真姫「私は誰なんだろう……。」

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真姫-アイキャッチ24
1: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ (ワッチョイ a221-Qo7M) 2015/11/02(月) 22:30:59.04 ID:MKKdQHdl0.net
地の文注意。短編です。

元スレ: 真姫「私は誰なんだろう……。」

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2: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ (ワッチョイ a221-Qo7M) 2015/11/02(月) 22:32:13.31 ID:MKKdQHdl0.net
最近、私はそんなことを考えるようになっていた。
理由は簡単。
μ'sの解散だ。

そして、3年生は卒業し……次は2年生が卒業。
賑やかだったアイドル研究部も今やあの頃とは変わってしまった。
唯一変わらないもの、それは親友の凛と花陽だけだ。

二人だけはいつも笑顔でいてくれる。
二人だけは私の側にいてくれる。
……そう思っていた。

だけど、それは違った……。
4: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ (ワッチョイ a221-Qo7M) 2015/11/02(月) 22:36:37.08 ID:MKKdQHdl0.net
遂に行われた私達の卒業式。
式では「愛してるばんざーい!」を全校生徒が歌うようになっていた。
まあ、音ノ木坂の卒業ソングみたいになっちゃった。

隣では花陽と凛が声を小さくしながら泣いているのがわかる……。
湿っぽい空気は嫌い。
3年生と2年生を送った時で十分。

十分のはずなのに……やっぱり、涙は出るのね……。

卒業式の後、私は花陽と凛に聞いてしまった。

「あなた達はどこの大学を受けるの?」

それは聞いてはダメな事だったのかも知れない。
でも、後で必ず分かる事。
わかっていた。

わかってたはず……。
6: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ (ワッチョイ a221-Qo7M) 2015/11/02(月) 22:43:30.44 ID:MKKdQHdl0.net
「ご、ごめんね……真姫ちゃん……花陽と凛ちゃんは別の大学を受けることにしたの」

「うん……、まあにこちゃんが入れたくらいだから凛たちも入れるよ」

「そ、そう……頑張ってね」

私はそれだけ言うと二人の前から急いで離れた。
今の私を見られたくなかったからだ。
感情的で、自分の思い通りにならなかった事によるイラつき。

そんな自分を二人に見られたくなかった。
ある程度走った後、自分が音ノ木坂の校門を抜けてしまっていたことに気づく。
……だけど、戻れない。

二人に合わせる顔が今の私には無い。
こういうときにあの笑顔の呪文を言える人がいてくれたら嬉しいんだけどね……。
笑顔でいれば強くなれる。

でも、今の私には無理。
笑顔にはなれない。
そんな私は堂々とμ'sの西木野真姫と誇らしげに言えるのだろうか。
7: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ (ワッチョイ a221-Qo7M) 2015/11/02(月) 22:51:28.87 ID:MKKdQHdl0.net
そんな時、ポケットの携帯が震える。
どうやら花陽と凛からだ。

「大丈夫?ごめんね……」

花陽はそれだけ……優しい子ね。

「真姫ちゃん、後で凛がラーメン奢って上げるからそれで元気だして!(>ω<)ノ」

凛は……そうね、後でラーメンでも奢ってもらいましょ。

私はそこで始めてフフッと笑うことができた。
心の底からでた小さな笑顔。
でも……でも、それだけじゃ足りない。

あの頃の私はどうしてたの?

……わからない。
笑ってられたのかしら……。
それとも他の人に合わせてただけ?
9: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ (ワッチョイ a221-Qo7M) 2015/11/02(月) 23:00:48.79 ID:MKKdQHdl0.net
違う。
私は笑ってた。
他の人に合わせることなく私の意志で。

他の人……。
そうか、私の笑えない理由。
それは、一人になるからだ。

エリー、希、にこちゃんが私の前から離れて。
海未、ことり、そしてμ'sのリーダーの穂乃果が離れた。
次は大学に行くため、花陽と凛と別れてしまう……。

私の周りにいるμ'sはなくなってしまう……。
これからいく医大にはアイドル研究部なんて怪しい部室はないだろうし。
完全に私はμ'sの存在とは孤立する。

それを考えるとどれだけ胸が締め付けられるか……。
今にも口から何かが出てきそうになる……実際はでないけど。

考えてみればいい機会よね。
μ'sを卒業して私は真姫という一人の人物になるのだ。
それで十分でしょ?

