ちゃん!」

海未「いえいえ、さすがに人数分の超カロリー食材を、一人で全部を食べるのは無理でしょう」

にこ「じゃあ全部捨てちゃった? ううん、さすがにそれはないわよね」

海未「ええ、ならば隠すか……それも最悪見つけられる可能性がありますからね。誰かに食べてもらうのが一番です」

海未「おそらく真姫は料理研究部へと向かったのでしょう」

海未「そして料理研究部の部員がいない隙を見計らい、こっそり差し入れとして置いておく。こんなところでしょうか?」
30: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:52:22.40 ID:FIuVLJHN0.net
花陽「そういえば料理研究部からはずっとお米の良い匂いがしていたけど、もしかしておにぎりって」

海未「はい、おそらく料理研究部で作られたものを失敬したのでしょうね」

絵里「ちょっと待って。おにぎりの出所はわかったけど、理由がわからないわ」

海未「多分計画的な物ではなく、その場で気付いたのではないかと思うのですが……真姫は穂乃果の暴食を防ぐためには一つ足りないものがある事に気付いたのです」

絵里「足りない物?」

海未「ええ、部室に帰った後、マカロンがなくなったことに気付いた穂乃果はどうすると思いますか?」

凛「きっと烈火の如く怒り狂うにゃー」

穂乃果「い、いやさすがにそれはない……とは言い切れないかも……」

ことり「ええと、怒って……それから着替えて、家に帰って……あ! 買い食い?」
31: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:54:34.36 ID:FIuVLJHN0.net
海未「はい、空腹のまま、それを癒すマカロンを失った穂乃果が帰宅途中に何がしかの買い食いをすることは想像に難くありません」

海未「売っていれば限定マカロンを、売り切れならば相応の物を、たとえ今マカロンを処理しても、また買っては意味がありませんから」

にこ「それでいてきっと家で昼食も食べるのよねー、全くもー」

穂乃果「そ、そこま暴走しないもん!」

海未「すみません。ですがここで問題なのはそうした最悪の事態を想像せざるを得なかったという事なのです」

絵里「そうか、だからこそ真姫はおにぎりを用意した。適度な量で穂乃果の空腹を和らげ、暴走を防ぐために」
32: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 18:58:05.21 ID:FIuVLJHN0.net
海未「ええ、マカロンを差し入れてくれた店の方や、おにぎりを盗まれることとなった料理研究部の生徒に心中で謝りながら――」

真姫「余計な想像は入れないで」

海未「失礼。ともかく真姫はマカロンを料理研究部に差し入れ、その場にあったおにぎりを拝借し、再び部室へと戻ったのです」

希「窓から入っておにぎりを置き、その後屋上で再び合流、そして事件が発覚してから鍵を施錠した……ということやね」

にこ「もう一個わからないことがあるんだけど」

海未「密室の事ですか?」

にこ「そうそう、さっき言ったじゃない。誰も得しないって。じゃあ、なんでその密室は作り上げられたのよ」
33: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 19:00:08.64 ID:FIuVLJHN0.net
海未「元々犯行は正体不明の『生徒』へと押し付ける気だったのでしょう」

海未「職員室から鍵を勝手に取り、それを使って犯行を行った、と」

海未「真姫は休憩中に部室付近で怪しい生徒を見たとでも証言するつもりだったのではないでしょうか」

海未「ところが絵里が鍵をにこに渡したため、この計画は狂う事となった。出入り口の鍵はずっと誰も使えない状況だったわけですから」

ことり「でも真姫ちゃんはにこちゃんが鍵を持っていることを知らなかった……」

海未「そうです、だからこそ真姫が窓を閉めたことで、歪な密室が誕生してしまったんです」

希「でもなんで真姫ちゃんは窓を閉めたん? 別に無理に施錠する必要はない気がするけど」

海未「この犯行が不審者の仕業である、と考えられる可能性を極力排除するためだと思います」
34: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 19:03:54.47 ID:FIuVLJHN0.net
海未「真姫の目的を思えばおにぎりは必ず食べてもらわなければならないわけですからね」

絵里「窓が開いていたのなら怪しい誰かが校外から侵入した疑惑が消しきれない、という事?」

絵里「職員室の入り口の鍵置場だったら、生徒は気にも留められないかもしれないけど、部外者なら必ず見咎められる」

絵里「生徒の誰かが取ったかもしれない、けれども誰かまでは気に留めていなかった、そして不審者は絶対に取れなかった、その状況を狙ったのね」

海未「そう、この犯行は学内の生徒がイタズラで行った犯行にしなければならなかったんです。だから生徒にしか行えない方法に限らせる必要があった」

海未「限定マカロン欲しさに盗み出した、しかし罪悪感から、せめて置き土産におにぎりを残しておいた」

海未「それが真姫の描く予定だったストーリーラインなのかもしれません」

にこ「んー、それでもまだにこは誰が作ったのかわからないおにぎりはちょっと怖いにこ☆」

凛「えー! にこちゃん、真っ先におにぎり食べてたよ!」

にこ「う、うるさいわね!」

希「ただまぁ警戒感が下がる事は下がるかもね。それがこの密室を生み出したわけやね」
35: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 19:08:02.68 ID:FIuVLJHN0.net
真姫「ふー……」

