絵里「私たちの星が消えた日」

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絵里-アイキャッチ7
1: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:02:05.87 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
「それでは今日はこの辺にしましょう、最近は暗くなるのも早くなってきましたし早く帰るんですよ、特に凛!」

「にゃ!?」

「寄り道ばかりしてないで、早めに帰るんですよ」

「海未ちゃん凛にきびしすぎにゃ~」

練習の終わり、いつものようなやり取りにみんなが笑う
そんな姿をこの数か月私は見ていた
本当は上級生の私が頑張らなきゃなんて思うんだけど、海未が頼もしくてついつい頼っちゃう
融通が利かないのが玉に瑕、だけどね

元スレ: 絵里「私たちの星が消えた日」

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2: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:02:32.17 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
「どうしたんえりち、難しい顔して」

いけないいけない、顔に出てたみたいだ
すぐににこっと頬を緩ませ希へと向き直る

「いいえ、どうもしないわ、さぁ早く帰りましょ、海未ちゃんが怒っちゃう前にね」

わざと聞こえるように言いながら海未にウインク

「え、絵里まで・・・」

顔を赤くしながら海未がうろたえる
ほんと、単純なんだから

「そうやね、かえろっ」

きっと希は私の考えていることなんてお見通しなんだろうけど、
何も言わないでいてくれるところが希らしいわね
3: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:02:56.62 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
――――――――――
―――――


希と別れた帰り道、ふとスマホをつける
夕日の沈みかけた仄暗い路地に目に悪そうな光がぽうっとひとつ
別に何をしようというわけではない、手持無沙汰だったからなんとなくだ

パスワードを打ち込んで軽くスライド、現れた目立つアイコンを指ではじく
青い四角に白い鳥、我ら女子高生の味方、Twitterというやつだ

「なによこれ・・・ふふ」

起動したとたん、私の目に飛び込んできたのは一つの動画
顔も本名も知らないフォロワーの誰かがリツイートしたものらしい

「もう、独りで笑っちゃったじゃない」

ぽち、☆マークをタッチ
お気に入りに登録、こうするとなんだか満たされた気分になるのだ
4: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:03:21.95 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
Twitterなんて何が面白いのかわからない、なんて思う人もいるだろう
その考えは否定しないし、実は私もそうだった

『ぇ、えりちTwitterやっとらんの?』

希と仲良くなって、打ち解け始めたころ
勧められたのがこのTwitterというアプリだった
自分が何をしているのかなんて実況して何が楽しいんだろう
初めはそう思っていたけど、気が付いたらこのありさまだ

趣味があう、自分のことを知らない人だから、顔が見えないから、理由を言えば後付けになってしまうだろうが、きっとこんな感じ

うみみ<私、厳しすぎるのでしょうか・・・

「ぁ、海未がつぶやいてる・・・、ふふ、そんなことないのに」
5: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:03:42.50 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
うみみ<私、厳しすぎるのでしょうか・・・
 L エリー<気にしなくても大丈夫よ♪

融通が利かないのは周りの人に対してだけじゃなく、自分に対してもみたい
だからそんな海未を時々私たちは支えなくちゃいけないし、こうやって支えてあげられることを私は誇りにすら思っている

「こうやって簡単に言葉が交わせるんだから、Twitterは素敵よ」

ぽちっと、☆マークをタッチ
海未のつぶやきをお気に入りにする

ピコン

【うみみさんがあなたのツイートをお気に入りに登録しました】
6: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:05:40.24 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
星のマークをタッチする、ただそれだけのはずなのに、お互いがお互いを笑顔にできる
無言のやり取りなのにほんと不思議よね
魔法みたいだわ、にっこりのまほうーってね

「家に着いたみたい」

こうやって退屈な時間を忘れさせてくれることも、ほんと素敵よね
7: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:06:03.45 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
―――――――――
―――――
―――

「お姉ちゃんおきてーー」

耳元でかわいい声が聞こえる
この声は、亜里沙ね

「一緒に遊びに行くんでしょ」

そうだった、今日は亜里沙と一緒にショッピング
でも少し眠いわ、そうだ

「ねぇ、おねえちゃーん・・・ってわわ」

ポスン

「うふふ、捕まえた、もう少しだけ眠りましょ」
9: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:07:56.14 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
横になったまま亜里沙を抱き寄せて、大きく息を吸う
亜里沙のかわいらしい匂いが鼻腔をくすぐった

「もぅ、しょうがないなぁお姉ちゃんは」

抵抗をやめて体を預けた亜里沙を抱きながら、私は枕もとのスマホを手に取った
時間は7:35

「もぅ、楽しみだからって早く起こしすぎよ亜里沙」

「えへへ」

そのままの姿勢でもう一度画面を見ると、一つ通知があることに気が付いた
これは、Twitterかしら・・・

【ほむまんさんがいいねしました】
10: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:08:49.76 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
「・・・?」

確かにアイコンはTwitterのそれだけど・・・いいねって何かしら
私は急いでTwitterを起動させる、すると・・・

「星が・・・ない」

そう、そこには星がなかった

RIN<☆がなくなったにゃ~!?!?!?