十分……。
十分なわけないでしょ……。
10: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ (ワッチョイ a221-Qo7M) 2015/11/02(月) 23:11:30.06 ID:MKKdQHdl0.net
「やだ……もう……誰もいなくならないで……」

私の思いはどうやら口から出てきてしまったようだ……。
次第に頬には暖かい物が流れ落ち。
胸はきつく締め付けられる。

「うっ……ひっぐぅ……」

私はμ'sが好きだ。
だから、いなくならないで。
私の前から消えないで。

「私を……私を一人にしないで!!」

私が空に向かって大声で叫ぶと、背後から私を何かが包んだ。
暖かく、そして何よりも……。
懐かしい。
11: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ (ワッチョイ a221-Qo7M) 2015/11/02(月) 23:20:52.85 ID:MKKdQHdl0.net
ああ、思いが通じたのかな?
私は目の前で抱きしめるように組まれてる手にそっと手を置いた。
涙がばれないように正面を向いたまま。

「……何してるのよ」

「フフッ、真姫ちゃんが言える台詞じゃないよね?」

ああ、やっぱり懐かしい。

「何よ……どういうこと」

「花陽ちゃんと凛ちゃん心配してたよ?早く戻らないと!」

本当、あなたが来ると調子狂うわね。
でも、それが今一番欲しかったのかもしれない。

「行こう、真姫ちゃん!皆、音ノ木坂で待ってるよ!!」ニッコリ

私はここで初めてその人物を見上げる。
あなたはどうしてそんなに眩しいの?
μ'sが無くなった今でも、あなたは眩しいのね。

そして、私は迷わずその差し出された手を握り。
笑顔で母校に戻っていった。
私今、笑えてるよね?
13: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ (ワッチョイ a221-Qo7M) 2015/11/02(月) 23:32:18.18 ID:MKKdQHdl0.net
彼女に手を引かれ私は母校に戻ってきた。
そこには見た目は少し変わってしまっていたがμ'sのメンバーが全員揃っていた。
そして8人は私を見て。

「おかえり!真姫(ちゃん)!!」

と、大声で私を呼んでくれた。
フフッ、私ってやっぱり情けないのかな?
また涙が出てきちゃった……。

でも、いいよね?
今日ぐらいは泣いてもいいよね?
笑顔の魔法……なんだっけ?にっこにっこにー♪だっけ?

フフッ、やっぱりおかしな呪文。
だけど……、うん。
私はこの方が私らしい……かな?


「ただいま、皆」
14: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ (ワッチョイ a221-Qo7M) 2015/11/02(月) 23:45:06.85 ID:MKKdQHdl0.net
後日、

私達は音ノ木坂から卒業した後、居酒屋などでたまにμ'sメンバーで会うことになった。
エリーが希と同じ大学に行ってよく上級生から告白されるなんてことも聞く。
穂乃果は海未と同じ大学にギリギリ入れたようだ。

それでも相変わらず生活は変わんないらしく、海未にいまだに怒られている始末だ。
ことりは今は外国でファッション系を専門に勉強しているらしい。
たまに私に衣装を送ってくることがあるの。

そして、にこちゃんは凛と花陽と同じ大学で変なグループでアイドル活動をしてるらしい。
たしか……「にこりんぱな」だったかな?
フフッ、そんな感じので活動してるみたいなの。

今度、見て見たいな……。
あ、今のなし!
べ、別ににこちゃん達のダンスなんて見慣れてるわよ!だからいいの!

……そして、私ね。
私は今医大で猛勉強中よ?
遊んでる暇がないくらいにね。

でも、大丈夫。
私はもう迷わないから。
私の傍にはいつでも、μ'sがいるから。

……ありがと、穂乃果。
あなたがいたから、今の私があるの。
そして、あの時あなたが私を抱きしめて引っ張ってくれたから迷いがなくなったの。

だから、もう一度言わせて。

ありがと。


おわり
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