花陽「フォーマルハウト」

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凛-アイキャッチ26
1: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:03:11.03 ID:40fyHuSQ0.net
凛ちゃんお誕生日おめでとう
花陽ちゃんと真姫ちゃんが凛ちゃんのお誕生日をお祝いするSS、短編です

※地の文あり、花陽ちゃん視点
※凛ちゃんは超絶美少女とだと思うんです

以上よろしければこのままお進みください

元スレ: 花陽「フォーマルハウト」

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2: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:04:39.51 ID:40fyHuSQ0.net
 ハロウィンの喧騒がまだ止まない街並をすり抜けて、イベントを終えた私たちは家路をゆっくり歩いた。

 私も、凛ちゃんも、真姫ちゃんも。さっきまでの高揚感がふわふわと頭の中を巡っていて、
まるでお風呂上がりみたいな顔で、さっきまでの高鳴りが嘘みたいに静まり返ったいつもの帰り道をきょろきょろと忙しない。

「なーんか、さっきまでが嘘みたいだねっ。しーんとしてて、なんだか寂しくなるにゃ」

「確かにそうだね。だけどね、しーんとした中にずっと音が
鳴り響いてるような感じもするの。お祭りの音が、遠くに聞こえるみたいに」

「私も、そうね。私たちの歌が街じゅうに鳴り響いてるあの感じって、そうそう忘れられないもの」
3: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:06:24.85 ID:40fyHuSQ0.net
 ひっそりとした夜の空気に合わせて、私たちはひそひそと話した。真上に浮かぶ星のない夜空も、
アスファルトを踏みしめる音も、鈴虫の鳴く声も。ひっそりかんと耳を澄まして夜がゆっくりと深くなっていく。

 私たちは凛ちゃんを真ん中に三人で手をつないでいて、そこに籠る熱だけが私たちを確かにつないで、
しんしんと足元からこみ上げる寒さに負けないようにと、何度もぎゅっと握り直した。

「ん? かよちん、寒いの?」

 と私のほうを向いた凛ちゃんは、にっこり笑ってくすぐったそうだったけれど、私には少し眩しくて。
「えへへ……少し」とうつむきながら答えるだけで精一杯だった。

「かよちんは可愛いにゃあ。凛はそんなかよちんも好きだよ? あっ、でもね、さっきからかよちんとおんなじくらい
ぎゅーって手を繋いでくれてる、真姫ちゃんの事ももちろん大好きだからね?」
4: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:07:52.65 ID:40fyHuSQ0.net
 その言葉に向こう側の真姫ちゃんは、繋いだ手のひらの温度に火傷でもしてしまったかのように、

「うぇぇ⁉︎ 何よ! そんな強く繋いでないでしょ!」

 とあたふたした後、ぷいと背を向けてみせる。私と凛ちゃんは「うふふ」と笑いあって
真姫ちゃんを挟み込むように寄り添うと、空いた両手をそれぞれの手のひらで包み込む。

「じゃあ次は、真姫ちゃんが真ん中ね! これで真姫ちゃんのお家までレッツゴーにゃ」

「うふふ。真姫ちゃんの手、少し冷たいね。あっためようね」

「んもう! 何よあなたたち……べ、別に寒くなんかないし、恥ずかしいわよ……」

「あーっ。そっかぁ、真姫ちゃんは照れ屋さんだから凛とかよちんにくっつかれるの恥ずかしいんでしょー?」

「んなっ⁉︎ そんなわけないでしょ! いいわよ、それじゃあ家に着くまで私の両手を温めててもらおうかしら」

「わーい! そしたら、早く行くにゃー!」

「ちょっと! 引っ張らないで!」

「り、凛ちゃん待ってー!」
5: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:09:03.53 ID:40fyHuSQ0.net
 真姫ちゃんのお家はいつ見ても大きくて、ずっと見上げていると肩が凝ってしまいそう。
私がぼんやりとそんな事を思っていると「花陽ー? 早く来なさいよ」って真姫ちゃんの声と、
「かよちーん、風邪ひいちゃうよー」という凛ちゃんの声にはっと我に返って、慌てて走り出した。

 今日はうちに来ない? とイベントの後に私と凛ちゃんを誘ってくれたのは真姫ちゃんだった。
みんなハロウィンイベントの成功で昂った気持ちのやり場に困っているようで、絵里ちゃん、希ちゃん、にこちゃん。
穂乃果ちゃん、海未ちゃん、ことりちゃんがそれぞれ三人でお泊まりするという話を遠目に見ていた凛ちゃんが
「凛もかよちんのお家行きたいなー」と私に話していた頃だった。