おこめ<と、突然すぎてびっくりです・・・

サウスちゃん<なんぞこれ・・・

タイムラインもそのことであふれかえっていた
そして今まで☆があった場所には・・・

「ハートまーく・・・?」
11: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:09:52.19 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
試しに押してみる
すると星の時と同様に色が付いた、だけど・・・

「ぜんぜん、満たされないわ・・・」

どうやら、私が寝ている間にこの変化は訪れたらしい、
タイムラインをスクロールすると一つのつぶやきが目に留まった

カサブランカ<今日って告白の日だからハートマークなんでしょ?

「告白の日・・・?」

告白の日だからハートマーク、
冷静に考えれば、こんなことはあり得ない、そう気づけるはずだった
だけど、星を失った私は、いえ私たちは、その言葉を信じて疑わなかった
12: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:14:01.01 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
―――――
―――


時刻は23:58分
そろそろ日付が変わろうとしている
いつもならすでに眠りについているこの時間に私が起きてる理由はただ一つ

「お気に入り、のほうがいいわよ、やっぱり」

あと少しでハートマークは、きれいさっぱりもとどおりの星へ変わる
私はその時を待っていた

のこり10秒
心の中で秒読みをする、かわったら、つぶやいてやるんだ
心の底からのおかえり!を私たちの星に言ってあげるんだ
だから・・・おねがいだから・・・

「・・・かえって・・きてよ・・・」
14: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:15:01.11 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
時刻は00:00と何秒か
星は、帰ってこなかった
心のときめきを覚えた時にふと親指が伸びるばしょには、いまだにハートマークが居座り続けていた

「・・・ぅそ・・・」
15: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:15:34.54 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
ぽとり、スマホを取り落とす
その画面には、おかえりの文字
つぶやかれることのない迎えの言葉

『ねぇ希、この星マークってなに?』

『それはなぁ』

『ま、間違っておしちゃったわ・・・』オロオロ

『だ、だいじょぶやよ、えりち』

ピコン

『な、なにかきた・・・』

<お気に入りありがとうございます

『は、はらしょ・・・』

『そんなかんじにつかうんよ』

『このボタン、すごく素敵だわ!』
16: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:22:35.67 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
「なんで・・・」
20: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:35:39.71 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
『この人、みんなから人気で喋りかけづらいわ・・・』

『うん、こういう時のお気に入り、よね』

『これからも応援しています』


「なんでよ・・・」
21: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:36:18.97 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
『あ~、あの猫可愛い!つぶやいちゃお』

エリー<かわいい親子の猫発見( *´艸`)

ピコン

『ぁ、お気に入りしてくれた、ふふ』

『やっぱりうれしいわよね』


「なんで、かえってこないのよ・・・」ポロポロ
22: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:36:57.09 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
気が付くと、私の頬を涙が伝っていた

「ハートじゃ・・・ないのよ、つぶやきを見た時の感情は・・・星なの!」ポロポロ

ハートじゃ、ないんだ・・・

「かえしてよ・・・」ポロポロ

「かえして・・・!私たちの星を・・・!かえして・・・よ・・・」ポロポロ

ガチャ

「おねえちゃん・・・」
23: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:37:32.65 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
私泣き声が聞こえたのか、亜里沙が入ってきた

「あ、亜里沙・・・」

「お姉ちゃん・・・ないてるの?」

不安げな瞳が私を見つめる

「ぇ、う、ううん、ダイジョブよ亜里沙、起こしちゃった?起こしちゃったなら・・・」

涙を抑えようと、亜里沙の前ではしっかりとした姉を演じようと、そんな思いが紡いだ言葉が涙の代わりにこぼれ出てくる
だけど亜里沙は

ギュ

ただ何も言わず私を抱きしめてくれた・・・
24: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:38:29.00 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
「あ、ありさ・・・?」

「お姉ちゃん、我慢しちゃダメ、お姉ちゃんが涙を堪えたら・・・誰が泣いてあげるの?」

「あ、ありさぁ・・・う・・・うぅ・・・」

「素直に泣くことも大事だって、おばあちゃんも言ってたでしょ?だから泣いていいんだよ、その間、ずっとそばにいてあげるから」

その晩、私は初めて亜里沙の前で大泣きした
大切なものは、失ってから気付く、本とかドラマとかアニメとか、いろんなところで意味ありげに言われているセリフ
私はわかったつもりだったんだ、だけど全然わかってなかった
だって、あって当たり前だと思ってたものが次の瞬間にはなくなってるなんて誰も想像できないんだから

今が最高、なのよ

星、あなたのおかげで私は知ることができた、この悲しみ、無念さ
だから、安心して眠りなさい、ずっと、覚えていてあげるから・・・


おしまい
25: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:39:53.66 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
一昨日あたりが☆さんが亡くなってから四十九日だったらしいので勢いで書いてみました。
ちなみにハートでもいいかなぁと思い始めてる筆です
27: 名無しで叶える物語(筆)@\(^o^)/ (中止 0+19-d0hp) 2015/12/25(金) 13:41:40.33 ID:mDe0xYZJ+XMAS.net
真姫「十五夜チケット」
希「凛ちゃんがやってきた」
教えて真姫ちゃんの経済学

URL貼っていいものかよくわかんないので、一応タイトルだけ
上もよろしくお願いいたします

読んでくださった方ありがとうございました><。

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