花陽「ま、真姫ちゃん……」

真姫「ええ、そうよ、わたしがやったの」

凛「お前には黙秘権があるにゃ」

海未「では……」

真姫「ええ、概ね海未の言った通りよ」

凛「無視しないでほしいにゃ……」

絵里「今回の事は真姫なりにμ'sの事を考えての事……そうとってもいいのよね?」

真姫「……黙秘権を行使させてもらうわ」

凛「……真姫ちゃん……!」←相手にしてもらえてうれしい
36: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 19:10:23.73 ID:FIuVLJHN0.net
穂乃果「……ごめんね、真姫ちゃん」

真姫「なんで穂乃果が謝るのよ。怒るのならいざ知らず」

穂乃果「だって穂乃果のせいで真姫ちゃんが! ちゃんとダイエットをしていれば……」

真姫「謝らないでよ。こんなことになっておいて言うのもなんだけど……穂乃果は頑張ってたと思うわ」

海未「まぁ……そうですね。食の方も随分切り詰めていたにもかかわらず、文句一つ言わずに励んでいたと思いますよ」

穂乃果「それでもごめん!」

真姫「ちょ、ちょっと……」

希「まぁ、差し入れてくれたお店の人や料理研究部の子らにはまた皆で謝りに行こか」

希「今日の所は真姫ちゃんがμ'sをすっごい愛してくれてた事でハッピーエンドやね」

花陽「うん、真姫ちゃんはμ'sのことも、μ'sの皆の事も大好きなんだよね……!」
37: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 19:11:58.89 ID:FIuVLJHN0.net
真姫「ちょ、ちょっと! ちゃんと怒りなさいよ! なんだか調子が狂うじゃない!」

ことり「ふふ、じゃあ今度真姫ちゃんにあの限定マカロンを御馳走してもらっちゃおうかな?」

穂乃果「ぃやったあ! やっぱりあのマカロンは食べたいもんね!」

海未「穂乃果! あなたはまだ懲りていないのですか!」

絵里「大丈夫よ、日程はライブ後にしましょう。それなら問題はないんじゃない?」

海未「そ、そういうことでしたら……私もその、少し気になりますし……」
38: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 19:14:34.75 ID:FIuVLJHN0.net
絵里「でも今度こんなことをしようと思ったら、ちゃんと私にも相談するのよ?」

海未「ええ、一人で抱え込まないで、みんなと話せば意外な解決策が見つかる事も――」

絵里「怪盗エリーチカならもっと上手に盗み出すから♪」

海未「盗みの方を助けてどうするんですか! ここは皆で力を合わせて正攻法で解決するという話で締めるべきでしょう!」

絵里「じょ、冗談よ……」

真姫「……そうね、多分すぐ相談させてもらう事になると思うわ」

海未「? いつでも遠慮なく言ってくださいね」

絵里「さ、少し長居しすぎたわ。そろそろ皆帰りましょうか」

凛「はーい!」

キャッ キャッ

真姫「……」
39: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 19:16:39.70 ID:FIuVLJHN0.net
ガチャ

真姫「……やっぱりまだここにいた」

真姫「……」

真姫「別にトリックを使って密室にしたわけじゃない……いや、そもそもここは密室ですらなかった」

真姫「隠れていたわけでもない、外から奇想天外な方法で入ったわけでもない」

真姫「あなたはずっとここにいた」
40: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイ 6949-c+Vo) 2015/10/25(日) 19:18:29.00 ID:FIuVLJHN0.net
真姫「あなたがやったのよね?」

真姫「勘違いしないでよ。別にあなたの罪を被ったわけじゃない。ちゃんと後であなたから皆にも話してもらうから」

真姫「ただ……なんて言うのか、その……あなたって大人数になるとすぐ存在感を消しちゃうじゃない」

真姫「だからとりあえず一対一で話を聞く必要があるのかなって」

真姫「……で、目的は何? 自分の存在を示したかったから?」

真姫「そうよね。鍋パーティーの時も、夏祭りの時も……あなたはすぐそばにいてくれたのに、私達はあなたを輪の中に加えられなかった」

真姫「……別にあなたの事を無視してたわけじゃないわよ。私も、そして勿論μ'sの皆もあなたの事は大切に思ってるんだから」

真姫「……でもさっきも言ったけど、あなたって二人きりの時ならともかく、大人数になると突然気配を消しちゃうのよね……」

真姫「そりゃあ私も悪かったとは思うわ。でもあなたももっと自分の存在を主張してくれてもいいんじゃない?」

真姫「私だって、あなたも加えて皆とおしゃべりしたいし……って何言わせるのよ!」

真姫「……でも自分の存在を主張したいだけだったらおにぎりの必要はないし、やっぱり海未の言った通りの目的で……?」 

真姫「ああもう、やっぱり海未みたいにパッと答えは出せないわね」

真姫「それより早くみんなに謝らないと。私も弁解ぐらいしてあげるから」

真姫「その代わりマカロンに加えてクレープもおごってよね。それぐらいはいいでしょう?」

真姫「さ、行きましょう」

スクフェスちゃん「……」コクリ


おわり
スポンサーリンク

シェアする

フォローする

『真姫「あなたはずっとここにいた」』へのコメント

コメントの投稿には初回のみDisqusへのアカウント登録が必要です。Disqusの登録、利用方法を参考に登録をお願いします。
表示の不具合、カテゴリーに関する事等はSS!ラブライブ!Disqusチャンネルにてご報告下さい。