 照れくさそうな顔に左手で髪をくる、くると落ち着かない様子で、私たちを誘う真姫ちゃんはなんだかとても可愛くて、
私と凛ちゃんは二つ返事で応えると真姫ちゃんは照れくさそうなその顔をまるでトマトみたいに真っ赤にしていた。
6: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:10:42.85 ID:40fyHuSQ0.net
「真姫ちゃん、少しおっぱい大きくなった?」

「なっ⁉︎ どこ見てんのよ! そ、そんな事ないわよ……」

「えーっ、そうかにゃー。なんか前にお泊まりした時よりもおっきくなった気がする……良いなぁ……」

「り、凛ちゃん。凛ちゃんだって、きっとそのうち、ね?」

「んーっ。かよちんに言われるとなんだか嫌味にゃあ……」

 あれから私たちは真姫ちゃんのお部屋でご飯(真姫ちゃんが作ってくれたトマトソースのリゾット、
とっても美味しかった)をいただいた後、今日のイベントの事だとか、この前の中間テストの話だとか、
最近ことりちゃんがアルパカさんと仲良しなんだよ、なんて話をしているうちに時間は夜の十時。
「そろそろ、お風呂入らなきゃね」と言う真姫ちゃんは「今日は寒いし、三人でお風呂入りたいにゃー」と
甘える凛ちゃんに押されて、今こうして三人でお風呂、というところだった。

 順番に体を洗って、今は真姫ちゃんが髪を撫でるようにゆっくりとトリートメントしていて、
湯船には私と凛ちゃんが浸かる。あったかいお湯に手を遊ばせるようにしながら、んーっと寒さにこわばった身体を緩めた。
7: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:11:58.05 ID:40fyHuSQ0.net
「真姫ちゃんもかよちんも、女の子らしいけど……やっぱり凛は女の子らしくないなぁ」

 ラベンダーの入浴剤で、ほんのり紫に色づいた湯槽を両手で掬いながら凛ちゃんはぽつりと呟いた。
伏し目がちに揺れる瞳、熱に色づく首筋、細く頼りない左肩。短く切られた後ろ髪からしたたる雫に濡れるうなじ――
私には憂鬱に呟くそんな凛ちゃんに思わず息を飲んだ。けれどそんな何処からどう見ても美しい少女の
凛ちゃん自身は追いかける女の子らしさを上手く掴めずに、こうして落ち込んだりする。

 私は、もったいない――とさえ思った。こんなに可愛くてしなやかで、
それでいて消え入りそうな弱さを抱える脆さが、綺麗じゃないわけないのに、と。

 それと同時に、それを上手く伝えられる言葉見つからないのがたまらなく悔しかった。
私は凛ちゃんの言葉にたまらず「そんな事ないよ! 凛ちゃんはね、最高に可愛いの!」と鼻息を荒くしたけれど、
凛ちゃんは弱く微笑むだけで、上手く伝わらないもどかしさだけがすくい上げた手のひらから零れていった。
8: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:13:51.37 ID:40fyHuSQ0.net
「凛、花陽。私も入って良いかしら?」

 私たちが湯槽で次の言葉を探していると、身体を洗い終わった真姫ちゃんがすぐそばに立っていた。
真姫ちゃんは私たちの答えを聞く前にゆっくりと凛ちゃんの右隣へ浸かると、ゆっくりと身体を緩めて浴槽の縁へもたれかかった。

「あのね、凛。さっきその、む、胸の事を花陽に言われて嫌味だなぁって言ってたでしょ?
私たちからするとね、凛の今の言葉もある意味嫌味よ? あなたほどの美少女、なかなか……うん、いないもの」

「真姫ちゃん……?」

「だから! いつもの元気いっぱいな凛も、今みたいにちょっとくよくよしてる凛も、
どっちもびっくりするくらい可愛いの! さっきの花陽だって何もあなたの事を可愛いと思ってないから
あんまり何も言えなかったんじゃなくて、たまにね……凛ってこっちが息を飲んじゃうような綺麗な顔するのよ……
そんな時ってね、何も言えなくなるものよ? そうでしょ、花陽」
9: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:15:35.07 ID:40fyHuSQ0.net
 真姫ちゃんは息継ぎもせずに、まっすぐ凛ちゃんと私を見つめて言い放つ。凛ちゃんはその瞳から
目が離せないようでじっと聞き入っていた。私は真姫ちゃんの問いかけに、
「そうだよ、凛ちゃんはずっとね、私にとっての一番星なの。それに最近はね、可愛いだけじゃなくて、
綺麗だなって、そう思うんだよ」と、湯槽に長く触れていない凛ちゃんの左肩を温めるように手のひらのお湯で撫でた後、
ゆっくりと抱きしめる。突然の温かさに少し肩を震わせた凛ちゃんは、やがて抱きしめた私の両手に手のひらを重ねて――

