にこ「黒いパレード」

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にこ-アイキャッチ24
1: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:31:58.92
目が覚めたら白黒の世界だった。
よくバラエティ番組とか戦争の特番とかで見る、昔のモノクロテレビの映像の中にいるような感覚。
どうしてここにいるのかわからない。
服装も、さっきまで音ノ木坂の制服を着ていたはずなのに、白いワンピース姿になっていた。
・・・ま!にこにはすっごく似合ってると思うし、可愛いと思うから問題ないにこっ☆


そんな冗談はさておいて、どうしてここにいるのかがわからない。
あたり一面殺風景・・・所々瓦礫みたいなものが積み重なっている。
私はよくわからないまま、瓦礫が積まれていない、道みたいなところを歩いていく。
・・・靴も履いていない、素足のままなのに、不思議と痛くない。
歩みを進めていくと、後ろから何か声が聞こえる。
聞き覚えのある、声。
でも、その声が今は五月蝿くて、喧しくて、鬱陶しかった。
声のする方から離れるように歩くと、遠くに街みたいなものが見えてきた。
街の上空には飛行船が飛んでいたり、建物と同じぐらいの高さに風船が浮かんでいたり、時々花火みたいなものも上がっている。



------それは、とても楽しそうな場所に見えた。

元スレ: にこ「黒いパレード」

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2: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:33:05.33
−−−−−−−−−
−−−−−−
−−−

ぴっ・・・ぴっ・・・ぴっ・・・

ここは、病室。
機械につながれ、包帯に包まれ、人工呼吸器のマスクを取り付けられた女の子が、ベッドの上で眠っている。
それは、とても大切な人。
それは、私にとって、掛け替えのない存在。

−−−−−−にこちゃん・・・

私は静かに彼女の手を握り、名前を呼ぶ。
自然と涙が溢れ、頬を伝う。
私の目の前で、宙を舞った彼女の体。
鈍い音を立てて、地面に叩きつけられた瞬間を、私は決して忘れることができない。
信号無視をした車に撥ねられて、病院に搬送されてから、彼女はまだ目が覚めない。
それは永久とも思える時間を私に与えた。
3: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:33:41.25
もう、どれだけの時間が経ったのかわからない。
どれだけの間、見守っているのかもわからない。
友達も、親も、にこちゃんと同じぐらい、私のことを心配してくるぐらいには、ここにいた。



私は決めたの・・・にこちゃんが目覚めるまで、ここで見守り続けるって・・・
4: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:35:00.42
−−−
−−−−−−
−−−−−−−−−

楽しそうな声が聞こえる。
歌声と、音楽・・・どうやらパレードをやっているみたいだった。
私は喧しくてうっとうしいと思う場所よりは楽しい方に行った方がいいと思って、”パレード”へと足を向けた。

どうやら私が歩いている道がパレードの通り道のようだった。
旗を持って先導する人は私と同じぐらいの背丈の女の子。
私以外の人なんていないのに、歌って、踊って、手を振る演者さんたち。
その姿は見覚えがあった。

パレードの乗り物には、可愛らしく楽しい音楽には似つかわしくない、デフォルメされたドクロの模様があしらわれていた。
乗り物の一番高いところで、指揮者のように手を動かしてるのは・・・なんだ、絵里じゃない。
二番目に高いところで歌を歌ってるのは・・・あぁ、穂乃果とことりと海未のいつもの3人ね。
そして乗り物の前を、楽器を奏でながら歩くのは・・・希と凛と花陽ね。
5: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:35:30.84
・・・あれ?・・・一人足りないような・・・とても、大事な人が・・・いない気がする。

「ねぇ、あなた」

パレードを先導していた女の子が私に近づいて話しかけてきた。
見た目は私そっくり。
髪をリボンで括ったツインテールをぴょこんと揺らしながら、彼女は私に話しかけてきた。

「良かったら、パレードに参加しない?楽しい場所へ連れて行ってあげるわよ!」

彼女はとても明るい声で私に手を差し伸べながらそう言った。
6: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:35:59.35
−−−−−−−−−
−−−−−−
−−−


−−−−−−あれからどれだけの時間が経ったかなんて、私にはわからない。
時間ができたら、ずっとここにいたから。
いや、ここにいないといけない気がしたから。


機械が徐々に、にこちゃんの心臓の鼓動が弱まってきていることを告げてくる。
知ったことじゃないわよ・・・!
私は、待つって決めたんだから!
だから・・・早く、早く戻ってきてよ・・・いつもみたいにおちゃらけて「にっこにっこにー」ってやってよ・・・
宇宙ナンバーワンアイドルを目指すんでしょ?
だったら早く起きてよ。
起きなさいって言ってるでしょ!!
7: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:37:17.53
にこちゃんの命の鼓動は弱まっていくだけ。
徐々に、握った手の温もりも、私の温もりが伝わっているからなのか、元からの温かさなのかもわからなくなってくる・・・いやだ、いなくならないで・・・

にこちゃん・・・にこちゃん・・・!!
にこちゃん!!!にこちゃん!!!!!