「ありがとう……真姫ちゃん、かよちん」

 小さな声で、そう呟いた。

 もういい加減上がるわよ、のぼせちゃうわ。と真姫ちゃんが湯槽から立ち上がったのはそれからすぐの事だった。
私と凛ちゃんもそれに続くようにその背中を追う。

 だけどね真姫ちゃん、私見ちゃったよ。

 私たちに背中を向ける前――とても照れくさそうに、微笑んでいたのを。
10: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:16:50.72 ID:40fyHuSQ0.net
 部屋に戻るとそこには三組の敷布団が敷かれていた。私が「あれ、真姫ちゃんベッド使わないの?」と何気なく言うと、
「な、何よ! 良いじゃない、たまには……」と次第に消え入るような声でそう呟いた。
私と凛ちゃんはなんだかたまらなく嬉しくなって、特に凛ちゃんは
「にゃあーん、良いよっ! 凛も三人で寝たいなーって思ってたのっ」と溢れる喜びで真姫ちゃんをぎゅうっと抱きしめた。

「ちょっと! 暑いってば! 離れなさいよー!」

「だめー、今日は真姫ちゃんもかよちんもぜーったいに離さないもんね! ほら、かよちんもおいでー」

「きゃっ、凛ちゃんってばぁ……」

 私たちはそうして、三人四脚みたいにくっつきながら、並んで敷かれた布団に潜り込んだ。
凛ちゃんを真ん中に、両隣に私と真姫ちゃんが寄り添って、三枚敷かれた布団の真ん中でぎゅうっと身体を寄せ合った。

 しばらくそのまま話しているうちに、時間は夜零時少し前。
はしゃぎ過ぎて少しだけ眠くなったのか、大人しい凛ちゃんを挟んで私と真姫ちゃんは目で合図する。

 それは今夜一番の、大イベントへの合図だった。
11: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:18:15.69 ID:40fyHuSQ0.net
「さ、それじゃそろそろ電気消すわよ。凛は? 起きてるの?」

「んむぅ……ちょっとうとうとしてたよ。ごめんね」

「いいんだよ、凛ちゃん。そのままで良いから、少しだけ上を向いててくれる?」

「ん? 上? これで良い?」

 凛ちゃんは口まで覆った羽毛布団から少しだけ身体をよじって、私の声に応じて天井を見つめるような形になった。

 私は良いよ、の合図の代わりに凛ちゃんの左手に右手を重ねると、凛ちゃんは柔らかく握り返す。

「ん? 何々、どうしたのかよちん」

「んーん。なんでもないよ、凛ちゃん。すぐにね、わかるから。ね、真姫ちゃん」

「ええ、準備良いわよ。私もすぐ行くわ」

 そう言って部屋の灯りを落とした真姫ちゃんは、かちゃかちゃと何かをいじった後、
真っ暗になった部屋をゆっくり歩いて元いた布団に潜り込む。
それから凛ちゃんの右手に左の手を重ねて、私たちと同じように、天井を見つめた。
12: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:19:38.45 ID:40fyHuSQ0.net
「あっ、二人とも、今日は凛と手をつないで寝てくれるの? うれしいにゃあ」

「うふふ、凛ちゃん」

「それだけじゃ、ないわよ」

 暗闇の中で声を弾ませる凛ちゃんに私と真姫ちゃんは応える。私は握りしめた温もりが消えてしまわないように
手を握り、真姫ちゃんは空いた右手で隠し持っていたリモコンに手を伸ばして――

 ピッ、と小さく鳴った音、そして、次の瞬間だった。
13: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:20:36.86 ID:40fyHuSQ0.net
「――! わぁ……何これ……綺麗……」

「すごい……」

 真っ暗闇の天井に、突然――満天の星空が広がった。

 大きく照らす光と、小さな光の粒が天井から溢れて壁の方まで埋め尽くす――それはプラネタリウムだった。

 凛ちゃんは見惚れるようにため息をついて、いっぱいに開いた両目は星空の灯りにきらきらと輝いていた。

 私と真姫ちゃんはその様子に微笑み、優しい光が注ぐ部屋でもう一度目で合図して、
それぞれに深呼吸をした後、星空に吸い込まれそうな凛ちゃんを呼び止めるように目配せをした。

 時刻は午前零時。十一月一日の、午前零時。

「凛」

「凛ちゃん」

「お誕生日、おめでとう」

 私たちが声を重ねると、凛ちゃんは暗がりの中を驚いたように私たちの顔へ視線をきょろきょろと行ったり来たりさせる。
14: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:21:39.79 ID:40fyHuSQ0.net
「えっ……かよちん、真姫ちゃん……覚えててくれたの……?」

「当たり前じゃない。その為に二人で今日のこと計画したんだから」

「ふふ、驚いた? 凛ちゃん」

 凛ちゃんは満天の星空の下で呆気に取られた様子で私たちに尋ねた。
私と真姫ちゃんはふふ、と少し意地悪なくらいに微笑んで見せる。

「うん……びっくりした。二人とも全然そんな風に見えなかったから……忘れちゃってるのかな……って」

「そんなわけないよ凛ちゃん! 私たちが凛ちゃんのお誕生日を忘れるなんて……そんなこと絶対にない!」

 私は思わず大きな声を出してしまっていて、凛ちゃんも真姫ちゃんも
そんな私の様子に驚きながら、きょとんとして私を見つめた。
15: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:22:43.65 ID:40fyHuSQ0.net
「あっ……えっと……ごめんね? だけどね、大切な人のお誕生日だもん、忘れるわけないよ」

「かよちん……」

「そうね、花陽ったら一ヶ月も前から凛のお誕生日の事考えてたんだから。私? 私は花陽に言われるまで……」

「ううん、真姫ちゃんもね、ちゃんと覚えてたよ。それにね、こうしてお部屋でプラネタリウムをしてお祝いしようって
提案してくれたのは、真姫ちゃんなんだ。凛ちゃんが生まれた日の星空を見せてあげたいって」

「んもう! 花陽! それは言わないでって言ったでしょ」

「真姫ちゃん……真姫ちゃん真姫ちゃん真姫ちゃーん!」

「ちょっ⁉︎ 痛い痛い! 急に抱き寄せないで!」

 お部屋の天井から溢れるほどの星空の下ではしゃぐ凛ちゃんと真姫ちゃん、
私は浮かぶ笑顔を抑えきれずに凛ちゃんの背中を捕まえて――私たちはまた、寄り添いあった。
16: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:24:14.43 ID:40fyHuSQ0.net
 それからは真姫ちゃんが天井に浮かぶ星について一つ一つなぞるように話すと、
私たちはで天井に浮かぶ星座と星座を歩く旅人になる。

 一番星のフォーマルハウトから大三角を渡って、秋の四辺形を横目に見ながら、カシオペアでひと休み。
それから北極星へ手を伸ばして、カペラの紅色を目指す。アンドロメダ大銀河を渡ったら、
デネブカイトスに手を伸ばして――そんな風に、私たちは凛ちゃんが生まれた日の夜空を散歩した。

「かよちん、真姫ちゃん。ほんとに、ほんとにありがとう。凛ね、今すごく嬉しくて胸いっぱいにゃ」

 そうしてしばらく星の海を散歩した後、寄り添って横たわる
羽毛布団の中で凛ちゃんは私たちにだけ聞こえる声でそう囁いた。

 私と真姫ちゃんは喜んでもらえて良かった――そんな想いで目配せすると、
凛ちゃんと繋いでいたそれぞれの手のひらをもう一度握り返す。
やがて訪れる微睡みが私たち三人をひとつに包み込むと、凛ちゃんは閉じた目蓋に星の灯りを映して、
私たちの温度を確かめるようにしながら、ゆっくりと口を開いた。
17: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:25:22.73 ID:40fyHuSQ0.net
「あのね、凛ね、二人にひとつだけお願いがあるんだ。今日はね……かよちんと真姫ちゃんに抱っこされて寝たいな……」

 私と真姫ちゃんはその声に応えるように身体を寄せ合うと、細い肩を壊してしまわないように両側から抱きしめる。
すると目蓋を落とした凛ちゃんは夢を見ているかのように微笑んで、「えへへ……あったかいにゃあ……」と呟いた。

「おやすみ、凛ちゃん」

「おやすみなさい、凛」

 それぞれの目蓋が落ちて、抱きしめ合ったまま私たちは夢を見る。

 三人分の温もりと、目蓋の向こうに照らす星の海に包まれて、やがて夜明けが朝を連れてくるまで。

 おやすみ、凛ちゃん。お誕生日おめでとう。

 おやすみ、真姫ちゃん。今日はありがとう。

 続きは、夢の中で。
18: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ (ワッチョイW 69d8-YKLR) 2015/11/01(日) 00:27:42.23 ID:40fyHuSQ0.net
以上でございます。
かよちんにとっての凛ちゃんは、きっと秋の空に輝く一番星なんですね

改めて凛ちゃんお誕生日おめでとう
それでは、またどこかで
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