気づいたら私は名前を呼び続けていた。
声が枯れようとしても、涙が枯れようとしても、私は名前を呼び続けた。
みんなはその様子に驚き、落ち着くように諭す。
でも、落ち着けるわけなかった。
終いには私からにこちゃんを引き剥がそうとする・・・
お願い、やめて・・・!

「離して!!離してよ!!!にこちゃん!!!にこちゃん!!!!」

私は大泣きしながら、名前を呼び続けた。

・・・・・・ピーーーーーーーーーーーー

終りを告げるアラームが鳴り響いても、名前を呼び続けていた。
8: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:38:08.34
−−−−−−−−−
−−−−−−
−−−


私は、手を差し伸べた女の子・・・いや、手を差し伸べてきた私の手を取った。
そうだ、ここは絶対に楽しい。
私は手を引かれながら、パレードの輪の中に足を踏み入れ−−−−−−−


ガシッ


不意に、誰かが私のもう片方の手を掴んできた。
私はその方向を見た。


−−−−−−真姫ちゃん・・・
9: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:38:40.45
とてもとても大切で、かけがえのない人。
さっきから姿が見えなかった、大事な人。
彼女は何かを必死に叫んでいた。

その声は、パレードの音にかき消されてきこえない。
どんなに聴きたくても、きこえない。
困惑する私をよそに、もう一人の私はもう一度私をパレードに引き入れようと私の手を引っ張った。
その時、私はパレードの様子がおかしいことに気がついた。



目の前にいるもう一人の私を含め、みんなに顔がなかった。
いや、厳密には口と鼻はある。
目の部分だけ、のっぺらぼうみたいに見えない。
表情が一切見えない。
仮に表情が見えても、多分無機質で無表情で・・・とても怖かった
10: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:39:19.47
「ひっ・・・」


何にも例えることができないぐらいの恐怖感が押し寄せてきた。
怖い、ここから先に行ったら、いったいどうなってしまうの・・・?
私は・・・わたシ、は、ドコへ、いクの・・・?



−−−−−−にこちゃん!!!



もう片方の手から、ゆっくりと温かさが流れてくる・・・
−−−−−−とても優しくて、心地よい温かさ。
繋いだ手の温もりの先、真姫ちゃんが目に涙をいっぱい浮かべながら私の名前を呼んだ。
ずっと聴きたかった声、やっと聞こえた声・・・私はその声に、気づいたら涙を流していた。


−−−−−−帰りましょう、みんなが待っている場所に!
11: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:39:41.20
私はもう一人の私の手を振りほどいて、真姫ちゃんと一緒に元来た場所へと走って行った。
走っていくに連れて、ゆっくりと心音みたいな音が聞こえてくる。
それは徐々に大きく、強くなっていく。
でも、喧しいと思えなかった−−−−−−だって、とても心地よい音だから。
・・・音が大きく強くなっていくに連れて、景色に色が付いてくる。
真姫ちゃんの綺麗な瞳も、綺麗な赤髪もゆっくりと色が付いてきてくる。
そして、走っていくに連れて・・・眩しくて、暖かくて、でも、すごく優しい光が広がっていく・・・



その光に包まれた私たちは−−−−−−−−−−
12: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:40:08.11
−−−
−−−−−−
−−−−−−−−−

ゆっくりと瞼を開いていく。

ぴっ・・・ぴっ・・・ぴっ・・・と、機械の音と、チクタクと、時計の針の音が聞こえる。


全身が痛い。
なんだか、身体中に管かなにかが取り付けてあるのかはわからないけど、動きにくい。
少しずつ意識が覚醒していく。
どうやら私は病院にいるみたいだった。
どうしてここにいるかはわからない。でも、私の顔を覗き込んでくる人の顔を見て、私は変な夢から覚めたことに気がついた。
13: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:41:05.75
−−−−−−にこ、ちゃん・・・・・・?


大好きで、大切で、心から大事にしたい人が、私と目が合ったことに驚いた様子だった。
あーぁ・・・顔もやつれて、髪もボサボサ、目の下クマだらけじゃない。
おまけにボロボロ泣いてるし・・・せっかくの美人さんが台無しじゃないの・・・。

「にこちゃん・・・どれだけ心配掛けさせるのよ!!何日も眠っちゃって!!!このまま目が覚めないんじゃないかって・・・!!!・・・ひぐっ・・・心配・・・したんだからぁ・・・」

・・・よくわからないけど、ごめんね・・・真姫ちゃん。

「でも・・・よかった・・・目が覚めて・・・よか・・・うっ・・・う・・っく・・・ひぐっ・・・ぐすっ・・・・・・」

「うわあああああああああああああああああん・・・生きてて・・・生きてて・・・本当に良かったよおおおおお・・・!!」

真姫ちゃんは、結構痛む私の体に顔を埋めながら大泣きした。

心配掛けてごめんね・・・
でも、これだけは言わせて・・・
14: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:41:28.13
「・・・ただいま、真姫ちゃん・・・ありがとう」



おわり
15: 名無しで叶える物語(さつま揚げ)@\(^o^)/ 2015/11/23(月) 23:42:29.09
とある曲を聴いていたらふと思いついて気づいたら一気に書いてました。
単に綺麗(?)なにこまきが書きたかっただけです。
地の文だらけで申し訳ない。
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